JP2006256078A - プレス成形装置、このプレス成形装置を用いたプレス成形方法およびこのプレス成形装置により形成された樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型化を招くことなく、一度の成形工程で複数の成形品を所望の形状に形成することができるプレス成形装置、これを用いたプレス成形方法およびこのプレス成形装置により形成された樹脂成形品を提供する。
【解決手段】開閉可能に対向して設けられた一対の対向金型3、4を有しかつその間に樹脂材料Rが供給される対向空間を形成するプレス金型2と、樹脂材料Rを加熱しおよび冷却する温度制御手段7と、加熱された樹脂材料Rにプレス金型2を介してその開閉方向に沿って加圧する加圧手段5、6とを備えたプレス成形装置1である。両対向金型3、4との間に、少なくとも一つ以上の中金型8が配置され、中金型8は、両対向金型3、4に対向する少なくとも一方の表面に転写面11を有し、転写面11は、対向空間の一部を構成し、対向空間は、プレス金型2の開閉方向に対して直列を為すように少なくとも二つ以上形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】開閉可能に対向して設けられた一対の対向金型3、4を有しかつその間に樹脂材料Rが供給される対向空間を形成するプレス金型2と、樹脂材料Rを加熱しおよび冷却する温度制御手段7と、加熱された樹脂材料Rにプレス金型2を介してその開閉方向に沿って加圧する加圧手段5、6とを備えたプレス成形装置1である。両対向金型3、4との間に、少なくとも一つ以上の中金型8が配置され、中金型8は、両対向金型3、4に対向する少なくとも一方の表面に転写面11を有し、転写面11は、対向空間の一部を構成し、対向空間は、プレス金型2の開閉方向に対して直列を為すように少なくとも二つ以上形成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、プレス成形装置、これを用いた成形方法およびこのプレス成形装置により形成された樹脂成形品に関し、さらに詳しくは、大型でかつ薄型の光学用成形体の成形に好適なプレス成形装置、これを用いた成形方法およびこのプレス成形装置により形成された樹脂成形品に関する。
従来、カメラやプリンタ用の光学レンズおよびミラー、あるいはコンパクトディスク等の光学用成形体の成形には、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の透明熱可塑性樹脂を材料とする射出成形法が採用されていた。近年、これらが用いられる光学機器の大型化、薄型化および高性能化に伴い、使用される光学用成形体には、大型でかつ薄型であり、さらに低複屈折性などの光学的特性に優れたものが要求される。従来の射出成形法では、このような光学用成形体を成形することが困難であるので、これに代えてプレス成形法および射出圧縮成形法等の特殊成形法により光学用成形体を成形することが知られている。
プレス成形法は、射出成形法の場合よりも樹脂の溶融温度を低く設定できるため、樹脂材料の熱劣化が防止され、透明性に優れた光学用成形体を得ることができる。また、プレス成形法では樹脂材料の流動配向がなく、複屈折を小さくすることができる。樹脂材料には、射出成形法に比較して付与される圧力が低いので、残留応力が小さくなり、経時的な変形が起きにくい。さらに、油脂や有機溶剤による割れなども生じにくい成形体を得ることができる。加熱し再度溶融させた熱可塑性樹脂を加圧して成形するため、応力緩和ができ、低複屈折性に優れる光学用成形体を得ることができる。
ところが、プレス成形法では、一度の成形工程で金型の温度を昇降させる必要があるので、射出成形に比較して、一度の成形工程時間が長くなり、成形体の生産性が低いという問題がある。
この問題を解決するものとして、一度の成形工程で複数の成形体を得ることができるプレス成形装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。これらのものは、複数の金型を有する。各金型は、光学素子の光学面を成形するための転写面を有する開閉可能な上金型および下金型からなり、その開閉方向に対して並列に配置されている。各金型には、その上金型と下金型との間に樹脂材料が供給される。各樹脂材料は、各金型を介してヒータで温められ、所定の温度とされた後、各金型の各上金型に対応する加圧手段により金型の開閉方向に沿う所定の圧力が付与される。この加圧を受けた樹脂材料に上金型および下金型の転写面の形状が転写され、所定形状の光学用成形体が成形される。その後、光学用成形体および金型を所定の温度に冷却する。これにより、一度の成形工程で複数の光学用成形体を同時に成形することができる。
特公平05−32333号公報
特開平09−239757号公報
特開平09−267404号公報
