JP2006269241A - ヒータミラー - Google Patents
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Abstract
【課題】自己温度制御機能を有するヒータミラーを均一に発熱させ、かつ熱膨張によるクラックの発生を抑える。
【解決手段】ヒータミラーであって、少なくとも背面が非導電性の基板と、基板の背面に形成された、スリット15により分割された複数の反射膜兼抵抗発熱膜12a、12bと、反射膜兼抵抗発熱膜12a上に形成された第一電極13aと、反射膜兼抵抗発熱膜12b上に形成された第二電極13bと、スリット15を覆うPTC材料層14とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】ヒータミラーであって、少なくとも背面が非導電性の基板と、基板の背面に形成された、スリット15により分割された複数の反射膜兼抵抗発熱膜12a、12bと、反射膜兼抵抗発熱膜12a上に形成された第一電極13aと、反射膜兼抵抗発熱膜12b上に形成された第二電極13bと、スリット15を覆うPTC材料層14とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、ヒータミラーに関する。
ヒータミラーにおいては、例えば温度が上がりすぎるのを防ぐために、温度制御を行う必要がある。従来、別体の温度制御部品を使用することなく自己温度制御機能を持たせたヒータミラーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−247016号公報
特許文献1の図1、2には、基板(ミラー基板)上に、反射膜兼抵抗発熱膜(反射膜兼発熱抵抗体膜)、一対のPTC給電電極、及び絶縁防湿層をこの順で形成した構成が開示されている。この構成において、例えば正極を一方のPTC給電電極、負極を他方のPTC給電電極とすると、正極のPTC給電電極における正極給電点にリード線より給電された電流は、反射膜兼抵抗発熱膜を通って、負極のPTC給電電極へ流れる。
しかし、この構成において、PTC給電電極の導電性は、反射膜兼抵抗発熱膜よりも低い。そのため、正極のPTC給電電極の内部において、電流は、正極給電点を中心に放射状に広がって流れる。また、反射膜兼抵抗発熱膜において、電流は、正極のPTC給電電極の正極給電点に最も近い部分から負極のPTC給電電極に向かって、放射状に流れる。そして、放射状に広がって流れる電流に応じて、反射膜兼抵抗発熱膜は、正極のPTC給電電極の正極給電点に最も近い部分から負極のPTC給電電極に向かって、放射状に発熱していく。
このように、導電性の低い(すなわち、抵抗値が高い)PTC給電電極を用いた場合、反射膜兼抵抗発熱膜に均一な電流を流すことができず、反射膜兼抵抗発熱膜の発熱が均一に始まらないおそれがある。尚、一対のPTC給電電極のそれぞれの導電性は同程度であり、正極、負極を逆にした場合でも同様の問題が生じる。
また、特許文献1の図3、4には、基板上に、反射膜兼抵抗発熱膜、一対のPTC温度調整層(温度調整を担う層)、一対の給電導電層、及び絶縁防湿層をこの順で形成した構成が開示されている。このように構成すれば、PTC温度調整層の抵抗値が高い場合にも、反射膜兼抵抗発熱膜に均一な電流を供給できる。
しかし、この構成において、PTC温度調整層の線膨張率は、給電導電層よりも大きい。そのため、このように構成した場合、線膨張率が大きいPTC温度調整層の上に線膨張率が小さい給電導電層が形成されることとなり、PTC温度調整層が熱膨張すると、給電導電層が熱膨張に追従できず、クラックが発生するおそれがある。
このように、反射膜兼抵抗発熱膜に均一な電流を供給するために、PTC温度調整層の上に給電導電層を形成した場合、線膨張率の違いにより給電導電層にクラックが発生するおそれがある。そのため、従来、自己温度制御機能を有するヒータミラーを均一に発熱させ、かつ熱膨張によるクラックの発生を抑えるのは困難であった。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決できるヒータミラーを提供することを目的とする。
上記の問題点を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
(構成1)ヒータミラーであって、少なくとも背面が非導電性の基板と、基板の背面に形成された、スリットにより分割された複数の抵抗発熱膜と、分割された一方の抵抗発熱膜上に形成された第一電極と、分割された他方の抵抗発熱膜上に形成された第二電極と、スリットを覆うPTC材料層とを備える。
(構成1)ヒータミラーであって、少なくとも背面が非導電性の基板と、基板の背面に形成された、スリットにより分割された複数の抵抗発熱膜と、分割された一方の抵抗発熱膜上に形成された第一電極と、分割された他方の抵抗発熱膜上に形成された第二電極と、スリットを覆うPTC材料層とを備える。
このヒータミラーは、例えばバックミラー等の自動車用ミラーに用いられる。また、ヒータミラーは、第一電極と第二電極との間に電力を受け取る。抵抗発熱膜は、PTC材料層を介して流れる電流に応じて発熱する。PTC材料層は、例えば、抵抗発熱膜よりも導電性が低く、かつ温度上昇と共に抵抗値が増大するPTC材料により形成される。PTC材料層を形成しない状態において、複数の抵抗発熱膜は、スリットにより、電気的に切り離されている。PTC材料層は、複数の抵抗発熱膜を、電気的に接続する。
この構成において、ヒータミラーの温度が上昇すると、PTC材料層の温度上昇により抵抗値が高くなり、抵抗発熱膜に流れる電流が低下する。そのため、このように構成すれば、ヒータミラーに自己温度制御機能を持たせることができる。
また、構成1において、第一電極又は第二電極のいずれを正極にした場合も、正極から抵抗発熱膜を経てPTC材料層に至る経路上、電流は、導電性の高い材料から低い材料へと流れる。そのため、PTC材料層において、電流は、スリットの幅方向に、幅広均一に流れる。これにより、抵抗発熱膜に均一な電流を供給できる。また、ヒータミラーを均一に発熱させることができる。
