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JP2006171784A - 電子写真用転写シート - Google Patents

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JP2006171784A JP2006034622A JP2006034622A JP2006171784A JP 2006171784 A JP2006171784 A JP 2006171784A JP 2006034622 A JP2006034622 A JP 2006034622A JP 2006034622 A JP2006034622 A JP 2006034622A JP 2006171784 A JP2006171784 A JP 2006171784A
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智文 時吉
Shuji Saito
修二 斉藤
Toshiaki Hata
俊朗 秦
Ryuichi Kisaka
隆一 木坂
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Abstract

【課題】 環境湿度が変化しても表面電気抵抗値が安定し、トナー転写性に優れ、水による用紙の破れや変形、並びにトナー層の剥がれのない電子写真用転写シートを提供。
【解決手段】 ポリプロピレンを主成分とする合成紙からなる支持体と、その少なくとも一面上に形成された受像層とを有し、前記受像層中に、合成ヘクトライト粘土鉱物と、オキサゾリン系架橋剤で架橋されたバインダーとを含有することを特徴とするものである。前記受像層中に、バインダーとして、ポリウレタンアイオノマー樹脂を含有することが好ましく、またポリウレタンアイオノマー樹脂100質量部に対し、オキサゾリン系架橋剤が1〜100質量部の範囲であることが好ましい。さらに前記受像層表面の、温度10℃から30℃、相対湿度30%RHから85%RHの範囲における表面電気抵抗値が、1×10〜1×10Ωの範囲であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、トナーによる電子写真方式を用いた印字装置に使用する電子写真用転写シートに関するものである。さらに詳しくは、低湿度から高湿度まで幅広い湿度範囲で安定したトナー画像を有し、水分による破れや変形及びトナーの剥がれのない電子写真用転写シートに関するものである。
電子写真方式では、一般に感光体表面を帯電させ、露光により静電画像の潜像を形成させ、この潜像にトナーを付着させて現像し、転写シートにトナー像を転写し、このトナー像を熱で固定、定着することにより得られる。このように転写シートを用いる方法は電子写真方式の間接法と言われるもので、一般の普通紙用の電子写真複写機やレーザービームプリンターなどに採用されている。転写シート自体が感光体の役目を担う方法、すなわち感光層を有する転写シート上に、直接潜像を形成させ、トナー現像、定着を行う方法もあり、電子写真の直接法と言われている。
近年、間接法の電子写真印刷装置に用いられる転写シートとしての記録体は、普通紙の他に、OHP用を含む各種フィルムシートが挙げられる。一般的にこのフィルムシートの表面にはトナーの転写性や密着性を上げるための受像層を設けたり、裏面にはより安定した走行性を得るために帯電防止層を設けるなどの工夫がなされている。
電子写真印刷装置に用いられる記録体は、従来から主に紙基材が使用され、また特定の用途にはポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム基材が使用されている。しかし、紙基材を用いた場合、高湿時に変形が多く、耐水性が十分でないなどの問題があった。またポリエステルフィルムの場合は耐水性と高画質を得ることができる反面、筆記性に劣り、風合いに欠けるため高級感を得難いなどの問題があった。このような問題を解決する方法として、合成紙を使用する方法が挙げられる。合成紙は、主にポリプロピレン単独で、あるいは積層して使用される。合成紙は水分による変形や破れがなく、耐水性に優れ、高画質を得られるなどの点で実用的にも品質的にも優れている上に、マット調の風合いで筆記性に優れるなど、いわゆる紙としての良さを兼ね備えている点でも、優れた基材である。しかしながら、記録体として合成紙を用いた場合に、電子写真印刷装置により画像形成しようとすると、合成紙表面の表面電気抵抗値が高すぎてトナーの転写不良が起り、濃度の低い画像しか得られない問題があった。
