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JP2006174783A - 米飯及び米飯の製造方法 - Google Patents

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JP2006174783A JP2004372651A JP2004372651A JP2006174783A JP 2006174783 A JP2006174783 A JP 2006174783A JP 2004372651 A JP2004372651 A JP 2004372651A JP 2004372651 A JP2004372651 A JP 2004372651A JP 2006174783 A JP2006174783 A JP 2006174783A
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Abstract

【課題】栄養素が豊富で、かつ、長期間に亘り澱粉の老化を防止することのできる米飯の製造方法及び米飯を提供することを目的とする。
【解決手段】玄米を平均搗精度92.0〜99.3%に研削した搗精米に吸水処理を施す第1吸水工程と、前記第1吸水工程後の搗精米に加熱処理を施す加熱工程と、前記加熱工程後の搗精米に吸水処理を施す第2吸水工程と、前記第2吸水工程後の搗精米に炊飯処理を施す炊飯工程とを含むことを特徴とする米飯の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、米飯及び米飯の製造方法に関するものである。
米を炊飯した米飯は、時間の経過とともに硬くなり、食感が損なわれる。これは澱粉の老化によるもので、炊飯により澱粉の分子間の水素結合がゆるみ吸水膨潤して糊化(α化)した澱粉の分子が、時間の経過とともに再結合(β化)して硬く、もろくなる。
特許文献1は、低温下で保存しても硬くなりにくく、かつ粘りを維持した炊飯米を用いた米飯食品を提案している。この特許文献3は、低温温度帯での食感変化を抑制することに関して、米飯食品の加水量を増加させることが最も効果が高いことを明らかにしている。具体的には、一般的な加水量である1.20倍加水炊飯(水分含量58%)では、低温保存時に時間経過と共にすぐに硬くなって食用に適さなくなるのに対し、飯の水分含量を58%から60%、62%と増やすことで品質保持期間が長くなることを開示している。
また、特許文献2は、米を多加水により炊飯することにより、製造されてから比較的低温に保存された米飯類の食味低下を抑制する方法を提案している。この方法は、米を炊飯する際、トランスグルタミナーゼを米に作用させ、さらに炊飯時の加水量を一般的加水量より多めに、洗米後の生米重量に対し1.5倍量以上の炊飯水にて炊飯することにより、御飯の経時的な食味変化を抑制するものである。
ところで、玄米は収穫した米から籾殻を取り除いたものであり、精米に比べて食物繊維、ビタミンEなどの栄養素が豊富で、近年、健康食品素材として注目されている。
特開平11−75732号公報 特開平7−147917号公報
特許文献1と特許文献2は、米を炊飯する際に、加水量を増加させることが澱粉の老化を防止するのに有効であることを開示している。ところが、本発明者が玄米を炊飯した米飯の老化を防止するために、玄米を加水量を増加させて炊飯したところ、次のような問題のあることが分かった。
すなわち、この米飯を観察すると、粒が膨らみ過ぎたり、変形してねっとりとした米粒と、水分が少なく充分に膨らんでいない米粒とを含んでいた。また、前者の米粒は時間が経過しても澱粉の老化は抑制されていたが、後者の米粒は時間が経過すると澱粉の老化が促進されて硬く、もろもろとしたものになった。
