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JP2006269296A - 突起粒子の製造方法、突起粒子、導電性突起粒子及び異方性導電材料 - Google Patents

突起粒子の製造方法、突起粒子、導電性突起粒子及び異方性導電材料 Download PDF

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JP2006269296A
JP2006269296A JP2005086991A JP2005086991A JP2006269296A JP 2006269296 A JP2006269296 A JP 2006269296A JP 2005086991 A JP2005086991 A JP 2005086991A JP 2005086991 A JP2005086991 A JP 2005086991A JP 2006269296 A JP2006269296 A JP 2006269296A
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JP2005086991A
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Inventor
Takeshi Wakiya
武司 脇屋
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 基材粒子の表面に子粒子を強固に結合させることができるとともに、略等間隔で突起を形成することができる突起粒子の製造方法、該突起粒子の製造方法を用いてなる突起粒子、導電性突起粒子及び異方性導電材料を提供する。
【解決手段】 基材粒子の表面に子粒子が結合した突起粒子の製造方法であって、シード粒子の表面に子粒子を付着させる工程、前記シード粒子を重合性単量体によって膨潤させ、重合性液滴を調製する工程、及び、前記重合性液滴を重合させる工程を有する突起粒子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基材粒子の表面に子粒子を強固に結合させることができる突起粒子の製造方法、該突起粒子の製造方法を用いてなる突起粒子、導電性突起粒子及び異方性導電材料に関する。
基材粒子表面の少なくとも一部に突起を有する突起粒子は、基材粒子にはない機能を有することから、様々な用途への展開が期待されている。例えば、ギャップ材や導電性粒子として用いる場合、基板や電極間での粒子の移動防止効果が期待されている。また、表面突起の乱反射による艶消し効果により、顔料や染料を入れずに不透明化(白色化)が可能であるため、電子ペーパー用表示粒子や塗料としても期待されている。
また、近年電子回路に採用されているアルミニウム電極では、表面に酸化被膜が形成されやすく、導電性粒子で回路間を接続しようとしたとき、酸化被膜のために導通が妨げられるという問題があった。このような場合においても、表面に導電性の突起を有する導電性突起粒子を用いれば、突起部分が回路の酸化被膜を突き破り、導通を確保できることから、接続信頼性を向上させると考えられる。
このような突起粒子を製造する方法としては、従来は例えば、基材粒子の表面に有機又は無機の子粒子をメカノケミカル法(高速気流法)等により付着させる方法が行われていた。しかし、この方法では、基材粒子表面への子粒子の付着量を制御することが極めて困難であり、また、基材粒子と子粒子との結合が物理的な結合力のみでなることから極めて弱く、単粒子化工程や媒体中への分散工程等において子粒子が基材粒子から剥がれ落ちてしまうことがあるという問題があった。
また、導電性突起粒子を製造する方法としては、例えば特許文献1に、基材粒子の表面に無電解メッキによりニッケルの導電被膜を形成させる際に、ニッケル被膜と突起の核となるニッケルの微小粒子を同時に析出させ、ニッケルの微小粒子を取り込みながら更にニッケル被膜を形成させることにより、基材粒子の表面に導電性の突起を形成させる方法が開示されている。しかしながら、この方法では、析出させるニッケルの微小粒子の量や大きさを制御することが極めて困難であるため、得られる突起の数や大きさを制御することが難しいという問題があった。
特開2000−243132号公報
本発明は、上記の現状に鑑み、基材粒子の表面に子粒子を強固に結合させることができるとともに、突起の数及び大きさを制御することができる突起粒子の製造方法、突起粒子、導電性突起粒子及び異方性導電材料を提供することを目的とする。
本発明は、基材粒子の表面に子粒子が結合した突起粒子の製造方法であって、シード粒子の表面に子粒子を付着させる工程、前記シード粒子を重合性単量体によって膨潤させ、重合性液滴を調製する工程、及び、前記重合性液滴を重合させる工程を有する突起粒子の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、シード粒子の表面に子粒子を付着させた後、該シード粒子を重合性単量体により膨潤させることにより表面に子粒子を付着させた重合性液滴を調製し、この重合性液滴を重合させれば、子粒子は重合性液滴を重合させてなる基材粒子の表面に強固に固定されることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、本明細書においてシード粒子とは、後述する重合性単量体を吸収することにより重合性液滴を形成する粒子を意味する。
