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JP2006240662A - 出荷野菜の含有成分量表示方法 - Google Patents

出荷野菜の含有成分量表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 出荷対象の野菜に正確な硝酸態窒素その他の成分の含有量データを添付して提供することを可能とすること。
【解決手段】 小松菜を、出荷1週間前にサンプリング収穫し、第三者測定会社及び第三者食味評価団体に送り、前者が硝酸態窒素、クロロフィル量及び糖度の測定を行い、後者が食味評価を行った。生産者は、各々から各データを受け取り、出荷時の包装箱の表面の一部に表示部を構成し、これに各データを表示して出荷することとした。出荷先のスーパーストアでは、包装箱中の小松菜を小分けにして小袋に収納して販売することとし、その小袋に包装箱の表示部の内容を転記して成分表示手段である表示部を構成することとした。更に出荷先のスーパーストアでは、その小松菜を陳列する棚付近に成分表示手段を構成する液晶モニタを配し、これに包装箱の表示部の内容を表示することとした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、店頭の野菜売り場等に陳列される野菜に添付してその野菜に含まれる残留硝酸態窒素等の成分を表示する含有成分量表示手段に正確なデータを表示できるようにする出荷野菜の含有成分量表示方法に関するものである。
野菜や果物は生活習慣病の予防し、健康を維持するために有効であるとされ、特に1991年に米国の国立がん研究所が始めた癌の予防のために1日に野菜を5サービング取るべしとする「ファイブアデイ」の運動でその啓蒙が図られている。この運動によって米国人の野菜摂取量は確実に増えたと云われている。
日本でもこの考え方が取り入れられ、ベジフルセブンといった言葉で表示される啓蒙活動が展開されている。因みに上記ベジフルセブンは、1日に野菜を5スコア、果物を2スコア摂取すべしとするものであり、野菜の1スコアは、生の状態に於ける70gのそれを意味し、果物の1スコアは100gを意味するとされている。それらの根拠となっているのは、野菜に関しては、厚生労働省が、疾病の一次予防に重点を置いた健康づくり運動である「健康日本21」の中で野菜の摂取目標量を1日に350gと決めたことにあり、果物に関しては、果物のある食生活推進全国協議会が毎日の果物の摂取目標量を200gと定めたことにあるとされている。
このような野菜等の摂取が人の健康の維持に役に立ち、癌や種々の生活習慣病の予防に役立つのは、当然、それらがそれら本来の成分から成り立ち、有害な成分を含むものでないことが前提である。
それにも拘わらず、現在、市場に提供されている野菜等は全てが本来の安全なものであるとは限らないのが実情である。現在、最も問題となるのは、野菜中に代謝されずに残留する硝酸態窒素である。多くの場合、野菜の生産者は、出荷する野菜に緑色の鮮やかな色調を出すために出荷前2週間程度の時点で窒素肥料を施用するとされ、吸収される硝酸態窒素は、天候その他の条件により十分に代謝されないこともあり、その場合にはこれが多量に残留するという問題を生じる。
硝酸態窒素は、植物にとっては極めて重要な要素であり、蛋白質の合成に欠かせないものであるが、人間にとっては極めて有害な物質であり、これが残留する野菜を摂取することは、健康を維持するどころか、健康を害する虞の生じるものとなる。
硝酸態窒素は、人体内では、亜硝酸態窒素に還元され、この亜硝酸態窒素が血漿中のヘモグロビンと反応し、これを酸素や二酸化炭素と結合しないメトヘモグロビンに変換させることから、硝酸態窒素を取り込んだ人に酸素欠乏症(メトヘモグロビン血症)を引き起こすとされている。特に乳幼児の胃腸内は酸度が弱いため、微生物による硝酸態窒素還元が生じやすく、メトヘモグロビン血症にかかり易いとされている。
