JP2006161033A - プロピレン系樹脂組成物およびそのフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プロピレン系ブロック共重合体70〜95重量%と、密度が890〜925kg/m3であり、n−ヘキサン抽出量が0.01〜2.6重量%であるエチレン−α−オレフィン共重合体5〜30重量%とを含有するプロピレン系樹脂組成物およびそのフィルム(ただし、プロピレン系ブロック共重合体とエチレン−α−オレフィン共重合体の含有量は、プロピレン系樹脂組成物の全重量100重量%を基準とし、エチレン−α−オレフィン共重合体のn−ヘキサン抽出量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量100重量%を基準とする)。
【選択図】なし
Description
近年、食品包装用分野で用いられるフィルムには、例えば、レトルト食品包装袋に用いられるフィルムには、耐熱性、剛性、ヒートシール性、食品衛生性および耐衝撃強度を兼ね備えたフィルムが要望されている。
レトルト食品包装袋に用いられるフィルムの耐衝撃性を改良する方法としては、エチレン−プロピレンブロック共重合体へ非晶性エチレン−α−オレフィン共重合体を配合した組成物を用いる方法が知られている。
本発明者は、鋭意検討の結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
プロピレン系ブロック共重合体70〜95重量%と、密度が890〜925kg/m3であり、n−ヘキサン抽出量が0.01〜2.6重量%であるエチレン−α−オレフィン共重合体5〜30重量%とを含有するプロピレン系樹脂組成物およびそのフィルムに係るものである。(ただし、プロピレン系ブロック共重合体とエチレン−α−オレフィン共重合体の含有量は、プロピレン系樹脂組成物の全重量100重量%を基準とし、エチレン−α−オレフィン共重合体のn−ヘキサン抽出量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量100重量%を基準とする。)
(1)マグネシウム化合物にTi化合物を複合化させた固体触媒成分等からなるTi−Mg系触媒、
(2)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物、および、必要に応じて用いられる電子供与性化合物からなるチーグラー・ナッタ型触媒、
(3)メタロセン触媒
等が挙げられる。
好ましくは、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物、および、必要に応じて用いられる電子供与性化合物からなるチーグラー・ナッタ型触媒である。
(1)1槽の重合槽を用いて、不活性炭化水素溶媒の存在下に、プロピレンを主体とする単量体を重合する第1工程と、第1工程に引き続いて、第1工程で製造された重合体の存在下に、エチレンとプロピレンを共重合する第2工程からなる回分式重合法や、
(2)少なくとも2槽の重合槽を直列に配置し、不活性炭化水素溶媒の不存在下に、プロピレンを主体とする単量体を重合する第1工程と、引き続いて、第1工程で製造された重合体を次の重合槽へ移送し、第1工程で製造された重合体の存在下に、エチレンとプロピレンを共重合する第2工程からなる連続式重合法等が挙げられる。
好ましくは、生産性を高めるという観点から、上記の(2)の連続式重合法であり、さらに好ましくは、上記の(2)の連続重合方法であって、第2工程を気相法で共重合する連続重合法である。
上記の(2)の連続式重合法の場合、第1工程および第2工程のそれぞれで用いられる重合槽は1槽でも良く、少なくとも2槽でも良い。
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等が挙げられ、これらは単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。
エチレン−α−オレフィン共重合体として、好ましくは、ヒートシール性や衝撃強度を改良するという観点から、エチレン−1−ヘキセン共重合体である。
n−ヘキサン抽出量が0.01重量%未満の場合、耐衝撃強度が不十分なことがあり、2.6重量%を超えた場合、ヒートシール強度や食品衛生性が不十分なことがある。
好ましくは、メタロセン触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンを共重合して、エチレン−α−オレフィン共重合体の密度を890〜920kg/m3とし、メルトフローレート(MFR)を0.5〜30g/10分とし、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)を1〜2.5とする方法が挙げられる。
式 MLaXn-a(式中、Mは元素の周期律表の第4族またはランタナイド系列の遷移金属原子である。Lはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基であり、少なくとも一つはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基である。複数のLは互いに架橋していてもよい。Xはハロゲン原子、水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基である。nは遷移金属原子の原子価を表し、aは0<a≦nを満足する整数である。)で表される化合物が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量が5重量%未満の場合、耐衝撃性が不十分なことがあり、30重量%を超えた場合、ヒートシール性が不十分なことがある。
レトルト食品包装用フィルムには、必要に応じて、中和剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、耐ブロッキング剤、造核剤等を添加しても良い。
中和剤としては、加工時の発煙を防止するという観点から、好ましくは、ハイドロタルサイト類化合物、水酸化カルシウムである。
