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JP2006092672A - 磁気テープ - Google Patents

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JP2006092672A JP2004277748A JP2004277748A JP2006092672A JP 2006092672 A JP2006092672 A JP 2006092672A JP 2004277748 A JP2004277748 A JP 2004277748A JP 2004277748 A JP2004277748 A JP 2004277748A JP 2006092672 A JP2006092672 A JP 2006092672A
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尚伸 美甘
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Abstract



【課題】 高出力でかつ良好な再生出力ノイズ比(C/N)を示す磁気テープ、特に1TB以上の高容量に対応しうる短波長域における良好な再生出力ノイズ比(C/N)を確保して高記録密度特性に優れた磁気テープを提供する。


【解決手段】 非磁性支持体とこの支持体の一方の面に形成された少なくとも1層の磁性層とを有する磁気テープにおいて、最上層磁性層に含まれる磁性粉末は、粒子サイズが30nm以下の略粒状の磁性粒子からなり、長手方向の保磁力HcM と幅方向の保磁力HcT との比〔HcM /HcT 〕が2.2以上であることを特徴とする磁気テープ、特に最上層磁性層に含まれる磁性粉末が粒子サイズ20nm以下、軸比(長径/短径)が2未満である窒化鉄系磁性粉末からなる上記構成の磁気テープ。


【選択図】 なし

Description

本発明は、高記録密度特性に優れた磁気テープ、特に塗布型の磁気テープ(以下、「磁気記録テープ」あるいは単に「テープ」ということもある)に関する。

磁気テープは、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピュータテープ等、種々の用途があるが、特にデータバックアップ用テープの分野では、バックアップの対象となるハードディスクの大容量化にともない、1巻当たり数10〜100GBの記録容量のものが商品化されている。また、1TBを超える大容量バックアップテープも提案されており、磁気テープの高記録密度化は不可欠である。

このような高記録密度化に対応した塗布型の磁気テープを製造するにあたっては、磁性粉末の微粒子化とそれらの塗膜中への高密度充填、塗膜の平滑化、磁性層の薄層化に関する高度な技術が用いられている。また、斜め蒸着やスパッタ膜のような金属薄膜を磁性層として設けた薄膜型の磁気テープも商品化されている。

塗布型の磁気テープでは、高記録密度に対応した短波長領域での良好な電磁変換特性を確保するには用いる磁性粉末が特に重要である。磁性粉末の改良に関しては、主として、短波長記録に対応するために、年々、微粒子化とともに、高保磁力化、高飽和磁化で代表される磁気特性の改善が図られている。

高記録密度磁気テープでは、オーディオ用や家庭用ビデオテープに使用されていた強磁性酸化鉄、Co変性強磁性酸化鉄、酸化クロム等に代えて、現在では、長軸方向の粒子サイズが100nm程度の針状の金属磁性粉末が主として使用されている。

また、近年、希土類元素と鉄または鉄を主体とする遷移金属元素とからなる平均粒子サイズが5〜200nm、保磁力が200kA/m程度の本質的に粒状ないし楕円状である希土類−鉄系磁性粉末の使用が提案されている(特許文献1〜3参照)。具体的には、特許文献1,2には、非磁性支持体上に、希土類元素と鉄または鉄を主体とする遷移金属元素(またはさらに硼素)とからなる平均粒子サイズが5〜200nmの磁性粉末および結合剤を含有する磁性層を有する磁気記録媒体が開示されている。

特許文献3には、非磁性支持体と、この非磁性支持体の一面に形成された非磁性粉を含む下層と、この下層の上に形成された磁性粉を含む磁性層と、さらに非磁性支持体の他方の面に形成された非磁性粉を含むバックコート層を有する磁気テープにおいて、上記の磁性層が、希土類元素−鉄−硼素系磁性粉末等からなる平均粒子径が5〜50nmの板状、粒状ないし楕円状の磁性粉を含む、厚さが0.09μm以下の磁性層で構成されており、かつ下層、バックコート層の少なくとも一層に平均粒子径が10〜100nmの非磁性の板状粒子を含むことを特徴とした磁気テープが開示されている。

さらに、希土類元素と鉄または鉄を主体とする遷移金属元素と窒素とからなる平均粒子径が5〜50nmの略粒状である窒化鉄系磁性粉末の使用が提案されており、その保磁力は210kA/m以上のものも開示されている(特許文献4,5参照)。

具体的には、特許文献4,5には、非磁性支持体の一方の面上に非磁性下層と磁性層を形成し、非磁性支持体の他方の面上にバック層を形成した磁気記録媒体において、最上層磁性層に含まれる磁性粉末が、希土類元素と鉄または鉄を主体とする遷移金属元素とからなる、特にコアー部分がFe162 からなる、平均粒子径が5〜50nmで平均軸比が1以上2以下である略粒状の希土類−鉄系磁性粉末であり、かつ媒体全体の厚さが6μm未満である磁気記録媒体が開示されている。

さらに詳しくは、特許文献4では、サーボ信号を記録した磁気テープを1リールタイプのカートリッジに収容し、サーボ信号によりデータトラックをトレースすることにより、高いトラック密度を実現した磁気テープカートリッジが開示されている。また、再生ヘッドに磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)を搭載することにより、0.09μm以下の上層磁性層厚さでも、高再生出力(高C)、高再生出力ノイズ比(高C/N)を実現している。特許文献5には、上記の特許文献4の磁気記録媒体にサーボ信号記録用の下層磁性層を形成し、サーボ信号出力を高くして、サーボトラッキング特性を向上させた磁気テープおよび磁気テープカートリッジが開示されている。

また、電磁変換特性の改善のため、磁性層中の磁性粉末の配向構造を規定した磁気記録媒体の提案もなされている(特許文献6〜8参照)

例えば、特許文献6,7には、短波長信号から長波長信号の幅広い記録波長領域において高い電磁変換特性を発揮する磁気記録媒体を得る目的で、磁性粉末として板状の強磁性六方晶系フェライトを主体としたものを使用し、磁性層の厚さを1μm以下とした磁気記録媒体において、長手方向の抗磁力をHc1 、垂直方向の抗磁力をHc2 、幅方向の抗磁力をHc3 としたとき、Hc1 >Hc2 >Hc3 の関係、またはHc2 >Hc1 >Hc3 の関係を有するようにした磁気記録媒体が提案されている。

特許文献8には、高出力化等のすぐれた短波長特性を発揮する磁気記録媒体を得る目的で、平均粒子径が5〜100nmの粒状の希土類−遷移金属系磁性粉末を使用し、磁性層の厚さを300nm以下とした磁気記録媒体において、長手方向の保磁力/幅方向の保磁力との比を1.20以上、好ましくは1.25以上通常1.35までとし、かつ長手方向における角形比/幅方向における角形比との比を1.9以上、好ましくは2.2以上通常4.0までとなるようにした磁気記録媒体が提案されている。
特開2001−181754号公報 特開2002−056518号公報 特開2004−005896号公報 WO03/079332A1パンフレット WO03/079333A1パンフレット 特開平06−274847号公報 特開平06−282835号公報 特開2003−272123号公報
特許文献1〜8に開示される磁気記録媒体は、各文献に記載される前記独自の構成とすることでそれに応じた特有の効果が奏されるが、本発明者らの検討では、いずれの媒体も電磁変換特性の改善の面でなお十分でないことがわかった。

