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JP2006139886A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法 Download PDF

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JP2006139886A JP2004330636A JP2004330636A JP2006139886A JP 2006139886 A JP2006139886 A JP 2006139886A JP 2004330636 A JP2004330636 A JP 2004330636A JP 2004330636 A JP2004330636 A JP 2004330636A JP 2006139886 A JP2006139886 A JP 2006139886A
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JP2004330636A
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Kenichi Meguro
賢一 目黒
Hiroyuki Katada
裕之 片田
Katsumi Hoshino
勝美 星野
Hiroyuki Hoshiya
裕之 星屋
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HGST Inc
Original Assignee
Hitachi Global Storage Technologies Netherlands BV
Hitachi Global Storage Technologies Inc
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Abstract

【課題】 トラック幅の狭小化が進んでも、高い再生感度と、低ノイズで良好な線形応答性を実現する磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 固定層/中間層/自由層/分離層/第一の強磁性層/90度層間結合層/第二の強磁性層の積層体から成る磁気抵抗効果膜120を用い、固定層122と第二の強磁性層128の磁化は共に略素子高さ方向に固定する。一方、第一の強磁性層126と第二の強磁性層128の磁化は、90度層間結合層127を介して互いに直交するような層間相互作用を有しており、第一の強磁性層は、外部磁界がゼロの状態において略トラック幅方向の磁化を有する。これにより、第一の強磁性層は、自由層に対して略トラック幅方向に縦バイアス磁界を印加する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気記録再生装置に搭載される磁気ヘッドに関し、特に、磁気記録媒体に記録された情報を再生する磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法に関するものである。
現在、磁気記録再生装置に再生素子として搭載する磁気抵抗効果型磁気ヘッドには、特開平4−358310号公報に記載されている強磁性層/非磁性導電層/強磁性層/反強磁性層からなる基本構成を有するスピンバルブ膜を用いたGMR(Giant Magneto-Resistive)ヘッドが広く採用されている。スピンバルブ膜において、反強磁性層との交換結合によって磁化方向が一方向に固定されている強磁性層は固定層と呼ばれ、もう一方の強磁性層は、外部磁界に応じて自由にその磁化方向を変えることができるため、自由層と呼ばれる。
スピンバルブ膜を用いたGMRヘッドは、固定層と自由層の磁化のなす角度に応じて電気抵抗が変化する現象を利用し、磁気信号を電圧変化又は電流変化として出力する。従って、スピンバルブ膜を磁気センサとして機能させる上で、固定層の磁化方向を一方向(具体的には磁気記録媒体に対して垂直な方向、以下“素子高さ方向”と記す)に固定することが、第一に重要となる。即ち、固定層磁化を反転させるのに要する磁界(反強磁性膜より付与される交換結合磁界に相当)を磁気記録媒体からの信号磁界や記録ヘッドからの漏れ磁界等よりも十分大きくすることが必要となる。また、磁気ヘッド作製時の熱履歴や、ヘッドの動作環境温度等を考慮すると、反強磁性膜から固定層に付与される交換結合磁界の熱安定性も重要な要素となる。
現在では、大きな交換結合磁界が得られ、その熱安定性が良好であるという理由から、反強磁性層にはMnを略50at%程度含むMn−M(MはPt等の貴金属)で表される合金を用いるのが主流となっている。これらの材料は、スピンバルブ膜成膜直後には固定層に交換結合磁界を付与しない。なぜならば、成膜直後では、Mn−M合金はfcc構造を有する不規則合金であり、反強磁性を示さないからである。固定層に交換結合磁界を付与する為には、一般に磁界中熱処理を施すことを必要とする。230〜270℃程度の温度で熱処理を施すことで、Mn−M合金は、Cu−AuI型の構造を有する規則合金に相変態し、反強磁性を示すことが知られている。更に、この熱処理が磁界中で行われると、固定層は反強磁性層と一方向に交換結合し、その磁化方向を固定することができる。即ち、反強磁性層にMn−M合金を用いる場合には、固定層に大きな交換結合磁界とその良好な熱安定を与える一方で、固定層の磁化方向を規定する為に、必ず磁界中熱処理を行う工程を必要とする。
一方、信号磁界の符号に対して対称な応答特性を得る為には、外部磁界がゼロの状態で自由層の磁化をトラック幅方向に向ける必要がある。更に、ノイズが少なく、かつ良好な線形応答特性を得る為には、自由層が単磁区構造を有するように、自由層に対してトラック幅方向に縦バイアス磁界を印加する必要がある。この縦バイアス磁界印加手法としては、スピンバルブ膜の両端部に硬質磁性膜あるいは強磁性層と反強磁性層との積層膜を配置し、自由層に縦バイアス磁界を印加して単磁区化する方法が特開平7−57223号公報に記載されている。特に前者はハードバイアス構造と呼ばれ、現在のGMRヘッド構造の主流となっている。ハードバイアス構造は、自由層を単磁区化し、ノイズの抑制に対して効果的である。しかし、縦バイアス磁界が強過ぎる場合には再生出力が低下する、一方で縦バイアス磁界が弱すぎる場合には単磁区化効果が十分に得られない、という問題が生じる。従って、縦バイアス磁界の大きさを最適化しないと良好な再生特性が得られない。
ハードバイアス構造においては、縦バイアス磁界の大きさは、(1)自由層と硬質磁性膜の磁化量の比、(2)トラック端部におけるスピンバルブ膜のエッチング形状、(3)自由層に対する硬質磁性膜の幾何的配置関係等、多くの要素が複雑に影響を及ぼしながら決定されるので、制御するのが大変困難である。また、硬質磁性膜が配置される為に、トラック端部の上下シールド間隔がトラック中心部に比較して広がる為、いわゆる“サイドリーディング”という問題が生じ、幾何的トラック幅を狭くしても磁気的な実効トラック幅が狭くならず、今後の高記録密度を実現できない。これらの問題は、トラック幅の狭小化が進むほど顕著になることは自明である。
自由層に縦バイアス磁界を印加する他の手段として、特開2001−250205号公報には、反強磁性層/固定層/非磁性導電層/自由層からなるスピンバルブ膜を形成した後、自由層に接して、バイアス非磁性層/バイアス強磁性層/バイアス反強磁性層の積層膜からなる積層バイアス膜を形成する方法が記載されている。この構成では、バイアス強磁性層の磁化方向がバイアス反強磁性層との交換結合によってトラック幅方向へ固定されている。更に、自由層がバイアス非磁性層を介して、バイアス強磁性層と強磁性的あるいは反強磁性的に結合することで、実質的に自由層に縦バイアス磁界を印加することができる(以下、この縦バイアス磁界印加手法を“積層バイアス構造”と呼ぶ)。この際、バイアス非磁性層の膜厚調整により、容易に縦バイアス磁界の大きさを調整できる利点が期待される。
しかし、この構成においては、固定層及びバイアス強磁性層の磁化をそれぞれ素子高さ方向及びトラック幅方向に制御することは非常に困難である。即ち、固定層の磁化を素子高さへ固定する第一の磁界中熱処理工程と、バイアス強磁性層の磁化をトラック幅方向へ固定する第二の磁界中熱処理工程が必要となる為、それぞれの磁界中熱処理工程が互いに影響を及ぼし、固定層及びバイアス強磁性層の磁化方向が所望の方向からずれるという問題が生じるからである。特開2002−367124号公報には、異なるブロッキング温度を有する反強磁性層を用い、異なる温度で素子高さ方向及びトラック幅方向の磁界中熱処理を行うことで、上述した磁化方向制御を行う旨記載されている。しかしながら、この方法では、前述したどちらか一方の強磁性層に付与される交換結合磁界の大きさやその熱安定性を犠牲にする必要が生じる。この場合、高い信頼性を有する再生特性を得るのが非常に困難になる恐れがある。
