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JP2006336029A - 連続スパッタ装置および連続スパッタ方法 - Google Patents

連続スパッタ装置および連続スパッタ方法 Download PDF

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JP2006336029A JP2005158395A JP2005158395A JP2006336029A JP 2006336029 A JP2006336029 A JP 2006336029A JP 2005158395 A JP2005158395 A JP 2005158395A JP 2005158395 A JP2005158395 A JP 2005158395A JP 2006336029 A JP2006336029 A JP 2006336029A
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Sadao Kadokura
貞夫 門倉
Hisanao Yasufuku
久直 安福
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Abstract

【課題】幅の広い長尺のフィルムに、複数層の膜を生産性よく、低コストで製造する。
【解決手段】真空槽20中でロール・ツ・ロールでフィルム10をスパッタユニット50と対面領域を通して搬送しつつその上に連続的に成膜するようにした連続スパッタ装置において、スパッタユニット50が、6側面を有しその内の一つを長方形の開口した開口側面とした直方体状の枠体と、該枠体の開口側面に隣接するその長辺側の2側面に対向するように気密に設けられた、ターゲットとこれを冷却するバッキング部とからなるターゲットモジュールを前記開口側面長辺方向に並置した複合ターゲットモジュールと該複合ターゲットモジュールの周囲に設けられたターゲット面に垂直方向の対向モードの磁界を形成する磁界発生手段とからなる一対のターゲット部とを備え、残りの3側面が密閉された箱型スパッタユニットである。
【選択図】図2

Description

本発明は、対向ターゲット式の箱型スパッタユニットを用いた連続スパッタ装置および連続スパッタ方法に関し、特に長尺の幅の広いフィルムを搬送しつつこれに連続的に成膜を行うに好適な連続スパッタ装置と連続スパッタ方法に関するものである。
長尺のフィルムを搬送しつつこれに連続的に成膜を行うスパッタ装置については、既に多くの提案があり、特にスパッタ装置として対向ターゲット式スパッタ装置を用いたものも知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方で、近年、二酸化炭素排出削減の対策の一手段として、自動車や住宅に透明断熱ガラスを用いることが注目され、これについては多くの提案がなされている。それらの多くは、金属酸化物層と金属層を交互に積層する(例えば、特許文献3参照)など、異なる材料からなる複数の膜を積層するものである。通常、これらの金属酸化物層や金属層などの膜はプラスチックフィルムなどの透明フィルム上に成膜され、透明断熱フィルムとして提供される。そして、透明断熱ガラスは、透明断熱フィルムをガラス板に貼り付ける、あるいは2枚のガラス板間に挟み込むことによって形成される。
米国特許第4,784,739号明細書 米国特許第4, 842,708号明細書 米国特許第4,337,990号明細書
住宅、ビル、自動車建物の省エネルギーは近年喫緊の課題となっており、透明断熱フィルム、透明断熱ガラスに大きな期待が寄せられているが、未だ高品質の透明断熱フィルムを量産性よく生産する技術は確立されていない。その原因の一つは、プラスチックフィルムのような長尺・大面積の基板に多層構成の機能性膜を均一な界面で生産性よく積層する成膜技術が確立していない点にある。
これに対して、その低温成膜できる点から前述の対向ターゲット式スパッタ装置の適用が考えられる。しかし、従来の対向ターゲット式の連続スパッタ装置では、膜を堆積するスパッタ源のスパッタユニットが真空槽内にあるため、真空槽が大型になる問題、幅の広いフィルムに対応するには細長いターゲットとなり、均一な冷却が難しい問題、さらには機械的な強度面からの取扱い性が悪くなる問題等がある。また、成膜が行われる度に、フィルムの巻かれたロールを大気中に取り出す必要があり、真空状態を維持しつつ異なる材料からなる複数層の薄膜を長尺のフィルム上に形成することは困難であった。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、プラスチックフィルムなどの幅の広い長尺のフィルムに、複数層の膜を均一な界面で生産性よく、低コストで製造できる連続スパッタ装置および方法を提供することである。
上記の目的は、以下の本発明により達成される。すなわち、本発明の第1の発明は、内部に巻取り・巻き出し機により駆動され、長尺のフィルムを巻取り、巻き出すことができる第1および第2のロール取着軸を備えた真空槽と、該真空槽に取着された、フィルム上に成膜するスパッタユニットとを具備し、一方のロール取着軸にセットされたロールからフィルムを巻き出し、前記真空槽の前記スパッタユニットと対面する領域を通して搬送して、他方のロール取着軸でロールに巻取り、フィルムを搬送しつつその上に連続的に成膜するようにした連続スパッタ装置において、
該スパッタユニットが、6側面を有しその内の一つを長方形の開口した開口側面とした直方体状の枠体と、該枠体の前記開口側面に隣接するその長辺側の2側面に対向するように気密に設けられた、ターゲットとこれを冷却するバッキング部とからなり独立して気密に取着できるようにしたターゲットモジュールを前記開口側面の長辺方向に複数個並置した複合ターゲットモジュールと、該複合ターゲットモジュールの周囲に設けられたターゲット面に垂直方向の対向モードの磁界を形成する磁界発生手段と、をそれぞれ備えた一対のターゲット部と、を備え、前記枠体の開口側面を除く残りの3側面が密閉された箱型スパッタユニットであり、この箱型スパッタユニットをその開口側面がフィルムと対面し、その開口側面の長辺がフィルムの搬送方向と直交するように配置し、フィルムを搬送しつつ成膜するようにしたことを特徴する連続スパッタ装置である。
