JP2006193855A - 剥離紙のアンダーコート層用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】低塗工量でも支持体内部への浸透が抑制され、均一なアンダーコート層が得られ、さらにバルプとして再使用可能な剥離紙を製造可能とするアンダーコート層用組成物を提供すること。
【解決手段】支持体上に、アンダーコート層と、その上に剥離剤層とを設けてなる剥離紙のアンダーコート層用組成物であって、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンを含んでなることを特徴とする剥離紙のアンダーコート層用組成物。
【選択図】なし
【解決手段】支持体上に、アンダーコート層と、その上に剥離剤層とを設けてなる剥離紙のアンダーコート層用組成物であって、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンを含んでなることを特徴とする剥離紙のアンダーコート層用組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は剥離紙のアンダーコート層用組成物に関し、さらに詳しくは、剥離剤層が支持体に浸透し難く、平滑性に優れたアンダーコート層を形成する剥離紙のアンダーコート層用組成物に関する。
従来、粘着ラベル等に用いられる剥離紙としては紙等の支持体(紙)上にポリエチレン等のフィルムをラミネートし、その上にシリコーン等の剥離剤層を設けたものが使用されている。しかし、このようなフィルムをラミネートした剥離紙は紙の再生工程において蒸解できないためパルプとして再使用が不可能であった。近年の紙のリサイクルの気運の高まりに伴い、パルプとして再使用可能な剥離紙が求められており、これに対応すべく蒸解可能なアンダーコート層としてポリビニルアルコールをアンダーコート層用組成物に用いた場合、低塗工量ではアンダーコート層が支持体(紙)に浸透しピンホールが発生する結果、剥離剤層に欠陥が生じ易く、それを防止するにはアンダーコート層の塗工量を多くする必要があった。さらに、特許文献1では、ポリビニルアルコール類および/または液相中の乳化剤量が0.01mmol/g以下の樹脂ラテックスと、一定の温度を境界にして親水性と疎水性が可逆的に変化する重合体とからなる剥離紙のアンダーコート層用組成物が提案されているが、塗工後の加熱による塗工層のゲル化前に、ポリビニルアルコール類および/または樹脂ラテックスが支持体(紙)に浸透する現象が認められ、アンダーコート層としての利用効率が低いという問題点があった。
本発明の課題は、剥離紙のアンダーコート層として用いた場合、低塗工量でも支持体内部への浸透が抑制され、均一なアンダーコー層を実現する剥離紙のアンダーコート層用組成物を提供することである。
本発明者等は、上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンを含んでなるアンダーコート層用組成物を用いた場合、該アンダーコート層用組成物を使用した塗料は該感温点を超える温度では、比較的低粘度であるが、該塗料を該感温点以下の温度に冷却することによって、該塗料は急激に増粘する、該増粘は高分子化合物(A)が疎水性から親水性に変化することによって生じる。即ち、本発明の剥離紙のアンダーコート層用組成物を用いた塗料を該感温点を超える温度で支持体上に塗工後、速やかに感温点以下の温度まで冷却することによって、比較的低粘度の塗工液によって形成される極めて平滑かつ均質な塗工膜を、その後の増粘によってそのまま固定することが可能で、乾燥工程においても良好な表面状態と塗膜の均質性を保持でき、支持体(紙など)への浸透が少なく、均一なアンダーコート層を与えることを見出し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
1)支持体上に、アンダーコート層と、その上に剥離剤層とを設けてなる剥離紙のアンダーコート層用組成物であって、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンを含んでなることを特徴とする剥離紙のアンダーコート層用組成物
2)前記1)に記載の剥離紙のアンダーコート層用組成物をアンダーコート層に用いてな
る剥離紙。
1)支持体上に、アンダーコート層と、その上に剥離剤層とを設けてなる剥離紙のアンダーコート層用組成物であって、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンを含んでなることを特徴とする剥離紙のアンダーコート層用組成物
2)前記1)に記載の剥離紙のアンダーコート層用組成物をアンダーコート層に用いてな
る剥離紙。
本発明の剥離紙のアンダーコート層用組成物は、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンを含んでなるアンダーコート層用組成物を用いた場合、該組成物を使用した塗料は該感温点を超える温度では、比較的低粘度であるが、該塗料を該感温点以下の温度に冷却することによって、該塗料は急激に増粘する、該増粘は高分子化合物(A)が疎水性から親水性に変化することによって生じる。即ち、本発明の剥離紙のアンダーコート層用組成物を用いた塗料を該感温点を超える温度で支持体上に塗工後、速やかに感温点以下の温度まで冷却することによって、比較的低粘度の塗工液によって形成される極めて平滑かつ均質な塗工膜を、その後の増粘によってそのまま固定することが可能で、乾燥工程においても良好な表面状態と塗膜の均質性を保持でき、支持体(紙など)への浸透が少なく、均一で分厚い耐剥離剤バリアー性の非常に良好なアンダーコート層を与える。その結果、ピンホール等の欠陥のない剥離紙が得られる。上記効果を奏することから、本発明のアンダーコート層用組成物を用いた本剥離紙は、粘着ラベル、粘着シール、粘着テープ、粘着壁紙、粘着タイル、防水シート等のほか、樹脂,炭素繊維やセラミックス等の成形品の製造用あるいはクッキングシート等の食品用シートの製造および包装用等の広範な用塗に使用できる。また、蒸解性に優れるので古紙としてリサイクルが可能であり、工業的にきわめて有用である。
本発明について、以下に具体的に説明する。
本発明に用いる、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)は、単独重合することによって温度応答性(温度の変化による親水性−疎水性の変化)を呈する高分子化合物が得られるモノマー(主モノマー(M))の単独重合高分子化合物、または二種類以上の主モノマー(M)の共重合高分子化合物、さらには、該主モノマー(M)と反応して高分子化合物を作ることができかつ単独重合によっては該温度応答性を呈する高分子化合物が得られないモノマー(副モノマー(N))と主モノマー(M)との共重合高分子化合物である。主モノマー(M)と副モノマー(N)は各々1種または2種以上のものを組み合わせて用いることも出来る。
主モノマー(M)の単独重合により高い温度応答性を有する高分子化合物が得られるが、主モノマー(M)と副モノマー(N)とを共重合することによって、主モノマー(M)の単独重合高分子化合物とは異なる感温点を持つ高分子化合物(A)が得られたり、モノマー(M)の単独重合高分子化合物とは異なる成膜性を有する高分子化合物(A)を得ることができる。
本発明に用いる、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)は、単独重合することによって温度応答性(温度の変化による親水性−疎水性の変化)を呈する高分子化合物が得られるモノマー(主モノマー(M))の単独重合高分子化合物、または二種類以上の主モノマー(M)の共重合高分子化合物、さらには、該主モノマー(M)と反応して高分子化合物を作ることができかつ単独重合によっては該温度応答性を呈する高分子化合物が得られないモノマー(副モノマー(N))と主モノマー(M)との共重合高分子化合物である。主モノマー(M)と副モノマー(N)は各々1種または2種以上のものを組み合わせて用いることも出来る。
主モノマー(M)の単独重合により高い温度応答性を有する高分子化合物が得られるが、主モノマー(M)と副モノマー(N)とを共重合することによって、主モノマー(M)の単独重合高分子化合物とは異なる感温点を持つ高分子化合物(A)が得られたり、モノマー(M)の単独重合高分子化合物とは異なる成膜性を有する高分子化合物(A)を得ることができる。
主モノマー(M)としてはN−アルキルまたはN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミド誘導体(ここで、(メタ)アクリルとはメタアクリル(またはメタクリル)またはアクリルを簡便に表記したものである)、ビニルメチルエーテルなどが挙げられ、具体的には例えば、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジメトキシエチル)−N−メチルアクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリンな
