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JP2006209885A - 光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置 - Google Patents

光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置 Download PDF

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JP2006209885A
JP2006209885A JP2005022025A JP2005022025A JP2006209885A JP 2006209885 A JP2006209885 A JP 2006209885A JP 2005022025 A JP2005022025 A JP 2005022025A JP 2005022025 A JP2005022025 A JP 2005022025A JP 2006209885 A JP2006209885 A JP 2006209885A
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Ryuichi Katayama
龍一 片山
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Abstract

【課題】ラジアルチルトを精度良く検出する。
【解決手段】光ヘッド装置100は、光源1からの出射光から、光軸上の強度で規格化した強度分布が相互に異なるメインビーム、第1のサブビーム、第2のサブビームを生成する回折光学素子3aと、回折光学素子3aを介して入射される出射光を、トラックを構成する溝を有するディスク7上に集光する対物レンズ6と、メインビーム、第1のサブビーム、第2のサブビームに対するディスク7からの反射光を個別に受光し、それぞれに対するプッシュプル信号を検出する光検出器10とを具備し、メインビームによるプッシュプル信号PPMと第2のサブビームによるプッシュプル信号PPS2の差をとることにより、レンズシフトによるオフセットを生じないトラック誤差信号TEを得る。一方、トラックサーボをかけた時の、第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1をラジアルチルト信号REとして用いる。
【選択図】図8

Description

本発明は、光記録媒体に対して記録または再生を行うための光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置に関する。
RF信号が予め記録されていない追記型及び書換可能型の光記録媒体には、通常はトラッキングを行うための溝が形成されている。一般に、光記録媒体への入射光の側から見て、光記録媒体に形成された溝の凹部をランド、凸部をグルーブと呼ぶ。これらの光記録媒体に対してトラック誤差信号を検出する場合、通常はプッシュプル法による検出を行う。しかし、プッシュプル法によって検出されるトラック誤差信号には、光ヘッド装置の対物レンズが光記録媒体の半径方向にシフトする際に、発生するオフセット信号が含まれる。このようなレンズシフトによるオフセットに起因する記録再生特性の悪化を防ぐため、光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置には、トラック誤差信号にレンズシフトによるオフセット信号が生じない工夫が求められる。
又、光ヘッド装置が光記録媒体に対してトラックフォロー動作を行う際には、通常は光ヘッド装置の対物レンズがトラック誤差信号に応じて光記録媒体のトラックに追従し、光ヘッド装置の対物レンズを除く光学系に対して対物レンズが機械的な中立位置からずれないように、光ヘッド装置の対物レンズを除く光学系が対物レンズに追従する。又、光ヘッド装置が光記録媒体に対してシーク動作を行う際には、通常は光ヘッド装置の対物レンズを除く光学系に対して対物レンズを機械的な中立位置に固定し、光ヘッド装置の対物レンズを除く光学系がシーク信号に応じて光記録媒体の半径方向に移動する。このようなトラックフォロー動作及びシーク動作を安定して行うため、光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置には、対物レンズの機械的な中立位置からのずれ量を表わすレンズ位置信号を検出できる工夫が求められる。
光学式情報記録再生装置における記録密度は、光ヘッド装置が光記録媒体上に形成する集光スポットの径の2乗に反比例する。すなわち、集光スポットの径が小さいほど記録密度は高くなる。集光スポットの径は光ヘッド装置における対物レンズの開口数に反比例する。すなわち、対物レンズの開口数が高いほど集光スポットの径は小さくなる。一方、光記録媒体が対物レンズに対して半径方向に傾くと、半径方向の傾き(ラジアルチルト)に起因するコマ収差により集光スポットの形状が乱れ、記録再生特性が悪化する。コマ収差は対物レンズの開口数の3乗に比例するため、対物レンズの開口数が高いほど記録再生特性に対する光記録媒体のラジアルチルトのマージンは狭くなる。従って、記録密度を高めるために対物レンズの開口数を高めた光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置においては、記録再生特性を悪化させないために、光記録媒体のラジアルチルトを検出、補正することが必要である。
(開示例1)
特開2003−051130号公報に、溝を有する光記録媒体に対し、トラック誤差信号にレンズシフトによるオフセットを生じず、レンズ位置信号を検出でき、かつ、ラジアルチルトを検出することが可能な光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置が開示されている(特許文献1参照)。図1から図5を参照して開示例1の光ヘッド装置が示される。
図1を参照して、開示例1の光ヘッド装置101及び光記録媒体であるディスク7の構成が示される。半導体レーザ1からの出射光はコリメータレンズ2で平行光化され、回折光学素子3eにより、メインビームである1つの透過光、第1のサブビームである2つの回折光、第2のサブビームである2つの回折光の合計5つの光に分割される。これらの光は偏光ビームスプリッタ4にP偏光として入射し、ほぼ100%が透過し、1/4波長板5を透過して直線偏光から円偏光に変換され、対物レンズ6でディスク7上に集光される。ディスク7からの5つの反射光は対物レンズ6を逆向きに透過し、1/4波長板5を透過して円偏光から往路光に対し偏光方向が直交した直線偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ4にS偏光として入射し、ほぼ100%が反射され、円筒レンズ8、レンズ9を透過して光検出器10で受光される。光検出器10は円筒レンズ8、レンズ9の2つの焦線の中間に設置されている。
図2は回折光学素子3eの平面図である。図2(a)はレーザ光の入射方向から見た入射面の平面図、図2(b)はレーザ光の出射方向から見た出射面の平面図である。回折光学素子3eは、入射面の全面に回折格子が形成され(図2(a)参照)、出射面には図2(b)中の点線で示される対物レンズ6の有効径より小さい直径を有する円の内側の領域11iのみに回折格子が形成された構成である。入射面及び出射面に形成された回折格子における格子の方向はいずれも光軸を通るディスク7の半径方向にほぼ平行であり、格子のパタンはいずれも等間隔の直線状である。入射面に形成された回折格子における格子の間隔は、出射面に形成された回折格子における格子の間隔の2倍である。
格子のライン部とスペース部の位相差をいずれも例えば0.232πとすると、入射面に入射した光は0次光として約87.3%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約5.1%が回折される。一方、出射面の領域11iの内部に入射した光は0次光として約87.3%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約5.1%が回折される。又、出射面の領域11iの外部に入射した光はほぼ100%が透過する。入射面からの透過光のうち出射面からの透過光をメインビーム、入射面からの±1次回折光のうち出射面からの透過光を第1のサブビーム、入射面からの透過光のうち出射面からの±1次回折光を第2のサブビームとする。
図3を参照して、ディスク7上の集光スポットの配置が示される。集光スポット13a、13j、13k、13l、13mは、それぞれ回折光学素子3eの入射面からの透過光のうち出射面からの透過光、入射面からの+1次回折光のうち出射面からの透過光、入射面からの−1次回折光のうち出射面からの透過光、入射面からの透過光のうち出射面からの+1次回折光、入射面からの透過光のうち出射面からの−1次回折光に相当する。集光スポット13aはトラック12a(ランド又はグルーブ)上、集光スポット13jはトラック12aの1つ右側に隣接するトラック12b(グルーブ又はランド)上、集光スポット13kはトラック12aの1つ左側に隣接するトラック12c(グルーブ又はランド)上、集光スポット13lはトラック12aの2つ右側に隣接するトラック12d(ランド又はグルーブ)上、集光スポット13mはトラック12aの2つ左側に隣接するトラック12e(ランド又はグルーブ)上にそれぞれ配置されている。
図4に、光検出器10の受光部のパタンと光検出器10上の光スポットの配置が示される。光スポット15aは回折光学素子3eの入射面からの透過光のうち出射面からの透過光に相当し、光軸を通るディスク7の接線方向に平行な分割線および半径方向に平行な分割線で4つに分割された受光部14a〜14dで受光される。光スポット15jは回折光学素子3eの入射面からの+1次回折光のうち出射面からの透過光に相当し、光軸を通るディスク7の半径方向に平行な分割線で2つに分割された受光部14e、14fで受光される。光スポット15kは回折光学素子3eの入射面からの−1次回折光のうち出射面からの透過光に相当し、光軸を通るディスク7の半径方向に平行な分割線で2つに分割された受光部14g、14hで受光される。光スポット15lは回折光学素子3eの入射面からの透過光のうち出射面からの+1次回折光に相当し、光軸を通るディスク7の半径方向に平行な分割線で2つに分割された受光部14i、14jで受光される。光スポット15mは回折光学素子3eの入射面からの透過光のうち出射面からの−1次回折光に相当し、光軸を通るディスク7の半径方向に平行な分割線で2つに分割された受光部14k、14lで受光される。光スポット15a、15j、15k、15l、15mは、円筒レンズ8およびレンズ9の作用により、ディスク7の接線方向の強度分布と半径方向の強度分布が互いに入れ替わっている。
