JP2006289481A - 熱交換器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】材料費、エネルギー費を低減するとともに、品質の安定した熱交換器およびその製造方法を提供する。
【解決手段】内部を流体が流れるチューブ1と、このチューブ1の内部と連通してチューブ1の長手方向端部に設けられるタンク3とを有するコア15を備え、コア15の前記構成部品のうち、少なくとも一つの構成部品の形成に摩擦攪拌接合を用いた構成としたので、コア15の構成部品を形成するときに摩擦攪拌接合を用いることにより、材料の使用量およびエネルギー使用量を低減しコスト面、品質面に優れた熱交換器およびその製造方法が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】内部を流体が流れるチューブ1と、このチューブ1の内部と連通してチューブ1の長手方向端部に設けられるタンク3とを有するコア15を備え、コア15の前記構成部品のうち、少なくとも一つの構成部品の形成に摩擦攪拌接合を用いた構成としたので、コア15の構成部品を形成するときに摩擦攪拌接合を用いることにより、材料の使用量およびエネルギー使用量を低減しコスト面、品質面に優れた熱交換器およびその製造方法が得られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内部を流体が流れるチューブと、このチューブの長手方向端部に設けられるタンクとを少なくとも有する熱交換器およびその製造方法に関する。
従来、この種の熱交換器においては、第1ヘッダと、第2ヘッダと、内部を流れる第1流体と外部を通過する空気とを熱交換させる複数のチューブと、これらの複数のチューブの外壁面に接触して設けられ、第1流体と空気との熱交換効率を高めるためのフィンとを備え、これらの構成部品は、第1ヘッダ、第2ヘッダ、および複数のチューブにクラッドされているろう材により炉中で一体ろう付けすることで接合されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004‐3787号公報(第1図)
しかし、上記従来の熱交換器においては、炉中ろう付けされる部品相互にろう付けのための重ねしろを設定する組み付けが必要であるという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ろう材の使用量を低減した熱交換器およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の熱交換器の発明は、内部を流体が流れるチューブ(1)と、前記チューブ(1)の内部と連通して前記チューブ(1)の長手方向端部に設けられるタンク(3)とを有するコア(15)を備えた熱交換器であって、
前記コア(15)の構成部品のうち、少なくとも一つの構成部品の形成において摩擦攪拌接合を用いたことを特徴とする。
前記コア(15)の構成部品のうち、少なくとも一つの構成部品の形成において摩擦攪拌接合を用いたことを特徴とする。
この請求項1に記載の発明によれば、コアの構成部品を形成するときに摩擦攪拌接合を用いることにより、構成部品の接合部分の重ねしろを設けないで、あるいは重ねしろをできるだけ小さくして接合部同士を突き合わせる構成とすることにより、材料の減量化を図ることができる。また、接合部を固定する構成についても簡素化することができるので、製造工数を低減することができる。
請求項2に記載の熱交換器の発明は、前記タンク(3)は板材で構成され、当該板材の接合に摩擦攪拌接合を用いたことを特徴とする。
この請求項2に記載の発明によれば、タンクの形成に摩擦攪拌接合を用いたことにより、タンクを低エネルギーで成形可能となり、コスト低減に大きく寄与する。
請求項3に記載の熱交換器の発明は、前記タンク(3)は、本体と、その端部を封止するキャップ(6)とを備え、前記キャップ(6)と前記本体とは、摩擦攪拌接合を用いて接合されることを特徴とする。
この請求項3に記載の発明によれば、キャップにかしめ爪部を設ける必要がなくなり、材料の低減、かしめ不良によるろう付け不良の防止などを実現することができる。
請求項4に記載の熱交換器の発明は、内部を流体が流れるチューブ(1)と、前記チューブ(1)の内部と連通して前記チューブ(1)の長手方向端部に設けられるタンク(3)とを有するコア(15)を備えた熱交換器であって、前記タンク(3)の内部と連通して設けられる付属タンク(9)を備え、前記付属タンク(9)は、その端部を封止する付属タンクキャップ(11)を備え、前記付属タンクと前記付属タンクキャップ(11)とは、摩擦攪拌接合を用いて接合されることを特徴とする。
この請求項4に記載の発明によれば、付属タンクと付属タンクキャップとの結合にかしめ構造が不要になるので、かしめ不良によるろう付け不良の防止、材料の低減などを実現することができる。
請求項5に記載の熱交換器の発明は、内部を流体が流れるチューブ(1)と、前記チューブ(1)の内部と連通して前記チューブ(1)の長手方向端部に設けられるタンク(3)とを有するコア(15)と、前記タンク(3)内部と連通する付属タンクアッシィ(5)と、を備えた熱交換器であって、前記付属タンクアッシィ(5)と前記タンク(3)は、直接、あるいは両者を連結する接合部品(12)を介して摩擦攪拌結合を用いて接合されることを特徴とする。
この請求項5に記載の発明によれば、付属タンクアッシィとタンク、または接合部品と付属タンクアッシィおよびタンクのそれぞれを摩擦攪拌接合により接合するので、付属タンクアッシィまたは接合部品にかしめ部を設ける必要がなく、材料費低減、かしめ不良によるろう付け不良の防止を実現できる。
