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JP2006110986A - インクジェット記録シート用有機粒子及び記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート用有機粒子及び記録シート Download PDF

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JP2006110986A
JP2006110986A JP2005143712A JP2005143712A JP2006110986A JP 2006110986 A JP2006110986 A JP 2006110986A JP 2005143712 A JP2005143712 A JP 2005143712A JP 2005143712 A JP2005143712 A JP 2005143712A JP 2006110986 A JP2006110986 A JP 2006110986A
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organic
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Seiya Kusumoto
征也 楠本
Yoshihiko Tomita
嘉彦 富田
Yasuo Okada
康雄 岡田
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

【課題】
高光沢でインク吸収性に優れ、且つ耐水性、塗膜強度、発色濃度、鏡面ドラムからの離型性に優れ、染料系インク、顔料系インクの両方のインクに適応できるインクジェット記録シート用有機粒子およびそれからなるインクジェット記録シートを提供する。
【解決手段】
有機粒子がコア部とシェル部を有する多層構造体であり、コア部を構成する重合体成分組成比が、(メタ)アクリルアミド(a)0〜5重量%、その他共重合可能なモノマー(b)が95〜100重量%の範囲であり、かつ、シェル部を構成する重合体成分組成比が(メタ)アクリルアミド(a)30〜100重量%、その他共重合可能なモノマー(b)0〜70重量%の範囲であり、また、有機粒子のガラス転移温度(Tg)が90℃以上であり、またシート状支持体上に該有機粒子を含有するインクジェット記録シートである。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、インクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターに適用されるインクジェット記録用有機粒子およびそれからなるインクジェット記録シートに関するものである。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の記録用シートに付着させ、画像・文字等の記録を行うものである。該記録方式は、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像及び定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として、種々の用途において急速に普及している。しかし、昨今は光沢、剛直、色相等の外観も銀塩写真や印刷用紙に類似することが要望され、さらには印刷画像の長期保存性も要望されており、従来からある上質紙や塗工紙のインクジェット記録シートではこれらの要望に応えられなくなってきている。
印刷画像の保存性を改善する方法として、インクそのものが耐光性、耐ガス性に優れる顔料インクを用いることも検討されている。ただ、顔料を用いたインクではインクの吐出口であるノズルがつまり易いという問題が存在する。また顔料インクを使用した場合、記録シート表層に残った顔料インクが擦れにより削り取られてしまう、所謂耐擦過性に劣るという問題がある。
一方、光沢を有する記録シートは、現在、多量の微細な無機粒子を塗層に含有させて、高光沢を付与している。インク吸収性と光沢を両立させるために、塗層に微小な無機粒子を多量に含有させ、キャストコーティング法と称される方法によってインクジェット記録シートを製造することも提案されているが、これらの方法でも、近年のインク吐出量の多いインクジェットプリンターやプロッターには、相反する特性であるインク吸収性と光沢を両立させることは難しい。インク吸収性を重視した設計、例えば、無機粒子を多量に使用し空隙を増すことによって、インク吸収性を向上させた場合、高光沢が得難くなるし、また表面強度が低下するという問題がある。また光沢を重視した設計、例えば無機粒子の使用量を減少させた場合、高光沢は得られるが、空隙が減少しインク吸収性の確保が難くなるという問題がある。光沢を付与する処理方法としては、スーパーカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用い、圧力や温度をかけたロール間に通紙することで塗層表面を平滑化する方法が一般的である。しかしながら、インクジェット記録シートに光沢を付与する目的で、高線圧下でカレンダー処理を行うと、光沢は向上するが、塗層の空隙が減少し、インクの吸収が遅くなり、また、吸収容量の不足からインクのあふれが発生してしまう問題がある。このことから、カレンダー処理は、許容されるインク吸収容量の範囲内で条件を選択せざるを得ず、現行技術でインク吸収と光沢を得ることは難しいのが現状である。
光沢付与を目的とする技術は、例えば、アルミナを主成分とするカチオン性コロイド粒子とカチオン性ラテックスからなる塗工組成物を、該ラテックスのガラス転移温度より高い温度でキャストコーティングされた、インクジェット記録シートが開示されている(特許文献1)。しかし、該カチオン性ラテックスは無機粒子であるアルミナのバインダーとして作用しており、また、該ラテックス粒子が熱変形を起して空隙を塞いでしまうため、いまだ充分なインク吸収性が得られない問題がある。