受光部14a〜14lからの出力をそれぞれV14a〜V14lで表わすと、メインビームである集光スポット13aによるプッシュプル信号PPMは、PPM=(V14a+V14b)−(V14c+V14d)で与えられる。第1のサブビームである集光スポット13j、13kによるプッシュプル信号PPS1は、PPS1=(V14e+V14g)−(V14f+V14h)で与えられる。第2のサブビームである集光スポット13l、13mによるプッシュプル信号PPS2は、PPS2=(V14i+V14k)−(V14j+V14l)で与えられる。
図5に開示例1の光ヘッド装置における、トラック誤差信号、レンズ位置信号に関わる各種のプッシュプル信号が示される。図5を参照して、横軸はディスク7のオフトラック量、縦軸はプッシュプル信号である。ここで、ディスク7の溝のピッチをGP、ディスク7のオフトラック量をXとする。図5(a)に示されるプッシュプル信号16aは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の外側にシフトした場合のメインビームによるプッシュプル信号PPM、プッシュプル信号16bは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の内側にシフトした場合のメインビームによるプッシュプル信号PPMである。これらはPPM=−AM・sin(2πX/GP)±BMで表される。但し、AMはプッシュプル信号の振幅、BMはプッシュプル信号のオフセットであり、複号はレンズシフトの向きに対応している。図5(b)に示されるプッシュプル信号16fは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の外側にシフトした場合の第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1、プッシュプル信号16gは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の内側にシフトした場合の第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1である。これらはPPS1=AS1・sin(2πX/GP)±BS1で表される。但し、AS1はプッシュプル信号の振幅、BS1はプッシュプル信号のオフセットであり、複号はレンズシフトの向きに対応している。
図5(c)に示されるプッシュプル信号16hは、差動プッシュプル法によるトラック誤差信号TEである。これは、TE=PPM−α・PPS1=−(AM+α・AS1)・sin(2πX/GP)で与えられる。但し、α=BM/BS1である。メインビームによるプッシュプル信号PPMと第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1の差をとることにより、レンズシフトによるオフセットが相殺され、レンズシフトによるオフセットを生じないトラック誤差信号が得られる。図5(d)に示すプッシュプル信号16iは、対物レンズ6がディスク7の光軸を通る半径方向の外側にシフトした場合のレンズ位置信号LE、プッシュプル信号16jは、対物レンズ6がディスク7の光軸を通る半径方向の内側にシフトした場合のレンズ位置信号LEである。これらは、LE=PPM+β・PPS1=±(BM+β・BS1)で与えられる。但し、β=AM/AS1である。PPMとPPS1の和をとることにより、オフトラック量に依存して変化する成分(溝横断雑音)が相殺され、溝横断雑音がないレンズ位置信号LEが得られる。
(開示例2)
特許2616722号公報に溝を有する光記録媒体に対し、トラック誤差信号にレンズシフトによるオフセットを生じず、レンズ位置信号を検出できる従来の光ヘッド装置が開示されている(特許文献2参照)。
開示例2の光ヘッド装置は、開示例1の光ヘッド装置における回折光学素子3eを回折光学素子3fに置き換えたものであり、その構成は図1に示すものと同じである。
図6は回折光学素子3fのレーザ光の入射及び出射方向から見た平面図である。回折光学素子3fは、図中に点線で示す対物レンズ6の有効径より小さい直径を有する第1の円と、第1の円の直径より小さい直径を有する第2の円の間の領域11j、及び、第2の円の内側の領域11kのみに回折格子が形成された構成である。回折格子における格子の方向はいずれも光軸を通るディスク7の半径方向にほぼ平行であり、格子のパタンはいずれも等間隔の直線状である。領域11jに形成された格子の間隔は、領域11kに形成された格子の間隔の2倍である。領域11jの外部からの透過光をメインビーム、領域11jからの±1次回折光を第1のサブビーム、領域11kからの±1次回折光を第2のサブビームとする。
メインビームによるプッシュプル信号と第2のサブビームによるプッシュプル信号の差をとることにより、レンズシフトによるオフセットが相殺され、レンズシフトによるオフセットを生じないトラック誤差信号TEが得られる。又、メインビームによるプッシュプル信号PPMと第2のサブビームによるプッシュプル信号PPS2の和をとることにより、溝横断雑音が相殺され、溝横断雑音がないレンズ位置信号LEが得られる。
追記型及び書換可能型の光記録媒体には、DVD−R(Digital Versatile Disc−Recordable)やDVD−RW(Digital Versatile Disc−Rerecordable)のように、グルーブのみに対して記録再生を行うグルーブ記録方式の光記録媒体と、DVD−RAM(Digital Versatile Disc−Rewritable)のように、ランドとグルーブの両方に対して記録再生を行うランド/グルーブ記録方式の光記録媒体がある。通常は、グルーブ記録方式の光記録媒体における溝のピッチは、ランド/グルーブ記録方式の光記録媒体における溝のピッチに比べて狭い。開示例1では、溝のピッチが狭いグルーブ記録方式の光記録媒体に対しては図5に示す通りになるが、溝のピッチが広いランド/グルーブ記録方式の光記録媒体に対しては図7に示されるプッシュプル信号を示す場合がある。
図7に、開示例1の光ヘッド装置における溝のピッチが広いランド/グルーブ記録方式の光記録媒体に対するトラック誤差信号、レンズ位置信号に関わる各種のプッシュプル信号が示される。図7において、横軸はディスク7のオフトラック量、縦軸はプッシュプル信号である。図7(a)に示されるプッシュプル信号16kは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の外側にシフトした場合のPPM、プッシュプル信号16lは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の内側にシフトした場合のメインビームによるプッシュプル信号PPMである。これらはPPM=−AM・sin(2πX/GP)±BM±CM・sin(2πX/GP)で表される。但し、AMはプッシュプル信号の基本波成分の振幅、BMはプッシュプル信号のオフセット、CMはプッシュプル信号の2次高調波成分の振幅であり、複号はレンズシフトの向きに対応している。図7(b)に示されるプッシュプル信号16mは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の外側にシフトした場合の第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1、プッシュプル信号16nは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の内側にシフトした場合の第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1である。これらはPPS1=AS1・sin(2πX/GP)±BS1±CS1・sin(2πX/GP)で表される。但し、AS1はプッシュプル信号の基本波成分の振幅、BS1はプッシュプル信号のオフセット、CS1はプッシュプル信号の2次高調波成分の振幅であり、複号はレンズシフトの向きに対応している。
図7(c)に示されるプッシュプル信号16oは、差動プッシュプル法によるトラック誤差信号TEである。これは、TE=PPM−α・PPS1=−(AM+α・AS1)・sin(2πX/GP)で与えられる。但し、α=BM/BS1=CM/CS1である。PPMとPPS1の差をとることにより、レンズシフトによるオフセットが相殺され、レンズシフトによるオフセットを生じないトラック誤差信号が得られる。図7(d)に示されるプッシュプル信号16pは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の外側にシフトした場合のレンズ位置信号LE、プッシュプル信号16qは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の内側にシフトした場合のレンズ位置信号LEである。これらは、LE=PPM+β・PPS1=±(BM+β・BS1)±(CM+β・CS1)・sin(2πX/GP)で与えられる。但し、β=AM/AS1である。PPMとPPS1の和をとっても、溝横断雑音が相殺されず、溝横断雑音がないレンズ位置信号が得られない。
又、図3を参照して、開示例1の光ヘッド装置においては、ディスク7上に5つの集光スポット13a、13j、13k、13l、13mが形成される。ディスク7の偏芯等によりディスク7のトラック12aと5つの集光スポットの中心を結ぶ直線との角度が本来の角度からずれると、サブビームである集光スポット13j、13k、13l、13mの中心がディスク7の対応するトラックの中心からディスク7の半径方向へずれ、オフトラックを生じる。第1のサブビームである集光スポット13j、13kに関しては、メインビームである集光スポット13aからの距離が短いため、ディスク7の偏芯等によるオフトラックの量は小さい。しかし、第2のサブビームである集光スポット13l、13mに関しては、メインビームである集光スポット13aからの距離が長いため、ディスク7の偏芯等によるオフトラックの量は大きくなる。
このため、第2のサブビームである集光スポット13l、13mはディスク7のラジアルチルトの検出に用いられるが、ディスク7の偏芯等により集光スポット13l、13mに大きなオフトラックが生じると、ラジアルチルト信号の感度は低下し、ディスク7のラジアルチルトを正しく検出することができなくなる。
一方、開示例2の光ヘッド装置は、光記録媒体のラジアルチルトを検出することができない。又、この光ヘッド装置においては、回折光学素子3fの領域11jの外部からの透過光のみをメインビームとするため、メインビームに対する光利用効率が低い。しかも、メインビームである光記録媒体上の集光スポットは超解像効果により大きなサイドローブを有するため、その影響を除去するために光検出器の手前にピンホールを設置する必要があり、光学系の構成が複雑になる。
特開2003−51130号公報 特許第2616722号公報
本発明の目的は、光記録媒体のラジアルチルトを精度良く検出することができる光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、光記録媒体に対する良好なトラック誤差信号を得られる光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、光記録媒体に対する良好なレンズ位置信号を得られる光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、簡易な構成の光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置を提供することにある。