また、構成1は、線膨張率が低い材料から高い材料へ積層される構成になっている。このように構成した場合、特許文献1の図3、4に開示された構成等と異なり、線膨張率の違いによりクラックが生じることもない。
尚、スリットとは、例えば、細長いスリット状の隙間である。スリットは、一定幅に形成されるのが好ましい。複数の抵抗発熱膜は、少なくとも1本以上のスリットにより分割されていればよく、例えば2本以上のスリットにより分割されてもよい。2本以上のスリットにより分割されている場合、PTC材料層は、例えば、これら2本以上のスリットを連続的に覆う。
また、抵抗発熱膜は、反射膜兼抵抗発熱膜であってよい。このように構成すれば、ヒータミラーのコストを低減できる。また、ヒータミラーは、基板、抵抗発熱膜、第一電極、及び第二電極を連続的に覆う保護材層を更に備えるのが好ましい。
(構成2)PTC材料層は、スリットと、第一電極の一部とを連続的に覆う。このように構成すれば、例えば幅広のPTC材料層を用いることができるため、スリットとPTC材料層との位置合わせが容易になる。
(構成3)PTC材料層は、スリットと、第一電極とを連続的に覆う。このように構成すれば、例えば幅広のPTC材料層を用いることができるため、スリットとPTC材料層との位置合わせが容易になる。
(構成4)ヒータミラーであって、少なくとも背面が非導電性の基板と、基板の背面において、背面の一部分を欠いた領域に形成された抵抗発熱膜と、抵抗発熱膜から離間して、基板の背面に直接形成された第一電極と、抵抗発熱膜上に形成された第二電極と、第一電極と抵抗発熱膜とを接続するように、第一電極と抵抗発熱膜との間に形成されたPTC材料層とを備える。
このように構成した場合も、構成1と同様に、ヒータミラーに自己温度制御機能を持たせることができる。また、抵抗発熱膜、第一電極、第二電極、及びPTC材料層は、構成1と同様に、それぞれの導電性、及び線膨張率が考慮された構成で形成されている。そのため、PTC材料層における電流は、第一電極と抵抗発熱膜との間の隙間を、隙間の幅方向に幅広均一に流れる。これにより、ヒータミラーの発熱を均一にできる。また、線膨張率の違いによりクラックが生じることもない。尚、第一電極は、例えば抵抗発熱膜の片側の端辺に沿って形成され、例えばスリットを隔てて、抵抗発熱膜から離間する。
(構成5)PTC材料層は、抵抗発熱膜の一部と、第一電極の一部とを連続的に覆う。このように構成すれば、PTC材料層により、第一電極と抵抗発熱膜とを適切に接続できる。
(構成6)PTC材料層は、抵抗発熱膜の一部と、第一電極とを連続的に覆う。このように構成すれば、PTC材料層により、第一電極と抵抗発熱膜とを適切に接続できる。
(構成7)PTC材料層は、抵抗発熱膜の一部を覆い、第一電極は、PTC材料層の一部を覆う。このように構成すれば、PTC材料層の形成後に第一電極を形成することができる。また、例えば、第一電極として、導電性の高いクリップ電極を用いることができる。これにより、ヒータミラーの発熱を更に均一にできる。
本発明によれば、自己温度制御機能を有するヒータミラーの発熱を均一にできる。また、熱膨張によるクラックの発生を抑えることができる。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1、2は、本発明の第1実施形態に係るヒータミラーの第1の実施例(実施例1)の構成を示す。図1は、ヒータミラーの背面図である。図2は、ヒータミラーの断面図である。このヒータミラーは、例えばバックミラー等の自動車用ミラーに用いられる。本実施例において、ヒータミラーは、基板11、反射膜兼抵抗発熱膜12a、反射膜兼抵抗発熱膜12b、第一電極13a、第二電極13b、PTC材料層14、及び保護材層16を備える。基板11は、少なくとも背面が非導電性の透明基板であり、例えば、ガラス、セラミック、又はアクリル樹脂等の透明材料からなる。
図1、2は、本発明の第1実施形態に係るヒータミラーの第1の実施例(実施例1)の構成を示す。図1は、ヒータミラーの背面図である。図2は、ヒータミラーの断面図である。このヒータミラーは、例えばバックミラー等の自動車用ミラーに用いられる。本実施例において、ヒータミラーは、基板11、反射膜兼抵抗発熱膜12a、反射膜兼抵抗発熱膜12b、第一電極13a、第二電極13b、PTC材料層14、及び保護材層16を備える。基板11は、少なくとも背面が非導電性の透明基板であり、例えば、ガラス、セラミック、又はアクリル樹脂等の透明材料からなる。
反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bは、反射膜及び抵抗発熱膜として機能する金属又は合金の薄膜である。反射膜兼抵抗発熱膜12aと反射膜兼抵抗発熱膜12bとは、スリット15により分割された状態で、基板11の背面に形成される。また、本実施例においては、反射膜兼抵抗発熱膜12bが基板11の背面の過半を覆っており、ヒータミラーの主な発熱源として機能する。
反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bの材料は、例えば、鉄、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン等の金属、又はこれらの合金等である。反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bを形成する工程において、この金属又は合金の材料は、基板11の背面全面に、真空蒸着又はスパッタリング等により成膜される。そして、レーザ加工、酸、薬品等のエッチング等によりスリット15と、スリット15により分割された反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bとが形成される。
第一電極13a及び第二電極13bは、反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bに電力を供給するための電極である。第一電極13a及び第二電極13bのそれぞれの端部には、外部電源のリード線がそれぞれ接続される。
