[go: up one dir, main page]

JP2006206999A - 高強度中空スタビライザ用電縫鋼管および高強度中空スタビライザの製造方法 - Google Patents

高強度中空スタビライザ用電縫鋼管および高強度中空スタビライザの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006206999A
JP2006206999A JP2005023678A JP2005023678A JP2006206999A JP 2006206999 A JP2006206999 A JP 2006206999A JP 2005023678 A JP2005023678 A JP 2005023678A JP 2005023678 A JP2005023678 A JP 2005023678A JP 2006206999 A JP2006206999 A JP 2006206999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
hollow stabilizer
steel pipe
composition
strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005023678A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4506486B2 (ja
Inventor
Yoshikazu Kawabata
良和 河端
Masayuki Sakaguchi
雅之 坂口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2005023678A priority Critical patent/JP4506486B2/ja
Publication of JP2006206999A publication Critical patent/JP2006206999A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4506486B2 publication Critical patent/JP4506486B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Articles (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

【課題】 強度−靭性バランスに優れた高強度中空スタビライザ用電縫鋼管および高強度中空スタビライザの製造方法を提案する。
【解決手段】 質量%で、C:0.20〜0.38%、Si、Mn、Alを適正量に調整し、W:0.01〜1.50%、B:0.0005〜0.0050%、を含みさらにTi、NをTi:0.001〜0.04%、N:0.0010〜0.0100%の範囲でかつN/14 < Ti/47.9を満足するように含有する組成の電縫鋼管とする。上記した組成の電縫鋼管を素材とし、成形工程と、該成形された素材に、Ac変態点以上でかつ中空スタビライザー全体で最も高い温度に加熱される個所の温度Tが、(T/140)−7.84 ≦ log(W) (ここで、W:Wの含有量(質量%))を満足するように加熱したのち急冷する焼入れ処理と、あるいはさらに350℃以下の温度に加熱し冷却する焼戻処理を施す熱処理工程を順次施し中空スタビライザーとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車等の車両に使用されるスタビライザに係り、とくに高強度中空スタビライザ用として好適な電縫鋼管および高強度中空スタビライザの製造方法に関する。なお、本発明でいう「高強度」とは、焼入れ焼戻処理後の硬さが、肉厚方向平均でHV400以上である場合をいうものとする。
従来から、ほとんどの自動車には、コーナーリング時の車体のローリングを緩和したり、高速時の走行安定性を保持するために、スタビライザが装着されている。このスタビライザは、棒鋼を用いた中実のスタビライザが一般的に使用されてきた。しかし、最近では、地球環境保全の観点から自動車車体の軽量化を図ることが要求され、スタビライザにおいても、継目無鋼管や電縫鋼管等を用いた中空スタビライザの採用が検討されるようになっている。
中空スタビライザは、通常、素材である鋼管を冷間で所定の寸法形状に曲げ成形したのち、焼入れ処理あるいは焼入れ焼戻処理を施して製造されている。
このような中空スタビライザは車体の軽量化には大きく寄与するが、中実スタビライザに比べ断面積が大幅に減少するため、素材として使用する鋼管には従来以上に優れた強度靭性を有すること、複雑な形状に加工できるように曲げ加工性に優れること、高い疲労強度を確保できるための十分な焼入れ性を有すること、などが要求される。
このような要求に対し、例えば、特許文献1には、C、Si、Mn、Cr、P、S、Alの適正量を含み、さらに、N+O:200ppm以下、Ti:4〜10×(N+O)%、B:0.0005〜0.009%を含み、さらにC、Si、Mn、Cr含有量を、理想臨界直径Dが1.0in以上、Ceqが0.48%以下となるように調整したスラブを用いて、熱間圧延し、巻取温度を570〜690℃に調整して巻取る中空スタビライザ用電縫鋼管用鋼の製造方法が提案されている。また、特許文献2には、C、Si、Mn、Cr、P、S、Alの適正量を含み、さらに、N+O:200ppm以下、Ti:4〜12×(N+O)%、B:0.0005〜0.009%を含み、さらにC、Si、Mn、Cr含有量を、理想臨界直径Dが1.0in以上、Ceqが0.48%以下となるように調整した中空スタビライザ用電縫鋼管用鋼が提案されている。これらの技術によれば、機械的性質、熱処理特性のよい電縫鋼管が製造でき、信頼性が高い中空スタビライザを製造できるとしている。
また、特許文献3には、C、Si、Mn、P、Sの適正量と、Ti:0.020〜0.050%、B:0.0005〜0.0050%を含み、さらにCr:0.20〜0.50%、Mo:0.5%以下、Nb:0.015〜0.050%のうちの1種以上、あるいはさらにCa:0.0050%以下を含む鋼を素材として製造された電縫鋼管に850〜950℃でノルマライズ処理を施した後、焼入れする、ドアインパクトビーム、スタビライザ等に好適な高強度高延性電縫鋼管の製造方法が提案されている。
また、特許文献4には、C、Si、Mn、Alの適正量と、Cr:0.10〜1.00%、Mo:0.005〜1.00%、Ti:0.001〜0.02%、B:0.0005〜0.0050%、N:0.0010〜0.0100%を含み、さらにN/14<Ti/47.9を満足し、あるいはさらに理想臨界直径Di が1.0in以上となるように調整した組成を有する中空スタビライザ用電縫溶接鋼管が提案されている。この技術によれば、母材と電縫溶接部との硬度差が少ない電縫溶接鋼管が得られ、疲労耐久性が向上した中空スタビライザが製造できるとしている。
特公昭61−45688号公報 特公平1−58264号公報 特開平6−93339号公報 国際公開第 02/070767 A1号パンフレット
最近では自動車部品への要求性能がさらに高くなる傾向であり、中空スタビライザには耐久性を高めるため更なる高い疲労強度を具備することが熱望されている。しかし、特許文献1〜4に記載された従来組成の電縫鋼管を素材として用いた中空スタビライザでは、その要望に十分に対応できないという問題があった。というのは、疲労強度を高くするために、特許文献1〜4に記載された従来組成の範囲内でC含有量を増加したり、あるいは焼戻温度を低温としたりして焼入れ焼戻処理後の強度(硬さ)を高くすると、靭性が著しく劣化する。またとくに、鋼管に冷間で曲げ成形加工を施し所定の寸法形状に成形した中空スタビライザでは、焼入れ処理に際して通電加熱すると、曲げ部の偏肉部に電流が多く流れ高温に加熱されるという現象がある。このため、曲げ部では焼入れ処理後の強度(硬さ)が高くなるが、靭性が著しく劣化する。このようなことから、スタビライザ製造に際し、焼入れ焼戻処理後の強度(硬さ)が高くなっても優れた靭性が確保できる電縫鋼管、さらには焼入れ処理時に高温に加熱されても、優れた靭性が確保できる電縫鋼管が要望されている。
本発明は、このような従来技術の問題を有利に解決し、焼入れ焼戻処理後に、肉厚方向の平均硬さHVがHV400以上の高強度で、かつシャルピー衝撃試験の破面遷移温度vTrs(℃)が次式vTrs<20/67×(HV−400)−120を満足する高靭性を有し、強度−靭性バランスに優れた、高強度中空スタビライザ用として好適な電縫鋼管および高強度中空スタビライザの製造方法を提案することを目的とする。
なお、{20/67×(HV−400)−120}は肉厚方向平均硬さHVがHV400以上である従来技術相当材のvTrs(℃)の最低値を意味する。
