JP2006202509A - 携帯型コンピュータ - Google Patents
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Abstract
【課題】電源として燃料電池を搭載するに際して、携帯性を損ねることなく部品を搭載することのできる携帯型コンピュータを提供すること。
【解決手段】コンピュータ制御部が搭載された固定本体部10と、この固定本体部10に対して開閉可能であって、表示パネル14が搭載された可動本体部11と、この可動本体部11を固定本体部10に対して開閉可能に軸支するためのヒンジ部12とを備えた携帯型コンピュータであって、 可動本体部11の表示パネル14の裏面側にコンピュータを駆動するために配置され、平板状の1つ又は複数の燃料電池セルSにより構成される発電ユニット20と、燃料電池セルSを駆動するための水素ガスを発生し、ヒンジ部12に取り付けられる燃料ユニット31と、この燃料ユニット31により発生した水素ガスを発電ユニット20に供給するためのガス供給チューブ33とを備えた。
【選択図】図2
【解決手段】コンピュータ制御部が搭載された固定本体部10と、この固定本体部10に対して開閉可能であって、表示パネル14が搭載された可動本体部11と、この可動本体部11を固定本体部10に対して開閉可能に軸支するためのヒンジ部12とを備えた携帯型コンピュータであって、 可動本体部11の表示パネル14の裏面側にコンピュータを駆動するために配置され、平板状の1つ又は複数の燃料電池セルSにより構成される発電ユニット20と、燃料電池セルSを駆動するための水素ガスを発生し、ヒンジ部12に取り付けられる燃料ユニット31と、この燃料ユニット31により発生した水素ガスを発電ユニット20に供給するためのガス供給チューブ33とを備えた。
【選択図】図2
Description
本発明は、コンピュータ制御部が搭載された固定本体部と、この固定本体部に対して開閉可能であって、表示パネルが搭載された可動本体部と、この可動本体部を固定本体部に対して開閉可能に軸支するためのヒンジ部とを備えた携帯型コンピュータに関するものである。
ポリマー電解質のような固体高分子電解質を使用した高分子型燃料電池は、高いエネルギー効率を持ち、薄型小型・軽量であることから、家庭用ジェネレーションシステムや自動車向けに開発が活発化している。かかる燃料電池の従来技術の構造として、下記の非特許文献1に開示されており、これを図9に示す。
図9に示すように、固体高分子電解質膜100を挟んでアノード101とカソード102とを配設する。さらに、ガスケット103を介して一対のセパレータ104により挟持して単位セル105を構成する。この単位セル105を多数個積層し、単位セル105どうしを電気的に直列に接続して燃料電池Nを構成する。電極106は、積層した両端の単位セル105から取り出すことができる。このような燃料電池Nは、クリーンかつ高効率という特徴から、種々の用途、特に、電気自動車用電源や家庭用分散型電源として注目されている。
一方、近年のITの発展に伴い、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等のモバイル機器(携帯機器)のほとんどの電源は、リチウムイオン二次電池が用いられている。しかし、これらモバイル機器の高機能化に伴い消費電力がますます増加する傾向にあり、その電源用としてクリーンで高効率な燃料電池に注目が集まっている。
特に、ノートパソコンのような携帯型コンピュータに燃料電池を搭載する場合に、燃料電池セルだけでなく、それ以外の付随する部品・装置等も必要とされる。従って、携帯型コンピュータ用の電源として、燃料電池を使用する場合には、それらの点を考慮して携帯性を損ねないような構成を採用する必要がある。例えば、水素等の燃料を燃料電池セルに供給するための燃料供給装置をどのように配置するか等を考慮する必要がある。すなわち、 水素を燃料電池セルに供給するためのマイクロポンプや、水素を発生するための化学反応を起こすためには、所定の温度にするための加熱機構が必要となる。しかしながら、これらの機構を通常の形態で組み込んでいたのでは、携帯型コンピュータに搭載する燃料電池が大型化せざるを得ない。
ノートパソコンに燃料電池を搭載した従来技術として、下記特許文献1に開示されるポータブルコンピュータシステム(ノートパソコン)が知られている。このノートパソコンは、メインユニット(固定本体部に相当)にガス貯蔵器を、表示ユニット(可動本体部に相当)に燃料電池(発電ユニットに相当)を配置し、両者を連結部により連結している。下記特許文献2にも、燃料電池本体と燃料タンクを可動本体部と固定本体部に分散して配置する構造が開示されている。このように、ユニット(発電ユニット及び燃料ユニット)を分散して配置することで、ノートパソコンの携帯性を維持することが可能である。
特表2003−528384号公報
特開2003−308861号公報
日経メカニカル別冊「燃料電池開発最前線」発行日2001年6月29日、発行所:日経BP社、第3章PEFC、3.1原理と特徴p46
しかしながら、ノートパソコンの固定本体部には、CD−ROMの駆動部、ハードディスク、マザーボード、各種メモリ、グラフィックカードなど多くの部品を集約的に搭載しなければならないため、固定本体部に燃料ユニットを搭載しようとすると、固定本体部に搭載すべき部品の配置に大きな制約が生じるため、燃料ユニットを搭載しながら小型化を達成するには限度がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、電源として燃料電池を搭載するに際して、携帯性を損ねることなく部品を搭載することのできる携帯型コンピュータを提供することである。
上記課題を解決するため本発明に係る携帯型コンピュータは、
コンピュータ制御部が搭載された固定本体部と、この固定本体部に対して開閉可能であって、表示パネルが搭載された可動本体部と、この可動本体部を固定本体部に対して開閉可能に軸支するためのヒンジ部とを備えた携帯型コンピュータであって、
可動本体部の前記表示パネルの裏面側にコンピュータを駆動するために配置され、平板状の1つ又は複数の燃料電池セルにより構成される発電ユニットと、
燃料電池セルを駆動するための燃料ガスを発生し、ヒンジ部に取り付けられる燃料ユニットと、
この燃料ユニットにより発生した燃料ガスを発電ユニットに供給するためのガス供給路とを備えたことを特徴とするものである。
