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JP2006294517A - Ga系固体電解質材料の製造方法 - Google Patents

Ga系固体電解質材料の製造方法 Download PDF

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JP2006294517A JP2005116159A JP2005116159A JP2006294517A JP 2006294517 A JP2006294517 A JP 2006294517A JP 2005116159 A JP2005116159 A JP 2005116159A JP 2005116159 A JP2005116159 A JP 2005116159A JP 2006294517 A JP2006294517 A JP 2006294517A
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electrolyte material
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Toru Inagaki
亨 稲垣
Koji Hashino
幸次 橋野
Hiroyuki Yoshida
洋之 吉田
Mitsunobu Kawano
光伸 川野
Hiroshi Ichiji
弘 伊知地
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Kansai Electric Power Co Inc
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Kansai Electric Power Co Inc
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Abstract

【課題】既存のGa系固体電解質材料の製造方法に比して簡易な(エネルギー消費の少ない)製造方法、並びに、従来品よりも易焼結性であるGa系固体電解質材料の製造方法を提供する。
【解決手段】下記1)〜4)に示す原料:
1)La、Ce、Pr、Nd及びSmの少なくとも1種を含む原料、
2)Sr、Ca及びBaの少なくとも1種を含む原料、
3)Gaを含む原料、並びに、
4)Mg及びAlの少なくとも1種を含む原料、を含有する混合溶液に超音波を照射することにより、混合溶液のエアロゾルを発生させ、該エアロゾルをキャリアガスとともに、加熱された中空管内を通過させることにより熱分解することを特徴とする、Ga系固体電解質材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、Ga系(特にランタンガレート系)固体電解質材料の製造方法に関する。
酸化物イオン伝導体からなる固体電解質層を空気極層と燃料極層との間に挟んだ積層構造を持つ固体電解質型燃料電池は、第三世代の発電用燃料電池として開発が進んでいる。固体電解質型燃料電池では、空気極側に酸素(空気)が、燃料極側には水素、一酸化炭素等の燃料ガスが供給される。空気極及び燃料極は、ガスが固体電解質との界面に到達するようにいずれも多孔質である。
空気極側に供給された酸素は、空気極層内の気孔を通って固体電解質層との界面近傍に到達し、空気極から電子を受け取って酸化物イオン(O2−)にイオン化される。この酸化物イオンは、燃料極の方向に向かって固体電解質層内を拡散移動する。そして、燃料極との界面近傍に到達した酸化物イオンは、燃料ガスと反応して水、二酸化炭素等を生成するとともに燃料極に電子を放出する。
固体電解質型燃料電池では、固体電解質層は、酸化物イオンの移動媒体であると同時に、燃料ガスと空気とを直接接触させないための隔壁としても機能するため、ガス不透過性の緻密な構造であることが要求される。そのため、固体電解質層は、酸化物イオン伝導性が高く、空気極側の酸化性雰囲気から燃料極側の還元性雰囲気までの条件下で化学的に安定且つ熱衝撃に強い材料から構成する必要がある。具体的には、固体電解質材料としては、Ga系酸化物(特にペロブスカイト型結晶構造を持つランタンガレート系酸化物)が知られている(特許文献1、特に特許請求の範囲)。
