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JP2006240923A - ペロブスカイト型複合酸化物及びその製造方法 - Google Patents

ペロブスカイト型複合酸化物及びその製造方法 Download PDF

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JP2006240923A JP2005059347A JP2005059347A JP2006240923A JP 2006240923 A JP2006240923 A JP 2006240923A JP 2005059347 A JP2005059347 A JP 2005059347A JP 2005059347 A JP2005059347 A JP 2005059347A JP 2006240923 A JP2006240923 A JP 2006240923A
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Abstract

【課題】高温条件下における比表面積の減少が抑制されたペロブスカイト型複合酸化物を提供することを主な目的とする。
【解決手段】一般組成式:ABTi1−xα
〔式中、Aは希土類金属を示す。Bはアルミニウム又は遷移金属を示す。xは0<x<1の数値を示す。αは2.5≦α≦3の数値を示す。〕
で表されるペロブスカイト型複合酸化物であって、
大気雰囲気下、1000℃で3時間焼成後のBET比表面積が15m/g以上であることを特徴とする複合酸化物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ペロブスカイト型複合酸化物及びその製造方法に関する。
ABO(Aは希土類金属を示し、Bはアルカリ土類金属又は遷移金属を示す)で表されるペロブスカイト型複合酸化物は、CO、HC、NOなどを浄化する、安価な排ガス浄化用三元触媒、触媒担体等として実用化が期待されている。また、現在では、上記特性に加えて、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれる煤、燃料微粒子等を燃焼させる特性も要求されている。これらの要求性能を満足するために、上記複合酸化物であって、比表面積が大きいもの、特に高温条件下における比表面積の減少度が少ないもの(即ち、比表面積の耐熱性が高いもの)の開発が進められている。
ペロブスカイト型複合酸化物を用いた排ガス燃焼触媒としては、例えば、下記特許文献1〜4に示すものが知られている。
特許文献1は、酸素欠陥型ペロブスカイト触媒に関する。特許請求の範囲には、ガス浄化用触媒であって、その組成がAA´7−α(AはYおよび希土類元素から選ばれる1種または2種以上の元素、A´はBa,SrおよびCaから選ばれる1種または2種以上の元素、BはCu,Mnおよび鉄族元素から選ばれる1種または2種以上を示し、0≦α≦1を示す)で表され、かつ、比表面積が1〜10m/gの粉体であることを特徴とする酸素欠陥型ペロブスカイト触媒が開示されている。
特許文献2は、酸化触媒に関する。請求項1には、一般式:La1−XB’1−Y(式中AはBa、Sr、Zn、Ag、Ce;BはMnまたはCo;B’はCo、Fe、Ni、Cu、Ti、ZrまたはCr;また、0≦X≦1、0≦Y≦1)で表される比表面積が20m/g以上のペロブスカイト型複合酸化物が固体酸担体に担持されていることを特徴とする酸化触媒が開示されている。
特許文献3は、LaMn系酸化物触媒用粉末の製造方法に関する。請求項1には、LaおよびMnを必須とし、Pb,K,Ce,Co,Ni,Mgの金属元素の内の少なくとも一種を主成分とするLaMn系酸化物触媒用粉末の製造方法において、前記粉末を構成する金属元素の硝酸塩とアミノ酸との錯体の溶液を、該溶液の沸点以上に加熱することを特徴とするLaMn系酸化物触媒用粉末の製造方法が開示されている。また、実施例では、La0.8Ce0.2MnOで表されるペロブスカイト型複合酸化物であって、BET比表面積が38.1のものが得られたことが記載されている。