従来の技術としては、電子写真印刷装置で画像を得る場合のトナーの転写性を向上させるために、表面電気抵抗値を制御する受像層の形成が行われている。特公昭51−34734号公報(特許文献1)には、プラスチックフィルム上に有機溶剤可溶な樹脂層が形成され、表面電気抵抗値が1×10〜1×1015Ωの電子写真用転写フィルムが開示されている。この樹脂層はマット化剤を含有しており、通常の湿度ではトナー転写性はある程度良好であるが、低湿度では表面電気抵抗値が高くなってトナー転写性が低下する。
また、特公昭59−4286号公報(特許文献2)には、フィルム上にアニオン系あるいはカチオン系の導電性樹脂の下塗り層、アクリル樹脂の受像層を順に積層した2層からなる電子写真用フィルムが提案され、さらに特開昭62−238526号公報(特許文献3)には、フィルム上に導電性付与層として有機物の塩を含有する下塗り層、ポリメタクリル酸メチルの受像層が設けられた電子写真用転写フィルムが提案されている。このように下塗り層にイオン導電性物質を使用すると、フィルム表面の表面電気抵抗値は低下するが、この表面電気抵抗値は下塗り層の吸水量の影響を受け易いため、環境湿度の変化により大きく変動し、特に高湿下で表面電気抵抗値が低くなり、トナーの転写性が低下する問題がある。また、上記導電層は、水に対して容易に溶解するため、定着したトナー層が合成紙上から剥がれ、合成紙の特徴である耐水性を活かすことができないという問題もある。
特公昭51−34734号公報 特公昭59−4286号公報 特開昭62−238526号公報
本発明の目的は、環境湿度が変化しても表面電気抵抗値が安定し、トナー転写性に優れているとともに、水による用紙の破れや変形、並びにトナー層の剥がれのない実用性に優れた電子写真用転写シートを提供することにある。
本発明者らは、前記の課題について鋭意検討した結果、高耐水性の導電層を合成紙上に設けることで、合成紙の表面電気抵抗値を特定の範囲に制御し、環境湿度が変化してもトナー転写性の変動が少なく、且つ水に浸漬してもトナー層が剥離しない、電子写真用転写シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係る電子写真用転写シートは、ポリプロピレンを主成分とする合成紙からなる支持体と、その少なくとも一面上に形成された受像層とを有し、前記受像層中に、合成ヘクトライト粘土鉱物と、オキサゾリン系架橋剤で架橋されたバインダーとを含有することを特徴とするものである。
前記受像層中に、バインダーとして、ポリウレタンアイオノマー樹脂を含有することが好ましく、また前記オキサゾリン系架橋剤とポリウレタンアイオノマー樹脂との配合比が、ポリウレタンアイオノマー樹脂100質量部に対し、オキサゾリン系架橋剤が1〜100質量部の範囲であることが好ましい。さらに前記受像層表面の、温度10℃から30℃、相対湿度30%RHから85%RHの範囲における表面電気抵抗値が、1×10〜1×10Ωの範囲であることが好ましい。
本発明に係る電子写真用転写シートは、低温低湿から高温高湿まで幅広い環境下で表面電気抵抗値が安定しており、トナー転写性に優れ、画像濃度も高く、高品位な画質が得られ、しかも水による用紙の破れや変形並びにトナーの剥がれのないものである。
また本発明における前記受像層に使用されるバインダーは、優れた耐熱性や耐水性を得る目的から、特にポリウレタンアイオノマー樹脂を用いることが好ましい。このポリウレタンアイオノマー樹脂は、本発明の支持体であるポリプロピレンを主成分とする合成紙との密着性にも優れている。
前記オキサゾリン系架橋剤とポリウレタンアイオノマー樹脂の配合比は、ポリウレタンアイオノマー樹脂100質量部に対し、オキサゾリン系架橋剤が1〜100質量部の範囲が好ましく、より好ましくは2〜50質量部の範囲である。オキサゾリン系架橋剤の配合量が、1質量部未満では、耐水性が劣ることがある。一方、100質量部を超えると、トナーと受像層の密着性が低下することがある。
