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JP2006253394A - チップ状巻線型コイル部品 - Google Patents

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昌義 常見
Kiwa Okino
喜和 沖野
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

【目的】Q特性に優れ、接続信頼性の高い小型化に適したチップ状巻線型コイル部品を提供する。
【構成】 巻線型コイル部品10は、巻芯1の両端部に四角形状の角鍔2a,2bを備えたドラム型フェライトコア3の角鍔2a,2bの下側の側面Sに設けた電極5に巻線6の端部を接合するとともに、巻芯1に巻回した巻線6の外周を磁性粉含有外装樹脂8で被覆した構造であって、角鍔2a,2bの少なくとも下側の側面Sに鍔の厚み方向に巻芯1側から端面Fに亘って凹溝4を設け、角鍔2a,2bの凹溝4を設けた下側の側面Sに凹溝4を含む幅方向に第一電極5を帯状に形成し、巻線6の端部を凹溝4内の端面F寄りで熱圧着接合するとともに、巻線6の端部の凹溝4内の巻芯1寄りの部分を外装樹脂8で覆い、凹溝4内の外装樹脂8の表面、熱圧着接合部Cの外表面、及び第一電極5の表面を覆うように導電性樹脂の第二電極9により被覆した構造である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コア直付けの電極構造を有するチップ状巻線型コイル部品の技術分野に属する。
従来より、信号系に用いられるチップ状巻線型コイル部品の一形態として、図7の一部断面図に示されるような内部構造と外観の巻線チップインダクタ20がある。
図7の前記巻線チップインダクタ20は、巻芯21の両端部に四角形状の角鍔22を備えたドラム型フェライトコア23に巻線24を巻回して、図の下側が実装面側の電極となるフレームリード25にハンダ付けしたものを外装樹脂26でモールドした基本構造となっている。
上記構造では、信号系インダクタに求められている高Q(リアクタンスXと抵抗Rの比;Quality factor)特性のために、前記フレームリード25を前記ドラム型フェライトコア23の外側に配置し、コアから可及的に離すようにして渦電流損失を抑える形態となっている。
しかしながら、電子機器の小型化に伴い、基板実装される上記面実装タイプのチップ状巻線型コイル部品も更なる小型化が要求されており、この点、前記巻線チップインダクタ20では、前記フレームリード25を角鍔22の端面側に配置しつつ全体を包み込むように前記外装樹脂26でモールドしているために、前記ドラム型フェライトコア23の周囲に樹脂で覆われた部分(図7における黒ベタ塗り部分)のデッドスペースを持つことになり、必然的に形状が大きくなるというデメリットが存する。
そこで、小型化の観点から、最近では、図8の(a)の模式図に示される前記巻線チップインダクタ20のフレームリード25による電極構造の形態から、図8の(b)の模式図に示される巻線型コイル部品30の内部構造図のように、前記フレームリード25を用いずに前記ドラム型フェライトコア23の角鍔22a,22bの端面と側面に直付け電極29を形成した形態(コア直付けの多面電極構造)へと進展している。
上記コア直付けの多面電極構造のチップ状巻線型コイル部品30の一般的な電極は、図8の(b)の内部構造図のように、前記ドラム型フェライトコア23の角鍔22a,22bの側面4面と端面の5面に亘ってキャップ状に形成されているものが多い。
