JP2006116673A - 同心溝加工方法及びこの方法により製造する同心溝加工品、同心溝成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軸付き研削砥石の回転軸の傾きを変えながら研削砥石を走査させて加工を行うことにより、軸付き研削砥石の端面部で断面が凸曲線となる部分を、軸付き研削砥石の円周面部で断面が直線となる部分の加工を行うことにより、先端の尖った砥石を使った鋭い溝谷部の加工を行いながら、凸曲線部分も良好な表面あらさで加工する同心溝加工方法及びこの方法により製造する同心溝加工品を提供する。
【解決手段】 断面が凸曲線と直線からなる同心溝2を、軸付き研削砥石4を用いて研削加工する同心溝加工方法において、前記同心溝2の中心を回転軸として加工物1を回転させ、前記軸付き研削砥石4の回転軸5の傾きを変化させながら回転している前記加工物1に対して前記軸付き研削砥石4を走査することにより前記軸付き研削砥石4の端面部で断面が凸曲線となる部分を、前記軸付き研削砥石4の円周面部で断面が直線となる部分の加工を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 断面が凸曲線と直線からなる同心溝2を、軸付き研削砥石4を用いて研削加工する同心溝加工方法において、前記同心溝2の中心を回転軸として加工物1を回転させ、前記軸付き研削砥石4の回転軸5の傾きを変化させながら回転している前記加工物1に対して前記軸付き研削砥石4を走査することにより前記軸付き研削砥石4の端面部で断面が凸曲線となる部分を、前記軸付き研削砥石4の円周面部で断面が直線となる部分の加工を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、断面形状が直線と凸曲線からなる同心溝で構成される光学部品、光学部品用金型を製造するのに使用される同心溝加工方法及びこの方法により製造する同心溝加工品に関するものである。
従来では、研削砥石を用いて同心溝形状の加工を行う方法として、砥石の先端を尖らした研削砥石を工作物の半径方向及び回転軸方向に駆動させ、複数の不連続な曲面で構成される軸対称な非球面形状の部品を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
図18は同心溝形状の加工に使用する尖った先端を有する研削砥石を示す概略図である(特許文献1に対応)。図19は同心溝形状の加工に使用する丸い先端を有する研削砥石を示す概略図である。
図18の場合、ワークの谷部の形状を鋭利にすることができるが、工具の先端6が尖っているため、加工面の表面粗さが悪くなる問題がある。加工面の表面粗さを悪化させない方法としては、図19に示すように研削砥石のエッジ6’を丸めて形成する方法があるが、この場合、溝谷部の形状が丸くなるという問題が発生する。
また、特許文献2のように、加工する輪帯ごとに砥石を形成する方法がある。この方法の場合、溝断面形状が直線である場合は可能であるが、断面が曲線形状となる場合、砥石の形成が困難になるという問題がある。また、輪帯ごとに砥石を形成するので、加工する輪帯の数が100本以上の加工をするのは困難である。
図20は本発明の対象である溝形状部分を有する加工物を示す平面図である。図21は図20のa−a’での断面を示す正面図である。図22は図21において丸で囲んだ部分を示す拡大図である。図20及び図21において、符号1は加工物をそして符号2は溝を示している。
図22において、1’−2、2’−3、3’−4は上に凸の曲線、1−1’、2−2’、3−3’、4−4’は直線となる。図21の溝の加工を行う場合、特許文献1のように、加工物1を回転させながら、砥石を加工物1に対して駆動することによって加工する方法がある。
図23は断面が凸曲線と直線からなる同心溝を従来の方法で加工する様子を示す概略図である。図23には加工物1、溝2、加工物1の回転軸3、研削砥石4及びこの研削砥石4の回転軸5を示している。
図18は同心溝形状の加工に使用する尖った先端を有する研削砥石を示す概略図である(特許文献1に対応)。図19は同心溝形状の加工に使用する丸い先端を有する研削砥石を示す概略図である。
図18の場合、ワークの谷部の形状を鋭利にすることができるが、工具の先端6が尖っているため、加工面の表面粗さが悪くなる問題がある。加工面の表面粗さを悪化させない方法としては、図19に示すように研削砥石のエッジ6’を丸めて形成する方法があるが、この場合、溝谷部の形状が丸くなるという問題が発生する。
