JP2006315497A - 静音部材およびパネル部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 遮音性を向上させるとともに、パネルの変形を効果的に抑制することを可能とした軽量なパネル部材とそれに用いる静音部材を提供する。
【解決手段】 所定厚さの金属板または金属箔を重ね合わせて形成した金属板を折り曲げてT字状に形成することで、フランジ部1bから垂直に伸びるビード部10bを形成する。たとえば、接着層2B二よりフランジ部1bをパネル本体9に固定し、パネル本体の剛性を高める。ビード部1aの間に接着層2aを形成すると、さらに、ずれ変形を吸収する効果が高まり好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 所定厚さの金属板または金属箔を重ね合わせて形成した金属板を折り曲げてT字状に形成することで、フランジ部1bから垂直に伸びるビード部10bを形成する。たとえば、接着層2B二よりフランジ部1bをパネル本体9に固定し、パネル本体の剛性を高める。ビード部1aの間に接着層2aを形成すると、さらに、ずれ変形を吸収する効果が高まり好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両のルーフやドア等のパネル等に用いることができる軽量で遮音性の高いパネル部材およびそれに用いる静音部材に関する。
車両の軽量化等のため、ルーフやドア等には平板状のパネル部材をフレームに取り付けた構成が用いられている。このようなパネル部材の補強のため、モール等を配置する構成が知られている。
このようなルーフやドア、フロア等のパネル部材は、平板面積が大きく、パネル面の微少な変形が発生しやすい構造をとっているため、変形による振動が発生しやすい。この振動は車室内へ騒音として伝わり、乗員に不快感を与えかねない。
そこで、特許文献1に開示されているように、パネル部材に樹脂材料を貼り付けて樹脂材料の剪断変形によって制振を行い、車室内への騒音の侵入を抑制する技術が知られている。
特開平8−324358号公報
しかしながら、この技術においては、比較的厚い樹脂層を有するモールを配置する必要があるため、設置の自由度が低い。また、振動の抑制に重きがおかれており、変形の抑制という点では不十分である。
そこで本発明は、遮音性を向上させるとともに、パネルの変形を効果的に抑制することを可能とした軽量なパネル部材とそれに用いる静音部材を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るパネル部材は、所定板厚の金属板により形成され、粘弾性層を有しているビード部と、このビード部を固定するフランジ部とを有する静音部材のフランジ部を粘弾性層を介してパネル本体に取り付けたことを特徴とする。フランジ部でパネル本体に取り付けられた静音部材のビード部により、パネル本体に剛性が付与され、特にねじれや反りといった変形に対する剛性が付与され、変形を抑制する。さらに、粘弾性層のずれ変形により振動を減衰させ、制振と騒音抑制を行う。
この静音部材は断面形状がT字型であり、ビード部の少なくとも一部が両フランジ部から延びる金属板で層構造をなしているとよい。パネル本体を変形させる外力が付与された場合に、フランジ部からビード部へと延びる金属板の層間には、変形に応じたずれが生ずる。このずれにより振動エネルギを吸収し、制振と騒音抑制を行う。
あるいは、この静音部材のビード部は断面形状が略コ字型であって、ビード部の少なくとも一部がフランジ部から延びる金属板で形成されていてもよい。コの字状にビード部を形成することで、ビード部単体の変形を抑制し、パネル本体への剛性付与効果を高める。
静音部材の層構造の間には、粘弾性層が配置されているとよい。層構造がずれるときに粘弾性層が剪断変形して、振動エネルギーを吸収する。
静音部材のビード部は金属箔を複数枚重ねて形成されていてもよい。特に、フランジ部も含めて金属箔を複数枚重ねて形成されていると好ましい。これにより、振動エネルギーを金属箔のずれに変換して吸収する。
静音部材のビード部は、その頂点で金属板が分割されていてもよい。これにより、左右の金属板は分離される。パネル本体の変形に伴い、左右の金属板にずれが生じ、このずれ変形により振動エネルギーを吸収する。
