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JP2006259357A - 画像表示装置及び画像書き込み装置 - Google Patents

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JP2006259357A
JP2006259357A JP2005077759A JP2005077759A JP2006259357A JP 2006259357 A JP2006259357 A JP 2006259357A JP 2005077759 A JP2005077759 A JP 2005077759A JP 2005077759 A JP2005077759 A JP 2005077759A JP 2006259357 A JP2006259357 A JP 2006259357A
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JP2005077759A
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Tsutomu Ishii
努 石井
Yasunori Saito
泰則 斎藤
Naoki Hayashi
直樹 林
Minoru Koshimizu
実 小清水
Hiroyuki Hotta
宏之 堀田
Masao Watabe
雅夫 渡部
Hiroyuki Funo
浩之 不野
Yasushi Iida
靖 飯田
Ryota Mizutani
良太 水谷
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

【課題】 温度、湿度、照度に関わらず、所望の画像を書き込むことができる画像表示装置と画像書き込み装置を提供することにある。
【解決手段】 電子ペーパー10内部に物理量(温度、湿度、照度)を検知するワイヤレスのセンサ0を設ける。そして、制御部40は発信部111からそのセンサに電波を発信する。センサ0は電波を受信すると物理量(温度、湿度、照度)の影響を受けた弾性表面波を電波信号として受信部112に送信する。制御部40は受信部112が受信した電波信号を元に電子ペーパー10内部の物理量を解析し、電子ペーパー10に印加する電圧を設定する。駆動パルス電圧生成部36は、制御部40の制御を受けて電子ペーパー10に電圧を印加する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、画像表示装置及び画像書き込み装置に係り、特に画像表示装置内の物理量に基づいて画像記録を行う画像表示装置及び画像書き込み装置に関する。
近年、コンピュータやインターネット等が加速度的に普及し、電子情報が年々増加している。そして電子情報の増加に伴い、電子情報を記録する紙の消費量も増加している。しかし紙は、一旦情報が記録されると、紙の原型を保ったまま、再び白紙に戻し再利用するということはできない。使用済みの紙をリサイクルによって加工し、書き込み可能な紙に再生するということが普及してきてはいるが、一度使用された紙は短時間で捨てられるのが大半である。そのため、森林保護や環境保護の観点から紙の消費削減につながる記録媒体が望まれていた。そこで、そのような記録媒体として、電子情報を瞬時に書き込むことができ、且つ何度でも情報を書き換えることが可能な光書き込み電子ペーパーが考案されている(例えば特許文献1)。
特開2004−177473号公報
電子ペーパーへの画像書き込みは、電子ペーパーに画像を照射し、電圧を印加することによって行われる。そして書き込まれた画像は、太陽光や蛍光灯などの光の反射により視認できるようになっている。しかし、画像を書き込む際、電子ペーパーにおける温度、湿度が通常の値でないと、所望の画像を書き込むことができなかった。また、カード構成の電子ペーパーにおいては、画像が書き込まれる部分はフィルム材料等でカバーされた構成になっているため、外界の温度、湿度と電子ペーパー内の温度、湿度には差が生じる。そのため、外界の温度、湿度を基準に電子ペーパーへの書き込みを行う条件として適切であると判断しても、実際の電子ペーパー内の温度、湿度は外界とは違うため、予定通りの画像を書き込むことができないということがあった。また、画像を書き込む際の照度に変動がある場合においても、予定通りの画像を書き込むことができないということがあった。このように従来の電子ペーパーにおいては、温度、湿度、照度の影響を受け、予定した品質通りの画像書き込みを行うことができないという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、温度、湿度、照度に関わらず、予定通りの品質で画像を書き込むことができる画像表示装置(電子ペーパー)と画像書き込み装置(電子ペーパー書き込み装置)を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、画像表示媒体と、前記画像表示媒体の内部に設けられ、外部から所定の電波信号が供給されると、それをエネルギー源として、前記画像表示媒体内部の物理量を検出し、検出した物理量を反映する属性を有した電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段とを具備し、前記画像表示媒体は、被電圧印加部を有し、外部から画像が照射されると共に前記被電圧印加部において電圧が印加されることにより、画像が記録される電子ペーパーであることを特徴とする画像表示装置を提供する。
この画像表示装置によれば、ワイヤレス測定手段が画像表示装置内部の物理量を検出して、その物理量を反映する属性を有した電波信号を出力する。そのため、閉鎖状態にある画像表示装置内部の物理量を検知することができる。