請求項6に記載の熱交換器の発明は、内部を流体が流れるチューブ(1)と、前記チューブ(1)の内部と連通して前記チューブ(1)の長手方向端部に設けられるタンク(3)とを有するコア(15)を備えた熱交換器であって、前記タンク(3)の内部と連通して設けられる付属タンク(9)と前記付属タンク(9)に取り付けられるメネジ(10)とは、摩擦攪拌接合を用いて接合されることを特徴とする。
この請求項6に記載の発明によれば、付属タンクとメネジの結合にかしめ構造が不要になるので、かしめ不良によるろう付け不良の防止、材料の低減などを実現することができる。
請求項7に記載の熱交換器の発明は、車両、または車両に組み付けられている部品に取り付けるためのブラケット(13)が摩擦攪拌接合を用いて接合されていることを特徴とする。
この請求項7に記載の発明によれば、ブラケットの結合に溶接を用いる代わりに、摩擦攪拌接合を用いることにより、結合による消費エネルギーの低減をすることができる。
請求項8に記載の熱交換器の発明は、内部を流体が流れるチューブ(1)と、前記チューブ(1)の内部と連通して前記チューブ(1)の長手方向端部に設けられるタンク(3)とを有するコア(15)を備えた熱交換器であって、前記チューブの形成に摩擦攪拌接合を用いたことを特徴とする。
この請求項8に記載の発明によれば、チューブの接合品質を向上させ、未然に不良品を防止することが可能となる。
請求項9に記載の熱交換器の製造方法の発明は、内部を流体が流れるチューブ(1)と、このチューブ(1)の内部と連通させて前記チューブ(1)の長手方向端部に配置したタンク(3)とを有するコア(15)を備えた熱交換器の製造方法であって、前記コア(15)を組み立てるコア組立工程と、炉の中に入れてろう付けする工程とからなり、前記炉中ろう付け工程前の、構成部品の形成、または構成部品同士の接合に摩擦攪拌接合を用いたことを特徴とする。
この請求項9に記載の発明によれば、炉中ろう付け工程より前に摩擦攪拌接合を実施することにより、炉中ろう付け工程で所望のろう付けを行うための、重ねしろ低減が可能となり、コスト低減に大きく寄与する。
請求項10に記載の熱交換器の製造方法の発明は、内部を流体が流れるチューブ(1)と、このチューブ(1)の内部と連通させて前記チューブ(1)の長手方向端部に配置したタンク(3)とを少なくとも有する熱交換器の製造方法であって、前記熱交換器における、構成部品の形成、または構成部品同士の接合に摩擦攪拌接合を使用するとともに、前記摩擦攪拌接合は、ショルダ部(16A)と、このショルダ部(16A)とともに同心軸上に回転するピン部(17A)とを備えた攪拌端子を被接合物に回転接触させて軸方向に圧入し、発生した摩擦熱によって前記被接合物の組織を流動化させ、前記攪拌端子を前記被接合物から離すことにより、前記被接合物に固体化された接合領域を形成するものであり、前記接合領域を形成するときに、前記ピン部(17A)は、前記ショルダ部(16A)に対して前記被接合物から離れる軸方向に可動させることを特徴とする。
この請求項10に記載の発明によれば、接合領域を形成するときにピン部を被接合物から抜いて、その後にショルダ部を引き抜く工程を行うことにより、ピン部の圧入により固体化される前の接合領域に形成されていたくぼみの深さを小さくすることができるので、固体化された接合領域の肉厚が厚くなり、被接合物の強度をさらに向上させることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態における熱交換器の製造工程を示した工程図である。図2は、本実施形態における熱交換器の構成を示した模式図である。図3は、本実施形態における摩擦攪拌接合の工程を示した工程図である。図4は、図3に示した摩擦攪拌接合における攪拌端子についてタンク長手方向の動きを示した側面図である。図5は、本実施形態において、摩擦攪拌接合を用いてモジュレータ管(付属タンク)とモジュレータキャップ(付属タンクキャップ)を結合する構成を示した断面図である。図6は、本実施形態において、摩擦攪拌接合を用いてモジュレータ管(付属タンク)とメネジを結合する構成を示した断面図である。図7は、本実施形態において、摩擦攪拌接合を用いてモジュレータ管(付属タンク)とタンクとをプレート(接合部品)を介して結合する構成を示した正面図である。図8は、図7のA−A断面における矢視図である。図9は、本実施形態において、摩擦攪拌接合を用いてタンクとキャップを結合する構成を示した断面図である。図10は、図9において摩擦攪拌接合を施した場所を示す斜視図である。図11は、本実施形態において、摩擦攪拌接合を用いてタンクまたはモジュレータ管(付属タンク)と、ブラケットとを結合する構成を示した断面図である。図12は、図11において摩擦攪拌接合を施した場所を示す模式図である。図13は、炉中ろう付け工程前に、摩擦攪拌接合を用いてブラケットとサイドプレートとを結合する工程を示した断面図である。図14は、ろう付け工程前に、摩擦攪拌接合を用いてブラケットとサイドプレートとを結合した後の状態を示した斜視図である。