本発明の突起粒子の製造方法としては、例えば、シード粒子と媒体とを混合して上記シード粒子が上記媒体中に分散した分散液を調製する工程、上記分散液に子粒子を添加し、該子粒子を上記シード粒子の表面に付着させる工程、上記子粒子が付着したシード粒子が分散した分散液に、重合性単量体を混合して、上記シード粒子に上記重合性単量体を吸収させる工程、及び、上記重合性単量体を吸収した上記シード粒子を重合させる工程を有する方法が好適である(このような方法を以下、本実施態様ともいう)。
以下にこの本実施態様を説明することにより、本発明の突起粒子の製造方法を説明する。
本実施態様の突起粒子の製造方法では、まず、シード粒子と媒体とを混合して上記シード粒子が上記媒体中に分散した分散液を調製する工程を行う。
上記シード粒子を構成する材料としては、後述する重合性単量体を吸収し、重合性液滴を形成するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、フェノール樹脂、アリル樹脂、フラン樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン、フッ素樹脂、アクリロニトリル/スチレン樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、ABS樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、糖、澱粉、セルロース、ポリペプチド等を主成分とする縮合体、重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、後述する重合性単量体を吸収し、重合性液滴を形成しやすいことから、上記シード粒子を構成する材料は、非架橋の材料が好ましい。
上記シード粒子の製造方法としては特に限定されず、例えば、懸濁重合法、マイクロサスペンジョン重合法、乳化重合法、ミニエマルジョン重合法、転層乳化法、分散重合法、析出重合法、ソープフリー乳化(析出)重合法等の従来公知の重合法が挙げられる。なかでも、粒径制御性に優れた分散重合及びソープフリー乳化(析出)重合法が好適に用いられる。
上記シード粒子の粒子径としては、得られる突起粒子の粒子径によって異なるため特に限定されないが、好ましい下限は得られる突起粒子の粒子径の1/10、好ましい上限は得られる突起粒子の粒子径の1/2であり、具体的には、上記シード粒子の粒子径の下限は100nmであることが好適である。
上記シード粒子を分散させる媒体としては、上記シード粒子と非相溶であれば特に限定されず、例えば、水、メタノール、エタノール、ジメチルスルフォキシド、ジメチルホルムアミド等及びこれらの混合液が挙げられる。なかでも、取り扱いが容易なことから水が好適である。
上記媒体中に上記シード粒子を安定して分散させるためには、例えば、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン、セルロース等の分散安定剤、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、長鎖脂肪酸、長鎖アルキルトリメチルアミン塩酸塩、ジメチルアルキルベタイン等のイオン性、非イオン性界面活性剤を添加することが好ましい。
また、上記媒体中には、更に、補助安定剤、pH調整剤、老化防止剤、酸化防止剤、防腐剤等を通常懸濁重合法や乳化重合法において用いられる添加剤を加えてもよい。
上記シード粒子が媒体中に分散した分散液を調製する方法としては特に限定されず、例えば、上記シード粒子を媒体に添加し、攪拌する方法等が挙げられる。
上記攪拌の際には、通常の攪拌羽根の他に、ホモミキサー、ホモジナイザー等用いてもよいし、この際に超音波を併用してもよい。
本実施態様の突起粒子の製造方法では、次いで、上記分散液に子粒子を添加し、子粒子を上記シード粒子の表面に付着させる工程を行う。
上記子粒子は、得られる突起粒子の突起部分を構成するものである。
上記子粒子としては特に限定されず、例えば、樹脂からなるものの他、シリカ等の絶縁性の無機物からなるもの、金属からなるもの等が挙げられる。なかでも、樹脂からなるものが好ましい。上記樹脂としては特に限定されず、例えば、上述のシード粒子を構成する材料と同様の材料等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記子粒子を構成する材料は、次工程で上記シード粒子に重合性単量体を吸収させる際に、シード粒子表面に付着させた子粒子が重合性単量体により溶解しようないように、架橋構造を有することが好ましい。
上記子粒子を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上述したシード粒子を製造する方法と同様の方法が挙げられる。なかでも、高架橋体を形成することができる、懸濁重合法、マイクロサスペンション法、乳化重合法、ミニエマルジョン重合法等が好適に用いられる。
