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JP2006141320A - 複数の核酸断片をクローニングする方法 - Google Patents

複数の核酸断片をクローニングする方法 Download PDF

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JP2006141320A JP2004337985A JP2004337985A JP2006141320A JP 2006141320 A JP2006141320 A JP 2006141320A JP 2004337985 A JP2004337985 A JP 2004337985A JP 2004337985 A JP2004337985 A JP 2004337985A JP 2006141320 A JP2006141320 A JP 2006141320A
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Fumio Imamoto
文男 今本
Takeshi Sone
岳史 曽根
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Abstract

【課題】複数種の核酸断片を担持するベクターを効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】2つの組換え部位に隣接した核酸断片を2つ以上含み2つの組換え部位に隣接したカセットを含むドナーベクターと、部位特異的組換えタンパク質とをインキュベートすることで、エントリーベクターに含まれる2つの組換え部位に隣接した核酸断片の1つと、ドナーベクターに含まれる2つの組換え部位に隣接したカセットとを交換し、1つの核酸断片と1つのカセットとを含むモジュラーデスティネーションベクターを構築する。モジュラーデスティネーションベクターと2つの組換え部位に隣接した2つの核酸断片エントリーベクターと部位特異的組換えタンパク質とをインキュベートし、モジュラーデスティネーションベクターに含まれるカセットとエントリーベクターに含まれる2つの組換え部位に隣接した2つの核酸断片とを交換し、3つの核酸断片を含むベクターを構築する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数種、特に3種以上の核酸断片を含むベクターを構築する方法に関する。
細胞内の多くのタンパク質は複合体を形成しており、中でも2量体は最も多い。ヒト細胞では、その2/3はヘテロ2量体であり、異なるサブユニット因子の相互作用で形成されている。従って、機能性タンパク質複合体の形成、一時的タンパク質−タンパク質相互作用、及び機能性タンパク質の細胞内所在地決定などに関する研究分野においては、複数遺伝子の同時導入と発現を共役的に行うことが必要とされる。それと共に、過剰発現によるプロテオーム機能の損傷がないように配慮する必要もある。
従来の細胞への遺伝子導入法では、例えば2種類の遺伝子は、それぞれを担持する2種類の組換えプラスミドの共導入によって行なわれていた。この場合には、それぞれの組換えプラスミドの細胞への導入効率は同一でなく、いずれか一種類が優位に導入されることが多く、2種類の組換えプラスミドが共に同数で導入されることはむしろ稀であった。この事情は、3種類遺伝子の同時導入になるともっと深刻であった。
一方、形質転換法には、トランジェント形質転換法とステーブル形質転換法がある。トランジェント形質転換法は比較的容易であり、多量のタンパク質産生の目的には適するが、細胞機能を損なう場合が多かった。一方ステーブル形質転換法ではタンパク質を細胞機能を損なわずに発現させることが可能であると考えられるが、従来のトランスフェクション条件では染色体へ限定数の遺伝子を導入することは容易でなかった。その理由は、不特定多数のcDNAが染色体の活性や不活性領域にランダムに挿入され、その85%以上がヘテロクロマチン領域に入って発現しないためであると報告されている。
これを解決するために、複数の遺伝子単位を含み、かつステーブル形質転換可能な発現ベクターを構築することが有用と考えられる。この目的のためには、1個のベクター上に複数種のcDNAを担持する発現ベクターを迅速かつ簡便に構築することが必要とされる。各cDNAの混成発現の制御は、各cDNAに適切なプロモーターを連結することによって、所望のレベルで達成することができると考えられる。
目的の核酸断片を含む発現ベクターを構築する手法として、単離された核酸断片の両端に制限酵素が作用する塩基配列を接続し、ベクターにもその部位を作ってから制限酵素とリガーゼを用いて挿入する手法が従来用いられてきた。しかし、このような手法は非常に時間がかかるため、この手法によって複数種の核酸断片を発現ベクターに挿入するのは至難であった。しかし、複数種の核酸断片を含む発現ベクターを構築する手法として、in vitro部位特異的組換え技法であるGateway(商標)クローニング法が報告された。この方法を用い、一定の順番及び配向性で核酸断片群を構築して受容ベクターに連結することにより、複数種の核酸断片を含有する発現ベクターを製造することができる(非特許文献1)。従来のGateway(商標)クローニング法では、2種類のシグナル配列、att1及びatt2が利用されてきた(非特許文献2)。また近年、3種の核酸断片を同時クローニングにより発現ベクターに導入するためのものとして、Gateway(商標)シグナルであるatt3及びatt4が、MultiSite Gateway(商標)Three−Fragment Vector Construction Kitとして入手できるようになった。これらのシステムで使用する標準的デスティネーションベクターは、2個のattRシグナルに隣接させたクロラムフェニコール耐性(Cm)遺伝子及び毒性遺伝子(ccdB)(非特許文献3)のカセットを含有するものである。しかし、このデスティネーションベクターを使用して3種を超える遺伝子を同時クローニングすることについては報告されていない。
Sasaki, Y., Sone, T., Yoshida, S., et al. (2004) J. Biotechnol., 107, 233-243 Hartley, J.L., Temple, G.F. & Brasch, M.A. (2000) Genome Res., 10, 1788-1795 Bernard, P., Kezdy, K.E., Van Melderen, L., et al. (1993) J. Mol. Biol., 234, 534-541
本発明者らは、Gateway(商標)DNAクローニングシステムにおいて、組換える核酸断片の数を増やして同時クローニングを行うと、組換え効率が著しく低下し、1個の融合構造物中に複数種の核酸断片を担持するベクターを構築するのは、上記システムをもってしても非常に困難であることを見いだした。従って、本発明の課題は、複数種の所望の核酸断片を担持するベクターを効率的に製造する方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、少なくとも2つの核酸断片を含む発現ベクターにおいて、特異的組換え部位を用いることにより、少なくとも1つの核酸断片をカセットと交換し、さらに、該カセットを少なくとも2つの所望の核酸断片と組換えることにより、組換え効率を低下させることなく、3つ以上の核酸断片を含むベクターを構築できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)少なくとも3つの所望の核酸断片を含むベクターを構築する方法であって、以下の(a)及び(b)の工程:
(a)少なくとも2つの組換え部位に隣接した核酸断片を2つ以上含む発現ベクターと、
少なくとも2つの組換え部位に隣接したカセットを含むドナーベクターと、
部位特異的組換えタンパク質とをインキュベートすることにより、
発現ベクターに含まれる少なくとも2つの組換え部位に隣接した核酸断片の少なくとも1つと、ドナーベクターに含まれる少なくとも2つの組換え部位に隣接したカセットとを交換し、少なくとも1つの核酸断片と少なくとも1つのカセットとを含むモジュラーデスティネーションベクターを構築する工程、
(b)(a)で得られたモジュラーデスティネーションベクターと、
少なくとも2つの組換え部位に隣接した少なくとも2つの核酸断片を含むエントリーベクターと、
部位特異的組換えタンパク質とをインキュベートすることにより、
モジュラーデスティネーションベクターに含まれるカセットと、エントリーベクターに含まれる少なくとも2つの組換え部位に隣接した少なくとも2つの核酸断片とを交換し、少なくとも3つの所望の核酸断片を含むベクターを構築する工程、
を含む前記方法。
(2)発現ベクター又はエントリーベクターに含まれる核酸断片がcDNAを含む、(1)記載の方法。
(3)ドナーベクターが少なくとも1つの選択マーカーを含む、(1)又は(2)記載の方法。
(4)発現ベクター又はエントリーベクターが少なくとも1つの選択マーカーを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)組換え部位が、loxP、attB、attP、attL及びattRからなる群より選択される、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)組換えタンパク質がインテグラーゼである、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の方法を実施するためのキットであって、少なくとも2つの組換え部位に隣接したカセットを含むドナーベクターを含む、該キット。
本発明により、複数種の核酸断片を含むベクターを効率的に構築することができる。
本発明は、少なくとも3つの所望の核酸断片を含むベクターを構築する方法に関する。本発明において、核酸にはDNA及びRNAが含まれ、核酸断片には、DNA断片及びRNA断片が包含され、好ましくはDNA断片である。本発明においてベクターに挿入する核酸断片は、PCR産物、大きなDNAセグメント、ゲノムクローン又はフラグメント、cDNAクローン又はフラグメント、機能性エレメントなど、及び有用な核酸又はタンパク質をコードする遺伝子又は部分的遺伝子を含むが、それらに限定されない。好ましくは、少なくとも1つのcDNAを含む核酸断片であり、場合により2つ以上cDNAを含む核酸断片である。
本発明においてベクターは、当技術分野において通常用いられる意味を有し、組換えDNA技術において、外来性核酸を組み込み、宿主細胞中で増えることのできる核酸分子、好ましくはDNAをさす。ベクターとしては、例えば、プラスミドベクター、ファージベクター、ウイルスベクターなどが挙げられる。直鎖状のものも環状のものも包含される。また、本発明においては、上記ベクターに所望の核酸断片等を挿入して得られた核酸分子もまた、ベクターに包含される。
本発明の方法では、少なくとも2つの組換え部位に隣接した核酸断片を2つ以上含む発現ベクターを用いる。少なくとも2つの組換え部位に隣接した核酸断片とは、発現ベクターにおいて、核酸断片の少なくとも両端に組換え部位が存在することを意味する。少なくとも2つの組換え部位の間に存在する核酸断片は、特に制限されず、所望の核酸断片、通常、所望の遺伝子をコードするcDNAである。核酸断片がcDNAを2種以上含んでいてもよく、さらにその他の配列を含んでいてもよい。少なくとも2つの組換え部位に隣接した核酸断片を2つ以上含むとは、核酸断片とその少なくとも両端に存在する組換え部位とを含む領域が、発現ベクターに2つ以上存在することを意味する。発現ベクターは、さらなる核酸断片及び組換え部位を含んでいてもよい。発現ベクターに含まれる組換え部位は、通常、実質的に互いに組換わらない。
発現ベクターは、通常、選択マーカーを含む。さらに、好ましくは、核酸断片とその両端の組換え部位を含む各領域の上流にプロモーターをそれぞれ含む。また、発現ベクターは好ましくは、核酸断片同士の間に、転写終結シグナルとして働くポリアデニン付加配列と転写開始シグナルとして働くプロモーター配列を一続きの核酸断片として連結したカセット構造、好ましくはpA−Pカセットを含む。
最大3つまでの所望の核酸断片を含む発現ベクターは、当技術分野で公知の方法を用いて調製できる。例えば、目的の核酸断片に2つ以上の組換え部位を付加してクローン化し、該クローンを用いてGateway(商標)クローニング法を実施することにより、1回の組換え反応によって最大3つまでの核酸断片を含む発現ベクターを作製することができる(WO99/21977、非特許文献1)。一実施形態として、3つの標的核酸断片(cDNA1及びcDNA2及び転写終結シグナルとして働くポリアデニン付加配列と転写開始シグナルとして働くプロモーター配列を一続きの核酸断片として連結したカセット構造)を含む発現ベクターの調製方法の概要を図1Cに示す。 目的の核酸断片に2つ以上の組換え部位を付加する技術としては、例えば、核酸分子の変異誘発(例えば、ランダム又は部位特異的変異誘発)、組換え技術(例えば、アダプターの連結又は核酸分子の組換え部位を含む直鎖分子への連結)、増幅(例えば、組換え部位又はその部分を含むプライマーを使用する)、遺伝子転移(例えば、組換え部位を含むトランスポゾンを使用する)、組換え(例えば、組換え部位を含む1つ以上の相同な配列を使用する)、核酸合成(例えば、組換え部位を含む分子の化学的合成又は種々のポリメラーゼ若しくは逆転写酵素を使用する酵素学的合成)が挙げられる。目的の核酸断片は、任意の供給源から由来する任意の核酸断片であり、非天然の核酸を含む。
本発明の方法では、少なくとも2つの組換え部位に隣接したカセットを含むドナーベクターを用いる。ドナーベクターに含まれる組換え部位は、通常、実質的に互いに組換わらないものである。カセットは、選択マーカーを少なくとも1つ含む核酸断片を意味し、好ましくは少なくとも2つの別種の選択マーカーを含む。本発明において、カセットは、選択マーカーとして、好ましくは、薬剤耐性遺伝子配列(好ましくは、クロラムフェニコール耐性遺伝子配列)及び毒性遺伝子配列(好ましくは、ccdB)を含む。ドナーベクターは、通常、カセット以外の領域にさらなる選択マーカーを含み、該選択マーカーは、好ましくはカセットに含まれる選択マーカーとは別種のものである。ドナーベクターは、さらに複製起点を含んでいてもよい。
本発明の方法では、少なくとも2つの組換え部位に隣接した核酸断片を2つ以上含むエントリーベクターを用いる。少なくとも2つの組換え部位に隣接した核酸断片とは、エントリーベクターにおいて、核酸断片の少なくとも両端に組換え部位が存在することを意味する。少なくとも2つの組換え部位の間に存在する核酸断片は、特に制限されず、所望の核酸断片、通常、所望の遺伝子をコードするcDNAである。核酸断片がcDNAを2種以上含んでいてもよく、さらにその他の配列を含んでいてもよい。少なくとも2つの組換え部位に隣接した核酸断片を2つ以上含むとは、核酸断片とその少なくとも両端に存在する組換え部位とを含む領域が、エントリーベクターに2つ以上存在することを意味する。エントリーベクターは、さらなる核酸断片及び組換え部位を含んでいてもよい。エントリーベクターに含まれる組換え部位は、通常、実質的に互いに組換わらない。