本発明者らは、上記した課題を達成するため、焼入れ焼戻処理後の強度(硬さ)と靭性に及ぼす各種要因の影響について鋭意検討した。その結果、Wを適正量含有させた鋼管組成とすることにより、焼入れ処理時に加熱温度を1000℃という高温に加熱したのち急冷しても、焼入れ焼戻処理後の硬さがHV400以上の高強度でかつvTrsが従来技術相当材のvTrsの;最低値{20/67×(HV−400)−120}より低温の優れた靭性を確保でき、強度−靭性バランスを顕著に改善できることを見出した。
まず、本発明の基礎になった実験結果について説明する。
質量%で、0.25%C−0.2%Si−0.5%Mn−0.024%Ti−0.002%Bを基本組成とし、あるいはさらに、Cu、Ni、Cr、Mo、W等の合金元素の含有量を種々変化させて含む各種熱延鋼板(板厚:5mm)を素材として、冷間で管状に成形したのち、突合せ部分を高周波電気抵抗溶接して各種電縫鋼管(25.4mmφ×肉厚5mm)とした。これら電縫鋼管に、通電加熱により外表面の温度が1000℃となるように加熱したのち水槽に浸漬する焼入れ処理を施し、ついで種々の温度で20min間加熱する焼戻処理を施した。焼戻処理済み電縫鋼管から試験片を採取し、断面硬さの測定および鋼管長さ方向を試験片長さ方向とする2mmVノッチ試験片(試験片厚さ2.5mm)を用いたシャルピー衝撃試験を実施し、硬さHV(肉厚方向平均値)および破面遷移温度vTrsを求め、強度、靭性を評価した。得られた結果をHV−vTrsの関係として図1に示す。
図1から、基本組成、および基本組成にCu、Ni、Cr、Moをそれぞれ添加した電縫鋼管のvTrsはいずれもHV400以上では従来技術相当材のvTrsの最低値:{20/67×(HV−400)−120}より高温であるのに対し、基本組成にWを含む電縫鋼管のvTrsは{20/67×(HV−400)−120}よりすべての硬さHVにわたって低温側となっており、Wを適正量含有することにより、肉厚方向平均硬さHVがHV400以上の高強度においても、強度−靭性バランスが顕著に改善されることがわかる。例えば、同一硬さ(HV450)で比較すると、従来技術相当材のvTrsの最低値は−105℃であるのに対し、基本組成にW(:0.3質量%)含む電縫鋼管のvTrsは−118℃である。
また、質量%で、0.25%C−0.2%Si−0.5%Mn−0.024%Ti−0.002%Bを基本組成とし、さらに、Wを無添加、又はWを0.001〜1.5%の範囲で含む各熱延鋼板(板厚:5mm)を素材として、冷間で管状に成形したのち、突合せ部分を高周波電気抵抗溶接して電縫鋼管(25.4mmφ×肉厚5mm)とした。通電加熱により外表面をT:800〜1050℃の各温度に加熱したのち水槽に浸漬する焼入れ処理を施し、ついで種々の温度で20min間加熱する焼戻処理を施した。焼戻処理済み電縫鋼管から試験片を採取し、断面硬さの測定および鋼管長さ方向を試験片長さ方向とする2mmVノッチ試験片(厚さ:2.5mm)を用いたシャルピー衝撃試験を実施し、硬さHV(肉厚方向平均値)および破面遷移温度vTrsを求めた。得られた値から強度(硬さ)と靭性の関係を求め、各電縫鋼管の硬さがHV450となる場合の靭性vTrsを推定した。得られた結果を、焼入れ処理時の加熱温度Tと破面遷移温度vTrsの関係で図2に示す。
図2から、破面遷移温度vTrs:−110℃が得られる、焼入れ処理の加熱温度TとW含有量との関係を求め、図3に示す。
図3から、下記(2)式
(T/140)−7.84 ≦ log(W) …………(2)
ここで、T:焼入れ処理時の加熱温度(℃)、
W:W含有量(質量%)
を満足するように、W含有量に応じて焼入れ処理時の加熱温度(均一に加熱されない場合には、最も高温に加熱される個所の温度)を調整するか、あるいは焼入れ処理時の加熱温度(均一に加熱されない場合には、最も高温に加熱される個所の温度)に応じてW含有量を調整することにより、HV450という高硬度にもかかわらず、vTrs:−110℃以下の高靭性が得られ、W無添加材に比較して靭性が顕著に改善されることがわかる。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
(1)質量%で、C:0.20〜0.38%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.30〜2.00%、Al:0.01〜0.10%、W:0.01〜1.50%、B:0.0005〜0.0050%、を含みさらにTi、NをTi:0.001〜0.04%、N:0.0010〜0.0100%の範囲でかつ次(1)式
N/14 < Ti/47.9 …………(1)
(ここで、N,Ti:各元素の含有量(質量%))
を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、焼入れ焼戻処理後の強度−靭性バランスに優れることを特徴とする高強度中空スタビライザー用電縫鋼管。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有する組成とすることを特徴とする高強度中空スタビライザー用電縫鋼管。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.2%以下、V:0.2%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有する組成とすることを特徴とする高強度中空スタビライザー用電縫鋼管。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有する組成とすることを特徴とする高強度中空スタビライザー用電縫鋼管。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記組成が、不可避的不純物として、質量%で、P:0.020%以下、S:0.010%以下、O:0.005%以下を含む組成であることを特徴とする高強度中空スタビライザー用電縫鋼管。
(6)(1)ないし(5)のいずれかに記載の電縫鋼管を素材とし、該素材に成形加工と、焼入れ焼戻処理を施してなる高強度中空スタビライザー。
(7)電縫鋼管を素材とし、該素材に所定のスタビライザー形状に成形する成形加工を施す成形工程と、該成形された素材に、焼入れ処理あるいはさらに焼戻処理を施す熱処理工程を順次施す中空スタビライザーの製造方法において、前記電縫鋼管を、質量%で、C:0.20〜0.38%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.30〜2.00%、Al:0.01〜0.10%、W:0.01〜1.50%、B:0.0005〜0.0050%、を含みさらにTi、NをTi:0.001〜0.04%、N:0.0010〜0.0100%の範囲でかつ次(1)式
N/14 < Ti/47.9 …………(1)
(ここで、N,Ti:各元素の含有量(質量%))
を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼管とし、前記焼入れ処理を、Ac変態点以上でかつ中空スタビライザー全体で最も高い温度に加熱される個所の温度Tが次(2)式
(T/140)−7.84 ≦ log(W) …………(2)
(ここで、T:焼入れ処理時の加熱に際し、中空スタビライザー全体で最も高い温度に加
熱される個所の温度(℃)、W:Wの含有量(質量%))
を満足するように加熱したのち急冷する処理とし、前記焼戻処理を、350℃以下の温度に加熱し冷却する処理として、前記中空スタビライザーの硬さを所望の硬さに調整することを特徴とする高強度中空スタビライザーの製造方法。
(8)(7)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有する組成とすることを特徴とする高強度中空スタビライザーの製造方法。
(9)(7)又は(8)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:1.0%以下、V:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有する組成とすることを特徴とする高強度中空スタビライザーの製造方法。
(10)(7)ないし(9)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有する組成とすることを特徴とする高強度中空スタビライザーの製造方法。
(11)(7)ないし(10)のいずれかにおいて、前記組成が、不可避的不純物として、質量%で、P:0.020%以下、S:0.010%以下、O:0.005%以下を含む組成であることを特徴とする高強度中空スタビライザーの製造方法。
(12)(7)ないし(11)のいずれかにおいて、前記素材が、縮径圧延を施された電縫鋼管であることを特徴とする高強度中空スタビライザーの製造方法。
(13)(7)ないし(12)のいずれかにおいて、前記焼入れ処理における加熱が、通電加熱であることを特徴とする高強度中空スタビライザーの製造方法。
