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JP2006165327A - 磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

磁気ランダムアクセスメモリ Download PDF

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JP2006165327A JP2004355682A JP2004355682A JP2006165327A JP 2006165327 A JP2006165327 A JP 2006165327A JP 2004355682 A JP2004355682 A JP 2004355682A JP 2004355682 A JP2004355682 A JP 2004355682A JP 2006165327 A JP2006165327 A JP 2006165327A
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Abstract

【課題】磁気メモリに関し書き込み電流の低減と誤書き込みの防止を図る。
【解決手段】本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリは、磁気抵抗効果素子MTJと、磁気抵抗効果素子MTJに対するデータ書き込みのための磁場の発生に用いる書き込み線WWLと、磁気抵抗効果素子MTJに対応して配置され、データ書き込み時に、物理的に変形し、磁気抵抗効果素子MTJの反転磁場の大きさを制御する機能を持つ歪層18とを備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、磁気抵抗効果 (Magneto Resistive) を利用する記憶素子によりメモリセルアレイを構成した磁気ランダムアクセスメモリメモリ (MRAM: Magnetic Random Access Memory) に関する。
トンネル磁気抵抗効果 (TMR: Tunneling Magneto Resistive) を利用する磁気ランダムアクセスメモリは、例えば、非特許文献1に開示される。この磁気ランダムアクセスメモリは、データをMTJ (Magnetic Tunnel Junction) 素子の磁化状態により記憶する点に特徴を有する。
TMRを示すMTJ素子は、例えば、図49に示すように、2つの強磁性層によりトンネル絶縁層を挟み込んだ構造を有している。MTJ素子は、2つの状態をとることができ、一つは、トンネル絶縁層を挟み込んだ2つの強磁性層の残留磁化の向きが同じとなる平行 (parallel) 状態であり、他の一つは、トンネル絶縁層を挟み込んだ2つの強磁性層の残留磁化の向きが逆となる反平行 (anti-parallel) 状態である。
図50に示すように、MTJ素子が平行状態になったとき、MTJ素子のトンネル抵抗値は最も低くなる。この状態を、例えば、“0”状態とする。一方、図51に示すように、MTJ素子が反平行状態になったとき、MTJ素子のトンネル抵抗値は最も高くなる。この状態を、例えば、“1”状態とする。
ここで、MTJ素子の磁化状態のスイッチング(磁化反転)を行うとき、2つの強磁性層の磁化が共に反転しないように、2つの強磁性層の間にはその保磁力に一定の差をつけておく。これにより、小さい保磁力を持つ強磁性層の磁化のみを反転させ、上述の平行状態及び反平行状態を実現できる。
2つの強磁性層のうち小さい保磁力を持つ強磁性層は、記憶層(フリー層)と呼ばれ、大きい保磁力を持つ強磁性層は、固着層(ピン層)と呼ばれる。保磁力に差をつける方法としては、例えば、材料を変える、体積に差をつける、などがあるが、最も一般的なものは、固着層に反強磁性層を結合させ、固着層の磁化状態を固定する、という方法である。
MTJ素子の磁化状態のスイッチングに関しては、書き込み選択性、即ち、書き込みの対象となる選択されたMTJ素子については、記憶層の磁化反転を実行し、書き込みの対象とならない非選択及び半選択のMTJ素子については、記憶層の磁化反転を禁止するということ、が重要となる。
特に、磁化容易軸方向又は磁化困難軸方向の磁場のみが印加される半選択のMTJ素子については、誤書き込みが発生し易いので、磁気ランダムアクセスメモリの実用化に当たって、これを有効に防止する技術を提案することが重要な課題となっている。
また、一方で、MTJ素子の磁化状態のスイッチングに関しては、記憶層の保磁力を小さくすることにより、小さなスイッチング磁場で磁化反転を行い、書き込み電流を減らすこと(低消費電流化)が要望されている。しかし、記憶層の保磁力を小さくすると、半選択のMTJ素子に誤書き込みが生じ易くなる。
米国特許第6,545,906号明細書 特開2003−249073号公報 特開2003−331574号公報 特許第3312174号公報 特開平5−73989号公報 Roy Scheuerlein et al. "A 10ns Read and Write Non-Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell", ISSCC2000 Technical Digest, pp.128-129 M. Durlam, et. al., "A 0.18μm 4Mb Toggling MRAM" IEDM2003 Technical Digest, pp.995-997, Dec. 2003 島田寛、山田興治 編, "磁性材料" 講談社, 1999年6月20日
本発明は、磁気抵抗効果素子の記憶層の保磁力を下げて書き込み電流を減らすことができ、かつ、記憶層の保磁力を下げても、データ書き込み時に、半選択のMTJ素子の誤書き込みを有効に防止できる技術を提案する。
本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリは、磁気抵抗効果素子と、書き込み線と、前記磁気抵抗効果素子に対応して配置され、データ書き込み時に物理的に変形する機能を持つ歪層とを備える。
本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリは、磁気抵抗効果素子と、書き込み線と、前記磁気抵抗効果素子と前記書き込み線との間に接続されるキャパシタとを備え、前記キャパシタの電極間には歪層が配置される。
本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリよれば、磁気抵抗効果素子の記憶層の保磁力を下げて書き込み電流を減らすことができ、かつ、記憶層の保磁力を下げても、データ書き込み時に、半選択のMTJ素子の誤書き込みを有効に防止できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
1. 書き込み動作原理
まず、本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリの前提となる書き込み動作原理について説明する。
データ書き込み時におけるMTJ素子の磁化状態については、Stoner-Wohlfarthの一斉回転モデルで説明することができる。
図1に示すように、磁化容易軸に対して角度φの方向の磁場HをMTJ素子の記憶層に印加したとき、MTJ素子の記憶層の磁化方向が磁化容易軸に対して角度ψだけ回転したとする。磁化Mは、自発磁化Msの磁場H方向成分として観測されるから、 M = Ms×cos(φ-ψ)となる。
単位体積当たりの磁気エネルギーEmは、
Em = -H×M = -H×Ms×cos(φ-ψ)
一軸容易性を持つとして、単位体積当たり、異方性エネルギーEaは、第一次近似として、
Ea = Ku×(sinψ)2
単位体積当たりの全エネルギーEは、
E = Ea+Em
となる。
尚、ψは、全エネルギーを最小にする、という条件から決定される。
∂E/∂ψ = Ku×(sin2ψ)-Ms×H×sin(φ-ψ) = 0
2E/∂ψ2 = 2Ku×cos(2ψ)+Ms×H×cos(φ-ψ) > 0
磁場Hを増加させると、磁化は反転する。
つまり、単位体積当たりの全エネルギーEは、変曲点を通過する。
この条件は、
∂E/∂ψ = ∂2E/∂ψ2 = 0
である。
従って、
∂E/∂ψ = 2×Ku×sinψ×cosψ- Ms×H×(sinφ・cosψ-cosφ・sinψ) = 0
2E/∂ψ2= 2×Ku×(cos2ψ−sin2ψ) + Is×H×(cosφ・cosψ+sinφ・sinψ) = 0
となる。
h = H・Ms/(2・Ku)、Hx = h・cosφ、 Hy = h・sinφとすると、上記2つの式は、
sinψ・cosψ+ Hx・sinψ- Hy・cosψ= 0
cos2ψ- sin2ψ+ Hx・cosψ+ Hy・sinψ= 0
となる。
この2式を満たすHx,Hyがスイッチング磁場である。
計算すると、Hx = -cos3ψ、Hy = sin3ψ
となる。
ψを消去すると、
Hx2/3+ Hy2/3 = 1
となる。
Hx,Hyに関してグラフ化すると、図2に示すようなアステロイド曲線となる。但し、磁化容易軸方向をx軸方向、磁化困難軸方向をy軸方向とする。
このアステロイド曲線から分かることは、磁化容易軸方向の磁場のみを印加した場合、又は、磁化困難軸方向の磁場のみを印加した場合に比べて、磁化容易軸方向の磁場と磁化困難軸方向の磁場の両方を印加した場合のほうが、磁化反転を生じさせるために必要な磁場の大きさ、即ち、スイッチング磁場が小さい、ということである。
従って、データ書き込み時に磁化容易軸方向の磁場及び磁化困難軸方向の磁場を適切な値に設定することにより、書き込みの対象となる選択されたMTJ素子のみに対して、選択的に、記憶層の磁化反転を起こすことができる。
尚、MTJ素子は、例えば、互いに交差する書きこみワード線とデータ選択線(書き込みビット線)との交点に配置される。つまり、磁化容易軸方向の磁場と磁化困難軸方向の磁場は、書き込みワード線とデータ選択線とに書き込み電流を流すことにより発生させる。
例えば、データ書き込み時、書き込みワード線には、一方向に向かう書き込み電流を流し、データ選択線には、書き込みデータの値に応じて、一方向又は他方向に向かう書き込み電流を流す。
データ選択線に一方向に向かう書き込み電流を流すとき、MTJ素子の磁化状態は、平行状態(“1”−状態)となる。一方、データ選択線に他方向に向かう書き込み電流を流すとき、MTJ素子の磁化状態は、反平行状態(“0”−状態)となる。
しかし、実際には、選択的に磁化反転を行うことは難しい。
即ち、アステロイド曲線については、Heasy2/3 + Hhard2/3 = C(一定)を満たさない場合があり、この場合、半選択のMTJ素子に対して誤書き込みが生じる可能性が高くなる。ここで、Heasyは、磁化容易軸方向の磁場の値であり、Hhardは、磁化困難軸方向の磁場の値である。
例えば、図3のアステロイド曲線では、磁化容易軸方向の磁場Heasyが零又は小さい領域において、記憶層の反転磁場の値が小さく、半選択のMTJ素子に誤書き込みが生じる可能性が高い。これは、強磁性層と常磁性層の透磁率の差に起因して、強磁性層内に反磁場が生じ、強磁性層の端部の残留磁化がその内部の残留磁化と異なる方向を向くことに因る。