しかしながら、上記したプレス成形装置では、加圧方向に対して並列に配置された複数の金型を有する構成であるので、成形工程において複数の金型をそれぞれ温める際、各金型の温度に差が生じてしまう。すると、各金型に供給された各樹脂材料を所望の温度とすることができなくなる。このことは、プレス成形法の場合、得られる光学用成形体を所望の形状に成形することの妨げとなり、光学用成形体の光学的な性能に大きな影響を及ぼすという問題がある。また、各金型に、同時に所望の圧力を加える必要があるので、加圧手段が大型化し、装置の大型化およびコストの増加を招くという問題もある。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、大型化を招くことなく、一度の成形工程で複数の成形品を所望の形状に形成することができるプレス成形装置、これを用いたプレス成形方法およびこのプレス成形装置により形成された樹脂成形品を提供することを目的とするものである。
本出願人は、上記した問題点が、複数の金型が各金型の加圧方向に対して並列に配置されていることに起因することを見出した。このため、本発明は、基本的に複数の金型が各金型の加圧方向に対して直列に配置されて構成されている。
すなわち、上記した課題を解決するために、請求項1に記載のプレス成形装置は、開閉可能に対向して設けられた一対の対向金型を有しかつ前記両対向金型の間に樹脂材料が供給される対向空間を形成するプレス金型と、前記樹脂材料を所定の温度に加熱しおよび冷却する温度制御手段と、前記所定の温度に達した前記樹脂材料に前記プレス金型を介して該プレス金型の開閉方向に沿って圧力を付与する加圧手段とを備えたプレス成形装置であって、前記両対向金型の間に、少なくとも一つ以上の中金型が配置され、該中金型は、前記両対向金型に対向する少なくとも一方の表面に転写面を有し、該転写面は、前記対向空間の一部を構成し、該対向空間は、前記プレス金型の開閉方向に対して直列を為すように少なくとも二つ以上形成されることを特徴とする。
請求項2に記載のプレス成形装置は、請求項1に記載のプレス成形装置であって、前記両対向金型の間には、前記プレス金型の開閉方向に対して直列に複数の前記中金型が配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載のプレス成形装置は、請求項1または請求項2に記載のプレス成形装置であって、前記中金型は、両方の表面に前記転写面を有することを特徴とする。
請求項4に記載のプレス成形装置は、請求項3に記載のプレス成形装置であって、前記中金型は、片面に前記転写面を有する転写面成形部を構成部材として含むことを特徴とする。
請求項5に記載のプレス成形装置は、請求項4に記載のプレス成形装置であって、前記中金型は、前記温度制御手段を有する中型本体部と、該中型本体部に取り付けられた前記転写面成形部とにより構成されていることを特徴とする。
請求項6に記載のプレス成形装置は、請求項1に記載のプレス成形装置であって、前記温度制御手段として高周波誘電加熱方式が採用されていることを特徴とする。
請求項7に記載のプレス成形装置は、請求項6に記載のプレス成形装置であって、前記温度制御手段は、前記両対向金型のそれぞれに設けられた電極と、該両電極に電気的に接続された高周波発生装置とを有することを特徴とする。
請求項8に記載のプレス成形装置は、請求項1に記載のプレス成形装置であって、前記樹脂材料は、熱可塑性樹脂シートであることを特徴とする。
請求項9に記載のプレス成形装置は、請求項1に記載のプレス成形装置であって、さらに、前記中金型と前記樹脂材料との間を真空雰囲気下にする真空形成手段を備えることを特徴とする。
請求項10に記載のプレス成形装置は、請求項1に記載のプレス成形装置であって、前記中金型は、中型本体部と、該中型本体部に取り付けられ片面に前記転写面を有する転写面成形部とにより構成されており、前記転写面成形部には、前記転写面に開放されるガス孔が設けられ、前記ガス孔には、前記中型本体部からガスが供給され、前記樹脂材料は、前記ガス孔から噴射されるガスにより前記転写面成形部から離型されることを特徴とする。
請求項11に記載のプレス成形方法は、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のプレス成形装置を用いて行なうことを特徴とする。
請求項12に記載の樹脂成形品は、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のプレス成形装置を用いて形成されたことを特徴とする。
請求項1ないし請求項3に記載の発明によれば、対向空間が金型の加圧方向に対して直列に配置されているため、加圧手段は、一対の対向金型をその開閉方向に沿って加圧すればよいので、加圧方向に対し並列に配置された複数の金型を同時に加圧する場合に比較して、小型化を図ることができる。また、並列に配置された複数の金型の温度を同時に昇降させることに比較して、各樹脂材料の温度とその所望の温度との差を小さくすることができる。
