JP2006125470A - 車輪用のハブ軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、構造が簡単で、回転抵抗を低トルクに保ちつつ、軸受内に水が浸入しても軌道溝および転動体の表面に潤滑剤の被膜が保たれるハブ軸受装置を提供する。
【解決手段】ハブ軸受装置1aは、転動体11と固定部材20と回転部材30と固形潤滑剤16a,16bとを備える。固定部材20は、車両を支持する懸架装置側に設けられ、固定側軌道22a,22bを有する。回転部材30は、車輪とともに回転する側に設けられ、回転側軌道23a,23bを有する。固形潤滑剤16a,16bは、潤滑剤62を含有して固定側軌道22a,22bと回転側軌道23a,23bとで囲われる範囲に設けられる。
【選択図】 図1
【解決手段】ハブ軸受装置1aは、転動体11と固定部材20と回転部材30と固形潤滑剤16a,16bとを備える。固定部材20は、車両を支持する懸架装置側に設けられ、固定側軌道22a,22bを有する。回転部材30は、車輪とともに回転する側に設けられ、回転側軌道23a,23bを有する。固形潤滑剤16a,16bは、潤滑剤62を含有して固定側軌道22a,22bと回転側軌道23a,23bとで囲われる範囲に設けられる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、転動体と内輪及び外輪との間に潤滑剤を保持する車両の車輪用のハブ軸受装置に関する。
ホイール用のハブユニット軸受は、水がかかることがある。軸受を構成する外輪および内輪と転動体とは、それぞれ潤滑剤によって被膜が表面に形成され、発錆しないように保護される。潤滑剤は、その粘度が低いと、流出しやすく、水がかかることで被膜が不十分となることもある。その結果、軸受の軌道面と転動体とは、異常磨耗あるいはフレーキングを生じたり、発錆したりする。
そこで、潤滑剤は、適度な供給と粘度とが必要である。特許文献1は、グリースを潤滑剤として用いる場合の動粘度をある値の範囲内に設定することで、潤滑剤が軸受から流出して不足することを防止し、且つ、長期間続けて使用できるようにするものである。
特開2003−239999号公報
潤滑剤の流出を抑制する程度に粘度を大きくすると、軸受は、回転抵抗が増す。また、流動性の潤滑剤を使用する限りは、回転することによる遠心力で潤滑剤が偏ったり、転がり抵抗による発熱によって粘度が変化したりする。特に、高速回転する箇所に使用される場合、その影響が顕著に表れる。
ところが、ホイール用のハブユニットに組み込まれる軸受は、この軸受におけるエネルギー損失を抑えるために、低トルク(回転抵抗が小さい)であることが求められる。これは、潤滑剤を軸受の軌道溝と転動体との間に保持させることと相反する。潤滑剤を定期的に供給することも対策の一つとして考えられるが、軸受の周辺の構造が複雑となるため、好ましくない。
そこで、本発明は、構造が簡単で、軸受の回転抵抗を低トルクに保ちつつ、軸受内に水が浸入しても軌道溝および転動体の表面に潤滑剤の被膜が保たれるハブ軸受装置を提供する。
本発明に係るハブ軸受装置は、固定部材と回転部材と転動体と固形潤滑剤とを備える。固定部材は、車両を支持する懸架装置側に設けられ、固定側軌道を有する。回転部材は、車輪とともに回転する側に設けられ、回転側軌道を有する。複数の転動体は、固定側軌道および回転側軌道に転接する。固形潤滑剤は、潤滑剤を含有して固定側軌道と回転側軌道とで囲われる範囲に設ける。
この場合、保持器としての機能を兼ね備えることによって、部品点数を減らして製造コストを抑えるために、固形潤滑剤は、固定側軌道と回転側軌道との間で複数の転動体を一定の間隔に保持する剛性を有すると良い。そして、高い負荷がかかる場合は、固形潤滑剤は、固定側軌道と回転側軌道との間で複数の転動体を一定の間隔に保持する保持器を内蔵する。
また、固定側軌道および回転側軌道が、車輪の回転軸に沿う方向に並べて複数列に設けられる場合、複数の転動体および固形潤滑剤は、各列ごとに独立して設ける。
