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JP2006259223A - 定着装置およびそれを用いる画像記録装置 - Google Patents

定着装置およびそれを用いる画像記録装置 Download PDF

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JP2006259223A JP2005076489A JP2005076489A JP2006259223A JP 2006259223 A JP2006259223 A JP 2006259223A JP 2005076489 A JP2005076489 A JP 2005076489A JP 2005076489 A JP2005076489 A JP 2005076489A JP 2006259223 A JP2006259223 A JP 2006259223A
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Abstract

【課題】画像光沢低下、画像傷、定着ムラ等を生じさせることなく、画像定着が可能で、かつ、定着ロールへの記録媒体の巻き付きを防止することができる定着装置および画像記録装置を提供すること。
【解決手段】対となって配置された第1定着ロールと第2定着ロールからなり、少なくとも一方が加熱ロールであり、かつ、少なくとも一方の定着ロールの表層が交換可能である定着ロール対と、貼着部材を備える貼着手段と、記録媒体および前記貼着手段の少なくとも一方を帯電させる帯電手段と、記録媒体の搬送方向先端部を把持部によって貼着手段に物理的に固定する固定手段とを有し、帯電手段により、貼着部材と記録媒体とを静電吸着させ、かつ固定手段により、記録媒体を貼着手段に固定させた後に、定着ロール対によって、貼着手段とともに挟持して搬送することにより、画像を定着させることにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、定着装置およびそれを用いる画像記録装置に関し、詳しくは、樹脂を含んだ粒子で記録媒体上に形成された画像を定着させる定着装置およびそれを用いる画像記録装置に関する。
インクジェットプリンタ、または、電子写真方式の複写機、プリンタ、若しくは印刷機などの画像形成装置によって、顔料等の色材と樹脂を含んだ色材粒子(着色微粒子)を用いて記録媒体上に形成された画像を定着させる装置としては、熱ロール定着方式に従った定着装置が一般的に使用されている。この熱ロール定着方式は、記録媒体上の色材粒子に定着ロールを当接させて加熱及び加圧することで、記録媒体上に形成された画像を定着させる画像定着方式であり、画像形成部に定着ロールを接触させるので、熱効率が良好で、迅速な画像定着を可能にする画像定着方式である。
このような、熱ロール定着方式の定着装置としては、特許文献1に、金属円筒表面に離型性樹脂層を有する定着ロールと、これに圧接する加圧ロールと、前記定着ロールの表面に離型剤を塗布、および表面を清掃する清掃部材の位置より定着ロール回転方向前部に、定着ロール表面上のトナーの高さを調整する部材を設けたことを特徴とする定着装置が開示されている。
また、定着装置としては、画像定着時に、定着ロール対の表面に画像部を形成する色材粒子が付着するのを防止するため、定着ロール対の一方のロール(以下、定着ロールとする)と当接してつれ回るオイルロールを介して離型剤を定着ロール対の一方のロールの表面に均一に塗布供給する離型剤供給装置を備える定着装置も知られている(特許文献2、特許文献3参照)。
ここで、特許文献3には、定着ロール、オイルロール、離型剤の帯電を防止するために、定着ロールに当接して回転し、定着ロールの表面に離型剤を塗布するオイルロールの表面を導電性材料により構成し、そのオイルロールの表面を電気的に接地する離型剤供給装置を備える定着装置が開示されている。
特開平11−249477号公報 特開平10−198212号公報 特開2001−125416号公報
ところで、画像が記録された記録媒体を挟持搬送して画像を記録媒体に定着させる従来の定着ロールは、長期にわたって使用すると表面に傷、へこみ、皺、ひび割れ等の障害が発生し、記録媒体に定着した画像に画像光沢低下、画像傷、定着ムラ等が生じることがある。
これに対して、特許文献1によれば、清掃部材より定着ロール回転方向手前に、オフセットトナーの塊の高さを、定着ロールと清掃部材のフェルトが接する入口に掛からない高さまで潰して抑える弾性体ロール、またはオフセットトナーの塊の高い部分を拭き取って押さえる回転ブラシを設けることにより、オフセットトナーは定着ロールに接するフェルト面で分散して拭き取られ、定着ロールの離型性樹脂層の部分的磨耗が生じることはなく、定着ロールの寿命は従来より長くなり、電子写真装置の信頼性を高めることができるとしている。
しかしながら、特許文献1に開示された定着装置も、長期間使用すると、使用とともに、表面に傷、へこみ、皺、ひび割れ等の障害が発生し、画像光沢低下、画像傷、定着ムラ等の問題は生じる。
また、上記問題は、定着ロール自体を交換すことで解決することができるが、定着ロールを交換すると、コストが高くなり、交換作業も容易ではないという問題がある。
また、特許文献2に開示の定着装置では、定着ロールの表面にシリコーンオイル等の離型剤を安定して均一に塗布することで、定着時に、定着ロールに記録媒体の付着を防止し、高画質のコピー画像を高い信頼性の下で作製することができるとされている。しかしながら、定着を行う記録媒体の種類によって、特に薄紙に形成された画像を定着する場合は、定着ロールの表面に離型剤を塗布しても定着ロールに記録媒体が付着し、ジャムが発生してしまう可能性がある。
特に、静電式のインクジェット記録装置では、画像記録に用いる色材粒子の平均粒子径が1μm前後と通常の電子写真方式に用いるトナー粒子径よりも小さく、仕上がり画像に表面光沢を持たせる場合は、特に定着ロール表面を画像に密着させて平滑化させるので、定着ロール表面と画像との密着性が上がり定着ロール表面への巻き付きが発生し易くなるという問題がある。また、特許文献3に開示の定着装置のようにオイルロールの表面を電気的に接地させた場合も同様に記録媒体の巻き付きが発生する可能性がある。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決し、長期間使用する場合も、画像光沢低下、画像傷、定着ムラ等を生じさせることなく、画像定着が可能で、かつ、定着を行う記録媒体の種類に係わらず、定着ロールへの記録媒体の巻き付きを防止することができる定着装置およびそれを用いる画像記録装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、少なくとも樹脂を含有する粒子を用いて記録媒体上に描画された画像を前記記録媒体上に定着する定着装置であって、第1定着ロールおよび前記第1定着ロールと対になって配置された第2定着ロールからなり、少なくとも一方が加熱ロールであり、かつ、少なくとも一方の定着ロールの表層が交換可能である定着ロール対と、前記記録媒体を貼着させる貼着部材を含む貼着手段と、前記記録媒体および前記貼着手段の少なくとも一方を帯電させる帯電手段と、前記記録媒体の搬送方向先端部を把持部によって前記貼着部材の所定位置に物理的に固定する固定手段とを有し、前記帯電手段により、前記貼着部材と前記画像が描画された前記記録媒体とを静電吸着させ、かつ、前記固定手段により、前記画像が描画された前記記録媒体の先端部分を前記貼着部材の所定位置に固定させた後に、前記定着ロール対によって、前記記録媒体を前記貼着手段とともに挟持して搬送することにより、前記画像を前記記録媒体上に定着させる定着装置を提供するものである。
ここで、前記貼着手段は、第1ベルトロールと、第2ベルトロールと、前記第2定着ロール、前記第1ベルトロールおよび前記第2ベルトロールにより張架された無端ベルトとを含み、前記無端ベルトが前記貼着部材であることが好ましい。
また、前記固定手段は、前記第2定着ロールと同軸で、その両端よりも外側の位置に配置される1対の第1スプロケット対と、前記第1ベルトロールと同軸で、その両端よりも外側の位置に配置される1対の第2スプロケット対と、前記第2ベルトロールと同軸で、その両端よりも外側の位置に配置される1対の第3スプロケット対と、前記第1スプロケット対、前記第2スプロケット対および第3スプロケット対に巻き掛けられたチェーンとを含み、前記把持部は、前記記録媒体の搬送方向に垂直に前記チェーンに取り付けられており、前記記録媒体の先端部分を複数箇所で把持することが好ましい。
または、前記貼着手段は、前記記録媒体の搬送方向において前記定着ロール対の上流側に設けられた第1ベルトロールと、前記記録媒体の搬送方向において前記定着ロール対の下流側に設けられた第2ベルトロールと、前記第1ベルトロールおよび前記第2ベルトロールにより張架され、前記定着ロール対の間に狭入された無端ベルトとを含み、前記無端ベルトが前記貼着部材であることが好ましい。
また、前記固定手段は、前記第2定着ロールと同軸で、その両端よりも外側の位置に配置される1対の第1スプロケット対と、前記第1ベルトロールと同軸で、その両端よりも外側の位置に配置される1対の第2スプロケット対と、前記第2ベルトロールと同軸で、その両端よりも外側の位置に配置される1対の第3スプロケット対と、前記第1スプロケット対、前記第2スプロケット対および第3スプロケット対およびに巻き掛けられるチェーンとを含み、前記把持部は、前記記録媒体の搬送方向に垂直に前記チェーンに取り付けられており、前記記録媒体の先端部分を複数箇所で把持することが好ましい。
ここで、前記無端ベルトは、前記記録媒体との接触面を構成する絶縁層と、前記絶縁層の前記記録媒体との接触面と逆側の面に設けられた導電層とを有することが好ましい。
また、前記記録媒体の画像が描画された面と接触する前記定着ロールの表層が交換可能であることが好ましい。
また、前記定着ロールは、円筒形状の胴部と、前記胴部表面に止着される交換可能な定着シートとで構成されることが好ましい。
また、前記定着シートは、剛性を有する支持体上に少なくとも1層以上の弾性を有する層が形成された構造を有することが好ましい。
さらに、前記胴部は、前記定着シートを前記胴部に物理的に止着する止着部材を付装する凹部を有することが好ましい。
さらに、前記定着ロールの中心に前記定着ロールを加熱する加熱手段を有することが好ましい。
さらに、前記定着ロールの表面近傍に前記定着ロールを加熱する加熱手段を有することが好ましい。
さらに、前記定着ロール対の記録媒体の搬送方向下流側に配置され、前記記録媒体を除電する除電手段を有することが好ましい。
さらに、前記第1定着ロールに離型剤を塗布する離型剤塗布手段を有することが好ましい。
さらに、前記第1定着ロールの表面の異物を除去するクリーニング手段を有することが好ましい。
また、前記粒子が少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子であることが好ましい。
また、前記粒子の平均粒子径が、0.5〜1.2μmの範囲内であることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、上記のいずれかに記載の定着装置と、前記定着装置の前記記録媒体の搬送方向の上流側に設けられる、帯電した前記色材粒子を溶媒に分散させたインクを用いる静電式インクジェット描画手段とを有し、前記静電式インクジェット描画手段によって前記記録媒体に記録された画像を前記定着装置により記録媒体上に定着する画像記録装置を提供する。
