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JP2006328407A - ポリイミドフィルムおよびそれを用いた電気・電子機器用基板 - Google Patents

ポリイミドフィルムおよびそれを用いた電気・電子機器用基板 Download PDF

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JP2006328407A
JP2006328407A JP2006162901A JP2006162901A JP2006328407A JP 2006328407 A JP2006328407 A JP 2006328407A JP 2006162901 A JP2006162901 A JP 2006162901A JP 2006162901 A JP2006162901 A JP 2006162901A JP 2006328407 A JP2006328407 A JP 2006328407A
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Abstract

【課題】十分に高弾性率、低線膨張係数、低吸水率、低吸湿膨張係数、低線膨脹係数、高寸法安定性である十分に優れた特性を有するポリイミドフィルム、および該ポリイミドフィルムを用いた各種電気・電子機器用基板を提供すること。
【解決手段】引張り弾性率が700kg/mm2以下で、吸湿膨脹係数が20ppm以下であり、特定の繰り返し単位を必須の繰り返し単位として含むポリイミドフィルムを合成し、該ポリイミドフィルムを用いてフレキシブルプリント配線板用積層体をはじめとして各種電気・電子機器用基板を作成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なポリイミドフィルムに関するものである。さらに詳しくは、低線膨張係数、低吸水率、低吸湿膨張係数、高弾性率、高寸法安定性などの優れた特性を有し、フレキシブルプリント配線板、半導体実装用の接着フィルム、磁気記録フィルム、ハードディスクサスペンジョン配線基材等の各種電気・電子機器基材のベースフィルムとして好適に使用できる新規なポリイミドフィルムに関するものである。
一般に、ポリイミドフィルムは種々の有機ポリマーのなかでも、その優れた耐熱性・低温特性・耐薬品性・電気特性などから、電気・電子機器用途の材料として、さらに宇宙・航空分野から電子通信分野まで幅広く用いられている。特に最近では、かかるポリイミドフィルムに、単に耐熱性に優れているだけでなく、用途に応じて種々の性能を合わせ有することが要求されている。
例えば、フレキシブルプリント配線板用ベースフィルムに用いられる際には、弾性率が高く、吸湿膨張係数、線膨張係数が小さいことが望まれる。吸湿膨張係数および線膨張係数が大きいポリイミドフィルムを用いて得られたフレキシブルプリント配線板は、反りやカールが発生する。特に、PDP(プラズマディスプレイ)用フレキシブルプリント配線板は、他の用途と仕較して大面積で用いられるため、基板ベースフィルムには、高寸法安定性が要求される。
一般に、上記各種電気・電子機器に用いられるポリイミドとして、ピロメリット酸二無水物と4 ,4 ’−ジアミノジフェニルエーテルとの重縮合によって得られるポリイミドが、耐熱性、電気絶縁性に優れていることから、高温環境下で使用される電機部品に利用されており、またこのポリイミドのフィルムは、その寸法安定性を生かして、フレキシブルプリント配線板等の用途に使用されている。しかし、近年、IC、LSI等に用いるベースフィルムには、一層の高加工性および高精度化が要求され、ベースフィルムとするポリイミドの特性についても一層高弾性率、低線膨張係数、低吸水性等であることが要求されるようになり、この要求の対応について種々検討が行われている。例えば、特開昭60−210629、特開昭64−16832 、特開昭64−16833 、特開昭64−16834 、特開平1 −131241、特開平1 −131242の各号公報では、弾性率を高めるためにジアミン成分としてパラフェニレンジアミンを併用し、ピロメリット酸二無水物、4 ,4 ’−ジアミノジフェニルエーテル、パラフェニレンジアミンによる3成分系ポリイミドの例が記載されている。さらに、弾性率を高めるために上記3成分に3 ,3 ’−4 ,4 ’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を加えた4成分系ポリイミドヘの展開も行われている。例えば、特開昭59−164328、特開昭61−111359の各号公報には4成分系ポリイミドの例が記載されている。その他、4成分系ポリイミドで重合時にモノマーの添加手順をコントロールすることによって物性を改良する試みが、例えば、特開平5 −25273 号公報に示されている。
また、TMHQに類似の構造の酸を用いることが、例えば特開平9−77871、10−36506、特公平7−88495、特許2,712,597号に記載されている。
上記のように、従来からポリイミドフィルムが電気・電子機器にも用いられているいるが、近年要求される特性がますます厳しいものとなり、要求特性への対応策が種々検討されているが、現在のところ、十分に高弾性率、低吸水率、低吸湿膨張係数、低線膨張係数、高寸法安定性である十分に優れた特性を有するポリイミドフィルムはまだ提案されていない。
本発明の目的は、上記従来の状況に鑑み、十分に高弾性率、低線膨張係数、低吸水率、低吸湿膨張係数、高寸法安定性である十分に優れた特性を有するポリイミドフィルムを提供すること、および該ポリイミドフィルムを用いた各種電気・電子機器用基板を提供することにある。
本発明は、上記本発明の目的を達成するために、次のポリイミドフィルム、フレキシブルプリント配線板用積層体、接着フィルム、磁気記録用ベースフィルムおよびハードディスクサスペンジョン配線基材を提供する。
(1)引張り弾性率が700kg/mm2 以下で、吸湿膨張係数が20ppm以下であるポリイミドフィルム。
(2)100〜200℃における線膨張係数が5〜15ppmである上記(1)に記載のポリイミドフィルム。
(3)吸水率が3.0%以下である上記(1)または(2)のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
(4) 吸水率が2.0%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
(5)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を分子中に含む上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
Figure 2006328407
{式中、R1 は、
Figure 2006328407
から選ばれる2価の有機基(式中、R4はCH3 −、Cl−、Br−、F−またはCH3O−である)であり、Rは、
Figure 2006328407
(式中、nは1〜3の整数、Xは、水素、ハロゲン、カルボキシル基、炭素数6以下の低級アルキル基、炭素数6以下の低級アルコキシ基から選ばれる1価の置換基を表す。)、または
Figure 2006328407
(式中、Y、Zは、水素、ハロゲン、カルボキシル基、炭素数6以下の低級アルキル基、炭素数6以下の低級アルコキシ基から選ばれる1価の置換基を表し、Y、Zは同じ置換基でも異なった置換基でもよく、Aは、−O−,−S−,−CO−,−SO−,−SO2 −,−CH2 −から選ばれる2価の連結基を表す。)で表される2価の有機基である。}
(6)上記一般式(1)で表される繰り返し単位に加えて、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を分子中に含む上記(5)に記載のポリイミドフィルム。
Figure 2006328407
(式中、Rは、一般式(1)のRと同じであり、R3 は、
Figure 2006328407
から選ばれる4価の有機基である。)
(7)下記一般式(3)で表される繰り返し単位を分子中に含む上記(5)または(6)に記載のポリイミドフィルム。
Figure 2006328407
(式中、Rは、一般式(1)のRと同じである。)
(8)下記一般式(5)で表される繰り返し単位と、下記一般式(5)で表される繰り返し単位とを分子中に含む上記(5)または(6)に記載のポリイミドフィルム。
Figure 2006328407
(式中、R2 は、
Figure 2006328407
または
Figure 2006328407
から選ばれる2価の有機基である。)
Figure 2006328407
(式中、R2 は、一般式(4)のR2 と同じであり、R3 は、一般式(2)のR3 と同じである。)
(9)分子中に含まれる主たる繰り返し単位が、下記一般式(6)〜(9)で表される繰り返し単位である上記(5)または(6)に記載のポリイミドフィルム。
Figure 2006328407
(10)分子中の上記一般式(6)〜(9)で表される繰り返し単位の数をそれぞれa、b、c、dとし、a+b+c+dをsとしたとき、(a+b)/s、(a+c)/s、(b+d)/s、(c+d)/sのいずれもが0.25〜0.75を満たす上記(9)に記載のポリイミドフィルム。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載のポリイミドフィルムの少なくとも片面に金属層を設けてなるフレキシブルプリント配線板用積層体。
(12)金属層が熱硬化性接着剤を介して積層された上記(11)に記載のフレキシブルプリント配線板用積層体。
(13)金属層が熱可塑性ポリイミド接着剤を介して積層された上記(11)に記載のフレキシブルプリント配線板用積層体。
(14)ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、加熱処理、コロナ処理、プラズマ処理、カップリング剤処理から選ばれる少なくとも1種の処理が施された上記(11)〜(13)のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板用積層体。
(15)上記(1)〜(10)のいずれかに記載のポリイミドフィルムの少なくとも片面に接着剤層を設けてなる接着フィルム。
(16)接着剤層が熱硬化性接着剤よりなる上記(15)に記載の接着フィルム。
(17)接着剤層が熱可塑性ポリイミド接着剤よりなる上記(15)に記載の接着フィルム。
(18)磁気記録用ベースフィルム用である上記(1)〜(10)のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
本発明によれば、上述のように十分に高弾性率、低線膨張係数、低吸水率、低吸湿膨張係数、低線膨脹係数、高寸法安定性である優れた特性を有するポリイミドフィルム、および当該ポリイミドフィルムを用いた優れた性能の各種電気・電子機器用基板、すなわちフレキシブルプリント配線板、半導体実装用の接着フィルム、磁気記録フィルムおよびハードディスクサスペンジョン配線基材が提供される。
本発明に係るポリイミドフィルムは、引張り弾性率が700kg/mm2 以下で、好ましくは500〜700kg/mm2 であり、吸湿膨脹係数が20ppm以下、好ましくは15ppm以下のものである。また、好ましくは、100〜200℃における線膨脹係数が5〜15ppmであり、吸水率が3.0%以下、好ましくは2.0%以下である。
上記のような本発明のポリイミドフィルムは、通常、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を分子中に含むポリイミドからなる。
Figure 2006328407
{式中、R1 は、
Figure 2006328407
から選ばれる2価の有機基(式中、R4 はCH3 −、Cl−、Br−、F−またはCH3O−である)であり、Rは、
Figure 2006328407
(式中、nは1〜3の整数、Xは、水素、ハロゲン、カルボキシル基、炭素数6以下の低級アルキル基、炭素数6以下の低級アルコキシ基から選ばれる1価の置換基を表す。)、または
Figure 2006328407
(式中、Y、Zは、水素、ハロゲン、カルボキシル基、炭素数6以下の低級アルキル基、炭素数6以下の低級アルコキシ基から選ばれる1価の置換基を表し、Y、Zは同じ置換基でも異なった置換基でもよく、Aは、−O−,−S−,−CO−,−SO−,−SO2 −,−CH3−から選ばれる2価の連結基を表す。)で表される2価の有機基である。}
上記の一般式(1)で表される繰り返し単位を分子中に含むポリイミドフィルムには、必須成分の一般式(1)で表される繰り返し単位のほか、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含むことができる。
Figure 2006328407
(式中、Rは、一般式(1)のRと同じであり、R3 は、
Figure 2006328407
から選ばれる4価の有機基である。)
本発明のポリイミドフィルムは、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液を脱水、閉環してイミド化し、フィルム状に成形するか、イミド化とフィルム成形を同時に行うかして製造され得る。より具体的には、例えば、ポリアミド酸溶液に脱水剤および触媒等を添加して混合し、それを、ガラス板等の平板、ドラムあるいはエンドレスベルト等の基板上に流延または塗布してフィルム状にし、適当な温度で焼成してイミド化し、得られたフィルムを基板から剥がすことによりポリイミドフィルムを得ることができる。
ポリイミドフィルムの製造に用いる前駆体のポリアミド酸溶液は、酸二無水物成分とジアミン成分を実質的に等モル使用し、有機極性溶媒中で重合して得られる。この際、必要に応じて、酸二無水物成分として2種以上の酸二無水物を用い、またジアミン成分として2種以上のジアミンを用いることができる。本発明で用いられるポリアミド酸溶液は、、通常、下記一般式(10)で表される芳香族ジエステル酸二無水物を必須の酸二無水物成分とし、それと下記一般式(11)で表されるジアミンを重合させて得られる。
Figure 2006328407
(R1 は、一般式(1)のR1 と同じである。)
Figure 2006328407
(Rは、一般式(1)のRと同じである。)
上記重合の際、酸二無水物成分として、上記必須成分の一般式(10)で表される芳香族ジエステル酸二無水物のほか、下記一般式(12)で表されるテトラカルボン酸二無水物などの必須成分以外の酸二無水物を添加することができる。
Figure 2006328407
(R3 は、一般式(2)のR3 と同じである。)
上記の場合、一般式(10)で表される芳香族ジエステル酸二無水物と一般式(12)で表されるテトラカルボン酸二無水物などの使用割合は、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、全酸二無水物成分に対して一般式(10)で表される芳香族ジエステル酸二無水物が25モル%以上、好ましくは35モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上であり、一般式(12)で表されるテトラカルボン酸二無水物を適量用いることは好ましいことである。一般式(10)で表される芳香族ジエステル酸二無水物の使用割合が25モル%未満のときは、得られるポリイミドフィルムの吸水率および吸湿膨張係数が増大する。
上記重合は、有機極性溶媒を用いて、公知のいずれかの方法。例えば、特開昭63−166287及び59−164328等に記載されている方法によって行われ得る。重合の際、原料の酸二無水物成分とジアミン成分を反応系に加える順番および方法は任意である。
本発明における反応の方法は、次の種々の方法で行われる。
(a)ジアミン類と酸二無水物を予め混合し、その混合物を少量づつ溶媒溶液中に撹拌しながら添加する方法。
(b)これとは逆にジアミン類と酸二無水物の混合物に撹拌しながら溶媒を添加する方法。
(c)ジアミン類だけを溶媒に溶かしておき、これに反応速度をコントロールできる割合で酸二無水物を加える方法。
(d)テトラカルボン酸二無水物だけを溶媒に溶かしておき、これに反応速度をコントロールできる割合でジアミン類を加える方法。
(e)ジアミン類と酸二無水物を別々の溶媒に溶かしておき、ゆっくりと反応容器中でこれらの溶液を加える方法。
(f)予めジアミン類過剰のポリアミド酸と酸二無水物過剰のポリアミド酸を作っておき、これらを反応容器中でさらに反応させる方法。
(g)ジアミン類の内、1部のジアミン類と酸二無水物をはじめに反応させた後、残りのジアミン類を反応させる方法あるいはこれの逆の方法。
酸二無水物成分とて、一般式(10)で表される芳香族ジエステル酸二無水物と一般式(12)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを用いる場合、特に好ましい重合方法は、まず、一方の酸二無水物とジアミン成分とを反応させて第一のポリアミド酸を生成させ、続けて他方の酸二無水物とジアミン成分とを反応させて第二のポリアミド酸を生成させる方法である。
上記重合の際に用いる有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独または2種以上の混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素と組み合わせて用いることもできる。生成したポリアミド酸は有機極性溶媒中に5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは12〜27重量%溶解されているのが取扱いの面からも望ましい。
上記のような方法で得られるポリアミド酸から製造されるポリイミドフィルムは、電気特性の優れた、また物性バランスの優れたポリイミドフィルムである。また、上記のような方法で得られるポリアミド酸の平均分子量は、10000〜1000000であることが望ましい。平均分子量が10000未満ではできあがったフィルムが脆くなり、一方、1000000を越えるとポリアミド酸ワニスの粘度が高くなり過ぎて取扱いが難しくなって好ましくない。
上記のようにしてポリアミド酸から製造される上記一般式(1)で表される繰り返し単位を分子中に含むポリイミドの内でも、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を分子中に含むポリイミドフィルムが好ましい。
Figure 2006328407
(式中、Rは、一般式(1)のRと同じである。)
また、上記の一般式(1)で表される繰り返し単位を分子中に含むポリイミドフィルムの内でも、下記一般式(4)で表される繰り返し単位と、下記一般式(5)で表される繰り返し単位とを分子中に含むポリイミドフィルムが一層好ましい。
Figure 2006328407
(式中、R2 は、
Figure 2006328407
または
Figure 2006328407
から選ばれる2価の有機基である。)
Figure 2006328407
(式中、R2 は、一般式(4)のR2 と同じでああり、R3 は、一般式(2)のR3 と同じである。)
また、上記の一般式(1)で表される繰り返し単位を分子中に含むポリイミドフィルムの内でも、分子中に含まれる主たる繰り返し単位が下記一般式(6)〜(9)で表される繰り返し単位であるポリイミドフィルムがさらに一層好ましい。
Figure 2006328407