コンピュータ制御部が搭載された固定本体部と、この固定本体部に対して開閉可能であって、表示パネルが搭載された可動本体部と、この可動本体部を固定本体部に対して開閉可能に軸支するためのヒンジ部とを備えた携帯型コンピュータであって、
可動本体部の前記表示パネルの裏面側にコンピュータを駆動するために配置され、平板状の1つ又は複数の燃料電池セルにより構成される発電ユニットと、
燃料電池セルを駆動するための燃料ガスを発生し、ヒンジ部に取り付けられる燃料ユニットと、
この燃料ユニットにより発生した燃料ガスを発電ユニットに供給するためのガス供給路とを備えたことを特徴とするものである。
この構成による携帯型コンピュータの作用・効果を説明する。携帯型コンピュータ(例えば、ノートパソコン)は、固定本体部と、この固定本体部に対して開閉可能に設けられた可動本体部とを備えている。また、可動本体部を開閉可能にするためのヒンジ部も設けられている。固定本体部には、コンピュータ制御部(CPUなど)が搭載され、可動本体部には、表示パネル(例えば、液晶表示パネル)が搭載される。また、コンピュータを駆動するための燃料電池セル(発電ユニット)は、可動本体部の表示パネルの裏面側に搭載される。燃料電池セルは、平板状であり、1つ又は複数が搭載され、平板状に形成することで、薄型化することができ、可動本体部の大型化を抑制することができる。
また、燃料電池セルに燃料を供給するために燃料ガスを発生する燃料ユニットは、ヒンジ部に配置する。ヒンジ部に配置することで、固定本体部に配置すべき部品に対して与える制約を極めて少なくすることが可能である。燃料ユニットにより発生した燃料ガスは、ガス供給路を介して発電ユニットへ供給される。このように、発電ユニットと燃料ユニットを夫々可動本体部とヒンジ部に分散して配置することで、携帯型コンピュータの大型化を抑制しつつ、燃料電池を搭載することができる。また、燃料ユニットは、燃料ガス発生原料がなくなると、交換等する必要があるので、発電ユニットと分離させることで、メンテナンスを容易に行うことができる。その結果、電源として燃料電池を搭載するに際して、携帯性を損ねることなく部品を搭載することのできる携帯型コンピュータを提供することができる。
本発明に係る燃料ユニットは、円筒形の収容容器を備え、この収容容器の内部には、金属が収容される金属収容部と、この金属収容部の金属と反応する水が収容される水収容部と、金属収容部と水収容部とを仕切るための仕切り部と、水収容部へ水を導入するための水導入部と、金属と水とが反応して生成される水素ガスを前記ガス供給路へ導くためのガス導出部とを備えていることが好ましい。
燃料ユニットとして金属収容部と水収容部を備えており、金属と水(水蒸気の状態を含む)を反応させることで、燃料ガスとしての水素ガスを発生することができる。水収容部と金属収容部とは仕切り部で仕切られており、例えば、仕切り部をネット状部材で構成すれば、水を加熱させて水蒸気とし、この水蒸気を仕切り部を通過させることで、金属と水を反応させることができる。これにより、水素ガスを発生させガス導入部及びガス供給路を経由して発電ユニットへ供給することができる。水は消耗品であるため、水導入部を設けておき、適宜のタイミングで水を水収容部に収容させることができる。
本発明において、前記ヒンジ部には、前記水収容部へ供給すべき水を貯蔵しておく水タンクも取り付けられ、水タンクの水の貯蔵量を視認できるように構成することが好ましい。
ヒンジ部に水タンクを設けることで、供給すべき水を貯蔵しておくと共に、水の貯蔵量を視認するための構成を容易に実現することができる。例えば、水タンクに窓を設けたり、水タンクを透明の樹脂容器で形成することで、実現できる。ヒンジ部は、本来コンピュータの外観から見えやすい位置にあるため、水の貯蔵量も容易に確認することができる。
本発明において、前記収容容器は、その周囲に断熱部が構成され、この断熱部の内側に金属収容部と水収容部が設けられることが好ましい。金属と水を反応させる場合には、所定の環境温度(200℃〜400℃)である必要があり、熱が外部に容易に逃げないような構造が好ましい。そこで、金属収容部と水収容部を断熱部の内側に配置することで、熱を外部に伝わりにくくし、化学反応を効率よく行わせることができる。
本発明に係る燃料電池セルは、板状の固体高分子電解質と、その固体高分子電解質の両側に配置された一対の電極板と、この電極板の更に外側に配置された一対の金属板とを備え、これら金属板の周縁が絶縁層を間に介在させた状態でプレス曲げ加工により封止されていることが好ましい。
板状の固体高分子電解質をベースに燃料電池セルを構成することで、セルの厚みを薄くすることができ、その結果、発電ユニットの厚みも薄くしてコンパクトな形状とすることができる。また、一対の金属板の周縁を絶縁層を介してプレス曲げ加工(例えば、カシメ)により封止することで、両者の短絡を防止しながら、厚みをさほど増加させずにセルごとに確実に封止を行うことができる。また、図9に示す従来構造と比較してセルに剛性が要求されないため、各燃料電池セルを大幅に薄型化することができる。更に、固体高分子電解質や金属板を使用するため、自由な平面形状や屈曲が可能となり、小型軽量かつ自由な形状設計が可能となる。
本発明において、一対の金属板のうち、カソード側金属板には、空気取り込み用の開口部が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、カソード側金属板の開口部から空気を自然供給できるため、アノード側金属板の注入口から燃料を供給することで、各々の電極板で電極反応を生じさせることができ、電極板に接する金属板から電流を取り出すことができる。空気を自然供給する構成なので、空気を供給するための特別の部材等が不要となり、小型化に寄与することができる。
本発明に係る携帯型コンピュータの好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1、図2は、携帯型コンピュータの1例であるノートパソコンを示している。図1は、正面側から見た斜視図、図2は背面側から見た斜視図である。
<ノートパソコンにおける燃料電池の搭載>
図1,2において、ノートパソコンは、固定本体部10と可動本体部11とを備えており、可動本体部11は固定本体部10に対して開閉可能に取り付けられており、ノートパソコンを使用する時には、可動本体部11を開いた状態にする。可動本体部11は、ヒンジ部12に設けられた回転支持部13により、固定本体部10に対して回動可能に支持されている。固定本体部10の内部には、コンピュータ制御部としてのCPUやメモリ、これらを搭載したマザーボード、ハードディスク及びそのコントローラ、外部記憶媒体を駆動する装置などが組み込まれている。可動本体部11には、表示パネルとして液晶表示パネル14が搭載されている。液晶表示パネル14を駆動するための配線は、回転支持部13を介して行われる。