上記子粒子は、表面に重合性不飽和基を有することが好ましい。これにより、後述する上記子粒子が重合性単量体を吸収させたシード粒子を重合する際に、上記子粒子がシード粒子に共重合されることから、得られる突起粒子は、子粒子と基材粒子との結合が極めて強固になる。
上記子粒子表面に重合性不飽和基を導入する方法としては特に限定されず、例えば、(1)子粒子の表面の官能基を、1段又は多段の反応により重合性不飽和基に変換する方法、(2)子粒子を調製する際に、重合性の異なる2種の重合性不飽和基を有する単量体を添加する方法等が挙げられる。
上記(1)法としては、例えば、シリカからなる子粒子の表面にビニルシランを反応させてビニル基を導入させる方法;グリシジルメタクリレートからなる子粒子の表面にメタクリル酸を反応させてメタクリル基を導入する方法;ヒドロキシエチルメタクリレートからなる子粒子の表面に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させてメタクリル基を導入する方法等が挙げられる。
上記(2)法における重合性の異なる2種の重合性不飽和基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコール−ポリエチレングリコールモノメタクリレート等が挙げられる。
上記子粒子の粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は50nmである。50
nm未満であると、本発明の突起粒子の製造方法により製造された突起粒子をギャップ材や導電性粒子として用いる際に、突起の高さが不充分となり、移動防止効果や、アルミニウム電極表面の酸化被膜を突き破るという効果が得られないことがある。また、好ましい上限は、製造する突起粒子の基材粒子の粒径の20%である。20%を超えると、基材粒子の粒径に対し突起が必要以上に大きくなり、製造した突起粒子の基材粒子の特性が発現できなくなることがある。
上記分散液に上記子粒子を添加すると、ファンデルワールス力又は静電相互作用により上記シード粒子の表面に子粒子が付着する。この付着法はヘテロ凝集法と呼ばれる方法である。上記ヘテロ凝集法によれば、従来の高速攪拌機やハイブリダイザー等を用いた乾式方法のように、基材粒子や子粒子を変形させたりすることがなく、また、子粒子が積層付着したり、子粒子が溶融し粒子同士が合着して単粒子化できなかったりすることがなく、均一かつ単層にシード粒子の表面に子粒子を付着させることができる。
上記シード粒子に付着させる子粒子の数としては特に限定されず、製造する突起粒子の粒子径、突起数、及び、用途によって異なるが、子粒子によるシード粒子表面の専有面積の下限が40%となることが好ましい。このようにシード粒子表面に子粒子を付着させることにより、シード粒子表面が子粒子により均一に被覆され、後述する重合性単量体によりシード粒子を膨潤させ、更に重合させた突起粒子の突起がほぼ等間隔に形成される。
上記子粒子によるシード粒子表面の専有面積の好ましい下限は0.5%である。0.5%未満であると、製造する突起粒子の突起の数が少なすぎて、得られる突起粒子をギャップ材として用いても移動防止効果が得られないことがあり、また、導電性粒子として用いても、導通方向に突起が存在しないことがあり、酸化被膜を突き破るという効果が得られないことがある。
なお、本明細書において専有面積とは、子粒子の基材粒子表面への投影面積を意味する。上記専有面積は、子粒子の添加量、濃度、表面電位、表面電荷や、媒体の極性、pH、イオン強度等によって制御することができる。
本発明の突起粒子の製造方法では、上記シード粒子に付着させる子粒子は、上記シード粒子の表面に細密充填となるように付着させることが好ましい。後述するが、本発明の突起粒子の製造方法では、重合性単量体を上記シード粒子に吸収させて膨潤させて重合性液滴とする。このとき、上記シード粒子の表面に子粒子が細密充填となるように付着されていれば、上記膨潤後の重合性液滴の表面に付着した子粒子の専有面積を上記範囲とすることができるとともに、付着させた子粒子の間隔を略均等とすることができる。
本実施態様の突起粒子の製造方法では、次いで、上記子粒子が付着したシード粒子が分散した分散液に、重合性単量体を吸収させる工程を行う。
上記重合性単量体としては、重合開始剤の存在下又は非存在下で熱・光等により重合又は縮合を行うものであれば特に限定されない。また、本発明の突起粒子の製造方法により製造した突起粒子を液晶スペーサや異方導電材料として用いる場合は、粒子の強度が必要となるため、架橋構造を有していることが好ましい。なお、上記重合性単量体の一部又は全部に架橋性の重合性単量体を用いることで、架橋構造をもたせることができる。