例えば、特許文献1〜5に開示されているような略粒状等の微粒子磁性粉末を使用しただけでは、保磁力、平均粒子サイズから期待されるほど、MRヘッドで評価した際の再生出力(C)および再生出力ノイズ比(C/N)等の電磁変換特性の大幅な改善効果が得られないものであった。また、特許文献6〜8に開示されているような磁性層中の磁性粉末の配向構造を規定した磁気記録媒体でも、高出力等の特性が得られても、以下のように、再生出力ノイズ比(C/N)等の特性面では十分とはいえなかった。

つまり、特許文献6,7では、磁性粉末として、板状の強磁性六方晶系フェライトで、その板状比が3〜7、平均粒子径が30〜100nm程度のものが好ましいとされ、実施例には、このような磁性粉末を用いて磁性層中の磁性粉末の配向構造を前記のように規制した、特に長手方向の抗磁力(保磁力)Hc1 >幅方向の抗磁力Hc3 の関係として両者の比が2.2以上となるようにした媒体が示されているが、本発明の目的とするような短波長域では、再生出力ノイズ比(C/N)が低くなる傾向があることがわかった。

また、特許文献8では、実施例として、平均粒子径が5〜100nmの粒状の希土類−遷移金属系磁性粉末を用い、磁性層における長手方向の保磁力/幅方向の保磁力との比を1.26〜1.33となるようにした磁気記録媒体が示されているが、この場合も、やはり再生出力ノイズ比(C/N)が低くなる傾向があることがわかった。

本発明は、このような従来技術の問題点を克服し、高出力でかつ良好な再生出力ノイズ比(C/N)を示す磁気テープを提供すること、特に1TB以上の高容量に対応しうる、短波長域における良好な再生出力ノイズ比(C/N)を確保して高記録密度特性に優れた磁気テープを提供することを課題としている。

本発明者らは、上記の課題に対して、電磁変換特性、とりわけ再生出力ノイズ比C/Nの向上、改良方法について、詳細に検討した結果、磁性粉末として、軸比(長径/短径)が2未満となる略粒状の磁性粒子で、その粒子サイズが30nm以下、特に好ましくは20nm以下となる微粒子磁性粉末、中でも窒化鉄系磁性粉末を使用すると共に、これを含ませた磁性層の配向構造を、長手方向の保磁力HcM と幅方向の保磁力HcT との比が特定値以上となる配向構造としたときに、短波長記録時の出力Cが大きくノイズNが小さい、再生出力ノイズ比(C/N)に格段にすぐれた、良好な短波長記録再生特性を示す磁気テープが得られることを知り、本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、非磁性支持体とこの支持体の一方の面に形成された少なくとも1層の磁性層とを有する磁気テープにおいて、最上層磁性層に含まれる磁性粉末は、粒子サイズが30nm以下の略粒状の磁性粒子からなり、長手方向の保磁力HcM と幅方向の保磁力HcT との比〔HcM /HcT 〕が2.2以上であることを特徴とする磁気テープに係るものであり、特に、最上層磁性層に含まれる磁性粉末は、粒子サイズが20nm以下の略粒状の磁性粒子からなる、また軸比(長径/短径)が2未満である、さらに窒化鉄系磁性粉末である上記構成の磁気テープに係るものである。

このように、本発明者らは、略粒状の特定の微粒子磁性粉末を使用し、これを含ませた磁性層の配向構造として、長手方向の保磁力HcM を大きくすると共に、幅方向の保磁力HcT を小さくすると、短波長記録時の出力Cが大きくノイズNが小さくなり、良好な短波長記録再生特性が得られることを知り、この知見をもとに長手方向の保磁力HcM と幅方向の保磁力HcT との比(HcM /HcT )と再生出力ノイズ比(C/N)との関係につき、詳細検討した結果、上記比(HcM /HcT )を2.2以上と大きくしたときに、上記C/Nが顕著に向上してくることを見出したものである。

長手方向の保磁力と幅方向の保磁力との比(HcM /HcT )は、2.5以上であるのが好ましく、3.0以上であるのがより好ましい。理想的には無限大であるのが好ましいが、現状では10以下である。10以下であるという理由は、磁性粉末の粒子形状が略粒状で完全な球ではなく、またカーボンブラックやアルミナ等の充填剤の存在、磁性粉末の不均一分散等により、磁性粒子の回転が束縛されて、磁性粉末の磁化容易軸を長手方向に完全に配向させることが難しいためである。なお、小規模実験によると、長手方向の保磁力と幅方向の保磁力の比を10にするためには、0.7T以上の磁界中で配向および乾燥を行う方法を加味すれば有効であることが確認されている。

このように構成される本発明の磁気テープが短波長域において優れたC/Nが得られる理由は明確ではないが、つぎのように考えられる。

図1に示すように、磁気テープ1の最上層磁性層において長手方向に記録された信号が磁気ヘッド3によって反対方向に磁化する場合、図2に示すように、時間の経過Tと共に磁化2が回転して磁化反転する。磁化2の回転方向には、幅方向と膜面に垂直方向が考えられるが、膜面に垂直方向では磁化が膜面に垂直方向に立つと超薄膜の最上層磁性層では反磁界が大きくなるので、幅方向(磁性層面内)が磁化回転方向になると考えられる。

このため、幅方向の保磁力HcT が小さい磁性層の方が弱い磁気ヘッド磁界でも容易に磁化反転が可能となる。したがって、磁気ヘッドから離れた部分、つまり最上層磁性層の下部でも容易に磁化反転する。その結果、最上層磁性層の表面部から下部までのすべてにわたり容易に磁化反転が可能となり、幅方向の保磁力HcT が小さい磁性層の方が磁気記録に係る磁性粒子を多くすることができ、短波長記録をする場合の出力(C)、出力ノイズ比(C/N)が大きくなるものと考えられる。

これに対し、幅方向の保磁力HcT が大きい磁性層では弱い磁気ヘッド磁界では容易に磁化反転せず、磁気ヘッドから離れた部分、つまり最上層磁性層の下部では磁化反転を起こしにくい。その結果、最上層磁性層の表面部に比べて下部での磁化反転が減少し、磁気記録に係る磁性粒子が少なくなるため、短波長記録をする場合の出力(C)、出力ノイズ比(C/N)が低下してくるものと考えられる。

図3および図4は、これらの関係を模式的に示したものである。

すなわち、図3は、最上層磁性層における幅方向の保磁力HcT を小さくし、長手方向の保磁力HcM との比(HcM /HcT )を2.2以上とした例であり、この場合は、最上層磁性層の表面部から下部までのすべてにわたり容易に磁化反転が可能となるため、出力(C)、出力ノイズ比(C/N)が大きくなる。一方、図4は、最上層磁性層における幅方向の保磁力HcT を大きくし、長手方向の保磁力HcM との比(HcM /HcT )を2.2未満とした例であり、この場合は、最上層磁性層の表面部に比べて下部での磁化反転が減少するため、出力(C)、出力ノイズ比(C/N)が低下する。

また、本発明の上記構成においては、図1(および図3、図4)に示される磁化遷移領域(磁性層中の磁化が反転する境界領域)4も、HcM /HcT の値が大きいほど狭くなるので短波長記録に優れる磁気テープを得ることができる。

磁性粉末は単磁区粒子のため、磁化遷移領域は磁性粉末の長手方向の粒子径以下にはならず、本発明のように粒子サイズが30nm以下と記録波長に比べて小さい場合は、粒子径の微小化にともなって磁化遷移領域が30nm以下になる。

