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JP2006143873A - セルロースアシレート樹脂膜、その製造方法および液晶表示素子 - Google Patents

セルロースアシレート樹脂膜、その製造方法および液晶表示素子 Download PDF

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JP2006143873A JP2004335547A JP2004335547A JP2006143873A JP 2006143873 A JP2006143873 A JP 2006143873A JP 2004335547 A JP2004335547 A JP 2004335547A JP 2004335547 A JP2004335547 A JP 2004335547A JP 2006143873 A JP2006143873 A JP 2006143873A
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cellulose acylate
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resin
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Jun Arakawa
純 荒河
Narikazu Hashimoto
斉和 橋本
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

【課題】 光学的に低複屈折性で且つ平滑性、透明性に優れた、光学用セルロースアシレート膜を、安価に作製すること。
【解決手段】 セルロースアセテートの含有量の少ないセルロースアシレートに負の複屈折を有する無機微粒子を添加して溶融製膜することで、樹脂膜の溶融製膜過程で生ずる配向複屈折を低減させたセルロースアシレート樹脂膜とする。また、該樹脂膜を構成部材として用いた液晶表示素子とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セルロースアシレート樹脂膜に関する。特にフィルム成膜過程で生ずる好ましくない複屈折性が低減され、且つ透明性に優れた光学フィルムとして好適に用いられるセルロースアシレート樹脂膜、その製造方法、および該セルロースアシレート樹脂膜を構成部材として用いた液晶表示素子に関する。
近年、光ディスクなどの光学記録材料、オプティカルファイバーなどの光通信材料、液晶ディスプレイなどのエレクトロニクス表示材料等、光学部品材料としての高分子樹脂材料の用途が急速に拡がっている。これは、ガラス等の無機材料に比べ、軽量、耐衝撃性、成形の容易さ等に優れているためである。
一方、高分子樹脂材料を光学材料として用途拡大して行くためには、透明性、光学異方性を更に改良することが望まれている。特に光学異方性の原因である複屈折の調整は高分子樹脂を光学部品材料として用いる場合、極めて重要な課題である。
通常、光学材料の複屈折は小さい方が好ましい場合が多い。例えば、液晶表示素子において偏光層や反射防止層に用いるプラスチックフィルムは低複屈折であることが好ましい。これらの低複屈折フィルムとしては従来、セルロースアセテートフィルムが用いられて来た。このフィルムは低沸点有機溶媒中にセルロースアセテート樹脂を溶解させ、これを流延させてフィルム上に成形し、低沸点有機溶媒を蒸発除去することによって作られてきた。ところが、この方法では低沸点有機溶媒の乾燥時にムラを作りやすく平滑性を維持するのが難しく、さらには有機溶媒の回収のために多大なコストがかかることが問題であった。
ところで、樹脂を加熱溶融させ、これを射出成形し、さらに延伸工程を経てフィルム状に成形する方法で、所望の厚みのフィルムを作ることが可能である。この方法では低沸点溶媒を用いないため、溶媒回収のためのコストが不要であることに加え、溶媒蒸発時に生ずる平滑性のトラブルが無いことにより、安価で高品質なフィルムを作ることが可能である。しかし、この方法では、延伸に伴うポリマーの配向により一般に複屈折が大きくなることが分かっており、これを液晶表示素子の部材として用いた場合、液晶表示性能に悪影響を及ぼすことが問題となってくる。
このような好ましくない複屈折を低減させるためには、有機低分子化合物、例えば(ジ)ペンタエリスリトールエステル類、グリセロールエステル類、クエン酸エステル類等の添加が実施されている(例えば、非特許文献1、16頁参照)が、フィルムの力学特性の低下、透明性の低下などの問題があり、十分な技術とは言い難いものであった。
一方、セルロースアシレートフィルムに、力学的強度増大、ブロッキング防止、キシミ防止等の機械的特性改善のために無機微粒子を添加することは一般に行われている技術である(例えば、非特許文献1、19頁参照)。しかし、ここで添加される無機微粒子は光学的には等方粒子であり、複屈折を変えうるものではなく、まして積極的に複屈折を調節するための添加物という発想は無かった。
一般にポリマーは射出成形、押し出し成形、延伸等の成形工程を経ることで、そこで受ける外力により、ランダムであったポリマーが配向し、その結果複屈折が生ずることはよく知られており、ポリマーが一定方向に完全に配向したときの複屈折の値は固有複屈折として報告されている(非特許文献2、16頁参照)。このような配向複屈折は光学用途として用いる場合しばしば弊害となるため、配向複屈折の低減が大きな課題であった。これを解決する手段として、ポリマーの配向に伴って配向する性質を有する光学異方性無機微粒子を用いてポリマーの配向複屈折を調節する技術が公開されている(特許文献1)。
従来一般的に用いられているセルロースアシレートはセルロースアセテートであり、これは通常塩化メチレン等の低沸点有機溶媒のポリマーを溶解し、ソルベントキャスト法で製膜される。この方法では配向があまり進行しないため、大きな複屈折が問題になることはなかった。また、セルロースアセテートは低沸点溶媒を用いないメルトキャスト法で製膜しようとしても、融点が分解温度より高いために実質的に製膜することが困難であった。従って、これまではセルロースアシレートポリマーに上記のような配向性の光学異方性無機微粒子を添加して複屈折を低減させるという事は考えられていなかった。
国際公開第01/025364号パンフレット 発明協会公開技報公技番号2001−1745号、16頁,19頁 技術情報協会編,「光学用透明樹脂」,2001年,16頁
本発明は光学的に低複屈折性で且つ平滑性、透明性に優れた、光学用セルロースアシレート樹脂膜を、安価に作製するためのものである。
本発明者は、セルロースアセテートの含有量の少ないセルロースアシレートについては、低沸点溶媒を用いないメルトキャスト法でも製膜できることに着目し、負の複屈折を有する無機微粒子を適当量添加することによって、負の複屈折を有する無機微粒子が樹脂膜の製膜過程で配向することにより溶融製膜過程で生ずる配向複屈折を低減し、光学的に低複屈折性で且つ平滑性、透明性に優れ、安価に作製し得る光学用セルロースアシレート樹脂膜を得ることができたものである。
すなわち、本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
(1) アシル基が下記の置換度を満足するセルロースアシレート樹脂に、負の複屈折を有する無機微粒子が含有されていることで、該樹脂膜の溶融製膜過程で生ずる配向複屈折が低減されていることを特徴とするセルロースアシレート樹脂膜。
2.5≦X+Y≦3.0
0≦X≦1.8
1.2≦Y≦3.0
X:アセチル基の置換度
Y:炭素数3〜6のアシル基の置換度の総和
(2) (1)に記載のセルロースアシレート樹脂膜において、該セルロースアシレート樹脂に添加される前記無機微粒子が、その平均アスペクト比が2.0以上である針状又は棒状粒子であり、且つ体積平均粒子サイズが500nm以下であることを特徴とするセルロースアシレート樹脂膜。
(3) (1)または(2)に記載のセルロースアシレート樹脂膜において、該セルロースアシレート樹脂に添加される前記無機微粒子が、霰石型結晶構造を有するアルカリ土類金属の炭酸塩であることを特徴とするセルロースアシレート樹脂膜。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載のセルロースアシレート樹脂膜において、該セルロースアシレート樹脂に添加される前記無機微粒子の添加量が、該セルロースアシレート樹脂に対して0.1〜5質量%の範囲にあることを特徴とするセルロースアシレート樹脂膜。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載のセルロースアシレート樹脂膜を製造する方法であって、該セルロースアシレート樹脂に前記無機微粒子を混練分散する工程、および射出成形工程を含むセルロースアシレート樹脂膜の製造方法。
(6) (1)から(4)のいずれかに記載のセルロースアシレート樹脂膜をその構成部材として用いたことを特徴とする液晶表示素子。
(7) (6)に記載の液晶表示素子において、前記セルロースアシレート樹脂膜の複屈折の絶対値が2×10-4以下であることを特徴とする液晶表示素子。
本発明は、セルロースアシレート樹脂膜において、溶融製膜過程で生ずる配向複屈折を低減することができて、光学的に低複屈折性で且つ平滑性、透明性に優れ、安価に作製し得る光学用セルロースアシレート樹脂膜を得ることが出来る。また、これを液晶表示装置の各種フィルム部材として用いることで、液晶表示装置の画像性能向上およびコスト低減を図ることが出来る。
<セルロースアシレート>
本発明に用いられるセルロースアシレートフィルムは以下のものが好ましい。
アシレート基が、下記の置換度を満足することを特徴とするセルロースアシレートフィルム(Xはアセチル基の置換度、Yは炭素数3〜6のアシル基、すなわちプロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基の置換度の総和を示す)。
2.5≦X+Y≦3.0
0≦X≦1.8
1.2≦Y≦3.0
より好ましくは、
Yの1/2以上がプロピオニル基の場合
2.6≦X+Y≦2.95
0≦X≦1.0
2.0≦Y≦2.95
Yの1/2未満がプロピオニル基の場合
2.6≦X+Y≦2.95
0≦X≦0.7
1.3≦Y≦2.5
さらに好ましくは、
Yの1/2以上がプロピオニル基の場合
2.7≦X+Y≦2.95
0≦X≦0.6
2.4≦Y≦2.9
Yの1/2未満がプロピオニル基の場合
2.7≦X+Y≦2.95
0≦X≦0.7
1.3≦Y≦2.0
すなわち本発明では、アセチル基の置換度を少なくし、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基の置換度の総和を多くするのが好ましい。溶融製膜時の膜の柔軟性を確保するためには、より回転し難いバルキーな基でエステル化することが好ましい。このためアセチル基より大きなプロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基が好ましく、より好ましくはプロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基であり、さらに好ましくはプロピオニル基、ブチリル基である。これら以上に炭素数の多いカルボン酸を用いたセルロースアシレートはむしろ力学強度が弱くなり、製膜過程での収縮応力により膜が破断されやすく好ましくない。
これらのセルロースアシレート合成方法の基本的な原理は、右田他,「木材化学」,180〜190頁(共立出版、1968年)に記載されている。代表的な合成方法は、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相酢化法である。具体的には、綿花リンターや木材パルプ等のセルロース原料を適当量の酢酸で前処理した後、予め冷却したカルボン酸化混液に投入してエステル化し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する。上記カルボン酸化混液は、一般に溶媒としての酢酸、エステル化剤としての無水カルボン酸および触媒としての硫酸を含む。無水カルボン酸は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが普通である。アシル化反応終了後に、系内に残存している過剰の無水カルボン酸の加水分解およびエステル化触媒の一部を中和するために、中和剤(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩または酸化物)の水溶液を添加する。次に、得られた完全セルロースアシレートを少量の酢化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下で、50〜90℃に保つことによりケン化熟成し、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートまで変化させる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは中和することなく水または希硫酸中にセルロースアシレート溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、水または希硫酸を投入)してセルロースアシレートを分離し、洗浄および安定化処理によりセルロースアシレートを得る。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度150〜500、好ましくは200〜400、更に好ましくは250〜350である。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫,斉藤秀夫,繊維学会誌,第18巻第1号,105〜120頁,1962年)により測定できる。更に特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。
このような重合度の調整には低分子量成分を除去することでも達成できる。低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。さらに重合方法でも分子量を調整できる。例えば、低分子成分の少ないセルロースシレテートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100重量に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量部分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。
本発明で用いられるセルロースエステルは、重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn比が1.5〜5.5のものが好ましく用いられ、特に好ましくは2.0〜5.0であり、更に好ましくは2.5〜5.0であり、更に好ましくは3.0〜5.0のセルロースエステルが好ましく用いられる。
これらのセルロースアシレートは1種類のみを用いてもよく、2種以上混合しても良い。また、セルロースエステル以外の高分子成分を適宜混合したものでもよい。混合される高分子成分はセルロースエステルと相溶性に優れるものが好ましく、フィルムにしたときの透過率が80%以上、更に好ましくは90%以上、更に好ましくは92%以上であることが好ましい。
セルロースアシレートはペレット化することが好ましく、好ましいペレットの大きさは1mm3以上10cm3以下であり、より好ましくは5mm3以上5cm3以下、さらに好ましくは10mm3以上3cm3以下である。
<添加剤>
本発明のセルロースアシレートには、種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、光学異方性コントロール剤、微粒子、赤外吸収剤、界面活性剤など)を加えることができる。これらの例としては、発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)16頁〜22頁に記載のものが使用できる。
<光学異方性無機微粒子>
セルロースアシレート樹脂膜に添加される光学異方性無機微粒子は針状結晶性鉱物等、天然および人工鉱物材料の中から選択することが可能である。但し、樹脂膜の配向に伴って配向する結晶であり、かつセルロースアシレート樹脂膜の正の複屈折を補償するような負の複屈折を有する無機微粒子結晶という範疇に入るものである必要がある。このような光学的性質、すなわち負の複屈折を有する無機結晶としては、硝酸塩、炭酸塩が知られている。これらの結晶は、正三角形の頂点にOイオンが配列したNO3 -、CO3 2-イオン群を有し、これらのイオン群の平面で偏光された光の屈折率が、この面と直角に偏光された光の屈折率より高い事が特徴である。従って、NO3 -、CO3 -のイオン群平面がポリマーの配向方向と直角に配向するような結晶構造を有する粒子が本発明の目的には特に有用である。
これらに当てはまる無機結晶としては、方解石(CaCO3)、マグネサイト(MgCO3)、スミソナイト(ZnCO3)、ロードクロサイト(MnCO3)、コバルトカルサイト(CoCO3)等の炭酸塩が知られている。しかし、負の複屈折の大きさが大きいという意味で特に好ましい結晶は霰石(あられいし)型構造を持つものである。
霰石型構造を有する無機結晶としては、CaCO3、SrCO3、BaCO3、PbCO3、KNO3、LaBO3などがこの結晶構造をとる。この中では、特にアルカリ土類金属の炭酸塩が好ましく、更には、炭酸ストロンチウム(SrCO3)は霰石型構造のみが存在し、且つ比較的形成し易いため特に有用である。
前記無機微粒子は、針状または棒状であり、その針又は棒の長さ/断面の円相当径、をアスペクト比と定義した場合、平均アスペクト比が2.0以上、更に好ましくは5.0以上である。また、無機微粒子の体積平均粒子サイズは500nm以下であることが好ましく、300nm以下、30nm以上であることが更に好ましい。
セルロースアシレート樹脂材料に添加される前記無機微粒子の添加量は、セルロースアシレート樹脂に対して0.05〜10質量%の範囲にあるのが好ましいが、0.1〜5質量%の範囲にあるのがより好ましい。
<炭酸ストロンチウム針状粒子の調製>
前記光学異方性無機微粒子の代表である、炭酸ストロンチウムの針状粒子は一般的なアルカリ土類炭酸塩の調製方法に準じた方法で調製することが出来る。
アルカリ土類炭酸塩を調製する場合、アルカリ土類金属イオンは、通常、アニオンを含むアルカリ土類金属化合物として供給することができる。アルカリ土類金属化合物の例としては、アルカリ土類金属イオンと水酸化物イオン、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオンなどからなる化合物が挙げられる。特に、反応に適した溶解速度が得られ、かつ発生する副生成物の精製が容易であるアルカリ土類金属の水酸化物又は酢酸塩をアルカリ土類金属イオンの供給源として用いることが好ましい。
炭酸イオンの供給原料は特に制限はなく、例えば、炭酸アンモニウム((NH4)2CO3)、炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸水素カリウム(KHCO3)などの各種の炭酸塩や、炭酸ガス(CO2)を用いることができる。炭酸ガスは反応液中に直接導入してもアミノアルコール等の塩基性溶体に予め吸収させて使用してもよい。 中でも発生する副生成物が揮発可能であり、精製が容易な炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムまたは炭酸ガスから選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
プロセスとしては水酸化物に炭酸ガスを吹き込んで調製する方法(プラスチックエージ,1995年3月号,119頁、および石膏と石灰,No.194(1985),3頁)に記載の方法等が用いられる。また、尿素を炭酸イオンの供給源とした、尿素の酵素分解法(Macromol.Rapid Comn,2003,24,p.274−277、および特開2004−35347号公報)等も好ましく利用できる。