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を括弧付きで用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。この番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明による光ヘッド装置(100)は、光源(1)と、光源(1)から出射される出射光から、光軸上の強度で正規化した強度分布が相互に異なるメインビーム、第1のサブビーム、第2のサブビームを生成する回折光学素子(3a〜3d)と、回折光学素子(3a〜3d)を介して入射される出射光を、トラックを構成する溝を有する円盤状の光記録媒体(7)上に集光する対物レンズ(6)と、メインビーム、第1のサブビーム、第2のサブビームに対する光記録媒体(7)からの反射光を、それぞれに対するプッシュプル信号を検出するために個別に受光する光検出器(10)とを具備する。回折光学素子(3a〜3d)において、出射光の光軸に対して垂直な第1の面は、光軸を通る光記録媒体(7)の半径方向の幅が対物レンズの有効直径よりも狭い第1の幅である第1の領域(11a、11c、11e、11g)を有し、前記出射光の光軸に対して垂直な第2の面は、光軸を通る光記録媒体(7)の半径方向の幅が第1の幅より狭い第2の幅である第2の領域(11b、11d、11f、11h)を有し、第1の領域(11a、11c、11e、11g)の内側又は外側と、前記第2の領域(11b、11d、11f、11h)の内側に、回折格子を備える。
第1の領域の内側及び外側、第2の領域の内側及び外側からの透過光を前記メインビーム、第1の領域の内側又は外側からの回折光を前記第1のサブビーム、前記第2の領域からの回折光を前記第2のサブビームとする。
第1の面における回折格子の間隔は、第2の面における回折格子の間隔の2倍とする。あるいは、第1の面と第2の面は同一面であり、第1の面における回折格子は、幅がP/2のライン部(L1)と幅P/2のスペース部(S1)の繰り返しであり、ライン部(L1)とスペース部(S1)の高さの平均はH0、高さの差は2×H1であり、第2の面における回折格子は、幅が(P/2)−Aの第1のライン部(L2)、幅Aの第1のスペース部(S2)、幅Aの第2のライン部(L3)、幅(P/2)−Aの第2のスペース部(S3)の繰り返しであり、第1のライン部(L2)及び第2のライン部(L3)と、第1のスペース部(S2)及び第2のスペース部(S3)の高さの平均はH0、高さの差は2×H2である。この際、第1の面における回折格子の間隔と、前記第2の面における回折格子の間隔はPである。
又、本発明による光ヘッド装置(100)において、好ましくは、光記録媒体(7)に対する前記第1のサブビームの集光スポットは、メインビームの集光スポットに対し、光軸を通る光記録媒体(7)の半径方向に溝のピッチの半分の整数倍だけずらして配置され、第2のサブビームの集光スポットは、光軸を通る光記録媒体(7)の半径方向の任意の位置に配置される。又、好ましくは、第1のサブビームの集光スポットとメインビームの集光スポットとの距離は、第2のサブビームの集光スポットと前記メインビームの集光スポットとの距離に比べて短い。
以上ような構成により、本発明の光ヘッド装置(100)は、第2のサブビームである光記録媒体(7)上の集光スポットは光記録媒体(7)の半径方向の径が大きいため、溝のピッチが狭いグルーブ記録方式の光記録媒体、溝のピッチが広いランド/グルーブ記録方式の光記録媒体のいずれに対しても、第2のサブビームによるプッシュプル信号(PPS2)には溝横断雑音がない。このため、第2のサブビームによるプッシュプル信号(PPS2)をレンズ位置信号(LE)として用いることができる。又、メインビームによるプッシュプル信号(PPM)と第2のサブビームによるプッシュプル信号(PPS2)の差をとることにより、レンズシフトによるオフセットが相殺され、レンズシフトによるオフセットを生じないトラック誤差信号(TE)が得られる。
本発明による光学式情報記録再生装置は、第1のサブビームに対するプッシュプル信号(PPS1)に基づいて、光記録媒体(7)のラジアルチルトを示すラジアルチルト信号(RE)を出力する演算回路(20)を備える。
演算回路(20)は、メインビームに対するプッシュプル信号(PPM)と第2のサブビームに対するプッシュプル信号(PPS2)との差に基づいて、トラックサーボに用いるトラック誤差信号(TE)を出力する。
演算回路(20)は、トラック誤差信号(TE)を用いてトラックサーボをかけた時の、第1のサブビームに対するプッシュプル信号(PPS1)をラジアルチルト信号(RE)として出力する。又、第2のサブビームに対するプッシュプル信号(PPS2)に基づいて、対物レンズ(6)の機械的な中立位置からのずれ量を表わすレンズ位置信号(LE)を出力する。
演算回路(20)は、好ましくは、トラック誤差信号(TE)を用いてトラックサーボをかけた時の、第1のサブビームに対するプッシュプル信号(PPS1)からレンズ位置信号(LE)を引いた信号をラジアルチルト信号(RE)として出力する。
あるいは、演算回路(20)は、好ましくは、トラック誤差信号(TE)を用いてトラックサーボをかけた時の、第1のサブビームに対するプッシュプル信号(PPS1)からトラック誤差信号(TE)を引いた信号をラジアルチルト信号(RE)として出力する。
あるいは、演算回路(20)は、好ましくは、トラック誤差信号(TE)を用いてトラックサーボをかけた時の、第1のサブビームに対するプッシュプル信号(PPS1)からレンズ位置信号(LE)及びトラック誤差信号(TE)を引いた信号をラジアルチルト信号(RE)として出力する。
本発明による光学式情報記録再生装置は、以上のように出力されたラジアルチルト信号(RE)に基づき、光記録媒体のラジアルチルトを補正する駆動回路(21a〜21c)を更に具備する。
好ましくは、駆動回路(21a)は、ラジアルチルト信号(RE)が零になるように、対物レンズ(6)を、光軸を通る光記録媒体(7)の半径方向に傾けて光記録媒体(7)のラジアルチルトを補正する。
あるいは、好ましくは、駆動回路(21b)は、ラジアルチルト信号(RE)が零になるように、光ヘッド装置全体(100)を、光軸を通る光記録媒体の半径方向に傾けることにより、光記録媒体(7)のラジアルチルトを補正する。
あるいは、好ましくは、回折光学素子(3a〜3d)と対物レンズ(6)との間に、回折光学素子(3a〜3d)からの透過光に対するコマ収差を変化させる液晶光学素子(22)を更に具備し、駆動回路(21c)は、ラジアルチルト信号(RE)に基づき、液晶光学素子(22)に電圧を印加し、液晶光学素子(22)は、電圧に応じて、光記録媒体(7)のラジアルチルトに起因するコマ収差を相殺するようコマ収差を変化させる。
演算回路(20)は、光記録媒体の溝の凹部であるランドからの反射光に基づくプッシュプル信号から得られるラジアルチルト信号(RE)と、溝の凸部であるグルーブからの反射光に基づくプッシュプル信号から得られるラジアルチルト信号(RE)の極性を切り換える。
以上のような構成により、本発明による光学式情報記録再生装置においては、トラック誤差信号(TE)を用いてトラックサーボをかけた時の、第1のサブビームによるプッシュプル信号(PPS1)に基づいて光記録媒体(7)のラジアルチルトを検出することができる。第1のサブビームによる光記録媒体(7)上の2つの集光スポット(13b、13c又は13f、13g)に関しては、メインビームである光記録媒体上の集光スポットから(13a)からの距離が短いため、光記録媒体の偏芯等によるオフトラックの量は小さい。このため、光記録媒体の偏芯等によりサブビームである光記録媒体上の2つの集光スポットにオフトラックが生じても、ラジアルチルト信号の感度が低下せず、光記録媒体のラジアルチルトを正しく検出することができる。
又、本発明による光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置においては、回折光学素子の全ての領域からの透過光をメインビームとするため、メインビームに対する光利用効率が高い。しかも、メインビームである光記録媒体(7)上の集光スポット(13a)は超解像効果によるサイドローブを有しないため、光検出器(10)の手前にピンホールを設置する必要がなく、光学系の構成が簡単である。
本発明による光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置によれば、光記録媒体のラジアルチルトを精度良く検出することができる。
又、光記録媒体に対する良好なトラック誤差信号を得ることができる。
更に、光記録媒体に対する良好なレンズ位置信号を得ることができる。
更に、光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置を簡易に構成することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明による光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置の実施の形態が説明される。
(光ヘッド装置の第1の実施の形態)
図8から図15を参照して、本発明による光ヘッド装置の第1の実施の形態が説明される。図8を参照して、本発明による光ヘッド装置の構成が示される。本発明による光ヘッド装置100は、半導体レーザ1、コリメータレンズ2、回折光学素子3a、偏光ビームスプリッタ4、1/4波長板5、対物レンズ6、円筒レンズ8、レンズ9、光検出器10を具備する。本発明による光ヘッド装置は、溝のある光記録媒体であるディスク7に対し、半導体レーザ1からレーザ光を照射し、ディスク7からの反射光を光検出器10で検出する。
半導体レーザ1からの出射光はコリメータレンズ2で平行光化され、回折光学素子3aにより、メインビームである1つの透過光、第1のサブビームである2つの回折光、第2のサブビームである2つの回折光の合計5つの光に分割される。これらの光は偏光ビームスプリッタ4にP偏光として入射する。入射光のほぼ100%は、偏光ビームスプリッタ4を透過し、1/4波長板5を透過して直線偏光から円偏光に変換され、対物レンズ6でディスク7上に集光される。ディスク7からの5つの反射光は対物レンズ6を前記入射光(往路光)と逆向きに透過し、1/4波長板5を透過して円偏光から、往路光に対し偏光方向が直交した直線偏光に変換される。これらの反射光は偏光ビームスプリッタ4にS偏光として入射し、そのほぼ100%が反射され、円筒レンズ8、レンズ9を透過して光検出器10で受光される。光検出器10は円筒レンズ8、レンズ9の2つの焦線の中間に設置されている。
