JP3829335B2 - 励磁ユニットおよびそれを用いた平面型モータ、およびそれを用いたステージ装置、およびそれを用いた露光装置 - Google Patents
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Description
本発明は、平面上を直線的に移動可能な直線型モータ、または2次元的に移動可能な平面型モータ、およびそれを用いたステージ装置、およびそれを用いた露光装置に関する。
背景技術
制御対象を直線上もしくは平面上で移動させたり、目標位置に位置決めさせるために、従来、回転型モータと回転運動を直線運動に変換する変換機構を有する装置が多用されている。これに対して近年、制御対象を直接モータに取り付けて直線運動させるリニアモータの開発が進んでいる。リニアモータは変換機構がなく構成部品も少ないため、信頼性や精度の面で優れた特徴を有している。このリニアモータを2軸用い2次元的に移動可能な平面型モータが、可動部の軽量化、構造の簡素化の観点から将来的に有望であると考えられている。
X−Y平面を移動する構造を開示した先行技術としては、例えば、特開昭62−130413号公報および米国特許第4,742,286号に開示されたステージ集成体や、特公平5−86845号公報および米国特許第4,507,597号、特公平5−86847号公報および米国特許第4,485,339号に開示された電磁アライメント装置があり、さらに特開昭58−175020号公報および米国特許第4,535,278号に開示された2次元駆動装置がある。これらは、可動子が空気軸受等により浮上してX−Y平面を移動するようになっている。また、可動子が磁気浮上させられてX−Y平面を移動する構造として特開平2−35709号公報および米国特許第4,952,858号に開示されたアライメント装置や特開平5−57550号公報に開示されたステージ装置がある。
また、上述の平面型モータとしては、リニアパルスモータを移動平面上に2軸分連結したソイヤモータタイプとして、例えば特公昭60−22583号公報に記載されているものがある。
一方、平面移動する可動子の各軸方向駆動部分を分離せずに、1つの駆動部で平面移動可能な平面型パルスモータも検討されている。例えば、特公昭51−49283号公報等には、永久磁石のN極とS極とが緻密にあるいは一定間隔で配置された固定子と電機子コイルとを備えた突起状の歯を持った可動子とからなる平面型モータが開示されている。
これらの平面型モータは、主としてX−Y面内を2次元移動するステージ装置等に応用され、可動子上に所定の物体を載置してX−Y面内を移動させるのに用いられる。そして、このような平面型モータを用いたステージ装置は、半導体装置等の製造に用いられる露光装置のステージ系に適用される可能性を有している。ここで露光装置とは、半導体装置、液晶表示装置、あるいは薄膜磁気ヘッド等を製造する際のフォトリソグラフィ工程で用いられ、回路パターンを正確に感光基板に転写するための装置である。現在では、レチクルあるいはマスク(以下、レチクルという)に形成された回路パターンを投影光学系を介して半導体ウェハやガラスプレート(以下、ウェハという)上に投影露光する投影露光装置が主流になっている。この投影露光装置としては種々の方式のものがあるが、例えば半導体装置の製造の場合、レチクルの回路パターン全体を一度に投影し得るイメージフィールドを持つ投影光学系を介してウェハをステップ・アンド・リピート方式で露光する投影露光装置と、レチクルを1次元に走査しつつ、ウェハをそれと同期した速度で1次元に走査させる、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置とがある。
ところで、上述のような平面型モータの場合、例えばリニアパルスモータを2軸連結したソイヤモータでは、可動子側に電機子コイルや永久磁石が設けられている。そのため必然的に可動子は重くならざるを得ず、さらに平面移動する可動子の各軸方向駆動部分が分離独立しているため、可動子全体が大きく重くなってしまう。それに伴い周波数応答特性が低下してしまうので可動子を高速に移動させることが困難であるという問題を有している。
また、各軸方向駆動部分を分離せずに1つの駆動部で平面移動する平面型パルスモータの場合にも、複数の電機子コイルを可動子側に設けているので重くなってしまい、高速で可動子を移動させるには限界がある。
さらに、上述のいずれの方式による平面型モータでも、可動子は空気浮上あるいは支持ガイド機構により支持されて固定子上を移動する。従って、浮上あるいは支持するための複雑な機構が必要となるという問題もある。
以上の問題は、目的位置まで可動子を高速に移動させ、且つ超精密位置決めを要求されるステージ装置、あるいはそれを用いた露光装置にも直接的に影響を与えることになり、現状では平面型モータをステージ装置に採用した露光装置は存在しない。ところが今後、露光装置で製造する半導体装置、あるいは液晶表示装置はさらなる高集積化が必須でり、そのため露光装置で用いる露光光にはさらに短波長の光(荷電粒子線、X線等も含むものとする)が使用されることになるが、これらの光の照射経路は真空またはHe雰囲気に保たれる必要がある。従って、露光装置内でウェハを載置するステージ装置回りも真空あるいはHe雰囲気にしなければならず、ステージ装置を駆動させるのに用いられてきた従来の静圧気体軸受等を用いることができなくなるという事情がある。このように、露光装置のステージ装置に磁気駆動の平面型モータを用いる必要性は認識されながら、現実には上述のような種々の問題により平面型モータを採用できないという問題を有している。
本発明の目的は、高推力が得られ、可動子が軽量で高速移動可能な直線型または平面型モータを提供することにある。
また、本発明の目的は、可動子に浮上力を与えつつ2次元平面を移動させることができる平面型モータを提供することにある。
さらに、本発明の目的は、可動子の位置および姿勢を、X、Y、Zの3軸方向およびそれらの軸の回転方向の合計6自由度で制御できる平面型モータを提供することにある。
また、本発明の目的は、高推力が得られ、可動子が軽量で高速移動可能な平面型モータを用いたステージ装置、およびそれを用いた露光装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、可動子に浮上力を与えつつ2次元平面を移動させることができる平面型モータを用いたステージ装置、およびそれを用いた露光装置を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、可動子の位置および姿勢を、X、Y、Zの3軸方向およびそれらの軸の回転方向の合計6自由度で制御できる平面型モータを用いたステージ装置、およびそれを用いた露光装置を提供することにある。
発明の開示
上記目的は、交互に磁極の向きを逆転させてX−Y平面上に配列した複数の永久磁石を有する磁極ユニットと対をなして平面型モータに用いられ、全体でX−Y方向にほぼ十字形状をなす4つの腕部と、磁極ユニットの複数の永久磁石に対向するように、各腕部の先端部および各腕部が接続された基端部に形成された5つの突歯とを有する磁性体部材と、各腕部のそれぞれに巻回された4つの電機子コイルとを有することを特徴とする励磁ユニットによって達成される。
また上記目的は、平面駆動させる平面型モータにおいて、交互に磁極の向きを逆転させてX−Y平面上に配列した複数の永久磁石を有する磁極ユニットと、上記の励磁ユニットとを備えたことを特徴とする平面型モータによって達成される。そして、磁極ユニットの複数の永久磁石は、X−Y面内でX、Y方向にそれぞれ幅lを有し、且つ各永久磁石の中心間はそれぞれX、Y方向に距離2lだけ離間して配置されており、励磁ユニットのX方向に伸びる2つの腕部の2つの突歯は、基端部の突歯に対してX方向に相対的に±l/2だけずれて配置され、Y方向に伸びる2つの腕部の2つの突歯は、基端部の突歯に対してY方向に相対的に±l/2だけずれて配置されていることを特徴とする。
このような構成において、励磁ユニットの各電機子コイルにそれぞれ所定の電流を流すことにより、各突歯のそれぞれに所定の極性を与えることができ、各突歯に対向する磁極ユニットの永久磁石との磁気的吸引力あるいは磁気的反発力により磁極ユニットに推力を発生させたり、あるいは浮上力を生じさせたりすることができるようになる。
また本発明の平面型モータにおいて、磁極ユニットのX方向に離間した複数の永久磁石の間には、X方向に磁軸が向いた永久磁石がそれぞれ埋め込まれており、Y方向に離間した複数の永久磁石の間には、Y方向に磁軸が向いた永久磁石がそれぞれ埋め込まれており、X方向に磁軸が向いた永久磁石とY方向に磁軸が向いた永久磁石で囲まれた領域に、導体且つ非磁性体である部材が埋め込まれていることを特徴とする。この構成にすれば、磁極ユニットの永久磁石による磁束密度を大きくさせることができるので、推力、あるいは浮上力に寄与する磁束を高い効率で利用することができるようになる。
また、X方向に磁軸が向いた永久磁石とY方向に磁軸が向いた永久磁石で囲まれた領域に、導体且つ非磁性体である部材が埋め込まれている構成によれば、導体且つ非磁性体である部材内を磁束が通過すると部材内に渦電流が発生し、この渦電流が磁束を打ち消す方向に磁束を生じさせる。つまり、磁極ユニットと励磁ユニットとの間の磁束の漏れを低減させて効率よく磁束ループを形成させることができるようになる。
また本発明の平面型モータにおいて、複数の励磁ユニットを所定位置に固定して固定子とし、磁極ユニットを固定子に対して移動可能な可動子として用いることを特徴とする。そして、本発明の平面型モータにおいて、固定子の各励磁ユニットは突歯を上方に向けて可動子の下方に配置され、可動子は複数の永久磁石を下方に向けて突歯と対向するように配置されていることを特徴とする。こうすることにより、小型軽量で平面状の可動子を得ることができ、より少ない電力で当該可動子を駆動させることができるようになる。
ここで、本発明の平面型モータの場合、固定子の各励磁ユニットは5つの突歯を上方に向けて可動子の下方に配置され、可動子は複数の永久磁石を下方に向けて突歯と対向するように配置されているようにしてもよい。そして、X、Y方向に相対的にそれぞれ距離lだけずらして配置した少なくとも2つの励磁ユニットからなる組を備え、各励磁ユニットの4つの電機子コイルに流す所定の電流を切り替えることにより、磁極ユニットをX−Y面内の所定方向に相対移動させる推力を発生させ、またはZ方向に磁気浮上させる磁気的反発力を発生させることを特徴とする。このように、少なくとも2つの励磁ユニットの位置位相を所定量(距離l)変化させることにより、推力を向上させると共に、推力むらを低減させることができるようになる。
また、本発明の上記平面型モータにおいて、固定子は、前記組を少なくとも2個組み合わせて構成される駆動ユニットを有し、駆動ユニットにより可動子をX−Y面内の所定方向に相対移動させる推力を発生させると共に、Z方向に磁気浮上させる磁気的反発力を発生させることを特徴とする。このような駆動ユニットにより、X−Y面内を移動する推力を発生させると同時に相対的に磁極ユニットを浮上させておくことができるようになる。