図1,2において、ノートパソコンは、固定本体部10と可動本体部11とを備えており、可動本体部11は固定本体部10に対して開閉可能に取り付けられており、ノートパソコンを使用する時には、可動本体部11を開いた状態にする。可動本体部11は、ヒンジ部12に設けられた回転支持部13により、固定本体部10に対して回動可能に支持されている。固定本体部10の内部には、コンピュータ制御部としてのCPUやメモリ、これらを搭載したマザーボード、ハードディスク及びそのコントローラ、外部記憶媒体を駆動する装置などが組み込まれている。可動本体部11には、表示パネルとして液晶表示パネル14が搭載されている。液晶表示パネル14を駆動するための配線は、回転支持部13を介して行われる。
本実施形態のノートパソコンは、商用電源だけでなく、ノートパソコンの内部に搭載される燃料電池モジュールにより駆動することができる。燃料電池モジュールは、可動本体部11の液晶表示パネル14の裏面側に搭載される発電ユニット20と、ヒンジ部12内の適宜の個所に搭載される燃料ユニット31と、燃料ユニット31に供給すべき水を貯蔵する水タンク32と、燃料ユニット31により発生した水素ガス(燃料ガスに相当)を発電ユニット20に供給するためのガス供給チューブ33(ガス供給路に相当)とを備えている。ガス供給チューブ33は、回転支持部13を経由して接続される。燃料ユニット31及び水タンク32は、固定本体部10に対して着脱自在に取り付けられる。
<燃料電池モジュール>
図3は、燃料電池モジュールの構成を示す図である。既に説明したように、燃料電池モジュールは、可動本体部11に搭載される発電ユニット20と、ヒンジ部12に搭載される燃料ユニット31とを備えている。発電ユニット20は、8つの燃料電池セルSが平面的に並べて配置されており、回路基板23(平板状の支持基板に相当)に対して接続されている。燃料電池セルSは平板状であり、これを平面的に並べて配置することで、出力電圧を大きくできると共に、発電ユニット20全体を薄型化することができる。なお、本発明として燃料電池セルSを何個搭載するかは、適宜決めることができる。
図3は、燃料電池モジュールの構成を示す図である。既に説明したように、燃料電池モジュールは、可動本体部11に搭載される発電ユニット20と、ヒンジ部12に搭載される燃料ユニット31とを備えている。発電ユニット20は、8つの燃料電池セルSが平面的に並べて配置されており、回路基板23(平板状の支持基板に相当)に対して接続されている。燃料電池セルSは平板状であり、これを平面的に並べて配置することで、出力電圧を大きくできると共に、発電ユニット20全体を薄型化することができる。なお、本発明として燃料電池セルSを何個搭載するかは、適宜決めることができる。
回路基板23の燃料電池セルSが搭載される面とは反対側の面には、電子回路が搭載され、主に昇圧回路と定電圧回路が搭載される。1つの燃料電池セルSによる出力電圧はごくわずかであるので、燃料電池セルSを複数直列接続することで、出力電圧を大きくすることができる。この出力電圧をさらに昇圧することで、コンピュータを駆動するのに適した電圧値にすることができる。また、燃料電池セルSの出力は安定していないため、これを安定化させるための定電圧回路を設けることで、安定した電圧をコンピュータに供給することができる。回路基板23には、不図示の電極(正極及び負極)が設けられており、これらを介してコンピュータに電源が供給される。
<燃料電池セルの基板への取り付け>
図4に示すように、各燃料電池セルSは、押さえ部材18により回路基板23に対して固定される。押さえ部材18は、例えば、リン青銅のような金属製(他の金属でもよい)であり、リン青銅板をプレス加工することにより形成することができる。燃料電池セルSの表面(図4で上側)は、後述するように金属板4により形成され、電極(正極)として機能している。従って、金属製の押さえ部材18を用いることで、燃料電池セルSの電極を回路基板23の配線パターンに接続することができる。また、燃料電池セルSの裏面(図4で下側)も金属板5(後述)であり、もう一方の電極(負極)を構成する。従って、回路基板23の表面に形成された別の電極パターンに押さえつけることで、電気的な接続を行うことができる。この電極パターンへの押さえ付けも、押さえ部材18により行うことができる。
図4に示すように、各燃料電池セルSは、押さえ部材18により回路基板23に対して固定される。押さえ部材18は、例えば、リン青銅のような金属製(他の金属でもよい)であり、リン青銅板をプレス加工することにより形成することができる。燃料電池セルSの表面(図4で上側)は、後述するように金属板4により形成され、電極(正極)として機能している。従って、金属製の押さえ部材18を用いることで、燃料電池セルSの電極を回路基板23の配線パターンに接続することができる。また、燃料電池セルSの裏面(図4で下側)も金属板5(後述)であり、もう一方の電極(負極)を構成する。従って、回路基板23の表面に形成された別の電極パターンに押さえつけることで、電気的な接続を行うことができる。この電極パターンへの押さえ付けも、押さえ部材18により行うことができる。
押さえ部材18は、枠形状を有する押え部18aと、回路基板23に固定するための爪部18bとを有している。燃料電池セルSの外縁部4a(矩形のセルの四辺部)を押え部18aにより押さえつけ、回路基板23に形成された孔23aを利用して、押さえ部材18の爪部18bをはんだ付け等により固定する。これにより、燃料電池セルSを回路基板23に対して固定することができると共に、配線パターンとも電気的に接続することができる。
回路基板23の裏面には、昇圧回路(電子回路に相当)が設けられている。1つの燃料電池セルにより取り出せる出力電圧は0.5V程度である。これを図示のように2つ設けて直列接続すれば、1V程度の出力電圧となる。一方、コンピュータの内部の回路に電源を供給するためには、15V程度の出力電圧が必要である。そこで、上記のような昇圧回路(DC−DCコンバータ)を設けることで、適切な電圧に昇圧して、ノートパソコン本体に供給することができる。ただし、昇圧回路は公知の回路構成を用いることができる。コンピュータに電源供給するための端子部の位置及び形状は、図示しないが、特定の形態に限定されるものではなく、適宜の構成にすることができる。