また、特許文献2のように、加工する輪帯ごとに砥石を形成する方法がある。この方法の場合、溝断面形状が直線である場合は可能であるが、断面が曲線形状となる場合、砥石の形成が困難になるという問題がある。また、輪帯ごとに砥石を形成するので、加工する輪帯の数が100本以上の加工をするのは困難である。
図20は本発明の対象である溝形状部分を有する加工物を示す平面図である。図21は図20のa−a’での断面を示す正面図である。図22は図21において丸で囲んだ部分を示す拡大図である。図20及び図21において、符号1は加工物をそして符号2は溝を示している。
図22において、1’−2、2’−3、3’−4は上に凸の曲線、1−1’、2−2’、3−3’、4−4’は直線となる。図21の溝の加工を行う場合、特許文献1のように、加工物1を回転させながら、砥石を加工物1に対して駆動することによって加工する方法がある。
図23は断面が凸曲線と直線からなる同心溝を従来の方法で加工する様子を示す概略図である。図23には加工物1、溝2、加工物1の回転軸3、研削砥石4及びこの研削砥石4の回転軸5を示している。
図24は鋭利な先端を有する研削砥石により加工された断面が凸曲線を示す概略図である。図25は鋭利な工具先端が加工面に転写している様子を示す概略図である。先端を尖らした研削砥石を用いる場合、溝谷部を鋭くできるという点で優れているが、図24のBに示すような断面が凸曲線となる部分の加工を行う場合、工具先端が鋭利であるため、表面粗さが悪化する問題がある。
図25は鋭利な工具先端が加工面に転写している様子を示しており、理想の加工面11が点線で示すような形状であるのに対して、実際の加工面12は実線で表されるように、鋭利な工具形状が転写した面となる。
断面が凸曲線となる部分の表面粗さを向上させる方法としては図19で示したように砥石の先端を丸めるという方法がある。前述のごとく、図18及び図19は研削砥石の先端形状を示している。図18は先端が鋭利な研削砥石を、図19は先端6’を丸めた砥石を示している。
図19のように、砥石先端6’を丸めた砥石を用いた場合、図24のBに示すように、断面が曲線となる部分の表面粗さに関しては優れているが、図24のAに示すような溝谷部を鋭くすることができないという問題がある。
図26は図24のBの部分を拡大して示す概略図である。13が溝谷部を示している。溝谷部13は、砥石の先端の半径よりも小さくすることができないため、先端を丸めた砥石を使う場合、溝谷部も丸くなってしまうという問題がある。
特開2000−237942公報
特開2002−321146公報
図25は鋭利な工具先端が加工面に転写している様子を示しており、理想の加工面11が点線で示すような形状であるのに対して、実際の加工面12は実線で表されるように、鋭利な工具形状が転写した面となる。
断面が凸曲線となる部分の表面粗さを向上させる方法としては図19で示したように砥石の先端を丸めるという方法がある。前述のごとく、図18及び図19は研削砥石の先端形状を示している。図18は先端が鋭利な研削砥石を、図19は先端6’を丸めた砥石を示している。
図19のように、砥石先端6’を丸めた砥石を用いた場合、図24のBに示すように、断面が曲線となる部分の表面粗さに関しては優れているが、図24のAに示すような溝谷部を鋭くすることができないという問題がある。
図26は図24のBの部分を拡大して示す概略図である。13が溝谷部を示している。溝谷部13は、砥石の先端の半径よりも小さくすることができないため、先端を丸めた砥石を使う場合、溝谷部も丸くなってしまうという問題がある。
上述したように、従来の方法では鋭い溝谷部と凸曲線部分の表面粗さを両立することができなかった。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、軸付き研削砥石の回転軸の傾きを変えながら研削砥石を走査させて加工を行うことにより、軸付き研削砥石の端面部で断面が凸曲線となる部分を、軸付き研削砥石の円周面部で断面が直線となる部分の加工を夫々行うことにより、先端の尖った砥石を使った鋭い溝谷部の加工を行いながら、凸曲線部分も良好な表面あらさで加工する同心溝加工方法及びこの方法により製造する同心溝加工品を提供することにある。