本発明によれば、記録媒体の搬送方向先端部を固定手段により固定し、かつ、記録媒体を貼着部材と静電吸着させ、貼着部材とともに記録媒体を定着ロール対に挿入し、画像の定着を行うことで、画像定着時に記録媒体が定着ロールに巻き付くことを防止することができる。また、記録媒体の先端部分を固定することで、記録媒体の先端がカールし浮き上がった状態、または折れまがっている状態等の定着ロールに巻き付きやすい場合も、巻き付きを防止することができる。
さらに、定着ロールの表面を交換可能な構造とすることですることで、記録媒体との接触部分の劣化を防止でき、長時間使用した場合も定着ロールの表面を交換することで、表面に傷、へこみ、皺、ひび割れ等の障害のない定着ロールで画像を定着させることができ、さらに装置コストを低くすることができる。
これにより、画像光沢低下、画像傷、定着ムラのない画像を記録媒体に定着させることができ、かつ、記録媒体の種類に係わらず、ジャムを起こすことなく好適に画像定着を行うことができる。
本発明に係る定着装置および画像記録装置を添付の図面に示される好適な態様に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の態様の定着装置10を用いる第2の態様の画像記録装置8の概略構成を示す模式図である。
画像記録装置8は、画像形成装置9と、定着装置10とから構成される。さらに、定着装置10は、記録媒体Pを挟持搬送する定着ロール対12と、記録媒体Pを貼着させる搬送ベルト17を有する貼着手段13と、記録媒体Pの先端部分を搬送ベルト17の所定位置に物理的に固定する固定手段14と、ガイド16と、搬送ベルト17を帯電させる帯電手段56と、搬送ベルト17および記録媒体Pを除電する除電手段58とから構成される。
ここで、ガイド16は、画像形成装置9と定着ロール対12との間に設けられ、画像形成装置9から排出された記録媒体Pを定着ロール対12に案内する。
本発明の定着装置は、記録媒体Pとしては、普通紙、上質紙、微塗工紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙等の紙類や、印刷用のフィルム等の各種記録媒体を制限なく用いることができる。また、記録媒体Pの形状は、特に制限的ではないが、以下では、一般的に用いられる矩形の記録媒体Pを例にして説明する。
画像形成装置9は、顔料等の色材と樹脂を含む色材粒子を用いて、記録媒体Pに画像を形成するものである。図1においては、図1中左から右へ、図示しない搬送手段によって搬送される記録媒体Pの上側の面に画像を形成することができる。画像形成装置9としては、各種の画像形成方式(画像記録方式)を用いて画像を形成する装置を利用することができる。例えば、顔料等を含む粒子(色材粒子)及び溶媒を含有するインクを用い、インクジェット方式によってインクを吐出して記録媒体にインク画像を形成する、静電式、サーマル式、ピエゾ式等、各種インクジェット方式や、トナーを用いて画像を形成する電子写真方式等を用いて画像を形成する装置が利用可能である。
定着装置10は、画像形成装置9によって記録媒体P上に形成された画像を、以下に説明する手段及び方法で定着させることができる。ここで、定着装置10内部で、記録媒体Pが搬送される搬送経路は、ガイド16、後述する貼着手段13および固定手段14とによって定められる。以下、図1に示す定着装置10について詳しく説明する。
定着ロール対12は、一対の定着ロールから構成され、少なくとも一方の定着ロールは、内部またはロール表面近傍に加熱源を有し、ロール表面を所定の温度にする。図1に示す本実施形態の定着ロール対12は、基本的に第1定着ロールである加熱ロール20および第2定着ロールである加圧ロール22とから構成される。
ここで、加熱ロール20および加圧ロール22は、その表層が交換可能である。
加熱ロール20は、基本的に定着胴28と、定着胴28の外周面に周設された定着シート30とで構成される。さらに、加熱手段として、定着胴28の内側の略軸心には、定着胴28を貫通して、ヒータ24が配置されている。
図2は、定着胴28の形状を模式的に示した斜視図であり、図3(A)は、定着シート30の形状を模式的に示した斜視図であり、図3(B)は、定着シート30の層構成を模式的に示す断面図であり、図4は、加熱ロール20の概略構成を示した断面図であり、図5は、加熱ロール20の層構成を模式的に示した拡大図である。
定着胴28は、中空の円筒形状を有し、剛性を有する金属、例えばアルミニウム等で形成される。定着胴28の外周面には、回転軸の軸方向に沿って凹部29が設けられている。
凹部29には、所定間隔毎に複数の穴32が形成されている。
図3(A)に示すように、定着シート30は、一辺が定着胴28の軸方向と略同じ長さとなり、他辺が、定着胴28の円周よりも所定長さ長い矩形のシート形状を有し、定着シート30の定着胴28の軸方向と略同じ長さ側の両辺の周縁には、所定間隔毎に複数の穴34が形成されている。また、図3(B)に示すように、支持体30aの表面に弾性層30bが設けられ、その弾性層30bの表面には中間層30cが設けられ、中間層30cの表面にはコート層30dが設けられた積層体である。
ここで、支持体30a、弾性層30b、中間層30c、コート層30dの構成は、特に限定はなく、種々の材料を用いることができる。一例として、本実施形態の定着シート30は、支持体30aが、厚さ0.1mmのステンレススチールで形成され、弾性層30bが、厚さ3mmm、ゴム硬度JIS A 10、表面粗さRa=10μmのシリコンゴムで形成され、中間層30cが、厚み50μm、ゴム硬度JIS A 70、表面粗さRa=5μmのフッ素ゴムで形成され、コート層30dは、厚み50μm、ゴム硬度JIS A 70、表面粗さRa=0.2μmのシリコンゴムで形成される。
図4に示すように、定着シート30は、支持体30a側の面が定着胴28の外周面と接触し、かつ、定着胴28に形成された穴32と、定着シート30の定着胴28の軸方向と略同じ長さ側の両辺の周縁に形成された穴34とが重なる位置に周設され、この定着胴28に形成された穴32と定着シート30に形成された穴34とが、ボルト36及び座金38により同軸上に固定されることで、定着銅28の表面に止着される。これにより、図5に示すように、加熱ロール20は、金属製の定着胴28の表面に支持体30a、弾性層30b、中間層30c、コート層30dが積層された構成となる。
加圧ロール22は、加熱ロール20に当接して配置される。加圧ロール22は、基本的に加熱ロール20と同様の構成を有し、加圧胴40と定着シート31とで構成される。また、加熱手段として、加圧胴40の内側の略軸心には、加圧胴40を貫通して、ヒータ26が配置されている。
加圧胴40は、中空の円筒形状を有し、剛性を有する金属、例えばアルミニウム等で形成され、その外周面には、回転軸の軸方向に沿って凹部41が設けられている。また、凹部41には、所定間隔毎に複数の穴が形成されている。
また、定着シート31は、層構成が異なることを除いて定着シート30と同様の形状、構成を有する。つまり、一辺が加圧胴40の軸方向と略同じ長さとなり、他辺が、加圧胴40の円周よりも所定長さ長い矩形のシート形状を有し、加圧胴40の軸方向と略同じ長さ側の両辺の周縁には、所定間隔毎に複数の穴が形成されている。
ここで、本実施形態の定着シート31は、支持体の表面に弾性層が設けられ、弾性層の表面にコート層が設けられた積層体である。
一例として、本実施形態の定着シート31は、支持体が、厚さ0.1mmのステンレススチールで形成され、弾性層が、厚さ1mm、ゴム硬度JIS A 20のシリコンゴムで形成され、コート層が、厚さ50μm、表面粗さRa=0.2μmのPFA(パーフルオロアルコキシ樹脂)で形成される。
定着シート31は、支持体側の面が加圧胴40の外周面と接触し、かつ、加圧胴40に形成された穴と、定着シート31の加圧胴40の軸方向と略同じ長さ側の両辺の周縁に形成された穴とが重なる位置に周設され、この定着シート31に形成された穴と加圧胴40に形成された穴とが、ボルト37及び座金46により同軸上に固定されることで、加圧胴40の表面に止着される。
このようにして、加圧ロール22は、金属製の加圧胴40の表面に支持体、弾性層、コート層が積層された構成となる。
このように、加熱ロール20を定着胴28と定着シート30とで構成し、また、加圧ロール22を加圧胴40と定着シート31とで構成することで、画像定着時に記録媒体Pと接触する表層部分を分離(着脱)することができる。つまり、定着シート30,31を交換することができる。
これにより、定着ロールを長期間使用し、定着ロールの表面に傷、へこみ、皺、ひび割れ等が発生した場合も、定着シートを交換することで、表面に傷、へこみ、皺、ひび割れのない定着ロールとすることができ、画像光沢低下、画像傷、定着ムラ等が発生することを防止し、安定して、高画質な画像を定着させることができる。
また、交換する部分が定着ロールの表層部分のみであるので、コストを低くすることができる。また、定着ロールの表層部分のみを交換するので、定着ロールを装置から外すことなく交換する、もしくは、所定距離定着ロールをずらすのみで、交換が可能となる。これにより、交換作業が簡単となり、容易に交換することができる。
さらに、ボルトおよび座金により定着シートを定着胴に止着しているので、ボルトおよび座金の着脱により定着シートの交換を行うことができる。これにより、定着シートの交換を容易に行うことができる。
また、定着シートの両端部の穴を同軸上に重ね、ボルトおよび座金により定着胴の凹部の穴に止着することで、定着シートは所定張力が付与された状態で周設される。つまり、本実施形態では、ボルトおよび座金が定着シートの張力付加機構としての機能も有する。このように、定着シートを張力が付与された状態で定着胴に止着させることで、定着シート表面に皺が生じる等の定着ロール表面の変形を防止することができる。
本実施形態では、定着シートを、支持体の表面に、弾性層、中間層、コート層、または、支持体の表面に弾性層、コート層を積層させた積層構造としたが、本発明はこれに限定されず、どのような層構成にしてもよく、例えば、支持体の表面にコート層のみを設けた構造としてもよい。
このように少なくとも画像定着時に記録媒体と接触する層を交換する構造であればよく、その層構成は特に限定されず、どのような層構成としてもよい。
また、定着シートは、交換をより容易にするために、所定の剛性を有する支持体の表面に1層以上の弾性を有する層(弾性層、中間層、コート層)を形成した構造とすることが好ましいが、これに限定されず、例えば、支持体を設けずにコート層のみを定着シートとして用いても、弾性層とコート層を積層させた積層体を定着シートとして用いることもできる。
定着シートとしてコート層のみを交換する場合は、定着胴(または加圧胴)として、円筒状の金属の表面に弾性層、中間層を積層させた構造の積層体を用いることで、弾性層、中間層、コート層が積層された定着ロールとすることができる。
このように定着胴(または加圧胴)は、円筒状の金属体に限定されず、表面に弾性層、中間層、後述するバックコート層等が積層されたものも好適に使用することができる。
また、本実施形態では、支持体と定着胴(または、加圧胴)とを直接接触させて、定着胴に定着シートを周設したが、本発明はこれに限定されず、支持体の定着胴側の面に、例えば、シリコンゴムの薄層等の所定弾性を有するバックコート層を形成してもよい。定着胴と支持体との間にバックコート層を設けることで、支持体との接触により定着胴が傷つくことを防止し、また、定着シートが定着胴に好適に吸着され、定着シートと定着胴とのずれの発生を防止できる。また、定着シートと定着胴(または、加圧胴)との間に空気層が形成されることを防止でき、熱伝導性を好適に保持することもできる。
さらに、バックコート層に加え、もしくは、バックコート層の代わりに高粘性シリコンオイルを定着シートまたは定着胴表面に塗布してもよい。