請求項4および請求項5に記載の発明によれば、片面に転写面を有する転写面形成部を用いて中金型を形成しているので、両方の表面に転写面を有する中金型を容易に形成することができる。
請求項6および請求項7に記載の発明によれば、大型化を招くことなく、複数の樹脂材料を等しい温度とすることができる。
請求項8に記載の発明によれば、複数の樹脂材料を同時に加工しても、金型の開閉方向に沿う厚さの増加が少ないので、各樹脂材料を等しい温度とすることができる。
請求項9に記載の発明によれば、金型の内方に空気が残存したまま樹脂材料を加工することを防止することができるので、樹脂成形品の加工精度を高めることができる。
請求項10に記載の発明によれば、成形後の樹脂成形品を容易に離型することができる。
請求項11に記載の発明によれば、大型化を招くことなく、一度の成形工程で所望の形状に形成された複数の樹脂成形品を得ることができる。
請求項12に記載の発明によれば、成形コストの増加を招くことなく所望の形状に形成されている。例えば、樹脂成形品が光学用成形体の場合、高い性能を有する、例えば、大型でかつ薄型であり、さらに低複屈折性などの光学的特性に優れている。
以下に、本発明に係るプレス成形装置、これを用いたプレス成形方法およびこのプレス成形装置により形成された樹脂成形品の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係るプレス成形装置1を模式的に示した断面図である。
本実施例1では、プレス成形装置1を用いて、樹脂材料としてアクリル樹脂シートRを使用し、フレネルレンズF(図2(d)参照。)を製造している。
プレス成形装置1は、プレス金型2を備える。プレス金型2は、上金型3と下金型4とを有する。上金型3および下金型4は、互いに平行にかつ上下方向で対向して配置されている。上金型3は、プレスヘッド5に設けられており、下金型4は、プレスステージ6に設けられている。プレスヘッド5およびプレスステージ6は、互いに平行に対向しており、プレスヘッド5は、この対向及び平行関係を維持したまま上下方向に移動可能に設けられている。プレスヘッド5は、この移動方向に沿ってプレスステージ6へ向けて圧力を付与する加圧手段としても機能する。
上金型3および下金型4には、それぞれヒータ7が設けられている。ヒータ7は、制御装置(図示せず。)に接続されており、両金型3、4の温度を昇降させる。
一般的に、両金型3、4の材質として、被切削性および被研削性が良好であること、耐磨耗性に優れること、鏡面仕上げ性が優れていること、十分な強度と靭性とを有すること、耐食性が大きいこと、シボ加工性がよいこと、熱処理特性が良好であること、熱伝導度が大きくかつ熱膨張係数が小さいこと、溶接補修性が良いことといった機械的特性および加工特性等が要求される。このため、両金型3、4は、機械構造用鋼、合金工具鋼、ステンレス鋼等により形成される。特に、冷却性能を重視する場合は熱伝導性の高い銅系合金またはアルミニウム合金を使用してもよいが、強度、耐食性、耐磨耗性、鏡面仕上げ性等の観点から、ステンレス鋼を用いることが望ましい。
両金型3、4の間には、中金型8が配置可能である。中金型8は、中型本体部9と二つの転写面成形部10とを有する。中型本体部9は、全体に板形状を呈しており、その両平面がそれぞれ両金型3、4に対向している。中型本体部9の内方には、ヒータ7と同様のヒータ(図示せず。)が設けられており、このヒータはヒータ7と同様に制御装置(図示せず。)に接続されている。また、中型本体部9の内方には、ガス通路(図示せず。)が設けられており、このガス通路はガス供給装置(図示せず。)に通じている。
両転写面成形部10は、全体に略板状を呈しており、中型本体部9の両平面にそれぞれ取り付けられている。両転写面成形部10は、中型本体部9への取付面と反対側の面に転写面11を有する。転写面11は、本実施例1では、フレネルレンズFを反転させた形状を呈している。両転写面成形部10には、複数のガス孔(図示せず。)が設けられている。各ガス孔は、一端が中型本体部9のガス通路(図示せず。)に通じており、他端が転写面11に開放されている。
転写面成形部10は、次のように形成される。鋼のブランク材をバイトで切削して所定の形状に加工した後、この加工部材に熱処理を施す。さらに、その加工面に無電解ニッケルめっきを施し、熱処理を施して硬度を高め、この加工面をダイヤモンドバイトで切削することにより、所望の形状の鏡面とされた転写面11を有する転写面成形部10が形成される。この両転写面成形部10は、プレス金型2の両金型3、4に比較して熱容量が小さく設定されている。
この両転写面成形部10の転写面11と両金型3、4との間には、それぞれアクリル樹脂シートRが配置可能である。アクリル樹脂シートRは、本実施例1では厚さ1mmに形成されている。なお、このような樹脂成形体の製造に使用する樹脂材料としては、脂環構造含有樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができるが、これに限られるものではなく、成形体の透明性や、耐熱性、低吸水性、低複屈折性などを考慮して自由に選択することができる。また、樹脂材料に無機や有機のフィラーやビーズ等の微粒子等を配合して使用することもできる。このアクリル樹脂シートRおよび中金型8は、搬送装置(図示せず。)により両金型3、4との間に配置可能とされている。