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、軸付き研削砥石の回転軸の傾きを変えながら研削砥石を走査させて加工を行うことにより、軸付き研削砥石の端面部で断面が凸曲線となる部分を、軸付き研削砥石の円周面部で断面が直線となる部分の加工を夫々行うことにより、先端の尖った砥石を使った鋭い溝谷部の加工を行いながら、凸曲線部分も良好な表面あらさで加工する同心溝加工方法及びこの方法により製造する同心溝加工品を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、断面が凸曲線と直線からなる同心溝を、軸付き研削砥石を用いて研削加工する同心溝加工方法において、前記同心溝の中心を回転軸として加工物を回転させ、前記軸付き研削砥石の回転軸の傾きを変化させながら回転している前記加工物に対して前記軸付き研削砥石を走査することにより前記軸付き研削砥石の端面部で断面が凸曲線となる部分を、前記軸付き研削砥石の円周面部で断面が直線となる部分の加工を行う同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記軸付き研削砥石と、それにより加工する同心溝とが接触する溝加工点における溝断面の凸曲線の法線と前記軸付き研削砥石の回転軸が平行になる請求項1記載の同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記軸付き研削砥石にダイヤモンド砥石を用いる請求項1記載の同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、加工した同心溝形状を測定し、測定された溝の誤差を反映させて再度溝加工を行うことにより、精度の良い同心溝加工を行う請求項1記載の同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、各同心溝の断面が凸曲線となる部分を繋ぎ合わせた形状の円弧近似曲線を求め、断面が求められた円弧近似曲線と等しくなる球面の加工を行い、加工された球面の誤差を測定することにより、工具の位置合わせを行う請求項1記載の同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記軸付き研削砥石の端面と円周面とがなす角度を変えることにより、前記同心溝の断面の凸曲線部と直線部がなす角度が直角以外の同心溝加工を行う請求項1記載の同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記同心溝加工方法を実施した後、正確に加工できていない領域を、工具回転軸を傾けながら研削砥石エッジを用いて加工することにより、同心溝の谷部付近も正確な形状とする請求項1記載の同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1記載の同心溝加工方法で加工された同心溝加工品を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8記載の同心溝加工品で成形された同心溝成形品を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記軸付き研削砥石と、それにより加工する同心溝とが接触する溝加工点における溝断面の凸曲線の法線と前記軸付き研削砥石の回転軸が平行になる請求項1記載の同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記軸付き研削砥石にダイヤモンド砥石を用いる請求項1記載の同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、加工した同心溝形状を測定し、測定された溝の誤差を反映させて再度溝加工を行うことにより、精度の良い同心溝加工を行う請求項1記載の同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、各同心溝の断面が凸曲線となる部分を繋ぎ合わせた形状の円弧近似曲線を求め、断面が求められた円弧近似曲線と等しくなる球面の加工を行い、加工された球面の誤差を測定することにより、工具の位置合わせを行う請求項1記載の同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記軸付き研削砥石の端面と円周面とがなす角度を変えることにより、前記同心溝の断面の凸曲線部と直線部がなす角度が直角以外の同心溝