また、前記物理量は温度、湿度及び前記画像表示媒体が外部から受ける照度のうち少なくとも1つである。また、前記ワイヤレス測定手段は、電波を受信して機械振動を発生させる励振部と、前記励振部が発生した機械振動が伝達されて弾性表面波を発生するとともに、前記弾性表面波の属性が物理量によって変化する振動媒体部と、前記弾性表面波を電気信号に変換して電波信号として出力する送信部とを具備する。このようにすれば、温度、湿度、照度のうち少なくとも1つの物理量により属性が変化した弾性表面波が電波信号として出力される。
また、本発明は、請求項1から3いずれかに記載の画像表示装置に画像を書き込む画像書き込み装置であって、前記画像表示装置に画像を照射する画像照射部と、前記画像照射部が前記画像表示装置に画像を照射する際、前記被電圧印加部に電圧を印加する電圧印加部と、前記ワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信し、この受信した電波信号に基づいて前記画像表示媒体の物理量を検出する受信手段と、前記受信手段が検出した物理量を元に前記画像照射部の照射状態または前記電圧印加部の印加電圧の少なくともいずれか一方を制御する制御手段とを具備する画像書き込み装置を提供する。
この画像書き込み装置によれば、ワイヤレス測定手段から出力された電波信号から、画像表示装置内部の物理量(温度、湿度、照度)を解析し、電子ペーパーに印加する電圧を制御する。そのため、画像表示装置内部の物理量に関わらず、印加電圧を制御することで、画像表示装置への書き込みを行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る電子ペーパー及び電子ペーパーに画像を書き込む電子ペーパー書き込み装置について詳細に説明する。
[第1実施形態]
(1)電子ペーパーの構造
図1は本実施形態に係る電子ペーパー10の構成を示した図である。
電子ペーパー10は、下から透明基板18、透明電極19、表示素子層20が積層されて構成されている。さらに、表示素子層20の上には光導電層21、光吸収層22、透明電極23、透明基板24が積層されて構成されている。電極25は、図1では一体として示したが、実際には図2に示すように2枚に分離しており、それぞれが透明電極19および透明電極23と通電する。また、電子ペーパー10はフィルム材料等の素材で構成された表層部26によって全体をカバーするように構成されている。また、表層部26にはワイヤレスの温度センサ0が埋め込まれている。この温度センサ0によって電子ペーパー10内の温度を検知することができる。
透明基板18、透明基板24としては、ガラス製又はプラスチック製の公知の透明基板を適宜使用することができ、プリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム系のフィルムのフレキシブル基板を用いることもできる。なお透明基板の厚さは100μmから500μm程度が好適である。
また、透明電極19、透明電極23としては、ITO(Indium―Tin―Oxide)電極が好適である。また、表示素子層20は、マイクロカプセル化したコレステリック液晶等で構成される。本実施形態においては、コレステリック液晶を用いた場合について説明する。
光導電層21は、例えば、電荷輸送製材料からなる電荷輸送層(CTL)の上層側と下層側との両方に電荷発生層(CGL)を設けたデュアルCGL構造の有機光導電体より構成されるのが好ましい。また、光導電層21は、少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、電荷発生層の各層をこの順に積層して構成されている場合は、表示素子層20への交流電圧の印加が可能になり、表示素子層として汎用的な液晶材料を用いることができるため望ましい。
ここで、図3は画素毎の等価回路であり、図示のように表示素子層20は、抵抗成分RLCと静電容量成分CLCの並列回路によって表され、光導電層21は抵抗成分ROPCと静電容量成分COPCの並列回路によって表される。電子ペーパー10に画像が書き込まれる際は、図1に示すように、電子ペーパー10の下方から画像に対応した光が照射される。この状態で透明電極19,透明電極23間に電極25を介して電圧(パルス電圧)が印加されると、光導電層21の各画素に対応する部分には、画像に応じた(照射光量に応じた)インピーダンス変化が生じる。すなわち、等価回路で言えば、光導電層21の抵抗成分ROPCの値が画素毎の照射光量に応じて変わり、これにより、光導電層21と表示素子層20の分圧比が変化し、この分圧比に応じたコントラストの違いが表示素子層20に生じる。このコントラストの差によって画像が目視できることになる。
(2)電子ペーパー書き込み装置の構造
図4には電子ペーパー10に画像を書き込む電子ペーパー書き込み装置30の概略図を示す。電子ペーパー10は電子ペーパー書き込み装置30に密着させて載置するが、説明をわかりやすくするために便宜上離間させて表示している。図4に示すように、電子ペーパー書き込み装置30は、制御部40、電子ペーパー10に画像を照射する画像照射部32を備えている。
画像照射部32は制御部40から入力された画像データに応じた光のパターンを生成し、生成した光のパターンを電子ペーパー10に照射する。画像照射部32は、例えば、液晶表示デバイス、CRT(Cathode Ray Tube)やFED(Field Emission Display)、蛍光表示素子、プラズマ発光素子、エレクトロ・ルミネッセンス発光素子、LED発光素子などを2次元的に配列した自発光型のディスプレイなどによって構成される。本実施形態においては、LEDアレイと液晶パネルを組み合わせた発光素子を用いた場合を示す。