従って健康を維持し或いは増進するために野菜等を摂取する場合には、予めその成分を確認し、以上のような硝酸態窒素の含有量の少ないものを選択すべきであることになる。しかし販売される野菜は、その外観を見ただけでは、それに残留している硝酸態窒素の含有量、その他の成分の含有量等を知ることはできない。
そこで、本件発明者は、需要者が品質の良好な野菜を選択するための基準となるデータを提供する趣旨で、出荷する野菜等に硝酸態窒素を含む種々の含有成分量データを示す表示手段を添付することを検討するに至ったが、このような硝酸態窒素の正確な含有量の測定に関して、現時点では、当日の内にサンプリングした野菜を測定して出荷時点までにそのデータを取得するのは困難であるのが実情であり、この問題の解決を迫られることとなったものである。
本発明は、以上のように、硝酸態窒素の含有量の測定を行ってそのデータを取得するために要する時間の関係から、当日出荷する野菜に当日測定して得た正確なデータを添付して供給することが困難な問題を解決し、出荷対象の野菜に正確な含有量データを添付して提供することが可能な出荷野菜の含有成分量表示方法を提供することを解決の課題とするものである。
本発明の1は、出荷する野菜に、その野菜が含有する、少なくとも硝酸態窒素を含む成分の含有量データを表示する成分表示手段を添付することとし、
該硝酸態窒素を含む成分の含有量データを、対象の野菜の一部を出荷日から遡る1週間以内の時点でサンプリング収穫して測定することで取得し、該含有量データを前記成分表示手段に表示することにより、対象の野菜の出荷時の硝酸態窒素を含む成分の含有量と同一視できる成分含有量を表示可能にした出荷野菜の含有成分量表示方法である。
本発明の2は、本発明の1の出荷野菜の含有成分量表示方法に於いて、前記成分表示手段の表示対象となる成分として、クロロフィル量及び糖度を含めたものである。
本発明の3は、本発明の1又は2の出荷野菜の含有成分量表示方法に於いて、前記成分表示手段に、出荷する野菜の硝酸態窒素を含む成分の含有量データの表示に加えて、前記サンプリング収穫した対象野菜の一部を利用して評価した出荷野菜の食味評価データを表示することとしたものである。
本発明の1の出荷野菜の含有成分量表示方法によれば、出荷野菜に添付する成分表示手段に出荷時に概ね正確な硝酸態窒素の含有量及びその他の測定することとした成分の含有量を表示することができる。それ故、需要者は、野菜を購入する際に、硝酸態窒素の含有量を正確に知ってその安全性を確認し、更にその他の測定することとした成分の含有量を確かめて当該の野菜の熟成度等を知った上で購入することが可能となるものである。
従って野菜の生産者は、その努力によって安全で熟成度の高い品質良好な野菜を生産した場合には、その品質の高さを需要者に正確にアピールすることも可能となる。
本発明の2の出荷野菜の含有成分量表示方法によれば、需要者は、購入する野菜の安全性に加えて、クロロフィル及び糖度のデータを知ることができるため、野菜の熟成度乃至品質の高さを知ることも可能となる。
本発明の3の出荷野菜の含有成分量表示方法によれば、その野菜の安全性や栄養成分ばかりでなく、食味の評価も知りうることとなり、美味しい野菜の選択も可能となるものである。
本発明の出荷野菜の含有成分量表示方法は、出荷する野菜に、その野菜が含有する、少なくとも硝酸態窒素を含む成分の含有量データを表示する成分表示手段を添付することとし、該硝酸態窒素を含む成分の含有量データを、対象の野菜の一部を出荷日から遡る1週間以内の時点でサンプリング収穫して検査することで取得し、該含有量データを前記成分表示手段に表示することにより、対象の野菜の出荷時の硝酸態窒素を含む成分の含有量と殆ど同一視できる成分含有量を表示可能にしたものである。