第一電極13aは、分割された一方の反射膜兼抵抗発熱膜12a上に、スリット15に沿って形成される。第二電極13bは、分割された他方の反射膜兼抵抗発熱膜12b上において、基板11の一方の端辺近くに形成される。この端辺は、基板11の中心に対してスリット15と反対側にある端辺である。第一電極13a及び第二電極13bは、例えば、銀、銅、ニッケル等の導電性樹脂ぺ一ストを用いたスクリーン印刷、ディスペンサー吐出、又は塗装等により形成される。第一電極13a及び第二電極13bは、銅、アルミニウム等の金属箔の貼付けにより形成されてもよい。また、銅、アルミニウム等の金属薄膜の真空蒸着、又はスパッタリング等により形成されてもよい。
PTC材料層14は、温度上昇と共に抵抗値が増大する材料の層であり、反射膜兼抵抗発熱膜12aと反射膜兼抵抗発熱膜12bとを橋渡しするように、反射膜兼抵抗発熱膜12aの一部と、スリット15と、反射膜兼抵抗発熱膜12bの一部とを連続的に覆って形成される。これにより、反射膜兼抵抗発熱膜12a、PTC材料層14、及び反射膜兼抵抗発熱膜12bは、第一電極13aと第二電極13bとの間に直列に接続される。PTC材料層14は、例えば、熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、又はゴム等を主剤とし、カーボン粒子、金属導電性粒子、金属酸化物、又は金属窒化物等の充填剤を混合した導電性ペーストからなり、スクリーン印刷、ディスペンサー吐出、塗装等により形成される。
保護材層16は、絶縁防湿のための層であり、反射膜兼抵抗発熱膜12a、反射膜兼抵抗発熱膜12b、第一電極13a、第二電極13b、PTC材料層14、及び基板11を連続的に覆って形成される。保護材層16は、例えば、粘着材付きPETフィルム、アクリル系塗料、ウレタン系塗料、シリコーン系塗料、ゴムペースト、シリコーン樹脂、樹脂発泡シート、又はこれらの組み合わせからなる。尚、本実施例において、保護材層16は、反射膜兼抵抗発熱膜12a、反射膜兼抵抗発熱膜12b等を比べて大きな厚みを有しており、断熱材としての機能を更に有している。
この構成において、反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bは、両者の間に設けられたPTC材料層14を介して流れる電流に応じて発熱する。また、ヒータミラーの温度が上昇すると、PTC材料層14の内部抵抗は増大する。そのため、反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bに流れる電流は、温度上昇に従って減少する。電流が減少すると、ヒータミラーの温度は低下する。また、温度が低下すると、再び電流が増加して、ヒータミラーの温度は上昇する。そのため、本実施例によれば、通電抑制により、ヒータミラーの温度調節を行うことができる。また、温度を一定に保つ自己温度制御機能をヒータミラーに持たせることができる。
以下、各部材の導電性及び膨張率(線膨張率)について説明する。最初に、導電性について説明する。本実施例において、第一電極13a及び第二電極13bに使われる導電材料の導電性は、反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bに使われる導電材料の導電性よりも高い。これらの導電性は、PTC材料層14に使われる導電材料の導電性よりも高い。また、反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bのそれぞれには、同程度の導電性の導電材料が使用される。第一電極13a及び第二電極13bのそれぞれには、同程度の導電性の導電材料が使用される。
また、本実施例において、例えば、正極を第一電極13a、負極を第二電極13bとした場合、電流は、第一電極13aから、反射膜兼抵抗発熱膜12a、PTC材料層14、及び反射膜兼抵抗発熱膜12bを順次通って、第二電極13bへ流れる。この構成において、正極である導電性の高い第一電極13aの給電点にリード線から給電されると、第一電極13aの内部では、すみやかに電流が広がって流れる。これにより、第一電極13aから反射膜兼抵抗発熱膜12aへ、幅広均一な電流が流れる。そして、反射膜兼抵抗発熱膜12aからより導電性の低いPTC材料層14へ、幅広均一な電流が更に流れる。
ここで、PTC材料層14は、スリット15に沿って反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bと接触している。そのため、PTC材料層14において、反射膜兼抵抗発熱膜12aから供給される幅広均一な電流は、幅広均一なまま、反射膜兼抵抗発熱膜12bに向かって流れる。また、反射膜兼抵抗発熱膜12bにおいても、幅広均一な電流が、第二電極13bに向かって流れる。そのため、反射膜兼抵抗発熱膜12bは、第二電極13bに向かう幅広均一な電流に応じて、幅広均一に発熱していく。
また、正極を第二電極13b、負極を第一電極13aとした場合、電流は、第二電極13bから、反射膜兼抵抗発熱膜12b、PTC材料層14、及び反射膜兼抵抗発熱膜12aを順次通って、第一電極13aへ流れる。この構成において、正極である導電性の高い第二電極13bの給電点にリード線より給電されると、第二電極13bの内部では、すみやかに電流が広がって流れる。これにより、第二電極13bから反射膜兼抵抗発熱膜12bへ、幅広均一な電流が流れる。そして、反射膜兼抵抗発熱膜12bからより導電性の低いPTC材料層14へ、幅広均一な電流が流れる。反射膜兼抵抗発熱膜12bは、PTC材料層14に向かう幅広均一な電流に応じて、幅広均一に発熱していく。
このように、本実施例においては、導電性の高い第一電極13a及び第二電極13bを給電電極として使用しているため、いずれを正極又は負極にした場合であっても、給電点にリード線より給電された電流は、電極内部において、すみやかに広がって流れる。また、PTC材料層14には、反射膜兼抵抗発熱膜12a又は反射膜兼抵抗発熱膜12bを介して、幅広均一な電流が供給される。これにより、ヒータミラーの発熱源である反射膜兼抵抗発熱膜12bにおいても、順次各部材を通って、幅広均一な電流が流れることとなる。そのため、本実施例によれば、ヒータミラーを均一に発熱させることができる。