本発明に係るハブ軸受装置によれば、固定側軌道と回転側軌道との間に固形潤滑剤が設けられている。したがって、ハブ軸受装置が高速回転する場合などにも潤滑剤が漏れ出ることなく、軸受の回転抵抗を低トルクに保ちつつ、固定側軌道と回転側軌道と転動体との表面に供給される。また、構造が簡単であるため、奥まった箇所に取り付けることにも適している。
さらに、含浸させた潤滑剤は、長期間にわたって徐々にしみだすので、ハブ軸受装置の寿命が伸びる。固定側軌道と回転側軌道とで囲われる範囲に固形潤滑剤が設けられているため、これらの間に粉塵などの不純物や水が浸入することを防止することができる。軸受内に水分が浸入しても、固定側軌道と回転側軌道と転動体との表面には、潤滑剤の被膜が形成されているので、発錆することを防止することができる。
本発明に係る第1の実施形態のハブ軸受装置1aについて、図1を参照して説明する。ハブ軸受装置1aは、車両を支持する懸架装置と車輪との間に設けられるものであって、転動体11と固定輪12と回転輪13a,13bとハブキャリア14とハブ15と固形潤滑剤16a,16bとを備える。転動体11は、車輪の回転軸Tを中心とする環状に複数配置され、且つ、回転軸Tに沿う方向へ並べて複数列(本実施形態では、2列)に設けられている。
転動体11と転接する固定側軌道22a,22bおよび回転側軌道23a,23bは、各列に対応して設けられる。固定側軌道22a,22bは、外輪となる固定輪12に形成され、回転側軌道23a,23bは、内輪となる回転輪13a,13bに形成される。回転輪13a,13bは、回転軸Tに沿う方向に二分割され、それぞれに回転側軌道23a,23bが形成されている。
ハブキャリア14は、円筒状の外輪嵌合部31が形成され、懸架装置の端部に取り付けられている。固定輪12は、挿入端側12sが奥に突き当たるまで外輪嵌合部31に挿入される。この状態の固定輪12の挿入手前側が合致する位置の外輪嵌合部31には、溝32が設けられ、止輪33が嵌着される。固定輪12は、この止輪33によって車輪の回転軸Tに沿う方向へ抜け出ることを防止される。
ハブ15は、円筒状の内輪嵌合部34が形成され、車輪の回転軸Tを中心とする半径方向に延びる回転側フランジ35を備える。回転側フランジ35は、植込ボルト36が取り付けられ、この植込ボルト36によってブレーキディスク37およびタイヤホイル38と締結される。またハブ15の中心には、駆動系に連結される車軸39が通されている。車軸39とハブ15とは、回転軸Tに沿う方向に設けられるスプライン15a,39aによって連結されて一体に回転する。
回転輪13a,13bは、内輪嵌合部34に装着される。二分割された回転輪13a,13bは、回転軸Tに沿う方向に車軸39とハブ15とに挟まれ、保持される。転動体11に対する予圧は、回転軸Tに沿う方向に回転輪13a,13bを寄せる締め付け具合によって調整される。
本実施形態において、固定側軌道22a,22bを有する固定部材20は、固定輪12およびハブキャリア14であり、回転側軌道23a,23bを有する回転部材30は、回転輪13およびハブ15である。
固形潤滑剤16a,16bは、固定側軌道22a,22bと回転側軌道23a,23bとの間に設けられる。固形潤滑剤16a,16bは、2列に分割して設けられた転動体11および回転輪13a,13bに対応して、回転軸Tに沿う方向に二分割されている。固形潤滑剤16a,16bは、多数の空隙を有した親油性の固形部材61と、空隙に捕捉された潤滑剤62とで構成される。固形部材61は、同じ列に配置される複数の転動体11を一定の間隔に保持する十分な剛性を有しており、例えばポリオレフィンを主成分とする合成樹脂で作られている。潤滑剤62は、例えば鉱油などの炭化水素油をベースとした油である。
この場合、潤滑剤62は、赤やその他の色に着色されている。潤滑剤62の含有量が低下することによって、固形潤滑剤16a,16bが固形部材61のみの色に近づく。このように、色の変化が潤滑剤62の残留量を推定する目安となる。
