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JP2006199688A - 角結膜障害治療剤 - Google Patents

角結膜障害治療剤 Download PDF

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JP2006199688A
JP2006199688A JP2005365662A JP2005365662A JP2006199688A JP 2006199688 A JP2006199688 A JP 2006199688A JP 2005365662 A JP2005365662 A JP 2005365662A JP 2005365662 A JP2005365662 A JP 2005365662A JP 2006199688 A JP2006199688 A JP 2006199688A
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methylsulfinyl
benzimidazole
pyridyl
methoxy
lower alkoxy
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JP2005365662A
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Masatane Nakamura
雅胤 中村
Shinichiro Hirai
慎一郎 平井
Keiichi Shibagaki
圭一 柴垣
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Santen Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Santen Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract


【課題】 角結膜障害治療剤を探索すること。
【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物またはその塩は、角膜障害モデルにおいて優れた改善効果を発揮し、ドライアイ、角膜潰瘍、角膜炎、結膜炎、点状表層角膜症、角膜上皮欠損、結膜上皮欠損、乾性角結膜炎、上輪部角結膜炎、糸状角膜炎などの角結膜障害の治療剤として有用である。式中、Xは、CHまたはNを示し;R1は、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基または含窒素芳香族複素環を示し;R2は、低級アルキル基、ヒドロキシ基または置換基を有してもよい低級アルコキシ基を示し;R3は、ヒドロキシ基または置換基を有してもよい低級アルコキシ基を示し;mは、0〜2の整数を示し、mが2以上の場合には、各R2は同一または異なっていてもよい。
【化1】
Figure 2006199688

【選択図】 なし

Description

本発明は、スルフィニル系化合物を有効成分として含有する角結膜障害治療剤に関する。
角膜は、直径約1cm、厚さ約1mmの透明な無血管の組織であり、また、結膜は、角膜縁より後方の眼球表面と眼瞼の裏面を覆っている粘膜である。角膜や結膜が障害をうけると、視機能に重要な影響を及ぼすことが知られている。角膜潰瘍、角膜炎、結膜炎、ドライアイ等の種々の疾患により引き起こされる角結膜障害は、角膜上皮や結膜上皮の正常な再構築に悪影響を与え、結果として、角膜実質や角膜内皮の構造や機能まで害されることがある。近年、細胞生物学の発展に伴い、細胞の分裂・移動・接着・伸展・分化等に関与する因子が解明されており、これらの因子が角結膜障害の修復に重要な役割を担っていることが報告されている(非特許文献1、非特許文献2)。
一方、スルフィニル系化合物は、オメプラゾールにはじまる新しい作用機序の薬剤であり、H+―K+―ATPase(プロトンポンプ)の阻害作用を示すことが知られている。特許文献1は、ピリジン誘導体およびその製造法に関する発明を記載し、ランソプラゾールなどのスルフィニル系化合物が、抗潰瘍剤として有用であることが開示されている。また、特許文献2は、ピリジン誘導体およびそれを含有する潰瘍治療剤に関する発明を記載し、ラベプラゾールなどのスルフィニル系化合物は胃酸分泌抑制作用を有し、消化性潰瘍剤として利用できることが開示されている。特許文献3は、ジアルコキシピリジンおよびそれを含有する薬剤に関する発明を記載し、パントプラゾールなどのスルフィニル系化合物は温血動物の胃酸の分泌を抑制し、胃腸保護作用を示すことが開示されている。
しかしながら、これらのスルフィニル系化合物について、ドライアイなどの角結膜疾患に対する薬理作用を検討する報告はない。
特公平2−44473号公報 特公平6−74272号公報 特公平3−13234号公報 臨眼,46, 738-743 (1992) 眼科手術,5, 719-727 (1992)
スルフィニル系化合物について、新たな医薬用途を探索することは興味深い課題である。