なお、長手方向の保磁力HcM が大きいほど反磁界による自己減磁も小さくなるため、この長手方向のHcM を大きくして、これと幅方向のHcT との比(HcM /HcT )を大きくする、つまりHcM /HcT の値を2.2以上、好ましくは2.5以上、より好ましくは3.0以上とすることにより、C/Nを高くすることができる。HcM /HcT の値が2.2未満ではC/N向上効果が小さい。HcM /HcT の値が10を超えると、C/N向上効果が飽和するため、通常は10以下である。HcM /HcT の値が10を超えるとC/N向上効果が飽和する理由は不明であるが、磁化遷移領域の大きさが磁性粉末の粒子径とコンパラオーダーになるためと推定している。

以上のように、本発明では、全く新しい着眼点として、磁気テープの長手方向の保磁力HcM を大きくし、幅方向の保磁力HcT を小さくして、長手方向の保磁力と幅方向の保磁力との比(HcM /HcT )を特定値以上に規定することで、電磁変換特性の大幅な改善をはかれることを見出したものである。上記比が特定値未満では、長手方向への反磁界が大きく、短波長域のC/Nが確保できなくなり、10を超えるあまりに大きい値にすることは、現状の磁性粉をはじめとした材料や手法を駆使しても難しい。

本発明において、保磁力HcM およびHcT は、東英工業社製の試料振動型磁力計で、25℃、外部磁場1273.3kA/mで定法に準じて測定した値である。測定試料の調製は、磁気テープ20枚を貼り合わせ、これを直径8mmに打ち抜いて行った。測定値は、磁気テープの長手方向および幅方向に10回測定した平均値である。

磁気テープの保磁力は、従来では、通常、長手方向の保磁力(HcM )を指していた。これは、HcM が短波長記録時の反磁場による出力低下に影響し、HcM を大きくすると反磁場による出力低下を小さくでき、短波長出力を向上できるので、着目されていたからである。しかし、本発明においては、1TBを超える大容量高密度記録(概ね1.0GB/in2 を超える)媒体に要求される短波長域におけるC,C/Nの向上には、磁気テープの幅方向の保磁力(HcT )を小さくするのが効果的であり、さらに長手方向と幅方向とに分けて保磁力を制御して(HcM /HcT )の値を調整することが、上記特性の向上に極めて効果的であることをはじめて見出したものである。

本発明において、(HcM /HcT )の値を2.2以上にするための手段は、特に制限されないが、好ましくは以下の(a)〜(d)の方法が挙げられる。

以下の(a)〜(d)の方法を単独で用いて、好ましくはこれらの幾つかを併用することにより、所定の(HcM /HcT )の値を有する磁気テープを製造することができる。もちろん、(HcM /HcT )の値を制御する方法は、以下の(a)〜(d)の方法に限定されず、他の公知の方法を、適宜併用しても差し支えない。

(a) 同じ長手方向の保磁力でも、幅方向の保磁力を小さくして、(HcM /HcT )の値を大きくするには、磁性粉末の形状を選定する。

磁性粉の形状は略粒状である。略粒状の磁性粉末とは、軸比(長径/短径)が2未満、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.5未満である、球状、略球状、楕円体状、略楕円体状、多面体状、略多面体状、板状、略板状の粒子である。

なお、長径とは、略球状、楕円体状、略楕円体状、多面体状、略多面体状では最大さしわたし径であり、板状、略板状粒子では板径である。また、短径とは、略球状、楕円体状、略楕円体状、多面体状、略多面体状粒子では最大さしわたし径と直角方向のさしわたし最大径であり、板状、略板状粒子では板厚である。

HcM に対し、相対的にHcT をより小さくするには、略粒状の微粒子磁性粉末の粒子サイズは30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、15nm以下がさらに好ましく、15nm未満が最も好ましい。また、3nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、8nm以上がさらに好ましい。この範囲の粒子サイズが好ましいのは、3nm未満では磁性粉末の磁気塗料への分散が難しいため、相対的にHcT が高くなる。また、30nmを超えると、磁気テープのノイズが高くなる。なお、粒子サイズが30nmを超える粒子の混入を排除するものではないが、30nmを超える粒子が混入している場合でも、数平均粒子サイズは30nm以下が好ましい。

(b) 焼結の少ない磁性粉末を用いることが好ましい。

本発明の磁気テープに用いられる最上層磁性層に含まれる略粒状の磁性粉末としては、希土類元素、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタンのように、その酸化物が600℃以下の水素還元によって還元されない元素(特に、希土類元素、アルミニウム、珪素)の少なくとも一つが外層部分に主体的に存在し、かつ鉄または鉄を主体とする遷移金属元素と窒素がコアー部分に主体的に存在するものが好ましい。

磁性粉の外層部分をこのような構成にすることにより、磁性粉製造時の磁性粉どうしの焼結が防止され、HcM に対して、相対的にHcT をより小さくすることができる。さらに、コアー部分がFe162 相を含有する窒化鉄系磁性粉末がより好ましい。また、磁性粉末の粒子毎の窒素等の組成分布が小さいことが好ましい。

(c) 媒体の長手方向の角形を制御することが好ましい。

記録方向つまり長手方向の保磁力HcM を大きくすることと電磁変換特性を低下させないことのため、長手方向の角形は0.75以上であるのが好ましい。角形は大きければ大きいほど好ましい。理論的な理想値としては1であるが、現実的には0.95程度が限界である。また、媒体のSFD(異方性磁界分布)は小さい方が好ましい。SFDは1.0以下が好ましく、0.7以下がより好ましい。粒子径がそろっている、つまり粒度分布が狭い磁性粉末を用いると、SFDは良好になる。媒体のSFDが小さい方が、同じ長手方向の角形を示しても幅方向の保磁力HcT を小さくする効果がある。粒子径がそろってる方が分散が均一に行えて同様の効果が生じる。

これらを具現化する方法としては、最上層磁性層の塗布後に強い(例えば0.5T以上の)配向磁界を印加し、その後、均一配向磁界(例えば0.1T以上)を最上層磁性層が略乾燥するまで継続して印加すればよい。均一磁界の印加方法としては、反発磁石を多数並べる方法と、ソレノイドを使用する方法、両者の併用方法があり、いずれの方法を採用してもよい。反発磁石を多数並べる方法はランニングコストが安いという長所があるが、反発磁石と反発磁石の間で磁界が磁気媒体膜面方向に対して磁界が垂直方向に立ったり、磁界がない部分や反転が生じたりするので、磁性塗膜の乾燥位置を長手方向に磁界が生じている部分にうまく合わせる必要がある。一方、ソレノイドを使用する方法は電力等のランニングコストは高いが、配向磁界が磁気記録媒体の長手方向に正確に向くので、磁性粉末の磁化容易軸の長手方向への配向が良くなり、長手方向の保磁力と幅方向の保磁力との比(HcM /HcT )が非常に大きくなるという長所を有する。

(d) HcM に対して、相対的にHcT をより小さくするには、磁性塗料での磁性粉の分散性を向上させることが有効である。

このための手法は、微粒子磁性粉の分散性を上げるために従来から用いられている公知の手法が可能であり、これらを適宜組み合せて実施すればよい。磁性塗料の調製においては、磁性粉を混練する前に、分散工程で良くほぐれるように、予め分散剤や樹脂と一緒に高速撹拌混合しておくのが好ましい。