上記の磁化方向制御方法として、特開2001−160640号公報には、90度層間結合を利用した記載がある。磁気的な分離層を介して、隣接する強磁性層が互いに略直交方向を向こうとする層間相互作用を、本明細書中では“90度層間結合”(perpendicular interlayer coupling)と呼ぶことにする。この開示例では、第一の反強磁性層/固定層/非磁性導電層/自由層/90度層間結合層/バイアス強磁性層/第二の反強磁性層の積層構成を有し、固定層とバイアス強磁性層の磁化方向は、共に素子高さ方向に固定されている。即ち、磁化方向を固定する為の熱処理は、素子高さ方向に磁界を印加しながら行うだけでよい。この際、90度層間結合層を介して、自由層とバイアス強磁性層の磁化は互いに直交方向を向こうとする層間相互作用が働いているので、自由層の磁化は自動的にトラック幅方向に向かせることができる。しかしながら、この構成においては、自由層のトラック端部で磁極が生じ、反磁界の影響を受けて単磁区化の妨げとなることが懸念される。
特開平4−358310号公報 特開平7−57223号公報 特開2001−250205号公報 特開2002−367124号公報 特開2001−160640号公報
今後、磁気記録再生装置の面記録密度の向上に伴い、トラック幅の狭小化が進むと、上述したような理由により、高い再生感度と、低ノイズで良好な線形応答特性と、を同時に実現することが困難となることが予想される。ハードバイアス構造の代替縦バイアス磁界印加手法として、現在提案されている積層バイアス構造では、固定層と自由層に縦バイアス磁界を付与する層の磁化の方向制御が困難であったり、自由層のトラック端部で磁極が生じ、反磁界の影響を受けて単磁区化の妨げとなる懸念がある。
本発明は、積層バイアス構造をを有する磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、固定層と、自由層に縦バイアス磁界を付与する強磁性層の磁化方向を容易に制御し、かつ自由層のトラック端部において反磁界の影響を抑制する方法を提供することを目的とする。
本発明における磁気抵抗効果膜の基本構成は、固定層/中間層/自由層/分離層/第一の強磁性層/90度層間結合層/第二の強磁性層の積層体から成る。積層順としては、固定層が基板に近い側であっても、第二の強磁性層が基板に近い側であっても、本発明の趣旨に反するものではない。ここで、固定層と第二の強磁性層の磁化は共に略素子高さ方向に固定されている。一方、第一の強磁性層と第二の強磁性層の磁化は、90度層間結合層を介して互いに直交するような層間相互作用を有しており、第一の強磁性層は、外部磁界がゼロの状態において略トラック幅方向の磁化を有する。これにより、第一の強磁性層は、自由層に対して略トラック幅方向に縦バイアス磁界を印加することができる。即ち、第一の強磁性層はトラック端部にて自由層と静磁結合をし、磁束が還流することで、自由層にトラック幅と略平行な方向の縦バイアス磁界を印加する。更には、自由層と第一の強磁性層が、分離層を介して反強磁性的に層間結合するように分離層の材料及び膜厚を選択すると、前述した縦バイアス磁界印加効果が助長されてより好ましい。なぜなら、トラック端部における静磁結合による縦バイアス磁界と、分離層を介した反強磁性的な層間結合による縦バイアス磁界は同一方向になるからである。反強磁性的な層間結合を生じさせる分離層としては、Cr,Cu,Ru,Rh,Pd,Re,Ir,Au等やこれらの合金及び多層膜を用いることができる。しかし、あまり自由層と第一の強磁性層間の反強磁性的な層間結合を強くし過ぎると、自由層の磁化が媒体からの信号磁界によって回転しにくくなる為、出力が低下する問題がある。分離層を多層化したり、膜厚を厚くする等して、反強磁性的な層間結合の強さは任意に設定することが可能である。
尚、本明細書中では、略直交方向に働く磁気的な層間相互作用を“90度層間結合”と称しているが、本発明の骨子において、磁気的な層間相互作用の方向が85から95度程度の範囲内でずれや分散があってもその効果を損なうものではない。
第二の強磁性層は、少なくとも2層以上の強磁性層を有し、前記強磁性層は反強磁性結合層を介して積層されている、いわゆる“積層フェリ”構成とするのが望ましい。第二の強磁性層の磁化は素子高さ方向に固定されている為、その磁化量に比例して、自由層に対して横バイアス磁界を印加することになる。従って、第二の強磁性層は積層フェリ構成とし、第二の強磁性層の実質的な磁化量を小さくすることが望ましい。
90度層間結合層は、Mn−X(XはCr,Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Re,Os,Ir,Ptの少なくとも1種類の元素)で表される材料からなり、特にMn−Ptであって、その膜厚が1nm以上2.5nm以下であると、大きな90度層間結合磁界が得られて良い。90度層間結合層に関して他の材料としては、Cr単体あるいはMn単体、{Mg,Ca,Cr,Mn,Fe,Co}からなる群の内、少なくとも1種類以上の元素を含む酸化膜を用いても同様な機能が得られる。
固定層の磁化を略素子高さ方向に固定する方法としては、固定層に接して中間層とは反対側の面に形成された第一の反強磁性層との交換結合を利用しても良いし、固定層に接して中間層とは反対側の面に第一の反強磁性層が形成されておらず、固定層は、少なくとも2層以上の強磁性層を有し、強磁性層は反強磁性結合層を介して積層されてなる、いわゆる“自動ピン止め”構成としても良い。また、固定層を硬質磁性体で構成しても良い。
また、第二の強磁性層の磁化を略素子高さ方向に固定する方法としては、第二の強磁性層に接して90度層間結合層とは反対側の面に形成された第二の反強磁性層との交換結合を利用しても良いし、第二の強磁性層に接して90度層間結合層とは反対側の面に第二の反強磁性層が形成されておらず、第二の強磁性層は、少なくとも2層以上の強磁性層を有し、強磁性層は反強磁性結合層を介して積層されてなる、いわゆる“自動ピン止め”構成としても良い。また、第二の強磁性層を硬質磁性体で構成しても良い。
上述した第一の反強磁性層または第二の反強磁性層の少なくとも一方を含む場合は、略素子高さ方向に磁界を印加しながら行う磁界中熱処理により、固定層と第二の強磁性層の磁化方向を、略素子高さ方向に固定することができる。ここで言う熱処理とは、反強磁性層が強磁性層へ交換結合磁界を付与するのに必要な温度範囲で行う熱処理を指す。従って、具体的には200から300℃程度の温度範囲で、数分から数時間の時間範囲で行う熱処理が該当する。尚、熱処理中に印加する磁界は、磁気抵抗効果膜の構成要素である全ての強磁性層を磁気的に飽和させるのに必要な大きさとするのが望ましく、具体的には数百kA/mから数MA/mの磁界を印加すると良い。また、上述した第一の反強磁性層及び第二の反強磁性層のいずれも含まない場合は、略素子高さ方向に静磁界を印加することにより、固定層と第二の強磁性層の磁化方向を、略素子高さ方向に固定することができる。ここでも、静磁界の大きさは、磁気抵抗効果膜の構成要素である全ての強磁性層を磁気的に飽和させるのに必要な大きさとするのが望ましい。また、静磁界を印加する際の環境温度は、特に制限を有するものではなく、磁気抵抗効果膜の特性に影響を与えない範囲という観点で300℃程度以下(特に、室温)に設定しておけば問題は無い。尚、この場合、磁気抵抗効果膜の構成要素である強磁性層の磁化方向を静磁界によって規定するのが目的であるから、静磁界を印加する時間は数秒以上とすれば十分である。
従って、本発明によれば、固定層と第二の強磁性層の磁化を容易に略素子高さ方向に固定することができ、同時に自由層に縦バイアス磁界を印加する第一の強磁性層の磁化を自動的に略トラック幅方向に向けることができる。また、トラック端部において、自由層と第一の強磁性層間で磁束が還流するので、トラック端部における自由層の反磁界の影響を抑制することができる。
本発明によれば、固定層と自由層に縦バイアス磁界を付与する強磁性層の磁化方向を容易に制御できるようになり、更に、トラック端部における自由層の反磁界の影響を低減することができる為、トラック幅の狭小化が進んでも、高い再生感度と、ノイズが小さく高い信頼性を有する再生特性を実現できる磁気抵抗効果型磁気ヘッドとその製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。理解を容易にするため、以下の図において同じ機能部分には同一の符号を付して説明する。