このような強磁性層の端部の磁区の存在により、磁化容易軸方向の磁場Heasyが零又は小さい領域での反転磁場は、図2の理想的なアステロイド曲線(強磁性層の内部と端部の磁化の向きが揃っている場合)におけるそれ比べて、小さくなる。
また、強磁性層と常磁性層の透磁率の差はかなり大きいため、例えば、図4に示すように、固着層(ピン層)からの漏れ磁力線は、記億層(フリー層)に吸い込まれる。これにより、記憶層と固着層の磁化が反平行の関係にある場合のエネルギーは、平行の関係にある場合のエネルギーよりも低くなる。
従って、記憶層の磁化状態を平行から反平行にするために必要なスイッチング磁場の値は、反平行から平行にするために必要なスイッチング磁場の値よりも小さくなり、図5に示すように、アステロイド曲線が磁化容易軸方向にシフトする。また、このシフトは、磁化容易軸方向の一軸のみの磁場が印加されているときに、図6に示すように、アステロイド曲線を変形させるため、誤書き込みの発生の原因となる。
また、図7に示すように、強磁性層の表面の凹凸により、固着層と記憶層とが強磁性結合されることがある。この場合には、記憶層と固着層の磁化が平行の関係にある場合のエネルギーは、反平行の関係にある場合のエネルギーよりも低くなる。
従って、記憶層の磁化状態を反平行から平行にするために必要なスイッチング磁場の値は、平行から反平行にするために必要なスイッチング磁場の値よりも小さくなり、図8に示すように、アステロイド曲線が磁化容易軸方向にシフトする。また、このシフトは、磁化容易軸方向の一軸のみの磁場が印加されているときに、図6に示すように、アステロイド曲線を変形させるため、誤書き込みの発生の原因となる。
ところで、強磁性層の端部では、その内部に比べて、強磁性結合している電子数が少ない。このため、磁場の大きさが同じ場合には、強磁性層の端部は、その内部よりもスピン反転し易い状況にある。
従って、強磁性層における磁化反転は、その端部から進行していくと言われている。反磁場や、固着層からの漏れ磁場などは、強磁性層の端部の磁区に影響を与えると共に、その影響の度合いは、強磁性層の端部の形状に依存する。このため、反転磁場の大きさは、MTJ素子ごとにばらつく可能性がある。
また、表面の凹凸による強磁性結合による影響をみても、その凹凸の数や位置などは、全てのMTJ素子の間で同じであるということはない。つまり、表面に多くの凹凸を持つ強磁性層の磁化状態は、反平行から平行に書き替え易い。また、その凹凸が強磁性層の端部に存在する場合には、反磁場の効果とあいまって、反転磁場の値を一概に決めることができなくなる。
以上のように、磁気ランダムアクセスメモリでは、MTJ素子の特性(アステロイド曲線)がMTJ素子ごとにばらつくことが問題であり、これが書き込みディスターブの劣化、即ち、誤書き込みの発生を招いている。
そこで、本発明の例では、MTJ素子の特性がMTJ素子ごとにばらつくことを前提とし、このようなばらつきが発生しても、データ書き込み時には、MTJ素子の記憶層に選択的に応力を与えたり、解除したりすることで、磁歪(Villari)効果により、MTJ素子の特性のばらつきによらず、選択的な書き込みを可能にする。
MTJ素子の記憶層に選択的に応力を与えたり、解除したりする方法としては、例えば、ある条件下で変形する能力を持つ材料として、圧電効果、電歪効果をもつ電歪材料からなる歪層を、MTJ素子の強磁性層の近傍に配置する方法を採用する。
2. 概要
本発明の例は、強磁性層の磁歪効果又はVillari効果を利用し、データ書き込み時にMTJ素子間の特性のばらつきによらず、書き込み選択性の向上を実現するものである。強磁性層に応力を加える手段としては、ある条件下で変形する能力を持つ材料として、圧電効果、電歪効果をもつ電歪材料からなる歪層を、MTJ素子の強磁性層の近傍に配置する、という技術を用いる。
このような電歪材料としては、例えば、絶縁材料ならば、BTO, PZT, PMN-PT(Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3, Ba(Ti,Zr)O3, PVDT(Polyvinylidenefloride)などがある。
また、配置する場所としては、例えば、1つのトランジスタと1つのMTJ素子から構成される 1MOST+1MTJ タイプメモリセルの場合には、MTJ素子の下部金属層と下部書き込み線との間とする。この場合、MTJ素子としては、トップピンタイプ(記憶層が下部金属層側にあるタイプ)が好ましい。
1MOST+1MTJ タイプメモリセルでは、例えば、上部書き込み線は、キャップ層(オーミック層)を経由して、MTJ素子の固着層(ピン層)側の反強磁性層にオーミック接触する。
そこで、データ書き込み時、選択された上部/下部書き込み線に書き込み電流を流し、その他の非選択の上部/下部書き込み線を接地電位に設定する。
この時、選択されたMTJ素子においては、その上部/下部書き込み線には書き込み電流が流れているため、下部金属層と下部書き込み線との間に電位差がほとんどつかず、その間に配置される歪層の変形はない。また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、上部/下部書き込み線のコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
半選択のMTJ素子においては、その上部/下部書き込み線のうちの一方に書き込み電流が流れ、他方は接地電位に設定されているため、下部金属層と下部書き込み線との間には電位差が発生する。この電位差により、歪層は変形し、この変形による応力がMTJ素子に作用する。
この応力を、例えば、MTJ素子の磁化容易軸方向の引っ張り応力とし、かつ、MTJ素子の記憶層に磁歪定数を持つ材料を使用すれば、データ書き込み時には、半選択のMTJ素子の記憶層に磁化容易軸方向の引っ張り応力が発生し、誤書き込み耐性が向上する。
尚、非選択のMTJ素子においては、その上部/下部書き込み線は、共に、接地電位に設定されているため、下部金属層と下部書き込み線との間には電位差がつかず、その間に配置される歪層の変形もない。
このように、本発明の例によれば、データ書き込み時に、半選択のMTJ素子のみに対して、磁歪(Villari)効果により、記憶層の自発磁化を増大させ、磁化反転が生じ難い状態にしている。このため、応力が加わっていない状態におけるMTJ素子の記憶層の保磁力を小さくし、書き込み電流を減らすことができると共に、記憶層の保磁力を小さくしても、誤書き込みが発生することがない。
また、本発明の例によれば、半選択状態のMTJ素子の誤書き込み耐性を向上させるということで、実質的にデータ書き込み時のアステロイド曲線の窪みが大きくなったと考えることができる。
つまり、磁化容易軸方向のみ又は磁化困難軸方向のみの磁場が印加されている状態では、反転磁場が大きく、磁化容易軸方向及び磁化困難軸方向の磁場の双方が印加されている状態では、反転磁場が小さい。
尚、歪層は、MTJ素子と上部書き込み線の間に配置してもよい。この時、下部書き込み線は、MTJ素子から離れていてもよいし、オーミック接触していてもよい。
また、非選択の上部/下部書き込み線は、接地電位(0V)である必要はなく、応力を発生させることができる電位ならば、電源電位など、どのような電位に設定しても構わない。
本発明の例では、上述のように、半選択のMTJ素子に対して応力を加えることにより磁化反転を生じ難い状態にするものの他、MTJ素子に応力が加わっている状態を初期状態とし、半選択のMTJ素子に対してこの応力を取り除くことにより磁化反転を生じ難い状態にする、ということもできる。
また、トグル書き込み方式を採用する場合には、書き込み選択性は十分に確保されているため、データ書き込み時に、選択されたMTJ素子に対して応力の印加又は解除を行い、磁化反転が生じ易い状態を作る。これにより、選択されたMTJ素子の反転磁場のみが選択的に小さくなるため、書き込み電流を低減することができる。
3. 実施の形態
以下、本発明の例を実施するに当たり、最良と思われる複数の実施の形態について順次説明する。
(1) 第1実施の形態
第1実施の形態は、データ書き込み時に、半選択のMTJ素子に対して応力を加えることにより、半選択のMTJ素子の反転磁場を選択的に小さくする技術に関する。
A. メモリセル
図9は、第1実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルの構造を示している。
本例では、1つのトランジスタと1つのMTJ素子から構成される 1MOST+1MTJ タイプメモリセルを対象とする。
半導体基板11の表面領域には、STI(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離層12が形成される。素子分離層12に取り囲まれた素子領域内には、読み出し選択スイッチとしてのMOSトランジスタが形成される。このMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線RWLとなる。
MOSトランジスタのドレイン13Aは、コンタクトプラグ15a,15c,15e及び中間層15b,15dを経由して、下部金属層17に接続される。また、MOSトランジスタのソース13Bは、コンタクトプラグ16を経由して、ソース線SLに接続される。
下部金属層17上には、MTJ素子MTJが形成される。MTJ素子MTJは、2つの強磁性層19a,19bと、これらの間に配置されるトンネルバリア20とを有する。2つの強磁性層19a,19bのうちの一つは、記憶層(フリー層)となり、他の一つは、固着層(ピン層)となる。
書き込みワード線WWLは、中間層15dと同じレベルに形成され、MTJ素子MTJの磁化容易軸方向に延びている。書き込みワード線WWLと下部金属層17との間には、圧電効果、電歪効果などのある条件下で変形する能力を持つ歪層(電歪材料)18が配置される。
本例では、歪層18は、絶縁材料から構成される。歪層18が電歪効果を持つ材料から構成される場合、歪層18としては、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3固溶体(PMN-PT)などを用いる。また、歪層18が圧電効果を持つ材料から構成される場合、歪層18としては、Pb(Zr,Ti) O3固溶体(PZT)、BaTi O3(BTO)、Ba(Ti,Zr)O3、ロッシェル塩、圧電ポリマのPVDF(Polyvinylidenefloride)などを用いる。
本例の場合、記憶層は、磁歪定数を持つ材料から構成される。MTJ素子MTJの記憶層は、歪層18から応力を受け、磁歪(Villari)効果により、磁化反転が生じ難い状態又は生じ易い状態になるため、MTJ素子MTJは、記憶層が歪層18に近い位置に配置されるトップピンタイプであることが好ましい。
MTJ素子MTJ上には、データ選択線(書き込みビット線)BLが形成される。データ選択線BLは、MTJ素子MTJに接続され、MTJ素子MTJの磁化困難軸方向に延びている。