特許文献4は、酸素欠乏型ペロブスカイト触媒に関する。請求項1には、次式:AA´7−α(Aは、Yおよび希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、A′は、Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種の元素、Bは、Cu,Mnおよび鉄族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0≦α≦1である)で表される複合酸化物が、MgO,ZrO,ZnO,SrTiO,CoAl,ZnAlおよびMgAlから選ばれる少なくとも1種の酸化物担体に担持された、比表面積が10〜35m/gの触媒からなることを特徴とするガス浄化用の酸素欠陥型ペロブスカイト触媒が記載されている。
しかしながら、このような従来公知のペロブスカイト型複合酸化物は、比表面積が不十分であるか、又は高温条件下における比表面積の減少率が大きく、上記した要求性能を満足するためには、さらなる改良の余地がある。
特公平5−86257号公報 特開平5−49943号公報 特開平8−229390号公報 特公平6−16851号公報
本発明は、高温条件下における比表面積の減少が抑制されたペロブスカイト型複合酸化物を提供することを主な目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の製造方法により製造されたペロブスカイト型複合酸化物が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記のペロブスカイト型複合酸化物及びその製造方法に関する。
1.一般組成式:ABTi1−xα
〔式中、Aは希土類金属を示す。Bはアルミニウム又は遷移金属を示す。xは0<x<1の数値を示す。αは2.5≦α≦3の数値を示す。〕
で表されるペロブスカイト型複合酸化物であって、
大気雰囲気下、1000℃で3時間焼成後のBET比表面積が15m/g以上であることを特徴とする複合酸化物。
2.前記複合酸化物のX線回折結果(回折角と回折X線強度との関係)において、ペロブスカイト型構造に起因する回折X線強度の最大値をImaxとし、ペロブスカイト型構造に起因しない回折X線強度の最大値をI´maxとし、
次式:Phase Purity(%)=Imax/(Imax+I´max)
から算出されるPhase Purityが95%以上である、上記項1に記載の複合酸化物。
3.大気雰囲気下、1000℃で3時間焼成後のBET比表面積が20m/g以上である、上記項1又は2に記載の複合酸化物。
4.xが0.07≦x≦0.7である、上記項1〜3のいずれかに記載の複合酸化物。
5.一般組成式:ABTi1−xα
〔式中、Aは希土類金属を示す。Bはアルミニウム又は遷移金属を示す。xは0<x<1の数値を示す。αは2.5≦α≦3の数値を示す。〕
で表されるペロブスカイト型複合酸化物の製造方法であって、
1)希土類金属を含む金属塩と、2)アルミニウム又は遷移金属を含む金属塩と、3)チタン塩とを溶解した混合溶液を、アルカリ溶液に添加することによって複合水酸化物を生成後、当該複合水酸化物を焼成することを特徴とする製造方法。
6.前記混合溶液をアルカリ溶液に添加する速度が、
1)添加後の溶液中に生成した、一般組成式:ABTi1−x(OH)α
〔式中、Aは希土類金属を示す。Bはアルミニウム又は遷移金属を示す。xは0<x<1の数値を示す。αは2.5≦α≦3の数値を示す。〕
で表される複合水酸化物の量をP(mol)とし、
2)添加後の溶液の全量をQ(L)とし、
3)添加開始から添加終了までの時間をR(時間)とした場合に、
4)0.01≦P/(Q・R)≦0.5
を満たす速度である、上記項5に記載の製造方法。
7.前記複合水酸化物の焼成前に、乾燥状態の複合水酸化物に対して、1)希土類金属を含む金属塩及び2)アルミニウム又は遷移金属を含む金属塩、の少なくとも1種を含有する溶液を含浸させる工程をさらに有する、上記項5又は6に記載の製造方法。
8.複合酸化物がLaFeTi1−xαであり、xが0.17≦x≦0.64であり、大気雰囲気下、1000℃で3時間焼成後のBET比表面積が20m/g以上である、上記項1に記載の複合酸化物。
9.複合酸化物がLaFeTi1−xαであり、xが0.2≦x≦0.6であり、大気雰囲気下、1000℃で3時間焼成後のBET比表面積が25m/g以上である、上記項1に記載の複合酸化物。

以下、本発明の複合酸化物及びその製造方法について詳細に説明する。