また、電子ペーパー書き込み装置30は駆動パルス電圧生成部36、駆動パルス電圧印加部34とを備えている。駆動パルス電圧生成部36は制御部40に接続されており、制御部40から入力された駆動波出力のためのトリガ信号(駆動信号)を検知して駆動パルス電圧を生成し、駆動パルス電圧印加部34を介して電子ペーパー10の透明電極19、透明電極23に印加する。
また、電子ペーパー書き込み装置30は発信部111、受信部112を備えている。発信部111、受信部112はそれぞれ制御部40に接続されており、発信部111は制御部40から電波発信信号を受信すると、温度センサ0に向けて電波信号を発信する。また、受信部112は温度センサ0から電波信号を受信すると、制御部40にその電波信号を含む電波受信信号を送信する。
制御部40は、インターフェース等の入出力部41、CPU(Central Processing Unit)42、ROM(Read Only Memory)43、RAM(Random Access Memory)44等を具備して構成されている。CPU42は入出力部41を介して、各部への制御を行う。ROM43には、電子ペーパー書き込み装置30を制御するプログラムを始め、温度センサ0が検知した結果に基づいて温度を算出する演算機能等を実行するためのプログラム及び算出された温度を元に駆動パルス電圧生成部36が生成する電圧を制御するプログラムが記憶されている。RAM44は、前記プログラムを実行する際のワークエリアとして利用される。また、記憶部45には、受信部112から受信した電波信号の周波数の変化分から温度を算出するためのテーブル(または演算式)が記憶されている。
また、記憶部45には制御情報INF45aが格納されている。制御情報INF45aには、電子ペーパー10に画像を書き込むに際して、電子ペーパー10内部の温度に対する印加電圧の値が設定されている。
ここで電圧の最適値について図5を用いてより詳細に説明する。
図5は電子ペーパーへの記録時の光量と反射率との関係を示した図である。図5(a)に示す曲線d1と曲線d2は、通常の温度t1と通常の温度よりも低い温度t2の条件下にある電子ペーパーのそれぞれに、同じ電圧を印加して画像を書き込んだときの反射率を示す。図5(a)から明らかなように、通常の温度t1よりも低い温度t2で画像が書き込まれた場合、照射光量の大小によらず、温度t1のときより反射率が低い。例えば光量がx1であるときの反射率の値を比較すると、反射率はy2からy1に低下する。反射率が低いと、コントラストが低下し画像が暗くなり好ましくない。
一方図5(b)は同じ温度条件下にある電子ペーパーに印加する電圧を変えることにより、電子ペーパーが反射する光量の反射率が変化することを示す。つまりある温度条件下で電子ペーパーに書き込みを行う場合、書き込みを行う際に印加する電圧を上げることにより、反射率があがる。図5(b)の場合は、光量x1であるときの反射率を比較すると、反射率がy1からy2に上がる。
記憶部45に記憶されている制御情報INF45aは、図5に示す関係に基づいて、電子ペーパー10内部の温度に対応した最適な印加電圧値が記憶されている。本実施形態の場合は、テーブルによって記憶されているが、これは数式によって記憶されていてもよい。
また、制御部40は、パーソナル・コンピュータ等の外部機器と接続されており、外部から入力された画像データを元に画像照射部32を制御し、画像照射を行い、電子ペーパー10に画像書き込みを行う。
(3)ワイヤレスの温度センサ
(3―1)温度センサの構造
ここで、温度センサ0の構成および動作について説明する。
まず、本実施形態に用いられるワイヤレスの温度センサ0の基本構成について説明する。
ワイヤレスの温度センサ0は、図6に示すように、基台となる基板1と、該基板1上に形成され、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)が伝播する誘電体薄膜2と、誘電体薄膜2上に形成され、電気信号から弾性表面波又は弾性表面波から電気信号に変換する変換部としての一対の櫛型電極(IDT:Inter-digital Transducer)3A,3Bと、この一対の櫛型電極3A,3Bの一方にインピーダンスマッチング部5A,5Bを介して接続され、外部の送受信部との間で電波信号の授受を行う送受信部としてのアンテナ4A,4Bと、一対の櫛型電極3A,3Bの他方に接続されたグランド6A,6Bと、基板1の裏面に形成され、グランド6A,6Bにスルーホール(図示しない)を介して接続されたグランド電極7とを具備して構成されている。
この温度センサ0における弾性表面波の周波数は、櫛型電極3A,3Bおよびインピーダンスマッチング部5A,5Bの形状で設定される。一般には、誘電体薄膜2上に発生する弾性表面波の周波数は、400〜800MHzの範囲となる。
(3−2)温度センサの材質
次に、温度センサ0を構成する部材の材質について述べる。
温度センサとして使用するためには、図6に示した誘電体薄膜2の材料にLiNbO3を使用する。このLiNbO3の結晶は、弾性表面波の伝搬速度が温度変化に対して敏感に変化する材質で、その温度係数は約75×10-6/℃となる。この温度における伝搬速度の変化は、弾性表面波の周波数を変化させることになる。例えば、実験においては、温度が約100℃変化することにより、弾性表面波の中心周波数f0に対して約0.2〜0.3%程度周波数が変化する結果を得ている。
ここで、アンテナ4A,4B、インピーダンスマッチング部5A,5Bおよび櫛型電極3A,3Bは、外部から送信される電波信号の中心周波数f0の機械振動を発生するため、受信部112により受信した電波信号の強度は、周波数の変化によりシフトされることになる。この温度センサ0は、温度変化に応じて受信部112における受信信号の強度が線形に変化する結果を得る。