本発明の第2の発明は、この第1の発明を利用したものであって、真空槽内で、フィルムを一方のロールから巻き出し、薄膜を形成するスパッタユニットに対面する領域を通って搬送し、他方のロールに巻き取り、長尺のフィルムに対し、搬送しつつ連続的に成膜を行う連続スパッタ方法において、
該スパッタユニットが、6側面を有しその内の一つを長方形の開口した開口側面とした直方体状の枠体と、該枠体の前記開口側面に隣接するその長辺側の2側面に対向するように気密に設けられた、ターゲットとこれを冷却するバッキング部とからなるターゲットモジュールを前記開口側面の長辺方向に複数個並置した複合ターゲットモジュールと、該複合ターゲットモジュールの周囲に設けられたターゲット面に垂直方向の対向モードの磁界を形成する磁界発生手段とを具備した一対のターゲット部と、を備え、前記枠体の開口側面を除く残りの3側面が密閉された箱型スパッタユニットであり、複数の箱型スパッタユニットをフィルムの搬送路に沿ってその開口側面の長辺がフィルムの搬送方向と直交するように配置し、複数層の膜を真空を破ることなく積層することを特徴とする連続スパッタ方法である。
従来の対向ターゲット式の連続スパッタ装置では、前述する通り、幅の広いフィルム等の基板に成膜する場合、ターゲットが基板の幅方向に非常に細長くなり、安定した均一な冷却が難しく、また取扱い中に折損する等取扱い性が悪い問題があった。また、真空槽にスパッタユニットが真空槽の中に設置されるため、真空槽が大型化し、且つターゲットの冷却配管等も真空槽の中に設けなければならず、真空槽内構成が複雑になり、設備費面、収納室面、保全面、生産面等でいろいろな問題があった。
これに対して、第1発明は、スパッタユニットを箱型ユニットとしたので、真空槽の側壁に開口を設けてこれに箱型ユニットの開口側面を取り付けるのみでよく、従って真空槽は基板を搬送できればよく、非常に簡単な構造で且つその容積も非常小さくなる。そして、そのターゲット部は、製作し易く、取扱い性も良く、均一な冷却ができる適当な長さのターゲットとこれを冷却するバッキング部とからなるターゲットモジュールを複数個開口側面の長辺方向に個々に密封して取着し、これによりターゲットは開口側面の長辺方向に複数個並置した複合ターゲットとなっており、従って幅の広いフィルムに対しても並置するターゲットモジュールの個数を増すのみで対応できるので、均一な冷却ができ、大きな電力を投入できて充分な生産性が確保できると共に取扱い性、保全性もよく、コスト面でも有利である。
また、第2発明は、第1発明の装置で真空槽に複数のスパッタユニットを設置し、複数層の膜を真空を破ることなく積層する方法であり、界面が大気に曝されないので、下地になる層の膜質劣化がなく、対向ターゲット式スパッタ法の特徴が一層発揮されて界面に不純物の少ない均一な界面の積層体が得られる。
また、従来のマグネトロン型のスパッタ装置や開放型の対向ターゲット型スパッタ装置を用いた場合には、真空室を共通として異なる材料の膜を同時並行的に成膜することは困難であったが、本発明の真空室(スパッタ室)に、密閉性の高い箱型対向ターゲットスパッタユニットを取り付けるという構成を採る場合には、スパッタ粒子が隣接するスパッタユニットへ侵入することがなく、長尺のフィルムに同時に並行して複数の材料からなる膜を成膜することが可能になる。
また、従来型の例えばマグネトロン型のスパッタ装置を用いてプラスチックフィルム上に成膜を行う場合には、スパッタ粒子が大きなエネルギーをもって基板上にデポジットするため基板表面がダメージを受け、さらにスパッタ部からの熱により基板のフィルムの変質あるいは変形等が生ずるため、膜質および表面モフォロジの優れた膜を得ることが困難であったが、箱型対向ターゲットスパッタユニットを用いる場合には、基板表面がスパッタ粒子によって荒らされることがなく、表面平坦性の高い成膜が可能になる。また、箱型対向ターゲットスパッタユニットを用いる場合には、スパッタ粒子やスパッタ部からの熱により基板表面が過熱されることがなく、そのため基板冷却装置を装備する必要がなく基板を温度フリーの状態で成膜が可能であるため、装置全体をコンパクトに且つ安価に構成することが可能になる。
図1は、本発明の連続スパッタ装置によって製造される透明断熱フィルムの積層構成を説明する側断面図である。
図2は、本発明の連続スパッタ装置であるロールツロール方式の箱型対向ターゲット式スパッタ装置の構成を示す説明図である。
図3〜7は、図2の箱型対向ターゲット式スパッタ装置の箱型スパッタユニットの構成の説明図である。
本発明の連続スパッタ装置は、各種のフィルム上に機能性膜を堆積した機能性フィルムの製造に用いられる。かかる機能性フィルムとしては、透明導電性フィルム、電磁遮蔽フィルム、フィルム状太陽電池、後述の透明断熱フィルム等が挙げられる。
中でも、可視光を透過し、赤外領域の熱線を反射する透明断熱フィルムは、建物の窓、自動車の窓等からのエネルギーロスの防止に有効で、省エネルギー面から注目される。そして、自動車のフロントガラス、ホテルの窓ガラス等に適用できる高性能な透明断熱フィルムが待望されている。かかる透明断熱フィルムの代表例は、図1に示すように、透明基板10上に光補償層11/金属層12/光補償層13/金属層14/光補償層15の5層を順次積層したものである。ここでは、層数は5であるが、積層の層数は用途に応じて選択されるが、通常は3〜7層で選択される。
透明基板10としては、プラスチックフィルム、具体的にはポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム等市販のものが用いられる。フィルムの厚みは、30〜150μm程度のものが用いられる。