ここで、定着ロールの内部に後述する加熱手段を設ける場合は、支持体として、金属等の伝熱性の高い材料を用いることが好ましい。支持体に伝熱性の高い材料を用いることで、定着ロール表面にヒータの熱を効率よく伝えることができる。これにより、効率よく定着ロールの表面を所定温度にすることができる。
また、定着ロールの表面近傍に加熱手段を設ける場合は、支持体として、ポリイミド等の伝熱性の低い材料を用いることが好ましい。支持体に伝熱性の低い材料を用いることで、定着ロールの表面の熱が定着胴に伝わることを防ぎ、効率よく定着ロールの表面を所定温度に保持することができる。
また、加熱ロール20および加圧ロール22の表面は、優れた離型性を有することが好ましく、記録媒体Pに接触する表層を例えば、シリコンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂等により形成することが好ましい。
また、加熱ロール20および加圧ロール22の表面つまり、定着シート30,31の表面は、表面粗さがRaで0.05〜1μmであるように形成されているのも好ましい。これにより、安定した定着性を確保することができ、記録媒体Pに良好な画質の画像を形成することができる。
また、本実施形態では、定着シートおよび定着胴にそれぞれ穴を形成し、定着シートに形成された穴と定着胴に形成された穴を同軸上に重ね、ボルトにより係止することで、定着シートを定着胴に止着させたが、これに限定されず、定着シートの止着方法は、種々の方法が使用可能である。例えば、接着剤を用いて定着シートを定着胴に止着させてもよく、また、定着シートをスリーブ形状とし、定着シートを定着胴に周設させた後、定着胴を加熱し膨張させて定着シートを定着胴に止着させてもよい。
また、定着胴28および加圧胴40の形状、つまり、加熱ロール20および加圧ロール22の形状としては、ストレート形状、クラウン形状、逆クラウン形状等種々の形状のロールを用いることが可能であるが、特に、画像定着時に記録媒体に皺の発生をより確実に防止できる点からクラウン形状とすることが好ましい。
また、定着シート30,31の形状は、定着胴28、加圧胴40の形状に応じて種々の形状にしてよいのはもちろんである。
また、加熱ロール20および加圧ロール22の内部にそれぞれ配置されるヒータ24およびヒータ26は、ハロゲンランプ等の加熱源であり、画像定着時に、加熱ロール20および加圧ロール22を所定温度に加熱する。また、定着ロール(加熱ロール20および加圧ロール22)を加熱するヒータは、両ロールに備える必要はなく、いずれか一方の定着ロールのみに配置するようにしてもよい。すなわち、本発明においては、定着ロール対12を構成する一対の加熱ロール20、加圧ロール22のうちの少なくとも一方を内部にヒータを備える加熱ロールとすればよい。なお、一方の定着ロールにのみヒータを配置する場合は、画像が記録されている面と接する側に配置された定着ロールに配置することが好ましい。
ここで、本実施形態では、加熱ロール20および加圧ロール22を加熱するヒータ24,26を定着ロール内部に設けたが、本発明はこれに限定されず、図6に示すように、加圧ロール20および加熱ロール20の表面近傍に加熱手段62,64を設けてもよい。
加熱手段62は、ヒータ62aと反射板62bとで構成される。ヒータ62aは、加熱ロール20の表面近傍に配置され、反射板62bはヒータ62aの加熱ロール20側の面を除く面を囲むように配置される。また、加熱手段64は、ヒータ64aと反射板64bとで構成される。ヒータ64aは、加圧ロール22の表面近傍に配置され、反射板64bはヒータ64aの加圧ロール22側の面を除く面を囲むように配置される。
このように、加熱手段を定着ロール表面近傍に配置し、定着ロールを加熱するようにしてもよい。また、反射板62b,64bを設けることで、ヒータ62a,64aの熱を効率よく加熱ロールおよび加圧ロールに伝えることができ、また、ヒータ62a,64aから発生する熱が周囲の機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
さらに、図6に示すように、加熱ロール20内部に、図1と同様にヒータ24を配置することで、加熱ロール20をより好適に加熱することができる。
図1に戻り、定着装置10の説明を続ける。
定着ロール対12は、図示しない駆動手段に接続されており、この駆動手段は、定着ロール対12を所定方向に回転させる。ここで、定着ロール対12は、一方の定着ロールが回転することで、他方の定着ロールも従動するので、駆動手段は、定着ロール対12の少なくとも一方の定着ロールに備えられていればよい。すなわち、加熱ロール20および加圧ロール22の少なくとも一方を駆動ロールとすればよい。但し、本実施形態のように、定着ロール対12が凹部を有する場合は、記録媒体を定着ロールの凹部が常に会合して回転させることが好ましい。そのため、定着ロールの軸端に、ギヤを設けて咬合させ、または、プーリー等を設け、定着ロール対を同期させて回転させることが好ましい。記録媒体を定着ロールの凹部が常に会合して回転させることで、定着ロールの凹部以外の部分を効率よく使用することができ、画像定着を効率よく行うことができる。
ここで、本実施形態においては、後述する固定手段14のグリッパ50と加熱ロール20の凹部29と加圧ロール22の凹部41との対応を維持するため、加熱ロール20および加圧ロール22のいずれかのロールに駆動手段を設け、反対側ロールはギヤ駆動させることが好ましい。
駆動手段による定着ロール対12の駆動方法は、特に限定されず、種々の駆動手段を用いることができ、例えば、加熱ロール20に接続されている回転駆動手段を、伝達手段を介して加圧ロール22にも接続させ、加熱ロール20と同期させて加圧ロール22を回転駆動させてもよい。
このような定着ロール対12により、後述する搬送ベルト17とともに記録媒体Pを挟持搬送することで、記録媒体に形成された画像を定着させる。
ここで、定着動作時における加熱ロール20と加圧ロール22とのそれぞれの表面温度、および加熱ロール20と加圧ロール22とのニップ力は、安定した定着性を確保するように適宜設定される。ここで、上記の表面温度は、搬送速度が速い場合は定着時間が短くなるため高くし、遅い場合は定着時間が長くなるため低くする。また、表面温度は、高すぎるとロール耐久性が低下する、低すぎると定着不足になる等の理由から、80〜200℃であるのが好ましい。また、上記押圧力は、低すぎると定着不足,定着ムラの原因に、高すぎるとロール耐久性の低下,インク粒子のロールへのオフセット等の理由から、0.1〜1.0MPaであるのが好ましい。
次に、貼着手段13および固定手段14について詳細に説明する。ここで、図7は、貼着手段13および固定手段14の概略構成を示す斜視図である。
貼着手段13は、記録媒体Pを貼着させて搬送するものであり、搬送ベルト17と、第1ベルトロール18と、第2ベルトロール19とから構成される。
搬送ベルト17は、ループ状のエンドレスベルト(無端ベルト)であり、加圧ロール22、第1ベルトロール18および第2ベルトロール19によって張架され、かつ、加熱ロール20および加圧ロール22との間に狭入されている。搬送ベルト17は、加圧ロール22の回転に同期して、所定速度で駆動される。つまり、搬送ベルト17は、加圧ロール22の回転駆動力が伝達され、所定速度で搬送される。
搬送ベルト17は、絶縁層と導電層とが積層された2層構造で構成されている。絶縁層は、加圧ロール22側つまり記録媒体Pと接触する面に配置され、導電層は、記録媒体Pとの接触面と逆側に配置されている。
絶縁層は、厚さ10〜1000μmの比抵抗が1011Ωcm以上の誘電体、例えば、ポリイミド樹脂、または、フッ素樹脂等の各種プラスチック、高純度パルプ紙等で構成される。ここで、プラスチックとしては、フッ素樹脂が例示され、より詳しくは4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、4フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂(ETFE)、3フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、3フッ化塩化エチレン・エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)が例示される。
ここで、絶縁層の厚みは10μm〜500μm、平均表面粗さRaは、Ra≦20μm以下であることが好ましい。
導電層は、比抵抗が108Ωcm以下の導電体、鉄、アルミニウム、銅、スレンレス等の各種金属、合金やカーボンブラック、金属粉末等の導電性物質を含む塗膜や蒸着膜、薄膜を貼り合わせる等で構成される。導電層の電位は、図示しない接地部材により、基準電位0Vに保持されている。
このように、絶縁層と導電層とを積層した構造とし、導電層を接地させ、絶縁層側から後述する帯電手段56により、表面に電荷が蓄積させることで、絶縁層の表面に記録媒体Pを置くと紙中で誘電分極が起こり静電的に吸着する。つまり、記録媒体Pが搬送ベルト17の絶縁層に貼着される。
これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト17に静電的に貼着された状態で、加熱ロール20と加圧ロール22とで挟持搬送され、画像が記録媒体上に加熱加圧定着される。このように搬送ベルト17に貼着させて記録媒体Pの画像定着を行うことで、画像定着の際に記録媒体が加熱ロールに巻き付くことを防止できる。
ここで、搬送ベルト17の構成は上記に限定されず、絶縁層のみで構成しても、搬送ベルト表面を帯電させッ記録媒体Pを静電的に吸着させることができる。ここで、絶縁部材としては、例えば、フッ素樹脂を挙げることができる。フッ素樹脂としては、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、4フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂(ETFE)、3フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、3フッ化塩化エチレン・エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)が該当する。これらの材料を使用することで、搬送ベルト76の電荷保持性、及び耐久性を向上させることができる。
第1ベルトロール18は、加圧ロール22の記録媒体Pの搬送方向(図7中矢印方向)の下流側に固定的に配置され、第2ベルトロール19は、第1ベルトロール18の下方に配置されている。上述したように、第1ベルトロール18、第2搬送ベルト19および加圧ロール22により、搬送ベルト17を張架している。
ここで、第1ベルトロール18は、加熱ロール20に対して、記録媒体Pの長さより離れた位置に配置されることが好ましい。これにより、記録媒体Pに形成された画像が定着ロール対12により完全に定着された後に、記録媒体Pを定着装置10の外部に排出させることができる。つまり、定着ロール対12による定着が完了した記録媒体Pを次の構成に受け渡すことができる。また、例えば第2ベルトロール19を、図1内で紙面の上下方向に移動可能に構成し、搬送ベルト17の張力調整を行えるようにしておくことが好ましい。
さらに、第1ベルトロール18および第2ベルトロール19のうちの少なくとも一方に駆動手段を設け、所定の速度で回転駆動させるようにしてもよい。これにより、加圧ロール22の回転駆動力に加え、さらに回転駆動力が搬送ベルト17に伝達され、搬送ベルト17をより正確に所定速度で搬送することができる。ここで、加圧ロール22と第1ベルトロール18および/または第2ベルトロール19とは、搬送ベルト17が所定速度となるように同期して駆動されることが好ましい。