本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態における熱交換器の製造工程を示した工程図である。図2は、本実施形態における熱交換器の構成を示した模式図である。図3は、本実施形態における摩擦攪拌接合の工程を示した工程図である。図4は、図3に示した摩擦攪拌接合における攪拌端子についてタンク長手方向の動きを示した側面図である。図5は、本実施形態において、摩擦攪拌接合を用いてモジュレータ管(付属タンク)とモジュレータキャップ(付属タンクキャップ)を結合する構成を示した断面図である。図6は、本実施形態において、摩擦攪拌接合を用いてモジュレータ管(付属タンク)とメネジを結合する構成を示した断面図である。図7は、本実施形態において、摩擦攪拌接合を用いてモジュレータ管(付属タンク)とタンクとをプレート(接合部品)を介して結合する構成を示した正面図である。図8は、図7のA−A断面における矢視図である。図9は、本実施形態において、摩擦攪拌接合を用いてタンクとキャップを結合する構成を示した断面図である。図10は、図9において摩擦攪拌接合を施した場所を示す斜視図である。図11は、本実施形態において、摩擦攪拌接合を用いてタンクまたはモジュレータ管(付属タンク)と、ブラケットとを結合する構成を示した断面図である。図12は、図11において摩擦攪拌接合を施した場所を示す模式図である。図13は、炉中ろう付け工程前に、摩擦攪拌接合を用いてブラケットとサイドプレートとを結合する工程を示した断面図である。図14は、ろう付け工程前に、摩擦攪拌接合を用いてブラケットとサイドプレートとを結合した後の状態を示した斜視図である。
本実施形態の熱交換器は、車両用エアコン装置、庫内温度を低温に維持するために低温環境下で使用される冷凍車や冷凍機、エンジン冷却用ラジエータなどに用いられるもので、例えば、冷凍サイクル装置の凝縮器として使用される。この熱交換器は、サイドプレートなどを介して車両側の部品に、車両の振動による影響を受けにくいように取り付けられる。熱交換器は、内部を流体が流れるチューブと、このチューブの長手方向端部に設けられるタンクとを少なくとも有する。熱交換器は、内部に単一の通路を提供する単一のチューブ、内部に複数の通路を提供する単一のチューブ、あるいは内部に単一もしくは複数の通路を提供する複数のチューブを備えることができる。また、熱交換器は、チューブと外部配管との接続部材としてタンクを備えることができる。タンクは、単一もしくは複数のチューブによって提供される単一もしくは複数の通路へ流体を供給する部屋を提供する。複数の通路が提供される場合には、タンクは分配室あるいは集合室を提供する。熱交換器の構成部品には、流体の通路を区画する部材としてのチューブ、タンク、あるいは付属タンクなどの部品の他に、熱交換器を支持し固定するためのブラケットなどが含まれる。これら構成部品は、それらの所要の形状を得るために複数の部材を接合して構成されることがあり、それらの部材の接合に摩擦攪拌接合が用いられることがある。また、これらの構成部品を接合して熱交換器としての形態を得るために、摩擦攪拌接合が用いられることがある。摩擦攪拌接合工程で形成される接合部は、これら構成部品あるいは熱交換器の最終的な接合部として提供される場合と、これら構成部品あるいは熱交換器の予備的な接合部として提供される場合とがある。例えば、摩擦攪拌接合工程で形成される接合部は、構成部品あるいは熱交換器の仮組みのための接合部を提供し、その接合部に加えて最終的な接合部を形成することができる。例えば、高い強度、あるいは流体のシール性を提供するために、ろう付け、あるいは熱を伴う溶接による接合部を形成することができる。
図1および図2に示すように、本実施形態の熱交換器の製造工程は、チューブ1、フィン2、タンク3、およびサイドプレート4を組み立てて熱交換器のコア15を生成するコア組立工程と、このコア15に付属タンクアッシィとしてのモジュレータアッシィ5、キャップ6、コネクタ7、およびブラケット8を取り付けた他部品組立工程と、この他部品組立工程で得られた組立を固定するための炉中ろう付け工程とから構成される。モジュレータアッシィ5は、付属タンクとしてのモジュレータ管9、メネジ10、および付属タンクキャップとしてのモジュレータキャップ11から構成され、接合部品としてのプレート12は、モジュレータアッシィ5をコア15側のタンク3に連結するために用いられる。
コア15の構成について説明する。コア15は、少なくとも、内部を第1流体(本実施形態においては冷媒)が流れる複数のチューブ1と、このチューブ1の長手方向端部に配置されチューブ1の内部と連通するタンク3とから構成される。なお、チューブ1およびタンク3を含め、熱交換器の以下に説明する各構成部品の材質は、銅、銅合金、アルミ、アルミ合金などの導電性の高い金属であり、特にアルミニウム、アルミニウム合金を使用する。
コア15は、複数のチューブ1が両タンク3Aと3Bの間に互いに直交するように配列され、複数のチューブ1の両端部が両側に配置した両タンク3Aおよび3Bの内部に配され、両タンク3A、3Bとチューブ1の内部が連通するように接続されて構成されている。チューブ1は薄肉の管状部材であり、その長手方向に垂直な断面は、円環形状または扁平形状とする。
これらのチューブ1の間には、図2に示すように、熱交換効率を高めるための伝熱部材であるフィン2が配され、チューブ1とフィン2が両タンク3Aおよび3Bの長手方向に交互に配列されている。これら複数のフィン2は、薄肉の板状部材であり、隣り合うチューブ1の壁面にその一部を接するように波形状、あるいはジグザグ状に形成されている。チューブ1とフィン2の外部には、第1流体と熱交換される第2流体(本実施形態においては空気)が流れることになる。