上記ポリイミドフィルムは上記分子中の一般式(6)〜(9)で表わされる繰り返し単位の数をそれぞれa、b、c、dとし、a+b+c+dをsとしたとき、(a+b)/s、(a+c)/s、(b+d)/s、(c+d)/sのいずれもが0.25〜0.75を満たすことが好ましい。
本発明のポリイミドフィルムの製造に当たり、その前駆体であるポリアミド酸溶液に、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、あるいは、無機のフィラー類、あるいは各種の強化材を複合することも可能である。
また、ポリアミド酸溶液から本発明のポリイミドフィルムを得るには、熱的に脱水する熱的方法、脱水剤を用いる化学的方法のいずれを用いてもよいが、化学的方法による方が生成するポリイミドフィルムの伸びや引張強度等の機械特性が優れたものになるので好ましい。また、化学的方法による方が、短時間でイミド化することができる等の利点もある。なお、熱的にイミド化する方法と化学的にイミド化する方法を併用することも可能である。
以下にポリイミドフィルムのより具体的作成方法についての例を説明する。
上記ポリアミド酸またはその溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒を加えた溶液をドラムあるいはエンドレスベルト上に流延または塗布して膜状とし、その膜を150℃以下の温度で約1〜20分間乾燥し、自己支持性のポリアミド酸の膜を得る。次いで、これを支持体より引き剥し端部を固定する。その後約100〜550℃(好ましくは450℃以上、更に好ましくは470℃以上、特に500℃以上)まで徐々にもしくは段階的に加熱することによりイミド化し、冷却後これより取り外し本発明のポリイミドフィルムを得る。その最高加熱温度は、フィルムの劣化を鑑み600℃以下が好ましい。上記脱水剤としては、例えば無水酢酸等の脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物などが挙げられる。また、上記触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン類などが挙げられる。さらにまた、得られるポリイミドフィルムの厚さは、その用途等必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、5〜90μmが好ましい。
上記の如くして得られたポリイミドフィルムは、フレキシブルプリント配線板用積層体等のベースフィルムとして好適に用い得るように、その弾性率は、700kg/mm2 以下で、500kg/mm2 以上が好ましい。吸湿膨脹係数は、20ppm以下、さらには18ppm以下、特には16ppm以下が好ましい。100〜200℃における線膨脹係数は、20ppm以下、さらに15ppm以下、特には12ppm以下が好ましく、一般に5〜15ppmである。吸水率は、3.0%以下、さらに2.0%以下、さらに1.8%以下、特には1.6%以下が好ましい。また、比誘電率は、周波数100Hz〜1MHz(常温)の範囲において3.50以下、さらには3.40以下、特には3.35以下が好ましい。また、1KHzの測定周波数において−50℃〜200℃の温度範囲で3.30以下、1KHz〜1MHz(常温)の範囲において3.30以下、さらに乾燥状態と吸湿状態での比誘電率の差が小さく0.3以下であることが好ましい。また、長手方向(MD方向)と横断方向(TD方向)との吸湿膨脹係数の比が1/5〜5、さらには1/3〜3、特には1/2〜2が好ましい。密度は、1.440〜1.480g/cm3 程度が好ましい。本発明のポリイミドフィルムのガラス転移温度は200℃以上が好ましく、更に好ましくは240℃以上、特に260℃以上が好ましい。
上記した本発明に係るポリイミドフィルムは、上記のように十分に高弾性率、低線膨張係数、低吸水率、低吸湿膨張係数、高寸法安定性である十分に優れた特性を有するものであるから、種々の用途に広く用いことができるが、中でも、フレキシブルプリント配線板用積層体、半導体実装用の接着フィルム、磁気記録フィルム(例えば、フレキシブルデスク、磁気記録テープ等)、ハードディスクサスペンジョン配線基材などのベースフィルムとして好適に用いることができる。
まず、本発明のポリイミドフィルムをフレキシブルプリント配線板用積層体のベースフィルムとして用いる場合についてより具体的に説明する。
一般に、フレキシブルプリント配線板(FPC)は、長尺の絶縁材であるベースフィルムをロ−ルツ−ロールで、(1)接着剤塗布、乾燥、(2)銅箔ラミネーテイング、(3)接着剤硬化、(4)配置パターン形成(レジスト塗布、銅エッチング、レジスト剥離)というような加工工程により製造される。一般に、パターン形成時、エッチング処理工程において寸法変化を生じ、そのため回路設計の際、以後の工程の変化を予め考慮し、設計する必要があった。FPC自体の高寸法安定性を実現するためには、適度な高弾性率、低吸水率、低線膨張係数、低吸混膨張係数を有するFPC用基材が必要となる。このFPCの寸法変化は、(a)FPCの絶縁材であるベースフィルムの吸湿・脱湿による寸法変化、(b)銅箔ラミネート時に生じる銅箔とベースフィルムの熱膨張の差による歪み、(c)各工程に生じる張力による歪みなどのために生じる。そして、(b)の原因による寸法変化は、ベースフィルムの線膨張係数が一定であれば、この寸法変化量を容易に設計に取り込むことができる。(c)の原因による寸法変化は、各工程の張力をコントロ−ルすることにより、制御することができ、この寸法変化量も容易に設計に取り込むことができる。しかしながら、FPCの製造工程は、洗浄工程等で吸湿したり、乾燥したりする工程が繰り返されるため、(a)のベースフィルムの吸湿・脱湿による寸法変化をコントロールすることは困難である。
また、最近発表された多層配線板の製法は、予め銅箔にポリイミドフィルムを熱可塑性ポリイミドで接着し、下面にも熱可塑性ポリイミド接着層を持つ層構造の銅箔ポリイミドフィルムを用意し、次に、銅配線パターンをエッチング後、下面からエキシマレーザーでビアの穴あけをし、これに熱可塑性ポリイミド樹脂に金属粉を加えたビア用導電ペーストを充填する。同様の方法で必要枚数の基板を用意し、これらを積み重ね、熱プレスによるホットメルト法で一括積層して多層配線板とする方法である。この多層配線板の製造工程においても、絶縁層に用いられるポリイミドフィルムの寸法安定性をコントロールすることは困難である。また、プラズマディスプレイ(PDP)用FPCは、一般に従来のFPCと比較して大面積で使用されるため、FPC自体の高寸法安定性が一層要求されている。このような厳しい要求特性を満足しうるFPC用基材の発明が待たれている。
本発明のポリイミドフィルムは、上記のとおり優れた特性を有するので、上記FPCにおける諸問題を解決し得て、従来の3層FPCあるいは最近発表された多層配線板のベースフィルムとして好適に用いることができる。
本発明のポリイミドフィルムを3層FPCあるいは多層配線板のベースフィルムとするとき、本発明のポリイミドフィルムの内でも、ジアミン成分として、アミノ基以外の置換基を有しないフェニレンジアミン類とアミノ基以外の置換基を有しないジアミノジフェニルエーテル類を用いたポリイミドフィルムが好ましく用いられる。上記フェニレンジアミンの使用によりポリイミドフィルムの弾性率が一層向上され、上記ジアミノジフェニルエーテル類の使用によりフィルム成形の際の成形性が向上される。フェニレンジアミン類の中でも、パラフェニレンジアミンが一層好ましく、ジアミノジフェニルエーテル類の中でも、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが一層好ましい。さらには、フェニレンジアミン類とジアミノジフェニルエーテルとを、フェニレンジアミン類:ジアミノジフェニルエーテル類=10〜90モル%:10〜90モル%、好ましくは20〜80モル%:20〜80モル%、さらに好ましくは30〜70モル%:30〜70モル%の割合で混合使用したポリイミドフィルムが一層好ましく用いられる。
また、例えば、厳しい環境下に、例えば高温、多湿度下に用いられる、一層優れた上記諸特性の求められるフレキシブルプリント配線板のベースフィルムとしては、本発明のポリイミドフィルムの内でも、上記芳香族ジエステル酸二無水物と、フェニレンジアミン類とジアミノジフェニルエーテル類の比が5〜40モル%:60〜95モル%であるという特定の2種顛のジアミン成分からなるポリイミド成分と、上記テトラカルボン酸二無水物と、フェニレンジアミン類とジアミノジフェニルエーテル類の比が55〜90モル%:10〜45モル%であるという特定の2種類のジアミン成分からなるポリイミド成分とが分子結合してなる共重合ポリイミドのフィルムが特に好ましく用いられる。
本発明のポリイミドフィルムをベースフィルムとして用い、それに金属層を設けてフレキシブルプリント配線板用積層体を製造するには、従来から知られたフレキシブルプリント配線板用積層体の製造方法を適宜採用して行うことができる。その一例を以下に説明する。
一般に、本発明のポリイミドフィルム上に溶液状の接着剤を塗布、もしくはシート状の接着剤をラミネートし、その後銅箔等の金属箔を貼り合わせ、接着剤が硬化するのに充分な温度にてキュアすることにより製造される。この際、接着剤としては公知の種々の接着剤を適宜選択して用いることができ、その例として、エポキシ樹脂系、ポリアミド樹脂系、フェノール樹脂系、アクリル樹脂系、ポリイミド樹脂系、ゴム系樹脂系等の各種接着剤が挙げられる。これらの接着剤は、必要に応じて、単独でも、二種以上を混合使用することもでき、また、硬化剤、硬化促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を添加したものを用いることができる。
接着剤が溶液の場合は、ポリイミドフィルムを所定の巾にスリットし、バーコーター、コンマコーターなどを用いて1〜50μmの厚さに接着剤溶液を塗布し、接着剤溶液中の有機溶媒を除去するために50〜200℃の雰囲気下にて10〜600秒程度乾燥させる。次に、この接着剤を塗布したポリイミドフィルムを銅箔とを50〜200℃の温度をかけつつ張り合わせる。得られた銅箔と貼り合わせた3層積層体を、接着剤に用いられている樹脂が硬化するのに充分な温度と時間をかけて熱キュアする。
また、接着剤がシート状の場合は、シートの保護層を除去し、ポリイミドフィルムと50〜200℃の温度をかけつつ貼り合わせる。次に、ポリイミドフィルムに接着剤シートを貼り合わせた2層積層体と銅箔を50〜200℃の温度をかけつつ貼り合わせる。得られた3層積層体を接着剤に用いられている樹脂が硬化するのに充分な温度と時間をかけて熱キュアする。上記各方法により3層積層体のフレキシブルプリント配線板用積層体を製造することができる。
また、上記積層体の接着強度の改善を図るために、ポリイミドフィルム上へ接着剤を塗布、もしくは接着剤シートをラミネートする前に、前処理として、ポリイミドフィルムに対し、加熱処理、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、減圧プラズマ処理、カップリング剤処理、サンドブラスト処理、アルカリ処理、酸処理など公知の種々の接着強度改善技術を適用することができる。また、接着強度の改善のために、例えば米国特許4,742,099号に記載された各種金属化合物、例えば錫化合物、チタン化合物のポリアミド酸への添加、もしくは各種有機金属化合物の溶液のゲルフィルムヘの塗布などを適用しても良い。
上記ポリイミドフィルムの前処理の加熱処理は、フィルムの繰り出し機と巻き取り機との間に電気ヒーター等による加熱炉を設けた加熱処理機などにより連続的に行うことができる。加熱炉が必要に応じて複数箇所設けられた加熱処理機等が好ましく用いられ得るが、加熱最高処理温度は加熱炉の最高雰囲気温度が100℃〜700℃が好ましく、特に200〜600℃が好ましい。加熱最高処理温度を上記範囲内にすることにより、機械的強度、接着性、寸法安定性等に優れたポリイミドフィルムを得ることができる。加熱処理処理時間は、最高温度の暴露時間が1〜1200秒が好ましい。より好ましくは2〜800秒、特に5〜400秒が好ましい。なお、加熱処理において、加熱処理温度を段階的に設定しても良い。例えば、200℃、400℃、600℃、400℃、200℃に加熱炉の温度を設定しそれぞれの炉の曝露時間を200秒ずつに設定したり、逆に加熱処理温度を段階的に設定せず加熱炉を全て500℃に設定してフィルムの加熱処理を実施しても良い。
上記ポリイミドフィルムの前処理のコロナ処理は、当業者が入手可能な一般的なコロナ処理機によって行えば良く、コロナ処理密度は、50〜800w・min/m2 が好ましい。コロナ処理密度の計算式を以下に示す。
コロナ処理密度(w・min/m2 )=コロナ出力(w)/{ラインスピード(m/min)×処理幅(m)}
上記ポリイミドフィルムの前処理のプラズマ処理は、当業者が入手可能な一般的なプラズマ処理機によって行えば良い。プラズマ放電を減圧下で行う方式と大気圧下で行う方式とがあるが、処理装置の設備費用の点からは大気圧下で放電する方式が好ましく用いられ得る。大気圧下でのプラズマ処理のガス種類、ガス圧、処理密度は特に限定されないが、ガス圧に関しては、100〜1000Torrの範囲の圧力下で行うことが好ましい。プラズマガスを形成するのに用いられ得るガスは、例えば、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、キセノン、ネオン、ラドン、窒素等の不活性ガス、また酸素、空気、一酸化炭素、二酸化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、水素、アンモニア、カーボンテトラフルオライド、トリクロロフルオロエタン、トリフルオロメタン等である。また、公知のフッ化ガス、上記ガスの混合ガスでも良い。好ましい混合ガスの組み合わせは、アルゴン/酸素、アルゴン/アンモニア、アルゴン/ヘリウム/酸素、アルゴン/二酸化炭素、アルゴン/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム/窒素、アルゴン/ヘリウム/窒素/二酸化炭素、アルゴン/ヘリウム、アルゴン/ヘリウム/アセトン、ヘリウム/アセトン、ヘリウム/空気、アルゴン/ヘリウム/シラン等が挙げられる。処理密度は、100〜20000w・min/m2 、特に300〜10000w・min/m2 が好ましい。プラズマ処理密度の計算式を以下に示す。
プラズマ処理密度(w・min/m2 )=プラズマ出力(w)/{ラインスピード(m/min)×処理幅(m)}
上記ポリイミドフィルムの前処理のカップリング剤処理は、例えばフィルム表面にカップリング剤溶液を塗布する、フィルム表面をカップリング剤溶液でラビングする、フィルム表面にカップリング剤溶液を吹き付ける、フィルムをカップリング剤溶液に浸漬する等の方法が挙げられる。また、用いるカップリング剤としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系、ジルコニウム系、脂肪族ポリアミン系、芳香族ポリアミン系等のカップリング剤が挙げられる、芳香族ポリアミン系の中では、ジエチレントリアミン、N−アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミンが好ましく用いられる。なお、カップリング剤溶液の濃度を0.005〜50wt%、好ましくは0.1〜20wt%、さらに好ましくは、1〜10wt%とすることにより、フィルム表面にむらなく均一にカップリング剤を付着することができ、カップリング剤の効果も充分に発現させることができる。また、カップリング剤溶液の調製に用いる有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどを、単独もしくは混合して用いることができる。
上記加熱処理、コロナ処理、プラズマ処理、カップリング剤処理は、2種以上を組み合わせて行うことができ、その場合、処理順序は特に制限されるものではなが、より効果的にポリイミドフィルムと熱可塑性ポリイミド等の接着剤との界面接着強度を得るためには、以下のような順序で表面処理を実施するのが好ましい。
(a)加熱処理とコロナ処理を組み合わせる場合、処理順序は加熱処理/コロナ処理の順序にて処理を行うことが好ましい。
(b)加熱処理とプラズマ処理を組み合わせる場合、処理順序は加熱処理/プラズマ処理の順序にて処理を行うことが好ましい。
(c)加熱処理とカップリング剤処理を組み合わせる場合、処理順序は加熱処理/カップリング剤処理の順序にて処理を行うことが好ましい。
(d)コロナ処理とプラズマ処理を組み合わせる場合、処理順序はコロナ処理/プラズマ処理の順序にて処理を行うことが好ましい。
(e)コロナ処理とカップリング剤処理を組み合わせる場合、処理順序はコロナ処理/カップリング剤処理の順序にて処理を行うことが好ましい。
(f)プラズマ処理とカップリング剤処理を組み合わせる場合、処理順序はプラズマ処理/カップリング剤処理の順序にて処理を行うことが好ましい。
上記組合せ以外に3種類以上の処理を組み合わせる場合においても上記処理順序にて処理を実施することが好ましい。
近年、FPC(フレキシブルプリント配線板)においては、ベースフィルムとなるポリイミドフィルムと、エポキシ系あるいはアクリル系などの接着剤との界面の密着強度が問題となることがあり、この問題解決のための技術が多数発表されている。しかし、FPCの使用環境が高温等の過酷な環境下での使用が増えつつあり、エポキシ系あるいはアクリル系などの接着剤を用いたFPCでは、どうしてもFPCを構成する基材の界面の密着強度が充分に保持できない。そこで最近では、接着剤として熱可塑性ポリイミドを用いることで高温等の過酷な環境下での使用に耐え得るFPCが提案されている。熱可塑性ポリイミドをFPCの接着剤として用いる場合、次の3通りの方法がある。すなわち、第一に、シート状もしくは粉末の熱可塑性ポリイミドをベースフィルムとなる非熱可塑性ポリイミドフィルムに加熱圧着する方法、第二に、熱可塑性ポリイミド有機溶媒溶液をベースフィルムとなる非熱可塑性ポリイミドフィルムに塗布・乾燥する方法、第三に、熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸有機溶媒溶液をベースフィルムとなる非熱可塑性ポリイミドフィルムに塗布・乾燥・イミド化する方法がある。いずれの方法でも、従来のベースフィルムとなる非熱可塑性ポリイミドフィルムにおいては、熱可塑性ポリイミドとの界面の密着強度が問題となっている。
ところで、上述の本発明のポリイミドフィルムをベースフィルムとして用いたFPCの製造に際し、接着剤として熱可塑性ポリイミドを用い、かつ上記の加熱処理、コロナ処理、プラズマ処理、カップリング剤処理などの前処理を行えば、上記従来のベースフィルムと接着剤との界面の密着強度の問題が解決され、当該密着強度が優れ、高温環境下等の過酷な環境下において好適に使用できる、一層特性の優れたFPCを製造することができる。
上記一層特性の優れたFPCの製造に用いる熱可塑性ポリイミド接着剤としては、特に限定されないが、一般に、一般式(13)や一般式(14)で表される熱可塑性ポリイミドが用いられる。
Figure 2006328407
(式中、R5 は、
Figure 2006328407
から選ばれる2価の有機基であり、R6 は、
Figure 2006328407
Figure 2006328407
Figure 2006328407
から選ばれる2価の有機基である。)
Figure 2006328407
(R6 は、一般式(13)のR6 と同じであり、R7 は、