<無機微粒子の表面改質>
無機微粒子は粒子同士の凝集防止およびポリマーマトリックスと粒子間の結合を強化する目的で表面改質を行うのが好ましい。表面改質剤としては、ステアリン酸等の脂肪酸、各種界面活性剤、燐酸エステル類、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等が無機微粒子の種類、ポリマーの種類や重合度に応じて使い分けられる。これらは、接着の技術,Vol.17,No.3,(1987),54−59頁等に記載されている。
また、日本接着学会誌,Vol.38,No.2,(2002),39頁等に述べられているような、粒子に親和性の良い基とポリマーに親和性の良い基からなるブロックコポリマーも好ましく使うことが出来る。
本発明で用いられる霰石型炭酸塩微粒子の組み合わせに対しては、上記何れの改質剤も使うことが出来るが、特にステアリン酸等の高級脂肪酸、チタネートカップリング剤を用いることが好ましい。
表面改質剤として用いられる高級脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等炭素数16から20の脂肪酸が好ましく、特にステアリン酸が好ましい。
チタネートカップリング剤としては、味の素ファインテクノ(株)製のプレンアクトシリーズ、例えばKR−TTS、KR−138S、KR−ET、KR−44等を用いることが出来る。
これらの表面改質剤は微粒子形成直後からポリマー中に混練されるどの段階で添加されても良いが、微粒子の凝集防止の観点からは、微粒子形成直後に添加するのが好ましい。
表面改質剤の添加量は微粒子粉体に対して0.1〜20質量%の任意の値を選ぶことができる。特に本発明の如く粒子の体積平均粒子サイズが300nm以下、30nm以上の場合には、1〜20質量%の添加量が好ましい。
<混練と溶融製膜>
(1) 予熱
溶融押出し機のホッパーに乾燥されたセルロースアシレートを投入する。このときホッパーをTg−50℃以上Tg+30℃以下、より好ましくはTg−40℃以上Tg+10℃以下、さらに好ましくはTg−30℃以上Tg以下にする。これによりホッパー内での吸着した水分によるポリマーのブロッキングを防止する。
(2) 炭酸塩微粒子の添加
本発明の無機微粒子はセルロースアシレートが混練機に搬送される途中で、添加するのが一般的である。無機微粒子は粉体であっても、適当な分散媒、例えば水等の中に5〜20質量%の濃度で分散されたスラリー状であってもよい。粉体の場合、ポリマーとは別のホッパーを用いてスクリュー式フィーダーや電磁フィーダー等のフィーダーによって定量供給される。また、スラリー状の場合、モーノポンプやチューブポンプ等の高粘度対応定量ポンプを用いて定量添加することが出来る。
(3) 混練押出し
Tg+30℃〜80℃の溶融温度でセルロースアシレートと本発明の無機微粒子を混練する。この時、溶融温度は一定温度で行ってもよく、いくつかに分割して制御しても良い。より好ましくは上流側(ホッパー側)の温度を下流側(T−ダイ側)の温度より1℃以上50℃以下、より好ましくは2℃以上30℃以下、さらに好ましくは3℃以上20℃以下高くするほうが、セルロースアシレートの分解をより抑制できて好ましい。即ち溶融を促すため、これを支配する上流部をより高温にし、溶融後は分解を抑制するために温度を低めにするものである。好ましい混練時間は2分以上60分以下であり、より好ましくは3分以上40分以下であり、さらに好ましくは4分以上30分以下である。さらに、溶融押出し機内を不活性(窒素等)気流中で実施するのも好ましい。
混練する無機微粒子は、粉体状態でも、水分散スラリー状でも、アルコール等の低沸点有機溶媒に分散された状態でも良い。但し、水や有機溶媒を含む場合、混練中に速やかにポリマー中から除去する必要がある。このため、混練機の途中に真空脱気ポンプを設置することが好ましい。
無機微粒子は混練前にポリマーと混ぜても良いし、ポリマーの溶融中に添加しても良いし、ポリマーが完全に溶融されてから添加しても良い。
(4) キャスト
溶融混練した複合樹脂をギヤポンプに通し、押し出し機の脈動を除去した後、金属メッシュフィルター等でろ過を行い、この後ろに取り付けたT型のダイから冷却ドラム上にシート状に押し出す。この時、溶融温度より低い温度に制御したT−ダイから押し出す。なお、溶融押出し機内で複数に分割し異なる温度にした場合、T−ダイに最も近いところの溶融温度を基準にする。この後、上述のようにT−ダイとキャスティングドラムの間を上記の距離に保つ。この時、この間の温度変動が少ないよう、ケーシング内に入れることが好ましい。
押出しは単層で行ってもよく、マルチマニホールドダイやフィールドブロックダイを用いて複数層押出しても良い。この後、上述の直径、本数、温度のキャスティングドラム上に押出す。この時、静電印加法、エアナイフ法、エアーチャンバー法、バキュームノズル法、タッチロール法等の方法を用い、キャスティングドラムと溶融押出ししたシートの密着を上げることが好ましい。このような密着向上法は、溶融押出しシートの前面に実施してもよく、一部に実施しても良い。
このキャスティングドラム上で上述のような条件で冷却した後、キャスティングドラムから剥ぎ取り、ニップロールを経た後、上述の張力で巻き取る。巻き取り速度は10m/分以上100m/分以下が好ましく、より好ましくは15m/分以上80m/分以下、さらに好ましくは20m/分以上70m/分以下である。
製膜幅は1.5m以上5m以下、さらに好ましくは1.6m以上4m以下、さらに好ましくは1.7m以上3m以下が好ましい。このようにして得られた未延伸フィルムの厚みは30μm以上400μm以下が好ましく、より好ましくは40μm以上200μm以下、さらに好ましくは50μm以上150μm以下である。
このようにして得たシートは両端をトリミングし、巻き取ることが好ましい。トリミングされた部分は、粉砕処理された後、或いは必要に応じて造粒処理や解重合・再重合等の処理を行った後、同じ品種のフィルム用原料として又は異なる品種のフィルム用原料として再利用してもよい。また、巻き取り前に、少なくとも片面にラミフィルムを付けることも、傷防止の観点から好ましい。
(4)′射出成形、ホットプレス
T型ダイによるキャストの代わりに、タブレット状等に射出成形した後、ホットプレス加工する事で、フィルム状に加工することも出来る。この場合、射出成形の温度はTg+20℃〜+80℃、ホットプレスの温度はTg〜Tg+50℃の間で行うのが好ましい。 また、ホットプレスの圧力は10MPa〜100MPaで行うのが好ましい。
(5) 延伸
複屈折のバラツキの小さな延伸フィルムは、元々均一性に優れた上記未延伸フィルムを延伸することで達成できる。本発明では、上述のように厚みむらを小さくしたフィルムを用いることで、厚みも複屈折性も均一な延伸を行うことができる。
延伸はTg〜Tg+50℃以下で実施するのが好ましく、より好ましくはTg+1℃以上Tg+30℃以下、さらに好ましくはTg+2℃以上Tg+20℃以下である。好ましい延伸倍率は1%以上500%以下、より好ましくは3%以上400%以下、さらに好ましくは5%以上300%以下である。これらの延伸は1段で実施しても、多段で実施しても良い。ここで云う延伸倍率は、以下の式を用いて求めたものである。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
このような延伸は出口側の周速を速くした2対以上のニップロールを用いて、長手方向に延伸してもよく(縦延伸)、フィルムの両端をチャックで把持しこれを直交方向(長手方向と直角方向)に広げても良い(横延伸)。
このような延伸速度は10%/分以上10000%/分以下が好ましく、より好ましくは20%/分以上1000%/分以下、さらに好ましくは30%/分以上800%/分以下である。
さらに、複屈折の均一性、厚みのムラをより小さくするためには、ムラの少ないフィルムを用いることに加えて、延伸温度に幅方向に勾配を持たせるのが好ましい。即ち縦延伸の場合でも、横延伸の場合でも両端部の延伸が進みやすいため、中央部より端部の温度を高くすることが好ましい。端部とは、全幅に対し10%の領域を指し、ここを中央部より6℃以上40℃以下、より好ましくは7℃以上30℃以下、さらに好ましくは8℃以上25℃以下高くすることで達成できる。このように両端の温度を上げるには、両端部に熱源(パネルヒーター、赤外線ヒーター等)を増設してもよく、熱風の噴出し口を増設しても良い。このように敢えて温度分布を付与することで、一定の温度で延伸するより一層均一な延伸が達成できる。このような減少はセルロースアシレートフィルム特有の現象である。
延伸後の膜厚は10μm以上300μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以上200μm以下、さらに好ましくは30μm以上100μm以下が好ましい。
これらの延伸後のセルロースアシレートフィルムは、105℃50%RH、5時間での縦及び横の寸法収縮率は±0.1%以下であることが好ましく、80℃90%RH、5時間における寸法収縮率が縦および横とも±0.5%未満であることが好ましく、ヘイズは0.6%以下であることが好ましく、引き裂き強度は縦、横とも10g以上であることが好ましく、引っ張り強度が縦、横とも50N/mm2以上であることが好ましく、弾性率が縦、横とも3kN/mm2以上であることが好ましい。
これらの延伸セルロースアシレートフィルムは単独で使用してもよく、これらと偏光板等の機能性層を組み合わせて使用してもよく、これらの上に液晶層、屈折率を制御した層(低反射層)やハードコート層を設けて使用しても良い。特に液晶表示装置の光学部材として用いる場合の施す可能性のある処理と付与する可能性のある機能層の形態については以下に述べる。
<表面処理>
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torrの低圧ガス下でおこる、いわゆる低温プラズマのことである。更にまた、大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。
本技術のセルロースアシレートフィルムの表面処理に用いられるプラズマ処理について説明する。具体的には、真空グロー放電、大気圧グロー放電等によるものがあり、その他の方法としてフレームプラズマ処理等の方法があげられる。これらは、例えば特開平6−123062号公報、特開平11−293011号公報、同11−5857号公報等に記載された方法を用いることが出来る。
これらのプラズマ処理によれば、プラズマ中においたセルロースアシレートフィルムの表面を処理することで、これに強い親水性を与える事が出来、グロー放電によるプラズマ発生装置中においては相対する電極の間にこれらの親水性を付与しようとするフィルムを置き、この装置中にプラズマ励起性気体を導入し、電極間に高周波電圧を印加する事により、該気体をプラズマ励起させ電極間にグロー放電を行わせることにより表面処理が行える。中でも大気圧グロー放電によるものが好ましく用いられる。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。
これらのガスとしては、アルゴン、ネオン等の不活性ガスに、カルボキシル基や水酸基、カルボニル基等の極性官能基をプラスチックフィルムの表面に付与できる反応性ガスを加えたものが励起性気体として用いられる。反応性ガスとしては水素、酸素、窒素の他、水蒸気やアンモニア等のガスの他、低級炭化水素、ケトン等の低沸点の有機化合物等も必要に応じ用いることが出来るが、取り扱い上は、水素、酸素、二酸化炭素、窒素、水蒸気等のガスが好ましい。水蒸気を用いる場合は、他のガスを水に通しバブリングしたガスを用いることができる。或いは水蒸気を混合してもよい。
印加する高周波電圧の周波数としては、1kHz以上100kHz以下が好ましく用いられ、より好ましくは1kHz以上10kHz以下である。これらのグロー放電によるプラズマ処理には真空下でこれを行う方法と、大気圧下でこれを行う方法がある。グロー放電による真空プラズマ放電処理においては、有効に放電を起こさせるために、その雰囲気を0.005〜20torrの範囲に保つ様に上記反応性ガスを導入する必要がある。処理速度を上げるにはなるべく高圧側で高出力条件を採用することが好ましいが、電界強度を上げすぎるとセルロースアシレートフィルムにダメージを与える場合がある。大気圧近傍でプラズマ放電を行う大気圧グロー放電による場合には、安定に放電を起こさせるためにヘリウムやアルゴン等の不活性ガスが必要であり、上記プラズマ励起性ガスのうち60%以上が不活性ガスである様にしないと安定な放電が発生しない。しかしながら余り不活性ガスが多く、反応性ガスの割合が少ないと処理速度が低下する。電界強度を上げすぎてもやはり基材にダメージを与えることがある。又、大気圧近傍でプラズマ処理を行う場合でも、パルス化された電解でプラズマを発生させる場合には、上記不活性ガスは必ずしも必要でなく、反応ガス濃度を上げることが出来、反応速度を大きくする事が出来る
その他グロー放電処理は、米国特許第3,462,335号明細書、米国特許第3,761,299号明細書、米国特許第4,072,769号明細書及び英国特許第891,469号明細書に記載されている。放電雰囲気ガス組成を放電開始後にポリエステル支持体自身が放電処理を受けることにより容器内に発生する気体種のみにした特開昭59−556430号公報も用いられる。また真空グロー放電処理する際に、セルロースアシレートフィルムの表面温度を80℃以上180℃以下にして放電処理を行う特公昭60−16614号公報、も応用できる。
グロー放電処理時の真空度は0.5〜3000Paが好ましく、より好ましくは2〜300Paである。また、電圧は500〜5000Vの間が好ましく、より好ましくは500〜3000Vである。使用する放電周波数は、直流から数千MHz、より好ましくは50Hz〜20MHz、さらに好ましくは1KHz〜1MHzである。放電処理強度は、0.01KV・A・分/m2〜5KV・A・分/m2が好ましく、より好ましくは0.15KV・A・分/m2〜1KV・A・分/m2である。
次に紫外線照射法も本技術では好ましく用いられ、特公昭43−2603号、特公昭43−2604号、特公昭45−3828号公報記載の処理方法によって行われるのが好ましい。水銀灯は石英管からなる高圧水銀灯で、紫外線の波長が180〜380nmの間であるものが好ましい。紫外線照射の方法については、光源はセルロースアシレートフィルムの表面温度が150℃前後にまで上昇することが支持体性能上問題なければ、主波長が365nmの高圧水銀灯ランプを使用することができる。低温処理が必要とされる場合には主波長が254nmの低圧水銀灯が好ましい。またオゾンレスタイプの高圧水銀ランプ、及び低圧水銀ランプを使用する事も可能である。処理光量に関しては処理光量が多いほどセルロースアシレートフィルムと被接着層との接着力は向上するが、光量の増加に伴い該フィルムが着色し、また脆くなるという問題が発生する。従って、365nmを主波長とする高圧水銀ランプで、照射光量20〜10000(mJ/cm2)がよく、より好ましくは50〜2000(mJ/cm2)である。254nmを主波長とする低圧水銀ランプの場合には、照射光量100〜10000(mJ/cm2)がよく、より好ましくは300〜1500(mJ/cm2)である。
次にセルロースアシレートフィルムの表面処理としてコロナ放電処理も好ましく用いられ、特公昭39−12838号公報、特開昭47−19824号公報、特開昭48−28067号公報、特開昭52−42114号公報記載等の処理方法によって行うことができる。コロナ放電処理装置は、Pillar社製ソリッドステートコロナ処理機、LEPEL型表面処理機、VETAPHON型処理機等を用いることができる。処理は空気中での常圧にて行うことができる。処理時の放電周波数は、5〜40KV、より好ましくは10〜30KVであり、波形は交流正弦波が好ましい。電極と誘電体ロールのギャップ透明ランスは0.1〜10mm、より好ましくは1.0〜2.0mmである。放電は、放電帯域に設けられた誘電サポートローラーの上方で処理し、処理量は、0.3〜0.4KV・A・分/m2、より好ましくは0.34〜0.38KV・A・分/m2である。
次に火炎処理について記述すると、用いるガスは天然ガス、液化プロパンガス、都市ガスのいずれでもかまわないが、空気との混合比が重要である。なぜなら、火炎処理による表面処理の効果は活性な酸素を含むプラズマによってもたらされると考えられるからであり、火炎の重要な性質であるプラズマの活性(温度)と酸素がどれだけ多くあるかがポイントである。このふたつを決めているのはガス/酸素比であり、過不足なく反応する場合にエネルギー密度が最も高くなりプラズマの活性が高くなる。具体的には、天然ガス/空気の好ましい混合比は容積比で1/6〜1/10、好ましくは1/7〜1/9である。また、液化プロパンガス/空気の場合は1/14〜1/22、好ましくは1/16〜1/19、都市ガス/空気の場合は1/2〜1/8、好ましくは1/3〜1/7である。
また、火炎処理量は1〜50Kcal/m2、より好ましくは3〜20Kcal/m2の範囲で行うとよい。またバーナーの内炎の先端とフィルムの距離は3〜7cm、より好ましくは4〜6cmにするとよい。バーナーのノズル形状は、フリンバーナー社(米国)のリボン式、ワイズ社(米国)の多穴式、エアロジェン(英国)のリボン式、春日電機(日本)の千鳥型多穴式、小池酸素(日本)の千鳥型多穴式が好ましい。火炎処理にフィルムを支えるバックアップロールは中空型ロールであり、冷却水を通して水冷し、常に20〜50℃の一定温度で処理するのがよい。
また、セルロースアシレートフィルムの表面処理として好ましく用いられるアルカリ鹸化処理を具体的に説明する。セルロースアシレートフィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃度は0.1N〜3.0Nであることが好ましく、0.5N〜2.0Nであることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温乃至90℃の範囲が好ましく、40℃乃至70℃がさらに好ましい。次に一般には水洗され、しかる後に酸性水溶液を通過させた後に、水洗して表面処理したセルロースアシレートフィルムを得る。この時、酸としては塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、蟻酸、クロロ酢酸、シュウ酸などであり、その濃度は0.01N〜3.0Nであることが好ましく、0.05N〜2.0Nであることがさらに好ましい。 本技術のセルロースアシレートフィルムを偏光板の透明保護膜として使用する場合、偏光膜との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアシレートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。
これらの溶液は水のみでもよいが、水可溶性有機溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトンなど)を混合して用いてもよい。
(セルロースアシレートフィルムの中和工程)
特開2001−26601号公報記載によると濾過性のよいセルロースアシレート溶液を得ることができ、本技術においても好ましく実施できる。すなわち、アセチル化反応が終了した後、中和工程において中和処理は、セルロースアセテート溶液中の不溶成分を減少させ、濾過性を高めるため、中和処理中の反応系の水濃度を0.1重量%以上18重量%未満、好ましくは0.4〜12重量%、より好ましくは0.4〜8重量%、さらに好ましくは0.4〜5重量%になるように調整する。また、同様の目的で、中和処理を開始してから未反応の無水酢酸が分解した後に、水濃度が好ましくは0.1重量%以上以上18重量%未満、より好ましくは0.4〜12重量%、さらに好ましくは0.4〜8重量%、特に好ましくは0.4〜5重量%になるように調整することが好ましい。中和処理は、中和剤を水溶液や水懸濁液として加える方法、あるいは最初に反応系中に水を加えた後、中和剤を粉末状または水溶液又は水懸濁液として加える方法を適用できるが、作業性の点から水溶液法が好ましい。水溶液法の場合は中和剤の濃度は好ましくは10〜45重量%、より好ましくは10〜25重量%である。中和剤としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩等から選択できるが、カルシウムやマグネシウム等のアルカリ土類金属塩が好ましい。