両タンク3Aおよび3Bは、円筒状容器であり、複数のチューブ1のすべての内部に連通可能な程度の長さ寸法を有し、それぞれに複数形成された挿通孔内にチューブ1を挿通した状態で、図1に示す炉中ろう付け工程にて一体ろう付けすることにより複数のチューブ1と結合される。タンク3Aには、内部に第1流体を導入するための導入配管が接続されるコネクタ7Aが接続され、炉中ろう付け工程にて一体ろう付けすることによりタンク3Aとコネクタ7Aは結合される。タンク3Bには、冷凍サイクルの他の構成部品へ第1流体を送るための導出配管が接続されるコネクタ7Bが接続され、炉中ろう付け工程にて一体ろう付けすることによりタンク3Bとコネクタ7Bは結合される。
このように形成されたコア15に対して、交互に配列されたチューブ1とフィン2の積層方向における最も外側の両端部に、サイドプレート4Aおよび4Bを両タンク3A、3Bに垂直になるように仮止め配置し、炉中ろう付け工程にて一体ろう付けすることにより、サイドプレート4Aおよび4Bはチューブ1およびフィン2と結合される。サイドプレート4A、4Bは、ろう付け後のコア15の強度を確保する機能と、コア15を車両側部品に取り付けるときにブラケットなどの取付け部材を支持固定する機能を有する。
タンク3A、3Bの形成において本実施形態では、摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding(略称FSW)や、Friction Spot Joining(略称FSJ)などを含むものとする)を用いる。本実施形態にいう摩擦攪拌接合は、被接合物を溶かさないで固体状態を維持したまま、摩擦熱により被接合物の組織内部を攪拌、流動させて一体化する接合技術を広く含むものとする。
図3に示すように、薄い板状のタンク材を所定の形状に成形し、接合部に相当する端部を突き合わせる形態に保持する。このときの保持形態は、前記接合部がタンク3A、3Bの長手方向長さに渡って形成される管状形態であり、長手方向の両端部は開口されている。前記管状形態の長手方向に直交する断面は、本実施形態では矩形管状としているが、円管状、楕円管状としてもよい。この保持形態を維持するために、接合部に相当する端部同士が突き合わされる方向にタンクの両側面を押圧する。この押圧には、万力などの押圧治具を使用する。
このように前記接合部が付き合わされる形態で保持されたタンク材において、前記接合部を摩擦攪拌接合により接合する実施形態を説明する。図3に示すように、この工程は、主に(a)圧入、(b)接合、(c)引抜き、の3工程で構成される。摩擦攪拌接合に使用される攪拌端子は、円筒形状のショルダ部16と、ショルダ部16の同心軸上に突出して配置され、ショルダ部16とともに回転するピン部17とを備えている。
ショルダ部16を保持具(図示せず)に装着し、前記接合部に垂直に当たるように設置する。前記保持具は、前記保持具を回転駆動させる回転駆動手段と、軸方向に変位させる変位駆動手段とによりその運動が行われ、前記回転駆動手段および前記変位駆動手段を制御する制御手段によりその運動が制御される。そして前記保持具を回転させるとともに、前記接合部の方向に移動させ、前記保持具とともに回転するショルダ部16から突出するピン部17を前記接合部に当接させると、回転するピン部17と前記接合部との間に摩擦熱が発生し、タンク3材が軟化してピン部17がタンク材に圧入される(以上、(a)圧入工程)。
次に、ピン部17がタンク3材内に埋没し、ショルダ部16のピン部17側端面に形成されるショルダ面16aがタンク3材に接触した後も攪拌端子への押圧力を所定時間維持する。ピン部17のタンク3材内への埋没は、ピン部17の先端がタンク3の突き合せ部分にかかる管内側端部を越えない位置まで、つまりピン部17の先端が管状のタンク3を貫通しないように、前記保持具を変位させ、接合領域19をできるだけ深く形成するのが望ましい(以上、(b)接合工程)。
さらに、攪拌端子を回転させながらタンク3材から離脱させると、接合領域20が冷却されて固体化し、被接合物であるタンク3材の突合せ部分が接合領域20により接合されることになる(以上、(c)引抜き工程)。
以上の摩擦攪拌接合についての3工程は、被接合物を部分的に接合する工程を説明したものである。タンク3の接合においては、図4に示すように、この3工程に加えてタンク3の長手方向に延設する突合せ部分全体に沿って、攪拌端子を移動させる移動工程を行う。具体的には、攪拌端子をタンク3の長手方向に所定距離分移動させる移動工程を行い、この移動工程の後に、(c)引抜き工程を行うことになる。そして、再度、(a)圧入、(b)接合、移動工程、(c)引抜き工程を繰り返して、前記突合せ部分全体にわたって摩擦攪拌接合を施すこととする。
次に、コア15に他部品を組み立てる工程について、他部品の構成とともに説明する。
コア15に組みつけられる他部品は、前述したモジュレータアッシィ5、キャップ6、コネクタ7、ブラケット8である。
まず、モジュレータアッシィ5を組み立てる工程について説明する。モジュレータアッシィ5は、モジュレータ管9にモジュレータキャップ11、メネジ10を組み立てて構成されている。
図5に示すように、モジュレータ管9にモジュレータキャップ11を組み付け接合する工程を説明する。管状のモジュレータ管9の一端側開口にモジュレータキャップ11を装着して、モジュレータ管9の端部を封止し、摩擦攪拌接合を実施するために、モジュレータキャップ11の外周縁近傍の端面に、攪拌端子のピン部17を回転させながらモジュレータ管9の軸方向から圧入する。このときの圧入深さは、モジュレータキャップ11の外周縁近傍の肉厚を貫通してモジュレータ管9の端面を越える位置まで至り、モジュレータキャップ11とモジュレータ管9が一体化するように接合領域が形成されることとする。前記接合領域が形成されると、ピン部17を引き抜き、前記接合領域を冷却させて固定化する。このようにして固定化された接合領域をモジュレータキャップ11の外周縁部に複数箇所スポット状に形成する。このように摩擦攪拌接合を施すことにより、モジュレータキャップ11がモジュレータ管9に確実に固定されることになり、さらに、摩擦攪拌接合が施されていないモジュレータキャップ11の外周縁部について、炉中ろう付け工程でろう付け接合がなされることで、モジュレータキャップ11がモジュレータ管9を完全に封止することになる。なお、モジュレータ管9は、タンク3Bをコア15と一体化させるものであり、本実施形態における第1流体である冷媒の液溜めの機能を有し、タンク3Bからモジュレータ管9に流入してきた気液冷媒のうち、気相冷媒と液相冷媒に分離し、液相冷媒がタンク3Bに送られることになる。
