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JP2006246570A - リニアモータ及びリニアモータを利用した露光装置 - Google Patents

リニアモータ及びリニアモータを利用した露光装置 Download PDF

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JP2006246570A
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Abstract

【課題】 可動子を軽量化し、コイルの発熱を低減することを可能にするリニアモータを提供すること。
【解決手段】 主極永久磁石と、主極永久磁石の周囲に磁場を集める補極永久磁石と、を配置した可動子と、主極永久磁石と対向する固定子コイルとを有し、主極永久磁石と固定子コイルとの間で、制御電流に基づく推力を発生させるリニアモータは、固定子コイルと対向する平面に配置される、第1の永久磁石厚さを備える主極永久磁石と、固定子コイルと対向し、主極永久磁石が配置された同一平面に配置される、第2の永久磁石厚さを備える補極永久磁石と、を備え、第1及び第2の永久磁石厚さは、第1の永久磁石厚さ>第2の永久磁石厚さなる関係を満たす。
【選択図】 図6

Description

本発明はリニアモータ及びリニアモータを利用した露光装置に関するものである。
回路パターンが描かれたガラス基板(以下、「レチクル」という。)に露光光を照射して、縮小光学系を経てウエハ上に回路パターンを転写する露光装置に関しては、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆる「ステッパ」)やステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆる「スキャニングステッパ」)等、種々のタイプのものが従来から研究されている。半導体の高集積化に伴い、露光装置における回路パターンの転写技術に関しても高集積化が要求されており、例えば、回路パターンを転写するウエハや、レチクルを3次元的な所定の位置に、高精度に位置決めをすることが可能なリニアモータが要求されている。
また、露光装置の生産性の観点から、露光処理能力(スループット)の高い駆動機構が要求されており、特に、位置決め精度とともに、高速駆動が可能なリニアモータが要求されている。
位置決め性能及びスループットの観点から、電磁駆動力によって推力を発生させるいわゆる平面モータ(フラットモータ(flat motor)、またはリニアモータともいう)は、ステージを駆動する電流と推力の関係が高帯域まで線形の関係を示す点において制御性に優れ、広い制御帯域において安定した位置決め精度を確保することが可能であること、単純の構成で小型化が容易であること、また、平面モータを平面方向及び回転方向の各自由度に対応して推力を発生するように組み合わせることで、6自由度の駆動(位置決め及び姿勢制御)によるマルチステージ方式の位置決めが可能なことから注目が集まっている。
上述の従来技術として、例えば、以下の特許文献1に示されるものがある。
特開2004−254489号公報
しかしながら、永久磁石を有する部分を可動子にしたリニアモータの場合、推力を主に発生させる永久磁石(主極)の周囲に磁場を効率よく集めるために設置する永久磁石(補極)を複数配置することにより、可動子を構成する永久磁石の質量が増加するという問題がある。可動子の質量が増加すると、可動子を高加減速駆動させる際に、コイルに大きな電流を流さなくてはならず、コイルの発熱量も増加する。コイルに流す電流が増加すると消費電力も大きくなるために、リニアモータを駆動させるモータドライバも大型化し。その分コストもかかることになる。
また、コイルの発熱量の増加により、固定子側に生じた発熱がステージに伝達すると、ステージが熱膨張し、例えば、レーザ干渉計等で計測している位置から回路パターンを焼き付けているウエハの露光領域までの距離が熱膨張で変化し、露光領域の位置決め精度が低下するという問題がある。更に、コイルの発熱により固定子上の空気の温度が上昇すると、その領域の気圧が変化する。その結果、ステージの位置を検出するのに使用するレーザ干渉計のレーザービームの波長が固定子の上を通る際に変動し、レーザ干渉計でステージの位置を正確に検出できなくなる可能性もある。
本発明は、以上の問題点を鑑みてなされたものであり、リニアモータにおける可動子を軽量化し、コイルの発熱を低減することを可能にするリニアモータを提供することを目的とする。
あるいは、リニアモータをステージの駆動機構として採用する露光装置において、コイルの発熱量の影響を抑制し、高精度な露光領域の位置決めを実現する露光技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するべく、本発明にかかるリニアモータは、主として、以下の構成を備えることを目的とする。
すなわち、主極永久磁石と、当該主極永久磁石の周囲に磁場を集める補極永久磁石と、を配置した可動子と、当該主極永久磁石と対向する固定子コイルとを有し、当該主極永久磁石と固定子コイルとの間で、制御電流に基づく推力を発生させるリニアモータは、
前記固定子コイルと対向する平面に配置される、第1の永久磁石厚さを備える主極永久磁石と、
前記固定子コイルと対向し、前記主極永久磁石が配置された同一平面に配置される、第2の永久磁石厚さを備える補極永久磁石と、を備え、
前記第1及び第2の永久磁石厚さとは、第1の永久磁石厚さ>前記第2の永久磁石厚さ、なる関係を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、可動子の質量を軽量化することにより、コイルの発熱を低減し、位置決め精度及び高速駆動性能に優れたリニアモータを提供することが可能になる。