例外として、電極が角鍔の側面における略一面側(実装基板に半田接合される側の面)のみに設けられている巻線型コイル部品の電極構造(一面電極構造)に関する公知文献として、下記[特許文献1]には、図9の(a)側面図、(b)正面図に示されるような巻線型コイル部品40が「チップ型可変インダクタンス素子」として記載されており、その第2頁右上欄第3行目〜同頁左下欄4行目には電極構造と実装基板への実装方法が記載されている。即ち、図9のチップ型可変インダクタンス素子40は、巻芯33の両端に設けられた角鍔32a、32bを有するドラム型フェライトコア31の前記角鍔32a、32bの一側面(底面側)に設けた絶縁層34a、34bの下面に積層して電極35a、35bを設け、この電極35a、35bにコイル36の両端をそれぞれ接続している。そして、前記電極35a、35bが実装基板(プリント配線基板)25上の所定のパターン(電極パッド26a、26b)上に半田で半田付けされる構成としている。
特開昭58−124213号公報
前述の図8の(b)に示されるコア直付けの電極29を備えた巻線型コイル部品30に関しては、Q特性向上の面からは、電極面積を可及的に小さくすることが望ましい。蓋し、図8の(b)に示される磁束(太矢印)と直付けの前記電極29との関係から判るように(対比として(a)の巻線チップインダクタ20をの磁束の矢印を参照。)、前記巻線型コイル部品30のドラム型フェライトコア23の角鍔22a,22bに設けられた前記電極29の面積を前記角鍔22a,22bの周側面4面と端面の5面に亘って大きくとることはコア内部の磁界の変化をもたらし、電極面に近い領域で渦電流を生起してインダクタとしてのQ特性が悪くなるのである。
したがって、高Q特性を得る観点からは、前記[特許文献1]の一面電極構造は相対的に優れている。しかしながら、電極構造の信頼性や実装強度の観点からすると、一般に前記コア直付けの電極29は、Ag電極(ガラスフリット入り銀ペーストを焼き付けて形成したもの。)からなるコア直付けの第一電極と、一般に導電性樹脂の電極(硬化型樹脂入り導電性Agペーストを印刷して乾燥してなる。)からなる第二電極の2層構造を採っているが、両者の密着強度はさほど強固ではないために、前記電極29の面積が小さい場合は、基板実装後に衝撃や荷重が加わった際に、双方の界面などで電極剥離を生じて実装強度が低下する可能性がある。即ち、Q特性を向上するための電極面積の減少(一面電極構造化)は実装強度の面では電極剥離を引き起こしやすくなり、実装強度不足による信頼性低下を招くのである。
特に、図9の前記[特許文献1]のチップ型可変インダクタンス素子40を仔細に観察すると判るように、鍔32a,32bの下面に絶縁層34a,34bが設けられ、この下面に積層して鋼板などからなる電極35a,35bを設け(以上から厳密にはコア直付けの電極ではない。)、この電極35a,35bに巻線36の両端を一部露出させつつ引き出して接続している電極構造となっている。而して、基板25に半田26a,26bで半田付けされる場合に、半田付けの加熱で巻線36との接続が緩んだり、半田熱によって接続部分の半田食われが生じたりする可能性が高く、決して実装信頼性が高いとはいえない状況にある。尚、モールドされた樹脂37は電極領域には及んでおらず、単に巻線部の保護と透磁率の向上が目的である。
一方、図8の(b)の前記巻線型コイル部品30の電極30の電極構造は、その第一電極と第二電極が共にドラム型フェライトコア22の角鍔23a、23bの端面と上下左右の4周面の全体を覆うような電極構造(5面電極構造)であるために、両者の密着面積が大きく取られている構造なので、単位面積あたりの密着強度が低くても全体の密着面積でカバーされて、結果的に規格実装強度以上は確保されている状況にある。
しかしながら、今後は小型化とともにコア直付けの電極の電極面積を小さくして巻線型コイル部品のQ特性を向上させつつ電極の密着強度を高めて実装強度を確保することが重要になり、両者の両立が課題となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、実装基板への半田付け後の衝撃に対して電極部が剥れにくく実装信頼性の向上を実現しつつ、高Qを得ることができる一面電極構造のチップ状巻線型コイル部品を提供することを目的とする。