また、固定輪12と回転輪13a,13bとの間において、転動体11に対して固形潤滑剤16a,16bよりも外側となる部分には、シールド部材17a,17bが設けられる。シールド部材17a,17bは、転動体11と固定側軌道22a,22bおよび回転側軌道23a,23bとの間に異物や水分が浸入することを防止する。本実施形態において、転動体11は、ボールである。固定側軌道22a,22bと回転側軌道23a,23bと転動体11とは、アンギュラ玉軸受の背面組合せの位置関係に構成されている。
以上のように構成されたハブ軸受装置1aは、軸受を構成する固定側軌道22a,22bと回転側軌道23a,23bと転動体11とがハブキャリア14とハブ15と車軸39とで取り囲まれ、さらにブレーキディスク37やタイヤホイル38で覆われている部分に配置されている。このような狭隘部においても、固形潤滑剤16a,16bが固定側軌道22a,22bと回転側軌道23a,23bと転動体11との表面に潤滑剤62を長期間にわたって供給する。潤滑剤62は、固形部材61の空隙に捕捉されているので、回転することによって遠心力が加わっても偏りを生じたり流れ出たりすることが抑制される。固定側軌道22a,22bと回転側軌道23a,23bとで囲われる範囲に固形潤滑剤16a,16bが充填されているので、水や粉塵など不純物の進入を抑えることができる。
このハブ軸受装置1aは、固形部材61の空隙から徐々に潤滑剤62がしみ出すことによって、固定側軌道22a,22bと回転側軌道23a,23bと転動体11の表面とのそれぞれに長期間にわたって潤滑剤62を供給することができる。したがって、潤滑剤62を補充し難いこれらの面が発錆することを防止することができる。また、潤滑剤62の粘性を高くすることなく潤滑剤62を固定側軌道22a,22bと回転側軌道23a,23bと転動体11との間に留めることができるので、回転抵抗が増大することはない。
さらに、固形潤滑剤16a,16bが転動体11を一定の間隔に保持する十分な剛性を有しており、保持器としての機能を果たすことができる。その結果、保持器を省略することにより、ハブ軸受装置1aの部品点数を減らすことができるので、ハブ軸受装置1aの製造単価を安くすることができる。
以降、本実施形態のハブ軸受装置1aと同じ機能を有する構成は、図面中において同一の符号を付してその説明を省略する。
本発明に係る第2の実施形態のハブ軸受装置1bは、図2を参照して説明する。図2に示すハブ軸受装置1bは、従動輪となる車輪の支持部に適用される。このハブ軸受装置1bにおいて、外輪嵌合部31は、ハブ15に形成されている。回転輪13は、外輪として外輪嵌合部31に挿嵌されている。車軸39は、車輪の回転軸Tと同軸に配置され、回転軸Tから半径方向に広がる固定側フランジ40を備える。車軸39は、固定側フランジ40で懸架装置50に取り付けられ、したがって回転しない。
内輪嵌合部34は、車軸39の外周に設けられている。車輪の回転軸Tに沿う方向に二分割された固定輪12a,12bは、内輪として内輪嵌合部34に挿嵌されている。固定輪12a,12bは、車軸39の基部側に設けられた段差部34aと先端側に螺合されたナット41によって挟まれて固定されている。
ハブ軸受装置1bは、ハブ15に回転輪13と転動体11と固形潤滑剤16a,16bと固定輪12a,12bとを組み付けたものを、懸架装置50に取り付けられた車軸39に装着した後、車軸39の先端にナット41を取り付けることで、組み上げられている。本実施形態において、固定側軌道22a,22bを有する固定部材20は、固定輪12a,12bおよび車軸39であり、回転側軌道23a,23bを有する回転部材30は、回転輪13およびハブ15である。
本発明に係る第3の実施形態のハブ軸受装置1cは、図3を参照して説明する。図3に示すハブ軸受装置1cは、従動輪となる車輪の支持部に適用される。このハブ軸受装置1cにおいて、外輪嵌合部31は、ハブキャリア14に形成されている。外輪となる固定輪12は、外輪嵌合部31に挿嵌されている。ハブキャリア14は、懸架装置50に設けられる取付部との間に固定輪12を挟みこむ。車軸39は、車輪の回転軸Tと同軸に配置され、回転軸Tから半径方向に広がる回転側フランジ35を有している。