(14)(7)ないし(13)のいずれかにおいて、前記焼入れ処理後に、または前記焼戻処理後に、ショットブラスト処理を施すことを特徴とする高強度中空スタビライザーの製造方法。
本発明によれば、従来では得られなかったような、高強度(高硬度)でかつ高靭性を有し、強度(硬さ)−靭性バランスに優れた中空スタビライザを容易にしかも安定して製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明にしたがって製造された中空スタビライザは、各部における機械的特性のばらつきが少なく、しかも高い疲労強度を有し、自動車部品の耐久性向上に寄与するという効果もある。
まず、本発明電縫鋼管の組成限定理由について説明する。なお、以下、質量%は単に%で記す。
C:0.20〜0.38%
Cは、固溶して、あるいは炭化物、炭窒化物として析出して鋼材の強度を増加させる元素であり、本発明では素材である鋼管の強度や、製品である中空スタビライザの焼入れ処理後硬さを所定値以上とするために、0.20%以上の含有を必要とする。一方、0.38%を超える含有は、焼入れ処理後の靭性が低下する。このため、Cは、0.20〜0.38%の範囲に限定した。なお、好ましくは強度−靭性バランスの観点から0.24〜0.35%である。
Si:0.05〜0.50%
Siは、脱酸剤として作用するとともに、固溶して鋼の強度を増加させる元素であり、本発明では0.05%以上の含有を必要とするが、0.50%を超えて含有しても、脱酸剤としての効果が飽和するうえ、電縫溶接時に介在物を生じやすく、かえって電縫溶接部の健全性に悪影響を及ぼす。このため、Siは0.05〜0.50%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.10〜0.30%である。
Mn:0.30〜2.00%
Mnは、固溶して、あるいは焼入れ性の増加を介して、鋼材の強度を増加させる元素であり、本発明では素材である鋼管の強度や、製品である中空スタビライザの焼入れ処理後硬さを所定値以上とするために、0.30%以上の含有を必要とする。一方、2.00%を超えて含有すると、残留オーステナイト(以下、残留γともいう)が生じやすくなり焼戻後の靭性が低下する。このため、Mnは0.30〜2.00%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.3〜1.0%である。
Al:0.01〜0.10%
Alは、脱酸剤として作用するとともに、AlNとしてNを固定し、焼入れ性向上に有効な固溶Bを所定量以上確保することに有効に作用する。このような効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とするが、0.10%を超えて含有すると、介在物量が増加し、疲労寿命を低下させる場合がある。このため、Alは0.01〜0.10%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.02〜0.04%である。
W:0.01〜1.50%
Wは、鋼の焼入れ性を高めるとともに、焼入れ焼戻処理後の靭性を向上させ、強度(硬さ)−靭性バランスを向上させる本発明で最も重要な元素である。このような効果を得るためには0.01%以上の含有を必要とする。一方、1.50%を超えて含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効果を期待できず経済的に不利となる。このため、Wは0.01〜1.50%の範囲に限定した。なお、中空スタビライザの焼入れ処理時の加熱温度Tが限定される場合には、次(2)式
(T/140)−7.84 ≦ log(W) …………(2)
(ここで、T:焼入れ処理時の加熱に際し、中空スタビライザー全体で最も高い温度に加熱される個所の温度(℃)、W:Wの含有量(質量%))
を満足する下限のW含有量とすることが好ましい。
B:0.0005〜0.0050%
Bは、鋼の焼入れ性を向上させ、中空スタビライザの焼入れ処理後の硬さを所望の硬さにするとともに、粒界を強化して焼割れの発生を防止する有効な元素である。このような効果を得るために0.0005%以上の含有を必要とする。一方、0.0050%を超えて含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できず経済的に不利となるとともに、粗大なB含有析出物が生成し靭性が低下する場合がある。このため、Bは0.0005〜0.0050%の範囲に限定した。さらに好ましくは0.0010〜0.0030%である。
Ti:0.001〜0.04%
Tiは、Nと結合し、焼入れ性向上に有効な固溶Bを所定量以上確保することに有効に作用するとともに、微細な炭化物を生成して溶接時、熱処理時の結晶粒粗大化を抑制し、靭性を向上させる作用を有する元素である。このような効果を得るためには0.001%以上の含有を必要とする。一方、0.04%を超える含有は、介在物量が増加して靭性が低下する場合がある。このため、Tiは0.001〜0.04%の範囲に限定した。
N:0.0010〜0.0100%
Nは、焼戻時に窒化物、炭窒化物として析出し、焼戻処理後に所望の強度(硬さ)を確保するために有効に作用する。このような効果を得るためには0.0010%以上の含有を必要とするが、0.0100%を超える含有は窒化物、炭窒化物の粗大化を促進して、靭性、疲労寿命を低下させる場合がある。このため、Nは0.0010〜0.0100%の範囲に限定した。
本発明では、Ti、Nは、上記した含有量範囲を満足しかつ次(1)式
N/14 < Ti/47.9…………(1)
(ここで、N、Ti:各元素の含有量(質量%))
を満足する範囲に限定する。Ti、N含有量が、(1)式を満足しない場合には、固溶Bが減少して焼入性が低下する。
本発明では、上記した基本成分に加えて、必要に応じて、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種、および/または、Nb:1.0%以下、V:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種、および/または、Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種を、選択して含有できる。
Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種
Cr、Moはいずれも、鋼の焼入れ性を向上させるとともに、微細な炭化物を生成して強度を向上させる元素であり、必要に応じ選択して含有できる。このような効果はそれぞれCr:0.1%以上、Mo:0.1%以上の含有で顕著となる。一方、Cr:1.0%を超えて含有しても効果が飽和して含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となることに加えて、電縫溶接時に介在物を生じやすくなり電縫溶接部の健全性が低下する。また、Mo:1.0%を超えて含有しても効果が飽和して含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となることに加えて、粗大な炭化物を生成して靭性が低下する。このため、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下にそれぞれ限定することが好ましい。なお、好ましくはCr:0.10〜0.50%、Mo:0.10〜0.50%である。
Nb:1.0%以下、V:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種
Nb、Vはいずれも、焼戻時に微細な炭化物を生成し強度増加に寄与する元素であり、必要に応じ選択して含有できる。このような効果はそれぞれNb:0.01%以上、V:0.01%以上の含有で顕著となる。一方、Nb:1.0%、V:1.0%をそれぞれ超えて含有しても、効果が飽和して含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。このため、Nb:1.0%以下、V:1.0%以下にそれぞれ限定することが好ましい。なお、より好ましくはNb:0.012〜0.020%、V:0.012〜0.020%である。
Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種