上記重合性単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、メチルペンテン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類及びその誘導体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリルレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、プロピレンジアクリルアミド等のアクリルアミド類;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体;フタル酸等のジカルボン酸類;ジアミン類;エポキシ類;ジアリルフタレート、ベンゾグアナミン、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、トリアリルイソシアネート等が挙げられる。これらの重合性単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明により製造する突起粒子の基材粒子の粒子径は、本工程でシード粒子に重合性単量体を吸収させてなる重合性液滴の粒子径に依存するため、製造する突起粒子の粒子径は、上記シード粒子に吸収させる重合性単量体の量を調整することにより容易に制御することができる。
上記シード粒子に吸収させる重合性単量体の量としては特に限定されないが、上記シード粒子の量に対して、好ましい下限は2倍、好ましい上限は300倍である。2倍未満であると、得られた突起粒子の突起の間隔が狭くなり過ぎ突起を形成する効果が期待できないことがあり、300倍を超えると、重合性単量体を完全に吸収しきれず、得られる重合性液滴の分散性が損なわれることがある。より好ましい下限は8倍であり、より好ましい上限は200倍である。
上記重合性単量体を上記子粒子が付着したシード粒子に吸収させる方法としては特に限定されないが、例えば、上記重合性単量体を媒体中に分散させて重合性単量体の分散液を調製し、この重合性単量体の分散液を上記子粒子が付着したシード粒子が分散した分散液中に攪拌しながら添加する方法等が挙げられる。
上記重合性単量体を分散させる媒体としては特に限定されず、例えば、上述したシード粒子を分散させた媒体と同様のものが挙げられる。また、必要に応じて、分散剤や分散安定剤等の各種添加剤を添加してもよい。
本実施態様の突起粒子の製造方法では、次いで、子粒子が付着した重合性液滴を重合させる工程を行う。具体的には、例えば、重合開始剤を用いて、加熱又は光を照射することにより重合を開始させる。加熱により重合開始させる場合、加熱温度としては、用いる重合性単量体の組成や分子量、重合開始剤の種類や量等によって適宜決定されるが、通常は30〜100℃の範囲で行なわれる。
上記重合開始剤は、重合性液滴中に含有されていてもよく、重合性液滴を分散させている
媒体中に溶解されていてもよい。重合性液滴中に含有させる場合には、上記子粒子が付着したシード粒子に重合性単量体を吸収させる工程において、重合性単量体に溶解させた後、該重合開始剤を溶解させた重合性単量体をシード粒子に吸収させて重合性液滴を調製する方法が挙げられる。また、媒体中に溶解させる場合には、予め媒体中に重合開始剤を溶解しておくか、又は、重合性液滴を調製後、媒体と同じ液に溶解させ、重合性液滴の分散液に添加する方法が挙げられる。
上記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物;2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等のアゾアミド化合物;2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]、これらの塩酸塩、硫酸塩等の環状アゾアミド化合物;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン]等のアゾアミジン化合物;2,2’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾカルボン酸化合物;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)等のアゾオキシム化合物等が挙げられる。
本工程を経て製造される突起粒子に形成された突起の数としては、基材粒子の粒子径、子粒子の粒子径、及び、製造する突起粒子の用途によって適宜選択されるが、子粒子による基材粒子表面の専有面積の好ましい下限は0.5%、好ましい上限は50%である。0.5%未満であると、突起の数が少なすぎて、得られる突起粒子をギャップ材として用いても移動防止効果が得られないことがあり、また、導電性粒子として用いても、導通方向に突起が存在しないことがあり、酸化被膜を突き破るという効果が得られないことがある。50%を超えると、突起粒子の物性が子粒子の物性の影響を大きく受け、基材粒子の特性を発揮できないことがある。なお、上記子粒子による基材粒子表面の専有面積は、シード粒子への子粒子の複合量によって制御することができる。
以上の操作により、上記重合性液滴から基材粒子が形成され、該基材粒子の表面に上記子粒子が結合した突起粒子が得られる。