混練には、樹脂とよくなじむように、大きなせん断力がかかる加圧型混練機や連続式2軸混練機等を用いるのが好ましく、通常の混練機であるならば、磁性粉末のバッチ量を適宜工夫するのが好ましい。分散は、通常のサンドミル型の分散機でよい。分散メディアとしては、従来の一般的な材質のものが使えるが、粒径が1mm未満で、チタニア、ジルコニアを主成分とするビーズを使用するのが好ましい。これは小粒径で比重が大きいほど分散能力が大きく、磁性粉がよくほぐれて配向しやすく、かつテープ幅方向の保磁力が小さくなりやすいからである。また、磁性粉末の表面を分散しやすいように、公知の表面処理剤で処理してもよい。さらに、バインダとして用いる樹脂には、分散性を向上させる官能基を持つ従来公知の樹脂を使用するのが好ましい。

本発明の好ましい形態としては、下記のようである。

(1) 非磁性支持体と、この支持体の一方の面上に形成された磁性粉末とバインダ樹脂とを含む少なくとも1層の磁性層とを有する磁気テープにおいて、最上層磁性層に含まれる磁性粉末が粒子サイズ30nm以下の略粒状の磁性粒子であり、長手方向の保磁力と記録面内における幅方向の保磁力との比(長手方向との保磁力/幅方向の保磁力)が2.2以上である磁気テープ。特に、最上層磁性層に含まれる磁性粉末の粒子サイズが20nm以下であるのがより好ましい。

(2) 最上層磁性層の長手方向の保磁力が160〜400kA/m、より好ましくは200〜400kA/mである磁気テープ。

(3) 最上層磁性層の幅方向の保磁力が16〜180kA/m、より好ましくは20〜120kA/mである磁気テープ。

(4) 最上層磁性層における〔(長手方向の保磁力)−(幅方向の保磁力)〕の値が155〜360kA/mである磁気テープ。

(5) 最上層磁性層の厚さが0.09μm以下である磁気テープ。

(6) 最上層磁性層の残留磁束密度(Br)と厚さ(δ)の積(Br・δ)が0.0018μTm以上、0.05μTm以下である磁気テープ。

(7) 非磁性支持体と最上層磁性層との間に、非磁性粉末とバインダ樹脂を含む少なくとも1層の下層を有する磁気テープ。

(8) 非磁性支持体の他方の面上に形成されたバック層を有する磁気テープ。

(9) バック層がカーボンブラック粉末と結合剤とを含有するバックコート層である磁気テープ。

(10) テープの全厚が6μm未満である磁気テープ。

(11) 最上層磁性層に含まれる略粒状の磁性粉末が、外層部分とコアー部分からなる磁性粉末である磁気テープ。

(12) 最上層磁性層に含まれる磁性粉末が、粒子サイズ20nm以下の略粒状粒子で、軸比が1.5未満である磁気テープ。

(13) 最上層磁性層に含まれる略粒状の磁性粉末の粒子サイズが15nm未満で軸比が1.5未満である磁気テープ。

(14) 最上層磁性層に含まれる磁性粉末が、希土類元素、アルミニウム、珪素、チタン、ジルコニウムのようにその酸化物が600℃以下の水素還元温度で還元されない元素(特に、希土類元素、アルミニウム、珪素)の少なくとも一つが磁性粉末の外層部分に主体的に存在する磁性粉末である磁気テープ。

(15) 最上層磁性層に含まれる略粒状の磁性粉末のコアー部分が、鉄または鉄の一部が遷移金属元素で置換された窒化鉄相からなる窒化鉄系磁性粉末である磁気テープ。

(16) 最上層磁性層に含まれる略粒状の窒化鉄系磁性粉末のコアー部分の窒化鉄相が鉄または鉄の一部が遷移金属元素で置換されたFe162 相を含有する磁気テープ。なお、Fe162 相は、鉄(Fe)の一部が鉄以外の元素、窒素(N)の一部が窒素以外の元素で置換されたもの、鉄と窒素の化学量論量が16:2よりずれたものを含む。

(17) 最上層磁性層に含まれる略粒状の窒化鉄系磁性粉末中の希土類元素の含有量が鉄に対して0.05〜20原子%である磁気テープ。

(18) 最上層磁性層に含まれる略粒状の磁性粉末中の希土類元素の含有量が、鉄に対して0.5〜15原子%である磁気テープ。

(19) 最上層磁性層に含まれる略粒状の磁性粉末中のアルミニウムの含有量が、鉄に対して0.5〜15原子%である磁気テープ。

(20) 最上層磁性層に含まれる略粒状の磁性粉末中の珪素の含有量が、鉄に対して0.5〜15原子%である磁気テープ。

(21) 最上層磁性層に含まれる略粒状の窒化鉄系磁性粉末中の窒素の含有量が、鉄に対して1.0〜20原子%である磁気テープ。

(22) 最上層磁性層に含まれる略粒状の窒化鉄系磁性粉末中の窒素の含有量が、鉄に対して2.0〜12.5原子%である磁気テープ。

(23) 最上層磁性層に含まれる略粒状の希土類−窒化鉄系磁性粉末中の希土類元素は、サマリウム、ネオジム、イットリウムの中から選ばれた少なくとも1種の元素である磁気テープ。

(24) 箱状のケース本体と、このケース本体の内部に配置された磁気テープを巻装したリールを有してなり、この磁気テープに記録された磁気記録信号は磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)で再生される磁気記録カートリッジ。

このように、本発明によれば、特定形状の微粒子磁性粉末を使用して、これを含ませた磁性層の配向構造を規制したことにより、電磁変換特性に優れた磁気テープ、特に、再生出力ノイズ比(C/N)の高い磁気テープを提供することができる。

以下に、本発明の磁気テープの構成要素として、磁性粉末、非磁性支持体、磁性層、磁性塗料の調製、磁場配向処理、下層、潤滑剤、バック層、有機溶剤の順に、項分けして、詳しく説明することにする。

<磁性粉末>
略粒状の微粒子磁性粉末には、平均粒子サイズが5〜200nm、保磁力が80〜400kA/mの希土類−鉄−ホウ素系磁性粉末(特開2001−181754号公報)、希土類−鉄系磁性粉末(特開2002−56518号公報)がある。

また、希土類元素は含まないが、Fe162 相を主相としたBET比表面積が10m2 /g以上の窒化鉄系磁性粉末(特開2000−277311号公報)がある。得られる保磁力は200kA/m未満と小さく、粒子サイズは不明である。

さらに、焼結防止効果、高保磁力化効果、安定性(耐食性)向上効果の高い希土類元素、アルミニウム、珪素から選ばれる元素の少なくとも一つを磁性粉末の外層部分に主体的に存在させることで、保磁力を210kA/m以上と高くした、塗料分散性、酸化安定性に優れた、平均粒子サイズが5〜50nmの(希土類、アルミニウム、珪素)−窒化鉄系磁性粉末(WO03/079332A1、WO03/079333A1)がある。

これらの磁性粉末の中で、粒子サイズが30nm以下で、軸比(長軸長/短軸長)が2未満である、略粒状の窒化鉄系微粒子磁性粉末が、本発明の最上層磁性層の微粒子磁性粉末として、特に好ましい。

また、希土類、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタン等のようにその酸化物が600℃以下の水素還元温度で還元されない元素(特に希土類元素、アルミニウム、珪素)の少なくとも一つの元素を外層部分に主体的に含有し、コアー部分に鉄または鉄を主体とする遷移金属の窒化物を主体的に含有する窒化鉄系微粒子磁性粉末がより好ましい。

