以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としての画像表示システム100の構成を示している。
この画像表示システム100は、スクリーン装置110と、このスクリーン装置110に画像を投影するプロジェクタ150と、画像信号および音声信号を出力するDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ160と、リア左側スピーカ170R-Lと、リア右側スピーカ170R-Rと、リモコン送信機180とからなっている。
スクリーン装置110は、固定支柱111と、左側可動支柱112Lと、右側可動支柱112Rと、パンタグラフ機構113と、スクリーン114とを有している。固定支柱111は中央に配置され、この固定支柱111の左右に左側可動支柱112Lおよび右側可動支柱112Rが配置されている。
パンタグラフ機構113は、複数のロッドからなり、左右方向に伸縮可能とされている。このパンタグラフ機構113の中央部は固定支柱111に保持されている。このパンタグラフ機構113の左端に左側可動支柱112Lが支持され、その右端に右側可動支柱112Rが支持されている。これら左側可動支柱112Lおよび右側可動支柱112Rの間にスクリーン114が張設されている。この場合、可動支柱112L,112Rおよびスクリーン114は、パンタグラフ機構113によって任意の空中に保持された状態となる。
左側可動支柱112Lおよび右側可動支柱112Rの少なくとも一方は、スクリーン114の巻き取り収納部(図1には図示せず)を有するようにされている。本実施の形態においては、左側可動支柱112Lおよび右側可動支柱112Rの双方が巻き取り収納部を有している。
スクリーン装置110は、パンタグラフ機構113が左右方向に伸縮することで、スクリーン114が開閉する。図示のように、スクリーン114が開いた状態では、上述した巻き取り収納部により、スクリーン114の面に均一な引っ張り力が印加され、スクリーン114はたるみなく張られた状態となっている。この場合、パンタグラフ機構113は、固定支柱111を中心として左右対称で伸縮することから、スクリーン114は固定支柱111を中心にして自動的に左右対称に開くようになる。
固定支柱111の中央部にはフロントセンタスピーカ116F-Cが配設され、左側可動支柱112Lの中央部にはフロント左側スピーカ116F-Lが配設され、右側可動支柱112Rの中央部にはフロント右側スピーカ116-Rが配設されている。固定支柱111の下部前面側には、スーパーウーハ(サブウーハ)116Sを内蔵したスピーカボックス117が固定されている。スピーカ116F-C,116F-L,116F-Rおよびスーパーウーハ116Sは、上述したリア側のスピーカ170R-L,170R-Rと共働して、5.1チャネルのサラウンド音場を形成する。スピーカボックス117は、上述したスピーカ116F-C,116F-L,116F-Rおよびスーパーウーハ116Sをそれぞれ駆動するためのアンプ等を備えるアンプ部118を内蔵している。
なお、スピーカボックス117の左右の側面下部に棒状の転倒防止用可動足119,119が配設されている。この可動足119,119は、スピーカボックス117の後部側の端部が軸支され、この端部を中心に水平面で回動可能とされている。この可動足119,119の遊端を、図示のように、スピーカボックス117の側面から離間させた状態とすることで、スクリーン装置110の横への転倒を防止できる。この可動足119,119を不使用時にはその遊端がスピーカボックス117の側面に当接する状態とできるため、スピーカ装置110の移動時にそれが邪魔になることを防止できる。
また、固定支柱111の背面下部に転倒防止用伸縮足120が配設されている。この可動足120を、図示のように、伸ばすことで、スクリーン装置110の後への転倒を防止できる。この伸縮足120を不使用時には縮めておくことができ、スピーカ装置110の移動時にそれが邪魔になることを防止でき、また部屋が狭く、スクリーン装置110を後の壁ぎりぎりに配置したいときにこの伸縮足120が邪魔になることを防止できる。
また、固定支柱111の上部に、上述したスピーカ116F-C,116F-L,116F-Rおよびスーパーウーハ116Sに供給する音声信号を得るための音声情報を含む赤外線伝送信号を受光する赤外線受光部121を備えている。この赤外線受光部121は、上述したDVDプレーヤ160の赤外線信号発光部160aで発光された赤外線伝送信号を受光する。
また、スピーカボックス117には、リモコン送信機180からの赤外線のコントロール信号を受信するリモコン受信部122が配設されている。ユーザは、リモコン送信機180を操作することで、赤外線受光部121およびアンプ部118を動作状態あるいは非動作状態とすることができる。
また、スクリーン装置110は、図示せずも、固定支柱111の中央部に回動自在に保持されている、パンタグラフ機構113を構成する所定のロッドを、駆動モータにより回動駆動し、パンタグラフ機構113を左右方向に伸縮させる駆動機構を備えている。この駆動機構は固定支柱111に設置されている。ユーザは、リモコン送信機180を操作することで、パンタグラフ機構113を左右方向に伸縮させ、スクリーン114を開閉できる。
DVDプレーヤ160の詳細を説明する。図2は、DVDプレーヤ160の構成を示している。このDVDプレーヤ160は、DVD復調回路161、伸長回路162、D/Aコンバータ163L,163R、アンプ164L,164R、変調回路165、赤外LED(Light Emitting Diode)166、MPEG(Moving Picture Experts Group)デコーダ167、ビデオドライバ168および出力端子169L,169R,169Vを有している。
DVD復調回路161は、DVD190の再生データD1に対して誤り訂正処理を含む復調処理を施し、画像データD2Vおよび音声データD2Aのそれぞれを抽出する。ここで、画像データD2VはDVD規格で標準化されているMPEG方式で圧縮符号化されている。また、音声データD2Aは、DVD規格で標準化されている、ドルビーAC3方式あるいはDTS(Digital Theater Systems)方式で圧縮符号化されている。
MPEGデコーダ167は、DVD復調回路161で抽出された画像データD2Vに対してMPEG方式のデコード処理を施し、ベースバンドの画像データD3Vを得る。ビデオドライバ168は、この画像データD3Vに対して、ケーブルの抵抗負荷に起因する反射等を防止するためのマッチング処理等を施して、プロジェクタ150に送信すべき画像データD4Vを得る。