Ni、Cuはいずれも、鋼の焼入れ性を向上させ、スタビライザの強度を増加させる元素であり、必要に応じ選択して含有できる。このような効果はそれぞれNi:0.1%以上、Cu:0.1%以上の含有で顕著となる。一方、Ni:1.0%、Cu:1.0%をそれぞれ超えて含有しても効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となるとともに、加工性が低下する。このため、Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下にそれぞれ限定することが好ましい。なお、より好ましくはNi:0.25〜0.50%、Cu:0.25〜0.50%である。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、P:0.020%以下、S:0.010%以下、O:0.005%以下に制限することが好ましい。
Pは、溶接割れ性、靭性に悪影響を及ぼす元素であり0.020%以下に低減することが好ましい。
Sは、鋼中では介在物(硫化物)として存在し、鋼管の加工性、靭性、疲労寿命等を低下させるとともに、再熱割れ感受性をも増大させるため、0.010%以下に低減することが好ましい。なお、より好ましくは0.005%以下である。
Oは、鋼中では介在物(酸化物)として存在し、鋼管の加工性、靭性、疲労寿命等を低下させるため、0.005%以下に低減することが好ましい。なお、より好ましくは0.002%以下である。
本発明電縫鋼管の製造方法は、上記した組成を有する鋼板を使用すること以外はとくに限定する必要はないが、鋼管長手方向のr値が大きく、スタビライザ形状に曲げ成形加工するに際し発生する減肉、増肉量が小さい鋼管が得られる製造方法を採用することが望ましい。減肉、増肉量が小さくなることにより、スタビライザの焼入れ処理時の加熱に際し、温度むらが小さくなり、スタビライザの強度(硬さ)−靭性バランスをより一層向上させることができる。
なお、鋼管長手方向のr値が大きく、曲げ成形加工時の減肉、増肉量が小さい鋼管を得る方法としては、上記した組成を有する鋼管に、さらに縮径圧延を施す方法がある。好ましい縮径圧延としては、例えば、鋼管を、Ac変態点以上に加熱し、引き続き、縮径圧延し、650〜850℃の範囲の温度で縮径率:20%以上の縮径圧延を行って仕上げる方法が例示できる。このような縮径圧延を施された電縫鋼管は、素材として、とくに細径厚肉の中空スタビライザを製造するうえで有利である。
つぎに、本発明の中空スタビライザの製造方法について説明する。
本発明では、上記した組成を有し、好ましくは上記した縮径圧延を含む製造方法で製造された電縫鋼管を素材として、該素材に成形工程と熱処理工程を順次施して中空スタビライザとする。
成形工程では、素材である鋼管に、通常の成形方法でスタビライザ形状に成形する。通常の成形方法としては、冷間曲げ加工がある。冷間曲げ加工では、回転引き曲げ、プレス曲げとしてもよい。なお、冷間曲げ加工では、略任意の形状に成形可能なNCベンダーを用いることが好ましい。
スタビライザ形状に成形された成形品は、ついで熱処理工程を施される。熱処理工程は、焼入れ処理または、焼入れ処理および焼戻処理からなる。焼入れ処理は、所定の温度(焼入れ温度)に加熱されたのち、焼入れ槽に投入され急冷される処理とすることが好ましい。加熱は、生産性の観点から通電加熱とすることが好ましい。通電加熱は、成形品の両端部を電極でクランプし通電することにより行う方法が、成形品の変形も少なく廉価であることから好ましい。焼入れ槽の冷媒は、水または焼入れ油とすることが好ましい。
焼入れ処理は、Ac変態点以上でかつ中空スタビライザー全体で最も高い温度に加熱される個所の温度Tが次(2)式
(T/140)−7.84 ≦ log(W) …………(2)
(ここで、T:焼入れ処理時の加熱に際し、中空スタビライザー全体で最も高い温度に加
熱される個所の温度(℃)、W:Wの含有量(質量%))
を満足するように加熱したのち急冷する処理とすることが好ましい。これにより、焼入れ処理後に、または焼入れ焼戻処理後に、高強度でかつ高靭性を具備する中空スタビライザとすることができる。焼入れ処理の通電加熱時に際し、(2)式が満足されない場合には、焼入れ処理後または焼入れ焼戻処理後の靭性が劣化する。
また、焼戻処理は、350℃以下の温度に加熱し冷却する処理とすることが好ましい。より好ましくは200〜300℃である。焼戻処理を施すことにより靭性が顕著に向上する。焼戻温度が350℃を超えて高くなると、強度(硬さ)が低下し、所望の強度(硬さ)範囲(HV400〜530)を確保できなくなる。硬さがHV530を超えて高くなると遅れ破壊の問題が生じるため実用的ではない。
また、焼入れ処理、あるいは焼入れ処理または焼戻処理後に、ショットブラスト処理を施すことが疲労強度向上の観点から好ましい。なお、ショットブラスト処理は通常の方法を用いればよい。
(実施例1)
表1に示す組成の熱延鋼板(鋼板No.A〜No.W)を、冷間で管状に成形したのち、突き合わせ部を高周波電気抵抗溶接法を用いて溶接して電縫鋼管(外径25.4mmφ×肉厚5mm)とした。ついで、これら電縫鋼管に表2に示す条件で焼入れ処理および焼戻処理を施した。なお、焼入れ処理は、鋼管外表面が表2に示す加熱温度Tとなるように通電加熱した後、水槽に浸漬し急冷する処理とした。
焼入れ処理あるいは焼入れ処理および焼戻処理を施された鋼管から試験片を採取し、硬さ測定、シャルピー衝撃試験を実施した。
硬さ測定は鋼管のC断面について行い、鋼管の外表面を起点として肉厚方向に内表面まで、0.4mmピッチで測定し、その平均値を該鋼管の焼入れ焼戻後の硬さとした。硬さはビッカース硬さ計を用いて荷重500gf(4.9N)で行った。
また、試験片の長さ方向を鋼管の管軸方向(長手方向)に一致させて鋼管から、JIS Z 2202の規定に準拠して削り出し採取した特殊サイズの2mmVノッチシャルピー衝撃試験片(55mmL×10mmW×2.5mmT)を用い、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を行い、破面遷移温度vTrsを求め、靭性を評価した。
得られた結果を表2に示す。
鋼管No.1〜No.36の比較から、Wを本発明範囲内含有することにより、Cr、Mo、Ni、Cu単独含有の場合に比べて、強度(硬さ)−靭性バランスが向上することがわかる。また、(2)式を満足する加熱温度で焼入れ処理を施すことにより、同じ硬さに調整した場合,比較例であるW無添加材(鋼板No.A)やW少量添加材(鋼板No.G)に比べて靭性が良好になっていることがわかる。なお、(2)式を満足しない加熱温度で焼入れ処理を施した場合には、化学組成が本発明範囲でも靭性が低下している。また、電縫鋼管の化学組成を本発明範囲内の化学組成とすることにより、高い焼入れ加熱温度で焼入れ処理しても焼戻後に安定して高靭性を確保できることがわかる。
本発明例は、焼入れ処理または焼入れ焼戻処理後に、HV400以上の高強度と、vTrs−110℃以下の高靭性を安定して得られる製造条件の範囲が広く、強度(硬さ)−靭性バランスに優れたスタビライザを安定して製造できる電縫鋼管であることがわかる。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、とくに高い焼入れ加熱温度で焼入れ処理を施すと、焼入れ焼戻後の靭性の低下が著しい。
(実施例2)
表1に示す組成の熱延鋼板(鋼板No.A、No.F)を、冷間で管状に成形したのち、突き合わせ部を高周波電気抵抗溶接方法を用いて溶接して電縫鋼管No.AA、No.FA(外径30.5mmφ×肉厚7mm)および電縫鋼管(外径89mmφ×肉厚7mm)とした。電縫鋼管(外径89mmφ×肉厚7mm)については、さらに加熱温度:920℃、仕上げ温度:790℃とする縮径圧延(縮径率:66%)を施して、外径30.5mmφ×肉厚7mm の電縫鋼管No. AB、No.FBとした。
これら電縫鋼管No.AA〜No.FBをそれぞれ所定長さに切断し、冷間の回転引き曲げ加工による成形工程を施し、所定のスタビライザ形状に成形した。なお、曲げ加工は、内側の曲げ半径が鋼管直径の2倍とする90°曲げとした。ついで、スタビライザ形状の両端部をクランプして通電により曲げ部の外側外表面温度が900℃となるように加熱したのち、水槽に浸漬して急冷する焼入れ処理を施した。焼入れ処理後、300℃で20min間保持する焼戻処理を施した。
得られた中空スタビライザについて、曲げ部の内側の硬さを実施例1と同様な測定方法で測定した。また、中空スタビライザの曲げ部の内側に隣接する直管部から実施例1と同様にシャルピー試験片を採取してシャルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrsを求め、靭性を評価した。
得られた結果を表3に示す。
縮径圧延を施された電縫鋼管No.Bを用いた中空スタビライザでは、縮径圧延を施さない電縫鋼管を用いた中空スタビライザに比べて、曲げ部内側に隣接する直管部の靭性が向上していることがわかる。
硬さと靭性vTrsの関係に及ぼす合金元素の影響を示すグラフである。 硬さHV450での靭性vTrsと、焼入れ処理時の加熱温度Tとの関係に及ぼすW含有量の影響を示すグラフである。 硬さHV450での靭性に及ぼす焼入れ処理時の加熱温度TとW含有量の関係を示すグラフである。