前記硝酸態窒素は、植物にとって大量に必要な要素である窒素の供給源であり、植物は窒素を硝酸イオンの態様でのみ吸収する。窒素は植物の蛋白質や葉緑素を作るために不可欠の要素であり、植物はこれによって葉や茎を生長させ、葉の緑を濃くする。この葉の緑を濃くする点から葉肥ともいわれている。従ってこの硝酸態窒素の欠乏は、植物の生育を阻害し、その葉の色を薄黄色にする。
多くの需要者は、黄緑色の野菜を好まないため、野菜の生産者は、出荷前2週間程度の時点で窒素肥料の追肥を行い、出荷する野菜の緑を濃くする処理を行うのが通例である。そしてこのように施用された硝酸態窒素が野菜に吸収され、これが適切に代謝された場合は、野菜中に必要以上の硝酸態窒素が残留することはないが、天候等の条件により、代謝が不十分で、多量の硝酸態窒素が残留することもある。
硝酸態窒素は、前記のように、植物にとっては極めて有用な成分であるが、人にとっては、メトヘモグロビン血症を生じさせる極めて有害な成分である。それ故、硝酸態窒素の残留する野菜を摂取することは、健康を維持するどころか、害する要因となってしまうものである。
従って八百屋やスーパーストアその他の店舗で提供される野菜は、できる限り硝酸態窒素の残留しないものであるべきであり、そのためには、出荷前にその野菜の硝酸態窒素の残留量を測定し、基準値を下回る野菜のみを出荷すべきことになる。
硝酸態窒素の測定方法には種々あり、正確な測定が可能であれば、どのような測定方法を採用することも自由であるが、できるだけ短時間で測定可能なものがより好ましい。例えば、硝酸態窒素の測定方法として、Cdカラム法によってサンプリングした試料の抽出液を亜硝酸に還元した後、ジアゾ化法で比色定量する方法(栽培植物分析測定法,養賢堂,pp.231-233(1975))を採用することが可能である。或いは、サンプリングした試料の抽出液のイオン濃度をイオンメータを用いて測定する方法、またはサンプリングした試料の抽出液をRQフレックスで測定する方法を採用することができる。なおRQフレックスは反射式光度計であり、前記抽出液にRQフレックス用の試験紙を浸してこれを発色させ、その色の濃さを該RQフレックスで測定し、濃度を算出するものである。
本発明は、野菜中の少なくとも硝酸態窒素濃度を測定し、これを成分表示手段に表示すべきものであるが、これ以外に、例えば、クロロフィル量や糖度を測定し、そのデータを表示することもできる。勿論、これ以外の有用な成分等の測定を行いそのデータを表示することができるのは云うまでもない。更に併せて食味評価を行って、そのデータを表示することもできる。
前記クロロフィルは、葉緑素とも呼ばれ、植物の光合成を行う葉緑体の重要な要素である。クロロフィル量が植物対中で十分であることは、その植物に窒素不足等の問題のないことを示すことになる。このようなクロロフィル量は、種々の手段で測定することが可能であるが、できるだけ正確かつ簡易であることが望ましい。例えば、測定ヘッドで試料を挟んで二つの発光素子を交互に発光させ、その透過光をそれぞれ受光素子で光電変換し、これによって光の吸収ピークがある赤領域と殆ど吸収のない赤外領域の光学濃度を測定し、その差を元に葉緑素濃度(量)を求める方式の市販の葉緑素計を利用し、これによって測定することができる。
前記糖度は、その高さが植物の成熟度を示すと考えられる。このような糖度は種々の測定手段で測定することが可能であるが、できるだけ正確かつ簡易であることが望ましい。例えば、この種の測定装置としては、光学糖度計、その他の糖度計が知られており、これらを使用することができる。光学糖度計は、試料の抽出液の屈折率から可溶性固形物(糖度)を計測するものである。
以上の硝酸態窒素濃度、クロロフィル量及び糖度等の測定は、野菜の生産者から独立した第三者が行うこととするのが、その客観性及び信頼性を確保する観点から適当である。