伸長回路162は、DVD復調回路161で抽出された音声データD2Aに対して伸長処理を施し、リア左側スピーカ用の音声データD20Lおよびリア右側スピーカ用の音声信号D20Rを得る。D/Aコンバータ163L,163Rは、それぞれ音声データD20L,D20Rをアナログ信号に変換して音声信号S20L,S20Rを得る。アンプ164L,164Rは、それぞれ音声信号S20L,S20Rを増幅する。
変調回路165は、DVD復調回路161で抽出された音声データD2Aに対して所定の赤外空間伝送方式に応じたデジタル変調処理を施し、変調音声信号S1を得る。赤外LED166(図1の赤外線信号発光部160aに対応する)は、変調音声信号S1に基づいて駆動され、当該変調音声信号S1に対応した赤外線伝送信号S2を発生する。
なお、本実施の形態においては、上述の赤外空間伝送方式として、IEC(International Electrotechnical Commission)−61603−8−1に規定されたプロトコルを利用している。このプロトコルは、従来の2チャネル音声データを赤外線で空間伝送するための規格であるが、伝送帯域幅が2.5MHz、フルバンドモード時の伝送レートが3.072Mb/secであることから、圧縮符号化された音声データを伝送するには十分な帯域と伝送レートを確保できる。しかも、このプロトコルは、サブキャリア周波数が既存の赤外線リモコン等の赤外線システムで用いられているサブキャリア周波数から離れているため、既存の赤外線システムにおける伝送信号と干渉せずに、圧縮音声データを送ることができる。
このDVDプレーヤ160の動作を説明する。DVD190から得られた再生データD1はDVD復調回路161に供給される。このDVD復調回路161では、再生データD1に対して誤り訂正処理を含む復調処理が施され、画像データD2Vおよび音声データD2Aのそれぞれが抽出される。画像データD2Vは、MPEGデコーダ167に供給される。
MPEGデコーダ167では、画像データD2Vに対してMPEG方式のデコード処理が施され、ベースバンドの画像データD3Vが得られる。この画像データD3Vはビデオドライバ168に供給される。ビデオドライバ168では、画像データD3Vに対してケーブルの抵抗負荷に起因する反射等を防止するためのマッチング処理等が施され、プロジェクタ150に送信すべき画像データD4Vが得られる。この画像データD4Vは、出力端子169Vに出力され、ケーブルを介してプロジェクタ150に供給される。
また、DVD復調回路161で抽出された音声データD2Aは伸長回路162に供給される。この伸長回路162では、音声データD2Aに対して伸長処理が施され、リア左側スピーカ用の音声データD20Lおよびリア右側スピーカ用の音声信号D20Rが得られる。この音声信号D20L,D20RはそれぞれD/Aコンバータ163L,163Rでアナログ信号に変換されてアナログの音声信号S20L,S20Rとされる。この音声信号S20L,S20Rはそれぞれアンプ164L,164Rで増幅されて出力端子169L,169Rに出力され、配線材を介してスピーカ170R-L,170R-Rに供給される。
また、DVD復調回路161で抽出された音声データD2Aは変調回路165に供給される。この変調回路165では、音声データD2Aに対して、上述したIEC−61603−8−1に規定されたプロトコルによるデジタル変調処理が施され、変調音声信号S1が得られる。この変調音声信号S1は赤外LED166に供給される。赤外LED166は変調音声信号S1に基づいて駆動され、この赤外LED166からは変調音声信号S1に対応した赤外線伝送信号S2が発生される。この赤外線伝送信号S2は空間を伝送して上述したスクリーン装置110の赤外線受光部121に供給される。
次に、スクリーン装置110の音声信号系の構成を説明する。図3は、この音声信号系の構成を示している。
赤外線受光部121は、フォトダイオード121aおよび復調回路121bからなっている。フォトダイオード121aは、上述した赤外線伝送信号S2を受光し、この赤外線伝送信号S2を光電変換して、変調音声信号S3を得る。復調回路121bは、変調音声信号S3に対してエラー訂正処理を含む復調処理を施し、音声データD10を得る。
スピーカボックス117のアンプ部118には、伸長回路117a、D/Aコンバータ117L、117R、117C、117S、およびアンプ118L、118R、118C、118Sが含まれている。
伸長回路117aは、赤外線受光部121の復調回路121bで得られる音声データD10に対して、その圧縮符号化方式(ドルビーAC3方式あるいはDTS方式)に応じた伸長処理を施し、各チャネルのベースバンドの音声データを得る。D/Aコンバータ117L,117R,117Cおよび117Sは、それぞれフロント左側スピーカ用の音声データD11L、フロント右側スピーカ用の音声データD11R、フロントセンタスピーカ用の音声データD11Cおよびスーパーウーハ用の音声データD11Sをアナログ信号に変換して、音声信号S11L,S11R,S11CおよびS11Sを得る。アンプ118L,118R,118Cおよび118Sは、それぞれ音声信号S11L,S11R,S11CおよびS11Sを増幅する。
この音声信号系の動作を説明する。DVDプレーヤ160の赤外LED166で発生された赤外線伝送信号S2は、赤外線受光部121のフォトダイオード121aで受光される。このフォトダイオード121aでは、赤外線伝送信号S2が光電変換されて変調音声信号S3が得られる。この変調音声信号S3は復調回路121bに供給される。この復調回路121bでは、変調音声信号S3に対してエラー訂正処理を含む復調処理が施され、圧縮符号化された音声データD10が得られる。この音声データD10は、固定支柱111内に配置された配線材を介してスピーカボックス117に内蔵されたアンプ部118の伸長回路117aに供給される。
この伸長回路117aでは、音声データD10に対して、その圧縮符号化方式に応じた伸長処理が施され、各チャネルのベースバンドの音声データが得られる。この伸長回路117aで得られるフロント左側スピーカ用の音声データD11Lは、D/Aコンバータ117Lでアナログ信号に変換されてアナログの音声信号S11Lとされる。この音声信号S11Lはアンプ118Lで増幅され、その後に、後述するスクリーン114の裏面あるいは内面に貼り付けられたフレキシブル基板を介して、左側可動支柱112Lに配設されたフロント左側スピーカ116F-Lに供給される。