上記の問題について検討したところ、その原因は次のように考えられる。すなわち、(1)玄米に加水して炊飯した場合、疎水性の果皮部からは殆ど吸水されずに、果皮の亀裂部分から水が浸透すること、(2)果皮の亀裂部分から水が浸透した米粒は、亀裂部分の近くで局所的に吸水が過度に進行し、その結果、粒が割れ、また、澱粉等の固形分が多量に溶出してねっとりすること、(3)他方、果皮に亀裂部分のない米は殆ど吸水されず、そのため、水分が少なく充分に膨らまないと共に、時間が経過すると澱粉の老化が促進されて硬く、もろもろとしたものになる。
本発明の目的は、栄養素が豊富で、かつ、長期間に亘り澱粉の老化を防止することのできる米飯の製造方法及び米飯を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、米粒が割れず、また、米粒が均質に吸水して充分に膨らんでいる米飯の製造方法及び米飯を提供することにある。
かかる技術的課題は、本発明の第一の観点によれば、
玄米を平均搗精度92.0〜99.3%に研削した搗精米を、炊飯に必要な水分を吸水させた後、炊飯することを特徴とする米飯の製造方法により達成される。
また、本発明の第二の観点によれば、
玄米を平均搗精度92.0〜99.3%に研削した搗精米に吸水処理を施す第1吸水工程と、
前記第1吸水工程後の搗精米に加熱処理を施す加熱工程と、
前記加熱工程後の搗精米に吸水処理を施す第2吸水工程と、
前記第2吸水工程後の搗精米に炊飯処理を施す炊飯工程とを含むことを特徴とする米飯の製造方法により達成される。
また、本発明の第三の観点によれば、
玄米を平均搗精度92.0〜99.3%に研削した搗精米に加熱処理を施す第1加熱工程と、
前記第1加熱工程後の搗精米に吸水処理を施す第1吸水工程と、
前記第1吸水工程後の搗精米に加熱処理を施す第2加熱工程と、
前記第2加熱工程後の搗精米に吸水処理を施す第2吸水工程と、
前記第2吸水工程後の搗精米に炊飯処理を施す炊飯工程とを含むことを特徴とする米飯の製造方法により達成される。
更に、本発明の第四の観点によれば、
玄米を平均搗精度92.0〜99.3%に研削した搗精米を炊飯した米飯であって、米飯粒の長径のCV値が12.8%以下であることを特徴とする米飯により達成される。
本発明は、玄米を平均搗精度92.0〜99.3%、より好ましくは93.0〜99.0%、更に好ましくは94.5〜98.8%に研削した搗精米を、炊飯に必要な水分を吸水させた後、炊飯することを特徴とする米飯の製造方法を提供する。そして、この方法により製造された米飯は、米飯粒の長径のCV値が12.8%以下、より好ましくは12.0%以下、更に好ましくは5.0〜11.0%のものとなり、栄養素が豊富で、かつ、長期間に亘り澱粉の老化を防止することができる。
ここで、本件発明において「平均搗精度」と「米飯粒の長径のCV値」は、以下の式により求めることができる。また、以下の式中、「米飯粒の長径」とは、図3に示すように米粒の中心を通る縦方向の長径を指す。但し、ここで「米飯粒の長径」を測定する際、割れた米飯粒や著しく変形した米飯粒は除外するものとする。
平均搗精度(%)=搗精後の搗精米の重量/搗精前の玄米の重量×100
米飯粒の長径のCV値=米飯粒の長径の標準偏差/米飯粒の長径の平均値(N=30粒)×100
また、「炊飯」とは、米粒内の澱粉を喫食できる状態にまで十分にα化させることをいい、また、本明細書において、米又は米飯の「水分含量(%)」とは、秤量缶(口の内径55mm、底の内径50mm、深さ35mmのもので、恒量を求めたもの)に、米又は米飯を約3g秤量し、これを105℃で16時間乾燥し、これにより蒸発した水分量(g/100g)を測定したものをいう。