どが挙げられる。成膜性の観点から、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリンが好ましい。
どが挙げられる。成膜性の観点から、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリンが好ましい。
副モノマー(N)としては親油性ビニル化合物、親水性ビニル化合物、イオン性ビニル化合物などが挙げられ、具体的には、親油性ビニル化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどが挙げられ、親水性ビニル化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−メチル−5−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アクリロイルピロリジン、アクリロニトリル、などが挙げられ、イオン性ビニル化合物としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル等のカルボン酸基含有モノマー、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマーなどが挙げられる。特に、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドが好ましく用いられる。
主モノマー(M)と副モノマー(N)の共重合割合は、得られる共重合高分子化合物が一定の温度を境界にして親水性と疎水性が変化する温度応答性を呈する範囲の中で決められる。つまり、副モノマー(N)の割合が多すぎれば得られる共重合高分子化合物が該温度応答性を示さなくなる。
即ち、主モノマー(M)と副モノマー(N)の共重合割合は用いるモノマー種の組み合わせに依存するが、生成する高分子化合物中における副モノマー(N)の割合は50質量%以下が好ましい。更に好ましくは、30質量%以下である。また、副モノマー(N)の添加効果がより良く発現されるためには0.01質量%以上が好ましい。
即ち、主モノマー(M)と副モノマー(N)の共重合割合は用いるモノマー種の組み合わせに依存するが、生成する高分子化合物中における副モノマー(N)の割合は50質量%以下が好ましい。更に好ましくは、30質量%以下である。また、副モノマー(N)の添加効果がより良く発現されるためには0.01質量%以上が好ましい。
本発明において、高分子化合物(A)の「感温点」とは、その親水性−疎水性が変化する温度であり、「温度応答性」とは、該親水性−疎水性の変化を示す性質を意味する。また、本発明において、「親水性」とは高分子化合物(A)と水とが共存する系において高分子化合物(A)は水と相溶した状態の方が、相分離した状態よりも安定であることを意味し、「疎水性」とは高分子化合物(A)と水とが共存する系において高分子化合物(A)は水と相分離した状態の方が、相溶した状態よりも安定であることを意味する。該親水性−疎水性の変化は例えば、高分子化合物(A)と水とが共存する系の温度変化に伴う急激な粘度変化、または高分子化合物(A)と水とが共存する系の透明性の急激な変化、高分子化合物(A)の水に対する溶解性の急激な変化として現れる。本発明においては、高分子化合物(A)と水とが共存する系の温度を、高分子化合物(A)が疎水性を示す温度領域(感温点を超える温度)から徐々に低下させたときの粘度を測定して得られる温度−粘度曲線が急激に変化する転移点として高分子化合物(A)の感温点を求める。
本発明の高分子化合物(A)は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性の何れであっても良い。
本発明の高分子化合物(A)は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性の何れであっても良い。
カチオン性の高分子化合物(A)は例えば、重合に使用する副モノマー(N)として、
カチオン基を持つエチレン性不飽和モノマーを含めることによって得ることができる。該カチオン基を持つエチレン性不飽和モノマーは各々1種または2種以上のものを組み合わせて用いることも出来る。
カチオン基を持つエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、ビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2,3−ジメチル−1−ビニルイミダゾリニウムクロライド、トリメチル−(3−(メタ)アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミドおよびその4級アンモニウム塩、トリメチル−(3−(メタ)アクリルアミド)アンモニウムクロライド、1−ビニル−2−メチル−イミダゾール、1−ビニル−2−エチル−イミダゾール、1−ビニル−2−フェニル−イミダゾール、1−ビニル−2、4,5−トリメチル−イミダゾール、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートおよびその4級アンモニウム塩、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその4級アンモニウム塩、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその4級アンモニウム塩、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその4級アンモニウム塩、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミドおよびその4級アンモニウム塩、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミドおよびその4級アンモニウム塩、N−(3−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミドおよびその4級アンモニウム塩、N−(3−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミドおよびその4級アンモニウム塩、o−,m−,p−アミノスチレンおよびその4級アンモニウム塩、o−,m−,p−ビニルベンジルアミンおよびその4級アンモニウム塩、N−(ビニルベンジル)ピロリドン、N−(ビニルベンジル)ピペリジン、N−ビニルイミダゾールおよびその4級アンモニウム塩、2−メチル−1−ビニルイミダゾールおよびその4級アンモニウム塩、N−ビニルピロリドンおよびその4級アンモニウム塩、N,N’−ジビニルエチレン尿素およびその4級アンモニウム塩、α−,またはβ−ビニルピリジンおよびその4級アンモニウム塩、α−,またはβ−ビニルピペリジンおよびその4級アンモニウム塩、2−,または4−ビニルキノリンおよびその4級アンモニウム塩等が例示される。特に、得られる剥離紙の表面平滑性の観点から、例えばN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(3−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−(3−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミドが好ましく用いられる。
カチオン基を持つエチレン性不飽和モノマーを含めることによって得ることができる。該カチオン基を持つエチレン性不飽和モノマーは各々1種または2種以上のものを組み合わせて用いることも出来る。