金属層12、14としては、金(Au)、銀(Ag)及び銀合金等が用いられる。後述の実施例に示す金(Au)、銅(Cu)或いはネオジウム(Nd)の少なくとも2元素を含む3元の銀合金は、耐久性、コスト等の面から好ましく用いられる。また、光補償層11、13、15として、通常は透明誘電体が使用される。しかし、実施例に示すようにこれに代えて金属酸化物からなる透明導電体を用いると、可視光透過率と日射遮蔽特性において一段高い性能が達成できる。透明導電膜としては周知のITO(インジウムと錫の複合酸化物)等が適用できるが、耐久性面からインジウムと錫と亜鉛との複合酸化物(ITZO)が好ましく用いられる。なお、かかる元素数が多い組成の膜を形成する場合には、後述の成膜実施例に示すように個々には組成が該元素数より少なく、対向した両方を組み合わせると膜組成となるターゲットを用いると、個々のターゲットが製造容易で、品質的にも安定し、結果として膜の品質が安定し、コスト面でも有利である。
図2に、本発明の連続スパッタ装置の実施例として、前述の5層構成の透明断熱フィルムを高品質かつ低コストで生産できる対向ターゲット式スパッタ装置を示す。
図から明らかのように、本装置は、基板の長尺のフィルム10をロールツロールで搬送しつつ連続的に成膜する連続スパッタ装置となっている。真空槽20は両端部のロール室20a、20bとその中間に位置するスパッタ室20cからなり、スパッタガス等を供給するガス供給系30と槽内を排気する排気系40が接続されている。排気系40は両ロール室20a,20bに接続して、排気時間の短縮を計っている。なお、図示省略したが、ロール室20a,20bとスパッタ室20cの間に仕切り弁を設け、各室間を遮断できるようになっている。これによりロール交換時にもスパッタ室20cが真空に保持できるので、ターゲット表面の酸化等が防止され、生産性、品質面、保全性等の面で大きな効果がある。
ロール室20a、20bには、巻取り・巻き出し機(図示省略)のロール取着軸21、22が配置され、この一方のロール取着軸21に基板のフィルム10のフィルムロール10aがセットされ、他方のロール取着部22にフィルム10を巻き取る巻芯(図示省略)がセットされる。すなわち、フィルム10は、フィルムロール10aから巻き戻されて、スパッタ室20cを通って搬送され、そこで所望の機能性膜が堆積され、再びフィルムロール10bに巻き上げられるようになっている。図の23はフィルム10の張力を検出する張力検出器で、24はフィルム10の搬送速度を検出する速度検出器であり、ともに市販のものを用いている。そして、図示省略したコンピュータからなるコントローラにより、速度検出器24の速度信号によりロール取着軸22の巻取り・巻き出し機の速度を、張力検出器23からの張力信号によりロール取着軸21の巻取り・巻き出し機のトルクを制御して、フィルム10を設定された一定速度、一定張力で両方向に搬送できるようになっている。図の25は、フィルム10の搬送路を形成するフィルム10の幅以上の長さを有する自由に回転するフリーロールで、フィルム10が図示のように各箱型スパッタユニット50の開口部に対面してその前方の成膜領域の空中を走行するようにフィルム10を案内するように配置されている。なお、成膜領域は、開口部の前方で膜が堆積できる領域であり、開口部に近ければ堆積速度は大きいが均一に成膜できる面積が小さく、遠くなれば堆積速度は小さくなるが該面積は大きくなり、その程度は成膜条件、材料等によって異なる。従って、実験により最適な位置を選ぶのがよいが、通常その範囲は開口から1cm前後〜30cm前後の範囲である。このようにスパッタ室20cはフィルム10の搬送路を形成するフリーロール25を収納できればよく、従って非常に簡単な構成でその容積も小さくなり、設備コスト面でも大きな効果がある。なお、フィルム10の幅が50cmを越える広幅の場合には、このフリーロール25の少なくとも1個を中心部の径が次第に大きくなる太鼓状のエキスパンダーロールを用いることが好ましい。これによりフィルム10の幅方向に適度の張力が付与され、成膜時の走行が安定化する。
スパッタ室20cには、本例では、3層以上の積層膜からなる透明断熱フィルムの製造を生産性よく製造できるように3個の箱型スパッタユニット50が設けられている。従って真中の箱型スパッタユニット50に銀層の銀ターゲットを、両端の箱型スパッタユニット50に光補償層用の金属酸化物ターゲットをセットすることにより、1パスで透明導電層/銀層/透明導電層のファブリ・ペローの干渉フィルター構成が製造できる。また、一往復することにより図1に示す5層構成の透明断熱フィルムが製造できる。なお、この箱型スパッタユニット50の個数は、生産性、設備費等に関係し、目的に応じて選択する。
ところで、本実施の形態の箱型スパッタユニット50は、図3〜7に示す構成となっている。図3は、この箱型スパッタユニット50の、部分的に断面図にて示す斜視概略図である。図示のように本例の箱型スパッタユニット(以下、箱型ユニットと略称する。)50は、ターゲット部100a、100bを直方体状の枠体51の図で左右の対向側面51a、51bに気密に取着し、基板のフィルム10に面する図で下側のフィルム10の幅方向が長い長方形の開口側面51f以外の側面51c〜51e(図で手前側の側面51cは図示無し)を遮蔽板52c〜52e(図で手前側の側面51cの遮蔽板52cは図示無し)で気密に遮蔽して、開口側面51fのみが開口し、その他は密閉された箱型構成としたものである。
ターゲット部100a、100bの対向する面側には、図4、図5に示すように基板のフィルム10の幅方向に並べられてそれぞれ2枚ずつターゲット110a、110a;110b、110b(110bは図示なし)が取り付けられている。また、ターゲット部100a、100bにはターゲット面に垂直な対向方向の対向モードの磁界とターゲット面に平行なマグネトロンモードの磁界をターゲット周縁部に形成するための永久磁石130a、130bと、このマグネトロンモードの磁界を調整するための永久磁石180a、180bとが装着されている。永久磁石130a、130bと180a、180bとは、固定板132a、132bと182a、182bを用いてそれぞれ収納部内に固定されている。ターゲット部100a、100bの背面には、永久磁石132a、132bと永久磁石182a、182bとを磁気的に結合するためのポール板191a、191bが設置されている。ポール板191a、191bには、冷却水の供給管と排水管を通すための開口193a(図示なし)、193bが開設されている。