エントリーベクターは、通常、選択マーカーを含む。さらに、好ましくは、核酸断片とその両端の組換え部位を含む各領域の上流にプロモーターをそれぞれ含む。また、エントリーベクターは好ましくは、核酸断片同士の間に、転写終結シグナルとして働くポリアデニン付加配列と転写開始シグナルとして働くプロモーター配列を一続きの核酸断片として連結したカセット構造、好ましくはpA−Pカセットを含む。
図1Cの後半部分に、少なくとも2つの組換え部位に隣接した少なくとも2つの核酸断片を含む発現ベクターと少なくとも2つの組換え部位をもつドナーベクターの組換え反応を行うことにより、発現ベクターの骨格をドナーベクターと交換し、少なくとも2つの組換え部位に隣接した少なくとも2つの核酸断片を含むエントリーベクターを作製する行程を示す。
発現ベクター、エントリーベクター及びドナーベクターを構築するために使用しうるベクターは、特に限定されず、原核生物ベクター又は真核生物ベクターのいずれも使用できる。また、発現ベクター、融合ベクター、ツーハイブリッド又は逆ツーハイブリッドベクター、シャトルベクターなども使用でき、当業者であれば目的に応じて適宜選択できる。
真核生物ベクターには、酵母細胞、植物細胞、魚細胞、真核生物細胞、哺乳動物細胞又は昆虫細胞中で増殖又は複製するベクターが含まれ、原核生物ベクターには、Escherichia属、Salmonella属、Bacillus属、Streptomyces属又はPseudemonas属等の細菌中で増殖又は複製するベクターが含まれる。
真核生物ベクターの具体例としては、pFastBac、pFastBac HT、pFastBac DUAL、pSFV、pTet−Splice、pEUK−C1、pPUR、pMAM、pMAMneo、pBI101、pBI121、pDR2、pCMVEBNA、YACneo、pSVK3、pSVL、pMSG、pCH110、pKK232−8、p3’SS、pXT1、pSG5、pPbac、pMbac、pMC1neo、及びpOG44、pYES2、pAC360、pBlueBacHis、pVL1392、pBlueBacIII、pCDM8、pcDNA1、pZeoSV、pcDNA3、pREP4、pCEP4、並びにpEBVHis又はその誘導体若しくは改変体が挙げられる。
原核生物ベクターの具体例としては、pcDNAII、pSL301、pSE280、pSE380、pSE420、pTrcHis、pRSET、pGEMEX−1、pGEMEX−2、pET、pTrc99A、pKK223−3、pGEX、pEZZ18、pRIT2T、pMC1871、pKK233−2、pKK388−1、並びにpProEx−HT又はその誘導体若しくは改変体が挙げられる。
2−ハイブリッド及び逆2−ハイブリッドベクターの具体例としては、pPC86、pDBLeu、pDBTrp、pPC97、p2.5、pGAD1−3、pGAD10、pACt、pACT2、pGADGL、pGADGH、pAS2−1、pGAD424、pGBT8、pGBT9、pGAD−GAL4、pLexA、pBD−GAL4、pHISi、pHISi−1、placZi、pB42AD、pDG202、pJK202、pJG4−5、pNLexA及びにpYESTrp又はその誘導体若しくは改変体が挙げられる。
本発明においては、工程(a)において、上記発現ベクターと、ドナーベクターと、部位特異的組換えタンパク質とをインキュベートすることにより、発現ベクターに含まれる少なくとも2つの組換え部位に隣接した核酸断片の少なくとも1つと、ドナーベクターに含まれる少なくとも2つの組換え部位に隣接したカセットとを交換する。この交換反応により、少なくとも1つの核酸断片と少なくとも1つのカセットとを含むモジュラーデスティネーションベクターを構築する。さらに工程(b)において、(a)で得られたモジュラーデスティネーションベクターと、エントリーベクターと、部位特異的組換えタンパク質とをインキュベートすることにより、モジュラーデスティネーションベクターに含まれるカセットと、エントリーベクターに含まれる少なくとも2つの組換え部位に隣接した少なくとも2つの核酸断片とを交換する。この交換反応により、少なくとも3つの所望の核酸断片を含むベクターを構築する。
ここで、エントリーベクターに含まれる少なくとも2つの組換え部位に隣接した少なくとも2つの核酸断片とは、少なくとも2つの所望の核酸断片が存在する領域の少なくとも両端に組換え部位が存在することを意味する。そしてこの両端の組換え部位で組換えが起こることにより、2つの所望の核酸断片を含む領域がデスティネーションベクターに挿入される。本発明において、モジュラーデスティネーションベクターは、ドナーベクターに含まれるカセット及び最初の発現ベクターに含まれた核酸断片の少なくとも1つを含むベクターを指す。
本発明において、核酸断片とカセット、及びカセットと核酸断片の間の交換は、部位特異的組換えタンパク質(リコンビナーゼ並びに会合するコファクター及びタンパク質を含む)の使用によって達成される。種々の組換えタンパク質が当該分野において記載されている。このようなリコンビナーゼの例として、Cre及びインテグラーゼが挙げられる。本発明においては、インテグラーゼを用いるのが好ましい。
Creは、バクテリオファージP1由来のタンパク質(Abremski及びHoess、J.Biol.Chem.259(3):1509-1514(1984))であり、loxP(交叉の遺伝子座)部位と呼ばれる34bpDNA配列間の交換を触媒する(Hoessら、Nucl.Acids Res.14(5):2287(1986))。Creは市販されている(Novagen、カタログNo.69247−1)。Creによって媒介される組換えは、可逆的である。Creは、当該分野において周知のように、補因子としてマグネシウム又はスペルミジンのいずれかを含む単純な緩衝液中で働く。交換される核酸は、直鎖状又は超らせん状のいずれでもよい。多くの変異体loxP部位が記載されている(Hoessら、前掲)。これらの1つloxP511は、別のloxP511部位と組換えるが、loxP部位とは組換えない。
インテグラーゼは、λゲノムのE.coli染色体への組込みを媒介する、バクテリオファージλ由来のタンパク質である。バクテリオファージλInt組換えタンパク質は、att部位間の組換えを促進する。組換え反応は、組込み組換え及び切り出し組換えのための2つの独立した経路から生じる。4つのタンパク質(Int、Xis、IHF及びFIS)が関与する協同的及び競合的相互作用が組換えの方向を決定する。
組込み組換えには、Int及びIHFタンパク質、並びに部位attP(240bp)及びattB(25bp)が関与する。組換えは、2つの新たな部位であるattL及びattRの形成を生じる。切り出し組換えは、attP及びattBを生成するために、Int、IHF、及びXis、並びに部位attL及びattRを必要とする。特定の条件下で、FISは、切り出し組換えを刺激する。これらの正常な反応に加えて、attP及びattBは、同一分子上に配置される場合、切り出し組換えを促進して2つの切り出し産物(attLを有するものと、attRを有するもの)を生成する。同様に、attLを含む分子とattRを含む分子との間での分子間組換えは、Int、IHF及びXisの存在下で、組込み組換え並びにattP及びattBの生成を生じ得る。従って、核酸断片を、操作したatt部位の適切な組合せと隣接させることによって、適切な組換えタンパク質の存在下で、切り出し組換え又は組込み組換えを互いの逆反応として導き得る。