本発明においては、前記受像層に前記以外、他のポリマーを併用することができる。例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エ−テル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの誘導体などのセルロース誘導体類、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴムなどの天然あるいは半合成高分子化合物、酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体、エポキシ系共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリエステル、水溶性ポリウレタン、水溶性ナイロン、水溶性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエンなどのポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテルなどのビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系などの合成ゴムラテックス、ポリウレタンアイオノマー樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂などの合成高分子化合物などが例示できる。そしてこれらの中から、電子写真用転写シートの品質を損なわない範囲に応じて、1種あるいは2種以上が適宜選択して使用してもよい。
また、本発明に係る電子写真用転写シートは、温度10℃から30℃、相対湿度30%RHから85%RHの範囲における、JIS K 6911に基づく表面電気抵抗値が、1×10〜1×10Ωの範囲であることが好ましい。因みに、表面電気抵抗値が、1×10Ω未満では、用紙の帯電量が低く、感光体上の、トナーに作用する受像層表面への静電引力が弱く、転移が劣りことがあり、トナーの抜けた部分や画像濃度の低下が発生することがある。一方、表面電気抵抗値が、1×10Ωを超える場合、不要な部分へのトナーの転移や放電によるトナーの飛散などが発生し、トナー被りのような画像欠陥や画質低下となることがある。
このような、表面電気抵抗値の制御手段としては、合成ヘクトライト粘土鉱物を含有する受像層を設けることが好ましい。本発明で用いる合成ヘクトライト粘土鉱物としては、天然ヘクトライト粘土と同じ構造式、すなわち、下記式、
[(Si(Mg5.34Li0.66)O20(OH,F))]Na0.66
で表示されるLaporte Industries社製のラポナイトB、Sなど、または(OH,F)の部分が全て水酸基となった構造式、すなわち、下記式、
[(Si(Mg5.34Li0.66)O20(OH))]Na0.66
で表示されるLaporte Industries社製のラポナイトRD、RDS、XLG、XLSなどがある。
本発明は合成ヘクトライト粘土鉱物を含有する受像層を設けたことを特徴とするものであるが、本発明で用いる合成ヘクトライト粘土鉱物の粒径は、10μm以下、好ましくは0.2〜5μmであり、その配合比率は、受像層用塗料の固型分質量の5〜90質量%、好ましくは20〜70質量%である。配合比率が5質量%未満であると、表面電気抵抗値の制御が難しく、特に湿度変化による表面電気抵抗値の変化が大きいため、記録時の転写不良を発生することがある。またそれが90質量%より多いと、受像層中の接着剤として使用するバインダーの比率が下がり、支持体と受像層との接着強度が不足することがある。
前記のごときラポナイトは、層状構造を有し、結晶構造の各層の厚さは約1nmで二次元に延長した小板を形成している。この小板ユニットに存在するマグネシウム原子が、より低原子価イオンのリチウム原子と同形置換しており、小板ユニットは負に帯電しているが、乾燥状態でこの負電荷はプレート面の格子構造外側にある置換可能ナトリウム陽イオンと釣り合っている。このラポナイトを脱イオン水中に1.5〜2.0質量%の濃度で分散させると、格子構造外側にある置換可能ナトリウム陽イオンがイオン化し、小板面から拡散し、小板面は負の電荷を得て相互に反発して小板ユニットがバラバラに分散したコロイド状分散液、すなわちゾルを形成する。分散された小板には全体に固有の負電荷が存在し、小板の端部には周囲媒体からのイオン吸着により、わずかな局部電荷を帯びる。これは溶液中のイオンの種類と濃度および媒体のpHに依存するが、通常は陽イオンのみが吸着され、端部は正電荷を帯びることになる。結果として、端−面結合が生じて代表的な「カードハウス」構造が形成され、ゲルが形成される。このゲル強度はラポナイトの濃度に依存し、低濃度の場合、比較的緩やかな粒子連鎖の網目が形成され、ゲル強度は低いが、濃度が増加すれば、粒子連鎖の網目が充填されるため、ゲル強度が急速に増す。