<燃料ユニットの構成>
次に燃料ユニット31の具体的な構成を図5の概念図(断面図)により説明する。燃料ユニット31は、ケース部材としての収容容器35を備えており、電磁誘導(この点は後述する)による加熱が行われにくい材料により形成される。例えば、アルミニウム、チタンのような非磁性金属材料やセラミック、耐熱性樹脂などにより形成される。また、収容容器35は、外観に現れる外壁部35aと、内部の内壁部35bにより構成される二重構造となっており、これら外壁部35aと内壁部35bにより形成される内部空間は真空断熱層35c(断熱部に相当)が形成されている。この真空断熱層35cを形成することにより、内部の化学反応により発生する熱が外部に容易に逃げていかないような構造としている。収容容器35は、全体として円筒形形状に形成されており、ヒンジ部12の形状にマッチさせている。
次に燃料ユニット31の具体的な構成を図5の概念図(断面図)により説明する。燃料ユニット31は、ケース部材としての収容容器35を備えており、電磁誘導(この点は後述する)による加熱が行われにくい材料により形成される。例えば、アルミニウム、チタンのような非磁性金属材料やセラミック、耐熱性樹脂などにより形成される。また、収容容器35は、外観に現れる外壁部35aと、内部の内壁部35bにより構成される二重構造となっており、これら外壁部35aと内壁部35bにより形成される内部空間は真空断熱層35c(断熱部に相当)が形成されている。この真空断熱層35cを形成することにより、内部の化学反応により発生する熱が外部に容易に逃げていかないような構造としている。収容容器35は、全体として円筒形形状に形成されており、ヒンジ部12の形状にマッチさせている。
収容容器35の内部空間には、鉄収容部36(金属収容部に相当)と水収容部37とが隣接配置される。鉄収容部36は、鉄収容容器としての金属パイプ36aが配置されている。この金属パイプ36aは、電磁誘導による加熱されやすい金属材料で形成され、ステンレス、鉄、鉄系合金、ニッケル、ニッケル系合金などが例としてあげられる。鉄収容部36は、その外周部がOリング38によって、収容容器35の内壁面に支持される。Oリング38を使用することで、鉄収容部36において発生する熱が収容容器35に伝わりにくくしている。鉄収容部36の内部空間39には、純鉄の粉末(ナノ粒子)が収容される。ただし、鉄を収容する形態は粉末に限定されるものではなく、タブレットのような形で収容しても良い。純鉄のタブレットは、例えば、純鉄の粉末を金型で圧縮成型することで得られる。
水収容部37としてアルミパイプ37aを設けており、その内部に水40が保持される。アルミパイプ37aは、金属パイプ36aと同じ理由でOリング45により、収容容器35の内壁面に保持される。水収容部37の上端部にはキャップ46がされ、このキャップ46とアルミパイプ37aの内面との間に、給水紙47が挟持される。水収容部37内の水は、毛細管現象により給水紙47を伝わって上昇し、水収容部37の外部に臨む。給水紙47を設けることで、鉄収容部36へ供給される水の量を規定することができる。
水収容部37と鉄収容部36とは、ネット状部材41(仕切り部に相当)により仕切られている。水収容部37に収容されている水が給水紙47を伝わって上昇してくると、上昇してきた水は加熱されて水蒸気となり、この水蒸気はネット状部材を通過して鉄収容部36へと移動する。この水蒸気と純鉄とが反応して水素ガスを発生する。ネット状部材41は、水蒸気のみを通過させ、純鉄が通過しないようなフィルターとしての機能を有する。
水収容部37に収容される水は消耗品であるので、適宜補充する必要がある。そこで、水導入パイプ42(水導入部に相当)が設けられており、水タンク32へ繋がるパイプ34と連結される。水タンク32は図3に示すように円筒形形状であり、その内部に水が貯蔵される。水タンク32と燃料ユニット31とは、切り離すことが可能であり、パイプ34と水導入パイプ42とを連結するための連結部34aが設けられる。連結部34aを切り離した場合、水導入パイプ42の先端は適宜の方法で塞ぐことが好ましい。例えば、不図示のキャップを装着することで蓋をすることができる。水タンク32と燃料ユニット31とは、切り離し可能な構造ではなく、予め一体化された構造を採用しても良い。すなわち、水タンク32も含めて燃料ユニット31とすることもできる。この場合、連結部34aの構成は不要となる。
水タンク32は、内部の水の貯蔵量を視認できる構造が好ましい。例えば、図2に示すように、ケース外観に窓32aを設けて、水の貯蔵量を確認することができる。また、水タンク32を透明な樹脂で成型することで、外部から容易に視認可能になる。水タンク32の水を水収容部37に供給する場合、手動で注入するようにしても良いし、パイプ34の途中にポンプ(不図示)を設けて、適宜のタイミングでポンプを駆動させることで、水を補充するようにしても良い。
鉄と水(水蒸気)の化学反応により発生した水素ガスは、ガス導出パイプ43(ガス導出部に相当)を通って、ガス供給チューブ33へ送られ、発電ユニット20の各燃料電池セルSへと供給される。燃料ユニット31をヒンジ部12から取り出すときには、燃料ユニット31をガス供給チューブ33と切り離す必要がある。そのため、ガス供給チューブ33の先端には、連結部33aが設けられている。連結部33aを切り離した場合、ガス供給チューブ33の先端は適宜の方法で塞ぐことが好ましい。例えば、先ほど説明したキャップを装着することで蓋をすることができる。
収容容器35の円筒軸方向の一端側には、容器蓋44が設けられる。容器蓋44は、例えば、コルクのような部材で形成され、内部の熱が外部に伝わりにくい材質により形成されることが好ましい。容器蓋44を水導入パイプ42とガス導出パイプ43が貫通する構造となっている。
次に、燃料ユニット31において水素ガスを発生させるときの化学反応について説明する。鉄収容部36に収容されている純鉄を水(水蒸気)と反応させることで、純水素を発生する。発生した水素は、ガス供給チューブ33を通って、燃料電池セルSへと供給される。
水素を発生するときの化学反応は、次の式に示すとおりである。
[化1]
4H2O+3Fe → Fe3O4+4H2
すなわち、 純鉄に水(水蒸気)を供給すると、これらが反応し、酸化鉄と水素ガスを生成する。この化学反応では、二酸化炭素や一酸化炭素のような環境に対して悪影響を与えるガスを発生しない。すなわち、 クリーンなエネルギーであるということができる。水素ガスのみ(純水素)が、燃料電池セルSに対して供給されることになる。水収容部37には、水が収容されているが、加熱することにより水蒸気を発生させ、これを鉄収容部36へと供給することが可能である。