本発明者等は、スルフィニル系化合物の新たな医薬用途を探索すべく鋭意研究を行ったところ、角膜障害モデルを用いた治癒効力試験において、(±)−2−[(3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール)、(±)−2−[(4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩(ラベプラゾールナトリウム)、(RS)−2−[ (3,5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩(オメプラゾールナトリウム)および(RS)−5−ジフルオロメトキシ−2−[[(3,4−ジメトキシ)−2−ピリジル]メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩(パントプラゾールナトリウム)がいずれも角膜障害に対して優れた改善効果を発揮することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
[1]下記一般式(1)で表される化合物またはその塩(以下、本化合物という)を有効成分として含有する角結膜障害治療剤、
Figure 2006199688
式中、Xは、CHまたはNを示し;
1は、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基または含窒素芳香族複素環を示し;
2は、低級アルキル基、ヒドロキシ基または置換基を有してもよい低級アルコキシ基を示し;
3は、ヒドロキシ基または置換基を有してもよい低級アルコキシ基を示し;
mは、0〜2の整数を示し、mが2の場合には、各R2は同一または異なっていてもよい。
[2]置換基を有してもよい低級アルコキシ基の置換基が、ハロゲン原子または低級アルコキシ基である前[1]記載の角結膜障害治療剤、
[3]一般式(1)で表される化合物が、(±)−2−[(3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール、(±)−2−[(4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール、(RS)−2−[ (3,5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール、(RS)−5−ジフルオロメトキシ−2−[[(3,4−ジメトキシ)−2−ピリジル]メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールまたはその塩である前[1]または[2]記載の角結膜障害治療剤、
[4]一般式(1)で表される化合物の塩が、(±)−2−[(4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩、(RS)−2−[ (3,5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩、(RS)−2−[ (3,5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール ヘミマグネシウム塩または(RS)−5−ジフルオロメトキシ−2−[[(3,4−ジメトキシ)−2−ピリジル]メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩である前[1]または[2]記載の角結膜障害治療剤、
[5]角結膜障害が、ドライアイ、角膜潰瘍、角膜炎、結膜炎、点状表層角膜症、角膜上皮欠損、結膜上皮欠損、乾性角結膜炎、上輪部角結膜炎または糸状角膜炎である前[1]〜[4]のいずれか1記載の角結膜障害治療剤、および
[6]剤型が、点眼剤または眼軟膏剤である前[1]〜[5]のいずれか1記載の角結膜障害治療剤、である。
以下に、本明細書中で規定した各基、環および原子について詳しく説明する。なお、置換基は、原子であってもよい。
「低級アルキル基」とは、炭素原子数1〜6個の直鎖または分枝のアルキル基を示し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル基等が挙げられる。
「低級アルコキシ基」とは、炭素原子数1〜6個の直鎖または分枝のアルコキシ基を示し、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を示す。
「置換基を有してもよい低級アルコキシ基」の置換基としては、ハロゲン原子および低級アルコキシ基から選択される1〜5個の基を示し、「置換基を有してもよい低級アルコキシ基」としては、例えばモノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、3−メトキシプロポキシ、2−メトキシエトキシ、2−エトキシプロポキシ、2−エトキシエトキシ基等が挙げられる。
「含窒素芳香族複素環」とは、1〜2個の窒素原子を有する炭素原子数4〜5個の置換基を有してもよい単環式の芳香族複素環を示し、置換基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはハロゲン原子であり、含窒素芳香族複素環としては、例えばピロール、ピラゾール、イミダゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジンが挙げられ、好ましくは、ピロール、ピリジンが挙げられる。
