JP2006304401A - アキシャルギャップ型モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】コアに係る構成を工夫することで効率の向上を図ること。
【解決手段】アキシャルギャップ型モータ1は、ハウジング2と、ハウジング2に固定されたステータ3と、隙間4を介してステータ3に対向して配置されたロータ5とを備える。ステータ3は、磁性材料よりなるコア6と、コア6のティース部6aに設けられたコイル7とを含む。コア6の中心には、軸受8を介して出力軸9が回転可能に支持される。ロータ5は、出力軸9の一端部に固定され、隙間4を介してコア6に対向して配置された磁石11を含む。ここで、コア6のティース部6aは中空構造に構成される。すなわち、ティース部6aの中央には、上方へ開口する中空6bが形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】アキシャルギャップ型モータ1は、ハウジング2と、ハウジング2に固定されたステータ3と、隙間4を介してステータ3に対向して配置されたロータ5とを備える。ステータ3は、磁性材料よりなるコア6と、コア6のティース部6aに設けられたコイル7とを含む。コア6の中心には、軸受8を介して出力軸9が回転可能に支持される。ロータ5は、出力軸9の一端部に固定され、隙間4を介してコア6に対向して配置された磁石11を含む。ここで、コア6のティース部6aは中空構造に構成される。すなわち、ティース部6aの中央には、上方へ開口する中空6bが形成される。
【選択図】 図1
Description
この発明は、ステータとロータが隙間を介して対向して配置されてなるアキシャルギャップ型モータに関する。
従来、この種のアキシャルギャップ型モータとして、例えば、下記の特許文献1に記載されたいくつかのモータがある。その一つを第1従来例として図10に断面図により示す。このアキシャルギャップ型モータ51は、ハウジング52と、ハウジング52に固定されたステータ53と、隙間54を介してステータ53に対向して配置されたロータ55とを備える。ここで、ステータ53の中心には、軸受56を介して出力軸57が回転可能に支持される。ロータ55は、出力軸57の一端部に固定される。ステータ53は、磁性材料よりなるコア58と、コア58のティース部58aに設けられたコイル59とを含む。ロータ55は、出力軸57に固定されたヨーク60と、ヨーク60に固定された磁石61とを含む。そして、磁石61が、コイル59を含むコア58と軸線方向に分かれて対向して配置され、コア58と磁石61との間に磁路が形成される。ここで、コア58と磁石61との間の隙間54には、軸線方向に磁束が流れ、両者58,61の間には、軸線方向に強力な吸引力が発生することとなる。
図10に示すモータ51において、コア58は、磁石61による磁束を通すための磁路を形成する。そのため、磁束を多く流すという観点から、流れに垂直な断面はなるべく広い方が好ましい。このように断面を広くすると、コイル59の容積が減少し、コイル59の線径を細くしなければならず、抵抗値が増え、銅損が増えて効率が低下してしまう。従って、図10に示すモータ51では、ハウジング52内の空間を有効に活用するという観点から、ティース部58aを含めたコア58全体の磁路断面を中実で、しかも必要十分な面積とすることで、コイル59の容積を確保し、効率を高める設計がなされている。一方、コギングトルク低減等を目的として、ティース部58aの端面に窪みを設けたものはあるが、トルク特性改善のために窪みを2mm以上深くする必要はなく、そのような事例は見当たらない。
特許文献1に記載されたモータの他の一つを第2従来技術として図11に断面図により示す。このアキシャルギャップ型モータ62は、第1従来例とは異なり、コア58のコアバック部58bと、ティース部58aとが別体構造となっている。この構成によれば、ティース部58aにコイル59を設けた後、そのティース部58aをコアバック部58bに組み付けることで、占有率を向上させ、銅損を低減して効率を向上させている。ティース部58aはコアバック部58bの取付孔58cに装着することで固定される。ここで、コアバック部58bに対するティース部58aの固定方法として、圧入による方法、接着による方法、溶接による方法などが挙げられる。また、コアバック部58bとティース部58aの材質は、同じであることが一般的である。
特開2003−79120号公報(第4−5頁、図1,3)
ところが、上記した第1従来例のアキシャルギャップ型モータ51では、コア58のティース部58aが中実であることから、鉄損が多く発生して効率が低くなるという懸念があった。