帯電手段56は、搬送ベルト17を所定電位に帯電させるものであり、コロトロン帯電器56aと、高圧電源56bとを備えている。コロトロン帯電器56aは、加圧ロール22の回転方向において加熱ロール20と加圧ロール22とのニップ部よりも上流側に、加圧ロール22(搬送ベルト17)の表面に対向して配置されている。また、コロトロン帯電器56aのコロナワイヤは、高圧電源56bの負側の端子に接続されており、高圧電源bの正側の端子とコロトロン帯電器56aの金属製シールドケースは接地されている。
帯電手段56は、帯電手段56と対向する位置を通過する搬送ベルト17を所定電位に帯電させる。つまり、帯電手段56は、搬送ベルト17の加熱ロール20と加圧ロール22とのニップ部に搬送される前の部分を所定電位に帯電させる。これにより、上述したように、搬送ベルト17と記録媒体Pとは静電吸着される。
ここで、本実施形態では、帯電手段としてコロトロン帯電器を用いたが、本発明はこれに限定されず、スコロトロン帯電器、固体チャージャ、放電針などの種々の帯電手段を用いることができる。
除電手段58は、記録媒体Pおよび搬送ベルト17を除電させるものであり、コロトロン除電器58aと、交流電圧源58bと、高圧電源58cとを備えている。コロトロン除電器58aは、加熱ロール20の記録媒体P搬送方向の下流側に、搬送ベルト17の表面に対向して配置されている。コロトロン除電器58aのコロナワイヤは、交流電圧源58bを介して高圧電源58cに接続されており、高圧電源58cの他端とコロトロン除電器58aの金属製シールドケースは接地されている。
除電手段58は、除電手段58と対向する位置を通過する搬送ベルト17と記録媒体Pとを除電し、搬送ベルト17と記録媒体Pとを分離可能な状態とする。
ここで、本実施形態では、除電手段として、コロトロン除電器を用いたが、本発明はこれに限定されず、スコロトロン除電器、固体チャージャ、放電針などの種々の除電手段を用いることができる。
固定手段14は、記録媒体Pの先端部分を搬送ベルト17の所定位置に物理的に固定するものであり、図7に示すように、第1スプロケット51と、第2スプロケット52と、第3スプロケット54とチェーン48と、グリッパ50とを有する。
図8は、図1の第1スプロケット51を紙面右方向から見た模式図である。図8では、記録媒体Pの搬送路を挟んで両側に配置され、1つの軸に固定された第1スプロケット51,51と、そのそれぞれに巻回されたチェーン48,48が示されている。
第1スプロケット51は、加圧ロール22と同軸、かつ実質同径で、加圧ロール22よりも外側の軸端に配置される。第2スプロケット52は、第1ベルトロール18と同軸、かつ実質同径で、第1ベルトロール18よりも外側の軸端に配置される。
また、第3スプロケット54は、第2ベルトロール19と同軸、かつ実質同径で、第2ベルトロール19よりも外側の軸端に配置されれ、また、第2スプロケットの下側に配置される。
第1スプロケット51、第2スプロケット52及び第3スプロケット54は、加圧ロール22の端部よりも外側で、加圧ロール22の回転軸に対して垂直な同一平面に含まれるように配置されている。また、チェーン48は、これら第1スプロケット51、第2スプロケット52および第3スプロケット54の外周に巻回され、各スプロケット51,52および54に順次係合する無端のチェーンである。さらにチェーン48上には、後述するグリッパ50が複数、あるいは、少なくとも1つは設けられている。
図7および図8に示すように、各スプロケット51,52および54は、記録媒体Pが搬送される搬送路をはさんで両側に配置されている。すなわち、各スプロケット51,52および54は、搬送路を挟んで両側に配置されており、一方の側に配置されているスプロケットは、他方の側に配置されているスプロケットと、軸部材によって接続されている。
チェーン48は、第1スプロケット51を加圧ロール22の軸端に固定することにより、加圧ロール22の回転駆動力が伝達され、駆動される。これにより、チェーン48は、グリッパ50と凹部29,41が常に会合するように駆動される。
さらに、搬送ベルト17とグリッパ50も同期して駆動され、グリッパ50は、搬送ベルト17の所定位置に固定された状態となる。つまり、グリッパ50は、搬送ベルト17上の同一部分と接触した状態で駆動(移動)される。
また、チェーン48には、各スプロケット51,52,54の間において確実な動力伝達を行うように所定の張力が付与されている。したがって、チェーン48は、第1スプロケット51に伝達された回転動力を、第2スプロケット52、第3スプロケット54に伝達することができる。また、例えば第3スプロケット54を、図1内で紙面の上下方向に移動可能に構成し、チェーン48の張力調整を行えるようにしておくことが好ましい。
グリッパ50は、第1スプロケット51から第2スプロケット52までの記録媒体Pの搬送路(図1参照)において、記録媒体Pの非画像記録部分(余白部分)を把持し、チェーン48の移動に伴って移動する。このようなチェーン48およびグリッパ50を用いた記録媒体Pの搬送機構(チェーン・グリッパ機構)は、印刷機等において、印刷媒体の搬送に用いられているものなどを各種利用することができる。例えば、実開平6−23748号公報には、チェーン・グリッパ機構を備えたオフセット印刷機の給紙機構について記載されている。上記公報に記載されているチェーン・グリッパ機構は、これを若干変形して、本実施形態に係る定着装置においても好適に用いられる。
ここで、グリッパ50としては、記録媒体Pの端部を把持することができるものであれば任意の把持手段を利用することができ、実開平6−23748号公報に開示されているような爪状の部材で記録媒体Pを把持する手段に限定されず、例えば、磁石を使用し磁力を利用して把持する手段や静電気力を利用して把持する手段、または、細かい針状の部材で記録媒体Pの先端部を刺し通して把持する手段等を用いることができる。つまり、グリッパの形状および機構は、物理的に挟む,刺す等のほか、真空吸着等の機能を有し、記録媒体Pを定着ロールから剥離するのに必要かつ十分な張力を記録媒体Pに伝えることができれば任意の形状および機構にすることができる。
また、把持手段を構成する部品は、画像定着時に、定着ロールに貼り付く記録媒体をロールから引き剥がすのに十分な剛性および把持力を有していることが好ましい。例えば、加熱ロールから記録媒体を引き剥がすときに、グリッパを構成する部材が変形することがないように、剛性を有する材料を用いて把持手段を形成することが好ましく、記録媒体Pがグリッパから外れたりしないように、把持手段の付勢力や配置位置、数を決定することが好ましい。
また、グリッパ50は、前述のように、記録媒体Pの搬送間隔に応じた間隔でチェーン48上に複数個設けられているのが好ましい。これにより、一つの記録媒体Pへの定着動作が終了した後に、連続して次の記録媒体Pを定着ロール対12に搬送し、処理を連続的に効率よく行うことができる。
また、本実施形態の定着装置10には、好ましい態様として、離型剤塗布手段42と、クリーニング手段44とが加熱ロール20表面に当接するように配置されている。
離型剤塗布手段42は、離型剤を貯蔵するオイルタンク42aと、このオイルタンク42aからシリコーンオイルを汲み上げる汲み上げロール42b、42cと、汲み上げロール42b、42cからの離型剤Lを加熱ロール20に塗布する塗布ロール42dとを有する。
オイルタンク42aは、加熱ロール20から所定距離離間して配置されており、所定量の離型剤が貯留されている。ここで、離型剤としては、シリコーンオイルが最適で、例えば、ジメチルシロキサン、アミノ基含有ジメチルシロキサン、オルガノポリシロキサン、ジメチルオルガノポリシロキサン等を単独でまたは適宜混合して動粘度を100〜1000cSt程度にしたものを用いることができる。
汲み上げロール42bは、少なくとも表面に離型剤を含浸する部材を備え、オイルタンク42aに貯留された離型剤に浸漬して配置されている。また、汲み上げロール42cは、回転可能なロールであり、汲み上げロール42bと当接して配置される。汲み上げロール42cは、汲み上げロール42bと当接して回転することで、その表面に離型剤が塗布される。
塗布ロール42dはスポンジゴムの表面にシリコンゴムが被覆された回転可能なロールであり、加熱ロール20および汲み上げロール42cと当接して配置される。塗布ロール42dは、加熱ロール20および汲み上げロール42cと当接して回転する。これにより、汲み上げロール42cの表面に塗布された離型剤Lは、塗布ロール42dの表面に塗布され、塗布ロール42dの表面に塗布された離型剤Lは、加熱ロール20の表面に塗布される。
このようにして、加熱ロール20の表面に離型剤を塗布することで、加熱ロール20と記録媒体Pとの離型性をより向上させることができ、記録媒体Pが加熱ロール20に巻き付くことをより確実に防止することができる。さらに、記録媒体P上に形成された画像部のトナーが定着時に加熱ロール20に付着するオフセットも好適に防止することができる。
ここで、離型剤塗布手段の形状、構成は上記に限定されず、例えば、さらに、塗布ロールからの離型剤塗布量を制御するブレードを設けてもよく、また、別の態様としては、離型剤を含浸したフェルト状の部材を定着ロールに接触させ、定着ロールをフェルト状部材に摺接して回転させることで、定着ロールに離型剤を塗布させてもよい。
クリーニング手段44は、加熱ロール20にオフセットしたトナーをクリーニングするものであり、離型剤塗布手段42に対して加熱ロール20の回転方向上流側に設けられている。クリーニング手段44は、帯状の耐熱不織布からなるクリーニングウェブ44aと、このクリーニングウェブ44aを加熱ロール20に押圧する押圧ロール44bと、新しいクリーニングウェブ44aを送り出す送り出しロール44cと、トナーなどが付着し、クリーニング能力の低下したクリーニングウェブ44aを徐々に巻き取る巻取りロール44dとで構成される。
このようなクリーニング手段44を用い、押圧ロール44bによりクリーニングウェブ44aを加熱ロール20に押し当て、加熱ロール20を摺接させて回転させることで、加熱ロール表面に付着したオフセットトナーや汚れを除去することができる。
また、クリーニング手段44を離型剤塗布手段42に対して加熱ロール20の回転方向上流側に設けることで、オフセットトナーが付着して塗布ロール42dが汚れることを防止することができる。
ここで、クリーニング手段44は、本実施形態に限定されず、種々のクリーニング手段を用いることができる。
さらに、加熱ロール20は、記録媒体Pと一対の定着ロール(加熱ロール20および加圧ロール22)との間の接触帯電,剥離帯電,摩擦帯電または転がり帯電等によって生じる静電気を除去するための除電手段を有することが好ましい。本実施形態では、このような除電手段を設ける代わりに、加熱ロール20と加圧ロール22とをそれぞれ接地させて、記録媒体Pと加熱ロール20,加圧ロール22とを除電している(図示しない)。ただし、除電の方法はこれに限定されずに、例えば、除電手段として、コロナ放電器、除電ブラシ、除電ロール等を特に制限無く用いることができる。
このような除電手段で記録媒体Pと加熱ロール20と加圧ロール22とを除電することにより、記録媒体Pを、加熱ロール20から容易に剥離することができる。また、このような除電手段と離型剤塗布手段とを組み合わせて用いても良く、これにより、記録媒体の剥離性が一層高められる。
次に、定着装置10の作用を説明する。
まず、画像形成装置9によって表面に画像が形成(描画)された記録媒体Pは、ガイド16によって案内されながら、図示しない搬送手段によって、固定手段14の第1スプロケット51つまり定着ロール対12まで搬送される。