また、米飯粒の「溶出固形分」とは、米飯粒から溶出する固形分のことをいう。また、米飯粒の「溶出固形分量(%)」は、次の方法により測定することができる。すなわち、(1)電子レンジを用いて米飯を品温70℃以上に温める。(2)乾燥させないように、この米飯を室温(25℃)の密閉下に放置して品温を25℃に調整する。(3)200ml容のビーカーに、この米飯約25gと蒸留水(25℃)100mlとを入れる。(4)できるだけ米飯粒を潰さないように、箸を用いてビーカー内の米飯を丁寧に解す。(5)ビーカー内の米飯と蒸留水との混合物を1mmメッシュの篩を通過させて、米飯粒と水相部とに分離する。(6)秤量缶に、この分離された水相部を約10g秤量し、これを105℃で16時間乾燥し、得られた乾燥物の重量を測定し、次の式により米飯粒の溶出固形分量(%)を求めることができる。米飯粒の溶出固形分量(%)=乾燥物の重量(g)×水相部の重量(g)/米飯の重量(g)
本発明において原料として使用することのできる玄米としては、澱粉の老化を防止する上で、アミロース含量の少ない粳米か、又は糯米が望ましい。より具体的には、粳米としては、はなぶさ、あやひめ、ミルキークイーン、スノーパールといった品種の米が挙げられる。また、糯米としては、アミロペクチンの側鎖が短い品種のものを使用するのが望ましい。具体的な品種としては、はくちょうもちが挙げられる。
本発明を適用した米飯の製造方法は、以下に開示する好ましい態様により具体的に実施することができる。先ず、その第一の態様について、図1を参照しながら説明する。この第一の態様は、図1に示すように、搗精工程(100)と、第1吸水工程(101)と、加熱工程(102)と、第2吸水工程(103)と、炊飯工程(104)とを含む。以下、第一の態様について詳しく説明する。
第一の態様では、先ず、搗精工程(100)で、玄米を平均搗精度92.0〜99.3%、より好ましくは93.0〜98.8%、更に好ましくは94.5〜98.6%に研削した搗精米を調製する。これにより、食物繊維やビタミンEなどの栄養素を豊富に含み、かつ、長期間に亘り澱粉の老化を防止することのできると共に、米粒が割れず、また、米粒が均質に吸水して充分に膨らんで食感の良好な米飯を製造することができる。尚、上記搗精米としては、胚芽米も包含される。
搗精工程(100)の搗精は、既知の搗精機を用いて行うことができ、例えば、研削式搗精機((株)サタケ社製)を用いて適宜搗精することができる。尚、本態様では、搗精工程(100)を採用しているが、上記搗精米としては、予め上記の平均搗精度に研削されたものを購入して使用することもでき、この場合、搗精工程(100)は必要ない。
第一の態様では、次に、第1吸水工程(101)で、搗精米に吸水処理を施して水を含ませる。この第1吸水工程(101)では、米の水分含量を、好ましくは25〜50%、より好ましくは28〜42%に調整するのがよい。このような水分含量となるまで吸水させることにより、後述する第二吸水工程で水を十分に含ませることができる。
第1吸水工程(101)の吸水処理は、例えば、搗精米を水に浸漬すればよい。具体的には、搗精米を室温(25℃)の水に30〜120分間程度浸漬すると、米の水分含量を前記範囲に調整することができる。但し、この吸水処理は、水温が60℃を超えない条件下で行うべきである。水温が60℃を超えるような条件下で吸水処理を行うと、澱粉の糊化が進行し易くなるからである。すなわち、この吸水処理は、澱粉を糊化させないように搗精米に水を吸水させるのがよい。
吸水処理を施した搗精米の表面に水が多く付着している場合には、次工程の加熱工程(102)の前に、その付着している水を除去するのがよい。この水の除去は、例えば、浸漬水から引き上げた搗精米を篩の上に載せて放置するか、又は篩を振るなどして水切りすればよい。あるいは、浸漬水から引き上げた搗精米に送風して米の表面を乾燥させたり、遠心分離して水切りすることもできる。