続いて、膨張率(線膨張率)について説明する。本実施例において、保護材層16の線膨張率は、PTC材料層14と同程度、又はPTC材料層14よりも大きい。PTC材料層14の線膨張率は第一電極13a及び第二電極13bよりも大きい。第一電極13aの線膨張率は第二電極13bと同程度である。第一電極13a及び第二電極13bの線膨張率は反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bより大きい。反射膜兼抵抗発熱膜12aの線膨張率は反射膜兼抵抗発熱膜12bと同程度である。反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bの線膨張率は、基板11と同程度、又は基板11より大きい。
そして、図2に示した要部10から分かるように、これらの各部材は、基板11上に反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12b、その上に第一電極13a及び第二電極13b、その上にPTC材料層14、その上に保護材層16の順で積層されている。尚、基板11は、反射膜兼抵抗発熱膜12bと比べて十分に大きな厚みを有しているため、ヒータミラーの仕様温度範囲(例えば−30℃〜80℃)では、基板11と、と反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12bとは、近い線膨張率を有していればよく、いずれの線膨張率が大きくてもよい。
この構成において、第一電極13aは、より線膨張率の小さな反射膜兼抵抗発熱膜12a上に積層されている。このように構成した場合、下層の反射膜兼抵抗発熱膜12aが熱膨張したとしても、第一電極13aは、その熱膨張に追従できる。そのため、第一電極13aにクラックは発生しない。また、第二電極13bは、より線膨張率の小さな反射膜兼抵抗発熱膜12b上に積層されている。このように構成した場合、下層の反射膜兼抵抗発熱膜12bが熱膨張したとしても、第二電極13bは、その熱膨張に追従できる。そのため、第二電極13bにクラックは発生しない。
このように、本実施例においては、線膨張率が低い材料から高い材料へ積層される構成になっているため、熱膨張によるクラックの発生を抑えることができる。そのため、本実施例によれば、自己温度制御機能を有するヒータミラーを均一に発熱させ、かつ熱膨張によるクラックの発生を抑えることができる。
図3、4は、本発明の第1実施形態に係るヒータミラーの第2の実施例(実施例2)の構成を示す。図3は、ヒータミラーの背面図である。図4は、ヒータミラーの断面図である。本実施例のヒータミラーは、実施例1における第一電極13a及び第二電極13bを、第一クリップ電極23a及び第二クリップ電極23bに置き換えたものであり、基板21、反射膜兼抵抗発熱膜22a、反射膜兼抵抗発熱膜22b、第一クリップ電極23a、第二クリップ電極23b、PTC材料層24、及び保護材層26を備える。第一クリップ電極23a及び第二クリップ電極23bは、バネ性を有する青銅、真鍮、鋼、ステンレススチール等の材質で形成される。
尚、以下に説明する点を除き、本実施例のヒータミラーは、実施例1のヒータミラーと同一又は同様である。基板21、反射膜兼抵抗発熱膜22a、反射膜兼抵抗発熱膜22b、PTC材料層24、及び保護材層26は、実施例1における基板11、反射膜兼抵抗発熱膜12a、反射膜兼抵抗発熱膜12b、PTC材料層14、及び保護材層16と同一又は同様の構成を有する。反射膜兼抵抗発熱膜12aと反射膜兼抵抗発熱膜12bとは、実施例1におけるスリット15と同一又は同様のスリット25により分割されている。図4に示した要部20は、図2に示した要部10に対応する部分である。
本実施例においては、導電性の高い第一クリップ電極23a及び第二クリップ電極23bを給電電極として使用しているため、いずれを正極又は負極にした場合であっても、給電点にリード線より給電された電流は、電極内部において、すみやかに広がって流れる。そして、ヒータミラーの発熱源である反射膜兼抵抗発熱膜22bには、各部材を順次通った電流が幅広均一に流れる。また、この電流に応じて、反射膜兼抵抗発熱膜22bは、幅広均一に発熱していく。
また、第一クリップ電極23a及び第二クリップ電極23bは、下層の反射膜兼抵抗発熱膜22a及び反射膜兼抵抗発熱膜22bより線膨張率が大きく、バネ性を有している。このように構成した場合、反射膜兼抵抗発熱膜22a及び反射膜兼抵抗発熱膜22bが熱膨張したとしても、第一クリップ電極23a及び第二クリップ電極23bは、その熱膨張に追従できる。そのため、第一クリップ電極23a及び第二クリップ電極23bにクラックは発生しない。
また、PTC材料層24は、温度上昇とともに内部抵抗が増大し、電流が流れにくくなる。そのため、通電抑制により、ヒータミラーの温度調節を行い、温度を一定に保つことができる。これにより、ヒータミラーに自己温度制御機能を持たせることができる。このように、本実施例においても、自己温度制御機能を有するヒータミラーを均一に発熱させ、かつ熱膨張によるクラックの発生を抑えることができる。
図5、6は、本発明の第2実施形態に係るヒータミラーの第1の実施例(実施例3)の構成を示す。図5は、ヒータミラーの背面図である。図6は、ヒータミラーの断面図である。本実施例において、ヒータミラーは、基板31、反射膜兼抵抗発熱膜32a、反射膜兼抵抗発熱膜32b、第一電極33a、第二電極33b、PTC材料層34、及び保護材層36を備える。