また、カチオン性単量体および(メタ)アクリルアミドを含むアクリル・スチレン系ポリマー分散液を、インク受理層上にインク透過性が生ずるように塗布したインクジェットシートが開示されている(特許文献2)。しかし、(メタ)アクリルアミドのような親水性単量体と共重合したアクリル・スチレン系有機粒子は、その有機粒子のガラス転移温度(Tg)に依存せずに可塑化してしまうため、特にキャストコーティング法のような高温で平滑化処理した場合には粒子が熱変形を起して空隙を塞いでしまい、充分なインクの吸収性が得られない問題がある。
特開平11−11011号公報 特開2004−175113号公報
本発明の目的は、高光沢でインク吸収性に優れ、且つ耐水性、塗膜強度、発色濃度、鏡面ドラムからの離型性に優れ、染料系インク、顔料系インクの両方のインクに適応できるインクジェット記録シート用有機粒子およびそれからなるインクジェット記録シートを提供することにある。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意検討した結果、有機粒子がコア部とシェル部を有する多層構造体であり、コア部を構成する重合体成分組成比が、(メタ)アクリルアミド(a)0〜5重量%、その他共重合可能なモノマー(b)が95〜100重量%の範囲であり、かつ、シェル部を構成する重合体成分組成比が(メタ)アクリルアミド(a)30〜100重量%、その他共重合可能なモノマー(b)0〜70重量%の範囲であり、また、有機粒子のガラス転移温度(Tg)が90℃以上である有機粒子を見出し、本発明を完成するに至った。また、前記有機粒子が、カチオン性有機粒子であることが好ましいインクジェット記録シート用有機粒子である。
更に、シート状支持体上に有機粒子を含有するインク受容層を少なくとも一層以上有するインクジェット記録シートであって、該有機粒子が上記記載の有機粒子であることを特徴とするインクジェット記録シートである。
また、前記記録シートの最表層が、平滑化処理を行い、シートの最表面のJIS−Z−8741に基づいた75度鏡面光沢度が60%以上であるインクジェット記録シートである。
また、上記記載の平滑化処理方法が、キャストコーティング法であり、鏡面ドラムの表面温度が該有機粒子のガラス転移温度(Tg)以下で平滑化したインクジェット記録用シートである。尚、(メタ)アクリルアミドのような記載は、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドを示す。
本発明によれば、高光沢でインク吸収性に優れ、且つ耐水性、塗膜強度、発色濃度、鏡面ドラムからの離型性に優れ、染料系インク、顔料系インクの両方のインクに適応できるインクジェット記録用有機粒子、及びインクジェット記録シートを提供することができる。
[有機粒子の組成]
本発明における有機粒子の様態としては、有機粒子がコア部とシェル部を有する多層構造体である。コア部を構成する重合体成分には必ずしも(メタ)アクリルアミドを共重合する必要はないが、共重合する事も可能である。その場合には、コア部を構成する重合体成分組成比は、シートの高光沢性、インク吸収性と塗膜強度の観点から、(メタ)アクリルアミド(a)が0〜5重量%、その他共重合可能なモノマー(b)が95〜100重量%であり、シェル部を構成する重合体成分組成比は通常(メタ)アクリルアミド(a)30〜100重量%、その他共重合可能なモノマー(b)0〜70重量%で、好ましくは(メタ)アクリルアミド(a)が0〜5重量%、その他共重合可能なモノマー(b)が95〜100重量%であり、シェル部を構成する重合体成分組成比は(メタ)アクリルアミド(a)50〜100重量%、その他共重合可能なモノマー(b)0〜50重量%である。更に好ましくは(メタ)アクリルアミド(a)が0〜3重量%、その他共重合可能なモノマー(b)が97〜100重量%であり、シェル部を構成する重合体成分組成比は(メタ)アクリルアミド(a)60〜100重量%、その他共重合可能なモノマー(b)0〜40重量%である。また、コア部とシェル部の重量比は、シートのインク吸収性と塗膜強度の観点から、97/3〜75/25の範囲であり、好ましくは95/5〜80/20の範囲である。
前記その他共重合可能なモノマー(b)としては特に制限は無く例えば、イソプレン、ブタジエン、クロロプレン、ビニルピロリドン、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリルグリシジルエーテル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等
アクリル酸エステル類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、その他の炭素原子数1乃至14のアルキルアクリレート等メタクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、その他の炭素原子数1乃至14のメタクリレート等芳香族ビニル類;スチレン、2−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等ビニルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等
ハロゲン化ビニリデン類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等(メタ)アクリルアミド誘導体;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等アミノアルキルアクリレート又はアミノアルキルメタクリレート類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等N−アミノアルキルアクリルアミド又はN−アミノアルキルメタクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド等、ハロゲンとして塩素、臭素、ヨウ素等であるハロゲン化メチル基、ハロゲン化エチル基、ハロゲン化ベンジル基等で4級塩化された、上記アミノアルキルアクリレート又はアミノアルキルメタクリレート類と、N−アミノアルキルアクリルアミド又はN−アミノアルキルアクリルアミド類の4級塩類
不飽和カルボン酸類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等水酸基含有ビニル類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