次に、加熱工程(102)で、第1吸水工程(101)後の搗精米に加熱処理を施す。これにより、次工程の第2吸水工程(103)で、炊飯に必要な水分含量にまで搗精米に吸水させることができるようになる。この加熱工程(102)は、できるだけ澱粉を糊化させないように、第1吸水工程(101)後の搗精米に対し、実質的に水を加えることなく加熱処理を施すのがよい。尚、ここで、実質的に水を加えることなく加熱処理を施すとは、米粒が水中に浸るような程度にまで水を加えることなく加熱処理を施すことを意味する。
このような観点から、加熱工程(102)の加熱処理としては、例えば、搗精米に飽和水蒸気を接触させて加熱する方法が挙げられる。別の方法としては、搗精米に対し過熱水蒸気を接触させて加熱することもできる。更に別の方法としては、搗精米を容器に収容密封し、容器に熱水を接触させるなどして容器内の搗精米を加熱することもできる。
この加熱工程(102)における加熱条件としては、例えば、60〜130℃で30秒間〜120分間、好ましくは100〜110℃で10分間〜60分間の条件を挙げることができる。特に、好ましい条件で加熱処理を施した場合には、米の色調や風味を変質させることなく、次工程の第2吸水工程(103)で後述する水分含量にまで搗精米に吸水させることができる。
次に、第2吸水工程(103)で、再度、搗精米に吸水処理を施して、炊飯に必要な水分を実質的にすべて搗精米に吸水させる。したがって、次工程の炊飯工程(104)では、搗精米に対して水を加える必要はない。この第2吸水工程(103)により、米粒の中に局所的に偏って水分を含ませるのではなく、米粒の中に水を均質かつ十分に含ませることができる。
この第2吸水工程では、澱粉の老化を防止する上で、粳米の場合は、搗精米の水分含量を62〜75%、より好ましくは64〜72%、更に好ましくは65〜70%に調整するのがよい。また、糯米の場合は、搗精米の水分含量を好ましくは57〜70%、より好ましくは58〜68%、更に好ましくは58〜67%に調整するのがよい。
第2吸水工程(103)の吸水処理は、例えば、加熱工程(102)後の搗精米に対し、上記水分含量となる量の水を加え一定時間保持することにより行うことができる。この場合の一定時間としては、30〜180分間程度を例示できる。また、第2吸水工程(103)の吸水処理は、例えば、加熱工程(102)後の搗精米を多量の水に一定時間浸漬させてもよい。但し、この吸水処理は、澱粉の糊化を進行させないように、水温が60℃を超えない条件下で行うのがよい。また、搗精米を多量の水に浸漬させ、その表面に水が多く付着している場合には、次工程の炊飯工程(104)の前に、その付着している水を除去するのがよい。この水の除去は、前述のように、例えば、浸漬水から引き上げた搗精米を篩の上に載せて放置するか、又は篩を振るなどして水切りすればよい。
次に、炊飯工程(104)で、第2吸水工程(103)後の搗精米に炊飯処理を施す。このように、第2吸水工程(103)で炊飯に必要な水分をすべて搗精米に吸水させてから、その後に炊飯処理を施すことにより、米飯粒の長径のCV値が12.8%以下、より好ましくは12.0%以下、更に好ましくは5.0〜11.0%の米飯を得ることができる。
すなわち、玄米を搗精しない場合には、第一に、果皮の亀裂部分から局所的に吸水した米飯と、果皮に亀裂部分がなく殆ど吸水しない米飯とが生じる。また、第二に従来のように、炊飯に必要な量の水(いわゆる炊き水)を搗精米に加えて炊飯した場合には、米粒は水中に浸った状態で、加熱により吸水しながら澱粉の糊化が進行する。そうすると、澱粉の糊化とともに、澱粉等の固形分が米粒の周りの水相を介して米粒の表面に溶出し、この溶出固形分が米粒の吸水を妨げる。その結果、米粒の水分は表面部分に偏り、米粒の中心部分は水分含量が低くなっていると考えられる。その結果、得られる米飯粒の長径のCV値は上記範囲を超えることになるものと考えられる。