[化1]
4H2O+3Fe → Fe3O4+4H2
すなわち、 純鉄に水(水蒸気)を供給すると、これらが反応し、酸化鉄と水素ガスを生成する。この化学反応では、二酸化炭素や一酸化炭素のような環境に対して悪影響を与えるガスを発生しない。すなわち、 クリーンなエネルギーであるということができる。水素ガスのみ(純水素)が、燃料電池セルSに対して供給されることになる。水収容部37には、水が収容されているが、加熱することにより水蒸気を発生させ、これを鉄収容部36へと供給することが可能である。
鉄収容部36における化学反応は、100℃〜400℃程度で行われる。鉄収容部36を上記温度範囲に維持するために、真空断熱層35cが設けられている。なお、補助的な加熱手段として、収容容器35の内壁面にフィルムヒーターを設けても良い。フィルムヒーターを駆動するための配線構造や加熱回路は、別途設けられる。
<燃料ユニットの加熱システム>
次に、燃料ユニット31を加熱するシステムについて説明する。燃料ユニット31において水素ガスを発生するためには、何らかの方法で燃料ユニット31の内部を加熱し、化学反応を行うに適した環境温度にする必要がある。例えば、先ほど説明したようなフィルムヒーターを燃料ユニット31の内部に設けておけば加熱できるが、ノートパソコンを長時間使用しなかった後に燃料ユニット31を立ち上げる場合、フィルムヒーターによる加熱を行えないことがある。例えば、ノートパソコン内に設けられている2次電池が蓄電されておらず、使用できなくなっている場合である。このような場合、燃料ユニット31をスムーズに立ち上げるための加熱システムが必要となる。そこで、図6の実施形態に示すような電磁誘導加熱ユニット50を用いた加熱システムを用いる。
次に、燃料ユニット31を加熱するシステムについて説明する。燃料ユニット31において水素ガスを発生するためには、何らかの方法で燃料ユニット31の内部を加熱し、化学反応を行うに適した環境温度にする必要がある。例えば、先ほど説明したようなフィルムヒーターを燃料ユニット31の内部に設けておけば加熱できるが、ノートパソコンを長時間使用しなかった後に燃料ユニット31を立ち上げる場合、フィルムヒーターによる加熱を行えないことがある。例えば、ノートパソコン内に設けられている2次電池が蓄電されておらず、使用できなくなっている場合である。このような場合、燃料ユニット31をスムーズに立ち上げるための加熱システムが必要となる。そこで、図6の実施形態に示すような電磁誘導加熱ユニット50を用いた加熱システムを用いる。
鉄収容部36を加熱するための加熱手段として電磁コイル51が設けられている。電磁コイル51は、収容ケース52内に収容されている。収容ケース52には、収容凹部52aが形成されており、燃料ユニット31を着脱自在に挿入することができる。収容凹部52aの大きさは、燃料ユニット31の外形サイズよりも少し大きなサイズとなるように設定されている。電磁誘導加熱ユニット50には、商用電源に接続するためのコンセントが設けられており、例えば、家電製品の充電器と同じように取り扱うことが可能である。
駆動回路53は、電磁コイル51を駆動するための電子回路等により構成される。装着センサー54は、燃料ユニット31が電磁誘導加熱ユニット50に装着されたことを検出するセンサーである。例えば、反射型の光センサーにより構成される。装着検出部55は、装着センサー54の検出結果に基づいて、燃料ユニット31が装着されたか否かを検出する。タイマー設定部56は、鉄収容部36が所定温度に加熱されたことを検出するために設けられており、予め決められた時間データが設定されている。制御部57は、燃料ユニット31が装着されたことが検出されると、駆動回路53に指令を与えて、電磁コイル51を駆動させる。
表示ランプ58は、燃料ユニット31が装着されたことや鉄収容部36が所定温度になったことを表示させる。表示ランプ58は、例えばLEDを使用することができる。表示駆動回路59は、表示ランプ58の表示制御を行うための電子回路等により構成される。制御部57は、装着検出部55やタイマー設定部56に基づいて、表示ランプ58に対する表示制御を行うことができる。表示ランプ58の表示形態(例えば、点灯、点滅)は、表示させたい内容に応じて変化するように制御される。
<加熱動作>
次に、図6に示す水素ガス発生ユニットの加熱システムを用いて、鉄収容部36の加熱を行う場合の動作を説明する。ノートパソコンから、水素燃料ユニット31を取り出してキャップ60をした後、電磁誘導加熱ユニット50に装着する。装着を完了すると、装着センサー54により燃料ユニット31が検出され、電磁コイル51に駆動が開始される。これと同時に、表示ランプ58が例えば点滅して表示される。この点滅表示により、鉄収容部36が加熱中であることがわかる。鉄収容部36の金属パイプ36aはステンレス等であるので、電磁コイル51により加熱されるが、収容容器35はアルミニウム等であるので加熱されにくい。これにより、燃料ユニット31の内部にある鉄収容部36のみを加熱することができる。また、鉄収容部36が加熱されることで、その熱は水収容部37にも伝達される。
次に、図6に示す水素ガス発生ユニットの加熱システムを用いて、鉄収容部36の加熱を行う場合の動作を説明する。ノートパソコンから、水素燃料ユニット31を取り出してキャップ60をした後、電磁誘導加熱ユニット50に装着する。装着を完了すると、装着センサー54により燃料ユニット31が検出され、電磁コイル51に駆動が開始される。これと同時に、表示ランプ58が例えば点滅して表示される。この点滅表示により、鉄収容部36が加熱中であることがわかる。鉄収容部36の金属パイプ36aはステンレス等であるので、電磁コイル51により加熱されるが、収容容器35はアルミニウム等であるので加熱されにくい。これにより、燃料ユニット31の内部にある鉄収容部36のみを加熱することができる。また、鉄収容部36が加熱されることで、その熱は水収容部37にも伝達される。
電磁コイル51の加熱により水収容部37の水が加熱され水蒸気となる。この水蒸気が鉄収容部36へと供給され純鉄と反応する。これにより、水素ガスが発生する。電磁コイル51による加熱は鉄収容部36に伝達されるため、水素ガスを発生させる化学反応を効率よく行うことができる。タイマー設定部56において設定されている所定時間が到達すると、制御部57は電磁コイル51による加熱を停止するように、駆動回路53に対して指令を与える。また、表示駆動回路59に対しても指令を与え、表示ランプ58の表示態様を点滅から点灯に切り替える。これにより、加熱が終了したことを認識することができる。そこで、電磁誘導加熱ユニット50から燃料ユニット31を取り出し、再びノートパソコンに装着させる。このとき、一番外側の収容容器35は(ほとんど)加熱されないため、手で触れたとしても問題はない。