att部位のそれぞれは、15bpのコア配列を含む。機能的に重要な個々の配列エレメントは、この共通コアの境界の範囲内に、外側に、及びその境界を横切って存在する(Landy,A.,Ann.Rev.Biochem.58:913(1989))。
また、インテグラーゼはバクテリオファージλ上のattP部位(約240bp)をE.coliゲノム上のattB部位(約25bp)と組換えて(Weisberg,R.A.及びLandy,A.Lambda II、p.211(1983)、Cold Spring Harbor Laboratory)、attL(約100bp)及びattR(約160bp)部位によって隣接された、組み込まれたλゲノムを生成するように作用する。Xisの非存在下では、この反応は本質的に不可逆的である。インテグラーゼ及びIHFによって媒介される組込み反応は、インビトロで、スペルミジンを含む単純な緩衝液を用いて実施できる。
本発明において組換え部位は、部位特異的組換えタンパク質が認識して結合する部位を意味する。従って、例えば、Creリコンビナーゼのための組換え部位であるloxP(Sauer, B., Current Opinion in Biotechnology 5:521-527 (1994)の図1)、λインテグラーゼにより認識されるattB、attP、attL及びattR配列(Landy,Current Opinion in Biotechnology 3:699-707(1993))が挙げられる。
操作された組換え部位としては以下のものが挙げられる。例えば、att部位は、組換え反応の特異性又は効率及び産物DNAの性質を増強するために(例えば、att1、att2、及びatt3部位)、逆反応を減少させるために(例えば、attRからのP1及びH1の除去)、1又は複数の変異を有するように操作され得る。従って、変異は、部位特異的組換えを増強するために組換え部位に導入され得る。このような変異には、翻訳終止コドンを有しない組換え部位(これは、融合タンパク質がコードされることを可能にする);同一のタンパク質によって認識されるが塩基配列が異なる組換え部位及び組換え部位のヘアピン形成を防ぐ変異体が含まれるが、これらに限定されない。どの特定の反応が起こるかは、どの特定のパートナーが反応混合物中に存在するかによって特定される。例えば、三部分タンパク質融合体は、組換え部位attR1及びattL1;並びにattB3;attR1;attP3及び10xP;並びに/又はattR3及び10xP;並びに/又はattR3及びattL2を含む親プラスミドを用いて達成され得る。本発明において組換え部位は、好ましくは、att1、att2、att3、att4、att5及びatt6から選択される。上記組換え部位については、例えば、WO96/40724、WO99−21977及び新遺伝子工学ハンドブック(改訂第4版)羊土社に記載されている。
本発明において、選択マーカーは、特定の条件下で、それを含有する分子又は細胞を選択する、あるいはそれを含有しない分子又は細胞を選択することを可能にする、核酸配列である。選択マーカーの例としては以下が挙げられるがそれらに限定されない。(1)毒性ある薬剤(例えば、クロラムフェニコール、アンピシリン、カナマイシンなどの抗生物質)に対する耐性を提供する産物をコードする配列(薬剤耐性遺伝子配列)、(2)レシピエント細胞において別に欠如している産物をコードする配列(例えば、tRNA遺伝子、栄養要求マーカー)、(3)遺伝子産物の活性を抑制する産物をコードする配列、(4)容易に同定され得る産物をコードする配列(例えば、βガラクトシダーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、及び細胞表面タンパク質のような表現型マーカー)、(5)レピシエント細胞において毒性である産物をコードする配列(毒性遺伝子配列)などである。
毒性遺伝子の例は当該分野において周知であり、制限エンドヌクレアーゼ遺伝子(例えば、DpnI)、アポトーシス関連遺伝子(例えば、ASK1又はbcl−2/ced−9ファミリーのメンバー)、レトロウイルス遺伝子(ヒト免疫不全ウイルスの毒性遺伝子産物を含む)、抗生物質感受性遺伝子(例えば、rpsL)、抗菌剤感受性遺伝子(例えば、pheS)、プラスミド殺傷遺伝子、及び抑制機能の非存在下で宿主を傷害する遺伝子(例えば、kicB又はccdB)を含むがそれらに限定されない。本発明の組換え反応においては、通常、上記のような選択マーカーを利用して、所望の組換え産物の選択、富化又は同定を行う。
本発明の一実施形態を図2を参照することにより以下に説明する。まず、attB1及びattB4に隣接した核酸断片cDNA1と、attB3及びattB2に隣接した核酸断片cDNA2を含むエントリーベクター1(2種cDNAタンデムpEXPR)を調製する(図2A及びB)。続いて、部位特異的組換えタンパク質の存在下、選択マーカーであるccdBとクロラムフェニコール耐性遺伝子配列(Cm)を含むカセットであって、attP3とattP2に隣接したカセットを含むドナーベクター(pDONR−P3P2)と、エントリーベクター1とをインキュベートする(図2B)。これにより、attB1及びattB4に隣接した核酸断片cDNA1と、attR3とattR2に隣接したカセットを含むモジュラーデスティネーションベクター(モジュラーpDEST)が得られる(図2C)。続いて、部位特異的組換えタンパク質の存在下、このモジュラーデスティネーションベクターと、attL3とattB6に隣室した核酸断片cDNA2及びattB5とattL2に隣接した核酸断片cDNA3を含むエントリーベクター2とをインキュベートする(図2C)。これにより、attB1及びattB4に隣接した核酸断片cDNA1と、attB3とattB6に隣室した核酸断片cDNA2と、attB5とattB2に隣接した核酸断片cDNA3を含むベクターが得られる(図2D)。
本発明はまた、本発明の方法を実施するためのキットに関する。該キットは、少なくとも2つの組換え部位に隣接したカセットを含むドナーベクターを含む。該キットはさらに、組換えタンパク質又はリコンビナーゼ、宿主細胞(例えば、コンピテントセル)を含み得る。
蛍光タンパク質のクローン