本発明は、
(1) 巻芯1の両端部に四角形状の角鍔2a,2bを備えたドラム型フェライトコア3の前記角鍔2a,2bの下側の側面Sに設けた電極5に前記巻芯1に巻回した巻線6の端部を接合するとともに、前記巻芯1に巻回した巻線6の外周を磁性粉含有外装樹脂8で被覆したチップ状巻線型コイル部品10において、前記角鍔2a,2bの少なくとも下側の側面Sに鍔の厚み方向に巻芯1側から端面Fに亘って凹溝4を設け、前記角鍔2a,2bの凹溝4を設けた下側の側面Sに前記凹溝4を含む幅方向に第一電極5を帯状に形成し、前記巻線6の端部を凹溝4内の端面F寄りで熱圧着接合するとともに、前記巻線6の端部の凹溝4内の巻芯1寄りの部分を外装樹脂8で覆い、前記凹溝4内の外装樹脂8の表面、熱圧着接合部Cの表面、及び前記第一電極5の表面を覆うように導電性樹脂の第二電極9により被覆したことを特徴とするチップ状巻線型コイル部品10を提供することにより、上記課題を解決する。
(2) 前記角鍔2a,2bの他の側面にも凹溝4´を設け、該凹溝4´内に侵入する外装樹脂8bの前記ドラム型フェライトコア3の中心軸と直交する断面積Sbを前記下側の側面の凹溝4内に侵入する前記外装樹脂8aの前記ドラム型フェライトコア3の中心軸と直交する断面積Saよりも大きくしたことを特徴とする上記(1)記載のチップ状巻線型コイル部品10を提供することにより、上記課題を解決する。
(3) 前記角鍔2a,2bの下側の側面S及び上側の側面Uにそれぞれ前記凹溝4,4´が設けられていることを特徴とする上記(2)記載のチップ状巻線型コイル部品10を提供することにより、上記課題を解決する。
本発明に係るチップ状巻線型コイル部品は、
(1)コア直付けの一面電極構造によって形状を小さくしながら渦電流損、銅損を低減でき、Q特性が向上する。
(2)帯状の第一電極(内部電極)と第二電極(外部電極)が凹溝内の巻線の端部の第一電極との熱圧着接合部を挟むように、且つ、凹溝内に侵入した外装樹脂を挟むようにして密着しているために密着強度の高い電極構造となり、且つ、巻線の引出し部が露出していないため、高い接続信頼性が得られる。
(3)凹溝内の底に形成された第一電極の層の厚さが他の箇所よりも厚く、外装樹脂の該凹溝内への流路の断面積が小さくなるために、他の側面に設けられた電極のない凹溝よりも外装樹脂が進入しにくい構造となって、第一電極と巻線の端部との熱圧着接合部は外装樹脂で覆われるのが防止されて、前記熱圧着接合部の外表面と前記第二電極(外部電極)の導電性が良好となり、直流抵抗Rdc特性のバラツキが低減される。
(4)巻芯の両端部の四角形状の前記角鍔の4側面における下側の側面及び上側の側面にそれぞれ凹溝が設けられ、その内の下側の側面にのみ電極が形成されていて、上側の側面には凹溝内に外装樹脂が侵入した状態のまま露出しているので、コイル部品としての方向性が外観上明らかとなって、電極を設けた面の方向性の確認が容易である。
本発明に係るチップ状巻線型コイル部品の実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、従来と同様の部材については同符号にて示す。
図1は本発明に係る巻線型コイル部品の側面側から見た縦断面構造図である。図2は本発明に係る巻線型コイル部品の正面側から見た図1のA−A´断面構造図である。図3は本発明に係る巻線型コイル部品の正面側から見た図1のB−B´断面構造である。図4〜図6は本発明に係る巻線型コイル部品の製造手順を説明するための工程フロー図である。