Figure 2006328407
Figure 2006328407
から選ばれる4価の有機基である。)
これらの熱可塑性ポリイミド樹脂は、その組成により100〜350℃の間に明確なガラス転移点を有する。
熱可塑性ポリイミド接着剤を用いてのベースフィルムであるポリイミドフィルムと金属箔との接着は、一般に次のようにして行うことができる。すなわち、熱可塑性ポリイミドに転化されるポリアミド酸または一部イミド化したポリイミドを含むポリアミド酸を含有するワニスを接着剤として用いる場合は、貼り合わすべき被接着物に、該ワニスを薄い層にして被着し、次いで被着した被接着物を空気中で所定時間100〜300℃程度に加熱して過剰の溶剤を除去し、ポリアミド酸をより安定なポリイミドに転化し、別の被接着物を重ね合わせ、次いで1〜1000kg/cm2 の圧力、100〜400℃の温度で圧着し、100〜400℃の温度でキュアさせて、被接着物を接着することができる。また、フィルム状または粉末状の熱可塑性ポリイミドを接着剤として用いる場合は、該フィルムまたは粉末を被接着物の間に挿入付着させて、1〜1000kg/cm2 の圧力、100〜400℃の温度で圧着し、100〜400℃の温度でキュアさせて、被接着物を接着することができる。また、熱可塑性ポリイミドを有機溶媒に溶解した溶液からなる接着剤を使用する場合は、貼り合わすべき被接着物にこの接着剤を塗布し、次いで所定時間100〜300℃程度加熱して溶媒の除去を行い、次いで、その被接着物のポリイミドの塗布面に別の被接着物を1〜1000kg/cm2 の圧力、100〜400℃の温度で圧着し、100〜400℃の温度でキュアさせて、被接着物を接着することができる。上記接着方法においてポリイミド積層体と金属箔とを加熱圧着する方法は、熱ロールを用いて熱ラミネートする方法やホットプレス等公知の方法を適宜使用することができる。加熱条件は、用いられる熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度に依存するが、好ましくはガラス転移温度以上、より好ましくはこの点より20℃以上あれば良い。加圧条件は、一般的には20〜150kg/cm2 の範囲が用いられる。また、用いる熱可塑性ポリイミドは、ガラス転移温度が100〜350℃、好ましくは150〜300℃のものが好ましい。
次に、本発明のポリイミドフィルムを接着フィルムのベースフィルムとして用いる場合についてより具体的に説明する。
近年、電子機器の高性能化、高機能化、小型化が進んでおり、用いられる電子部品に対する小型化、軽量化が求められている。そのため半導体素子パッケージ方法やそれらを実装する配線材料または配線部品もより高密度、高機能、かつ高性能なものが求められるようになってきた。特に、半導体パッケージ、COL、LOCパッケージ、MCM(multi chip module)等の高密度実装材料や多層FPC等のプリント配線板材料、さらには航空宇宙材料として好適に用いることができる、良好な半田耐熱性、寸法安定性、および接着特性を示す接着フィルム、絶縁材料等が求められている。
半田耐熱性を向上させるためには、従来種々の工夫がなされてきた。特開平6−200216号公報には、シリコンユニットを有するポリイミド樹脂とエポキシ樹脂より成るプリント基板用耐熱性接着剤フィルムが提案されている。特開平7−097555号公報には、特定ナフタレン型エポキシ樹脂に対するアルコール可溶性ポリアミド樹脂の配合割合を特定にすることにより半田耐熱性を向上させることが提案されている。特開平6−5997号公報には、アルカリ性水溶液で表面処理したポリイミド系フィルムを用いることで半田耐熱性を向上させることが提案されている。特開平2−79496号公報には、圧延銅箔の表面を交流エッチング処理した後、接着剤を塗布し、次いでプラスチック絶縁フィルムを積層し、半田耐熱性に優れたフレキシブル印刷配線基板を製造する方法が提案されている。上記のように、半田耐熱性に優れた配線基板を得るためには、ポリイミドフィルムの表面処理や銅箔の表面処理といった被着体の表面改質、あるいはポリイミド主鎖ユニットへのシリコンユニット導入といった接着剤の改良等の手段が種々提案されてきた。しかし、未だ、十分に良好な半田耐熱性、寸法安定性、および接着特性を示す接着フィルム、絶縁材料等は得られていない。
ところで、上記のような半導体実装用の接着フィルムを構成するに当たり、そのベースフィルとして本発明のポリイミドフィルムを用いることにより十分に良好な半田耐熱性、寸法安定性、および接着特性を示す接着フィルムを製造することができる。ベースフィルとして本発明のポリイミドフィルムを用いた接着フィルムは、上記優れた諸特性を有するので、電子機器における電子部品、電子回路基板等の固定用途あるいは絶縁用途等に好適に用いることができ、特に耐熱性が要求されるフレキシブルプリント配線基板や半導体素子のダイパッドボンディング用、あるいはCOL(chip on lead)またはLOC(lead on chip)用等の実装用材料として好適に用いることができる。
本発明のポリイミドフィルムをベースフィルムとした本発明の接着フィルムは、ベースフィルムのポリイミドフィルムの片面あるいは両面に接着剤層を設けて製造される。接着剤面にカバーフィルムとして例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が貼付された接着フィルム等も本発明でいう接着フィルムに含まれる。ベースフィルムにするポリイミドフィルムは、高弾性率であれば、ロールツーロールで成形加工する際の張力による弾性変形量を小さくできるため、寸法安定性の点で好ましい。具体的には500kg/mm2 以上が好ましく、より好ましくは550kg/mm2 以上、特に好ましくは600kg/mm2 以上である。また、ポリイミドフィルムが低吸水率であれば、半田耐熱性に対して良好な結果を与え、常態および吸湿後の半田耐熱性ともに向上して好ましい。具体的には、吸水率は3.0%以下が好ましく、さらに2.0%以下が好ましく、より好ましくは1.8%以下、特に好ましくは1.5%以下である。さらに、ポリイミドフィルムが低吸湿膨張係数ならびに低線膨張係数であることは、接着フィルムに成形加工する際の加熱工程や銅張り積層体のエッチング・洗浄・乾燥工程等で寸法変化が低く抑えられ、パターン密度の向上や信頼性向上の点で好ましい。吸湿膨張係数は、12ppm以下が好ましく、より好ましくは10ppm以下、特に好ましくは8ppm以下である。線膨張係数は、15ppm以下が好ましく、より好ましくは14ppm以下、特に好ましくは12ppm以下である。
本発明の接着フィルムの接着剤層の形成には、上述の本発明のポリイミドフィルムを用いてのフレキシブルプリント配線板用積層体の製造の場合と同様に、公知の接着剤を適宜選択して用いることができ、その例として、熱可塑性ポリイミド接着剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等をはじめとする熱硬化性接着剤等が挙げられる。また、必要に応じて、ベースフィルムのポリイミドフィルム上に接着剤層を形成させる前に、前処理として、ポリイミドフィルムに対し、加熱処理、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、減圧プラズマ処理、カップリング剤処理などの公知の接着強度改善技術を適用することができる。
上記前処理の加熱処理、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、減圧プラズマ処理、カップリング剤処理は、上述の本発明のポリイミドフィルムを用いてのフレキシブルプリント配線板用積層体の製造の場合の各前処理に準じて行うことができる。これらの前処理は、2種以上を組み合わせて行うことができる。また、これらの前処理を行うことは、ポリイミドフィルムと接着剤層の界面接着強度が向上して、好ましいことである。
また、接着剤層の形成に用いる熱可塑性ポリイミド接着剤としては、特に限定されないが、一般に、上述の一般式(13)や一般式(14)で表される熱可塑性ポリイミドが用いられる。これらの熱可塑性ポリイミドからなる接着剤層をベースフィルムのポリイミドフィルム上に設けるには、特に限定されないが、一般に、上述の熱可塑性ポリイミド接着剤を用いてのフレキシブルプリント配線板用積層体の製造の場合に準じて行うことができる。すなわち、熱可塑性ポリイミドの溶液、またはその前駆体であるポリアミド酸の溶液を、ポリイミドフィルム上に流延し、または、ロールコーターやバーコーター等で塗布し、加熱乾燥させることによって接着剤層を設ける方法、あるいは、フィルム状または粉末状の熱可塑性ポリイミドを、例えば加熱・加圧装置とエンドレスベルトを備えた所謂ダブルベルトプレス機を用いて、ポリイミドフィルム上に加熱圧着することによって接着剤層を設ける方法によって行うことができる。
また、接着剤層の形成に用いる熱硬化性接着剤としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等をはじめとし、メラミン樹脂、キシレン樹脂、シアン酸エステル樹脂等が挙げられる。これらの内でも、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂が絶縁性に優れるため好適である。接着剤層における熱硬化性樹脂の添加量は、熱硬化性樹脂以外の樹脂成分、所謂ゴム成分100重量部に対して5〜400重量部、好ましくは50〜200重量部である。熱硬化性樹脂の添加量を5重量部以上にすると、高温での弾性率低下を防止でき、半導体装置を実装した機器の使用中に半導体集積路接続用基板の変形が防止され、加工工程における取り扱いの作業性の向上がはかられて好ましい。また熱硬化性樹脂の添加量を400重量部以下とすることにより適度な弾性率と適度な線膨張係数の接着剤層とすることができて好ましい。接着剤層を形成する熱硬化性樹脂に硬化剤、効果促進剤等を添加することは何ら制限されない。
上記熱硬化性接着剤を用いての接着フィルムの製造方法の一例について以下説明する。
(a)接着剤組成物を溶剤に溶解した溶液を、離型性を有するポリエステルフィルム等の上に塗布乾燥する。乾燥条件は100〜200℃、1〜5分が好ましい。溶剤は特に限定されないが、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系、メチルエチルケトン等のケトン系、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の非プロトン系の極性溶媒などが挙げられる。
(b)上記(a)のフィルムをベースフィルムのポリイミドフィルムにラミネートした後、離型性のポリエステルフィルムを取り除く。その後100〜200℃の温度にて10〜20時間キュア処理を行い、接着フィルムを得る。
上記の如く接着フィルムは、ポリイミドフィルムのベースフィルムと接着剤層により構成されているが、次にそれぞれの層の好ましい厚みについてに述べる。このベースフィルムの厚みは、15〜90μmの範囲内に選定することが好ましい。ベースフィルムの厚みが15μmより薄いと、ポリイミド接着フィルムは、機械的特性が大きく異なる層を有する積層体であるため、打ち抜き加工時にバリが発生し易い。打ち抜き切断不良が多発すると、打ち抜き時に凹金型と凸金型との間に屑が詰まってしまい、連続的な打ち抜き加工ができないという問題や、貼付加工時に貼付位置ずれが生じる。また、90μmより厚くなると、打ち抜き加工時に高い圧力を必要とし、フィルムが変形したり割れ欠けが生じる。接着剤層は、一般に熱硬化性接着剤あるいは熱可塑性ポリイミド接着剤からなるが、接着剤層の厚みは、2〜30μmの範囲に選定することが好ましい。接着剤層の厚みが、2μmよりも薄いと十分な接着力が得られず、信頼性を損ねることになる。一方、30μmよりも厚くなると打ち抜き加工時にバリが多発することになる。バリの発生メカニズムについては明らかではないが、打ち抜き加工時にベースフィルムが接着剤層よりも先に完全に切断されてしまうと、接着剤層が伸びてちぎれるように切断されてしまい、接着剤層の伸びた部分がバリになってしまうと推定される。したがって、バリの発生を防ぐためには打ち抜き時に切断し易い範囲でベースフィルムを厚くし、接着剤層を貼付信頼性を損なわない程度に薄くなるようにすることが好ましい。具体的には、ベースフィルムが全体厚みの30〜90%の範囲に選定することが好ましい。以上、本発明の接着フィルムについて詳細に述べてきたが、これらの接着フィルムの片面または両面に銅箔を貼着して得られる銅張り積層体は、その半田耐熱性が300℃×60秒間以上であり、半導体を実装する上で品質、効率の向上等の好ましい結果を与える。
次に、本発明のポリイミドフィルムを磁気記録フィルムのベースフィルムとして用いる場合についてより具体的に説明する。
従来から、ベースフィルム表面に金属薄膜を形成したシートが、種々の技術分野で使用されている。例えば、磁気記録の分野では、高分子フィルムの表面に強磁性材料の磁性層を形成して、磁気記録フィルム(例えば、フレキシブルディスク、磁気記録テープ等)として使用されている。この磁気記録の分野においては、記録の高密度化に伴い、従来の酸化物塗布型の磁気記録媒体から、メタル塗布型、蒸着型の磁気記録媒体へと研究が進んでいる。さらに、従来の面内磁気記録方式の限界を凌ぐ、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体も開発されている。また、磁気記録媒体の製造方法も著しく変化しており、例えば、磁気性能を有する金属粉をバインダーに混ぜて、その混合物を塗布する従来の方法から、Co−Ni、Co−Crなどの合金を形成するときのように、真空蒸着法、スパックリング法、あるいはイオンプレーテイング法などの新しい薄膜堆積法に変わりつつある。これらの薄膜堆積法では、べ一スフィルム上への磁性層の成膜中に、ベースフィルムが蒸発源からの掃射熱、蒸着粒子の運動エネルギーの放出によりかなりの高温に曝される。また、Co−Cr膜のように充分に大きな保磁力を持たせる必要から、磁性層を形成する際にベースフィルムの温度を100℃以上、特に160℃以上にあげる場合もある。このように、薄膜堆積法では、金属箔のベースフィルムにかなりの耐熱性が要求される。
しかし、従来の磁気記録媒体のベースフィルムには、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルムが多く用いられている。ポリエステルフィルムは、耐熱温度が低いために、蒸着法で磁性層を形成する際には、キヤン温度を氷点下に冷却すると共に、ベースフィルムとキヤンとを充分に密着させて熱の逃げを良くする必要があった。それでもポリエチレンテレフタレートフィルムの場合は、部分的に熱的損傷を受けたり、熱分解生成物であるオリゴマーなどが発生して表面に小突起を生じていたのである。また、ポリエチレンテレフタレートは、瞬間的にでも160℃を超える熱履歴を受ける磁性層の形成には使用することは困難であった。
一方、耐熱性フィルムとしては、従来からポリイミドフィルムやポリアミドフィルムが知られていた。ポリイミドフィルムは、高分子材料としては極めて耐熱温度が高く、250℃で連続使用が可能である。従来のポリイミドフィルムは、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDAと略す)とジアミノジフェニルエーテル(以下、ODAと略す)との重合物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと略す)とODAとの重合物、あるいはBPDAとパラフェニレンジアミン(以下、p−PDAと略す)との重合物から形成されたフィルムなどがある。これら3種のポリイミドフィルムなどは、線膨張係数が30ppm(20℃〜300℃)以上と高すぎるか、4ppm(20℃〜300℃)以下と低すぎるかで、耐熱性または機械的物性において充分ではなかった。従来のポリイミドフィルムやポリアミドフィルムの表面に、蒸着法あるいはスパックリング法で合金の薄膜を形成した磁気記録媒体は大きなカールを生じやすい問題点があった。
上記磁気記録媒体のカールの原因としては、(a)磁性層の応力、(b)ベースフィルム層と磁性層の線膨張係数の差、およびベースフィルム層の熱収縮により生じる熱応力、(c)磁性層を形成中にベースフィルムに加わる機械的応力などが考えられる。特に垂直磁気記録媒体となるCo−Cr系の膜のように磁気特性からの要請によって、磁性層の形成中のべースフィルムの温度をかなり高く上げる必要のある磁気記録媒体においては、ベースフィルムと磁性層との線膨張係数の差がカール発生の大きな原因となる。しかし、現在ところ、カールの除去に対する有効な手段が見い出されていない。また、磁気記録媒体の剛性に関係のあるベースフィルムの引張弾性率は、従来のポリイミドフィルムが約300kg/mm2 程度であり、芳香族ポリアミドフィルムが約1000〜1200kg/mm2 であり、ポリエチレンテレフタレートに比べて軟らかすぎるか、硬すぎるものであって、適度な引張強度を有するものではなかった。このために、従来の磁気記録媒体は、走行性の悪いものであり、また、巻きムラを生じたり、さらにヘッドタッチの不良を起こし易い等の問題が生じていた。
本発明のポリイミドフィルムを磁気記録フィルムのベースフィルムとして用いれば、上記の従来の磁気記録フィルムなどの磁気記録媒体の問題を解決することができる。一般に、磁気記録媒体用フィルムに要求される特性は、(a)巻き姿が正常で、表面の凹凸や巻き硬さのムラが無く、厚みムラがないこと、(b)引張弾性率が500〜800kg/mm2 と適度に高いこと、(c)耐熱性に優れていること、(d)温度、湿度による寸法安定性の良いこと、すなわち、熱収縮率、熱膨張率、吸湿膨張率が小さく、フィルム面内の異方性が無いことであるが、磁気記録フィルムのベースフィルムとして本発明のポリイミドフィルムを用いれば、上記要求される諸特性を備え、上記カール発生の問題も解決された優れた性能の磁気記録フィルムを得ることができる。
磁気記録フィルムのベースフィルムとして用いるポリイミドフィルムは、弾性率が500kg/mm2 以上、好ましくは550kg/mm2 以上であり、20℃〜300℃の温度範囲での平均線膨張係数が1〜20ppm、好ましくは1〜16ppmであって、しかも、フィルムの長手方向(MD方向)と横断方向(TD方向)との線膨張係数の比が1/5〜5、好ましくは1/3〜3、さらに好ましくは1/2〜2であり、さらに、30%RH〜80%RHの範囲での平均吸湿膨張係数が2〜20ppm、好ましくは1〜15ppm、より好ましくは1〜10ppmであって、さらに、常温から300℃まで昇温し、300℃に2時間維持する加熱を行った前後の常温でのフィルムの加熱収縮率が−1.0%〜1.0%以下であり、さらに、厚み50μm以下、2〜15μmにまで薄くしても、上記の特性を有し得るものが好ましい。
以下、本発明の好ましい態様を実施例で説明するが、これらの実施例は本発明を説明するためのものであり、限定するためのものではない。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行い得る。
以下の比較例および実施例において、以下の略号を用いる。
PMDA:ピロメリット酸二無水物
TMHQ:p −フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)
ODA :4 ,4 ’−ジアミノジフェニルエーテル
p −PDA :パラフェニレンジアミン
DMF :ジメチルホルムアミド
DMAc:ジメチルアセトアミド
AA:無水酢酸