ノートパソコンに一旦装着した後は、フィルムヒーターにより鉄収容部36を加熱することが可能である。ノートパソコンを長期の間、使用しなかった場合には、再び燃料ユニット31を取り出して電磁誘導加熱ユニット50にセットすればよい。
<燃料電池セルの構成>
次に、燃料電池セルSの構成を図7及び図8により説明する。図7は、本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す組み立て斜視図であり、図8は、本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す縦断面図である。
次に、燃料電池セルSの構成を図7及び図8により説明する。図7は、本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す組み立て斜視図であり、図8は、本発明の燃料電池の単位セルの一例を示す縦断面図である。
本発明の燃料電池セルは、図7〜図8に示すように、板状の固体高分子電解質1と、その固体高分子電解質1の一方側に配置されたカソード側電極2と、他方側に配置されたアノード側電極板3とを備えるものである。本実施形態では、アノード側金属板5に、エッチングにより燃料の流路溝9が形成され、アノード側金属板5とカソード側金属板4の周縁部がエッチングにより他の部分より厚みを薄くしてある例を示す。
固体高分子電解質1としては、従来の固体高分子膜型電池に用いられるものであれば何れでもよいが、化学的安定性及び導電性の点から、超強酸であるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が好適に用いられる。このような陽イオン交換膜としては、ナフィオン(登録商標)が好適に用いられる。その他、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂からなる多孔質膜に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を含浸させたものや、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質膜や不織布に上記ナフィオンや他のイオン伝導性物質を担持させたものでもよい。固体高分子電解質1の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、イオン伝導機能、強度、ハンドリング性などを考慮すると、10〜300μmが使用可能であるが、25〜50μmが好ましい。
電極板2,3は、ガス拡散層としての機能を発揮して、燃料ガスや、酸化ガス及び水蒸気の供給・排出を行なうと同時に、集電の機能を発揮するものが使用できる。電極板2,3としては、同一又は異なるものが使用でき、その基材には電極触媒作用を有する触媒を担持させることが好ましい。触媒は、固体高分子電解質1と接する内面2b,3bに少なくとも担持させるのが好ましい。
電極基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボン繊維不織布などの繊維質カーボン、導電性高分子繊維の集合体などの電導性多孔質材が使用できる。一般に、電極板2,3は、このような電導性多孔質材にフッ素樹脂等の撥水性物質を添加して作製されるものであって、触媒を担持させる場合、白金微粒子などの触媒とフッ素樹脂等の撥水性物質とを混合し、これに溶媒を混合して、ペースト状或いはインク状とした後、これを固体高分子電解質膜と対向すべき電極基材の片面に塗布して形成される。
一般に、電極板2,3や固体高分子電解質1は、燃料電池に供給される還元ガスと酸化ガスに応じた設計がなされる。本発明では、酸化ガスとして空気が用いられると共に、還元ガスとして水素ガスを用いるのが好ましい。また、還元ガスの代わりに、メタノールやジメチルエーテル等を用いることもできる。
例えば、水素ガスと空気を使用する場合、空気が自然供給される側のカソード側電極2では、酸素と水素イオンの反応が生じて水が生成するため、かかる電極反応に応じた設計をするのが好ましい。特に、低作動温度、高電流密度及び高ガス利用率の運転条件では、特に水が生成する空気極において水蒸気の凝縮による電極多孔体の閉塞(フラッディング)現象が起こりやすい。したがって、長期にわたって燃料電池の安定な特性を得るためには、フラッディング現象が起こらないように電極の撥水性を確保することが有効である。
触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、銀、ニッケル、鉄、銅、コバルト及びモリブデンから選ばれる少なくとも1種の金属か、又はその酸化物が使用でき、これらの触媒をカーボンブラック等に予め担持させたものも使用できる。
電極板2,3の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、電極反応、強度、ハンドリング性などを考慮すると、50〜500μmが好ましい。電極板2,3と固体高分子電解質1とは、予め接着、融着等を行って積層一体化しておいてもよいが、単に積層配置されているだけでもよい。このような積層体は、薄膜電極組立体(Membrane Electrode Assembly:MEA)として入手することもでき、これを使用してもよい。
カソード側電極板2の表面にはカソード側金属板4が配置され、アノード側電極板3の表面にはアノード側金属板5が配置される。アノード側金属板5には燃料の注入口5c及び排出口5dが設けられ、更に本実施形態では、アノード側金属板5に流路溝9が設けられている。
カソード側金属板4には、空気中の酸素を供給するための多数の開口部4cが設けられている。開口部4cは、カソード側電極板2が露出可能であれば、その個数、形状、大きさ、形成位置などは何れでもよい。但し、空気中の酸素の供給効率と、カソード側電極板2からの集電効果などを考慮すると、開口部4cの面積はカソード側電極板2の面積の10〜50%であるのが好ましく、特に20〜40%であるのが好ましい。カソード側金属板4の開口部4cは、例えば規則的又はランダムに複数の円孔やスリット等を設けたり、または金属メッシュによって開口部を設けてもよい。