また、櫛型電極3A,3B、アンテナ4A,4B、インピーダンスマッチング部5A,5Bおよびグランド6A,6Bは、導電パターンにより一体的に形成される。この導電パターンの材料としては、Ti,Cr,Cu,W,Ni,Ta,Ga,In,Al,Pb,Pt,Au,Ag等の金属、またはTi−Al,Al−Cu,Ti−N,Ni−Cr等の合金を、単層もしくは2層以上の多層構造に積層することが好ましく、特に金属としてはAu,Ti,W,Al,Cuが好ましい。また、この金属層の膜厚は、1nm以上10μm未満とすることが好ましい。
(3−3)温度センサの測定動作
次に、基本的な測定動作について説明する。なお、図6(a)に示す温度センサ0の平面図において、便宜上、信号が図面向かって左側から右側に移動するものとするが、実際には信号の流れには方向性がある訳ではない。
この温度センサ0は、発信部111との間、受信部112との間で電波信号の授受を行う。発信部111から送信される電波信号はアンテナ4Aで受信され、この信号により櫛型電極3Aが誘電体薄膜2を励振して機械振動を発生させる。この機械振動は、誘電体薄膜2表面に弾性表面波を発生させる。この弾性表面波は、櫛型電極3Aから櫛型電極3Bに向けて移動し、櫛型電極3Bに到達した弾性表面波は、櫛型電極3Bで電気信号に変換されてアンテナ4Bを経由して送信される。受信部112は、温度センサ0からの電波信号を受信する。
誘電体薄膜2の表面に発生する弾性表面波は、この誘電体薄膜2に加わった温度の変化によって、振幅、位相差、周波数等(属性)が変化する。この弾性表面波を受信した受信部112は、この電波信号を電気信号に変換して制御部40に伝送する。制御部40では、この電気信号を解析することにより、温度センサ0が受ける温度を計測することが可能となる。
(4)第1実施形態の動作
次に図4及び図7に基づき、第1実施形態の動作について説明する。
電子ペーパー10が画像照射部32上にセットされ、図示されない操作部によりユーザが画像書き込み指示を行うと、制御部40は図7に示す処理ルーチンを起動する。
図7に示すようにまず、制御部40は発信部111から電波信号を送信する(ステップSA2)。これにより、温度センサ0は周囲の温度に対応した周波数を有する電波を生成して出力する。そして温度センサ0から送信された電波を受信部112が受信し、受信部112から制御部40に受信信号が出力されると(ステップSA4;YES)、制御部40は記憶部45に記憶されたテーブルから温度センサ0によって計測された温度を求める(ステップSA6)。さらに、この結果をRAM44に記憶する(ステップSA8)。そして制御部40は温度センサ0が検知した電子ペーパー10内部の温度に応じた印加電圧を求め、駆動パルス電圧生成部36に出力する(ステップSA10)。この結果、駆動パルス電圧生成部36は、電子ペーパー10の内部温度に応じた電圧を透明電極19、23間に印加する。このように、電子ペーパー10内部の温度条件に応じ印加する電圧を変えることができるので、温度に関わらず、最適なコントラストを得ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、電子ペーパー10内部に温度センサ0を設けることで、電子ペーパー10内部の温度を検知することができ、電子ペーパー10外部の温度を基準にしたときに比べ、より最適な電圧値を設定することができる。また、温度センサ0はワイヤレスであるため、ケーブルを配設する必要がない。そのため、電子ペーパー10を一定個所にとどめておくことなく、画像を書き込んだ後、ケーブル接続を危惧することなく、自由に持ち歩くことができる。
[第2実施形態]
第1実施形態においては、電子ペーパー10内部に1つの温度センサ(1つの周波数に対応した温度センサ)を配置した場合を示したが、電子ペーパー10内部に複数の温度センサを設けるようにしてもよい。なお第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
(1)複数の温度センサ
複数の温度センサについて図8を用いて説明する。
図8に示すように、温度センサ0´は、形状の異なる櫛型電極3A−1,3B−1…3A−4,3B−4が形成されている。この温度センサ0´においては、外部から送信される電波信号の周波数により複数の周波数に対応した弾性表面波が誘電体薄膜2上に発生する。
例えば、櫛型電極3A−1,3B−1およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf1、櫛型電極3A−2,3B−2およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf2、櫛型電極3A−3,3B−3およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf3、櫛型電極3A−4,3B−4およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf4とする。
なお、この図8では、グランドおよびグランド電極の図示は省略して描いている。
ここで、外部の発信部111から周波数f1の電波信号が送信されると、櫛型電極3Aでは、この周波数f1に対応した櫛型電極3A−1が機械振動を発生し、この機械振動によって誘電体薄膜2上に弾性表面波が発生する。この弾性表面波が櫛型電極3B−1に伝達される。櫛型電極3B−1に伝達される弾性表面波は、温度の影響を受けてその属性が変化する。一方、他の櫛型電極3A−2,3B−2〜3A−4,3B−4においては、周波数f1に同調していないので、弾性表面波の発生やこれに基づく電波信号の送信は行われない。即ち、これらの櫛型電極3A−2,3B−2〜3A−4,3B−4は、各々周波数f2,f3,f4に同調するように設定されており、このため、周波数f2の電波を温度センサ0´に送信した場合には、櫛型電極3A−2→3B−2という経路で弾性表面波が伝達され、この弾性表面波に対応した電波信号がアンテナ4Bを経由して出力される。