B. メモリセルアレイ
図10は、図9のメモリセルを用いて構成したメモリセルアレイの等価回路図を示している。
本例のメモリセルアレイの特徴は、 1MOST-1MTJ タイプメモリセルアレイにおいて、MTJ素子MTJの一端と書き込みワード線WWLとの間に歪層(絶縁材料)18が配置される点にある。
MTJ素子MTJの一端の下部金属層、書き込みワード線WWL及び歪層18によりキャパシタが形成される。このキャパシタ間に電位差が発生することにより、歪層18が電圧印加方向に伸長又は収縮し、MTJ素子MTJに対する応力の印加又は解除が実行される。
C. 書き込み原理
次に、図10のメモリセルアレイを参照しつつ、書き込み選択性の向上を目的とした書き込み原理について説明する。
本例では、書き込み選択性を高めるために、磁歪効果による異方性エネルギーを利用する。磁歪とは、強磁性体を磁化するときに生じる僅かな変形である。また、本例では、磁化方向に引っ張り応力を加えると自発磁化が増大するというVillari効果を利用する。
データ書き込み時に、これらの効果を利用することによって、書き込み選択性を高め、見かけ上、アステロイド曲線の窪みを大きくする。
ここで、以下の説明では、磁歪定数及び電歪定数は、それぞれ正の値とする。また、歪層(絶縁材料)は、圧電効果又は電歪効果により電圧印加方向に伸長するものとする。
また、歪層は、MTJ素子の記憶層に対して、磁化容易軸方向に引っ張り応力を与えるような形状、例えば、四角形を有し、磁化困難軸方向の辺は、MTJ素子の短辺(磁化困難軸方向の辺)と同じかそれよりも長く、磁化容易軸方向の辺は、MTJ素子の長辺(磁化容易軸方向の辺)よりも短い形状とする。
MTJ素子の記憶層は、磁化容易軸方向の引っ張り応力により自発磁化が増大するように構成されているものとする。
まず、選択された書き込みワード線(選択WWL)及び選択されたデータ選択線(選択BL)には、それぞれ書き込み電流を流し、その他の非選択の書き込みワード線(非選択WWL)及び非選択のデータ選択線(非選択BL)は、接地電位に設定する。
データ選択線は、MTJ素子MTJに対してオーミック接触をしているため、MTJ素子MTJの一端の下部金属層、書き込みワード線及びこれらの間に配置される歪層からなるキャパシタが充電される。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、選択された書き込みワード線(選択WWL)と選択されたデータ選択線(選択BL)との間に配置されているため、図11及び図12に示すように、下部金属層17と書き込みワード線WWLとの間には電位差がほとんど発生することがなく、その間に配置される歪層18の変形もない。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL及びデータ選択線BLのコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
これに対し、破線B1で囲った領域に存在する半選択のMTJ素子MTJは、選択された書き込みワード線(選択WWL)と非選択のデータ選択線(非選択BL)との間に配置され、破線B2で囲った領域に存在する半選択のMTJ素子MTJは、非選択の書き込みワード線(非選択WWL)と選択されたデータ選択線(選択BL)との間に配置される。
このため、図13乃至図15に示すように、下部金属層17と書き込みワード線WWLとの間には電位差が発生する。この電位差により、歪層18は、電圧印加方向に伸長するため、半選択のMTJ素子MTJには、磁化容易軸方向に引っ張り応力が作用する。
この磁化容易軸方向の引っ張り応力により、半選択のMTJ素子MTJの記憶層の自発磁化が増大するVillari効果が発生し、反転磁場が大きくなるため、誤書き込み耐性が向上する。
ところで、破線A,B1,B2のいずれにも囲まれていない非選択のMTJ素子MTJに関しては、接地電位に設定されている非選択の書き込みワード線(非選択WWL)と非選択のデータ選択線(非選択BL)との間に配置されているため、選択されたMTJ素子MTJと同様に、図11及び図12に示すように、下部金属層17と書き込みワード線WWLとの間には電位差が発生することがなく、その間に配置される歪層18の変形もない。
このように、第1実施の形態によれば、データ書き込み時に、半選択のMTJ素子MTJのみに対して、磁歪効果により、記憶層の自発磁化を増大させ、磁化反転が生じ難い状態にしている。このため、応力が加わっていない状態におけるMTJ素子の記憶層の保磁力を小さくし、書き込み電流を減らすことができると共に、記憶層の保磁力を小さくしても、誤書き込みが発生することがない。
(2) 第2実施の形態
上述の第1実施の形態では、半選択のMTJ素子MTJに対して応力を加えることにより磁化反転を生じ難い状態にした。
第2実施の形態では、MTJ素子MTJに応力が加わっている状態を初期状態とし、半選択のMTJ素子MTJに対してこの応力を取り除くことにより、半選択のMTJ素子の反転磁場を選択的に小さくする。
A. メモリセル
第2実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルの構造は、図9に示すようになり、上述の第1実施の形態と同じになるため、ここでは、その説明については省略する。
B. メモリセルアレイ
第2実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルアレイは、図10に示すように、上述の第1実施の形態と同じになるため、ここでは、その説明については省略する。
C. 書き込み原理
次に、図10のメモリセルアレイを参照しつつ、第2実施の形態に関わる書き込み原理について説明する。
以下の説明では、磁歪定数及び電歪定数は、それぞれ正の値とする。また、歪層(絶縁材料)は、圧電効果又は電歪効果により電圧印加方向に伸長するものとする。歪層は、MTJ素子の記憶層に対して、磁化困難軸方向に引っ張り応力を与えるような形状、例えば、四角形を有し、磁化容易軸方向の辺は、MTJ素子の長辺(磁化容易軸方向の辺)と同じかそれよりも長く、磁化困難軸方向の辺は、MTJ素子の短辺(磁化困難軸方向の辺)よりも短い形状とする。
MTJ素子の記憶層は、磁化困難軸方向の引っ張り応力により自発磁化が減少するように構成されているものとする。
ここで、本例の書き込み原理では、図16及び図17に示すように、データ書き込み前に、予め、MTJ素子MTJに対して、磁化困難軸方向に引っ張り応力が作用し、磁化反転し易い状態になっているものとする。
まず、選択された書き込みワード線(選択WWL)及び選択されたデータ選択線(選択BL)には、それぞれ書き込み電流を流し、その他の非選択の書き込みワード線(非選択WWL)及び非選択のデータ選択線(非選択BL)は、接地電位に設定する。
データ選択線は、MTJ素子MTJに対してオーミック接触をしているため、MTJ素子MTJの一端の下部金属層、書き込みワード線及びこれらの間に配置される歪層からなるキャパシタが充電される。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、選択された書き込みワード線(選択WWL)と選択されたデータ選択線(選択BL)との間に配置されているため、下部金属層17と書き込みワード線WWLとの間には電位差がほとんど発生することがなく、その間に配置される歪層18の変形もない。
つまり、選択されたMTJ素子MTJは、図16及び図17の状態を維持し続けるため、磁化反転し易い状態のままである。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL及びデータ選択線BLのコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
これに対し、破線B1で囲った領域に存在する半選択のMTJ素子MTJは、選択された書き込みワード線(選択WWL)と非選択のデータ選択線(非選択BL)との間に配置され、破線B2で囲った領域に存在する半選択のMTJ素子MTJは、非選択の書き込みワード線(非選択WWL)と選択されたデータ選択線(選択BL)との間に配置される。
このため、図18乃至図20に示すように、下部金属層17と書き込みワード線WWLとの間には電位差が発生する。この電位差により、歪層18は、電圧印加方向に伸長するため、半選択のMTJ素子MTJに関しては、磁化困難軸方向の引っ張り応力が解除される。
従って、半選択のMTJ素子MTJは、磁化反転し易い状態から磁化反転し難い状態に変化し、誤書き込み耐性が向上する。
ところで、破線A,B1,B2のいずれにも囲まれていない非選択のMTJ素子MTJに関しては、接地電位に設定されている非選択の書き込みワード線(非選択WWL)と非選択のデータ選択線(非選択BL)との間に配置されているため、選択されたMTJ素子MTJと同様に、図16及び図17に示すように、下部金属層17と書き込みワード線WWLとの間には電位差が発生することがなく、その間に配置される歪層18の変形もない。
このように、第2実施の形態によれば、データ書き込み時に、半選択のMTJ素子MTJのみに対して、磁化困難軸方向の引っ張り応力を解除し、磁化反転が生じ難い状態にしている。このため、磁化困難軸方向に引っ張り応力が生じている初期状態におけるMTJ素子MTJの記憶層の保磁力を小さくし、書き込み電流を減らすことができると共に、記憶層の保磁力を小さくしても、誤書き込みが発生することがない。
(3) 第3実施の形態
第3実施の形態は、例えば、特許文献1及び非特許文献2に開示されるトグル書き込み方式に関する。
トグル書き込み方式は、書き込み選択性が高く、誤書き込みが発生し難い書き込み方式として知られているが、通常の書き込み方式に比べて、スイッチング磁場、即ち、書き込み対象となる選択されたMTJ素子の磁化状態を反転させるために必要な反転磁場が大きいという問題がある。
そこで、本発明の例をトグル書き込み方式に適用することにより、書き込み選択性を維持しつつ、スイッチング磁場を小さくし、書き込み電流の低減による低消費電流化を図る。
A. メモリセル
第3実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルの構造は、図9に示すようになり、上述の第1実施の形態と同じになるため、ここでは、その説明については省略する。
B. メモリセルアレイ
第3実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルアレイは、図10に示すように、上述の第1実施の形態と同じになるため、ここでは、その説明については省略する。
C. 書き込み原理
トグル書き込み方式では、書き込み選択性の向上を実現でき、誤書き込みの問題を解消できるため、ここでは、本発明の例を適用することにより、選択されたMTJ素子に対してデータを書き込み易くする手法を提案する。
図21及び図22に示すように、データ書き込み前においては、歪層18は変形しておらず、MTJ素子MTJには応力が作用していない。