あるいは、かかるリニアモータをステージの駆動機構として採用する露光装置において、コイルの発熱量の影響を抑制し、高精度な露光領域の位置決めを実現することが可能になる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を添付図面の参照により説明する。図1は第1実施形態にかかるリニアモータの全体的な構成を示す図であり、図1(a)は、XY平面内のリニアモータをZ方向から見た状態を示す図である。コイル116a,116b…を含む固定子100上には、リニアモータの可動子として機能するステージ110が配置されている。ステージ110上には、ウエハを保持する不図示の機構が搭載されており、ウエハを保持した状態でステージ110をXY方向またはZ方向に並進、回転駆動してウエハを所定の位置、姿勢に位置決めすることが可能である。
ステージ110の位置及び姿勢は、例えば、ある計測基準に取り付けられたレーザ干渉計等の位置計測部(1320(a〜c)、姿勢計測部(1330(a〜c)(図13を参照))で測定することが可能である。
図1(b)はリニアモータを横(XZ平面をY軸方向)から見た状態を示す図ある。ステージ110(以下、これを「可動子ユニット」ともいう。)は、直方体形状(平板形状)をした天板112と、固定子100側のコイル列116aに対向する位置に配列された永久磁石列114を有する。
固定子100は、ベース118と、ベース118上に固定された6層のコイル列からなる積層コイル列116から構成される。ここで、積層コイル列116は、図1(a)及び図2に示すように、コイルの長手方向がY軸方向に平行となるように配置されるコイル列と、コイルの長手方向がX軸方向に平行となるように配置されるコイル列とがそれぞれ交互に6つ積層した状態で配置される。各コイル列が発生させる力は、ステージ110の少なくとも1自由度分の推進力となり、6つのコイル列の積層により、ステージ110の位置、姿勢は6自由度の推進力で制御されることになる。
<制御系の説明>
図13は、ステージ110の駆動を制御するための制御回路のブロック図であり、電流制御部1300は、ステージ110を駆動して位置、姿勢を制御するための制御電流を、A相コイル(1302)、−A相コイル(1304)、B相コイル(1306)、−B相コイル(1308)に対して、所定のタイミングで印加することができる。電流制御部1300は、装置の全体制御を司る装置制御部1310により出力される制御指令値1370と、位置計測部1320(a〜c)により検出されるステージ110の位置検出情報1350(a〜c)と、姿勢計測部1330(a〜c)により検出されるステージ110の姿勢情報1360(a〜c)と、に基づき制御電流1380(a〜d)を、各コイル列において選択したコイルに対して出力することができる。図13では、簡単化のために、制御電流は1つのコイル列に対するもののみを図示している。電流制御部1300は、6つのコイル列において、各コイルに対する制御電流を生成して、隣り合うコイルの組み合わせによりなるコイルユニット(例えば、A相コイルと−B相コイル(図4のコイル7とコイル8が対応する)、−A相コイルとB相コイル(図4のコイル9とコイル10が対応する)の組み合わせ)に制御電流を印加する。これにより、電流制御部1300は、並進方向(X、Y、Z方向)の推力及び回転方向(ωx、ωy、ωz方向)の推力を生成させて、ステージ110の位置及び姿勢を制御する。
<固定子の構成>
図1(b)は、リニアモータをXZ平面より見た状態を示す図であり、固定子100は、ベース118とコイル列を6つ積層した積層コイル列116より構成される。固定子100を示すA部に着目し、積層コイル列116を拡大して図示したものが図2である。図2を参照すると、コイルの長手方向がY軸方向に平行になるように配置されたコイル列1、3、5と、コイルの長手方向がX軸方向に平行になるように配置されたコイル列2、4、6とが、交互に配置されている。
図2において、コイル列1はステージ110をX軸方向に駆動するためのコイル列であり、コイル列1の下に不図示の絶縁シートを介してコイル列2が配置されている。コイル列2はステージ110をY方向に駆動するためのコイル列であり、コイル列2の下に絶縁シートを介してコイル列3が配置されている。コイル列3はステージ110をZ方向に駆動するためのコイル列であり、コイル列3の下に絶縁シートを介してコイル列4が配置されている。
コイル列1〜3は、ステージ110を並進方向(X、Y、Z軸方向)に駆動するための推力を生成するために使用される。
次に、コイル列4はステージ110をZ軸回りに回転駆動するためのコイル列であり、コイル列4の下に絶縁シートを介してコイル列5が配置されている。コイル列5はステージ110をY軸回りに回転駆動するためのコイル列であり、コイル列5の下に絶縁シートを介してコイル列6が配置されている。そして、コイル列6はステージ110をX軸回りに回転駆動するためのコイル列であり、コイル列6の下に絶縁シートを介してベース部材100が配置されている。
コイル列4〜6は、ステージ110を回転方向(ωz、ωy、ωx)に駆動するための推力を生成するために使用される。
尚、1つのコイル列を1つの自由度の動きを実現するための推力を発生させる駆動源とする積層コイル116の構成は、図2に示すものに限定されるものではなく、例えば、コイル列を積層する順番に関しは、コイル列1、3、5を回転方向の駆動用、コイル列2,4、6を並進方向の駆動として積層コイル列116を構成するようにしてもよい。