一方、前記固定子の5つの突歯を下方に向けて可動子の上方に配置し、可動子は複数の永久磁石を上方に向けて突歯と対向するように配置され、固定子の4つの電機子コイルに電流を供給しない無励磁状態でも、可動子の複数の永久磁石と固定子の5つの突歯との間に働く磁気的吸引力により、可動子を浮上させるようにしてもよい。このようにすれば、より少ない電力で当該可動子の駆動を制御でき、可動子を容易にまた正確に移動させることができるようになる。
さらに、固定子は、平面状に分布させた少なくとも3個の駆動ユニットを有し、3個の駆動ユニットは、固定子に対してX、Y、Z軸方向と各軸周りの回転の6自由度で可動子の位置姿勢を制御することを特徴とする。こうすることにより、例えば磁極ユニットをステージとして利用するような場合、ステージをX、Y、Z軸方向に変位させ、またそれらの軸回りに回転させることができるようになるので、ステージの位置および姿勢を6自由度で制御することができるようになる。
また、本発明の励磁ユニットにおいて、突歯の先端の歯部は、先鋭形状に形成されていることを特徴とする。これら突歯先端の歯部を先鋭状にすることにより、無励磁状態で正弦波状に変化する推力特性を得ることができるようになり、また駆動ユニット内の複数の励磁ユニットの突歯を先鋭状にすることにより推力の平滑化を図ることができるようになる。
また、上記目的は、基板を載置するステージと、ステージを駆動する駆動系とを有し、駆動系により、X、Y軸方向でステージの位置を制御するステージ装置において、ステージとして、上述のいずれかの平面型モータの可動子を用い、駆動系として、上述のいずれかの平面型モータの固定子を用いたことを特徴とするステージ装置によって達成される。また、基板を載置するステージと、ステージを駆動する駆動系とを有し、駆動系により、X、Y、Z軸方向と各軸周りの回転の6自由度でステージの位置姿勢を制御するステージ装置において、ステージとして、上述のいずれかの平面型モータの可動子を用い、駆動系として、上述のいずれかの平面型モータの固定子を用いたことを特徴とするステージ装置によって達成される。
また上記目的は、本発明の上述のステージ装置において、励磁ユニットを冷却する冷却機構を備えたことを特徴とするステージ装置によって達成される。
さらに上記目的は、パターンの像を基板に転写する露光装置において、基板を載置して移動するステージ装置として、上述のステージ装置を備えたことを特徴とする露光装置によって達成される。また本発明の露光装置は、パターンの像を基板に投影する投影光学系を防振機構を介して支えるコラムと、ステージ装置の駆動系を支える固定フレームとを備え、駆動系に生じる反力が投影光学系に及ばないことを特徴としている。
また上記目的は、励磁ユニットの組立方法において、ほぼ直線状に形成された2つの腕部と、磁極ユニットの複数の永久磁石に対向するように、各腕部の先端部および各腕部が接続された基端部に形成された3つの突歯とを有する磁性体部材と、各腕部のそれぞれに巻回された2つの電機子コイルとを組み立てることを特徴とする励磁ユニットの組立方法によって達成される。
また上記目的は、励磁ユニットの組立方法において、全体でX−Y方向にほぼ十字形状をなす4つの腕部と、各腕部の先端部および各腕部が接続された基端部に形成された5つの突歯とを有する磁性体部材と、各腕部のそれぞれに巻回された4つの電機子コイルとを組み立てることを特徴とする励磁ユニットの組立方法によって達成される。
さらに上記目的は、直線型モータの組立方法において、ほぼ直線状に形成された2つの腕部と、磁極ユニットの複数の永久磁石に対向するように、各腕部の先端部および各腕部が接続された基端部に形成された3つの突歯とを有する磁性体部材と、各腕部のそれぞれに巻回された2つの電機子コイルとを組み立てた励磁ユニットと、交互に磁極の向きを逆転させて配列した複数の永久磁石を有する磁極ユニットとを組み立てることを特徴とする直線型モータの組立方法によって達成される。
さらに上記目的は、平面型モータの組立方法において、交互に磁極の向きを逆転させてX−Y平面上に配列した複数の永久磁石を有する磁極ユニットと、全体でX−Y方向にほぼ十字形状をなす4つの腕部と、磁極ユニットの複数の永久磁石に対向するように、各腕部の先端部および各腕部が接続された基端部に形成された5つの突歯とを有する磁性体部材と、各腕部のそれぞれに巻回された4つの電機子コイルとを有する励磁ユニットとを組み立てることを特徴とする平面型モータの組立方法によって達成される。
またさらに上記目的は、基板を載置するステージと、ステージを駆動する駆動系とを有し、駆動系により、X、Y、Z軸方向と各軸周りの回転の6自由度でステージの位置姿勢を制御するステージ装置の組立方法において、本発明の平面型モータの可動子をステージとして組み立て、本発明の平面型モータの固定子を駆動系として組み立てることを特徴とするステージ装置の組立方法によって達成される。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータの概略の構造を示す斜視図である。
図2は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータの励磁ユニットの概略の構造を示す図である。
図3は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータの励磁ユニットの概略の構造を示す平面図である。
図4は、本発明の第1の実施の形態による図3のA−A線で切断した平面型モータの断面図である。
図5は、本発明の第1の実施の形態における、磁極ユニット14に対向する励磁ユニット6の5つの突歯の位置関係を説明する斜視図である。
図6は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作を説明する図である。
図7は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作を説明する図である。
図8は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作を説明する図である。
図9は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作を説明する図である。
図10は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作を説明する図である。
図11は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作を説明する図である。
図12は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作を説明する図である。
図13は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作を説明する図である。
図14は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作を説明する図である。
図15は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける例示ユニットの配置例を示す図である。
図16は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の浮上動作を説明する図である。
図17は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の浮上動作を説明する図である。
図18は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の浮上動作を説明する図である。
図19は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の浮上動作を説明する図である。
図20は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子の浮上動作を説明する図である。
図21は、本発明の第1の実施の形態による平面型モータにおける可動子を6自由度で制御する動作を説明する図である。
図22は、本発明の第2の実施の形態による平面型モータの概略の構造を示す斜視図である。
図23は、本発明の第2の実施の形態による平面型モータの部分断面図である。
図24は、本発明の第2の実施の形態における、磁極ユニット14に対向する励磁ユニット6の5つの突歯の位置関係を説明する斜視図である。
図25は、本発明の第2の実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作を説明する図である。
図26は、本発明の第2の実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作を説明する図である。
図27は、本発明の第2の実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作を説明する図である。
図28は、本発明の第3の実施の形態による平面型モータにおける励磁ユニット6の構造を示す図である。
図29は、本発明の第3の実施の形態による平面型モータにおける励磁ユニット6の動作を説明する図である。
図30は、本発明の第3の実施の形態による平面型モータにおける励磁ユニット6の動作を説明する図である。
図31は、本発明の第3の実施の形態における励磁ユニット6の変形例を示す図である。
図32は、本発明の第4の実施の形態による露光装置の概略の構造を説明する図である。
図33は、本発明の第4の実施の形態によるステージ装置の概略の構造を説明する図である。
図34は、本発明の第4の実施の形態によるステージ装置の概略の構造を説明する図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の第1の実施の形態による平面型モータを図1乃至図21を用いて説明する。本実施の形態における平面型モータは、複数の励磁ユニットを所定位置に固定して固定子とし、磁極ユニットを固定子に対して移動可能な可動子として用いるようにしている。固定子の各励磁ユニットは5つの突歯を上方に向けて可動子の下方に配置され、可動子は複数の永久磁石を下方に向けて突歯と対向するように配置されている。まず、本実施の形態による平面型モータの概略の構成を図1を用いて説明する。
図1は本実施の形態による平面型モータの斜視図である。図1に示すように、本実施の形態による平面型モータの構成は、固定子ユニット2と可動子4とに大別される。固定子ユニット2は、X−Y平面に拡がる平板の基台8上に複数の励磁ユニット6が固定され、その上面に平面状の摺動部材10が設けられている。一方、可動子4は、複数の永久磁石がX−Y平面上にマトリクス状に並んで構成される磁極ユニット14と、磁極ユニット14上面に固定され、非磁性体且つ非導体である基板12とで構成されている。後程詳述するが、固定子ユニット2の複数の励磁ユニット6のうち所定の複数の励磁ユニット6を駆動させることにより、摺動部材10上の可動子4は、図中Z方向に浮上し、且つ摺動部材10上方のX−Y面内を2次元的に移動することができると共に、基板12のレベリング調整も行うことができるようになっている。