また、伸長回路117aで得られるフロント右側スピーカ用の音声データD11Rは、D/Aコンバータ117Rでアナログ信号に変換されてアナログの音声信号S11Rとされる。この音声信号S11Rはアンプ118Rで増幅され、その後に、後述するスクリーン114の裏面あるいは内面に貼り付けられたフレキシブル基板を介して、右側可動支柱112Rに配設されたフロント右側スピーカ116F-Rに供給される。
また、伸長回路117aで得られるフロントセンタスピーカ用の音声データD11Cは、D/Aコンバータ117Cでアナログ信号に変換されてアナログの音声信号S11Cとされる。この音声信号S11Cはアンプ118Cで増幅され、その後に、固定支柱111内に配置された配線材を介して、当該固定支柱111に配設されたフロントセンタスピーカ116F-Cに供給される。
また、伸長回路117aで得られるスーパーウーハ用の音声データD11Sは、D/Aコンバータ117Sでアナログ信号に変換されてアナログの音声信号S11Sとされる。この音声信号S11Sはアンプ118Sで増幅され、その後に、スピーカボックス117に内蔵されたスーパーウーハ116Sに供給される。
次に、スクリーン装置110のコントロール系の構成を説明する。図4は、このコントロール系の構成を示している。
スピーカボックス117には、上述したリモコン受信部122の他に、コントロールマイコン123およびモータドライバ124が内蔵されている。コントロールマイコン123は、スクリーン装置110全体の動作を制御する。モータドライバ124は、パンタグラフ機構113を構成する所定のロッドを回動駆動し、当該パンタグラフ機構113を左右方向に伸縮させるための駆動モータ125をドライブする。
リモコン受信部122では、リモコン送信機180から発生される赤外線のコントロール信号が受信され、それが光電変換されてユーザ操作信号SUが得られる。コントロールマイコン123には、このようにリモコン受信部123で得られるユーザ操作信号SUが供給される。
また、パンタグラフ機構113がスクリーン114の開状態に対応した伸縮位置(オープン位置)にあることを検出するオープンセンサ126と、パンタグラフ機構113がスクリーン114の閉状態に対応した伸縮位置(クローズ位置)にあることを検出するクローズセンサ127が、図示せずも、固定支柱111の駆動機構に対応した位置に配設されている。コントロールマイコン123には、これらセンサ126,127の検出信号DOP,DCLも供給される。
コントロールマイコン123は、上述したユーザ操作信号SUおよび検出信号DOP,DCLに基づいて、モータドライバ124、アンプ部118および赤外線受光部121の動作を制御する。
すなわち、リモコン送信機180からアンプ部118および赤外線受光部121を動作状態とするための赤外線のコントロール信号が送信され、このコントロール信号がリモコン受信部122で受信されたときは、それに対応したユーザ操作信号SUがコントロールマイコン123に供給され、このコントロールマイコン123の制御によりアンプ部118および赤外線受光部121は動作状態とされる。
また、リモコン送信機180からアンプ部118および赤外線受光部121を非動作状態とするための赤外線のコントロール信号が送信され、このコントロール信号がリモコン受信部122で受信されたときは、それに対応したユーザ操作信号SUがコントロールマイコン123に供給され、このコントロールマイコン123の制御によりアンプ部118および赤外線受光部121は非動作状態とされる。
また、リモコン送信機180からスクリーン114を開状態とするための赤外線のコントロール信号が送信され、このコントロール信号がリモコン受信部122で受信されたときは、それに対応したユーザ操作信号SUがコントロールマイコン123に供給される。この場合、コントロールマイコン123は、パンタグラフ機構113が左右方向に伸びていくように、モータドライバ124の動作を制御する。
この状態で、パンタグラフ機構113がスクリーン114の開状態に対応した伸縮位置(オープン位置)となるとき、オープンセンサ126からコントロールマイコン123に検出信号DOPが供給される。このとき、コントロールマイコン123は、パンタグラフ機構113の左右方向の伸びが停止されるように、モータドライバ124の動作を制御する。これにより、スクリーン114は開状態に保持される。
また、リモコン送信機180からスクリーン114を閉状態とするための赤外線のコントロール信号が送信され、このコントロール信号がリモコン受信部122で受信されたときは、それに対応したユーザ操作信号SUがコントロールマイコン123に供給される。この場合、コントロールマイコン123は、パンタグラフ機構113が左右方向に縮んでいくように、モータドライバ124の動作を制御する。
この状態で、パンタグラフ機構113がスクリーン114の閉状態に対応した伸縮位置(クローズ位置)となるとき、クローズセンサ127からコントロールマイコン123に検出信号DCLが供給される。このとき、コントロールマイコン123は、駆動モータ125の回転が停止されるように、モータドライバ124の動作を制御する。これにより、スクリーン114は閉状態に保持される。
図1に示す画像表示システム100で画像表示を開始するためのユーザ操作例を説明する。
ユーザは、リモコン送信機180で、スクリーン装置110の赤外線受光部121およびアンプ部118を動作状態とするための操作を行う。この場合、リモコン送信機180からその旨を示す赤外線コントロール信号が発生され、このコントロール信号はスピーカボックス117のリモコン受信部122に供給される。これにより、スクリーン装置110の赤外線受光部121およびアンプ部118は動作状態となる。
また、ユーザは、リモコン送信機180で、スクリーン114を開状態とするための操作を行う。この場合、リモコン送信機180からその旨を示す赤外線コントロール信号が発生され、このコントロール信号はスピーカボックス117のリモコン受信部122に供給される。これにより、スクリーン装置110のスクリーン114は開いた状態となる。
この状態で、ユーザは、DVDプレーヤ160を再生状態とする。このDVDプレーヤ160から出力される画像信号はプロジェクタ150に供給される。これにより、スクリーン装置110のスクリーン114に、プロジェクタ150によって画像が投影され、画像が表示される。