これに対して、本発明においては、玄米を所定の搗精度に研削することにより、米粒の吸水が一点に集中しないので、水分の偏りを抑制することができる。また、第2吸水工程(103)で、予め、必要な水分をすべて搗精米に吸収させることにより、炊飯するときには、米粒の周りに水相が存在しないので、加熱により澱粉の糊化が進行しても、澱粉等の固形分の溶出が抑制されると考えられる。したがって、溶出固形分によって米粒の中心部分への吸水を妨げることなく、米粒の表面部分から中心部分まで水を均質かつ十分に含ませることができる。その結果、得られる米飯粒の長径のCV値が上記範囲になるものと考えられる。
炊飯工程(104)の炊飯処理としては、具体的には、例えば、第2吸水工程(103)後の搗精米に対し、飽和水蒸気を接触させて直接蒸煮する方法が挙げられる。また、別の方法としては、第2吸水工程(103)後に搗精米を容器に収容密封し、容器ごと加熱する方法が挙げられる。また、炊飯工程(104)では、炊飯処理と併せて加熱殺菌処理を施すこともできる。この場合、所定の殺菌価が達成される加熱条件で炊飯処理を施せばよい。これにより、常温で長期保存できる米飯を提供することができる。
続いて、図2を参照しながら、第二の態様について説明する。この第二の態様は、第1吸水工程の前に加熱工程を含む点で、第一の態様と異なる。以下、第1吸水工程の前に行う加熱工程のことを「第1加熱工程」といい、第1吸水工程の後に行う加熱工程のことを「第2加熱工程」という。したがって、第二の態様は、図2に示すように、搗精工程(200)と、第1加熱工程(201)と、第1吸水工程(202)と、第2加熱工程(203)と、第2吸水工程(204)と、炊飯工程(205)とを含む。以下に、第二の態様について詳しく説明する。尚、第二の態様について、第一の態様と重複する部分の説明については適宜省略する。
第二の態様においては、搗精工程(200)は第一の態様の搗精工程(100)と同様であるが、第1吸水工程(202)の前に、搗精米に加熱処理を施す第1加熱工程(201)を採用する。これにより、第一の態様のよりも一層、米粒の水分の偏りを抑制することができる。この第1加熱工程(201)は、できるだけ澱粉の糊化を進行させないように、搗精米に実質的に水を加えることなく加熱処理を施すのがよい。
このような観点から、加熱処理の方法としては、例えば、搗精米に飽和水蒸気を接触させて加熱する方法が挙げられる。また、別の方法としては、搗精米に過熱水蒸気を接触させて加熱することもできる。更に、別の方法としては、搗精米を容器に収容密封し、容器に熱水を接触させるなどして容器内の搗精米を加熱することもできる。
この第1加熱工程(201)の加熱条件としては、例えば、60〜130℃で30秒間〜120分間、好ましくは100〜110℃で10分間〜60分間の条件を挙げることができる。
次に、第1吸水工程(202)で、搗精米に吸水処理を施して水を含ませる。第1加熱工程(201)を採用した場合には、第1加熱工程(201)を採用しない場合(第一の態様の場合)よりも多くの水分を第1吸水工程(202)で搗精米に含ませることができる。したがって、この第1吸水工程(202)では、搗精米の水分含量を、好ましくは30〜55%、より好ましくは33〜53%に調整するのがよい。
第1吸水工程(202)の吸水処理は、第一の態様の場合と同様に、搗精米を水に浸漬すればよい。また、この吸水処理は、澱粉を糊化させないために、水温が60℃を超えない条件下で行うべきである。そして、第1吸水工程(202)後の搗精米の表面に水が多く付着している場合には、次工程の第2加熱工程(203)の前に、その付着している水を除去するのがよい。