この固定子ユニット2の励磁ユニット6の構造を図2を用いて説明する。図2(a)は、図1に示した座標系において、+Z方向から−Z方向に向かって見た励磁ユニット6の平面図である。図2(b)は同側面図、図2(c)は同正面図である。図2に示すように、本実施の形態における励磁ユニット6は、全体でX−Y方向にほぼ十字形状をなす4つの腕部20、22、24、26と、各腕部20〜26の先端部および各腕部20〜26が接続された基端部(十字形状の中心部)から+Z方向に突出して形成された5つの突歯28、30、32、34、36とで構成される磁性体部材(例えば、鉄)を有している。5つの突歯28〜36の先端の平坦部は1辺の長さがlの正方形形状であり、またこれらの平坦部は全て同一平面内にあるように高さが調整されている。また、磁性体部材の各腕部20〜26にはそれぞれ電機子コイル38、40、42、44が巻回されている。図示は省略したが各電機子コイル38〜44は、それぞれ電流源に接続され、図示しない制御系から電流源に送出される指令により、各励磁ユニット6の各電機子コイル38〜44に所定の電流を供給できるようになっている。
次に、本実施の形態による平面型モータの固定子4の磁極ユニット14の概略の構造を図3を用いて説明する。図3は、図1に示した座標系において、−Z方向から+Z方向に向かって見た磁極ユニット14の平面図である。この平面図は、磁極ユニット14の、励磁ユニット6の各突歯と対向する面を示している。図3に示すように、本実施の形態による磁極ユニット14は、立方体状の永久磁石50N、50Sが互に磁極の向きを逆転させてX−Y平面上にマトリクス状に複数配置されている。永久磁石50Nは、励磁ユニット6の各突歯に対向する側がN極であり、永久磁石50Sは、励磁ユニット6の各突歯に対向する側がS極である。磁極ユニット14の複数の永久磁石50N、50Sは、X−Y面内でX、Y方向にそれぞれ幅lを有する正方形形状になり、且つ隣り合う永久磁石50N、50Sの中心間はそれぞれX、Y方向に距離2lだけ離間して配置されている。
X方向に離間した複数の永久磁石50N、50Sの間には、X方向に磁軸が向いた立方体状の永久磁石54がそれぞれ埋め込まれており、磁極の向きは永久磁石50N、50Sの磁極と同極同士が向き合うように配置されている。一方、Y方向に離間した複数の永久磁石50N、50Sの間には、Y方向に磁軸が向いた立方体状の永久磁石56がそれぞれ埋め込まれており、X方向と同様に磁極の向きは永久磁石50N、50Sの磁極と同極同士が向き合うように配置されている。
また、X方向に磁軸が向いた永久磁石54とY方向に磁軸が向いた永久磁石56で囲まれた立方体状の領域には、導体且つ非磁性体である部材60が埋め込まれている。この部材60としては、銅やアルミニウムを用いることができる。
このように、本実施の形態における可動子4の磁極ユニット14では,離間してマトリクス状に配列された永久磁石50N、50Sの間に、XまたはY方向に磁軸が向いた永久磁石54、56を上述のように配置することにより、磁極ユニット14の永久磁石50N、50Sで生じさせる磁束の磁束密度を大きくさせることができるので、後程詳述するが可動子4に与える推力、あるいは浮上力に寄与する磁束を高い効率で利用することができるようになる。また、永久磁石54、56で囲まれた領域に、導体且つ非磁性体である部材60を埋め込むことにより、部材60内を通過する磁束を、発生した渦電流の磁束で打ち消すように作用させることができるので、磁極ユニット14と励磁ユニット6との間の磁束の漏れを低減させて効率よく磁束ループを形成させることができるようになる。
次に、本実施の形態による平面型モータの磁極ユニット14に対する励磁ユニット6の突歯の配置関係を図4および図5を用いて説明する。図4は、本実施の形態による平面型モータを、磁極ユニット14を示した図3のA−A線の位置で切断した断面図である。図5は、磁極ユニット14に対向する励磁ユニット6の5つの突歯の位置関係を説明する斜視図である。図4に示すように、それぞれ幅lを有する磁極ユニット14の複数の永久磁石50N、50Sおよび、XまたはY方向に磁軸が向いた横向きの永久磁石54に対向する、各励磁ユニット6のX方向に伸びる2つの腕部20、24端部の2つの突歯28、32は、基端部の突歯36に対してX方向に相対的に−l/2、および+l/2だけずれて配置されている。
図示を省略するが同様にY方向に伸びる2つの腕部22、26の2つの突歯30、34は、基端部の突歯36に対してY方向に相対的に−l/2、+l/2だけずれて配置されている。従って、図5に示すように、基端部の突歯36の歯部T5の位置が磁極ユニット14の永久磁石50N(N極)に一致して対向している場合には、4つの腕部の突歯28〜34の各歯部T1、T2、T3、T4は、それぞれ対向する磁極ユニット14の永久磁石50S(S極)にX方向あるいはY方向にl/2だけ重なるようになっている。なお、図5およびこれ以降の図面では、磁極ユニット14の横向きの永久磁石54、56の磁軸の方向は、一部を矢印で示すか、図示を省略するものとする。
以上の説明は、磁極ユニット14に対する1つの励磁ユニット6の突歯の位置関係である。後程複数の励磁ユニット6を用いた場合の各励磁ユニット6の間の磁極ユニット14に対する配置関係を説明するが、その前にここで、1つの励磁ユニット6を用いて本実施の形態による平面型モータにおける可動子の移動動作について図6乃至図14を用いて説明する。
まず、1つの励磁ユニット6で磁極ユニット14を−X方向に移動させる場合について図6乃至図8を用いて説明する。ここでは、X方向に可動子4を移動させる場合を例にとって説明するが、Y方向も同様の動作により移動可能である。図6乃至図8における(a)は可動子4の磁極ユニット14に対する励磁ユニット6の各突歯の位置を示す平面図であり、各突歯28〜36の歯部T1〜T5の位置を示している。図6乃至図8における(b)は、励磁ユニット6の歯部T5を含むX方向の断面を示している。(c)は、励磁ユニット6の歯部T5を含むY方向の断面を示している。
さて、図6において、初期状態として励磁ユニット6の基端部の突歯36の歯部T5が磁極ユニット14の永久磁石50N(N極)に対面しているものとする。この状態をX=0とし、図示のように、歯部T1がN極、歯部T2〜歯部T4がS極に励磁されるように4つの電機子コイル38〜44に所定の電流を供給する。この電流の供給により歯部T5は、強いN極に励磁される。その結果、図6(b)に示すように、歯部T1では、磁気的吸引力により磁極ユニット14を−X方向(図中左方向)に移動させようとする推力が発生し、歯部T3においては磁気的反発力により磁極ユニット14を−X方向に移動させようとする推力が発生する。さらに、一旦移動が開始されると、歯部T5も磁気的反発力による−X方向への推力を発生する。一方、図6(c)に示すように、Y方向については磁気的反発力だけが生じ、それらの合力は釣り合ってY方向の推力は発生しない。また、図6(a)から明らかなように、磁極ユニット14が移動を始めるとY方向の歯部T2、T4もそれぞれ磁気的反発力により磁極ユニット14を−X方向に移動させる推力を発生させることがわかる。
次に、可動子4が図6に示す位置(X=0)からX=−l/2の位置まで移動した状態を図7を用いて説明する。図7に示すように、可動子4がX=−l/2の位置まで移動すると、励磁ユニット14の電機子コイル38に流す電流を反転させて歯部T1がS極になるように励磁する。その結果図7(b)に示すように、歯部T3では、永久磁石50Nに対する磁気的吸引力および永久磁石50Sに対する磁気的反発力により磁極ユニット14を−X方向に移動させようとする推力が発生し、歯部T5においては磁気的反発力による磁極ユニット14を−X方向に移動させようとする推力が発生する。さらに、一旦移動が開始されると、歯部T1も永久磁石50Sに対する磁気的反発力による推力を発生する。一方、図7(c)に示すように、Y方向については磁気的反発力だけが生じ、それらの合力は釣り合ってY方向の推力は発生しない。また、図7(a)から明らかなように、Y方向の歯部T2、T4もそれぞれ磁気的吸引反発力を生じて推力を発生させる。
次に、可動子4が図7に示す位置(X=−l/2)からX=−lの位置まで移動した状態を図8を用いて説明する。X=−Iの位置では、各電機子コイル38〜44に流す電流の向きは変えない。図8に示すように、可動子4がX=−lの位置まで移動した状態において、歯部T1、T2、T4、T5では、永久磁石50Sに対する磁気的反発力による磁極ユニット14を−X方向に移動させようとする推力が発生し、歯部T3においては永久磁石50Nに対する磁気的吸引力により磁極ユニット14を−X方向に移動させようとする推力が発生する。一方、図8(c)に示すように、X=−lの位置では磁極ユニット14のY方向に永久磁石が配置されていないので磁気的吸引力/反発力は発生しない。
以上X=0からX=−lまでにおけるX方向の移動動作を説明したが、X=−lより負方向に移動する場合も、あるいはX=0より正方向に移動する場合についても、同様にして各電機子コイル38〜44に流す電流を変化させることにより励磁ユニット6に対して相対的に磁極ユニット14を所定方向に移動させる推力を発生させることができるようになる。
次に、図9乃至図14を用いて本実施の形態における磁極ユニット14の移動動作をより詳細に説明する。図9(a)は、X=0の位置での磁極ユニット14と励磁ユニット6との配置関係を示し、図6(a)等に示したものと同様である。すなわち、初期状態として励磁ユニット6の基端部の突歯36の歯部T5が磁極ユニット14の永久磁石50N(N極)に対面している。図9(b)は、励磁ユニット6の電機子コイル38〜44に流す電流の向きを規定しており、図示の・印は紙面から紙面手前に向かう方向を、×印は紙面手前から紙面に向かう方向を示している。この図9(b)に示す各電機子コイル38〜44に流す電流の方向を正方向として、磁極ユニット14が相対的にX=0からX=4lまでの正方向に移動する際における、励磁ユニット6の各電機子コイル38〜44に流す電流の通電スケジュールと、各突歯に励磁される極性の変化を図10に示す。ここで各電機子コイル38、40、42、44に流す電流は、図9(b)に示したようにそれぞれ電流C1、C2、C3、C4である。図10(a)において、横軸はX=0からX=4lまでの正方向の移動距離を示し、上段のグラフの縦軸は電機子コイル38に流す電流C1を表し、下段のグラフの縦軸は突歯28の歯部T1に励磁される極性を示している。同様にして図10(b)〜(d)もそれぞれX=0からX=4lまでの正方向の移動距離における電機子コイル40〜44に流す電流C2〜C4と、突歯30〜34の歯部T2〜T4に励磁される極性を示している。また図10(e)は、図10(a)〜(d)に示すように各電機子コイル38〜44に通電した結果、基端部の突歯36の歯部T5に生じる磁極の変化を示している。
この図10(a)〜(e)に示したように各歯部T1〜T5の極性をX=0からX=4lまでの移動に伴って変化させることにより、各歯部T1〜T5およびそれらと対向する磁極ユニット14の永久磁石50N、50Sとの間に、図6乃至図8を用いて説明したのと同様の磁気的反発力、あるいは磁気的吸引力が作用して推力が発生する。各歯部により発生する推力を図11に示す。図11(a)〜(e)は、歯部T1〜T5に発生する推力FT1〜FT5のX=0からX=4lに至るまでの変化を示している。そして、図11(f)は、推力FT1〜FT5の合力、すなわち図9(a)に示した位置を基点として各移動位置での推力を示している。図11(a)〜(f)において、実線で示した波形は、無励磁状態での推力の変化を示し、破線で示した波形が励磁状態、すなわち図10に示す通電スケジュールにより発生する推力である。図11(f)の破線からわかるように、図9(a)に示した位置から励磁により移動する場合の励磁ユニット6で発生する推力は、X=0、2l、4lをそれぞれ少し過ぎた位置で0に近くなるようなほぼ2lの周期の正弦波的な変化をする。