そして、加圧ロール22および第1スプロケット51の回転動力によって、加圧ロール22、搬送ベルト17およびチェーン48が移動し、チェーン48の移動に応じてグリッパ50も移動する。具体的にはグリッパ50が固定手段14による記録媒体Pの搬送経路の始点、すなわち、第1スプロケット51の最上点(最高点)に向かって移動する。このとき、搬送ベルト17とチェーン48とは同期して移動し、これにより、グリッパ50は搬送ベルト17の所定位置に固定された状態で移動する。また、第1スプロケット51と、加熱ロール20および加圧ロール22との回転も同期しており、グリッパ50は、加熱ロール20および加圧ロール22の凹部29,41に嵌合して、加熱ロール20および加圧ロール22と共に回転する。これにより、加熱ロール20および加圧ロール22の表面にグリッパ50が接触して、加熱ロール20が傷つくことを防止することができる。
ここで、搬送ベルト17の加熱ロール20と加圧ロール22とのニップ部に移動する部分は、帯電手段56により所定電位に帯電される。
グリッパ50は、第1スプロケット51の最高点を通過すると同時に記録媒体Pの把持動作を行う。したがって、グリッパ50が第1スプロケット51の最高点を通過したとき、記録媒体Pがグリッパ50に把持されうる状態となるように、グリッパ50と記録媒体Pとは、同期されて移動される。
同期されて移動されるグリッパ50と記録媒体Pとは、同時に第1スプロケット51の最高点を通過し、記録媒体Pはグリッパ50によって把持され、チェーン48の移動に伴って、第2スプロケット52へと移動される。また、記録媒体Pは、所定電位に帯電されている搬送ベルト17に静電吸着され、搬送ベルト17上に貼着される。
このように、記録媒体Pは、先端をグリッパ50に把持され、かつ、搬送ベルト17に静電吸着され、第1スプロケット51の最高点を通過、つまり、記録媒体Pは、加熱ロール20および加圧ロール22との間を通過し、加熱ロール20および加圧ロール22とによって挟持される。
加熱ロール20および加圧ロール22によって挟持された記録媒体Pは、一定の周速度で回転駆動する加熱ロール20によって画像定着されつつ搬送される。
このように、記録媒体Pの先端部をグリッパ50により固定し、かつ、記録媒体Pを搬送ベルト17に静電吸着した状態で、加熱ロール20および加圧ロール22により記録媒体Pを搬送ベルト17とともに挟持搬送し、記録媒体Pに画像を加圧加熱定着する。これにより、画像定着時に、加熱ロール20に張り付くことを防止でき、さらに、記録媒体のカールや伸び、紙変形が無く、画像部光沢も十分な画像を得ることができる。
このとき、加熱ロール20および加圧ロール22が記録媒体Pを挟持している挟持部と、グリッパ50が記録媒体Pを把持している把持部との間に、記録媒体Pが加熱ロール20から剥離されるのに必要かつ十分な張力を付加されるように、搬送ベルト17およびチェーン48の張力を制御するのが好ましい。これにより、グリッパ50に把持され、搬送ベルト17に静電吸着された記録媒体Pを、一定の速度で画像定着部を通過させるとともに、より確実に加熱ロール20に貼り付くことなく搬送させることができる。
搬送ベルト17およびチェーン48は、定着ロール対12の回転と同期して一定速度で移動し、記録媒体Pは、上記挟持部とグリッパ50による把持部との間に張力を受けながら一定の速度で搬送される。
このように、記録媒体Pは、貼着手段13および固定手段14によって、記録媒体Pの後端部が加熱ロール20から離れる位置まで搬送される。ここで、記録媒体Pおよび搬送ベルト17は、除電手段58に対向する位置を通過する際に除電され、記録媒体Pの先端部を除く部分は、搬送ベルト17から分離できる状態となる。その後、記録媒体Pは、そのまま搬送されて、グリッパ50が第2スプロケット52の最上部(把持搬送する搬送路の終点)を通過した直後に、グリッパ50は記録媒体Pを解放する。そして、記録媒体Pは、搬送ベルト17から分離され、外部または次工程に搬送される。
ここで、本発明の定着装置は、長期間記録媒体の画像定着を繰り返し、定着ロール表面に傷等が生じ、定着した画像に画像傷が発生した場合、または、所定枚数の画像定着を行った場合、定着ロールを使用してから所定期間が経過した場合等の必要に応じて、定着ロールの定着シートを新しい定着シートと交換する。
定着シートを交換することで、長期間使用しても、定着ロールの劣化による画像光沢低下、画像傷、定着むら等のない画像を定着させることができる。
上述した工程を繰り返すことで、記録媒体Pが加熱ロール20に貼り付くことなく、記録媒体のカールや伸び、紙変形が無く、画像部光沢も十分な画像を連続的に定着させることができる。
なお、先行する記録媒体Pを挟持搬送するグリッパ50が定着ロール対12を通過した時点で、後続の記録媒体Pを定着ロール対12に挿入するサイクルをスタートさせることができる。
ここで、本実施形態では、搬送ベルトとグリッパとを別々に設けたが、搬送ベルトとグリッパを一体に設けてもよい。一例としては、搬送ベルトの端部とチェーンとを係合させ、搬送ベルトとチェーンとが確実に同一速度で搬送されるようにしてもよく、搬送ベルトの一部にグリッパを付設するようにしてもよい。
図9は、本発明の定着装置の他の実施形態の概略構成を示す模式図である。
なお、本実施形態の定着装置70において、図1の定着装置10と同様の構成を有する部材には同じ符号を付し、説明は異なる部位を主に行う。
定着ロール対71は、加熱ロール20と、加圧ロール72とを有する。
加圧ロール72は、搬送ベルト76を介して加熱ロール20と対向する位置に配置される。加圧ロール72は、加熱ロール20よりも直径が小さく、かつ表層が交換可能ではないロールである。
ここで、加熱ロール20には、その周囲を覆うように放熱遮蔽部材88が配置されている。放熱遮蔽部材88は、断熱性の高い材料で形成される。
放熱遮蔽部材88を配置することで、加熱ロール20から発生する熱が周囲の機器に影響を与えることを防止し、また、加熱ロール20の保温性を高めることができる。
貼着手段74は、搬送ベルト76と、第1ベルトロール78と第2ベルトロール80とを有する。
第1ベルトロール78は、加圧ロール72の記録媒体Pの搬送方向(図9中、左から右)の上流側に配置され、第2ベルトロール80は、記録媒体Pの搬送方向(図9中、左から右)の下流側に配置される。
搬送ベルト76は、第1ベルトロール78および第2ベルトロール80により張架されている。
ここで、第1ベルトロール78および第2ベルトロール80は、図9に示すように、加圧ロール72が、第1ベルトロール78および第2ベルトロール80の外周を結ぶ線より加熱ロール20側にやや張り出すように、つまり、搬送ベルト76の加熱ロール20側の面の加圧ロール72との接触部が凸となるように配置するのが好ましい。
このように配置することにより、搬送ベルト76に張力が付与され、搬送ベルト76のばたつきを抑えることができる。
また、第1ベルトロール78および第2ベルトロール80のうちの少なくとも一方は、図示されていない駆動源に接続されており、画像定着時には、所定の速度で、回転駆動される。これにより、搬送ベルト76は、図中、時計回りに周回し、所定速度で搬送される。
また、第1ベルトロール78の内部にはヒータ82が配置されている。ヒータ82により第1ベルトロール78および搬送ベルト76を加熱し、搬送ベルト76を所定温度にする。
帯電手段56は、記録媒体Pの搬送方向(図9中、左から右)において、加熱ロール20よりも上流側の搬送ベルト76に対向する位置に配置され、除電手段58は、記録媒体Pの搬送方向(図9中、左から右)において、加熱ロール20よりも下流側の搬送ベルト76に対向する位置に配置されている。
なお、図1に示した定着装置10と同様に、加圧ロール72、第1ベルトロール78、第2ベルトロール80の外側の軸端には、それぞれ第1スプロケット84、第2スプロケット85、第3スプロケット86が配置され、各スプロケット84,85および86にはチェーンが順次係合され、チェーン48上にグリッパ50が設けられている。
以下、定着装置70の作用を説明する。
画像形成装置9によって表面に画像が形成(描画)された記録媒体Pが、図示しない搬送手段によって、搬送ベルト76まで搬送される。
搬送ベルト76まで搬送された記録媒体Pは、搬送ベルト76に載置され、先端部分がグリッパ50により固定される。その後、記録媒体Pは、搬送ベルト76により、帯電器84に対向する位置まで搬送される。
帯電手段56と対向する位置まで搬送された記録媒体Pは、高圧電源56bに接続されたコロトロン帯電器56aにより所定の負の高電位に均一に帯電される。これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト76の表面上に静電吸着される。
グリッパ50により先端部分が固定され、かつ、搬送ベルト76に静電吸着された記録媒体Pは、搬送ベルト76の表面上に静電吸着された状態で、所定圧力にニップされている加熱ロール20および加圧ロール72との間を通過する。これにより記録媒体Pは、所定圧力、所定温度で加圧/加熱され、記録媒体P上に画像が定着される。
画像定着後の記録媒体Pは、コロトロン除電器58aにより除電された後、搬送ベルト76上から分離され、外部または次工程に搬送される。
このように、記録媒体の搬送方向において、定着ローラ対よりも上流部分にも搬送ベルトを配置することで、記録媒体が搬送ベルトに載置された状態で、記録媒体を搬送ベルトに静電吸着させることができる。これにより、より確実に、かつ均一に記録媒体を搬送ベルトに静電吸着させることができる。結果として、より好適に記録媒体の画像定着を行うことができる。
また、本発明の定着装置は、少なくとも一方の定着ロールの表層が交換可能であれば上記効果を得ることができる。ここで、定着ロール対の一方のみが表層の交換が可能な定着ロールの場合は、記録媒体の画像面と接触する側の定着ロールが表層の交換が可能な定着ロールであることが好ましい。
記録媒体の画像面と接触する側の定着ロールの表層を交換可能とし、必要に応じて交換することで、長期間使用した場合でも、より好適に、画像光沢低下、画像傷、定着むらのない画像を記録媒体に定着することができる。
以下に、本発明の一実施形態に係る定着装置を備える画像記録装置を、静電式インクジェット装置に適用した実施形態について詳細に説明する。
なお、以下では、インク中の色材粒子が正帯電している場合を例にとって説明するが、これとは逆に、インク中の色材粒子を負に帯電させたものを用いてもよい。その場合は、記録に作用する各部の極性を、以下の例とは逆極性とすればよい。
図10は、本発明の画像記録装置を適用する静電式インクジェット記録装置の一実施形態を示す概念図である。同図に示すインクジェット記録装置200は、静電力により、帯電した色材粒子(帯電微粒子)を含むインクの吐出を制御し、記録媒体P上に4色印刷をしてフルカラー画像を記録した後、記録された画像を加熱ロールによる接触加熱によって定着するもので、記録媒体Pの保持手段202と、搬送手段204と、記録手段206と、定着手段10と、溶媒回収手段212とを備え、これらが筐体201に内包されている。
なお、図10のインクジェット記録装置200において、定着手段10は、図1に示した定着装置10と基本的には同一であるので、その詳細な説明を省略する。また、図10のインクジェット記録装置200における記録手段206は、図1の画像記録装置8における画像形成装置9に対応するものである。
まず、記録媒体Pの保持手段202について説明する。
保持手段202は、記録前の記録媒体Pを保持する給紙トレイ124と、ピックアップロール126と、記録後の記録媒体Pを保持する排紙トレイ128とを備えている。
給紙トレイ124は、記録に供される複数枚の記録媒体Pを保持するものであって、図10中、筐体201の左側部から筐体201の内部に挿入されて装着されている。ピックアップロール126は、給紙トレイ124の装着部の先端部(図中、右端部)近傍に配置されている。画像の記録時には、ピックアップロール126により、記録媒体Pが給紙トレイ124から1枚ずつ取り出され、記録媒体Pの搬送手段204に供給される。ピックアップロール126の近傍には、重ねてストックされている記録媒体Pの分離を容易にするために、記録媒体Pの除電を行う除電ブラシや除電ロール、エア吹き付けブロアー等が備えられているのが好ましい。