本化合物における「塩」とは、医薬として許容される塩であれば、特に制限はなく、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、酢酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、グルコン酸、グルコヘプト酸、グルクロン酸、テレフタル酸、メタンスルホン酸、乳酸、馬尿酸、1,2−エタンジスルホン酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、オレイン酸、パモ酸、ポリガラクツロン酸、ステアリン酸、タンニン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸ラウリルエステル、硫酸メチル、ナフタレンスルホン酸、スルホサリチル酸等の有機酸との塩、臭化メチル、ヨウ化メチル等との四級アンモニウム塩、臭素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオンとの塩、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、鉄、亜鉛等との金属塩、アンモニアとの塩、トリエチレンジアミン、2−アミノエタノール、2,2−イミノビス(エタノール)、1−デオキシ−1−(メチルアミノ)−2−D−ソルビトール、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、プロカイン、N,N−ビス(フェニルメチル)−1,2−エタンジアミン等の有機アミンとの塩等が挙げられる。
また、本化合物が結晶として存在する場合、その結晶の多形も本発明の範囲に含まれる。
本化合物に幾何異性体または光学異性体が存在する場合は、それらの異性体も本発明の範囲に含まれる。
また、本化合物は水和物または溶媒和物の形態をとっていてもよい。
さらに、本化合物にプロトン互変異性が存在する場合には、それらの互変異性体も本発明に含まれる。
本化合物は、H+―K+―ATPase(プロトンポンプ)阻害作用を示すことが知られ、例えば特公平2−44473号公報、特公平6−74272号公報、特公平3−13234号公報、特開平7−126189などの特許公報に記載された化合物が挙げられる。本化合物はこれらの化合物の医薬として許容される塩であってもよい。
本化合物の好ましい具体例として、例えば、(±)−2−[(3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール)、(±)−2−[(4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(ラベプラゾール)、(RS)−2−[ (3,5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール(オメプラゾール)、(RS)−5−ジフルオロメトキシ−2−[[(3,4−ジメトキシ)−2−ピリジル]メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(パントプラゾール)、(±)−2 − [( 3 , 5 − ジメチル−4 − メトキシ− 2 − ピリジル) メチルスルフィニル] − 5 − メトキシ− 1 H − イミダゾ[ 4 , 5 − b ] ピリジン(テナトプラゾール)、2 − [ (RS)−( 4 − メトキシ− 3 − メチルピリジン− 2 − イル)メチルスルフィニル] − 5 − (1 H −ピロール− 1 − イル)− 1 H − ベンズイミダゾール(イラプラゾール)およびこれらの化合物の医薬として許容される塩が挙げられる。
また、これらの化合物は、先の特許公報に基づき製造し、用いることができる。さらに、市販されているものを用いることもできる。
本発明において、角結膜障害とは、種々の要因により角膜や結膜が損傷を受けた状態にあるものをいい、例えばドライアイ、角膜潰瘍、角膜炎、結膜炎、点状表層角膜症、角膜上皮欠損、結膜上皮欠損、乾性角結膜炎、上輪部角結膜炎、糸状角膜炎などが挙げられる。
本発明の角結膜障害治療剤は、経口でも、非経口でも投与することができる。
投与剤型としては、点眼剤、眼軟膏剤、注射剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等が挙げられ、特に点眼剤が好ましい。これらは汎用されている技術を用いて調製することができる。例えば、点眼剤は、塩化ナトリウム、濃グリセリン等の等張化剤、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の緩衝化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレ−ト、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の安定化剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン等の防腐剤等を必要に応じて用い、調製することができる。pHは眼科製剤に許容される範囲内にあればよいが、4〜8の範囲が好ましい。