また、DVDプレーヤ160から出力されるリア左音声信号はリア左側スピーカ170R-Lに供給され、このスピーカ170R-Lからはリア左音声が出力される。また、DVDプレーヤ160から出力されるリア右音声信号はリア右側スピーカ170R-Rに供給され、このスピーカ170R-Rからはリア右音声が出力される。
また、DVDプレーヤ160の赤外線信号発光部160aから赤外線伝送信号S2が発生される。この赤外線伝送信号S2は、スクリーン装置110の赤外線受光部121で受光される。これにより、フロント左側スピーカ116F-L、フロント右側スピーカ116F-R、フロントセンタスピーカ116-Cおよびスーパーウーハ116Sに、それぞれフロント左音声信号、フロント右音声信号、フロントセンタ音声信号およびサブウーハ音声信号が供給され、それぞれのチャネルの音声が出力される。これにより、スクリーン114に表示されている画像に関連した、5.1チャネルサラウンド音場が得られる。
次に、図1に示す画像表示システム100で画像表示を終了するためのユーザ操作例を説明する。
ユーザは、DVDプレーヤ160を再生停止状態とする。これにより、DVDプレーヤ160からプロジェクタ150に画像信号が供給されなくなり、プロジェクタ150によるスクリーン114への画像投影が停止される。また、各スピーカへの音声信号の供給がなくなり、音声出力も停止される。
また、ユーザは、リモコン送信機180で、スクリーン114を閉状態とするための操作を行う。この場合、リモコン送信機180からその旨を示す赤外線コントロール信号が発生され、このコントロール信号はスピーカボックス117のリモコン受信部122に供給される。これにより、スクリーン装置110のスクリーン114は閉じた状態となる。
また、ユーザは、リモコン送信機180で、スクリーン装置110の赤外線受光部121およびアンプ部118を非動作状態とするための操作を行う。この場合、リモコン送信機180からその旨を示す赤外線コントロール信号が発生され、このコントロール信号はスピーカボックス117のリモコン受信部122に供給される。これにより、スクリーン装置110の赤外線受光部121およびアンプ部118は非動作状態となる。
次に、スクリーン装置110の構成をさらに詳細に説明する。図5はスクリーン装置110の開状態を示す正面図、図6はスクリーン装置110の開状態を示すスクリーン114を省略した正面図、図7はスクリーン装置110の開状態を示す平面図、図8Aはスクリーン装置110の閉状態を示す正面図、図8Bはスクリーン装置110の閉状態を示す可動支柱112L,112Rおよびスクリーン114を省略した正面図、図8Cはスクリーン装置110の閉状態を示す右側面図、図8Dはスクリーン装置110の閉状態を示す平面図である。これら図5〜図8において、図1と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明を省略する。
スクリーン装置110は、固定支柱111と、左側可動支柱112Lと、右側可動支柱112Rと、パンタグラフ機構113と、スクリーン114とを有している。固定支柱111は中央に配置され、この固定支柱111の左右に左側可動支柱112Lおよび右側可動支柱112Rが配置されている。
パンタグラフ機構113は、10本のロッド113a〜113jからなり、左右方向に伸縮可能とされている。ここで、各ロッドの他のロッドと交差する部分には穴が開けられており、ネジ部材によって回動自在に係合されている。
パンタグラフ機構113の中央部は固定支柱111に保持されている。このパンタグラフ機構113の左端に左側可動支柱112Lが支持され、その右端に右側可動支柱112Rが保持されている。これら左側可動支柱112Lおよび右側可動支柱112Rの間にスクリーン114が張設されている。この場合、可動支柱112L,112Rおよびスクリーン114は、パンタグラフ機構113によって任意の空中に保持された状態となる。
図9A,Bは、固定支柱111の中央部におけるロッド113c,113hの取り付け部分を示している。図9Aは正面図、図9Bは図9Aのa−a′の断面図である。固定支柱111の中央部には、支点金具131がネジ132によって固定される。ロッド113c,113hの交差部分に開けられた穴113k,113mに支点金具131の小径部が挿通される。これにより、ロッド113c,113hは、それぞれ、固定支柱111の中央部に回動可能に取り付けられる。
図10A,Bは、固定支柱111の上部におけるロッド113b,113iの取り付け部分を示している。図10Aは正面図、図10Bは図10Aのb−b′の断面図である。固定支柱111の上部表面側には垂直方向に伸びるガイド溝133が形成されている。ロッド113b,113iの一端に開けられた穴113n,113pにガイド金具134の一端側の小径部が挿通され、ロッド113b,113iの一端は、ガイド金具134に、ネジ135によって回動自在に締結される。
また、固定支柱111のガイド溝133にガイドローラ136が摺動可能に係合されている。このガイドローラ136の中心に開けられた穴113qにガイド金具134の他端側の小径部が挿通され、ガイドローラ136は、ガイド金具134に、ネジ137によって締結されている。
固定支柱111の上部におけるロッド113b,113iの取り付け部分は以上のように構成されており、パンタグラフ機構113が左右方向に伸縮されるとき、ガイドローラ136はガイド溝133内を摺動しながら上下方向に移動する。なお、固定支柱111の下部におけるロッド113d,113gの取り付け部分も同様に構成されており、パンタグラフ機構113が左右方向に伸縮されるとき、ガイドローラ136はガイド溝133内を摺動しながら上下方向に移動する。これにより、スクリーン114の開閉時に、パンタグラフ機構113を左右方向に伸縮するとき、当該パンタグラフ機構113は左右対称に伸縮し、従ってスクリーン114は自動的に左右対称に開閉される。
図11A,Bは、右側可動支柱112Rの中央部におけるロッド113e,113jの取り付け部分を示している。図11Aは背面図、図11Bは図11Aのc−c′の断面図である。可動支柱112Rの中央部には、支点金具138がネジ139によって固定される。ロッド113e,113jの一端に開けられた穴113r,113sに支点金具138の小径部が挿通される。これにより、ロッド113e,113jは、それぞれ、可動支柱112Rの中央部に回動可能に取り付けられる。