ターゲット部100a、100bの前方(本明細書においては、前方とは対向するターゲットの対向面側の内側方向を意味し、後方とはその反対面の外側方向を意味する)には、それぞれ電子を吸収するための後述の管状電極(図3では本体部は図示省略)が設置されており、この管状電極の脚部201b、201c(201cは図示なし)は遮蔽板52eから引き出されている。
本実施の形態の対向したターゲット部100a、100bは、枠体51に一体的に取付・取外し可能なユニット構成になっている。
図4は、本実施の形態に用いたターゲット部の斜視図であり、図5は図4でのA−A線での断面図である。図4、図5は、ターゲット部100aの図であるが、ターゲット部100bは磁界発生手段の永久磁石130aと磁界調整手段の永久磁石180aの磁極N、Sの配置が逆になる点を除いてこのターゲット部100aと同じ構成であり、その詳細図は省略する。
図4に示されるように、ターゲット部100aは、支持体部150aのフランジ155aにより枠体51に着脱可能に取り付けられる構成となっている。そして、本実施の形態においては、ターゲット部100aは、以下のように支持体モジュールと2つのターゲットモジュールとのモジュール構成になっており、支持体モジュールの支持体部150aにはターゲットモジュール200a、200aが取り付けられている。ターゲットモジュール200a、200aは、バッキング部113a、113aとその表面上に固着されたターゲット110a、110aとから構成される。バッキング部113a、113aの内部には、冷却溝161a、161aを形成する隔壁162a、162aが設けられており、ここに冷却ジャケット160a、160aが構成されている。冷却溝161a、161aは、その両端部が冷却水の供給・排水の行われる接続口163a、163aに接続されている。また、冷却溝161a、161aは、可能な限り広くターゲット110a、110aの裏面をカバーできるように形成されている。
図5に示すように、前面にターゲット110a、110aが固着されたバッキング部113a、113aは、支持体モジュールの支持体部150aの前面に設けられたターゲットモジュール取り付け部の凹部152aにその周辺部で一定間隔のボルト111aにより交換可能に取り付けられている。
冷却ジャケット160a、160aは、バッキング部113a、113aの厚い板状体からなるバッキング本体114a、114aの後部に隔壁162a、162aを備えた段付凹部を形成し、この段部に接続口163a、163aを形成したバッキング蓋体115a、115aを溶接して段付凹部を密閉することにより形成されている。なお、バッキング部113a、113a、隔壁162a、162aは熱良導材、具体的には本例では銅により形成されている。また、図示省略したが、接続口163a、163aには接続具を介して合成樹脂のチュ−ブが貫通孔154aを通して配管され、冷却ジャケット160a、160aに冷却水を通すことができるようになっている。
そして、このバッキング部113a、113aの前面にターゲット110a、110aを熱良導性の接着材(たとえばインジウム)で接着して、ターゲットモジュール200a、200aとする。このターゲットモジュール200a、200aは、真空シール用のOリング116aにより冷却ジャケット160a、160aが真空側(対向空間120側)から遮断されるようにして、下記に詳述する支持体モジュールの支持本体部151aの前面の凹部152aに該凹部152aの表面にバッキング部113aの後面が直接接するように取着される。
なお、本実施の形態では、各ターゲット部に2枚ずつのターゲットを並置しているが、一つのターゲット部に配置されるターゲット数は成膜の行われるフィルムの幅によって任意に決定されるものであり、3枚以上とすることもできる。
以上のように構成されたことにより、フィルムである基板のターゲット面と平行方向具体的にはフィルムの幅方向に実効的に長大なターゲットの使用が可能になり、幅の広いフィルムへ成膜することが可能になる。そして、ターゲットモジュール200a、200a2毎に独立した冷却ジャケット160a、160aが設けられており、フィルムの幅方向に適度な長さのターゲット110a、110a2毎に独立して冷却されるので、冷却むらなく効果的な冷却を行うことができ、安定な成膜ができる。また、効果的な冷却により投入電力も大きくできるので、成膜速度も大きくでき、生産性も向上する。なお、各冷却ジャケット160a、160aに独立して冷却水を供給することができるが、状況に応じて配管を直列接続として一方の冷却ジャケットの排水を他方の冷却ジャケットへ供給するようにすることもできる。
本実施の形態では、ターゲットの実効的なフィルムの幅方向の寸法を大きくしたものであるが、後述する磁界調整手段の永久磁石180aを用いることによりターゲットのエロージョンをフィルムの幅方向に均等化することができ、フィルム上にはその幅方向に均一な膜厚の膜形成を行うことが可能になり、全体としての均一な膜形成できる。
支持体モジュールは、熱良導材、本例ではアルミニウムのブロックから切削加工により図示のように成形された一体物の支持体部150aからなる。そして、その取付部のフランジ155aにおいて電気絶縁材、本例では耐熱性樹脂からなるパッキン156a及び真空シール用のOリング117a、118aを介して枠体51に一定間隔のボルト112aにより電気絶縁されて気密に取り付けられている。
支持体部150aは、図4に示すように、外形は直方体の支持本体部151aの図で下面の後面側に枠体51への取り付け用の所定幅のフランジ155aを突設した構成となっている。そして、図5に示すように、支持本体部151aの前面(図で上面)には、ターゲットモジュール200a、200aを取り付ける凹部152aが形成され、凹部152aを囲む周壁部153aには磁界発生手段の永久磁石130aを収納する収納部131aが大気側の後面側(図で下面)から穿設されている。