<ステージ110の説明>
図3は可動子110に設けられた永久磁石列114の構成を示す図である。天板112の下部に複数の永久磁石(図3(b)の115a〜f)からなる永久磁石列114が構成されている。永久磁石列114はZ方向に上向きに着磁された磁石と、Z方向下向きに着磁された磁石(図3(b)の115a,115bが対応する)と、X方向に対して45度方向、135度方向、−135度方向、−45度方向に着磁された磁石(図3(b)の115c、d、e、fが対応する)の6種類の永久磁石からなる。
図3(b)は、ステージ110を裏側(永久磁石列114が配置されている面側)から見た状態を示す図である。永久磁石列114は、固定子100に対向する方向(−Z方向)の極性をもつ永久磁石(115b)と、その反対方向(+Z方向)の極性をもつ永久磁石(115a)(これらを「主極」と呼ぶ)と、それらの間にお互いの極性方向が反発するように配列された永久磁石(115c、115d、115e、115f)(これらを「補極」と呼ぶ)とで構成されている。固定子100に対向する方向(−Z方向)の極性をもつ永久磁石を「○」の中に「・」を書いて表し(115b)、その反対方向(+Z方向)の極性をもつ永久磁石を「○」の中に「×」を書いて表している(115a)。同様に補極の極性方向を、矢印を使って表している。
永久磁石(115a〜115f)はX方向、X方向及びY方向に周期Lで規則的に並べられている。永久磁石がこのように規則的に配列されていることによって、固定子100側に磁場が効率的に集められる。この磁場のZ成分は、X方向、Y方向に周期Lで擬似正弦波となるように分布し主極の下でピークをもつ。この磁場のX成分、Y成分も同様に、X方向、Y方向に周期Lでほぼ正弦波となるように分布し補極の下でピークをもつ。
<駆動方法の説明>
図4は、Y軸方向に平行に配置されたコイル列からステージ110の裏側(永久磁石列114が配置されている面側)を見た状態を示す図である。コイル列を構成する各コイルユニットの長手部分の間隔は磁石周期L/2である。また、隣り合うコイルユニット同士の間隔は、(3/4)×L周期で配置されている。すなわち、磁石周期Lに対して、隣り合うコイルでは270ずつ位相がずれることになる。
また、図4の状態で、ステージ110側の永久磁石列114と重なる固定子側100側のコイルには1〜16の番号を付している。ここで、各コイルに流す制御電流は、コイル(1〜16)と永久磁石列114との位置関係に対応した以下の4つのグループ、A相コイルのグループ(コイル3、7、11、15)と、−A相コイルのグループ(コイル5、9、13)と、B相コイルのグループ(コイル2、6、10、14)と、−B相コイルのグループ(コイル4、8、12、16)、に分けられる。
ここで、A相、B相の2相の制御電流に対して、マイナス方向の−A相、−B相の制御電流は、A相、B相の制御電流と逆向きの制御電流を流せばステージ110に対して、A相、B相の制御電流と同一方向の推力を発生させる。A相、B相の制御電流が決まると、−A相、−B相の電流は自動的に決まることになる。磁場のZ成分は、X方向、Y方向に周期Lで擬似的な正弦波となるように分布し、主極の下でピークをもち、この磁場のX成分、Y成分も同様に、X方向、Y方向に周期Lでほぼ正弦波となるように分布し補極の下でピークをもつので、各コイルに鉛直方向の磁束密度分布と同じ位相の電流を流すようにサイン波制御すれば位置によらず電流のサイン波振幅に比例した推力が発生する。
図4に示すステージ110の位置をX=0とし、ステージ110の位置をXだけ変化させた状態で各相のコイルに単位電流(1[A])を流すと、ステージ110に働く水平方向の推力f_hは、以下のように数式化される。
A相コイル:f_h=HDF×cos((X/L)×2×π)・・・(1)
B相コイル:f_h=HDF×sin((X/L)×2×π)・・・(2)
−A相コイル:A相と逆向きの推力 ・・・(3)
−B相コイル:B相と逆向きの推力 ・・・(4)
ここで、「HDF」は、ステージ110がX=0の位置でA相のコイルに1[A]の電流を流した際に、ステージ110に働く水平方向の推力(水平方向推力定数)を表す。
このときに各相のコイルに以下の電流((5)〜(8)式)を流すと、sin((X/L)×2×π)+cos((X/L)×2×π)=1の関係式により、Xの値に依らず一様な推力を働かせることができる。
A相電流:IA=Ic×cos((X/L)×2×π) ・・・(5)
B相電流:IB=Ic×sin((X/L)×2×π) ・・・(6)
−A相にはA相と逆向きの電流 ・・・(7)
−B相にはB相と逆向きの電流 ・・・(8)
ただしIc(1本のコイルに流す電流の最大値)は任意である。
また、各相のコイルに単位電流(1[A])を流した際にステージ110に働く鉛直方向の推力f_vを数式化すると、以下のようになる。
A相コイル:f_v=VDF×sin((X/L)×2×π) ・・・(9)
B相コイル:f_v=VDF×cos((X/L)×2×π) ・・(10)
−A相コイル:A相と逆位相の推力 ・・・(11)
−B相コイル:B相と逆位相の推力 ・・・(12)
ただしVDFは、ステージがX=0の位置でB相のコイルに1[A]の電流を流した際にステージに働く垂直方向の推力(垂直方向推力定数)を表す。
このステージ110にZ方向の推力を働かせたい場合には、各相のコイルに以下の電流((13)〜(16)式)を流すと、Xの値に依らず一様な推力を働かせることができる。
A相電流:IA=Ic×cos((X/L)×2×π + (π/2))
=Ic×sin((X/L)×2×π) ・・・(13)
B相電流:IB=Ic×sin((X/L)×2×π + (π/2))