図9は、回折光学素子3aの平面図である。図9(a)はレーザ光の入射方向から見た入射面の平面図、図9(b)はレーザ光の出射方向から見た出射面の平面図である。回折光学素子3aの入射面は、図9(a)に示されるように、点線で示される対物レンズ6の有効径内の領域60より小さい直径を有する第1の円の内側の領域11aのみに回折格子が形成され、出射面は図9(b)に示されるように、第1の円の直径より小さい直径を有する第2の円の内側の領域11bのみに回折格子が形成された構成である。入射面及び出射面に形成された回折格子における格子の方向はいずれも光軸を通るディスク7の半径方向に平行であり、格子のパタンはいずれも等間隔の直線状である。入射面に形成された回折格子における格子の間隔は、出射面に形成された回折格子における格子の間隔の2倍である。
格子のライン部とスペース部の位相差をいずれも例えば0.232πとすると、入射面の領域11aの内部に入射した光は0次光として約87.3%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約5.1%が回折される。又、入射面の領域11aの外部に入射した光はほぼ100%が透過する。一方、出射面の領域11bの内部に入射した光は0次光として約87.3%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約5.1%が回折される。又、出射面の領域11bの外部に入射した光はほぼ100%が透過する。入射面からの透過光のうち出射面からの透過光をメインビーム、入射面からの±1次回折光のうち出射面からの透過光を第1のサブビーム、入射面からの透過光のうち出射面からの±1次回折光を第2のサブビームとすると、メインビームには入射面の領域11aの内部を透過した光と外部を透過した光の両方が含まれ、出射面の領域11bの内部を透過した光と外部を透過した光の両方が含まれる。第1のサブビームには入射面の領域11aの内部で回折された光のみが含まれ、第2のサブビームには出射面の領域11bの内部で回折された光のみが含まれる。その結果、メインビーム、第1のサブビーム、第2のサブビームは強度分布が相互に異なる。第1のサブビームはメインビームに比べて周辺部の強度が低く、第2のサブビームは第1のサブビームに比べて周辺部の強度が低くなる。尚、回折光学素子3aの入射面と出射面は互いに逆でも構わない。
図10を参照して、ディスク7上の集光スポットの配置が示さされる。集光スポット13a、13b、13c、13d、13eは、それぞれ回折光学素子3aの入射面からの透過光のうち出射面からの透過光、入射面からの+1次回折光のうち出射面からの透過光、入射面からの−1次回折光のうち出射面からの透過光、入射面からの透過光のうち出射面からの+1次回折光、入射面からの透過光のうち出射面からの−1次回折光に相当する。5つの集光スポット13a、13b、13c、13d、13eは同1のトラック12a(ランド又はグルーブ)上に配置されている。第1のサブビームはメインビームに比べて周辺部の強度が低いため、第1のサブビームである集光スポット13b、13cは、メインビームである集光スポット13aに比べて径が大きい。又、第2のサブビームは第1のサブビームに比べて周辺部の強度が低いため、第2のサブビームである集光スポット13d、13eは、第1のサブビームである集光スポット13b、13cに比べて径が大きい。尚、第1のサブビームである集光スポット13b、13cは、メインビームである集光スポット13aに対し、ディスク7の半径方向に溝のピッチの半分の整数倍だけずらして配置されていても良い。又、第2のサブビームである集光スポット13d、13eは、ディスク7の半径方向の任意の位置に配置されていても良い。
図11を参照して、光検出器10の受光部のパタンと光検出器10上の光スポットの配置が示される。光スポット15aは回折光学素子3aの入射面からの透過光のうち、出射面からの透過光に相当し、光軸を通るディスク7の接線方向に平行な分割線及び半径方向に平行な分割線で4つに分割された受光部14a〜14dで受光される。光スポット15bは回折光学素子3aの入射面からの+1次回折光のうち出射面からの透過光に相当し、光軸を通るディスク7の半径方向に平行な分割線で2つに分割された受光部14e、14fで受光される。光スポット15cは回折光学素子3aの入射面からの−1次回折光のうち出射面からの透過光に相当し、光軸を通るディスク7の半径方向に平行な分割線で2つに分割された受光部14g、14hで受光される。光スポット15dは回折光学素子3aの入射面からの透過光のうち出射面からの+1次回折光に相当し、光軸を通るディスク7の半径方向に平行な分割線で2つに分割された受光部14i、14jで受光される。光スポット15eは回折光学素子3aの入射面からの透過光のうち出射面からの−1次回折光に相当し、光軸を通るディスク7の半径方向に平行な分割線で2つに分割された受光部14k、14lで受光される。光スポット15a、15b、15c、15d、15eでは、円筒レンズ8及びレンズ9の作用により、ディスク7の接線方向の強度分布と半径方向の強度分布が互いに入れ替わっている。
ここで、受光部14a〜14lからの出力をそれぞれV14a〜V14lで表わすと、フォーカス誤差信号FEは非点収差法により、FE=(V14a+V14d)−(V14b+V14c)の演算から得られる。メインビームである集光スポット13aによるプッシュプル信号PPMは、PPM=(V14a+V14b)−(V14c+V14d)で与えられる。第1のサブビームである集光スポット13b、13cによるプッシュプル信号PPS1は、PPS1=(V14e+V14g)−(V14f+V14h)で与えられる。第2のサブビームである集光スポット13d、13eによるプッシュプル信号PPS2は、PPS2=(V14i+V14k)−(V14j+V14l)で与えられる。RF信号はRF=V14a+V14b+V14c+V14dの演算から得られる。
図12を参照して、トラック誤差信号TE及びレンズ位置信号LEに関わる各種のプッシュプル信号が示される。図12において、横軸はディスク7のオフトラック量、縦軸はプッシュプル信号である。ここで、ディスク7の溝のピッチをGP、ディスク7のオフトラック量をXとする。図12(a)に示されるプッシュプル信号16aは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の外側にシフトした場合のプッシュプル信号PPMであり、プッシュプル信号16bは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の内側にシフトした場合のプッシュプル信号PPMである。これらはPPM=−AM・sin(2πX/GP)±BMで表される。但し、AMはプッシュプル信号の振幅、BMはプッシュプル信号のオフセットであり、複号はレンズシフトの向きに対応している。図12(b)に示されるプッシュプル信号16cは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の外側にシフトした場合のプッシュプル信号PPS2であり、プッシュプル信号16dは、対物レンズ6がディスク7の半径方向の内側にシフトした場合のプッシュプル信号PPS2である。従って、これらはPPS2=±BS2で表される。但し、BS2はプッシュプル信号のオフセットであり、複号はレンズシフトの向きに対応している。第2のサブビームである集光スポット13d、13eは径が大きいため、プッシュプル信号PPS2には溝横断雑音がない。このため、プッシュプル信号PPS2をレンズ位置信号LEとして用いることができる。図12(c)に示されるプッシュプル信号16eは、差動プッシュプル法によるトラック誤差信号TEである。これは、TE=PPM−α・PPS2=−AM・sin(2πX/GP)で与えられる。但し、α=BM/BS2である。従がって、プッシュプル信号PPMとプッシュプル信号PPS2との差をとることにより、レンズシフトによるオフセットが相殺され、レンズシフトによるオフセットを生じないトラック誤差信号TEが得られる。
図13を参照して、ラジアルチルトの検出に関わる各種のプッシュプル信号が示される。図13において、横軸はディスク7のオフトラック量、縦軸はプッシュプル信号である。図13(a)に示されるプッシュプル信号17aは、ディスク7にラジアルチルトがない場合の集光スポット13aによるプッシュプル信号PPMであり、プッシュプル信号17bは、集光スポット13b、13cによるプッシュプル信号PPS1である。これに対し、図13(b)に示されるプッシュプル信号17cは、ディスク7に正のラジアルチルトがある場合の集光スポット13aによるプッシュプル信号PPMであり、プッシュプル信号17dは、ディスク7に正のラジアルチルトがある場合の集光スポット13b、13cによるプッシュプル信号PPS1である。又、図13(c)に示されるプッシュプル信号17eは、ディスク7に負のラジアルチルトがある場合の集光スポット13aによるプッシュプル信号PPMであり、プッシュプル信号17fは、ディスク7に負のラジアルチルトがある場合の集光スポット13b、13cによるプッシュプル信号PPS1である。集光スポット13aによるプッシュプル信号PPMが−側から+側へ0点を横切る位置がランド、+側から−側へ0点を横切る位置がグルーブに相当する。
図13(a)を参照して、ディスク7にラジアルチルトがない場合、集光スポット13b、13cによるプッシュプル信号PPS1は集光スポット13aによるプッシュプル信号PPMとゼロクロス点が一致し、ランド、グルーブのどちらでも0となる。これに対し、図13(b)を参照して、ディスク7に正のラジアルチルトがある場合、集光スポット13b、13cによるプッシュプル信号PPS1は集光スポット13aによるプッシュプル信号PPMに対してゼロクロス点が図の左側にずれ、ランドでは正、グルーブでは負となる。又、図13(c)を参照して、ディスク7に負のラジアルチルトがある場合、集光スポット13b、13cによるプッシュプル信号PPS1は集光スポット13aによるプッシュプル信号PPMに対してゼロクロス点が図の右側にずれ、ランドでは負、グルーブでは正となる。従って、トラック誤差信号TEを用いてトラックサーボをかけた場合、集光スポット13b、13cによるプッシュプル信号PPS1をラジアルチルト信号REとして用いることができる。第1の実施の形態においては、3つの集光スポット13a、13b、13cがディスク7の同一のトラック12a上に配置されている。このため、トラックピッチが異なるディスクに対しても3つの集光スポットの配置は変わらず、任意のトラックピッチのディスクに対し、ラジアルチルトが検出され得る。
本発明の光ヘッド装置の実施の形態としては、第1の実施の形態における回折光学素子3aを、回折光学素子3a’又は回折光学素子3a”に置き換えても良い。図14(a)を参照して、回折光学素子3a’のレーザ光の入射方向から見た平面図面が示される。回折光学素子3a’の入射面には対物レンズ6の有効径内領域60より小さい直径を有する第1の円内の領域11aの外側の領域のみに回折格子が形成される。図14(b)を参照して、回折光学素子3a’のレーザ光の出射方向から見た平面図面が示される。出射面には領域11aの直径より小さい直径を有する第2の円内の領域11bのみに回折格子が形成される。入射面及び出射面に形成された回折格子における格子の方向はいずれも光軸を通るディスク7の半径方向に平行であり、格子のパタンはいずれも等間隔の直線状である。入射面に形成された回折格子における格子の間隔は、出射面に形成された回折格子における格子の間隔の2倍である。