まず、選択された書き込みワード線(選択WWL)に書き込み電流を流し、その他の非選択の書き込みワード線(非選択WWL)及び全てのデータ選択線(選択/非選択BL)を接地電位に設定する。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、選択された書き込みワード線(選択WWL)と選択されたデータ選択線(選択BL)との間に配置されているため、図23及び図26に示すように、下部金属層17と書き込みワード線WWLとの間に電位差が発生する。
この電位差により、歪層18は、電圧印加方向に伸長するため、選択されたMTJ素子MTJには、磁化困難軸方向に引っ張り応力が作用する。
この磁化困難軸方向の引っ張り応力により、選択されたMTJ素子MTJの記憶層の自発磁化が減少し、反転磁場が小さくなるため、選択されたMTJ素子MTJに対するデータ書き込みが行い易くなる。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL及びデータ選択線BLのコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
次に、選択された書き込みワード線(選択WWL)に書き込み電流を流しつつ、さらに、選択されたデータ選択線(選択BL)に書き込み電流を流す。また、その他の非選択の書き込みワード線(非選択WWL)及び非選択のデータ選択線(非選択BL)については、接地電位に設定する。
この時は、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、図24に示すように、下部金属層17と書き込みワード線WWLとの間に電位差が発生しない。
次に、選択された書き込みワード線(選択WWL)に流れる書き込み電流を遮断し、選択されたデータ選択線(選択BL)のみに書き込み電流を流す。即ち、選択されたデータ選択線(選択BL)以外の全ての書き込みワード線(選択/非選択WWL)及び非選択のデータ選択線(非選択BL)については、接地電位に設定する。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、選択された書き込みワード線(選択WWL)と選択されたデータ選択線(選択BL)との間に配置されているため、図25及び図26に示すように、下部金属層17と書き込みワード線WWLとの間に電位差が発生する。
この電位差により、歪層18は、電圧印加方向に伸長するため、選択されたMTJ素子MTJには、磁化困難軸方向に引っ張り応力が作用する。
この磁化困難軸方向の引っ張り応力により、選択されたMTJ素子MTJの記憶層の自発磁化が減少するため、選択されたMTJ素子MTJの磁化が安定し易くなる。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL及びデータ選択線BLのコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
このように、第3実施の形態によれば、データ書き込み時に、選択されたMTJ素子MTJに対して、磁歪効果により、記憶層の自発磁化を減少させ、磁化反転が生じ易い状態にしている。このため、書き込み選択性の高いトグル書き込み方式において、さらに、スイッチング磁場を小さくして、書き込み電流を減らすことができる。
(4) 第4実施の形態
上述の第3実施の形態では、トグル書き込み方式において、選択されたMTJ素子MTJに対して応力を加えることにより磁化反転を生じ易い状態にした。
第4実施の形態では、トグル書き込み方式において、MTJ素子MTJに応力が加わっている状態を初期状態とし、選択されたMTJ素子MTJに対してこの応力を取り除くことにより磁化反転を生じ易い状態にする。
A. メモリセル
第4実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルの構造は、図9に示すようになり、上述の第1実施の形態と同じになるため、ここでは、その説明については省略する。
B. メモリセルアレイ
第4実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルアレイは、図10に示すように、上述の第1実施の形態と同じになるため、ここでは、その説明については省略する。
C. 書き込み原理
本例の書き込み原理では、図27及び図28に示すように、データ書き込み前に、予め、MTJ素子MTJに対して、磁化容易軸方向に引っ張り応力が作用しているものとする。
まず、選択された書き込みワード線(選択WWL)に書き込み電流を流し、その他の非選択の書き込みワード線(非選択WWL)及び全てのデータ選択線(選択/非選択BL)を接地電位に設定する。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、選択された書き込みワード線(選択WWL)と選択されたデータ選択線(選択BL)との間に配置されているため、図29及び図32に示すように、下部金属層17と書き込みワード線WWLとの間に電位差が発生する。
この電位差により、歪層18は、電圧印加方向に伸長するため、選択されたMTJ素子MTJに関しては、磁化容易軸方向に作用していた引っ張り応力が解除される。
この磁化容易軸方向の引っ張り応力の解除により、選択されたMTJ素子MTJの記憶層の自発磁化が減少し、反転磁場が小さくなるため、選択されたMTJ素子MTJに対するデータ書き込みが行い易くなる。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL及びデータ選択線BLのコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
次に、選択された書き込みワード線(選択WWL)に書き込み電流を流しつつ、さらに、選択されたデータ選択線(選択BL)に書き込み電流を流す。また、その他の非選択の書き込みワード線(非選択WWL)及び非選択のデータ選択線(非選択BL)については、接地電位に設定する。
この時は、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、図30に示すように、下部金属層17と書き込みワード線WWLとの間に電位差が発生しない。
次に、選択された書き込みワード線(選択WWL)に流れる書き込み電流を遮断し、選択されたデータ選択線(選択BL)のみに書き込み電流を流す。即ち、選択されたデータ選択線(選択BL)以外の全ての書き込みワード線(選択/非選択WWL)及び非選択のデータ選択線(非選択BL)については、接地電位に設定する。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、選択された書き込みワード線(選択WWL)と選択されたデータ選択線(選択BL)との間に配置されているため、図31及び図32に示すように、下部金属層17と書き込みワード線WWLとの間に電位差が発生する。
この電位差により、歪層18は、電圧印加方向に伸長するため、選択されたMTJ素子MTJに関しては、磁化容易軸方向に作用していた引っ張り応力が解除される。
この磁化容易軸方向の引っ張り応力の解除により、選択されたMTJ素子MTJの記憶層の自発磁化が減少するため、選択されたMTJ素子MTJの磁化が安定し易くなる。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL及びデータ選択線BLのコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
このように、第4実施の形態によれば、データ書き込み時に、選択されたMTJ素子MTJに対して、磁歪効果により、記憶層の自発磁化を減少させ、磁化反転が生じ易い状態にしている。このため、書き込み選択性の高いトグル書き込み方式において、さらに、スイッチング磁場を小さくして、書き込み電流を減らすことができる。
(5) 第5実施の形態
第5実施の形態も、トグル書き込み方式に関する。第5実施の形態では、MTJ素子の上部と下部に歪層を配置することにより、上下方向からMTJ素子に対して応力を与える。
A. メモリセル
図33は、第5実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルの構造を示している。
本例では、1つのトランジスタと1つのMTJ素子から構成される 1MOST+1MTJ タイプメモリセルを対象とする。
半導体基板11の表面領域には、STI(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離層12が形成される。素子分離層12に取り囲まれた素子領域内には、読み出し選択スイッチとしてのMOSトランジスタが形成される。このMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線RWLとなる。
MOSトランジスタのドレイン13Aは、コンタクトプラグ15a,15c,15e及び中間層15b,15dを経由して、下部金属層17Aに接続される。また、MOSトランジスタのソース13Bは、コンタクトプラグ16を経由して、ソース線SLに接続される。
下部金属層17A上には、MTJ素子MTJが形成される。MTJ素子MTJは、2つの強磁性層19a,19bと、これらの間に配置されるトンネルバリア20とを有する。2つの強磁性層19a,19bのうちの一つは、記憶層(フリー層)となり、他の一つは、固着層(ピン層)となる。
書き込みワード線WWLは、中間層15dと同じレベルに形成され、MTJ素子MTJの磁化容易軸方向に延びている。書き込みワード線WWLと下部金属層17Aとの間には、圧電効果、電歪効果などのある条件下で変形する能力を持つ歪層18Aが配置される。
また、MTJ素子MTJ上には、上部金属層17Bが形成される。上部金属層17Bは、読み出しビット線RBLに接続される。書き込みビット線WBLは、MTJ素子MTJの上部に形成され、磁化困難軸方向に延びている。書き込みビット線WBLと上部金属層17Bとの間には、圧電効果、電歪効果などのある条件下で変形する能力を持つ歪層18Bが配置される。
読み出しビット線RBLと書き込みビット線WBLは、同じレベルに形成されていてもよいし、異なるレベルに形成されていてもよい。
本例では、歪層18A,18Bは、絶縁材料から構成される。歪層18が電歪効果を持つ材料である場合、歪層18A,18Bとしては、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3固溶体(PMN-PT)などを用いる。また、歪層18A,18Bが圧電効果を持つ材料である場合、歪層18A,18Bとしては、Pb(Zr,Ti) O3固溶体(PZT)、BaTi O3(BTO)、Ba(Ti,Zr)O3、ロッシェル塩、圧電ポリマのPVDF(Polyvinylidenefloride)などを用いる。
本例の場合、記憶層は、磁歪定数を持つ材料から構成される。
MTJ素子MTJの記憶層は、歪層18A,18Bから応力を受け、磁歪(Villari効果)により、磁化反転が生じ難い状態又は生じ易い状態になる。MTJ素子MTJとしては、記憶層が歪層18Aに近い位置に配置されるトップピンタイプであってもよいし、記憶層が歪層18Bに近い位置に配置されるボトムピンタイプであってもよい。