ペロブスカイト型複合酸化物
本発明のペロブスカイト型複合酸化物は、一般組成式:ABTi1−xα
〔式中、Aは希土類金属を示す。Bはアルミニウム又は遷移金属を示す。xは0<x<1の数値を示す。αは2.5≦α≦3の数値を示す。〕
で表されるペロブスカイト型複合酸化物であって、大気雰囲気下、1000℃で3時間焼成後のBET比表面積が15m/g以上であることを特徴とする。
上記組成式中、Aは希土類金属を示す。希土類金属としては、例えば、Y、La、Nd、Pr、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Lu等が挙げられる。この中でも、Y、La、Nd、Pr等は、これらの供給源となる金属塩(原料)に工業的不純物が少ないという観点から好ましい。
上記組成式中、Bはアルミニウム(Al)又は遷移金属を示す。遷移金属としては、例えば、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Pt、Pd、Rh等が挙げられる。この中でも、Al、Fe、Co、Pt、Pd、Rh等は、複合酸化物に良好な燃焼触媒性能を付与する観点から好ましい。
上記組成式中、xはB(アルミニウム又は遷移金属)の原子数を示す。Bの割合とTiの割合とは相関しており、Tiの一部と置換する形でBは含まれる。即ち、xは0<x<1の数値であればよく、0.07≦x≦0.7の数値が好ましい。
上記組成式中、αはO(酸素)の原子数を示す。ペロブスカイト型複合酸化物は、構成元素の種類により酸素欠損を生じる場合がある。そのため、本明細書では、2.5≦α≦3と記載している。
本発明のペロブスカイト型複合酸化物は、高温条件下における比表面積の減少が抑制されており、大気雰囲気下、1000℃で3時間焼成後のBET比表面積は15m/g以上である。複合酸化物の組成を好適化した実施態様では、同条件で焼成後のBET比表面積は20m/g以上、さらには25m/g以上となる。高温条件下における比表面積の減少が抑制される理由の詳細は不明であるが、Tiを構成元素として含むことによる複合酸化物全体の構造安定化に起因すると考えられる。
次に、具体例として、A(希土類金属)がLa、B(アルミニウム又は遷移金属)がFeである複合酸化物の特性について説明する。この複合酸化物は、LaFeTi1−xα(但し、記号の説明は前記と同じ)で表される。
図1には、この複合酸化物のx(Feの割合:モル比)を横軸にとり、大気雰囲気下、1000℃で3時間焼成後のBET比表面積(Aged SA)を縦軸にとったグラフが示されている。
図1からは、上記複合酸化物において所定の比表面積特性を具備するためには、x(Feの割合)は0.07≦x≦0.7の範囲に設定する必要があることが分かる。また、0.17≦x≦0.64に設定する場合には、焼成後の比表面積は20m/g以上となることが分かる。さらに、0.24≦x≦0.6に設定する場合には、焼成後の比表面積は25m/g以上となることが分かる。
本発明のペロブスカイト型複合酸化物は、実質的にペロブスカイト型結晶構造のみからなることが好ましい。具体的には、複合酸化物のX線回折結果(回折角と回折X線強度との関係)において、ペロブスカイト型構造に起因する回折X線強度の最大値をImaxとし、ペロブスカイト型構造に起因しない回折X線強度の最大値をI´maxとし、
次式:Phase Purity(%)=Imax/(Imax+I´max)
から算出されるPhase Purityが95%以上であることが好ましい。複合酸化物が実質的にペロブスカイト型構造のみからなる場合には、I´maxが実質的に0となるため、複合酸化物のPhase Purityは実質的に100%となる。このように結晶構造が実質的にペロブスカイト単一相からなる場合には、複合酸化物の構成元素が原子レベルで均一に分散されており、触媒作用の異なる活性点(上記例では、La、Fe及びTi)が近接し合うため、良好な触媒活性効果が得られる。
本発明のペロブスカイト型複合酸化物は、高温条件下における比表面積の減少が抑制されているため、CO、HC、NOなどを浄化する排ガス浄化用三元触媒として有用であるだけでなく、ディーゼルエンジン排ガスに含まれる煤又は燃料微粒子を分解する燃焼触媒としても有用である。また、触媒担体としても使用できる。なお、本発明のペロブスカイト型複合酸化物は、自動車排ガス浄化用触媒以外の触媒及び触媒担体としても適用可能である。