車輪のタイヤホイル38は、回転側フランジ35にブレーキディスク37を挟んで取り付けられている。内輪となる回転輪13a,13bは、車軸39の外周に設けられた内輪嵌合部34に挿嵌され、タイヤホイル38と反対側の車軸39の端部に螺合されたナット41によって挟まれて固定されている。
このハブ軸受装置1cは、車軸39に回転輪13a,13bと転動体11と固形潤滑剤16a,16bと固定輪12とハブキャリア14とを組合せた後、固定側フランジ40で懸架装置50に固定される。本実施形態において、固定側軌道22a,22bを有する固定部材20は、固定輪12およびハブキャリア14であり、回転側軌道23a,23bを有する回転部材30は、回転輪13a,13bおよび車軸39である。
本発明に係る第4の実施形態のハブ軸受装置1dは、図4を参照して説明する。図4に示すハブ軸受装置1dは、駆動輪となる車輪の支持部に適用される。このハブ軸受装置1dにおいて、固定側軌道22a,22bは、ハブキャリア14と一体に形成されている。このハブキャリア14は、車輪の回転軸Tから半径方向に広がる固定側フランジ40を有している。固定側フランジ40は、懸架装置50に固定される。
軸受の外輪となる固定輪がハブキャリア14と一体に形成されることによって、部品点数が減る。ハブ軸受装置1dは、ハブ15と回転輪13a,13bと転動体11と固形潤滑剤16a,16bとハブキャリア14とを組合せた後、車軸39に装着され、懸架装置50に固定側フランジ40で締結される。本実施形態において、固定側軌道22a,22bを有する固定部材20は、ハブキャリア14であって、回転側軌道23a,23bを有する回転部材30は、回転輪13a,13bおよびハブ15である。
本発明に係る第5の実施形態のハブ軸受装置1eは、図5を参照して説明する。図5に示すハブ軸受装置1eは、従動輪となる車輪の支持部に適用される。このハブ軸受装置1eにおいて、回転側軌道23a,23bは、ハブ15と一体に形成されている。このハブ15は、図2に示した第2の実施形態のハブ軸受装置1bと同様に、車輪の回転軸Tから半径方向に広がる回転側フランジ35を備える。車軸39の先端部は、ハブ15の中央部に取り付けられるキャップ42で覆われている。
軸受の外輪となる回転輪がハブ15と一体に形成されることによって、部品点数が減る。ハブ軸受装置1eは、車軸39と固定輪12a,12bと転動体11と固形潤滑剤16a,16bとハブ15とを組合せた後、固定側フランジ40で懸架装置50に取り付けられる。本実施形態において、固定側軌道22a,22bと有する固定部材20は、固定輪12a,12bおよび車軸39であり、回転側軌道23a,23bを有する回転部材30は、ハブ15である。
本発明に係る第6の実施形態のハブ軸受装置1fは、図6を参照して説明する。図6に示すハブ軸受装置1fは、従動輪となる車輪の支持部に適用される。このハブ軸受装置1fにおいて、固定側軌道22a,22bは、図4に示した第4の実施形態の場合と同様に、ハブキャリア14と一体に形成されている。また、回転側軌道23a,23bは、図3に示した第3の実施形態の場合と同じ状態に構成されている。
ハブ軸受装置1fは、車軸39に回転輪13a,13bと転動体11と固形潤滑剤16a,16bとハブキャリア14とを組合せた後、固定側フランジ40で懸架装置50に取り付けられる。本実施形態において、固定側軌道22a,22bを有する固定部材20は、ハブキャリア14であり、回転側軌道23a,23bを有する回転部材30は、回転輪13a,13bおよび車軸39である。
本発明に係る第7の実施形態のハブ軸受装置1gは、図7を参照して説明する。図7に示すハブ軸受装置1gは、駆動輪となる車輪の支持部に適用される。ハブ軸受装置1gにおいて、固定側軌道22a,22bは、図4に示した第4の実施形態の場合と同様に設けられている。2列に配置された回転側軌道23a,23bのうち、タイヤホイル38に近い側となる回転側軌道23bは、ハブ15の外周面に一体に形成されている。
懸架装置50側のハブ15の端部には、内輪嵌合部34が設けられている。内輪となる回転輪13aは、回転側軌道23aが形成され、内輪嵌合部34に挿嵌されている。タイヤホイル38側のハブキャリア14とハブ15との間には、ベローズ状に形成されたシールド部材17bが取り付けられている。