尚、以下に説明する点を除き、本実施例のヒータミラーは、実施例1のヒータミラーと同一又は同様である。基板31、反射膜兼抵抗発熱膜32a、反射膜兼抵抗発熱膜32b、第一電極33a、第二電極33b、PTC材料層34、及び保護材層36は、実施例1における基板11、反射膜兼抵抗発熱膜12a、反射膜兼抵抗発熱膜12b、第一電極13a、第二電極13b、PTC材料層14、及び保護材層16と同一又は同様の構成を有する。反射膜兼抵抗発熱膜32aと反射膜兼抵抗発熱膜32bとは、実施例1におけるスリット15と同一又は同様のスリット35により分割されている。図6に示した要部30は、図2に示した要部10に対応する部分である。
本実施例において、PTC材料層34は、スリット35と第一電極33aの一部とをを連続的に覆う。この構成において、例えば正極を第一電極33a、負極を第二電極33bとすると、両電極の間は、第一電極33aからPTC材料層34へ直接電流が流れる第1の経路と、反射膜兼抵抗発熱膜32aを介して第一電極33aからPTC材料層34へ電流が流れる第2の経路とを介して接続される。第1の経路上、電流は、第一電極33aから、PTC材料層34及び反射膜兼抵抗発熱膜32bを順次通って、第二電極(33b)へ流れる。また、第2の経路上、電流は、第一電極33aから、反射膜兼抵抗発熱膜32a、PTC材料層34、及び反射膜兼抵抗発熱膜32bを順次通って、第二電極33bへ流れる。
この構成において、正極である導電性の高い第一電極33aの給電点にリード線から給電されると、第一電極33aの内部では、すみやかに電流が広がって流れる。そして、第1の経路上、第一電極33aからPTC材料層34へ、幅広均一な電流が流れる。そして、PTC材料層34から反射膜兼抵抗発熱膜32bへ、幅広均一な電流が流れる。これにより、第1の経路に流れる電流は、反射膜兼抵抗発熱膜32bにおいて、第二電極33bに向かって、幅広均一に流れる。
また、第2の経路上、第一電極33aから反射膜兼抵抗発熱膜32aへ、幅広均一な電流が流れる。そして、反射膜兼抵抗発熱膜32aからPTC材料層34へ、幅広均一な電流が流れる。更に、PTC材料層34から反射膜兼抵抗発熱膜32bへ、幅広均一な電流が流れる。これにより、第2の経路に流れる電流は、反射膜兼抵抗発熱膜32bにおいて、第二電極33bに向かって、幅広均一に流れる。このように、本実施例において、第1の経路及び第2の経路のいずれを流れる電流も、反射膜兼抵抗発熱膜32bを、幅広均一に流れる。そして、反射膜兼抵抗発熱膜32bは、第二電極33bに向かう幅広均一な電流に応じて、幅広均一に発熱していく。
また、正極を第二電極33b、負極を第一電極33aとした場合、電流は、上記の第1の経路及び第2の経路を逆向きに流れることになる。この構成において、正極である導電性の高い第二電極33bの給電点にリード線から給電されると、第二電極33bの内部では、すみやかに電流が広がって流れる。そのため、第二電極33bから反射膜兼抵抗発熱膜32bに幅広均一な電流が流れる。これにより、反射膜兼抵抗発熱膜32bでは、PTC材料層34に向かって幅広均一に電流が流れる。反射膜兼抵抗発熱膜32bは、PTC材料層34に向かう幅広均一な電流に応じて、幅広均一に発熱していく。そのため、本実施例によれば、ヒータミラーを均一に発熱させることができる。
また、PTC材料層34は、温度上昇とともに内部抵抗が増大し、電流が流れにくくなる。そのため、通電抑制により、ヒータミラーの温度調節を行い、温度を一定に保つことができる。これにより、ヒータミラーに自己温度制御機能を持たせることができる。
更には、本実施例においても、第一電極33a及び第二電極33bは、より線膨張率の小さな反射膜兼抵抗発熱膜12a及び反射膜兼抵抗発熱膜12b上に積層されている。このように構成した場合、反射膜兼抵抗発熱膜32a及び反射膜兼抵抗発熱膜32bが熱膨張したとしても、第一電極33a及び第二電極33bは、その熱膨張に追従できる。そのため、第一電極33a及び第二電極33bにクラックは発生しない。従って、本実施例においても、自己温度制御機能を有するヒータミラーを均一に発熱させ、かつ熱膨張によるクラックの発生を抑えることができる。尚、本実施例において、PTC材料層34は、第一電極33aの一部のみを覆っている。このように構成すれば、PTC材料層34の材料を節約しつつ、位置合わせの容易な幅広のPTC材料層34を用いることができる。
図7、8は、本発明の第2実施形態に係るヒータミラーの第2の実施例(実施例4)の構成を示す。図7は、ヒータミラーの背面図である。図8は、ヒータミラーの断面図である。本実施例において、ヒータミラーは、基板41、反射膜兼抵抗発熱膜42a、反射膜兼抵抗発熱膜42b、第一電極43a、第二電極43b、PTC材料層44、及び保護材層46を備える。PTC材料層44は、スリット45と、第一電極43aのほぼ全体とをを連続的に覆う。このように構成すれば、位置合わせの容易な幅広のPTC材料層44を用いることができる。
この点を除き、本実施例のヒータミラーは、実施例3のヒータミラーと同一又は同様である。基板41、反射膜兼抵抗発熱膜42a、反射膜兼抵抗発熱膜42b、第一電極43a、第二電極43b、PTC材料層44、及び保護材層46は、実施例3における基板31、反射膜兼抵抗発熱膜32a、反射膜兼抵抗発熱膜32b、第一電極33a、第二電極33b、PTC材料層34、及び保護材層36と同一又は同様の構成を有する。反射膜兼抵抗発熱膜42aと反射膜兼抵抗発熱膜42bとは、実施例3におけるスリット35と同一又は同様のスリット45により分割されている。図8に示した要部40は、図6に示した要部30に対応する部分である。従って、本実施例においても、自己温度制御機能を有するヒータミラーを均一に発熱させ、かつ熱膨張によるクラックの発生を抑えることができる。
図9、10は、本発明の第3実施形態に係るヒータミラーの第1の実施例(実施例5)の構成を示す。図9は、ヒータミラーの背面図である。図10は、ヒータミラーの断面図である。本実施例において、ヒータミラーは、基板51、反射膜兼抵抗発熱膜52、第一電極53a、第二電極53b、PTC材料層54、及び保護材層56を備える。
尚、以下に説明する点を除き、本実施例のヒータミラーは、実施例1のヒータミラーと同一又は同様である。基板51、反射膜兼抵抗発熱膜52、第一電極53a、第二電極53b、PTC材料層54、及び保護材層56は、実施例1における基板11、反射膜兼抵抗発熱膜12b、第一電極13a、第二電極13b、PTC材料層14、及び保護材層16と同一又は同様の構成を有する。図10に示した要部50は、図2に示した要部10に対応する部分である。