一方、上記した第2従来例のアキシャルギャップ型モータ62では、コアバック部58bとティース部58aを上記した何れの固定方法で固定したとしても、長年の使用により固定力が低下する懸念があり、ティース部58aが磁石11に吸引されることで取付孔58cから抜け出るおそれがあった。また、上記固定方法の中で、溶接が最も信頼性が高いと考えられるが、溶接の熱により磁性材料の特性が変化するおそれがあり、磁気特性が悪化することで効率が低下する懸念があった。
更に、上記した第2従来例のアキシャルギャップ型モータ62では、コアバック部58bとティース部58aを同じ材質としたことから、同じ効率を得ようとした場合に、コアバック部(本体部)に必要以上の高級材を使用しなければならず、コスト高となってしまう。
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、コアに係る構成を工夫することで効率の確保又は向上を図ることを可能としたアキシャルギャップ型モータを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングと、ハウジングに固定されたステータと、隙間を介してステータに対向して配置されたロータと、ステータは、磁性材料よりなるコアと、そのコアのティース部に設けられたコイルとを含むことと、コアの中心にて軸受を介して回転可能に支持された出力軸と、ロータは、出力軸の一端部に固定され、隙間を介してコアに対向して配置された磁石を含むこととを備えたアキシャルギャップ型モータであって、コアのティース部を中空構造としたことを趣旨とする。
一般に、コアのティース部は磁石による磁束を通すための磁路を形成する。ここで、ティース部の磁路断面積を磁石の1/4程度より大きくし、磁束量を増加させることで効率を向上させられることが分かっている。一方、鉄損は磁性材料の質量に比例することから、ティース部の質量が多いほど鉄損が増すこととなる。上記発明の構成によれば、ティース部が中空構造をなすので、磁束量がほとんど減少することなくティース部の質量が減少し、その分だけ鉄損が低減する。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、中空構造の中空の深さは、少なくとも2mmであることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、中空構造の中空の深さを少なくとも2mmに特定することにより、請求項1に記載の発明の作用が得られる。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、ハウジングと、ハウジングに固定されたステータと、隙間を介してステータに対向して配置されたロータと、ステータは、磁性材料よりなるコアと、コアは、コアバック部とティース部とが別体で構成され、ティース部にコイルが設けられることと、コアの中心にて軸受を介して回転可能に支持された出力軸と、ロータは、出力軸の一端部に固定され、隙間を介してコアに対向して配置された磁石を含むこととを備えたアキシャルギャップ型モータであって、コアバック部は、ティース部に対応する挿通孔を含み、ティース部は、挿通孔に挿通されるピン部を含み、ピン部が挿通孔に挿通された後、ピン部の先端がかしめられることでティース部がコアバック部に固定されたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、コアバック部とティース部が別体で構成されたコアにおいて、ティース部のピン部が、コアバック部の挿通孔に挿通された後、そのピン部の先端がかしめられることでティース部がコアバック部に固定されるので、ピン部が挿通孔から抜け出るおそれがない。また、ティース部のピン部の先端のみがかしめられるので、かしめによる磁気特性低下の影響がティース部全体に波及することがない。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、コアバック部は、その一端面にピン部のかしめ部分を収容する凹部を含むことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項3に記載の発明の作用に加え、ピン部のかしめ部分が凹部に収容されるので、かしめ部分がコアバック部の一端面から突出せず、コアの高さが増えない。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、ハウジングと、ハウジングに固定されたステータと、隙間を介してステータに対向して配置されたロータと、ステータは、磁性材料よりなるコアと、コアは、コアバック部とティース部とが別体で構成され、ティース部にコイルが設けられることと、コアの中心にて軸受を介して回転可能に支持された出力軸と、ロータは、出力軸の一端部に固定され、隙間を介してコアに対向して配置された磁石を含むこととを備えたアキシャルギャップ型モータであって、コアバック部をティース部より比抵抗値の低い低級材により形成したことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、コアバック部が低級材により形成されるので、コアバック部のコストが低減する。また、コアバック部として従来と同等の渦電流損となるような材料を選択することができる。