B. メモリセルアレイ
図34は、図33のメモリセルを用いて構成したメモリセルアレイの等価回路図を示している。
本例のメモリセルアレイの特徴は、 1MOST-1MTJ タイプメモリセルアレイにおいて、MTJ素子MTJの一端と書き込みワード線WWLとの間に歪層(絶縁材料)18Aが配置され、かつ、MTJ素子MTJの他端と書き込みビット線WBLとの間に歪層(絶縁材料)18Bが配置される点にある。
MTJ素子の一端の下部金属層、書き込みワード線WWL及び歪層18Aによりキャパシタが形成され、MTJ素子の他端の上部金属層、書き込みビット線WBL及び歪層18Bによりキャパシタが形成される。これらのキャパシタ間に電位差が発生することにより、歪層18A,18Bが電圧印加方向に伸長又は収縮し、MTJ素子MTJに対する応力の印加又は解除が実行される。
C. 書き込み原理:No1
次に、図34のメモリセルアレイを参照しつつ、書き込み原理:No.1について説明する。書き込み原理:No.1は、データ書き込み時に、MTJ素子MTJを挟み込む上部/下部金属層がフローティング状態に設定される場合の例である。
データ書き込み前の初期状態においては、図35に示すように、歪層18A,18Bは共に変形しておらず、MTJ素子MTJには、引っ張り応力が作用していない。
まず、選択された書き込みワード線(選択WWL)に書き込み電流を流し、その他の非選択の書き込みワード線(非選択WWL)及び全ての書き込みビット線(選択/非選択WBL)を接地電位に設定する。また、全ての読み出しワード線(RWL)及びソース線を接地電位に設定し、全ての読み出しビット線RBLをフローティング(FL)状態に設定する。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、選択された書き込みワード線(選択WWL)と選択された書き込みビット線(選択WBL)との間に配置されているため、図36に示すように、下部金属層17Aと書き込みワード線WWLとの間に電位差が発生し、かつ、上部金属層17Bと書き込みビット線WBLとの間に電位差が発生する。
この電位差により、歪層18A,18B内には電場が生じ、これにより、歪層18A,18Bは、電圧印加方向に伸長するため、選択されたMTJ素子MTJの記憶層には、磁化困難軸方向に引っ張り応力が加わる。
この磁化困難軸方向の引っ張り応力により、選択されたMTJ素子MTJの記憶層の自発磁化が減少し、反転磁場が小さくなるため、選択されたMTJ素子MTJに対するデータ書き込みが行い易くなる。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL及びデータ選択線BLのコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
次に、選択された書き込みワード線(選択WWL)に書き込み電流を流しつつ、さらに、選択された書き込みビット線(選択WBL)に書き込み電流を流す。また、その他の非選択の書き込みワード線(非選択WWL)及び非選択の書き込みビット線(非選択WBL)については、接地電位に設定する。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、図37に示すように、下部金属層17Aと書き込みワード線WWLとの間の電位差が緩和され、かつ、上部金属層17Bと書き込みビット線WBLとの間の電位差が緩和される。
従って、歪層18A,18Bの歪みも緩和され、歪層18A,18Bは、電圧印加方向への伸長状態から元に戻るため、選択されたMTJ素子MTJの記憶層に加わっていた磁化困難軸方向に引っ張り応力が緩和される。
これにより、選択されたMTJ素子MTJの固着層と記憶層の反強磁性結合が強くなり、両者の磁化方向が互いに逆を向くようになるため、磁化反転動作が従来よりもスムーズに行われる。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL及びデータ選択線BLのコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
次に、選択された書き込みワード線(選択WWL)に流れる書き込み電流を遮断し、選択された書き込みビット線(選択WBL)のみに書き込み電流を流す。即ち、選択された書き込みビット線(選択WBL)以外の全ての書き込みワード線(選択/非選択WWL)及び非選択のデータ選択線(非選択BL)については、接地電位に設定する。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、選択された書き込みワード線(選択WWL)と選択された書き込みビット線(選択WBL)との間に配置されているため、図38に示すように、下部金属層17Aと書き込みワード線WWLとの間に電位差が発生し、かつ、上部金属層17Bと書き込みビット線WBLとの間に電位差が発生する。
この電位差により、歪層18A,18B内には電場が生じ、これにより、歪層18A,18Bは、電圧印加方向に伸長又は収縮するため、選択されたMTJ素子MTJの記憶層には、磁化困難軸方向に引っ張り応力が作用する。
この磁化困難軸方向の引っ張り応力により、選択されたMTJ素子MTJの記憶層の自発磁化が減少し、反転磁場が小さくなるため、選択されたMTJ素子MTJに対して、磁化反転後の磁化状態が落ち着き易くなる。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL及びデータ選択線BLのコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
最後に、選択された書き込みビット線(選択WBL)に流れる書き込み電流を遮断し、歪層18A,18Bの状態を図35に示す初期状態に戻す。
このように、第5実施の形態の書き込み原理:No.1 によれば、データ書き込み時に、選択されたMTJ素子MTJに対して、磁歪効果により、記憶層の自発磁化を減少させ、磁化反転が生じ易く、かつ、磁化反転後の磁化状態が落ち着き易い状態にしている。このため、書き込み選択性の高いトグル書き込み方式において、さらに、スイッチング磁場を小さくして、書き込み電流を減らすことができる。
D. 書き込み原理:No2
次に、図34のメモリセルアレイを参照しつつ、書き込み原理:No.2について説明する。書き込み原理:No.2は、データ書き込み時に、MTJ素子MTJを挟み込む上部/下部金属層が固定電位(例えば、接地電位)に設定される場合の例である。
データ書き込み前の初期状態においては、図39に示すように、歪層18A,18Bは共に変形しておらず、MTJ素子MTJには、引っ張り応力が作用していない。
まず、選択された書き込みワード線(選択WWL)に書き込み電流を流し、その他の非選択の書き込みワード線(非選択WWL)及び全ての書き込みビット線(選択/非選択WBL)を接地電位に設定する。
また、全ての読み出しワード線(RWL)を電源電位Vddに設定し、全ての読み出し選択スイッチをオン状態にする。また、ソース線を接地電位に設定し、かつ、全ての読み出しビット線RBLを接地電位に設定する。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、選択された書き込みワード線(選択WWL)と選択された書き込みビット線(選択WBL)との間に配置されているため、図40に示すように、下部金属層17Aと書き込みワード線WWLとの間に電位差が発生する。
この電位差により、歪層18A内には電場が生じ、これにより、歪層18Aは、電圧印加方向に伸長するため、選択されたMTJ素子MTJの記憶層には、磁化困難軸方向に引っ張り応力が作用する。
この磁化困難軸方向の引っ張り応力により、選択されたMTJ素子MTJの記憶層の自発磁化が減少し、反転磁場が小さくなるため、選択されたMTJ素子MTJに対するデータ書き込みが行い易くなる。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL及びデータ選択線BLのコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
次に、選択された書き込みワード線(選択WWL)に書き込み電流を流しつつ、さらに、選択された書き込みビット線(選択WBL)に書き込み電流を流す。また、その他の非選択の書き込みワード線(非選択WWL)及び非選択の書き込みビット線(非選択WBL)については、接地電位に設定する。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、選択された書き込みワード線(選択WWL)と選択された書き込みビット線(選択WBL)との間に配置されているため、図41に示すように、下部金属層17Aと書き込みワード線WWLとの間に電位差が発生し、かつ、上部金属層17Bと書き込みビット線WBLとの間に電位差が発生する。
下部金属層17Aと書き込みワード線WWLとの間の電位差により、歪層18A内には電場が生じ、これにより、歪層18Aは、電圧印加方向に伸長するため、選択されたMTJ素子MTJの記憶層には、磁化困難軸方向に引っ張り応力が作用する。
この磁化困難軸方向の引っ張り応力により、選択されたMTJ素子MTJの記憶層の自発磁化が減少し、反転磁場が小さくなるため、選択されたMTJ素子MTJに対するデータ書き込みが行い易くなる。
また、上部金属層17Bと書き込みビット線WBLとの間の電位差により、歪層18B内には電場が生じ、これにより、歪層18Bは、電圧印加方向に伸長するため、選択されたMTJ素子MTJの記憶層には、磁化容易軸方向に引っ張り応力が作用する。
この磁化容易軸方向の引っ張り応力により、選択されたMTJ素子MTJの記憶層の自発磁化が増加し、反転磁場が大きくなるため、選択されたMTJ素子MTJに対して、磁化反転後の磁化状態が落ち着き易い状態となる。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL及びデータ選択線BLのコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
次に、選択された書き込みワード線(選択WWL)に流れる書き込み電流を遮断し、選択された書き込みビット線(選択WBL)のみに書き込み電流を流す。即ち、選択された書き込みビット線(選択WBL)以外の全ての書き込みワード線(選択/非選択WWL)及び非選択のデータ選択線(非選択BL)については、接地電位に設定する。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、選択された書き込みワード線(選択WWL)と選択された書き込みビット線(選択WBL)との間に配置されているため、図42に示すように、上部金属層17Bと書き込みビット線WBLとの間に電位差が発生する。
この電位差により、歪層18B内には電場が生じ、これにより、歪層18Bは、電圧印加方向に伸長又は収縮するため、選択されたMTJ素子MTJの記憶層には、磁化困難軸方向に引っ張り応力が作用する。