図1乃至図3において、巻線型コイル部品10は、巻芯1の両端部に四角形状の角鍔2a,2bを備えたドラム型フェライトコア3の前記角鍔2a,2bの下側の側面Sに設けた第一電極5に前記巻芯1に巻回した巻線6の端部を接合するとともに、前記巻芯1に巻回した巻線6の外周を磁性粉含有外装樹脂8で被覆したチップ状巻線型コイル部品10であって、特に、前記角鍔2a,2bの少なくとも下側の側面Sに鍔の厚み方向(図1の左右方向)に巻芯1側から端面Fに亘って凹溝4を設け、前記角鍔2a,2bの凹溝4を設けた下側の側面Sに前記凹溝4を含む幅方向(図2の左右方向)に前記第一電極5を帯状に形成し、前記巻線6の端部を前記凹溝4内の端面F寄りで熱圧着接合するとともに、前記巻線6の端部の凹溝4内の巻芯1寄りの部分を前記磁性粉含有外装樹脂8で覆い、前記凹溝4内の磁性粉含有外装樹脂8aの表面、熱圧着接合部Cの表面、及び前記第一電極5の表面を覆うように導電性樹脂の第二電極9により被覆した構造を備えている。尚、図1乃至図3では、好ましい実施の形態として更に電極面の保護のために付加的にメッキ層11(例えばNiメッキ層やSnメッキ層)を形成している。
即ち、本発明の巻線型コイル部品10は、その特徴的構成要素として、角鍔2a,2bの4側面の内の下側の側面Sに凹溝4を備えるドラム型フェライトコア3と、前記凹溝4を備えた面上に設けられた巻線6の端部が接合される帯状の第1電極5と、前記凹溝4内の端面F寄りに形成された前記熱圧着接合部Cを覆わずに前記巻芯1寄りの巻線6の引出し部を覆うまでに進入しつつ角鍔2a,2b間に挟まれた領域を埋める外装材の磁性粉含有外装樹脂8と、前記熱圧着接合部Cを挟んで対向する前記第一電極5と広く覆うように接する帯状の前記第二電極9とを有し、コイル部品の小型化を図りつつ、高Q特性と実装信頼性の両立を実現している点に特徴を有する。
以下、各部材の説明とともに製造手順について図4〜図6を基に述べる。尚、図4〜図6では全て本チップ状巻線型コイル部品10の上下を逆さにした状態で表されており、前記ドラム型フェライトコア3の角鍔2a,2bの実装面側となる下側の側面Sを上方にしている。
第1に、図4の(a)に示されるように、巻芯1の両端部に四角形状の角鍔2a,2bを備えたドラム型フェライトコア3の前記角鍔2a,2bの下側の側面Sと上側の側面Uに鍔の厚み方向に巻芯1側から端面Fに亘って凹溝4、4´を設ける。このドラム型フェライトコア3は、例えば、直付け電極を可能にする高抵抗率のニッケル亜鉛系フェライト材料粉末とバインダと溶媒とを含むスラリーを噴霧乾燥して造粒し、得られた造粒粉末を乾式成形プレスを用いてドラム型に一体成形する手段、或いは上記と同様の手法で平板状フェライト成形体を得た後、研削加工を施してドラム型フェライト形状に成形する手法によって得られた成形体を1050℃で2時間焼成してドラム型の焼結フェライトコアを得る。
次に、図4の(b)に示されるように、前記角鍔2a,2bの下側の側面Sにおける凹溝4を含む幅方向(矢印方向)に第一電極5を帯状に形成する。この第一電極5は、例えば、Ag又はAg−Pdからなる導電性ペーストを塗布、焼成して形成する。この塗布、焼成は例えば、スクリーン印刷の手法により所望の開口パターンを有するスクリーンマスクを用いて、前記ドラム型フェライトコア3を印刷ステージ上に保持して、Ag導電粉末とガラスフリットとビヒクルとを含むAg電極材料ペーストをスキージで塗布し、650℃で30分間焼き付けることで形成される。上記のように形成された第一電極5は、一般に凹溝4の底の部分の厚さt1が他の箇所の厚さt2よりも2倍程度厚くなっている。
次に、図5の(c)に示されるように、前記ドラム型フェライトコア3の巻芯1にポリウレタン樹脂被覆銅線などの巻線6を巻回し、その端部6a,6bをそれぞれ左右の角鍔2a,2bの前記凹溝4内に引き出す。