同様に、周波数f3の電波信号を温度センサ0´に送信した場合には、櫛型電極3A−3→3B−3という経路で弾性表面波が伝達されてアンテナ4Bを経由して出力され、周波数f4の電波信号を温度センサ0´に送信した場合には、櫛型電極3A−4→3B−4という経路で弾性表面波が伝達されてアンテナ4Bを経由して出力される。
従って、周波数f1,f2,f3,f4の順で温度センサ0´に電波を送信すれば、これらに対応する応答信号を得ることができる。またこの場合、櫛型電極3B−1,3B−2,3B−3,3B−4(出力側)から出力される信号の変化帯域(温度による変化の幅)を重複しないように設定しておけば、周波数f1〜f4を同時に温度センサ0´に出力しても、その応答信号として出力される4つの信号を分離して解析することができる。
ここで、4カ所の測定対象a〜dに個々に配置された温度センサ0−1,0−2,0−3,0−4とする。具体的には、温度センサ0は、弾性表面波の周波数が、櫛型電極3A,3Bの形状で設定されるため、温度センサ0−1には、図8に示した温度センサ0´の櫛型電極3A−1,3B−1が形成され、温度センサ0−2には温度センサ0´の櫛型電極3A−2,3B−2が形成され、温度センサ0−3には温度センサ0´の櫛型電極3A−3,3B−3が形成され、温度センサ0−4には温度センサ0´の櫛型電極3A−4,3B−4が形成されるものとする。これにより、弾性表面波の周波数は、温度センサ0−1がf1、温度センサ0−2がf2、温度センサ0−3がf3、温度センサ0−4がf4となる。即ち、受信する電波信号の周波数f1〜f4によって温度センサ0−1〜0−4が特定されることになる。
そして、周波数f1の電波信号では測定位置aに配置された温度センサ0−1による測定が、周波数f2の電波信号では測定位置bに配置された温度センサ0−2による測定が、周波数f3の電波信号では測定位置cに配置された温度センサ0−3による測定が、周波数f4の電波信号では測定位置dに配置された温度センサ0−4による測定が可能となる。
このような温度センサ0−1〜0−4を電子ペーパー10内部の随所、例えば4隅に配置する。このように複数の温度センサを配置することにより、1箇所に温度センサを配置した場合に比べ、電子ペーパー10の温度を偏りなく検知する事ができ、より最適な電圧を印加することができる。なお以下の説明において温度センサ0−1〜0−4を総称して示す場合は単に温度センサという。
(2)第2実施形態の動作
次に図9〜図11を用いて、第2実施形態の動作について説明する。
図9は温度センサ、発信部111、受信部112及び制御部40のブロック図である。
ここでROM43には、前述した機能に加え、複数の温度センサ0−1〜0−4を認識するために、設定周波数f1〜f4近傍を抽出するBPF(バンドパスフィルタ)機能が格納されている。
制御部40の動作を図10に示す。図10に示すように、制御部40は発信部111から電波信号を送信する(ステップSB2)。このとき発信部111は前述のように、温度センサに周波数f1、f2、f3およびf4の矩形状波を混合した電波を発信する。そして温度センサから送信された電波を受信部112が受信し、受信部112から制御部40に電波受信信号が送信されると(ステップSB4;YES)、制御部40は温度測定処理を行う(ステップSB6)。この温度測定処理により、制御部40は電子ペーパー10内部の4箇所の温度を検知する。そして、制御部40は温度センサ0−1〜0−4が検知した温度に対して平均値を求め、平均値から電子ペーパー10の温度を特定する。そして、特定した温度に応じた印加電圧を求め、駆動パルス電圧生成部36に出力する(ステップSB8)。
図11を用いて温度測定処理の動作を説明する。
図10に示したステップSB4において、制御部40が受信部112から受信する信号は、温度センサから送信された異なる周波数が混合した電波信号である。まず、制御部40は図示しないカウンタを「n=0」に設定する(ステップSC2)。制御部40は、周波数f1近傍を抽出するBPF処理を行い(ステップSC4)、予め記憶部45に記憶されたテーブルから温度センサ0−1によって計測された温度を算出する(ステップSC6)。さらに、この結果をRAM44に記憶する(ステップSC8)。
制御部40はカウンタを歩進して「n=n+1」とする(ステップSC10)。このnが4以上になったか否かを判定する(ステップSC12)。この判定で、カウンタ値「4」未満の場合には各センサからの測定が終了していないために、ステップSC4以降の処理を続行する。
以上のような操作を行い、カウンタ値が「4」に達した場合には、4個のセンサに対しての測定結果が算出されたものとして、図10のルーチンにリターンする(ステップSC14)。
以上説明したように、本実施形態によれば、電子ペーパー10内部における複数箇所の温度を検知することができる。例えば、書き込みを行う電子ペーパー10が比較的大きなサイズである場合、電子ペーパー10の両端に温度差が生じる。その際、電子ペーパー10内部に設置した温度センサが1つであると、設置した温度センサ付近に対する印加電圧は最適な電圧であっても、他の箇所においては、その印加電圧は最適ではなく、結果的に電子ペーパー10全体として予定した品質の画像を書き込むことができないという事が起こる虞がある。しかし、電子ペーパー10内に複数の温度センサを設け、それらの温度センサが検知した温度に対して平均値等を求め、平均値から電子ペーパー10の温度を特定することで、最適な印加電圧を求めることができ、より確実に画像を書き込むことができる。