排紙トレイ128は、画像が形成された記録媒体Pを保持するものであって、筐体201内部の記録媒体Pの搬送経路の終端に設けられ、その先端部(記録媒体Pの搬送方向先端側)は筐体201の外部に位置している。記録後の記録媒体Pは、搬送手段204により搬送されて、排紙トレイ128に排紙される。
次に記録媒体Pの搬送手段204について説明する。
搬送手段204は、記録媒体Pを、給紙トレイ124から排紙トレイ128まで所定の経路に沿って搬送するものであり、搬送ロール対130と、搬送ベルト132と、ベルトロール134a,134bと、導電性プラテン136と、記録媒体Pの帯電器90および除電器91と、分離爪92と、出口ガイド94とを備えている。また、分離爪92から排出トレイ128までの区間においては、定着手段10の貼着手段13および固定手段14が搬送手段として機能する。なお、搬送手段204としては、図示されるもの以外にも適宜、搬送ロール対や搬送ベルト、搬送ガイド等の通常の搬送部材が、記録媒体Pを搬送するのに適当な間隔で配置されていてもよい。
搬送ロール対130は、ピックアップロール126と搬送ベルト132との間の位置に設けられている。ピックアップロール126により給紙トレイ124から取り出された記録媒体Pは、この搬送ロール対130と搬送ベルト132により挟持搬送され、搬送ベルト132上の所定の位置に供給される。
搬送ベルト132は、ループ状のエンドレスベルトであり、2つのベルトロール134a、134bによって張架されている。ベルトロール134a、134bのうちの少なくとも一方は、図示されていない駆動源に接続されており、記録時には、所定の速度で回転駆動される。これにより、搬送ベルト132は、図中、時計回りに周回し、搬送ベルト132に静電吸着している記録媒体Pを所定の速度で搬送する。
搬送ベルト132は、記録媒体Pが静電吸着される側の面(表面)が絶縁性、ベルトロール134a、134bと接触する側の面(裏面)が導電性のものである。また、搬送ベルト132の内周面側には、帯電器90と対向する位置および後述するインクジェットヘッド108と対向する位置にわたって、導電性プラテン136が配置されており、ベルトロール134a、134bおよび導電性プラテン136は接地されている。これにより、搬送ベルト132は、インクジェットヘッド108に対向する位置において、インクジェットヘッド108の対向電極としても機能する。
導電性プラテン136は、搬送ベルト132を介して、インクジェットヘッド108と対向する位置に配置されている。導電性プラテン136は、ベルトロール134aおよび134bの外周を結ぶ線よりインクジェットヘッド108側にやや張り出すように配置されるのが好ましい。そのように配置することにより、搬送ベルト132に張力を付与して、搬送ベルト132のばたつきを抑えることができる。
記録媒体Pの帯電器90は、コロトロン帯電器96と、高圧電源98とを備えている。コロトロン帯電器96は、記録媒体Pの搬送経路上の、搬送ロール対130と記録手段206との間の位置に、搬送ベルト132の表面に対向して配置されている。また、コロトロン帯電器96は、高圧電源98の負側の端子に接続されており、高圧電源98の正側の端子とコロトロン帯電器96の金属製シールドケースは接地されている。
記録媒体Pの表面は、高圧電源98に接続されたコロトロン帯電器96により所定の負の高電位に均一に帯電され、記録に必要な一定のDCバイアス電圧(例えば、約−1.5kV)が印加された状態となる。また、これにより、記録媒体Pは、搬送ベルト132の絶縁性を有する表面上に静電吸着される。
記録媒体Pの除電器91は、コロトロン除電器102と、交流電圧源104と、高圧電源106とを備えている。コロトロン除電器102は、記録手段206の記録媒体P搬送方向の下流側に、搬送ベルト132の表面に対向して配置されている。コロトロン除電器102は、交流電圧源104を介して高圧電源106に接続されており、高圧電源106の他端とコロトロン除電器102の金属製シールドケースは接地されている。
記録後の記録媒体Pは、コロトロン除電器102により除電された後、その下流側に配置された分離爪92によって搬送ベルト132上から分離される。搬送ベルト132上から分離された記録媒体Pは、定着手段10に搬送され、上述したように、先端部分をグリッパ50により把持されかつ、全面を搬送ベルト17に静電吸着された状態で、定着手段10において定着処理が施された後、貼着手段13(搬送ベルト17)と固定手段14とによって搬送されつつ、全面が除電され、先端部分がグリッパ50から開放されて、排紙トレイ128に排紙される。
固定手段14と搬送ベルト17の下流側には、記録媒体Pを排紙トレイ128へ案内する出口ガイド94が配置されている。
次に、記録手段206について説明する。
記録手段206は、帯電した色材粒子を含むインクを用い、画像データに応じてインクの吐出を静電力により制御して、記録媒体P上に、画像データに応じた画像を記録するものであり、静電式のインクジェットヘッド108と、ヘッドドライバ110と、インク循環機構111と、記録媒体Pの位置検出器114とを備えている。
インクジェットヘッド108は、搬送ベルト132による記録媒体Pの搬送経路において、記録媒体Pが安定した平面状態で搬送される位置に、そのインク吐出部が搬送ベルト132の表面(搬送ベルト132の表面に保持される記録媒体Pの表面)と所定の距離になるように配置されている。図示例では、インクジェットヘッド108は、ベルトロール134a、134bの間の搬送ベルト132に対向して配置されている。
インクジェットヘッド108は、同時に1行分の画像を記録することが可能なラインヘッドであり、フルカラー画像を記録するためのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)の4色の吐出ヘッドを備えている。各色の吐出ヘッドは、基本的に同様の構成を有しているので、以下ではその1色の吐出ヘッド160について説明する。
図11(A)および(B)は、静電式インクジェットヘッド108における吐出ヘッド160の具体的な構造を説明する模式図であり、図11(A)は、吐出ヘッド160の一部を示す模式的断面図、図11(B)は、図11(A)のXI−XI線における模式的断面図である。吐出ヘッド160は、複数のノズル(吐出口)を2次元的に備えるマルチチャンネルヘッドであるが、ここでは、その構成を明確に示すために、2つの吐出部のみを示してある。
吐出ヘッド160は、ヘッド基板162と、インクガイド164と、ノズル基板(吐出口基板)166と、吐出電極を構成する吐出電極168と、浮遊導電板176とを備えている。吐出ヘッド160は、インク滴Rの吐出(飛翔)ポイントとなるインクガイド164の先端が、対向電極となる、記録媒体Pを支持する搬送ベルト132と対向するように配置されている。
ヘッド基板162およびノズル基板166は、吐出ヘッド160の全ノズルに共通な平板基板であり、絶縁性材料から構成されている。ヘッド基板162およびノズル基板166は、所定の間隔をあけて配置され、その間にインク流路178が形成されている。インク流路178内のインクQは、吐出電極168に印加される電圧と同極性に帯電した色材粒子を含み、記録時には、インク循環機構111(図10参照)によって、所定方向、図11(A)に示す例ではインク流路178内を右側から左側(図中矢印a方向)へ向かって所定の速度(例えば、200mm/sのインク流)で循環される。以下では、インク中の色材粒子が正帯電している場合を例にとって説明する。
ノズル基板166には、インクQの吐出口となるノズル174が穿孔されており、このノズル174は、所定の間隔で2次元的に複数配置されている。また、ノズル174の中央部には、インクQの吐出(飛翔)ポイントを定めるためのインクガイド164が配置されている。
インクガイド164は、突状先端部分164aを持つ所定厚みの絶縁性樹脂製平板からなり、各ノズル174に対応する位置に、ヘッド基板162の上に配置されている。インクガイド164は、同じ列(図11(A)における左右方向、図11(B)における紙面垂直方向)に配列される複数のインクガイド164に共通の基部164bを有しており、この基部164bがヘッド基板162上に、浮遊導電板176を挟んで固定されている。
また、インクガイド164の先端部分164aは、吐出ヘッド160の記録媒体P(搬送ベルト132)側の最表面から突出するように配置されている。先端部分164aの形状および構成は、インクQ(インク滴R)の吐出ポイントを安定させ、かつ、先端部分164aにおいて、インクQを十分に供給し、インクQ中の色材粒子を好ましい状態に濃縮させることができるように設定される。例えば、先端部分164aを吐出方向に向けて次第に細くした形状のものや、インク案内溝となる切り欠きを図中上下方向に形成したもの、先端部分164aの誘電率を実質的に大きくするために、先端部分164aに金属を蒸着したものなどが好適である。
ノズル基板166の記録媒体P側の面(図中、上面)には、各ノズル174を囲むように、吐出電極168が配置されている。また、ノズル基板166の記録媒体P側には、吐出電極168の上方(上面)を覆う絶縁層170aと、吐出電極168の上方に絶縁層170aを介して配置されるシート状のガード電極172と、ガード電極172の上面を覆う絶縁層170bとが設けられている。
吐出電極168は、ノズル基板166に開孔されたノズル174の周囲を囲むように、ノズル基板166の図中上側、すなわち記録媒体P側の表面に、吐出部毎にリング状に、すなわち円形電極として配置されている。なお、吐出電極168の電極形状は、円形電極に限定されず、略円形であっても、分割円形電極であっても、平行電極または略平行電極であっても良い。
吐出電極168は、ヘッドドライバ110によって制御され、画像データに応じて所定のパルス電圧が印加される。上述したように、インクガイド164と対向する位置には、インク中の帯電した色材粒子と極性が反対となる電圧に帯電された記録媒体Pが、搬送ベルト132に保持されて一定速度で搬送される。記録媒体Pは負の高電圧(例えば、−1500V)に帯電されており、吐出電極168との間に、インクQを吐出させない程度の所定の電界が形成されている。
吐出電極168が吐出オフ状態(吐出待機状態)のときは、パルス電圧は0Vまたは低電圧とされる。この状態では、吐出部の電界強度はバイアス電圧(または、バイアス電圧にオフ状態のパルス電圧が重畳された電圧)による電界強度となっており、これはインクQの吐出に必要な強度よりも低く設定されているため、インクQの吐出は行われない。しかし、この吐出待機状態の低電界により、ノズル174の内部においてインク中の色材粒子がインクガイド164の先端部分164aに濃縮する。
吐出電極168が吐出オン状態のときは、パルス電圧が印加され、バイアス電圧に高電圧のパルス電圧(例えば、400〜600V)が重畳されて、吐出部の電界強度はインクQが吐出するのに十分な強度となり、インクガイド164の先端部分164aに濃縮されたインクQがインク滴Rとして飛翔する。このインク滴Rのサイズは極めて小さいため、解像度の高い、高画質な画像記録を行うことができる。
このように、画像データに応じて、記録媒体Pの全幅にわたって配置された各吐出部の吐出電極168のオン,オフが制御され、所定速度で搬送される記録媒体Pに対して所定のタイミングでインク吐出が行われることにより、記録媒体Pに2次元画像が記録される。