静音部材のビード部は、横断面内においてビード部の延在方向に直交する方向の頂点位置が長手方向に沿って周期的に変化する形状を有していてもよい。このようにすると、長手方向の上下曲げ振動がビード部分の前後振動(長手方向と、ビード部の延在方向の両者に直交する方向)へと変換される。
静音部材のフランジ部の一部に長手方向でフランジ部を分断する切欠きが形成されていてもよい。この切欠き部分を利用してパネル本体上に配置する静音部材の長手方向の軌跡をL字型や折れ線状、曲線状となるよう加工することができる。あるいは、静音部材のビード部の一部に長手方向でビード部を分断する切れ目を設けていても同様である。
ビード部から左右に延びるフランジ部とパネル本体とのそれぞれの接着面の間に充填されている補強剤をさらに備えていてもよい。この補強剤は、パネル本体とビード部との密着性を向上させる。
静音部材の長手方向の一部でビード部の頂面を横断面内における該頂面の延在方向に折り畳んだ構成としていてもよい。あるいは、静音部材の長手方向の一部でビード部の頂面をフランジ部へ向けて折り畳んだ構成としていてもよい。断面がコの字状のビード部を有する静音部材においても、このような構成とすることで、折り畳んだ部分を利用してパネル本体上に配置する静音部材の長手方向の軌跡をL字型や折れ線状、曲線状となるよう加工することができる。
フランジ部をパネル本体に取り付ける粘弾性層は接着剤であるとよい。接着剤を年弾性層に用いることで、パネル本体への取り付けが容易になる。
静音部材の層構造の間に配置される粘弾性層とは異なる素材の粘弾性層を介してフランジ部とパネル本体とが接着により取り付けられていてもよい。層構造を形成する粘弾性層とフランジ部の接着面を構成する粘弾性層とで作用する剪断力は異なるため、それに応じた粘弾性係数を設定する。
静音部材を複数個、所定の間隔でパネル本体に配置してもよい。複数個の静音部材をパネル本体上に所定の間隔で配置することで、大面積のパネルに対しても所望の剛性を付与することができる。この際の静音部材の配置は発生する騒音のうち、特に乗員が不快と感ずる周波数の騒音を吸収するのに適した配置を行うとよい。
また、本発明に係る静音部材は、所定板厚の金属板によりビード部とフランジ部とが交互に連続するように形成され、フランジ部によりパネル本体に取り付け可能に構成されていることを特徴とするものでもよい。この場合も、ビード部によりパネル本体に剛性が付与され、振動を抑制する。
横断面においてビード部とフランジ部の延長面のなす形状は、矩形、三角形、台形のいずれかであると好ましい。金属板の曲げ加工により静音部材を精度よく製作することができる。また、吸音性向上のために、ビード部に複数の孔が設けられているとよい。
これらの静音部材は、帯磁させていてもよい。これにより、パネルが鉄板等の強磁性体で作られている場合に、静音部材とパネルとの結合力が強化される。
本発明に係るパネル部材、静音部材によれば、パネル本体に剛性を付与して変形を抑制し、振動を抑制するため、遮音性も向上する。また、静音部材を比較的薄い金属板(金属箔)で構成できるため、軽量化できる。
特に、静音部材を層構造とし、層間に粘弾性層を配置することで、粘弾性層の剪断変形によって振動エネルギーを吸収し、騒音を抑制する効果が高まる。粘弾性層は、パネル本体への接着面(フランジ部とパネル本体との間)に配置してもよく、接着面と層間とで異なる粘弾性係数を有する部材を用いると、最適な減衰効果を得ることができ、騒音抑制効果の向上が図れる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係るパネル部材の第1の実施形態を示す斜視図である。平板状のパネル本体9上に取り付けられる静音部材100は、所定板厚(1mm以内)の薄い金属板1を折り曲げて断面T字状に加工したものである。T字の横棒に相当する部分がフランジ部1bであり、厚さ10μm以下の接着層2bを介してパネル本体9に接着されている。
T字の縦棒に相当する部分は、折り曲げられた金属板1が厚さ10μm以下の接着層2aを挟み込む構造となっており、この部分をビード部1aと称する。ビード部1aとフランジ部1bとは略直交している。金属板1としては、アルミ、鉄、銅、チタンのほか、その合金やマグネシウム合金等を用いることができる。接着層2としては、各種の粘着テープ等の粘弾性部材を用いると、施工が容易で、均質な特性を実現できる。この場合、横弾性係数は30kgf/mm2(約300N/mm2)程度のものを用いるとよい。