さらに、外層部分に希土類元素、アルミニウム、珪素の少なくとも一つの元素を含有し、かつコアー部分にFe162 を含有する窒化鉄系微粒子磁性粉末がいっそう好ましい。ここでいうコアー部分にFe162 を含有する窒化鉄系微粒子磁性粉末には、Fe162 相が、鉄(Fe)の一部が鉄以外の元素、窒素(N)の一部が窒素以外の元素で置換されたもの、鉄と窒素の化学量論量が16:2よりずれたものを含む。

なお、希土類、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタン等のようにその酸化物が600℃以下の水素還元温度で還元されない元素を外層部分に主体的に含有させる理由は、磁性粉末の製造工程の一つである水素還元工程における粒子間の焼結を防止して粒子サイズの小さい窒化鉄系微粒子磁性粉末を得やすくするためである。また、コアー部分に窒化物(特に、Fe162 相)主体的に含有させる理由は、保磁力、飽和磁化の高い窒化鉄系微粒子磁性粉末を得やすくするためである。

また、必要に応じて、アルミニウム、珪素、リン、ジルコニウムのように分散性向上に有効な元素または化合物を、磁性粉末表面にさらに含有または吸着させてもよい。また、必要に応じて、炭素、カルシウム、マンガン、マグネシウム、バリウム、ストロンチウムまたはこれらの化合物を、磁性粉末表面に含有または吸着させてもよい。

前記の希土類元素には、イットリウム、イッテルビウム、セシウム、プラセオジム、ランタン、サマリウム、ユーロピウム、ネオジム、テルビウム等が挙げられる。これらのうち、イットリウム、サマリウムまたはネオジムが、還元時の粒子形状の維持効果が大きいので、これらの少なくとも1種を選択使用するのが望ましい。

粒子サイズは、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、15nm未満がさらに好ましい。粒子サイズを3nm以上にすると、磁性塗料調製時の分散が容易である。5nm以上がより好ましく、8nm以上がさらに好ましい。

粒子サイズが30nmを超えたり、3nm未満の磁性粒子の混入を排除するものではないが、その場合でも、平均粒子サイズが30nm以下、3nm以上が好ましい。また、軸比(長径/短径)は2未満であるのが磁性粉末の充填性が高くなるので好ましく、1.5以下がより好ましく、1.5未満がさらに好ましい。軸比が2を超える磁性粒子の混入を排除するものではないが、その場合でも、平均軸比が2未満が好ましい。

なお、粒子サイズは、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率20万倍で撮影した写真から求めた最大さしわたし径(長軸径)である。

平均粒子サイズは、同写真から粒子サイズ(最大さしわたし径、長軸径)を求め、50個の粒子サイズを算術平均して求めた。

また、軸比は、同写真から求めた最大さしわたし径(長軸径)と、最大さしわたし径方向と直交する方向のさしわたし最大径(短軸径)との比〔(最大さしわたし径)/(最大さしわたし径方向と直交する方向のさしわたし最大径)〕である。

平均軸比は、個々の粒子の軸比を求め、50個の軸比を算術平均して求めた。テープ状となった媒体においての磁性粉粒子サイズは、媒体の縦断面(長手方向に切断)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率20万倍で撮影して求めた。

磁性粉末の外層部分に主体的に存在する希土類元素、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタン等の、鉄に対する合算含有量は、0.2〜20原子%が好ましく、2〜10原子%がより好ましい。希土類元素、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタン等の合算含有量が少なすぎると、還元時に焼結などにより粗大粒子が生成しやすくなり、粒度分布が悪くなり、幅方向の保磁力(HcT )が大きくなりやすく、好ましくない。また、希土類元素、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタン等の合算含有量が多すぎると、飽和磁化の過度な低下が起こりやすく、好ましくない。

合算含有量の中で、希土類元素の含有量は、0.2〜15原子%が好ましく、2〜10原子%がより好ましい。希土類元素が多すぎると、コストアップの要因になるばかりでなく、飽和磁化の過度な低下が起こりやすい。希土類元素が少なすぎると、希土類元素に基づく磁気異方性の寄与が小さくなる場合がある。

鉄に対する窒素の含有量は、1.0〜20原子%が好ましく、3〜13原子%がより好ましい。8〜13原子%がさらに好ましい。

鉄に対する窒素の含有量が少なすぎると、Fe162 相の形成量が少なく、磁気異方性の寄与が小さく、保磁力増加や飽和磁化増加の効果(特に、保磁力増加効果)が小さくなる。また、鉄に対する窒素の含有量が多すぎると、Fe4 NやFe3 N等の保磁力や飽和磁化の小さい窒化鉄や、非磁性窒化物が形成されやすく、保磁力増加や飽和磁化増加の効果が少なくなり、特に飽和磁化の低下が過度になる。

最上層磁性層の長手方向の保磁力は、160〜400kA/mが好ましく、200〜400kA/mがより好ましく、220kA/m以上がさらに好ましく、250kA/m以上がいっそう好ましい。160kA/m未満では、記録波長を十分小さくし難く、400kA/mを超えると、磁気ヘッドによる記録が不十分になる場合がある。380kA/m以下が好ましく、350kA/m以下がより好ましい。

磁性粉末のBET比表面積は、40〜200m2 /gが好ましく、50m2 /g以上がより好ましく、60m2 /g以上がさらに好ましい。40m2 /g未満だと、保磁力が十分高くなりにくく、200m2 /gを超えると、塗料分散性が低下したり、化学的に不安定になったりする場合がある。100m2 /g以下がより好ましい。

磁性粉末の飽和磁化は、70〜160Am2 /kg(70〜160emu/g)が好ましい。この範囲が好ましいのは、70Am2 /kg未満では再生出力が低くなりやすく、160Am2 /kgを超えると磁性粉末の凝集力が大きくなって、塗料調製時の分散時間が長くなりすぎる場合があるからである。80Am2 /kg以上がより好ましく、90Am2 /kg以上がさらに好ましい。また、140Am2 /kg以下が塗料調製時の分散が容易で、かつ飽和磁化の経時劣化も少ない。

上述のように、本発明の希土類−窒化鉄系磁性粉末は、磁気記録媒体用磁性粉として優れた特性を有するが、それとともに、この磁性粉末は、保存安定性にも優れ、これ自体、あるいは磁気記録媒体にしたものを高温多湿環境下に保存したとき、飽和磁化などの磁気特性の劣化が少ないので、高密度記録用磁気記録媒体に適している。

本発明において、MRヘッドを用いて高いC/Nを実現するには、上記の希土類−窒化鉄系磁性粉末をはじめとした略粒状の窒化鉄系微粒子磁性粉末が特に好ましい。以下に、この特に好ましい窒化鉄系磁性粉末の製造方法について、説明する。

本発明の上記(希土類元素、アルミニウム、珪素)系窒化鉄系磁性粉末は、WO03/079332A1、WO03/079333A1に記載のように、出発原料としてヘマタイト、マグネタイト、ゲータイトのような鉄系酸化物または水酸化物を用い、これに希土類元素、アルミニウム、珪素から選ばれる少なくとも元素を被着したのち、水素ガス等の還元性ガス中、300〜600℃の温度で加熱還元処理を行い、その後、アンモニアを含むガス中、100〜300℃の温度で窒化処理を行うことにより、製造される。

ここで、出発材料としての鉄系酸化物または水酸化物の粒度分布は、小さい方が幅方向の保磁力(HcT )が小さくなりやすく、好ましい。また、粒子毎の窒素の組成分布を抑制するためには、低温で長時間窒化処理を行うのが好ましい。