図11Bに示すように、可動支柱112Rはスクリーン114を巻き取って収納する巻き取り収納部140を有している。この巻き取り収納部140からスクリーン114が引き出されるとき、例えば図示しないコイルバネの作用により、巻き取り装置141には矢印Mの方向に回転力が発生し、スクリーン114には矢印Tの方向の引っ張り力が加わる。
なお、左側可動支柱112Lの中央部におけるロッド113a,113fの取り付け部分も同様に構成されている。
図12A,Bは、右側可動支柱112Rの上部におけるロッド113dの取り付け部分を示している。図12Aは背面図、図12Bは図12Aのd−d′の断面図である。可動支柱112Rの上部裏面側には垂直方向に伸びるガイド溝142が形成されている。ロッド113dの一端に開けられた穴113tにガイド金具143の一端側の小径部が挿通され、ロッド113dの一端は、ガイド金具143に、ネジ144によって回動自在に締結される。
また、可動支柱112Rのガイド溝142にガイドローラ145が摺動可能に係合されている。このガイドローラ145の中心に開けられた穴113uにガイド金具143の他端側の小径部が挿通され、ガイドローラ145は、ガイド金具143に、ネジ146によって締結されている。
可動支柱112Rの上部におけるロッド113dの取り付け部分は以上のように構成されており、パンタグラフ機構113が左右方向に伸縮されるとき、ガイドローラ145はガイド溝142内を摺動しながら上下方向に移動する。
図13はロッド113dの取り付け部分を拡大して示したものであり、この図を用いてガイドローラ145周辺のクリアランスの関係を説明する。上述したように可動支柱112Rは支点金具138によって回動自在に支持されており、スクリーン114および可動支柱112R,112L等の各部の精度誤差を吸収可能な構造となっている。そのため、この可動支柱112Rの回動を妨げないように、可動支柱112Rのガイド溝142とガイドローラ145とのクリアランスC1は多少大きめとされている。また、可動支柱112Lとの平行度によって決まるスクリーン114のねじれ方向の位置精度を上げるために、クリアランスC2は可能な限り小さくされている。
なお、右側可動支柱112Rの下部におけるロッド113iの取り付け部分、左側可動支柱112Lの上部におけるロッド113gの取り付け部分および左側可動支柱112Lの下部におけるロッド113bの取り付け部分も同様に構成されており、パンタグラフ機構113が左右方向に伸縮されるとき、ガイドローラ145はガイド溝142内を摺動しながら上下方向に移動する。
ここで、図5に示すように、スクリーン114が開いた状態で、図11Bに示すように、可動支柱112L,112Rが有する巻き取り収納部140の巻き取り装置141に矢印Mの方向に回転力が発生し、スクリーン114に矢印Tの方向に引っ張り力が加わった場合について説明する。
この場合、可動支柱112L,112Rは互いに近づく方向に動こうとする。しかし、パンタグラフ機構113の左右端に配設された支点金具138に取り付けられた可動支柱112L,112Rは、パンタグラフ機構113が縮む方向に動かなければ、互いに近づく方向に移動することができない。
巻き取り装置141に回転力が発生することでスクリーン114に加わる引っ張り力は、図5に示すように、スクリーン面に均一に加わる分布荷重t1,t2となり、当該スクリーン面を左右に均一に引っ張る。
いま、スクリーン114が正確に長方形にできていた場合、その上部あるいは下部のような一部分にたるみができたとき、左右からの均一な引っ張り力に対応するための抗力r1,r2が低下するので、その部分のスクリーン114は分布荷重t1,t2によって引っ張られ、結果として自動的にその部分のたるみが解消される。
上述したようにスクリーン114が正確に長方形にできていた場合は、可動支柱112L,112Rは垂直になる。もしスクリーン114が正確に長方形にできていなかった場合、つまりスクリーン114の左右の辺が平行にできていない場合でも同様の作用によってスクリーン面はたるみなく張られるが、その場合可動支柱112L,112Rのいずれかがスクリーン114のスクリーン114の形状に合わせて垂直から傾くことになる。
また、可動支柱112L,112Rはそれぞれ支点金具138,138によって回動自在に支持されているが、この左右の支点金具138,138を結ぶ直線は一本しかありえない。いま、可動支柱112L,112Rの高さ方向の精度が悪く上下にわずかにずれていた場合を考えると、スクリーン114は左右の支点金具138,138の中心を結ぶ直線とスクリーン114の上下のエッジが平行になり、かつたるみのない状態となって安定状態となる。
また、スクリーン装置110は、固定支柱111に保持されているパンタグラフ機構113を構成するロッド113hを駆動モータにより回動駆動し、パンタグラフ機構113を左右方向に伸縮させる駆動機構200を備えている。この駆動機構200は固定支柱111に設置されている。
図14、図15および図16は、駆動機構200の設置部分を示している。図14は正面図、図15は図14のe−e′の断面図、図16は図14のf−f′の断面図である。
パンタグラフ機構113を構成するロッド113hに、係合ピン201が係合される。また、固定支柱111の内部に、駆動ブロックフレーム202がネジ203によって取り付けられている。このフレーム202に駆動モータ125が固定された減速装置(例えばギアブロック)205がネジ206によって固定される。この場合、減速装置205の出力軸205aの回転中心が、上述したロッド113c,113hを回動自在に取り付けている支点金具131の中心と一致するようにされる。
この減速装置205の出力軸205aにクランク207が強固に締結される。そして、このクランク207の先端部に開けられた係合穴207aに、上述した係合ピン201が挿通される。
駆動機構200の動作を説明する。モータドライバ124(図4参照)から駆動モータ125にドライブ信号が供給され、この駆動モータ125が回転すると、その回転は減速装置205によって減速され、かつ回転トルクが大きくされて、出力軸205aが回転する。減速装置205の出力軸205aが回転することで、その出力軸205aに締結されたクランク207が支点金具131を中心に回転する。このクランク207の回転は係合ピン201に伝わり、この係合ピン201が係合されているパンタグラフ機構113を構成するロッド113hを支点金具131を中心に回転させる。