上記したプレス金型2、プレスヘッド5およびプレスステージ6は、図示を略す真空チャンバの内方に配置されている。この真空チャンバは、開閉可能な開口部を有しており、アクリル樹脂シートRおよび中金型8は、この開口部から両金型3、4との間への配置が可能とされている。
次に、本発明に係るプレス成形装置1を用いて樹脂成形品であるフレネルレンズFを成形する工程を図2に沿って説明する。図2は、プレス成形装置1による一度の成形工程を(a)〜(d)で示した模式図である。
プレス金型2の上金型3および下金型4をヒータ7で所定の温度まで温める(図2(a)参照。)。この所定の温度とは、アクリル樹脂シートRのガラス転移温度Tg以下である。この際、加熱の速度は特に限定されないが、昇温速度が大きいほど一度の成形工程に要する時間を短縮し生産性を向上させることができる。ところが、昇温速度を大きくするとプレス成形装置1への負荷も増大するので、プレス成形装置1に応じて適宜設定する。
図示を略す搬送装置によって中金型8および両アクリル樹脂シートRを上金型3と下金型4との間で所定の位置に供給した後(図2(b)参照。)、図示を略す真空チャンバを閉鎖し、真空チャンバ内を真空雰囲気とする。ここでの真空雰囲気とは、真空度が1.0×10-1Pa以下、望ましくは1.0×10-3Pa以下の雰囲気をいう。
中金型8を中型本体部9に設けられたヒータ(図示せず。)で所定の温度まで温める。この所定の温度は、アクリル樹脂シートRのガラス転移温度Tg以上である。
中金型8を所定の温度Tg以上とした後、プレスヘッド5を作動させてプレス金型2の上金型3を下方へ移動させる。上金型3の下方への移動により、両アクリル樹脂シートRは、上金型3と中金型8とに、あるいは下金型4と中金型8とに挟まれる。この後、上金型3がさらに下方へと移動され、両アクリル樹脂シートRに上下方向に沿う圧力が付与される。この加圧により、両アクリル樹脂シートRには、転写面11の形状が転写され、両アクリル樹脂シートRがフレネルレンズFの形状とされる(図2(c)参照。)。このため、上金型3と転写面11とに挟まれた空間、および下金型4と転写面11とに挟まれた空間が対向空間として機能する。なお、この付与される圧力は、通常は数Pa〜数十MPa程度である。また、この加圧した状態での保持時間は、通常1秒〜5分程度であるが、成形品の大きさ、形状、成形精度等の要素を勘案して適宜選択することができる。
この加圧工程の後、中型本体部9のヒータを停止する。中金型8の両転写面成形部10は、プレス金型2の両金型3、4に比較して熱容量が小さいため、両転写面成形部10の熱の両金型3、4への伝達速度は速いので、両転写面成形部10が短時間で冷える。このため、成形された両アクリル樹脂シートRは、短時間でガラス転移温度Tg以下まで冷却される。
ガラス転移温度Tg以下とした後、プレスヘッド5を作動させて上金型3を上昇させつつ、中金型8の両転写面成形部10の各ガス孔(図示せず。)からガスを噴射させる。これにより、成形された両アクリル樹脂シートRが中金型8から離型され、アクリル樹脂シートRからなる二つのフレネルレンズFを得ることができる(図2(d)参照。)。
実際に本出願人が上記した構成を有するプレス成形装置を用いて、上記したようにフレネルレンズを成形したところ、得られた複数のフレネルレンズは、いずれも転写面を含み対向空間を規定する両金型3、4および中金型8の形状が忠実に転写されていた。
このプレス成形装置1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)プレス金型2への加圧方向に対して直列に配置された対向空間に樹脂材料である両アクリル樹脂シートRが供給されているので、一度の成形工程で所望の形状の二つのフレネルレンズFを同時に得ることができる。このため、光学的特性に優れた二つのフレネルレンズFを高い生産効率で得ることができる。
(2)両対向空間が加圧方向に対して直列に配置されているので、加圧手段であるプレスヘッド5およびプレスステージ6は、一対の金型3、4に加圧力を付与できるものであればよく、加圧方向に対して並列に複数の金型が配置されている場合に比較して小型化することができる。このため、プレス成形装置1を小型化することができ、プレス成形装置1の製造コストを低減することができる。
(3)両対向空間を構成する上金型3、下金型4および中金型8は、直列に配置されているので、複数の金型を並列に配置することに比較して、各対向空間に供給された樹脂材料の温度を高い精度で所定の温度とすることができる。
(4)中金型8が両面に転写面11を有しているので、より効率的にプレス成形を行うことができる。