本実施例のヒータミラーは、実施例1のヒータミラーから反射膜兼抵抗発熱膜12aを除いた場合と同様の構成を有している。反射膜兼抵抗発熱膜12aに対応する構成がないため、本実施例において、保護材層56は、反射膜兼抵抗発熱膜52、第一電極53a、第二電極53b、PTC材料層54、及び基板51を連続的に覆って形成される。また、実施例1の反射膜兼抵抗発熱膜12bに対応する反射膜兼抵抗発熱膜52は、基板51の背面において、背面の一部分を欠いた領域に形成される。実施例1の第一電極13aに対応する第一電極53aは、反射膜兼抵抗発熱膜52から離間して、基板51の背面に直接形成される。
反射膜兼抵抗発熱膜52は、例えば、実施例1の基板11と同様の基板51を用い、基板51の背面上の一部がマスキング治具等でマスキングされた状態で、真空蒸着又はスパッタリング等により形成される。反射膜兼抵抗発熱膜52は、真空蒸着又はスパッタリング等により基板51の背面全体に成膜された膜を酸等の薬品でエッチングすることにより形成されてもよい。
第一電極53aは、基板51背面において反射膜兼抵抗発熱膜52が形成されずに露出している部分に、基板51の一方の端部形状に沿って形成される。また、第二電極53bは、反射膜兼抵抗発熱膜52上に、基板51の他方の端部形状に沿って形成される。第一電極53a及び第二電極53bのそれぞれの端部には、外部電源のリード線がそれぞれ接続される。尚、端部形状とは、例えば、端辺の形状である。
また、本実施例においては、実施例1の反射膜兼抵抗発熱膜12aに対応する構成がないため、スリット15に対応するスリットはない。PTC材料層54は、スリットを覆う代わりに、第一電極53aと反射膜兼抵抗発熱膜52とを接続するように、第一電極53aと反射膜兼抵抗発熱膜52との間に形成される。本実施例において、PTC材料層54は、反射膜兼抵抗発熱膜52の一部と、第一電極53aの一部とを、連続的に覆って形成される。これにより、PTC材料層54は、反射膜兼抵抗発熱膜52の一方の端部形状に沿って、第一電極53aと反射膜兼抵抗発熱膜52との間の隙間を覆うように形成される。
ここで、本実施例の各部材の導電性は、実施例1における対応する部材と同程度である。また、例えば、正極を第一電極53a、負極を第二電極53bとした場合、電流は、第一電極53aから、PTC材料層54及び反射膜兼抵抗発熱膜52を順次通って、第二電極53bへ流れる。この構成において、正極である導電性の高い第一電極53aの給電点にリード線から給電されると、第一電極53aの内部では、すみやかに電流が広がって流れる。これにより、第一電極53aからPTC材料層54へ、幅広均一な電流が流れる。
そして、第一電極53aから供給される幅広均一な電流は、第一電極53aと反射膜兼抵抗発熱膜52との間の隙間を覆うPTC材料層54を、幅広均一なまま、反射膜兼抵抗発熱膜52に向かって流れる。また、反射膜兼抵抗発熱膜52においても、幅広均一な電流が、第二電極53bに向かって流れる。そのため、反射膜兼抵抗発熱膜52は、第二電極53bに向かう幅広均一な電流に応じて、幅広均一に発熱していく。
また、正極を第二電極53b、負極を第一電極53aとした場合、電流は、第二電極53bから、反射膜兼抵抗発熱膜52及びPTC材料層54を順次通って、第一電極53aへ流れる。この構成において、正極である導電性の高い第二電極53bの給電点にリード線より給電されると、第二電極53bの内部では、すみやかに電流が広がって流れる。これにより、第二電極53bから反射膜兼抵抗発熱膜52へ、幅広均一な電流が流れる。そして、反射膜兼抵抗発熱膜52からより導電性の低いPTC材料層54へ、幅広均一な電流が流れる。反射膜兼抵抗発熱膜52は、PTC材料層54に向かう幅広均一な電流に応じて、幅広均一に発熱していく。
このように、本実施例においても、導電性の高い第一電極53a及び第二電極53bを給電電極として使用しているため、いずれを正極又は負極にした場合であっても、給電点にリード線より給電された電流は、電極内部において、すみやかに広がって流れる。また、PTC材料層54には、第一電極53a又は反射膜兼抵抗発熱膜52を介して、幅広均一な電流が供給される。これにより、ヒータミラーの発熱源である反射膜兼抵抗発熱膜52においても、順次各部材を通って、幅広均一な電流が流れることとなる。そのため、本実施例によれば、ヒータミラーを均一に発熱させることができる。また、PTC材料層54を用いた通電抑制により、ヒータミラーの温度調節を行い、温度を一定に保つことができる。これにより、ヒータミラーに自己温度制御機能を持たせることができる。
また、本実施例において、第一電極53aは、より線膨張率の小さな基板51の上に形成されている。このように構成した場合、下層の基板51が熱膨張したとしても、第一電極53aは、その熱膨張に追従できる。そのため、第一電極53aにクラックは発生しない。また、第二電極53bは、より線膨張率の小さな反射膜兼抵抗発熱膜52上に積層されている。このように構成した場合、下層の反射膜兼抵抗発熱膜52が熱膨張したとしても、第二電極53bは、その熱膨張に追従できる。そのため、第二電極53bにクラックは発生しない。
このように、本実施例においても、線膨張率が低い材料から高い材料へ積層される構成になっているため、熱膨張によるクラックの発生を抑えることができる。そのため、本実施例によれば、自己温度制御機能を有するヒータミラーを均一に発熱させ、かつ熱膨張によるクラックの発生を抑えることができる。
図11、12は、本発明の第3実施形態に係るヒータミラーの第2の実施例(実施例6)の構成を示す。図11は、ヒータミラーの背面図である。図12は、ヒータミラーの断面図である。本実施例において、ヒータミラーは、基板61、反射膜兼抵抗発熱膜62、第一電極63a、第二電極63b、PTC材料層64、及び保護材層66を備える。