=Ic×cos((X/L)×2×π) ・・・(14)
−A相にはA相と逆向きの電流 ・・・(15)
−B相にはB相と逆向きの電流 ・・・(16)
ただしIc(1本のコイルに流す電流の最大値)は任意である。
ステージ110がX=0の位置より(X+)プラス側にずれている場合(0<X<(3/4)×L)、ステージ110をX方向に駆動する際に、電流制御部1300は、コイル列1において、例えば、コイルユニット(7、8)、(9、10)とコイルユニット(11、12)を使って、ステージ110に水平方向の推力を働かせる制御電流を流せばよい。
装置制御部1310の制御の下、電流制御部1300は、ステージ110の位置に応じて、並進方向及び回転方向にステージ110を駆動するために、コイルユニットの切り替え制御を行うことが可能である。電流制御部1300は、図2に示した、コイル列1〜6のそれぞれに対して、ステージ110を並進方向及び回転方向に駆動するために、コイル列におけるコイルユニットの選択と切り替え、そして各コイルユニットに対する制御電流の印加を制御することでステージ110を所定の位置及び姿勢に制御を行うことが可能である。
ステージ110をZ方向に駆動する際に、電流制御部1300は、例えば、コイル列3のコイルユニット(6、7)、(8、9)、(10、11)及びコイルユニット(12、13)を使って、ステージに鉛直方向の推力を働かせる制御電流を流してやればよい。
また、ステージにY軸回りの回転力を働かせる際には、電流制御部1300は、例えば、コイル列5におけるコイルユニット(6、7)、(8、9)とコイルユニット(10、11)、(12、13)を使って、ステージ110に互いに反対方向の鉛直方向の推力が働くように制御電流を流してやればよい。
ステージの位置の変化Xが(3/4)×L≦X<2×(3/4)×Lの範囲にある場合は、上に述べたコイルユニットを1つ上の番号をもつコイルユニットに切換えればよい。例えば、この場合、電流制御部1300はコイルユニット(3、4)を(4、5)に、コイルユニット(6、7)を(7、8)に切換えることでコイルユニットの切り替えを行うことが可能である。
更に、ステージ110を、2×(3/4)×L以上の範囲で駆動する場合も、電流制御部1300は、同様のコイルユニットの切換えを行うことができる。固定子100側にコイルユニットが配置されている領域であれば、電流制御部1300は、ステージ110を駆動するための制御電流をコイルユニットに印加して、ステージ110を駆動するための推力を生成させることが可能である。
また、ステージ110がX=0の位置よりマイナス側にずれている場合(−(3/4)×L<X<0)、ステージ110をX方向に駆動する際に、電流制御部1300は、コイル列1において、例えば、コイルユニット(6、7)、(8、9)及びコイル(10、11)を使って、ステージ110に水平方向の推力を働かせる制御電流を流してやればよい。
更に、ステージ110の位置の変化Xが−2×(3/4)×L <X≦−(3/4)×Lの範囲にある場合、電流制御部1300は、上述のコイルユニットより1つ下の番号をもつコイルユニットに切換えることでコイルユニットの切り替えを行うことが可能である。例えば、電流制御部1300は、コイル(2、3)を(1、2)に、コイル(5、6)を(4、5)に切換えればよい。
電流制御部1300はステージ110を、−2×(3/4)×Lより更にマイナス方向の範囲で駆動させる場合も、同様のコイルの切換えを行うことができる。マイナス方向に移動する際にも、固定子100側にコイルユニットが配置されている領域であれば、電流制御部1300は、ステージ110を駆動するための制御電流をコイルユニットに印加して、ステージ110を駆動するための推力を生成させることが可能である。
図5は、X軸方向に平行に配置されたコイル列から、ステージ110の裏側(永久磁石列114が配置されている面側)を見た状態を示す図である。コイル列を構成する各コイルの長手方向部分の間隔は、図4で説明した構成と同様に磁石周期L/2であり、隣り合うコイル同士の間隔は(3/4)×L周期で配置されている。図5の状態で、ステージ110側の永久磁石列114と重なる固定子100側のコイルには、図4と同様に1〜16の番号を付している。電流制御部1300は、ステージ110の位置と駆動方向(並進方向及び回転方向)に応じて、制御電流を印加するコイル番号を決定し、切り替えを行い、A相、B相の制御電流をそのコイルユニットに印加することで、図4と同様にステージ110にY方向の推力(コイル列2)、Z軸周りの回転力(コイル列4)、X軸回りの回転力(コイル列6)を働かせることができる。
<永久磁石列114の説明>
図6は、図3(a)を拡大した図であり、図3(b)において、AA-AA部で破断したステージ110の断面を示す図である。同図において、112は天板であり、115a及び115bは永久磁石列114を構成する主極の永久磁石を示し、115d及び115fは、永久磁石列114を構成する補極の永久磁石を示し、それぞれ図3(b)で説明した115a、115b、115d、115fの永久磁石と同じ極性を有する。
主極永久磁石(115a及び115b)と、主極永久磁石の周囲に磁場を集める補極永久磁石(115d及び115f)と、を配置した可動子(ステージ110)と、主極永久磁石と対向する固定子コイルとを有し、主極永久磁石と固定子コイルとの間で、制御電流に基づく推力を発生させるリニアモータは、可動子と対向する固定子コイル(例えば、図1の116a,116b)との間で推力を発生させて、可動子の駆動と位置決めを制御する制御回路(図13)とを備えるリニアモータは、固定子コイルと対向する平面に配置される、第1の永久磁石厚さ(以下、「主極の磁石厚さ(t1)」)を備える主極永久磁石と、固定子コイルと対向し、主極永久磁石が配置された同一平面に配置される、第2の永久磁石厚さ(以下、「補極の磁石厚さ(t2)」)を備える補極永久磁石と、を備え、第1及び第2の永久磁石厚さは、第1の永久磁石厚さ>前記第2の永久磁石厚さ、なる関係(t1>t2)を満たす。