次に、第2加熱工程(203)で、第1吸水工程(202)後の搗精米に加熱処理を施す。この第2加熱工程(202)は、第一の態様の場合と同様である。したがって、第1吸水工程(202)後の搗精米に対して実質的に水を加えることなく加熱処理を施すのがよい。また、このような観点から、加熱処理の方法および加熱条件も第一の態様の場合と同様である。
次に、第2吸水工程(204)で、搗精米に吸水処理を施して炊飯に必要な水分を実質的にすべて搗精米に吸水させる。したがって、次工程の炊飯工程(205)では、搗精米に対して水を加える必要はない。この第2吸水工程(204)により、米粒の中に局所的に偏って水分を含ませるのではなく、米粒の中に水を均質かつ十分に含ませることができる。
この第2吸水工程(204)では、澱粉の老化を防止する上で、粳米の場合は、搗精米の水分含量を62〜75%、より好ましくは64〜72%、更に好ましくは65〜70%に調整するのがよい。また、糯米の場合は、搗精米の水分含量を好ましくは57〜70%、より好ましくは58〜68%、更に好ましくは58〜67%に調整するのがよい。
第2吸水工程(204)の吸水処理は、第一の態様の場合と同様に、例えば、第2加熱工程(203)後の搗精米に対し、上記水分含量となる量の水を加え一定時間保持することにより行うことができる。この場合の一定時間としては、30〜180分間程度を例示できる。また、第2吸水工程(204)の吸水処理は、例えば、第2加熱工程(203)後の搗精米を多量の水に一定時間浸漬させてもよい。但し、この吸水処理は、澱粉の糊化を進行させないように、水温が60℃を超えない条件下で行うのがよい。また、搗精米を多量の水に浸漬させ、その表面に水が多く付着している場合には、次工程の炊飯工程(205)の前に、その付着している水を除去するのがよい。
次に、炊飯工程(205)で、搗精米に炊飯処理を施す。このように、第2吸水工程(204)で炊飯に必要な水分をすべて搗精米に吸収させた後、炊飯処理を施すことにより、米飯粒の長径のCV値が12.8%以下、より好ましくは12.0%以下、更に好ましくは5.0〜11.0%の米飯を得ることができる。炊飯処理の方法は、第一の態様の場合と同様であり、また、炊飯工程(205)では、炊飯処理と併せて加熱殺菌処理を施すこともできる。
以上に説明した本発明は、白米に限らず、赤飯、おこわ、ちまき、おはぎ等の種々の米飯に適用することができる。その場合に味付けに必要な調味成分は、例えば、第2吸水工程や炊飯工程などの適当な工程で適宜添加することができる。また、前記工程の他に、味付けを施す工程を付加してもよい。また、最初の工程として、洗米工程を付加してもよいし、無洗米を使用してもよい。
また、本発明は、おにぎり等の成形米飯の製造にも適用することができる。例えば、炊飯工程で、糯米を容器に収容密封して炊飯処理を施す場合には、成形しようとする米飯の形状、大きさに合わせた容器を用意し、当該容器を成形型として用いることで、糯米を炊飯しながら成形米飯を製造することができる。
(第一の態様に対応する実施例)
(1)搗精工程
玄米(品種:はなぶさ、アミロース含量16%)の表層を研削し、平均搗精度99.0%の搗精米を得た。
(2)第1吸水工程
搗精工程後の搗精米を25℃の水に120分間浸漬し、その後篩の上に置いて水切りして、水分含量が34%の搗精米を得た。
(3)加熱工程
第1吸水工程後の搗精米に対し、飽和水蒸気を用いて100℃、60分間の条件で加熱処理を施した。
(4)第2吸水工程
加熱工程後の搗精米に対し、この米の水分含量が67%となる量の水(25℃)を加えて90分間保持して吸水させ、水分含量が67%の搗精米を得た。
(5)炊飯工程
第2吸水工程後の搗精米を容器に収容密封し、F0値が3.1以上となる熱量を加えて、炊飯処理とともに加熱殺菌処理を施して容器入り米飯を製造した。この容器入り米飯は、水分含量が67%、米飯粒の長径のCV値が10.6%のものであった。
(第一の態様に対応する実施例)