ところで、このモジュール取着部の凹部152aは、2個のターゲットモジュール200a、200aが取り付けられるように、図7に示すようになっている。すなわち、凹部152aのモジュール取着部の底面を基板のフィルム10の幅方向において二つの区画に分割し、この各区画にバッキング部113a、113aの背面にセットするOリング116aのシール面119aを形成して、ターゲットモジュールを独立して個々にシールして取着できる取着区画としてある。従って、この各取着区画にターゲットモジュール200a、200aを取着することにより複数のターゲットモジュール200a、200aがフィルム10の幅方向に連なった合成ターゲットモジュールが構成される。図7では、図面の簡略化のため、取付用のボルト孔は図示省略した。
本実施の形態では、周壁部153aの前方(図5での上方)側端面をターゲットモジュール200a、200aのバッキング部113a、113aの庇部とターゲット110a、110aの端部が覆っている。この構成においては、この庇部とその上のターゲット端部が電子を反射する電子反射手段と同じ作用をするが、後述の電子反射板を支持部材を介してバッキング部113a、113aに取り付ける従来の構成に較べ、このターゲット端部が直接バッキング部113a、113aの庇部に接着されるので一層良く冷却され、大きな電力が投入できるので全体として生産性が向上する効果が得られる。さらにターゲット周囲の構成が非常に簡素となり、保全面、コスト面でも大きな利点がある。ただし、このターゲット端部で電子反射機能を持たせる構成は、磁性材のターゲットの場合にはマグネトロンモードの磁界の形成が難しい。かかる場合も含めて、ターゲット110a、110aの周縁部の前面近傍にマグネトロンモードの磁界をより確実に形成できるようにする必要がある場合には、周壁部153aとの重なり部のバッキング部113a、113aの庇部とターゲット110a、110aの端部を削除し、かつ、周壁部153aすなわち永久磁石130aの磁極端を高くしてその前方に電子反射板を設けた構成として、永久磁石130aの前方側の磁極端面が実質的に槽内側にターゲット110a、110a前面より少し突き出すようにすることが好ましい。
また、支持体部150aの支持本体部151a後面側の中央部には基板のフィルム10の幅方向に、磁界調整手段の永久磁石180a(図3参照)を取り付けるための溝部が所定深さにターゲット110a、110aのほぼ全長に渡るように穿設されている。なお、この溝部には全溝部を埋めるように永久磁石(180a)を設置しても良く、又必要な個所にのみ設けてもよい。磁界調整手段の永久磁石(180a)と磁界発生手段の永久磁石130aとは、固定板(182a)、132aを介して強磁性体からなるポール板191aにより磁気的に連結されている。なお、ターゲット部100a、100bのポール板191aと191bは、磁気的に結合することが対向モードの磁界の安定化、増強等の面から好ましいが、これには遮蔽板〔52c(図示なし)、52dまたは52e〕上を全面的覆う強磁性体からなる連結板、あるいは真空槽20の槽壁20dと枠体51との間に介在できる、開口部に対応する開口が形成された強磁性体からなる連結板が適用できる。なお、ポール板191aの取り付けは、永久磁石130a、180aの磁力で十分に安定して保持できるので、これらの磁力のみで可能であるが、安全のためビス等で固定することもできる。ポール板191aは、ターゲット部100aからは電気的に絶縁されており、例えば接地電位に保持されている。
収納部131aは、図5に示すように、槽外の大気側から磁界発生手段の永久磁石130aを出し入れできるように、大気側に開口した所定深さの溝穴から構成されており、永久磁石130aはこの収納部131aの溝穴に図示の磁極配置で挿着される。永久磁石130aは、本例では所定長、所定幅の板状のアルニコ等市販の永久磁石を用いている。そして、所定数個の永久磁石130aをターゲット110aと110aとで構成される複合ターゲット(すなわち110a+110aの仮想ターゲット)の外周部に沿って配設し、電気絶縁材、本例では薄い樹脂板からなる固定板132aを接着して固定してある。
また、永久磁石130aは、前述の図3に示す通り、上記の配置構成により、プラズマを閉じ込める磁界として、対向するターゲット部100bの永久磁石130bと共同して対向空間(対向する4枚のターゲットによって形成される空間)120を囲繞するターゲットに垂直な方向の対向モードの磁界を形成する。また、永久磁石130aにより、あるいは場合により永久磁石180a及びポール板191aと共同して、永久磁石130a上のターゲット110a、110aの周縁部からターゲット110aと110aとによって構成される複合ターゲット(110a+110a)の中央部寄りの表面に向かう円弧状のマグネトロンモードの磁界を複合ターゲット(110a+110a)の周辺に沿って生ずる。そして、前者の対向モードの磁界で複合ターゲット(110a+110a)の中心部のスパッタが、後者のマグネトロンモードの磁界ではその周辺部のスパッタが主として支配され、全体として複合ターゲット(110a+110a)の全表面に渡ってほぼ均一なスパッタが実現される。
上述したように、本実施の形態では、マグネトロンモードの磁界を全体的に強めるように磁界調整手段の永久磁石180aが配置され、固定板132aと同じ薄い樹脂板からなる固定板182aを接着して固定してある。この磁界調整手段によりターゲット110a、110aの周辺部の前面近傍に形成されるマグネトロンモードの磁界を調整できるので、対向モードの磁界と独立にマグネトロンモードの磁界で支配されるターゲットの周縁部のプラズマ拘束を調整でき、ターゲットのエロージョンの均一化、更には形成される薄膜の基板幅方向の膜厚分布の均一化が実現できる。