次に、モジュレータ管9にメネジ10を組み付け接合する工程を説明する。図6に示すように、管状のモジュレータ管9の他端側開口にメネジ10を内挿し、摩擦攪拌接合を実施するために、メネジ10が内挿された位置にあるモジュレータ管9の外周面に、攪拌端子のピン部17を回転させながらモジュレータ管9の軸方向と垂直な方向から圧入する。このときの圧入深さは、モジュレータ管9の外周面を貫通してメネジ10の外周面を越える位置まで至り、メネジ10とモジュレータ管9が一体化するように接合領域が形成されることとする。前記接合領域が形成されると、ピン部17を引き抜き、前記接合領域を冷却させて固定化する。このようにして固定化された接合領域をモジュレータ管9の外周面に複数箇所スポット状に形成する。
このように摩擦攪拌接合を施すことにより、メネジ10がモジュレータ管9に確実に固定されることになり、さらに、摩擦攪拌接合が施されていないメネジ10の外周面とモジュレータ管9の内周面との間について、後の炉中ろう付け工程でろう付け接合がなされることで、メネジ10がモジュレータ管9に完全に密着することになる。なお、メネジ10は、管状筒体であり、内管面にねじ部が形成されている。そして、以下に示す他部品組立工程を行った後、炉中ろう付け工程により熱交換器全体をろう付け後、ドライヤーとしての乾燥剤をメネジ10の開口からモジュレータ管9内に投入する。この乾燥剤を投入した後、雄ネジをメネジ10に螺合してモジュレータ管9は封止されることになる。
次に、モジュレータアッシィ5をタンク3にこれらの内部間を連通するように接続する工程について説明する。まず、プレート12に設けられた2つの開口、タンク3Bに設けられた2つの開口、およびモジュレータ管9に設けられた2つに開口が、それぞれ連通するようにモジュレータ管9とタンク3Bの間にプレート12を配して連結する。これにより、タンク3B内からモジュレータ管9内を通る第1経路が形成され、さらにモジュレータ管9内からタンク3内に戻ってくる第2経路が形成されることになる。また、第1経路と第2経路はモジュレータ管9内でセパレータにより仕切られている。
このように設定されたモジュレータ管9、プレート12、およびタンク3Bにおいて、プレート12を介して摩擦攪拌接合を施す。まず、図7および図8に示すように、モジュレータ管9とプレート12の接合部、およびタンク3とプレート12の接合部に前述した摩擦攪拌接合を実施する。図8は、図7のA−A断面矢視図であり、モジュレータ管9にプレート12を接合した状態を示している。プレート12の上部でモジュレータ管9との接合部に、攪拌端子を回転させ、(a)圧入、(b)接合、移動(b)引抜の工程を行うことにより、所定長さの接合領域18を形成するものである。同様に、タンク3とプレート12についても、プレート12の上部でタンク3との接合部に、攪拌端子を回転させ、同様の工程を行うことにより、所定長さの接合領域を形成する。
このようにして、モジュレータ管9がタンク3に相互に連通した状態で確実に固定されることになり、さらに、摩擦攪拌接合が施されていないプレート12との接合部について、炉中ろう付け工程でろう付け接合がなされることで、モジュレータ管9がタンク3に対して漏れ部がない状態で完全に連通されることになる。
なお、プレート12と、タンク3またはモジュレータ管9との接合部に施す摩擦攪拌接合は、所定の長さを有するように実施するものの他に、スポット状に複数箇所形成するように実施することとしても同様の作用効果が得られる。
また、モジュレータ管9とタンク3とを接合する上で、接合部品としてのプレート12を介さないで直接、モジュレータ管9とタンク3とを摩擦攪拌接合を用いて接合することとしてもよい。この場合、ピン部17は、モジュレータ管9とタンク3が突き合わされる突合せ部に当てるように攪拌端子の位置を設定し、上記と同様に、(a)圧入、(b)接合、移動(b)引抜の工程を行うものである。
次に、他部品組立工程におけるタンク3にキャップ6を組み付け接合する工程を説明する。図9に示すように、管状のタンク3に両端開口にキャップ6を取り付け、摩擦攪拌接合を実施するために、キャップ6の外周縁近傍の端面に、攪拌端子のピン部17を回転させながらタンク3の軸方向から圧入する。このときの圧入深さは、キャップ6の外周縁近傍の肉厚を貫通してタンク3の端面を越える位置まで至り、キャップ6とタンク3が一体化するように接合領域が形成されることとする。前記接合領域が形成されると、ピン部17を引き抜き、前記接合領域を冷却させて固定化する。このようにして固定化された接合領域をキャップ6の外周縁部に複数箇所スポット状に形成する。また、図10に示すように、キャップ6の外周縁上でタンク32との接合部に、攪拌端子を回転させ、圧入、引き抜き、移動、を繰り返すことにより、所定長さの接合領域21、22を複数箇所形成するようにしてもよい。また、キャップ6の外周縁上でタンク32との接合部の全周にわたり、摩擦攪拌接合を施すこととしてもよい。