この際、格子のライン部とスペース部の位相差をいずれも例えば0.232πとすると、入射面の領域11aの外部に入射した光は0次光として約87.3%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約5.1%が回折される。又、入射面の領域11aの内部に入射した光はほぼ100%が透過する。一方、出射面の領域11bの内部に入射した光は0次光として約87.3%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約5.1%が回折される。又、出射面の領域11bの外部に入射した光はほぼ100%が透過する。入射面からの透過光のうち出射面からの透過光をメインビーム、入射面からの±1次回折光のうち出射面からの透過光を第1のサブビーム、入射面からの透過光のうち出射面からの±1次回折光を第2のサブビームとすると、メインビームには入射面の領域11aの内部を透過した光と外部を透過した光の両方が含まれ、出射面の領域11bの内部を透過した光と外部を透過した光の両方が含まれる。第1のサブビームには入射面の領域11aの外部で回折された光のみが含まれ、第2のサブビームには出射面の領域11bの内部で回折された光のみが含まれる。その結果、メインビーム、第1のサブビーム、第2のサブビームは強度分布が相互に異なる。第1のサブビームはメインビームに比べて周辺部の強度が高く、第2のサブビームは第1のサブビームに比べて周辺部の強度が低くなる。尚、回折光学素子3a’の入射面と出射面は互いに逆でも構わない。
又、図15を参照して、回折光学素子3a”のレーザ光の光軸方向から見た平面図面が示される。入射面又は出射面のいずれか一方の面に、対物レンズ6の有効径内の領域60より小さい直径を有する第1の円内の領域11aの外側の領域に回折格子が形成され、第1の円内の領域11aの直径より小さい直径を有する第2の円内の領域11bに回折格子が形成される。回折格子における格子の方向はいずれも光軸を通るディスク7の半径方向に平行であり、格子のパタンはいずれも等間隔の直線状である。領域11aの外側に形成された回折格子における格子の間隔は、領域11bに形成された回折格子における格子の間隔の2倍である。
この場合、第1のサブビームには領域11aの外側で回折された光のみが含まれ、第2のサブビームには領域11bの内部で回折された光のみが含まれる。その結果、メインビーム、第1のサブビーム、第2のサブビームは強度分布が相互に異なる。第1のサブビームはメインビームに比べて周辺部の強度が高く、第2のサブビームは第1のサブビームに比べて周辺部の強度が低くなる。
(光ヘッド装置の第2の実施の形態)
図8及び図16から図20を参照して、本発明による光ヘッド装置の第2の実施の形態が説明される。
図16を参照して、本発明の光ヘッド装置の第2の実施の形態における構成は、第1の実施の形態における回折光学素子3aを回折光学素子3bに置き換えたものである。図16はレーザ光の光軸方向から見た回折光学素子3bの平面図である。図16(a)を参照して、レーザ光の入射方向から見た回折光学素子3bの入射面の平面図が示される。回折光学素子3bの入射面は、図16(a)に示されるように、点線で示される対物レンズ6の有効径内の領域60より小さい幅を有する第1の帯の内側の領域11cのみに回折格子が形成される。図16(b)を参照して、レーザ光の出射方向から見た回折光学素子3bの出射面の平面図が示される。出射面は、第1の帯の幅より小さい幅を有する第2の帯の内側の領域11dのみに回折格子が形成された構成である。入射面及び出射面に形成された回折格子における格子の方向はいずれも光軸を通るディスク7の半径方向に平行であり、格子のパタンはいずれも等間隔の直線状である。入射面に形成された回折格子における格子の間隔は、出射面に形成された回折格子における格子の間隔の2倍である。
格子のライン部とスペース部の位相差をいずれも例えば0.232πとすると、入射面の領域11cの内部に入射した光は0次光として約87.3%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約5.1%が回折される。又、入射面の領域11cの外部に入射した光はほぼ100%が透過する。一方、出射面の領域11dの内部に入射した光は0次光として約87.3%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約5.1%が回折される。又、出射面の領域11dの外部に入射した光はほぼ100%が透過する。入射面からの透過光のうち出射面からの透過光をメインビーム、入射面からの±1次回折光のうち出射面からの透過光を第1のサブビーム、入射面からの透過光のうち出射面からの±1次回折光を第2のサブビームとすると、メインビームには入射面の領域11cの内部を透過した光と外部を透過した光の両方、出射面の領域11dの内部を透過した光と外部を透過した光の両方が含まれ、第1のサブビームには入射面の領域11cの内部で回折された光のみが含まれ、第2のサブビームには出射面の領域11dの内部で回折された光のみが含まれる。その結果、メインビーム、第1のサブビーム、第2のサブビームは強度分布が相互に異なる。第1のサブビームはメインビームに比べて、光軸を通るディスク7の半径方向における周辺部の強度が低く、第2のサブビームは第1のサブビームに比べて、光軸を通るディスク7の半径方向における周辺部の強度が低い。尚、回折光学素子3bの入射面と出射面は互いに逆でも構わない。
図17を参照して、ディスク7上の集光スポットの配置が示される。集光スポット13a、13f、13g、13h、13iは、それぞれ回折光学素子3bの入射面からの透過光のうち出射面からの透過光、入射面からの+1次回折光のうち出射面からの透過光、入射面からの−1次回折光のうち出射面からの透過光、入射面からの透過光のうち出射面からの+1次回折光、入射面からの透過光のうち出射面からの−1次回折光に相当する。5つの集光スポット13a、13f、13g、13h、13iは同1のトラック12a(ランド又はグルーブ)上に配置されている。第1のサブビームはメインビームに比べてディスク7の半径方向における周辺部の強度が低いため、第1のサブビームである集光スポット13f、13gは、メインビームである集光スポット13aに比べてディスク7の半径方向における径が大きい。又、第2のサブビームは第1のサブビームに比べて、光軸を通るディスク7の半径方向における周辺部の強度が低いため、第2のサブビームである集光スポット13h、13iは、第1のサブビームである集光スポット13f、13gに比べて、光軸を通るディスク7の半径方向における径が大きい。尚、第1のサブビームである集光スポット13f、13gは、メインビームである集光スポット13aに対し、ディスク7の半径方向に溝のピッチの半分の整数倍だけずれて配置されていても良い。又、第2のサブビームである集光スポット13h、13iは、ディスク7の半径方向の任意の位置に配置されていても良い。
図18を参照して、レーザ光の入射方向から見た光検出器10の受光部のパタンと光検出器10上の光スポットの配置が示される。光スポット15aは回折光学素子3bの入射面からの透過光のうち出射面からの透過光に相当し、光軸を通るディスク7の接線方向に平行な分割線及び半径方向に平行な分割線で4つに分割された受光部14a〜14dで受光される。光スポット15fは回折光学素子3bの入射面からの+1次回折光のうち出射面からの透過光に相当し、光軸を通るディスク7の半径方向に平行な分割線で2つに分割された受光部14e、14fで受光される。光スポット15gは回折光学素子3bの入射面からの−1次回折光のうち出射面からの透過光に相当し、光軸を通るディスク7の半径方向に平行な分割線で2つに分割された受光部14g、14hで受光される。光スポット15hは回折光学素子3bの入射面からの透過光のうち出射面からの+1次回折光に相当し、光軸を通るディスク7の半径方向に平行な分割線で2つに分割された受光部14i、14jで受光される。光スポット15iは回折光学素子3bの入射面からの透過光のうち出射面からの−1次回折光に相当し、光軸を通るディスク7の半径方向に平行な分割線で2つに分割された受光部14k、14lで受光される。光スポット15a、15f、15g、15h、15iは、円筒レンズ8及びレンズ9の作用により、光軸を通るディスク7の接線方向の強度分布と半径方向の強度分布が互いに入れ替わっている。
受光部14a〜14lからの出力をそれぞれV14a〜V14lで表わすと、フォーカス誤差信号FEは非点収差法により、FE=(V14a+V14d)−(V14b+V14c)の演算から得られる。メインビームである集光スポット13aによるプッシュプル信号PPMは、PPM=(V14a+V14b)−(V14c+V14d)で与えられる。第1のサブビームである集光スポット13f、13gによるプッシュプル信号PPS1は、PPS1=(V14e+V14g)−(V14f+V14h)で与えられる。第2のサブビームである集光スポット13h、13iによるプッシュプル信号PPS2は、PPS2=(V14i+V14k)−(V14j+V14l)で与えられる。RF信号はRF=V14a+V14b+V14c+V14dの演算から得られる。
第2の実施の形態におけるトラック誤差信号TE、レンズ位置信号LEに関わる各種のプッシュプル信号は、図12に示されるものと同じである。第2の実施の形態においては、第1の実施の形態において説明した方法と同様の方法により、レンズシフトによるオフセットを生じないトラック誤差信号TE、溝横断雑音がないレンズ位置信号LEが得られる。又、第2の実施の形態におけるラジアルチルトの検出に関わる各種のプッシュプル信号は、図13に示されるものと同じである。第2の実施の形態においては、第1の実施の形態において説明した方法と同様の方法により、ディスク7のラジアルチルトを検出することができる。
本発明の光ヘッド装置100の実施の形態としては、第2の実施の形態における回折光学素子3bを、回折光学素子3b’又は回折光学素子3b”に置き換えても良い。図19(a)を参照して、回折光学素子3b’のレーザ光の入射方向から見た平面図面が示される。入射面には対物レンズ6の有効径内領域60より小さい幅を有する第1の帯の内側の領域11cの外側の領域のみに回折格子が形成される。図19(b)を参照して、レーザ光の出射方向から見た回折光学素子3b’の平面図面が示される。出射面には第1の帯の幅より小さい幅を有する第2の帯の内側の領域11dのみに回折格子が形成される。入射面及び出射面に形成された回折格子における格子の方向はいずれも光軸を通るディスク7の半径方向に平行であり、格子のパタンはいずれも等間隔の直線状である。入射面に形成された回折格子における格子の間隔は、出射面に形成された回折格子における格子の間隔の2倍である。