カチオン基を持つエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、ビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2,3−ジメチル−1−ビニルイミダゾリニウムクロライド、トリメチル−(3−(メタ)アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミドおよびその4級アンモニウム塩、トリメチル−(3−(メタ)アクリルアミド)アンモニウムクロライド、1−ビニル−2−メチル−イミダゾール、1−ビニル−2−エチル−イミダゾール、1−ビニル−2−フェニル−イミダゾール、1−ビニル−2、4,5−トリメチル−イミダゾール、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートおよびその4級アンモニウム塩、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその4級アンモニウム塩、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその4級アンモニウム塩、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその4級アンモニウム塩、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミドおよびその4級アンモニウム塩、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミドおよびその4級アンモニウム塩、N−(3−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミドおよびその4級アンモニウム塩、N−(3−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミドおよびその4級アンモニウム塩、o−,m−,p−アミノスチレンおよびその4級アンモニウム塩、o−,m−,p−ビニルベンジルアミンおよびその4級アンモニウム塩、N−(ビニルベンジル)ピロリドン、N−(ビニルベンジル)ピペリジン、N−ビニルイミダゾールおよびその4級アンモニウム塩、2−メチル−1−ビニルイミダゾールおよびその4級アンモニウム塩、N−ビニルピロリドンおよびその4級アンモニウム塩、N,N’−ジビニルエチレン尿素およびその4級アンモニウム塩、α−,またはβ−ビニルピリジンおよびその4級アンモニウム塩、α−,またはβ−ビニルピペリジンおよびその4級アンモニウム塩、2−,または4−ビニルキノリンおよびその4級アンモニウム塩等が例示される。特に、得られる剥離紙の表面平滑性の観点から、例えばN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(3−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−(3−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミドが好ましく用いられる。
主モノマー(M)と前記カチオン基を持つエチレン性不飽和モノマーを含む副モノマー(N)の共重合割合は、得られる共重合高分子化合物が感温点を境にして親水性と疎水性が可逆的に変化する温度応答性を呈する範囲の中で決められる。
本発明に用いる、高分子化合物(A)中のカチオン基を持つエチレン性不飽和モノマー単位の含有率は、用いるモノマーの種類や組み合わせによって好ましい範囲が異なるが、概して、塗工液調整の容易さの観点から0.01質量%以上が好ましく、成膜性の観点から50質量%以下が好ましい。更に好ましくは0.1〜30質量%である。
得られる塗工層の耐擦過性等の観点から高分子化合物(A)がカルボキシル基を有することは好ましく、該カルボキシル基を有する高分子化合物(A)は例えば、重合に使用する副モノマー(N)として、カルボン酸基を持つエチレン性不飽和モノマーを含めることによって得ることができる。該カルボン酸基を持つエチレン性不飽和モノマーは各々1種または2種以上のものを組み合わせて用いることも出来る。
カルボン酸基を持つエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチ
ル等のカルボン酸基含有モノマーなどが好ましい例として挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸を用いることはより好ましい。
主モノマー(M)と前記カルボン酸基を持つエチレン性不飽和モノマーを含む副モノマー(N)の共重合割合は、得られる共重合高分子化合物が感温点を境にして親水性と疎水性が可逆的に変化する温度応答性を呈する範囲の中で決められる。
本発明に用いる、高分子化合物(A)中のカチオン基を持つエチレン性不飽和モノマー単位の含有率は、用いるモノマーの種類や組み合わせによって好ましい範囲が異なるが、概して、塗工液調整の容易さの観点から0.01質量%以上が好ましく、成膜性の観点から50質量%以下が好ましい。更に好ましくは0.1〜30質量%である。
得られる塗工層の耐擦過性等の観点から高分子化合物(A)がカルボキシル基を有することは好ましく、該カルボキシル基を有する高分子化合物(A)は例えば、重合に使用する副モノマー(N)として、カルボン酸基を持つエチレン性不飽和モノマーを含めることによって得ることができる。該カルボン酸基を持つエチレン性不飽和モノマーは各々1種または2種以上のものを組み合わせて用いることも出来る。
カルボン酸基を持つエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチ
ル等のカルボン酸基含有モノマーなどが好ましい例として挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸を用いることはより好ましい。
主モノマー(M)と前記カルボン酸基を持つエチレン性不飽和モノマーを含む副モノマー(N)の共重合割合は、得られる共重合高分子化合物が感温点を境にして親水性と疎水性が可逆的に変化する温度応答性を呈する範囲の中で決められる。
本発明に用いる、高分子化合物(A)中のカルボン酸基を持つエチレン性不飽和モノマー単位の含有率は、用いるモノマーの種類や組み合わせによって好ましい範囲が異なるが、概して、塗工液調整の容易さの観点から0.01質量%以上が好ましく、成膜性の観点から30質量%以下が好ましい。更に好ましくは0.1〜10質量%である。
本発明に用いる、高分子化合物(A)のガラス転移点は、成膜性および得られる剥離紙の柔軟性などの観点から−50〜150℃が好ましく、生産性の観点から80〜150℃が好ましい。
本発明に用いる高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンは、高分子化合物(A)の温度変化による親水性−疎水性の変化の影響によって急激に粘度変化を生じる感温点を有する。即ち、該感温点を超える温度領域において、高分子化合物(A)を含む高分子エマルジョンは水系溶媒中において安定なエマルジョンを形成し、該高分子エマルジョンを含有する塗工液は比較的低い粘度を保つことができるが、該感温点以下の温度領域では高分子化合物(A)が親水性を示すために、前記高分子エマルジョンが膨潤あるいは一部溶解し、前述の塗工液粘度が高くなり、あるいは経時的に該粘度が増加する。よって、本発明の塗工液は、本発明の高分子化合物(A)の感温点以上の温度に保たれていることが好ましい。
本発明に用いる、高分子化合物(A)のガラス転移点は、成膜性および得られる剥離紙の柔軟性などの観点から−50〜150℃が好ましく、生産性の観点から80〜150℃が好ましい。
本発明に用いる高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンは、高分子化合物(A)の温度変化による親水性−疎水性の変化の影響によって急激に粘度変化を生じる感温点を有する。即ち、該感温点を超える温度領域において、高分子化合物(A)を含む高分子エマルジョンは水系溶媒中において安定なエマルジョンを形成し、該高分子エマルジョンを含有する塗工液は比較的低い粘度を保つことができるが、該感温点以下の温度領域では高分子化合物(A)が親水性を示すために、前記高分子エマルジョンが膨潤あるいは一部溶解し、前述の塗工液粘度が高くなり、あるいは経時的に該粘度が増加する。よって、本発明の塗工液は、本発明の高分子化合物(A)の感温点以上の温度に保たれていることが好ましい。
高分子化合物(A)を製造するに際しては、高分子化合物(A)の感温点を超える温度領域において水性溶媒中で重合反応を行うことが好ましい。該温度領域において高分子化合物(A)は疎水性を示しエマルジョンを形成することから、該温度領域において、広く知られている高分子エマルジョンの製造技術を用いることができる。具体的には、水に界面活性剤を溶解し、前記主モノマー(M)、副モノマー(N)等共重合モノマー成分を加えて乳化させ、ラジカル重合開始剤を加えて一括仕込みによる反応により乳化重合を行う方法のほか、連続滴下、分割添加などの方法により反応系に上記共重合成分や、ラジカル重合開始剤を供給する方法が挙げられる。
本発明に用いる高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンを製造するにおいては、界面活性剤を利用することが好ましい。
本発明に用いる高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンは、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性の何れであっても良い。
本発明に用いる高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンを製造するにおいては、界面活性剤を利用することが好ましい。