このように摩擦攪拌接合を施すことにより、キャップ6がタンク3に確実に固定されることになり、さらに、摩擦攪拌接合が施されていないキャップ6の外周縁部とタンク3の接合部について、炉中ろう付け工程でろう付け接合がなされることで、キャップ6がタンク3を完全に封止することになる。
次に、他部品組立工程におけるタンク3またはモジュレータ管9にブラケット13を組み付け接合する工程を説明する。図11に示すように、タンク3またはモジュレータ管9の外周面にブラケット13を取り付け、摩擦攪拌接合を実施するために、ブラケット13の外周面に、攪拌端子のピン部17を回転させながらタンク3またはモジュレータ管9の中心に向かう方向に圧入する。このときの圧入深さは、ブラケットの肉厚を貫通してタンク3またはモジュレータ管9外周面を越える位置まで至り、タンク3またはモジュレータ管9とブラケット13が一体化するように接合領域が形成されることとする。前記接合領域が形成されると、ピン部17を引き抜き、前記接合領域を冷却させて固定化する。図12に示すように、このようにして固定化された接合領域をブラケット13の外周面に複数箇所スポット状に形成する。このように摩擦攪拌接合を施すことにより、ブラケット13がタンク3またはモジュレータ管9に確実に固定されることになる。
また、図13に示すように、他部品組立工程において、摩擦攪拌接合によりサイドプレート4Bにブラケット8を接合した構成とその製造方法を説明する。
コの字形状のサイドプレート4Bにおける上部突出片の下端面にブラケット8を突き当て、サイドプレート4Bの下部突出片とブラケット8との間に受け用治具21を挿入することでブラケット8を仮固定する。そして、ブラケット8とサイドプレート4Bとの結合に摩擦攪拌接合を実施するために、サイドプレート4Bにおける上部突出片の上端面に、攪拌端子のピン部17を回転させながら前記上端面に対して垂直下向きに圧入する。このときの圧入深さは、サイドプレート4Bの上部突出片を貫通してブラケット8の下端面に至らない位置までとし、サイドプレート4Bの上部突出片とブラケット8とが一体化するように接合領域18が形成されることとする。接合領域18が形成されると、ピン部17を引き抜き、接合領域18を冷却させて固定化する。このようにして固定化された接合領域18は、サイドプレート4Bの上部突出片とブラケット8との接触部において、図14に示すように、複数箇所スポット状に形成される。
上記に示したコア組立工程、他部品組立工程を経て、最後に熱交換器全体を炉の中に入れてろう付けする炉中ろう付け工程を行い、すべての部品についてろう付けがなされることになる。
このように本実施形態によれば、内部を流体が流れるチューブ1と、このチューブ1の内部と連通してチューブ1の長手方向端部に設けられるタンク3とを有するコア15を備え、コア15の前記構成部品のうち、少なくとも一つの構成部品の形成に摩擦攪拌接合を用いた構成としたので、コア15の構成部品を形成するときに摩擦攪拌接合を用いることにより、タンク3をはじめとした前記構成部品の接合部分に重ねしろを設けないで、あるいは重ねしろをできるだけ小さくして、接合部同士を突き合わせる構成とすることにより、材料の減量化を図ることができる。また、接合部を固定する構成についても簡素化することができるので、製造工数を低減することができる熱交換器が得られる。また、低温で接合が行えるので、溶接で固定した場合と比べて安定したタンクの製品形状が得られる。
また、タンク3は板材で構成され、前記板材のタンク形状形成時の前記板材の接合を摩擦攪拌接合とした場合には、タンク3の形成に摩擦攪拌接合を用いたことにより、タンクを押し出し成形品で形成しないで、板材を加工することで形成することができるため、タンク材のコスト低減に大きく寄与する。
また、タンク3を構成する筒状のタンク本体の端部に装着されてタンク本体の端部開口を覆い、端部開口を液密に封止するキャップ6が設けられる。タンク3を封止するキャップ6とタンク3の結合は、摩擦攪拌接合により行うこととした場合には、キャップ6にかしめ爪部を形成してタンクにかしめる工程や、キャップ6に前記かしめ爪部を設ける必要がなくなり、かしめ不良によるろう付け不良の防止、材料の低減などを実現することができる。
また、内部を流体が流れるチューブ1と、このチューブ1の内部と連通してチューブ1の長手方向端部に設けられるタンク3とを有するコア15と、タンク3の内部と連通するモジュレータアッシィ5と、を備え、モジュレータアッシィ5を構成する構成部品同士は摩擦攪拌接合により結合されることとした場合には、モジュレータアッシィ5を構成する構成部品にかしめ爪部を形成する工程による工数の削減、かしめ工程による歩留まりの削減、かしめ不良によるろう付け不良の防止、材料の軽量化などを実現することができる。
また、内部を流体が流れるチューブ1と、チューブ1の内部と連通してチューブ1の長手方向端部に設けられるタンク3とを有するコア15と、タンク3内部と連通するモジュレータアッシィ5とを備え、モジュレータアッシィ5とタンク3は、両者を連結するプレート12を介して摩擦攪拌結合を施すことにより結合されることとした場合には、プレート12とモジュレータアッシィ5、およびプレート12とタンク3のそれぞれを摩擦攪拌接合によりともに結合することになるので、プレート12にかしめ爪部を設ける必要がなくかしめ不良によるろう付け不良の防止を実現して、品質面、コスト面に優れた熱交換器が得られる。