なお、中和処理法として粉末状中和剤を添加する場合は、水溶液又は水懸濁液を加えた時点が中和処理の開始となる。中和処理は35〜80℃、好ましくは45〜75℃で行うことが望ましい。
これらの方法で得られた固体の表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求めることができ、接触角法を用いることが好ましく、水の接触角が5〜90°、更には5〜70°が好ましい。
<下塗層>
フィルムと乳剤層との接着を達成するために、表面活性化処理をしたのち、直接セルロースアシレートフィルム上に機能層を塗布して接着力を得る方法と、一旦何がしかの表面処理をした後、あるいは表面処理なしで、下塗層(接着層)を設けこの上に機能層を塗布する方法とがある。
下塗層の構成としても種々の工夫が行われており、第1層として支持体によく隣接する層(以下、下塗第1層と略す)を設け、その上に第2層として機能層とよく接着する下塗り第2層を塗布する所謂重層法がある。
単層法においては、セルロースアシレートフィルムを膨張させ、下塗層素材と界面混合させることによって良好な接着性を達成している場合が多い。本技術に使用する下塗ポリマーとしては、水溶性ポリマー、セルロースアシレート、ラテックスポリマー、水溶性ポリエステルなどが例示される。水溶性ポリマーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などであり、セルロースアシレートとしてはカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどである。ラテックスポリマーとしては塩化ビニル含有共重合体、塩化ビニリデン含有共重合体、アクリル酸エステル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン含有共重合体などである。
重層法における下塗第1層では、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロース、等のオリゴマーもしくはポリマーなどがある。(これらについては E.H.Immergut、“Polymer Handbook” IV187−231、Interscience Pub.New York 1966などに詳しい)
また本技術のセルロースアシレートフィルムには好ましい態様としては、偏光子と接着するための親水性バインダー層が設けられることである。例えば、−COOM基含有の酢酸ビニル−マレイン酸共重合体化合物、又は親水性セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等)、ポリビニルアルコール誘導体(例えば酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマール、ポリビニルベンザール等)天然高分子化合物(例えばゼラチン、カゼインアラビアゴム等)、親水基含有ポリエステル誘導体(例えばスルホン基含有ポリエステル共重合体)が挙げられる。
本技術セルロースアシレートフィルムに場合により施される下塗り層には、機能層の透明性などを実質的に損なわない程度に無機または、有機の微粒子をマット剤として含有させることができる。無機の微粒子のマット剤としては二酸化ケイ素(SiO2),二酸化チタン(TiO2),炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどを使用することができる。 有機の微粒子マット剤としては、ポリメチルメタクリレ−ト、セルロ−スアセテ−トプロピオネ−ト、ポリスチレン、米国特許第4、142、894号明細書に記載されている処理液可溶性のもの、米国特許第4、396、706号明細書に記載されているポリマ−などを用いることができる。これらの微粒子マット剤の平均粒径は0.01〜10μmのものが好ましい。より好ましくは、0.05〜5μmである。また、その含有量は0.5〜600mg/m2が好ましく、更に好ましくは、1〜400mg/m2である。
下塗液は、一般に良く知られた塗布方法、例えばディップコ−ト法、エア−ナイフコ−ト法、カ−テンコ−ト法、ロ−ラ−コ−ト法、ワイヤ−バ−コ−ト法、グラビアコ−ト法、スライドコート法、或いは、米国特許第2、681、294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコ−ト法により塗布することができる。
<機能層全般>
本技術のセルロースアシレートフィルムは、その用途として光学用途と写真感光材料に適用される。特に光学用途が液晶表示装置であることが好ましく、液晶表示装置が、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償シートを配置した構成であることがさらに好ましい。これらの液晶表示装置としては、TN、IPS、FLC、AFLC、OCB、STN、VAおよびHANが好ましく、詳細は後述する。
その際に前述の光学用途に本技術のセルロースアシレートフィルムを用いるに際し、各種の機能層を付与することが実施される。それらは、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層、配向層、液晶層などである。本技術のこれらの機能層及びその材料としては、界面活性剤、滑り剤、マット剤、帯電防止層、ハードコート層などが挙げられる。
(界面活性剤)
まず界面活性剤はその使用目的によって、分散剤、塗布剤、濡れ剤、帯電防止剤などに分類されるが、以下に述べる界面活性剤を適宜使用することで、それらの目的は達成できる。本技術で使用される界面活性剤は、ノニオン性、イオン性(アニオン、カチオン、ベタイン)いずれも使用できる。さらにフッ素系界面活性剤も有機溶媒中での塗布剤や、帯電防止剤として好ましく用いられる。使用される層としてはセルロースアシレート溶液中でもよいし、その他の機能層のいずれでもよい。光学用途で利用される場合は、機能層の例としては下塗り層、中間層、配向制御層、屈折率制御層、保護層、防汚層、粘着層、バック下塗り層、バック層などである。その使用量は目的を達成するために必要な量であれば特に限定されないがしいが、一般には添加する層の質量に対して、0.0001〜5質量%が好ましく、更には0.0005〜2質量%が好ましい。その場合の塗設量は、1m2当り0.02〜1000mgが好ましく、0.05〜200mgが好ましい。
好ましいノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリグリシジルやソルビタンをノニオン性親水性基とする界面活性剤であり、具体的にはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステルを挙げることができる。
アニオン系界面活性剤としてはカルボン酸塩、硫酸塩、スルフォン酸塩、リン酸エステル塩であり、代表的なものとしては脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、α―オレフィンスルフォン酸塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩、α―スルフォン化脂肪酸塩、N−メチルーNオレイルタウリン、石油スルフォン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニールエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩ホルムアルデヒド縮合物などである。
カチオン系界面活性剤としてはアミン塩、4級アンモニウム塩、ピリジュム塩などを挙げることができ、第一〜第3脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、アルキルイミダゾリウム塩など)を挙げることが出来る。両性系界面活性剤としてはカルボキシベタイン、スルフォベタインなどであり、N−トリアルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタインなどである。
これらの界面活性剤は、界面活性剤の応用(幸書房、刈米孝夫著、昭和55年9月1日発行)に記載されている。本技術においては、好ましい界面活性剤はその使用量において特に限定されず、目的とする界面活性特性が得られる量であればよい。以下に界面活性剤の具体例を記すが、これらに限定されるものではない(ここで、−C64−はフェニレン基を表わす)。
WA−1 :C1225(OCH2CH2)10OH
WA−2 :C919−C64−(OCH2CH2)12OH
WA−3 :ポリ(重合度20)オキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル
WA−4 :ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ
WA−5 :トリ(イソプロピル)ナフタレンスルフォン酸ソーダ
WA−6 :ドデシル硫酸ソーダ
WA−7 :α−スルファコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)エステル ナトリウム塩
WA−8 :セチルトリメチルアンモニウム クロライド
WA−9 :C1123CONHCH2CH2N(+)(CH3)2−CH2COO(−)
WA−10 :C817SO2N(C37)(CH2CH2O)16
WA−11 :C817SO2N(C37)CH2COOK
WA−12 :C715COONH4
WA−13 :C817SO3
WA−14 :C817SO2N(C37)(CH2CH2O)4(CH2)4SO3Na
WA−15 :C817SO2N(C37)−(CH2)3−N(+)(CH3)3・I(−)
WA−16 :C817SO2N(C37)CH2CH2CH2N(+)(CH3)2−CH2COO(−)
WA−17 :C817CH2CH2O(CH2CH2O)16
WA−18 :C817CH2CH2O(CH2)3−N(+)(CH3)3・I(−)
WA−19 :H(CF2)8CH2CH2OCOCH2CH(SO3Na)COOCH2CH2CH2CH2(CF2)8
WA−20 :H(CF2)6CH2CH2O(CH2CH2O)16
WA−21 :H(CF2)8CH2CH2O(CH2)3−N(+)(CH3)3・I(−)
WA−22 :H(CF2)8CH2CH2OCOCH2CH(SO3K)COOCH2CH2CH2CH2817
WA−23 :C917−C64SO2N(C37)(CH2CH2O)16
WA−24 :C917−C64CSO2N(C37)−(CH2)3−N(+)(CH3)3・I(−)
(滑り剤)
また、セルロースアシレートフィルムの上のいずれかの層に滑り剤を含有させてもよく、その場合は特に最外層が好ましい。用いられる滑り剤としては、例えば、特公昭53−292号公報に開示されているようなポリオルガノシロキサン、米国特許第4、275、146号明細書に開示されているような高級脂肪酸アミド、特公昭58−33541号公報、英国特許第927、446号明細書或いは特開昭55−126238号公報及び特開昭58−90633号公報に開示されているような高級脂肪酸エステル(炭素数10〜24の脂肪酸と炭素数10〜24のアルコールのエステル)、そして、米国特許第3、933、516号明細書に開示されているような高級脂肪酸金属塩、また、特開昭58−50534公報に開示されているような、直鎖高級脂肪酸と直鎖高級アルコールのエステル、世界公開90108115.8に開示されているような分岐アルキル基を含む高級脂肪酸−高級アルコールエステル等が知られている。
このうちポリオルガノシロキサンとしては、一般的に知られている、ポリジメチルシロキサンポリジエチルシロキサン等のポリアルキルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等のポリアリールシロキサンのほかに、特公昭53−292号公報,特公昭55−49294号公報、特開昭60−140341号公報等に示されるような、C5以上のアルキル基を持つオルガノポリシロキサン、側鎖にポリオキシアルキレン基を有するアルキルポリシロキサン、側鎖にアルコキシ、ヒドロキシ、水素、カルボキシル、アミノ、メルカプト基を有するようなオルガノポリシロキサン等の変性ポリシロキサンを用いることもできるし、シロキサンユニットを有するブロックコポリマーや、特開昭60−19124号公報等に示されるものを用いることもできる。
このような化合物の具体例を次に示すが、これらによって制限されるものではない。
(S−1) (CH3)3SiO−(Si(CH3)2O)a−Si(CH3)3
a=5 〜1000
(S−2) (C65)3SiO−(Si(CH3)2O)a−Si(CH3)3
a=5 〜1000
(S−3) (CH3)3SiO−(Si(C511)(CH3)−O)a−Si(CH3)3
a=10
(S−4) (CH3)3SiO−(Si(C1225)(CH3)−O)10−(Si(CH3)2O)18−Si(CH3)30
(S−5) (CH3)3SiO−(Si(CH3)2O)x−(Si(CH3)((CH2)3−O(CH2CH2O)10H)−O)y−(Si(CH3)2O)z−Si(CH3)3
x+y+z=30
(S−6) (CH3)3SiO−(Si(CH3)2O)x−(Si(CH3)[(CH2)3−O(CH2CH(CH3)−O)10(CH2CH2O)1037]O)y−(Si(CH3)2O)z−Si(CH3)3
x+y+z=35
また、高級脂肪酸及びその誘導体、高級アルコール及びその誘導体としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸の多価アルコールエステル等、また、高級脂肪族アルコール、高級脂肪族アルコールのモノアルキルフォスファイト、ジアルキルフォスファイト、トリアルキルフォスファイト、モノアルキルフォスフェート、ジアルキルフォスフェート、トリアルキルフォスフェート、高級脂肪族のアルキルスルフォン酸、そのアミド化合物またはその塩等を用いることができる。 このような化合物の具体例を次に示すが、本技術はこれらによって制限されるものではない。
(S−7) n−C1531COOC3061−n
(S−8) n−C1735COOC3061−n
(S−9) n−C1531COOC50101−n
(S−10) n−C2143COO−(CH2)7CH(CH3)−C919
(S−11) n−C2143COOC2449−iso
(S−12) n−C1837OCO(CH2)4COOC4081−n
(S−13) n−C50101O(CH2CH2O)15
(S−14) n−C4081OCOCH2CH2COO(CH2CH2O)16
(S−15) n−C2141CONH2
(S−14) 流動パラフィンH
(S−15) カルナバワックス
このような滑り剤を用いることにより、引っかき強度にすぐれ、下塗面でのはじき等の発生のない優れたフィルムが得られる。用いる滑り剤の使用量は特に限定されないが、その含有量は0.0005から2g/m2が好ましく、より好ましくは0.001〜1g/m2、特に好ましくは0.002〜0.5g/m2である。本技術の滑り剤の添加層としては、特にこれに限定されるものではないが、バック面の最外層に含有させることが好ましい。上記の滑り剤を含む表面層は、これを適当な有機溶剤に溶解した塗布液を、支持体、またはバック層にその他の層を付与した支持体上に塗布し、乾燥することにより形成できる。また、滑り剤は、塗布液中に分散物の形で添加することもできる。使用される溶剤としては、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エステル類(酢酸、蟻酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸などのメチル、エチル、プロピル、ブチルエステルなど)、芳香族炭化水素系(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、アミド系(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドンなど)、が好ましい。
上記滑り剤の塗設にあたっては,皮膜形成能のあるバインダーと共に用いることもできる。このようなポリマーとしては,公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応性樹脂、およびこれらの混合物、ゼラチンなどの親水性バインダーを使用することができる。
滑り性能は静摩擦係数0.30以下が好ましく、更には0.25以下、特には0.13以下が好ましい。また、接触する相手材質との静摩擦係数を小さいことが好ましく、傷などの防止にも役立つ。その際の相手材質との静摩擦係数も0.3以下が好ましく、更には0.25以下、特には0.13以下が好ましい。また、フィルムや光学フィルムの表裏の静摩擦係数も小さくするほうが好ましい場合が多々有り、その間の静摩擦係数0.30以下が好ましく、更には0.25以下、特には0.13以下が好ましい。また、動摩擦係数も0.30以下が好ましく、更には0.25以下、特には0.15以下が好ましい。また、接触する相手材質との動摩擦係数も0.3以下が好ましく、更には0.25以下、特には0.15以下が好ましい。また、フィルムや光学フィルムの表裏の動摩擦係数も小さくするほうが好ましい場合が多々有り、その間の動摩擦係数0.30以下が好ましく、更には0.25以下、特には0.13以下が好ましい。
(マット剤)
本技術のセルロースアシレートフィルムの機能層において、フィルムの易滑性や高湿度下での耐接着性の改良のためにマット剤を使用することが好ましい。その場合、表面の突起物の平均高さが0.005〜10μmが好ましく、より好ましくは0.01〜5μmである。又、その突起物は表面に多数ある程良いが、必要以上に多いとへイズとなり問題である。好ましい突起物は突起物の平均高さを有する範囲であれば、例えば球形、不定形マット剤で突起物を形成する場合はその含有量が0.5〜600mg/m2であり、より好ましいのは1〜400mg/m2である。この時、使用されるマット剤としては、既述のセルロースアシレートフィルム中に添加される微粒子も利用でき、その組成において特に限定されず、無機物でも有機物でもよく2種類以上の混合物でもよい。
マット剤の無機化合物、有機化合物は、例えば、硫酸バリウム、マンガンコロイド、二酸化チタン、硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウムなどの無機物の微粉末があるが、さらに例えば湿式法やケイ酸のゲル化より得られる合成シリカ等の二酸化ケイ素やチタンスラッグと硫酸により生成する二酸化チタン(ルチル型やアナタース型)等が挙げられる。また、粒径の比較的大きい、例えば20μm以上の無機物から粉砕した後、分級(振動ろ過、風力分級など)することによっても得られる。その他、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプピルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレンカーボネート、アクリルスチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系粉末、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、或いはポリ弗化エチレン系樹脂、澱粉等の有機高分子化合物の粉砕分級物もあげられる。あるいは又懸濁重合法で合成した高分子化合物、スプレードライ法あるいは分散法等により球型にした高分子化合物、または無機化合物を用いることができる。又、同様な材質でより粒径の大きな0.1〜10μmの粒子及び/又は前記の微粒子を添加して防眩層とすることもできる。0.5〜20質量%の微粒子を添加することが好ましい。これらの微粒子としては、好ましくはシリカなどの二酸化ケイ素、例えば富士シリシア化学(株)製のサイリシアや日本シリカ(株)製のNipsil Eなどがある。