〔実施例1〕
図1に、本発明の第1の実施例である磁気抵抗効果型磁気ヘッドの媒体対向面から見た概略図を示す。ヘッド作製手順の概略とあわせて構造を以下に説明する。
基板(図示せず)上に、下部シールド110を形成した後、磁気抵抗効果膜120を成膜し、フォトリソグラフィとイオンミリングや反応性イオンエッチングを用いてトラック幅方向を所望の形状にパターニングする。次に、磁気抵抗効果膜120の両端部にリフトオフ法を用いて絶縁膜140を形成する。素子高さ方向についても同様に、磁気抵抗効果膜120をフォトリソグラフィとイオンミリングや反応性イオンエッチングを用いて所望の形状にパターニングし、リフトオフ法を用いて絶縁膜を形成する。尚、磁気抵抗効果膜120のパターニングについては、トラック幅方向と素子高さ方向の順序が入れ替わっても差し支えはない。更に、上部シールド150を形成する。下部シールド110と上部シールド150は磁気抵抗効果膜120の膜厚方向に電流を供給する一対の電極を兼ねており、磁気抵抗効果膜120の電気抵抗変化の検出を行う。従って、下部シールド110と磁気抵抗効果膜120間及び磁気抵抗効果膜120と上部シールド150間には、電気的な接触抵抗を極力含まないことが望ましい。この影響を低減する為には、磁気抵抗効果膜120及び上部シールド150を形成する直前に、プラズマエッチングやイオンビームエッチング等を用いて、表面酸化膜や表面付着/吸着物を除去しておくと効果的である。
尚、基板/下部シールド/下部ギャップ/下部電極/磁気抵抗効果膜のように、下部シールドと下部電極を別々に形成することもできる(上部シールド、上部電極についても同様)。また、絶縁膜140は、下部シールド110と上部シールド150が電気的に短絡しないよう配置してある。下部シールド110と上部シールド150の電気的な絶縁を確保できる範囲で絶縁膜140の膜厚を薄くすると、上部シールド150の一部をいわゆる“サイドシールド”として機能させることが可能となり、磁気的な実効トラック幅の狭小化に効果があり、より好ましい形態となる。
磁気抵抗効果膜120の基本構成は、第一の反強磁性層121/固定層122/中間層123/自由層124/分離層125/第一の強磁性層126/90度層間結合層127/第二の強磁性層128/第二の反強磁性層129である。分離層125/第一の強磁性層126/90度層間結合層127/第二の強磁性層128/第二の反強磁性層129の部分が、自由層124に縦バイアス磁界を印加する機構である。勿論、最下層に適切な下地層や最上層に適切な保護層を形成しても何ら差し支えはない。また、積層順を完全に反対にして、第二の反強磁性層129/第二の強磁性層128/90度層間結合層127/第一の強磁性層126/分離層125/自由層124/中間層123/固定層122/第一の反強磁性層121としても、本発明の趣旨に反するものではない。
また、図1においては、第一の反強磁性層121は、トラック幅寸法にエッチングされておらず、固定層122/中間層123/自由層124/分離層125/第一の強磁性層126/90度層間結合層127/第二の強磁性層128/第二の反強磁性層129の部分よりも大きめにパターニングされている。磁気抵抗効果膜120をエッチングする際に、質量分析計等を用いてエッチングされた粒子もモニタしながらエッチング時間を制御することで上述したような形状に作製することができる。垂直通電型磁気ヘッドにおいては、反強磁性層等の大きな比抵抗を有する材料の寄生抵抗が再生出力の低下を招くことがある。従って、図示した構造のように、第一の反強磁性層121をトラック幅よりも大きくパターニングすると、第一の反強磁性層121を下部電極の一部として用いることができ、再生出力低下の抑止に対して効果的である。
ここでは、第一の反強磁性層121がエッチングされていない形状として示したが、第一の反強磁性層121の一部が膜厚方向にエッチングされていても、また逆に、第一の反強磁性層121に加えて固定層122の一部あるいは固定層122と中間層123の一部が膜厚方向にエッチングされていない形状であっても差し支えない。尚、寄生抵抗による再生出力の低下が小さく、十分高い再生出力が見込める場合は、第一の反強磁性層121の最下面あるいは下部シールド110の一部までトラック幅寸法でパターニングしても差し支えない。
図1中には、各強磁性層の磁化方向を矢印で付記した。これをもとに、自由層124への縦バイアス磁界を印加する様子と再生動作の概略を説明する。
固定層122の磁化は、隣接して形成された第一の反強磁性層121との交換結合により、素子高さ方向:130(逆向きでも差し支えない)に固定されている。同時に、第二の強磁性層128の磁化は、隣接して形成された第二の反強磁性層129との交換結合により、素子高さ方向:135(逆向きでも差し支えない)に固定されている。一方、90度層間結合層127を介して、第一の強磁性層126と第二の強磁性層128の間には、互いに磁化が直交するような層間結合が生じており、結果として第一の強磁性層126は、外部磁界がゼロの状態において、トラック幅方向:133(逆向きでも差し支えない)の磁化を有する。この時、トラック端部において、矢印136で示すように、自由層124と第一の強磁性層126の間で磁束が還流することで自由層124と第一の強磁性層126の磁化方向がトラック幅方向で安定化する。即ち、自由層124には、実質的にトラック幅方向:132へ縦バイアス磁界が印加されることになり、自由層124を単磁区化する効果が生じる。更に、自由層124と第一の強磁性層126が、分離層125を介して反強磁性的な層間結合を生じるようにすると、更にこの効果が助長される。
固定層122の磁化は、素子高さ方向:130に強固に固定されている一方で、自由層124の磁化は、第一の強磁性層126からトラック幅方向:132への縦バイアス磁界を付与されながらも、外部磁界によって比較的容易に回転する。従って、磁気記録媒体からの信号磁界によって、固定層122と自由層124の相対角度が異なり、これに対応して磁気抵抗効果膜120の電気抵抗が変化し、電磁変換した再生出力が得られる。
図2に、磁気抵抗効果膜120のより詳細な好ましい構成を示す。固定層122及び第二の強磁性層128は、共に、強磁性層/反強磁性層間結合層/強磁性層から成る、いわゆる“積層フェリ”構成にすると良い。なぜならば、積層フェリ構成とすることで、固定層122及び第二の強磁性層128の磁化方向をより強固に素子高さ方向に固定できるし、また、固定層122及び第二の強磁性層128の実質的な磁化量を非常に小さくできるので、自由層124に対する横バイアス磁界を著しく低減することができる。
次に、図1及び図2に示した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの各構成要素について詳述する。
基板、下部シールド110及び上部シールド150、絶縁膜140については、本発明において特別な限定を要するものではない為、一般的に用いられている材料を一例として挙げておく。基板としては、AlTiC,SiC又はそれらにAlを被覆したもの、下部シールド110及び上部シールド150としては、Ni−Fe合金及びその窒化物、Co−Zr又はCo−Hf又はCo−Ta系非晶質合金等の単層又は多層膜を用いればよい。これらは、スパッタ法やめっき法で形成するのが簡便である。絶縁膜140としては、Al,SiO,AlN,SiNやこれらの混合物及び多層膜を用いることで、下部シールド110と上部シールド150の短絡を防止することができる。これらは、スパッタ法で形成するのが簡便で好ましい。
磁気抵抗効果膜120の形成は、膜厚及び合金組成の制御性や量産効率の観点から、スパッタ法により作製するのが好ましい。磁気抵抗効果膜120の膜構成例は、例えば、Ta(2.5)/Ni47Cr40Fe13(3.5)/Ni85Fe15(1)/Mn49Pt51(14)/Co90Fe10(2)/Ru(0.45)/Co90Fe10(2)/Cu(3)/Co90Fe10(1)/Ni85Fe15(1.5)/Cu(0.65)/Ru(0.8)/Co40Fe60(1.8)/Mn49Pt51(1.2)/Co90Fe10(2)/Ru(0.45)/Co90Fe10(2)/Mn49Pt51(12)/Ta(5)等である。( )内の数値は膜厚を示し、単位はnmである。また、元素の添え字で示した各合金組成の単位は、at%である。Ta(2.5)/Ni47Cr40Fe13(3.5)/Ni85Fe15(1)が下地層に、Mn49Pt51(14)が第一の反強磁性層121に、Co90Fe10(2)/Ru(0.45)/Co90Fe10(2)が固定層122に、Cu(3)が中間層123に、Co90Fe10(1)/Ni85Fe15(1.5)が自由層124に、Cu(0.65)/Ru(0.8)が分離層125に、Co60Fe40(1.8)が第一の強磁性層126に、Mn49Pt51(1.2)が90度層間結合層127に、Co90Fe10(2)/Ru(0.45)/Co90Fe10(2)が第二の強磁性層128に、Mn49Pt51(12)が第二の反強磁性層129に、Ta(5)が保護層に、それぞれ相当する。この構成例は、中間層123に非磁性導電層を用いたCPP(Current Perpendicular to the Plane)−GMRヘッド用の磁気抵抗効果膜にあたる。非磁性導電層としては、Cuの他にAg,Au等を用いることができる。また、非磁性導電層中に極薄い酸化膜(Co90Fe10(1)-Oxide)を挿入した、いわゆる電流狭窄型としても良い。