金属板4,5としては、電極反応に悪影響がないものであれば何れの金属も使用でき、例えばステンレス板、ニッケル、銅、銅合金などが挙げられる。但し、伸び、重量、弾性率、強度、耐腐食性、プレス加工性、エッチング加工性などの観点から、ステンレス板、ニッケルなどが好ましい。
アノード側金属板5に設けられる流路溝9は、電極板3との接触により水素ガス等の流路が形成できるものであれば何れの平面形状や断面形状でもよい。但し、流路密度、積層時の積層密度、屈曲性などを考慮すると、金属板5の一辺に平行な縦溝9aと垂直な横溝9bを主に形成するのが好ましい。本実施形態では、複数本(図示した例では3本)の縦溝9aが横溝9bに直列接続されるようにして、流路密度と流路長のバランスを取っている。
なお、このような金属板5の流路溝9の一部(例えば横溝9b)を電極板3の外面に形成してもよい。電極板3の外面に流路溝を形成する方法としては、加熱プレスや切削などの機械的な方法でもよいが、微細加工を好適に行う上で、レーザ照射によって溝加工を行うことが好ましい。レーザ照射を行う観点からも、電極板2,3の基材としては、繊維質カーボンの集合体が好ましい。
金属板5の流路溝9に連通する注入口5c及び排出口5dは、それぞれ1個又は複数を形成することができる。なお、金属板4,5の厚みは、薄くするほど全体の薄型化に有効であるが、強度、伸び、重量、弾性率、ハンドリング性などを考慮すると、0.1〜1mmが好ましい。金属板5に流路溝9を形成する方法としては、加工の精度や容易性から、エッチングが好ましい。エッチングによる流路溝9では、幅0.1〜10mm、深さ0.05〜1mmが好ましい。また、流路溝9の断面形状は、略四角形、略台形、略半円形、V字形などが好ましい。
金属板4への開口部4cの形成、金属板4,5の周辺部の薄肉化、金属板5への注入口5c等の形成についても、エッチングを利用するのが好ましい。エッチングは、例えばドライフィルムレジストなどを用いて、金属表面に所定形状のエッチングレジストを形成した後、金属板4,5の種類に応じたエッチング液を用いて行うことが可能である。また、2種以上の金属の積層板を用いて、金属ごとに選択的にエッチングを行うことで、流路溝9の断面形状をより高精度に制御することができる。
図8に示す実施形態は、金属板4,5のカシメ部(周辺部)をエッチングにより厚みを薄くした例である。このように、カシメ部をエッチングして適切な厚さにすることで、カシメによる封止(プレス曲げ加工による封止に相当)をより容易に行うことができる。この観点から、カシメ部の厚みとしては、0.05〜0.3mmが好ましい。
本発明では、金属板4,5の周縁は、電気的に絶縁した状態でカシメにより封止されている。電気的な絶縁は、絶縁材料6や固体高分子電解質1の周縁部、又はその両者を介在させることで行うことができる。本発明では、カシメを行う際、図8に示すように、金属板4,5の周縁によって固体高分子電解質1を挟持する構造が好ましく、絶縁材料6を介在させつつ固体高分子電解質1を挟持する構造がより好ましい。このような構造によると、電極板2,3の一方から他方へのガス等の流入を効果的に防止することができる。絶縁材料6の厚みとしては、薄型化の観点から、0.1mm以下が好ましい。なお、絶縁材料をコーティングすることにより、更なる薄型化が可能である(例えば絶縁材料6の厚み1μmも可能)。
絶縁材料6としては、シート状の樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマー、セラミックスなどが使用できるが、シール性を高める上で、樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが好ましく、特にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミドが好ましい。絶縁材料6は、金属板4,5の周縁に直接あるいは粘着剤を介して貼着したり、塗布したりして、予め金属板4,5に一体化しておくことも可能である。
カシメ構造としては、シール性や製造の容易性、厚み等の観点から図8に示すものが好ましい。つまり、一方の金属板5の外縁部5aを他方の外縁部4aより大きくしておき、絶縁材料6を介在させつつ、一方の金属板5の外縁部5aを他方の金属板4の外縁部4aを挟圧するように折り返したカシメ構造が好ましい。このカシメ構造では、プレス加工等によって、金属板4の外縁部4aに段差を設けておくのが好ましい。このようなカシメ構造自体は金属加工として公知であり、公知のカシメ装置によって、それを形成することができる。
図8には、注入口5cにジョイント用の金属製ピン5eが金属板5に対して取り付けられている。この取り付けは、カシメや圧入により行うことができる。このピン5eに対して、ガス供給チューブ33を圧入して取り付けることができる。
本発明の燃料電池セルを用いると、薄型化が可能で小型軽量かつ自由な形状設計が可能である。
本発明では、ヒンジ部12に燃料ユニット31を配置しているので、固定本体部10の内部に配置されるコンピュータ制御部に対して制約を与えることがなく、また、ノートパソコンとしての携帯性を維持することができる。また、ヒンジ部12に燃料ユニット31を配置することで、ヒンジ部12の強度アップに寄与することができる。
<別実施形態>
ヒンジ部12の大きさは適宜設定することができるとともに、ヒンジ部12への燃料ユニット31の配置場所やサイズなどは適宜決めることができる。本実施形態において、燃料ユニット31は、円筒形であるが、これに限定されるものではなく、他の形状を採用しても良い。ただし、円筒形にすることで、ヒンジ部12に効率よく配置することができる。また、燃料ユニット31と水タンク32は、別々に取り出す構造を開示しているが、燃料ユニット31と水タンク32とを一体化したユニットとし、一緒に取り出すことができるようにしても良い。燃料ユニット31と水タンク32は、収容容器35そのものが外観を構成してもよいが、ヒンジ部12に蓋部材を設け(例えば、電子機器で単三電池を収容する電池室のように)、蓋部材を開けると、燃料ユニット31や水タンク32を取り出せるようにすることもできる。この場合、蓋部材を透明にするか窓を設けることで、水タンク32内の水の貯蔵量を確認できるようにする。