ペロブスカイト型複合酸化物の製造方法
本発明のペロブスカイト型複合酸化物の製造方法は限定的ではないが、例えば、1)希土類金属を含む金属塩と、2)アルミニウム又は遷移金属を含む金属塩と、3)チタン塩とを溶解した混合溶液を、アルカリ溶液に添加することによって複合水酸化物を生成後、前記複合水酸化物を焼成することを特徴とする製造方法(以下「本発明の製造方法」と記載する)により好適に製造できる。
本発明の製造方法における希土類金属及び遷移金属については、前記の通りである。金属塩については、いずれも硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、アルコキシド、臭化物等が挙げられる。この中でも、後工程での不純物混入を避ける観点から、硝酸塩、アルコキシド等が好ましく、特にアルコキシドがより好ましい。
金属塩を溶解する溶媒としては特に限定されないが、通常は水を使用できる。混合溶液の濃度は、ABTi1−xα(但し、記号の説明は前記と同じ)濃度に換算して1〜20重量%程度が好ましく、5〜15重量%程度がより好ましい。1重量%未満は生産効率の観点から好ましくない。20重量%を超える場合には、イオン状態での溶解が困難となり、混合溶液の安定性の観点から好ましくない。
アルカリ溶液としては、前記混合溶液との混合により、複合水酸化物を生じる限り特に限定されない。例えば、アンモニア、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等の少なくとも1種を水に溶解したものが使用できる。なお、複合酸化物中への不純物の混入を避ける観点からは、アンモニアを用いることが好ましい。アルカリ溶液の濃度としては、5〜30重量%程度が好ましい。かかる範囲内に設定する場合には、アルカリ溶液中で塩基が拡散し、均一な沈殿が得られ易く、しかも沈殿生成速度が遅くなり難い。
複合水酸化物の生成に際しては、金属塩の混合溶液をアルカリ溶液に添加する。この添加により、ABTi1−x(OH)α(但し、αがOHの量を示す以外は、記号の説明は前記と同じ、以下同じ)で表される複合水酸化物が生成する。前記添加態様は、一般に採用される、金属塩の混合溶液にアルカリ溶液を添加する態様とは逆であり、いわゆる逆中和と称される態様である。かかる態様を採用する理由は、等電点よりはるかに高く、且つ常に強アルカリ領域で沈殿生成反応を進行させるため、均一組成の複合金属水酸化物が得られ易いためである。他方、等電点が異なる金属イオンを酸性領域〜弱アルカリ領域に添加して沈殿生成する場合(逆中和ではない態様)には、等電点の差により生成する複合水酸化物の組成にバラツキが生じ、均一組成の複合水酸化物が得られ難い。
本発明の製造方法で採用する添加態様では、沈殿生成後の溶液のpHは9.5以上が好ましく、9.5〜10.5程度がより好ましい。pHが9.5未満の場合では、金属イオンの全てが水酸化物生成に用いられない場合がある。pHが10.5を超える場合には、経済的ではないため好ましくない。
本発明の製造方法で採用する添加態様では、金属塩の混合溶液をアルカリ溶液に添加する速度は、
1)添加後の溶液中に生成した、一般組成式:ABTi1−x(OH)α(但し、記号の説明は前記と同じ)
で表される複合水酸化物の量をP(mol)とし、
2)添加後の溶液の全量をQ(L)とし、
3)添加開始から添加終了までの時間をR(時間)とした場合に、
4)0.01≦P/(Q・R)≦0.5、好ましくは0.05≦P/(Q・R)≦0.3
を満たす速度であることが好ましい。従って、上記4)で示す条件を満たすように、予め金属塩混合溶液及びアルカリ溶液の濃度及び量を設定しておくことが好ましい。
上記P/(Q・R)の値が0.01未満の場合には、沈殿の生成効率が低くなる。また、0.5を超える場合には、溶液のpHが局所的に9.5未満〜酸性となる場合があるため、等電点の異なる金属の沈殿(水酸化物)生成速度に差が生じ、均一組成の複合水酸化物が得られ難くなるおそれがある。
上記過程を経て得られる一般組成式:ABTi1−x(OH)αで表される複合水酸化物は、直ぐに焼成に供してもよいが、必要に応じて、沈殿を含む溶液を加熱熟成に供してもよい。加熱熟成することにより、複合水酸化物中における構成金属(A、B及びTi)の分散・再凝集が繰り返されるため、複合水酸化物の組成をより均一化できる。このことは、複合酸化物のPhase Purityの向上に寄与する。