標的cDNA産物を標識するか、又は単に発現させるために、別種の励起及び放出波長を持つ、5タイプの蛍光タンパク質を使用した。これらは以下のものである:EGFP(BD Biosciences Clontech Inc.;GenBank受け入れ番号:U55763)(Cormack, B.P., Valdivia, R.H. & Falkow, S. (1996) Gene, 173, 33-38;Zhang, G., Gurtu, V. & Kain, S.R. (1996) 227, 707-711)、Venus(EYFP−F46L/F64L/M153T/V163A/S175G)(Nagai, T., Ibata, K., Park, E.S., Kubota, M., Mikoshiba, K. & Miyawaki, A. (2002) Nat Biotechnol, 20, 87-90)、SECFP(ECFP−K27R/N165H)(Zhang, J., Ma, Y., Taylor, S.S. & Tsien, R.Y. (2001) Proc. Natl. Acad. Sci. U S A, 98, 14997-15002)、DsRed2(BD Biosciences Clontech Inc.)(Matz, M.V., Fradkov, A.F., Labas, Y.A., et al. (1999) Nat. Biotechnol., 17, 969-973;Terskikh, A.V., Fradkov, A.F., Zaraisky, A.G., Kajava, A.V. & Angres, B. (2002) J. Biol. Chem., 277, 7633-7636)及びmRFP1(GenBank受け入れ番号:AF506027、Campbell, R.E., Tour, O., Palmer, A.E., et al. (2002) Proc. Natl. Acad. Sci. U S A, 99, 7877-7882)。対応する蛍光タンパク質ORFを含有する組換えプラスミド、pEGFP−C1(BD Biosciences Clontech Inc)、pCS2−Venus、pRSETB−SECFP、pDsRed2−N1(BD Biosciences Clontech Inc)及びpRSETB−mRFP1を、PCRのための鋳型として使用した。EGFP及びmRFP1を含有する哺乳動物発現ベクター(pCXN−EGFP及びpCXN−mRFP1)も、トランスフェクションアッセイの対照ベクターとして使用した。
ドナーベクター
ドナーベクターを使用して、その一対のattPシグナルに隣接したccdB−Cmカセットと一対のattBシグナルに隣接したDNA断片とをBP反応で交換することによって、DNA断片をクローン化した。この実験で使用したドナーベクター(pDONR)はpDONR201(Invitorogen)から構築した。これはattP1及びattP2を持つが、既報(Sasaki, Y., Sone, T., Yoshida, S., et al. (2004a) J. Biotechnol., 107, 233-243)に記載されているように、変異型attPシグナルを生成するように、attPシグナルを改変している(P3、P4、P5、P6、並びにその逆方向相当物、P3r、P4r、P5r、及びP6r)。これらは以下のものである:pDONR−P1P4、pDONR−P1P6、pDONR−P1P3r、pDONR−P1P5r、pDONR−P3P2、pDONR−P5P2、pDONR−P4rP2、pDONR−P6rP2、pDONR−P4rP3r、pDONR−P6rP5r、pDONR−P3P6、pDONR−P5P4、及びpDONR−P2rP4。
デスティネーションベクター
EF1−αプロモーター1個を持つ通常の発現ベクターの構築のため、pEF5/FRT/V5−DEST(Invitorogen)を使用した。このデスティネーションベクター(pDEST)は、attR1−ccdB−Cm−attR2カセットを持ち、5’及び3’末端にそれぞれヒトEF−1aプロモーター及びウシ成長ホルモンのポリアデニル化シグナルを含む。pEF5/FRT/V5−DESTをHindIIIで消化し、ヒトEF−1aプロモーターの1.3kb断片の切除によって、プロモーターを含まないデスティネーションベクターを構築した。pFRT/V5−DESTと命名したこのデスティネーションベクターは、第1プロモーターシグナルをpENTR中にクローン化した断片として添加する場合に使用した。
複数遺伝子発現ベクター(pEXPR)を構築するために、ccdB−Cmカセットのそれぞれの末端のattR1及びattR2に代えて、任意のattR又はattLシグナルの組み合わせを所有するデスティネーションベクターを設計した。この一時的デスティネーションベクターの使用例を図1Cに示す。これらのベクターは、両端でattBシグナルに隣接しているEGFP遺伝子を含有するPCR産物を、ライゲーションによってpUC18のHincII部位に挿入した後、BP反応によって、EGFP遺伝子を対応するattPシグナルを持つドナーベクターのccdB−Cmカセットと交換する(Sasakiら、2004a前掲)ことによって、構築した。この実験で使用した一時的デスティネーションベクターは以下のものである:pUC−DEST−R3R2、pUC−DEST−R5R2、pUC−DEST−R1R4、pUC−DEST−R1R6、pUC−DEST−R3R6、及びpUC−DEST−R5R4。
エントリーベクター
蛍光タンパク質−ORFを含有するエントリーベクター(pENTR)を以下のようにして構築した。例えばattBx−SDK−EGFP(ORF)−attBy(attBx又はattBy:任意のattB配列、SDK:Shine−Dalgarno配列及びKozak配列を持つDNA断片の調製については、PCRによるORF断片の増幅のための鋳型として、そのcDNAを保有するプラスミドベクターを使用した。フォワードプライマー(Fw)混合物(attBx−SDK及びSDK−EGFP(ORF)、相対量10/100)並びにattBy()−EGFP(ORF)のリバースプライマー(Rv)を使用して、増幅反応を組み立てた。attBに隣接したORF断片で構成されるN−末端融合物(SDK配列を含まない)の調製では、attBx−EGFP−Fwプライマー及びattBy−EGFP−Rvプライマーのみを使用して、attBx−EGFP(ORF)−attByを増幅させた。使用したattBに隣接したPCRプライマーを表1に掲載する。
この場合、EGFP、SECFP及びVenusのORFはその名称中に「EGFP」を含む同一のプライマーセットで増幅した。なぜならば、これらのORFのN−及びC−末端配列は同一だからである。DsRed2又はmRFP1のORFはそれぞれその名称中に「DsR2」又は「mRFP1」を含む別種のプライマーセットで増幅した。BP反応で、attBに隣接するPCR産物を、対応するattPシグナルを含むドナーベクターと組換えて、蛍光タンパク質を含むエントリーベクターを作製した。ABI PRISM(商標)3100 Genetic Analyzer(Applied Biosystems Inc.)で配列解析することによって、エントリーベクターを確認した。
この実験で使用した蛍光タンパク質をコードするORFを含むエントリーベクターは以下のものである:pENTR−L1−SDK−EGFP−L2、pENTR−L1−SDK−SECFP−L2、pENTR−L1−SDK−Venus−L2、pENTR−L1−SDK−DsRed2−L2、pENTR−L1−SDK−mRFP1−L2、pENTR−R6−SDK−EGFP−L2、pENTR−R6−SDK−SECFP−L2、pENTR−R6−SDK−Venus−L2、pENTR−R6−SDK−mRFP1−L2、pENTR−L1−SDK−EGFP−L4、pENTR−L3−SDK−DsRed2−L2、pENTR−L1−SDK−EGFP−L6、pENTR−L5−SDK−mRFP1−L2、pENTR−L1−SDK−mRFP1−L6、pENTR−L5−SDK−EGFP−L2、pENTR−L5−EGFP−L2、pENTR−R6−SDK−mRFP1−L4、pENTR−L3−SDK−Venus−L2、pENTR−L3−SDK−SECFP−L6、pENTR−L5−SDK−DsRed2−L2、pENTR−L3−EGFP−L6、pENTR−L5−SDK−mRFP1−L4、pENTR−L3−mRFP1−L6、pENTR−L5−SDK−EGFP−L4、pENTR−L5−SDK−mRFP1−L2、pENTR−L3−EGFP−L2及びpENTR−L1−SDK−mRFP1−L4。