Claims (14)

  1. 質量%で、
    C:0.20〜0.38%、 Si:0.10〜0.50%、
    Mn:0.30〜2.00%、 Al:0.01〜0.10%、
    W:0.01〜1.50%、 B:0.0005〜0.0050%、
    を含みさらにTi、Nを
    Ti:0.001〜0.04%、 N:0.0010〜0.0100%
    の範囲で、かつ下記(1)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、焼入れ処理後あるいは焼入れ焼戻処理後の強度−靭性バランスに優れることを特徴とする高強度中空スタビライザー用電縫鋼管。

    N/14 < Ti/47.9 …………(1)
    ここで、N,Ti:各元素の含有量(質量%)
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載の高強度中空スタビライザー用電縫鋼管。
  3. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.2%以下、V:0.2%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の高強度中空スタビライザー用電縫鋼管。
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高強度中空スタビライザー用電縫鋼管。
  5. 前記組成が、不可避的不純物として、質量%で、P:0.020%以下、S:0.010%以下、O:0.005%以下を含む組成であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高強度中空スタビライザー用電縫鋼管。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の電縫鋼管を素材とし、該素材に成形加工と、焼入れ焼戻処理を施してなる高強度中空スタビライザー。
  7. 電縫鋼管を素材とし、該素材に所定のスタビライザー形状に成形する成形加工を施す成形工程と、該成形された素材に、焼入れ処理あるいはさらに焼戻処理を施す熱処理工程を順次施す中空スタビライザーの製造方法において、
    前記電縫鋼管を、質量%で、
    C:0.20〜0.38%、 Si:0.10〜0.50%、
    Mn:0.30〜2.00%、 Al:0.01〜0.10%、
    W:0.01〜1.50%、 B:0.0005〜0.0050%、
    を含みさらにTi、Nを
    Ti:0.001〜0.04%、 N:0.0010〜0.0100%
    の範囲でかつ下記(1)式を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼管とし、
    前記焼入れ処理を、Ac変態点以上でかつ中空スタビライザー全体で最も高い温度に加熱される個所の温度Tが下記(2)式を満足するように加熱したのち急冷する処理とし、前記焼戻処理を、350℃以下の温度に加熱し冷却する処理として、
    前記中空スタビライザーの硬さを所望の硬さに調整することを特徴とする高強度中空スタビライザーの製造方法。