IQ:イソキノリン
(比較例1)セパラブルフラスコにDMF をとり、ODA を1 当量とり、ODA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、PMDA O.85当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA O.15当量をDMF に溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMF 溶液を得た。なおDMF の使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、約100 ℃に約5 分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃で約30秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃で約30秒間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例1)
成分A
セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を2当量、p−PDA を3当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを 4.25当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拝した。そして、TMHQを0.75当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。
成分B
セパラブルフラスコにDMF をとり、ODA を3 当量、p−PDA を1 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、PMDAを3.4当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA O.6 当量をDMFに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMF 溶液を得た。なおDMF の使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に成分A と成分B の重量比が1 :1 ずつとり撹拌混合した。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、約100 ℃に約5 分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃で約30秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃で約30秒間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例2)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を4 当量、p−PDA を2 当量とり、ODA,P−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを6 当量加え、その後40分撹拝した。そして、ODA を1 当量、p−PDA を3 当量を加え、その後40分撹拌した。そしてPMDAを3.5 当量加え、40分間撹拌した。次に、PMDA O.5 当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、約100 ℃に約5 分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃で約30秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃で約30秒間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例3)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を4 .5 当量、p−PDA を 5.5 当量とり、ODA ,P−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、PMDAを5 当量加え、その後40分撹拌した。そして、TMHQを 4.5 当量加え、40分間撹拌した。次に、TMHQ O.5 当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、ボリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、約100 ℃に約5 分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃で約30秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃で約30秒間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例4)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を5 当量、p−PDA を5 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを5 当量加え、その後40分撹拌した。そして、PMDAを 4.5 当量加え、40分間撹拌した。次に、PMDA O.5 当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、約100 ℃に約5 分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃で約30秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃で約30秒間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイミドフィルムを得た。比較例1 および実施例1 〜4 で得られたフィルムの線膨張係数、吸湿膨張係数、弾性、吸水率、比誘電率を測定した。得られた結果を表1 に示す。
Figure 2006328407
なお、線膨張係数は窒素気流下で理学電気製TMA−8140により測定した20〜300℃での線膨張係数を言う。吸湿度膨張係数は下記の算出方法および測定装置によって決定される。
(1)湿度伸び率の算出方法:湿度を図2のように変化させ、湿度変化量とサンプルの伸び率を同時に測定して湿度伸び率を算出する(測定温度50℃)
湿度伸び率={吸湿伸び量(d)÷(サンプル長さ+c)}÷湿度変化量(b)
bは低湿側:35%RH、高湿側:75%RH
cはサンプルセット後室温から測定温度に上がるときの熱膨張
(2)測定装置(図3)概要:
(1)測定温度のコントロールは温水槽の温調にて行う。
(2)恒温槽の加湿は水蒸気発生槽にN2を入れ、湿度条件はマントルヒ−ターをプログラムで昇温して行い、恒温槽間(導入部)は結露防止のため温調している。
(3)湿度センサーにはセンサー温度を恒温槽温度と同じようにするよう温調している。但し、温調箇所は恒温槽外のセンサー胴部。
(4)長さ(伸び)は島津製TMA(TMC−140)で測定。引張弾性率は、ASTM−D882による。吸水率は、フィルムを150 ℃で30分間乾燥させたものの重量をWlとし、24時間蒸留水に浸漬した後表面の水滴を拭き取ったものの重量をW2とし、下記式により算出する。
吸水率(%)=(W2−Wl)÷WlXlOO
誘電率測定は、下記の通りである。試験片厚みは、容積比重法により算出した。
電極形状:JIS −K6911 に準拠する。
試験環境:22±2 ℃、60±5 %RH
周波数 :100Hz ,1kHz,10kHz ,100kHz,1MHz
温度 :一50℃、0 ℃、22℃、100 ℃、200 ℃
(実施例5)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を8 当量、p−PDA を5 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを5 当量、PMDA 6.05当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA l.95当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、約150℃に約5 分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃で約30秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃で約30秒間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例6)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を12当量、p−PDA を11当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを15当量、PMDA 4.55当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA 3.45当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物顛のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、約100 ℃に約5 分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃で約30秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃で約30秒間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例7)実施例1と同様な方法で約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例8)
成分A
セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を2 当量、p−PDA を3 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを 4.25当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、TMHQを 0.75当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。
成分B
セパラブルフラスコにDMF をとり、ODA を3 当量、p−PDA を1 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、PMDAを 3.4 当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA O.6 当量をDMFに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ボリアミド酸のDMF 溶液を得た。なおDMF の使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に成分A と成分B の重量仕が2 :1 ずつとり撹拌混合した。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、約100 ℃に約5 分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後約100 ℃で約5 分間、約300 ℃で約30秒間、約400 ℃で約30秒間加熱し、約510 ℃で約30秒間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例9)実施例3と同様な方法で約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例10)実施例2と同様な方法で約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例11)実施例4と同様な方法で約10μm のポリイミドフィルムを得た。比較例1 及び実施例5〜11で得られたフィルムの線膨張係数、吸湿膨張係数、弾性率を測定した。得られた結果を表2 に示す。なお、線膨張係数は窒素気流下で理学電気製TMA −8140により測定した20〜300 ℃での線膨張係数を言う。吸湿膨張係数は、比較例1及び実施例1〜4と同様な方法で算出する。引張弾性率、引張伸び率は、ASTM D882による。吸水率は、フィルムを150 ℃で30分間寵燥させたものの重量をWlとし、24時間蒸留水に浸漬した後表面の水滴を拭き取ったものの重量をW2とし、下記式により算出する。
吸水率(%)=(W2−Wl)÷WlXlOO
プラズマエッチング性の評価は、ULVAC 製平行平板型RIE 装置:RMD −450Bを使用。実験条件は、エッチングガス:02+20%CF。、ガス流量:400SCCM 、ガス圧;100mTorr、RFパワー;0.6W/cm2 、電極温度:40℃
Figure 2006328407
(比較例2)セパラブルフラスコにDMFをとり、ODAを1当量とり、ODAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、PMDA0.85当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA0.15当量をDMFに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMF溶液を得た。なおDMFの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、100℃で5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。
(実施例12)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を4 当量、p−PDA を2 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQ、5.95当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、ODA l当量、p−PDA 3当量を添加し、40分間撹拌した。このあと、PMDA、4 当量を粉体で徐々に加え、1 時間撹拌した。次に、PMDA 0.05当量をDMAcに溶解させた酸溶液を徐々に添加し、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。
(実施例13)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を1 当量、p−PDA を3 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、PMDA、3.95当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、ODA4当量、p−PDA 2当量を添加し、40分間撹拌した。このあと、TMHQ、6 当量を粉体で徐々に加え、1 時間撹拌した。次に、TMHQ、0.05当量をDMAcに溶解させた酸溶液を徐々に添加し、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。
(実施例14)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を4 当量、p−PDA を1 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌しした。次に、TMHQ、 4.95当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、ODA を 0.5 当量、p−PDA を 4.5 当量を添加し、40分間撹拌した。このあと、PMDA5 当量を粉体で徐々に加え、1 時間撹拌した。次に、PMDA 0.05当量をDMAcに溶解させた酸溶液を徐々に添加し、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。比較例2 及び実施例12〜14で得られたフィルムの線膨張係数、吸湿膨張係数、弾性率を測定した。得られた結果を表3 に示す。なお、線膨張係数は窒素気流下で理学電気製 TMA−8140により測定した20〜300 ℃での線膨張係数を言う。吸湿膨張係数は、比較例1及び実施例1〜4と同様な方法で算出する。引張弾性率は、ASTM−D882による。吸水率は、フィルムを150 ℃で30分間乾燥させたものの重量をWlとし、24時間蒸留水に漫漬した後表面の水滴を拭き取ったものの重量をW2とし、下記式により算出する。
吸水率(%)=(W2−Wl)÷WlXlOO
Figure 2006328407
(実施例15)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を8 当量、p−PDA を5 当量とり、ODA、p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを5 当量、PMDA 6.05当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA l.95当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物顛のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。
(実施例16)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を12当量、p−PDA を11当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを15当量、PMDA 4.55当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA 3.45当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。
(実施例17)
成分A
セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を2 当量、p−PDA を3 当量とり、ODA、p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌しした。次に、TMHQを 4.25当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、TMHQを 0.75当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。
成分B