[その他の実施形態]
(1)
電子ペーパー10内部に配置するワイヤレスセンサは温度センサに限らず、湿度センサ及び照度センサであってもよい。
(1―1)湿度センサ
第1実施形態においては電子ペーパー10内部の温度によって画像の書き込まれ方に変化が生じる場合を示したが、湿度によっても画像の書き込まれ方に変化が生じる。
図12は電子ペーパーへの記録時の光量と反射率との関係を示した図である。図12(a)に示す曲線d3と曲線d4は、通常の湿度h1と通常の湿度よりも高い湿度h2の条件下にある電子ペーパーのそれぞれに、同じ電圧を印加して画像を書き込んだ電子ペーパーの反射率を示す。図12(a)から明らかなように、通常の湿度h1よりも高い湿度h2で画像が書き込まれた場合、例えば光量がx1であるときの反射率の値を比較すると、反射率はy2からy1に低下する。
一方図12(b)は同じ湿度条件下にある電子ペーパーに印加する電圧を変えることにより、電子ペーパーが反射する光量の反射率が変化することを示す。つまりある湿度条件下で電子ペーパーに書き込みを行う場合、書き込みを行う際に印加する電圧を上げることにより、反射率が上がる。図12(b)の場合は、光量x1であるときの反射率を比較すると、反射率がy1からy2に上がる。
そこで、湿度センサを電子ペーパー10内部に設け、湿度センサが検知した湿度を元に印加する電圧を変えて電子ペーパー10に画像を書き込む場合を説明する。
前述した温度センサ0に代えて湿度センサを使用する場合、図6に示した誘電体薄膜2の材料にLiTaO3を使用する。このLiTaO3の結晶は、弾性表面波の伝搬速度が温度変化に対して変化が少ない材質で、その温度係数は約18.0×10-6/℃となる。LiNbO3の結晶に対して温度係数は約1/4と小さく10℃の温度変化に対してSAWの変化率は0.005%程度となる。
また、LiTaO3の表面に酢酸セルロースの薄膜を約10μmでスピンコートにより形成する。この酢酸セルロースは吸水性を持ち、湿度10%〜70%RH(相対湿度パーセント)の間に比誘電率が約50%変化する性質を有する。このように誘電率の変化する膜をLiTaO3上に形成することにより、例えば、実験においては、湿度が10%〜70%変化することにより、弾性表面波の速度に約0.06%の変化が得られている。また、測定対象物の温度変化が著しい場合、温度センサとの併用で補正することも可能となる。
以上のように、湿度センサとしてワイヤレスセンサを用いた場合には、実験結果から中心周波数f0に対して約0.06%程度周波数が変化することが検知されている。
また、櫛型電極3A,3Bの形状及び大きさは、外部の発信部(発信部111)から送信される電波の中心周波数f0に合わせたBPFとして機能させるため、受信部(受信部112)により受信した電波の強度は、周波数の減衰によりシフトされることになる。このワイヤレスセンサでは、湿度変化に応じて受信部(受信部112)における受信信号の強度が線形的に変化する湿度センサを実現する。
このような湿度センサを温度センサ0に代えて電子ペーパー10内部に設ける。また、制御部40の構成として、ROM43には、湿度センサが検知した結果に基づいて湿度を算出する演算機能等を実行するためのプログラム及び算出された湿度を元に駆動パルス電圧生成部が生成する電圧を制御するプログラムが記憶されている。また、記憶部45に格納されている制御情報INF45aには、電子ペーパー10に画像を書き込むに際して、電子ペーパー10内部の湿度に対する印加電圧が設定されている。
以上のような構成において、制御部40は前述の図7に示した処理を行う。なお、ステップSA6における物理量は、ここでは湿度である。
このように湿度センサを電子ペーパー10内部に設け、印加する電圧を制御することにより、湿度に関わらず、最適なコントラストを得ることができる。
(1−2)複数の湿度センサ
以上のような湿度センサを電子ペーパー10内部に複数設けるようにしてもよい。つまり、図9に示した温度センサ0−1〜0−4を湿度センサに代え、電子ペーパー10内部に設けるようにする。そして、制御部40は前述の図10、図11に示した処理を行う。なお、図10のステップSB6及び図11のステップSC6における物理量は、ここでは湿度である。
このような構成によれば、電子ペーパー10全体の湿度を基準に電圧を印加することができるので、1箇所の湿度を基準に電圧を印加する場合に比べ、より確実に画像を書き込む事ができる。
(1−3)照度センサ
以上の説明においては、電子ペーパー10内部の温度、湿度によって電子ペーパー10に記録される画像の品質に変化が生じる場合を示したが、電子ペーパー10に画像照射部32が照射する露光量によっても画像の品質に変化が生じる。
図13は電子ペーパーへの記録時の光量と反射率との関係を示した図である。図13に示す曲線d5と曲線d6は、通常の電圧と通常の電圧よりも高い電圧を印加して画像を書き込んだときの反射率を示す。図13から明らかなように、通常の電圧で駆動している際、露光量L1よりも低い露光量L2で画像が書き込まれた場合、反射率がy1からy2に低下する。
一方書き込みを行う際に印加する電圧を上げることにより(曲線d6に相当)、反射率が上がる。光量L2であるときの反射率を比較すると、反射率がy2からy1に上がる。
そこで、照度センサを電子ペーパー10内部に設け、照度センサが検知した照度を元に印加する電圧を変えて電子ペーパー10に画像を書き込む場合を説明する。
図14は照度センサ100の構成を示している。照度センサ100は、前述した温度センサ0の櫛型電極の一方に、インピーダンス変換機及びフォトダイオードを形成したものである。これを照度センサとして使用するためには、図6に示した誘電体薄膜2の材料にLiTaO3を使用する。