次に、図12乃至図14を用いて、励磁ユニットの各突歯が上述の図9(a)に示した位置からずれて位置している場合の移動動作について説明する。図12は、X=0の位置での磁極ユニット14と励磁ユニット6との配置関係を示し、初期状態として励磁ユニット6の基端部の突歯36の歯部T5が磁極ユニット14のY方向の永久磁石50N(N極)と永久磁石50Sとの間の永久磁石56に対面していることを示している。つまり、図9に示した状態から+Y方向にlだけ相対的に励磁ユニット6を移動させた状態を初期状態とした場合である。
励磁ユニット6の電機子コイル38〜44に流す電流の向き、および各電機子コイル38〜44に流す電流の符号を図9(b)に示したものと同様にして、磁極ユニット14が相対的にX=0からX=4lまでの正方向に移動する際における、励磁ユニット6の各電機子コイル38〜44に流す電流の通電スケジュールと、各突歯に励磁される極性の変化を図13に示す。図13(a)においても、横軸はX=0からX=4lまでの正方向の移動距離を示し、上段のグラフの縦軸は電機子コイル38に流す電流C1を表し、下段のグラフの縦軸は突歯28の歯部T1に励磁される極性を示している。同様にして図13(b)〜(d)もそれぞれX=0からX=4lまでの正方向の移動距離における電機子コイル40〜44に流す電流C2〜C4と、突歯30〜34の歯部T2〜T4に励磁される極性を示している。また図13(e)は、図13(a)〜(d)に示すように各電機子コイル38〜44に通電した結果、基端部の突歯36の歯部T5に生じる励磁の変化を示している。
この図13(a)〜(e)に示したように各歯部T1〜T5の極性を位置X=0からX=4lに渡って変化させることにより、各歯部T1〜T5およびそれら近傍に対向する磁極ユニット14の永久磁石50N、50Sとの間に磁気的反発力、あるいは磁気的吸引力が作用して推力が発生する。各歯部により発生する推力を図14に示す。図14(a)〜(e)は、歯部T1〜T5に発生する推力FT1〜FT5のX=0からX=4lに至るまでの変化を示している。そして、図14(f)は、推力FT1〜FT5の合力、すなわち図12に示した位置を基点として各移動点で発生する推力を示している。図14(a)〜(f)において、実線で示した波形は、無励磁状態での推力の変化を示し、破線で示した波形が励磁状態、すなわち図13に示す通電スケジュールにより発生する推力である。図14(f)の破線からわかるように、図12に示した位置から移動する場合の励磁ユニット6で発生する推力は、ほぼ2lの周期で正弦波的に変化し、X=0、2l、4lの位置でほぼ0になっている。
これら図11(f)、図14(f)に示したように、磁極ユニット14に対する励磁ユニット6の位置がY方向にずれていても、X方向の位置(X=0)が同一であれば得られる推力特性は、ほぼ2lの周期で正弦波的に変化し、X=0、2l、4lの位置またはその近傍でほぼ0または0に近づく。従って、少なくとも2個の励磁ユニット6を用いることにして、それらをX方向に相対的にlだけずらして配置すれば推力むらを低減できることになる。これは図11(f)の波形に対して図14(f)の波形を相対的にlだけ位相をずらして合成することに相当し、図からも明らかなように合成波形は平坦化されるので、推力が0に近づく位置をなくすと共に推力むらを低減することができるようになる。
以上は、X方向の移動における推力特性であるが、Y方向の移動における推力特性も全く同様の説明が成り立つ。従って、Y方向の推力むらを低減させるためには、少なくとも2個の励磁ユニット6をY方向にも相対的にlだけずらして配置するようにすればよい。つまり、推力むらを低減させてX−Y面内で2次元的に可動子2を移動させるには、図15に例示するように、少なくとも2個の励磁ユニット6を用い、それらの相互の位置が相対的にX、Y方向にそれぞれlだけずれているように励磁ユニット6の組として配置すればよいことになる。
次に、本実施の形態による平面型モータにおける可動子の浮上動作について図16乃至図20を用いて説明する。
まず、1つの励磁ユニット6で磁極ユニット14を浮上させる場合について図16乃至図20を用いて説明する。はじめに本実施の形態における可動子を浮上させる基本動作を図16を用いて説明する。図16(a)は、可動子4の磁極ユニット14に対する励磁ユニット6の各突歯28〜36の歯部T1〜T5の位置を示すX方向の断面を示している。(b)は、励磁ユニット6の歯部T5を含むY方向の断面を示している。
図16においては、初期状態として励磁ユニット6の基端部の突歯36の歯部T5が磁極ユニット14の永久磁石50N(N極)に対面しているものとする。この状態をX=0とし、図示のように、歯部T1〜T4がS極に励磁されるように4つの電機子コイル38〜44に所定の電流を供給する。このとき歯部T5はN極に励磁される。その結果、図16(a)、(b)に示すように、全ての歯部T1〜t5で、磁極ユニット14に対して磁気的反発力が発生して磁極ユニット14を+Z方向に浮上させようとする浮上力が発生する。この浮上力により、励磁ユニット6に対して磁極ユニット14は浮上する。
ところが、上述の1つの励磁ユニット6だけでは、可動子4がX−Y面内を2次元的に移動する全ての位置で浮上力を維持させることはできない。例えば、可動子のX−Y方向の移動に伴って、励磁ユニット6の歯部T5の位置が図12に示したような位置にある場合には、可動子4を浮上させておくだけの浮上力を得ることはできなくなる。すなわち、浮上力も励磁ユニット6と磁極ユニット14との相対位置により変化する。この点につき、図17乃至図20を用いてX方向の移動を例にとって詳細に説明する。
図17(a)は、X=0の位置での磁極ユニット14と励磁ユニット6との配置関係が図9(a)に示した状態、すなわち初期状態として励磁ユニット6の基端部の突歯36の歯部T5が磁極ユニット14の永久磁石50N(N極)に対面している場合の通電スケジュールおよび各歯部の極性の変化を示している。なお、励磁ユニット6の電機子コイル38〜44に流す電流の向きは、図9(b)での規則と同様とする。図17(a)において、横軸はX=0からX=4lまでの正方向の移動距離を示し、上段のグラフの縦軸は電機子コイル38に流す電流C1を表し、下段のグラフの縦軸は突歯28の歯部T1に励磁される極性を示している。同様にして図17(b)〜(d)もそれぞれX=0からX=4lまでの正方向の移動距離における電機子コイル40〜44に流す電流C2〜C4と、突歯30〜34の歯部T2〜T4に励磁される極性を示している。また図17(e)は、図17(a)〜(d)に示すように各電機子コイル38〜44に通電した結果、基端部の突歯36の歯部T5に生じる励磁の変化を示している。
この図17(a)〜(e)に示したように各歯部T1〜T5の極性を、位置X=0からX=4lに至るまでに所定のスケジュールで変化させることにより、各歯部T1〜T5およびそれらと対向する磁極ユニット14の永久磁石50N、50Sとの間に磁気的反発力が作用して浮上力が発生する。各歯部により発生する浮上力を図18に示す。図18(a)〜(e)は、歯部T1〜T5に発生する浮上力FT1〜FT5の位置X=0からX=4lに至るまでの変化を示している。そして、図18(f)は、浮上力FT1〜FT5の合力、すなわち図9(a)に示した位置を基点として各移動位置での浮上力を示している。図18(a)〜(f)において、実線で示した波形は、無励磁状態での浮上力の変化を示している。無励磁状態では、磁気的吸引力しか作用しないのでZ方向の浮上力は全て負になっている。破線で示した波形は励磁状態、すなわち図17に示す通電スケジュールにより発生する浮上力である。図18(f)からわかるように、図9(a)に示した位置から移動する場合の励磁ユニット6で発生させる浮上力は、励磁状態において、位置X=0からX=4lに至る全域で+Z方向に可動子4を浮上させる正の浮上力が発生し、その大きさが2lの周期の正弦波的に変化することがわかる。
次に、励磁ユニットの各突歯が図12に示す位置、つまり、図9に示した状態から+Y方向にlだけ相対的に励磁ユニット6を移動させた位置を初期状態とする場合の浮上力について説明する。
本例も励磁ユニット6の電機子コイル38〜44に流す電流の向き、および各電機子コイル38〜44に流す電流の符号を図9(b)に示したものと同様にして、磁極ユニット14が相対的にX=0からX=4lまでの正方向に移動する際における、励磁ユニット6の各電機子コイル38〜44に流す電流の通電スケジュールと、各突歯に励磁される極性の変化を図19に示す。図19(a)においても、横軸はX=0からX=4lまでの正方向の移動距離を示し、上段のグラフの縦軸は電機子コイル38に流す電流C1を表し、下段のグラフの縦軸は突歯28の歯部T1に励磁される極性を示している。同様にして図19(b)〜(d)もそれぞれX=0からX=4lまでの正方向の移動距離における電機子コイル40〜44に流す電流C2〜C4と、突歯30〜34の歯部T2〜T4に励磁される極性を示している。また図19(e)は、図19(a)〜(d)に示すように各電機子コイル38〜44に通電した結果、基端部の突歯36の歯部T5に生じる励磁の変化を示している。
この図19(a)〜(e)に示したように各歯部T1〜T5の極性をX=0からX=4lに渡って変化させることにより、各歯部T1〜T5およびそれら近傍に対向する磁極ユニット14の永久磁石50N、50Sとの間に磁気的反発力が作用して浮上力が発生する。各歯部により発生する浮上力を図20に示す。図20(a)〜(e)は、歯部T1〜T5に発生する浮上力FT1〜FT5のX=0からX=4lに至るまでの変化を示している。そして、図20(f)は、浮上力FT1〜FT5の合力、すなわち図12に示した位置を基点として各移動点で発生する浮上力を示している。図20(a)〜(f)において、実線で示した波形は、無励磁状態での浮上力の変化を示している。無励磁状態では、磁気的吸引力しか作用しないのでZ方向の浮上力は全て負になっている。破線で示した波形は励磁作用、すなわち図19に示す通電スケジュールにより発生する浮上力である。図20(f)からわかるように、図12に示した位置から移動する場合の励磁ユニット6で発生する浮上力は、励磁状態において、ほぼ2lの周期で正弦波的に変化し、且つX=l、3lおよびその近傍では負の浮上力、すなわち吸引力が生じてしまっていることがわかる。
このように、図18(f)、図20(f)に示したように、励磁状態において、磁極ユニット14に対する励磁ユニット6の位置がY方向にずれて、X方向の位置(X=0)が同一である場合には、それぞれの磁極ユニット6から得られる浮上力特性は、ほぼ同位相であって2lの周期で正弦波的に変化する点で類似するが、X=l、3lの位置近傍で浮上力が負になってしまうか否かで相違する。従って、少なくとも2個の励磁ユニット6を用い、それらをX方向に相対的にlだけずらして配置すれば浮上力のむらを低減できることになる。これは図18(f)の波形に対して図20(f)の波形を相対的にlだけずらして合成することに相当し、図からも明らかなように合成波形は平坦化されるので、浮上力が負になる位置をなくすと共に浮上力のむらを低減することができるようになる。