具体的には、図6において、主極(115a、115b)の永久磁石の厚さはt1であり、補極(115d、115f)の永久磁石の厚さはt2となっている。この永久磁石の厚さの関係は、図3においても同様であり、主極(115a、115b)の磁石厚さをt1、補極(115c、115d、115e、115f)の磁石厚さをt2とする。図3および図6において、主極の磁石厚さ(t1)と補極の磁石厚さ(t2)との間にはt1>t2の関係が成り立っている。
ステージ110における永久磁石列114は、主極の永久磁石(115a、115b)が固定子100に対向する面と、補極の永久磁石(115c、115d、115e、115f)が固定子100に対向する面とは、段差が生じないようにXY平面内に配置されるものとする(図3、図6)。固定子100と対向する面に段差が生じないように主極及び補極の永久磁石は配置されることにより、補極(115d、115f)と天板112との間には、主極(115a,115b)との厚さの差分(=t1−t2)対応する空隙部117が形成される。
永久磁石列114の構成において、ステージ110に推力を働かせる磁場を主に発生させているのは主極であり、補極はステージ110に推力を働かせる磁場を固定子側に効率よく集めるための補助的な役割をになう永久磁石である。図3に示す主極と補極の永久磁石の配列では、主極の数に比べて補極の数の数が倍近く設けられている。従来の平面モータのように主極の磁石厚さ(t1)と補極の磁石厚さ(t2)を同じ(t1=t2)にすると、ステージ110の質量がその分(t1−t2に相当する質量分)負荷として大きくなるため、ステージ110を高加減速で移動させるために、電流制御部1300は、制御電流して各層コイルに大電流を流す必要が生じ、これによって、各層コイルに発生する発熱も大きくなり、消費電力も大きくなる。
これに対して、補極の磁石厚さt2を、主極の磁石厚さt1に比べて薄くすると、その分推力定数は減少するが、主極の永久磁石に比べて補極の永久磁石の数が倍近く多い構成になっているため、推力の減少分に比べて補極の磁石厚さが薄くなることによるステージ質量の減少効果の方が大きくなる。
ステージ110を駆動する際に使用するコイルユニット(隣り合うコイルの組み合わせ)のユニット数をU、ステージ110に要求される水平方向の加速度をαとする。
t1=t2の場合、ステージ110の質量をM、水平方向推力定数をHDF、1本のコイルユニットに流す電流の最大値をIcとする。
t1>t2の場合、ステージ110の質量をM’、水平方向推力定数をHDF’、1本のコイルユニットに流す電流の最大値をIc’とする。
補極の永久磁石の厚さを薄くしたことによる推力定数の減少率をk、質量の減少率をKとすると、水平方向推力定数の関係は、HDF’=HDF(1−k)となり、ステージ110の質量の関係は、M’=M(1−K)となる。
(1)〜(8)式により、ステージ110に働く1つのコイルユニット(隣り合うコイルの組み合わせ(例えば、A相コイルと−B相コイル)における水平方向の推力を計算すると、(17)式のようになる。
(1)式x(5)式+(2)式x(6)式=Ic・HDF・・・(17)
Ic:1本のコイルに流す電流の最大値
HDF:水平方向推力定数。
そして、(17)の関係からステージ110を駆動するために、複数のコイルユニット数Uを使用する場合の水平方向の推力は、U・Ic・HDFとなり、補極の永久磁石の厚さを薄くした場合の推力は、U・Ic’・HDF’となる。複数のコイルユニットUを使用する場合の運動方程式として(18)、(19)式の関係が成り立つ。
t1=t2の場合: U・Ic・HDF=M・α ・・・(18)
t1>t2の場合: U・Ic’・HDF’=M’・α・・・(19)
Ic’をIc、k、Kによって表すと(20)の関係が成り立つ。
Ic’=(1−K)/(1−k)×Ic ・・・(20)
補極の永久磁石(115d、f等)の厚さを薄くした構成において、1本のコイルに流す電流の最大値Ic’が、補極と主極の永久磁石の厚さが同じ場合における電流の最大値Icより小さくなる(Ic’<Ic)ためには、質量の減少率(K)>推力定数の減少率(k)なる関係が成り立てばよい。
第2の永久磁石厚さ(t2)は、第1の永久磁石厚さ(t1)と、第2の永久磁石厚さ(t2)との差分に基づく可動子(ステージ110)に働く推力の減少割合(推力定数の減少率(k))に比べて、可動子の質量の減少割合(質量の減少率(K))が大きくなる関係を満たす。すなわち、ステージ110に働く推力が減少する割合(k)に比べて、ステージの質量の減少する割合(K)の方が大きくなるように、t2の磁石厚さを設定すれば、ステージ110をt1=t2として駆動する場合と同一加速度で駆動する際にコイルに流すべき制御電流を小さくすることができる。
ステージ110を駆動する際に使用するコイルユニットに発生するジュール熱をQ、使用するコイルユニット数をU、1本のコイルに流す電流の最大値をIc、コイル1本の抵抗をRとすると、(21)式の関係が成り立つ。
Q=U・Ic2・R ・・・(21)
1本のコイルに流す電流の最大値(Ic)が小さくなると、コイルユニットに発生するジュール熱(Q)も小さくなる。すなわち、補極の永久磁石t2の厚さを、ステージ110に働く推力が減少する割合(k)に比べて、ステージの質量の減少する割合(K)の方が大きくなるように設定すれば、ステージ110を水平方向に、t1=t2として駆動する場合と同一加速度で駆動する際に、コイルユニットに発生するジュール熱(Q)も軽減することができる。