このように製造される(希土類元素、アルミニウム、珪素)系窒化鉄系磁性粉末に、さらにアルミニウム、珪素、リン、ジルコニウム、炭素、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、バリウム、ストロンチウム等を吸着または含有させてもよい。処理方法としては、WO03/079333A1に記載の方法で製造される希土類元素等を被着したマグネタイト粒子を、アルミニウム塩等の水溶液に浸漬して、マグネタイト粒子表面にアルミニウムを吸着する方法等が挙げられる。

磁性粉末には、六方晶Ba−フエライト磁性粉を使用することもできるが、この場合、六方晶Ba−フエライト磁性粉の飽和磁化量は40〜70A・m2 /kg(40〜70emu/g)の範囲にあるのが好ましい。また、この六方晶Ba−フエライト磁性粉の場合も、前記と同様の理由で、最上層磁性層の長手方向の保磁力は160〜400kA/mが好ましく、200〜400kA/mがより好ましく、220kA/m以上がさらに好ましく、250kA/m以上がいっそう好ましい。さらに、六方晶Ba−フエライト磁性粉のBET比表面積は1〜100m2 /gの範囲にあるのが好ましい。

また、粒子サイズ(板面方向の最大さしわたし)(以下、板径ともいう)は3〜30nmが好ましく、5〜20nmがより好ましい。3nm未満では粒子の表面エネルギーが増大するため、塗料中への分散が困難になり、30nmを超えると粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなる。

さらに、軸比(板径/板厚)(以下、板状比ともいう)は2未満が好ましく、1.5以下がより好ましく、1.5未満がさらに好ましい。板状比が2以上では、長手方向に磁界を印加して板状磁性粉末の板面を、最上層磁性層の長手方向に配向させても、カレンダ工程で板状磁性粉末の板面が最上層磁性層の垂直方向に倒れて、(HcM /HcT )が小さくなったり、カレンダ工程で板状の磁性粉末が下層に食い込んで最上層磁性層と下層の界面が乱れてノイズが高くなるおそれがある。

上述のように、板径が30nmを超えたり、3nm未満となる磁性粒子の混入を排除するものではないが、その場合でも、平均板径が30nm以下、3nm以上であるのが好ましい。また、板状比が2以上の磁性粒子の混入を排除するものではないが、その場合でも、平均板状比が2未満であるのが好ましい。

なお、板径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率20万倍で撮影した写真から求めた最大さしわたし径(板径)である。平均板径は、同写真から板径を求め、50個の板径を算術平均して求めた。

また、板状比とは、同写真から求めた板径と板厚の比(板径/板厚)である。平均板状比は、個々の粒子の板状比を求め、50個の板状比を算術平均して求めた。テープ状になった場合の平均板径の求め方は、窒化鉄系磁性粉末の場合と同様である。

<非磁性支持体>
非磁性支持体には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナフタレンテレフタレートフィルム、芳香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリイミドフィルム等が使用される。

非磁性支持体の厚さは、用途により異なるが、通常2〜5μm、好ましくは2〜4.5μm、より好ましくは2〜4μmである。この範囲の厚さの非磁性支持体が使用されるのは、2μm未満では製膜が難しく、またテープ強度が小さくなり、5μmを超えるとテープ全厚が厚くなり、テープ1巻当りの記録容量が小さくなるためである。

<磁性層>
磁性層は、少なくとも記録層として設けられる最上層磁性層からなり、この最上層磁性層の厚さは、5〜90nmが好ましい。この範囲が好ましいのは、5nm未満では均一厚さの磁性層形成が難しく、90nmを超えると厚さ減磁により再生出力の低下が起こりやすいためである。なお、最上層磁性層が90nm以下と薄い場合、非磁性下層を介して最上層磁性層の下に、サーボ信号記録用の下層磁性層を設けてもよい。

磁性層には、WO03/079332A1、WO03/079333A1に記載のバインダ樹脂(以下、単にバインダと記載)と量を適用できる。バインダとして2種以上の樹脂を併用する場合、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも−SO3 M基どうしの組み合わせが好ましい。−SO3 M基のような官能基を有する塩化ビニル系樹脂と、−SO3 M基のような官能基を有するポリウレタン樹脂とを複合するか、同種の官能基を有する複数のポリウレタン樹脂を複合して用いるのがより好ましい。

これらのバインダとともに、バインダ中に含まれる官能基等と結合させて架橋するために、ポリイソシアネート化合物等の熱硬化性の架橋剤を併用するのが望ましい。しかし、下層の上にウエット・オン・ウエットで磁性層を塗布する場合には、下層塗料からある程度のポリイソシアネート化合物が拡散供給されるので、ポリイソシアネート化合物を併用しなくても、磁性層はある程度架橋される。

磁性層には、従来公知のα−アルミナ、α−酸化鉄等のモース硬度が6以上の研磨材を単独でまたは組み合せて添加することができる。通常、これら研磨剤の数平均粒子径は、10〜150nmである。また、必要に応じて、数平均粒子径が10〜100nmの板状粒子を添加してもよい。

さらに、磁性層には、導電性向上と表面潤滑性向上のため、従来公知の数平均粒子径が10〜100nmのカーボンブラックを添加することができる。また、導電性向上のために、数平均粒子径が10〜100nmの板状ITO粒子を添加してもよい。

磁性層に含ませる研磨剤やカーボンブラック等の非磁性粉末は、粒度分布が小さいものほど、幅方向の保磁力(HcT )が小さくなりやすく、好ましい。

<磁性塗料の調製>
粒子サイズが30nm以下の超微粒子磁性粉末を塗膜中に高充填化し、かつ高分散させるためには、下記のような工程で、塗料製造を行うのが好ましい。

混練工程の前工程として、磁性粉の顆粒を解砕機を用いて解砕し、その後、混合機でリン酸系の有機酸等やバインダ樹脂と混合し、磁性粉の表面処理、バインダ樹脂との混合を行う工程を設けるのが好ましい。

混練工程には、連続式2軸混練機により固形分濃度80〜85重量%、磁性粉末に対するバインダ樹脂の割合が17〜30重量%で混練を行うのが好ましい。

混練工程の後工程として、連続式2軸混練機か他の希釈装置を用いて、少なくとも1回以上の、バインダ樹脂溶液および/または溶媒を加えて混練希釈する工程、サンドミル等の微小メデイア回転型分散装置による分散工程等により塗料分散を行うのが好ましい。

なお、磁性層に含ませる非磁性粉末が磁性粉末よりも大きなものでは、非磁性粉末が磁性塗料の分散時に分散力となる分散メディアによるせん断応力を遮断して、磁性粉末の分散を阻害する場合がある。このような非磁性粉末は、磁性粉末とは別に分散してスラリー状にしておき、これを磁性粉末を分散した塗料と混合して磁性層用塗料を調製するようにすると、幅方向の保磁力(HcT )が小さくなりやすく、好ましい。

<磁場配向処理>
最上層磁性層の磁場配向処理は、前述したように従来公知の磁場配向方法で行うことができる。塗布後に、反発磁石で強い(例えば0.5T以上)配向磁界を印加し、引き続きソレノイド電磁石で均一配向磁界(例えば0.1T以上)の印加を、最上層磁性層が略乾燥するまで継続させて行うのが好ましい。また、ランニングコストを安くするためには、反発磁石を多数並べる方法を採用してもよいが、磁界の反転が繰り返されるので、均一磁界発生部で乾燥するようにするのが好ましい。