本技術のこれらの微粒子は、表面に炭素数2〜20のアルキル基又はアリール基を有する微粒子を用いることも好ましい。アルキル基は炭素数4〜12のものがより好ましく、炭素数6〜10のものが更に好ましい。炭素数が小さい程、分散性に優れ、炭素数が大きい程、ドープと混合した時の再凝集が少ない。
本技術に使用される表面に炭素数2〜20のアルキル基を有する微粒子やアリール基を有する微粒子の材料のうち、無機化合物の例として、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。二酸化ケイ素、二酸化チタン及び酸化ジルコニウムが好ましく、中でもケイ素原子を含有する化合物、特に二酸化ケイ素が好ましい。二酸化ケイ素の微粒子は、例えば、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300(以上日本アエロジル(株)製)などの商品名で市販されている。また表面がシリコーンオイルで修飾された二酸化ケイ素微粒子、球状単分散二酸化ケイ素の微粒子も好ましく用いられる。
表面に炭素数2〜20のアルキル基を有する無機化合物の微粒子は、例えば、前記、二酸化ケイ素の微粒子をオクチルシランで処理することにより得ることができる。また、表面にオクチル基を有するアエロジルR805(日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
表面にフェニル基を有する無機化合物の微粒子は、例えば、前記、二酸化ケイ素の微粒子をトリクロロフェニルシランで処理することにより得ることができる。
上記表面に炭素数2〜20のアルキル基を有する微粒子やフェニル基を有する微粒子の材料のうち、ポリマーの例として、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができ、特にポリメチルメタクリレートが好ましい。前述の様に、ケイ素を含有する化合物であることが好ましいが、特に二酸化ケイ素又は三次元の網状構造を有するシリコーン樹脂であることが好ましく、二酸化ケイ素が最も好ましい。
これらの微粒子はセルロースアシレートに対して0.005〜0.3重量%で使用されることが好ましく、更には0.01〜0.1重量%である。これらにより、本技術に係る微粒子を用いることにより、含有される粒径10μm以上の凝集粒子が10個/m2以下の、極めて微粒子の分散性に優れたセルロースアシレートフィルムを得ることができる。 これらは、特開2001−2788号公報に記載されている。
(帯電防止剤)
本技術の光学フィルム、或いは偏光板保護フィルムとして使用して偏光板には帯電防止加工、透明ハードコート加工、防眩加工、反射防止加工、易接着加工等を施すことが出来る。或いは配向膜を形成して液晶層を設け、光学補償機能を付与することもできる。これらの詳細は特開2000−352620号公報に記載の技術を応用でき、以下に記載する。
帯電防止加工とは、樹脂フィルムの取扱の際に、この樹脂フィルムが帯電するのを防ぐ機能を付与するものであり、具体的には、イオン導電性物質や導電性微粒子を含有する層を設けることによって行う。ここでイオン導電性物質とは電気伝導性を示し、電気を運ぶ担体であるイオンを含有する物質のことであるが、例としてはイオン性高分子化合物を挙げることができる。
イオン性高分子化合物としては、特公昭49−23828号公報、特公昭49−23827号公報、特公昭47−28937号公報に見られるようなアニオン性高分子化合物;特公昭55−734号公報、特開昭50−54672号公報、特公昭59−14735号公報、特公昭57−18175号公報、特公昭57−18176号公報、特公昭57−56059号公報などに見られるような、主鎖中に解離基を持つアイオネン型ポリマー;特公昭53−13223号公報、特公昭57−15376号公報、特公昭53−45231号公報、特公昭55−145783号公報、特公昭55−65950号公報、特公昭55−67746号公報、特公昭57−11342号公報、特公昭57−19735号公報、特公昭58−56858号公報、特開昭61−27853号公報、特公昭62−9346号公報に見られるような、側鎖中にカチオン性解離基を持つカチオン性ペンダント型ポリマー;等を挙げることができる。
これらのうち、好ましいのは導電性物質が微粒子状をしており、上記樹脂中にこれらを微分散し添加したものであって、これらに用いられる好ましい導電性物質として、金属酸化物やこれらの複合酸化物からなる導電性微粒子及び特開平9−203810号公報に記載されているようなアイオネン導電性ポリマー或いは分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導電性ポリマー粒子などを含有することが望ましい。好ましい粒径としては5nm〜10μmの範囲であり、更に好ましい範囲は用いられる微粒子の種類に依存する。
導電性微粒子である金属酸化物の例としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO2、V25等、或いはこれらの複合酸化物が好ましく、特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加、又SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜25mol%の範囲が好ましいが、0.1〜15mol%の範囲が特に好ましい。
又、これらの導電性を有するこれら金属酸化物粉体の体積抵抗率は107Ωcm以下、特に105Ωcm以下であって、1次粒子径が100Å以上0.2μm以下で、高次構造の長径が30nm以上6μm以下である特定の構造を有する粉体を導電層に体積分率で0.01%以上20%以下含んでいることが好ましい。
又、分散性粒状ポリマーとしての架橋型カチオン性導電性ポリマーの特徴は、粒子内のカチオン成分を高濃度、高密度に持たせることができるため、優れた導電性を有しているばかりでなく、低相対湿度下においても導電性の劣化は見られず、粒子同志も分散状態ではよく分散されているにもかかわらず、塗布後造膜過程において粒子同志の接着性もよいため膜強度も強く、又他の物質例えば支持体にも優れた接着性を有し、耐薬品性に優れている。
帯電防止層に用いられるこれら架橋型のカチオン性導電性ポリマーである分散性粒状ポリマーは一般に約10nm〜1000nmの粒子サイズ範囲にあり、好ましくは0nm〜300nmの範囲の粒子サイズが用いられる。ここで用いる分散性粒状性ポリマーとは、視覚的観察によって透明又はわずかに濁った溶液に見えるが、電子顕微鏡の下では粒状分散物として見えるポリマーである。下層塗布組成物に上層の膜厚に相当する粒子径よりも大きなゴミ(異物)が実質的に含まれない塗布組成物を用いることによって、上層の異物故障を防止することができる。
該微粒子と樹脂の比率は微粒子1質量部に対して、樹脂0.5〜4質量部が密着性の点で好ましく、特に紫外線照射後の密着性では微粒子1質量部に対して、樹脂が1〜2質量部であることが好ましい。更にまた、有機電子導電性有機化合物も利用できる。例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフォスファゼンなどである。これらは、酸供与材としてポリスチレンスルフォン酸、過塩素酸などとのコンプレックスで好ましく用いられる。
ここで使用される樹脂は、例えばセルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、又はセルロースナイトレート等のセルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、又はコポリブチレン/テレ/イソフタレート等のポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、又はポリビニルベンザール等のポリビニルアルコール誘導体、ノルボルネン化合物を含有するノルボルネン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂もしくはアクリル樹脂とその他樹脂との共重合体を用いることが出来るが特にこれらに限定されるものではない。この中でセルロース誘導体或いはアクリル樹脂が好ましく、更にアクリル樹脂が最も好ましく用いられる。
帯電防止層等の樹脂層に用いられる樹脂としては、重量平均分子量が40万を超え、ガラス転移点が80〜110℃である前述の熱可塑性樹脂が光学特性及び塗布層の面品質の点で好ましい。
ガラス転移点はJIS K7121に記載の方法にて求めることができる。ここで使用する樹脂は下層で使用している樹脂全体の60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であることが好ましく、必要に応じて活性線硬化性樹脂或いは熱硬化樹脂を添加することもできる。これらの樹脂はバインダーとして前述の適当な溶剤に溶解した状態で塗設される。
帯電防止層を塗設するための塗布組成物には、次の溶剤が好ましく用いられる。溶剤としては、炭化水素、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒を適宜混合して使用することができるが特にこれらに限定されるものではない。 これらの溶媒のうち、沸点が低い溶媒は蒸発によって空気中の水分を結露させやすく、調液工程、塗布工程にて塗布組成物中に水分を取り込みやすい。特に、降雨時には外部の湿度上昇の影響を受けやすく、湿度65%RH以上の環境ではその影響が顕著となってくる。特に調液工程で樹脂の溶解時間が長時間となったり、塗布工程で塗布組成物が空気に暴露されている時間が長くなったり、塗布組成物と空気との接触面積が広い場合はその影響は大きくなる。
上記炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられ、アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられ、エステル類としては、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、乳酸エチル、乳酸メチル等が挙げられ、グリコールエーテル(C1〜C4)類としては、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、又はプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステル類としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、その他の溶媒として、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。特にこれらに限定されるものではないが、これらを適宜混合した溶媒も好ましく用いられる。
本技術における塗布組成物を塗布する方法は、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、ロールコート、グラビアコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、カーテンコート、押し出しコート或いは米国特許第2,681,294号に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート方法等により0.1〜10μmの乾燥膜厚となるように塗布することが出来る。好ましくは通常0.1〜1μmの乾燥膜厚となるように塗布される。
(ハードコート層)
本技術の光学フィルムには、透明ハードコート層を設けることが出来る。透明ハードコート層としては活性線硬化性樹脂或いは熱硬化樹脂が好ましく用いられる。活性線硬化性樹脂層とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂を主たる成分とする層をいう。活性線硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来、例えば特開昭59−151110号公報に記載されている。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来、例えば特開昭59−151112号公報に記載されている。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることが出来、例えば特開平1−105738号に記載されている。この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して使用することが出来る。
又、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。これらの樹脂は通常公知の光増感剤と共に使用される。
又上記光反応開始剤も光増感剤としても使用出来る。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。又、エポキシアクリレート系の光反応剤の使用に際しては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。
塗布乾燥後に揮発する溶媒成分を除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる光反応開始剤、又は光増感剤は該組成物の2.5〜6質量%であることが特に好ましい。2.5%未満では樹脂フィルムから溶出する可塑剤及び/又は紫外線吸収剤によって硬化阻害を受け、耐擦傷性が低下し、逆に6質量%を超えると相対的に紫外線硬化性樹脂成分が減るため逆に耐擦傷性が低下すること、塗布性が悪化するなどのため塗膜の面品質を悪くすることがある。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることが出来る。又不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
活性線硬化性樹脂層の塗布組成物の固形分濃度は10〜95質量%であることが好ましく、塗布方法により適当な濃度が選ばれる。
活性線硬化性樹脂を光硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れでも使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm2であればよく、好ましくは50〜2000mJ/cm2である。近紫外線領域から可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって使用出来る。紫外線照射は1回でもよく、2回以上でもよい。
活性線硬化性樹脂層を塗設する際の溶媒として前述の樹脂層を塗設する溶媒、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒の中から適宜選択し、或いは混合されて利用できる。好ましくは、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテル又はプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、更に好ましくは5〜80質量%以上含有する溶媒が用いられる。
紫外線硬化性樹脂組成物塗布液の塗布装置としては、グラビアコーター、スピナーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、リバースコーター、押出コーター、エアードクターコーター等公知の装置を用いることが出来る。塗布量はウェット膜厚で0.1〜200μmが適当で、好ましくは、0.5〜100μmである。塗布速度は好ましくは5〜200m/minで行われる。膜厚が厚い場合は、2回以上に分割して塗布し透明ハードコート層としてもよい。紫外線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥された後、紫外線を光源より照射するが、照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率とから3秒〜2分がより好ましい。
得られるるバーコード層の乾燥時の膜厚は、0.2〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmであり、特には2〜45μmである。
このような被膜層には滑り性を付与するために、前述の無機或いは有機の微粒子を加えることもできる。
これらは、前述したマット剤を利用できる。また、前述したように帯電防止層等の樹脂層の上にこれら活性線硬化性樹脂層を設けることもできる。帯電防止層或いは透明ハードコート層はそれぞれ単独でもしくは積層して設けることができる。具体的には、特開平6−123806号公報、特開平9−113728号公報、特開平9−203810号公報等の帯電防止付き光学フィルム、偏光板保護フィルム、セルロースアシレートフィルム等のどちらかの面に直接もしくは下引き層を介して設けることが出来るのである。
(反射防止層)
本技術の光学フィルムには、反射防止層を設けることもできる。反射防止層の構成としては、単層、多層等各種知られているが、多層のものとしては高屈折率層、低屈折率層を交互に積層した構造のものが一般的である。
構成の例としては、透明基材側から高屈折率層/低屈折率層の2層の順から構成されたものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(透明基材或いはハードコート層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、更に多くの反射防止層を積層するものも提案されている。中でも、耐久性、光学特性、コストや生産性などから、ハードコート層を有する基材上に、高屈折率層/中屈折率層/低屈折率層の順に塗布することが好ましい構成である。
基材面に(中屈折層を設ける場合もある)高屈折率層、空気に向かって低屈折率層を順に積層し、高屈折率層及び低屈折率層の光学膜厚光の波長に対しある値に設定することにより光学干渉層を作り、反射防止積層体としたものが反射防止層としては特に好ましく、屈折率と膜厚は分光反射率の測定より計算して算出し得る。
屈折率の高低はそこに含まれる金属或いは化合物によってほぼ決まり、例えばTiは高く、Siは低く、Fを含有する化合物は更に低く、このような組み合わせによって屈折率が設定される。
透明基材上に多層の反射防止層を逐次積層して反射防止層を作製するには、反射防止層のうち少なくとも1層を、高屈折率層としてはチタン、ジルコニウム等の金属アルコキシド及びその加水分解物から選ばれる化合物、活性エネルギー線反応性化合物及び有機溶媒を含有する組成物を塗布し、活性エネルギー線を照射して形成された高屈折率層と、この上に(中屈折層を設ける場合もある)、低屈折物質及び有機溶媒を含有する低屈折率層組成物を塗布し低屈折率塗膜とした後に、活性エネルギーを付与して低屈折率層を形成し反射防止層を形成する。
本技術における好ましい高屈折率層は、透明基材上の多層ある反射防止層のうち少なくとも1層を、活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシド及びその加水分解物から選ばれる少なくとも一つ、活性エネルギー線反応性の金属アルコキシド化合物、又、好ましくは活性エネルギー線反応性化合物を含有しており、高屈折率組成物を該透明基体上に塗設後、塗膜に活性エネルギー線を照射して任意の屈折率の高屈折率層を形成するものである。
高屈折率層に使用される金属アルコキシド及びその部分加水分解物から選ばれる少なくとも一つの化合物、及び後述する一般式(II)の活性エネルギー線反応性金属アルコキシド化合物の何れの金属は同様なものであり、金属としてはAl、Si、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Y、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Sb、Sr、La、Ta、Tl、W、Ce及びNdを挙げることが出来る。活性エネルギー線反応性金属アルコキシド化合物の何れの金属化合物は、特に紫外線照射により、これらを含有する層の屈折率を変化させるのに役立つ。好ましい金属としては、Al、Si、Ti、V、Zn、Y、Zr、In、Sn、Sr、Ta、Tl、W及びCeであり、特に屈折率を変化させ易い好ましい金属としてはTi、Zr、Tl、In(In−Sn錯体として)、Sr(Sr−TiO錯体として)である。Tiの場合、光に反応することは知られているが、Ti化合物を含む層の屈折率を光により変化させることについては知られていない。