以上は、X方向の移動における浮上力特性であるが、Y方向の移動における浮上力特性も全く同様の説明が成り立つ。従って、Y方向の浮上力むらを低減させるためには、少なくとも2個の励磁ユニット6をY方向にも相対的にlだけずらして配置するようにすればよい。つまり、浮上力むらを低減させてX−Y面内で2次元的に可動子4を移動させるには、上述の推力むらの低減に用いた図15に例示するように2個の励磁ユニット6を用い、それらの相互の位置が相対的にX、Y方向にそれぞれlだけずれているような励磁ユニット6の組を配置すればよいことになる。
従って、図15に示した励磁ユニット6の組をX−Y面内での可動子4の2次元移動のために用い、それとは別の位置にやはり図15に示した励磁ユニット6の組を用意して可動子4の浮上用に用いるようにすれば、つまり、励磁ユニット6の組を少なくとも2組用い、磁極ユニットをX−Y面内の所定方向に相対移動させる推力を発生させると共に、Z方向に磁気浮上させる磁気的反発力を発生させる駆動ユニットを構成することにより、可動子4の移動と浮上を同時に行うことができるようになる。
また、図15に示したような配置の浮上用と移動用の励磁ユニット6の組を複数組設けて駆動ユニットを構成して基台8上に設けることにより、より広い範囲に渡って可動子4を移動させることができるようになる。また、複数の励磁ユニット6の組を用いることにより、高推力、高浮上力を得ることができる。
さらに、図21(a)、(b)に示すように正方形形状の可動子4の磁極ユニット14を例えば正方形形状の領域A〜Dに4分割し、領域A〜Dの下方の励磁ユニット6の組の電機子コイル38〜44にそれぞれ領域毎に異なる所定の電流を供給するようにしてもよい。こうすると、例えば図21(a)に示すように領域A〜D毎の推力の方向を変えることにより、全体としてX−Y面内を一方向に移動できるだけでなく、Z軸回りの回転を行わせることができるようになる。また、図21(b)に示すように、領域A〜DのそれぞれのZ方向の浮上力を変えることにより、X軸回りあるいはY軸回りの回転を行わせることができるようになり、可動子4の平面のレベリングを調整することができるようになる。
このように、本実施の形態の平面型モータによれば、固定子側に複数の励磁ユニットの組を設けることができるので高推力が得られ、また、可動子4は、永久磁石50と導体部材60、および基板12からなる簡素な平面構造で構成できるので軽量で高速に移動させることができるようになる。また、本実施の形態による平面型モータによれば、可動子4に浮上力を与えつつ2次元平面を移動させることができるようになる。さらに、可動子4の位置および姿勢を、X、Y、Zの3軸方向およびそれらの軸の回転方向の合計6自由度で制御できる平面型モータを実現できる。
次に本発明の第2の実施の形態による平面型モータを図22乃至図27を用いて説明する。本実施の形態における平面型モータは、複数の励磁ユニットを所定位置に固定して固定子とし、磁極ユニットを固定子に対して移動可能な可動子として用いるようにしている。第1の実施形態との相違は、固定子の各励磁ユニットが5つの突歯を下方に向けて可動子の上方に配置され、可動子は複数の永久磁石を上方に向けて突歯と対向するように配置されている点にある。まず、本実施の形態による平面型モータの概略の構成を図22を用いて説明する。
図22は本実施の形態による平面型モータの斜視図である。図22に示すように、本実施の形態による平面型モータの構成は、固定子ユニット2と可動子4とに大別される。固定子ユニット2は、X−Y平面に拡がる平板の基台8下面に複数の励磁ユニット6が固定され、その下面に平面状の摺動部材10が設けられている。一方、可動子4は、複数の永久磁石がX−Y平面上にマトリクス状に並んで構成される磁極ユニット14と、磁極ユニット14下面に固定され、非磁性体且つ非導体である基板12とで構成されている。
このように本実施の形態では、可動子4が固定子ユニット2の下方に位置しており、固定子ユニット2の各励磁ユニット6が無励磁状態でも可動子4の複数の永久磁石による磁気的吸引力により、固定子ユニット2に対して所定の空隙を介して可動子4が空中に浮いていることができるようになっている。また後程詳述するが、固定子ユニット2の複数の励磁ユニット6のうち所定の複数の励磁ユニット6を駆動させることにより、摺動部材10下方の可動子4は、摺動部材10下方のX−Y面内を2次元的に移動することができると共に、可動子4自体のレベリング調整も行うことができるようになっている。
この固定子ユニット2の励磁ユニット6は、図2を用いて説明した第1の実施の形態における励磁ユニット6と同一の構成であり、使用状態において−Z方向に5つの突歯28、30、32、34、36が向くように配置される点のみが異なるのでその構成の図示および説明は省略する。また、本実施の形態による平面型モータの固定子4の磁極ユニット14の構造も図3を用いて説明した第1の実施の形態における磁極ユニットと同一であるのでその説明は省略する。
次に、本実施の形態による平面型モータの磁極ユニット14に対する励磁ユニット6の突歯の配置関係を図23および図24を用いて説明する。図23は、本実施の形態による平面型モータの一断面を示し、図24は、磁極ユニット14に対向する励磁ユニット6の5つの突歯の位置関係を説明する斜視図である。図23に示すように、それぞれ幅lを有する磁極ユニット14の複数の永久磁石50N、50Sおよび、XまたはY方向に磁軸が向いた横向きの永久磁石54に対向する、各励磁ユニット6のX方向に伸びる2つの腕部20、24端部の2つの突歯28、32は、基端部の突歯36に対してX方向に相対的に−l/2、および+l/2だけずれて配置されている。
図示を省略するが同様にY方向に伸びる2つの腕部22、26の2つの突歯30、34は、基端部の突歯36に対してY方向に相対的に−l/2、+l/2だけずれて配置されている。従って、図24に示すように、基端部の突歯36の歯部T5の位置が磁極ユニット14の永久磁石50N(N極)に一致して対向している場合には、4つの腕部の突歯28〜34の各歯部T1、T2、T3、T4は、それぞれ対向する磁極ユニット14の永久磁石50S(S極)にX方向あるいはY方向にl/2だけ重なるようになっている。
以上の説明は、磁極ユニット14に対する1つの励磁ユニット6の突歯の位置関係である。後程複数の励磁ユニット6を用いた場合の各励磁ユニット6の間の磁極ユニット14に対する配置関係を説明するが、その前にここで、1つの励磁ユニット6で磁極ユニット14をX方向に移動させる場合について図25乃至図27を用いて説明する。ここでは、X方向に可動子4を移動させる場合を例にとって説明するが、Y方向も同様の動作により移動可能である。図25乃至図27における(a)は可動子4の磁極ユニット14に対する励磁ユニット6の各突歯の位置を示す平面図であり、各突歯28〜36の歯部T1〜T5の位置を示している。図25乃至図27における(b)は、励磁ユニット6の歯部T5を含むX方向の断面を示している。(c)は、励磁ユニット6の歯部T5を含むY方向の断面を示している。
さて、図25において、初期状態として励磁ユニット6の基端部の突歯36の歯部T5が磁極ユニット14の永久磁石50N(N極)に対面しているものとする。この状態をX=0とする。このX=0で励磁ユニット6の各電機子コイル38〜44に電流を供給しない無励磁状態では、磁極ユニット14の複数の永久磁石50N、50Sによる励磁ユニット6の各歯部T1〜T5間の磁気的吸引力が釣り合って、励磁ユニット6に対して所定の空隙を介して磁極ユニット14は空中に浮いている。
次に、図25(b)に示すように、歯部T1に相対的に強いN極(以降、N+極と標記する)、歯部T2〜歯部T4に相対的に弱いN極(以降、N−極と標記する)、歯部T5にS極が励磁されるように4つの電機子コイル38〜44に所定の電流を供給する。その結果、各歯部T1〜T5間の磁気的吸引力のバランスが崩れ、図25(b)に示すように、歯部T1では、釣り合い状態時より強い磁気的吸引力が発生して磁極ユニット14をX方向(図中右方向)に移動させようとする推力が発生する。また、歯部T3においては釣り合い状態時より磁気的吸引力が弱められる結果、可動子4はX方向に移動を開始する。
一方、図25(c)に示すように、Y方向については磁気的吸引力の釣り合い状態は維持されながら、全体としての磁気的吸引力が変化するだけであるのでY方向の推力は発生しない。このような本実施の形態による可動子の移動動作では、第1の実施の形態における各電機子コイル38〜44に供給する電流よりも遙かに少ない電流の供給で可動子を移動させることができる。
次に、可動子4が図25に示す位置(X=0)からX=l/2の位置まで移動した状態を図26を用いて説明する。図26に示すように、可動子4がX=l/2の位置まで移動すると、歯部T3にS+極、歯部T1にN+極、T2およびT4にN−極、歯部T5にS−極が励磁されるように4つの電機子コイル38〜44に所定の電流を供給する。その結果、各歯部T1〜T5間の磁気的吸引力のバランスが崩れ、図26(b)に示すように、歯部T3では、磁極ユニット14の永久磁石50Nに対して釣り合い状態時より強い磁気的吸引力が発生し、また永久磁石50Sに対して磁気的反発力が発生して磁極ユニット14をX方向(図中右方向)に移動させようとする推力が発生する。また、歯部T1においては釣り合い状態時より磁気的吸引力が弱められる結果、可動子4はX方向に移動を開始する。一方、図26(c)に示すように、Y方向については磁気的吸引力の釣り合い状態は維持されながら、全体としての磁気的吸引力が変化するだけであるのでY方向の推力は発生しない。
次に、可動子4が図26に示す位置(X=l/2)からX=lの位置まで移動した状態を図27を用いて説明する。X=lの位置では、各電機子コイル38〜44に流す電流の向きを逆転させて、歯部T5にN+極、歯部T1〜歯部T4にS−極が励磁されるように4つの電機子コイル38〜44に所定の大きさの電流を供給する。その結果、各歯部T1〜T5間の磁気的吸引力のバランスが崩れ、図27(b)に示すように、歯部T5では、磁極ユニット14の永久磁石50Sに対して釣り合い状態時より強い磁気的吸引力が発生し、また永久磁石50Nに対して磁気的反発力が発生して磁極ユニット14をX方向(図中右方向)に移動させようとする推力が発生する結果、可動子4はX方向に移動を開始する。一方、図27(c)に示すように、X=lの位置では磁極ユニット14のY方向に永久磁石が配置されていないので磁気的吸引力は釣り合い状態は維持される。
以上X=0からX=lまでにおけるX方向の移動動作を説明したが、X=lより正方向に移動する場合も、あるいはX=0より負方向に移動する場合についても、同様にして各電機子コイル38〜44に流す電流を変化させることにより励磁ユニット6に対して相対的に磁極ユニット14を所定方向に移動させる推力を発生させることができるようになる。