上記Ga系酸化物(特にランタンガレート系酸化物)は、該酸化物を構成する金属元素の酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物等を出発物質とし、固相反応法、ゾル−ゲル法、水熱法等に供することにより酸化物粉末として得られる。そして、該酸化物粉末は、ミル、ジェットミル等の粉砕機により粉砕して粒径を揃えた後、成形・焼成を行って固体電解質として用いられる。
しかしながら、上記製造方法は、酸化物粉末の粒径を揃える粉砕工程を有するため、多量のエネルギーを要する。また、成形体を焼成する際にも1500℃以上の高温で10時間以上の熱処理が必要であり、固体電解質となる焼結体を得るまでに多量のエネルギーを要する。
従って、既存の固体電解質材料の製造方法に比して簡易な(エネルギー消費の少ない)製造方法、並びに、従来品よりも易焼結性である固体電解質材料の製造方法の開発が望まれている。
特開2003−331866号公報 特開2003−197219号公報
本発明は、既存のGa系固体電解質材料の製造方法に比して簡易な(エネルギー消費の少ない)製造方法、並びに、従来品よりも易焼結性であるGa系固体電解質材料の製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の製造方法によれば上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のGa系固体電解質材料の製造方法、固体電解質及び固体電解質型燃料電池に関する。
1.下記1)〜4)に示す原料:
1)La、Ce、Pr、Nd及びSmの少なくとも1種を含む原料、
2)Sr、Ca及びBaの少なくとも1種を含む原料、
3)Gaを含む原料、並びに、
4)Mg及びAlの少なくとも1種を含む原料、を含有する混合溶液に超音波を照射することにより、混合溶液のエアロゾルを発生させ、該エアロゾルをキャリアガスとともに、加熱された中空管内を通過させることにより熱分解することを特徴とする、Ga系固体電解質材料の製造方法。
2.混合溶液が、5)Co、Fe、Ni及びCuの少なくとも1種を含む原料、をさらに含有する、上記項1に記載の製造方法。
3.Ga系固体電解質材料が、下記組成式(1)
Ln1−xGa1−y−z (1)
〔但し、LnはLa、Ce、Pr、Nd又はSmを示す。AはSr、Ca又はBaを示す。BはMg又はAlを示す。EはCo、Fe、Ni又はCuを示す。xは0<x≦0.3を示す。yは0<y≦0.29を示す。zは0≦z≦0.3を示す。pは酸素原子数を示す。〕
で示される、上記項1又は2に記載の製造方法。
4.Ga系固体電解質材料が、下記組成式(2)
La1−xSrGa1−yMg (2)
〔但し、xは0<x≦0.2を示す。yは0.05≦y≦0.25を示す。pは酸素原子数を示す。〕
で示される、上記項1に記載の製造方法。
5.Ga系固体電解質材料が、下記組成式(3)
La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2 (3)
〔但し、pは酸素原子数を示す〕
で示される、上記項1に記載の製造方法。
6.エアロゾルが、2〜7μmの平均粒子径を有する、上記項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
7.上記項1〜6のいずれかに記載の製造方法により製造されるGa系固体電解質材料。
8.上記項7に記載のGa系固体電解質材料を成形後、1250〜1400℃の温度で10〜15時間焼成することにより得られる、焼結体である固体電解質。
9.上記項8に記載の固体電解質を有する、固体電解質型燃料電池。

以下、本発明のGa系固体電解質材料の製造方法について説明する。
本発明のGa系固体電解質材料の製造方法は、下記1)〜4)に示す原料:
1)La、Ce、Pr、Nd及びSmの少なくとも1種を含む原料、
2)Sr、Ca及びBaの少なくとも1種を含む原料、
3)Gaを含む原料、並びに、
4)Mg及びAlの少なくとも1種を含む原料、を含有する混合溶液に超音波を照射することにより、混合溶液のエアロゾルを発生させ、該エアロゾルをキャリアガスとともに、加熱された中空管内を通過させることにより熱分解することを特徴とする。
本発明の製造方法は、出発原料として、下記1)〜4)に示す原料を用いる。