加工を行う請求項1記載の同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記同心溝加工方法を実施した後、正確に加工できていない領域を、工具回転軸を傾けながら研削砥石エッジを用いて加工することにより、同心溝の谷部付近も正確な形状とする請求項1記載の同心溝加工方法を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1記載の同心溝加工方法で加工された同心溝加工品を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8記載の同心溝加工品で成形された同心溝成形品を特徴とする。
本発明によれば、軸付き研削砥石の端面部で溝の断面が曲線となる部分を加工するため、研削砥石のエッジを尖らせたままでも表面粗さに優れた加工を行うことができる。また、砥石のエッジが尖っているため、鋭利な溝谷部を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の同心溝加工方法による同心溝加工を説明する概略図である。図1において、符号1は加工物、符号2は加工する同心溝、符号3は加工物1の回転軸、符号4は研削砥石、符号5は研削砥石4の回転軸、符号7は加工点、そして符号8は加工点7における同心溝の曲線部(曲面部)2aの法線を示している。
研削砥石4の回転軸5と加工点7における同心溝2の曲線部2aの法線8とを平行にすることにより、加工点7での同心溝2の断面の曲線部の傾きを正しくすることができるため、正確な形状の溝加工ができる。
即ち、本実施形態は、断面が凸曲線と直線からなる同心溝2を、軸付き研削砥石4を用いて研削加工する同心溝加工方法において、同心溝2の中心3を回転軸として加工物1を回転させ、軸付き研削砥石4の回転軸5の傾きを変化させながら回転している加工物1に対して軸付き研削砥石4を走査することにより軸付き研削砥石の端面部によって断面が凸曲線となる部分を加工し、軸付き研削砥石の円周面部(外周縁部)によって断面が直線となる部分の加工を行うようにした点が特徴的である。
研削砥石4として、切れ味に優れるダイヤモンドバイト砥石を用いることにより、表面粗さと形状精度に優れた加工面を得ることができる。加工した溝形状を測定し、測定された溝の誤差を反映させて再度溝加工を行うことにより、精度の良い溝加工を行うことができる。
正確な同心溝形状を加工するためには、工具の位置を正確に合わせる必要があるが、同心溝を加工して測定を行う場合、各断面での測定長が短くなるため、誤差が生じやすい。
そのため、各同心溝2の断面形状を繋ぎ合わせた形状の円弧近似曲線を求め、断面が求められた円弧近似曲線と等しくなる球面の加工を行い、加工された球面形状の誤差を測定し、工具位置決めを行えば良い。
また、軸付き研削砥石4の端面とその円周面とがなす角度を変えることにより、同心溝2の凸曲線部2aと直線部2bとがなす角度が直角以外の同心溝加工を行うことができる。
研削砥石4の回転軸5と加工点7における同心溝2の曲線部2aの法線8とを平行にすることにより、加工点7での同心溝2の断面の曲線部の傾きを正しくすることができるため、正確な形状の溝加工ができる。
即ち、本実施形態は、断面が凸曲線と直線からなる同心溝2を、軸付き研削砥石4を用いて研削加工する同心溝加工方法において、同心溝2の中心3を回転軸として加工物1を回転させ、軸付き研削砥石4の回転軸5の傾きを変化させながら回転している加工物1に対して軸付き研削砥石4を走査することにより軸付き研削砥石の端面部によって断面が凸曲線となる部分を加工し、軸付き研削砥石の円周面部(外周縁部)によって断面が直線となる部分の加工を行うようにした点が特徴的である。
研削砥石4として、切れ味に優れるダイヤモンドバイト砥石を用いることにより、表面粗さと形状精度に優れた加工面を得ることができる。加工した溝形状を測定し、測定された溝の誤差を反映させて再度溝加工を行うことにより、精度の良い溝加工を行うことができる。
正確な同心溝形状を加工するためには、工具の位置を正確に合わせる必要があるが、同心溝を加工して測定を行う場合、各断面での測定長が短くなるため、誤差が生じやすい。
そのため、各同心溝2の断面形状を繋ぎ合わせた形状の円弧近似曲線を求め、断面が求められた円弧近似曲線と等しくなる球面の加工を行い、加工された球面形状の誤差を測定し、工具位置決めを行えば良い。