加熱熟成の条件は、前記した分散・再凝集が可能な熱処理条件であれば特に限定されず、温度は50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、100℃以上が最も好ましい。加熱時間は温度条件に応じて適宜設定すればよいが、3〜7時間程度が好ましい。かかる条件設定の場合には、効率的に加熱熟成が行える。加熱手段は限定的ではないが、粉体特性向上の観点からはオートクレープ等が好ましい。
複合水酸化物は、固液分離法により回収すればよい。固液分離法としては、ろ過、遠心分離、デカンテーション等が挙げられる。純水等を用いた洗浄を組み合わせて固液分離を行う場合には、不純物を除去し易いため好ましい。
固液分離により得られた複合水酸化物ケーキは、必要に応じて、乾燥させる。乾燥方法は特に限定されず、自然乾燥・加熱乾燥のいずれでもよい。なお、空気中の二酸化炭素の吸着を防止する観点からは、真空乾燥が好ましい。
乾燥後の複合水酸化物は、適宜粉砕処理・分級処理を行ってもよい。また、乾燥状態の複合水酸化物に、1)希土類金属を含む金属塩及び2)アルミニウム又は遷移金属を含む金属塩、の少なくとも1種を含有する溶液を含浸させることにより、複合水酸化物の組成調整をさらに行ってもよい。かかる場合には、金属塩溶液の濃度は、0.1〜10重量%程度とすることが好ましい。
複合水酸化物は、次いで、焼成することにより、ペロブスカイト型複合酸化物となる。焼成条件は、ペロブスカイト型結晶への結晶化が進行する限り特に限定されない。通常は、500〜1000℃程度で1〜10時間程度焼成すればよく、ペロブスカイト型結晶に結晶化した段階で焼成を止めればよい。500℃未満の場合には、ペロブスカイト型結晶への結晶化が不十分となるおそれがある。1000℃を超える場合には、複合酸化物自体の比表面積が低くなるおそれがある。焼成雰囲気は限定されないが、通常は大気雰囲気でよい。
本発明のペロブスカイト型複合酸化物は、高温条件下における比表面積の減少が抑制されているため、CO、HC、NOなどを浄化する排ガス浄化用三元触媒として有用であるだけでなく、ディーゼルエンジン排ガスに含まれる煤又は燃料微粒子を分解する燃焼触媒としても有用である。また、触媒担体としても使用できる。なお、本発明のペロブスカイト型複合酸化物は、自動車排ガス浄化用触媒以外の触媒及び触媒担体としても適用可能である。
本発明の製造方法によれば、高温条件下における比表面積の減少が抑制されている本発明のペロブスカイト型複合酸化物を効率的に製造できる。
以下に実施例を示し本発明の特徴を一層明確にする。但し、本発明は実施例の内容に限定されない。
実施例において、BET比表面積の測定は、比表面積計「フローソーブ−II」(マイクロメリティクス製)を用いて行った。
実施例1
<LaFeTi1−xαの製造>
硝酸ランタン溶液(La換算濃度として20重量%)335g、硝酸鉄(III)9水和物(Fe(NO・9HO、純度99%以上)30g及び四塩化チタン溶液(TiO換算濃度として15重量%)175gを混合後、純水460gを加えて、均一溶液となるまで撹拌した。
金属塩の混合溶液の濃度は、LaFeTi1−xαの濃度に換算すると、x=0.2であった。即ち、La:Fe:Tiのモル比は1:0.2:0.8であった。
この混合溶液を、25%アンモニア水500gを水で3倍に希釈した希釈アンモニア水1.5L中に一定速度で約1時間かけて添加し、複合水酸化物を生成させた。
添加後の溶液中に生成した、LaFe0.2Ti0.8(OH)2.5≦α≦3で表される複合水酸化物の量をP(mol)とし、添加後の溶液の全量をQ(L)とし、添加開始から添加終了までの時間をR(時間)とした場合に、P/(Q・R)の値は0.16であった。
沈殿生成後の溶液を55℃で3時間保持することにより、加熱熟成を行った。次いで、生成した複合水酸化物をろ過後、純水を用いて水洗を行った。次いで、複合水酸化物を乾燥後、電気炉を用いて、大気雰囲気下、600℃で10時間焼成した。
以上の過程を経て、LaFe0.2Ti0.82.5≦α≦3で表されるペロブスカイト型複合酸化物100gを得た。この複合酸化物のBET比表面積は29.6m/gであった。
前記複合酸化物を大気雰囲気下、1000℃で3時間焼成後のBET比表面積は21.7m/gであった。