特に(b)として、有機粒子の安定性および平滑化処理の際有機粒子の変形が低減されるためt−ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレートの1種類以上が選ばれた場合好ましい。
また有機粒子の性状としては、染料分子と強い相互作用が生じるカチオン性を有するものが高い発色濃度を得るために好ましい。カチオン性を付与する方法としては、カチオン性の開始剤を使用する方法、カチオン性の界面活性剤を使用する方法、カチオン性の単量体を共重合する方法、カチオン性の水溶性ポリマーを併用する方法等が挙げられる。
[有機粒子の粒子径]
本発明における有機粒子の平均粒子径としては、10〜300nmが好ましく、より好ましくは30〜200nmである。平均粒子径がこの範囲であると、インク吸収性、印字濃度性の点で好ましい。尚、本発明における粒子径は、具体的にはレーザー粒径解析システム LPA−3000/3100(大塚電子株式会社製)で測定されたものである。
[有機粒子のガラス転移温度(Tg)]
本発明の有機粒子のガラス転移温度は、通常90〜160℃であり、より好ましくは100〜160℃であり、更に好ましくは105〜160℃である。ガラス転移温度がこの範囲であると、塗設層の乾燥温度が好適で、その結果、生産効率が良く、また、インク吸収性と光沢性を損なうことがない。尚、本発明におけるガラス転移温度は、JIS K−7121に基づきDSC曲線より求めた。
[有機粒子の製造方法]
本発明において使用する有機粒子は、公知の乳化重合法、保護コロイド重合法、あるいは機械乳化法に基づき製造することができる。例えば乳化重合法では、分散剤と開始剤の存在下で、各種モノマーを一括で仕込み重合する方法、モノマーを連続的に供給しながら重合する方法がある。その際の重合温度としては通常30〜90℃で行われ、一般的にエマルションと呼ばれる実質的に有機粒子の水分散系が得られる。乳化重合法によって得られる有機粒子の水分散系は、少量の分散剤で非常に安定で、且つ粒子径の非常に小さいものが容易に得られるという点で優れている。
本発明に使用される分散剤としては、通常の乳化重合に使用される分散剤が使用できる。ここで好ましく使用される分散剤としては、カチオン性界面活性剤や両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性水溶性ポリマー、ノニオン性水溶性ポリマー、アニオン性水溶性ポリマーなどが挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
本発明に使用される重合開始剤としては、通常の乳化重合に使用される開始剤が使用でき例えば、カチオン性基を有する開始剤の例としては、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−フェニルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(4−クロロフェニル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩等、アニオン性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等、ノニオン性開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}等のアゾ化合物等が挙げられる。また必要に応じて連鎖移動剤を併用する事もできる。また、ポリマー分散物には必要に応じて、pH調整剤、消泡剤、防腐剤等の添加剤を混合することができる。
[有機粒子を含有する層の構成]
本発明の有機粒子を含有する層は、該層が記録シート記録面の最表層にあった場合、平滑化処理後の光沢に優れ、更に顔料タイプのインクを使用しているプリンターを使用した場合の顔料インク定着性に優れ、耐擦過性が向上するので好ましい。また該有機粒子を含有する層には、通常インクジェット記録用シートに使用されている各種添加剤や各種添加材を併用しても良い。例えばバインダー機能を有するポリマーとして、水溶性ポリマーや、水不溶性ポリマーの水分散系などが挙げられる。以下に詳しく述べる。
水溶性ポリマーとしては、例えば、カチオン系水溶性ポリマーである、カチオン化ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、カチオン化ポリメタクリルアミド、ポリアミドポリウレア、ポリエチレンイミン、アリルアミン又はその塩の共重合体、エピクロルヒドリン−ジアルキルアミン付加重合体、ジアリルアルキルアミン又はその塩の重合体、ジアリルジアルキルアンモニウム塩の重合体、ジアリルアミン又はその塩と二酸化イオウ共重合体、ジリルジアルキルアンモニウム塩−二酸化イオウ共重合体、ジアリルジアルキルアンモニウム塩とジアリルアミン又はその塩もしくは誘導体との共重合体、ジアルキルアミノエチルアクリレート4級塩の重合体、ジアルキルアミノエチルメタクリレート4級塩の重合体、ジアリルジアルキルアンモニウム塩−アクリルアミド共重合体、アミン−カルボン酸共重合体等が挙げられる。
また、ノニオン系水溶性ポリマーである、ポリビニルアルコール又はその誘導体;酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;ポリビニルピロリドン又は酢酸ビニルを共重合させたポリビニルピロリドン等のポリビニルピロリドン誘導体;その誘導体カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリルアミド又はその誘導体;ポリメタクリルアミド又はその誘導体;ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。
アニオン系水溶性ポリマーとして、ポリアルギン酸及びその金属塩、カルボキシメチルセルロース及びその金属塩、ポリアクリル酸及びその金属塩、ポリアクリルアミドの部分加水分解物及びその金属塩、マレイン酸共重合物、リグニンスルホン酸及びその金属塩及びそれらの誘導体、オキシ有機酸及びその金属塩、アルキルアリルスルホン酸及びその金属塩、ポリオキシアルキルアリルエーテル、ポリオール複合体、高級多価アルコールスルホン酸及びその金属塩、ゼラチン・ニカワ等の水溶性蛋白質及びその金属塩及びそれらの誘導体等が挙げられる。