ある照度(例えば、1000lx)を持った光がフォトダイオード108に加わると、この光量に対応してフォトダイオード108のインピーダンスが変化し、このインピーダンスの変化は櫛形電極103Bのインピーダンスとマッチングさせるインピーダンス変換器109を通して櫛型電極103Bに伝わる。ここで、櫛型電極103Bにおけるインピーダンス変化は、入力側の櫛型電極103Aから伝搬してきたSAWを櫛型電極103Bで反射させる際の反射強度を変化させる。櫛型電極103Aは、この反射SAWを再び受信し電磁波として外部に送信する。このように構成されたワイヤレスセンサにおいては、標準電界強度に対して約0.1%程度変化する。
このワイヤレスセンサは、光照度変化に応じて受信部における受信信号の強度が線形的に変化する照度センサが実現される。
このような照度センサ100を電子ペーパー10内部に設ける。また、制御部40の構成として、ROM43には、照度センサ100が検知した結果に基づいて照度を算出する演算機能等を実行するためのプログラム及び算出された照度を元に駆動パルス電圧生成部が生成する電圧を制御するプログラムが記憶されている。また、記憶部45に格納されているINF45aには、電子ペーパー10に画像を書き込むに際して、電子ペーパー10が受光する照度に対する印加電圧が設定されている。
以上のような構成において、制御部40は前述の図7に示した処理を行う。なお、ステップSA6における物理量は、ここでは照度である。
このように照度センサ100を電子ペーパー10内部に設け、印加する電圧を制御することにより、照度に関わらず、最適なコントラストを得ることができる。
(1−4)複数の照度センサ
以上のような照度センサ100を電子ペーパー10内部に複数設けるようにしてもよい。つまり、前述の温度センサ0−1〜0−4に代えて照度センサを電子ペーパー10内部に設けるようにする。そして、制御部40は前述の図10、図11に示した処理を行う。なお、図10のステップSB6及び図11のステップSC6における物理量は、ここでは照度である。
このような構成によれば、電子ペーパー10全体が受光する照度を基準に電圧を印加することができるので、1箇所の照度を基準に電圧を印加する場合に比べ、より確実に画像を書き込む事ができる。
(2)
前述したワイヤレスセンサ(温度センサ、湿度センサ、照度センサ)の各部の材質は、以下の材質であっても良い。
基板1の材料としては、Si,Ge,ダイアモンド等の単体半導体、ガラス、AlAs,AlSb,AIP,GaAs,GaSb,InP,InAs,InSb,AlGaP,AlLnP,AlGaAs,AlInAs,AlAsSb,GaInAs,GaInSb,GaAsSb,InAsSb等のIII-V系の化合物半導体、ZnS,ZnSe,ZnTe,CaSe,CdTe,HgSe,HgTe,CdS等のII−VI系の化合物半導体、導電性或いは半導電性の単結晶基板としてはNb,La等をドープしたSrTiO3,AlをドープしたZnO,In23,RuO2,BaPbO3,SrRuO3,YBa2Cu27-X,SrVO3,LaNiO3,La0.5Sr0.5CoO3,ZnGa24,CdGa24,MgTiO4.MgTi24等の酸化物、またはPb,Pt,Al,Au,Ag等の金属等が挙げられるが、既存の半導体プロセスとの適合性やコスト面から、Si,GaAs、ガラス等の材料を用いることが好ましい。
誘電体薄膜2の材料としては、SiO2,SrTiO3,BaTiO3,BaZrO2,LaAlO3,ZrO2,Y238%−ZrO2,MGO,MgAl24,LiNbO3,LiTaO3,AlVO3,ZnO等の酸化物、ABO3型のペロブスカイト型としてBaTiO3,PbTiO3,Pb1-XLaX(ZryTi1-y1-X/43(x,yの値によりPZT,PLT,PLZT),Pb(Mg0-3Nb2/3)O3,KNbO3等の正方系、斜方系或いは疑立方晶系材料、疑イルメナイト構造体としてLiNbo3,LiTaO3等に代表される強誘電体等、またはタングステンブロンズ型として、SrXBa1-XNb26,PbXBaXNb26等が挙げられる。この他に、Bi4Ti312,Pb2KNb515,K3Li2Nb515、さらに以上列挙した強誘電体の置換誘電体等から選択される。さらに、鉛を含むABO3型のペロブスカイト型酸化物が好適に用いられる。特に、これらの材料のうちLiNbO3,LiTaO3,ZnO等の材料は、弾性表面波の表面速度、圧電定数等の変化が顕著でより好ましい。誘電体薄膜2の膜厚は、目的に応じて適宜選択されるが、通常は0.1μmから10μmの間に設定される。
また、この誘電体薄膜2は、櫛型電極3における電気機械結合係数/圧電係数、或いはアンテナ4の誘電損失等の観点から、エピタキシャルまたは単一配向性を有することが好ましい。また、誘電体薄膜2上にGaAS等のIII−V族半導体或いはダイヤモンド等の炭素を含有する薄膜を形成してもよい。これにより、弾性表面波の表面速度、結合係数、圧電定数等が向上できる。
(3)
前述の実施形態において、複数のワイヤレスセンサ(温度センサ、湿度センサ、照度センサ)を用いた場合、各ワイヤレスセンサを識別する手段として、櫛型電極3A,3Bの形状及び大きさ異ならせて、誘電体薄膜に発生する表面弾性波の周波数を個々に設定し、この周波数で識別させるようにしている。センサを識別する手段はこれに限らず、櫛型電極の形状及び大きさを同形状にして櫛型電極間の離間距離d(図6参照)を異ならせることによっても実現することができる。
具体的には、櫛型電極間の離間距離を異ならせることで、誘電体薄膜上に発生する表面弾性波の時間が異なる。この点に着目して発信部の信号発信から受信部での信号受信までの時間を計測することによりセンサの識別化をはかっても良い。