(5)中金型8は、片面に転写面11を有する二つの転写面成形部10が中型本体部9に取り付けられた構成により両面に転写面11を有しているので、両面に切削加工を施して両面に転写面11を有する部材を製造することに比較して、低コストで製造することができる。
(6)中金型8の中型本体部9にヒータが設けられているので、キャビティ内に供給される樹脂材料(アクリル樹脂シートR)を高い応答性で温度制御することができる。
(7)両転写面成形部10のみをガラス転移温度Tg以上としてプレス成形しているので、金型全体を加熱してプレス成形する場合に比べて、樹脂材料の加熱および冷却に要する時間が短くなり、一度の成形工程に要する時間を大幅に短くできる。さらに、高精度に温度制御が可能となり、オーバーシュートやハンチングなどによる過熱を防ぐことができる。このことは、単に成形プロセスが制御し易いというだけではなく、従来のプレス成形よりも高精度な成形品が得られることを意味する。
(8)樹脂材料が熱可塑性樹脂シートRなので、プレス金型2の開閉方向に対して直列に多数の樹脂材料を配置しても、金型の開閉方向に沿う厚さの増加が少ない。このため、各熱可塑性樹脂シートRの各部における中型本体部9との間隔の違いによる影響が殆どなくなり、各熱可塑性樹脂シートRは、その内部に温度分布が生じることなく均一に温められる。
(9)真空雰囲気とされた真空チャンバ内でプレス成形を行なっているので、空気の抵抗をなくすことができ、深い光学面形状や複雑な光学面形状をプレス成形する場合であっても、樹脂材料を短時間で転写面11に倣わすことができる。このため、高精度な転写および一度の成形工程に要する時間を短縮することができる。大気雰囲気中でのプレス成形により、回折輪帯などの微細構造を光学面に有する光学素子を成形すると、特に微細構造部で微小な空気溜まりができやすく、加熱プレス成形の転写性を劣化させる場合がある。このため、転写面11と各熱可塑性樹脂シートRとの間が真空雰囲気下であることは、高精度な成形を行なう場合により効果的である。
(10)樹脂成形品(フレネルレンズF)の離型時に転写面11のガス孔からガスが噴射されるので、樹脂成形品の離型を容易にし、樹脂成形品の離型の際に生じる変形を防止することができる。なお、ガス孔は転写面11に1つ設けられていればよいが、複数個の円形、スリットなどの形状で設けることが望ましい。噴射されるガスは圧搾空気が一般的であるが、これに限らず、公知のガスを用いることができる。
(1)プレス金型2への加圧方向に対して直列に配置された対向空間に樹脂材料である両アクリル樹脂シートRが供給されているので、一度の成形工程で所望の形状の二つのフレネルレンズFを同時に得ることができる。このため、光学的特性に優れた二つのフレネルレンズFを高い生産効率で得ることができる。
(2)両対向空間が加圧方向に対して直列に配置されているので、加圧手段であるプレスヘッド5およびプレスステージ6は、一対の金型3、4に加圧力を付与できるものであればよく、加圧方向に対して並列に複数の金型が配置されている場合に比較して小型化することができる。このため、プレス成形装置1を小型化することができ、プレス成形装置1の製造コストを低減することができる。
(3)両対向空間を構成する上金型3、下金型4および中金型8は、直列に配置されているので、複数の金型を並列に配置することに比較して、各対向空間に供給された樹脂材料の温度を高い精度で所定の温度とすることができる。
(4)中金型8が両面に転写面11を有しているので、より効率的にプレス成形を行うことができる。
(5)中金型8は、片面に転写面11を有する二つの転写面成形部10が中型本体部9に取り付けられた構成により両面に転写面11を有しているので、両面に切削加工を施して両面に転写面11を有する部材を製造することに比較して、低コストで製造することができる。
(6)中金型8の中型本体部9にヒータが設けられているので、キャビティ内に供給される樹脂材料(アクリル樹脂シートR)を高い応答性で温度制御することができる。
(7)両転写面成形部10のみをガラス転移温度Tg以上としてプレス成形しているので、金型全体を加熱してプレス成形する場合に比べて、樹脂材料の加熱および冷却に要する時間が短くなり、一度の成形工程に要する時間を大幅に短くできる。さらに、高精度に温度制御が可能となり、オーバーシュートやハンチングなどによる過熱を防ぐことができる。このことは、単に成形プロセスが制御し易いというだけではなく、従来のプレス成形よりも高精度な成形品が得られることを意味する。
(8)樹脂材料が熱可塑性樹脂シートRなので、プレス金型2の開閉方向に対して直列に多数の樹脂材料を配置しても、金型の開閉方向に沿う厚さの増加が少ない。このため、各熱可塑性樹脂シートRの各部における中型本体部9との間隔の違いによる影響が殆どなくなり、各熱可塑性樹脂シートRは、その内部に温度分布が生じることなく均一に温められる。