一方、ゾルを形成するラポナイトS、RDS、XLSは、濃度が10質量%に達すると、安定した流動分散液の調製を可能にするため、ピロリン酸ナトリウムのような解膠剤を含んでいる。この解膠剤は正に帯電した小板の端部に吸着され、多量の負電荷イオンとなり、粒子間結合により生ずるゲル構造の直接の形成を防止する。
本発明における前記受像層用塗布液には、皮膜の均一性、接合性および塗工適性などを改良する目的でポリマー、顔料、滑剤、架橋剤、界面活性剤などを添加してもよい。また本発明の所望の効果を損なわない範囲で、通常の導電性物質を添加することも可能である。
本発明において、前記受像層に使用される他の顔料には特に制限はない。例えば、カオリン、構造性カオリン、デラミカオリンクレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、焼成クレー、酸化チタン、珪藻土、酸価亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、微粒子状無水シリカ、活性白土、コロイダルシリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイトなどの無機顔料、およびポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などの、密実型、微小中空粒子型、貫通孔型の有機顔料などが挙げられ、これらの中から1種あるいは2種以上を適宜用いることができる。
さらに本発明において前記受像層用塗布液には必要に応じて各種助剤を添加することができる。例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩、脂肪酸金属塩などの分散剤、界面活性剤、その他消泡剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料などが必要に応じて適宜使用することも可能である。
本発明における支持体は、ポリプロピレンを主成分とする合成紙が用いられるが、この合成紙の製造方法としては、下記の方法が一般的に知られているが、本発明の支持体はこれらに限定されるものではない。
(1)内部紙化法:合成樹脂に充填剤及び添加剤を加えて混合し、押し出し機で溶融混練後、ダイスリットから押し出して成膜化する方式であり、成膜の方法は無延伸フィルム形成法と二軸延伸フィルム形成法がある。
(2)表面塗工法:プラスチックフィルムの表面に白色ピグメント塗工層を設ける方法。
(3)表面処理法:合成樹脂フィルムの表面を化学的あるいは物理的に処理する方法。
かかる合成紙の具体例としては、例えば、モービル社製260LLG−202、東洋紡社製P4255、Arjobex社製PEPPART、POLYART、日清紡社製ピーチコートなどが挙げられる。
特に本発明においては、内部紙化法の二軸延伸フィルム形成法によって得られた合成紙を支持体として用いることが好ましい。具体的には、主原料のポリプロピレン樹脂に無機充填剤と添加剤を加えて混合し、押し出し機で溶融混練後、ダイスリットから溶融樹脂膜を押し出し、一旦冷却後、再び軟化温度前後まで加熱して、縦および横方向に同時または逐次に延伸して成膜する方法で得られた合成紙が好ましく、さらにこの方法での延伸時に、内部に微細な空孔であるミクロボイドを生成させながら成膜させて得られた合成紙も、本発明において好ましく用いることができる。
かかる合成紙の具体例としては、ユポ・コーポレーション社製の商品名「ユポ」であり、グレード名:FPG、SGS、KPK、KAG、KPU、KPE、QJJ、WFPなどが挙げられる。「ユポ」は、ポリプロピレン樹脂に炭酸カルシウムなどの無機充填剤と添加剤を加えたものを原料として二軸延伸フィルム形成法により必要に応じてミクロボイドを発生させながら成膜されたものである。「ユポ」は、さらに基層とその両表面に積層された紙状層とで構成され多層構造になっている。基層は縦および横方向に延伸配向され、主に強度や剛性を保つのに対し、表面層は横方向にのみ延伸配向され、多数のミクロボイドによって光が乱反射し、高い白色度と、耐水性、耐久性、防湿性、平滑性などに優れ、不透明性を維持し、筆記性や印刷性を付与し、比重が低く軽量となる点で好ましい。前記合成紙の厚さとしては、20〜500μmの範囲のものが好ましく、35〜300μmの範囲のものがより好ましい。