本発明に用いる高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンは、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性の何れであっても良い。
高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンがカチオン性の場合には、カチオン性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤を使用する。例えば、カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミン塩酸塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルアンモニウムヒドロキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられ、非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
また高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンがアニオン性の場合には、アニオン性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤を使用する。例えば、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩、p−スチレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、ナフテン酸塩等、アルキルエ
ーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホ ン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤が挙げられる。
また高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンがアニオン性の場合には、アニオン性界面活性剤および/または非イオン性界面活性剤を使用する。例えば、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩、p−スチレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、ナフテン酸塩等、アルキルエ
ーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホ ン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンプロックコポリマー、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンが非イオン性である場合には、非イオン性界面活性剤を使用する。非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンプロックコポリマー、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンが両性の場合には、両性界面活性剤を使用することが高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンのpHの変化に対する安定性の観点から好ましいが、本発明の塗工液中で該高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンがカチオン性を示す場合にはカチオン性界面活性剤を使用する事ができ、本発明の塗工液中で該高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンがアニオン性を示す場合にはアニオン性界面活性剤を使用する事ができる。両性界面活性剤としては、例えばカルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、レシチン等が挙げられる。
これらの界面活性剤の使用量としては、高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンの樹脂固形分100質量部に対して0.05〜50質量部であることが好ましく、さらに好ましくは1〜30質量部である。
本発明においては、前記界面活性剤を1種単独で使用することもできるし、また その2種以上を併用することもできる。
高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンが非イオン性である場合には、非イオン性界面活性剤を使用する。非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンプロックコポリマー、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンが両性の場合には、両性界面活性剤を使用することが高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンのpHの変化に対する安定性の観点から好ましいが、本発明の塗工液中で該高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンがカチオン性を示す場合にはカチオン性界面活性剤を使用する事ができ、本発明の塗工液中で該高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンがアニオン性を示す場合にはアニオン性界面活性剤を使用する事ができる。両性界面活性剤としては、例えばカルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、レシチン等が挙げられる。
これらの界面活性剤の使用量としては、高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンの樹脂固形分100質量部に対して0.05〜50質量部であることが好ましく、さらに好ましくは1〜30質量部である。
本発明においては、前記界面活性剤を1種単独で使用することもできるし、また その2種以上を併用することもできる。
本発明の高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンを製造するに際しては、公知のラジカル重合開始剤が使用される。重合開始剤としては、有機系重合開始剤[パーオキシド類(クメンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、パラメンタンハイドロパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等)、アゾ化合物類(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等)]、無機系重合開始剤[過硫酸塩(過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等)、過酸化水素等]等が挙げられる。ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマー混合物全量に対して、0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%である。
また、高分子の分子量、ラテックスのゲル含有率等を調整する目的で、公知の連鎖移動剤を用いることが出来る。連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイマー(2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等)、ターピノーレン、テルピネン、ジペンテン、炭素数8〜18のアルキルメルカプタン、炭素数8〜18のアルキレンジチオール、チオグリコール酸アルキル、ジアルキルキサントゲンジスルフィド、テtロラアルキルチウラムジスルフィド、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。連鎖移動剤の使用量は、モノマー混合物全量に対して、0〜15質量%、好ましくは0〜5質量%である。
さらに必要により、還元剤[ピロ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、グルコース、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、L−アスコルビン酸(塩)]、キレート剤(グリシン、アラニン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等)pH緩衝剤(トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸カリウム等)等の添加剤を併用してもよい。これら添加剤の使用量は、モノマー混合物全量に対して、0〜5質量%、好ましくは0〜3質量%である。