ヒトアクチンキャップタンパク質のサブユニット、CPα1(GenBank受け入れ番号:U56637)(Hart, M.C., Korshunova, Y.O. & Cooper, J.A. (1997) Cell Motil Cytoskeleton, 38, 120-132)及びCPβ2(GenBank受け入れ番号:U03271)(Barron-Casella, E.A., Torres, M.A., Scherer, S.W., Heng, H.H., Tsui, L.C. & Casella, J.F. (1995) J Biol Chem, 270, 21472-21479;Hart, M.C. & Cooper, J.A. (1999) J Cell Biol, 147, 1287-1298)、並びにβ−アクチン(GenBank受け入れ番号:NM_001101)(Gunning, P., Ponte, P., Okayama, H., Engel, J., Blau, H. & Kedes, L. (1983) Mol Cell Biol, 3, 787-795)をコードするORFを含有するpENTRベクターを、これらの遺伝子について特異的な、attBに接続したプライマー(表1)を使用する同様の操作法によって構築した。CPβ2をコードするORFをプラスミドベクター(pEGFP−N1−cpβ2)から増幅させた。CPα1及びβ−アクチンをコードするORFを、鋳型としてヒトcDNAを使用することによって増幅させた。CPβ2、CPα1又はβ−アクチンのORFはそれぞれ「CPb2」、「CPa1」又は「ACT」を含むプライマーセットで増幅した。この実験で使用したすべてのアクチン関連タンパク質をコードするORFを含有するエントリーベクターは、以下のものである:pENTR−L1−SDK−cpβ2−R3、pENTR−R6−SDK−cpβ2−R5、pENTR−R4−cpα1−L2、及びpENTR−R2−cpα1−L4。
ヒトEF−1αプロモーター(GenBank受け入れ番号:J04617)(Kim, D.W., Uetsuki, T., Kaziro, Y., Yamaguchi, N. &Sugano, S. (1990) Gene, 91, 217-223;Uetsuki, T., Naito, A., Nagata, S. & Kaziro, Y. (1989) J Biol Chem, 264, 5791-5798)をコードするエントリーベクター(pENTR−L1−PEF1α−L6)も構築した。EF−1αプロモーターの増幅のための鋳型として、デスティネーションベクター、pEF5/FRT/V5−DESTを使用した。プライマーセット、B1−PEF1α−Fw及びB6−PEF1α−Rvを使用して、EF−1α(PEF1α)のプロモーターシグナルを増幅した。
pEF5/FRT/V5−DESTをHindIII又はXbaIで消化し、ヒトEF−1αプロモーター(PEF1α)の1.3kb断片又はウシ成長ホルモンからのポリアデニル化シグナル(pABGH)を含有する0.6kb断片を、pUC18の対応する制限部位中に順次挿入した。生成したベクターを配列決定し、2つの断片の配向性を確認した。HindIII−pABGH−HindIII−XbaI−PEF1α−XbaIの配向性を持つ構築したプラスミドベクターを鋳型として使用し、プライマーセットとしてB4r−MCS−Fw及びB3r−MCS−Rv、又はB6r−MCS−Fw及びB5r−MCS−Rvを使用することによって、合計2.0kbの断片を増幅させた。BP反応で、attBに隣接したPCR産物をpDONR−P4rP3r又はpDONR−P6rP5rと組換えて、エントリーベクター、それぞれpENTR−R4−pABGH−PEF1α−R3又はpENTR−R6−pABGH−PEF1α−R5(表1)を作製した。停止コドンを欠損しているORFをコードするエントリーベクターの3’末端にpABGH−PEF1αカセットをLR反応によって接続したとき、生成するタンパク質はそのC末端に、18アミノ酸長を含む(翻訳されたattB4r又はattB6rの7aaを含む)。
Figure 2006141320
表1においては、attB部位を太字で示し、下線を付けている。Shine−Dalgarno及びKozak共通配列(SDK)を普通字で示し、下線を付けている。開始コドンATG、及び停止コドンTAA若しくはTAGを枠付きで示す。プライマーの名称は、「接続したシグナル配列(Bx又はSDK)−遺伝子特異的配列(EGFP、DsR2、mRFP、その他)−配向性、フォワード(Fw)又はリバース(Rv)」として示している。停止コドンを含むプライマーにはその名称中に星印()を付している。
in vitro組換え反応
BP Clonase(商標)Enzyme Mix(Invitrogen)及びLR Clonase(商標)Enzyme Mix(Invitrogen)を使用し、供給元の指示及び既報(Sasakiら、2004a前掲)にしたがって、BP及びLR反応を実施した。
1〜5種のエントリーベクター及びデスティネーションベクター1種を使用するMultisite Gateway(商標)LR組換えの効率を、宿主細菌への形質転換後に形成されたコロニーの数として測定した。
各反応後のDNAの混合物を使用して、DH10Bコンピテント細胞(1x10c.f.u./μg pUC19)を形質転換し、次にアンピシリンを含有するLBアガープレート上にこれを塗布した。37℃で18時間のインキュベート後、コロニーを計数した。これらのいくつかを培養し、精製したプラスミドを、アガロースゲル電気泳動によって、そのサイズ及び制限パターンについて、これらが真性の目的ベクターであるか偽性陽性ベクターであるかをチェックした。結果を以下の表2に示す。宿主細菌への形質転換後に形成されたコロニーの数を「コロニー」として表示した列に記載した。
Figure 2006141320
反応に関与する組換え部位の数が増加するにつれて、組換え効率は低下した(A〜E)。6種の組換えシグナルが関与する5種−pENTRで陽性ベクターを獲得するのは困難だった。Fに、Multisite Gateway(商標)LR組換えによる3種−DNAタンデム発現ベクターの構築の効率を、GにこれらのBP組換えによる3種−DNAタンデムエントリーベクターへの変換の効率を示す。また、これらの模式図を図1に示す。形質転換の条件及び構築物のチェックは、陽性エントリーベクターの取得のためにカナマイシンを含有するLB−アガープレートを使用した以外は、A〜Eの場合と同一である。
次に、2種及び4種cDNA−タンデム発現ベクターの構築(図2)、及び2種及び3種融合型cDNA-タンデム発現ベクターの構築を実施した(図3)。
(1)2種及び4種cDNA−タンデム発現ベクターの構築(図2)