ハブ軸受装置1gは、ハブ15に対して、シールド部材17b、回転側フランジ35寄りの転動体11および固形潤滑剤16b、ハブキャリア14、懸架装置50寄りの転動体11および固形潤滑剤16a、回転輪13aの順に組み付けたものを、車軸39にスプライン15a,39aを嵌合させて装着した後、固定側フランジ40で懸架装置50に固定される。本実施形態において、固定側軌道22a,22bを有する固定部材20は、ハブキャリア14であり、回転側軌道23a,23bを有する回転部材30は、回転輪13aおよびはぶ15である。
本発明に係る第8の実施形態のハブ軸受装置1hは、図8を参照して説明する。図8に示すハブ軸受装置1hは、従動輪となる車輪の支持部に適用される。ハブ軸受装置1hにおいて、回転側軌道23a,23bは、図5に示した第5の実施形態の場合と同様に設けられている。固定側軌道22a,22bは、2列に設けられ、懸架装置50に近い側の固定側軌道22aは、懸架装置50から延びる回転しない車軸39の外周に一体に形成されている。
タイヤホイル38に近い側の車軸39の外周には、内輪嵌合部34が形成されている。タイヤホイル38に近い側の固定側軌道22bが形成された固定輪12bは、内輪嵌合部34に挿嵌され、車軸39の端部に螺合されたナット41で押えられている。
ハブ軸受装置1hは、車軸39に対して、シールド部材17a、懸架装置50寄りの転動体11および固形潤滑剤16a、ハブ15、車輪寄りの転動体11および固形潤滑剤16b、固定輪12bの順に組み付けた後、車軸39の先端にナット41を螺合して組み立てられる。本実施形態において、固定側軌道22a,22bを有する固定部材20は、固定輪12bおよび車軸39であり、回転側軌道23a,23bは、ハブ15である。
本発明に係る第9の実施形態のハブ軸受装置1iは、図9を参照して説明する。図9に示すハブ軸受装置1iは、従動輪となる車輪の支持部に適用される。ハブ軸受装置1iにおいて、2列設けられる回転側軌道23a,23bのうちの車輪よりに設けられる回転側軌道23bは、車軸39の外周に形成されている。車軸39は、車輪の回転軸Tと同軸に配置されて回転する。固定側軌道22a,22bは、懸架装置50と一体に設けられるハブキャリア14に形成されている。
回転側フランジ35は、車輪側の車軸39の端部に設けられている。懸架装置50側の車軸39の外周には、内輪嵌合部34が設けられている。内輪となる回転輪13aは、内輪嵌合部34に挿嵌された後、車軸39の端部39bが押し拡げられるようにかしめられて固定される。懸架装置50側に設けられる回転側軌道23a,は、回転輪13aに形成されている。
ハブ軸受装置1iは、以下の手順で組み立てられる。固定側軌道22a,22bと回転側軌道23a,23bとに転接した状態に配置された転動体11を液状の固形潤滑剤16a,16bの原料で包み、固定側軌道22a,22bと回転側軌道23a,23bとの間の空間を埋める形に成形される。この状態で液状の固形潤滑剤16a,16bの原料を固化させる。転動体11を包含して成形された固形潤滑剤16a,16bを、固定側軌道22a,22bが形成された外輪となるハブキャリア14に装着する。
回転側軌道23bが形成された内輪となる車軸39に、固形潤滑剤16a,16bとともに転動体11が装着されたハブキャリア14を組合せる。内輪嵌合部34に車軸39とともに回る回転輪13aが圧入される。さらに、回転輪13aを挿入した側の車軸39の端部を押し拡げるようにかしめることで、回転輪13aを固定する。また、懸架装置50側から異物が混入しないようにするために、懸架装置50側のハブキャリア14の開口部を覆うキャップ43が装着される。
本実施形態において、固定側軌道22a,22bを有する固定部材20は、ハブキャリア14であり、回転側軌道23a,23bを有する回転部材30は、回転輪13aおよび車軸39である。