請求項1に記載の発明によれば、コアに係る構成を工夫することで効率を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同じく、コアに係る構成を工夫することで効率を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、コアに係る構成を工夫することで効率の確保を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、コアを薄型化することができる。
請求項5に記載の発明によれば、コアに係る構成を工夫することで効率を向上させることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明におけるアキシャルギャップ型モータを具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
以下、本発明におけるアキシャルギャップ型モータを具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、この実施形態におけるアキシャルギャップ型モータ1の構造を断面図により示す。このモータ1は、ハウジング2と、ハウジング2の内側に固定されたステータ3と、ハウジング2の内側にて所定の隙間4を介してステータ3に対向して配置されたロータ5とを備える。ステータ3は、磁性材料よりなるコア6と、コア6に設けられたコイル7とを含む。コイル7は、コア6の複数のティース部6aに巻線を装着することで構成される。コア6の中心には、ラジアル軸受8を介して出力軸9が回転可能に支持される。ロータ5は、出力軸9の一端部に固定されたヨーク10と、隙間4を介してコア6に対向してヨーク110に固定された磁石11とを含む。
ここで、図1において、コア6の各ティース部6aは、中空構造をなしている。すなわち、図1に示すように、各ティース部6aの中央には、上方へ開口する有底の中空6bが形成される。図2に、コア6の半分を平面図により示す。各ティース部6aは平面視で略扇形をなし、中空6bは平面視で長方形状をなしている。
図3には、コアのティース部を中空構造とした場合の中空による質量低減率と効率との関係をグラフに示す。このグラフは、磁場解析による計算結果を示す。ここで、「質量低減率」は、ティース部全質量に対する中空による低減質量の割合を意味する。このグラフで、質量低減率が「0%」となるときの効率は「75.3%」を示す。これは、中実なティース部による最高効率となる磁路断面積での解析結果に相当する。このグラフから明らかなように、質量低減率が「0%」から徐々に増えることで、効率は徐々に増加し、質量低減率が「約10%」のときに最高効率(76.9%)となり、更に質量低減率が増えることで、効率は徐々に減少することが分かる。このような解析結果から、この実施形態では、ティース部6aの中空構造につき、質量低減率が「10%」となるように中空6bの大きさを決定している。この実施形態では、コア6の高さが「7mm」であるのに対し、中空6bの深さが「2mm」以上、具体的には「6mm」に設定されている。
一般にアキシャルギャップ型モータは、扁平化に対し非常に有利なモータであることから、薄型モータに使用されることが多い。特に、携帯性が要求されるポータブルDVDやCDプレーヤなどには、数mmという非常に薄いモータが使用されている。
このような薄型モータを、コアを有するアキシャルギャップ型モータにより構成しようとすると、例えば、磁石にフェライト磁石を用いた場合、磁石の飽和残留磁束密度と、磁性材料の最大磁束密度の違いにより、従来の設計方法では、磁石断面積の1/4程度ほどコア断面積を設けてやればよい。しかし、上記のような薄型モータでは、コイルが設けられるティース部の長さが「2〜3mm」程度しかなく、磁石断面積の1/4程度の磁路では、磁石から発生した磁束がすべてティース部へ回り込むことができず、本来の磁束量を流すことができなくなってしまう。
従って、磁場解析により巻線の抵抗値を考慮した最良な磁路断面積とコイル容積との関係を検討した結果、コイル容積がある程度減って抵抗値が増加しても、磁路断面積を前述した磁石の1/4程度より大きくして、磁束量を増加させた方が、効率を向上させられることが分かった。