1)La、Ce、Pr、Nd及びSmの少なくとも1種を含む原料、
2)Sr、Ca及びBaの少なくとも1種を含む原料、
3)Gaを含む原料、並びに、
4)Mg及びAlの少なくとも1種を含む原料。
La、Ce、Pr、Nd及びSmの少なくとも1種を含む原料(以下「Ln」とも言う)は特に限定されないが、通常はLa化合物、Ce化合物、Pr化合物、Nd化合物及びSm化合物の1種以上の混合物を用いる。Lnとしては、La化合物が好ましい。即ち、最終的に得られるGa系固体電解質材料がランタンガレート系固体電解質材料であることが好ましい。
La化合物、Ce化合物、Pr化合物、Nd化合物及びSm化合物としては限定的ではないが、例えば、炭酸塩、硝酸塩等が使用できる。この中でも、硝酸塩が好ましい。
Sr、Ca及びBaの少なくとも1種を含む原料(以下「A」とも言う)は特に限定されないが、通常はSr化合物、Ca化合物及びBa化合物の1種以上の混合物を用いる。Aとしては、Sr化合物が好ましい。
Sr化合物、Ca化合物及びBa化合物としては限定的ではないが、例えば、炭酸塩、硝酸塩等が使用できる。この中でも、硝酸塩が好ましい。
Mg及びAlの少なくとも1種を含む減量(以下「B」とも言う)は特に限定されないが、通常はMg化合物及びAl化合物の1種以上の混合物を用いる。Bとしては、Mg化合物が好ましい。
Mg化合物及びAl化合物としては限定的ではないが、例えば、炭酸塩、硝酸塩等が使用できる。この中でも、硝酸塩が好ましい。
本発明の製造方法は、出発原料として、前記1)〜4)で示す原料に加えて、5)Co、Fe、Ni及びCuの少なくとも1種を含む原料、を用いてもよい。当該5)で示される原料をさらに用いる場合には、得られるGa系固体電解質材料の酸化物イオン伝導性を向上できる。
Co、Fe、Ni及びCuの少なくとも1種を含む原料(以下「E」とも言う)は特に限定されないが、通常はCo化合物、Fe化合物、Ni化合物及びCu化合物の1種以上の混合物を用いる。Eとしては、Co化合物が好ましい。
Co化合物、Fe化合物、Ni化合物及びCu化合物としては限定的ではないが、例えば、炭酸塩、硝酸塩等が使用できる。この中でも、硝酸塩が好ましい。
本発明の製造方法は、上記出発原料を含有する混合溶液を用いる。混合溶液は、例えば、上記金属化合物を、それを溶解し得る溶媒に添加・混合することにより調製できる。溶媒としては限定的ではないが、例えば、硝酸、水等が挙げられる。例えば、硝酸を上記金属化合物の主溶媒として使用し、混合溶液の全量を調整するために水を併用する使用態様が挙げられる。
混合溶液中の各金属濃度は限定的ではなく、最終的に得ようとするGa系固体電解質材料の所望の組成に応じて適宜設定できる。本発明の製造方法では、最終的に得ようとするGa系固体電解質材料の組成が、下記組成式(1)
Ln1−xGa1−y−z (1)
〔但し、LnはLa、Ce、Pr、Nd又はSmを示す。AはSr、Ca又はBaを示す。BはMg又はAlを示す。EはCo、Fe、Ni又はCuを示す。xは0<x≦0.3を示す。yは0<y≦0.29を示す。zは0≦z≦0.3を示す。pは酸素原子数を示す。〕
で示されるものとなるように、混合溶液を調製することが好ましい。
組成式(1)中、xは前記Aの原子数を示す(以下同じ)。xの取り得る範囲は0<x≦0.3であればよく、0<x≦0.2の範囲が好ましい。
yは前記Bの原子数を示す(以下同じ)。yのとり得る範囲は0<y≦0.29であればよく、0.05≦y≦0.25の範囲が好ましい。
pは酸素原子数であり、約3である(以下同じ)。
より好適には、本発明の製造方法では、最終的に得ようとするGa系固体電解質材料の組成が、下記組成式(2)
La1−xSrGa1−yMg (2)
〔但し、xは0<x≦0.2を示す。yは0.05≦y≦0.25を示す。pは酸素原子数を示す。〕
で示されるものとなるように、混合溶液を調製することが好ましい。
xの取り得る範囲は0<x≦0.2であればよく、0<x≦0.1の範囲が好ましい。
yの取り得る範囲は0.05≦y≦0.25であればよく、0.05≦y≦0.2の範囲が好ましい。
このようなLa、Sr、Ga及びMgの金属を含む酸化物粉末は、頭文字から「LSGM粉末」と称される。
さらに好適には、本発明の製造方法では、最終的に得ようとするGa系固体電解質材料の組成が、下記組成式(3)