さらに水不溶性ポリマーの水分散体としては、例えば、アクリル系ポリマー(アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体)、スチレン−アクリル系ポリマー(スチレンと、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの共重合体)、MBR系ポリマー(メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体)、SBR系ポリマー(スチレン−ブタジエン共重合体)、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、EVA系ポリマー(エチレン−酢酸ビニル共重合体)の水分散体等が挙げられる。 特に耐黄変性に優れるという特徴から、ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルアルコール、アクリル系ポリマー(アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体)の水分散体が好ましい。また、水分散体の場合には、ポリマーのガラス転移温度は40℃以下が好ましい。
これらのバインダー機能を有するポリマーの使用量は、有機粒子100重量部に対して通常0〜20重量部、好ましくは0〜10重量部、さらに好ましくは0〜5重量部である。バインダー量が多い場合には粒子間空隙をバインダーが埋めて、インク吸収性が低下する場合がある。
また本発明の有機粒子を含有する層は、無機粒子を含有していなくてもインク吸収性に優れるため、必ずしも無機粒子を含有させる必要はないが、無機粒子を含有させることも可能である。その場合の無機粒子の使用量は、本発明の有機粒子を含む層に含まれる該無機粒子と本発明に使用される有機粒子の総重量を基準とした場合、該無機粒子は95重量%以下であることが好ましい。無機粒子の含有量が95重量%を越えた場合、本発明における有機粒子の効果が得られにくくなり、耐光性、耐黄変性、耐水性、顔料インクに対する耐さっか性が劣る場合がある。無機粒子としては、具体的には、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、ゼオライト、水酸化マグネシウム等が挙げられる。高い空隙率を得てインク吸収性を向上させるためには、シリカやアルミナが好ましく、より好ましくは1次粒子径が100nm以下の微粒子である。
さらに、その他に、本発明の有機粒子を含有する層には、帯電防止剤、酸化防止剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、耐水化剤、防腐剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、蛍光増白剤、着色顔料、着色染料、浸透剤、発泡剤、離型剤、抑泡剤、消泡剤、流動性改良剤、増粘剤、顔料分散剤、カチオン性定着剤等を含んでいてもよい。
[光沢の測定方法]
本発明における光沢とは、JIS Z8741に基づき、記録用シート記録面表面の75°での光沢度を測定したものであり、例えば変角光沢計 GM−3D型(村上色彩技術研究所社製)等で測定することができる。本発明の記録用シートは75°における光沢が、60%以上であるのが好ましい。60%未満では光沢が不十分となり易く、光沢を有する記録シートとは言い難くなる場合がある。
[記録シートの構成]
本発明における記録用シートの好ましい構成例としては、有機粒子の含有される層が、インクの受理に関わる表層に使用されていることである。例えば、支持体上に本発明である有機粒子を含有する層のみを設けた単層構造や、支持体上にインク受理層を設け、その上層に本発明である有機粒子を含有する層を設けてもよい。またインク受容層は2層以上設けてもよい。本発明の有機粒子を含有する層の量は、通常、シート状支持体上に、坪量として通常0.5〜50g/mであるが、特に制限されるものではない。
[シート支持体種]
本発明において、支持体としては、従来からインクジェット記録用シートに用いられる支持体、例えば、普通紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、樹脂被服紙、樹脂含浸紙、非塗工紙、塗工紙等の紙支持体、両面又は片面をポリエチレン及び/又はチタン等の白色顔料を練り込んだポリエチレン等のポリオレフィンで被覆した紙支持体、プラスチック支持体、不織布、布、織物、金属フィルム、金属板、及びこれらを貼り合わせた複合支持体を用いることができる。プラスチック支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ポリカーボネート、セロファン、ポリナイロン等のプラスチックシート、フィルム等が好ましく使用される。これらのプラスチック支持体は透明なもの、半透明なもの、及び不透明なものを用途に応じて適宜使い分けることができる。
また支持体には白色のプラスチックフィルムを用いることも好ましい。白色のプラスチック支持体としては、少量の硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料をプラスチックに含有させたものや、微細な空隙を多数設けて不透明性を付与した発泡プラスチック支持体、及び白色顔料(酸化チタン、硫酸バリウム)を有する層を設けた支持体を用いることができる。 本発明においては支持体の形状は限定されないが、通常用いられるフィルム状、シート状、板状等の他に、飲料缶のような円柱状、CDやCD−R等の円盤状、その他複雑な形状を有するものも支持体として使用できる。
[記録シートの製造方法]
本発明の記録用シートは、シート状支持体の片面または両面に、有機粒子を含んだ塗被組成物を塗布し、これを乾燥させて層を形成することによって製造される。塗工液の塗布方法に限定はなく、例えば、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、スライドホッパーコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコーター、フローティングナイフコーター、コンマコーター、ダイコーター等の従来既知の塗布方法を用いることができる。