この磁化困難軸方向の引っ張り応力により、選択されたMTJ素子MTJの記憶層の自発磁化が減少し、反転磁場が小さくなるため、選択されたMTJ素子MTJに対して、磁化反転後の磁化状態が安定する。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL及びデータ選択線BLのコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
最後に、選択された書き込みビット線(選択WBL)に流れる書き込み電流を遮断し、歪層18A,18Bの状態を図39に示す初期状態に戻す。
このように、第5実施の形態の書き込み原理:No.2 によれば、データ書き込み時に、選択されたMTJ素子MTJに対して、磁歪効果により、記憶層の自発磁化を減少させ、磁化反転が生じ易く、かつ、磁化反転後の磁化状態が落ち着き易い状態にしている。このため、書き込み選択性の高いトグル書き込み方式において、さらに、スイッチング磁場を小さくして、書き込み電流を減らすことができる。
E. 書き込み原理:No3
書き込み原理No.1及びNo.2は、上述の第3実施の形態と同様に、初期状態において、MTJ素子に応力が作用しておらず、データ書き込み時に、例えば、MTJ素子に引っ張り応力を加えることにより、磁化反転し易く、かつ、磁化反転後の磁化状態が安定する書き込み原理を提案した。
ここで、書き込み原理No.1及びNo.2についても、上述の第4実施の形態と同様に、予め、MTJ素子に引っ張り応力が作用している状態を初期状態として本発明の例を適用することができる。即ち、初期状態として、予めMTJ素子に引っ張り応力を作用させておき、データ書き込み時に、例えば、この引っ張り応力を解除することにより、磁化反転し易く、かつ、磁化反転後の磁化状態が安定する書き込み原理とすることが可能である。
(6) 第6実施の形態
第6実施の形態は、複数のMTJ素子が半導体基板上に積み重ねられた積層MTJ構造の磁気ランダムアクセスメモリに関する。従来の積層MTJ構造は、例えば、特許文献2に開示される。
A. メモリセル
図43は、第6実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルの構造を示している。
本例では、1つのトランジスタとn(nは複数)のMTJ素子から構成される 1MOST+nMTJ タイプメモリセルを対象とする。
半導体基板11の表面領域には、STI構造の素子分離層12が形成される。素子分離層12に取り囲まれた素子領域内には、読み出し選択スイッチとしてのMOSトランジスタが形成される。このMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線RWLとなる。
MOSトランジスタのドレイン13Aは、コンタクトプラグ15a,15c,15e,15f,15h,15i,15k,15l,15n及び中間層15b,15d,15g,15j,15mを経由して、下部金属層171,172,173,174に接続される。また、MOSトランジスタのソース13Bは、コンタクトプラグ16を経由して、ソース線SLに接続される。
下部金属層171,172,173,174上には、MTJ素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4が形成される。MTJ素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、半導体基板11上に積み重ねられる。
MTJ素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4は、それぞれ、2つの強磁性層19a,19bと、これらの間に配置されるトンネルバリア20とを有する。2つの強磁性層19a,19bのうちの一つは、記憶層(フリー層)となり、他の一つは、固着層(ピン層)となる。
書き込みワード線WWL1は、中間層15dと同じレベルに形成され、MTJ素子MTJ1の磁化容易軸方向に延びている。書き込みワード線WWL1と下部金属層171との間には、圧電効果、電歪効果などのある条件下で変形する能力を持つ歪層181が配置される。
同様に、書き込みワード線WWL2は、中間層15gと同じレベルに形成され、MTJ素子MTJ2の磁化容易軸方向に延びている。書き込みワード線WWL2と下部金属層172との間には、圧電効果、電歪効果などのある条件下で変形する能力を持つ歪層182が配置される。
また、書き込みワード線WWL3は、中間層15jと同じレベルに形成され、MTJ素子MTJ3の磁化容易軸方向に延びている。書き込みワード線WWL3と下部金属層173との間には、圧電効果、電歪効果などのある条件下で変形する能力を持つ歪層183が配置される。
また、書き込みワード線WWL4は、中間層15mと同じレベルに形成され、MTJ素子MTJ4の磁化容易軸方向に延びている。書き込みワード線WWL4と下部金属層174との間には、圧電効果、電歪効果などのある条件下で変形する能力を持つ歪層184が配置される。
歪層181,182,183,184は、絶縁材料から構成される。歪層181,182,183,184が電歪効果を持つ材料である場合、歪層181,182,183,184としては、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3固溶体(PMN-PT)などを用いる。また、歪層181,182,183,184が圧電効果を持つ材料である場合、歪層181,182,183,184としては、Pb(Zr,Ti) O3固溶体(PZT)、BaTi O3(BTO)、Ba(Ti,Zr)O3、ロッシェル塩、圧電ポリマのPVDF(Polyvinylidenefloride)などを用いる。
本例の場合、記憶層は、磁歪定数を持つ材料から構成される。MTJ素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の記憶層は、歪層181,182,183,184から応力を受け、Villali効果により磁化反転が生じ難い状態又は生じ易い状態になるため、MTJ素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4としては、記憶層が歪層181,182,183,184に近い位置に配置されるトップピンタイプであることが好ましい。
MTJ素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4上には、データ選択線(書き込みビット線)BL1,BL2,BL3,BL4が形成される。データ選択線BL1,BL2,BL3,BL4は、MTJ素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4に接続され、MTJ素子MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4の磁化困難軸方向に延びている。
B. メモリセルアレイ
図44は、図43のメモリセルを用いて構成したメモリセルアレイの等価回路図を示している。
但し、ここでは、メモリセルアレイの回路構成を分かり易く示すため、半導体基板上に積み重ねるMTJ素子の数を、「4」ではなく、「2」とし、1MOST-2MTJ タイプメモリセルアレイとしている。
本例のメモリセルアレイの特徴は、MTJ素子MTJ1,MTJ2の一端と書き込みワード線WWL1,WWL2との間に歪層(絶縁材料)181,182が配置される点にある。
MTJ素子MTJ1,MTJ2の一端の下部金属層、書き込みワード線WWL1,WWL2及び歪層181,182によりキャパシタが形成される。このキャパシタ間に電位差が発生することにより、歪層181,182が電圧印加方向に伸長又は収縮し、MTJ素子MTJ1,MTJ2に対する応力の印加又は解除が実行される。
C. 書き込み原理
次に、図44のメモリセルアレイを参照しつつ、第6実施の形態に関わる書き込み原理について簡単に説明する。
ここで、磁歪定数及び電歪定数は、それぞれ正の値とする。また、歪層(絶縁材料)は、圧電効果又は電歪効果により電圧印加方向に伸長するものとする。また、歪層は、MTJ素子の記憶層に対して、磁化容易軸方向に引っ張り応力を与えるような形状、例えば、四角形を有し、磁化困難軸方向の辺は、MTJ素子の短辺(磁化困難軸方向の辺)と同じかそれよりも長く、磁化容易軸方向の辺は、MTJ素子の長辺(磁化容易軸方向の辺)よりも短い形状とする。
まず、選択された書き込みワード線(選択WWL1)及び選択されたデータ選択線(選択BL1)には、それぞれ書き込み電流を流し、その他の非選択の書き込みワード線(非選択WWL1、非選択WWL2)及び非選択のデータ選択線(非選択BL1,非選択BL2)は、接地電位に設定する。
データ選択線BL1,BL2は、MTJ素子MTJ1,MTJ2に対してオーミック接触をしているため、MTJ素子MTJ1,MTJ2の一端の下部金属層、書き込みワード線WWL1,WWL2及びこれらの間に配置される歪層181,182からなるキャパシタが充電される。
この時、破線Aで囲った領域に存在する選択されたMTJ素子MTJに関しては、選択された書き込みワード線(選択WWL1)と選択されたデータ選択線(選択BL1)との間に配置されているため、下部金属層と書き込みワード線WWL1との間には電位差がほとんど発生することがなく、その間に配置される歪層181の変形もない。
また、このような状態となるように、書き込み電流を発生させるドライバ/シンカーのコンダクタンスに対して、書き込みワード線WWL1,WWL2及びデータ選択線BL1,BL2のコンダクタンスが無視できる程度に小さくなるように設計する。
これに対し、破線B1で囲った領域に存在する半選択のMTJ素子MTJ1は、選択された書き込みワード線(選択WWL1)と非選択のデータ選択線(非選択BL1)との間に配置され、破線B2で囲った領域に存在する半選択のMTJ素子MTJ1は、非選択の書き込みワード線(非選択WWL1)と選択されたデータ選択線(選択BL1)との間に配置される。
このため、下部金属層と書き込みワード線WWL1との間には電位差が発生する。この電位差により、歪層181は、電圧印加方向に伸長するため、半選択のMTJ素子MTJ1には、磁化容易軸方向に引っ張り応力が作用する。
この磁化容易軸方向の引っ張り応力により、半選択のMTJ素子MTJ1の記憶層の自発磁化が増大するVillari効果が発生し、反転磁場が大きくなるため、誤書き込み耐性が向上する。
ところで、破線A,B1,B2のいずれにも囲まれていない非選択のMTJ素子MTJ1,MTJ2に関しては、接地電位に設定されている非選択の書き込みワード線(非選択WWL1、非選択WWL2)と非選択のデータ選択線(非選択BL1、非選択BL2)との間に配置されているため、選択されたMTJ素子MTJ1と同様に、下部金属層と書き込みワード線WWL1,WWL2との間には電位差が発生することがなく、その間に配置される歪層181,182の変形もない。