上述した構成例において、中間層123を非磁性導電層から非磁性トンネル障壁層に置き換えれば、そのままトンネル磁気抵抗効果膜として本発明を適用することができる。非磁性トンネル障壁層としては、Al(0.45)-Oxide等を用いる。ここで、「Al(0.45)-Oxide」と記載したのは、Al膜を成膜した後、チャンバ内に酸素導入する、いわゆる自然酸化法を用いてAl酸化膜を形成するということを意味している。過度の酸化を抑止するよう制御することが可能であれば、ラジカル酸化やプラズマ酸化といった手法を用いることもできるし、リアクティブスパッタにより酸化膜を形成したり、直接Alを成膜しても良い。また、Alの酸化物以外にも、Mg,Al,Si,Ti,V,Mn,Zr,Nb,Hf,Taを含む酸化物あるいは窒化物を用いても差し支えない。
磁気抵抗効果膜120の構成要素である固定層122、自由層124、第一の強磁性層126及び第二の強磁性層128の強磁性材料は、例えばNi−FeやCo−Fe等の単層膜以外に、Co−Fe/Ni−FeやCo−Fe/Ni−Fe/Co−Fe等の強磁性多層膜としても差し支えない。また、自由層124については、Co−Fe/Ni−Fe/Ru/Ni−Feのような、積層フェリ構成としても構わない。
固定層122及び自由層124に関しては、中間層123に接する面に、再生出力に大きく作用する抵抗変化率が大きくなるよう、フェルミエネルギーにおけるスピン分極率が高いFe,Co,Niを主成分とする材料を配置すると良い。また、更に大きなスピン分極率を有するCo50Mn25Ge25やCo50Mn25Si25等のホイスラー合金やFe等のハーフメタルを用いると、より効果的である。更に、自由層124の組成や膜厚については、磁歪、保磁力が小さくなるように留意し、適宜調整することが望ましい。
固定層122と第二の強磁性層128の磁化は、共に素子高さ方向に固定すれば良いので、第一の反強磁性層121及び第二の反強磁性層129には、ブロッキング温度が異なる材料を意図的に用いる必要がなく、同一の材料を用いることができる。従って、大きな交換結合磁界とその良好な熱安定性と高い耐蝕性を有するMn-Pt等の規則系合金を用いることが望ましい。Mn-Ptの他にも、Mnを45at%から55at%程度含み、230〜270℃程度の熱処理によって少なくとも一部がCu−AuI型規則格子へ相変態して反強磁性となるMn−Mで表され、MがNi,Ru,Rh,Pd,Re,Os,Ir,Ptのうち少なくとも1つを含む元素から構成される規則系合金反強磁性膜を用いても同様な特性が得られる。磁気抵抗効果膜120を成膜した後、素子高さ方向へ磁界を印加しながら230〜270℃程度の温度で3時間程度の熱処理を施すと、固定層122及び第二の強磁性層128の磁化は、共に素子高さ方向に固定することができる。
図3に、強磁性的層間結合及び90度層間結合を有した場合の磁化曲線を比較して示す。膜構成は、基板/Ta(2.5)/Ni47Cr40Fe13(3.5)/Ni85Fe15(1)/Mn49Pt51(14)/Co75Fe25(1.5)/Ru(0.8)/Co75Fe25(2)/層間結合層/Co90Fe10(0.5)/Ni85Fe15(3)/Ta(5)である。成膜後に、素子高さ方向に1.1 MA/mの磁界を印加しながら、250℃で9時間熱処理を行い、Co75Fe25(1.5)/Ru(0.8)/Co75Fe25(2)の磁化を素子高さ方向に固定した。層間結合層としては、(A)Al-Oxideと(B)MnPtで比較した。Al-Oxideは、Alを0.48 nm成膜した後、同一真空装置内に酸素を圧力が200 Paになるまで導入し、20分間保持して形成した。MnPtの詳細は、Mn49Pt51(1.2 nm)である。図3には、Co90Fe10(0.5)/Ni85Fe15(3)について、素子高さ方向に磁界を掃引して測定した磁化曲線と、トラック幅方向に磁界を掃引して測定した磁化曲線を示してある。
(A)Al-Oxide層間結合層の場合は、素子高さ方向測定の磁化曲線は、磁化容易軸励磁した曲線を4.5 kA/m程度+磁界方向(Co75Fe25(2)の磁化方向)にシフトした形状になっており、トラック幅方向測定の磁化曲線は、磁化困難軸励磁した曲線のようになっている。これは、Al-Oxide層間結合層を介して、Co75Fe25(2)とCo90Fe10(0.5)/Ni85Fe15(3)の磁化が強磁性的な層間結合をしていることを示唆している。一方、(B)MnPt層間結合層の場合は、素子高さ方向測定の磁化曲線は、磁化困難軸励磁したような曲線になっており、トラック幅方向測定の磁化曲線は、磁化容易軸励磁した曲線のようになっている。即ち、MnPt層間結合層を介して、Co75Fe25(2)とCo90Fe10(0.5)/Ni85Fe15(3)の間には互いに直交するような90度層間結合が生じているのが分かる。このような90度層間結合は、MnPt以外に、Mn−X(XはCr,Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Re,Os,Ir,Ptの少なくとも1種類の元素)で表される材料や、Cr単体あるいはMn単体や、{Mg,Ca,Cr,Mn,Fe,Co}からなる群の内、少なくとも1種類以上の元素を含む酸化膜を層間結合層に用いても同様な機能が得られる。
自由層124により安定して縦バイアス磁界を印加する為には、第一の強磁性層126の磁化方向が大きな外部磁界が印加されてもトラック幅方向に保持されていることが望ましい。即ち、90度層間結合層127を介した第一の強磁性層126と第二の強磁性層128の間の90度層間結合磁界は大きいほど望ましいということに他ならない。図4に90度層間結合により強磁性層に付与される異方性磁界の90度層間結合層:MnPt膜厚依存性を示す。膜構成は、基板/Ni47Cr40Fe13(3.2)/Ni85Fe15(0.8)/Mn49Pt51(14)/Co90Fe10(3)/Ru(0.8)/Co90Fe10(3)/Mn49Pt51(t)/Co90Fe10(2)またはNi85Fe15(4)/Ru(1)/Ta(2)である。成膜後に、素子高さ方向に1.1 MA/mの磁界を印加しながら、270℃で3時間熱処理を行い、Co90Fe10(3)/Ru(0.8)/Co90Fe10(3)の磁化を素子高さ方向に固定した。強磁性層:Co90Fe10(2)またはNi85Fe15(4)に付与される異方性磁界は、素子高さ方向に磁界を掃引して測定した磁化曲線の飽和磁界から見積もった。90度層間結合層:MnPt膜厚を薄くするほど、異方性磁界は大きくなり、MnPt膜厚が1.2 nmの場合、約27 kA/mの異方性磁界が得られた。しかし、それよりも薄くすると、90度層間結合に加えて強磁性的層間結合が支配的となった。従って、90度層間結合層としてMnPtを用いる場合には、その膜厚を1 nm以上2.5 nm以下に設定すると良い。
図5に、縦バイアス磁界印加機構の有無による磁気抵抗効果曲線の相違を比較して示す。スピンバルブ膜の膜構成は、基板/Ni47Cr40Fe13(3.2)/Ni85Fe15(0.8)/Mn49Pt51(14)/Co90Fe10(3)/Ru(0.8)/Co90Fe10(3)/Cu(2.2)/Co90Fe10(1)/Ni85Fe15(1.5)であり、縦バイアス磁界印加機構無しの場合は、保護層としてCu(0.8)/Ta(2)を積層しており、縦バイアス磁界印加機構有りの場合は、Cu(0.6)/Ru(0.8)/Co90Fe10(2)/Mn49Pt51(1.2)/Co90Fe10(2)/Ru(0.8)/Co90Fe10(2)/Mn49Pt51(14)/Ta(2)を積層してある。成膜後に、素子高さ方向に1.1 MA/mの磁界を印加しながら、270℃で3時間熱処理を行い、Co90Fe10(3)/Ru(0.8)/Co90Fe10(3)の磁化及び縦バイアス磁界印加機構有りの場合は、Co90Fe10(2)/Ru(0.8)/Co90Fe10(2)の磁化も素子高さ方向に固定した。素子高さ方向に磁界を掃引して、CIP(Current In the Plane)モードで測定した磁気抵抗効果曲線を示してある。各強磁性層の磁化過程は、通電方向がCIP、CPPに関わらず同一となるので、本結果はそのままCPPモード測定の結果と捉えることができる。縦バイアス磁界印加機構無しの場合は、上述した磁界中熱処理により、自由層:Co90Fe10(1)/Ni85Fe15(1.5)の容易軸は素子高さ方向になるので、多少ヒステリシスを伴う磁化容易軸励磁の磁気抵抗効果曲線となっている。一方で、縦バイアス磁界印加機構有りの場合は、自由層:Co90Fe10(1)/Ni85Fe15(1.5)にはトラック幅方向に縦バイアス磁界が印加されている為、磁化困難軸励磁の磁気抵抗効果曲線となっており、ヒステリシスは見られず、またゼロ磁界付近において良好な線形応答性を示している。