前記複合酸化物のX線回折結果を図2に示す。図2の結果から算出される複合酸化物のPhase Purityは68%であった。
実施例2〜4及び比較例1〜3
La:Fe:Tiのモル比を表1の通りとした以外は、実施例1と同様にしてペロブスカイト型複合酸化物を製造した。
得られた複合酸化物の特性を表1に示す。
比較例4
金属塩の混合溶液に希釈アンモニア水を添加し、且つ、La:Fe:Tiのモル比を1:0.6:0.4とした以外は、実施例1同様にしてペロブスカイト型複合酸化物を製造した。
得られた複合酸化物の特性を表1に示す。
Figure 2006240923
*1:乾燥状態の複合水酸化物を大気雰囲気下、600℃で10時間焼成後の比表面積
*2:大気雰囲気下、さらに1000℃で3時間焼成後の比表面積
表1の結果からは、実施例1〜4のペロブスカイト型複合酸化物は、高温条件下での比表面積の減少が抑制されていることが分かる。
比較例4(金属塩の混合溶液にアルカリ溶液を添加する製造方法)のペロブスカイト型複合酸化物は、高温条件下での比表面積の減少が、同モル比の実施例3のペロブスカイト型複合酸化物と比べて非常に大きく、またPhase Purityは非常に低いものであった。
Fe/(Ti+Fe)(モル比)と1000℃で3時間焼成(大気雰囲気下)後のBET比表面積(m/g)との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例で得られたペロブスカイト型複合酸化物のX線回折結果(回折角と回折X線強度との関係)を示す図である。

Claims (7)

  1. 一般組成式:ABTi1−xα
    〔式中、Aは希土類金属を示す。Bはアルミニウム又は遷移金属を示す。xは0<x<1の数値を示す。αは2.5≦α≦3の数値を示す。〕
    で表されるペロブスカイト型複合酸化物であって、
    大気雰囲気下、1000℃で3時間焼成後のBET比表面積が15m/g以上であることを特徴とする複合酸化物。
  2. 前記複合酸化物のX線回折結果(回折角と回折X線強度との関係)において、ペロブスカイト型構造に起因する回折X線強度の最大値をImaxとし、ペロブスカイト型構造に起因しない回折X線強度の最大値をI´maxとし、
    次式:Phase Purity(%)=Imax/(Imax+I´max)
    から算出されるPhase Purityが95%以上である、請求項1に記載の複合酸化物。
  3. 大気雰囲気下、1000℃で3時間焼成後のBET比表面積が20m/g以上である、請求項1又は2に記載の複合酸化物。
  4. xが0.07≦x≦0.7である、請求項1〜3のいずれかに記載の複合酸化物。
  5. 一般組成式:ABTi1−xα
    〔式中、Aは希土類金属を示す。Bはアルミニウム又は遷移金属を示す。xは0<x<1の数値を示す。αは2.5≦α≦3の数値を示す。〕
    で表されるペロブスカイト型複合酸化物の製造方法であって、
    1)希土類金属を含む金属塩と、2)アルミニウム又は遷移金属を含む金属塩と、3)チタン塩とを溶解した混合溶液を、アルカリ溶液に添加することによって複合水酸化物を生成後、当該複合水酸化物を焼成することを特徴とする製造方法。
  6. 前記混合溶液をアルカリ溶液に添加する速度が、
    1)添加後の溶液中に生成した、一般組成式:ABTi1−x(OH)α
    〔式中、Aは希土類金属を示す。Bはアルミニウム又は遷移金属を示す。xは0<x<1の数値を示す。αは2.5≦α≦3の数値を示す。〕
    で表される複合水酸化物の量をP(mol)とし、
    2)添加後の溶液の全量をQ(L)とし、
    3)添加開始から添加終了までの時間をR(時間)とした場合に、
    4)0.01≦P/(Q・R)≦0.5
    を満たす速度である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記複合水酸化物の焼成前に、乾燥状態の複合水酸化物に対して、1)希土類金属を含む金属塩及び2)アルミニウム又は遷移金属を含む金属塩、の少なくとも1種を含有する溶液を含浸させる工程をさらに有する、請求項5又は6に記載の製造方法。
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