(A)pENTR−L1−cDNA1−L4(pENTR−1)、pENTR−R4−pA−P−R3(pENTR−2)及びpENTR−L3−cDNA2−L2(pENTR−3)と、Cm−ccdBカセットの近接部位にプロモーター1個を保有するpDEST(−R1R2)とのLR組換えにより、2種−cDNAタンデム発現ベクターを作製した。4対のattL−attRシグナルが相互に特異的に組換えられる。(B)2種−cDNAタンデム発現ベクターとpDONR−P3P2とのBP組換えにより、B3−cDNA2−B2とCm−ccdBカセットとを交換し、cDNA1個、pA−Pカセット1個及びCm−ccdBカセット1個をタンデム配置で保有するモジュラーpDEST−R3R2を作製した。(C)モジュラーpDEST−R3R2から、2種−cDNAタンデムpENTR(−L3L2)とのLR組換えにより、3種−cDNAタンデム発現ベクターを作製した。(D)3種cDNA−タンデム発現ベクターから、pDONR−P5P2とのBP組換えにより、B5−cDNA3−B2とCm−ccdBカセットとを交換し、cDNA2個、pA−Pカセット2個及びCm−ccdBカセット1個をタンデム配置で保有するモジュラーpDEST−R5R2を作製した。(E)モジュラーpDEST−R5R2から、2種−cDNAタンデムpENTR(−L5L2)とのLR組換えにより、4種−cDNAタンデム発現ベクターを作製した。組換え反応における各段階の効率を以下の表3に要約する。
Figure 2006141320
モジュラーデスティネーションベクターを使用する、3種及び4種−cDNAタンデム発現ベクターの構築効率を、宿主細菌への形質転換後に形成されたコロニーの数として記載した(「コロニー」として表示した列)。A〜Dのアルファベットは、図2に示した組換えの各段階を表す。形質転換の条件及び構築物のチェックは、モジュラーデスティネーションベクターを含有する陽性エントリーベクターの取得のためにDB3.1コンピテント細胞(1x10c.f.u./μg pUC19)を使用した以外は、ほぼ表1の場合と同一である。(A)2種−cDNAタンデム発現ベクターの構築のための、表1C、Fと同様の3種断片の組換え。(B)BP組換えによる、2種−cDNAタンデム発現ベクターのモジュラーデスティネーションベクターへの変換。(C)モジュラーデスティネーションベクター及び2種−cDNAタンデムエントリーベクターを使用する、LR組換えによる3種−cDNAタンデム発現ベクターの構築。(D)BP組換えによる3種−cDNAタンデム発現ベクターのモジュラーデスティネーションベクターへの変換。(E)モジュラーデスティネーションベクター及び2種−cDNAタンデムエントリーベクターを使用する、LR組換えによる4種−cDNAタンデム発現ベクターの構築。
(B,D)偽性陽性ベクターを減少させるため、アンピシリン及びクロラムフェニコールを含有するLB−アガープレート上での第1スクリーニングの後、取得したコロニーを2種類のLB−アガープレート(第1はアンピシリン及びクロラムフェニコールを含み、第2はカナマイシンを含む)に接種することによる、第2スクリーニングを実施した。両プレートでコロニーを形成したベクターは偽性陽性ベクターであるので、これらを除外した。第1スクリーニングで形成したコロニーの数を「コロニー(1st)」と表示した列に示す。第2スクリーニング後のコロニーの数を「コロニー(2nd)」と表示した列に示す。
(2)2種及び3種融合型cDNA−タンデム発現ベクターの構築(図3)
(A)モジュラーpDEST−R5R2(図2B中と同様のもの)から、タンデム配置で融合したcDNApENTR(−L5L2)とのLR組換えにより、単一cDNA、1種融合型cDNAタンデム発現ベクターを作製した。(B)前記1種融合型cDNAタンデム発現ベクターから、BP組換えにより、B1−cDNA1−B6とpDONR−P1P6のCm−ccdBカセットとを交換し、Cm−ccdBカセット1個、pA−Pカセット1個、及び融合型cDNA1個を別のcDNAとタンデム配置して保有するモジュラーpDEST−R1R6を作製した。(C)モジュラーpDEST−R1R6から、pENTR(−L1L6)の1種融合型cDNAカセットとのLR組換えにより、融合型cDNAタンデム発現ベクター(タンデム配置の2個の融合型cDNAカセットを含む)を作製した。(D)前記融合型cDNAタンデム発現ベクターから、BP組換えにより、B4r−cDNA3−B2とpDONR−P4rP2のCm−ccdBカセットとを交換し、融合型cDNA1セット、単一のcDNA1個及びCm−ccdBカセット1個をタンデム配置で保有する、モジュラーpDEST−L4R2を作製した。(E)モジュラーpDEST−L4R2から、融合型cDNAタンデムpENTR(−R4L2)とのLR組換えにより、融合型cDNA及び単一cDNAタンデム発現ベクターを作製した。(F)前記融合型cDNA及び単一cDNAタンデム発現ベクターから、BP組換えにより、B5−cDNA2−B4とpDONR−P5P4のCm−ccdBカセットとを交換し、融合型cDNAs及びCm−ccdBカセットをタンデム配置で保有するモジュラーpDEST−R5R4を作製した。(G)モジュラーpDEST−R5R4から、2種融合型cDNA−タンデムpENTR(−L5L4)とのLR組換えにより、3種融合型cDNAタンデム発現ベクターを作製した。
細菌宿主及び形質転換
ccdB遺伝子(Bernard, P., Kezdy, K.E., Van Melderen, L., et al. (1993) J Mol Biol, 234, 534-541)を含有するドナーベクター及びデスティネーションベクターの構築のため、Library Efficiency DB3.1(商標)Competent Cells(Invitrogen)を使用した。ccdB遺伝子を含まないその他のベクターの構築のためには、Max Efficiency DH10B(商標)(Invitrogen)を使用した。二重形質転換されたコロニー(エントリー及び発現ベクターの両方、又はドナー及びデスティネーションベクターの両方を含むもの)、あるいは複成分中間体産物(2対のatt部位のうち1方だけでの組換えの結果である、エントリーベクターとデスティネーションベクター、又は発現ベクターとドナーベクターの融合構築物)を減少させるため、取得したコロニーを以下の2種類のLBアガープレートに接種することによる二次スクリーニングを実施した:第1は形成させたものと同一の抗生物質(アンピシリン又はカナマイシン)を含むもの;第2は第1のものとは別の抗生物質を含むものである。両プレートでコロニーを形成したベクターは二重形質転換物又は中間体産物を含む偽性ベクターであり、したがってこれを除外した。5コロニー以上を集めて、適切な抗生物質を含むLB培地2ml中で培養した。Quantum Prep Mini Kit(Bio−Rad Laboratories)を使用して、各ベクターのプラスミドDNAを単離し、制限酵素消化とその後のアガロースゲル電気泳動によって、サイズ及び消化パターンを確認した。適正なサイズ及びパターンを持つベクターを真性陽性ベクターとして保存し、その後の実験で使用した。
哺乳動物細胞へのトランスフェクション及び発現アッセイ