この際、格子のライン部とスペース部の位相差をいずれも例えば0.232πとすると、入射面の領域11cの外部に入射した光は0次光として約87.3%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約5.1%が回折される。又、入射面の領域11cの内部に入射した光はほぼ100%が透過する。一方、出射面の領域11dの内部に入射した光は0次光として約87.3%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約5.1%が回折される。又、出射面の領域11dの外部に入射した光はほぼ100%が透過する。入射面からの透過光のうち出射面からの透過光をメインビーム、入射面からの±1次回折光のうち出射面からの透過光を第1のサブビーム、入射面からの透過光のうち出射面からの±1次回折光を第2のサブビームとすると、メインビームには入射面の領域11cの内部を透過した光と外部を透過した光の両方が含まれ、出射面の領域11dの内部を透過した光と外部を透過した光の両方が含まれる。第1のサブビームには入射面の領域11cの外部で回折された光のみが含まれ、第2のサブビームには出射面の領域11dの内部で回折された光のみが含まれる。その結果、メインビーム、第1のサブビーム、第2のサブビームは強度分布が相互に異なる。第1のサブビームはメインビームに比べて周辺部の強度が高く、第2のサブビームは第1のサブビームに比べて周辺部の強度が低くなる。尚、回折光学素子3b’の入射面と出射面は互いに逆でも構わない。
又、図20を参照して、回折光学素子3b”のレーザ光の光軸方向から見た平面図面が示される。入射面又は出射面のいずれか一方の面に、対物レンズ6の有効径内領域60より小さい幅を有する第1の帯の内側の領域11cの外側の領域に回折格子が形成され、領域11cより小さい幅を有する第2の帯の内側の領域11dに回折格子が形成される。回折格子における格子の方向はいずれも光軸を通るディスク7の半径方向に平行であり、格子のパタンはいずれも等間隔の直線状である。領域11cの外側に形成された回折格子における格子の間隔は、領域11dに形成された回折格子における格子の間隔の2倍である。
この場合、第1のサブビームには領域11cの外側で回折された光のみが含まれ、第2のサブビームには領域11dの内部で回折された光のみが含まれる。その結果、メインビーム、第1のサブビーム、第2のサブビームは強度分布が相互に異なる。第1のサブビームはメインビームに比べて周辺部の強度が高く、第2のサブビームは第1のサブビームに比べて周辺部の強度が低くなる。
第1の実施の形態においては、第1のサブビームを生成する回折光学素子の領域は円の内側であり、第2のサブビームを生成する回折光学素子の領域は円の内側である。又、第2の実施の形態においては、第1のサブビームを生成する回折光学素子の領域は帯の内側であり、第2のサブビームを生成する回折光学素子の領域は帯の内側である。しかし、第1、第2のサブビームを生成する回折光学素子の領域はこれらに限らない。例えば、第1のサブビームを生成する回折光学素子の領域を円の内側とし、第2のサブビームを生成する回折光学素子の領域を帯の内側としても良い。
(光ヘッド装置の第3の実施の形態)
図8、図21及び図22を参照して、本発明による光ヘッド装置100の第3の実施の形態が説明される。図8を参照して、本発明の光ヘッド装置100の第3の実施の形態における構成は、第1の実施の形態における回折光学素子3aを回折光学素子3cに置き換えたものである。図21を参照して、レーザ光の光軸方向から見た回折光学素子3cの平面図面が示される。回折光学素子3cは、点線で示す対物レンズ6の有効径内領域60より小さい直径を有する第1の円と、第1の円の直径より小さい直径を有する第2の円の間の領域11e、及び、第2の円の内側の領域11fのみに回折格子が形成された構成である。回折格子における格子の方向はいずれも、光軸を通るディスク7の半径方向に平行であり、格子のパタンはいずれも等間隔の直線状である。又、領域11eにおける格子の間隔と領域11fにおける格子の間隔は等しい。
図22を参照して、光軸を通るディスク7の接線方向の回折光学素子3cの断面図が示される。図22(a)を参照して、回折光学素子3cの領域11eの外部のA−A’における断面が示される。領域11eの外部においては、基板18上に表面形状が平坦な高さH0の誘電体19aが形成される。図22(b)を参照して、領域11eのB−B’における断面が示される。領域11eにおいては、基板18上に誘電体19bが形成される。誘電体19bの断面形状は幅P/2のライン部L1、幅P/2のスペース部S1の繰り返しである。ライン部L1とスペース部S1の高さの平均はH0、高さの差は2×H1である。図22(c)を参照して、領域11fのC−C’における断面が示される。領域11fにおいては、基板18上に誘電体19cが形成される。誘電体19cは、断面形状は幅(P/2)−Aのライン部L2、幅Aのスペース部S2、幅Aのライン部L3、幅(P/2)−Aのスペース部S3の繰り返しである。ライン部L2及びL3とスペース部S2及びS3の高さの平均はH0、高さの差は2×H2である。又、領域11eにおける格子の間隔と領域11fにおける格子の間隔はいずれもPである。
ここで、半導体レーザ1から送出されるレーザ光の波長をλ、誘電体19a、19b、19cの屈折率をnとする。この時、領域11eの外部の透過率は1である。すなわち、領域11eの外部に入射した光はほぼ100%が透過する。
領域11eの透過率、±1次回折効率、±2次回折効率をそれぞれηa0、ηa1、ηa2とすると式1から式4が成り立つ。
ηa0=cos(φ1/2) (式1)
ηa1=(2/π)sin(φ1/2) (式2)
ηa2=0 (式3)
φ1=4π(n−1)H1/λ (式4)
例えば、φ1=0.194πとすると、上式より、領域11eにおける透過率、±1次回折効率、±2次回折効率はそれぞれ、ηa0=0.910、ηa1=0.036、ηa2=0となる。すなわち、領域11eに入射した光は0次光として約91.0%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約3.6%が回折され、±2次回折光としては回折されない。
領域11fの透過率、±1次回折効率、±2次回折効率をそれぞれηb0、ηb1、ηb2とすると式5から式8が成り立つ。
ηb0=cos(φ2/2) (式5)
ηb1=(2/π)sin(φ2/2)sin[π(1−4A/P)/2] (式6)
ηb2=(1/π)sin(φ2/2){1+cos[π(1−4A/P)]} (式7)
φ2=4π(n−1)H2/λ (式8)
例えば、φ2=0.295π、A=0.142Pとすると、上式より、領域11fの透過率、±1次回折効率、±2次回折効率はそれぞれ、ηb0=0.800、ηb1=0.032、ηb2=0.030となる。すなわち、領域11fに入射した光は0次光として約80.0%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約3.2%が回折され、±2次回折光としてそれぞれ約3.0%が回折される。
回折光学素子3cからの透過光をメインビーム、±1次回折光を第1のサブビーム、±2次回折光を第2のサブビームとすると、メインビームには領域11eの外部からの透過光、領域11eからの透過光、領域11fからの透過光が含まれ、第1のサブビームには領域11eからの回折光、領域11fからの回折光が含まれ、第2のサブビームには領域11fからの回折光のみが含まれる。その結果、メインビーム、第1のサブビーム、第2のサブビームは強度分布が相互に異なる。第1のサブビームはメインビームに比べて周辺部の強度が低く、第2のサブビームは第1のサブビームに比べて周辺部の強度が低くなる。
第3の実施の形態におけるディスク7上の集光スポットの配置は、図10に示されるものと同じである。又、第3の実施の形態における光検出器10の受光部のパタンと光検出器10上の光スポットの配置は、図11に示されるものと同じである。第3の実施の形態においては、第1の実施の形態において説明した方法と同様の方法により、フォーカス誤差信号FE、メインビームである集光スポット13aによるプッシュプル信号PPM、第1のサブビームである集光スポット13b、13cによるプッシュプル信号PPS1、第2のサブビームである集光スポット13d、13eによるプッシュプル信号PPS2、RF信号が得られる。
第3の実施の形態におけるトラック誤差信号TE、レンズ位置信号LEに関わる各種のプッシュプル信号は、図12に示されるものと同じである。第3の実施の形態においては、第1の実施の形態において説明した方法と同様の方法により、レンズシフトによるオフセットを生じないトラック誤差信号TE、溝横断雑音がないレンズ位置信号LEが得られる。又、第3の実施の形態におけるラジアルチルトの検出に関わる各種のプッシュプル信号は、図13に示されるものと同じである。第3の実施の形態においては、第1の実施の形態において説明した方法と同様の方法により、ディスク7のラジアルチルトを検出することができる。
(光ヘッド装置の第4の実施の形態)
図8、図22及び図23を参照して、第3の実施の形態の変形として、光ヘッド装置100の第4の実施の形態が説明される。図8を参照して、第4の実施の形態における光ヘッド装置100は、第1の実施の形態の構成における回折光学素子3aに替えて回折光学素子3dを備える。図23を参照して、レーザ光の光軸方向から見た回折光学素子3dの平面図面が示される。点線で示される対物レンズ6の有効径内の領域60より小さい幅を有する第1の帯の内側の領域11gと、領域11gの幅より小さい幅を有する第2の帯の内側の領域11hに回折格子が形成された構成である。回折格子における格子の方向はいずれも、光軸を通るディスク7の半径方向に平行であり、格子のパタンはいずれも等間隔の直線状である。又、領域11gにおける格子の間隔と領域11hにおける格子の間隔は等しい。図22を参照して、領域11gの外部におけるA−A’断面、領域11gにおけるB−B’断面、領域11hにおけるC−C’断面は、それぞれ、図22(a)、(b)、(c)に示される。
領域11gの外部の透過率は1である。すなわち、領域11gの外部に入射した光はほぼ100%が透過する。領域11gの透過率、±1次回折効率、±2次回折効率をそれぞれηa0、ηa1、ηa2とすると、式1〜式4が成り立つ。例えば、ηa0=0.910、ηa1=0.036、ηa2=0となる。すなわち、領域11gに入射した光は0次光として約91.0%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約3.6%が回折され、±2次回折光としては回折されない。領域11hの透過率、±1次回折効率、±2次回折効率をそれぞれηb0、ηb1、ηb2とすると、式5〜式8が成り立つ。例えば、ηb0=0.800、ηb1=0.032、ηb2=0.030となる。すなわち、領域11hに入射した光は0次光として約80.0%が透過し、±1次回折光としてそれぞれ約3.2%が回折され、±2次回折光としてそれぞれ約3.0%が回折される。