活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドとしては、炭素原子数1〜10のものがよいが、好ましくは炭素原子数1〜4である。又金属アルコキシドの加水分解物はアルコキシド基が加水分解を受けて−金属原子−酸素原子−金属原子−のように反応し、架橋構造を作り、硬化した層を形成する。
活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドの例として;Alのアルコキシドとしては、Al(O−CH3)3、Al(OC25)3、Al(O−i−C37)3、Al(O−n−C49)3;Siの例としては、Si(OCH3)4、Si(OC25)4、Si(O−i−C37)4、Si(O−t−C49)4;Tiの例としては、Ti(OCH3)4、Ti(OC25)4、Ti(O−n−C37)4、Ti(O−i−C37)4、Ti(O−n−C49)4、Ti(O−n−C37)4の2〜10量体、Ti(O−i−C37)4の2〜10量体、Ti(O−n−C49)4の2〜10量体、Vの例としては、VO(OC25)3;Znの例としては、Zn(OC25)2;Yの例としてはY(OC49)3;Zrの例としては、Zr(OCH3)4、Zr(OC25)4、Zr(O−n−C37)4、Zr(O−i−C37)4、Zr(O−i−C49)4、Zr(O−n−C4H9)4の2〜10量体;Inの例としては、In(O−n−C49)3;Snの例としては、Sn(O−n−C49)4、Taの例としてはTa(OCH3)5、Ta(O−n−C37)5、Ta(O−i−C37)5、Ta(O−n−C49)5;Wの例としては、W(OC25)6;Ceの例としては、Ce(OC373等が挙げられる。これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いることが出来る。中でも、Ti(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体;Zr(O−i−C374、Zr(O−n−C494;Si(OC254、Si(O−i−C374が特に好ましい。
上記金属アルコキシドを加水分解(部分又は完全加水分解)させて使用してもよく、酸性触媒又は塩基性触媒の存在下に例えば上記の金属アルコキシドを有機溶媒中で加水分解することによって得られる。この酸性触媒としては、例えば硝酸、塩酸等の鉱酸やシュウ酸、酢酸等の有機酸がよく、又塩基性触媒としては、例えばアンモニア等が挙げられる。 上記金属アルコキシド化合物を含む層は、金属アルコキシド自身が自己縮合して架橋し網状結合するものである。その反応を促進するために触媒や硬化剤を使用することが出来、それらには金属キレート化合物、有機カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基を有する有機ケイ素化合物、光酸発生剤等がある。これらの触媒又は硬化剤の中で特に好ましいのは、アルミキレート化合物と光による酸発生剤(光酸発生剤)であり、アルミキレート化合物の例としてはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等であり、他の光酸発生剤の例としてはベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートやその他のホスホニウム塩やトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートの塩等を挙げることが出来る。
使用する活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシド及び/又はその加水分解物を含む塗布組成物には、塗布液の保存安定化のためにβ−ジケトンと反応させてキレート化合物を添加することにより安定な塗布組成物とすることが出来る。
高屈折率層に好ましく使用される活性エネルギー線反応性化合物は、重合可能なビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基等の重合性基を二つ以上有するもので、活性エネルギー線照射により架橋構造又は網目構造を形成するものが好ましい。これらの活性基のうちアクリロイル基、メタクリロイル基又はエポキシ基が重合速度、反応性の点から好ましく、例えば、特開昭59−151110号公報、特開昭59−151112号公報などに記載されている。(多官能モノマー又はオリゴマーがより好ましい)
活性エネルギー線反応性エポキシ樹脂も好ましく用いられる。活性エネルギー線反応性エポキシ樹脂としては、芳香族エポキシ化合物(多価フェノールのポリグリシジルエーテル)が好ましい。活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹脂は、エポキシ基を分子内に2つ以上有するもの以外に、モノエポキサイドも所望の性能に応じて配合して使用することが出来る。活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹脂はラジカル重合によるのではなく、カチオン重合により重合、架橋構造又は網目構造を形成する。ラジカル重合と異なり反応系中の酸素に影響を受けないため好ましい活性エネルギー線反応性樹脂である。
特開昭50−151996号公報、特開昭50−158680号公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号公報、特開昭52−30899号公報、特開昭59−55420号公報、特開昭55−125105号公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号公報、特開昭56−149402号公報、特開昭57−192429号公報等に記載のオキソスルホニウム塩、特公昭49−17040号等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655号明細書等に記載のチオピリリウム塩等が好ましい。又、アルミニウム錯体や光分解性ケイ素化合物系重合開始剤等を挙げることが出来る。上記カチオン重合開始剤と、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントンなどの光増感剤を併用することが出来る。
活性エネルギー線反応性の金属アルコキシドの具体的例として、ビニルトリメトキシチタン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)チタン、ジビニロキジメトキシチタン、グリシジルオキシエチルトリエトキシチタン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリ−n−プロピルチタン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルチタン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルチタン、アクリロイルオキシジメトキシエチルチタン、ビニルトリメトキシジルコン、ジビニロキジメトキシジルコン、アクリロイルオキシエチルトリエトキシジルコン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルジルコン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルジルコン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルジルコン、アクリロイルオキシジメトキシエチルジルコン、ビニルジメトキシタリウム、ビニルジ(β−メトキシ−エトキシ)タリウム、ジビニロキシメトキシタリウム、アクリロイルオキシエチルジエトキシタリウム、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルジ−n−プロピルタリウム、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルジ−n−プロピルタリウム、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)−n−プロピルタリウム、アクリロイルオキシメトキシエチルタリウム、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、ジビニロキジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルシラン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルシラン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルシラン、アクリロイルオキシジメトキシエチルシラン等を挙げることが出来る。
高屈折率層に使用する活性エネルギー線反応性基と、好ましく使用される活性エネルギー線反応性化合物の反応基に対する活性エネルギー線による光重合の挙動はほとんど変わりなく、前述の活性エネルギー線化合物の光増感剤や光開始剤などは同様なものが用いられる。
活性エネルギー線は、紫外線、電子線、γ線等で、化合物を活性させるエネルギー源であれば制限なく使用出来るが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れでも使用出来る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることが出来る。又、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプ又はシンクロトロン放射光等も用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は50mJ/m2以上、好ましくは100mJ/cm2以上、更に400mJ/cm2以上が好ましい。紫外線は多層の反射防止層を1層ずつ照射してもよいし、積層後照射してもよい。生産性の点から、多層を積層後、紫外線を照射することが好ましい。又この際には酸素濃度が0.5%以下の条件で行うのが効率的であり、硬化速度の点で好ましい。
又、電子線も同様に使用出来る。電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることが出来る。
最表層としての低屈折率層には該層の屈折率を低下させる為に下記のフッ素原子或いはケイ素原子を含有する低屈折率物質が含有されている。低屈折率物質としては、フッ素含有樹脂、シリケートオリゴマーから形成される化合物、及びSiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物が挙げられ、特に特開平7−126552号公報、特開平7−188582号公報、特開平8−48935号公報、特開平8−100136号公報、特開平9−220791号公報、特開平9−272169号公報等に記載されている化合物が好ましく用いられる。
本技術に好ましく使用し得るフッ素含有樹脂としては、フッ素含有不飽和エチレン性単量体成分を主として含有する重合物及びフッ素含有エポキシ化合物を挙げることが出来る。
フッ素含有不飽和エチレン性単量体としては、含フッ素アルケン、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、含フッ素ビニルエステル、含フッ素ビニルエーテル等を挙げることが出来る。例えば、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、ヘプタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン、4−エトキシ−1,1,1−トリフルオロ−3−ブテン−2−オン、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、テトラフルオロ−3−(ペンタフルオロエトキシ)プロピルアクリレート、テトラフルオロ−3−トリフルオロメトキシプロピルアクリレート、ウンデカフルオロヘキシルアクリレート、ノナフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ペンタフルオロピロピルアクリレート、2−ヘプタフルオロブトキシエチルアクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブトキシアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)エチルアクリレート、トリフルオロイソプロピルメタクリレート、(2,2,2−トリフルオロ−1−メチル)エチルメタクリレート、3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルアクリレート、1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、1−メチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタウルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、ペンタフルオロプロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリレート、ノナフルオロペンチルアクリレート、ウンデカフルオロヘキシルアクリレート、トリデカフルオロヘプチルアクリレート、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、トリデカフルオロオクチルアクリレート、ノナデカフルオロデシルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート(以上のアクリレートはメタクリレート或いはα−フルオロアクリレートであってもよい)、ビニルトリフルオロアセテート、ビニル−2,2,2−トリフルオロプロピオネート、ビニル−3,3,3,2,2−ヘプタブチレート、2,2,2−トリフルオロエチルビニルエーテル、1−(トリフルオロメチル)エテニルアセテート、アリルトリフルオロアセテート、アリル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、アリル−1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、エチル−4,4,4−トリフルオロクロトネート、イソプロピル−2,2,2−トリフルオロエチルフマレート、イソプロピル−ペンタフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナプロピルペンチルフマレート、イソプロピル−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシルフマレート、イソプロピル−トリデカフルオロヘプチルフマレート、イソプロピル−ペンタデカフルオロオクチルフマレート、イソプロピル−トリデカフルオロオクチルフマレート、イソプロピル−ノナデカフルオロデシルフマレート、イソプロピル−ヘプタデカフルオロデシルフマレート、イソプロピル−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−3−トリフルオロメチル−4,4,4−トリフルオロブチルフマレート、イソプロピル−1−メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルフマレート、イソプロピル−1−メチル−ヘプタフルオロオクチルフマレート、tert−ブチル−ペンチルフルオロプロピルフマレート、tert−ブチル−ヘプタフルオロブチルフマレート、等の含フッ素不飽和エチレン性単量体を挙げることが出来るが、これらに限定されない。又、共重合相手の単量体はフッ素を含有しても、含有していなくとも何れでもよい。
上記フッ素含有単量体と共重合し得る単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、酢酸ビニル、ビニルエチルエーテル、ビニルエチルケトン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチル−α−フルオロアクリレート、エチル−α−フルオロアクリレート、プロピル−α−フルオロアクリレート、ブチル−α−フルオロアクリレート、シクロヘキシル−α−フルオロアクリレート、ヘキシル−α−フルオロアクリレート、ベンジル−α−フルオロアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、α−フルオロアクリル酸、スチレン、スチレンスルホン酸等を共重合させてもよいが、これらに限定されない。
上記フッ素含有エチレン性不飽和単量体の単独の樹脂の屈折率は、ほぼ1.33〜1.42の範囲にあり、又共重合し得るフッ素を含有しない単量体の単独樹脂リマーの屈折率は、1.44以上で、これらを任意の割合で共重合して目的の屈折率のフッ素含有樹脂として用いることが出来、又、本技術のフッ素含有樹脂とフッ素を含まない樹脂とを任意の割合で混合して目的の屈折率のものとして使用してもよいが、本技術の低屈折率物質のフッ素含有量は、50質量%以上であることが好ましく、ものによって異なるが、特に好ましくは60〜90質量%である。フッ素含有重合体の場合は、フッ素含有率がこのような範囲にあると有機溶媒に対して良好な溶解性を有することで加工し易いばかりでなく、下の基体や層に対する接着性が優れ、高い透明性と低い屈折率の層を得ることが出来る。
使用する含フッ素のアルケン、アクリレート、ビニルエステル或いはビニルエーテル等を重合させる重合開始剤は、通常のラジカル重合開始剤を用いることが出来る。重合開始剤の具体的な例として、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系ラジカル重合開始剤、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド等の有機過酸化物系ラジカル重合開始剤、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機系ラジカル重合開始剤、過酸化水素−硫酸第1鉄アンモニウム、過硫酸アンモニウム−メタ亜硫酸ナトリウム等のレドックス系重合開始剤等の各種ラジカル重合開始剤等を挙げることが出来、これらを用いて溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合又は放射線重合等の公知のラジカル重合をすることが出来る。この際、反応温度は10〜100℃、反応時間は1〜100時間であることが好ましい。このようにして得られるフッ素含有樹脂の数平均分子量は1000〜300000であることが望ましい。フッ素含有樹脂としてのフッ素含有エポキシ樹脂は、例えば下記のようなエポキシ化合物を常法で反応させることによって得ることが出来る。
フッ素含有エポキシ化合物としては、フッ素系アルコールのモノ,ジ、トリ更にはオリゴグリシジルエーテルが好ましい。中でも含フッ素アルカン末端ジオールグリシジルエーテルとしては例えば、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等を挙げることが出来るが、これらに限定されない。これらの他にフッ素を含有しないエポキシ化合物を屈折率があまり上がらない程度に少量使用してもよい。ここで使用するフッ素含有エポキシ化合物の構造には制限ないが、屈折率を高めるようなベンゼン核を有するエポキシ化合物や脂環式のエポキシ化合物の使用は少ない方がよい。