ところで、前述したように、箱型ユニット50では、開放型に比べて、箱型空間内への電子の閉じ込めが強く、開口部からのエネルギー失った低エネルギーの熱的電子の流出が生じると言う問題が起こる場合がある。これに対処して、対向空間であるプラズマ空間から直接電子を吸収する補助電極が、図3においてはその脚部201bのみしか示さなかったが、設けられている。図6は、補助電極201が取り付けられた状態を示す遮蔽板52eの斜視図である。補助電極201は、銅製の管体からなる本体部201aと脚部201b、201cとを有する、“コ”字状の管状電極によって構成されており、その脚部201b、201cにおいて遮蔽板52eに溶接され、そこから外部へ即ち大気中に導出されている。本体部201aは、対向空間120内においてターゲット(110a+110a)と(110b+110b)(図3において110bは図示なし)の開口部側の周縁部の前方近傍にターゲット面に平行に配置される。補助電極201は、遮蔽板52eに溶接されており、これと同じ陽極電位(接地電位)になり、対向空間内に発生した熱的電子を含む過剰電子を吸収する。なお、補助電極201には冷却水が循環されて、強制冷却されており、箱型ユニット50からの熱除去にも寄与している。
なお、補助電極201の配置、形状は図示された例に限定されない。要は熱的電子の滞留し易い個所付近に電極が配置されていればよい。この補助電極201を設けると、電子の滞留に伴う発光が非常に減少することが確認され、基板の成膜中の温度上昇も抑制されることが確認された。
以上説明したように、ターゲット部100aは、共通の一つの支持体部150aに個々に独立して冷却できる二つのターゲットモジュール200a、200aを並べて設置した構成となっている。そして、ターゲット部100aは、取付用のフランジ部155aを枠体51に電気絶縁材、具体的には耐熱性樹脂からなるパッキン156a、真空シール用Oリング117a、118aを介して一定間隔の電気絶縁材からなるブッシュ(図示省略)を用いてボルト112aにより取り付けることにより、図3に示されるように枠体51に電気的に絶縁された状態で気密に設置され、以下の箱形ユニット50が構成される。
すなわち、この箱型ユニット50は、直方体状の構造材(本例ではアルミニウム)からなる枠体51の側面51a、51bに前記のターゲット部100a、100bを上述のように枠体51と電気絶縁して気密に取着し、基板のフィルム10に対面する下面の開口部となる側面51fを除いてその他の側面51c〜51eに遮蔽板52c〜52eをOリング(図示省略)を介してボルト(図示省略)により気密に取着して閉鎖した構成となっている(側面51c及び遮蔽板52cは図示なし)。なお、遮蔽板52c〜52eは耐熱性があり、真空遮断できれば良く、その材は特に限定されず、通常の構造材が適用でき、本例では枠体51と同じアルミニウムを用いた。なお、遮蔽板52c〜52eは、必要に応じて、その外側に冷却管等を設けて冷却する。また、側面51c、51dには、遮蔽板52c、52dに替えて、ターゲットを設けてもよい。このようにして、フィルムの幅方向の両端部の膜厚分布を改善できる。
そして、この箱型ユニット50は、その開口部が真空槽20に臨むように枠体51の図で下側の開口側面51fで真空槽20の槽壁20dに気密に取り付けられる。従って、真空槽20と枠体51とは取り付けボルトにより電気的に接続されている。
以上の構成においても、箱型ユニット50内ではターゲット110aと110b、110aと110b(110bは図示なし)が所定間隔で対向し、かつプラズマの拘束磁界の構成も特開平10−330936号公報、特開平10−8246号公報等で公知のターゲットに垂直方向の対向モードの磁界がターゲット全域に形成され、これに加えてそのターゲット面近傍にはターゲット面に平行方向のマグネトロンモードの磁界がターゲット外縁周囲に全周に亘って形成される構成である。よって真空槽20にガス導入系30からアルゴン等の所定のスパッタガスを導入して、スパッタ電源を真空槽20の槽壁20dを陽極として、ターゲット部100a、100bを陰極としてそれらの適所に接続してスパッタ電力を供給することにより従来例と同様にスパッタ成膜が行われる。
この際、磁界発生手段130a、130bを備えたターゲット部100a,100bの対向するターゲット(110a+110a)−(110b+110b)(110bは図示なし)間の対向空間120には従来の対向ターゲット式スパッタ装置と同様に結果、高密度プラズマがターゲットの全面に渡って形成される。
従って、開口側面を除いた5側面を遮蔽した箱型ユニット50を備えた箱型対向ターゲット式スパッタ装置ではスパッタされた粒子は、開口部を通って排気系40により高真空に排気される真空槽20に飛来し、そこにこの長方形の開口部に面して配置され、その長辺と直交する方向に搬送される基板のフィルム10上に堆積し、薄膜を形成する。
成膜実施例
図2〜7に示した本実施の形態の連続スパッタ装置において、2個の箱型スパッタユニット50を、図2で左側と真中の位置にセットし、右側の取付口は閉鎖板で閉鎖して、以下のように図1の5層構成の透明断熱フィルムを製造した。
第1の左側の箱型スパッタユニット50は、透明導電層の成膜用であり、ターゲットの一方に錫の含有量が10wt%のITOターゲット、他方にZnOターゲットをセットし、ITZO膜を形成できるようにした。そして、第2の真中の箱型スパッタユニット50には銅を1.35at%、金を0.65at%含む銀合金のターゲットをセットし、銀膜を形成できるようにした。なお、両箱型スパッタユニット50のターゲットは、30cm×10cmのターゲットを2個並置してフィルム幅方向の長さを60cmの複合ターゲットとし、ターゲットの対向間隔は15cmとした。また、スパッタ室20cの両端のフリーロール25にエキスパンダーロールを用いた。そして、スパッタ電源には、ITZO膜、銀膜共に正バイアスパルスが加えられたパルス化直流電源を用いた。
そして、基板のフィルム10には、厚さが50μmで幅が50cm、長さが300mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのロール10aを用い、このロール10aを図で左側のロール軸21にセットした。ついで、フィルム10をこれから巻き出してスパッタ室20cを通してロール軸22にセットした巻芯(図示省略)に巻き付け、所定長巻取り、ロール10bを形成し、フィルム10を移送できるようにした。