    N/14 < Ti/47.9 …………(1)
    (T/140)−7.84 ≦ log(W) …………(2)
    ここで、T:焼入れ処理時の加熱に際し、中空スタビライザー全体で最も高い温度に加熱される個所の温度(℃)、N,Ti、W:各元素の含有量(質量%)
  8. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項7に記載の高強度中空スタビライザーの製造方法。
  9. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Nb:0.2%以下、V:0.2%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項7又は8に記載の高強度中空スタビライザーの製造方法。
  10. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下のうちから選ばれた1種又は2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の高強度中空スタビライザーの製造方法。
  11. 前記組成が、不可避的不純物として、質量%で、P:0.020%以下、S:0.010%以下、O:0.005%以下を含む組成であることを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載の高強度中空スタビライザーの製造方法。
  12. 前記素材が、縮径圧延を施された電縫鋼管であることを特徴とする請求項7ないし11のいずれかに記載の高強度中空スタビライザーの製造方法。
  13. 前記焼入れ処理における加熱が、通電加熱であることを特徴とする請求項7ないし12のいずれかに記載の高強度中空スタビライザーの製造方法。
  14. 前記焼戻処理後に、ショットブラスト処理を施すことを特徴とする請求項7ないし13のいずれかに記載の高強度中空スタビライザーの製造方法。
JP2005023678A 2005-01-31 2005-01-31 高強度中空スタビライザ用電縫鋼管および高強度中空スタビライザの製造方法 Expired - Lifetime JP4506486B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005023678A JP4506486B2 (ja) 2005-01-31 2005-01-31 高強度中空スタビライザ用電縫鋼管および高強度中空スタビライザの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005023678A JP4506486B2 (ja) 2005-01-31 2005-01-31 高強度中空スタビライザ用電縫鋼管および高強度中空スタビライザの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006206999A true JP2006206999A (ja) 2006-08-10
JP4506486B2 JP4506486B2 (ja) 2010-07-21