本発明の突起粒子の製造方法によれば、基材粒子の表面に子粒子が結合した突起粒子を容易に製造することができ、また、従来のシード重合の手法を応用することにより、容易に基材粒子の大きさを調整することができ、また、子粒子の添加量を調整等することにより、突起の数や密度を制御することができ、更に、突起が略等間隔に形成された突起粒子を製造することもできる。また、本発明の突起粒子の製造方法により得られた突起粒子では、基材粒子と子粒子との結合が強く、後述するメッキ等を施しても容易に剥離することがなく、安定して導電性突起粒子を製造することができる。
基材粒子の表面に子粒子が結合した突起粒子であって、上記子粒子が等間隔で上記基材粒子の表面に結合している突起粒子もまた、本発明の1つである。
なお、上記「子粒子が等間隔で上記基材粒子の表面に結合している」とは、上記基材粒子表面に結合した子粒子同士の間隔が完全に等しいという意味ではなく、若干の誤差は含まれる略均等であることを意味する。具体的には、突起の間隔のバラツキが20%以下である、又は、2個以上の子粒子により形成された突起の数が20%以下である状態を意味す
る。
このような本発明の突起粒子は、上述した本発明の突起粒子の製造方法を用いることで好適に製造することができる。
本発明の突起粒子と、上記突起粒子の表面に形成された金属層とからなる導電性突起粒子もまた、本発明の1つである。
上記金属としては導電性を有しているものであれば特に限定されず、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム、珪素等の金属や、ITO、ハンダ等の金属化合物が挙げられる。
上記金属層は、単層構造であってもよく、複数の層からなる積層構造であってもよい。積層構造からなる場合には、最外層は金からなることが好ましい。最外層を金からなるものにすることにより、耐食性が高く接触抵抗も小さい導電性突起粒子が得られる。
上記突起粒子の表面に金属層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、物理的な金属蒸着法、化学的な無電解メッキ法等の公知の方法が挙げられるが、工程の簡便さから無電解メッキ法が好適である。無電解メッキ法で形成できる金属層としては、例えば、金、銀、銅、プラチナ、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、コバルト、錫及びこれらの合金等が挙げられる。
上記金属層の厚みとしては特に限定されないが、好ましい下限は0.005μm、好ましい上限は1μmである。0.005μm未満であると、導電層としての充分な効果が得られないことがあり、1μmを超えると、得られる導電性突起粒子の比重が高くなりすぎたり、充分に変形できる硬度でなくなったりすることがある。より好ましい下限は0.01μm、より好ましい上限は0.3μmである。
本発明の導電性突起粒子を基板と電子部品等との導電接続に用いれば、アルミニウム電極等の表面に酸化被膜が形成されている場合であっても、該酸化被膜を突き破ることができることから、極めて高い接続信頼性が得られる。
本発明の導電性突起粒子と、導電性突起粒子の表面を被覆する絶縁粒子とからなる被覆導電性粒子もまた、本発明の1つである。本発明の被覆導電性粒子も、基板と電子部品等との導電接続に好適に用いることができる。また、本発明の導電性突起粒子の表面を絶縁被覆することにより、隣接する導電性突起粒子間での導通を防ぎ、延いては回路電極間のリークを防ぐことが可能となる。
上記絶縁粒子としては、絶縁性のものであれば特に限定されず、例えば、絶縁性の樹脂からなるものの他、シリカ等の絶縁性の無機物からなるもの等が挙げられる。なかでも絶縁性の樹脂からなるものが好ましい。上記絶縁性の樹脂としては特に限定されず、例えば、上述の子粒子に用いられる樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記絶縁粒子の粒子径は、突起の大きさ、突起の数にもよるが、好ましい下限は5nm、好ましい上限は1000nmである。5nm未満であると、隣接する被覆導電性粒子間の距離が電子のホッピング距離より小さくなり、隣接する導電性突起粒子間でのリークが起こりやすくなり、1000nmを超えると、回路電極間で熱圧着する際に必要な圧力や熱が大きくなりすぎることがある。より好ましくい下限は10nm、より好ましい上限は500nmである。
上記絶縁粒子は、正電荷を有するものであることが好ましい。正電荷を有することにより
、ヘテロ凝集法を用いて、導電性突起粒子との結合を行うことができ、また、上記絶縁粒子同士は静電反発することから、絶縁粒子同士が凝集することを抑制し、単層の被覆層を形成することができる。即ち、絶縁粒子が正に帯電している場合には、絶縁粒子は金属表面粒子上に単層で付着する。
本発明の導電性突起粒子又は被覆導電性粒子は、絶縁性のバインダー樹脂中に分散させることにより異方性導電材料として好適に用いることができる。このような異方性導電材料もまた、本発明の1つである。
本明細書において異方性導電材料には、異方性導電膜、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インク等が含まれる。