また、高分子の分子量、ラテックスのゲル含有率等を調整する目的で、公知の連鎖移動剤を用いることが出来る。連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイマー(2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等)、ターピノーレン、テルピネン、ジペンテン、炭素数8〜18のアルキルメルカプタン、炭素数8〜18のアルキレンジチオール、チオグリコール酸アルキル、ジアルキルキサントゲンジスルフィド、テtロラアルキルチウラムジスルフィド、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。連鎖移動剤の使用量は、モノマー混合物全量に対して、0〜15質量%、好ましくは0〜5質量%である。
さらに必要により、還元剤[ピロ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、グルコース、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、L−アスコルビン酸(塩)]、キレート剤(グリシン、アラニン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等)pH緩衝剤(トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸カリウム等)等の添加剤を併用してもよい。これら添加剤の使用量は、モノマー混合物全量に対して、0〜5質量%、好ましくは0〜3質量%である。
本発明に用いる高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョン粒子の平均粒子径は、塗工層の成膜性と高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンの製造効率などの観点から、10〜600nmのものが好ましく、さらに好ましくは10〜300nm、最も好ましくは20〜100nmである。ここで言う平均粒子径とは、高分子化合物(A)が疎水性を示す温度領域において動的光散乱法により測定される高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンの数平均粒子径である。
本発明のバインダー組成物には、必要に応じて公知の水溶性高分子を含有させることが出来る。具体例としては、例えばポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリビニルアルコールのアセタール化物等に代表されるポリビニルアルコールもしくはその変性体、酸化デンプン、リン酸エステル化デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白、マンナンガラクタン誘導体、カルボキシメチルセルロース、アクリルアミド重合物等が挙げられる。水溶性高分子の含有量は高分子エマルジョンの樹脂固形分100質量部に対して、0〜100質量部、好ましくは0〜20質量部である。
これらのうち、アンダーコート層の膜強度の点から、ポリビニルアルコールもしくはその変性体、カルボキシメチルセルロース、アクリルアミド重合物が好ましい。
本発明のバインダー組成物には、必要に応じて公知の水溶性高分子を含有させることが出来る。具体例としては、例えばポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリビニルアルコールのアセタール化物等に代表されるポリビニルアルコールもしくはその変性体、酸化デンプン、リン酸エステル化デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白、マンナンガラクタン誘導体、カルボキシメチルセルロース、アクリルアミド重合物等が挙げられる。水溶性高分子の含有量は高分子エマルジョンの樹脂固形分100質量部に対して、0〜100質量部、好ましくは0〜20質量部である。
これらのうち、アンダーコート層の膜強度の点から、ポリビニルアルコールもしくはその変性体、カルボキシメチルセルロース、アクリルアミド重合物が好ましい。
本発明のバインダー組成物には、さらに必要に応じて、例えば各種クレー、カオリン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、タルク、プラスティックピグメント等に代表される公知の顔料、例えば硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウムなどに代表される定着剤、例えばポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等に代表される顔料分散剤、例えば鉱物油系消泡剤、シリコーン系消泡剤等に代表される消泡剤、潤滑剤、pH調整剤、防腐剤、耐水化剤、印刷適正向上剤等の添加剤も含有させることが出来る。
本発明の剥離紙のアンダーコート層用組成物を必要に応じて、水等で希釈後、前記サイズ剤等の添加剤を配合することによって剥離紙のアンダーコート層用塗料が得られる。
該剥離紙のアンダーコート層用塗料中の本発明の組成物の固形分含有量は通常10〜80質量%である。
本発明の剥離紙のアンダーコート層用組成物からなる剥離紙のアンダーコート層用塗料が塗工されてなる剥離紙は、該塗料を該高分子化合物(A)の感温点以上の温度で、塗工機を用いて支持体に一層あるいは二層以上の多層に分けて塗工し、ドライヤーで加熱乾燥し、必要によってカレンダー処理した後、剥離剤を塗布し、加熱硬化あるいは、例えば紫外線、電子線などの代表される活性エネルギー線によって硬化し、必要によって乾燥することによって得られる。
剥離紙のアンダーコート層用塗料を塗布する塗工機としては、例えばサイズプレス、ゲートロールコーター等に代表されるロールコーター、あるいはバーコーター、グラビアコーター、エアナイフコーター等が挙げられる。塗工量は、乾燥後の重量として、通常0.01〜30g/m2、好ましくは1〜10g/m2である。
本発明の剥離紙のアンダーコート層用組成物を必要に応じて、水等で希釈後、前記サイズ剤等の添加剤を配合することによって剥離紙のアンダーコート層用塗料が得られる。
該剥離紙のアンダーコート層用塗料中の本発明の組成物の固形分含有量は通常10〜80質量%である。
本発明の剥離紙のアンダーコート層用組成物からなる剥離紙のアンダーコート層用塗料が塗工されてなる剥離紙は、該塗料を該高分子化合物(A)の感温点以上の温度で、塗工機を用いて支持体に一層あるいは二層以上の多層に分けて塗工し、ドライヤーで加熱乾燥し、必要によってカレンダー処理した後、剥離剤を塗布し、加熱硬化あるいは、例えば紫外線、電子線などの代表される活性エネルギー線によって硬化し、必要によって乾燥することによって得られる。
剥離紙のアンダーコート層用塗料を塗布する塗工機としては、例えばサイズプレス、ゲートロールコーター等に代表されるロールコーター、あるいはバーコーター、グラビアコーター、エアナイフコーター等が挙げられる。塗工量は、乾燥後の重量として、通常0.01〜30g/m2、好ましくは1〜10g/m2である。
本発明において、塗工液を塗工後、下記乾燥を行う前に、速やかに塗工層を感温点以下の温度まで冷却する手段を該製造装置に含むことは、得られる剥離紙の表面平滑性の観点および支持体(紙)への本発明の組成物の浸透をより抑制する観点から好ましい。該冷却を行う手段としては、送風機、冷風機などによる送風冷却が好ましい。
乾燥は、蒸気加熱、熱風加熱等によって行われる。ドライヤーとしては、ドラムドライヤー、エアキャップドライヤー、エアホイルドライヤー、エアコンベアドライヤーおよびこれらの組み合わせが挙げられる。乾燥温度はドライヤーの種類によって種々変化するが、ドライヤー内部の温度は通常50〜00℃、好ましくは100〜150℃である。
カレンダー処理は、通常スーパーカレンダー、フリクションカレンダー、グロスカレン
ダー等によって、ニップ圧1〜200kg/cm、温度20〜120℃で行われる。
上記のようにしてアンダーコート層を形成させた上に、剥離剤層を形成させることによって剥離紙が得られる。
乾燥は、蒸気加熱、熱風加熱等によって行われる。ドライヤーとしては、ドラムドライヤー、エアキャップドライヤー、エアホイルドライヤー、エアコンベアドライヤーおよびこれらの組み合わせが挙げられる。乾燥温度はドライヤーの種類によって種々変化するが、ドライヤー内部の温度は通常50〜00℃、好ましくは100〜150℃である。
カレンダー処理は、通常スーパーカレンダー、フリクションカレンダー、グロスカレン
ダー等によって、ニップ圧1〜200kg/cm、温度20〜120℃で行われる。
上記のようにしてアンダーコート層を形成させた上に、剥離剤層を形成させることによって剥離紙が得られる。