(9)真空雰囲気とされた真空チャンバ内でプレス成形を行なっているので、空気の抵抗をなくすことができ、深い光学面形状や複雑な光学面形状をプレス成形する場合であっても、樹脂材料を短時間で転写面11に倣わすことができる。このため、高精度な転写および一度の成形工程に要する時間を短縮することができる。大気雰囲気中でのプレス成形により、回折輪帯などの微細構造を光学面に有する光学素子を成形すると、特に微細構造部で微小な空気溜まりができやすく、加熱プレス成形の転写性を劣化させる場合がある。このため、転写面11と各熱可塑性樹脂シートRとの間が真空雰囲気下であることは、高精度な成形を行なう場合により効果的である。
(10)樹脂成形品(フレネルレンズF)の離型時に転写面11のガス孔からガスが噴射されるので、樹脂成形品の離型を容易にし、樹脂成形品の離型の際に生じる変形を防止することができる。なお、ガス孔は転写面11に1つ設けられていればよいが、複数個の円形、スリットなどの形状で設けることが望ましい。噴射されるガスは圧搾空気が一般的であるが、これに限らず、公知のガスを用いることができる。
なお、温度制御手段として中型本体部9にはヒータが設けられていたが、中型本体部9を介して樹脂材料を加熱および冷却することができるものであれば、例えば、温度調節された水および油等の流体を利用することができ、また赤外線等の電磁波を用いることもでき、上記した実施例1に限定されるものではない。
また、真空雰囲気を作り出すために真空チャンバが採用されていたが、転写面11と熱可塑性樹脂シートRとの間を真空雰囲気下とすることができるものであればよく、上記した実施例1に限定されるものではない。
図3は、本発明に係る他の例であるプレス成形装置20を模式的に示した断面図である。
本実施例2では、プレス成形装置20を用いて、樹脂材料としてポリカーボネート樹脂R´を使用し、レンチキュラーレンズL(図4(d)参照。)を製造している。
プレス成形装置20は、プレス金型21を備える。プレス金型21は、上金型22と下金型23とを有する。上金型22および下金型23は、互いに平行にかつ上下方向で対向して配置されている。上金型22は、プレスヘッド24に設けられており、下金型23は、プレスステージ25に設けられている。プレスヘッド24およびプレスステージ25は、互いに平行に対向しており、プレスヘッド24は、この対向及び平行関係を維持したまま上下方向に移動可能に設けられている。プレスヘッド24は、この移動方向に沿ってプレスステージ25へ向けて圧力を付与する加圧手段としても機能する。
上金型22および下金型23には、温調回路(図示せず。)が設けられている。温調回路には、温度調節された水が循環される。
また、両金型22、23には、それぞれ絶縁板26および電極板27が設けられている。各絶縁板26は、金型22、23を覆うように金型22、23に取り付けられている。各電極板27は、各絶縁板26に取り付けられており、各絶縁板26により金型22、23と電気的に絶縁されている。
両電極板27には、高周波発生装置28が接続されている。高周波発生装置28は、1MHz以上の高周波電圧を両電極板27間に印加することができる。
両金型22、23の間には、四つの中金型29が配置可能である。各中金型29は、全体に略板状を呈しており、片面に転写面30を有する。各転写面30は、本実施例2では、レンチキュラーレンズLを反転させた形状を呈している。
また、各中金型29の転写面30に対向する位置には、ポリカーボネート樹脂シートR´が配置可能である。ポリカーボネート樹脂シートR´は、本実施例2では、厚さ0.5mmに形成されている。ポリカーボネート樹脂シートR´は、電気的特性である誘電率εと誘電正接tanδとが0.01<ε×tanδの関係を満たすものが採用されている。このポリカーボネート樹脂シートR´および中金型29は、搬送装置(図示せず。)により両金型22、23との間に配置可能とされている。
次に、本発明に係るプレス成形装置20を用いて樹脂成形品であるレンチキュラーレンズLを成形する工程を図4に沿って説明する。図4は、プレス成形装置20による一度の成形工程を(a)〜(d)で示した模式図である。
開放状態とされたプレス金型21(図4(a)参照。)に、図示を略す搬送装置によって各中金型29および各ポリカーボネート樹脂シートR´が両電極板27の間で所定の位置に配置される(図4(b)参照。)。この後、プレスヘッド24を作動させて上金型22を下降させ、型締めする。
上金型22をさらに下降させ、各中金型29および各ポリカーボネート樹脂シートR´に所定の圧力を加えるとともに両電極板27間に高周波電圧を印加する。これにより、両電極板27間に高周波電界が形成され、各ポリカーボネート樹脂シートR´内部の双曲子に激しい運動がおこり、その摩擦熱によって各ポリカーボネート樹脂シートR´自身が自己発熱する。この時の発熱量は部材固有の物性値である誘電率εと誘電正接tanδの大きさに比例する。本実施例2では、ポリカーボネート樹脂シートR´が0.01<ε×tanδを満たしているので、金型を加熱することなく樹脂材料だけを選択的に加熱することができる。このため、両電極板27および高周波発生装置28は、温度制御手段として機能を有する。