回折光学素子3dからの透過光をメインビーム、±1次回折光を第1のサブビーム、±2次回折光を第2のサブビームとすると、メインビームには領域11gの外部からの透過光、領域11gからの透過光、領域11hからの透過光が含まれ、第1のサブビームには領域11gからの回折光、領域11hからの回折光が含まれ、第2のサブビームには領域11hからの回折光のみが含まれる。その結果、メインビーム、第1のサブビーム、第2のサブビームは強度分布が相互に異なる。第1のサブビームはメインビームに比べてディスク7の半径方向における周辺部の強度が低く、第2のサブビームは第1のサブビームに比べてディスク7の半径方向における周辺部の強度が低くなる。
第4の実施の形態におけるディスク7上の集光スポットの配置は、図17に示されるものと同じである。又、第4の実施の形態における光検出器10の受光部のパタンと光検出器10上の光スポットの配置は、図18に示されるものと同じである。第4の実施の形態においては、第1の実施の形態において説明した方法と同様の方法により、フォーカス誤差信号FE、メインビームである集光スポット13aによるプッシュプル信号PPM、第1のサブビームである集光スポット13f、13gによるプッシュプル信号PPS1、第2のサブビームである集光スポット13h、13iによるプッシュプル信号PPS2及びRF信号が得られる。
第4の実施の形態におけるトラック誤差信号TE、レンズ位置信号LEに関わる各種のプッシュプル信号は、図12に示されるものと同じである。第4の実施の形態においては、第1の実施の形態において説明した方法と同様の方法により、レンズシフトによるオフセットを生じないトラック誤差信号TE、溝横断雑音がないレンズ位置信号LEが得られる。また、本実施の形態におけるラジアルチルトの検出に関わる各種のプッシュプル信号は、図13に示されるものと同じである。第4の実施の形態においては、第1の実施の形態において説明した方法と同様の方法により、ディスク7のラジアルチルトを検出することができる。
第1〜第4の実施の形態においては、トラック誤差信号TEを用いてトラックサーボをかけた時の、第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1をラジアルチルト信号REとして用いている。ここで、ラジアルチルト信号REである第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1にもレンズシフトによるオフセットが発生する。しかし、RE=PPS1−γ・LE(γは定数)の演算により、第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1からレンズ位置信号LEを引いた信号をラジアルチルト信号REとして用いれば、ラジアルチルト信号REにレンズシフトによるオフセットを生じることなくラジアルチルトを検出することができる。
又、トラック誤差信号TEにディスク7の偏芯等による残留誤差があると、ラジアルチルト信号REである第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1にも残留誤差によるオフセットが発生する。しかし、RE=PPS1−δ・TE(δは定数)の演算により、第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1からトラック誤差信号TEを引いた信号をラジアルチルト信号REとして用いれば、ラジアルチルト信号REに残留誤差によるオフセットを生じることなくディスク7のラジアルチルトを検出することができる。
更に、RE=PPS1−γ・LE−δ・TE(γ、δは定数)の演算により、第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1から、レンズ位置信号LE及びトラック誤差信号TEを引いた信号を、ラジアルチルト信号REとして用いれば、ラジアルチルト信号REにレンズシフトによるオフセット及び残留誤差によるオフセットを生じることなくラジアルチルトを検出することができる。
(光学式情報記録再生装置)
次に、図24から図26を参照して、第1から第4の実施の形態における本発明による光ヘッド装置100に、演算回路20及び駆動回路が付加された光学式情報記録再生装置の実施の形態が説明される。
(光学式情報記録再生装置の第1の実施の形態)
図24を参照して、本発明の光学式情報記録再生装置の第1の実施の形態が示される。本実施の形態は、図8に示される本発明の光ヘッド装置100に、演算回路20、駆動回路21aを付加したものである。この際、回折光学素子3aは、回折光学素子3aから3dのいずれかが用いられる。演算回路20は、光検出器10の各受光部からの出力に基づいてラジアルチルト信号REを演算する。駆動回路21aは、ラジアルチルト信号REが0になるように、図中の点線で囲まれた対物レンズ6を図示しないアクチュエータにより、光軸を通るディスク7の半径方向に傾ける。これによりディスク7のラジアルチルトが補正され、記録再生特性に対する悪影響がなくなる。
(光学式情報記録再生装置の第2の実施の形態)
図25を参照して、本発明の光学式情報記録再生装置の第2の実施の形態が示される。本実施の形態は、図8に示される本発明の光ヘッド装置100に、演算回路20、駆動回路21bを付加したものである。この際、回折光学素子3aは、回折光学素子3aから3dのいずれかが用いられる。演算回路20は、光検出器10の各受光部からの出力に基づいてラジアルチルト信号REを演算する。駆動回路21bは、ラジアルチルト信号REが0になるように、図中の点線で囲まれた光ヘッド装置100全体を図示しないモータによりディスク7の半径方向に傾ける。これによりディスク7のラジアルチルトが補正され、記録再生特性に対する悪影響がなくなる。
(光学式情報記録再生装置の第3の実施の形態)
図26を参照して、本発明の光学式情報記録再生装置の第3の実施の形態が示される。本実施の形態は、図8に示す本発明の光ヘッド装置100に、演算回路20、駆動回路21c、液晶光学素子22を付加したものである。この際、回折光学素子3aは、回折光学素子3aから3dのいずれかが用いられる。演算回路20は、光検出器10の各受光部からの出力に基づいてラジアルチルト信号REを演算する。駆動回路21cは、ラジアルチルト信号REが0になるように、図中の点線で囲まれた液晶光学素子22に電圧を印加する。液晶光学素子22は複数の領域に分割されている。駆動回路21cは、各領域に印加される電圧を変化させて透過光に対するコマ収差を変化させる。この際、駆動回路21cは液晶光学素子22に印加する電圧を調整し、ディスク7のラジアルチルトに起因するコマ収差を相殺するコマ収差を液晶光学素子22で発生させる。これによりディスク7のラジアルチルトが補正され、記録再生特性に対する悪影響がなくなる。
本発明による光学式情報記録再生装置の第1〜第3の実施の形態においては、ランドに対してトラックサーボをかける場合と、グルーブに対してトラックサーボをかける場合では、ラジアルチルト信号REの符号が逆になる。従って、ランドとグルーブでは、ラジアルチルトを補正するための演算回路20、駆動回路21a、21b、21cから構成される回路の極性を切り換える。
以上のように、本発明による光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置における、第2のサブビームによるディスク7上の集光スポットは、光軸を通るディスク7の半径方向の径が大きい。このため、溝のピッチが狭いグルーブ記録方式の光記録媒体や、溝のピッチが広いランド/グルーブ記録方式の光記録媒体のいずれに対しても第2のサブビームによるプッシュプル信号PPS2には、溝横断雑音が生じない。又、メインビームによるプッシュプル信号PPMと第2のサブビームによるプッシュプル信号PPS2の差をとることにより、レンズシフトによるオフセットが相殺され、レンズシフトによるオフセットを生じないトラック誤差信号TEが得られる。従って、ディスク7に対し、良好なトラック誤差信号TE及びレンズ位置信号LEが得られる。
更に、第1のサブビームによるディスク7上の2つの集光スポットは、メインビームによるディスク7上の集光スポットからの距離が短いため、光記録媒体の偏芯等によるオフトラックの量は小さい。このため、光記録媒体の偏芯等によりサブビームである光記録媒体上の2つの集光スポットにオフトラックが生じても、ラジアルチルト信号REの感度が低下せず、光記録媒体のラジアルチルトを正しく検出することができる。従って、本発明による光ヘッド装置100によって得られたトラック誤差信号TEを用いてトラックサーボをかけた際の、第1のサブビームによるプッシュプル信号PPS1に基づいてディスク7のラジアルチルトを検出することができる。
本発明による光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置においては、回折光学素子の全ての領域からの透過光をメインビームとするため、メインビームに対する光利用効率が高い。しかも、メインビームである光記録媒体上の集光スポットは超解像効果によるサイドローブを有しないため、光検出器の手前にピンホールを設置する必要がなく、光学系の構成が簡単である。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
図1は、従来技術による光ヘッド装置の構成を示す図である。 図2は、従来技術による光ヘッド装置における回折光学素子の平面図である。 図3は、従来技術による光ヘッド装置におけるディスク上の集光スポットの配置を示す図である。 図4は、従来技術による光ヘッド装置における光検出器の受光部のパタンと光検出器上の光スポットの配置を示す図である。 図5は、従来技術による光ヘッド装置におけるトラック誤差信号、レンズ位置信号に関わる各種のプッシュプル信号を示す図である。 図6は、従来技術による光ヘッド装置における回折光学素子の平面図である。 図7は、従来技術による光ヘッド装置におけるトラック誤差信号、レンズ位置信号に関わる各種のプッシュプル信号を示す図である。 図8は、本発明による光ヘッド装置の第1の実施の形態を示す図である。 図9は、本発明による光ヘッド装置の第1の実施の形態における回折光学素子の平面図である。 図10は、本発明による光ヘッド装置の第1及び第3の実施の形態におけるディスク上の集光スポットの配置を示す図である。 図11は、本発明による光ヘッド装置の第1及び第3の実施の形態における、光検出器の受光部のパタンと光検出器上の光スポットの配置を示す図である。 図12は、本発明による光ヘッド装置の第1、第2、第3及び第4の実施の形態におけるトラック誤差信号、レンズ位置信号に関わる各種のプッシュプル信号を示す図である。 図13は、本発明による光ヘッド装置におけるラジアルチルトの検出に関わる各種のプッシュプル信号を示す図である。 図14は、本発明による光ヘッド装置の第1の実施の形態における回折光学素子の平面図である。 図15は、本発明による光ヘッド装置の第1の実施の形態における回折光学素子の平面図である。 図16は、本発明による光ヘッド装置の第2の実施の形態における回折光学素子の平面図である。 図17は、本発明による光ヘッド装置の第2及び第4の実施の形態におけるディスク上の集光スポットの配置を示す図である。 図18は、本発明による光ヘッド装置の第2及び第4の実施の形態における、光検出器の受光部のパタンと光検出器上の光スポットの配置を示す図である。 図19は、本発明による光ヘッド装置の第2の実施の形態における回折光学素子の平面図である。 図20は、本発明による光ヘッド装置の第2の実施の形態における回折光学素子の平面図である。 図21は、本発明による光ヘッド装置の第3の実施の形態における回折光学素子の平面図である。 図22は、本発明による光ヘッド装置の第3及び第4の実施の形態における回折光学素子の断面図である。 図23は、本発明による光ヘッド装置の第4の実施の形態における回折光学素子の平面図である。 図24は、本発明による光学式情報記録再生装置の第1の実施の形態を示す図である。 図25は、本発明による光学式情報記録再生装置の第2の実施の形態を示す図である。 図26は、本発明による光学式情報記録再生装置の第3の実施の形態を示す図である。