ビード部1aの高さは10mm程度、フランジ部1bの幅は20mm程度とするとよい。長手方向の長さは、パネル本体9に応じた長さであるが、10cm超は必要である。ビード部1aの高さ、フランジ部1bの幅、金属板1の厚さは、静音部材100自体のヤング率がパネル本体9のヤング率とほぼ同等(半分〜2倍程度)になるように適宜設定するとよい。
この静音部材100を取り付けたパネル300では、静音部材100が曲げ変形を拘束するため、パネル本体9単体の場合よりも曲げ変形に対する剛性が付与され、その曲げ変形が抑制される。一方、パネル本体9の平面方向に力が働く伸び変形に対しては、静音部材100による拘束力は弱く、伸び変形は比較的自由な状態にある。また、静音部材100の長手方向に働くずれ変形に対しても静音部材100がこれを拘束するよう作用するため、パネル本体9単体の場合よりも剛性が付与され、そのずれ変形も抑制される。特に、曲げ・ずれ変形が振動として働く場合には、接着層2がこれを吸収して減衰させるため、金属板1を溶接等によりパネル本体9に固着した場合より、振動を減衰させる効果が高まる。なお、ここでは、接着層2により、金属板1をパネル本体9へと貼り付けたが、パネル本体9および静音部材100が磁性体である場合には、静音部材100を帯磁させて、磁力により静音部材100をパネル本体9に取り付けてもよい。この場合に、さらに、接着層2を併用することも可能であり、減衰効果の向上が図れる。
図2は、本発明に係るパネル部材の第2の実施形態における静音部材を示す斜視図である。この静音部材100aは、複数枚(図2では2枚だが、3枚以上でもよい。)の金属箔(厚さ0.1mm程度)10、11を接着層4により貼り合わせたものを図1の静音部材100における金属板1に代えて用いている。金属板1に代えて貼り合わせた金属箔10、11を用いることで、積層された金属箔10、11間でもずれ変形が生じ、振動の吸収による減衰効果が高まる。積層する金属箔の種類、厚さ等は層によって異ならせてもよい。
図3は、本発明に係るパネル部材の第3の実施形態における静音部材を示す斜視図である。この静音部材100bにおいては、2層目の金属箔12が1層目の金属箔10のビード部10aのみを覆っている点のみが図2に示される静音部材100aと相違している。このような構成としても、金属箔10と12間でのずれ変形による振動の吸収効果を発揮することが可能である。そして、フランジ部10bが薄くなるので、施工性が向上する。なお、ここでは、フランジ部の層とビード部のみを覆う層をいずれも1層としたが、いずれかまたは両方を多層としてもよく、その層数は異ならせてもよい。
図4は、本発明に係るパネル部材の第4の実施形態における静音部材を示す斜視図である。この静音部材100cにおいては、L字状の金属板1、1’を貼り合わせてT字状の部材を成形している点が、図1に示される静音部材100と相違している。このような静音部材100cは、略同形のL字状の金属板1、1’を背中合わせで貼り合わせることによって形成できるほか、図1に示される静音部材100のビード部1aの頂部を切断することによっても製造することができる。この場合、横断面において左右のビード部1aと1a’間でずれ変形を起こす力が作用した場合に、そのずれ変形を減衰させる効果が高まる。ここでは、L字状の金属板1、1’を用いる場合を例に説明したが、金属箔を積層してL字状の部材を形成して、それを背中合わせに貼り合わせることでT字状の部材を形成してもよい。
図5は、本発明に係るパネル部材の第5の実施形態における静音部材を示す斜視図である。この静音部材100dにおいては、金属板1のビード部1aで挟み込まれた接着層2と、金属板1のフランジ部1bをパネル本体9(図示せず)に接着する接着層3とで横弾性係数の異なる部材を用いている点が、図1に示される静音部材100と相違している。接着層3の横弾性係数は、静音部材100dの剛性と、パネル本体9の剛性に応じて適切な範囲が設定される。これに対して、接着層2においては、主としてビード部1aの剛性に応じて適切な横弾性係数の範囲が設定される。両者は適切な範囲が異なりうるから、それぞれで部材を使い分けることで、減衰効果を高めることができる。