この加熱された状態の各ポリカーボネート樹脂シートR´に上下方向に沿う圧力が付与されるので、各ポリカーボネート樹脂シートR´には、転写面30の形状が転写され、各ポリカーボネート樹脂シートR´がレンチキュラーレンズLの形状とされる(図4(c)参照。)。このため、中金型29と転写面30とに挟まれた空間、および転写面30と電極板27とに挟まれた空間が対向空間として機能する。
この加圧工程の後、高周波発生装置28による電圧の印加を停止し、図示を略す温水回路により両金型22、23を冷却する。これにより、各中金型29および各ポリカーボネート樹脂シートR´の熱は、冷却された両金型22、23に伝導するので、成形された各ポリカーボネート樹脂シートR´は、急速にガラス転移温度Tg以下まで冷却される。
ガラス転移温度Tg以下とした後、プレスヘッド24を作動させて上金型22を上昇させ、成形された各ポリカーボネート樹脂シートR´をプレス金型21から取り出すことにより、各ポリカーボネート樹脂シートR´からなる四つのレンチキュラーレンズLを得ることができる(図2(d)参照。)。
実際に本出願人が上記した構成を有するプレス成形装置を用いて、上記したようにレンチキュラーレンズを成形したところ、得られた複数のレンチキュラーレンズは、いずれも転写面を含み対向空間を規定する両金型22、23および各中金型29の形状が忠実に転写されていた。
このプレス成形装置20によれば、上記した実施例1で挙げた効果(1)〜(3)および(8)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(11)温度制御手段として高周波誘電加熱方式が採用されているので、樹脂材料(ポリカーボネート樹脂シートR´)のみを選択的に加熱することができる。このため、金型を介して樹脂材料を温めることに比較して、樹脂材料を所定の温度(ガラス転移温度Tg)以上まで温めることに要する時間を短くすることができる。また、樹脂材料に隣接する金型自体が温められていないので、成形された樹脂材料を所定の温度以下に冷却することに要する時間を短くすることができる。
(12)高周波誘電加熱方式が採用されているので、樹脂材料をその内部に温度分布を生じさせることなく均一に温めることができる。このため、樹脂材料を高精度に成形することができる。
(13)高周波誘電加熱方式が採用されているので、加圧方向に対して直列に配置された各樹脂材料をそれぞれ等しい温度とすることができる。このため、一度の成形工程で複数の樹脂成形品を成形しても、各樹脂成形品を高精度に成形することができる。
(14)中金型29に図示を略す温水回路が設けられているので、樹脂材料の加熱および冷却に要する時間を短くすることができる。
(11)温度制御手段として高周波誘電加熱方式が採用されているので、樹脂材料(ポリカーボネート樹脂シートR´)のみを選択的に加熱することができる。このため、金型を介して樹脂材料を温めることに比較して、樹脂材料を所定の温度(ガラス転移温度Tg)以上まで温めることに要する時間を短くすることができる。また、樹脂材料に隣接する金型自体が温められていないので、成形された樹脂材料を所定の温度以下に冷却することに要する時間を短くすることができる。
(12)高周波誘電加熱方式が採用されているので、樹脂材料をその内部に温度分布を生じさせることなく均一に温めることができる。このため、樹脂材料を高精度に成形することができる。
(13)高周波誘電加熱方式が採用されているので、加圧方向に対して直列に配置された各樹脂材料をそれぞれ等しい温度とすることができる。このため、一度の成形工程で複数の樹脂成形品を成形しても、各樹脂成形品を高精度に成形することができる。
(14)中金型29に図示を略す温水回路が設けられているので、樹脂材料の加熱および冷却に要する時間を短くすることができる。
なお、樹脂材料としてポリカーボネート樹脂シートR´が用いられていたが、上記した実施例2に限定されるものではない。高周波誘電加熱方式による樹脂材料の加熱を効率良く得ることができればよく、電気的特性である誘電率εと誘電正接tanδとが、少なくとも0.01<ε×tanδを満たす材料を、望ましくは0.05<ε×tanδを満たす材料を樹脂材料として用いることができる。このような樹脂材料として、例えば、塩化ビニル、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、エチレン酸ビコポリマー等が挙げられる。
プレス成形装置20では、樹脂材料の成形を行なう際、ポリカーボネート樹脂シートR´と転写面30との間は真空雰囲気下とされていないが、プレス成形装置1と同様に、高精度な転写および一度の成形工程に要する時間を短縮することができるので、プレス成形装置20を真空雰囲気下で樹脂材料の成形を行なう構成としてもよい。