また光沢を付与するための処理方法については特に限定はないが、一般的なカレンダー処理、つまりはスーパーカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用い、圧力や温度をかけたロール間を通過させて塗層表面を平滑化する方法や、或いは直接法、凝固法、リウエット法(再湿潤法)、プレキャスト法などのキャストコーティング法を好ましく用いることができる。またキャストコーティング法に係る圧接時の圧力、鏡面ドラムの温度、塗工速度等は適宜選択されるが、特に鏡面ドラムの温度は乾燥速度を左右するため生産性に影響を与え、また出来上がるインクジェット記録シートのインク吸収性を左右する。
有機粒子を含む層を平滑化処理する際の鏡面ドラムの表面温度は、80℃〜140℃の範囲で実施することが好ましい。80℃以上で実施した場合は生産性に優れており、また80℃から140℃の範囲で実施した場合は光沢性に優れる。
また、鏡面ドラムの表面温度は有機粒子のガラス転移温度より低い温度で実施することが好ましい。このことにより、有機粒子が熱変形を起すことなく、且つ、有機粒子シェル部最外層に局在化している(メタ)アクリルアミド系重合体成分により粒子間結合がなされるために、良好なインク吸収性と塗膜強度が得られる。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す部及び%は、特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。
[製造例1:有機粒子分散系(A1)の製造]
脱イオン水170部と28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を反応容器に仕込み、窒素気流下で70℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.5部を添加した。これとは別に、t−ブチルメタクリレート27部、イソボルニルメタクリレート27部、メチルメタクリレート32部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4部を脱イオン水50部中に28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を3時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で3時間保持した。続けて2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.1部を添加し、これとは別に、t−ブチルメタクリレート2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部、アクリルアミド7部を脱イオン水10部中に28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.3部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を30分で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持して重合を完結させた。その結果、有機粒子が水に分散したエマルション組成物が得られ、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径76nm、及び各モノマーのガラス転移温度より求めた有機粒子ポリマーのガラス転移温度は110℃であった。
[製造例2:有機粒子分散系(A2)の製造]
脱イオン水170部と28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を反応容器に仕込み、窒素気流下で70℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.5部を添加した。これとは別に、t−ブチルメタクリレート27部、イソボルニルメタクリレート27部、メチルメタクリレート32部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.6部、メタクリルアミド2.4部を脱イオン水50部中に28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を3時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で3時間保持した。続けて2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.1部を添加し、これとは別に、t−ブチルメタクリレート2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部、アクリルアミド7部を脱イオン水10部中に28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.3部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を30分で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持して重合を完結させた。その結果、有機粒子が水に分散したエマルション組成物が得られ、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径78nm、及び各モノマーのガラス転移温度より求めた有機粒子ポリマーのガラス転移温度は110℃であった。
[製造例3:有機粒子分散系(A3)の製造]