図6は、本発明に係るパネル部材の第6の実施形態における静音部材を示す斜視図であり、図7は、ビード部の上からみた平面図である。この静音部材100eにおいては、ビード部1aの頂点の図中のx方向における位置を図の長手方向(y方向)に沿って所定の周期で異ならせていることを特徴としている。つまり、図7に示されるように、長手方向における頂点の軌跡(頂線)が所定の周期の波状に形成されている。この軌跡の振幅(x方向の距離)Δxは、図6、図7では誇張して描いているが、パネル本体9の板厚程度でよい。一方、周期fは、減衰したい振動のモードシェープに合致させるとよい。このようにビード部1aを形成することで、(YZ平面方向)の曲げ振動成分をX方向のビード部1aの振動へと変換し、曲げ振動を減衰する効果を高めることができる。
図8は、本発明に係るパネル部材の第8の実施形態における静音部材を上から見た図であり、図9、図10は、それぞれ、そのIX−IX線、X−X線断面図である。この静音部材100fにおいては、ビード部1aが連続的に設けられている一方、フランジ部1bを有する領域(断面を図9に示す。)とフランジ部1bを有しない(ビード部1aのみが設けられている)領域(断面を図10に示す。)とが交互に設けられている。このフランジ部1bを有しない領域においては、フランジ部1bによる拘束がないため、ビード部1aを自在に折り曲げることが可能である。そのため、図8に示されるように、静音部材をジグザグ状に配置することも可能である。これにより、パネル本体の静音部材取り付け部が直線状でない場合にも静音部材を取り付けることができる。また、ビード部1bの折り曲げ形状を工夫することで曲面等への配置も可能であり、配置自由度が向上する。
図11は、本発明に係るパネル部材の第9の実施形態における静音部材を横から見た図であり、図12は、それを上から見た図であり、図13、図14は、それぞれ、そのXIII−XIII線、XIV−XIV線断面図である。この静音部材100gにおいては、ビード部1aの一部に切欠き14が設けられ、この切欠き14と周囲のビード部1aを覆う別の金属板または金属箔からなるビード部13が接着層4により取り付けられている。ここでは、図11、図12において、フランジ部1bが一様な平面状に取り付けられた状態を図示しているが、例えば、屈曲面上にフランジ部1bを配置するような場合に、その屈曲部と切欠き14とを位置合わせして、フランジ部1bを折り曲げることで、屈曲面上に静音部材を配置することが可能となり、その配置自由度が向上する。配置後に切欠き14を覆うビード部13を設けることで、屈曲部における剛性も確保することができる。
図15は、本発明に係るパネル部材の第10の実施形態における静音部材を示す斜視図である。この静音部材100hは、図1に示される静音部材100の両フランジ部1bの間のパネル本体9との間に形成される断面略3角形状の隙間に例えば樹脂製の棒状の補強部材5を配置したものである。このように隙間に補強部材5を配置することで、フランジ部1bとビード部1aとの境界部分における撓みの発生を防止し、静音部材100h自体の剛性を向上させるとともに、曲げ振動をビード部1aへと効率よく伝達することで、減衰特性を向上させることができる。
図16、図17は、本発明に係る静音部材をとりつけたパネルの遮音性を調べた結果を示すグラフである。図16は、ドアパネルの場合を、図17はルーフパネルの場合をそれぞれ示している。静音部材としては、第2の実施形態に示される形態のものを使用した。測定は、「音響透過損失の測定方法」に従った。
図16、図17から明らかなように、静音部材を配置することで、周波数200Hz前後の低周波領域から数千Hzの高周波領域にかけて遮音性を向上させる効果が得られることが確認された。特に、従来車温度の低かった2000Hz以下の周波数領域における遮音性を向上させる効果が確認できた。
静音部材の断面形状は逆T字型に限られるものではない。図18〜図27は、ビード部の断面をコの字状とした静音部材の例を示している。以下、それぞれについて具体的に説明する。