上記した各実施例1、2では、それぞれ中金型の数が1または4とされていたが、上金型と下金型との間で、上金型と下金型とに付与される圧力方向に対して直列に複数の対向空間を形成するものであればよく、上記した各実施例1、2に限定されるものではない。
上記した各実施例1、2では、上金型が上下動することによりプレス金型が開閉される構成とされていたが、上金型と下金型との間隔が相対的に増減されるものであればよく、上記した各実施例1、2に限定されるものではない。
1、20 プレス成形装置
2、21 プレス金型
3、22 (対向金型としての)上金型
4、23 (対向金型としての)下金型
5、24 (加圧手段としての)プレスヘッド
6、25 (加圧手段としての)プレスステージ
7 (温度制御手段としての)ヒータ
8、29 中金型
9 中型本体部
10 転写面成形部
11、30 転写面
27 (温度制御手段としての)電極板
28 (温度制御手段としての)高周波発生装置
F (樹脂成形品としての)フレネルレンズ
L (樹脂成形品としての)レンチキュラーレンズ
R 熱可塑性樹脂シート
2、21 プレス金型
3、22 (対向金型としての)上金型
4、23 (対向金型としての)下金型
5、24 (加圧手段としての)プレスヘッド
6、25 (加圧手段としての)プレスステージ
7 (温度制御手段としての)ヒータ
8、29 中金型
9 中型本体部
10 転写面成形部
11、30 転写面
27 (温度制御手段としての)電極板
28 (温度制御手段としての)高周波発生装置
F (樹脂成形品としての)フレネルレンズ
L (樹脂成形品としての)レンチキュラーレンズ
R 熱可塑性樹脂シート
Claims (12)
- 開閉可能に対向して設けられた一対の対向金型を有しかつ該両対向金型の間に樹脂材料が供給される対向空間を形成するプレス金型と、前記樹脂材料を所定の温度に加熱しおよび冷却する温度制御手段と、前記所定の温度に達した前記樹脂材料に前記プレス金型を介して該プレス金型の開閉方向に沿って圧力を付与する加圧手段とを備えたプレス成形装置であって、
前記両対向金型の間に、少なくとも一つ以上の中金型が配置され、該中金型は、前記両対向金型に対向する少なくとも一方の表面に転写面を有し、該転写面は、前記対向空間の一部を構成し、該対向空間は、前記プレス金型の開閉方向に対して直列を為すように少なくとも二つ以上形成されることを特徴とするプレス成形装置。 - 前記両対向金型の間には、前記プレス金型の開閉方向に対して直列に複数の前記中金型が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
- 前記中金型は、両方の表面に前記転写面を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレス成形装置。
- 前記中金型は、片面に前記転写面を有する転写面成形部を構成部材として含むことを特徴とする請求項3に記載のプレス成形装置。
- 前記中金型は、前記温度制御手段を有する中型本体部と、該中型本体部に取り付けられた前記転写面成形部とにより構成されていることを特徴とする請求項4に記載のプレス成形装置。
- 前記温度制御手段として高周波誘電加熱方式が採用されていることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
- 前記温度制御手段は、前記両対向金型のそれぞれに設けられた電極と、該両電極に電気的に接続された高周波発生装置とを有することを特徴とする請求項6に記載のプレス成形装置。
- 前記樹脂材料は、熱可塑性樹脂シートであることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
- さらに、前記中金型と前記樹脂材料との間を真空雰囲気下にする真空形成手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
- 前記中金型は、中型本体部と、該中型本体部に取り付けられ片面に前記転写面を有する転写面成形部とにより構成されており、前記転写面成形部には、前記転写面に開放されるガス孔が設けられ、前記ガス孔には、前記中型本体部からガスが供給され、前記樹脂材料は、前記ガス孔から噴射されるガスにより前記転写面成形部から離型されることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形装置。
- 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のプレス成形装置を用いて行うプレス成形方法。
- 請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のプレス成形装置を用いて成形された樹脂成形品。
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