また、コア15を車両に固定するためのブラケット13と、モジュレータアッシィ5またはタンク3の結合には、摩擦攪拌接合が用いられることとした場合には、ブラケット13と、モジュレータアッシィ5またはタンク3との結合において、溶接の代わりに、摩擦攪拌接合を用いることにより、エネルギーの低減をすることができる。
また、内部を流体が流れるチューブ1と、このチューブ1の内部と連通させてチューブ1の長手方向端部に配置したタンク3とを一体化してコア15を組み立てるコア組立工程と、コア15に対して、モジュレータアッシィ5と、コア15を被固定対象物に固定するためのブラケット13とを組み立てる他部品組立工程と、この他部品組立工程までで得られた製造物を炉の中に入れてろう付け固定する炉中ろう付け工程と、からなる熱交換器の製造方法において、前記炉中ろう付け工程前の、構成部品の形成、または構成部品同士の接合に摩擦攪拌接合を用いた場合には、炉中ろう付け工程より前に摩擦攪拌接合を実施することにより、炉中ろう付け工程で所望のろう付けを行うための、かしめ工程や構成部品の位置決め作業を削減することができるので、製造工程を改善して、品質面、コスト面で優れた熱交換器を提供することがきる。
(第2実施形態)
以下に、第2実施形態を説明する。図15は、摩擦攪拌接合を用いてインナーフィン型チューブの端部を接合する構成を示した断面図である。
以下に、第2実施形態を説明する。図15は、摩擦攪拌接合を用いてインナーフィン型チューブの端部を接合する構成を示した断面図である。
図15に示すように、本実施形態のチューブ25は、その内部にフィン26を内蔵したものである。その断面形状を波形状またはジグザグ形状に形成された薄板のフィン26は、上下に2分割されたチューブ25により両側から挟みこまれ、波形状またはジグザグ形状に形成されたフィン26の頂部はチューブ25の内面と当接させ、波形状またはジグザグ形状に形成されていないフィン26の端部と、フィン26を挟み込む上下のチューブ25にかかる端部とを一致させた状態で、摩擦攪拌接合により両者の組織を流動化した後、固定化された接合領域24にすることで、フィン26の端部とチューブ25の端部とを一体化する。この接合領域24は、チューブ25の前記端部とフィン26の前記端部との接合部において、複数箇所にスポット的に摩擦攪拌接合を施してもよいし、延設される前記接合部全体にわたって摩擦攪拌接合を施すこととしてもよい。
このように本実施形態によれば、チューブの形成に摩擦攪拌接合を用いたので、チューブの接合品質を向上させ、未然に不良品を防止することが可能となる。
また、インナーフィン型チューブにおいて、チューブ外郭とフィンの両者の端部を接合させて摩擦攪拌接合により接合した場合には、チューブの接合品質を向上させ、未然に不良品を防止することができる。
(第3実施形態)
以下に、第3実施形態を説明する。図16は、摩擦攪拌接合による製造方法において、攪拌端子のピン部を可動させた場合の工程を示した工程図である。
以下に、第3実施形態を説明する。図16は、摩擦攪拌接合による製造方法において、攪拌端子のピン部を可動させた場合の工程を示した工程図である。
図16に示すように、本実施形態に示す摩擦攪拌接合は、第1実施形態において図3を用いて説明した摩擦攪拌接合の工程に対して、接合工程において攪拌端子全体を引き抜く前に可動化したピン部17Aを引き抜くことに特徴がある。以下に、特に説明しない構成については、第1実施形態における摩擦攪拌接合と同様であり、その説明は省略する。
この工程は、(a)圧入、(b)接合・ピン抜き、(c)引抜き、の3工程で構成される。摩擦攪拌接合に使用される攪拌端子は、円筒形状のショルダ部16Aと、ショルダ部16Aの同心軸上に突出して配置され、ショルダ部16Aとともに回転するピン部17Aとを備え、ピン部17Aは、軸方向に可動してショルダ面16aからの突出量を調整可能な構成とし、攪拌端子の引抜き方向についてはショルダ部16Aに完全に埋没させることができるものである。
以下に工程を説明する。まず、攪拌端子を回転させるとともに、被接合物27、28の接合部の方向に移動させ、回転するショルダ部16Aから突出するピン部17Aを前記接合部に当接させると、回転するピン部17Aと前記接合部との間に摩擦熱が発生し、被接合物27および28が軟化してピン部17Aが前記接合部に圧入され、流動化した接合領域29を形成する(以上、(a)圧入工程)。
次に、ピン部17Aが前記接合部内に埋没し、ショルダ部16Aのピン部17A側端面に形成されるショルダ面16aが前記接合部に接触した後も攪拌端子への押圧力を所定時間維持する。ピン部17Aの前記接合部内への埋没は、ピン部17Aの先端が前記接合部の突き合せ部分にかかる裏面を越えない位置まで、つまりピン部17Aの先端が被接合物を貫通しないように、攪拌端子を変位させ、接合領域をできるだけ深く形成するのが望ましい。そして、ショルダ部16Aを接合部に当てた状態で回転させながらピン部17Aのみを接合部から離すように軸方向に可動させる。そうすると、ピン部17Aが接合部から離れるとともに、ピン部17Aにより押圧力が解除されるので、流動状態にある接合領域30はピン部17Aの先端面の上昇に合わせて徐々にその表面を隆起させることになる(以上、(b)接合・ピン抜き工程)。
さらに、ピン部17Aがさらに上昇して完全にショルダ部16Aの内部に没入すると、ショルダ部16Aを回転させながら被接合物27、28から離脱させると、中央部にピン部によるくぼみが小さく形成された接合領域31が冷却されて固体化し、被接合物27、28の突合せ部分が接合領域31により接合されることになる(以上、(c)引抜き工程)。