次に、図5の(d)に示されるように、前記凹溝4内に引き出された巻線6の端部6a,6bを熱圧着によって凹溝4内の端面F寄りで前記第一電極5と接合して熱圧着接合部Cを形成する。
次に、図6の(e)に示されるように、前記凹溝4内に形成された前記熱圧着接合部Cは露出した状態で巻線6の端部6a,6bの巻芯1寄りの部分を覆うように前記角鍔2a,2bの溝部4に侵入するとともに前記巻芯1に巻回した巻線6の外周を覆う磁性粉(フェライト粉)含有樹脂8をモールドする。この磁性粉含有樹脂8のフェライト添加量は、樹脂の性質を保つためには5wt%〜80wt%の範囲が望ましい。また、樹脂材としては、例えば、エポキシ樹脂とカルボキシル基変性プロピレングリコールとを配合した塗料を用いる。モールドはディスペンサーを用いて充填し、室温にて30分間放置・乾燥して成形されるか、金型でモールド成形する。
次に、図6の(f)に示されるように、前記凹溝4内の外装樹脂8の表面、前記熱圧着接合部Cの表面、及び前記第一電極5の露出する表面の全体を覆うように導電性樹脂の第二電極9により被覆する。この第二電極9には銀粉末含有樹脂ペーストを用い、前記凹溝4内の前記第一電極5上の熱圧着接合部C上を完全に覆うように塗布して、硬化させる。
更に、好ましくは電極保護のために付加的に前記第2電極9の上に図1〜図3に示されるようにNiメッキやSnメッキのメッキ層11を施すことにより、本巻線型コイル部品ができる。但し、前記角鍔2a,2bの内側に前記メッキ層11が伸びると渦電流損の増加によりQは低下するので注意が必要である。本発明者の実験によれば内側への回り込みは0.2mm以下、望ましくは0.1mm以下に抑えることが肝要である。
上記構成によって、従来のチップ状巻線型コイル部品20で用いていたフレームリード25が消えて、デッドスペースが無くなるため、小型化することができる。また、高Qを維持するために電極を基板実装側である前記角鍔2a,2bの下側の側面Sだけに形成し、渦電流損失を低減させている。
加えて、前記磁性粉含有樹脂8を塗布、整形することにより、外側に廻っていた磁束の一部を磁性粉含有樹脂8に通すことができ、電極を貫く磁束を低下させることができるため、渦電流損失を更に低減させることができる。また、磁性粉含有樹脂8により高インダクタンスが得られる。
而して、通常の巻線部品より巻き数を少なくすることができ、銅損も低減できることになる。これらの特徴的作用の組み合わせにより、全体形状を小さくしながら、高Q特性と高い接続信頼性を確保することが可能になるのである。
ところで、上述の実施の形態では、巻芯1の両端部の四角形状の前記角鍔2a,2bの4側面における下側の側面S及び上側の側面Uにそれぞれ凹溝4、4´が設けられ、その内の下側の側面Sにのみ電極が形成されていて、上側の側面Uには凹溝4´内に磁性粉含有外装樹脂8が侵入した状態のまま露出している構造となっている。
このように前記角鍔2a,2bの4側面における下側の側面Sのみならず上側の側面U、或いは4側面全部に凹溝が設けられることによって、前記外装樹脂8のモールド時の加圧された樹脂の逃げ道としての凹溝への流路が確保されることになり、第一電極5が形成された下側の側面Sの凹溝4への外装樹脂8の侵入が熱圧着接合部Cの手前までに抑制される。
蓋し、外装樹脂8の凹溝4,4´への侵入の程度は、侵入路の断面積の大きさで決まり、図3、図2から判るように、下側の側面Sの凹溝4は形成された第一電極5の該凹溝4内の塗膜の厚さによって開口が狭められ、上側の側面Uの凹溝4´の侵入路の断面積Sbと下側の側面Sの凹溝4の侵入路の断面積SaではSb>Saとなって、電極が形成されない凹溝4´では凹溝をほぼ埋めるように外装樹脂8bが侵入するのに対し、電極が形成される凹溝4では、角鍔2a,2bの端面F側に形成された熱圧着接合部Cにまでは外装樹脂8が達しないのである。