自由層124の外部磁界に対する応答感度は、分離層125を介した第一の強磁性層126との反強磁性的な層間結合の大きさによって任意に変えることができる。図6に、反強磁性的な層間結合磁界のCu膜厚依存性を示す。膜構成は、基板/Ni47Cr40Fe13(3.2)/Ni85Fe15(0.8)/Mn49Pt51(14)/Co90Fe10(3)/Ru(0.8)/Co90Fe10(3)/Cu(0.5)/Co90Fe10(1)-Oxide/Cu(2)/Co90Fe10(1)/Ni85Fe15(1.5)/Cu(t)/Ru(0.8)/Co40Fe60(1.8)/Mn49Pt51(12)/Ru(1)/Ta(2)である。成膜後に、素子高さ方向に1.1 MA/mの磁界を印加しながら、270℃で3時間熱処理を行い、Co90Fe10(3)/Ru(0.8)/Co90Fe10(3)の磁化及びCo40Fe60(1.8)の磁化を素子高さ方向に固定した。Cu(t)/Ru(0.8)分離層を介したCo90Fe10(1)/Ni85Fe15(1.5)自由層とCo40Fe60(1.8)第一の強磁性層間の反強磁性的な層間結合磁界は、素子高さ方向に磁界を掃引して測定したCo90Fe10(1)/Ni85Fe15(1.5)自由層の磁化曲線のシフト量から見積もった。本膜構成における反強磁性的な層間結合は、本質的にはRu(0.8)により生じているものであり、Cu(t)を積層することで、その大きさを希釈したかたちになっている。
図6から明らかなように、分離層中のCu膜厚を厚くするほど、反強磁性的な層間結合磁界は小さくなっており、その変化が連続的であることから、反強磁性的な層間結合の大きさは任意に可変であることが分かる。反強磁性的な層間結合を生じさせる分離層としては、Cr,Cu,Ru,Rh,Pd,Re,Ir,Au等やこれらの合金及び多層膜を用いることができる。しかし、あまり自由層と第一の強磁性層間の反強磁性的な層間結合を強くし過ぎると、自由層の磁化が媒体からの信号磁界によって回転しにくくなる為、出力が低下する問題がある。上述した例のように、分離層を多層化したり、膜厚を厚くする等して、反強磁性的な層間結合の強さは適切に調整し、高い磁界感度と好適な縦バイアス効果を両立させることが望ましい。
また、前述したように、トラック端部における自由層124と第一の強磁性層126の静磁結合も縦バイアス磁界を決める一因である。これは、自由層124と第一の強磁性層126の磁化量の比に強く依存し、両者の磁化量が概ね等しい場合が、双方の磁化方向が安定するので好ましい形態となる。
次に、本発明の効果を従来技術と比較して述べる。図7に、従来技術による磁気抵抗効果型磁気ヘッドの一例を媒体対向面から見た概略図を示す。従来技術においては、磁気抵抗効果膜が、第一の反強磁性層/固定層/中間層/自由層/90度層間結合層/強磁性層/第二の反強磁性層から成る。固定層と強磁性層の磁化は共に素子高さ方向へ固定されており、自由層は90度層間結合層を介して強磁性層に対して直交方向(即ちトラック幅方向)に層間結合磁界を付与されている。即ち、従来技術においては、90度層間結合そのものが縦バイアス磁界を印加する起源になっている。しかしながら、この構造においては、自由層のトラック端部において磁極が生じ、反磁界の影響により単磁区化の妨げとなることが懸念される。
図8に、マイクロマグネティックシミュレーターを用いて計算した磁界に対する再生出力特性を従来技術と本発明で比較して示す。また、あわせてゼロ磁界状態における微視的な自由層の磁化配列を模式的に示した。従来技術においては、明確なヒステリシスを生じているのに対し、本発明においては、ヒステリシスは認められず、良好な線形応答性を示している。ゼロ磁界状態における微視的な自由層の磁化配列からも明らかなように、従来技術では、トラック端部の反磁界の影響により、自由層の磁化はトラック方向に一様に揃っていないが、本発明では、自由層の磁化はトラック方向に一様に揃っている。これは、本発明の構造では、トラック端部にて自由層124と第一の強磁性層126の間で磁束が還流し、反磁界の影響を著しく低減できる為と理解される。従って、本発明によれば、高い再生感度と、低ノイズで良好な線形応答性を有する再生特性が得られる。
〔実施例2〕
図9に、本発明の第2の実施例である磁気抵抗効果膜220の媒体対向面から見た概略図を示す。磁気抵抗効果型磁気ヘッドとしては、本発明の第1の実施例中の磁気抵抗効果膜120を磁気抵抗効果膜220に置き換えるだけなので、ヘッド構成の詳細は省略する。本実施例では、第1の実施例中の縦バイアス磁界印加機構部分:分離層125/第一の強磁性層126/90度層間結合層127/第二の強磁性層128/第二の反強磁性層129から第二の反強磁性層129を除いた構成になっている。即ち、第二の強磁性層128が、強磁性層1/反強磁性結合層/強磁性層2の積層体から成る、いわゆる“自動ピン止め”構成となっていることで、第二の強磁性層128の磁化方向が素子高さ方向に固定されている。
自動ピン止め構成から成る第二の強磁性層128の磁化方向を外部磁界が印加されても強固に固定する為には、以下に示す4つの方法が効果的である。(1)第二の強磁性層128を構成する複数の強磁性層のうち、少なくとも1層を硬質磁性体で構成すると良い。例えば、Co-Fe合金の場合、Fe組成が50at%付近でCo−Feの保磁力Hcは最大値を示し、25 kA/m程度の大きな値が得られる。更には、PtやPd等の貴金属やV,Cr,Nb,Mo等の元素を添加すると、更に保磁力を増大させることができ、より効果的である。(2)反強磁性結合層を介して積層された2層の強磁性層が磁気的に反平行配列した際に、実質的な磁化量がほぼゼロとなるように膜厚を設定すると良い。(3)反強磁性結合を強くすると良い。大きな反強磁性結合を示す反強磁性結合層材料としては、Ru,Rh,Pd,Re,Irが好ましい。また、反強磁性結合層の膜厚を薄くした方が、より大きな反強磁性結合が得られる。例えば、Ruを反強磁性結合層として用いる場合には、通常は膜厚を0.8 nm付近に設定することが多いが、膜厚を0.35〜0.45 nmとした方が、より大きな反強磁性結合が得られる。(4)強磁性層1/反強磁性結合層1/強磁性層2/結合層2/強磁性層3/結合層3/強磁性層4のように積層回数を増加させると良い。
これら4つの方法を組み合わせると、第二の強磁性層128の磁化方向を強固に固定することができ、例えばCo90Fe10(2.5)/Ru(0.35)/Co50Fe50(2.15)構成においては、±80 kA/mの磁界が印加されても、Co90Fe10(2.5)/Ru(0.35)/Co50Fe50(2.15)の磁化方向が変化しない。更に、Co90Fe10(2.5)/Ru(0.35)/Co50Fe50(2.15)/Ru(0.35)/Co90Fe10(2.5)/Ru(0.35)/Co50Fe50(2.15)とした場合には、±120 kA/mの磁界が印加されても、その磁化方向が変化しない。第二の強磁性層128の強磁性層数を増やした構成をCIP−GMRヘッドに適用すると、分流損失の影響から再生出力の低下を招くが、本発明が対象としている垂直通電型磁気ヘッドにおいては、その影響は問題にならない。但し、必要以上に積層数を増やすと、磁気抵抗効果膜の総膜厚が増大し、上下シールド間隔の狭小化に対して不利になる為、適宜調整することが望ましい。
以上のように、第二の強磁性層128を少なくとも2層の強磁性層を含み、その強磁性層が反強磁性結合層を介して積層され、隣接する強磁性層が互いに反強磁性的に結合する積層体から構成し、少なくとも1層の強磁性層が保磁力の大きい硬質磁性体から成り、各強磁性層の磁化が反平行配列した際に、実質的な磁化量が略ゼロとなるように各強磁性層の膜厚を設定すれば、外部磁界に対して、第二の強磁性層128の磁化方向を強固に固定することができ、安定した再生特性を期待することが可能となる。各層の材料や膜厚は、これらの条件を満たす範囲で、適宜調整しても差し支えない。第二の強磁性層128/第二の反強磁性層129以外の構成や動作原理は、実施例1と同じであるので詳細な説明は省略する。