La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2 (3)
〔但し、pは酸素原子数を示す〕
で示されるものとなるように、混合溶液を調製することが好ましい。
本発明の製造方法では、先ず上記混合溶液(原料溶液)に超音波を照射することにより混合溶液を霧化し、混合溶液のエアロゾルを発生させる。
混合溶液を霧化させる方法は、超音波照射を利用する方法であれば特に限定されない。例えば、公知の超音波霧化装置が使用できる。超音波霧化装置を用いる場合には、装置電圧及び超音波振動子の周波数を調整することにより、発生するエアロゾルの平均粒径を調整することができる。なお、超音波霧化装置と発生するエアロゾルを熱分解する中空管とが一体化した噴霧熱分解装置(例えば、図1参照)を好適に使用できる。
前記エアロゾルの平均粒径は限定的ではないが、通常2〜7μm程度が好ましく、2.5〜4.6μm程度がより好ましい。
平均粒径を好適な範囲に制御するためには、超音波霧化装置の電圧は、好ましくは44〜52V程度、より好ましくは46〜50V程度(最も好ましくは48V程度)に設定する。また、超音波振動子の周波数は、好ましくは1.6〜1.75MHz程度、より好ましくは1.63〜1.7MHz程度(最も好ましくは1.65MHz程度)に設定する。
発生したエアロゾルは、キャリアガスとともに、加熱された中空管内を通過させることにより熱分解する。この熱分解により、原料溶液のエアロゾルは、所望の組成を有するGa系酸化物粉末となる。
キャリアガスとしては、エアロゾルに影響を及ぼさないガスであれば限定的ではないが、例えば、空気、窒素、アルゴン等が挙げられる。
中空管としては、耐熱性のものであれば特に限定されないが、例えば、アルミナ製中空反応管が使用できる。中空管の径(内径)及び長さは特に限定されず、Ga系酸化物の製造規模に応じて設定できる。好適な実施態様では、内径24mmφ程度、長さ1300mm程度の中空反応管を用いる。このような中空反応管を用いる場合には、前記キャリアガスは、好ましくは0.5〜2L/min程度(より好ましくは1L/min程度)の流速で流せばよい。
中空管の加熱条件としては、中空管を通過する前記エアロゾルが熱分解により所望のGa系酸化物粉末となる限り特に限定されない。例えば、中空管の周囲に電気炉を配置して中空管を100〜1000℃に加熱すればよい。なお、好適な実施態様では、中空管を長さ方向に複数のブロックに分割し、エアロゾルの入口に近い方から、1段目、2段目…、と段階を重ねるごとに加熱温度が高くなるように設定することが好ましい。具体的には、中空管を長さ方向に4段階に均等に分けて、エアロゾルの入口に近い方から、1段目(100〜200℃程度、好ましくは200℃程度)、2段目(300〜600℃程度、好ましくは400℃程度)、3段目(600〜900℃程度、好ましくは600℃程度)、4段目(900〜1000℃程度、好ましくは1000℃程度)と加熱温度を設定することが好ましい。
実際にエアロゾルを熱分解に供する際には、予め中空管を所定温度まで上昇させておき、原料溶液の霧化状態(エアロゾル発生量)が安定した段階でキャリアガスをゆっくりと流し始め、霧化状態を観察しながらガス流量を所定流量まで徐々に高めることが好ましい。
熱分解により生成するGa系酸化物粉末は、例えば、中空管の末端にメンブラインフィルター等を設置することにより容易に捕集できる。Ga系酸化物の平均粒径は、0.1〜1.5μm程度が好ましく、0.1〜0.5μm程度がより好ましく、0.5μm程度がさらに好ましい。
以上の過程により得られたGa系酸化物(Ga系固体電解質材料)は、上記平均粒径を有する粉末であるため、さらに粉砕・分級等をすることなく、成形・焼成することにより固体電解質とできる。よって、粉砕・分級等の工程を省くことができるため、エネルギー消費を抑えることができる。
成形・焼成により固体電解質とする場合には、予め粉末を仮焼してもよい。仮焼温度は限定的ではないが、800〜1100℃程度が好ましく、1000℃程度がより好ましい。仮焼時間は温度条件に応じて調整できるが、1〜3時間程度が好ましく、1〜2時間程度がより好ましい。仮焼は電気炉により行えばよい。仮焼雰囲気は、空気中でよい。好適な実施態様では、粉末を5時間かけて1000℃まで昇温後、同温度で2時間保持し、次いで5時間かけて室温(約20℃)まで降温する。