脱イオン水160部と28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を反応容器に仕込み、窒素気流下で70℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.5部を添加した。これとは別に、t−ブチルメタクリレート24部、イソボルニルメタクリレート27部、スチレン24部、ジビニルベンゼン1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4部を脱イオン水50部中に28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を3時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で3時間保持した。続けて2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.1部を添加し、これとは別に、メタクリルアミド20部を脱イオン水20部中に溶解させた水溶液を作り、この水溶液を30分で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持して重合を完結させた。その結果、有機粒子が水に分散したエマルション組成物が得られ、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径85nm、及び各モノマーのガラス転移温度より求めた有機粒子ポリマーのガラス転移温度は108℃であった。
[製造例4:有機粒子分散系(A4)の製造]
脱イオン水160部と28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を反応容器に仕込み、窒素気流下で70℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.5部を添加した。これとは別に、t−ブチルメタクリレート10部、イソボルニルメタクリレート25部、イソボルニルアクリレート14部、メチルメタクリレート27部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4部を脱イオン水50部中に28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を3時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で3時間保持した。続けて2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.1部を添加し、これとは別に、メチルメタアクリレート6部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、メタクリルアミド12部を脱イオン水20部中に28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.3部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を30分で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持して重合を完結させた。 その結果、有機粒子が水に分散したエマルション組成物が得られ、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径82nm、及び各モノマーのガラス転移温度より求めた有機粒子ポリマーのガラス転移温度は112℃であった。

[製造例5:有機粒子分散系(B1)の製造]
脱イオン水170部と28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を反応容器に仕込み、窒素気流下で70℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.5部を添加した。これとは別に、n−ブチルアクリレート5部、i−ブチルメタクリレート49部、メチルメタクリレート32部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4部を脱イオン水50部中に28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を3時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で3時間保持した。続けて2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.1部を添加し、これとは別に、t−ブチルメタクリレート2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部、アクリルアミド7部を脱イオン水10部中に28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.3部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を30分で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持して重合を完結させた。その結果、有機粒子が水に分散したエマルション組成物が得られ、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径75nm、及び各モノマーのガラス転移温度より求めた有機粒子ポリマーのガラス転移温度は71℃であった。
[製造例6:有機粒子分散系(B2)の製造]
脱イオン水180部と28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を反応容器に仕込み、窒素気流下で70℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.5部を添加した。これとは別に、t−ブチルメタクリレート29部、イソボルニルメタクリレート27部、メチルメタクリレート32部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部、アクリルアミド7部を脱イオン水50部中に28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を3時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で3時間保持した。続けて2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.1部を添加し、その後、更に同温度で4時間保持して重合を完結させた。その結果、有機粒子が水に分散したエマルション組成物が得られ、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径88nm、及び各モノマーのガラス転移温度より求めた有機粒子ポリマーのガラス転移温度は107℃であった。