また、軸付き研削砥石4の端面とその円周面とがなす角度を変えることにより、同心溝2の凸曲線部2aと直線部2bとがなす角度が直角以外の同心溝加工を行うことができる。
図2は溝の谷部分に近いところを加工している様子を示す拡大図である。図3は図2のAの領域の拡大図である。図3で符号14は溝の理想形状を示す。研削砥石4の端面が直線であるため、図3の符号15の斜線部に示すような未加工の領域が発生する。
図4は図3の未加工の領域を説明する拡大図である。図4に示すように、未加工領域が発生するa−a’の部分を、研削砥石4の先端部6を用いて加工することにより、より理想形状に近い溝加工を行うことができる。
図5は本発明の加工法に用いる加工機の構成の一例を示す概略斜視図である。図5において、加工物21は加工物回転軸23上に中心を置き、軸付き研削砥石24に対向して配置されている。図5には、工具回転軸25、C軸回転軸26が示してある。
加工機はX、Y、Zの直交3軸とC軸の4軸を有している。図5では、X軸ステージ27、Y軸ステージ28、Z軸ステージ29、そしてC軸テーブル31を示している。また、加工物21は加工物スピンドル30に支持されて、加工物回転軸23を中心に回転する。
軸付き砥石24は、工具スピンドル32によって、軸付き砥石24の回転軸25を中心に回転する。加工物回転軸23は常にY軸と平行であるが、工具回転軸25はC軸テーブル31の回転によってY軸との傾きをXY平面上で変化させることができる。
図6は同心溝加工の様子を示す図5の1部分を拡大した概略斜視図である。図6において符号22は加工物21に加工された溝を示している。図5と同一部分には同一符号を付してある。
図7、図8は同心溝加工を行う手順を説明する概略図である。溝加工はA→B→C→図8の順序で行われる。図7において、加工物21は溝加工がそれに行なわれる加工物であり、加工された溝22、及びまだ加工が行われていない領域である斜線部35を示している。砥石の回転軸は符号36で示している。
図7において、手順Aは1本目の溝加工を開始した直後の様子を、手順Bは1本目の溝加工がまもなく終了する様子を示している。点線は手順Aでの砥石位置を示している。図のように加工点での溝22の法線と砥石24の回転軸が平行となるように砥石24の回転軸36の傾きを変えながら砥石24を移動させて加工を行う。
手順Cは2本目の溝加工を行っている様子を示している。1本目の溝と同様に、加工点での溝の法線と砥石の回転軸が平行となるように砥石24の回転軸36の傾きを変えながら砥石24を移動させて加工を行う。3本目、4本目と同様な加工を繰り返す。図8は溝加工がまもなく終了する状態を示している。
図4は図3の未加工の領域を説明する拡大図である。図4に示すように、未加工領域が発生するa−a’の部分を、研削砥石4の先端部6を用いて加工することにより、より理想形状に近い溝加工を行うことができる。
図5は本発明の加工法に用いる加工機の構成の一例を示す概略斜視図である。図5において、加工物21は加工物回転軸23上に中心を置き、軸付き研削砥石24に対向して配置されている。図5には、工具回転軸25、C軸回転軸26が示してある。
加工機はX、Y、Zの直交3軸とC軸の4軸を有している。図5では、X軸ステージ27、Y軸ステージ28、Z軸ステージ29、そしてC軸テーブル31を示している。また、加工物21は加工物スピンドル30に支持されて、加工物回転軸23を中心に回転する。
軸付き砥石24は、工具スピンドル32によって、軸付き砥石24の回転軸25を中心に回転する。加工物回転軸23は常にY軸と平行であるが、工具回転軸25はC軸テーブル31の回転によってY軸との傾きをXY平面上で変化させることができる。
図6は同心溝加工の様子を示す図5の1部分を拡大した概略斜視図である。図6において符号22は加工物21に加工された溝を示している。図5と同一部分には同一符号を付してある。
図7、図8は同心溝加工を行う手順を説明する概略図である。溝加工はA→B→C→図8の順序で行われる。図7において、加工物21は溝加工がそれに行なわれる加工物であり、加工された溝22、及びまだ加工が行われていない領域である斜線部35を示している。砥石の回転軸は符号36で示している。
図7において、手順Aは1本目の溝加工を開始した直後の様子を、手順Bは1本目の溝加工がまもなく終了する様子を示している。点線は手順Aでの砥石位置を示している。図のように加工点での溝22の法線と砥石24の回転軸が平行となるように砥石24の回転軸36の傾きを変えながら砥石24を移動させて加工を行う。