すなわち、質量の減少率(K)>推力定数の減少率(k)の関係を満たす補極の永久磁石の厚さをt2にした場合、水平方向の加速度を減少させることなく、コイルユニットに生じるジュール熱を軽減することができる。
以上の説明は、水平方向の推力に限定されるものではなく、垂直方向に推力を発生させる場合や回転方向に推力を発生させる場合にも成り立つものである。
本実施形態によれば、可動子の質量を軽量化することにより、コイルの発熱を低減し、位置決め精度及び高速駆動性能に優れたリニアモータを提供することが可能になる。
また、ジュール熱(Q)の軽減に加えて、空隙部117はかかるジュール熱が天板112に伝達されるのを抑制し、天板112を冷却することも可能である。天板112が加熱されると、例えば、天板上112上に設けられている不図示のウエハを保持する機構が加熱されることになり、空隙部117は、かかる熱の影響による変形などウエハに及ぶ影響を排除することができる。
また、天板112が熱膨張し変形することによる、位置計測誤差の発生を抑制することが可能になる。
尚、本実施形態で説明した補極の永久磁石(115d、115f)と、天板(112)との間の空隙部117の形成により、永久磁石の接着面積が減少する場合でも、主極の永久磁石及び補極の永久磁石とは異なる軽量の材質の部材を空隙部117に設けて、接着強度が低下を防止することができる。
空隙部117に設けられる永久磁石(115a〜f)より密度の小さい軽量の材料としては、例えば、セラミクス等の多孔質材やハニカム部材、中空部材などが利用可能である。
この構成により、リニアモータにおける(可動子)110の軽量化を図るとともに、補極の永久磁石における接着強度が低下することを防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図7は、X方向に移動可能なリニアモータ119と、Y方向に移動可能なリニアモータ120を組み合わせて、ステージ701を2次元的に駆動してXY平面内に位置決めするステージシステムを示す図である。リニアモータ119及び120を駆動して、所定の位置に位置決めする制御回路は第1実施形態で説明した図13の制御回路を利用することが可能である。
図8は、リニアモータ119における可動子と固定子の構造を説明する断面図であり、図7の(CC-CC)-(BB-BB)断面を矢印の方向に向かって見た図である。第2実施形態における可動子122を構成する永久磁石の配列には、第1実施形態で説明したのと同様の構成が採用されているものとする。
可動子122には、主極の永久磁石(121a,121b)が、補極の永久磁石(121c、121d)を間に介して、交互に極性が異なるように配置されている。主極の永久磁石の間に配置される補極の永久磁石(121c、121d)は、X方向および−X方向の極性を有し、それぞれの極性が主極の永久磁石を間にはさみ、対向するように配置されている。
また、主極の永久磁石(121a,121b)と補極の永久磁石(121c、121d)は、固定子123に対して対向する面に段差がないように配置されている。
126は磁性もしくは非磁性材の天板であり、主極の永久磁石(121a,121b)は、天板126に取り付けられた状態で固定されている。本実施形態における永久磁石の厚さも、第1実施形態で説明したのと同様に、主極の永久磁石(図8の121a,121b)の厚さをt1とし、補極の永久磁石(図8の121c、121d)の厚さをt2として、両厚さの関係には、t1>t2の関係が成り立っているものとする。また、永久磁石の厚さの相違に起因にして、補極の永久磁石(121c、121d)と天板126との間には、空隙部125を設ける構造が採用されている。
また、図9は、リニアモータを構成する可動子と固定子の関係を示す、図8の変形例を示す図である。図9の構成では、可動子132を固定子133が上下に挟む構造になっている。図9の構成においても、可動子132を構成する永久磁石の配列には、第1実施形態で説明したのと同様の構成が採用されている。
図9における可動子132には、主極の永久磁石(131a,131b)が、補極の永久磁石(131c、131d)を間に介して、交互に極性が異なるように配置されている。主極の永久磁石の間に配置される補極の永久磁石(131c、131d)は、X方向および−X方向の極性を有し、それぞれの極性が主極の永久磁石を間に挟み、対向するように配置されている。また、主極の永久磁石(131a,131b)と補極の永久磁石(131c、131d)は、固定子133に対して対向する面に段差がないように配置されている。
136は磁性もしくは非磁性材の天板であり、主極の永久磁石(131a,131b)は、天板126に取り付けられた状態で固定されている。図9における永久磁石の厚さも、第1実施形態で説明したのと同様に、主極の永久磁石(図9の131a,131b)の厚さをt1とし、補極の永久磁石(図9の131c、131d)の厚さをt2として、両厚さの関係には、t1>t2の関係が成り立っているものとする。また、永久磁石の厚さの相違に起因にして、補極の永久磁石(131c、131d)と天板136との間には、空隙部135を設ける構造が採用されている。
図8においても図9においても、可動子における主極の永久磁石の両端には補極の永久磁石が配置され、主極に比べて補極の永久磁石の数が多い構成となっている。