図18に示される第11の実施形態における静音部材300は、平板状の金属板6を、その長手方向の両辺に平行な4本の平行線を折り曲げ線とし、内側の2本と外側の2本の折り曲げ線で折り曲げ方向を反対方向にして略90度折り曲げることで、コの字形のビード部6b、6cとビード部6bからL字型に外側に展開するフランジ部6aを形成したものである。この静音部材は、接着層3によりパネル本体に取り付けられる。なお、図19に示されるように、接着層3は、フランジ部6aの部分のみに取り付ければ足りる。
このようにコの字形にビード部6b、6cを形成することで、T字形のビード部に比較して断面係数を大きく取ることができる。例えば、高さ10mm、厚さ0.4mm(重ね合わせた部分全体の厚み)のT字型のビード部と同じ断面係数を得るには、コの字形のビード部6b、6cの場合、厚さ0.2mmで頂部6cの幅が10mmならビード部6bの高さは7mmあれば足り、その高さを約3割低くすることができる。このため、パネル本体を含めた全体の厚さを薄くする必要がある場合に、効果的である。
この静音部材においても、図20に示されるように金属箔60、61を接着層4で貼り合わせた多層構造とすることが可能であり、さらに、多層構造を図21に示されるようにビード部のみに限定することもまた可能である。多層構造にすることの効果は、T字形のビード部を有する場合と同様である。特に、断面変形については3層制振構造となるため、さまざまな種類の断面変形を効果的に抑制できる。
また、コの字状のままでは、断面変形に対する剛性が強いため、曲面への配置や曲線状の配置が困難である。図22〜図27はこれを可能とするための形状を示している。
まず、図22〜図24に示されるように、コの字断面の一部を横方向に潰すとともに、フランジ部6aを除去することで、潰れた部分は上述したT字形のビード部においてフランジ部1aを除去した場合と同様の取り扱いが可能となり、静音部材を横方向に曲げることが可能となる。これにより、図22に示されるように上方向から見て曲線状になるよう静音部材を配置することが可能となる。
一方、コの字断面を上下方向に潰すことにより、潰れた部分は、フランジ部6aのみで構成されている場合と同様の取り扱いが可能となる。つまり、この部分では、パネル本体の曲面や折り曲げ面に合わせた配置が可能となり、静音部材の配置の自由度が向上する。なお、両者を組み合わせると、各種のパネル面に対してさまざまな配置形態が可能となる。
図28、図29は、これらの静音部材の配置例を示している。図28は車両のドア内に配置した例であり、コの字形断面(頂部断面は半円形)の補強材であるインパクトビーム200を覆う形で、アウターパネル201に粘弾性層205により取り付けている。これにより、走行時のアウターパネル201の振動を抑制し、それによる騒音がインナーパネル202を介して車室内へと侵入するのを防止する。
静音部材は例えば、パネル本体上に平行に間隔をおいて複数個配置してもよいし、図29に示されるように、2つないし多数の静音部材を交差するように配置してもよい。交差して配置することで、それぞれの静音部材によって剛性を付与する方向を変え、どの方向の曲げ変形に対しても剛性を確保することが可能となる。
さらに、静音部材自体をシート上に形成してもよい。図30〜図32はこのような静音部材を用いたシートを示している。シートは、所定板厚の金属板により形成されていても、金属箔を重ね合わせたもの(金属箔の間に粘弾性層を備えているとさらに好ましい。)で形成されていてもよい。このようなシートを折り曲げて、ビード部の断面が矩形(図30)、三角形(図31)、台形(図32)となるシートを形成する。ここで、ビード部側面7b、70b、71bには、孔8を設けるとよい。この孔8は吸音のための孔であり、その配置間隔は、吸音したい音域の1/4波長程度とするとよい。特に、断面を三角形や台形とすると、矩形の場合に比較してビード部の変形による潰れを抑制する効果がある。このようにして作成したシートは例えば、アスファルトシート等の代品として利用できる。
1、6…金属板、1a、10a、13、6b…ビード部、1b、10b、6a…フランジ部、2〜4…接着層、5…補強部材、6c…頂部、8…孔、9…パネル本体、10、12、60…金属箔、100…静音部材、200…インパクトビーム、201…アウターパネル、202…インナーパネル、205…粘弾性層、300…パネル。
Claims (23)