眼軟膏剤は、白色ワセリン、流動パラフィン等の汎用される基剤を用いて、調製することができる。また、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経口剤は、乳糖、結晶セルロ−ス、デンプン、植物油等の増量剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロ−ス カルシウム、低置換ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、マクロゴ−ル、シリコン樹脂等のコ−ティング剤、ゼラチン皮膜等の皮膜剤などを必要に応じて加え、調製することができる。
本化合物の投与量は症状、年令、剤型等によって適宜選択できるが、点眼剤では、0.0001〜10%(w/v)、好ましくは0.001〜3%(w/v)のものを1日1〜数回点眼すればよい。また、経口剤では、通常1日当り0.1〜5000mg、好ましくは1〜1000mgを1回または数回に分けて投与すればよい。
後述するように、角膜障害の治癒効力試験を実施したところ、(±)−2−[(3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール)、(±)−2−[(4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩(ラベプラゾールナトリウム)、(RS)−2−[ (3,5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩(オメプラゾールナトリウム)および(RS)−5−ジフルオロメトキシ−2−[[(3,4−ジメトキシ)−2−ピリジル]メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩(パントプラゾールナトリウム)などのスルフィニル系化合物は、角膜障害モデルにおいて優れた改善効果を発揮するので、ドライアイ、角膜潰瘍、角膜炎、結膜炎、点状表層角膜症、角膜上皮欠損、結膜上皮欠損、乾性角結膜炎、上輪部角結膜炎、糸状角膜炎などの角結膜障害の治療剤として有用である。
以下に、薬理試験の結果および製剤例を示すが、これらは本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
[薬理試験]
角膜障害の治癒効力試験
雄性SDラットを用い、Fujiharaらの方法(Invest. Ophthalmol. Vis. Sci 42(1):96−100 (2001))に準じ、角膜障害モデルを作製した。角膜障害モデル作成後、村上らの方法(あたらしい眼科 21(1):87-90(2004))に準じて角膜障害をスコア判定し、各スルフィニル系化合物点眼後の角膜障害の改善率を求めた。
(実験方法)
雄性SDラットを用い、ネンブタ−ルを投与して全身麻酔を施した後、眼窩外涙腺を摘出し、2ヶ月かけて角膜障害を誘発させた。
つぎに、スルフィニル系化合物として、(±)−2−[(3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(ランソプラゾール)<以下、化合物Aとする>、(±)−2−[(4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩(ラベプラゾールナトリウム)<以下、化合物Bとする>、(RS)−2−[ (3,5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩(オメプラゾールナトリウム)<以下、化合物Cとする>および(RS)−5−ジフルオロメトキシ−2−[[(3,4−ジメトキシ)−2−ピリジル]メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩(パントプラゾールナトリウム)<以下、化合物Dとする>を以下のように点眼(点眼量:5μL/回)した。
化合物A点眼群:
化合物A(0.04%)の生理的リン酸緩衝液(PBS溶液)を両眼に1日6回、14日間点眼した(一群4匹8眼)。
化合物B点眼群:
化合物B(0.04%)のPBS溶液を両眼に1日6回、14日間点眼した(一群4匹8眼)。
化合物C点眼群:
化合物C(0.01%)のPBS溶液を両眼に1日6回、14日間点眼した(一群4匹8眼)。
化合物D点眼群:
化合物D(0.01%)のPBS溶液を両眼に1日6回、14日間点眼した(一群4匹8眼)。
コントロール群では、PBS溶液を両眼に1日6回、14日間点眼した(一群4匹8眼)。
点眼開始14日後、角膜の障害部分をフルオレセインにて染色した。角膜の上部、中間部および下部のそれぞれについて、フルオレセインによる染色の程度を下記の基準に従ってスコア判定し、上記各部におけるスコアの合計の平均値から角膜障害の改善率を算出した。
正常眼についても上記各部におけるスコアの合計の平均値を求めた。
(判定基準)
0:染色されていない
1:染色が疎であり、各点状の染色部分は離れている
2:染色が中程度であり、点状の染色部分の一部が隣接している
3:染色が密であり、各点状の染色部分は隣接している
(結果)
コントロ−ル群(PBS溶液)におけるスコア合計の平均値を基準(改善率:0%)にして下記計算式によりを算出した、化合物A点眼群および化合物B点眼群の各改善率を表1に、また化合物C点眼群および化合物D点眼群の改善率を表2に示す。なお、スコアの平均値は各8例の平均である。
改善率(%)={(コントロ−ル)−(本化合物)}/ 障害度×100