実施例1に比較して、本実施例は第二の反強磁性層129を含まない為、以下の2つの効果を期待することができる。(1)磁気抵抗効果膜の総膜厚を薄くすることができるので、上下シールド間隔の狭小化に対して有利である。(2)比抵抗の大きい反強磁性層が減ったので、寄生抵抗による再生出力の低下を抑制することができる。
〔実施例3〕
図10に、本発明の第3の実施例である磁気抵抗効果膜320の媒体対向面から見た概略図を示す。磁気抵抗効果型磁気ヘッドとしては、本発明の第1の実施例中の磁気抵抗効果膜120を磁気抵抗効果膜320に置き換えるだけなので、ヘッド構成の詳細は省略する。本実施例では、第1の実施例中の縦バイアス磁界印加機構部分:分離層125/第一の強磁性層126/90度層間結合層127/第二の強磁性層128/第二の反強磁性層129から第二の反強磁性層129を除いた構成になっており、第二の強磁性層128が、硬質磁性体で構成され、第二の強磁性層128の磁化方向が素子高さ方向に固定されている。硬質磁性体としては、Co-PtやこれにCr等を添加した材料が使用できる。
一般に、硬質磁性体を用いると、硬質磁性体の磁区構造が自由層124に転写され、自由層124が良好な軟磁気特性を示さないという問題が生じる。しかし、本発明のように、自由層124と硬質磁性体から成る第二の強磁性層128の間に分離層125/第一の強磁性層126/90度層間結合層127を介在させることでその影響を著しく低減することができる。第二の強磁性層128/第二の反強磁性層129以外の構成や動作原理は、実施例1と同じであるので詳細な説明は省略する。
〔実施例4〕
実施例1から3においては、固定層122の磁化を、隣接して形成された第一の反強磁性層121との交換結合により、素子高さ方向に固定した形態について述べてきた。固定層122の磁化方向固定手法についても、実施例2及び3の第二の強磁性層128と同様に、第一の反強磁性層121を用いずに自動ピン止め構成や硬質磁性体を用いることで代用できる。これらの詳細は、実施例2及び3の第二の強磁性層128と同様であるので詳細な説明は省略する。また、これらの形態は当然のごとく実施例1から3に記載したいずれの縦バイアス磁界印加手法とも組み合わせることが可能である。一例として、固定層122と第二の強磁性層128をいずれも自動ピン止め構成とした場合を本発明の第4の実施例とし、その磁気抵抗効果膜420の媒体対向面から見た概略図を図11に示す。磁気抵抗効果型磁気ヘッドとしては、本発明の第1の実施例中の磁気抵抗効果膜120を磁気抵抗効果膜420に置き換えるだけなので、ヘッド構成の詳細は省略する。
実施例1から3に記した構造のように、第一の反強磁性層または第二の反強磁性層の少なくとも一方を含む場合は、略素子高さ方向に磁界を印加しながら行う磁界中熱処理により、固定層と第二の強磁性層の磁化方向を、略素子高さ方向に固定することができる。また、実施例4に記した構造のように、第一の反強磁性層及び第二の反強磁性層のいずれも含まない場合は、略素子高さ方向に静磁界を印加することにより、固定層と第二の強磁性層の磁化方向を、略素子高さ方向に固定することができる。
これらの磁化方向制御手段に着眼したプロセスフローを図12に示す。図12(A)は、第一の反強磁性層または第二の反強磁性層の少なくとも一方を含む場合のプロセスフローを示す。この場合、(1)磁気抵抗効果膜の成膜、(2)略素子高さ方向に磁界を印加しながら行う磁界中熱処理、(3)素子形成プロセス(詳細は省略する)からなる。また、図12(B)は、第一の反強磁性層または第二の反強磁性層のいずれも含まない場合のプロセスフローを示し、(1)磁気抵抗効果膜の成膜、(2)略素子高さ方向への静磁界印加、(3)素子形成プロセス(詳細は省略する)、(4)必要に応じて、略素子高さ方向への静磁界印加の各工程からなる。
尚、より詳細には、磁気抵抗効果膜の成膜プロセスにおいて、磁気抵抗効果膜の構成要素である強磁性層には、その磁化方向を固定すべき方向に一軸磁気異方性を誘導した方が好ましい。従って、具体的には、固定層及び第二の強磁性層形成時には略素子高さ方向へ、自由層及び第一の強磁性層形成時には略トラック幅方向へ、数kA/m程度の静磁界を印加しながら成膜を行うと良い。また、(A)の(2)で言う熱処理とは、反強磁性層が強磁性層へ交換結合磁界を付与するのに必要な温度範囲で行う熱処理を指す。従って、具体的には200〜300℃程度の温度範囲で、数分から数時間の時間範囲で行う熱処理が該当する。尚、熱処理中に印加する磁界は、磁気抵抗効果膜の構成要素である全ての強磁性層を磁気的に飽和させるのに必要な大きさとするのが望ましく、具体的には数百kA/mから数MA/mの磁界を印加すると良い。また、(B)の(2)でも、静磁界の大きさは、磁気抵抗効果膜の構成要素である全ての強磁性層を磁気的に飽和させるのに必要な大きさとするのが望ましい。また、静磁界を印加する際の環境温度は、特に制限を有するものではなく、磁気抵抗効果膜の特性に影響を与えない範囲という観点で300℃程度以下(特に、室温)に設定しておけば問題は無い。尚、この場合、磁気抵抗効果膜の構成要素である強磁性層の磁化方向を静磁界によって規定するのが目的であるから、静磁界を印加する時間は数秒以上とすれば十分である。尚、(B)の第一の反強磁性層または第二の反強磁性層のいずれも含まない場合、(3)素子形成プロセス中に、磁気抵抗効果膜の構成要素である強磁性層の磁化方向が、所望の方向からずれるような問題が生じても、(B)の(2)と同様な静磁界印加工程を追加することによって、問題を解決することができる。
従って、本発明によれば、固定層と第二の強磁性層の磁化を容易に略素子高さ方向に固定することができ、同時に自由層に縦バイアス磁界を印加する第一の強磁性層の磁化を自動的に略トラック幅方向に向けることができる。また、トラック端部において、自由層と第一の強磁性層間で磁束が還流するので、トラック端部における自由層の反磁界の影響を抑制することができる。
〔実施例5〕
磁気抵抗効果膜の膜厚方向にセンス電流を通電するいわゆる垂直通電型(CPP)磁気ヘッドにおいては、浮上面加工時のスメアの影響により、浮上面にて固定層と自由層に短絡が生じ、歩留まりが低下する恐れがある。これを回避する為には、いわゆる“フラックスガイド”型のヘッド構造とすることが望ましい。即ち、浮上面に、固定層もしくは自由層を露出させず、素子の短絡を防止する構造である。この構造においても、本発明の構成はそのまま流用可能である。
図13に、本発明の第5の実施例である磁気抵抗効果型磁気ヘッドの、トラック中心における素子高さ方向の断面図を示す。ヘッド作製手順の概略を以下に説明する。基本構造としては、本発明の第1の実施例を用いている。基板(図示せず)上に、下部シールド110を形成した後、磁気抵抗効果膜120を成膜する。ここでは、磁気抵抗効果膜120を、基板から遠い側に固定層122が配置される、第二の反強磁性層129/第二の強磁性層128/90度層間結合層127/第一の強磁性層126/分離層125/自由層124/中間層123/固定層122/第一の反強磁性層121という構成にし、第一の強磁性層126/分離層125によって、トラック幅方向に縦バイアス磁界が印加されている自由層124の一部を信号磁界を導くフラックスガイドとして用いる構造とするのが簡便で望ましい。この磁気抵抗効果膜120をフォトリソグラフィとイオンミリングや反応性イオンエッチングを用いてトラック幅方向に所望の形状にパターニングする。次に、磁気抵抗効果膜120のトラック幅方向両端部にリフトオフ法を用いて絶縁膜140を形成する(以上、実施例1と同様)。
次いで、磁気抵抗効果膜120を素子高さ方向にフォトリソグラフィとイオンミリングや反応性イオンエッチングを用いて所望の形状にパターニングし、リフトオフ法を用いて絶縁膜141を形成する。更に、素子高さ方向により小さい寸法に、フォトリソグラフィとイオンミリングや反応性イオンエッチングを用いて所望の形状にパターニングする。但し、イオンミリングや反応性イオンエッチングは質量分析計等の終端検知機能を有する装置で行い、最上層の第一の反強磁性層121から中間層123までをエッチングし、自由層124以下の層はエッチングせずに残すようにする。極端に自由層124の磁化量が減少しない範囲内であれば、自由層124の表面を若干オーバーエッチングしても構わない。また、自由層124以下の層に加えて、中間層123の一部がミリングされていない形状であっても構わない。次に磁気抵抗効果膜120の素子高さ方向両端部にリフトオフ法を用いて絶縁膜142を形成する。最後に、上部シールド150を形成し、下部シールド110と上部シールド150で、磁気抵抗効果膜120の電気抵抗変化の検出を行うようにする。尚、実施例1で述べたように、磁気抵抗効果膜120のパターニングについては、トラック幅方向と素子高さ方向の順序が入れ替わっても差し支えはない。