本発明に係る電子写真用転写シートにおいて、受像層の形成方法については特に限定されるものではなく、例えばエアナイフコーティング、ワイヤーバーコーティング、ブレードコーティング、ロールコーティング、グラビヤコーティング、リバースロールコーティング、カーテンコーティング、ダイスロットコーティング、チャンプレックスコーティング、ブラシコーティング、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコーティング、ビルブレードコーティング、ゲートロールコーティングなどにより塗布液を塗布、乾燥する方法などによって形成される。また塗布液の塗布量についても特に限定されるものではなく、片面につき通常乾燥質量で0.1〜10g/m程度、好ましくは、0.1〜5g/mの範囲で調節される。塗工量が0.1g/mg未満では、表面電気抵抗値が高く、トナーの転写性が劣ることがある。一方10g/mを超える場合は、コストが高くなる。なお塗布、乾燥後、スーパーカレンダ、マシンカレンダ、ソフトカレンダ等で平滑化処理をしても良い。
受像層は、支持体の片面或いは両面に形成され、1層あるいは必要に応じて2層以上の中間層を設け、多層構造にすることも可能である。なお両面塗工や多層構造とする場合、各々の塗布液が同一または同一塗工量である必要はなく、所望の品質レベルに応じて適宜調整すればよく、特に限定されるものではない。また支持体の片面に受像層を設けた場合、裏面に合成樹脂層、顔料と接着剤などからなる塗布層や帯電防止層などを設けてカール防止、印刷適性付与、給排紙適性、ブロッキング防止性などを付与することも可能である。さらに支持体の裏面に種々の加工、例えば粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑、または感熱記録、熱転写記録やインクジェット記録などの各種記録適性などを後加工により、各種の用途適性を付与して使用することも勿論可能である。
前記受像層表面は、JIS P 8119に基づくベック平滑度が50秒以上、好ましくは200〜4000秒である。ベック平滑度が50秒未満の場合、トナーの転写不良が生じ、画質低下が生じることがある。また転写シートの、JIS P 8143に基づくクラーク剛度は、マシン方向およびクロス方向ともに5cm以上、好ましくは10〜500cmである。クラーク剛度が5cm未満の場合、記録装置内での走行不良が生じることがある。さらに150℃、1分間の熱処理による熱収縮率は、マシン方向およびクロス方向ともに5%以下、好ましくは3.5%以下である。熱収縮率が5%より大きい場合、記録装置内の加熱定着工程の前後で、カールの発生や走行不良が生じることがある。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが,勿論、それらの範囲に限定されるものでない。なお実施例中の「部」及び「%」は特に断わらない限り、「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
〔受像層の形成〕
合成ヘクトライト粘土鉱物 12部
(商品名:ラポナイトRD、Laporte Industries社製)
ポリウレタンアイオノマー 8部
(商品名:LA−440A1、ヘキスト社製)
オキサゾリン基含有水溶性ポリマー 5部
(商品名:エポクロスWS−500、日本触媒社製)
この組成物(濃度20%)を混合、撹拌して得られた塗布液を合成紙(商品名:ユポKAS200、ユポ・コーポレーション社製)の片面に、乾燥後の塗布量が1g/mとなるように塗布、乾燥し、水による破れや変形並びにトナーの剥がれのない電子写真用転写シートを得た。
〔電子写真用転写シートの表面電気抵抗値の測定〕 得られた電子写真用転写シートを、以下の低湿条件、常湿条件、高湿条件でそれぞれ10時間保存した後、表面電気抵抗値を電気抵抗計R12704(Advantest社製)を用いて測定した。なお、低湿条件、常湿条件、高湿条件とは次の通りである。結果は表1に示す。なお、低湿条件、常湿条件、高湿条件とは次の通りである。
低湿条件 温度10℃、相対湿度30%RH
常湿条件 温度20℃、相対湿度65%RH
高湿条件 温度30℃、相対湿度85%RH