ガード電極172は、隣接する吐出部の吐出電極168の間に配置され、隣接する吐出部のインクガイド164の間に生じる電界干渉を抑制するためのものである。ガード電極172は、吐出ヘッド160の全吐出部に共通な金属板などのシート状の電極であり、2次元的に配列されている各ノズル174の周囲に形成された吐出電極168に相当する部分が穿孔されている。ガード電極172を設けることによって、ノズル174を高密度に配置した場合にも、隣接するノズル174の電界の影響を最小限にし、ドットサイズおよびドットの描画位置を常に安定して保つことができる。
ヘッド基板162のインク流路178側の表面には、浮遊導電板176が配置されている。浮遊導電板176は、電気的に絶縁状態(ハイインピーダンス状態)とされており、画像の記録時に、吐出部に印加された電圧値に応じて、誘起された誘導電圧を発生し、インク流路178内のインクQにおいて、その色材粒子をノズル基板166側へ泳動させる。また、浮遊導電板176の表面には、電気絶縁性である被覆膜(図示せず)が形成されており、インクへの電荷注入等によりインクの物性や成分が不安定化することが防止されている。この絶縁性被覆膜は、インクに対して耐腐食性を有するものが用いられる。
浮遊導電板176を設けることにより、インク流路178内のインクQ中の色材粒子をノズル基板166側へ泳動させて、ノズル基板166のノズル174を通過するインクQ内の色材粒子の濃度を所定濃度に高めることができ、インクガイド164の先端部分164aに濃縮させて、インク液滴Rとして吐出させるインクQ内の色材粒子の濃度を所定濃度に安定させることができる。
なお、図示例においては、吐出電極を単層電極構造としているが、これ以外にも、例えば、列方向に接続された第1吐出電極と、行方向に接続された第2吐出電極とを備える2層電極構造とし、第1吐出電極と第2吐出電極とをマトリクス状に配列してマトリクス駆動を行うものとしてもよい。このようなマトリクス駆動方式によれば、吐出電極の高集積化とドライバ配線の簡素化の両方を同時に実現できる。
インク循環機構111は、インクタンク116と、ポンプ(図示省略)と、インク供給路118aおよびインク回収路118bとを備えている。インクタンク116は、筐体201内部の底面上に配置され、インク供給路118aおよび回収路118bを介してインクジェットヘッド108と接続されている。
インクタンク116内には、各色の色材粒子とこれを分散させる分散溶媒とを含む4色のインクが保持されている。インクタンク116内の各色のインクは、ポンプにより、インク供給路118aを介して、インクジェットヘッド108の各色の吐出ヘッドに供給される。また、画像記録に使用されなかった余分な各色のインクは、ポンプにより、インク回収路118bを介して各色のインクタンク116内に回収される。また、インクタンク116内には、色材粒子を含まない分散溶媒も保持されている。この分散溶媒は、各色のインク補充およびインク濃度調整等に用いられる。
次に、インクジェット記録装置200の記録手段206を構成する位置検出器114およびヘッドドライバ110について説明する。図10に示す様に、記録媒体Pの位置検出器114は、フォトセンサ等の位置検出手段であり、記録媒体Pの搬送経路上の、インクジェットヘッド108よりも上流側の所定位置(図示例では、搬送ロール対130と帯電器90との間の位置)に、記録媒体Pが搬送される搬送ベルト132の表面に対向して配置されている。位置検出器114により検出された記録媒体Pの位置情報はヘッドドライバ110に供給される。
ヘッドドライバ110は、インクジェットヘッド108のドライバであって、インクジェットヘッド108と駆動信号ケーブルを介して接続されている。図示例では、ヘッドドライバ110は、筐体201内部の図中中央上部に取り付けられている。ヘッドドライバ110には、外部装置から画像データが入力され、位置検出器114から記録媒体Pの位置情報が入力される。そして、ヘッドドライバ110により、記録媒体Pの位置情報にしたがって、インクジェットヘッド108の各色の吐出ヘッドの吐出タイミングが制御されつつ、画像データに応じて各色の吐出ヘッドから各色のインクが吐出され、記録媒体P上には、画像データに対応したフルカラー画像が記録される。
図10に示したインクジェット記録装置200において、定着手段10は、前述したように、図1の定着装置10と同様の構成を有している。定着手段10は、加熱ロール20および加圧ロール22によって記録媒体Pを挟持搬送することにより、記録手段206によって記録媒体Pに形成されたインク画像を加熱定着させる。ここで、加熱ロール20および加圧ロール22によって記録媒体Pを挟持搬送する際に、定着手段10は、記録媒体Pの先端部分をグリッパ50によって把持させて、さらに、記録媒体Pを搬送ベルトに静電吸着させる。この状態で、加熱ロール20および加圧ロール22によって、記録媒体Pを搬送ベルト17とともに挟持搬送することにより、記録手段206によって記録媒体Pに形成されたインク画像を加熱定着させる。
このようにグリッパ50によって記録媒体Pの先端部分を把持し、かつ、搬送ベルト17に記録媒体Pを静電吸着させた状態で記録媒体の画像記録を行うことで、記録媒体Pが加熱ロール20に貼り付くことが防止できる。ここで、加熱ロール20の表面温度および加圧ロール22による記録媒体Pの押圧力(ニップ力)は、所望の定着性および光沢性を確保するように適宜設定される。
次に、インクジェット記録装置200の溶媒回収手段212について説明する。
溶媒回収手段212は、インクジェットヘッド108から記録媒体P上に吐出されたインクから蒸発する分散溶媒や、画像の定着時にインクから蒸発する分散溶媒等を回収するもので、活性炭フィルタ180と、排出ファン182とを備えている。活性炭フィルタ180は、筐体201の内側に取り付けられており、排出ファン182は、活性炭フィルタ180の上に取り付けられている。
インクジェットヘッド108から吐出されるインクからのインク溶媒の自然蒸発、記録媒体P上の未定着画像を形成するインク溶媒の自然蒸発、および、定着手段10における定着時に発生するインク溶媒の蒸発によって生じる、筐体201内部の分散溶媒成分を含む空気は、排出ファン182により回収され、活性炭フィルタ180を通過することにより、その溶媒成分が活性炭フィルタ180に吸着して除去されて、除去後の空気が筐体201の外部に排出される。
次に、インクジェット記録装置200のインクジェットヘッド108で用いられるインクQ(インク組成物)について説明する。静電式インクジェットヘッド108においては、インクQとして、色材粒子(色材を含み、かつ,帯電した微粒子)を溶媒(インク溶媒、キャリア液)に分散してなるものが用いられる。
キャリア液(インク溶媒)は、高い電気抵抗率(10Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm以上)を有する誘電性の液体(非水溶媒)であるのが好ましい。電気抵抗率の高いキャリア液を使用すると、吐出電極によって印加される電圧により、キャリア液自身が電荷注入を受けることを少なくでき、荷電粒子(帯電微粒子成分)の濃度を高めることができ、荷電粒子を濃縮することができる。また、電気抵抗率の高いキャリア液は、隣接する記録電極間での電気的導通の防止にも寄与し得る。また、このような程度の電気低効率の液体からなるインクを用いると、低電界下でも、インクの吐出を良好に行うことができる。
キャリア液として用いられる誘電性液体の比誘電率は、5以下が好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下である。このような比誘電率の範囲とすることによって、キャリア液中の色材粒子に有効に電界が作用し、泳動が起こりやすくなる。
なお、このようなキャリア液の固有電気抵抗の上限値は1016Ωcm程度であるのが望ましく、比誘電率の下限値は1.9程度であるのが望ましい。キャリア液の電気抵抗が上記範囲であるのが望ましい理由は、電気抵抗が低くなると、低電界下でのインクの吐出が悪くなるからであり、比誘電率が上記範囲であるのが望ましい理由は、誘電率が高くなると溶媒の分極により電界が緩和され、これにより形成されたドットの色が薄くなったり、滲みを生じたりするからである。
キャリア液として用いられる誘電性液体としては、好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、および、これらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えば、へキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えば、信越シリコーン社製KF−96L)等を単独あるいは混合して用いることができる。
このようなキャリア液(インク溶媒)に分散される色材粒子は、色材自身を色材粒子としてキャリア液中に分散させてもよいが、好ましくは、定着性を向上させるための分散樹脂粒子を含有させる。分散樹脂粒子を含有させる場合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色粒子とする方法などが一般的である。
色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用(油性)インキ組成物、あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であればどれでも使用可能である。
色材として用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用することができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公知の顔料を特に限定なく用いることができる。
色材として用いる染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料が好ましく例示される。
さらに、分散樹脂粒子としては、例えば、ロジン類、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニールアルコールのアセタール変性物、ポリカーボネート等を挙げられる。
これらのうち、粒子形成の容易さの観点から、重量平均分子量が2,000〜1000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜5.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、前記定着の容易さの観点から、軟化点、ガラス転移点または、融点のいずれか1つが40〜120℃の範囲内にあるポリマーが好ましい。
インクQにおいて、色材粒子の含有量(色材粒子あるいはさらに分散樹脂粒子の合計含有量)は、インク全体に対して0.5〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5〜25重量%、さらに好ましくは3〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。色材粒子の含有量が少なくなると、印刷画像濃度が不足したり、インクQと記録媒体P表面との親和性が得られ難くなって強固な画像が得られなくなったりするなどの問題が生じ易くなり、一方、含有量が多くなると均一な分散液が得られにくくなったり、インクジェットヘッド108等でのインクQの目詰まりが生じやすく、安定なインク吐出が得られにくいなどの問題が生じるからである。
また、キャリア液に分散された色材粒子の平均粒径は、0.1〜2μmが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5μmであり、さらに好ましくは0.5〜1.2μmである。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。なお、前記平均粒径は、乾式電子写真に用いられるトナーの平均粒径5〜15μmより小さく、さらに光沢度を50以上に高く発現させると、画像表面が平滑になって、密着効果が出て、ロールに貼り付き易い。