これにより、パンタグラフ機構113が左右方向に伸縮される。この場合、減速装置205の出力軸205aが反時計回り(左回り)に回転するように制御されるとき、パンタグラフ機構113は左右対称に伸びていき、逆に減速装置205の出力軸205aが時計回り(右回り)に回転するように制御されるとき、パンタグラフ機構113は左右対称に縮んでいく。
例えば、スクリーン114が開状態となるとき、ロッド113c,113hおよび係合ピン201は図14に実線で示す位置となる。また、スクリーン114が閉状態となるとき、ロッド113c,113hおよび係合ピン201は図14に破線で示す位置となる。固定支柱111の前面には、係合ピン201が上述した開状態の位置から閉状態の位置に移動できるように、円弧状の穴208が設けられている。
なお、上述したように、スクリーン装置110のコントロール系には、パンタグラフ機構113がスクリーン114の開状態に対応した伸縮位置(オープン位置)にあることを検出するオープンセンサ126と、パンタグラフ機構113がスクリーン114の閉状態に対応した伸縮位置(クローズ位置)にあることを検出するクローズセンサ127が存在する。
これらセンサ126,127は、例えば図17に示すように、駆動ブロックフレーム202の内面に配設される。すなわち、オープンセンサ126はスクリーン114が開状態となるクランク207の位置(実線図示)に対向した位置に配設され、またクローズセンサ127はスクリーン114が閉状態となるクランク207の位置(破線図示)に対向した位置に配設される。例えば、センサ126,127は、発光素子および受光素子からなる反射型の光検出器で構成される。また例えば、センサ126,127は機械的なスイッチで構成される。
上述したように、パンタグラフ機構113は、駆動機構200により左右方向に伸縮される。しかし、駆動機構200を使用せずに、例えば手動によってロッド113hを支点金具131を中心に回動させて、パンタグラフ機構113を左右方向に伸縮させることもできる。
なお、本実施の形態では、パンタグラフ機構113を構成するロッド113hを支点金具131を中心に回転させることで当該パンタグラフ機構113を左右方向に伸縮させるようになっている。しかし、ロッド113hの代わりに、ロッド113c、あるいはロッド113c,113hの双方を回転させるようにしてもよい。
上述したように、スクリーン114は、可動支柱112L,112R内の巻き取り装置141,141によって常に巻き取る方向に付勢されており、図5に示すようにスクリーン114が開いた状態では、スクリーン面には常に左右に張力がかかった状態となり、スクリーン114の平面性が保たれるようになっている。しかし、スクリーン114の材質や厚さにも依るが、場合によってはスクリーン114の上縁中央部が垂れてしまうことがある。
そこで、本実施の形態においては、図5に示すように、スクリーン114の上縁に沿って、たるみを防止するための補強材としてのバネ性を有するシート状部材147が取り付けられる。シート状部材147は、例えば金属あるいは合成樹脂を用いて薄膜状に形成されたものであり、スクリーン114と一体となって巻き取り可能で、かつ巻いた状態で高温などの環境化で保存されても不可逆変形のないものとされる。このシート状部材147は、スクリーン114の裏面あるいは内部に、貼り付けあるいはコーティングされている。
また、スクリーン装置110においては、固定支柱111の中央部にはフロントセンタスピーカ116F-Cが配設されている。スクリーン114は、このスピーカ116F-Cの前面側に位置する。そのため、スクリーン114の前面のユーザにこのスピーカ116F-Cからの音声が良好に届くように、スクリーン114としては通気性のあるものを使用するを可とする。
また、左側可動支柱112Lの中央部にはフロント左側スピーカ116F-Lが配設され、右側可動支柱112Rの中央部にはフロント右側スピーカ116F-Rが配設されている。ここで、本実施の形態では、スピーカ116F-C,116F-L,116-Rは、ユーザ(視聴者)がスクリーン114に表示された画像を見る位置に着いたときに最も音質が良く聞こえる、ほぼ耳の高さと同じ高さ位置となるように配設されている。
また、固定支柱111の上部に、上述したスピーカ116F-C,116F-L,116F-Rおよびスーパーウーハ116Sに供給する音声信号を得るための赤外線伝送信号S2(図1〜図3参照)を受光する赤外線受光部121を備えている。
上述したように、スピーカボックス117のアンプ118Lからフロント左側スピーカ116F-Lに音声信号S11Lを供給すると共に、スピーカボックス117のアンプ118Rからフロント右側スピーカ116F-Rに音声信号S11Rを供給する(図3参照)。そのため、本実施の形態では、図5に示すように、スクリーン114の下縁に沿って、その裏面あるいは内部にフレキシブル基板148が貼り付けられており、アンプ118L,118Rからスピーカ116F-L,116F-Rには、このフレキシブル基板148を介して音声信号が伝送される。なお、このフレキシブル基板148の代わりに、スクリーン114の下縁に沿って、その裏面あるいは表面に導体を印刷し、この導体を介して音声信号を伝送するように構成することもできる。
また、スクリーン装置110は、スクリーン114が閉じた状態で、固定支柱111に左側可動支柱112Lおよび右側可動支柱112Rを一体化するためのロック機構210を備えている。図18A〜Dは、ロック機構210の部分の概略を示している。図18Aは平面図、図18Bは左側面図、図18Cは右側面図、図18Dは正面図である。
固定支柱111の左右の側面および可動支柱112Rの前面には、それぞれ、一端側に係合凹部211aが形成されている係合片211の他端側が、軸212に回動自在に取り付けられている。また、上述した各係合片211に対応して、可動支柱112L,112Rの側面および可動支柱112Lの前面に係合ピン213が植立されている。
スクリーン114が閉じた状態で(図8参照)、図18A〜Dに示すように、各係合片211を回動させて、その係合凹部211aを対応する係合ピン213に係合させる。これにより、固定支柱111に左側可動支柱112Lおよび右側可動支柱112Rがロックされ、これらが一体化される。
また、スクリーン装置110は、固定支柱111の下部前面側に、スーパーウーハ(サブウーハ)116Sを内蔵したスピーカボックス117が固定されている。そして、このスピーカボックス117の左右の側面下部に棒状の転倒防止用可動足119,119が配設されている。