セパラブルフラスコにDMF をとり、ODA を3 当量、p−PDA を1 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、PMDAを 3.4 当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA O.6 当量をDMFに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMF 溶液を得た。なおDMF の使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に成分A と成分B の重量仕が1 :1 ずつとり撹拌混合した。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。
(実施例18)
成分A
セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を2 当量、p−PDA を3 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを 4.25当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、TMHQを 0.75当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。
成分B
セパラブルフラスコにDMF をとり、ODA を3 当量、p−PDA を1 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、PMDAを 3.4 当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA O.6 当量をDMFに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMF 溶液を得た。なおDMF の使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に成分A と成分B の重量比が2 :1 ずつとり撹拌混合した。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。
(実施例19)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を 4.5 当量、p−PDA を 5.5 当量とり、ODA ,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、PMDAを5当量加え、その後40分撹拌した。そして、TMHQを 4.5 当量を加え、その後40分撹拌した。そしてTMHQを 0.5 当量DMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物額のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。
(実施例20)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を4 当量、p−PDA を2 当量とり、ODA,p−PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを6 当量加え、その後40分撹拌した。そして、ODA を1 当量、p−PDA を3 当量とり、その後40分撹拌した。次にPMDAを3.5 当量を加え、その後40分撹拌した。そしてPMDAを0.5 当量DMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMACの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物顛のモノマ−仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。
(実施例21)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA を5 当量、p −PDA を5 当量とり、ODA ,p −PDA が完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを5 当量加え、その後40分撹拌した。そして、PMDAを4.5 当量を加え、その後40分撹拌した。そしてPMDAを0.5 当量DMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1 時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物顛のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、得られたポリアミド酸とAA、IQを混合し、ステンレス製のエンドレスベルト上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、自己支持性を有するプレフィルムとしベルト上から引き剥がした後、プレフィルム両端を把持し、その状態で連続的にプレフィルムを炉内に搬送して、300℃で30秒、400℃で30秒、510℃で30秒の加熱を行った。さらに除冷炉にて、室温までなだらかに降温し、除冷炉から搬出したところでピンからフィルムを引き剥がした。得られたフィルムのフィルム流方向をMD方向、フィルム横断方向をTD方向とし、諸特性を測定した。比較例2及び実施例15〜21で得られたフィルムの線膨張係数、吸湿膨張係数、弾性率を測定した。得られた結果を表4 に示す。
Figure 2006328407
なお、線膨張係数は窒素気流下で理学電気製TMA−8140により測定した20〜300℃での線膨張係数を言う。吸湿膨張係数は、比較例1及び実施例1〜4と同様な方法で算出する。引張弾性率は、ASTM−D882による。カールの程度は、比較例2及び実施例15〜21のフィルム上に、電子ビーム加熱連続蒸着装置を用い、Coを斜方蒸着法により積層し磁性層とした。磁性層の厚みは、いずれも 0.12μm で、キヤンの温度は250 度であった。また、磁性層の堆積層の堆積速度はおよそ 0.1 μm/sec であった。
(実施例22)実施例5と同様な方法で約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例23)実施例6と同様な方法で約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例24)実施例1と同様な方法で約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例25)実施例8と同様な方法で約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例26)実施例3と同様な方法で約10μm のポリイミドフィルムを得た。(実施例27)実施例2と同様な方法で約10μm のポリイミドフィルムを得た。
(実施例28)実施例4と同様な方法で約10μm のポリイミドフィルムを得た。比較例1 及び実施例22〜28で得られたフィルムの線膨張係数、吸湿膨張係数、弾性率を測定した。得られた結果を表5 に示す。
Figure 2006328407
なお、線膨張係数は窒素気流下で理学電気製TMA −8140により測定した20〜300 ℃での線膨張係数を言う。吸湿膨張係数は、比較例1及び実施例1〜4と同様な方法で算出する。引張弾性率は、ASTM D882による。吸水率は、フィルムを150 ℃で30分間乾燥させたものの重量をWlとし、24時間蒸留水に漠漬した後表面の水滴を拭き取ったものの重量をW2とし、下記式により算出する。
吸水率(%)=(W2−Wl)÷WlXlOO
密度測定は、JIS K7112 6.4D法(密度勾配管による測定方法)による。接着強度の測定は以下の通りである。得られたポリイミドフィルムをナイロンエポキシ系接着剤と鋼箔(三井金属製電解銅箔3EC−VLP )を用いて積層して、ポリイミドフィルム/接着剤/銅箔の3層積層体を作製した。この積層体をJIS −6472−1995−第8 項に準じ測定を実施した。3 層銅張積層体のカール性の測定は以下の通りである。
(1)比較例1 及び実施例22〜28と同様のポリイミドフィルム作成方法によりそれぞれ50μm のフィルムを得た。
(2)得られたポリイミドフィルムをナイロンエポキシ系接着剤と鋼箔(三井金属製電解鋼箔3EC−VLP )を用いて積層して、ポリイミドフィルム/接着剤/鋼箔の3 層積層体を作製した。
(3)(2)において得られた3 層積層体を35mm(以下、TD方向と略す)×40mm
(以下、MD方向と略す)に切り出し、試験片を23℃/相対湿度55%の雰囲気下24時間放置する。その後、図1 のように凹面が下向きになるように静置して最大浮き上がり長さをダイヤルゲージにて測定した。測定結果を表6 に示す。
Figure 2006328407
(実施例29)実施例5と同様な方法で約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例30)実施例6と同様な方法で約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例31)実施例3と同様な方法で約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例32)実施例2と同様な方法で約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例33)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを5当量、p−PDAを5当量とり、ODA,p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌しした。次に、TMHQを5当量加え、その後40分撹拌した。そして、PMDAを4.5当量を加え、その後40分撹拌した。そしてPMDAを0.5当量DMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸二無水物類のモノマー仕込濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、約100℃に約1分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後約100℃で約1分間、約200℃で約1分間、約300℃で約1分間加熱し、約400℃で約1分間加熱し、脱水閉環乾燥し、約10μmのポリイミドフィルムを得た。比較例1及び実施例29〜33で得られたフィルムの線膨張係数、吸湿膨張係数、弾性率を測定した。得られた結果を表7に示す。
Figure 2006328407
なお、線膨張係数は窒素気流下で理学電気製TMA 8140により測定した20〜300℃での線膨張係数を言う。吸湿膨張係数は、比較例1及び実施例1〜4と同様な方法で算出する。吸水率は、フィルムを150℃で30分間乾燥させたものの重量をW1とし、24時間蒸留水に浸漬した後表面の水滴を拭き取ったものの重量をW2とし、下記式により算出する。
吸水率(%)=(W2−W1)÷W1×100
(比較例3)比較例1にて得られたフィルム(10μm)の片面に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−エチレングリコールジベンゾエートテトラカルボン酸二無水物、及び2,2’ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパンを主成分とするTgが190℃の熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸有機溶媒溶液を塗布・乾燥して厚さ17μmのポリイミド積層体を得た。得られたポリイミド積層体と銅箔(三井金属製電解銅箔3EC VLP)を重ね合わせホットプレスにより加熱圧着(30kgf/cm2/240℃/20分間)し、非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイミド/銅箔の3層積層体を得た。得られた積層体について非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイミド界面の接着強度を測定した。
(比較例4)比較例1にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(比較例5)比較例1にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(比較例6)比較例1にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(比較例7)比較例1にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、イソホロンジアミンのメタノール溶液(5wt%)をバーコーターにて塗布後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(比較例8)比較例1にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、プラズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実施した。更に、イソホロンジアミンのメタノール溶液(5wt%)にてバーコーターにて塗布後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(比較例9)実施例33にて得られたフィルム(10μm)を比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(比較例10)実施例33にて得られたフィルム(10μm)を比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例34)実施例29にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した。更に、イソホロンジアミンのメタノール溶液
(5wt%)をバーコーターにて塗布後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例35)実施例29にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例36)実施例29にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、プラズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例37)実施例29にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例38)実施例29にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、イソホロンジアミンのメタノール溶液(5wt%)をバーコーターにて塗布後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例39)実施例29にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実施した。更に、イソホロンジアミンのメタノール溶液(5wt%)をバーコーターにて塗布後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例40)実施例30にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例41)実施例31にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例42)実施例32にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例43)実施例33にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、イソホロンジアミンのメタノール溶液(5wt%)をバーコーターにて塗布後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例44)実施例33にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、ジエチレントリアミンのメタノール溶液(5wt%)をバーコーターにて塗布後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例45)実施例33にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、N−アミノエチルピペラジンのメタノール溶液(5wt%)にてバーコーターにて塗布後70℃・1分間乾燥した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例46)実施例33にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例47)実施例33にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、プラズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例48)実施例33にて得られたフィルム(10μm)に加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。更に、プラズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
(実施例49)実施例33にて得られたフィルム(10μm)にプラズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実施した。該ポリイミドフィルムを比較例3と同様の方法にて接着強度を測定した。
[ポリイミドフィルムの作成]以下に示す手順で6種類のポリイミドフィルム(PIフィルム−1〜6)を作成した。作成したポリイミドフィルムの各特性値測定方法は次の通りである。
(線膨張係数)10℃/minの昇降温速度にて室温〜400℃の加熱と冷却とを窒素気流下で繰り返し、2回目昇温時の20〜300℃での平均線膨張係数を測定した。測定機器としては理学電気製TMA8140を使用した。
(吸湿膨張係数)吸湿膨張係数は、比較例1及び実施例1〜4と同様な方法で算出する。
(引張弾性率)引張弾性率は、ASTM D882の方法によった。
(吸水率)吸水率は、フィルムを150℃で30分間乾燥させたものの重量をW1とし、24時間蒸留水に浸漬した後表面の水滴を拭き取ったものの重量をW2とし、下記式により算出した。
吸水率(%)=(W2−W1)÷W1×100
(PIフィルム−1) セパラブルフラスコにDMFをとり、ODAを10当量とりODAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、PMDA8.5当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA1.5当量をDMFに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMF溶液を得た。なおDMFの使用量はジアミン化合物と酸二無水物化合物とを合わせた総仕込量のポリアミド酸溶液重量に対する濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後300℃で1分間、400℃で1分間、510℃で1分間加熱し、50μmのポリイミドフィルムを得た。作成したポリイミドフィルムの線膨張係数は32ppm、吸湿膨張係数は20ppm、弾性率は300kg/mm2 、吸水率は3.0%であった。