上記絶縁性のバインダー樹脂としては絶縁性であれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸エステル、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体及びその水添物、スチレン−イソプレンブロック共重合体及びその水添物等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂;多価アルコールのアクリル酸エステル、ポリエステルアクリレート、多価カルボン酸の不飽和エステル等の紫外線、電子線等により硬化する樹脂等が挙げられる。なかでも、熱及び/又は光により硬化する粘接着剤が好適である。
本発明の異方性導電材料には、必須成分であるバインダー樹脂及び本発明の導電性突起粒子以外に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤の1種類又は2種類以上が添加されてもよい。
本発明によれば、基材粒子の表面に子粒子を強固に結合させることができる突起粒子の製造方法、該突起粒子の製造方法を用いてなる突起粒子、導電性突起粒子及び異方性導電材料を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)子粒子の調製
ジメタクリル酸エチレングリコール8重量部、メタクリル酸メチル2重量部、ヘキサデカン0.1重量部、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル1重量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.1重量部、及び、蒸留水100重量部を超音波ホモジナイザーで均一に乳化した後、4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた1000mL容セパラブルフラスコに投入し、窒素雰囲気下70℃で12時間重合を行った。
反応終了後、遠心分離操作による未反応モノマー、重合開始剤等の除去、洗浄を2回行い、更に蒸留水で分散することにより、平均粒子径250nm、CV値9.8%、固形分率10%の子粒子分散液を得た。なお、子粒子の粒子径及び分布は、動的光散乱粒度分布径(大塚電子社製、DLS8000)を用いて測定した。
(2)シード粒子の調製
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた10
00mL容セパラブルフラスコに、スチレン500mmol、n−オクチルメルカプタン85mmol、過硫酸カリウム2mmol、塩化ナトリウム2.5mmol、及び、蒸留水585mLを秤量した後、200rpmで攪拌し、窒素雰囲気下70℃で24時間重合を行った。反応終了後、遠心分離操作による未反応モノマー、重合開始剤等の除去、洗浄を2回行い、更に蒸留水で分散することにより、平均粒子径900nm、CV値3.2%、固形分率10%のシード粒子分散液を得た。なお、シード粒子の粒子径及び分布は、動的光散乱粒度分布径(大塚電子社製、DLS8000)を用いて測定した。
(3)絶縁粒子の調製
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた1000mL容セパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル70mmol、メタクリル酸グリシジル10mmol、ジメタクリル酸エチレングリコール20mmol、メタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩3mmol、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン]4水和物3mmol、及び、蒸留水470mLを秤量した後、200rpmで攪拌し、窒素雰囲気下70℃で5時間重合を行うことにより、平均粒子径305nm、CV値8.8%、固形分率10%の表面にエポキシ基を有した絶縁粒子分散液を得た。なお、絶縁粒子の粒子径及び分布は、動的光散乱粒度分布径(大塚電子社製、DLS8000)を用いて測定した。
(4)突起粒子(1)の製造
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた500mL容のセパラブルフラスコに、得られたシード粒子分散液10g及び蒸留水90mLを秤量した後、攪拌しながら、得られた子粒子分散液1gを滴下し、シード粒子表面に子粒子を付着させた。次いで、ラウリル硫酸ナトリウム0.05g、ポリビニルアルコール3%水溶液20gを添加し、子粒子付着シード粒子分散液を得た。
別に、ジビニルベンゼン120g、過酸化ベンゾイル3g、ラウリル硫酸ナトリウム0.7g、及び、蒸留水800mLをホモジナイザーで混合し乳化させて、重合性単量体乳化液を得た。
得られた重合性単量体乳化液を子粒子付着シード粒子分散液に添加し、100rpmで攪拌し、窒素気流下、室温で24時間、重合性単量体を子粒子付着シード粒子に吸収させ、重合性液滴を得た。次いで、攪拌速度を200rpmとした後、90℃に加熱することにより重合性液滴を重合させて、突起粒子(1)を得た。