<下層>
本発明の磁気テープにおいては、最上層磁性層の平滑性の向上、厚さむらの低減、耐久性の向上のため、下層を形成するのが望ましい。最上層磁性層の磁気記録信号を乱さないため、通常、下層は非磁性である。

下層の厚さは、0.3〜0.9μmが好ましい。0.3μm未満では、磁性層の厚さむらの低減効果、耐久性の向上効果が小さくなる。0.9μmを超えると、磁気テープの全厚が厚くなりすぎて、テープ1巻当りの記録容量が小さくなる。

下層に使用するバインダ樹脂は、磁性層と同様のものが用いられる。また、下層には、従来公知の酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム等の非磁性粒子と、カーボンブラックが使用される。

通常は、数平均長軸長が0.05〜0.2μm、数平均短軸長が5〜100nmの非磁性の酸化鉄と、数平均粒子径が0.01〜0.1μmのカーボンブラック、必要により、数平均粒子径が10〜500nmの酸化アルミニウム、特に数平均粒子径が10〜100nmの酸化アルミニウム粒子が用いられる。

また、WO03/079332A1、WO03/079333A1に記載されるように、0.9μm以下の薄層下層には、数平均板径が10〜100nmの板状酸化アルミニウム粒子や酸化鉄を使用することができる。

このような超微粒子の板状非磁性粉末を使用すると、0.9μm以下の薄層塗布においても厚みむらが小さく、また表面の平滑性が低下することもない。また、板状の粒子が重なった状態で塗膜が形成されるので、塗膜の平面方向の補強効果が大きく、同時に温度、湿度の変化による寸法安定性も大きくなる。

非磁性板状粒子としては、酸化アルミニウムに限らず、セリウムなどの希土類元素、ジルコニウム、珪素、チタン、マンガン、鉄等の元素の酸化物または複合酸化物が用いられる。導電性改良の目的で、板状ITO(インジウム、スズ複合酸化物)粒子を添加してもよい。非磁性板状微粒子の製造方法としては、WO030/079332A1、WO03/079333A1に記載の方法が用いられる。

<潤滑剤>
磁性層、下層には、WO03/079332A1、WO03/079333A1に記載の従来公知の潤滑剤を添加でき、その添加量も上記公知の量でよい。

例えば、下層にミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸と、ステアリン酸ブチルなどの高級脂肪酸のエステルを含有させると、ヘッドとの摩擦係数が小さくなるので、好ましい。また、磁性層には、パルミチン酸、ステアリン酸等のアミドである脂肪酸アミドと、高級脂肪酸のエステルを含有させると、テープ走行時の摩擦係数が小さくなるので、好ましい。なお、磁性層の潤滑剤と下層の潤滑剤の相互移動を排除するものではない。

<バック層>
本発明の磁気テープを構成する非磁性支持体の他方の面(磁性層が形成されている面とは反対側の面)には、走行性の向上等を目的として、バック層を形成できる。

このバック層は、蒸着、スパッタ、CVD、塗布により、形成できるが、カーボンブラックとバインダ樹脂からなるバックコート層が一般的である。このようなバックコート層の厚さとしては、0.2〜0.8μmが好ましい。また、表面粗さRaとしては、3〜8nmが好ましく、4〜7nmがより好ましい。

バックコート層に含ませるカーボンブラックには、従来公知のアセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等の小粒径カーボンブラックと、少量の大粒径カーボンブラックを使用する。小粒径カーボンブラックの数平均粒子径は5〜200nmで、大粒径カーボンブラックの数平均粒径300〜400nmである。

バックコート層のバインダ樹脂としては、セルロース系樹脂とポリウレタン系樹脂を使用するのが好ましい。また、バインダ樹脂を硬化するために、ポリイソシアネート化合物等の架橋剤を用いるのが好ましい。

また、バックコート層には、必要により、強度向上を目的として、数平均粒子径が10〜100nmの酸化アルミニウム、セリウム等の希土類元素、ジルコニウム、珪素、チタン、マンガン、鉄等の元素の酸化物または複合酸化物板状粒子や、導電性改良を目的として、板状ITOを添加することができる。

<有機溶剤>
磁性塗料、下層塗料、バックコート層塗料に使用する有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でまたは混合して使用でき、さらにトルエンなどと混合して使用することもできる。

つぎに、本発明の実施例を記載して、さらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、部とあるのは重量部を示すものとする。

<下層塗料成分>
(1)成分
針状酸化鉄粉末(平均粒径:100nm、軸比:5) 68部

粒状アルミナ粉末(平均粒径:80nm) 8部

カーボンブラック(平均粒径:25nm) 24部

ステアリン酸 2.0部

塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 8.8部
(含有−SO3 Na基:1×10-4当量/g)

ポリエステルポリウレタン樹脂 4.4部
(Tg:40℃、含有−SO3 Na基:1×10-4当量/g)

シクロヘキサノン 25部

メチルエチルケトン 40部

トルエン 10部


(2)成分
ステアリン酸ブチル 1部

シクロヘキサノン 70部

メチルエチルケトン 50部

トルエン 20部


(3)成分
ポリイソシアネート 1.4部

シクロヘキサノン 10部

メチルエチルケトン 15部

トルエン 10部

<磁性塗料成分>
(1)混練工程成分
粒状磁性粉(Y−N−Fe)〔以下、(A)粉という〕 100部
(外層部分にY,Alを主体的に含有し、コアー部分にFe162
を含有、Y/Fe:5.5原子%、Al/Fe:8.2原子%、
N/Fe:11.9原子%、Fe162 相:主相、
飽和磁化量:101.5Am2 /kg(101.5emu/g)、
Hc:211.0kA/m(2,650Oe)、
平均粒子サイズ:17nm、平均軸比:1.2)

塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 13部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)

ポリエステルポリウレタン樹脂 4.5部
(含有−SO3 Na基:1.0×10-4当量/g)

メチルアシッドホスフェート 2部

テトラヒドロフラン 20部

メチルエチルケトン/シクロヘキサノン 9部


(2)希釈工程成分
パルミチン酸アミド 1.5部

ステアリン酸n−ブチル 1部

メチルエチルケトン/シクロヘキサノン 350部


(3)別分散スラリー成分
粒状アルミナ粉末(平均粒径:80nm) 10部

塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 1部

メチルエチルケトン/シクロヘキサノン 15部


(4)配合工程成分
ポリイソシアネート 1.5部

メチルエチルケトン/シクロヘキサノン 29部

上記の下層塗料成分のうち、(1)成分を回分式ニーダで混練したのち、(2)成分を加えて、攪拌後、サンドミルで滞留時間を60分として分散処理を行い、これに(3)成分を加えて、攪拌、ろ過したのち、下層塗料(下層用塗料)とした。

これとは別に、上記の磁性塗料成分のうち、(1)の混練工程成分中、磁性粉末全量と樹脂および溶剤の所定量を予め高速撹拌混合しておき、その混合粉末を(1)の混練工程成分となるように調整したのち、連続式2軸混練機で混練し、さらに(2)の希釈工程成分を加えて、連続式2軸混練機で少なくとも2段階以上に分けて希釈を行い、サンドミルで分散メディアとして直径0.5mmのジルコニアビ−ズを用いて、滞留時間を45分として分散した。これに(3)の別分散スラリー成分をサンドミルで滞留時間を40分として分散したものを加え、さらに(4)の配合工程成分を加えて、撹拌、ろ過したのち、磁性塗料とした。