図13に示したように、磁気抵抗効果膜120から見て、浮上面とは反対側の領域にも自由層124以下の層を残し、バックフラックスガイドとして機能させると、より効果的に自由層に信号磁界を取り込むことが出来るので望ましい構造となる。磁気抵抗効果膜120の詳細構成に関しては、前述した通りであるので省略する。フラックスガイド型の磁気ヘッドにおいては、フラックスガイド自体がノイズの発生源とならないように注意する必要がある。本実施例においては、第一の強磁性層126/分離層125によって、トラック幅方向に縦バイアス磁界が印加されている自由層124の一部をフラックスガイドとして用いている為、ノイズを発生することなく、高い信頼性を有する再生特性を得ることができる。また、この構造は、浮上面における上下シールド間隔の狭小化に対しても非常に有利である。
〔実施例6〕
本発明を適用した記録再生複合磁気ヘッドの概略図を図14に示す。上述したような方法で磁気抵抗効果型磁気ヘッド(再生ヘッド)を作製した後、詳細は省略するが、主に磁極160とコイル170から成る記録ヘッドを作製した形となっている。記録ヘッド構造は、面内磁気記録用としても垂直磁気記録用としても良い。尚、先に記録ヘッドを作製し、その上に磁気抵抗効果型磁気ヘッド(再生ヘッド)を作製しても差し支えない。ウエハプロセス終了後、切断工程、浮上面加工工程やアセンブリー工程を経て、磁気記録再生装置に組み込まれると磁気記録媒体に情報を記録/再生することができる。
図15は本発明による磁気記録再生装置の概略図である。磁気的に情報が記録される磁気記録媒体500をスピンドルモータ600にて回転駆動し、アクチュエータ800によってヘッドスライダ700を磁気記録媒体500のトラック上に誘導する。即ち磁気記録再生装置においては、ヘッドスライダ700上に形成した再生ヘッド及び記録ヘッドが磁気記録媒体500上の所望の位置に近接して相対運動し、信号を順次記録/再生する。記録信号は信号処理系900を通じて記録ヘッドにて磁気記録媒体500上に記録し、磁気記録媒体500に記録された磁気信号を再生ヘッドにて電磁変換し、信号処理系900を経て電気信号として得る。ヘッドスライダ700を磁気記録媒体500の所望の記録トラック上へ移動させる為には、再生ヘッドによってトラック上の位置信号を検出し、アクチュエータ800を制御して位置決めを行う。図では磁気記録媒体500の両面に磁気信号が記録される場合を想定し、ヘッドスライダ700が2つ搭載された場合を示したが、勿論、磁気記録媒体500の片面のみに磁気信号が記録される形態としてもよく、その場合には1つのヘッドスライダ700が搭載されることになる。また、磁気記録媒体500は1枚のみ示したが、複数枚あっても構わない。
上述したような本発明の磁気ヘッドおよびこれを搭載した磁気記録再生装置においては、高感度で信頼性の高い再生特性を得ることができる。
本発明による磁気抵抗効果型磁気ヘッドの第一の実施例を媒体対向面から見た概略図。 本発明による磁気抵抗効果膜の好ましい詳細を媒体対向面から見た概略図。 強磁性的層間結合及び90度層間結合を有した場合の磁化曲線を比較した図。 90度層間結合により強磁性層に付与される異方性磁界の90度層間結合層:MnPt膜厚依存性を示した図。 縦バイアス磁界印加機構の有無による磁気抵抗効果曲線の相違を比較した図。 反強磁性的な層間結合磁界のCu膜厚依存性を示した図。 従来技術による磁気抵抗効果型磁気ヘッドの一例を媒体対向面から見た概略図。 トランスファーカーブ及びゼロ磁界における自由層の磁化状態を従来技術と本発明で比較した図。 本発明による磁気抵抗効果型磁気ヘッドの第二の実施例に用いる磁気抵抗効果膜を媒体対向面から見た概略図。 本発明による磁気抵抗効果型磁気ヘッドの第三の実施例に用いる磁気抵抗効果膜を媒体対向面から見た概略図。 本発明による磁気抵抗効果型磁気ヘッドの第四の実施例に用いる磁気抵抗効果膜を媒体対向面から見た概略図。 本発明における強磁性層の磁化方向制御に関するプロセスフローを示した図。 本発明をフラックスガイド型磁気ヘッドへ適用した第五の実施例の素子高さ方向の断面図。 本発明を適用した記録再生複合磁気ヘッドの概略図。 本発明を適用した磁気記録再生装置の概略図。
符号の説明
110:下部シールド
120,220,320,420:磁気抵抗効果膜
121:第一の反強磁性層
122:固定層
123:中間層
124:自由層
125:分離層
126:第一の強磁性層
127:90度層間結合層
128:第二の強磁性層
129:第二の反強磁性層
130:固定層中の第一の反強磁性層側の強磁性層の磁化方向
131:固定層中の中間層側の強磁性層の磁化方向
132:自由層の磁化方向
133:第一の反強磁性層の磁化方向
134:第二の強磁性層中の90度層間結合層側の強磁性層の磁化方向
135:第二の強磁性層中の第二の反強磁性層側の強磁性層の磁化方向
140,142,143:絶縁膜
150:上部シールド
160:磁極
170:コイル
500:磁気記録媒体
600:スピンドルモータ
700:ヘッドスライダ
800:アクチュエータ
900:信号処理系

Claims (21)

  1. 第一の方向に磁化が固定された固定層と、外部磁界に対して磁化方向が変化する自由層と、前記固定層と前記自由層との間に積層された中間層からなる磁気抵抗効果膜と、
    前記自由層を単磁区化する為の縦バイアス磁界印加機構と、
    前記磁気抵抗効果膜に電流を流す為の一対の電極とを備えた垂直通電型磁気ヘッドにおいて、
    前記縦バイアス磁界印加機構は、前記自由層に接して前記中間層とは反対側の面に、分離層と、第一の強磁性層と、90度層間結合層と、前記第一の方向に磁化が固定されている第二の強磁性層と、を順次積層して構成され、
    前記第一の強磁性層は、前記90度層間結合層を介して前記第二の強磁性層と略直交方向に層間結合し、外部磁界がゼロの状態において、前記第二の強磁性層の磁化方向と略直交方向の磁化を有することを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 前記第一の方向が略素子高さ方向であって、前記固定層と前記第二の強磁性層の磁化が略素子高さ方向に固定されており、前記第一の強磁性層は外部磁界がゼロの状態において略トラック幅方向の磁化を有することを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 前記第一の強磁性層は、トラック幅方向端部にて前記自由層と静磁結合し、磁束が還流することで、前記自由層にトラック幅方向と略平行な第二の方向の縦バイアス磁界を印加することを特徴とする請求項2記載の磁気ヘッド。
  4. 前記自由層と前記第一の強磁性層は、前記分離層を介して反強磁性的に層間結合し、前記自由層にはトラック幅方向と略平行な前記第二の方向の縦バイアス磁界が印加されることを特徴とする請求項3記載の磁気ヘッド。
  5. 前記第二の強磁性層は、少なくとも2層の強磁性層を有し、前記少なくとも2層の強磁性層は反強磁性結合層を介して積層されていることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド。
  6. 前記90度層間結合層は、Mn−X(XはCr,Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Re,Os,Ir,Ptの少なくとも1種類の元素)で表される材料からなることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド。
  7. 前記90度層間結合層は、Mn−Ptからなり、その膜厚が1 nm以上2.5 nm以下であることを特徴とする請求項6記載の磁気ヘッド。
  8. 前記90度層間結合層は、CrあるいはMnからなることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド。
  9. 前記90度層間結合層は、Mg,Ca,Cr,Mn,Fe,Coからなる群の内、少なくとも1種類以上の元素を含む酸化膜からなることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド。