本実施例において、PTC材料層64は、反射膜兼抵抗発熱膜62の一部と、第一電極63aのほぼ全体とをを連続的に覆う。このように構成すれば、位置合わせの容易な幅広のPTC材料層64を用いることができる。
この点を除き、本実施例のヒータミラーは、実施例5のヒータミラーと同一又は同様である。基板61、反射膜兼抵抗発熱膜62、第一電極63a、第二電極63b、PTC材料層64、及び保護材層66は、実施例5における基板51、反射膜兼抵抗発熱膜52、第一電極53a、第二電極53b、PTC材料層54、及び保護材層56と同一又は同様の構成を有する。図12に示した要部60は、図10に示した要部50に対応する部分である。従って、本実施例においても、自己温度制御機能を有するヒータミラーを均一に発熱させ、かつ熱膨張によるクラックの発生を抑えることができる。
図13、14は、本発明の第4実施形態に係るヒータミラーの第1の実施例(実施例7)の構成を示す。図13は、ヒータミラーの背面図である。図14は、ヒータミラーの断面図である。本実施例において、ヒータミラーは、基板71、反射膜兼抵抗発熱膜72、第一電極73a、第二電極73b、PTC材料層74、及び保護材層76を備える。
尚、以下に説明する点を除き、本実施例のヒータミラーは、実施例5のヒータミラーと同一又は同様である。基板71、反射膜兼抵抗発熱膜72、第一電極73a、第二電極73b、PTC材料層74、及び保護材層76は、実施例5における基板51、反射膜兼抵抗発熱膜52、第一電極53a、第二電極53b、PTC材料層54、及び保護材層56と同一又は同様の構成を有する。図14に示した要部70は、図10に示した要部50に対応する部分である。
本実施例のヒータミラーは、実施例5の第一電極53a及びPTC材料層54に対応する第一電極73a及びPTC材料層74を形成する順序が、実施例5と異なる。本実施例において、PTC材料層74は、第一電極73aよりも先に形成される。そのため、PTC材料層74は、反射膜兼抵抗発熱膜72の一部と、基板71の一部とを覆うように形成される。PTC材料層74は、基板71上において、反射膜兼抵抗発熱膜72の欠けた形状の端辺上を連続に覆う。
第一電極73aは、PTC材料層74の一部を覆うように形成される。本実施例において、第一電極73aは、基板71上において、PTC材料層74の片側の端辺上を連続に覆う。これにより、第一電極73aは、基板71背面において、反射膜兼抵抗発熱膜72が形成されずに露出している部分に直接形成される。
ここで、本実施例の各部材の導電性は、実施例5における対応する部材と同程度である。また、第一電極73aと第二電極73bとの間に流れる電流の経路も、実施例5と同様である。本実施例においても、導電性の高い第一電極73a及び第二電極73bを給電電極として使用しているため、いずれを正極又は負極にした場合であっても、給電点にリード線より給電された電流は、電極内部において、すみやかに広がって流れる。また、PTC材料層74には、第一電極73a又は反射膜兼抵抗発熱膜72を介して、幅広均一な電流が供給される。これにより、ヒータミラーの発熱源である反射膜兼抵抗発熱膜72においても、順次各部材を通って、幅広均一な電流が流れることとなる。そのため、本実施例によれば、ヒータミラーを均一に発熱させることができる。また、反射膜兼抵抗発熱膜72を用いた通電抑制により、ヒータミラーの温度調節を行い、温度を一定に保つことができる。これにより、ヒータミラーに自己温度制御機能を持たせることができる。
また、本実施例の各部材の線膨張率は、実施例5における対応する部材と同程度である。第一電極73aは、より線膨張率の小さな基板71の上に形成されている。第二電極73bは、より線膨張率の小さな反射膜兼抵抗発熱膜72上に積層されている。そのため、下層の基板71及び反射膜兼抵抗発熱膜72が熱膨張したとしても、第一電極73a及び第二電極73bは、その熱膨張に追従できる。そのため、第一電極73a及び第二電極73bにクラックは発生しない。
このように、本実施例においても、線膨張率が低い材料から高い材料へ積層される構成になっているため、熱膨張によるクラックの発生を抑えることができる。そのため、本実施例によれば、自己温度制御機能を有するヒータミラーを均一に発熱させ、かつ熱膨張によるクラックの発生を抑えることができる。
尚、本実施例において、第一電極73aの一部は、PTC材料層74の一部を覆っている。しかし、図14に示した要部70からも分かるように、第一電極73aは、PTC材料層74と側壁部分においても接している。この構成においては、側壁部分において電流の通過面積を確保できるため、PTC材料層74上面において第一電極73aに覆われる面積がわずかである。この面積がわずかであれば、PTC材料層74の熱膨張は保護材層76に向かって広がるため、第一電極73aが受ける熱膨張の影響は小さい。そのため、本実施例において、第一電極73aにクラックは発生しない。PTC材料層74は、上面において第一電極73aに覆われる部分の割合を小さくするように、基板71上に広い面積(幅広)で形成されるのが好ましい。
図15、16は、本発明の第4実施形態に係るヒータミラーの第2の実施例(実施例8)の構成を示す。図15は、ヒータミラーの背面図である。図16は、ヒータミラーの断面図である。本実施例において、ヒータミラーは、基板81、反射膜兼抵抗発熱膜82、第一クリップ電極83a、第二クリップ電極83b、PTC材料層84、及び保護材層86を備える。
尚、以下に説明する点を除き、本実施例のヒータミラーは、実施例7のヒータミラーと同一又は同様である。基板81、反射膜兼抵抗発熱膜82、PTC材料層84、及び保護材層86は、実施例7における基板71、反射膜兼抵抗発熱膜72、PTC材料層74、及び保護材層76と同一又は同様の構成を有する。図16に示した要部80は、図14に示した要部70に対応する部分である。また、第一クリップ電極83a及び第二クリップ電極83bは、実施例2における第一クリップ電極23a及び第二クリップ電極23bと同一又は同様の構成を有する。