別の好ましい低屈折率物質は、シリケートオリゴマーから形成される化合物である。シリケートオリゴマーから形成される化合物に使用するシリケートオリゴマーとしては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、テトラ−2,2,2−トリフルオロエトキシシラン、テトラ−2−フルオロエトキシシラン、テトラ−2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロピオキシシラン、テトラ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピオキシシラン、テトラ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロピオキシシラン、テトラ−1,3−ジフルオロ−2−プロピオキシシラン、テトラ−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブトキシシラン、テトラ−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブトキシシラン、テトラシクロヘキシルオキシシラン又はテトラフェノキシシラン等を挙げることが出来、これらを加水分解することによりシリケートオリゴマーが得られる。
上記の如くテトラアルコキシシランに触媒、水を添加して得られる加水分解物に溶媒を配合し、次いで硬化触媒と水を添加する等の方法により硬化した加水分解物が得られる。 かかる溶媒としては、メタノール、エタノールを1種又は2種使用するのが安価であること、及び得られる皮膜の特性が優れ硬度が良好であることから好ましい。イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、オクタノール等も用いることが出来るが、得られた皮膜の硬度が低くなる傾向にある。溶媒量は部分加水分解物100質量部に対して50〜400質量部、好ましくは100〜250質量部である。硬化触媒としては、酸、アルカリ、有機金属、金属アルコキシド等を挙げることが出来るが、酸、特に酢酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸等が好ましく用いられる。シリケートオリゴマー中のSiO2含有量は1〜100%、好ましくは10〜99%であることが望まれる。このようなSiO2含有量が1%未満では耐久性の向上が見られなくなり、本技術の効果を発揮しない。
これらのシリケートオリゴマーからケイ素層を形成させる方法については特に制限されないが、例えばシリケートオリゴマーを光学フィルムの光学性能を阻害しない溶媒、例えばアルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ、メチルグリコールアセテート、メトキシブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチレンクロライド、トルエン、キシレン、ミネラムスピリット、クレゾール、キシレノール、フフラール等であり、これらでシリケートオリゴマーを希釈し、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、リップコーター等、公知の装置により基材に塗設、加熱処理すればよい。
更に別の好ましい低屈折率物質は、SiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物であって、SiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物とを含むゾル液を用い、SiO2ゲル膜として低屈折率層が形成されるものである。SiO22ルは、ケイ素アルコキシドを塗布に適した有機溶媒に溶解し、一定量の水を添加して加水分解を行って調製される。SiO2ゾルの形成に使用するケイ素アルコキシドの好ましく、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロピオキシシラン、テトラ−n−プロピオキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタイソプロピオキシシラン、テトラペンタ−n−プロピオキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−t−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロピオキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメキメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルプロピオキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記アルキルケイ素アルコキシド又はケイ素アルコキシドを適当な溶媒中に溶解することによりSiO2ゾルとすることが出来る。使用する溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、等のアルコール、ケトン、エステル類、ハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン、等の芳香族炭化水素、或いはこれらの混合物が挙げられる。アルキルケイ素アルコキシド又はケイ素アルコキシドを、それらが100%加水分解及び縮合したとして生じるSiO2換算で、濃度を0.1質量%以上、好ましくは0.1〜10質量%になるように上記溶媒中に溶解する。SiO2ゾルの濃度が0.1質量%未満であると形成されるゾル膜が所望の特性が充分に発揮出来ず、一方、10質量%を超えると透明均質膜の形成が困難となる。又、本技術においては、以上の固形分以内であるならば、有機物や無機物バインダーを併用することも可能である。
この溶液に加水分解に必要な量以上の水を加え、15〜35℃、好ましくは22〜28℃の温度で、0.5〜10時間、好ましくは2〜5時間攪拌を行う。上記加水分解においては、触媒を用いることが好ましく、これらの触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸又は酢酸等の酸が好ましい。これらの酸を約0.001〜40.0mol/l、好ましくは0.005〜10.0mol/l程度の水溶液として加え、該水溶液中の水分を加水分解用の水分とすることが出来る。
最終的に得られるゲル膜は、反射防止フィルムの低屈折率層として使用するが、その屈折率の調整する必要がある場合もある。例えば、屈折率を下げるためにフッ素系有機ケイ素化合物、屈折率を高めるために有機ケイ素化合物、屈折率を更に高めるために硼素系有機化合物を添加することが出来る。具体的には、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラブトキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、コルコート40(コルコート社製)、MS51(三菱化学社製)、スノーテックス(日産化学社製)、等の有機ケイ素化合物、ザフロンFC−110、220、250(東亜合成化学社製)、セクラルコートA−402B(セントラル硝子社製)、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフッ素系化合物、硼酸トリエチル、硼酸トリメチル、硼酸トリプロピル、硼酸トリブチル等の硼酸系化合物が挙げられる。これらの添加剤は、ゾルの調製時に加えてもよいし、ゾルの形成後に加えてもよい。これらの添加剤を用いることによって、アルキルケイ素アルコキシド又はケイ素アルコキシドの加水分解時、或いはその後にシラノール基と反応して、更に均一に反応して更に均一で透明なゾル溶液が得られ、且つ形成されるゲル膜の屈折率をある程度の範囲で変化させることが出来る。
次に、上記フッ素含有樹脂、シリケートオリゴマーから形成される化合物、及びSiO2ゾルと反応性有機ケイ素化合物から形成される化合物から選ばれる少なくとも一つの低屈折率物質を含有する低屈折率層(前記高屈折率層の上に設けられている)には前記高屈折率層のところで挙げられた活性エネルギー線反応性化合物が添加されていてもよい。そのうち好ましく用いられるのはエポキシ系活性エネルギー線反応性化合物である。エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物で、前記と同様の活性エネルギー線照射によりカチオン重合を開始物質として放出することが可能な化合物である。エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物としては、(イ)ビスフェノールAのグリシジルエーテル(この化合物はエピクロルヒドリンとビスフェノールAとの反応により得られ、重合度の異なる混合物として得られる);(ロ)ビスフェノールA等のフェノール性OHを2個有する化合物に、エピクロルヒドリン、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを反応させ末端にグリシジルエーテル基を有する化合物等を挙げることが出来る。エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物をカチオン重合させる光重合開始剤又は光増感剤は、活性エネルギー線照射によりカチオン重合開始物質を放出することが可能な化合物であり、特に好ましくは、照射によりカチオン重合開始能のあるルイス酸を放出するオニウム塩の一群の複塩である。これらについては、ここでは省略する。これらの活性エネルギー線反応性化合物は前記高屈折率層のところで述べられたようなものと同様の紫外線や、電子線等の活性エネルギー線、又はプラズマ処理、或いは熱エネルギーの付与により硬化されることも同様である。
以上のようにして反射防止層を形成する。本技術の光学フィルムは防眩層を設けることもできる。防眩層は表面に凹凸を有する構造をもたせることにより、防眩層表面又は防眩層内部において光を散乱させることにより防眩機能発現させる為、微粒子物質を層中に含有した構成をとっている。これらの層として好ましい構成は以下に示される様なものである。これは膜厚0.5〜5.0μmであって、平均粒径0.25〜10μmの1種以上の微粒子を含む層であり、平均粒径が当該膜厚の1.1から2倍の二酸化ケイ素粒子と平均粒径0.005〜0.1μmの二酸化ケイ素微粒子を例えばジアセチルセルロースのようなバインダー中に含有する層であって、これによって防眩機能を発揮することができる。 この「粒子」としては、無機粒子及び有機粒子が挙げられる。本技術に使用することのできる無機粒子としては二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等が挙げられる。有機粒子としては、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、更にポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ弗化エチレン系樹脂等が使用できる。
これらのうちでも、本技術で応用される防眩性を達成するには、シリカなどの二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。ここで好ましく用いられる二酸化ケイ素粒子は、合成非晶質シリカの中でも湿式法によって作られる超微粉含水珪酸が光沢度を下げる効果が大きく好ましい。湿式法とは珪酸ソーダと鉱酸及び塩類を水溶液中で反応させる方法で、例えば富士シリシア化学(株)製のサイリシアや日本シリカ(株)製のNipsil Eなどがある。
防眩層は、又バインダーとして活性線硬化性樹脂を用いるのが特に好ましく、塗布後活性線照射により前記二酸化ケイ素粒子や二酸化ケイ素微粒子含有活性線硬化性樹脂層を形成させる。偏光板表面の機械的強度を増すことができるという点においてはバインダーとして活性線硬化性樹脂を用いた防眩層とするのがより好ましい。
ここで用いることのできる活性線硬化性樹脂とは紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂をいう。
活性線硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的具体例として挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂であってもよい。紫外線硬化性樹脂の例としては紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化性アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化性アクリル酸エステル系樹脂、紫外線硬化性メタクリル酸エステル系樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂及び紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂などが挙げられる。
本技術に用いることのできる紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタエリスリトール等の光重合モノマーオリゴマーである。これらのポリオールアクリレート系樹脂は高架橋性で硬化性が大きい、硬度が大きい、硬化収縮が小さい、又低臭気性で低毒性であり安全性も比較的高いのが特徴である。
上記の紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂には、その効果を損なわない範囲で他の紫外線硬化性樹脂、例えば紫外線硬化性エポキシ系樹脂を含有して使用してもよい。 アクリレート系樹脂は厚膜塗布した硬化塗膜は、硬化収縮によりカーリングが強くなり、取り扱い作業上支障をきたす場合がある。エポキシ系樹脂はアクリレート系樹脂と比べて一般に硬化収縮が小さく硬化塗膜のカーリングも小さい。ここで言う紫外線硬化性エポキシ系樹脂とはエポキシ基を分子内に2個以上含む化合物で、カチオン重合開始剤を含有し、紫外線を照射することにより架橋反応するエポキシ樹脂である。
用いることのできる電子線硬化性樹脂の例としては、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂などが挙げられる。
中でも、紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。活性線硬化性樹脂の硬化は、電子線又は紫外線のような活性線照射によって硬化することができる。例えば、電子線硬化の場合にはコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
膜厚は0.5〜5.0μmであることが好ましい。又、このうち特に2.0〜4.0μmの場合が好ましい。
これら、反射防止層又は防眩層とその基材の反対側に易接着層を有する光学フィルムの各構成層の硬化に用いられる活性輻射線の代わりに、活性エネルギーを与える手段としてプラズマ処理、熱などの方法も好ましい。プラズマ処理としては特願平11−143206号に記載の方法が好ましく用いることが出来る。又、活性エネルギーを付与する熱処理としては、反射防止層又は防眩層の塗布乾燥後に熱処理することも有効である。70℃以上で30秒以上10分、より好ましくは30秒以上5分加熱することが好ましい。これらの防眩層を設けることにより、可視光の透過率が低下しないことが望ましく、ヘイズ値が3%以上であることが好ましい。又、その時の透過率は550nmにおける透過率で90%以上であることが好ましい。防眩層の表面層は、臨界表面張力が20×10-6N/cm以下であることが好ましい。臨界表面張力が20×10-6N/cmより大きい場合は、表面層に付着した汚れが取れにくくなる。含フッ素系のフッ素材料が汚れ防止の点において好ましい。
含フッ素材料としては、有機溶剤に溶解し、その取り扱いが容易であるフッ化ビニリデン系共重合体や、フルオロオレフィン/炭化水素オレフィン共重合体、含フッ素エポキシ樹脂、含フッ素エポキシアクリレート、含フッ素シリコーン、含フッ素アルコキシシラン、更に、TEFRON AF1600(デュポン社製、n=1.30)、CYTOP(旭硝子(株)社製、n=1.34)、17FM(三菱レーヨン(株)社製、屈折率n=1.35)、LR201(日産化学工業(株)社製、n=1.38)等を挙げることができる。これらは単独でも複数組み合わせて使用することも可能である。
又、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフロロ−7−メチルオクチル)エチルメタクリレート、3−(パーフロロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフロロ−9−メチルデシル)エチルメタクリレート、3−(パーフロロ−8−メチルデシル)2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の含フッ素メタクリレート、3−パーフロロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルアクリレート等の含フッ素アクリレート、3−パーフルオロデシル1,2−エポキシプロパン、3−(パーフロロ−9−メチルデシル)−1,2−エポキシプロパン等のエポキサイド、エポキシアクリレート等の放射線硬化型の含フッ素モノマー、オリゴマー、プレポリマー等を挙げることができる。これらは単独もしくは複数種類混合して使用することも可能である。
本技術の光学フィルムには、カール防止加工を施すこともできる。カール防止加工とは、これを施した面を内側にして丸まろうとする機能を付与するものであるが、この加工を施すことによって、透明樹脂フィルムの片面に何らかの表面加工をして、両面に異なる程度・種類の表面加工を施した際に、その面を内側にしてカールしようとするのを防止する働きをするものである。
カール防止層は基材の防眩層又は反射防止層を有する側と反対側に設ける態様或いは、例えば透明樹脂フィルムの片面に易接着層を塗設する場合もあり、又逆面にカール防止加工を塗設するような態様が挙げられる。
カール防止加工の具体的方法としては、溶剤塗布によるもの、溶剤とセルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等の透明樹脂層を塗設するもの等が挙げられる。溶剤による方法とは、具体的には偏光板用保護フィルムとして用いるセルロースアシレートフィルムを溶解させる溶剤又は膨潤させる溶剤を含む組成物を塗布することによって行われる。これらのカールを防止する機能を有する層の塗布液は従ってケトン系、エステル系の有機溶剤を含有するものが好ましい。好ましいケトン系の有機溶媒の例としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−へプチルケトン等であり、好ましいエステル系の有機溶剤の例としては酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。しかしながら、用いる溶剤としては溶解させる溶剤及び/又は膨潤させる溶剤の混合物の他、更に溶解させない溶剤を含む場合もあり、これらを透明樹脂フィルムのカール度合や樹脂の種類によって適宜の割合で混合した組成物及び塗布量を用いて行う。この他にも、透明ハード加工や帯電防止加工を施してもカール防止機能を発揮する。
本技術の光学フィルムにおいては、基材の防眩層又は反射防止層を有する側と反対側にカールを防止する機能を有する層を設けることが好ましい。又、こうして製造された光学フィルムは23℃、60%RHにおけるカール度が−10以上+10以下であることが望ましい。
カール度の測定は、以下の方法で行われる。当該フィルム試料を80℃、90%RH環境下で48時間放置後、該フィルムを幅手方向50mm、長手方向2mmに切断する。更に、そのフィルム小片を23℃±2℃、55%RH環境下で24時間調湿し、曲率スケールを用いて該フィルムのカール値を測定する。