未延伸フィルムの製造法として、好ましくはTダイ法である。
フィルム厚みは、通常、10〜250μmであり、好ましくは30〜150μmである。
その他のフィルムとしては、例えば、ポリプロピレン二軸延伸フィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリテレフタル酸エチルフィルムやアルミニウム箔等が挙げられる。
本発明のレトルト食品包装用フィルムとその他のフィルムを複合する方法としては、例えば、ドライラミネート法や押出ラミネート法等が挙げられる。
本発明のレトルト食品包装用フィルムの用途としては、好ましくは重量物包装用途である。
実施例および比較例の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)A成分、B成分の含有量(単位:重量%)
A成分およびB成分の重合時の物質収支から、A成分の含有量(PA)、およびB成分の含有量(PB)を求めた。
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。A成分、B成分の極限粘度([η]A、[η]B)
第1工程のA成分の重合終了後に測定した極限粘度[η]Aと、第2工程の重合終了後に測定した極限粘度([η]AB)および、A成分の含有量(PA)、B成分の含有量(PB)から、次式によりB成分の極限粘度([η]B)を決定した。
[η]A×(PA/100)+[η]B×(PB/100)=[η]AB
高分子分析ハンドブック(1985年、朝倉書店発行)の256〜257頁「(ii)ブロック共重合体」の項に記載の方法によってIRスペクトル法で決定した。
JIS K7210に従い、条件−14の方法で測定した。
ポリプロピレン5gを沸騰キシレン500mlに完全に溶解させた後、20℃に降温し、4時間以上放置した。その後、これを析出物と溶液とに濾別し、濾液を乾固して減圧下70℃で乾燥した。その重量を測定して含有量(重量%)を求めた。
G.P.C.(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によって、下記の条件で測定した。なお分子量分布は重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で評価した。
機種:150CV型(ミリポアウォーターズ社製)
カラム:Shodex M/S 80
測定温度:145℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン
サンプル濃度:5mg/8mL
検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
−15℃において、東洋精機製フィルムインパクトテスターを使用し、直径15mmの半球状衝撃頭を用いて、フィルムの衝撃強度を測定した。
JIS K7105に従い測定した。
150mm×30mmのフィルム(製膜方向と長辺方向が一致するように採取した。)を用いて、フィルム同士を重ね合わせ、40mm×30mmの範囲に500gの荷重をかけて80℃で24時間状態調整を行った。その後、23℃、湿度50%の雰囲気下に30分以上放置し、東洋精機製引張試験機を用いて200mm/分の速度で剥離を行い、試料の剥離に要する強度を測定した。
東洋テスター工業(株)製ヒートシーラーを使用し次の条件でシールし、次いでシール片を15mm巾に切り、剥離角90°でオリエンテック製テンシロンを用いて測定した。
[シール条件]
シールバー:平面両面加熱
シール温度:200℃
シール圧力:1.0kg/cm2
シール時間:1.0sec
裏打ち補強剤:O−Ny(15μm)
得られたフィルムのフィッシュアイの有無について目視評価を行った。評価は、フィッシュアイの極めて多い場合を×、比較的多い場合を△、少ない場合を○として評価した。
180℃でのプレス成形によって、25mm×25mm×100μmのシートを作成し、これを試験片とした。50℃に調整した400mlのn−ヘキサン中に試験片を入れ、攪拌しながら2時間抽出を行った。抽出終了後、n−ヘキサン溶液から試験片を取り出し、次に、n−ヘキサン溶液からn−ヘキサンを蒸発させることによって、n−ヘキサン溶液に抽出された成分の重量の割合を求めた。
FDA177.1520(d)(3)(ii)に記載の方法に従って、厚み70μmのフィルムの50℃、n−ヘキサン抽出量を測定した。
〔プロピレン系ブロック共重合体(1)〕
チーグラー・ナッタ型触媒を用いて第一工程で気相中でプロピレン単独重合体部分(A成分)を重合し、次いで第二工程を気相中でプロピレンとエチレンとの共重合体部分(B成分)を重合した。得られた共重合体は、A成分の含有量78重量%、極限粘度([η]A)1.8dl/g、B成分の含有量22重量%、極限粘度([η]B)3.5dl/g、エチレン由来の構造単位の含有量が29重量%、[η]B/[η]Aが1.95であった。
上記のブロック共重合体粉末100部に水酸化カルシウム0.01重量部、商品名イルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.2重量部、およびメルトフローレート調整剤として2,5−ジメチル−2,5ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサンを適量をヘンシェルミキサーで混合した後、溶融押出を行ってペレット化した。得られた230℃で測定したペレットのメルトフローレートは3g/10分であった。
チーグラー・ナッタ型触媒を用いて第一工程で気相中でプロピレン単独重合体部分(A成分)を重合し、次いで第二工程を気相中でプロピレンとエチレンとの共重合体部分(B成分)を重合した。得られた共重合体は、A成分の含有量75重量%、極限粘度([η]A)1.8dl/g、B成分の含有量25重量%、極限粘度([η]B)3.2dl/g、エチレン由来の構造単位の含有量が41重量%、[η]B/[η]Aが1.78であった。