積層は以下のようにして行った。なお、各層の成膜条件は後述する。まず、ロール10aからロール10bにフィルム10を所定速度、所定張力で移送しつつ、両方の箱型スパッタユニット50を動作させて、第1層11と第2層12のITZO膜と銀層を同時堆積させて、所定時間換言すれば一定長のフィルム10上に成膜した。なお、この2層の同時成膜は、各成膜実施例において、全く問題なく安定して成膜できた。次いでロール10bからロール10aに所定速度、所定張力で巻戻しつつ、第1の箱型スパッタユニット50を動作させて、第3層13のITZO膜を前記所定時間成膜した。次いで再度ロール10aからロール10bにフィルム10を所定速度、所定張力で移送しつつ、第2の箱型スパッタユニット50を動作させて、第4層14の銀層を前記所定時間成膜した。次いで再度ロール10bからロール10aにフィルム10を所定速度、所定張力で移送しつつ、第1の箱型スパッタユニット50を動作させて、第5層15のITZO膜を前記所定時間成膜し、一定長の図1の5層構成の透明断熱フィルムを得た。このように、全く真空槽20の真空を破ることなく、5層を積層して、以下の透明断熱フィルムを製造した。
なお、成膜条件は以下の通りである。スパッタガスにはArを用い、スパッタ圧力0.15Paで全層を形成した。そして、スパッタ電力換言すれば膜厚を替えた積層体を形成してその特性を評価した。スパッタ電力とフィルム10の成膜時の搬送速度は下表の通りである。なお、括弧内に各層の膜厚を示す。この膜厚は、成膜実施例1のものは透過型電子顕微鏡(TEM)による側断面の写真から測定した測定値で、その他のものは該測定値からの換算膜厚である。
Figure 2006336029
各成膜実施例について、表面電気抵抗(Ω/□)、分光特性を測定した。図8に一例として成膜実施例3の分光特性の測定結果を示す。そして、分光特性より、波長510nmにおける光透過率(510)(%)、並びにT(900)/T(700)を求めた。なお、波長900nmと700nmの光透過率の比T(900)、T(700)は、それぞれ波長900nm、700nmにおける光透過率である。その結果を下表に示す。光透過率(510)は可視光透過率の指標として、T(900)/T(700)は熱線遮断特性すなわち遮蔽係数の指標として測定した。
Figure 2006336029
ついで、成膜実施例1のサンプルを用いて合せガラスを作成し、その光学特性を実測した。その結果、可視光透過率71%で、日射遮蔽係数が0.5で、所望の特性を満たすものであった。
また、このサンプルは、40℃×95%の耐湿試験でも1ケ月で問題なく、40〜80℃のヒートサイクル試験においても1ケ月で問題なく、良好な耐環境性を有することを確認した。
また、成膜実施例1〜3の分光特性を測定し、コンピュータシュミレーションにより可視光透過率、遮蔽係数、日照透過率、日照反射率を求め、評価した。その結果、これら成膜実施例1〜3は、可視光透過率は71.5〜72.5%、遮蔽係数は0.452〜0.461、日照透過率は39〜39.7%、日照反射率43.7〜46,1%の範囲であった。
これら成膜実施例は良好な透明断熱特性、具体的には70%以上の可視光透過率と0.5以下の日射遮蔽係数を達成することが確認された。そして、光透過率(510)が75%以上で、T(900)/T(700)が0.3以下であれば、良好な透明断熱特性が得られることが確認された。なお、これらの成膜実施例から積層体の表面抵抗は10Ω/□以下が断熱面から好ましいことが分かる。
また、成膜実施例1について、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率50万倍でその側断面の観察測定を行った。その測定写真から、積層された5層の境界はほぼ平行線で非常に良好な界面になっており、均一な膜厚の膜が形成されていることが確認された。また、界面は前述の通り均一で不純物等は観察されず、真空破ることなく、積層した効果が確認された。この測定写真から求めた第1層〜第5層の膜厚は、上表に記載の通りで、所期通りの膜形成が出来ていることが確認された。
また、成膜実施例3は、成膜実施例2の2.5倍の生産速度であり、生産性を上げても、全く品質的に問題ないことが確認された。
更に、フィルム10の幅方向の膜厚分布も、全幅において±5%の範囲にあり、特性的にも実質的に問題ないものであった。
本発明の実施の形態の連続スパッタ装置により製造される多層膜の一例としての透明断熱フィルムの積層構成を示す側断面図。 本発明の実施の形態の連続スパッタ装置の概略の構成を示す断面図。 図2に示される連続スパッタ装置における箱型スパッタユニットの構成を一部断面図にて示す斜視図。 箱型スパッタユニットのターゲット部の概略斜視図。 図4のA−A線での断面図。 箱型スパッタユニットに用いる補助電極の斜視図。 箱型スパッタユニット用いた支持体部の平面図。 成膜実施例3の分光特性のグラフ。
符号の説明
10 透明基板、フィルム
11、13、15 金属酸化物層
12、14 銀層
20 真空槽
30 ガス導入系
40 排気系
50 箱型スパッタユニット
51 枠体
51a、51b、51e、51f 側面
52d、52e 遮蔽板
100a、100b ターゲット部
110a、110a、110b ターゲット
120 対向空間
130a、130b 永久磁石(磁界発生手段)
150a 支持体部
160a、160a 冷却ジャケット
180a 永久磁石(磁界調整手段)
191a、191b ポール板
200a、200a ターゲットモジュール
201 補助電極

Claims (18)

  1. 内部に巻取り・巻き出し機により駆動され、長尺のフィルムを巻取り、巻き出すことができる第1および第2のロール取着軸を備えた真空槽と、該真空槽に取着された、フィルム上に成膜するスパッタユニットとを具備し、一方のロール取着軸にセットされたロールからフィルムを巻き出し、前記真空槽の前記スパッタユニットと対面する領域を通して搬送して、他方のロール取着軸でロールに巻取り、フィルムを搬送しつつその上に連続的に成膜するようにした連続スパッタ装置において、
    該スパッタユニットが、
    6側面を有しその内の一つを長方形の開口した開口側面とした直方体状の枠体と、