なお本実施の形態による平面型モータも、第1の実施の形態における図10および図13に対応する通電スケジュールに基づいて各電機子コイル38〜44に電流を供給することにより、図11および図14に示すような推力を各歯部に発生させることができるようになる。従って、本実施の形態においても、これら図11(f)、図14(f)に示したように、磁極ユニット14に対する励磁ユニット6の位置がY方向にずれていても、X方向の位置(X=0)が同一であれば得られる推力特性は、ほぼ2lの周期で正弦波的に変化し、X=0、2l、4lの位置またはその近傍でほぼ0または0に近づく。従って、少なくとも2個の励磁ユニット6を用いることにして、それらをX方向に相対的にlだけずらして配置すれば推力むらを低減できることになる。これは図11(f)の波形に対して図14(f)の波形を相対的にlだけ位相をずらして合成することに相当し、図からも明らかなように合成波形は平坦化されるので、推力が0に近づく位置をなくすと共に推力むらを低減することができるようになる。
以上は、X方向の移動における推力特性であるが、Y方向の移動における推力特性も全く同様の説明が成り立つ。従って、Y方向の推力むらを低減させるためには、少なくとも2個の励磁ユニット6をY方向にも相対的にlだけずらして配置するようにすればよい。つまり、推力むらを低減させてX−Y面内で2次元的に可動子2を移動させるには、第1の実施の形態と同様に、図15に例示するように、少なくとも2個の励磁ユニット6を用い、それらの相互の位置が相対的にX、Y方向にそれぞれlだけずれているように配置すればよいことになる。
従って、図15に示した励磁ユニット6の組をX−Y面内での可動子4の2次元移動のために用い、それとは別の位置にやはり図15に示した励磁ユニット6の組を用意して可動子4のレベリング用に用いるようにすれば、つまり、励磁ユニット6の組を少なくとも2組用い、磁極ユニットをX−Y面内の所定方向に相対移動させる推力を発生させると共に、Z方向に磁気浮上させている磁気的吸引力を変化させる駆動ユニットを構成することにより、可動子4のX−Y方向の移動とZ方向の移動を同時に行うことができるようになる。
また、図15に示したような配置の浮上用と移動用の励磁ユニット6の組を複数組設けて駆動ユニットを構成して基台8下面に設けることにより、より広い範囲に渡って可動子4を移動させることができるようになる。また、複数の励磁ユニット6の組を用いることにより、高推力、高浮上力を得ることができる。
さらに、第1の実施の形態による図21(a)、(b)に示したのと同様にして、正方形形状の可動子4の磁極ユニット14を例えば正方形形状の領域A〜Dに4分割し、領域A〜Dの上方の励磁ユニット6の組の電機子コイル38〜44にそれぞれ領域毎に異なる所定の電流を供給するようにしてもよい。こうすると、例えば図21(a)に示すように領域A〜D毎の推力の方向を変えることにより、全体としてX−Y面内を一方向に移動できるだけでなく、Z軸回りの回転を行わせることができるようになる。また、図21(b)に示すように、領域A〜DのそれぞれのZ方向の浮上力を変えることにより、X軸回りあるいはY軸回りの回転を行わせることができるようになり、可動子4の平面のレベリングを調整することができるようになる。
このように、本実施の形態の平面型モータにおいても、固定子ユニット2側に複数の励磁ユニット6の組を設けることができるので高推力が得られ、また、可動子4は、永久磁石50と導体部材60、および基板12からなる簡素な平面構造で構成できるので軽量で高速に移動させることができるようになる。
また、第1の実施の形態における平面型モータでは、可動子4が固定子ユニット2の上方に位置しているため、可動子4を浮上させるには可動子2の磁極ユニット6の永久磁石50N、50Sと固定子ユニット2の励磁ユニット6の各突歯28〜36との間に働く磁気的吸引力を打ち消し、且つ可動子4の自重以上の浮上力を発生させる必要がある。そのため、各電機子コイル38〜44に大電流を流す必要が生じ、コイル通電による固定子ユニット2からの発熱が多くなってしまう。一方、本実施の形態による平面型モータによれば、可動子4が固定子ユニット2の下方に位置し、無励磁状態でも磁気的吸引力により可動子4が空間に浮いているので、可動子4の位置姿勢制御は微少のコイル通電で済み、そのため固定子ユニット2からの発熱も少なくでき、効率的であるという利点を有している。
次に本発明の第3の実施の形態による平面型モータを図28乃至図31を用いて説明する。本実施の形態による平面型モータは、第1および第2の実施の形態による平面型モータにおける励磁ユニット6の5つの突歯28〜36の先端部形状に特徴を有している。その他の構成は、第1および第2の実施の形態と同様であるので図示および説明を省略する。
図28は、本実施の形態による励磁ユニット6の5つの突歯を有する磁性体部材とそれぞれの腕部に巻かれた電機子コイル38〜44を示している。図28(a)は、本実施の形態による励磁ユニット6の斜視図、図28(b)は、励磁ユニット6の各突歯の先端部の部分拡大図、図28(c)は、励磁ユニット6の各突歯の先端部の部分断面図である。図28(a)〜(c)に示すように、励磁ユニット6の5つの突歯28〜36の各歯部T1〜T5の端部4辺には、所定の面取り62a〜62dが施され、5つの突歯の先端の歯部が、先鋭形状に形成されている。本実施の形態においては、図28(c)に示すように、各突歯28〜36の歯部T1〜T5のX−Y面の移動方向における平坦部と面取り62a〜62dの長さの比は、約2:1:1に設定されている。
さて、この励磁ユニット6の突歯28〜36の各歯部T1〜T5について、当該歯部T1〜T5を用いることにより得られる作用および効果を図29および図30を用いて説明する。図29は、突歯36の歯部T5を例に取り、本実施の形態における歯部T5を図中右側に示し、比較例として面取りが施されていない歯部T5を左側に示している。図中上段から下段に向かって、本実施の形態の歯部T5と比較例の歯部T5とが磁極ユニット14に対して相対的に移動する際の、無励磁状態における磁気的吸引力の作用の相違を示す。
まず、図29(a)において、本実施の形態および比較例のいずれの歯部も、磁極ユニット14の永久磁石50の幅lとほぼ等しい幅を有し、永久磁石50Sに対向しているものとする。本実施の形態の歯部の先端部の形状は、既に図28を用いて説明した通り端面と面取り62a〜62dで構成され、比較例の歯部の先端部は、本実施の形態の歯部に設けられた面取り62a〜62dがなく、端面だけの形状である。いずれの歯部の端面も磁極ユニット14から所定の空隙を隔てて位置している。
このとき本実施の形態の歯部T5と磁極ユニット14の永久磁石50Sとの間に作用する磁気的吸引力をFt、磁気的吸引力Ftが働く方向に垂直な断面積の大きさをAtとする。一方、比較例の歯部T5に作用する磁気的吸引力をFf、磁気的吸引力Ffが働く方向に垂直な断面積の大きさをAfとする。
一般に、磁気的吸引力Fの大きさは、2つの磁性体間の距離の2乗に反比例し、対向する磁性体の表面積に比例するので、面取り62〜62dが設けられている分だけ力の作用する距離が長くなる領域を有する本実施の形態の歯部T5の磁気的吸引力Ftは、比較例の歯部T5の磁気的吸引力Ffより小さいものとなっている。
以上の状態から、図29(b)から図29(d)に示すように磁極ユニット14を図中右方向に移動させると、磁気的吸引力Ft、Ffの移動方向の分力として推力成分Ft、ffが発生する。この移動に伴う推力成分ft、ffの変化を図29と共に図30を用いて説明する。図30(a)は比較例の歯部での推力特性を示し、図30(b)は、本実施の形態による歯部での推力特性を示している。両図とも横軸は移動距離を示している。両図の縦軸は原点位置から上側にはそれぞれ断面積At、Afを示し、下側にはそれぞれ磁気的吸引力Ft、Ffの大きさ、および推力ft、ffの大きさを示している。図中横軸に示したa〜dの位置は、図29(a)〜(d)で示した磁極ユニット14の移動量に対応している。
まず、比較例の歯部において、図29(a)〜(d)および図30(a)に示すように、磁極ユニット14の移動に伴って、断面積Afは単調に減少する。そのため、磁気的吸引力Ffも、単調に減少していく。その結果、推力ffは、一旦急激に増加して、その後単調に減少する。図30(a)中実線で示した推力ffの曲線は、永久磁石50Sのみを考慮した場合の推力特性を示しており、破線で示した推力ffの曲線は、移動に伴って永久磁石50Sの隣の永久磁石50Nの影響を考慮した場合の推力特性である。このように、比較例に用いた従来の歯部では、磁極ユニット14の移動位置における推力ffの大きさに偏りがあるため、コギングが発生する。
一方、本実施の形態による歯部の場合、図29(a)〜(d)および図30(b)に示すように、面取り62a〜62dを備えているために、磁極ユニット14の移動に伴って、断面積Atは単調には減少せず面積が増加する位置が存在する。そのため、磁気的吸引力Ffも、断面積Atの変化に応じて増加する位置が存在し、位置a〜d間で1周期分の正弦波状に変化する。その結果、推力ftは、半周期分の正弦波状に変化するようになる。なお、図30(b)中実線および破線で示した推力ffの曲線の意味は、図30(a)における比較例と同様である。
このように本実施の形態によれば、無励磁状態で正弦波状に変化する推力特性を得ることが得きるようになるのでコギングを低減させることができるようになる。さらに、位相をずらして配置され、且つ駆動される複数の励磁ユニット6の突歯の全歯部に対して面取りを設けることにより、上述の正弦波状の推力特性を平滑化させることができるのでコギングを極めて低減させた平面型モータを実現することができるようになる。
以上の説明は、励磁ユニット6の各突歯の歯部T1〜T5の端面と面取りの比率が上述のように約2:1:1として説明したが、もちろんこれは一例であって他の比率にすることも可能であり、例えば図31に示すように、面取り62a〜62dに替えて、図31に示すように平坦部をなくして四角錐状に各突歯の先端の歯部を形成してより先鋭形状にしてもよい。要は、固定子ユニット2の励磁ユニット6の各突歯T1〜T5の幅、可動子4の永久磁石50の幅、あるいは固定子ユニット2と可動子4との間の空隙の距離等種々のパラメータに基づいて、各突歯T1〜T5の先端を最適な先鋭形状に形成すればよい。
なお、第1および第2の実施の形態では、励磁ユニット6はX−Y方向にほぼ十字形状をなす4つの腕部と、各腕部の先端部および前記各腕部が接続された基端部に形成された5つの突歯とを有する磁性体部材と、各腕部のそれぞれに巻回された4つの電機子コイルで構成されていた。しかし、励磁ユニットを、ほぼ直線状をなす2つの腕部と各腕部の先端部および前記各腕部が接続された基端部に形成された3つの突歯とを有する磁性体部材と、各腕部のそれぞれに巻回された2つの電機子コイルで構成した直線型の励磁ユニットにしてもよい。2つの電機子コイルにそれぞれ電流を(+I、+I)→(+I、0)→(0、−I)→(−I、−I)のように印加すれば可動子が平面を直線状に移動する。また、かかる直線型の励磁ユニットを、X、Y方向にそれぞれ設ければ、可動子をX−Y平面に沿って移動させることも可能である。
次に、上記実施の形態による平面型モータを用いたステージ装置および露光装置について説明する。本発明の第4の実施の形態として上述の第2の実施の形態による平面型モータを用いたステージ装置およびそれを用いた露光装置を図32乃至図34を用いて説明する。
図32は、本実施の形態による露光装置の全体の概略構成を示している。本実施の形態における露光装置は、レチクルを1次元に走査しつつ、ウェハをそれと同期した速度(投影倍率を掛けた速度)で1次元に走査させる、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。図32において、ベース100上に防振ダンパ112を介してインバー(低膨張率の合金)よりなる第1コラム230が載置されている。第1コラム230は投影光学系PLを固定している。また、第1コラム230には、レチクル走査ステージ180の位置を測定するためのレーザ干渉計135が載置されており、さらに照明光学系130を保持する第2コラム170が固定されている。