走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、得られた突起粒子(1)は、突起のない部分の平均粒子径が4.01μm、CV値が3%であり、突起粒子(1)1個あたりの突起の数が平均24個(投影面積として13.5%)であった。また、形成された突起は、略等間隔であった。
(5)導電性突起粒子(1)の製造
得られた突起粒子(1)について、脱脂、センシタイジング、アクチベイチングを行い樹脂表面にパラジウム核を生成させ、無電解メッキの触媒核とした。次に、無電解ニッケルメッキ浴に浸漬し、ニッケルメッキ層を形成した。更に、ニッケル層の表面に無電解置換金メッキを行い、導電性突起粒子(1)を得た。
得られた導電性突起粒子(1)を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、突起を含む粒子表面に金属メッキが施されており、また、突起の数は平均24個と、メッキ操作により突起の数が減少することはなかった。
(6)異方性導電フィルム(1)の作製
バインダー樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート828)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部及びトルエン100重量部を遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが10μmとな
るように塗布し、トルエンを蒸発させて接着性フィルムを得た。
次いで、バインダー樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート828)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部及びトルエン100重量部に得られた導電性突起粒子(1)を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて導電性突起粒子(1)を含有する接着性フィルムを得た。なお、導電性突起粒子(1)の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cmとなるようにした。
得られた接着性フィルムと導電性突起粒子(1)を含有する接着性フィルムとを常温でラミネートすることにより、2層構造を有する厚さ17μmの異方性導電フィルム(1)を作製した。
(参考例)
フィルム中の導電性突起粒子(1)の配合量を10万個/cmとなるように配合した以外は、実施例1で作製した異方導電フィルム(1)と同様の方法で異方導電フィルム(2)を作製した。
(実施例2)
(1)被覆導電性粒子(1)の製造
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コックを取り付けた1000mL容セパラブルフラスコ中で、p−アミノチオフェノール10mmolをメタノール500mLに溶解させて反応溶液を得た。
実施例1で得られた導電性突起粒子(1)10gを窒素雰囲気下で反応溶液に分散させ、室温で12時間攪拌し、濾過により未反応のp−アミノチオフェノールを除去し、メタノールで洗浄後、乾燥し、表面をアミノ化した導電性突起粒子を得た。
得られたアミノ化導電性突起粒子をアセトン500mLに分散させ、エポキシ基を有する絶縁粒子分散液を4mL添加し、室温で6時間攪拌した。3μmのメッシュフィルターで濾過後、さらにアセトンで洗浄、乾燥し、被覆導電性粒子(1)を得た。
被覆導電性粒子(1)は、表面に被覆が1層のみ形成されており、画像解析により被覆導電性粒子の中心より2μmの面積に対する絶縁粒子の被覆面積(即ち絶縁粒子の粒子径の投影面積)を算出したところ、被覆率は40%であった。
(2)異方性導電フィルム(3)の作製
導電性突起粒子(1)に代えて被覆導電性粒子(1)を用いた以外は、参考例で作製した異方性導電フィルム(2)と同様の方法で異方性導電フィルム(3)を作製した。
(比較例1)
(1)突起粒子(2)の製造
子粒子分散液を添加しなかった以外は実施例1の(4)と同様にして樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の粒子径は3.9μmであった。
得られた樹脂粒子10gと実施例1で得られた子粒子(乾燥したもの)1gとをハイブリダイゼーションシステム(奈良機械社製)を用い120℃、5分間処理することにより複合化させた後、冷却し、気流により未複合の子粒子を取り除いて、突起粒子(2)を得た。
走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、得られた突起粒子(2)は、1つあたりの突起の数が平均30個であったが、バラツキが大きく、突起を有していないものも多数観察された。また、突起は不均一に形成されていた。
(2)導電性突起粒子(2)の製造
得られた突起粒子(2)を用いた以外は、実施例1で製造した導電性突起粒子(1)と同様にして導電性突起粒子(2)を得た。