(PIフィルム−2) セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを8当量、p−PDAを5当量とり、ODA,p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを5当量、PMDA6.05当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA1.95当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン化合物と酸二無水物化合物とを合わせた総仕込量のポリアミド酸溶液重量に対する濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後300℃で1分間、400℃で1分間、510℃で1分間加熱し、50μmのポリイミドフィルムを得た。作成したポリイミドフィルムの線膨張係数は12ppm、吸湿膨張係数は7ppm、弾性率は550kg/mm2 、吸水率は1.0%であった。
(PIフィルム−3) セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを12当量、p−PDAを11当量とり、ODA,p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを15当量、PMDA4.55当量を粉体で徐々に加え、その後40分撹拌した。そして、PMDA3.45当量をDMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン化合物と酸二無水物化合物とを合わせた総仕込量のポリアミド酸溶液重量に対する濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後300℃で1分間、400℃で1分間、510℃で1分間加熱し、50μmのポリイミドフィルムを得た。作成したポリイミドフィルムの線膨張係数は10ppm、吸湿膨張係数は4ppm、弾性率は700kg/mm2 、吸水率は0.8%であった。
(PIフィルム−4) セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを4.5当量、p−PDAを5.5当量とり、ODA,p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、PMDAを5当量加え、その後40分撹拌した。そして、TMHQを4.5当量を加え、その後40分撹拌した。そしてTMHQを0.5当量DMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン化合物と酸二無水物化合物とを合わせた総仕込量のポリアミド酸溶液重量に対する濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後300℃で1分間、400℃で1分間、510℃で1分間加熱し、50μmのポリイミドフィルムを得た。作成したポリイミドフィルムの線膨張係数は9ppm、吸湿膨張係数は5ppm、弾性率は630kg/mm2 、吸水率は1.4%であった。
(PIフィルム−5) セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを4当量、p−PDAを2当量とり、ODA,p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを6当量加え、その後40分撹拌した。そして、ODAを1当量、p−PDAを3当量とり、その後40分撹拌した。次にPMDAを3.5当量を加え、その後40分撹拌した。そしてPMDAを0.5当量DMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン化合物と酸二無水物化合物とを合わせた総仕込量のポリアミド酸溶液重量に対する濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後300℃で1分間、400℃で1分間、510℃で1分間加熱し、50μmのポリイミドフィルムを得た。作成したポリイミドフィルムの線膨張係数は8ppm、吸湿膨張係数は4ppm、弾性率は680kg/mm2 、吸水率は0.9%であった。
(PIフィルム−6) セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを5当量、p−PDAを5当量とり、ODA,p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次に、TMHQを5当量加え、その後40分撹拌した。そして、PMDAを4.5当量を加え、その後40分撹拌した。そしてPMDAを0.5当量DMAcに溶かした溶液を徐々に加え、このあと1時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。なおDMAcの使用量はジアミン化合物と酸二無水物化合物とを合わせた総仕込量のポリアミド酸溶液重量に対する濃度が、18重量%となるようにした。次に、ポリアミド酸溶液をAA、IQと混合し、ガラス板上に流延塗布し、100℃に5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をガラス板より剥し、その塗膜を支持枠に固定し、その後300℃で1分間、400℃で1分間、510℃で1分間加熱し、50μmのポリイミドフィルムを得た。作成したポリイミドフィルムの線膨張係数は9ppm、吸湿膨張係数は5ppm、弾性率は600kg/mm2 、吸水率は1.2%であった。
[PIフィルムの処理]作成したPIフィルムに対して施した処理を以下に示す。
(処理A) 加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した。
(処理B) 加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後、コロナ処理密度300w・min/m2 のコロナ処理を実施した。
(処理C) プラズマ処理密度2000w・min/m2 のプラズマ処理を実施した。
(処理D) 加熱処理温度500℃・処理時間1分間の加熱処理を実施した後に、イソホロンジアミンのメタノール溶液(5wt%)をバーコーターで塗布し70℃で1分間乾燥した。
比較例3〜10及び実施例34〜49で得られたフィルムの接着強度を測定した。結果を表8に示す。
Figure 2006328407
[接着フィルムの作成]
(比較例11)処理を施していないPIフィルム−1の片面に3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−エチレングリコールジベンゾエートテトラカルボン酸二無水物、及び2,2´−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパンを主成分とするTg=190℃の熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸有機溶媒溶液を塗布・乾燥して厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度と半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、接着強度が0.1kgf /cmで半田耐熱性が280℃、300℃ともに「不良」であった。
(比較例12)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Aを施したPIフィルム−1を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.3kgf /cmであった。
(比較例13)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Bを施したPIフィルム−1を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.3kgf /cmであった。
(比較例14)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Cを施したPIフィルム−1を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.3kgf /cmであった。
(比較例15)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Dを施したPIフィルム−1を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.3kgf /cmであった。
(比較例16)処理を施していないPIフィルム−1の片面に3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−エチレングリコールジベンゾエートテトラカルボン酸二無水物、及び2,2´−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパンを主成分とするTg=190℃の熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸有機溶媒溶液を塗布・乾燥し、厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。次にもう一方の面に上記と同様の操作を行って厚さ70μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「不良」であった。
(比較例17)PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの片面にナイロンエポキシ系接着剤を塗布乾燥させ、接着剤層がBステージ化したPET接着シートを作成した。このPET接着シートの接着剤層の厚みは10μmであった。次いで処理を施していないPIフィルム−1と前記PET接着シートをそれぞれ1枚ずつ、PIフィルム、接着剤層、PETフィルムの順になるように重ね合わせ、5kgf/cm2 の圧力下で120℃5秒間加熱し、PETフィルムで接着剤面が覆われた片面接着フィルムを得た。尚PETフィルムは接着剤面のカバーフィルムとしてこの後は機能し、接着フィルム使用前に剥がし取られる。得られた接着フィルムの接着強度と半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、接着強度が0.1kgf /cmで半田耐熱性が280℃、300℃ともに「不良」であった。
(比較例18)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Aを施したPIフィルム−1を使用した以外は比較例17と同じ操作を行い、片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.3kgf /cmであった。
(比較例19)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Bを施したPIフィルム−1を使用した以外は比較例17と同じ操作を行い、片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.3kgf /cmであった。
(比較例20)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Cを施したPIフィルム−1を使用した以外は比較例17と同じ操作を行い、片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.4kgf /cmであった。
(比較例21)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Dを施したPIフィルム−1を使用した以外は比較例17と同じ操作を行い、片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.4kgf /cmであった。
(比較例22)比較例17で使用したPET接着シート2枚の間に、処理を施していないPIフィルム−1を、PETフィルム、接着剤層、PIフィルム、接着剤層、PETフィルムの順になるように重ね合わせ、5kgf/cm2 の圧力下で120℃5秒間加熱し、PETフィルムで両面が覆われた両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「不良」であった。
(実施例50)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−2を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例51)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−3を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例52)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−4を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例53)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−5を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例54)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−6を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度と半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、接着強度が0.2kgf /cmで半田耐熱性が280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例55)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Aを施したPIフィルム−6を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、0.9kgf /cmであった。
(実施例56)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Bを施したPIフィルム−6を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.1kgf /cmであった。
(実施例57)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Cを施したPIフィルム−6を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.2kgf /cmであった。
(実施例58)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Dを施したPIフィルム−6を用いた以外は比較例11と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.3kgf /cmであった。
(実施例59)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−2を用いた以外は比較例16と同じ方法で厚さ70μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例60)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−3を用いた以外は比較例16と同じ方法で厚さ70μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例61)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−4を用いた以外は比較例16と同じ方法で厚さ70μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例62)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−5を用いた以外は比較例16と同じ方法で厚さ70μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例63)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−6を用いた以外は比較例16と同じ方法で厚さ70μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例64)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−2を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例65)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−3を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例66)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−4を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例67)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−5を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例68)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−6を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度と半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、接着強度が0.2kgf /cmで半田耐熱性が280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例69)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Aを施したPIフィルム−6を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.1kgf /cmであった。
(実施例70)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Bを施したPIフィルム−6を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.2kgf /cmであった。