これに対し、熱圧着接合部Cの外表面が外装樹脂8で覆われた場合には、巻線6の端部6a,6bから前記熱圧着接合部Cの接合面を介して前記第一電極5に接続され、さらに、前記第一電極5と前記第二電極9との接触面を介して前記第二電極9に接続される導電経路をとることになり、このように前記下側の側面Sの凹溝4への外装樹脂8の侵入度合いがばらつくことにより、得られるチップ状巻線型コイル部品の直流抵抗Rdc特性にバラツキが生じる。
而して、本発明の実施の形態では、前記第一電極5と前記巻線6の端部6a,6bとの熱圧着接合部Cの外表面は外装樹脂8で覆われるのが防止されて、該熱圧着接合部Cの外表面と前記第二電極9(外部電極)とが直接接触することにより導電性が良好となり、直流抵抗Rdc特性のバラツキが低減されるという特段の効果が得られる。
また、特に、下側の側面S以外の側面に設けられた凹溝4´が上側の側面Uにある場合は、コイル部品としての方向性が外観上明らかとなって、テーピングされた状態であってもその電極を設けた面の方向性の確認が容易であるという特徴的利点を有している。
本発明に係る巻線型コイル部品の側面側から見た縦断面構造図である。 本発明に係る巻線型コイル部品の正面側から見た図1のA−A´断面構造図である。 本発明に係る巻線型コイル部品の正面側から見た図1のB−B´断面構造図である。 本発明に係る巻線型コイル部品の製造手順を説明するための工程フローにおける始めの(a)ドラム型フェライトコア成形工程、(b)第1電極形成工程を示す図である。 本発明に係る巻線型コイル部品の製造手順を説明するための工程フローにおける(c)巻線工程、(d)接合工程を示す図である。 本発明に係る巻線型コイル部品の製造手順を説明するための工程フローにおける(e)樹脂モールド工程、(f)第2電極形成工程を示す図である。 従来の巻線チップインダクタの内部構造を示す一部断面図である。 従来の巻線型コイル部品の電極構造と磁束の関係を示す図である。 [特許文献1]に記載された巻線型コイル部品の(a)側面図、(b)正面図である。
符号の説明
1 巻芯
2a,2b 角鍔
3、3´ ドラム型フェライトコア
4、4´ 凹溝
5 第一電極
6 巻線
6a、6b 巻線の端部
8 磁性粉含有樹脂
8a,8b 凹溝に侵入した磁性粉含有樹脂
9 第二電極
10、20 チップ状巻線型コイル部品
11 メッキ層
F 角鍔の端面
Sa,Sb 断面積
S 下側の側面
C 熱圧着接合部

Claims (3)

  1. 巻芯の両端部に四角形状の角鍔を備えたドラム型フェライトコアの前記角鍔の下側の側面に設けた電極に前記巻芯に巻回した巻線の端部を接合するとともに、前記巻芯に巻回した巻線の外周を磁性粉含有外装樹脂で被覆したチップ状巻線型コイル部品において、
    前記角鍔の少なくとも下側の側面に鍔の厚み方向に巻芯側から端面に亘って凹溝を設け、前記角鍔の凹溝を設けた下側の側面に前記凹溝を含む幅方向に第一電極を帯状に形成し、前記巻線の端部を凹溝内の端面寄りで熱圧着接合するとともに、前記巻線の端部の凹溝内の巻芯寄りの部分を外装樹脂で覆い、前記凹溝内の外装樹脂の表面、熱圧着接合部の表面、及び前記第一電極の表面を覆うように導電性樹脂の第二電極により被覆したことを特徴とするチップ状巻線型コイル部品。
  2. 前記角鍔の他の側面にも凹溝を設け、該凹溝内に侵入する外装樹脂の前記ドラム型フェライトコアの中心軸と直交する断面積を前記下側の側面の凹溝内に侵入する前記外装樹脂の前記ドラム型フェライトコアの中心軸と直交する断面積よりも大きくしたことを特徴とする請求項1記載のチップ状巻線型コイル部品。
  3. 前記角鍔の下側の側面及び上側の側面にそれぞれ前記凹溝が設けられていることを特徴とする請求項2記載のチップ状巻線型コイル部品。
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