図19に示すように、スピーカボックス117の後部側の端部に軸受け部220が固定されている。この軸受け部220に、水平面で回動可能に、可動足119,119の一端が軸支されている。この可動足119,119の遊端を、図19に破線で示すように、スピーカボックス117の側面から離間させた状態とすることで、スクリーン装置110の横への転倒を防止できる。この可動足119,119を不使用時にはその遊端がスピーカボックス117の側面に当接する状態とできるため、スピーカ装置110の移動時にそれが邪魔にならずに済む。
また、固定支柱111の背面下部に転倒防止用伸縮足120が配設されている。この可動足120を、図19に破線で示すように、伸ばすことで、スクリーン装置110の後への転倒を防止できる。この伸縮足120を不使用時には縮めておくことができ、スピーカ装置110の移動時にそれが邪魔にならずに済む。また部屋が狭く、スクリーン装置110を後の壁ぎりぎりに配置したいときにも、この伸縮足120を縮めておくことで、邪魔になることを防止できる。
また、スクリーン装置110は、固定支柱111の裏面側の下部に、図19に示すように、移動用ローラ230が取り付けられている。移動用ローラ230は、左右に一つずつ設けられている。
図20Aは、スクリーン装置110の使用時の状態を示しているが、このとき移動用ローラ230は床74の面から離れている。そのため、スピーカボックス117の下面は床74にしっかりと密着するため、上述した転倒防止用可動足119,119および転倒防止用伸縮足120を併用して、安全にスクリーン114を開くことができる。
一方、図20Bは、スクリーン装置110の移動時の状態を示している。転倒防止用可動足119,119および転倒防止用伸縮足120を収納し、固定支柱111を後に少し傾けると、移動用ローラ230が床74に当接し、スクリーン装置110の移動が容易となる。
上述の実施の形態におけるスクリーン装置110によれば、固定支柱111に中央部が保持されたパンタグラフ機構113の左右端で、スクリーン114が張設される左右の可動支柱112L,112Rを支持し、当該パンタグラフ機能113によりスクリーン114を左右方向に開閉する構成であり、スクリーン114が固定支柱111を中心にして自動的に左右対称に開き、左右対称とするためのユーザの調節は不要となる。また、スクリーン114の開閉時に左右対称に伸縮するので、その動作自体が美しくなる。
また、上述の実施の形態におけるスクリーン装置110によれば、左側可動支柱112Lにフロント左側スピーカ116F-Lが配設され、右側可動支柱112Rにフロント右側スピーカ116F-Rが配設され、固定支柱111にフロントセンタスピーカ116F-Cが配設されているので、5.1チャネルサラウンド音場を得るために、フロント3チャネル分のスピーカを別途用意しなくてもよくなる。
また、左側スピーカ116F-Lは左側可動支柱112Lに配設され、右側スピーカ116F-Rは右側可動支柱112Rに配設されるため、左右の可動支柱112L,112Rが移動してスクリーン114の大きさが変化した場合に、その変化に合わせて左側スピーカ116F-L、右側スピーカ116F-Rの位置が自動的に変化することになり、ユーザがスクリーン114の大きさに合わせてスピーカ位置を変化させずとも、常に良好な音場を得ることができる。
また、スピーカ116F-C,116F-L,116-Rは、ユーザ(視聴者)がスクリーン114に表示された画像を見る位置に着いたときの、当該ユーザの耳の高さとほぼ同じ高さ位置となるように配設されているので、ユーザは良好な音質で聴くことができる。
また、上述の実施の形態におけるスクリーン装置110によれば、固定支柱111の下部に、スーパーウーハ(サブウーハ)116Sを内蔵したスピーカボックス117が固定されているものであり、このスピーカボックスを重い材質で形成することで、全体の重心を下げることができ、スクリーン装置110の自立の安定化を図ることができる。また、5.1チャネルサラウンド音場を得るために、サブウーハを別途用意しなくてもよくなる。
また、上述の実施の形態におけるスクリーン装置110によれば、スクリーン114が開いた状態では巻き取り収納部140がスクリーン面に均一な引っ張り力を印加し、かつ可動支柱112L,112Rの中央部がパンタグラフ機構113により回動自在に支持されているので、スクリーンの上部あるいは下部の一部にたるみが発生した場合でも、そのたるみが自動的に解消される。
また、上述の実施の形態におけるスクリーン装置110によれば、スクリーン114の上縁に沿って、補強材としてのバネ性を有するシート状部材147が取り付けられているので、スクリーン114の上縁中央部が垂れてしまうことを良好に防止できる。
また、上述実施の形態におけるスクリーン装置110によれば、スクリーン114が閉じた状態で固定支柱111に左側可動支柱112Lおよび右側可動支柱112Rを一体化するためのロック機構210を備えるものであり、固定支柱111および2つの可動支柱112L,112Rが一体化されるので、スクリーン装置110の持ち運びが容易となり、その収納も容易となる。
また、上述実施の形態におけるスクリーン装置110によれば、固定支柱111の下部に移動用ローラ230を備えるものであり、スクリーン装置110を移動する際には、この移動用ローラ230を用いて移動でき、その移動が容易となる。
また、上述実施の形態におけるスクリーン装置110によれば、固定支柱111の上部に、左側スピーカ116F-L、右側スピーカ116F-R、センタスピーカ116F-Cおよびスーパーウーハ116Sに供給する音声信号を得るための音声情報を含む赤外線伝送信号を受光する赤外線受光部121を備えるものであり、赤外線伝送信号を受光する赤外線受光部を別途用意しなくてもよくなる。また、通常、スクリーン114に投影されている画像を見ている間は、人はプロジェクタ150からの光を遮るような位置にはこないので、赤外線信号発光部160aがプロジェクタ150の近傍に配置されていれば、赤外線伝送信号が人によって遮られるおそれは少なく、音声の途切れを防止できる。
また、上述実施の形態におけるスクリーン装置110によれば、スピーカボックス117は、左側スピーカ116F-L、右側スピーカ116F-R、センタスピーカ116F-Cおよびスーパーウーハ116Sをそれぞれ駆動するためのアンプ118L,118R,118C,118Sを内蔵するものであり、別途それらのアンプを容易しなくてもよくなる。また、赤外線受光部121から固定支柱111に沿った配線により、アンプ118L,118R,118C,118Sに音声信号を容易に入力できる。