  10. 前記固定層の磁化が、前記固定層に接して前記中間層とは反対側の面に形成された第一の反強磁性層との交換結合により略素子高さ方向に固定されており、前記第二の強磁性層の磁化が、前記第二の強磁性層に接して前記90度層間結合層とは反対側の面に形成された第二の反強磁性層との交換結合により略素子高さ方向に固定されていることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド。
  11. 前記固定層の磁化が、前記固定層に接して前記中間層とは反対側の面に形成された第一の反強磁性層との交換結合により略素子高さ方向に固定されており、前記第二の強磁性層は、反強磁性結合層を介して積層された少なくとも2層の強磁性層を有し、前記第二の強磁性層の磁化が、略素子高さ方向に固定されていることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド。
  12. 前記固定層の磁化が、前記固定層に接して前記中間層とは反対側の面に形成された第一の反強磁性層との交換結合により略素子高さ方向に固定されており、前記第二の強磁性層は、硬質磁性体からなり、前記第二の強磁性層の磁化が、略素子高さ方向に固定されていることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド。
  13. 前記固定層は、反強磁性結合層を介して積層された少なくとも2層の強磁性層を有し、前記固定層の磁化が、略素子高さ方向に固定されており、前記第二の強磁性層の磁化が、前記第二の強磁性層に接して前記90度層間結合層とは反対側の面に形成された第二の反強磁性層との交換結合により略素子高さ方向に固定されていることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド。
  14. 前記固定層は、反強磁性結合層を介して積層された少なくとも2層の強磁性層を有し、前記固定層の磁化が、略素子高さ方向に固定されており、前記第二の強磁性層は、反強磁性結合層を介して積層された少なくとも2層の強磁性層を有し、前記第二の強磁性層の磁化が、略素子高さ方向に固定されていることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド。
  15. 前記固定層は、反強磁性結合層を介して積層された少なくとも2層の強磁性層を有し、前記固定層の磁化が、略素子高さ方向に固定されており、前記第二の強磁性層は、硬質磁性体からなり、前記第二の強磁性層の磁化が、略素子高さ方向に固定されていることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド。
  16. 略素子高さ方向に磁化が固定された固定層と、
    外部磁界に対して磁化方向が変化する自由層と、
    前記固定層と前記自由層との間に積層された中間層と、
    前記自由層に接して前記中間層とは反対側の面に形成された、分離層と、第一の強磁性層と、90度層間結合層と、略素子高さ方向に磁化が固定されている第二の強磁性層との積層膜からなり、前記自由層を単磁区化する為の縦バイアス磁界を印加する機構とを備える磁気ヘッドの製造方法において、
    前記固定層の磁化を略素子高さ方向に固定するための第一の反強磁性層を前記固定層に接するように前記中間層とは反対側の面に形成する工程と、
    前記第二の強磁性層の磁化を略素子高さ方向に固定するための第二の反強磁性層を前記第二の強磁性層に接するように前記90度層間結合層とは反対側の面に形成する工程と、
    略素子高さ方向に磁界を印加しながら磁界中熱処理を行う工程とを有することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  17. 略素子高さ方向に磁化が固定された固定層と、
    外部磁界に対して磁化方向が変化する自由層と、
    前記固定層と前記自由層との間に積層された中間層と、
    前記自由層に接して前記中間層とは反対側の面に形成された、分離層と、第一の強磁性層と、90度層間結合層と、略素子高さ方向に磁化が固定されている第二の強磁性層との積層膜からなり、前記自由層を単磁区化する為の縦バイアス磁界を印加する機構とを備える磁気ヘッドの製造方法において、
    前記固定層の磁化を略素子高さ方向に固定するための第一の反強磁性層を前記固定層に接するように前記中間層とは反対側の面に形成する工程と、
    前記第二の強磁性層として、少なくとも2層の強磁性層を反強磁性結合層を介して積層して形成する工程と、
    略素子高さ方向に磁界を印加しながら磁界中熱処理を行う工程とを有することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  18. 略素子高さ方向に磁化が固定された固定層と、
    外部磁界に対して磁化方向が変化する自由層と、
    前記固定層と前記自由層との間に積層された中間層と、
    前記自由層に接して前記中間層とは反対側の面に形成された、分離層と、第一の強磁性層と、90度層間結合層と、略素子高さ方向に磁化が固定されている第二の強磁性層との積層膜からなり、前記自由層を単磁区化する為の縦バイアス磁界を印加する機構とを備える磁気ヘッドの製造方法において、
    前記固定層の磁化を略素子高さ方向に固定するための第一の反強磁性層を前記固定層に接するように前記中間層とは反対側の面に形成する工程と、
    前記第二の強磁性層として硬質磁性体層を形成する工程と、
    略素子高さ方向に磁界を印加しながら磁界中熱処理を行う工程とを有することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  19. 略素子高さ方向に磁化が固定された固定層と、
    外部磁界に対して磁化方向が変化する自由層と、
    前記固定層と前記自由層との間に積層された中間層と、
    前記自由層に接して前記中間層とは反対側の面に形成された、分離層と、第一の強磁性層と、90度層間結合層と、略素子高さ方向に磁化が固定されている第二の強磁性層との積層膜からなり、前記自由層を単磁区化する為の縦バイアス磁界を印加する機構とを備える磁気ヘッドの製造方法において、
    前記固定層として、少なくとも2層の強磁性層を反強磁性結合層を介して積層して形成する工程と、
    前記第二の強磁性層の磁化を略素子高さ方向に固定するための第二の反強磁性層を前記第二の強磁性層に接するように前記90度層間結合層とは反対側の面に形成する工程と、
    略素子高さ方向に磁界を印加しながら磁界中熱処理を行う工程とを有することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  20. 略素子高さ方向に磁化が固定された固定層と、
    外部磁界に対して磁化方向が変化する自由層と、
    前記固定層と前記自由層との間に積層された中間層と、
    前記自由層に接して前記中間層とは反対側の面に形成された、分離層と、第一の強磁性層と、90度層間結合層と、略素子高さ方向に磁化が固定されている第二の強磁性層との積層膜からなり、前記自由層を単磁区化する為の縦バイアス磁界を印加する機構とを備える磁気ヘッドの製造方法において、
    前記前記固定層として、少なくとも2層の強磁性層を反強磁性結合層を介して積層して形成する工程と、
    前記第二の強磁性層として、少なくとも2層の強磁性層を反強磁性結合層を介して積層して形成する工程と、
    略素子高さ方向に静磁界を印加することにより、前記固定層と前記第二の強磁性層の磁化方向を略素子高さ方向に固定する工程とを有することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  21. 略素子高さ方向に磁化が固定された固定層と、
    外部磁界に対して磁化方向が変化する自由層と、
    前記固定層と前記自由層との間に積層された中間層と、
    前記自由層に接して前記中間層とは反対側の面に形成された、分離層と、第一の強磁性層と、90度層間結合層と、略素子高さ方向に磁化が固定されている第二の強磁性層との積層膜からなり、前記自由層を単磁区化する為の縦バイアス磁界を印加する機構とを備える磁気ヘッドの製造方法において、
    前記固定層として、少なくとも2層の強磁性層を反強磁性結合層を介して積層して形成する工程と、
    前記第二の強磁性層として硬質磁性体層を形成する工程と、
    略素子高さ方向に静磁界を印加することにより、前記固定層と前記第二の強磁性層の磁化方向を略素子高さ方向に固定する工程とを有することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
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