(4)
なお、前述の実施形態においては、温度センサ、湿度センサ、照度センサをそれぞれ別々に電子ぺーパー10内に設置する場合を示したが、それらすべて又は2種類以上のセンサを設置するようにし、それらのセンサが検知した物理量から印加電圧を設定するようにしてもよい。
また、複数のセンサを設置する例として、前述の実施形態においては、4つのセンサを設置する場合を示したが、4つに限らず、電子ペーパー10への書き込みに支障がない程度ならば、数十個単位のセンサを設置するようにしてもよい。設置するセンサが多くなればなるほど、より適切な印加電圧を設定する事ができる。
(5)
また、前述の実施形態において、温度センサ0を用いた際、検知した温度を基準に制御部40が印加する電圧を制御する場合を示したが、画像照射部32が照射する露光量(LED光量)を制御するようにしてもよい。具体的には、LED光量は図15(a)に示すように環境温度によって低下する。しかし、図15(b)に示すように、LEDの駆動電流を増加させることによってLEDの露光量が増加する。従って、温度センサ0が検知した温度を基準に制御部40はLEDの駆動電流を制御するようにしてもよい。
(6)
また、ワイヤレスセンサが検知した物理量を、電子ペーパーに画像を書き込む時のみ利用するのではなく、電子ペーパー出荷時、電子ペーパーの密閉度検査に利用してもよい。例えば、製造した電子ペーパーを通常よりも高い湿度である場所に置き、ワイヤレスセンサが検知する湿度変化から、電子ペーパーが正常な密閉度で製造されたかどうかを検査する。正常に密閉されていないと、正常に密閉された場合に比べ、湿度変化が高くなる。このようにすることで、不良品の出荷を防止することができる。
本発明の第1実施形態における電子ペーパーの構成を示す図である。 同実施形態における透明電極を示した図である。 同実施形態における電子ペーパーの等価回路図を示した図である。 同実施形態における電子ペーパー書き込み装置を示す概略図である。 同実施形態における電子ペーパーが受光する光量と反射率の関係を温度を基準に示した図である。 同実施形態における温度センサの構成を示す図である。 同実施形態における制御部が行う手順を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態における温度センサの構成を示した図である。 同実施形態における温度センサと、制御部の構成を示したブロック図である。 同実施形態における制御部が行う手順を示したフローチャートである。 同実施形態における制御部が行う物理量測定処理の手順を示したフローチャートである。 本発明の他の実施形態における電子ペーパーが受光する光量と反射率の関係を湿度を基準に示した図である。 同実施形態における電子ペーパーが受光する光量と反射率の関係を電圧を基準に示した図である。 同実施形態における照度センサの構成を示した図である。 同実施形態における環境温度とLED光量との関係を示した図である。
符号の説明
0・・・温度センサ、3A,3B・・・櫛形電極、4A,4B・・・アンテナ、5A,5B・・・インピーダンスマッチング部、6A,6B・・・グランド、10・・・電子ペーパー、18・・・透明基板、19・・・透明電極、20・・・表示素子層、21・・・光導電層、22・・・光吸収層、23・・・透明電極、24・・・透明基板、30・・・電子ペーパー書き込み装置、111・・・発信部、112・・・受信部

Claims (4)

  1. 画像表示媒体と、
    前記画像表示媒体の内部に設けられ、外部から所定の電波信号が供給されると、それをエネルギー源として、前記画像表示媒体内部の物理量を検出し、検出した物理量を反映する属性を有した電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段と
    を具備し、
    前記画像表示媒体は、被電圧印加部を有し、外部から画像が照射されると共に前記被電圧印加部において電圧が印加されることにより、画像が記録される電子ペーパーであることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記物理量は温度、湿度及び前記画像表示媒体が外部から受ける照度のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 前記ワイヤレス測定手段は、電波を受信して機械振動を発生させる励振部と、
    前記励振部が発生した機械振動が伝達されて弾性表面波を発生するとともに、前記弾性表面波の属性が物理量によって変化する振動媒体部と、
    前記弾性表面波を電気信号に変換して電波信号として出力する送信部と
    を具備することを特徴とする請求項1または2記載の画像表示装置。
  4. 請求項1から3いずれかに記載の画像表示装置に画像を書き込む画像書き込み装置であって、
    前記画像表示装置に画像を照射する画像照射部と、
    前記画像照射部が前記画像表示装置に画像を照射する際、前記被電圧印加部に電圧を印加する電圧印加部と、
    前記ワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信し、この受信した電波信号に基づいて前記画像表示媒体の物理量を検出する受信手段と、
    前記受信手段が検出した物理量を元に前記画像照射部の照射状態または前記電圧印加部の印加電圧の少なくともいずれか一方を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする画像書き込み装置。
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