    該枠体の前記開口側面に隣接するその長辺側の2側面に対向するように気密に設けられた、ターゲットとこれを冷却するバッキング部とからなり独立して気密に取着できるようにしたターゲットモジュールを前記開口側面の長辺方向に複数個並置した複合ターゲットモジュールと、該複合ターゲットモジュールの周囲に設けられたターゲット面に垂直方向の対向モードの磁界を形成する磁界発生手段と、をそれぞれ備えた一対のターゲット部と、
    を備え、前記枠体の開口側面を除く残りの3側面が密閉された箱型スパッタユニットであり、この箱型スパッタユニットをその開口側面がフィルムと対面し、その開口側面の長辺がフィルムの搬送方向と直交するように配置し、フィルムを搬送しつつ成膜するようにしたことを特徴する連続スパッタ装置。
  2. 真空槽が、第1および第2のロール取着軸がそれぞれ配置された第1および第2のロール室と、第1のロール室と第2のロール室との間にこれら両室と接続して設けられた、搬送されるフィルムを臨むスパッタ開口が開設されたスパッタ室と、を備え、該スパッタ開口に前記箱型スパッタユニットがその開口側面で取り付けられ、真空下で一方のロール室からスパッタ室を通して他方のロール室へフィルムを搬送しつつ、スパッタ室でフィルムに成膜するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の連続スパッタ装置。
  3. 真空槽のロール室とスパッタ室の間に仕切り弁を設け、各室毎に真空遮断できるようにした請求項2に記載の連続スパッタ装置。
  4. 前記バッキング部が、内部に冷却ジャケットを備え、これに冷却流体を流して前面に取着されたターゲットを冷却するようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の連続スパッタ装置。
  5. 該ターゲット部が、前面に複数のターゲットモジュールを個々にシールして開口側面の長辺方向に並置して取り付けできるようにしたモジュール取着部とその周囲に沿って全周に渡って設けられた磁界発生手段の永久磁石をターゲットに垂直方向に収納する磁石収納部とを備えた支持部を備え、複数のターゲットモジュールが該モジュール取着部に該長辺方向に並置されて取着されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の連続スパッタ装置。
  6. 二つのロール取着軸間を搬送されるフィルムに対し、いずれの方向に搬送される場合にも成膜が可能である請求項1から5のいずれかに記載の連続スパッタ装置。
  7. 前記真空槽にはフィルムの搬送路に沿って複数の箱型スパッタユニットが配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の連続スパッタ装置。
  8. 真空槽内に搬送されるフィルムの張力を検出する張力検出器とその速度を検出する速度検出器が配備され、張力検出器の検出信号により巻取り・巻き出し機の一方が、速度検出器の検出信号によりその他方が制御され、フィルムが所定の張力、所定の速度で搬送されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の連続スパッタ装置。
  9. 真空槽で、空中を搬送されるフィルムに成膜することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の連続スパッタ装置。
  10. フィルムの搬送経路は複数個の回転自在なフリーロールにより形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の連続スパッタ装置。
  11. フリーロールの内少なくとも1個は、中央部の径が端部の径より大きい太鼓状のエキスパンダーロールであることを特徴とする請求項10に記載の連続スパッタ装置。
  12. フィルムがプラスチックフィルムである請求項1から11のいずれかに記載の連続スパッタ装置。
  13. 真空槽内で、フィルムを一方のロールから巻き出し、薄膜を形成するスパッタユニットに対面する領域を通って搬送し、他方のロールに巻き取り、長尺のフィルムに対し、搬送しつつ連続的に成膜を行う連続スパッタ方法において、
    該スパッタユニットが、
    6側面を有しその内の一つを長方形の開口した開口側面とした直方体状の枠体と、
    該枠体の前記開口側面に隣接するその長辺側の2側面に対向するように気密に設けられた、ターゲットとこれを冷却するバッキング部とからなるターゲットモジュールを前記開口側面の長辺方向に複数個並置した複合ターゲットモジュールと、該複合ターゲットモジュールの周囲に設けられたターゲット面に垂直方向の対向モードの磁界を形成する磁界発生手段とを具備した一対のターゲット部と、
    を備え、前記枠体の開口側面を除く残りの3側面が密閉された箱型スパッタユニットであり、複数の箱型スパッタユニットをフィルムの搬送路に沿ってその開口側面の長辺がフィルムの搬送方向と直交するように配置し、複数層の膜を真空を破ることなく積層することを特徴とする連続スパッタ方法。
  14. 複数層の膜を同時に成膜することを特徴とする請求項13に記載の連続スパッタ方法。
  15. 一方向に搬送される場合にもその反対方向に搬送される場合にもフィルムに対し成膜を行うことを特徴とする請求項13または14に記載の連続スパッタ方法。
  16. フィルムに対し温度フリーの状態で成膜を行うことを特徴とする請求項13から15のいずれかに記載の連続スパッタ方法。
  17. 組成が2以上の元素からなる膜を成膜するに際し、箱型スパッタユニットの対向するターゲットを、組成が個々には膜の元素数より少ない元素からなり、両方を組み合わせると膜組成となるターゲットとしたことを特徴とする請求項13から16のいずれかに記載した連続スパッタ法
  18. フィルムがプラスチックフィルムである請求項13から17のいずれかに記載の連続スパッタ方法。
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