手順Cは2本目の溝加工を行っている様子を示している。1本目の溝と同様に、加工点での溝の法線と砥石の回転軸が平行となるように砥石24の回転軸36の傾きを変えながら砥石24を移動させて加工を行う。3本目、4本目と同様な加工を繰り返す。図8は溝加工がまもなく終了する状態を示している。
図9は同心溝の各領域で加工された溝の理想形状からのずれ量の測定を示す概略図である。溝を加工後、図9に示すように、溝の各領域で加工された溝の理想形状からのずれ量を測定する。図9では加工面の片側のみを表記している。加工は回転対称となるため、通常は片側のみの測定を行えば良い。
図10は図9の1−1’の領域での理想形状からのずれ量を測定した例をグラフで示す図である。図11は図10に示す理想形状からのずれ量を6次の多項式近似を行った結果をグラフで示す図である。
図11に示す6次の多項式近似の式をE(x)と表記する。図11の場合、6次で近似を行っているが、多項式の次数は6次に限定するものではなく、加工物の形状、誤差曲線のパターンなどによってより適した次数を選択することができる。
図12は図9の1−1’の部分の溝の断面形状をグラフで示す概略図である。溝の断面形状は式f(x)で定義することができるものとする。溝を再加工するさいにf(x)−E(x)の式で定義できる形状を加工するように工具を動作させることにより、より精度の良い溝加工を行うことができる。
図13は誤差を反映させて再度溝加工を行なった溝の理想形状からのずれ量をグラフで示す図である。先に行った加工の誤差を次の加工に反映させることにより、精度良い加工ができていることが解る。
図14は加工を行う同心溝形状を示す概略図である。図14において、溝形状37には、各溝の曲線溝部分をつなぎ合わせた線38が示してあり、この線38の曲線の円弧近似曲線を求めた線39が示してある。断面が線39となる球面形状の加工を行い、球面の誤差を測定し、求められた誤差から工具の位置あわせを行う。
図15は工具の砥石の端面と円周面とがなす角度aを変えることにより、加工される同心溝の断面の角度が変わる様子を第1の実施の形態で示す概略図である。
図16は工具の砥石の端面と円周面とがなす角度bを変えることにより、加工される溝の断面の角度が変わる様子を第2の実施の形態で示す概略図である。図17は工具の砥石の端面と円周面とがなす角度cを変えることにより、加工される溝の断面の角度が変わる様子を第3の実施の形態で示す概略図である。
図15では、断面が鋭角の溝を加工する様子を示し、図16では、断面が直角溝を加工する様子を示し、そして図17では、断面が鈍角になる溝を加工する様子を示している。図15ないし図17において、符号4は研削砥石である。
図10は図9の1−1’の領域での理想形状からのずれ量を測定した例をグラフで示す図である。図11は図10に示す理想形状からのずれ量を6次の多項式近似を行った結果をグラフで示す図である。
図11に示す6次の多項式近似の式をE(x)と表記する。図11の場合、6次で近似を行っているが、多項式の次数は6次に限定するものではなく、加工物の形状、誤差曲線のパターンなどによってより適した次数を選択することができる。
図12は図9の1−1’の部分の溝の断面形状をグラフで示す概略図である。溝の断面形状は式f(x)で定義することができるものとする。溝を再加工するさいにf(x)−E(x)の式で定義できる形状を加工するように工具を動作させることにより、より精度の良い溝加工を行うことができる。
図13は誤差を反映させて再度溝加工を行なった溝の理想形状からのずれ量をグラフで示す図である。先に行った加工の誤差を次の加工に反映させることにより、精度良い加工ができていることが解る。
図14は加工を行う同心溝形状を示す概略図である。図14において、溝形状37には、各溝の曲線溝部分をつなぎ合わせた線38が示してあり、この線38の曲線の円弧近似曲線を求めた線39が示してある。断面が線39となる球面形状の加工を行い、球面の誤差を測定し、求められた誤差から工具の位置あわせを行う。
図15は工具の砥石の端面と円周面とがなす角度aを変えることにより、加工される同心溝の断面の角度が変わる様子を第1の実施の形態で示す概略図である。
図16は工具の砥石の端面と円周面とがなす角度bを変えることにより、加工される溝の断面の角度が変わる様子を第2の実施の形態で示す概略図である。図17は工具の砥石の端面と円周面とがなす角度cを変えることにより、加工される溝の断面の角度が変わる様子を第3の実施の形態で示す概略図である。