〔電子写真用転写シートの記録適性の評価〕 得られた電子写真用転写シートを、低湿条件、常湿条件、高湿条件でそれぞれ10時間保存した後、各環境下でカラー複写機LBP2040N(キャノン社製)を用いて画像記録を行い、目視により画像品位程度を下記の評価基準で目視評価した。結果は表2に示す。なお、低湿条件、常湿条件、高湿条件は、前記の表面電気抵抗値の測定と同じである。
○:トナー転写性が良好で画像濃度が充分高い。実用上問題なく、品質も優れている。
△:トナー転写性にややムラがあり、画像濃度が劣る。実用上問題あり。
×:トナー転写性にかなりムラがあり、画像濃度が著しく劣る。実用上問題あり。
〔印字部の浸漬によるトナー剥がれ評価〕 得られた電子写真用転写シートを、常湿条件で10時間保存した後、常温環境下でカラー複写機LBP2040N(キャノン社製)を用いて画像記録を行った。さらに、印字サンプルを水に1分間浸漬した後、取り出し、印字部分を指で擦る。トナーの剥がれ程度を下記の評価基準で目視評価した。結果は表3に示す。
○:トナー剥がれが無い。
△:トナー剥がれがややあり、実用上問題あり。
×:トナー剥がれが著しくあり、実用上問題あり。
実施例2〜3
実施例1で、オキサゾリン基含有水溶性ポリマーの配合量を2質量部(実施例2)、7質量部(実施例3)とした以外は、実施例1と同様にして、電子写真用転写シートを作成し、評価した。
実施例4
下記組成物(濃度20%)を混合、撹拌して得られた塗布液を、合成紙(商品名:ユポKAS120、ユポ・コーポレーション社製)の片面に、乾燥後の塗布量が3g/mとなるように塗布、乾燥して電子写真用転写シートを作成し、実施例1と同様にして評価した。
合成ヘクトライト粘土鉱物 12部
(商品名:ラポナイトS、Laporte Industries社製)
ポリウレタンアイオノマー 8部
(商品名:LA−440A1、ヘキスト社製)
オキサゾリン基含有水溶性ポリマー 7部
(商品名:エポクロスWS−500、日本触媒社製)
実施例5
下記組成物(濃度20%)を混合、撹拌して得られた塗布液を、合成紙(商品名:ユポKAS120、ユポ・コーポレーション社製)の片面に、乾燥後の塗布量が1g/mとなるように塗布、乾燥して電子写真用転写シートを作成し、実施例1と同様にして評価した。
合成ヘクトライト粘土 10部
(商品名:ラポナイトS、Laporte Industries社製)
カオリナイトクレー(商品名:HG−90、ヒューバー社製) 5部
ポリウレタンアイオノマー 5部
(商品名:ハイドランAP−40、大日本インキ化学工業社製)
オキサゾリン基含有水溶性ポリマー 3部
(商品名:エポクロスWS−500、日本触媒社製)
比較例1
実施例1において、オイサゾリン基含有水溶性ポリマーを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真用転写シートを作成し、評価した。
比較例2
合成紙(商品名:ユポKAS120、ユポ・コーポレーション社製)を電子写真用転写シートとして用いた。
Figure 2006171784
Figure 2006171784
Figure 2006171784
実施例1〜5より明らかなように、本発明に係る電子写真用転写シートは、低温低湿から高温高湿まで幅広い環境下で表面電気抵抗値が安定しており、トナー転写性に優れ、画像濃度も高く、高品位な画質が得られ、しかも水による用紙の破れや変形並びにトナーの剥がれのない電子写真用転写シートであり、産業上極めて有用なものである。

Claims (4)

  1. ポリプロピレンを主成分とする合成紙からなる支持体と、その少なくとも一面上に形成された受像層とを有する電子写真用転写シートにおいて、前記受像層中に、合成ヘクトライト粘土鉱物と、オキサゾリン系架橋剤で架橋されたバインダーとを含有することを特徴とする電子写真用転写シート。
  2. 前記バインダーが、ポリウレタンアイオノマー樹脂を含有する請求項1記載の電子写真用転写シート。
  3. 前記オキサゾリン系架橋剤とポリウレタンアイオノマー樹脂との配合比が、ポリウレタンアイオノマー樹脂100質量部に対し、オキサゾリン系架橋剤が1〜100質量部の範囲である請求項1または2記載の電子写真用転写シート。
  4. 前記受像層表面の、温度10℃から30℃、相対湿度30%RHから85%RHの範囲における表面電気抵抗値が、1×10〜1×10Ωの範囲である請求項1〜3記載の電子写真用転写シート。

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