従って、1次元に移動可能なリニアモータにおいても、補極の永久磁石の厚さt2を、可動子122に働く推力が減少する割合(k)に比べて、ステージの質量の減少する割合(K)の方が大きくなるように、設定することにより、1次元方向に駆動するリニアモータに関しても、3次元に移動可能なリニアモータにおける効果と同様の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、可動子の質量を軽量化することにより、コイルの発熱を低減し、位置決め精度及び高速駆動性能に優れたリニアモータを提供することが可能になる。
また、補極の永久磁石の厚さt2を、上述の関係を満たすように設定することにより、永久磁石の厚さをt1=t2として駆動する場合と同一加速度で駆動する際に、コイルユニットに発生するジュール熱(Q)も軽減することができる。質量の減少率(K)>推力定数の減少率(k)の関係を満たす補極の永久磁石の厚さをt2にした場合、水平方向の加速度を減少させることなく、コイルユニットに生じるジュール熱を軽減することができる。
尚、本実施形態で説明した補極の永久磁石(121c、d、131c、d)と、天板(126、136)との空隙部(125、135)により、永久磁石の接着面積が減少し、接着強度が低下する場合でも、可動子に働く推力が減少する割合(k)に比べて、ステージの質量の減少する割合(K)の方が大きくなるように、補極の永久磁石の厚さt2を設定して、永久磁石の接着面積を増やす目的で永久磁石より密度の小さい軽量の材料を配置することも可能である。この場合、密度の小さい材料としては、例えば、セラミクス等の多孔質材やハニカム部材、中空部材などが利用可能である。
(第3実施形態)
次に、本発明にかかる第3実施形態を図10の参照により説明する。図10は、第1または第2実施形態にかかるリニアモータを露光装置に適用した例を示す図である。露光装置1000は図10に示すように、照明装置201、レチクルを搭載するレチクルステージ202、投影光学系203、ウエハを搭載するウエハステージ204を有する。露光装置1000は、不図示のレチクルに形成された回路パターンをウエハ上に投影露光するものであり、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置またはステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置であってもよい。
照明装置201は回路パターンが形成されたレチクルを照明し、光源部と照明光学系とを有する。光源部は、例えば、光源としてレーザを使用する。使用するレーザは、例えば、波長約193nmのArFエキシマレーザ、波長約248nmのKrFエキシマレーザ、波長約153nmのF2エキシマレーザなどを使用することができるが、レーザの種類はエキシマレーザに限定されず、例えば、YAGレーザを使用してもよいし、そのレーザの個数も限定されないものとする。
光源にレーザが使用される場合、レーザ光源からの平行光束を所望のビーム形状に整形する光束整形光学系、コヒーレントなレーザ光束をインコヒーレント化するインコヒーレント化光学系を使用することが好ましい。また、光源部に使用可能な光源はレーザに限定されるものではなく、一または複数の水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。
照明光学系はレチクルを照明する光学系であり、レンズ、ミラー、ライトインテグレーター、絞り等を含む。
投影光学系203は、複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子を少なくとも一枚の凹面鏡を有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等を使用することができる。このような露光装置は、半導体集積回路等の半導体デバイスや、マイクロマシン、薄膜磁気ヘッド等の微細なパターンが形成されたデバイスの製造に利用されうる。
レチクルを搭載するレチクルステージ202またはウエハを搭載するウエハステージ204の駆動機構は、第1または第2実施形態で説明したリニアモータを採用することができる。露光装置にかかる駆動機構を採用することにより、可動部となるステージの質量の軽量化が可能になり、主極の永久磁石の厚さt1>補極の永久磁石の厚さt2なる関係の下、ステージに働く推力が減少する割合(k)に比べて、ステージの質量の減少する割合(K)の方が大きくなるように補極の永久磁石の厚さ(t2)を設定すれば、t1=t2として駆動する場合と同一加速度で駆動する際に、コイルユニットに発生するジュール熱(Q)も軽減することができる。
また、ジュール熱(Q)の軽減に加えて、空隙部はかかるジュール熱が天板に伝達されるのを抑制し、天板を冷却することも可能である。天板が加熱されると、例えば、天板上に設けられている不図示のレチクルまたはウエハを保持する機構が加熱されることになり、空隙部は、かかる熱の影響による変形など、レチクルまたはウエハに及ぶ影響を抑制することができる。
また天板が熱膨張して変形することによる、露光領域における位置計測誤差の発生を抑制することが可能になる。更に、露光領域における温度変化に起因する気圧の変化を抑制することにより、位置計測部(1320a,b,c:図13を参照)、姿勢計測部(1330a,b,c)におけるレーザ干渉計の波長の変動を抑え、高精度な露光領域の位置決めを実現することが可能になる。
(デバイス製造方法の例)
次に、第3実施形態の露光装置を利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図11は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク作製)では設計した回路パターンに基づいてマスクを作製する。