このように本実施形態によれば、摩擦攪拌接合は、ショルダ部16Aと、このショルダ部16Aとともに同心軸上に回転するピン部17Aとを備えた攪拌端子を被接合物に回転接触させて軸方向に圧入し、発生した摩擦熱によって前記被接合物の組織を流動化させ、前記攪拌端子を前記被接合物から離すことにより、前記被接合物に固体化された接合領域を形成するものであり、前記接合領域を形成するときに、ピン部17Aは、ショルダ部16Aに対して前記被接合物から離れる軸方向に可動させることを特徴とする製造方法としたので、接合領域を形成するときにピン部17Aを前記被接合物からまず抜いて、ピン部17Aをショルダ部16A内に没入させた後にショルダ部16Aを引き抜く工程を行うことが可能になり、ピン部17Aの圧入により固体化される前の接合領域に形成されていたくぼみを小さくすることができるので、固体化された接合領域の肉厚が厚くなり、被接合物の強度や耐食性をさらに向上させることができる。
1 チューブ
3 タンク
5 モジュレータアッシィ(付属タンクアッシィ)
6 キャップ
8 ブラケット
9 モジュレータ管(付属タンク)
11 モジュレータキャップ(付属タンクキャップ)
12 プレート(接合部品)
15 コア
16 ショルダ部
17 ピン部
3 タンク
5 モジュレータアッシィ(付属タンクアッシィ)
6 キャップ
8 ブラケット
9 モジュレータ管(付属タンク)
11 モジュレータキャップ(付属タンクキャップ)
12 プレート(接合部品)
15 コア
16 ショルダ部
17 ピン部
Claims (10)
- 内部を流体が流れるチューブ(1)と、前記チューブ(1)の内部と連通して前記チューブ(1)の長手方向端部に設けられるタンク(3)とを有するコア(15)を備えた熱交換器であって、
前記コア(15)の構成部品のうち、少なくとも一つの構成部品の形成において摩擦攪拌接合を用いたことを特徴とする熱交換器。 - 前記タンク(3)は板材で構成され、当該板材の接合に摩擦攪拌接合を用いたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
- 前記タンク(3)は、本体と、その端部を封止するキャップ(6)とを備え、前記キャップ(6)と前記本体とは、摩擦攪拌接合を用いて接合されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
- 内部を流体が流れるチューブ(1)と、前記チューブ(1)の内部と連通して前記チューブ(1)の長手方向端部に設けられるタンク(3)とを有するコア(15)を備えた熱交換器であって、
前記タンク(3)の内部と連通して設けられる付属タンク(9)を備え、前記付属タンク(9)は、その端部を封止する付属タンクキャップ(11)を備え、前記付属タンクと前記付属タンクキャップ(11)とは、摩擦攪拌接合を用いて接合されることを特徴とする熱交換器。 - 内部を流体が流れるチューブ(1)と、前記チューブ(1)の内部と連通して前記チューブ(1)の長手方向端部に設けられるタンク(3)とを有するコア(15)と、前記タンク(3)内部と連通する付属タンクアッシィ(5)と、を備えた熱交換器であって、
前記付属タンクアッシィ(5)と前記タンク(3)は、直接、あるいは両者を連結する接合部品(12)を介して摩擦攪拌結合を用いて接合されることを特徴とする熱交換器。 - 内部を流体が流れるチューブ(1)と、前記チューブ(1)の内部と連通して前記チューブ(1)の長手方向端部に設けられるタンク(3)とを有するコア(15)を備えた熱交換器であって、
前記タンク(3)の内部と連通して設けられる付属タンク(9)と前記付属タンク(9)に取り付けられるメネジ(10)とは、摩擦攪拌接合を用いて接合されることを特徴とする熱交換器。 - 車両、または車両に組み付けられている部品に取り付けるためのブラケット(13)が摩擦攪拌接合を用いて接合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱交換器。
- 内部を流体が流れるチューブ(1)と、前記チューブ(1)の内部と連通して前記チューブ(1)の長手方向端部に設けられるタンク(3)とを有するコア(15)を備えた熱交換器であって、前記チューブの形成に摩擦攪拌接合を用いたことを特徴とする熱交換器。
- 内部を流体が流れるチューブ(1)と、このチューブ(1)の内部と連通させて前記チューブ(1)の長手方向端部に配置したタンク(3)とを有するコア(15)を備えた熱交換器の製造方法であって、
前記コア(15)を組み立てるコア組立工程と、炉の中に入れてろう付けする工程とからなり、前記炉中ろう付け工程前の、構成部品の形成、または構成部品同士の接合に摩擦攪拌接合を用いたことを特徴とする熱交換器の製造方法。 - 内部を流体が流れるチューブ(1)と、このチューブ(1)の内部と連通させて前記チューブ(1)の長手方向端部に配置したタンク(3)とを少なくとも有する熱交換器の製造方法であって、
前記熱交換器における、構成部品の形成、または構成部品同士の接合に摩擦攪拌接合を使用するとともに、
前記摩擦攪拌接合は、ショルダ部(16A)と、このショルダ部(16A)とともに同心軸上に回転するピン部(17A)とを備えた攪拌端子を被接合物に回転接触させて軸方向に圧入し、発生した摩擦熱によって前記被接合物の組織を流動化させ、前記攪拌端子を前記被接合物から離すことにより、前記被接合物に固体化された接合領域を形成するものであり、前記接合領域を形成するときに、前記ピン部(17A)は、前記ショルダ部(16A)に対して前記被接合物から離れる軸方向に可動させることを特徴とする熱交換器の製造方法。
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