剥離剤としては、例えば加熱硬化タイプ(縮合反応型、付加反応型)、紫外線(UV)または電子線(EB)硬化タイプなどに代表されるシリコーン系、あるいは高級脂肪酸系、ワックス系、さらに動植物油脂系などが挙げられる。これらの中では、シリコーン系のものが剥離性が良好であり好ましい。
剥離剤の塗工は、上記の剥離紙のアンダーコート層用塗料を塗布するのに用いられた塗工機と同様のものが使用される。塗工量は、乾燥後の重量として通常0.05〜10g/m2、好ましくは0.1〜5g/m2である。
剥離剤の塗工後、加熱硬化あるいはUVもしくはEB硬化せしめ、必要によって乾燥される。その後、ロール状に巻き取られて剥離紙として使用される。
剥離剤の塗工は、上記の剥離紙のアンダーコート層用塗料を塗布するのに用いられた塗工機と同様のものが使用される。塗工量は、乾燥後の重量として通常0.05〜10g/m2、好ましくは0.1〜5g/m2である。
剥離剤の塗工後、加熱硬化あるいはUVもしくはEB硬化せしめ、必要によって乾燥される。その後、ロール状に巻き取られて剥離紙として使用される。
本発明の剥離紙のアンダーコート層用組成物を用いると、支持体内部への浸透が少なく、均一なアンダーコート層を与える。その結果、剥離層が均一に形成され剥離性が良好となるので、剥離剤の塗布量を低減することも可能になる。また、アンダーコート層用塗料の塗工量が少なくてもアンダーコート層の上に塗布される剥離剤の裏面への浸透を防ぐことが出来る。
本発明のアンダーコート層用組成物を用いて得られる剥離紙は、粘着ラベル、粘着シール、粘着テープ、粘着壁紙、粘着タイル、防水シート等のほか、樹脂、炭素繊維やセラミックス等の成形品の製造用あるいはクッキングシート等の食品用シートの製造および包装用等に使用できる。また、蒸解性に優れ古紙として再使用できるため、シールの頁を除くことなく雑誌をそのまま蒸解できるので、雑誌綴じ込みシール等の剥離紙としても有用である。
本発明のアンダーコート層用組成物を用いて得られる剥離紙は、粘着ラベル、粘着シール、粘着テープ、粘着壁紙、粘着タイル、防水シート等のほか、樹脂、炭素繊維やセラミックス等の成形品の製造用あるいはクッキングシート等の食品用シートの製造および包装用等に使用できる。また、蒸解性に優れ古紙として再使用できるため、シールの頁を除くことなく雑誌をそのまま蒸解できるので、雑誌綴じ込みシール等の剥離紙としても有用である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
以下の実施例及び比較例において、「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」を表わす。また、諸物性は以下のように測定した。
数平均粒子径は、動的光散乱法により、大塚電子(株)製ELS―800を用い測定した。高分子エマルジョンの粒子径を測定する場合においては、感温点以上の温度で測定した。
本発明に用いる高分子化合物(A)エマルジョンの感温点は、40℃以上の温度を保ちながら水溶媒にて高分子化合物(A)の濃度を5質量%に調整した高分子エマルジョン温度を、徐々に低下さてエマルジョンの粘度測定を行い、温度−粘度曲線が急激に変化する転移点を高分子化合物(A)エマルジョンの感温点として求めた。
また、アンダーコート塗工紙および剥離紙の評価として下記の均一性評価、剥離性評価および再生評価を行った。
均一性評価:アンダーコート層の均一性(ピンホールの有無)の判断として、塗工面をマジックインクで約2cm四方を塗りつぶし、裏面へのインキの染み出しを下記評価基準にて目視で評価した。
(評価基準)
○ :染み出しなし
× :全体的に染み出しあり
剥離性評価:剥離紙の剥離性評価として、剥離紙にセロファンテープを圧着後、25mm幅の短冊状にし、セロファンテープを180°の角度で、オートグラフを用いて0.3m/分の速度で剥離し、その剥離中の荷重を測定した。100〜200/25mmが適性である。
再生評価:剥離紙をパルプとして再生の可否を判断するため、約1cm角にカットした
紙10gを0.025%カセイソーダ水溶液200mlに加え、30分間煮沸した。これに水を加え、100mlとしたものを家庭用ミキサーで2分間攪拌し、手すきシートを作成し、下記評価基準にて手すき状態を目視にて評価した。
(評価基準)
○ :均一な手すきシートが得られた。
× :ポリマーの固まりや凝集物があり、手すきシートが不均一であった。
以下の実施例及び比較例において、「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」を表わす。また、諸物性は以下のように測定した。
数平均粒子径は、動的光散乱法により、大塚電子(株)製ELS―800を用い測定した。高分子エマルジョンの粒子径を測定する場合においては、感温点以上の温度で測定した。
本発明に用いる高分子化合物(A)エマルジョンの感温点は、40℃以上の温度を保ちながら水溶媒にて高分子化合物(A)の濃度を5質量%に調整した高分子エマルジョン温度を、徐々に低下さてエマルジョンの粘度測定を行い、温度−粘度曲線が急激に変化する転移点を高分子化合物(A)エマルジョンの感温点として求めた。
また、アンダーコート塗工紙および剥離紙の評価として下記の均一性評価、剥離性評価および再生評価を行った。
均一性評価:アンダーコート層の均一性(ピンホールの有無)の判断として、塗工面をマジックインクで約2cm四方を塗りつぶし、裏面へのインキの染み出しを下記評価基準にて目視で評価した。
(評価基準)
○ :染み出しなし
× :全体的に染み出しあり
剥離性評価:剥離紙の剥離性評価として、剥離紙にセロファンテープを圧着後、25mm幅の短冊状にし、セロファンテープを180°の角度で、オートグラフを用いて0.3m/分の速度で剥離し、その剥離中の荷重を測定した。100〜200/25mmが適性である。
再生評価:剥離紙をパルプとして再生の可否を判断するため、約1cm角にカットした
紙10gを0.025%カセイソーダ水溶液200mlに加え、30分間煮沸した。これに水を加え、100mlとしたものを家庭用ミキサーで2分間攪拌し、手すきシートを作成し、下記評価基準にて手すき状態を目視にて評価した。
(評価基準)
○ :均一な手すきシートが得られた。
× :ポリマーの固まりや凝集物があり、手すきシートが不均一であった。
(調整例1)
攪拌器、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水360部を投入し反応容器内を80℃にした。次に「コータミン86W」(花王(株)製、カチオン性界面活性剤:商品名)の25%水溶液25部、「エマルゲン1135S−70」(花王(株)製、非イオン性界面活性剤:商品名)の70%水溶液7.5部およびN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩の70%水溶液4部を該反応器内に添加した。さらに該反応器内に2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩基酸塩の5%水溶液8部を投入し、その5分後に、メタクリル酸メチル9部、アクリル酸ブチル9部、スチレン9部、ダイアセトンアクリルアミド2部および2−ヒドロキシメタクリル酸エチル2部を混合した液を該反応器内に30分かけて連続的に添加した。添加は反応容器内を80℃に保ちながら行った。この段階でのエマルジョンの数平均粒子径は11nmであった。引き続き、水1254部にN−イソプロピルアクリルアミド290部、ダイアセトンアクリルアミド10部、メチレンビスアクリルアミド0.5部、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩の70%水溶液5部、「コータミン86W」の25%水溶液10部、「ブレンマーQA」(日本油脂(株)製、カチオン性反応型界面活性剤:商品名)の25%水溶液15部および2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩基酸塩の5%水溶液11部を溶解した液を該反応容器内に添加開始し、5時間かけて添加を終了させた。添加中および添加終了後1時間、反応容器内液温を80℃に保った後、40℃まで冷却し、5%アンモニア水でエマルジョンのpHを9に調整し、数平均粒子径が100nmの高分子エマルジョン1を得た。その感温点を測定したところ30℃であった。得られた高分子エマルジョンは40℃にて保存した。