- 所定板厚の金属板により形成され、粘弾性層を有しているビード部と、前記ビード部を固定するフランジ部とを有する静音部材のフランジ部を粘弾性層を介してパネル本体に取り付けたことを特徴とするパネル部材。
- 前記静音部材は断面形状がT字型であり、ビード部の少なくとも一部が両フランジ部から延びる金属板で層構造をなしていることを特徴とする請求項1記載のパネル部材。
- 前記静音部材のビード部は断面形状が略コ字型であり、ビード部の少なくとも一部がフランジ部から延びる金属板で形成されていることを特徴とする請求項1記載のパネル部材。
- 前記静音部材の前記層構造の間に粘弾性層が配置されていることを特徴とする請求項2記載のパネル構造。
- 前記静音部材のビード部は金属箔を複数枚重ねて形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパネル部材。
- 前記静音部材は、フランジ部も含めて金属箔を複数枚重ねて形成されていることを特徴とする請求項5記載のパネル部材。
- 前記静音部材のビード部は、その頂点で金属板が分割されていることを特徴とする請求項2記載のパネル部材。
- 前記静音部材のビード部は、横断面内においてビード部の延在方向に直交する方向の頂点位置が長手方向に沿って周期的に変化する形状を有していることを特徴とする請求項2記載のパネル部材。
- 前記静音部材のフランジ部の一部に長手方向でフランジ部を分断する切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1記載のパネル部材。
- 前記静音部材のビード部の一部に長手方向でビード部を分断する切れ目を設けていることを特徴とする請求項1記載のパネル部材。
- 前記ビード部から左右に延びるフランジ部とパネル本体とのそれぞれの接着面の間に充填されている補強剤をさらに備えていることを特徴とする請求項2記載のパネル部材。
- 前記静音部材の長手方向の一部でビード部の頂面を横断面内における該頂面の延在方向に折り畳んだ構成としていることを特徴とする請求項3記載のパネル部材。
- 前記静音部材の長手方向の一部でビード部の頂面をフランジ部へ向けて折り畳んだ構成としていることを特徴とする請求項3記載のパネル部材。
- 前記フランジ部とパネル本体との間に配置される粘弾性層は接着剤であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のパネル部材。
- 前記静音部材の層構造の間に配置される粘弾性層とは異なる素材の粘弾性層を介して前記フランジ部とパネル本体とが接着により取り付けられていることを特徴とする請求項4記載のパネル部材。
- 前記静音部材を複数個、所定の間隔でパネル本体に配置したことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のパネル部材。
- 前記静音部材を帯磁させていることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載のパネル部材。
- 所定板厚の金属板によりビード部とフランジ部とが交互に連続するように形成され、前記フランジ部によりパネル本体に取り付け可能に構成されていることを特徴とする静音部材。
- 横断面において前記ビード部とフランジ部の延長面のなす形状が矩形であることを特徴とする請求項18記載の静音部材。
- 横断面において前記ビード部とフランジ部の延長面のなす形状が三角形であることを特徴とする請求項18記載の静音部材。
- 横断面において前記ビード部とフランジ部の延長面のなす形状が台形であることを特徴とする請求項18記載の静音部材。
- 前記ビード部に複数の孔が設けられていることを特徴とする請求項18〜21のいずれかに記載の静音部材。
- 前記金属板を帯磁させていることを特徴とする請求項18〜22のいずれかに記載の静音部材。
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- 2005-05-11 JP JP2005138933A patent/JP2006315497A/ja active Pending
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