一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のマスクとウエハを用いて、上記の露光装置によりリソグラフィ技術を利用してウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップ7でこれを出荷する。
上記ステップ4のウエハプロセスは図12に示すように、ウエハの表面を酸化させる酸化ステップ(ステップ11)、ウエハ表面に絶縁膜を成膜するCVDステップ(ステップ12)、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する電極形成ステップ(ステップ13)、ウエハにイオンを打ち込むイオン打ち込みステップ(ステップ14)、ウエハに感光剤を塗布するレジスト処理ステップ(ステップ15)、上記の露光装置によって回路パターンをレジスト処理ステップ(ステップ15)後のウエハに転写する露光ステップ(ステップ16)、露光ステップで露光したウエハを現像する現像ステップ(ステップ17)、現像ステップで現像したレジスト像以外の部分を削り取るエッチングステップ(ステップ18)、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト剥離ステップ(ステップ19)を有する。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成することができる。
第1実施形態にかかるリニアモータの全体的な構成を示す図である。 第1実施形態における積層コイル列116を拡大して図示した図である。 可動子110に設けられた永久磁石列114の構成を示す図である。 Y軸方向に平行に配置されたコイル列からステージ110の裏側(永久磁石列114が配置されている面側)を見た状態を示す図である。 X軸方向に平行に配置されたコイル列から、ステージ110の裏側(永久磁石列114が配置されている面側)を見た状態を示す図である。 図3(b)において、AA-AA部で破断したステージ110の断面を示す図である。 ステージ701を2次元的に駆動してXY平面内に位置決めするステージシステムを示す図である。 リニアモータにおける可動子と固定子の構造を説明する断面図である。 リニアモータを構成する可動子と固定子の関係を示す、図8の変形例を示す図である。 第1または第2実施形態にかかるリニアモータを露光装置に適用した例を示す図である。 半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。 ステップ4のウエハプロセスを詳細に説明する図である。 ステージ110の駆動を制御するための制御回路のブロック図である。

Claims (7)

  1. 主極永久磁石と、当該主極永久磁石の周囲に磁場を集める補極永久磁石と、を配置した可動子と、当該主極永久磁石と対向する固定子コイルとを有し、当該主極永久磁石と固定子コイルとの間で、制御電流に基づく推力を発生させるリニアモータであって、
    前記固定子コイルと対向する平面に配置される、第1の永久磁石厚さを備える主極永久磁石と、
    前記固定子コイルと対向し、前記主極永久磁石が配置された同一平面に配置される、第2の永久磁石厚さを備える補極永久磁石と、を備え、
    前記第1及び第2の永久磁石厚さは、第1の永久磁石厚さ>前記第2の永久磁石厚さ、なる関係を満たすことを特徴とするリニアモータ。
  2. 前記第2の永久磁石厚さは、前記第1の永久磁石厚さと前記第2の永久磁石厚さとの差分による前記可動子に働く推力の減少割合に比べて、当該差分による前記可動子の質量の減少割合が大きくなる関係を、満たすことを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。
  3. 前記第1の永久磁石厚さと、前記第2の永久磁石厚さとの差分に対応する領域には、空隙部が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のリニアモータ。
  4. 前記第1の永久磁石厚さと、前記第2の永久磁石厚さとの差分に対応する領域には、前記主極永久磁石及び補極永久磁石とは異なる材質の部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のリニアモータ。
  5. 前記異なる材質には、多孔質材やハニカム部材、中空部材が含まれることを特徴とする請求項4に記載のリニアモータ。
  6. 回路パターンが形成されたレチクルを照明し、当該回路パターンをウエハ上に投影露光する露光装置であって、
    前記レチクルを搭載するレチクルステージと、
    前記ウエハを搭載するウエハステージと、
    前記レチクルステージまたはウエハステージを駆動し、位置決めするリニアモータとを備え、主極永久磁石と、当該主極永久磁石の周囲に磁場を集める補極永久磁石と、を配置した可動子と、当該主極永久磁石と対向する固定子コイルとを有し、当該主極永久磁石と固定子コイルとの間で、制御電流に基づく推力を発生させる、当該リニアモータは、
    前記固定子コイルと対向する平面に配置される、第1の永久磁石厚さを備える主極永久磁石と、
    前記固定子コイルと対向し、前記主極永久磁石が配置された同一平面に配置される、第2の永久磁石厚さを備える補極永久磁石と、を備え、
    前記第1及び第2の永久磁石厚さは、第1の永久磁石厚さ>前記第2の永久磁石厚さ、なる関係を満たすことを特徴とする露光装置。
  7. デバイス製造方法であって、
    基板を請求項6に記載の露光装置で露光する露光工程と、
    前記基板を現像する現像工程と
    を備えることを特徴とするデバイス製造方法。
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