色材粒子をキャリア液に分散させた後(必要に応じて、分散剤を使用しても可)、荷電制御剤をキャリア液に添加することにより色材粒子を荷電して、荷電した色材粒子をキャリア液に分散してなるインクQとする。なお、色材粒子の分散時には、必要に応じて、分散媒を添加してもよい。
荷電制御剤は、一例として、電子写真液体現像剤に用いられている各種のものが利用可能である。また、「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)44頁(1977年)等に記載の各種の荷電制御剤も利用可能である。
なお、色材粒子は、吐出電極に印加される駆動電圧と同極性の荷電粒子であり、その荷電量は、好ましくは5〜200μC/g、より好ましくは10〜150μC/g、さらに好ましくは15〜100μC/gの範囲である。
また、荷電制御剤の添加によって誘電性溶媒の電気抵抗が変化することもあるため、下記に定義する分配率Pを、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上とする。
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここで、σ1は、インクQの電気伝導度、σ2は、インクQを遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度は、LCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)および液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
以上のようなインクQを用いることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
インクQの電気伝導度は、100〜3000pS/cmが好ましく、より好ましくは150〜2500pS/cm、さらに好ましくは200〜2000pS/cmである。以上のような電気伝導度の範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する記録電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。
また、インクQの表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/mさらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが漏れ広がり汚染することがない。
さらに、インクQの粘度は0.5〜5mPa・secが好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、さらに好ましくは0.7〜2.0mPa・secである。
このようなインクQは、一例として、色材粒子をキャリア液に分散して粒子化し、かつ、荷電調整剤を分散媒に添加して、色材粒子に荷電を生じさせることで、調製できる。具体的な方法としては、以下の方法が例示される。
(1)色材あるいはさらに分散樹脂粒子をあらかじめ混合(混練)した後、必要に応じて分散剤を用いてキャリア液に分散し、荷電調整剤を加える方法。
(2)色材、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、キャリア液に同時に添加して、分散し、荷電調整剤を加える方法。
(3)色材および荷電調整剤、あるいはさらに分散樹脂粒子および分散剤を、同時にキャリア液に添加して、分散する方法。
以上、本発明に係る定着装置およびについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
例えば、実施形態では、粒子として、色材と樹脂を含有する色材粒子を用いたが、これに限定されず、色材を含有しない、無色の樹脂粒子を用いることもできる。すなわち、無色の樹脂粒子を用いて記録媒体上に画像が描画された記録媒体の画像定着にも用いることができる。
本発明の定着装置の一実施形態の概略構成を示す模式図である。 図1に示した定着胴を模式的に示す斜視図である。 (A)は、図1に示した定着シートを模式的に示す斜視図であり、(B)は、定着シートの層構成を示す断面図である。 図1に示した定着ロールの層構成を示す拡大断面図である。 定着シートの固定方法を説明するための模式図である。 本発明の定着装置の他の実施形態の概略構成を示す模式図である。 止着手段および固定手段の概略構成を示した斜視図である。 図1の第1スプロケット51を紙面右方向から見た模式図である。 本発明の定着装置の他の実施形態の概略構成を示す模式図である。 本発明の定着装置を静電式インクジェット記録装置に適用した実施形態の概略構成を示す概念図である。 (A)は、吐出ヘッドの一部を示す模式的断面図であり、(B)は、(A)のXI−XI線矢視図である。
符号の説明
8 画像記録装置
9 画像形成装置
10,70 定着装置
12、71 定着ロール対
13、74 貼着手段
14 固定手段
16 ガイド
17,76 搬送ベルト
18,19,78,80 ベルトロール
20 加熱ロール(定着ロール)
22 加圧ロール(定着ロール)
24,26,62a,64a,82 ヒータ
28 定着胴
29,41 凹部
30,31 定着シート
30a 支持体
30b 弾性層
30c 中間層
30d コート層
32,34 穴
36,37 ボルト
38,46 座金
40 加圧胴
42 離型剤塗布手段
44 クリーニング手段
48 チェーン
50 グリッパ
51,84 第1スプロケット
52,85 第2スプロケット
54,86 第3スプロケット
56 帯電手段
58 除電手段
62,64 加熱手段
62b,64b 反射板
88 放熱遮蔽部材
P 記録媒体

Claims (18)

  1. 少なくとも樹脂を含有する粒子を用いて記録媒体上に描画された画像を前記記録媒体上に定着する定着装置であって、
    第1定着ロールおよび前記第1定着ロールと対になって配置された第2定着ロールからなり、少なくとも一方が加熱ロールであり、かつ、少なくとも一方の定着ロールの表層が交換可能である定着ロール対と、
    前記記録媒体を貼着させる貼着部材を含む貼着手段と、
    前記記録媒体および前記貼着手段の少なくとも一方を帯電させる帯電手段と、
    前記記録媒体の搬送方向先端部を把持部によって前記貼着部材の所定位置に物理的に固定する固定手段とを有し、
    前記帯電手段により、前記貼着部材と前記画像が描画された前記記録媒体とを静電吸着させ、かつ、前記固定手段により、前記画像が描画された前記記録媒体の先端部分を前記貼着部材の所定位置に固定させた後に、前記定着ロール対によって、前記記録媒体を前記貼着手段とともに挟持して搬送することにより、前記画像を前記記録媒体上に定着させる定着装置。
  2. 前記貼着手段は、第1ベルトロールと、第2ベルトロールと、前記第2定着ロール、前記第1ベルトロールおよび前記第2ベルトロールにより張架された無端ベルトとを含み、
    前記無端ベルトが前記貼着部材である請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記固定手段は、前記第2定着ロールと同軸で、その両端よりも外側の位置に配置される1対の第1スプロケット対と、前記第1ベルトロールと同軸で、その両端よりも外側の位置に配置される1対の第2スプロケット対と、前記第2ベルトロールと同軸で、その両端よりも外側の位置に配置される1対の第3スプロケット対と、前記第1スプロケット対、前記第2スプロケット対および第3スプロケット対に巻き掛けられたチェーンとを含み、
    前記把持部は、前記記録媒体の搬送方向に垂直に前記チェーンに取り付けられており、前記記録媒体の先端部分を複数箇所で把持する請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記貼着手段は、前記記録媒体の搬送方向において前記定着ロール対の上流側に設けられた第1ベルトロールと、前記記録媒体の搬送方向において前記定着ロール対の下流側に設けられた第2ベルトロールと、前記第1ベルトロールおよび前記第2ベルトロールにより張架され、前記定着ロール対の間に狭入された無端ベルトとを含み、
    前記無端ベルトが前記貼着部材である請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記固定手段は、前記第2定着ロールと同軸で、その両端よりも外側の位置に配置される1対の第1スプロケット対と、前記第1ベルトロールと同軸で、その両端よりも外側の位置に配置される1対の第2スプロケット対と、前記第2ベルトロールと同軸で、その両端よりも外側の位置に配置される1対の第3スプロケット対と、前記第1スプロケット対、前記第2スプロケット対および第3スプロケット対およびに巻き掛けられるチェーンとを含み、
    前記把持部は、前記記録媒体の搬送方向に垂直に前記チェーンに取り付けられており、前記記録媒体の先端部分を複数箇所で把持する請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記無端ベルトは、前記記録媒体との接触面を構成する絶縁層と、前記絶縁層の前記記録媒体との接触面と逆側の面に設けられた導電層とを有する請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記記録媒体の画像が描画された面と接触する前記定着ロールの表層が交換可能である請求項1〜6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記定着ロールは、円筒形状の胴部と、前記胴部表面に止着される交換可能な定着シートとで構成される請求項1〜7のいずれかに記載の定着装置。
  9. 前記定着シートは、剛性を有する支持体上に少なくとも1層以上の弾性を有する層が形成された構造を有する請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記胴部は、前記定着シートを前記胴部に物理的に止着する止着部材を付装する凹部を有する請求項8または9に記載の定着装置。
  11. さらに、前記定着ロールの中心に前記定着ロールを加熱する加熱手段を有する請求項1〜10のいずれかに記載の定着装置。
  12. さらに、前記定着ロールの表面近傍に前記定着ロールを加熱する加熱手段を有する請求項1〜11のいずれかに記載の定着装置。
  13. 前記定着ロール対の記録媒体の搬送方向下流側に配置され、前記記録媒体を除電する除電手段を有する請求項1〜12のいずれかに記載の定着装置。
  14. さらに、前記第1定着ロールに離型剤を塗布する離型剤塗布手段を有する請求項1〜13のいずれかに記載の定着装置。
  15. さらに、前記第1定着ロールの表面の異物を除去するクリーニング手段を有する請求項1〜14に記載の定着装置。
  16. 前記粒子が少なくとも色材および樹脂を含有する色材粒子である請求項1〜15のいずれかに記載の定着装置。
  17. 前記粒子の平均粒子径が、0.5〜1.2μmの範囲内である請求項1〜16のいずれかに記載の定着装置。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の定着装置と、
    前記定着装置の前記記録媒体の搬送方向の上流側に設けられる、帯電した前記色材粒子を溶媒に分散させたインクを用いる静電式インクジェット描画手段とを有し、
    前記静電式インクジェット描画手段によって前記記録媒体に記録された画像を前記定着装置により記録媒体上に定着する画像記録装置。
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