符号の説明
1 半導体レーザ
2 コリメータレンズ
3a〜3f、3a’、3a”、3b’、3b” 回折光学素子
4 偏光ビームスプリッタ
5 1/4波長板
6 対物レンズ
7 ディスク
8 円筒レンズ
9 レンズ
10 光検出器
100、101 光ヘッド装置
11a〜11k 領域
12a〜12e トラック
13a〜13m 集光スポット
14a〜14l 受光部
15a〜15m 光スポット
16a〜16q プッシュプル信号
17a〜17f プッシュプル信号
18 基板
19a〜19c 誘電体
20 演算回路
21a〜21c 駆動回路
22 液晶光学素子
60 対物レンズ有効径内領域
PPM、PPS1、PPS2 プッシュプル信号
RE ラジアルチルト信号
TE トラック誤差信号
LE レンズ位置信号
L1〜L3 ライン部
S1〜S3 スペース部

Claims (23)

  1. 光源と、
    前記光源から出射される出射光から、強度分布が相互に異なるメインビーム、少なくとも1つ以上の第1のサブビーム、少なくとも1つ以上の第2のサブビームを生成する回折光学素子と、
    前記回折光学素子を介して入射される前記出射光を、トラックを構成する溝を有する円盤状の光記録媒体上に集光する対物レンズと、
    前記メインビーム、前記第1のサブビーム、前記第2のサブビームに対する前記光記録媒体からの反射光をそれぞれに対するプッシュプル信号を検出するために個別に受光する光検出器とを具備する
    光ヘッド装置。
  2. 請求項1に記載の光ヘッド装置において、
    前記回折光学素子は、前記出射光の光軸に対して垂直な第1の面と、第2の面とを有し、
    前記第1の面は、光軸を通る光記録媒体の半径方向の幅が前記対物レンズの有効直径よりも狭い第1の幅である第1の領域を有し、
    前記第2の面は、光軸を通る光記録媒体の半径方向の幅が前記第1の幅より狭い第2の幅である第2の領域を有し、
    前記第1の領域の内側と、前記第2の領域の内側に、回折格子を備える
    光ヘッド装置。
  3. 請求項2に記載の光ヘッド装置において、
    前記第1の領域の内側及び外側、前記第2の領域の内側及び外側からの透過光を前記メインビーム、前記第1の領域からの回折光を前記第1のサブビーム、前記第2の領域からの回折光を前記第2のサブビームとする
    光ヘッド装置。
  4. 請求項1に記載の光ヘッド装置において、
    前記回折光学素子は、前記出射光の光軸に対して垂直な第1の面と、第2の面とを有し、
    前記第1の面は、光軸を通る光記録媒体の半径方向の幅が前記対物レンズの有効直径よりも狭い第1の幅である第1の領域を有し、
    前記第2の面は、光軸を通る光記録媒体の半径方向の幅が前記第1の幅より狭い第2の幅である第2の領域を有し、
    前記第1の領域の外側と、前記第2の領域の内側に、回折格子を備える
    光ヘッド装置。
  5. 請求項4に記載の光ヘッド装置において、
    前記第1の領域の内側及び外側、前記第2の領域の内側及び外側からの透過光を前記メインビーム、前記第1の領域の外側からの回折光を前記第1のサブビーム、前記第2の領域からの回折光を前記第2のサブビームとする
    光ヘッド装置。
  6. 請求項2から5いずれか1項に記載の光ヘッド装置において、
    前記第1の面における回折格子の間隔は、前記第2の面における回折格子の間隔の2倍である
    光ヘッド装置。
  7. 請求項2から6いずれか1項に記載の光ヘッド装置において、
    前記第1の面と前記第2の面は同一面である
    光ヘッド装置。
  8. 請求項7に記載の光ヘッド装置において、
    前記第1の面における回折格子は、幅がP/2のライン部と幅P/2のスペース部の繰り返しであり、ライン部とスペース部の高さの平均はH0、高さの差は2×H1であり、
    前記第2の面における回折格子は、幅が(P/2)−Aの第1のライン部、幅Aの第1のスペース部、幅Aの第2のライン部、幅(P/2)−Aの第2のスペース部の繰り返しであり、第1のライン部及び第2のライン部と、第1のスペース部及び第2のスペース部の高さの平均はH0、高さの差は2×H2であり、
    前記第1の面における回折格子の間隔と、前記第2の面における回折格子の間隔はPである
    光ヘッド装置。
  9. 請求項1から8いずれか1項に記載の光ヘッド装置において、
    前記光記録媒体に対する前記第1のサブビームの集光スポットは、前記メインビームの集光スポットに対し、前記光軸を通る前記光記録媒体の半径方向に溝のピッチの半分の整数倍だけずらして配置され、
    前記第2のサブビームの集光スポットは、前記光軸を通る前記光記録媒体の半径方向の任意の位置に配置される
    光ヘッド装置。
  10. 請求項1から9にいずれか1項に記載の光ヘッド装置において、
    前記第1のサブビームの集光スポットと前記メインビームの集光スポットとの距離は、前記第2のサブビームの集光スポットと前記メインビームの集光スポットとの距離に比べて短い
    光ヘッド装置。
  11. 請求項1から10いずれか1項に記載の光ヘッド装置と、
    前記光検出器から前記メインビーム、前記第1のサブビーム、前記第2のサブビームに対応する出力信号に基づくプッシュプル信号を検出する演算回路とを備える
    光学式情報記録再生装置
  12. 請求項11に記載の光学式情報記録再生装置において、 前記演算回路は、前記第1のサブビームに対するプッシュプル信号に基づいて、前記光記録媒体のラジアルチルトを示すラジアルチルト信号を出力する
    光学式情報記録再生装置。
  13. 請求項12に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記演算回路は、前記メインビームに対するプッシュプル信号と前記第2のサブビームに対するプッシュプル信号との差に基づいて、トラックサーボに用いるトラック誤差信号を出力する
    光学式情報記録再生装置。
  14. 請求項13に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記演算回路は、前記トラック誤差信号を用いてトラックサーボをかけた時の、前記第1のサブビームに対するプッシュプル信号を前記ラジアルチルト信号として出力する
    光学式情報記録再生装置。
  15. 請求項13又は14に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記演算回路は、前記第2のサブビームに対するプッシュプル信号に基づいて、前記対物レンズの機械的な中立位置からのずれ量を表わすレンズ位置信号を出力する
    光学式情報記録再生装置。
  16. 請求項15に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記演算回路は、前記トラック誤差信号を用いてトラックサーボをかけた時の、前記第1のサブビームに対するプッシュプル信号から前記レンズ位置信号を引いた信号を前記ラジアルチルト信号として出力する
    光学式情報記録再生装置。
  17. 請求項13に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記演算回路は、前記トラック誤差信号を用いてトラックサーボをかけた時の、前記第1のサブビームに対するプッシュプル信号から前記トラック誤差信号を引いた信号を前記ラジアルチルト信号として出力する
    光学式情報記録再生装置。
  18. 請求項15に記載の光学式情報記録装置において、
    前記演算回路は、前記トラック誤差信号を用いてトラックサーボをかけた時の、前記第1のサブビームに対するプッシュプル信号から前記レンズ位置信号及び前記トラック誤差信号を引いた信号を前記ラジアルチルト信号として出力する
    光学式情報記録再生装置。
  19. 請求項12から18いずれか1項に記載の光学式情報記録装置において、
    前記ラジアルチルト信号に基づき、前記光記録媒体のラジアルチルトを補正する駆動回路を更に具備する
    光学式情報記録再生装置。
  20. 請求項19に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記駆動回路は、前記ラジアルチルト信号が零になるように、前記対物レンズを、前記光軸を通る前記光記録媒体の半径方向に傾けて前記光記録媒体のラジアルチルトを補正する
    光学式情報記録再生装置。
  21. 請求項19に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記駆動回路は、前記ラジアルチルト信号が零になるように、前記光ヘッド装置全体を、前記光軸を通る前記光記録媒体の半径方向に傾けることにより、前記光記録媒体のラジアルチルトを補正する
    光学式情報記録再生装置。
  22. 請求項19に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記回折光学素子と前記対物レンズの間に、前記回折光学素子からの透過光に対するコマ収差を変化させる液晶光学素子を更に具備し、
    前記駆動回路は、前記ラジアルチルト信号に基づき、前記液晶光学素子に電圧を印加し、
    前記液晶光学素子は、前記電圧に応じて、前記光記録媒体のラジアルチルトに起因するコマ収差を相殺するよう前記コマ収差を変化させる
    光学式情報記録再生装置。
  23. 請求項19から22いずれか1項に記載の光学式情報記録再生装置において、
    前記演算回路は、前記光記録媒体の溝の凹部であるランドからの反射光に基づくプッシュプル信号から得られるラジアルチルト信号と、溝の凸部であるグルーブからの反射光に基づくプッシュプル信号から得られるラジアルチルト信号の極性を切り換える
    光学式情報記録再生装置。
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