このように、第6実施の形態によれば、データ書き込み時に、半選択のMTJ素子MTJ1,MTJ2のみに対して、磁歪効果により、記憶層の自発磁化を増大させ、磁化反転が生じ難い状態にしている。このため、応力が加わっていない状態におけるMTJ素子MTJ1,MTJ2の記憶層の保磁力を小さくし、書き込み電流を減らすことができると共に、記憶層の保磁力を小さくしても、誤書き込みが発生することがない。尚、MTJ素子MTJ1,MTJ2の記憶層に磁歪定数の大きな物質を用いれば、半選択セルの誤書き込み耐性はさらに向上する。
(7) 第7実施の形態
第7実施の形態は、3本の書き込み線に流れる電流により発生する磁場を用いて、MTJ素子に対するデータ書き込みを実行する磁気ランダムアクセスメモリに関する。このような磁気ランダムアクセスメモリの従来例としては、例えば、特許文献3に開示される。
A. メモリセル
図45は、第7実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルの構造を示している。
本例では、1つのトランジスタと1つのMTJ素子から構成される 1MOST+1MTJ タイプメモリセルを対象とする。
半導体基板11の表面領域には、STI構造の素子分離層12が形成される。素子分離層12に取り囲まれた素子領域内には、読み出し選択スイッチとしてのMOSトランジスタが形成される。このMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線RWLとなる。
MOSトランジスタのドレイン13Aは、コンタクトプラグ15a,15c,15e及び中間層15b,15dを経由して、下部金属層17に接続される。また、MOSトランジスタのソース13Bは、コンタクトプラグ16を経由して、ソース線SLに接続される。
下部金属層17上には、MTJ素子MTJが形成される。MTJ素子MTJは、2つの強磁性層19a,19bと、これらの間に配置されるトンネルバリア20とを有する。2つの強磁性層19a,19bのうちの一つは、記憶層(フリー層)となり、他の一つは、固着層(ピン層)となる。
書き込みワード線WWLは、中間層15dと同じレベルに形成され、MTJ素子MTJの磁化容易軸方向に延びている。書き込みワード線WWLと下部金属層17との間には、圧電効果、電歪効果などのある条件下で変形する能力を持つ歪層18が配置される。
歪層18は、絶縁材料から構成される。歪層18が電歪効果を持つ材料である場合、歪層18としては、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3固溶体(PMN-PT)などを用いる。また、歪層18が圧電効果を持つ材料である場合、歪層18としては、Pb(Zr,Ti) O3固溶体(PZT)、BaTi O3(BTO)、Ba(Ti,Zr)O3、ロッシェル塩、圧電ポリマのPVDF(Polyvinylidenefloride)などを用いる。
本例の場合、記憶層は、磁歪定数を持つ材料から構成される。MTJ素子MTJの記憶層は、歪層18から応力を受け、磁歪により、磁化反転が生じ難い状態又は生じ易い状態になるため、MTJ素子MTJは、記憶層が歪層18に近い位置に配置されるトップピンタイプであることが好ましい。
MTJ素子MTJ上には、データ選択線(書き込みビット線)BLが形成される。データ選択線BLは、MTJ素子MTJに接続され、MTJ素子MTJの磁化困難軸方向に延びている。
さらに、データ選択線BLの上部には、絶縁層を経由して、書き込みディジット線WDLが形成される。書き込みディジット線WDLは、3本の書き込み線のうち、最も、MTJ素子MTJから離れており、データ書き込みに際して、直交する2本の書き込み線WWL,BLの補助的役割を果たす。
書き込みディジット線WDLは、例えば、2本の書き込み線WWL,BLに対して、45°方向に斜めに延びるように形成される。
B. メモリセルアレイ
図46は、図45のメモリセルを用いて構成したメモリセルアレイの等価回路図を示している。
本例のメモリセルアレイの特徴は、MTJ素子MTJの一端と書き込みワード線WWLとの間に歪層(絶縁材料)18が配置される点にある。
MTJ素子MTJの一端の下部金属層、書き込みワード線WWL及び歪層18によりキャパシタが形成される。このキャパシタ間に電位差が発生することにより、歪層18が電圧印加方向に伸長又は収縮し、MTJ素子MTJに対する応力の印加又は解除が実行される。
尚、書き込みディジット線WDLは、3本の書き込み線のなかでは、最も、MTJ素子MTJから離れているため、歪層18における圧電効果又は電歪効果に大きく寄与しない。
C. 書き込み原理
第7実施の形態に関わるメモリセルアレイを用いた書き込み原理、特に、圧電効果又は電歪効果による歪層18の伸長又は収縮、及び、磁歪効果又はVillari効果により書き込み易さ/難さを制御するためのMTJ素子MTJに対する応力の印加又は解除については、上述の第1実施の形態と同じであるため、ここでは、その詳細な説明については、省略する。
第7実施の形態においても、磁歪が発生していない状態又はしている状態におけるMTJ素子MTJの記憶層の保磁力を小さくし、書き込み電流を減らすことができると共に、このように記憶層の保磁力を小さくしても、データ書き込み時には、MTJ素子MTJに対して応力の印加又は解除を行うことにより誤書き込みが発生することもない。
(8) 第8実施の形態
第8実施の形態は、上述の第1乃至第7実施の形態の変形例であり、歪材料の電歪定数及び磁歪定数に関する。
即ち、上述の第1乃至第7実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリでは、電歪定数及び磁歪定数を正の値としたが、ここでは、電歪定数及び磁歪定数を負の値とした場合、さらには、電歪定数及び磁歪定数の値の組み合わせについて説明する。
A. 電歪定数
上述の第1乃至第7実施の形態では、電歪定数を正としたため、歪材料に電場を加えると、歪材料は、通常の状態又は収縮した状態から、電圧印加方向に伸長する。これに対し、第8実施の形態では、電歪定数が負の値となるような材料により歪材料を構成する。この場合、歪材料に電場を加えると、歪材料は、伸長した状態又は通常の状態から収縮する。
そこで、まず、歪材料が伸長した状態から通常の状態に戻るような場合には、MTJ素子に対しては、引っ張り応力が印加されている状態からそれを解除する状態に移行するため、上述の第1乃至第7実施の形態と同様の原理により、MTJ素子に対する書き込み易さ/難さを制御し、書き込み電流の低減と誤書き込みの防止を同時に実現する。
また、歪材料が通常の状態から収縮した状態に変化するような場合には、MTJ素子に対しては、引っ張り応力が印加されていない状態からそれを加える状態に移行するため、上述の第1乃至第7実施の形態と同様の原理により、MTJ素子に対する書き込み易さ/難さを制御し、書き込み電流の低減と誤書き込みの防止を同時に実現する。
B. 磁歪定数
上述の第1乃至第7実施の形態では、磁歪定数を正としたため、MTJ素子の記憶層に磁化容易軸方向の引っ張り応力を加えると、反転磁場が大きくなって書き込み難くなり、MTJ素子の記憶層に磁化困難軸方向の引っ張り応力を加えると、反転磁場が小さくなって書き込み易くなる。
これに対し、磁歪定数が負の値となるような材料によりMTJ素子の記憶層を構成する場合、MTJ素子の記憶層に磁化困難軸方向の引っ張り応力を加えると、反転磁場が大きくなって書き込み難くなり、MTJ素子の記憶層に磁化容易軸方向の引っ張り応力を加えると、反転磁場が小さくなって書き込み易くなる。
そこで、データ書き込み時に、半選択のMTJ素子に対してデータ書き込みを行い難い状態にするには、半選択のMTJ素子に対して、歪材料を用いて、磁化困難軸方向の引っ張り応力を加えるか、又は、予め磁化容易軸方向に加えておいた引っ張り応力を解除すればよい。
また、トグル書き込み方式を採用する場合など、データ書き込み時に、選択されたMTJ素子に対してデータ書き込みを行い易い状態にするには、選択されたMTJ素子に対して、歪材料を用いて、磁化容易軸方向の引っ張り応力を加えるか、又は、予め磁化困難軸方向に加えておいた引っ張り応力を解除すればよい。
C. 組み合わせ
・ 磁歪定数が正、電歪定数が正
磁歪定数及び電歪定数が共に正の値の場合については、上述の第1乃至第7実施の形態で説明した。
・ 磁歪定数が正、電歪定数が負
磁歪定数が正の値で、電歪定数が負の値の場合、まず、半選択のMTJ素子に対してデータ書き込みを行い難い状態にするには、歪材料を通常の状態から収縮した状態に変化させ、MTJ素子に対して磁化容易軸方向の引っ張り応力を加えるか、又は、歪材料を伸長した状態から通常の状態に戻し、MTJ素子に対して予め磁化困難軸方向に加えておいた引っ張り応力を解除すればよい。
また、トグル書き込み方式を採用する場合など、データ書き込み時に、選択されたMTJ素子に対してデータ書き込みを行い易い状態にするには、歪材料を通常の状態から収縮した状態に変化させ、MTJ素子に対して磁化困難軸方向の引っ張り応力を加えるか、又は、歪材料を伸長した状態から通常の状態に戻し、MTJ素子に対して予め磁化容易軸方向に加えておいた引っ張り応力を解除すればよい。
・ 磁歪定数が負、電歪定数が正
磁歪定数が負の値で、電歪定数が正の値の場合、まず、半選択のMTJ素子に対してデータ書き込みを行い難い状態にするには、歪材料を通常の状態から伸長した状態に変化させ、MTJ素子に対して磁化困難軸方向の引っ張り応力を加えるか、又は、歪材料を収縮した状態から通常の状態に戻し、MTJ素子に対して予め磁化容易軸方向に加えておいた引っ張り応力を解除すればよい。
また、トグル書き込み方式を採用する場合など、データ書き込み時に、選択されたMTJ素子に対してデータ書き込みを行い易い状態にするには、歪材料を通常の状態から伸長した状態に変化させ、MTJ素子に対して磁化容易軸方向の引っ張り応力を加えるか、又は、歪材料を収縮した状態から通常の状態に戻し、MTJ素子に対して予め磁化困難軸方向に加えておいた引っ張り応力を解除すればよい。
・ 磁歪定数が負、電歪定数が負
磁歪定数及び電歪定数が共に負の値の場合、まず、半選択のMTJ素子に対してデータ書き込みを行い難い状態にするには、歪材料を通常の状態から収縮した状態に変化させ、MTJ素子に対して磁化困難軸方向の引っ張り応力を加えるか、又は、歪材料を伸長した状態から通常の状態に戻し、MTJ素子に対して予め磁化容易軸方向に加えておいた引っ張り応力を解除すればよい。
また、トグル書き込み方式を採用する場合など、データ書き込み時に、選択されたMTJ素子に対してデータ書き込みを行い易い状態にするには、歪材料を通常の状態から収縮した状態に変化させ、MTJ素子に対して磁化容易軸方向の引っ張り応力を加えるか、又は、歪材料を伸長した状態から通常の状態に戻し、MTJ素子に対して予め磁化困難軸方向に加えておいた引っ張り応力を解除すればよい。
以上の組み合わせのいずれにおいても、スイッチング(磁化反転)特性については、Stoner-Wohlfarthモデルよりも、磁化容易軸方向及び磁化困難軸方向の一方の磁場が印加されている領域で尖った形となり、かつ、両方の磁場が印加されている領域で窪んだ形となるアステロイド曲線を得ることができる。
(9) その他の実施の形態