Family

ID=36964171

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005023678A Expired - Lifetime JP4506486B2 (ja) 2005-01-31 2005-01-31 高強度中空スタビライザ用電縫鋼管および高強度中空スタビライザの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4506486B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008095156A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Nisshin Steel Co Ltd 耐遅れ破壊性に優れた中空スタビライザの製造方法
JP2008208417A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Jfe Steel Kk 熱処理用電縫溶接鋼管およびその製造方法
JP2008255397A (ja) * 2007-04-03 2008-10-23 Nisshin Steel Co Ltd 中空スタビライザ用電縫鋼管の製造方法
WO2009093728A1 (ja) * 2008-01-21 2009-07-30 Jfe Steel Corporation 中空部材およびその製造方法
WO2011115110A1 (ja) 2010-03-16 2011-09-22 中央発條株式会社 自動車用スタビライザの製造方法
KR101180561B1 (ko) 2010-10-18 2012-09-06 현대하이스코 주식회사 충격인성 및 경도편차 개선을 위한 전기저항용접 강관의 다단 열처리 방법 및 이를 이용한 강관 제조 방법
JP2012224900A (ja) * 2011-04-19 2012-11-15 Jfe Steel Corp 加工性および低温靭性に優れた中空部材用超高強度電縫鋼管およびその製造方法
KR101325433B1 (ko) 2009-02-12 2013-11-04 Jfe 죠코 가부시키가이샤 내식성과 저온 인성이 우수한 차량용 고강도 스태빌라이저용 강 및 그 제조방법과 스태빌라이저
JPWO2013175821A1 (ja) * 2012-05-25 2016-01-12 新日鐵住金株式会社 中空スタビライザ並びに中空スタビライザ用鋼管及びその製造方法
KR20180043344A (ko) 2015-09-29 2018-04-27 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 고강도 중공 스테빌라이져용 전봉 강관, 고강도 중공 스테빌라이져용 전봉 강관의 제조 방법, 고강도 중공 스테빌라이져, 및 고강도 중공 스테빌라이져의 제조 방법
WO2018079398A1 (ja) 2016-10-24 2018-05-03 Jfeスチール株式会社 高強度薄肉中空スタビライザー用電縫鋼管およびその製造方法
WO2020003720A1 (ja) * 2018-06-27 2020-01-02 Jfeスチール株式会社 中空スタビライザー製造用の電縫鋼管、中空スタビライザー、及びそれらの製造方法
WO2020189097A1 (ja) 2019-03-15 2020-09-24 Jfeスチール株式会社 中空スタビライザー用電縫鋼管およびその製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04110445A (ja) * 1990-08-29 1992-04-10 Sumitomo Metal Ind Ltd 高靭性熱処理用電縫鋼管
JPH1161254A (ja) * 1997-08-13 1999-03-05 Sumitomo Metal Ind Ltd 高強度高耐食継目無鋼管の製造方法
WO2002070767A1 (fr) * 2001-03-07 2002-09-12 Nippon Steel Corporation Tube d'acier soude electriquement pour stabilisateur creux

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04110445A (ja) * 1990-08-29 1992-04-10 Sumitomo Metal Ind Ltd 高靭性熱処理用電縫鋼管
JPH1161254A (ja) * 1997-08-13 1999-03-05 Sumitomo Metal Ind Ltd 高強度高耐食継目無鋼管の製造方法
WO2002070767A1 (fr) * 2001-03-07 2002-09-12 Nippon Steel Corporation Tube d'acier soude electriquement pour stabilisateur creux