[製造例7:有機粒子分散系(B3)の製造]
脱イオン水170部と28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を反応容器に仕込み、窒素気流下で70℃に昇温し、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.5部を添加した。これとは別に、t−ブチルメタクリレート27部、イソボルニルメタクリレート27部、メチルメタクリレート32部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4部を脱イオン水50部中に28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド2.0部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を3時間で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で3時間保持した。続けて2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.1部を添加し、これとは別に、t−ブチルメタクリレート8部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部を脱イオン水10部中に28%ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.3部を使って乳化させた乳化混合物を作り、この乳化混合物を30分で反応容器に滴下して、その後、更に同温度で4時間保持して重合を完結させた。その結果、有機粒子が水に分散したエマルション組成物が得られ、不揮発分30%、pH5、光散乱測定による平均粒子径69nm、及び各モノマーのガラス転移温度より求めた有機粒子ポリマーのガラス転移温度は110℃であった。
<インクジェット受容紙(C1)の作成>
インクジェットインク受容層としてまず、合成非晶質シリカ(ファインシールX−37B;(株)トクヤマ製)100部と、完全鹸化ポリビニルアルコール(PVA−117;(株)クラレ製)25部、スミレーズレジン1001(住友化学工業(株)製;固形分30%)33.3部を水に加えて混合攪拌し、固形分15%の塗被組成物を得た。この塗被組成物を坪量105g/mの上質紙に、絶乾状態で20g/mの塗工量になるよう塗工し、120℃、1分間乾燥させてインクジェット受容紙(C1)を得た。
<記録用シートの作製>
[実施例1]
製造例1で得られた有機粒子分散物(A1)からなる固形分濃度15%の塗工液を、インクジェット受容紙(C1)の上に、固形分換算で5g/mの塗工量になるようにバーコーターで塗工した後、直ちに表面温度が100℃の鏡面を有するキャストドラムに圧着、乾燥後、離型させ、光沢を有する実施例1のインクジェット記録シートを得た。
[実施例2]
実施例1において、有機粒子分散物(A1)を(A2)に変更した以外は実施例1と同じ方法で作成し、実施例2のインクジェット記録シートを得た。
[実施例3]
実施例1において、有機粒子分散物(A1)を(A3)に変更した以外は実施例1と同じ方法で作成し、実施例3のインクジェット記録シートを得た。
[実施例4]
実施例1において、有機粒子分散物(A1)を(A4)に変更した以外は実施例1と同じ方法で作成し、実施例3のインクジェット記録シートを得た。
[実施例5]
製造例1で得られた有機粒子分散物(A1)と、カチオン性コロイダルシリカ20%分散液(スノーテックス AK:日産化学工業社製)とが、固形分重量比で「50:50」、固形分濃度が15%になるように調合した。このようにして得られた塗工液をインクジェット受容紙(C1)の上に、固形分換算で5g/mの塗工量になるようにバーコーターで塗工した後、直ちに表面温度が100℃の鏡面を有するキャストドラムに圧着、乾燥後、離型させ、光沢を有する実施例5のインクジェット記録シートを得た。
[実施例6]
製造例1で得られた有機粒子分散物(A1)からなる固形分濃度15%の塗工液を、インクジェット受容紙(C1)の上に、固形分換算で5g/mの塗工量になるようにバーコーターで塗工し、120℃で1分乾燥させた。その後、平滑化処理として表面温度100℃に保たれたカレンダーロールに圧接し、ロール間を5回通過させ、光沢を有する実施例6のインクジェット記録シートを得た。
[比較例1]
実施例1において、有機粒子分散物(A1)を(B1)に変更した以外は実施例1と同じ方法で作成し、比較例1のインクジェット記録シートを得た。
[比較例2]
実施例1において、有機粒子分散物(A1)を(B2)に変更した以外は実施例1と同じ方法で作成し、比較例2のインクジェット記録シートを得た。
[比較例3]
実施例1において、有機粒子分散物(A1)を(B3)に変更した以外は実施例1と同じ方法で作成し、比較例3のインクジェット記録シートを得た。
[比較例4]
カチオン性コロイダリシリカ20%分散液(スノーテックス AK:日産化学工業社製)と、ポリビニルアルコール10%水溶液(PVA117:クラレ社製)とが、固形分重量比で「97:3」、固形分濃度が15%になるように調合した。このようにして得られた塗工液をインクジェット受容紙(C1)の上に、固形分換算で5g/mの塗工量になるようにバーコーターで塗工した後、直ちに表面温度が100℃の鏡面を有するキャストドラムに圧着、乾燥後、離型させ、光沢を有する比較例4のインクジェット記録シートを得た。
[評価方法]
以下に、得られた記録シートの評価方法について記述する。
<光沢値>