上記のブロック共重合体粉末100部に水酸化カルシウム0.01部、商品名イルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.1部、ビタミンE 0.03部、およびメルトフローレート調整剤として2,5−ジメチル−2,5ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサンを適量加えヘンシェルミキサーで混合した後、溶融押出を行ってペレット化した。得られた230℃で測定したペレットのメルトフローレートは3g/10分であった。
チーグラー・ナッタ型触媒を用いて第一工程で気相中でプロピレン単独重合体部分(A成分)を重合し、次いで第二工程を気相中でプロピレンとエチレンとの共重合体部分(B成分)を重合した。得られた共重合体は、A成分の含有量79重量%、極限粘度([η]A)2.7dl/g、B成分の含有量21重量%、極限粘度([η]B)2.8dl/g、エチレン由来の構造単位の含有量が36重量%、[η]B/[η]Aが1.04であった。
上記のブロック共重合体粉末100部にステアリン酸カルシウム0.05部、ビタミンEを0.05部、およびメルトフローレート調整剤として2,5−ジメチル−2,5ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサンを適量加えヘンシェルミキサーで混合した後、溶融押出を行ってペレット化した。得られた230℃で測定したペレットのメルトフローレートは2g/10分であった。
住友化学株式会社製のノーブレン FS2011DG3(商品名)を用いた。230℃で測定したメルトフローレートは2.5g/10分であった。
エチレン−ヘキセン−1共重合体である住友化学株式会社製のスミカセンE FV401(商品名)を用いた。190℃で測定したメルトフローレートは4g/10分、密度は902kg/m3、分子量分布(Mw/Mn)は2.1、n−ヘキサン抽出量は2.0重量%であった。
プロピレン−エチレン共重合体である三井化学株式会社製のタフマー P0280(商品名)を用いた。190℃で測定したメルトフローレートは2.9g/10分、密度は868kg/m3、分子量分布(Mw/Mn)は2.0、n−ヘキサン抽出量は88重量%であった。
プロピレン系ブロック共重合体(1)85重量部とエチレン−α−オレフィン共重合体(1)15重量部をペレットブレンドした組成物を、ろ過精度40μmの金属フィルターを使用した90mmφ押出機、および、2台の65mmφ押出機を用いて溶融混練し、フィードブロック型のTダイ(ダイ幅1250mm、リップ開度1.5mm)に導入して、ダイ温度240℃で溶融押出を行った。
押し出された溶融膜を、50m/分で回転する冷却水温度40℃のチルロールで冷却固化させ、厚さ70μmの未延伸フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
実施例1において、プロピレン系ブロック共重合体(2)85重量部とエチレン−α−オレフィン共重合体(1)15重量部をペレットブレンドした組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
実施例1において、プロピレン系ブロック共重合体(3)85重量部とエチレン−α−オレフィン共重合体(1)15重量部とプロピレン単独重合体(1)15重量部をペレットブレンドした組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
実施例1において、プロピレン系ブロック共重合体(1)85重量部とエチレン−α−オレフィン共重合体(2)3重量部をペレットブレンドした組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
実施例1において、プロピレン系ブロック共重合体(1)85重量部とエチレン−α−オレフィン共重合体(2)15重量部をペレットブレンドした組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
これに対して、本発明の要件である密度とn−ヘキサン抽出量を満足しないエチレン−α−オレフィン共重合体を用いた比較例1は耐衝撃性が不十分なものであり、比較例2はヒートシール性が不十分で、n−ヘキサン抽出量が多く食品衛生性が不十分なものであることが分かる。
Claims (3)
- プロピレン系ブロック共重合体70〜95重量%と、密度が890〜925kg/m3であり、n−ヘキサン抽出量が0.01〜2.6重量%であるエチレン−α−オレフィン共重合体5〜30重量%とを含有するプロピレン系樹脂組成物(ただし、プロピレン系ブロック共重合体とエチレン−α−オレフィン共重合体の含有量は、プロピレン系樹脂組成物の全重量100重量%を基準とし、エチレン−α−オレフィン共重合体のn−ヘキサン抽出量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量100重量%を基準とする)。
- プロピレン系ブロック共重合体が、プロピレンを主体とする単量体が重合されてなる重合体部分(A成分)50〜90重量%と、エチレン−プロピレン共重合体部分(B成分)10〜50重量%とを含有するプロピレン系ブロック共重合体であって(ただし、プロピレン系ブロック共重合体の全重量100重量%を基準とする)、少なくともチタン、マグネシウム、ハロゲンを必須とするチーグラー・ナッタ型触媒を用いて、第1工程でA成分が製造されてなり、ついで、第2工程でB成分が製造されてなり、B成分に含有されるエチレン由来の構造単位の含有量が10〜60重量%であり(ただし、B成分の全重量100重量%を基準とする)、B成分の極限粘度([η]B)が1.5〜6dl/gであり、B成分の極限粘度([η]B)とA成分の極限粘度([η]A)の比([η]B/[η]A)が0.5〜3であるプロピレン系ブロック共重合体である請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載のプロピレン系樹脂組成物からなるフィルム。
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