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008095156A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Nisshin Steel Co Ltd 耐遅れ破壊性に優れた中空スタビライザの製造方法
JP2008208417A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Jfe Steel Kk 熱処理用電縫溶接鋼管およびその製造方法
EP2116623A4 (en) * 2007-02-26 2010-12-08 Jfe Steel Corp BEFORE HEAT TREATMENT RESISTANT WELDED STEEL TUBE AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF
US9862014B2 (en) 2007-02-26 2018-01-09 Jfe Steel Corporation Method for electric resistance welded steel tube
JP2008255397A (ja) * 2007-04-03 2008-10-23 Nisshin Steel Co Ltd 中空スタビライザ用電縫鋼管の製造方法
WO2009093728A1 (ja) * 2008-01-21 2009-07-30 Jfe Steel Corporation 中空部材およびその製造方法
JP2009197327A (ja) * 2008-01-21 2009-09-03 Jfe Steel Corp 中空部材およびその製造方法
EP2239343A4 (en) * 2008-01-21 2016-06-15 Jfe Steel Corp HOLLOW BODIES AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF
KR101325433B1 (ko) 2009-02-12 2013-11-04 Jfe 죠코 가부시키가이샤 내식성과 저온 인성이 우수한 차량용 고강도 스태빌라이저용 강 및 그 제조방법과 스태빌라이저
WO2011115110A1 (ja) 2010-03-16 2011-09-22 中央発條株式会社 自動車用スタビライザの製造方法
KR101180561B1 (ko) 2010-10-18 2012-09-06 현대하이스코 주식회사 충격인성 및 경도편차 개선을 위한 전기저항용접 강관의 다단 열처리 방법 및 이를 이용한 강관 제조 방법
JP2012224900A (ja) * 2011-04-19 2012-11-15 Jfe Steel Corp 加工性および低温靭性に優れた中空部材用超高強度電縫鋼管およびその製造方法
JPWO2013175821A1 (ja) * 2012-05-25 2016-01-12 新日鐵住金株式会社 中空スタビライザ並びに中空スタビライザ用鋼管及びその製造方法
US10787720B2 (en) 2015-09-29 2020-09-29 Jfe Steel Corporation Electric resistance welded steel pipe for high-strength hollow stabilizer, and method for manufacturing electric resistance welded steel pipe for high-strength hollow stabilizer
KR20180043344A (ko) 2015-09-29 2018-04-27 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 고강도 중공 스테빌라이져용 전봉 강관, 고강도 중공 스테빌라이져용 전봉 강관의 제조 방법, 고강도 중공 스테빌라이져, 및 고강도 중공 스테빌라이져의 제조 방법
WO2018079398A1 (ja) 2016-10-24 2018-05-03 Jfeスチール株式会社 高強度薄肉中空スタビライザー用電縫鋼管およびその製造方法
KR20190031294A (ko) 2016-10-24 2019-03-25 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 고강도 박육 중공 스태빌라이저용 전봉 강관 및 그 제조 방법
US11332812B2 (en) 2016-10-24 2022-05-17 Jfe Steel Corporation Electric resistance welded steel tubes for high-strength thin hollow stabilizers, and methods for manufacturing the same
WO2020003720A1 (ja) * 2018-06-27 2020-01-02 Jfeスチール株式会社 中空スタビライザー製造用の電縫鋼管、中空スタビライザー、及びそれらの製造方法
JPWO2020003720A1 (ja) * 2018-06-27 2020-07-02 Jfeスチール株式会社 中空スタビライザー製造用の電縫鋼管、中空スタビライザー、及びそれらの製造方法
US20210268862A1 (en) * 2018-06-27 2021-09-02 Jfe Steel Corporation Electric-resistance-welded steel pipe for producing hollow stabilizer, hollow stabilizer, and method for producing same
US12172487B2 (en) * 2018-06-27 2024-12-24 Jfe Steel Corporation Electric-resistance-welded steel pipe for producing hollow stabilizer, hollow stabilizer, and method for producing same
WO2020189097A1 (ja) 2019-03-15 2020-09-24 Jfeスチール株式会社 中空スタビライザー用電縫鋼管およびその製造方法
KR20210135305A (ko) 2019-03-15 2021-11-12 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 중공 스태빌라이저용 전봉 강관 및 그의 제조 방법
US12264388B2 (en) 2019-03-15 2025-04-01 Jfe Steel Corporation Electric-resistance-welded steel pipe or tube for hollow stabilizer and method of manufacturing same

Also Published As

Publication number Publication date
JP4506486B2 (ja) 2010-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5353256B2 (ja) 中空部材およびその製造方法
JP4443910B2 (ja) 自動車構造部材用鋼材およびその製造方法
US7048811B2 (en) Electric resistance-welded steel pipe for hollow stabilizer
CN101622368B (zh) 热处理用电阻焊钢管及其制造方法
CN104395487B (zh) 空心稳定杆和空心稳定杆用钢管及其制造方法
KR102232097B1 (ko) 고강도 박육 중공 스태빌라이저용 전봉 강관 및 그 제조 방법
CN108138279B (zh) 高强度中空稳定器用电阻焊接钢管、高强度中空稳定器用电阻焊接钢管的制造方法、高强度中空稳定器及高强度中空稳定器的制造方法
EP3239339A1 (en) Heat treatable steel, product formed thereof having ultra high strength and excellent durability, and method for manufacturing same
JP5187003B2 (ja) 成形性と耐疲労特性に優れた高張力鋼材およびその製造方法
JP4506486B2 (ja) 高強度中空スタビライザ用電縫鋼管および高強度中空スタビライザの製造方法
KR20160047489A (ko) 스프링용 강 및 스프링의 제조 방법
JP5391656B2 (ja) 自動車部材用高張力溶接鋼管およびその製造方法
JP4910694B2 (ja) 自動車構造部材用高張力溶接鋼管及びその製造方法
JP4983082B2 (ja) 高強度鋼材及びその製造方法
JP5736929B2 (ja) 加工性および低温靭性に優れた中空部材用超高強度電縫鋼管およびその製造方法
JP2009203492A (ja) 自動車構造部材用高張力溶接鋼管およびその製造方法
JP5867474B2 (ja) 電縫溶接部の信頼性に優れた高炭素電縫溶接鋼管の製造方法
KR102639340B1 (ko) 중공 스태빌라이저용 전봉 강관
JP5499560B2 (ja) 成形性と耐ねじり疲労特性に優れた自動車足回り部材用高張力鋼材及びその製造方法
CN113557317A (zh) 中空稳定器用电阻焊钢管和其制造方法
JP5282449B2 (ja) 成形性と耐疲労特性に優れた高張力鋼材およびその製造方法
WO2020203874A1 (ja) 中空スタビライザー用電縫鋼管及び中空スタビライザー、並びにそれらの製造方法
US12365958B2 (en) Electric resistance-welded steel tube for hollow stabilizer, hollow stabilizer, and manufacturing methods of same
JP2005206938A (ja) 構造用Fe−Cr系鋼板とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100406

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100419

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4506486

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term