得られた導電性突起粒子(2)を走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、突起を含む粒子表面に金属メッキが施されていたが、突起の数は平均15個と、メッキ操作により突起の数が減少していた。
(3)異方性導電フィルム(2)の作製
得られた導電性突起粒子(2)を用いた以外は、実施例1で作製した異方性導電フィルム(1)と同様にして異方性導電フィルム(2)を作製した。
(比較例2)
(1)導電性突起粒子(3)の製造
比較例1で作製した平均粒子径3.9μmの樹脂粒子について、脱脂、センシタイジング、アクチベイチングを行い樹脂表面にパラジウム核を生成させ、無電解メッキの触媒核とした。次に、無電解ニッケルメッキ浴に浸漬し、ニッケルメッキ層を形成した。この際、ニッケルメッキ反応初期にL−システインを適量滴下することにより、メッキ被膜近傍でニッケルの自己分解を誘発し、生じたニッケルの微細粒子を取り込みながらメッキを進行させることにより、突起を有したニッケル層を形成させた。次いで、ニッケル層表面に無電解置換金メッキを行い、導電性突起粒子(3)を得た。
走査型電子顕微鏡で観察したところ、1つあたりの突起の数が平均35個であったが、突起の数や大きさのバラツキが大きく、円周方向に1μm近い大きさの突起も多数観察された。また、除去が極めて困難な、ニッケル/金のみからなる微細粒子が散見された。また、突起は不均一に形成されていた。
(2)異方性導電フィルム(5)の作製
得られた導電性突起粒子(3)を用いた以外は、実施例1で作製した異方性導電フィルム(1)と同様にして異方性導電フィルム(3)を作製した。
(評価)
各実施例、比較例、及び、参考例で作製した異方性導電フィルム(1)〜(5)を5×5mmの大きさに切断した。これを、一方に抵抗測定用の引き回し線を有した幅200μm、長さ1mm、高さ0.2μm、L/S20μmのアルミニウム電極のほぼ中央に貼り付けた後、同じアルミニウム電極を有するガラス基板を、電極同士が重なるように位置あわせをしてから貼り合わせた。
このガラス基板の接合部を10N、100℃の圧着条件で熱圧着した後、電極間の抵抗値及び電極間のリークの有無を評価した。
結果を表1に示した。
Figure 2006269296
表1に示したように、実施例1で作製した異方導電フィルム(1)は、電極間の抵抗値が低く、電極間のリークも発生しなかったのに対し、参考例で作製した異方導電フィルム(2)は、電極間の抵抗値は低いものの、フィルム中の導電性突起粒子(1)の配合量が実施例1の異方導電フィルム(1)に比べて多く、そのため電極間にリークが発生した。これに対し、実施例2で作製した異方導電フィルム(3)は、参考例でフィルム中に配合し
た導電性突起粒子(1)と同じ配合量でフィルム中に被覆導電性粒子(1)を配合したが、被覆導電性粒子(1)の優れた絶縁性により電極間にリークは発生せず、また、電極間の抵抗値も低いものであった。
一方、比較例1で作製した異方導電フィルム(4)は、電極間にリークは発生しなかったものの、電極間の抵抗値が高く、比較例2で作製した異方導電フィルム(5)は、電極間の抵抗値は低いものの、電極間にリークが発生した。
本発明によれば、基材粒子の表面に子粒子を強固に結合させることができる突起粒子の製造方法、該突起粒子の製造方法を用いてなる突起粒子、導電性突起粒子及び異方性導電材料を提供できる。

Claims (7)

  1. 基材粒子の表面に子粒子が結合した突起粒子の製造方法であって、
    シード粒子の表面に子粒子を付着させる工程、
    前記シード粒子を重合性単量体によって膨潤させ、重合性液滴を調製する工程、及び、
    前記重合性液滴を重合させる工程を有する
    ことを特徴とする突起粒子の製造方法。
  2. 基材粒子の表面に子粒子が結合した突起粒子の製造方法であって、
    シード粒子と媒体とを混合して前記シード粒子が前記媒体中に分散した分散液を調製する工程、
    前記分散液に子粒子を添加して前記子粒子を前記シード粒子の表面に付着させる工程、
    前記子粒子が付着したシード粒子が分散した分散液に、重合性単量体を混合して前記シード粒子に前記重合性単量体を吸収させる工程、及び、
    前記重合性単量体を吸収した前記シード粒子を重合させる工程を有する
    ことを特徴とする突起粒子の製造方法。
  3. 基材粒子の表面に子粒子が結合した突起粒子であって、前記子粒子が前記基材粒子表面に等間隔で結合していることを特徴とする突起粒子。
  4. 請求項1又は2記載の突起粒子の製造方法により製造されてなることを特徴とする請求項3記載の突起粒子。
  5. 請求項3又は4記載の突起粒子と、前記突起粒子の表面に形成された金属層とからなることを特徴とする導電性突起粒子。
  6. 請求項5記載の導電性突起粒子と、前記導電性突起粒子の表面を被覆する絶縁粒子とからなることを特徴とする被覆導電性粒子。
  7. 請求項5記載の導電性突起粒子又は請求項6記載の被覆導電性粒子が絶縁性のバインダー樹脂中に分散されていることを特徴とする異方性導電材料。
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