粉末の成形方法は特に限定されず、公知のプレス装置、等方加圧装置(CIP等)などを用いて固体電解質として使用し得る所望の形状に成形すればよい。成形条件(圧力・時間等)は、粉末の種類、所望の形状等に応じて適宜設定する。
成形体を焼成する条件は特に限定されないが、本発明の製造方法により製造されるGa系酸化物粉末は、易焼結性を有するため、従来品のGa系酸化物粉末(噴霧熱分解以外の方法により得られたもの)に比して、低い温度で焼結させることができる。具体的には、1250〜1400℃程度、好ましくは1300〜1350℃程度の焼成温度により焼結する。かかる温度は、従来品の焼結温度よりも100℃程度低い温度である。低温で焼結可能なことは、固体電解質の薄膜化に有利である。
焼成時間は温度条件に応じて適宜調整できるが、10〜15時間程度が好ましく、10時間程度がより好ましい。焼成は電気炉により行えばよい。焼成雰囲気は、空気中でよい。好適な実施態様では、粉末を12時間30分かけて1300℃まで昇温後、同温度で10時間保持し、次いで25時間かけて室温(約20℃)まで降温する。かかる過程を経て得られる固体電解質は、高い酸化物イオン伝導性を有する高密度な焼結体である。
以上の過程を経て得られる固体電解質は、固体電解質型燃料電池(SOFC)、水蒸気電解装置、酸素分離装置等の固体電解質として好適に使用できる。この固体電解質は高密度であるため、固体電解質型燃料電池の固体電解質として利用する場合には、イオン伝導性を発揮しつつ、空気極のガスと燃料極の燃料ガスとの遮蔽性も高い。
固体電解質を固体電解質型燃料電池の固体電解質として用いる場合には、前記成形体を空気極・燃料極を構成する成形体(焼結前のもの)と接触させた状態で同時焼結することもできる。この場合には、セルの薄膜化が図れるため、燃料電池のオーム損を低減し、電池性能を高めることにも繋がる。
本発明の製造方法によれば、Ga系固体電解質材料は粉末の状態で得られる。従って、粉砕・分級等の工程を必須とすることなく成形・焼結等を行うことができる。
本発明の製造方法により得られるGa系固体電解質材料は、易焼結性であり、1250〜1400℃程度(特に1300〜1350℃程度)で焼結する。これは、従来品の焼結温度よりも100℃程度低い温度である。低温で焼結可能なことは、固体電解質の薄膜化に有利である。
本発明の製造方法により得られるGa系固体電解質材料(粉末)の焼結体は、良好な酸化物イオン伝導性を有する緻密な焼結体である。即ち、当該焼結体は、SOFC、水蒸気電解装置、酸化分離装置等の電解質部材として有用である。上記粉末は、SOFCの燃料極又は空気極を構成する材料と共焼結することも可能であり、共焼結させる場合には固体電解質の薄膜化が図れるためオーム損の低減により電池性能が向上する。
実施例1で用いた噴霧熱分解装置の概念図である。 実施例1で得られたGa系固体電解質材料粉末(LSGM粉末)の電子顕微鏡観察像である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
1.LSGM(La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.23−σ)粉末の作製
下記試薬;
・硝酸ランタン La(NO・5.7HO(レアメタリック株製)
・硝酸ストロンチウム Sr(NO(レアメタリック株製)
・硝酸ガリウム Ga(NO・7.3HO(レアメタリック株製)
・硝酸マグネシウム Mg(NO・5.1HO(レアメタリック株製)
を用意した。
上記試薬を、前記組成のLSGM粉末が得られるように混合した。具体的には、硝酸ランタン38.49g、硝酸ストロンチウム2.12g、硝酸ガリウム31.03g及び硝酸マグネシウム5.14gを混合した。
上記混合試薬に200ccの硝酸及び溶液量調整用の蒸留水を加えて全量を1000ccとし、常温(約20℃)で攪拌して原料溶液を調製した。
図1に示した噴霧熱分解装置を用意した。噴霧熱分解装置は、原料溶液を霧化する超音波噴霧装置、エアロゾルを通過させる反応管、反応管を加熱する電気炉、キャリアガスの流入口及び流出口、並びに酸化物粉末を捕集するフィルターで構成されている。