前記食味評価は、食材の性質に応じた種々の観点から行うことが可能であるが、本件発明では、野菜が対象であるので、その特質に応じた基準で行う。例えば、うま味、えぐみ、水分、鮮度などの項目に関して行うのが適当である。これらの食味評価は各世代の相当数人にパネラーを依頼しておき、これらのパネラーによって評価することができるし、或いは、食に関する特別の知識経験を有する複数の者に判断を求めることとしても良い。
この食味評価も硝酸態窒素濃度の測定等と同様に、第三者が行うこととするのが、その評価の客観性及び信頼性を確保する観点から適当である。
前記成分表示手段は、野菜を出荷する際に利用する箱や袋の外面等を利用し、そのれらの一部を表示手段として、前記硝酸態窒素含有量その他のデータを表示することとすることができる。または、該成分表示手段は、これらの出荷用の容器類に他の紙片の態様で添付するものとしても良い。更には、これらの成分表示手段は、複数種のそれを併用することも可能であり、特にスーパーストアの野菜売場や八百屋の店先その他に陳列される際には、販売単位に包装する包装袋等の一部を成分表示手段として利用し、これに前記データを転記することとしても良いし、同時に、種々のモニタ類、例えば、CRTモニタ、液晶モニタ、或いはプラズマディスプレイモニタ等を利用して、これに表示することとしても良いのは云うまでもない。
前記硝酸態窒素を含む各種成分の含有量データの取得は、前記のように、当該の野菜の出荷日から遡る1週間以内の時点でサンプリング収穫した物の測定による。当日収穫したものを当日測定してそのデータを前記成分表示手段に表示することは、特に第三者がその測定を行い又食味評価を行うものとすると、その第三者へのサンプル野菜の輸送、測定、データの返送のための時日を考慮すると、事実上無理がある。しかし前日以前にサンプリング収穫して測定することは、そのシステムの作り方により、当然可能であり、これによって得られたデータが当日出荷した野菜の測定データと同一性を維持できるものであることが保証されるならば、これを当日出荷するもののデータとして表示しても問題は生じない。
そこでこのような観点から実験的に検討してみると、硝酸態窒素に関しては、窒素肥料の追肥を行った場合は、天候等の条件にもより、代謝が良好に行われていれば、その増加割合は比較的少ないが、いずれにしてもほぼその2週間後程度でその増加が認められ、それ以内、例えば、1週間後程度では殆ど増加は認められない。前記したように、多くの需要者に、葉物の野菜であれば、緑の鮮やかなそれが好まれていることをよく知る生産者は、以上のような事実を前提として、2週間前程度で窒素肥料(化成肥料)の追肥を行っている実体もある。従って出荷日から遡ること1週間以内であれば、サンプリング収穫した野菜中の硝酸態窒素の含有量は、たとえ、追肥を行ったとしても、出荷時のそれと大きな変化はない。追肥を行っておらず、天候が良ければ、代謝によって減少する可能性はあるが、これは良好な変化であり、いずれにしても50〜100ppm以内程度の変化以上はないと見て良い。
前記クロロフィル量や糖度も出荷前1週間以内であれば、大きな変化はないことが本件発明者等の調査によって明らかになっている。それ故又食味評価に関しても同様の期間内にサンプリング収穫して調べた野菜のそれと出荷時の野菜のそれとで違いが少ないことも推測されるが、実際の調査の結果でもそのような結果となっている。
以上の通りであり、出荷時の野菜の硝酸態窒素その他の成分の含有量データ及び食味評価データとして、その出荷時から遡ること1週間以内の時点でサンプリング収穫した野菜のデータを用いることには全く問題がないことが分かるが、実際には、可能な限り出荷日に近接する日にサンプリング収穫して、そのサンプル野菜について必要な測定を行ってデータを得るようにするのが好ましい。