上記説明した第1から第9の実施形態のハブ軸受装置1a〜1iに、図10から図12に示す軸受10a,10b,10cの構成を適用しても良い。図10から図12に示す軸受10a,10b,10cは、回転側軌道または固定側軌道が形成される内輪2と外輪3とを備える。内輪2および外輪3は、一方が固定部材となり、他方が回転部材となる。いずれの軸受10a,10b,10cの構成も第1から第9の実施形態の固定側軌道22a,22b、回転側軌道23a,23b、転動体11、固形潤滑剤16a,16bとで構成される軸受部分と置き換えることが可能である。
図10に示す軸受10aは、背面組合せの複列のアンギュラころ軸受の形態を有している。この軸受10aは、内輪2または外輪3に設けられる回転側軌道および固定側軌道としての内輪軌道2a,2bおよび外輪軌道3a,3bと、転動体としての複数のころ4aと、これらで囲われる範囲に充填された固形潤滑剤16a,16bを備える。
図11に示す軸受10bは、背面組合せの複列のアンギュラ玉軸受の形態を有している。この軸受10bは、内輪2または外輪3に設けられる回転側軌道および固定側軌道としての内輪軌道2a,2bおよび外輪軌道3a,3bと、転動体としての複数のボール4bと、これらで囲われる範囲に設けられる固形潤滑剤16a,16bと、複数のボール4bを一定の間隔で環状に配置して固形潤滑剤16a,16bに内蔵される保持器18a,18bとを備える。
図12に示す軸受10cは、背面組合せの複列のアンギュラころ軸受の形態を有している。この軸受10cは、図10に示した軸受10aに、図11で示した保持器18a,18bと同様の保持器18a,18bを固形潤滑剤16a,16bに内蔵するものである。特に、図11や図12に示すように保持器18a,18bを固形潤滑剤16a,16bに内蔵することによって、固形潤滑剤16a,16bが補強される。軸受10b,10cが回転中に固形潤滑剤16a,16bが撓むことを防止することができる。
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i…ハブ軸受装置、2a,2b…内輪軌道、3a,3b…外輪軌道、4a…ころ(転動体)、4b…ボール(転動体)、11…転動体、16a,16b…固形潤滑剤、18a,18b…保持器、20…固定部材、22a,22b…固定側軌道、23a,23b…回転側軌道、30…回転部材、50…懸架装置、62…潤滑剤、T…回転軸。
Claims (4)
- 車両を支持する懸架装置側に設けられて固定側軌道を有する固定部材と、
車輪とともに回転する側に設けられて回転側軌道を有する回転部材と、
前記固定側軌道および回転側軌道に転接する複数の転動体と、
潤滑剤を含有して前記固定側軌道と前記回転側軌道とで囲われる範囲に設けられる固形潤滑剤と
を備えることを特徴とするハブ軸受装置。 - 前記固形潤滑剤は、前記固定側軌道と前記回転側軌道との間で前記複数の転動体を一定の間隔に保持する剛性を有することを特徴とする請求項1に記載のハブ軸受装置。
- 前記固形潤滑剤は、前記固定側軌道と前記回転側軌道との間で前記複数の転動体を一定の間隔に保持する保持器を内蔵することを特徴とする請求項1に記載のハブ軸受装置。
- 前記固定側軌道および前記回転側軌道は、前記車輪の回転軸に沿う方向に並べて複数列に設けられ、
前記複数の転動体および前記固形潤滑剤は、各列ごとに独立して設けられることを特徴とする請求項1に記載のハブ軸受装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JP2003042165A (ja) * | 2001-07-31 | 2003-02-13 | Ntn Corp | 転がり軸受及びその組立方法 |
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-
2004
- 2004-10-27 JP JP2004312611A patent/JP2006125470A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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