超音波噴霧装置に上記原料溶液をセットした。超音波噴霧装置には、内径24mmφ、長さ1300mmのアルミナ製反応管を設置した。アルミナ製反応管は、4連の電気炉で加熱し、エアロゾルの入口に近いほうから、長さ方向に均等に、1段目200℃、2段目400℃、3段目600℃、4段目1000℃となるように加熱して各温度を維持した。
超音波噴霧装置の電圧を48Vとし、超音波振動子の周波数を1.65MHzにし、原料溶液を霧化してエアロゾルを発生させた。このエアロゾルを、キャリアガス(空気)を1L/minの流量で流すことにより反応管内に導き、熱分解に供した。
熱分解により生成した目的のLSGM粉末は、反応管の端部に設置したメンブラインフィルター(粒子径0.5μm以上の粉末を捕集可能)により捕集した。捕集したLSGM粉末の電子顕微鏡観察像を図2に示す。当該粉末の平均粒径は、約0.5μmであった。
2.焼結体の作製
上記で作製したLSGM粉末を電気炉により空気中で仮焼した。仮焼温度は1000℃、仮焼時間は2時間とした。詳細には、LSGM粉末を1000℃まで5時間かけて昇温後、1000℃で2時間保持し、その後5時間かけて室温(約20℃)まで降温した。
次いで、一軸プレス装置で20mmφに成形後、300MPaの圧力でCIP成形した。
成形体を電気炉により空気中で焼成した。焼成温度1300℃、焼成時間は10時間とした。詳細には、LSGM粉末を室温から焼成温度1300まで12時間30分かけて昇温後、10時間保持し、その後25時間かけて室温(約20℃)まで降温した。
焼成により、ペロブスカイト型結晶構造を有する緻密な焼結体が得られた。

Claims (9)

  1. 下記1)〜4)に示す原料:
    1)La、Ce、Pr、Nd及びSmの少なくとも1種を含む原料、
    2)Sr、Ca及びBaの少なくとも1種を含む原料、
    3)Gaを含む原料、並びに、
    4)Mg及びAlの少なくとも1種を含む原料、を含有する混合溶液に超音波を照射することにより、混合溶液のエアロゾルを発生させ、該エアロゾルをキャリアガスとともに、加熱された中空管内を通過させることにより熱分解することを特徴とする、Ga系固体電解質材料の製造方法。
  2. 混合溶液が、5)Co、Fe、Ni及びCuの少なくとも1種を含む原料、をさらに含有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. Ga系固体電解質材料が、下記組成式(1)
    Ln1−xGa1−y−z (1)
    〔但し、LnはLa、Ce、Pr、Nd又はSmを示す。AはSr、Ca又はBaを示す。BはMg又はAlを示す。EはCo、Fe、Ni又はCuを示す。xは0<x≦0.3を示す。yは0<y≦0.29を示す。zは0≦z≦0.3を示す。pは酸素原子数を示す。〕
    で示される、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. Ga系固体電解質材料が、下記組成式(2)
    La1−xSrGa1−yMg (2)
    〔但し、xは0<x≦0.2を示す。yは0.05≦y≦0.25を示す。pは酸素原子数を示す。〕
    で示される、請求項1に記載の製造方法。
  5. Ga系固体電解質材料が、下記組成式(3)
    La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2 (3)
    〔但し、pは酸素原子数を示す〕
    で示される、請求項1に記載の製造方法。
  6. エアロゾルが、2〜7μmの平均粒子径を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により製造されるGa系固体電解質材料。
  8. 請求項7に記載のGa系固体電解質材料を成形後、1250〜1400℃の温度で10〜15時間焼成することにより得られる、焼結体である固体電解質。
  9. 請求項8に記載の固体電解質を有する、固体電解質型燃料電池。
JP2005116159A 2005-04-13 2005-04-13 Ga系固体電解質材料の製造方法 Pending JP2006294517A (ja)

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