攪拌器、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水360部を投入し反応容器内を80℃にした。次に「コータミン86W」(花王(株)製、カチオン性界面活性剤:商品名)の25%水溶液25部、「エマルゲン1135S−70」(花王(株)製、非イオン性界面活性剤:商品名)の70%水溶液7.5部およびN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩の70%水溶液4部を該反応器内に添加した。さらに該反応器内に2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩基酸塩の5%水溶液8部を投入し、その5分後に、メタクリル酸メチル9部、アクリル酸ブチル9部、スチレン9部、ダイアセトンアクリルアミド2部および2−ヒドロキシメタクリル酸エチル2部を混合した液を該反応器内に30分かけて連続的に添加した。添加は反応容器内を80℃に保ちながら行った。この段階でのエマルジョンの数平均粒子径は11nmであった。引き続き、水1254部にN−イソプロピルアクリルアミド290部、ダイアセトンアクリルアミド10部、メチレンビスアクリルアミド0.5部、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩の70%水溶液5部、「コータミン86W」の25%水溶液10部、「ブレンマーQA」(日本油脂(株)製、カチオン性反応型界面活性剤:商品名)の25%水溶液15部および2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩基酸塩の5%水溶液11部を溶解した液を該反応容器内に添加開始し、5時間かけて添加を終了させた。添加中および添加終了後1時間、反応容器内液温を80℃に保った後、40℃まで冷却し、5%アンモニア水でエマルジョンのpHを9に調整し、数平均粒子径が100nmの高分子エマルジョン1を得た。その感温点を測定したところ30℃であった。得られた高分子エマルジョンは40℃にて保存した。
(調製例2)
攪拌機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水360部を投入し反応容器内を80℃にした。次に「エレミノールJS−2」(三洋化成工業(株)製、アニオン性界面活性剤:商品名)の38%水溶液21部、「アデカリアソープSE−1025N」(旭電化工業(株)製、界面活性剤:商品名)(25%水溶液)12部を該反応器内に添加した。さらに該反応器内に過硫酸アンモニウムの2%水溶液8部を投入し、その5分後に、メタクリル酸メチル9部、アクリル酸ブチル9部、スチレン9部、ダイアセトンアクリルアミド2部およびアクリル酸2部を混合した液を該反応器内に30分かけて連続的に添加した。添加は反応容器内を80℃に保ちながら行った。この段階でのエマルジョンの数平均粒子径は11nmであった。引き続き、水1254部にN−イソプロピルアクリルアミド290部、ダイアセトンアクリルアミド10部、メチレンビスアクリルアミド0.5部、アクリル酸0.5部、「エレミノールJS−2」の38%水溶液3部、「アデカリアソープSE−1025N」(25%水溶液)11部および過硫酸アンモニウムの2%水溶液46部を溶解した液を該反応容器内に添加開始し、5時間かけて添加を終了させた。添加中および添加終了後1時間、反応容器内液温を80℃に保った後、40℃まで冷却し、5%アンモニア水でエマルジョンのpHを9に調整し、数平均粒子径が100nmの高分子エマルジョン2を得た。その感温点を測定したところ30℃であった。得られた高分子エマルジョンは40℃にて保存した。
攪拌機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水360部を投入し反応容器内を80℃にした。次に「エレミノールJS−2」(三洋化成工業(株)製、アニオン性界面活性剤:商品名)の38%水溶液21部、「アデカリアソープSE−1025N」(旭電化工業(株)製、界面活性剤:商品名)(25%水溶液)12部を該反応器内に添加した。さらに該反応器内に過硫酸アンモニウムの2%水溶液8部を投入し、その5分後に、メタクリル酸メチル9部、アクリル酸ブチル9部、スチレン9部、ダイアセトンアクリルアミド2部およびアクリル酸2部を混合した液を該反応器内に30分かけて連続的に添加した。添加は反応容器内を80℃に保ちながら行った。この段階でのエマルジョンの数平均粒子径は11nmであった。引き続き、水1254部にN−イソプロピルアクリルアミド290部、ダイアセトンアクリルアミド10部、メチレンビスアクリルアミド0.5部、アクリル酸0.5部、「エレミノールJS−2」の38%水溶液3部、「アデカリアソープSE−1025N」(25%水溶液)11部および過硫酸アンモニウムの2%水溶液46部を溶解した液を該反応容器内に添加開始し、5時間かけて添加を終了させた。添加中および添加終了後1時間、反応容器内液温を80℃に保った後、40℃まで冷却し、5%アンモニア水でエマルジョンのpHを9に調整し、数平均粒子径が100nmの高分子エマルジョン2を得た。その感温点を測定したところ30℃であった。得られた高分子エマルジョンは40℃にて保存した。
(調製例3)
攪拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取りつけた反応容器に、水600部及び「エレ
ミノールJS−2」(三洋化成工業(株)製、アニオン性界面活性剤:商品名)の38%水溶液15部、「アデカリアソープSE−1025N」(旭電化工業(株)製、界面活性剤:商品名)(25%水溶液)9部を投入し、反応容器内を80℃とした。次に、ダイアセトンアクリルアミド4部、スチレン128部、メタクリル酸メチル80部、メタクリル酸ブチル66部を混合した添加液(1)と、水100部に「エレミノールJS−2」の38%水溶液2部、「アデカリアソープSE−1025N」(25%水溶液)8部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液40部、を溶解した添加液(2)とを各々滴下槽より反応容器中へ4時間かけて添加した。添加中及び添加が終了してからさらに1時間、反応容器中の温度を80℃に保った後、40℃まで冷却し、5%アンモニア水でエマルジョンのpHを9に調整し、数平均粒子径40nmの高分子エマルジョン3を得た。その感温点の測定を試みたが、感温点と判断される変化は生じなかった。得られた高分子エマルジョンは40℃にて保存した。
攪拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取りつけた反応容器に、水600部及び「エレ
ミノールJS−2」(三洋化成工業(株)製、アニオン性界面活性剤:商品名)の38%水溶液15部、「アデカリアソープSE−1025N」(旭電化工業(株)製、界面活性剤:商品名)(25%水溶液)9部を投入し、反応容器内を80℃とした。次に、ダイアセトンアクリルアミド4部、スチレン128部、メタクリル酸メチル80部、メタクリル酸ブチル66部を混合した添加液(1)と、水100部に「エレミノールJS−2」の38%水溶液2部、「アデカリアソープSE−1025N」(25%水溶液)8部、過硫酸アンモニウムの2%水溶液40部、を溶解した添加液(2)とを各々滴下槽より反応容器中へ4時間かけて添加した。添加中及び添加が終了してからさらに1時間、反応容器中の温度を80℃に保った後、40℃まで冷却し、5%アンモニア水でエマルジョンのpHを9に調整し、数平均粒子径40nmの高分子エマルジョン3を得た。その感温点の測定を試みたが、感温点と判断される変化は生じなかった。得られた高分子エマルジョンは40℃にて保存した。
[実施例1]
乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、A300:商品名、以下、A300と記す)に固形分20質量%となるように水を加え、超音波分散機を使用して分散させた後、カチオン性ポリマー(日東紡績(株)製PAS−H−10L:商品名、以下、PAS−Hと記す)20質量%水溶液を、A300/PAS−H=100/5(乾燥質量比)となるよう添加した後、再度超音波分散機を使用して分散させ分散液1を得た。該分散液1を40℃に加熱した後、40℃に保温された前記高分子エマルジョン1中へ、A300/高分子エマルジョン1=20/100(乾燥質量比)となる割合で添加、混合し塗工液1を作成した。
更半紙(坪量48g/m2)上に上記塗工液1を、40℃に加熱したバーコーターを用い、乾燥後の塗工量が2g/m2となるように塗工し、スーパーカレンダーでニップ圧50kg/cm、50℃で処理し、アンダーコート塗工紙1を得た。
シリコーン系剥離剤主剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、LTC350G:商品名)100部、硬化触媒(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、SRX212:商品名)0.8部およびトルエン270部を混合して得られた剥離層用塗工液を、上記アンダーコート塗工紙1上に、バーコーターで、乾燥後の重量が0.7g/m2となるように塗布し、100℃で15秒間加熱することによって剥離紙1を得た。
アンダーコート塗工紙1および剥離紙1に関する評価結果を表1に示した。
乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、A300:商品名、以下、A300と記す)に固形分20質量%となるように水を加え、超音波分散機を使用して分散させた後、カチオン性ポリマー(日東紡績(株)製PAS−H−10L:商品名、以下、PAS−Hと記す)20質量%水溶液を、A300/PAS−H=100/5(乾燥質量比)となるよう添加した後、再度超音波分散機を使用して分散させ分散液1を得た。該分散液1を40℃に加熱した後、40℃に保温された前記高分子エマルジョン1中へ、A300/高分子エマルジョン1=20/100(乾燥質量比)となる割合で添加、混合し塗工液1を作成した。
更半紙(坪量48g/m2)上に上記塗工液1を、40℃に加熱したバーコーターを用い、乾燥後の塗工量が2g/m2となるように塗工し、スーパーカレンダーでニップ圧50kg/cm、50℃で処理し、アンダーコート塗工紙1を得た。
シリコーン系剥離剤主剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、LTC350G:商品名)100部、硬化触媒(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、SRX212:商品名)0.8部およびトルエン270部を混合して得られた剥離層用塗工液を、上記アンダーコート塗工紙1上に、バーコーターで、乾燥後の重量が0.7g/m2となるように塗布し、100℃で15秒間加熱することによって剥離紙1を得た。
アンダーコート塗工紙1および剥離紙1に関する評価結果を表1に示した。
[実施例2]
乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、A300:商品名、以下、A300と記す)に固形分20質量%となるように水を加え、超音波分散機を使用して分散させ分散液2を得た。該分散液2を40℃に加熱した後、40℃に保温された前記高分子エマルジョン2中へ、A300/高分子エマルジョン2=20/100(乾燥質量比)となる割合で添加、混合し塗工液2を作成した。
更半紙(坪量48g/m2)上に上記塗工液2を、40℃に加熱したバーコーターを用い、乾燥後の塗工量が2g/m2となるように塗工し、スーパーカレンダーでニップ圧50kg/cm、50℃で処理し、アンダーコート塗工紙2を得た。
実施例1で得られた剥離層用塗工液を、上記アンダーコート塗工紙2上に、バーコーターで、乾燥後の重量が0.7g/m2となるように塗布し、100℃で15秒間加熱することによって剥離紙2を得た。
アンダーコート塗工紙2および剥離紙2に関する評価結果を表1に示した。
乾式シリカ(日本アエロジル(株)製、A300:商品名、以下、A300と記す)に固形分20質量%となるように水を加え、超音波分散機を使用して分散させ分散液2を得た。該分散液2を40℃に加熱した後、40℃に保温された前記高分子エマルジョン2中へ、A300/高分子エマルジョン2=20/100(乾燥質量比)となる割合で添加、混合し塗工液2を作成した。
更半紙(坪量48g/m2)上に上記塗工液2を、40℃に加熱したバーコーターを用い、乾燥後の塗工量が2g/m2となるように塗工し、スーパーカレンダーでニップ圧50kg/cm、50℃で処理し、アンダーコート塗工紙2を得た。
実施例1で得られた剥離層用塗工液を、上記アンダーコート塗工紙2上に、バーコーターで、乾燥後の重量が0.7g/m2となるように塗布し、100℃で15秒間加熱することによって剥離紙2を得た。
アンダーコート塗工紙2および剥離紙2に関する評価結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例2において、高分子エマルジョン2の代わりに調製例3で得られた高分子エマルジョン3を用いる以外は実施例2と同様の方法でアンダーコート塗工紙3および剥離紙3を得た。
アンダーコート塗工紙3および剥離紙3に関する評価結果を表1に示した。
[比較例2]
更半紙(坪量48g/m2)上に、110℃に加熱して溶融した低密度ポリエチレン(和光純薬工業(株)製)を、110℃に加熱した塗工アプリケーターを用いて、塗工量が2g/m2となるように塗工し、スーパーカレンダーでニップ圧50kg/cm、50℃で処理し、アンダーコート塗工紙4を得た。
実施例1で得られた剥離層用塗工液を、上記アンダーコート塗工紙4上に、バーコーターで、乾燥後の重量が0.7g/m2となるように塗布し、100℃で15秒間加熱することによって剥離紙4を得た。
実施例2において、高分子エマルジョン2の代わりに調製例3で得られた高分子エマルジョン3を用いる以外は実施例2と同様の方法でアンダーコート塗工紙3および剥離紙3を得た。
アンダーコート塗工紙3および剥離紙3に関する評価結果を表1に示した。
[比較例2]
更半紙(坪量48g/m2)上に、110℃に加熱して溶融した低密度ポリエチレン(和光純薬工業(株)製)を、110℃に加熱した塗工アプリケーターを用いて、塗工量が2g/m2となるように塗工し、スーパーカレンダーでニップ圧50kg/cm、50℃で処理し、アンダーコート塗工紙4を得た。
実施例1で得られた剥離層用塗工液を、上記アンダーコート塗工紙4上に、バーコーターで、乾燥後の重量が0.7g/m2となるように塗布し、100℃で15秒間加熱することによって剥離紙4を得た。
本発明のアンダーコート層用組成物を用いれば、粘着ラベル、粘着シール、粘着テープ、粘着壁紙、粘着タイル、防水シート等のほか、樹脂、炭素繊維やセラミックス等の成形品の製造用あるいはクッキングシート等の食品用シートの製造および包装用等に使用でき、さらに、蒸解性に優れパルプとして再使用できる剥離紙が得られ、産業上の利用価値は大きなものである。
Claims (2)
- 支持体上に、アンダーコート層と、その上に剥離剤層とを設けてなる剥離紙のアンダーコート層用組成物であって、感温点以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含有する高分子エマルジョンを含んでなることを特徴とする剥離紙のアンダーコート層用組成物。
- 請求項1に記載の剥離紙のアンダーコート層用組成物をアンダーコート層に設けてなる剥離紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005006392A JP2006193855A (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | 剥離紙のアンダーコート層用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005006392A JP2006193855A (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | 剥離紙のアンダーコート層用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006193855A true JP2006193855A (ja) | 2006-07-27 |
Family
ID=36800154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005006392A Pending JP2006193855A (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | 剥離紙のアンダーコート層用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006193855A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009001650A (ja) * | 2007-06-20 | 2009-01-08 | Kansai Paint Co Ltd | 水性塗料組成物 |
JP2014501836A (ja) * | 2010-12-20 | 2014-01-23 | ローム アンド ハース カンパニー | カチオン性ポリマーラテックス及び使用 |
-
2005
- 2005-01-13 JP JP2005006392A patent/JP2006193855A/ja active Pending
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JP2009001650A (ja) * | 2007-06-20 | 2009-01-08 | Kansai Paint Co Ltd | 水性塗料組成物 |
JP2014501836A (ja) * | 2010-12-20 | 2014-01-23 | ローム アンド ハース カンパニー | カチオン性ポリマーラテックス及び使用 |
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