しかし、本来は、上記したように磁路断面積は、磁石断面積の1/4程度で十分であることから、必要以上の磁性材料を使用することとなり、鉄損を考慮すると、鉄損は、磁性材料の質量に比例するため、鉄損分だけ効率が低下することとなる。
このような薄型モータを、コアを有するアキシャルギャップ型モータにより構成しようとすると、例えば、磁石にフェライト磁石を用いた場合、磁石の飽和残留磁束密度と、磁性材料の最大磁束密度の違いにより、従来の設計方法では、磁石断面積の1/4程度ほどコア断面積を設けてやればよい。しかし、上記のような薄型モータでは、コイルが設けられるティース部の長さが「2〜3mm」程度しかなく、磁石断面積の1/4程度の磁路では、磁石から発生した磁束がすべてティース部へ回り込むことができず、本来の磁束量を流すことができなくなってしまう。
従って、磁場解析により巻線の抵抗値を考慮した最良な磁路断面積とコイル容積との関係を検討した結果、コイル容積がある程度減って抵抗値が増加しても、磁路断面積を前述した磁石の1/4程度より大きくして、磁束量を増加させた方が、効率を向上させられることが分かった。
しかし、本来は、上記したように磁路断面積は、磁石断面積の1/4程度で十分であることから、必要以上の磁性材料を使用することとなり、鉄損を考慮すると、鉄損は、磁性材料の質量に比例するため、鉄損分だけ効率が低下することとなる。
そこで、この実施形態のアキシャルギャップ型モータ1では、コア6のティース部6aを中空構造とすることで、ティース部6aの中央付近を中空6bとしているので、ティース部6aにおける磁束の回り込みをほとんど阻害することがない。このため、コア6を形成する磁性材料の質量を中空6bの分だけ減少させた分だけ鉄損が低減する。すなわち、磁束量がほとんど減少することなくティース部6aの質量が減少し、その分だけ鉄損が低減する。この結果、上記のようにコア6のティース部6aに係る構成を工夫することで、モータ1の効率を向上させることができる。
上記の構成では、図1,2に示すように、中空6bを、ティース部6aの上方へ開口するように形成したが、図4に示すように、中空6bを、ティース部6aの下方へ開口するように形成したり、図5に示すように、中空6bを、ティース部6aを貫通するように形成してもよい。これらの場合も、上記したと同様の作用効果を得ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明におけるアキシャルギャップ型モータを具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
次に、本発明におけるアキシャルギャップ型モータを具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
尚、以下に説明する各実施形態(この実施形態を含む)において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。
図6に、この実施形態におけるアキシャルギャップ型モータ21の構造を断面図により示す。この実施形態では、以下の点で第1実施形態と構成が異なる。すなわち、コア6は、コアバック部22とティース部23とが別体で構成される。コアバック部22は、ティース部23に対応する挿通孔22aを含み、ティース部23は、挿通孔2aに挿通されるピン部23aを含む。ティース部23は、中空構造ではなく、中実構造をなしている。そして、ピン部23aが挿通孔22aに挿通された後、ピン部23aの先端がかしめられることでティース部23がコアバック部22に固定される。ピン部23aのかしめ部分23bは、コアバック部22の底面から突出している。かしめ部分23bは、ハウジング2の底壁に形成された凹部2aに収容される。
従って、この実施形態のモータ21によれば、コアバック部22とティース部23が別体で構成されたコア6において、ティース部23のピン部23aが、コアバック部22の挿通孔22aに挿通された後、ピン部23aの先端がかしめられることでティース部23がコアバック部22に固定される。これにより、ピン部23aが挿通孔22aから抜け出るおそれがない。また、ティース部23のピン部23aの先端のみがかしめられるので、かしめによる磁気特性低下の影響がティース部23の全体に波及することがない。このため、ティース部23を構成する磁性材料の特性が変化するおそれがなく、磁気特性が悪化することがないので、モータ21の効率を確保することができる。