構築後、LipofectAMINE(Invitrogen)及びPLUS Reagents(Invitrogen)を使用することによって、複数cDNAのタンデム発現ベクターをHeLa細胞中にトランスフェクトした。トランスフェクションは供給元の指示にしたがって実施した。HeLa細胞を35mmガラスボトム培養皿(Asahi Technoglass)で培養した。継代1日後、培地を「Opti−MEM I Reduced−Serum Medium without Phenol Red」(Invitrogen)に変更した。これは血清を含まないものである。次に、精製発現ベクター500ng及びPLUS Regent6μlを、Opti−MEM100μlに溶解し、室温で15分インキュベートした。次に、これらを、あらかじめOpti−MEM 100μlに溶解したLipofectAMINE4μlと混合し、さらに15分インキュベートした。混合物を、低血清培地中のHeLa細胞を含む35mm培養皿に添加した。次に細胞を5%CO中、37℃で培養し、その後培地を、10%ウシ胎仔血清(Invitrogen)を含むD−MEM(Invitrogen)に変更した。一晩培養後、培地を再び血清を含まないOpti−MEMに変更し、CFP/YFP/Cy5(86008v1;Chroma Technology)及びBFP/GFP/DsRed(86009;Chroma Technology)用のフィルターセットと冷却CCDカメラ(ORCA−ER;Hamamatsu Photonics)を装備した、フィルターホイール制御システム(MAC5000;Ludl Electronic Products)付きの蛍光顕微鏡(DIAPHOTO300;Nicon)で、細胞を観察した。結果を図4に示す。
図4Aは、pCXN−EGFP及びpCXN−mRFP1の同時トランスフェクションによる、HeLa細胞中でのEGFP及びmRFP1の混成発現を示す。パネルは、左から、EGFP、mRFP1の画像並びにEGFP及びmRFP1の合併画像を示す。2種の蛍光タンパク質の発現プロフィールは細胞間で異なっている。下部の白線は100μmを示す。図4Bは、pEF5/FRT/V5−B1−mRFP1−B4−pA−PEF1α−B3−EGFP−B2でトランスフェクトしたHeLa細胞中でのEGFP及びmRFP1の混成発現を示す。パネルは、左から、EGFP、mRFP1の画像並びにEGFP及びmRFP1の合併画像を示す。2種の蛍光タンパク質の発現プロフィールは、図4Aに示した同時トランスフェクションに比較して、かなり均一である。下部の白線は100μmを示す。図4Cは、pEF5/FRT/V5−B1−EGFP−B4−pA−PEF1α−B3−SECFP−B6−pA−PEF1α−B5−mRFP1−B2でトランスフェクトしたHeLa細胞中でのEGFP、SECFP及びmRFP1の混成発現を示す。パネルは、左から、EGFP、SECFP、mRFP1の画像並びにEGFP、SECFP及びmRFP1の合併画像を示す。下部の白線は25μmを示す。図4Dは、pEF5/FRT/V5−B1−EGFP−B4−pA−PEF1α−B3−SECFP−B6−pA−PEF1α−B5−mRFP1−B4−pA−PEF1α−B3−Venus−B2でトランスフェクトしたHeLa細胞中でのEGFP、SECFP、mRFP1及びVenusの混成発現を示す。パネルは、左から、EGFP、SECFP、mRFP1、Venusの画像、並びにEGFP、SECFP、mRFP1及びVenusの合併画像を示す。下部の白線は25μmを示す。図4Eは、pEF5/FRT/V5−B1−EGFP−B3−cpβ2−B6−pA−PEF1α−B5−mRFP1−B4−cpα1−B2でトランスフェクトしたHeLa細胞中での2種の融合タンパク質、CPβ2−EGFP及びmRFP1−CPα1の混成発現を示す。パネルは、左から、EGFP、mRFP1の画像並びにEGFP及びmRFP1の合併画像を示す。下部の白線は25μmを示す。図4Eは、pEF5/FRT/V5−B1−EGFP−B3−cpβ2−B6−pA−PEF1α−B5−mRFP1−B2−cpα1−B4−pA−PEF1α−B3−SECFP−B6−bAct−B2でトランスフェクトしたHeLa細胞中での3種の融合タンパク質、CPβ2−EGFP、mRFP1−CPα1及びSECFP−β−アクチンの混成発現を示す。パネルは、左から、EGFP、mRFP1、SECFPの画像並びにEGFP、mRFP1及びSECFPの合併画像を示す。下部の白線は25μmを示す。
1個の生細胞中での複数の異種cDNAの発現と、生理学的タンパク質レベルを獲得するためのその発現の最適化の必要性は、プロテオミクス研究において重要性が増して来ている。蛍光タグを持つ融合タンパク質の発現は、機能性ゲノミクスにとって重要性が高まった研究手段となっている。本明細書に記載する方法を使用して、所望のどんなプロモーターの制御下でも、細胞中で複数の遺伝子又は遺伝子融合物の発現を導くように、モジュール方式で、遺伝子エレメントを組み立てることができる。これによって、ウイルス、組織特異的又は調節性プロモーターを介した制御可能な細胞遺伝子発現が可能になり、また細胞内所在地の決定、タンパク質複合体の形成の判定、またさらには単一分子の可視化のための蛍光タグの使用が促進される。
なお、本発明は、経済産業省・NEDOプロジェクトの(平成14〜18年度)に参画して行われた。
各種ベクターの構造(A及びB)、及び2つの標的核酸断片(cDNA1及びcDNA2)を含むエントリーベクターの調製方法(C)を示す。 2種及び4種cDNA−タンデム発現ベクターの構築方法の概要を示す。 2種及び3種融合型cDNA-タンデム発現ベクターの構築方法の概要を示す。 Multisite Gateway(商標)複数遺伝子発現ベクターを使用する、単一細胞中での複数cDNAの同時導入及び発現を示す。
配列番号1〜32:合成オリゴヌクレオチド

Claims (7)

  1. 少なくとも3つの所望の核酸断片を含むベクターを構築する方法であって、以下の(a)及び(b)の工程:
    (a)少なくとも2つの組換え部位に隣接した核酸断片を2つ以上含む発現ベクターと、
    少なくとも2つの組換え部位に隣接したカセットを含むドナーベクターと、
    部位特異的組換えタンパク質とをインキュベートすることにより、
    発現ベクターに含まれる少なくとも2つの組換え部位に隣接した核酸断片の少なくとも1つと、ドナーベクターに含まれる少なくとも2つの組換え部位に隣接したカセットとを交換し、少なくとも1つの核酸断片と少なくとも1つのカセットとを含むモジュラーデスティネーションベクターを構築する工程、
    (b)(a)で得られたモジュラーデスティネーションベクターと、
    少なくとも2つの組換え部位に隣接した少なくとも2つの核酸断片を含むエントリーベクターと、
    部位特異的組換えタンパク質とをインキュベートすることにより、
    モジュラーデスティネーションベクターに含まれるカセットと、エントリーベクターに含まれる少なくとも2つの組換え部位に隣接した少なくとも2つの核酸断片とを交換し、少なくとも3つの所望の核酸断片を含むベクターを構築する工程、
    を含む前記方法。
  2. 発現ベクター又はエントリーベクターに含まれる核酸断片がcDNAを含む、請求項1記載の方法。
  3. ドナーベクターが少なくとも1つの選択マーカーを含む、請求項1又は2記載の方法。
  4. 発現ベクター又はエントリーベクターが少なくとも1つの選択マーカーを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 組換え部位が、loxP、attB、attP、attL及びattRからなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 組換えタンパク質がインテグラーゼである、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の方法を実施するためのキットであって、少なくとも2つの組換え部位に隣接したカセットを含むドナーベクターを含む、該キット。
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