第1コラム230の内側には、第2の実施の形態で説明した平面型モータを用いたステージ装置が設けられている。このステージ装置は、第2の実施の形態における固定子ユニット2に対応するステージ駆動ユニット300と、可動子4に対応するウェハステージWSTとから構成され、ウェハステージWST上に感光基板としてのウェハWが載置されている。ウェハステージWSTのウェハW載置面周囲には磁軸がそれぞれ所定の方向を向いた複数の永久磁石が配列されている。ステージ駆動ユニット300はフレーム124を介してベース100に固定される。
また、第2の実施の形態で説明したように、ウェハステージWSTはステージ駆動ユニット300内の複数の励磁ユニット6が無励磁状態であっても、磁気的吸引力により空中に浮いており、駆動系137からの制御によりステージ駆動ユニット300内の所定の複数の励磁ユニット6が励磁されると、それに応じてウェハステージWSTは、投影光学系PLの光軸に垂直な面(水平面)内で図32の紙面に垂直な方向(Y方向)、水平面内でY軸に垂直なX方向、およびウェハWを投影光学系PLの光軸方向であるZ方向にウェハWを位置決めすると共に、ウェハWの投影光学系PLの結像面に対する傾きも調整できるようになっている。ウェハステージWSTがX,Y,Z方向に移動することによって、ステージ駆動ユニット300には移動方向とは逆向きの反力が生じる。この反力は、フレーム124を介してベース100に逃がされる。一方、投影光学系PLは、防振ダンパ112を介して第1コラム230により保持されているので、ステージ駆動ユニット300に生じる反力が投影光学系PLに振動を及ぼすことはない。
第1コラム230上にインバーよりなる第2コラム170が固定され、第2コラム170の上部にX方向に摺動自在なレチクル走査ステージ180が載置され、レチクル走査ステージ180上に転写用のパターンが形成されたレチクルRが保持されている。レチクル走査ステージ180は、具体的には特開平8−63231号に記載されたリニアモータによる駆動方式のステージであり、駆動による反力が相殺されるような構造となっている。従って、レチクル走査ステージ180に生じる反力およびステージ駆動ユニット300に生じる反力は、投影光学系PLに振動を及ぼすことはなく、照明光学系130にも振動を及ぼすことがない。
一方、不図示のエキシマレーザ光源(KrF、ArF)、あるいは固体レーザ光源(F2)からの露光用照明光が導光光学系(不図示)を介して、照明光学系130に入射する。照明光学系130は、ブラインド機構、フライアイレンズ、コンデンサレンズ等を有し、所定の領域に形成された照明光がレチクルRを照射する。このように、所定形状に規定された照明光を受けたレチクルRは、第2コラム170上を少なくともX方向に等速移動可能なレチクル走査ステージ180に保持される。レチクル走査ステージ180は、駆動系134によってX方向の一次元走査移動、ヨーイング補正のための微小回転移動等を行う。またレチクル走査ステージ180の一端にはレーザ干渉計135からの測長ビームを反射する移動鏡136が固定され、レチクルRのX方向位置がレーザ干渉計135によってリアルタイムに計測される。
レチクルRに形成されたパターンの像は、投影光学系PLによって、例えば1/4に縮小されてウェハW上に結像される。ウェハWは、XYZ方向に移動可能なウェハステージWST上に載置されている。
このように、レチクルR上のパターンは露光光ILで照明され、レチクルR上のパターン像が投影光学系PLを介してウェハW上に投影露光される。この場合レチクルR上の照明領域は、例えば矩形のスリット状であり、その照明領域だけではレチクルR上の全パターン領域が照明されない。
そこで、露光時にはレチクル走査ステージ180を駆動することにより、その照明領域に対して、レチクルRをその照明領域の長手方向に垂直な方向であるX方向に一定速度V1で走査する。これに同期して、ウェハステージWSTを駆動することにより、ウェハWをその照明領域内のレチクル像に対して−X方向に一定速度V2で走査する。投影光学系PLによるレチクルRからウェハWへの投影倍率をβとすると、速度V2はβ・V1である。このようにして、レチクルRおよびウェハWを同期して走査することにより、レチクルRの全パターンの像がウェハW上に投影露光される。1つの露光領域の露光が終了すると、ウェハステージWSTをステージ駆動ユニット300で駆動することにより、ウェハW上の次の露光領域の走査開始位置が投影光学系PLの露光フィールド内に移動する。
また、ウェハステージWSTのX方向一端面にはレーザ干渉計138Xからの測長ビームを反射する移動鏡139Xが固定され、ウェハステージWSTのX方向の座標位置がレーザ干渉計138Xによってリアルタイムに計測される。図示は省略したがウェハステージWSTのY方向一端面にもレーザ干渉計138Yからの測長ビームを反射する移動鏡139Yが固定され、ウェハステージWSTのY方向の座標位置がレーザ干渉計138Yによってリアルタイムに計測されるようになっている。
また、本実施の形態による走査型露光装置のステージ駆動ユニット300には、図示しない冷却器から引き出された配管の端部の冷媒供給口310が接続され、冷媒供給口310を介して所定の温度に制御された冷媒がステージ駆動ユニット300内に導入されてステージ駆動ユニット300内を循環し、電機子コイル38〜44に流された電流により発熱した複数の励磁ユニット6を冷却した後、冷媒排出口312から排出されるようになっている。
また、本実施の形態による走査型露光装置には、ウェハステージWSTを第1コラム230側面の開口330から搬入あるいは搬出するためのウェハステージ搬送系320が設けられている。このウェハステージ搬送系320は、ステージ駆動ユニット300と同様の構成をしており、ウェハWを載置したウェハステージWSTを磁気的吸引力で浮上させて移動させることができるようになっている。このように本実施の形態による走査型露光装置では、ウェハWの搬送はウェハステージWSTに載置した状態で、ウェハステージWSTごと搬送することによって行われるようになっている。
また、本走査型露光装置における露光動作の制御は、主制御部141により統括的に管理される。主制御部141の基本的な動作は、レーザ干渉計135、138からの位置情報、駆動系134、137等からの速度情報等に基づいて、スキャン露光時にレチクル走査ステージ180とウェハステージWSTとを所定の速度比(投影光学系PLの投影倍率に応じた値)を保ちつつ、レチクルパターンとウェハパターンとの相対位置関係を所定のアライメント誤差内に抑えたまま相対移動させることにある。
次に、本実施の形態による露光装置のステージ駆動ユニット300およびウェハステージWSTの構造を図33および図34を用いてより詳細に説明する。図33は、本実施の形態によるステージ駆動ユニット300とウェハステージWSTの一部を分解して表示した斜視図である。また、図34は、ステージ駆動ユニット300内の励磁ユニット6の配置と、ウェハステージWSTに設けられた磁極ユニット14の配置関係を示す平面図である。
図33および図34に示すように、ステージ駆動ユニット300は、平板の基台8下面に複数の励磁ユニット6が固定され、その下面に平面状の摺動部材10が設けられている。ステージ駆動ユニット300のほぼ中央部には開口部が設けられており、この開口部に投影光学系PLの鏡筒の光射出側端部が位置するようになっている。従って基台8は、当該投影光学系PLの鏡筒の光射出端部の形状に合わせて、すり鉢状の斜面を有し、その斜面底部の開口部で摺動部材10に接続されている。
一方、ウェハステージWSTは、ほぼ正方形の平面形状を有し、その中央部にウェハWを載置する円形状のウェハ載置面が設けられ、その周囲に複数の永久磁石がX−Y平面上にマトリクス状に並んで構成された磁極ユニットが4つの領域A〜Dに分けられて設けられている。また、磁極ユニット14下面およびウェハ載置面下方には、非磁性体且つ非導体である基板12が固定されている。また、ウェハステージWSTの側面部の隣り合う2面には、X、Y方向の位置をそれぞれレーザ干渉計で計測するための移動鏡139X、139Yが取り付けられている。
このように本実施の形態のステージ装置では、可動子となるウェハステージWSTは固定子ユニットとなるステージ駆動ユニット300の下方に位置して、ステージ駆動ユニット300の各励磁ユニット6が無励磁状態でもウェハステージWSTのの複数の永久磁石50N、50Sによる磁気的吸引力により、ステージ駆動ユニット300に対して所定の空隙を介して空中に浮いていることができるようになっている。
また、図34に示すように、各領域A〜D上方に位置するステージ駆動ユニット300の複数の励磁ユニット6は、既に図15を用いて説明したような励磁ユニット6の組が2組ずつで順次機能するように配置されており、磁極ユニットの各領域A〜DにX−Y面内の所定方向に相対移動させる推力を発生させると共に、Z方向に磁気浮上させている磁気的吸引力を変化させてウェハステージWSTのX−Y方向の移動とZ方向の移動を同時に行うことができるようにしている。
さらに、ウェハステージWSTの磁極ユニット14が領域A〜Dに4分割されているので、領域A〜Dの上方の励磁ユニット6の組の電機子コイル38〜44にそれぞれ領域毎に異なる所定の電流を供給して、例えば領域A〜D毎の推力の方向を変えることにより、全体としてX−Y面内を一方向に移動できるだけでなく、Z軸回りの回転を行わせることができるようになる。また、領域A〜DのそれぞれのZ方向の浮上力を変えることにより、X軸回りあるいはX軸回りの回転を行わせることができるようになり、ウェハステージWSTのウェハW平面のレベリングを調整することができる。
なお上記実施の形態における励磁ユニットの製造は、4つの腕部および腕部先端部および基端部の突歯を磁性材料で一体的に形成してもよいし、各部をそれぞれ製作しておいて、組み立てるようにしてもよい。そして製作された磁性体部材の腕部に電機子コイルを巻き回して配線や配管を接続し、さらに総合調整(電気調整、動作確認等)が行われる。
また、上記実施の形態による励磁ユニットを有する平面型モータの製造では、上記励磁ユニットの製造に加えて、基板上に相互に磁極の向きを逆転させて複数の永久磁石を配列して組み立てられる磁極ユニットが製造される。
また、上記実施の形態による平面型モータを組み込んだステージ装置の製造は、基板を載置するステージとして上記実施の形態による平面型モータの可動子を組み込み、固定子をステージ駆動用の駆動系として組み込んで、X、Y、Z軸方向と各軸周りの回転の6自由度でステージの位置姿勢ができるように総合調整することにより行われる。
また、上記実施の形態による露光装置の製造は、複数のレンズから構成される照明系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整するとともに、多数の機械部品からなる上記実施の形態によるステージ装置をレチクルステージやウェハステージとして組み込み、露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、さらに総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより行われる。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