光沢の測定は、JIS Z8741に基づき、変角光沢計 GM−3D型(村上色彩技術研究所社製)を使用して、記録用シート表面の75°での光沢度を測定した。

<インク吸収性>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM950C)を用いて、イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクを縦方向にベタ印刷し、プリンターから排出された直後に、上部にPPC用紙を押しつけて、インクがPPC用紙へ転写される度合いを目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
○:インクの転写がなく、インク吸収性に優れる。
△:インクの転写があるが、実用上の限度内である。
×:インクが全く吸収されていない。
<発色濃度>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製 PM950C)を用いて印刷を行い、インクの濃度(発色性)を目視で評価した。
○:発色濃度が良好である。
△:発色濃度がやや薄いが、実用上の限度内である。
×:発色濃度が薄く、実用的でない。
<耐水性>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM950C)を用いて、ブラックインクで文字印刷を行い、印字部分に30℃の市水を滴下して一時間放置した。その後、残存する水滴が存在する場合はそれをウェスで吸い取り、表面状態やにじみ等の印字状態を目視で判定した。評価基準は以下の通りである。
○:にじみや発色濃度、表面状態の変化が殆ど見られない。
△:にじみや発色濃度、表面状態の低下があるが、実用上の限度内である。
×:にじみや発色濃度、表面状態の低下があり、実用的でない。
<表面強度>
印字していない記録シートを、表面を上に2枚重ね、その上に100gの分銅を置いた状態で下の記録シートを抜き出した後、インク受容層面の傷を目視で観察した。
○:傷が全く認められない。
△:傷が若干認められる。
×:傷が明確に認められる。
<鏡面ドラム離型性>
鏡面ドラムにて記録シートを平滑化処理する際、作成するシート(A4サイズ)が、鏡面ドラムに接触してから乾燥して自然に剥がれ落ちるまでの状態を目視で観察した。
◎:鏡面ドラムから速やかに剥がれ落ちる。
○:鏡面ドラムから5秒以内に剥がれ落ちる。
△:鏡面ドラムから剥がれ落ちるまで5秒以上の時間を要するが、やがて剥がれ落ちる。
×:鏡面ドラムから自然には剥がれず、強制的に剥がさなければならない。
<顔料インク耐擦過性>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、MC2000)を用いてブラックインクのベタ印刷を行い、一晩乾燥後、印刷部分を軽く爪で引っかき、印刷部分のインクのはがれ度合いを目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:インクのはがれが全くなく、耐さっか性に優れる。
○:インクのはがれが殆どなく、耐さっか性に優れる。
△:インクのはがれがあるが、耐さっか性が実用上の限度内である。
×:インクのはがれが多く、耐さっか性が実用的でない。
有機粒子の組成、ガラス転移温度(Tg)、粒子径、コア/シェル部重量比について表1に、また実施例、比較例で作成した記録用シートの構成、及び評価結果について、表2に示した。
Figure 2006110986
Figure 2006110986
表1に示した通り、実施例1〜6では優れた光沢値、発色濃度、インク吸収性、表面強度、ドラム離型性、耐水性、顔料インク耐擦過性が得られた。一方、比較例1においては、有機粒子が熱融着を起して成膜化してしまったためインクの吸収性が悪く、印刷評価に耐えうる物ではなかった。また、比較例2においては、有機粒子が多層構造体でないためにやはり熱変形を起し、特にインクの吸収性が不良であった。また、比較例3においては、有機粒子が(メタ)アクリルアミド成分を含まないため、特に鏡面ドラム離型性に劣っていた。また、比較例4においては、有機粒子を含まないため充分な光沢値が得られず、また顔料インクの耐擦過性に劣っていた。
本発明の有機粒子を用いたインクジェット記録シートは、高光沢でインク吸収性に優れ、且つ耐水性、塗膜強度、発色濃度、鏡面ドラムからの離型性に優れ、染料系インク、顔料系インクの両方のインクに適応できるので、インクジェット記録シートとして有用である。

Claims (6)

  1. 有機粒子がコア部とシェル部を有する多層構造体であり、コア部を構成する重合体成分組成比が、(メタ)アクリルアミド(a)0〜5重量%、その他共重合可能なモノマー(b)が95〜100重量%の範囲であり、かつ、シェル部を構成する重合体成分組成比が(メタ)アクリルアミド(a)30〜100重量%、その他共重合可能なモノマー(b)0〜70重量%の範囲であり、また、該有機粒子のガラス転移温度(Tg)が90℃以上であることを特徴とするインクジェット記録シート用有機粒子。
  2. 前記有機粒子が、カチオン性有機粒子であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録シート用有機粒子。
  3. シート状支持体上に有機粒子を含有するインク受容層を少なくとも一層以上有するインクジェット記録シートであって、該有機粒子が請求項1又は2に記載の有機粒子であることを特徴とするインクジェット記録シート。
  4. 前記記録シートの最表層が、平滑化処理を行い、シートの最表面のJIS−Z−8741に基づいた75度鏡面光沢度が60%以上である請求項3に記載のインクジェット記録シート。
  5. 平滑化処理方法が、キャストコーティング法であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録用シート。
  6. 前記キャストコーティング法において、鏡面ドラムの表面温度が有機粒子のガラス転移温度(Tg)以下の温度で平滑化したことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録用シート。
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