図47の実施の形態は、データ選択線(書き込みビット線)BLの上部と下部にMTJ素子MTJを配置した磁気ランダムアクセスメモリに関する。下部のMTJ素子MTJに関しては、上述の第1実施の形態で説明したように、トップピン型であるのがよい。上部のMTJ素子MTJに関しては、歪層18がMTJ素子MTJの上部に形成されるため、ボトムピン型であるのがよい。
図48の実施の形態は、上述の第1実施の形態の変形例であり、歪層18を、書き込みワード線WWLとMTJ素子MTJとの間ではなく、MTJ素子MTJとデータ選択線(書き込みビット線)BLとの間に配置した磁気ランダムアクセスメモリに関する。この場合には、歪層18は、絶縁材料ではなく、導電材料から構成される。MTJ素子MTJの構造としては、歪層18側に記憶層が配置される構造(本例では、ボトムピン構造)とするのがよい。
ところで、上述してきた全ての実施の形態において、MTJ素子MTJの固着層としての強磁性材料と記憶層としての強磁性材料の磁気異方性定数(磁歪定数)を、同じ値にすることも、逆に、異なる値にすることも可能である。
本発明の例への適用に当たっては、固着層の磁気異方性定数は、電歪効果を有する歪材料による弾性エネルギーよりも遥かに大きく、記憶層の磁気異方性定数は、電歪効果を有する歪材料による弾性エネルギーと同じ程度に設定するのが好ましい。
尚、強磁性材料の磁気異方性定数は、強磁性材料の種類、組成、厚さ、結晶配向、結晶構造などを変えることにより制御できる。例えば、非特許文献3に開示されている。固着層に使用する強磁性材料は、鉄、コバルト、これらの合金などから構成し、記憶層に使用する強磁性材料は、ニッケル、パーマロイなどから構成する。
また、同じ強磁性材料(例えば、パーマロイ)を、固着層と記憶層の双方に使用する場合においても、その強磁性材料の堆積条件などを制御することにより、例えば、記憶層としての強磁性材料の磁歪定数を固着層としての強磁性材料のそれよりも大きくすることができる。
4. 書き込み回路
書き込み回路としては、例えば、特許文献1,2に開示されるものを用いることができる。
上述の第1及び第2実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの場合には、一般的な書き込み回路を使用する。
上述の第3、第4及び第5実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの場合には、トグル書き込み方式が適用されるため、特許文献1,2に開示されるように、2本の書き込み線に流す電流パルスのタイミングを調整する書き込み方式を採用した書き込み回路を使用する。
電流パルスのパルス幅と温度との関係については、例えば、特願2003−121633に開示される方法を適用することができる。電流パルスの形状、タイミングについては、例えば、特願2002−140499に開示される方法を適用することができる。また、アステロイド曲線のシフトに対しては、特願2002−179914に開示される方法によりこれを修正することも可能である。
5. 読み出し回路
1つのトランジスタと1つのMTJ素子から構成される 1MOST+1MTJ タイプメモリセルに対しては、一般的な読み出し回路、例えば、非特許文献1に開示される読み出し回路を使用する。
メモリセル毎に選択トランジスタが存在しないクロスポイント型メモリセルに対しては、例えば、特願2002−176683に開示されるような読み出し回路を使用する。
また、例えば、上述の第6実施の形態に示すような積層MTJ構造を有する磁気ランダムアクセスメモリのメモリセルに対しては、特開2003−249073に開示されるような読み出し回路を使用する。
6. その他
電歪効果及び磁歪効果を用いて書き込みを行う磁気ランダムアクセスメモリの例としては、特許文献4に開示されるものが知られている。しかし、この例では、書き込み電流により発生する磁界によらず、電歪/磁歪現象のみを利用して書き込みを行うため、非常に高い電圧が必要となる。また、電歪パラメータにMTJ素子の位置による依存性があり、MTJ素子の強磁性体の磁歪パラメータにもばらつきが存在するため、誤書き込みが発生する可能性が高い。
これに対し、本発明の例によれば、電歪効果及び磁歪効果を利用しつつ、さらに、書き込み電流により発生する磁界を用いて書き込みを実行する。また、磁歪効果及び電歪効果は、選択されるMTJ素子の反転磁場を小さくし、半選択のMTJ素子の反転磁場を大きくするなど、MTJ素子毎に書き込み易さ/難さを制御するために利用される。従って、本発明の例によれば、書き込み電流が低減されても、誤書き込みを有効に防止できる。
また、特許文献5には、電歪膜を付加した磁気光学メモリが開示される。しかし、これは、レーザを用いて書き込みを行うという特殊なメモリである。また、この磁気光学メモリでは、記憶層に電歪膜と磁歪膜が直接付加されており、記憶素子の構造が本発明の例とは異なる。
尚、上述の各実施の形態において、強磁性材料(固着層及び記憶層)の磁気異方性については、MTJ素子の形状により付けることもできるし、また、形状は正方形とし、結晶軸により磁気異方性を付けることもできる。
本発明の例は、メモリセルの構造にかかわらず適用可能である。即ち、本発明の例は、上述した構造を持つメモリセルの他、クロスポイント型、はしご型など、様々な種類のメモリセルからなる磁気メモリに適用できる。
本発明の例によれば、データ書き込み時に、MTJ素子毎に反転磁場を制御することができるため、実質的に、Stoner-Wohlfarthモデルよりも、磁化容易軸方向及び磁化困難軸方向の一方の磁場が印加されている領域で尖った形で、かつ、両方の磁場が印加されている領域で窪んだ形のアステロイド曲線を得ることができる。これにより、記憶層の保磁力を下げて書き込み電流を減らすことができると共に、記憶層の保磁力を下げても、データ書き込み時の誤書き込みを有効に防止できる磁気ランダムアクセスメモリを提案できる。
本発明の例は、上述の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、構成要素を変形して具体化できる。また、上述の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
磁場と磁化方向の関係を示す図。 アステロイド曲線の例を示す図。 アステロイド曲線の例を示す図。 アステロイド曲線のシフトの原因の例を示す図。 アステロイド曲線の例を示す図。 アステロイド曲線の例を示す図。 アステロイド曲線のシフトの原因の例を示す図。 アステロイド曲線の例を示す図。 第1乃至第4実施の形態に関わるメモリセルを示す断面図。 第1乃至第4実施の形態に関わるメモリセルアレイを示す回路図。 書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 書き込み時のMTJ素子の状態を示す平面図。 書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 書き込み時のMTJ素子の状態を示す平面図。 書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 書き込み時のMTJ素子の状態を示す平面図。 書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 書き込み時のMTJ素子の状態を示す平面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子の状態を示す平面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子の状態を示す平面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子の状態を示す平面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子の状態を示す平面図。 第5実施の形態に関わるメモリセルを示す断面図。 第5実施の形態に関わるメモリセルアレイを示す回路図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 トグル書き込み時のMTJ素子及び歪層の状態を示す断面図。 第6実施の形態に関わるメモリセルを示す断面図。 第6実施の形態に関わるメモリセルアレイを示す回路図。 第7実施の形態に関わるメモリセルを示す断面図。 第7実施の形態に関わるメモリセルアレイを示す回路図。 その他の実施の形態に関わるメモリセルを示す断面図。 その他の実施の形態に関わるメモリセルを示す断面図。 MTJ素子の構造を示す断面図。 平行状態のMTJ素子を示す図。 反平行状態のMTJ素子を示す図。
符号の説明
11: 半導体基板、 12: 素子分離層、 13A: ドレイン領域、 13B: ソース領域、 14a,14b,14c,14d,14e,14f,14g,14h,14i,14j,14k,14l,14m,14n,14o: 絶縁層、 15a,15c,15e,15f,15h,15i,15k,15l,15n,16: コンタクトプラグ、 15b,15d,15g,15j,15m: 中間層、 17,171,172,173,174,17A: 下部金属層、 17B: 上部金属層、 18,181,182,183,184: 歪層、 19a,19b: 強磁性層、 20: トンネルバリア、 21: キャップ層、 RWL: 読み出しワード線、 SL: ソース線、 WWL,WWL1,WWL2,WWL3,WWL4: 書き込みワード線、 BL,BL1,BL2,BL3,BL4: データ選択線(書き込みビット線)、 WBL: 書き込みビット線、 RBL: 読み出しビット線、 WDL: 書き込みディジット線、 MTJ,MTJ1,MTJ2,MTJ3,MTJ4: MTJ素子。

Claims (5)

  1. 磁気抵抗効果素子と、書き込み線と、前記磁気抵抗効果素子に対応して配置され、データ書き込み時に物理的に形状が変化する機能を持つ歪層とを具備することを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
  2. 前記歪層は、前記磁気抵抗効果素子と前記書き込み線の間に配置され、圧電効果又は電歪効果を有する絶縁材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 前記歪層は、前記データ書き込み時に物理的に変形することを特徴とする請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 前記歪層は、前記データ書き込み時に物理的変形状態から開放されることを特徴とする請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 磁気抵抗効果素子と、書き込み線と、前記磁気抵抗効果素子と前記書き込み線との間に接続されるキャパシタとを具備し、前記キャパシタの電極間には歪層が配置されることを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
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