上記のようにティース部23のかしめ部分23bは、磁束が分岐する部分であることから、磁束密度は非常に低くなり、この部分23bの磁気特性がモータ性能へ与える影響は非常に小さいといえる。一般に、磁性材料にかしめを行った場合、磁気特性の低下が見られるが、かしめ部分の磁気特性の変化があるのみで、狭い範囲内での変化であり、モータ特性への影響がほとんどないといえる。これに対し、溶接を行った場合、本実施形態と同じ部分(かしめを行う部分)を溶接することも可能であるが、溶接のときの熱が溶接を行わない部位にも伝わり、ティース部の広い範囲で磁気特性が変わり、モータ性能への影響が大きくなる。すなわち、この実施形態のモータ21では、コア6のティース部23に係る構成を工夫することで、モータ21の効率を確保することができる。
上記の構成では、図6に示すように、かしめ部23bをコアバック部22の底面から突出させるようにしたが、図7に示すように、コアバック部22の底面に凹部22bを形成して、その凹部22bにかしめ部分23bを収容するようにしてもよい。この場合、ピン部23aのかしめ部分23bが凹部22bに収容されるので、かしめ部分23bがコアバック部22の底面から突出することがなく、コア6の高さが増えない。このため、コア6の薄型化に寄与する。また、ハウジング2に凹部2aを形成する必要がなくなる。
[第3実施形態]
次に、本発明におけるアキシャルギャップ型モータを具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
次に、本発明におけるアキシャルギャップ型モータを具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図8に、この実施形態におけるアキシャルギャップ型モータ31の構造を断面図により示す。この実施形態では、以下の点で第2実施形態と構成が異なる。すなわち、この実施形態でも、コア6は、コアバック部22とティース部23とが別体で構成される。コアバック部22は、ティース部23に対応する挿入穴22cを含み、ティース部23は、挿入穴22cに挿入されるピン部23aを含む。そして、ピン部23aが挿入穴22cに挿入されて固定される。特にこの実施形態では、コアバック部22がティース部23より比抵抗値の低い低級材により形成される。すなわち、この実施形態では、コアバック部22とティース部23の質量比率が、「50.5:49.5」と、ほぼ半々の比率に構成される。
従って、この実施形態のモータ31によれば、コアバック部22がティース部23よりも低級材により形成されるので、コアバック部22のコストが低減する。また、コアバック部22として従来と同等の渦電流損となるような材料を選択することができる。このため、このようにコア6に係る構成を工夫することで、モータ31の効率を向上させることができる。
この実施形態では、コアバック部22とティース部23の質量比率が、「50.5:49.5」と、ほぼ半々の比率に構成される。このため、モータ31の回転により同じ磁束変化をした場合、同じだけの渦電流による損失が発生することとなる。しかし、検討の結果、コアバック部22とティース部23では、異なる損失が発生することが分かった。
図9に、その検討結果をグラフに示す。図9は、比抵抗値の違いと効率の関係を示すグラフである。先ず、コアバック部22とティース部23に同じ低比抵抗値を与えて効率を算出したところ、図9の左側の棒グラフに示すように、「74.5%」となった。次に、コアバック部22とティース部23に上記の2倍の比抵抗値(高比抵抗値)を与えて効率を算出したところ、渦電流損を低減することができるため、図9の右側の棒グラフに示すように、効率が「77.4%」となり、「2.9ポイント」の効率向上を得た。この効率向上の寄与度を各部位別々に比抵抗値の変更を行うことで算出したところ、効率向上分のうち「63.7%」がティース部23によるものであり、「36.3%」がコアバック部(本体部)によるものであることが分かった。つまり、質量比率からすると、ほぼ同等の寄与率となるべきところ、ティース部23の寄与率が大幅に高かったことにより、ティース部23の磁束変化がコアバック部22のそれよりも高いことが原因と考えられる。
ここで、磁性材料のコストを考慮した場合、比抵抗値が高いほど高級材となり、コストが高くなる。従って、モータ31の効率向上を試みる場合、コア全体を比抵抗値の高い高級材にするのではなく、ティース部23のみを高級材にすれば、「効果/コスト」の比率を高め、効果的に効率を向上させられることができる。
上記のことを、見方を変えて同じ効率でコストを比較した場合、同じ材質を用いるよりも、ティース部23のみ比抵抗値の高い高級材を使用し、コアバック部22に比抵抗値の低い低級材を使用すれば、低コスト化を図ることができる。例えば、今回の検討に用いたモータ31の場合、従来例のモータ51,61に対し、ティース部23の比抵抗値を、例えば、従来の「20%」増としたならば、上記効果の寄与率より、コアバック部22の比抵抗値が従来の「31%」減の材質で済むことになる。これは、計算の一例であり、ティース部23の比抵抗値に制限はないため、最もコスト低減を図ることが可能な、ティース部23とコアバック部22の比抵抗値を選択すればよいことになる。