本実施例のヒータミラーは、実施例7における第一電極73a及び第二電極73bを、第一クリップ電極83a及び第二クリップ電極83bに置き換えたものである。導電性の高い第一クリップ電極83a及び第二クリップ電極83bを給電電極として使用しているため、いずれを正極又は負極にした場合であっても、給電点にリード線より給電された電流は、電極内部において、すみやかに広がって流れる。そして、ヒータミラーの発熱源である反射膜兼抵抗発熱膜82には、各部材を順次通った電流が幅広均一に流れる。また、この電流に応じて、反射膜兼抵抗発熱膜82は、幅広均一に発熱していく。
また、第一クリップ電極83a及び第二クリップ電極83bは、下層の基板81及び反射膜兼抵抗発熱膜82より線膨張率が大きく、バネ性を有している。そのため、基板81及び反射膜兼抵抗発熱膜82が熱膨張したとしても、第一クリップ電極83a及び第二クリップ電極83bは、その熱膨張に追従できる。また、第一クリップ電極83a及び第二クリップ電極83bにクラックは発生しない。
また、PTC材料層84は、温度上昇とともに内部抵抗が増大し、電流が流れにくくなる。そのため、通電抑制により、ヒータミラーの温度調節を行い、温度を一定に保つことができる。これにより、ヒータミラーに自己温度制御機能を持たせることができる。このように、本実施例においても、自己温度制御機能を有するヒータミラーを均一に発熱させ、かつ熱膨張によるクラックの発生を抑えることができる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、例えばヒータミラーに好適に利用できる。
10・・・要部、11・・・基板、12a・・・反射膜兼抵抗発熱膜、12b・・・反射膜兼抵抗発熱膜、13a・・・第一電極、13b・・・第二電極、14・・・PTC材料層、15・・・スリット、16・・・保護材層、20・・・要部、21・・・基板、22a・・・反射膜兼抵抗発熱膜、22b・・・反射膜兼抵抗発熱膜、23a・・・第一クリップ電極、23b・・・第二クリップ電極、24・・・PTC材料層、25・・・スリット、26・・・保護材層、30・・・要部、31・・・基板、32a・・・反射膜兼抵抗発熱膜、32b・・・反射膜兼抵抗発熱膜、33a・・・第一電極、33b・・・第二電極、34・・・PTC材料層、35・・・スリット、36・・・保護材層、40・・・要部、41・・・基板、42a・・・反射膜兼抵抗発熱膜、42b・・・反射膜兼抵抗発熱膜、43a・・・第一電極、43b・・・第二電極、44・・・PTC材料層、45・・・スリット、46・・・保護材層、50・・・要部、51・・・基板、52・・・反射膜兼抵抗発熱膜、53a・・・第一電極、53b・・・第二電極、54・・・PTC材料層、56・・・保護材層、60・・・要部、61・・・基板、62・・・反射膜兼抵抗発熱膜、63a・・・第一電極、63b・・・第二電極、64・・・PTC材料層、66・・・保護材層、70・・・要部、71・・・基板、72・・・反射膜兼抵抗発熱膜、73a・・・第一電極、73b・・・第二電極、74・・・PTC材料層、76・・・保護材層、80・・・要部、81・・・基板、82・・・反射膜兼抵抗発熱膜、83a・・・第一クリップ電極、83b・・・第二クリップ電極、84・・・PTC材料層、86・・・保護材層
Claims (7)
- ヒータミラーであって、
少なくとも背面が非導電性の基板と、
前記基板の背面に形成された、スリットにより分割された複数の抵抗発熱膜と、
分割された一方の前記抵抗発熱膜上に形成された第一電極と、
分割された他方の前記抵抗発熱膜上に形成された第二電極と、
前記スリットを覆うPTC材料層と
を備えることを特徴とするヒータミラー。 - 前記PTC材料層は、前記スリットと、前記第一電極の一部とを連続的に覆うことを特徴とする請求項1に記載のヒータミラー。
- 前記PTC材料層は、前記スリットと、前記第一電極とを連続的に覆うことを特徴とする請求項1に記載のヒータミラー。
- ヒータミラーであって、
少なくとも背面が非導電性の基板と、
前記基板の背面において、前記背面の一部分を欠いた領域に形成された抵抗発熱膜と、
前記抵抗発熱膜から離間して、前記基板の背面に直接形成された第一電極と、
前記抵抗発熱膜上に形成された第二電極と、
前記第一電極と前記抵抗発熱膜とを接続するように、前記第一電極と前記抵抗発熱膜との間に形成されたPTC材料層と
を備えることを特徴とするヒータミラー。 - 前記PTC材料層は、前記抵抗発熱膜の一部と、前記第一電極の一部とを連続的に覆うことを特徴とする請求項4に記載のヒータミラー。
- 前記PTC材料層は、前記抵抗発熱膜の一部と、前記第一電極とを連続的に覆うことを特徴とする請求項4に記載のヒータミラー。
- 前記PTC材料層は、前記抵抗発熱膜の一部を覆い、
前記第一電極は、前記PTC材料層の一部を覆うことを特徴とする請求項4に記載のヒータミラー。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008198538A (ja) * | 2007-02-15 | 2008-08-28 | Mitsubishi Electric Corp | 面状発熱体及びこれを用いた冷凍冷蔵庫の庫内仕切り板並びに面状発熱体の製造方法 |
EP2315495A1 (en) * | 2009-10-22 | 2011-04-27 | SMR Patents S.à.r.l. | Process to apply heater function to plastic glass |
WO2023276463A1 (ja) * | 2021-06-30 | 2023-01-05 | 東京コスモス電機株式会社 | 面状発熱体、光学装置、および面状発熱体の製造方法 |
WO2023153493A1 (ja) * | 2022-02-14 | 2023-08-17 | 東京コスモス電機株式会社 | 面状発熱体 |
-
2005
- 2005-03-24 JP JP2005085347A patent/JP2006269241A/ja active Pending
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