従って本発明の出荷野菜の含有成分量表示方法によれば、少なくとも野菜を購入する店頭で、その野菜に含まれる硝酸態窒素その他の成分の含有量等を確認することができるため、購入する野菜の安全性、表示データの内容によっては熟成度及び食味評価等を知り得ることとなるものであり、需要者の野菜の選択に関して客観的な基準を与えるものであり、生産者側からは、自己の生産野菜の品質を客観的な基準でアピールすることが可能になるものである。
本発明では、まず出荷前1週間以内で、できるだけ出荷日に近接する日に出荷対象野菜のサンプリング収穫を行い、それらのサンプル野菜について、少なくとも硝酸態窒素の含有量の測定を行う。できれば、クロロフィル量及び糖度の測定も行う。更に可能であれば、それらのサンプル野菜について、食味評価を行う。それぞれの測定及び評価は、先に述べたような手段や方法を用いて行うことができる。
こうして得られた含有成分データ及び食味評価データは、前記したように、当日の出荷野菜のそれに測定部位やサンプル間の差に起因する誤差の範囲程度の差しかない近似する内容を持つものであり、こうして簡単にかつ正確に出荷野菜に関する前記種々のデータが得られたことになる。
これらのデータは、前記のように、出荷野菜の包装用箱その他の容器の一部や同梱する紙片を含有成分量表示手段として利用し、これらに表示して出荷する。出荷先の小売店であるスーパーストアその他の店頭では、更にそれらの野菜が小分けされて販売されることもあり、その場合は、小分けされた包装袋の表面にそれらのデータが転記表示されることもあり、これらも含有成分表示手段として機能するものである。更には、小売店では、これらの野菜売場で、液晶モニタ等で同様のデータの表示を行うことも可能であり、これも前記含有成分量表示手段として機能するものであることは云うまでもない。
こうして、野菜の需要者はその購入の際に、前記のように、硝酸態窒素の含有量を含む種々のデータを確認することが可能であり、安全性、栄養成分、食味に関して客観的な判断を行うことが可能となるものである。また前記したように、野菜の生産者も、その努力によって安全で熟成度の高い品質良好な野菜を生産した場合には、その品質の高さを需要者に正確にアピールすることも可能となる訳である。
この実施例は小松菜の生産販売に適用したテスト例である。
この小松菜は、窒素肥料の追肥を行わずに、15kg入りの土壌改良材を10a当たり約5袋投入して栽培したものである。土壌改良材は、本件発明者が開発したものであり、微量ミネラル成分:5%、珪藻土:60%、カルシウムベントナイト:5%、ゼオライト:10%、活性白土:20%の混合材である。前記微量ミネラル成分は、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、銅、亜鉛、ホウ素、モリブデンを結晶化したものである。
この小松菜を、出荷1週間前にサンプリング収穫し、第三者測定会社(出願人)及び後記第三者食味評価団体に送り、前者が硝酸態窒素、クロロフィル量及び糖度の測定を行い、後者が食味評価を行った。
硝酸態窒素は、前記RQフレックスを用いて測定した。
サンプリング収穫した小松菜の一部を洗浄し、良く水を切った上で計量し、これを所定量の水と共にミキサーに入れて破砕し、次いで得られた野菜ジュースを濾過し、濾液に所定量の精製水を加えて試料を作成し、RQフレックスでその用法に従って測定した。
こうして得られた、サンプリング収穫した小松菜の硝酸態窒素のデータは、1280ppmであった。
クロロフィル量は、コニカミノルタホールディングス株式会社の葉緑素計(SPAD−502)を用いて測定した。
サンプリング収穫した小松菜の一部を洗浄し、良く水を切った上でその葉の部分を試料とし、該試料を測定ヘッドで挟んで測定した。測定値のばらつきの生じやすい太い葉脈の部分を避け、5カ所ほどの測定を行ってその平均値を測定データとした。
こうして得られた、サンプリング収穫した小松菜のクロロフィル量のデータ(SPAD値)は、1.21であった。