障害度=(コントロ−ル)−(正常眼)
Figure 2006199688
Figure 2006199688
(考察)
上記のラットを用いた薬理試験の結果(表1および表2)から明らかなように、化合物A〜Dはいずれも、角膜障害を顕著に改善した。
[製剤例]
以下に化合物A〜Dを用いた代表的な製剤例を示す。
処方例1
100ml中
化合物A 100mg
塩化ナトリウム 800mg
リン酸水素二ナトリウム 100mg
リン酸二水素ナトリウム 適量
滅菌精製水 適量
化合物Aの添加量を変えることにより、濃度0.01%(w/v)、0.3%(w/v)、0.5%(w/v)、1.5%(w/v)、3.0%(w/v)の点眼剤を調製できる。
処方例2
100ml中
化合物B 10mg
塩化ナトリウム 900mg
滅菌精製水 適量
化合物Bの添加量を変えることにより、濃度0.001%(w/v)、0.03%(w/v)、0.1%(w/v)、0.3%(w/v)、1.0%(w/v)、3.0%(w/v)の点眼剤を調製できる。
処方例3
100ml中
化合物C 50mg
塩化ナトリウム 900mg
滅菌精製水 適量
化合物Cの添加量を変えることにより、濃度0.001%(w/v)、0.1%(w/v)、0.3%(w/v)、1.0%(w/v)、3.0%(w/v)の点眼剤を調製できる。また、化合物Cの代わりに、化合物Dを用いることにより、各点眼剤を調製できる。
処方例4
100g中
化合物A 1.0g
流動パラフィン 10.0g
白色ワセリン 適量
化合物Aの添加量を変えることにより、濃度0.3%(w/w)、3%(w/w)の眼軟膏剤を調製できる。
処方例5
100g中
化合物B 0.3g
流動パラフィン 10.0g
白色ワセリン 適量
化合物Bの添加量を変えることにより、濃度1%(w/w)、3%(w/w)の眼軟膏剤を調製できる。
処方例6
100g中
化合物D 0.1g
流動パラフィン 10.0g
白色ワセリン 適量
化合物Dの添加量を変えることにより、濃度1%(w/w)、5%(w/w)の眼軟膏剤を調製できる。また、化合物Dの代わりに、化合物Cを用いることにより、各眼軟膏剤を調製できる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物またはその塩を有効成分として含有する角結膜障害治療剤。
    Figure 2006199688
    式中、Xは、CHまたはNを示し;
    1は、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有してもよい低級アルコキシ基または含窒素芳香族複素環を示し;
    2は、低級アルキル基、ヒドロキシ基または置換基を有してもよい低級アルコキシ基を示し;
    3は、ヒドロキシ基または置換基を有してもよい低級アルコキシ基を示し;
    mは、0〜2の整数を示し、mが2の場合には、各R2は同一または異なっていてもよい。
  2. 置換基を有してもよい低級アルコキシ基の置換基が、ハロゲン原子または低級アルコキシ基である請求項1記載の角結膜障害治療剤。
  3. 一般式(1)で表される化合物が、(±)−2−[(3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール、(±)−2−[(4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール、(RS)−2−[ (3,5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール、(RS)−5−ジフルオロメトキシ−2−[[(3,4−ジメトキシ)−2−ピリジル]メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールまたはその塩である請求項1または2記載の角結膜障害治療剤。
  4. 一般式(1)で表される化合物の塩が、(±)−2−[(4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩、(RS)−2−[ (3,5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩、(RS)−2−[ (3,5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジル)メチルスルフィニル]−5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール ヘミマグネシウム塩または(RS)−5−ジフルオロメトキシ−2−[[(3,4−ジメトキシ)−2−ピリジル]メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール モノナトリウム塩である請求項1または2記載の角結膜障害治療剤。
  5. 角結膜障害が、ドライアイ、角膜潰瘍、角膜炎、結膜炎、点状表層角膜症、角膜上皮欠損、結膜上皮欠損、乾性角結膜炎、上輪部角結膜炎または糸状角膜炎である請求項1〜4のいずれか1記載の角結膜障害治療剤。
  6. 剤型が、点眼剤または眼軟膏剤である請求項1〜5のいずれか1記載の角結膜障害治療剤。
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