ここで、磁性材料の鉄損量と値段との関係について具体例を示す。上記したように磁性材料は、鉄損が発生しにくいほど高級材となる。例えば、JIS規格で「50A1000」及び「50A470」と示す材料は、最初の「50」が材料板厚を示し、この場合は「0.5mm」を意味する。残りの「A1000」又は「A470」が鉄損の発生量を示し、この場合は、「10W/kg」又は「4.7W/kg」を意味する。従って、上記した「50A470」は、「50A1000」の約半分の鉄損発生量となる。これら材料について、ある材料メーカでは、両者の固有抵抗値は、前者が「18μΩ・cm」で、後者が「38μΩ・cm」と、ほぼ鉄損の発生量と反比例の関係になる。また、価格を見ると、前者は、「135円/kg」で、後者は、「180円/kg」である。
今回の一つの実施例として、鉄損の発生しにくさと値段が比例関係にあると想定すると、上記した二つの材料の中間の材料となる「50A700」は、値段が両者の中間の「158円/kg」となり、モータ全体の鉄心をすべてこの中間の材料で構成した場合と、ティース部を「50A470」で、コアバック部を「50A1000」で構成した場合を比較すると、ティース部とコアバック部がほとんど同じ質量であるため、ほぼ同じ価格となる。これに対し、効率を見ると、前者は、図9に示す低比抵抗値と高比抵抗値の中間になるため、効率「76%」となり、後者は、図9のティース部の高抵抗化の結果となるため、「76.3%」と「0.3」ポイントの効率向上が可能となる。
その他の実施形態として、「50A600」の材料でモータ全体を構成すると、上記した実施例の後者と同じ効率の「76.3%」とすることができる。しかし、「50A600」の価格が上記した関係と同様「165円/kg」となり、鉄心の質量まで「200g」であれば、この部位の価格は「33円」となる。ここで、上記したようにコアバック部とティース部を異なった材質で構成すると、「18+13.5=31.5円」と同じ効率で、「1.5円」だけ価格を低減できることとなった。
上記の構成では、ティース部23のピン部23aをコアバック部22の挿入穴22cに挿入して固定するように構成したが、第2実施形態のように、ティース部23のピン部23aがコアバック部22の挿通孔22aに挿通された後、ピン部2aの先端がかしめられることでティース部23がコアバック部22に固定される構成としてもよい。
尚、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
例えば、前記第2及び第3の実施形態では、ティース部23を中実に構成したが、これら実施形態についても、第1実施形態と同様にティース部を中空構造としてもよい。第2及び第3の実施形態についても、ティース部を中空構造とすることで、モータの効率を一層向上させることができる。
1 アキシャルギャップ型モータ
2 ハウジング
3 ステータ
4 隙間
5 ロータ
6 コア
6a ティース部
6b 中空
7 コイル
8 ラジアル軸受
9 出力軸
10 ヨーク
11 磁石
21 アキシャルギャップ型モータ
22 コアバック部
22a 挿通孔
22b 凹部
23 ティース部
23a ピン部
23b かしめ部分
31 アキシャルギャップ型モータ
2 ハウジング
3 ステータ
4 隙間
5 ロータ
6 コア
6a ティース部
6b 中空
7 コイル
8 ラジアル軸受
9 出力軸
10 ヨーク
11 磁石
21 アキシャルギャップ型モータ
22 コアバック部
22a 挿通孔
22b 凹部
23 ティース部
23a ピン部
23b かしめ部分
31 アキシャルギャップ型モータ
Claims (5)
- ハウジングと、
前記ハウジングに固定されたステータと、
隙間を介して前記ステータに対向して配置されたロータと、
前記ステータは、磁性材料よりなるコアと、そのコアのティース部に設けられたコイルとを含むことと、
前記コアの中心にて軸受を介して回転可能に支持された出力軸と、
前記ロータは、前記出力軸の一端部に固定され、前記隙間を介して前記コアに対向して配置された磁石を含むことと
を備えたアキシャルギャップ型モータであって、
前記コアのティース部を中空構造としたことを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。 - 前記中空構造の中空の深さは、少なくとも2mmであることを特徴とする請求項1に記載のアキシャルギャップ型モータ。
- ハウジングと、
前記ハウジングに固定されたステータと、
隙間を介して前記ステータに対向して配置されたロータと、
前記ステータは、磁性材料よりなるコアと、