カール値は1/Rで表され、Rは曲率半径で単位はmを用いる。カール値については、フィルムの変形が少ないものが好ましく、変形方向は+方向でも−方向でもかまわない。即ち、カール値の絶対値が小さければ良く、具体的には、該フィルムのカール値の絶対値が10より大きいと、該フィルムを用いて偏光板等を作製した場合、高温高湿下(例えば、80℃、90%RHで48時間放置する)での反り等の変形が大きくなり使用に耐えない。該フィルムのカール値が10以下であれば、該フィルムを用いて偏光板等を作製した場合、高温高湿下(例えば、80℃、90%RHで48時間放置する)でも反りなどの変形が小さく使用することができる。
これらのカール防止層その他の層の塗設にもかかわらず、本技術の光学フィルムはヘイズ値が3%以上であり、かつ、550nmにおける透過率が90%以上であることが好ましい。
又、これらの最表面層は、易接着層の偏光子への貼合や、又、反射防止層面を保護層フィルム面に貼り付けたりして使用するため、ある程度の親水性を有している必要があり、特に易接着層の23℃、60%RHにおける水の接触角は50度以下であることが好ましい。
(易接着層)
本技術の光学フィルムでは易接着層を塗設することもできる。易接着層とは、偏光板用保護フィルムとその隣接層、代表的には偏光膜とを接着し易くする機能を付与する層のことをいう。
本技術にて好ましく用いられる易接着層の例としては、−COOM(Mは水素原子又はカチオンを表す)基を有する高分子化合物を含有する層を含むものであり、更に好ましい態様はフィルム基材側に−COOM基を有する高分子化合物を含有する層を設け、それに隣接させて偏光膜側に親水性高分子化合物を主たる成分として含む層を設けたものである。ここでいう−COOM基を有する高分子化合物としては例えば−COOM基を有するスチレン−マレイン酸共重合体や−COOM基を有する酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸−無水マレイン酸共重合体などであり、特に−COOM基を有する酢酸ビニル−マレイン酸共重合体を用いると好ましい。このような高分子化合物を単独で又は2種以上併用して用い、好ましい重量平均分子量としては500〜500,000程度のものであると良い。−COOM基を有する高分子化合物の特に好ましい例は特開平6−094915号公報、特開平7−333436号公報記載のものが好ましく用いられる。
又親水性高分子化合物として好ましくは、親水性セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシセルロース等)、ポリビニルアルコール誘導体(例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルービニルアルコール共重合体、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマール、ポリビニルベンザール等)、天然高分子化合物(例えば、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム等)、親水性ポリエステル誘導体(例えば、部分的にスルホン化されたポリエチレンテレフタレート等)、親水性ポリビニル誘導体(例えば、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルインダゾール、ポリビニルピラゾール等)が挙げられ、単独或いは2種以上併用して用いられる。
これらの機能性層を組み合わせることが好ましい。中でも好ましいのが、偏光層の付与(偏光板)、反射防止層の付与(反射防止フィルム)である。
<偏光層の付与(偏光板の作成)>
次に、本技術のセルロースアシレートフィルムが好ましく適用できる偏光板について、その適用例を記載する。
本技術のセルロースアシレートフィルムは、偏光板用の保護膜として好ましく用いることができる。偏光板は一般に、基材フィルムに二色性物質を吸着、配向させて作成された偏光膜の少なくとも片面に保護膜を貼合して製造される。基材フィルムに使用されるポリマーとしては、ポリビニルアルコール(以下、PVA)系ポリマーが一般的である。二色性物質としてはヨウ素あるいは、二色性染料が単独、あるいは組み合わせて用いられる。保護膜としては、低複屈折性、透明性、適度な透湿性、寸度安定性等の物性が求められ、従来はセルロースアセテートフィルムが広く用いられている。
ここで偏光膜に用いるPVAは通常、ポリ酢酸ビニルをケン化したものであるが、例えば不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のように酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有しても構わない。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を含有する変性PVAも用いることができる。PVAのケン化度は特に限定されないが、溶解性、偏光性、耐熱、耐湿性等の観点から80〜100mol%が好ましく、90〜100mol%が特に好ましい。またPVAの重合度は特に限定されないが、フィルム強度や耐熱、耐湿性、延伸性などから1000〜10000が好ましく、1500〜5000が特に好ましい。また、PVAのシンジオタクチシチーについては特に限定されず、目的に応じ任意の値をとることもできる。
PVAを染色、延伸して偏光膜を得る手順には、原反となるPVAフィルムを乾式または湿式で延伸した後、ヨウ素あるいは二色性染料の溶液に浸漬する方法、ヨウ素あるいは二色性染料の溶液中でPVAフィルムを延伸し配向させる方法、ヨウ素あるいは二色性染料にPVAフィルムを浸漬後、湿式または乾式で延伸し配向させる方法などがある。また、PVA原反を溶液製膜法により製膜する際、PVA溶液中に二色性物質をあらかじめ含有させる手法もとることができる。
代表的な偏光板の湿式延伸による製造法を以下に述べる。まず、原反PVAフィルムを水溶液で予備膨潤する。次いで二色性物質の溶液に浸漬し、二色性物質を吸着させる。さらにホウ酸等のホウ素化合物の水溶液中で進行方向に一軸延伸する。必要に応じ色味調整浴、硬化浴等をこの後に設けても良い。ある程度乾燥したところでPVA等の接着剤を用い保護膜を貼合する。さらに乾燥して偏光板が得られる。
予備膨潤液中には、各種有機溶媒、無機塩、可塑剤、ホウ酸類等を水溶液中に添加してもよい。
染色液は、二色性物質としてヨウ素を用いる場合を例にすると、ヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液を用いる。ヨウ素は0.1〜20g/リットル、ヨウ化カリウムは1〜100g/リットル、ヨウ素とヨウ化カリウムの重量比は1〜100が好ましい。染色時間は30〜5000秒が好ましく、液温度は5〜50℃が好ましい。染色液中にホウ素化合物等PVAを架橋する化合物を含有させることも好ましい。延伸浴中のホウ素化合物は、ホウ酸が特に好ましい。ホウ酸濃度は、好ましくは1〜200g/リットルであり、さらに好ましくは10〜120g/リットルである。延伸浴には、ホウ素化合物の他にヨウ化カリウム等の無機塩、各種有機溶媒、あるいは二色性染料等を含むことができる。色味調整浴、硬化浴には二色性染料のほか、ヨウ化カリウム等の無機塩、ホウ素化合物等を必要に応じ含有させる。
PVAの延伸工程としては、上に例示した如く連続フィルムの進行方向に張力を付与し、進行方向にフィルムを延伸、配向させる方法が一般的であるが、いわゆるテンター方式等の延伸手段でフィルムの幅手方向に張力を付与し、幅手方向に配向させる方法も適用可能である。延伸は一軸方向に3倍以上行うことが好ましく、4.5倍以上がより好ましい。偏光膜の使用目的により二軸延伸を行ってもよい。延伸後の膜厚は特に限定されないが、取り扱い性、耐久性、経済性の観点より、5〜100μmが好ましく、10〜40μmがより好ましい。延伸時の温度は延伸条件によって異なるが、通常10〜250℃である。100℃以上の温度で乾式延伸する場合は、窒素等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。また、予め延伸したフィルムを染色する前には、100℃以上の温度で結晶化処理を行うことが好ましい。
染色方法としては上に例示した浸漬法だけでなく、ヨウ素あるいは染料溶液の塗布あるいは噴霧等、任意の手段が可能である。また、既に述べた液層吸着のみでなく、寄贈による吸着も必要に応じ行うことができる。
二色性色素で染色することも好ましい。二色性色素の具体例としては、例えばアゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素、アントラキノン系色素等の色素系化合物をあげることができる。水溶性のものが好ましいが、この限りではない。又、これらの二色性分子にスルホン酸基、アミノ基、水酸基などの親水性置換基が導入されていることが好ましい。二色性分子の代表的なものとしては、例えばシー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ72、シー.アイ.ダイレクト.レッド28、シー.アイ.ダイレクト.レッド39、シー.アイ.ダイレクト.レッド79、シー.アイ.ダイレクト.レッド81、シー.アイ.ダイレクト.レッド83、シー.アイ.ダイレクト.レッド89、シー.アイ.ダイレクト.バイオレット48、シー.アイ.ダイレクト.ブルー67、シー.アイ.ダイレクト.ブルー90、シー.アイ.ダイレクト.グリーン59、シー.アイ.アシッド.レッド37等が挙げられ、さらに特開平1−161202号、特開平1−172906号、特開平1−172907号、特開平1−183602号、特開200048105号、特開2000−65205号、特開平7−261024号、の各公報記載の色素等を挙げることができる。特に、シー.アイ.ダイレクト.レッド 28(コンゴーレッド)は古くよりこの用途に好ましいとして知られている。これらの二色性分子は遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン類の塩として用いられる。これらの二色性分子は2種以上を配合することにより、各種の色相を有する偏光子を製造することができる。偏光素子または偏光板として偏光軸を直交させた時に黒色を呈する化合物(色素)や黒色を呈するように各種の二色性分子を配合したものが単板透過率、偏光率とも優れており好ましい。
偏光膜の耐熱、耐湿性を高める観点から、偏光膜の製造工程においてPVAに架橋させる添加物を含ませることが好ましい。架橋剤としては、米国再発行特許第232897号明細書に記載のものが使用できるが、ホウ酸、ホウ砂が実用的に好ましく用いられる。また、亜鉛、コバルト、ジルコニウム、鉄、ニッケル、マンガン等の金属塩を偏光膜に含有させることも、耐久性を高めることが知られており好ましい。これら架橋剤、金属塩は、上に述べた予備膨潤浴、二色性物質染色浴、延伸浴、硬化浴、色調整浴等のいずれの工程に含有させても良く、工程の順序は特に限定されない。
保護膜と偏光膜を接着する接着剤としては特に限定はなく、PVA系、変性PVA系、ウレタン系、アクリル系等、知られているものを任意に用いることができる。接着層の厚みは0.01〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましい。
<反射防止層の付与(反射防止フィルム>54頁〜55頁
(防眩フィルム、反射防止フィルム)
本技術のセルロースアシレートフィルムは、また防眩フィルム、反射防止フィルムへの適用が好ましく実施できる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本技術のセルロースアシレートフィルムの片面または両面に防眩層、反射防止層の何れかあるいは両方を付与することができる。このような機能を付与したフィルムは防眩フィルム、反射防止フィルムと呼ばれ、防眩層と反射防止層の両方を具備したものを防眩性反射防止フィルムと呼ぶ。一般的に防眩フィルムならば透明支持体と防眩層から構成され、反射防止フィルムならば透明支持体上に単層から複数層の光干渉層から成る反射防止層が最表面に設けられ、必要に応じてハードコート層、防眩層が支持体と光干渉層の間に設けられる。
透明支持体としては、LCD用途には本技術のセルロースアシレートフィルムが好ましく、さらにはセルロースアシレートであり、特にはセルロースアセテートが好ましい。本技術の防眩、反射防止フィルムをLCDに用いる場合、片面に粘着層を設ける等してディスプレイの最表面やディスプレイ内部の空気との界面に配置する。セルローストリアセテートは偏光板の偏光子を保護する保護フィルムに用いられるため、本技術の防眩、反射防止フィルムをそのまま保護フィルムに用いることがコスト、ディスプレイの薄手化の観点で好ましい。
以下に、まず好ましい防眩フィルム、反射防止フィルムの実施態様を記述する。
(態様A1) セルロースアシレートフィルムと少なくとも1層の屈折率が1.38から1.49の含フッ素樹脂からなる低屈折率層を含む防眩性反射防止フィルムにおいて、該セルロースアシレートフィルムと低屈折率層の間に屈折率が1.57から2.00であるバインダを含む防眩層を有することを特徴とする防眩性反射防止フィルム。
(態様A2) 前記セルロースアシレートフィルムと防眩層の間に少なくとも1層のハードコートを有することを特徴とする態様A1に記載の防眩性反射防止フィルム。
(態様A3) 前記含フッ素樹脂からなる低屈折率層が熱または電離放射線硬化性を有することを特徴とする態様A1、2に記載の防眩性反射防止フィルム。
(態様A4) 前記防眩層がマット微粒子と電離放射線硬化性樹脂を含むバインダから成ることを特徴とする態様A3に記載の防眩性反射防止フィルム。
(態様A5) 前記防眩層において、マット微粒子と電離放射線硬化性樹脂を含むバインダとの屈折率差が0.05未満であることを特徴とする態様A4に記載の防眩性反射防止フィルム。
(態様A6) 前記防眩層において、前記マット微粒子の平均粒径が1μm〜10μmであることを特徴とする態様A4に記載の防眩性反射防止フィルム。
(態様A7) 前記防眩層において、前記1.57から2.00の屈折率を有するバインダが高屈折率モノマーと3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとの混合物の熱または電離放射線硬化物であることを特徴とする態様A4に記載の防眩性反射防止フィルム。
(態様A8) 前記防眩層において、前記1.57から2.00の屈折率を有するバインダがAl、Zr、Zn、Ti、In、Snから選ばれる金属の酸化物超微粒子と3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとの混合物の熱または電離放射線硬化物であることを特徴とする態様A4に記載の防眩性反射防止フィルム。
(態様A9) 前記含フッ素樹脂からなる低屈折率層が動摩擦係数0.03から0.15、且つ水に対する接触角が90から120°であることを特徴とする態様A4から態様A8までに記載の防眩性反射防止フィルム。
(態様A10) 態様A1から9に記載した防眩性反射防止フィルムを、偏光板における偏光層の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。
(態様A11) 態様A1から9に記載の防眩性反射防止フィルムまたは態様A10に記載の防眩性反射防止偏光板の反射防止層をディスプレイの最表層に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
(態様A12) 屈折率が1.65乃至2.40である高屈折率層と、屈折率が1.20乃至1.55である低屈折率層とを有する反射防止膜であって、高屈折率層が、1乃至200nmの平均粒径を有する無機微粒子を5乃至65体積%および架橋しているアニオン性基を有するポリマーを35乃至95体積%含むことを特徴とする態様1に記載の反射防止膜。
(態様A13) 高屈折率層のアニオン性基を有するポリマーが、リン酸基またはスルホン酸基をアニオン性基として有する態様A12に記載の反射防止膜。
(態様A14) 高屈折率層のアニオン性基を有するポリマーが、さらにアミノ基またはアンモニウム基を有する態様A12に記載の反射防止膜。
(態様A15) 高屈折率層の無機微粒子が、1.80乃至2.80の屈折率を有する態様A12に記載の反射防止膜。
(態様A16) 高屈折率層が塗布により形成された層であり、アニオン性基を有するポリマーが層の塗布と同時または塗布後に、重合反応により形成されたポリマーである態様A12に記載の反射防止膜。
(態様A17) 低屈折率層が、含フッ素樹脂からなり、熱または電離放射線硬化性を有することを特徴とする態様A12に記載の反射防止膜。
(態様A18) 低屈折率層が、0.5乃至200nmの平均粒径を有する無機微粒子を50乃至95質量%およびポリマーを5乃至50質量%含み、該無機微粒子を少なくとも2個以上積み重ねることにより微粒子間にミクロボイドが形成されている層である態様A12に記載の反射防止膜。
(態様A19) 態様A12〜18の反射防止膜の表面に凹凸形状を有し、低屈折率層および高屈折率層の膜厚が実質的に均一であることを特徴とする防眩性反射防止フィルム。
(態様A20) 態様A19の防眩性反射防止フィルムにおいて、透明支持体上に支持体よりも屈折率の低い層を少なくとも一層設ける工程と、外部からの圧力により該透明支持体の少なくとも片面に表面凹凸を形成する工程をこの順序に実施することにより、防眩性反射防止フィルムを製造する方法。
(態様A21) 態様A12〜20の反射防止フィルムを、偏光板の片面または両面に、偏光子の保護フィルムとして、あるいは保護フィルムの表面に張り合わせるフィルムとして具備した偏光板。
(態様A22) 態様A21の偏光板を、少なくとも片面の最表面に配置された低屈折率層が視認側となるように配置したことを特徴とする画像表示装置。
本技術の防眩、反射防止フィルムには、必要に応じてハードコート層を設けることができる。ハードコート層、これについては前述したが、更に構成を含め述べると用いる化合物は、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、架橋構造を有していることが好ましい。架橋構造を有するポリマーを得るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを電離放射線または熱により架橋するのが好ましい。
二つ以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが含まれる。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキ化合物の開環重合反応により合成することが好ましい。これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーは、塗布後、電離放射線または熱による重合反応により硬化させる必要がある。
二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。また、本技術において架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋基を有する化合物は塗布後熱などによって架橋させる必要がある。
フィルムに防眩性を付与する手段としては、(1)可視光を散乱する粒径のマット粒子をバインダ中に分散して表面凹凸を有する防眩層を形成する方法、(2)エンボスやサンドブラスト等により支持体表面に凹凸を付与する方法、(3)塗布組成物の相分離構造により表面に凹凸を付与する方法等、様様な手法が公開特許公報にて公開されているが、一般的には(1)のマット粒子をバインダ中に分散する方法で実用化されている。本技術においては、(1)のマット粒子を用いる方法、(2)のエンボスにより表面凹凸を付与する方法が好ましく用いられる。反射防止層を有しないか単層である場合は、(1)が好ましく、2層以上である場合は(2)が好ましい。
防眩層の形成には、表面凹凸形成による防眩性付与の目的で、樹脂化合物からなるバインダに加えて樹脂または無機化合物からなる微粒子(マット剤)が用いられる。平均粒径は1.0から10.0μmが好ましく、1.5から5.0μmがより好ましい。また、防眩層のバインダ膜厚よりも小さい粒径の微粒子が、該微粒子全体の50%未満であることが好ましい。粒度分布はコールターカウンター法により測定できるが、分布は粒子数分布に換算して考える。防眩層膜厚は0.5乃至10μmが好ましく、1乃至5μmがより好ましい。