また、上述実施の形態におけるスクリーン装置110によれば、スピーカボックス117のアンプ118L,118Rから、左側スピーカ116F-Lおよび右側スピーカ116F-Rに、スクリーン114の裏面あるいは内面に貼り付けられたフレキシブル基板148、またはスクリーン114の裏面あるいは表面に印刷された導体を用いて音声信号が伝送されるものであり、スクリーン114と一体的にフレキシブル基板148または導体が形成されているので、これらフレキシブル基板148または導体は切断されにくく、また外観的にも美しいものとなる。
また、上述実施の形態におけるスクリーン装置110によれば、固定支柱111に設置され、パンタグラフ機構11を構成するロッド113hを駆動モータ125により回動駆動する駆動機構200を備えるものであり、パンタグラフ機構113の左右方向の伸縮を電動駆動でき、例えばユーザのリモコン操作によってスクリーン114の開閉を遠隔操作できる。
なお、上述実施の形態においては、スピーカボックス117のアンプ118L,118Rから、スピーカ116F-L,116F-Rへの音声信号の伝送をスクリーン114に貼り付けられフレキシブル基板148、またはスクリーン114に印刷された導体を用いて行うものを示した。しかし、図21に示すように、パンタグラフ機構113を構成するロッドに沿って導体としての配線材149を配置し、これにより音声信号を伝送するようにしてもよい。この場合、配線材149がロッドに沿って配置されているため、パンタグラフ機構113が左右に伸縮する際に、配線材149がロッドと一緒に移動するために切断されにくく、また外観的にも美しいものとなる。
また、上述実施の形態においては、パンタグラフ機構113の中央部、すなわちロッド113c,113hの交差部が支点金具131により回動自在に固定支柱111に保持されており、この保持位置を調節できないものであるが、この保持位置を上下方向に調節できるように構成することもできる。
図22、図23および図24は、パンタグラフ機構113の保持位置を上下方向に調節できるようにした場合における、駆動機構200の設置部分を示している。図22は正面図、図23は図22のg−g′の断面図、図24は右側面図である。これら図22〜図24において、図14〜図16と対応する部分には同一符号を付し、適宜その詳細説明を省略する。
固定支柱111の内部に、駆動ブロックフレーム240が配置される。この駆動ブロックフレーム240は、固定支柱111の側面に開けられた上下方向に伸びる長穴111aを利用して、ネジ241によって固定される。この場合、長穴111aの範囲内で、駆動ブロックフレーム240の固定支柱111への固定位置を、上下方向に調節できる。
パンタグラフ機構113を構成するロッド113c,113hは、駆動ブロックフレーム240の正面の中央部にネジ132で固定された支点金具131に、回動自在に取り付けられている。
パンタグラフ機構113を構成するロッド113hに、係合ピン201が係合される。また、固定ブロックフレーム240に駆動モータ125が固定された減速装置(例えばギアブロック)205がネジ206によって固定される。この場合、減速装置205の出力軸205aの回転中心が、上述したロッド113c,113hを回動自在に取り付けている支点金具131の中心と一致するようにされる。
この減速装置205の出力軸205aにクランク207が強固に締結される。そして、このクランク207の先端部に開けられた係合穴207aに、上述した係合ピン201が挿通される。
図22〜図24に示すように駆動機構200が設置されている場合の当該駆動機構200の動作も、上述の図14〜図16に示すように駆動機構200が設置されている場合と同様である。駆動ブロックフレーム240の前面には、係合ピン201が開状態の位置から閉状態の位置に移動できるように、円弧状の穴242が設けられている。
図22〜図24に示すように駆動機構200が設置されている場合、上述したように駆動ブロックフレーム240の固定支柱111への固定位置を上下方向に調節することで、パンタグラフ機構113の保持位置、従ってスクリーン114の位置を上下方向に調節できる。これにより、スクリーン114の位置をユーザの目の高さ位置に合わせることができ、ユーザに良好な視聴環境を提供できる。
なお、固定支柱111の前面には、駆動ブロックフレーム240を上下方向に移動した際に、支点金具131、係合ピン121の移動を妨げないように、開口243が設けられている。また、固定支柱111の後面には、駆動ブロックフレーム240を上下方向に移動した際に、駆動モータ125および減速装置205の移動を妨げないように、開口244が設けられている。
100・・・画像表示システム、110・・・スクリーン装置、111・・・固定支柱、111a・・・長穴、112L・・・左側可動支柱、112R・・・右側可動支柱、113・・・パンタグラフ機構、113a〜113j・・・ロッド、114・・・スクリーン、116F-L・・・フロント左側スピーカ、116F-R・・・フロント右側スピーカ、116-C・・・フロントセンタスピーカ、116S・・・スーパーウーハ(サブウーハ)、117・・・スピーカボックス、117a・・・伸長回路、118・・・アンプ部、119・・・転倒防止用可動足、120・・・転倒防止用伸縮足、121・・・赤外線受光部、122・・・リモコン受信部、123・・・コントロールマイコン、124・・・モータドライバ、125・・・駆動モータ、126・・・オープンセンサ、127・・・クローズセンサ、131・・・支点金具、133・・・ガイド溝、134・・・ガイド金具、136・・・ガイドローラ、138・・・支点金具、140・・・巻き取り収納部、141・・・巻き取り装置、142・・・ガイド金具、145・・・ガイドローラ、147・・・シート状部材、148・・・フレキシブル基板、149・・・配線材、150・・・プロジェクタ、160・・・DVDプレーヤ、160a・・・赤外線信号発光部、170R-L・・・リア左側スピーカ、170R-R・・・リア右側スピーカ、180・・・リモコン送信機、190・・・DVD、200・・・駆動機構、201・・・係合ピン、202・・・駆動ブロックフレーム、205・・・減速装置、207・・・クランク、207a・・・係合穴、210・・・ロック機構、211・・・係合片、211a・・・係合凹部、212・・・軸、213・・・係合ピン、220・・・軸受け部、230・・・移動用ローラ、240・・・駆動ブロックフレーム