前記コアは、コアバック部とティース部とが別体で構成され、前記ティース部にコイルが設けられることと、
前記コアの中心にて軸受を介して回転可能に支持された出力軸と、
前記ロータは、前記出力軸の一端部に固定され、前記隙間を介して前記コアに対向して配置された磁石を含むことと
を備えたアキシャルギャップ型モータであって、
前記コアバック部は、前記ティース部に対応する挿通孔を含み、前記ティース部は、前記挿通孔に挿通されるピン部を含み、前記ピン部が前記挿通孔に挿通された後、前記ピン部の先端がかしめられることで前記ティース部が前記コアバック部に固定されたことを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。 - 前記コアバック部は、その一端面に前記ピン部のかしめ部分を収容する凹部を含むことを特徴とする請求項3に記載のアキシャルギャップ型モータ。
- ハウジングと、
前記ハウジングに固定されたステータと、
隙間を介して前記ステータに対向して配置されたロータと、
前記ステータは、磁性材料よりなるコアと、
前記コアは、コアバック部とティース部とが別体で構成され、前記ティース部にコイルが設けられることと、
前記コアの中心にて軸受を介して回転可能に支持された出力軸と、
前記ロータは、前記出力軸の一端部に固定され、前記隙間を介して前記コアに対向して配置された磁石を含むことと
を備えたアキシャルギャップ型モータであって、
前記コアバック部を前記ティース部より比抵抗値の低い低級材により形成したことを特徴とするアキシャルギャップ型モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005118324A JP2006304401A (ja) | 2005-04-15 | 2005-04-15 | アキシャルギャップ型モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005118324A JP2006304401A (ja) | 2005-04-15 | 2005-04-15 | アキシャルギャップ型モータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006304401A true JP2006304401A (ja) | 2006-11-02 |
Family
ID=37472048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005118324A Withdrawn JP2006304401A (ja) | 2005-04-15 | 2005-04-15 | アキシャルギャップ型モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006304401A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008228363A (ja) * | 2007-03-08 | 2008-09-25 | Daikin Ind Ltd | 電機子用磁芯、電機子、回転電機、圧縮機 |
JP2009303428A (ja) * | 2008-06-16 | 2009-12-24 | Nippon Keiki Works Ltd | 薄型ラジアルモータのステータ構造 |
CN103915961A (zh) * | 2014-04-10 | 2014-07-09 | 南京工业大学 | 一种新型轴向磁通双凸极永磁发电机 |
JP2020103025A (ja) * | 2018-12-24 | 2020-07-02 | 日本電産株式会社 | フラックスモータ及び電気製品 |
JP2022030250A (ja) * | 2020-08-06 | 2022-02-18 | 株式会社久保田鉄工所 | アキシャルギャップモータ |
-
2005
- 2005-04-15 JP JP2005118324A patent/JP2006304401A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008228363A (ja) * | 2007-03-08 | 2008-09-25 | Daikin Ind Ltd | 電機子用磁芯、電機子、回転電機、圧縮機 |
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CN103915961B (zh) * | 2014-04-10 | 2016-02-10 | 南京工业大学 | 一种轴向磁通双凸极永磁发电机 |
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