また糖度は、株式会社アタゴの糖度計PAL−1を用いて測定した。
サンプリング収穫した小松菜の一部を洗浄し、良く水を切った上で計量し、これを所定量の精製水と共にミキサーに入れて破砕し、得られた野菜ジュースを濾過し、濾液をPAL−1のサンプルステージに滴下して測定した。
こうして得られた、サンプリング収穫した小松菜の糖度Brix(%)は、3.0%であった。
前記食味評価は、うま味、えぐみ、水分、色、鮮度に関して、第三者食味評価団体(食に関する特別の知識経験を有する特定団体の資格を有する複数の者が構成する団体)の複数メンバーがそれぞれ実食して官能評価を行った。その結果は、
うま味 : 良
えぐみ : 弱
水分 : みずみずしい
色 : 鮮やかな緑
鮮度 : 良
であった。
生産者は、第三者測定会社及び後記第三者食味評価団体からそれぞれのデータを受け取り、出荷時の包装箱の表面の一部に成分表示手段である表示部を構成し、これに、図1に示すように、それぞれのデータを表示して出荷することとした。
出荷先のスーパーストアでは、包装箱に包装されている小松菜を小分けにして小袋に収納して販売することとし、その小袋に前記包装箱の表示部の内容を転記して成分表示手段である表示部を構成する準備を整えた。
更に出荷先のスーパーストアでは、当該の小松菜を陳列する棚付近に成分表示手段を構成する液晶モニタを配し、これに前記包装箱の表示部の内容を表示する準備を整えた。
従ってこの実施例の出荷野菜の含有成分量表示方法によれば、小松菜を購入する店頭で、その小松菜に含まれる硝酸態窒素濃度、クロロフィル量及び糖度のデータを知ることができるため、購入する小松菜の安全性及び熟成度を確認することが可能であり、更に食味評価等を知ってそのおいしさを確認することも可能となった。
生産者側では、前記のように、硝酸態窒素濃度:1280ppm、クロロフィル量(SPAD値):1.21、糖度Brix(%):3.0%で、食味評価;うま味:良、えぐみ:弱、水分:みずみずしい、色:鮮やかな緑、鮮度:良のような良い結果が得られていることを需要者にアピールして需要を喚起することができる。
この実施例では、まず出荷1週間前にサンプリング収穫した小松菜について、硝酸態窒素の含有量、クロロフィル量及び糖度の測定を行い、更にサンプリングした小松菜について、食味評価を行ったものであるが、出荷小松菜の一部について同様の測定及び食味評価を別に行ったところ、硝酸態窒素について50ppm程度の減少が見られた外には先にサンプリング収穫した小松菜についてのデータと殆ど差がなかった。この実施例の表示が正確性を保持していると評価できるものと考える。
小松菜を出荷する包装箱の表面の一部に表示した表示部(成分表示手段)を示す説明図。

Claims (3)

  1. 出荷する野菜に、その野菜が含有する、少なくとも硝酸態窒素を含む成分の含有量データを表示する成分表示手段を添付することとし、
    該硝酸態窒素を含む成分の含有量データを、対象の野菜の一部を出荷日から遡る1週間以内の時点でサンプリング収穫して測定することで取得し、該含有量データを前記成分表示手段に表示することにより、対象の野菜の出荷時の硝酸態窒素を含む成分の含有量と同一視できる成分含有量を表示可能にした出荷野菜の含有成分量表示方法。
  2. 前記成分表示手段の表示対象となる成分として、クロロフィル量及び糖度を含めた請求項1の出荷野菜の含有成分量表示方法。
  3. 前記成分表示手段に、出荷する野菜の硝酸態窒素を含む成分の含有量データの表示に加えて、前記サンプリング収穫した対象野菜の一部を利用して評価した出荷野菜の食味評価データを表示することとした請求項1又は2の出荷野菜の含有成分量表示方法。
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