(実施例71)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Cを施したPIフィルム−6を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.4kgf /cmであった。
(実施例72)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理Dを施したPIフィルム−6を用いた以外は比較例17と同じ方法で厚さ60μmの片面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの接着強度の測定を後述の方法で行った結果は、1.3kgf /cmであった。
(実施例73)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−2を用いた以外は比較例22と同じ方法で厚さ70μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例74)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−3を用いた以外は比較例22と同じ方法で厚さ70μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例75)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−4を用いた以外は比較例22と同じ方法で厚さ70μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例76)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−5を用いた以外は比較例22と同じ方法で厚さ70μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
(実施例77)処理を施していないPIフィルム−1の代わりに、処理を施していないPIフィルム−6を用いた以外は比較例22と同じ方法で厚さ70μmの両面接着フィルムを得た。得られた接着フィルムの半田耐熱性の測定を後述の方法で行った結果は、280℃、300℃ともに「良好」であった。
[接着フィルムの接着強度と半田耐熱性の測定]先ず比較例11〜22及び実施例50〜77で得た接着フィルムに銅箔(三井金属製35μm電解銅箔3EC VLP)を貼着した。貼着方法は適用した接着剤層の種類及び片面・両面別に次の通り行った。
(片面に熱可塑性ポリイミド層を有する比較例11〜15及び実施例50〜58の接着フィルムの場合)片面接着フィルムと銅箔(三井金属製35μm電解銅箔3EC VLP)を重ね合わせホットプレスにより加熱圧着(30kgf/cm2 240℃ 20分間)し、PIフィルム/熱可塑性ポリイミド/銅箔の3層積層体を得た。
(両面に熱可塑性ポリイミド層を有する比較例16及び実施例59〜63の接着フィルムの場合)接着フィルムの両面に銅箔(三井金属製35μm電解銅箔3EC VLP)を重ね合わせホットプレスにより加熱圧着(30kgf/cm2 240℃ 20分間)し、銅箔/熱可塑性ポリイミド/PIフィルム/熱可塑性ポリイミド/銅箔の5層積層体を得た。
(片面に熱硬化性接着剤層を有する比較例17〜21及び実施例64〜72の接着フィルムの場合)カバーフィルムであるPETフィルムを予め剥がし取った片面接着フィルムと銅箔(三井金属製35μm電解銅箔3EC VLP)を重ね合わせホットプレスにより予備加熱圧着(10kgf/cm2 120℃ 1分間)し、PIフィルム/ナイロンエポキシ系接着剤/銅箔の3層積層体を得た。得られた3層積層体に120℃4時間、160℃4時間、120℃4時間の3段階の加熱を施しナイロンエポキシ系接着剤の硬化を完了させた。
(両面に熱硬化性接着剤層を有する比較例22及び実施例73〜77の接着フィルムの場合)カバーフィルムであるPETフィルムを予め剥がし取った両面接着フィルムの両面に2枚の銅箔(三井金属製35μm電解銅箔3EC VLP)を重ね合わせホットプレスにより予備加熱圧着(10kgf/cm2 120℃ 1分間)し、銅箔/ナイロンエポキシ系接着剤/PIフィルム/ナイロンエポキシ系接着剤/銅箔の5層積層体を得た。得られた5層積層体に120℃4時間、160℃4時間、120℃4時間の3段階の加熱を施しナイロンエポキシ系接着剤の硬化を完了させた。
以上の方法により得られた銅張り積層体の接着強度と半田耐熱性の測定を行った。それぞれの測定方法は次の通りである。
(接着強度)JIS 6472−1995−第8項の方法によって測定した
(半田耐熱性)半田耐熱性については常態で評価を行った。銅張り積層体を20mm×50mmに切り出し、その後、280℃または300℃の溶融半田上に1分間に浮遊させた後に、銅箔をエッチングにより除去し発泡状態を観察した。評価は、発泡、シワ、亀裂、剥がれ、変形等の異常が全くない場合を「良好」とし、発泡、シワ、亀裂、剥がれ、変形等の異常が発生した場合は「不良」とした。比較例11〜22、実施例50〜77の接着強度の測定結果と半田耐熱性の評価結果を一覧表にしたものが表9である。
Figure 2006328407
(比較例23)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA1当量、p−PDAを3当量とり、ODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にPMDA3.5当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、PMDA0.5当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして25、50、75μmのフィルムを得た。支持枠固定後の加熱条件は以下の通り。
25μm 100℃×5分+(300、400、510℃で各30秒間ずつ)
50μm 100℃×5分+(300、400、510℃で各60秒間ずつ)
75μm 100℃×5分+(300、400、510℃で各90秒間ずつ)
(実施例78)
実施例4と同様にして25、50、75μmのフィルムを得た。
支持枠固定後の加熱条件は以下の通り。
25μm 100℃×5分+(300、400、510℃で各30秒間ずつ)
50μm 100℃×5分+(300、400、510℃で各60秒間ずつ)
75μm 100℃×5分+(300、400、510℃で各90秒間ずつ)
比較例23、実施例78にて得られたフィルムを用い、JIS規格に準じて透湿度・酸素透過率を測定した。透湿度の温度依存性については、25μmのフィルムを用いた。測定結果を表10〜12に示す。
Figure 2006328407
Figure 2006328407
Figure 2006328407
PIフィルムの透湿度、酸素透過率の重要性について以下に述べる。
(1)[透湿度]
ベースフィルムの吸水・透湿度が高いと透電率が変化し、FPCの電気特性が変化する。一般に回路設計は電気特性の変化範囲を考慮に入れて行われるが、考慮すべき特性範囲が広ければそれだけ小型化や薄型化に制限を加える結果となる。特に2層FPCの場合、ベースフィルムと銅が直接接しているため吸水の影響をより受けやすく2層FPC用途ではベースフィルムの低吸水率・低透湿度の重要性は高い。
(2)[酸素透過率]
FPCのベースフィルム側から酸素が透過すると3層FPCの場合、接着剤の劣化による接着性不良を引き起こす場合がある。2層FPCの場合は銅の劣化により電気特性の低下が起こるため低酸素透過性を有するポリイミドフィルムが望まれている。
(比較例24)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA1当量、p−PDAを2当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ2.5当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、TMHQ0.5当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(比較例25)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA2当量、p−PDAを3当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ4.5当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、TMHQ0.5当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(比較例26)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA1当量、p−PDAを1当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ1.8当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、TMHQ0.2当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(比較例27)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODA3当量、p−PDAを1当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ3.6当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、TMHQ0.4当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(比較例28)支持枠固定後の加熱温度が100℃×5分+(200、300、400℃で各2分間ずつ)である以外は比較例24と同じ方法で厚み12.5μmのポリイミドドフィルムを得た。
(実施例79)実施例4と同様にして約10μmのフィルムを得た。
(実施例80)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを5当量、p−PDAを5当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ6当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、PMDAを3.5当量加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例81)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを5当量、p−PDAを5当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ7当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、PMDAを2.5当量加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例82)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを5当量、p−PDAを5当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ4当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、PMDAを5.5当量加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例83)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを5当量、p−PDAを5当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ3当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、PMDAを6.5当量加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例84)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを7当量、p−PDAを3当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ5当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、PMDAを4.5当量加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例85)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを3当量、p−PDAを7当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ5当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、PMDAを4.5当量加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例86)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを7当量、p−PDAを3当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ7当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、PMDAを2.5当量加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例87)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを7当量、p−PDAを3当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ3当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、PMDAを6.5当量加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例88)セパラブルフラスコにDMAcをとり、ODAを3当量、p−PDAを7当量とりODA、p−PDAが完全に溶解するまで室温でよく撹拌した。次にTMHQ6当量を粉体にて徐々に加え、その後40分間撹拌した。そして、PMDAを6.5当量加え、40分間撹拌した。次にPMDA0.5当量をDMAcに溶解させた溶液を徐々に加え、この後1時間攪拌し、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。尚、DMAcの使用量はジアミン類および芳香族テトラカルボン酸類のモノマー仕込濃度が18重量%となるようにした。次に、実施例1と同様にして約10μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例89)支持枠固定後の最終ステップの加熱温度を510℃から480℃に変更した以外は実施例79と同じ方法で厚さ12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例90)支持枠固定後の最終ステップの加熱温度を510℃から450℃に変更した以外は実施例79と同じ方法で厚さ12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
(実施例91)支持枠固定後の最終ステップの加熱温度を510℃から400℃に変更した以外は実施例79と同じ方法で厚さ12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
以上の実施例にて得られたフィルムの動的粘弾性を以下の要領にて測定した。
測定機器:セイコー電子(株)製 DMS200
サンプル形状:9mm×40mm
プロファイル:20℃×400℃ 3℃/min
周波数:10Hz
Lamp:20 Fbase:0 F0gain:3.0
上記設定で測定を実施した。350℃でのE'(貯蔵弾性率)およびΔE'/ΔTが最小値を示す温度Tg(℃)(昇温時にE'の低下が最も激しい温度です。)を測定した結果を表13以下に示す。
Figure 2006328407
次に、比較例24〜28及び実施例79〜91を用い耐加水分解性試験を以下の要領にて実施した。フィルム厚み:12.5μm
(1)耐加水分解性試験の指標として引裂伝播抵抗値を用いた。測定方法は、ASTM D−1938に準じた。
(2)初期値として引裂伝播抵抗値を測定。
(3)加水分解性の試験としてフィルムサンプルを平山製作所製PC305Sを用い、150℃/100%RH/4気圧に24時間暴露後、引裂伝播抵抗値を測定した。
(4)比較例24〜28については、暴露後フィルムが粉々に崩れ測定不可であった。
評価結果を表14に示す。
Figure 2006328407
(1)動的粘弾性
比較例28は、厚みは異なるが特開平10−36506号の実施例1に相当する。まず、350℃でのE'の意味を以下に述べる。ポリイミドフィルムは高温(400℃以上)のテンター炉で両端を把持して幅方向に張力を掛けた状態で連続的に成形される。高温での弾性率が著しく低下すると幅方向の張力が係り難くなりテンター炉内にてフィルムが垂れてしまうことがあり安定的に製造することができない。本発明者等の検討によりE'が1.0×109以下であるとその可能性が高まることが分かった。したがって、特開平10−36506号に記載の実施例のフィルムは連続的な生産は安定的に出来ない可能性がある。
また、上記では昇温時においてE'が最も激しく低下する温度をもってTgとしている。Tgが250℃以下の場合は、次の不具合が起こる可能性が高くなる。1.熱可塑性ポリイミドを接着剤として用いる場合、その工程中において250〜300℃程度の温度がかけられ、かつ、プレスにより熱圧着するため、ベースフィルムが変形し、冷却後、反りや歪みが生じる。2.作成したFPCを高温環境下にて使用する場合、変形が生じる可能性がある。
以上の理由で、Tgが250℃以上、350℃でのE'が1.0×109以上であることが好ましい。
(2)耐加水分解性
ポリイミドフィルムをベースフィルムとして用いたFPCにおいて、FPCの使用環境は、年々多岐に渡っている。その中でも高温高湿化での使用が最もFPCにおいては過酷な条件の1つであると考えられる。このような条件にてFPCが用いられた場合、ベースフィルムの劣化(加水分解)により以下のような不具合が生じると推定される。
加水分解によるフィルムの劣化により、(1)3層FPCの場合、PIフィルムと接着材との界面接着強度の低下、(2)2層FPCの場合、PIフィルムと銅積層体との界面接着強度の低下、(3)機械的強度の劣化によって、折り曲げ収納、摺動屈曲部位での使用に耐えられなくなる、(4)PIフィルムの電気特性の低下等が起こる。
比較例1および実施例22〜28における、3層積層体のカール性測定試験に関する図である。 比較例1および2および実施例1〜33における、吸湿膨張係数測定試験に関する図である。 比較例1および2および実施例1〜33における、吸湿膨張係数測定装置に関する図である。
符号の説明
1;銅箔
2;接着剤
3;フィルム