図15では、断面が鋭角の溝を加工する様子を示し、図16では、断面が直角溝を加工する様子を示し、そして図17では、断面が鈍角になる溝を加工する様子を示している。図15ないし図17において、符号4は研削砥石である。
本発明によれば、表面粗さに優れた加工面を備え、且つ鋭利な谷部を有する同心溝加工を行うことができる。加工点での曲面の傾きを正しくすることができるため、正確な形状の同心溝加工ができる。
本発明によれば、表面粗さと形状精度に優れた加工面を得ることができる。工具位置合わせを正確に行うことができるため、高い精度の同心溝加工を行うことができる。また、同心溝の曲線部と直線部がなす角度が直角以外の溝加工を行うことができる。
本発明によれば、表面粗さと形状精度に優れた加工面を得ることができる。工具位置合わせを正確に行うことができるため、高い精度の同心溝加工を行うことができる。また、同心溝の曲線部と直線部がなす角度が直角以外の溝加工を行うことができる。
1 加工物、2 同心溝、3 加工物1の回転軸、4 軸付き研削砥石、6 研削砥石4の先端部、5 研削砥石4の回転軸(工具回転軸)、7 加工点、8 加工点7における同心溝2の曲線の法線、21 加工物、24 軸付き研削砥石
Claims (9)
- 断面が凸曲線と直線からなる同心溝を、軸付き研削砥石を用いて研削加工する同心溝加工方法において、前記同心溝の中心を回転軸として加工物を回転させ、前記軸付き研削砥石の回転軸の傾きを変化させながら回転している前記加工物に対して前記軸付き研削砥石を走査することにより前記軸付き研削砥石の端面部によって断面が凸曲線となる部分を加工し、前記軸付き研削砥石の円周面部によって断面が直線となる部分の加工を行うことを特徴とする同心溝加工方法。
- 前記軸付き研削砥石と、それにより加工する同心溝とが接触する溝加工点における溝断面の凸曲線から延びる法線と前記軸付き研削砥石の回転軸が平行になることを特徴とする請求項1記載の同心溝加工方法。
- 前記軸付き研削砥石にダイヤモンド砥石を用いることを特徴とする請求項1記載の同心溝加工方法。
- 加工した同心溝形状を測定し、測定された溝の誤差を反映させて再度溝加工を行うことにより、精度の良い同心溝加工を行うことを特徴とする請求項1記載の同心溝加工方法。
- 各同心溝の断面が凸曲線となる部分を繋ぎ合わせた形状の円弧近似曲線を求め、断面が求められた円弧近似曲線と等しくなる球面の加工を行い、加工された球面の誤差を測定することにより、工具の位置合わせを行うことを特徴とする請求項1記載の同心溝加工方法。
- 前記軸付き研削砥石の端面とその円周面とがなす角度を変えることにより、前記同心溝の断面の凸曲線部と直線部とがなす角度が直角以外の同心溝加工を行うことを特徴とする請求項1記載の同心溝加工方法。
- 前記同心溝加工方法を実施した後で正確に加工できていない領域を、工具回転軸を傾けながら研削砥石エッジを用いて加工することにより、同心溝の谷部付近も正確な形状とすることを特徴とする請求項1記載の同心溝加工方法。
- 請求項1記載の同心溝加工方法で加工されたことを特徴とする同心溝加工品。
- 請求項8記載の同心溝加工品で成形されたことを特徴とする同心溝成形品。
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JP2004308930A JP2006116673A (ja) | 2004-10-22 | 2004-10-22 | 同心溝加工方法及びこの方法により製造する同心溝加工品、同心溝成形品 |
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JP2008303094A (ja) * | 2007-06-06 | 2008-12-18 | Olympus Corp | 圧縮応力部形成装置及びこれを用いた凸部形成方法並びにガラス部品 |
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2004
- 2004-10-22 JP JP2004308930A patent/JP2006116673A/ja active Pending
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