上記実施の形態においては、図15に示すような配置で励磁ユニット6の組を規定したが、本発明はこれに限られず、例えば、X、Y方向にそれぞれnl、ml(n、mは正の整数)だけ離れた少なくとも2つの励磁ユニット6で組を構成してもよい。また、励磁ユニット6の組同士の配置位置も、図15の例示に限られず種々の変形が可能である。
また、上記実施の形態においては、可動子4に6自由度の動きを与えるために図21や図34に示すように駆動ユニットをそれぞれ領域A〜Dの4分割としたが、本発明はこれに限られず、磁極ユニット14をX−Y平面で各領域の中心を結ぶ線が三角形を構成するような領域A〜Cに分け、領域A〜Cの下方の励磁ユニット6の組の電機子コイル38〜44にそれぞれ領域毎に異なる所定の電流を供給するようにしても、可動子4に6自由度の動きを与えることができる。従って分割する領域の数は3以上であればよい。
さらに、上記実施の形態においては、磁極ユニット14を備えた方を可動子4に、励磁ユニット6を備えた方を固定子ユニット2に用いたが、本発明はこれに限らず、磁極ユニット14側を固定子ユニット2に、励磁ユニット6側を可動子4にしてももちろんよい。特に、励磁ユニット6の数があまり多くなく、各電機子コイル38〜44に電流を供給するための配線なども簡素にできる場合には有効である。
また、第4の実施の形態では第2の実施の形態による平面型モータを用いたステージ装置および露光装置について説明したが、同様にして第1の実施の形態による平面型モータをステージ装置および露光装置に適用することももちろん可能である。
また、上記実施の形態においては、本発明の平面型モータを用いたステージ装置をウェハステージWST側に適用して説明したが、本発明はこれに限られず、例えばレチクル走査ステージ180側に適用して、レチクル走査ステージ180を6自由度で制御するようにしてももちろんよい。
また、励磁ユニット6は上記実施の形態で示した形状に限定されるものではなく、実装段階での取り付けスペースや他の構成要素との兼ね合いにより、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態での励磁ユニット6は、各腕部20〜26の隣り合う2つの腕部に挟まれる角度がほぼ90°となる十字形状に構成したが、本発明はこれに限られず、隣り合う2つの腕部に挟まれる角度が異なっていてももちろんよい。例えば、腕部20と腕部22とで挟まれる角度、および腕部24と腕部26とで挟まれる角度が共に120°であり、腕部22と腕部24とで挟まれる角度、および腕部26と腕部20とで挟まれる角度が共に60°であるような構成でももちろんよい(本発明では、これらもほぼ十字形状であると呼ぶ)。さらに、腕部20〜26のそれぞれの長さを異ならせたり、また、各突歯を腕部先端部および基端部直上から突出させるのではなく、先端部および基端部の側方から伸びるようにしてももちろんよい。このような励磁ユニットの形状の変更に伴い、磁極ユニットのX−Y方向に並ぶ複数の永久磁石のX、Y方向の幅を適宜変更するようにしてももちろんよい。
また、第4の実施の形態においては、従来型の超高圧水銀ランプを光源として用いたステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置に本発明を適用したが、本発明はこれに限られず例えば、レチクルの回路パターン全体を一度に投影し得るイメージフィールドを持つ投影光学系を介してウェハをステップ・アンド・リピート方式で露光する投影露光装置にももちろん適用することができる。また、静圧気体軸受のように空気の介在を必要としないので、真空中でも用いることができるので、エキシマレーザ、あるいは他の荷電粒子線等を線源とする露光装置に用いて特に好適である。
産業上の利用可能性
以上の通り、本発明によれば、高推力が得られ、可動子が軽量で高速移動可能な平面型モータを実現できる。また、可動子に浮上力を与えつつ2次元平面を移動させる平面型モータを実現できる。さらに、可動子の位置および姿勢を、X、Y、Zの3軸方向およびそれらの軸の回転方向の合計6自由度で制御することができる平面型モータを実現できる。
また、本発明によれば、ウェハを載置して移動するステージ装置が真空あるいはHe雰囲気内で密閉されていても、目的位置まで可動子を高速に移動させ且つ超精密位置決めできるステージ装置およびそれを用いた露光装置を実現できる。
Claims (18)
- 交互に磁極の向きを逆転させてX−Y平面上に配列した複数の永久磁石を有する磁極ユニットと対をなして平面型モータに用いられ、
全体でX−Y方向にほぼ十字形状をなす4つの腕部と、前記磁極ユニットの前記複数の永久磁石に対向するように、前記各腕部の先端部および前記各腕部が接続された基端部に形成された5つの突歯とを有する磁性体部材と、前記各腕部のそれぞれに巻回された4つの電機子コイルとを有することを特徴とする励磁ユニット。 - 平面駆動させる平面型モータにおいて、
交互に磁極の向きを逆転させてX−Y平面上に配列した複数の永久磁石を有する磁極ユニットと、
請求の範囲第1項に記載の励磁ユニットと
を備えたことを特徴とする平面型モータ。 - 請求の範囲第2項記載の平面型モータにおいて、
前記磁極ユニットの複数の前記永久磁石は、前記X−Y面内でX、Y方向にそれぞれ幅lを有し、且つ前記各永久磁石の中心間はそれぞれX、Y方向に距離2lだけ離間して配置されており、
前記励磁ユニットのX方向に伸びる2つの前記腕部の2つの前記突歯は、前記基端部の突歯に対してX方向に相対的に±l/2だけずれて配置され、Y方向に伸びる2つの前記腕部の2つの前記突歯は、前記基端部の突歯に対してY方向に相対的に±l/2だけずれて配置されていることを特徴とする平面型モータ。 - 請求の範囲第2項記載の平面型モータにおいて、
前記磁極ユニットのX方向に離間した前記複数の永久磁石の間には、X方向に磁軸が向いた永久磁石がそれぞれ埋め込まれており、Y方向に離間した前記複数の永久磁石の間には、Y方向に磁軸が向いた永久磁石がそれぞれ埋め込まれており、
前記X方向に磁軸が向いた永久磁石と前記Y方向に磁軸が向いた永久磁石で囲まれた領域に、導体且つ非磁性体である部材が埋め込まれていることを特徴とする平面型モータ。 - 請求の範囲第2項乃至第4項のいずれかに記載の平面型モータにおいて、
複数の前記励磁ユニットを所定位置に固定して固定子とし、前記磁極ユニットを前記固定子に対して移動可能な可動子として用いることを特徴とする平面型モータ。 - 請求の範囲第5項記載の平面型モータにおいて、
前記固定子の前記各励磁ユニットは前記突歯を上方に向けて前記可動子の下方に配置され、前記可動子は前記複数の永久磁石を前記下方に向けて前記突歯と対向するように配置されていることを特徴とする平面型モータ。 - 請求の範囲第2項記載の平面型モータにおいて、
少なくとも2つの前記励磁ユニットをX、Y方向に相対的にそれぞれ距離lだけずらして配置した固定子からなる組を備え、前記各励磁ユニットの前記4つの電機子コイルに流す所定の電流を切り替えることにより、前記励磁ユニットを可動子として前記X−Y面内の所定方向に相対移動させる推力を発生させ、または前記可動子をZ方向に磁気浮上させる磁気的反発力を発生させることを特徴とする平面型モータ。 - 請求の範囲第7項記載の平面型モータにおいて、
前記固定子は、前記組を少なくとも2個組み合わせて構成される駆動ユニットを有し、前記駆動ユニットにより前記可動子を前記X−Y面内の所定方向に相対移動させる推力を発生させると共に、前記Z方向に磁気浮上させる磁気的反発力を発生させることを特徴とする平面型モータ。 - 請求の範囲第8項記載の平面型モータにおいて、
前記固定子は、平面状に分布させた少なくとも3個の前記駆動ユニットを有し、前記3個の前記駆動ユニットは、前記固定子に対して前記X、Y、Z軸方向と前記各軸周りの回転の6自由度で前記可動子の位置姿勢を制御することを特徴とする平面型モータ。 - 請求の範囲第1項記載の励磁ユニットにおいて、
前記突歯の先端の歯部は、先鋭形状に形成されていることを特徴とする励磁ユニット。 - 基板を載置するステージと、前記ステージを駆動する駆動系とを有し、前記駆動系により、X、Y軸方向で前記ステージの位置を制御するステージ装置において、
前記ステージとして、請求の範囲第2項乃至第9項のいずれかに記載の平面型モータの可動子を用い、
前記駆動系として、請求の範囲第2項乃至第9項のいずれかに記載の平面型モータの固定子を用いたことを特徴とするステージ装置。 - 基板を載置するステージと、前記ステージを駆動する駆動系とを有し、前記駆動系により、X、Y、Z軸方向と各軸周りの回転の6自由度で前記ステージの位置姿勢を制御するステージ装置において、
前記ステージとして、請求の範囲第7項乃至第9項のいずれかに記載の平面型モータの可動子を用い、
前記駆動系として、請求の範囲第7項乃至第9項のいずれかに記載の平面型モータの固定子を用いたことを特徴とするステージ装置。 - 請求の範囲第11項または第12項に記載のステージ装置において、
前記励磁ユニットを冷却する冷却機構を備えたことを特徴とするステージ装置。 - パターンの像を基板に転写する露光装置において、
前記基板を載置して移動するステージ装置として、請求の範囲第11項乃至第13項に記載のステージ装置を備えたことを特徴とする露光装置。 - 請求の範囲第14項記載の露光装置において、
前記パターンの像を基板に投影する投影光学系を防振機構を介して支えるコラムと、
前記ステージ装置の駆動系を支える固定フレームとを備え、
前記駆動系に生じる反力が前記投影光学系に及ばないことを特徴とする露光装置。 - 励磁ユニットの組立方法において、
全体でX−Y方向にほぼ十字形状をなす4つの腕部と、前記各腕部の先端部および前記各腕部が接続された基端部に形成された5つの突歯とを有する磁性体部材と、前記各腕部のそれぞれに巻回された4つの電機子コイルとを組み立てることを特徴とする励磁ユニットの組立方法。 - 平面型モータの組立方法において、
交互に磁極の向きを逆転させてX−Y平面上に配列した複数の永久磁石を有する磁極ユニットと、
全体でX−Y方向にほぼ十字形状をなす4つの腕部と、前記磁極ユニットの前記複数の永久磁石に対向するように、前記各腕部の先端部および前記各腕部が接続された基端部に形成された5つの突歯とを有する磁性体部材と、前記各腕部のそれぞれに巻回された4つの電機子コイルとを有する励磁ユニットと
を組み立てることを特徴とする平面型モータの組立方法。 - 基板を載置するステージと、前記ステージを駆動する駆動系とを有し、前記駆動系により、X、Y、Z軸方向と各軸周りの回転の6自由度で前記ステージの位置姿勢を制御するステージ装置の組立方法において、
請求の範囲第7項乃至第9項のいずれかに記載の平面型モータの可動子を前記ステージとして組み立て、
請求の範囲第7項乃至第9項のいずれかに記載の平面型モータの固定子を前記駆動系として組み立てることを特徴とするステージ装置の組立方法。
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