搗精工程で平均搗精度98.1%の搗精米を得ること以外は、実施例1と同様にして、容器入り米飯を製造した。この容器入り米飯は、米飯粒の長径のCV値が9.9%のものであった。
(第二の態様に対応する実施例)
(1)搗精工程
玄米(品種:はなぶさ、アミロース含量16%)の表層を研削し、平均搗精度98.1%の搗精米を得た。
(2)第1加熱工程
搗精工程の搗精米に対し、飽和水蒸気を用いて100℃、60分間の条件で加熱処理を施した。
(1)第1吸水工程
第1加熱工程後の搗精米を25℃の水に180分間浸漬し、その後篩の上に置いて水切りして、水分含量が39%の米を得た。
(2)第2加熱工程
第1吸水工程後の搗精米に対し、飽和水蒸気を用いて100℃、60分間の条件で加熱処理を施した。
(4)第2吸水工程
第2加熱工程後の搗精米に対し、この米の水分含量が67%となる量の水(25℃)を加えて90分間保持して吸水させ、水分含量が67%の米を得た。
(5)炊飯工程
第2吸水工程後の搗精米を容器に収容密封し、F0値が3.1以上となる熱量を加えて、炊飯処理とともに加熱殺菌処理を施して容器入り米飯を製造した。この容器入り米飯は、水分含量が67%、米飯粒の長径のCV値が8.2%のものであった。
比較例1
(玄米を搗精せずに通常の方法で炊飯した比較例)
家庭用の電気炊飯器に、玄米(品種:はなぶさ、アミロース含量16%)と、炊飯後の米飯の水分含量が67%となる量の水とを入れて炊飯し、得られた炊飯米を容器に収容密封し、F0値が3.1以上となる熱量を加えて、加熱殺菌処理を施して容器入り米飯を製造した。この容器入り米飯は、米飯粒の長径のCV値が15.4%のものであった。
比較例2
(玄米を搗精して通常の方法で炊飯した比較例)
玄米を平均搗精度98.1%に研削して搗精して使用すること以外は、比較例1と同様にして、容器入り米飯を製造した。この容器入り米飯は、米飯粒の長径のCV値が12.9%のものであった。
比較例3
(平均搗精度が99.7%とした比較例)
玄米を平均搗精度99.7%に研削して搗精して使用すること以外は、実施例1と同様にして、容器入り米飯を製造した。この容器入り米飯は、米飯粒の長径のCV値が14.4%のものであった。
比較試験
実施例1〜3及び比較例1〜3の米飯について製造直後に官能評価を行うと共に、5℃の雰囲気下に7日間保管してから再度官能評価を行った。これらの結果を表1に示す。
本発明を適用した第一の態様のフロー図である。 本発明を適用した第二の態様のフロー図である。 米粒の断面図を示す。

Claims (4)

  1. 玄米を平均搗精度92.0〜99.3%に研削した搗精米を、炊飯に必要な水分を吸水させた後に炊飯することを特徴とする米飯の製造方法。
  2. 玄米を平均搗精度92.0〜99.3%に研削した搗精米に吸水処理を施す第1吸水工程と、
    前記第1吸水工程後の搗精米に加熱処理を施す加熱工程と、
    前記加熱工程後の搗精米に吸水処理を施す第2吸水工程と、
    前記第2吸水工程後の搗精米に炊飯処理を施す炊飯工程とを含むことを特徴とする米飯の製造方法。
  3. 玄米を平均搗精度92.0〜99.3%に研削した搗精米に加熱処理を施す第1加熱工程と、
    前記第1加熱工程後の搗精米に吸水処理を施す第1吸水工程と、
    前記第1吸水工程後の搗精米に加熱処理を施す第2加熱工程と、
    前記第2加熱工程後の搗精米に吸水処理を施す第2吸水工程と、
    前記第2吸水工程後の搗精米に炊飯処理を施す炊飯工程とを含むことを特徴とする米飯の製造方法。
  4. 玄米を平均搗精度92.0〜99.3%に研削した搗精米を炊飯した米飯であって、米飯粒の長径のCV値が12.8%以下であることを特徴とする米飯。

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