Claims (18)

  1. 引張り弾性率が700kg/mm2 以下で、吸湿膨張係数が20ppm以下であるポリイミドフィルム。
  2. 100〜200℃における線膨張係数が5〜15ppmである請求項1に記載のポリイミドフィルム。
  3. 吸水率が3.0%以下である請求項1または2に記載のポリイミドフィルム。
  4. 吸水率が2.0%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
  5. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位を分子中に含む請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
    Figure 2006328407

    {式中、R1 は、
    Figure 2006328407


    から選ばれる2価の有機基(式中、R4 はCH3−、Cl−、Br−、F−またはCH3O−である)であり、Rは、
    Figure 2006328407

    (式中、nは1〜3の整数、Xは、水素、ハロゲン、カルボキシル基、炭素数6以下の低級アルキル基、炭素数6以下の低級アルコキシ基から選ばれる1価の置換基を表す。)、または
    Figure 2006328407

    (式中、Y、Zは、水素、ハロゲン、カルボキシル基、炭素数6以下の低級アルキル基、炭素数6以下の低級アルコキシ基から選ばれる1価の置換基を表し、Y、Zは同じ置換基でも異なった置換基でもよく、Aは、−O−,−S−,−CO−,−SO−,−SO2−,−CH2−から選ばれる2価の連結基を表す。)で表される2価の有機基である。}
  6. 上記一般式(1)で表される繰り返し単位に加えて、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を分子中に含む請求項5に記載のポリイミドフィルム。
    Figure 2006328407

    (式中、Rは、一般式(1)のRと同じであり、R3 は、
    Figure 2006328407


    から選ばれる4価の有機基である。)
  7. 下記一般式(3)で表される繰り返し単位を分子中に含む請求項5または6に記載のポリイミドフィルム。
    Figure 2006328407

    (式中、Rは、一般式(1)のRと同じである。)
  8. 下記一般式(4)で表される繰り返し単位と、下記一般式(5)で表される繰り返し単位とを分子中に含む請求項5または6に記載のポリイミドフィルム。
    Figure 2006328407


    (式中、R2 は、
    Figure 2006328407

    または
    Figure 2006328407

    から選ばれる2価の有機基である。)
    Figure 2006328407

    (式中、R2 は、一般式(4)のR2 と同じであり、R3 は、一般式(2)のR3 と同じである。)
  9. 分子中に含まれる主たる繰り返し単位が、下記一般式(6)〜(9)で表される繰り返し単位である請求項5または6に記載のポリイミドフィルム。
    Figure 2006328407
  10. 上記分子中の一般式(6)〜(9)で表される繰り返し単位の数をそれぞれa、b、c、dとし、a+b+c+dをsとしたとき、(a+b)/s、(a+c)/s、(b+d)/s、(c+d)/sのいずれもが0.25〜0.75を満たす請求項9に記載のポリイミドフィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のポリイミドフィルムの少なくとも片面に金属層を設けてなるフレキシブルプリント配線板用積層体。
  12. 金属層が熱硬化性接着剤を介して積層された請求項11に記載のフレキシブルプリント配線板用積層体。
  13. 金属層が熱可塑性ポリイミド接着剤を介して積層された請求項11に記載のフレキシブルプリント配線板用積層体。
  14. ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、加熱処理、コロナ処理、プラズマ処理、カップリング剤処理から選ばれる少なくとも1種の処理が施された請求項11〜13のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板用積層体。
  15. 請求項1〜10のいずれかに記載のポリイミドフィルムの少なくとも片面に接着剤層を設けてなる接着フィルム。
  16. 接着剤層が熱硬化性接着剤よりなる請求項15に記載の接着フィルム。
  17. 接着剤層が熱可塑性ポリイミド接着剤よりなる請求項15に記載の接着フィルム。
  18. 磁気記録用ベースフィルム用である請求項1〜10のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
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