防眩層を形成するために用いる樹脂バインダには、上記ハードコート層を形成するために用いられる素材が膜強度、透明性の観点から好ましく用いられる。
反射防止層と組み合わせる場合には、さらに上記ハードコート素材に加えて、高屈折率モノマーまたは高屈折率無機微粒子を併用することで層の屈折率を1.58から2.00まで高くすることにより、反射防止性能を向上することができる場合がある。高屈折率モノマーの例には、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4‘−メトキシフェニルチオエーテル等が含まれる。高屈折率無機微粒子の例には、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる粒径100nm以下、好ましくは50nm以下の微粒子を含有することが好ましい。微粒子の例としては、TiO2、ZrO2、Al23、In23、ZnO、SnO2、Sb23、ITO等が挙げられる。無機微粒子の添加量は、ハードコート層の全重量の10乃至90質量%であることが好ましく、20乃至80質量%であると更に好ましい。
エンボスにより支持体表面に凹凸を付与する場合には、複数層の光学干渉層全てを形成した後に表面凹凸を形成するのが好ましい。表面凹凸を形成した後にウエット塗布にて複数の光学干渉層を形成すると、凹に塗布液が溜まることにより発生する各層の膜厚ムラのために反射防止性能の著しい悪化を引き起こし、好ましくない。全光学干渉層を形成した後にエンボス処理することにより、光学干渉層の膜厚が実質的に均一になる。ここで、実質的に均一とは、中心膜厚±3%以内であることを意味する。
反射防止フィルムには、光学薄膜による光干渉の原理に基づいて設計された膜厚、屈折率、層構成となるように低屈折率層の単層、あるいは低屈折率層と高屈折率層の複数層から構成される反射防止層を設ける。ここで低屈折率層、高屈折率層とは、それぞれ支持体の屈折率よりも低い屈折率を有する層、支持体の屈折率よりも高い屈折率を有する層を指し、いずれも反射防止の対象となる光の波長オーダー以下の膜厚を有する。このような非常に薄い膜厚を有する層は光学薄膜と呼ばれ、反射防止膜や反射膜等、光干渉の原理に基づいた光学機能層として様様な用途に実用化されている。
反射防止層としては、低屈折率層、高屈折率層がそれぞれ下記式(1)、(2)を満足することが好ましい。
式(1) mλ/4×0.7<n1d1<mλ/4×1.3
式(2) nλ/4×0.7<n2d2<nλ/4×1.3
式中、mは正の奇数(一般に1)、nは正の整数であり、n1、n2はそれぞれ低屈折率層、高屈折率層の屈折率であり、そして、d1、d2はそれぞれ低屈折率層、高屈折率層の膜厚である。
低屈折率層には、屈折率が1.38〜1.49までのものが、膜強度と屈折率のバランスを兼ね備えた素材として選択できる。具体的には、特開平11−38202号公報、特開平11−326601号公報等で開示されるような光の散乱を生じない程粒径が小さな微粒子間に空気の隙間を有する低屈折率層や、熱または電離放射線により架橋する含フッ素化合物が好ましく用いられる。架橋性のフッ素高分子化合物としてはパーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。
含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等である。
架橋性基付与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内に予め架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。後者は共重合の後、架橋構造を導入できることが特開平10−25388号公報および特開平10−147739号公報に記載されている。
また上記含フッ素モノマーを構成単位とするポリマーだけでなく、フッ素原子を含有しないモノマーとの共重合体を用いてもよい。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
高屈折率層には、上記防眩層を高屈折率化するときに好ましく用いられる素材が同様に用いられる。好ましい屈折率範囲は1.60〜2.20であり、好ましい膜厚範囲は5〜300nmであり、上記数式(2)に従って設計された屈折率、膜厚とする。
ハードコート層、防眩層、反射防止層の各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビア法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、塗布により形成することができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、米国特許2941898号、米国特許3508947号、米国特許3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
本技術の防眩フィルム、反射防止フィルムは、防眩層、反射防止層の形成前または形成後に何らかの手段により支持体の裏面を鹸化処理することにより、LCDを始めとする各用途に用いられる偏光板の製造において、偏光子の保護フィルムとして片面若しくは両面に直接偏光子と貼り合わせることができる。
特にLCDの広視野角化のために液晶を封入したセルと偏光板との間に位相差フィルムを配置する場合には、セルの両面に配置される偏光板のうち、視認側に用いられる偏光板の空気界面側の保護フィルムに防眩フィルムまたは反射防止フィルムを、その反対面でありセルと偏光子の間となる面に位相差フィルムをそれぞれ偏光子の両面に保護層として貼り合わせて用いることができる。このような構成の偏光板は、従来の偏光板と同等の厚みでありながら広視野角、低反射といった機能を付与することが可能であり、高機能LCD用途に極めて好ましい。
<液晶表示装置の構成>
[液晶表示装置]
本技術のセルロースアシレートフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。セルロースアシレートフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
(TN型液晶表示装置)
本技術のセルロースアシレートフィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置については、古くから良く知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.143や、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.1068)に記載がある。
(STN型液晶表示装置)
本技術のセルロースアシレートフィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(△n)とセルギャップ(d)との積(△nd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
(VA型液晶表示装置)
本技術のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置に用いる光学補償シートのReレターデーション値を0乃至150nmとし、Rthレターデーション値を70乃至400nmとすることが好ましい。Reレターデーション値は、20乃至70nmであることが更に好ましい。VA型液晶表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は70乃至250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は150乃至400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
(OCB型液晶表示装置およびHAN型液晶表示装置)
本技術のセルロースアシレートフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートには、レターデーションの絶対値が最小となる方向が光学補償シートの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートの光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質および光学的異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平9−197397号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.38(1999)p.2837)に記載がある。
(反射型液晶表示装置)
本技術のセルロースアシレートフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、国際公開第98/048320号パンフレット、特許第3022477号公報の各公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、国際公開第00/065384号パンフレットに記載がある。
(その他の液晶表示装置)
本技術のセルロースアシレートフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell )モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。
以下に本発明のセルロースアシレートフィルムについての具体的な実施態様を記述するが、これらに限定されるものではない。
[実施例1]
(1)セルロースアシレートの調製
表1に記載のアシル基の種類、置換度の異なるセルロースアシレートCA−1〜CA−4を調製した。これは、触媒として硫酸(セルロース100重量部に対し7.8重量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。この時、カルボン酸の種類、量を調整することで、アシル基の種類、置換度を調整した。(セルロースアシレートのアシル置換度は、Carbohydr.Res.273(1995)83−91(手塚他)に記載の方法で13C−NMRにより求めた。)またアシル化後40℃で熟成を行った。
このようにして得たセルロースアシレートCA−1〜CA−4の重合度は下記の方法で求め、表1に記載した。
(重合度測定法)絶乾したセルロースアシレート約0.2gを精秤して、メチレンクロリド:エタノール=9:1(質量比)の混合溶剤100mLに溶解した。これをオストワルド粘度計にて25℃で落下秒数を測定し、重合度DPを以下の式により求めた。
ηrel =T/T0 T :測定試料の落下秒数
[η]=(lnηrel )/C T0 :溶剤単独の落下秒数
DP=[η]/Km C :濃度(g/L)
Km:6×10-4
また、これらセルロースアシレートCA−1〜CA−3のTgは以下の方法で測定し、表1に記載した。
(Tg測定)DSC(示差走査熱量計)の測定パンにサンプルを20mg入れる。これを窒素気流中で、10℃/分で30℃から250℃まで昇温した後(1回目走査)、30℃まで−10℃/分で冷却する。この後、再度30℃から250℃まで昇温する(2回目走査)。2回目走査で求めたTg(ベースラインが低温側から偏奇し始める温度)を表1に記載した。
Figure 2006143873
(2)炭酸ストロンチウム針状結晶粒子の調製
PEG20000(和光純薬工業(株)製ポリエチレングリコール)2.0gを40℃の水60mLに溶解し、この中に水酸化ストロンチウム・8水和物10gを懸濁させてI液を調製した。また、冷却しながら2−アミノエタノール中に炭酸ガスを吹き込み、炭酸ガスを20質量%吸収させた2−アミノエタノール溶液を調製し、これをII液とした。
I液を40℃に保持したまま撹拝しながら、この中にII液14.2mLを1.5mL/分の速度で添加し、添加終了後さらに30分間攪拌して、炭酸ストロンチウム結晶の白色分散液を得た。なお、炭酸ストロンチウムであることはXRD(X線回折装置)により確認した。
炭酸ストロンチウム結晶断面の円相当径は20nmであり、長さは400nmであった。
前記炭酸ストロンチウムの白色分散液にチタネートカップリング剤KR44(味の素ファインテクノ(株)製)2.0gをエタノール18mLに混合して添加し、35℃で30分攪拌したのち、35℃で1時間攪拌した。8000rpmで5分遠心分離した後、上澄み液を除去した。水200mLを加え8000rpmで5分遠心分離して、炭酸ストロンチウムの微結晶を洗浄した。この洗浄操作を2回繰り返した後、沈殿物を凍結乾燥し、500℃で1時間焼成して炭酸ストロンチウム結晶を得た。
(3)溶融製膜
上記セルロースアシレート(CA−1、CA−2、CA−3、CA−4)を直径3mm長さ5mmの円柱状のペレットに成形したものを、110℃の真空乾燥機で乾燥した。Haake社製 MiniLab型混練機を用い、上記セルロースアシレート(CA−1、CA−2、CA−3、CA−4)7.0gをTg+80℃の温度にて溶融した。5分間溶融後、上記の炭酸ストロンチウム針状結晶粒子(21mg、70mg、210mg)を添加して、ニーダー回転数50rpmで250℃をキープしたまま30分間混練した。混練後の試料は、Haake社製射出成型機を用いて、Tg+50℃の温度にてタブレット状に成形した。タブレット状の試料を(株)東洋精機製作所製mini TEST PRESS−10型加熱プレス機にて、Tg+20℃の温度、30MPaの圧力で3分間プレスして、120μmの厚みのフィルム試料を作製した。
(4)延伸および複屈折の測定
上記方法で作製した炭酸ストロンチウム微結晶含有セルロースアシレートフィルム試料、および比較のために炭酸ストロンチウム微結晶を含有しないセルロースアシレートフィルム試料について、(株)オリエンテック製RTC−1210A型テンシロンを用いてTg+10℃の温度にて加熱延伸を行った。延伸後の長さと延伸前の長さの比を延伸倍率と定義したとき、延伸倍率1.3の試料を各々作製した(試料−1〜試料−13:表2参照)。なお、延伸倍率1.3のフィルムの膜厚は75〜85μmであった。これらのフィルムについて複屈折の測定を行った。複屈折測定にはユニオプト(株)製自動複屈折測定機ABR−10Aを用い、25℃60%RHにて測定した。
得られた複屈折のデータを表2に示す。(試料−13は延伸時濁りが発生して複屈折測定ができなかった。)
Figure 2006143873
セルロースアシレートが有していた配向複屈折が、本発明の炭酸ストロンチウム針状粒子の少量の添加によって補償され、ほぼ複屈折がゼロに近いものを作ることが可能である。
[実施例2]
<偏光板の作成>
(1)セルロースアシレートフィルムの鹸化
本発明の炭酸ストロンチウム微結晶含有延伸セルロースアシレートフィルム試料7と比較例の炭酸ストロンチウム微結晶を含有しない延伸セルロースアシレートフィルム試料1とを下記の塗布鹸化法で鹸化を行った。即ち、iso−プロパノール80重量部に水20重量部を加え、これにKOHを1.5規定となるように溶解し、これを60℃に調温したものを鹸化液として用いた。
これを60℃のセルロースアシレートフィルム上に10g/m2塗布し、1分間鹸化した。この後、50℃の温水をスプレーを用い、10L/m2・分で1分間吹きかけ洗浄した。
(2)偏光層の作成
下記斜め延伸法にて偏光層を作製した。即ち、特開2002−86554号公報の実施例1に従い、テンターを用い延伸軸が斜め45度となるように延伸し、厚み20μmの偏光層を調製した。
PVAフィルムをヨウ素5.0g/L、ヨウ化カリウム10.0g/Lの水溶液に25℃にて90秒浸漬し、さらにホウ酸10g/Lの水溶液に25℃にて60秒浸漬後、テンター延伸機に導入し、60℃90%雰囲気下で7.0倍に一旦延伸した後5.3倍まで収縮させ、以降幅を一定に保ち、70℃で乾燥した後テンターより離脱した。延伸開始前のPVAフィルムの揮発分率は31%で、乾燥後の揮発分率は1.5%であった。左右のテンタークリップの搬送速度差は、0.05%未満であり、導入されるフィルムの中心線と次工程に送られるフィルムの中心線のなす角は、0゜であった。
(3)貼り合わせ
このようにして得た偏光層と、上記鹸化処理した炭酸ストロンチウム微結晶含有延伸セルロースアシレートフィルム試料7を、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、偏光軸とセルロースアシレートフィルムの長手方向が45度となるように張り合わせ、偏光板Aを得た。同様にして、鹸化処理した炭酸ストロンチウム微結晶を含有しない延伸セルロースアシレートフィルム試料1についても、偏光板Bを得た。
<液晶表示装置の作成>
垂直配向型液晶セルを使用した液晶表示装置(VL−1530S、富士通(株)製)に設けられている一対の偏光板および一対の光学補償シートを剥がし、代わりに本発明の偏光板A(試料7を使用)をフジタック側が液晶セル側となるように接着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向、そしてバックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるようにクロスニコル配置をとった。
こうして作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM製)を用いて上下左右方向でコントラスト比10:1が得られる最小の視野角を求め、その結果を表3に示した。併せて全面黒表示にしたときの、表示ムラ(ぼんやり雲状に明るくなっている領域)の面積割合を%で示した。
また、比較例である偏光板B(試料1を使用)についても同様の評価を行った。
Figure 2006143873

Claims (7)

  1. アシル基が下記の置換度を満足するセルロースアシレート樹脂に、負の複屈折を有する無機微粒子が含有されていることで、該樹脂膜の溶融製膜過程で生ずる配向複屈折が低減されていることを特徴とするセルロースアシレート樹脂膜。
    2.5≦X+Y≦3.0
    0≦X≦1.8
    1.2≦Y≦3.0
    X:アセチル基の置換度
    Y:炭素数3〜6のアシル基の置換度の総和
  2. 請求項1に記載のセルロースアシレート樹脂膜において、該セルロースアシレート樹脂に添加される前記無機微粒子が、その平均アスペクト比が2.0以上である針状又は棒状粒子であり、且つ体積平均粒子サイズが500nm以下であることを特徴とするセルロースアシレート樹脂膜。
  3. 請求項1または2に記載のセルロースアシレート樹脂膜において、該セルロースアシレート樹脂に添加される前記無機微粒子が、霰石型結晶構造を有するアルカリ土類金属の炭酸塩であることを特徴とするセルロースアシレート樹脂膜。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のセルロースアシレート樹脂膜において、該セルロースアシレート樹脂に添加される前記無機微粒子の添加量が、該セルロースアシレート樹脂に対して0.1〜5質量%の範囲にあることを特徴とするセルロースアシレート樹脂膜。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のセルロースアシレート樹脂膜を製造する方法であって、該セルロースアシレート樹脂に前記無機微粒子を混練分散する工程、および射出成形工程を含むセルロースアシレート樹脂膜の製造方法。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のセルロースアシレート樹脂膜をその構成部材として用いたことを特徴とする液晶表示素子。
  7. 請求項6に記載の液晶表示素子において、前記セルロースアシレート樹脂膜の複屈折の絶対値が2×10-4以下であることを特徴とする液晶表示素子。
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