ヒンジ部12の大きさは適宜設定することができるとともに、ヒンジ部12への燃料ユニット31の配置場所やサイズなどは適宜決めることができる。本実施形態において、燃料ユニット31は、円筒形であるが、これに限定されるものではなく、他の形状を採用しても良い。ただし、円筒形にすることで、ヒンジ部12に効率よく配置することができる。また、燃料ユニット31と水タンク32は、別々に取り出す構造を開示しているが、燃料ユニット31と水タンク32とを一体化したユニットとし、一緒に取り出すことができるようにしても良い。燃料ユニット31と水タンク32は、収容容器35そのものが外観を構成してもよいが、ヒンジ部12に蓋部材を設け(例えば、電子機器で単三電池を収容する電池室のように)、蓋部材を開けると、燃料ユニット31や水タンク32を取り出せるようにすることもできる。この場合、蓋部材を透明にするか窓を設けることで、水タンク32内の水の貯蔵量を確認できるようにする。
水(水蒸気)と反応する金属として、鉄以外の金属を用いても良い。
図7,8では、絶縁材料6(絶縁層に相当)を介してカシメを行っているが、固体高分子電解質1の周縁部を延ばし、これを介在させてカシメを行ってもよい。この場合、固体高分子電解質1が絶縁層として機能する。この場合は、絶縁材料を設ける必要がないので、構成を簡素化することができる。
本実施形態では、エッチングによりアノード側金属板3に流路溝9を形成する例を示したが、本発明では、プレス加工、切削などの機械的な方法により、アノード側金属板に流路溝を形成してもよい。プレス加工により流路溝9を形成する場合、流路溝9としては幅0.1〜10mm、深さ0.1〜10mmが好ましい。また、流路溝9の断面形状は、略四角形、略台形、略半円形、V字形などが好ましい。燃料電池セルSに形成する開口部4cの大きさや個数については、適宜設定することができる。カソード側金属板4の構成は、本実施形態に限定されるものではなく、アノード側金属板3と同じように注入口・排出口・流路溝を形成する構成を採用しても良い。
本実施形態では、携帯型コンピュータとしてノートパソコンをあげて説明したが、これに限定されるものではない。
1 固体高分子電解質
2 カソード側電極板
3 アノード側電極板
4 カソード側金属板
5 アノード側金属板
10 固定本体部
11 可動本体部
12 ヒンジ部
13 回転支持部
14 液晶表示パネル
18 押さえ部材
20 発電ユニット
23 回路基板
31 燃料ユニット
32 水タンク
32a 窓
33 ガス供給チューブ
35 収容容器
35c 真空断熱層
36 鉄収容部
36a 金属パイプ
37 水収容部
40 水
41 ネット状部材(仕切り部材)
42 水導入パイプ
43 ガス導出パイプ
S 燃料電池セル
2 カソード側電極板
3 アノード側電極板
4 カソード側金属板
5 アノード側金属板
10 固定本体部
11 可動本体部
12 ヒンジ部
13 回転支持部
14 液晶表示パネル
18 押さえ部材
20 発電ユニット
23 回路基板
31 燃料ユニット
32 水タンク
32a 窓
33 ガス供給チューブ
35 収容容器
35c 真空断熱層
36 鉄収容部
36a 金属パイプ
37 水収容部
40 水
41 ネット状部材(仕切り部材)
42 水導入パイプ
43 ガス導出パイプ
S 燃料電池セル
Claims (6)
- コンピュータ制御部が搭載された固定本体部と、この固定本体部に対して開閉可能であって、表示パネルが搭載された可動本体部と、この可動本体部を固定本体部に対して開閉可能に軸支するためのヒンジ部とを備えた携帯型コンピュータであって、
可動本体部の前記表示パネルの裏面側にコンピュータを駆動するために配置され、平板状の1つ又は複数の燃料電池セルにより構成される発電ユニットと、
燃料電池セルを駆動するための燃料ガスを発生し、ヒンジ部に取り付けられる燃料ユニットと、
この燃料ユニットにより発生した燃料ガスを発電ユニットに供給するためのガス供給路とを備えたことを特徴とする携帯型コンピュータ。 - 前記燃料ユニットは、円筒形の収容容器を備え、この収容容器の内部には、金属が収容される金属収容部と、この金属収容部の金属と反応する水が収容される水収容部と、金属収容部と水収容部とを仕切るための仕切り部と、水収容部へ水を導入するための水導入部と、金属と水とが反応して生成される水素ガスを前記ガス供給路へ導くためのガス導出部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型コンピュータ。
- 前記ヒンジ部には、前記水収容部へ供給すべき水を貯蔵しておく水タンクも取り付けられ、水タンクの水の貯蔵量を視認できるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の携帯型コンピュータ。
- 前記収容容器は、その周囲に断熱部が構成され、この断熱部の内側に金属収容部と水収容部が設けられることを特徴とする請求項2又は3に記載の携帯型コンピュータ。
- 前記燃料電池セルは、板状の固体高分子電解質と、その固体高分子電解質の両側に配置された一対の電極板と、この電極板の更に外側に配置された一対の金属板とを備え、これら金属板の周縁が絶縁層を間に介在させた状態でプレス曲げ加工により封止されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の携帯型コンピュータ。
- 一対の金属板のうち、カソード側金属板には、空気取り込み用の開口部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の携帯型コンピュータ。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013104716A (ja) * | 2011-11-11 | 2013-05-30 | Konica Minolta Holdings Inc | 鉄の酸化状態検出装置及びそれを備えた燃料電池装置 |
GB2531279A (en) * | 2014-10-14 | 2016-04-20 | Intelligent Energy Ltd | Fuel cells in computer devices |
CN106168835A (zh) * | 2016-07-11 | 2016-11-30 | 潜山共同创网络科技有限公司 | 一种便携式计算机控制箱 |
WO2019234961A1 (ja) * | 2018-06-08 | 2019-12-12 | フレンド株式会社 | 水素混合ガスの生成方法 |
-
2005
- 2005-01-18 JP JP2005009932A patent/JP2006202509A/ja active Pending
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