芳香族ポリアミドフイルム(厚さ3.3μm、MD=11GPa、MD/TD=0.70、東レ社製の商品名「ミクトロン」)からなる非磁性支持体(ベースフィルム)上に、上記の下層塗料を、乾燥、カレンダ後の厚さが0.6μmとなるように塗布し、この下層上に、さらに上記の磁性塗料を、磁場配向処理、乾燥、カレンダ処理後の磁性層の厚さが0.09μmとなるように、ウエット・オン・ウエットで塗布し、磁場配向処理後、ドライヤおよび遠赤外線を用いて乾燥し、磁気シートを作製した。

なお、上記磁場配向処理は、ドライヤ前に50cm長さのN−N対向磁石(0.5T)1基、ドライヤ内に50cm長さのソレノイド電磁石(0.1T)5基を20cm間隔で設置して、行った。N−N対向磁石とソレノイド電磁石との距離は20cmで、対向磁石に近いソレノイド電磁石の極はS極である。塗膜の指蝕乾燥位置(粒子が全く動かなくなる位置)は、4台目と5台目のソレノイド電磁石の間であった。塗布速度は100m/分とした。以下、この磁場のかけかたを、配向方法(A)という。

<バックコート層用塗料成分>
カーボンブラック(平均粒径:25nm) 80部

カーボンブラック(平均粒径:0.35μm) 10部

粒状酸化鉄粉末(平均粒径:50nm) 10部

ニトロセルロース 45部

ポリウレタン樹脂(SO3 Na基含有) 30部

シクロヘキサノン 260部

トルエン 260部

メチルエチルケトン 525部

上記バックコート層用塗料成分を、サンドミルで滞留時間45分として分散したのち、ポリイソシアネート15部を加えて、ろ過したのち、バックコート層用塗料を調製した。この塗料を、前記の方法で作製した磁気シートの磁性層の反対面に、乾燥、カレンダ後の厚さが0.5μmとなるように、塗布し、乾燥した。

その後、この磁気シートを、金属ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧200kg/cmの条件で、鏡面化処理し、さらに磁気シートをコアーに巻いた状態で、70℃72時間エージングしたのち、1/2インチ幅に裁断した。これを200m/分で走行させながら、磁性層表面に対し、ラッピングテープ研磨、ブレード研磨、表面拭き取りの後処理を行い、磁気テープを作製した。

ラッピングテープにはK10000、ブレードには超硬刃、表面拭き取りには東レ社製の商品名「トレシー」を用い、走行テンション0.294Nで処理を行った。

このようにして得られた磁気テープにサーボライタで磁気サーボ信号を記録し、コンピュータ用磁気テープを作製した。この磁気テープの残留磁束密度と磁性層厚さの積Br・δは、0.030μTmであった。さらに、この磁気テープをカートリッジに組み込み、コンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

磁性塗料成分中、磁性粉末(Y−N−Fe)の平均粒子サイズを13nm(平均軸比は1.2)のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

磁性塗料成分中、磁性粉末(Y−N−Fe)の平均粒子サイズを28nm(平均軸比は1.2)のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

磁場配向処理において、ソレノイド電磁石の強度を0.3Tに変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

磁場配向処理を、下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

ドライヤ前に50cm長さのN−N対向磁石(0.5T)を設置し、ドライヤ内で塗膜の指蝕乾燥位置の手前側75cmから50cm長さのS−S対向磁石(0.5T)とN−N対向磁石(0.5T)各1基を50cm間隔で設置して行った。塗布速度は100m/分とした。以下、この磁場のかけかたを、配向方法(B)という。

磁性塗料成分中、(3)の別分散スラリー成分の添加を省いた以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

比較例1
磁性塗料成分中、磁性粉末として、σs:110A・m2 /kg(110emu/g)、Hc:159.2kA/m(2,000Oe)、平均粒子サイズ:35nm、平均軸比:3.5の合金磁性粉末(Al−Y−Co−Fe)を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

比較例2
磁場配向処理に際し、ドライヤ前に50cm長さのN−N対向磁石(0.5T)を1基のみ設置した。この磁場のかけ方を配向方法(C)という。他は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

比較例3
磁性塗料成分中、粒状アルミナの平均粒径を160nmのものに変更し、かつサンドミルの分散メディアを直径1.5mmのチタニアビーズに変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

比較例4
磁性塗料成分中、磁性粉末として、Y/Fe:0.4原子%、Al/Fe:1.5原子%、N/Fe:12.2原子%、Fe162 相:主相、飽和磁化量:105.5Am2 /kg(105.5emu/g)、Hc:202.9kA/m(2,550Oe)、平均粒子サイズ:17nm、平均軸比:1.2)の粒状磁性粉(Y−N−Fe)〔以下、(B)粉という〕を使用した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

比較例5
磁性塗料成分中、粒状アルミナの平均粒径を160nmのものに変更し、かつサンドミルの分散メディアを直径1.0mmのチタニアビーズに変更した以外は、実施例5と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

比較例6
磁性塗料成分中、磁性粉末として、σs:120A・m2 /kg(120emu/g)、Hc:171.1kA/m(2,150Oe)、平均粒子サイズ:100nm、平均軸比:6.0の合金磁性粉末(Al−Y−Co−Fe)を用いた以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

比較例7
磁性塗料成分中、磁性粉末として、Y/Fe:5.5原子%、Al/Fe:8.2原子%、N/Fe:12.2原子%、Fe162 相:主相、飽和磁化量:105.5Am2 /kg(105.5emu/g)、Hc:211.0kA/m(2,650Oe)、平均粒子サイズ:35nm、平均軸比:1.2の粒状磁性粉(Y−N−Fe)〔以下、(C)粉という〕を使用した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いて、コンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。

上記の実施例1〜6および比較例1〜7の各磁気テープについて、磁性層(最上層磁性層)の形成に用いた磁性粉末の構成、配向方法、分散機ビーズの構成を、表1にまとめて示した。なお、磁性層中の磁性粉末の粒子サイズは、下記の方法により測定し、原料磁性粉末とほぼ同様の平均粒子サイズ、平均軸比を有していることを確認した。表1中、「SC」はソレノイド電磁石を意味する。

<磁性粉末の粒子サイズ>
磁気テープを樹脂埋めし、それを集束イオンビーム加工装置で厚さ方向の断面を切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM) で20万倍にて必要枚数の磁性層断面の写真撮影を行い、磁性層中の磁性粉末の外形を縁取りする。その外径の最大さしわたしを粒子サイズとして計測する。50個の磁性粉末を計測し、その平均値を平均粒子サイズとした。

なおまた、上記の各磁気テープの磁性層および下層の厚さは、下記の方法により、測定したものである。
<磁性層および下層の厚さ>
磁気テープを樹脂埋めし、それを集束イオンビーム加工装置で厚さ方向の断面を切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で2万倍にて10視野の写真撮影を行い、(1)磁性層表面、(2)磁性層−下層の界面、(3)下層−非磁性支持体の界面を縁取りする。つぎに、写真1視野当り、界面に非磁性粉末のかかっていない任意の5個所を選び、(1)−(2)の縁取りした線間の距離を磁性層の厚さ、(2)−(3)の縁取りした線間の距離を下層の厚さ、として計測した。それらの磁性層および下層の厚さを10視野について平均して各層の厚さとした。

つぎに、上記の実施例1〜6および比較例1〜7の各磁気テープについて、磁気特性と共に、電磁変換特性として、下記の方法により、出力(C)と出力対ノイズ比(C/N)を測定した。表2に磁気特性の結果を、表3に電磁変換特性の結果を示した。

また、上記の各磁気テープの電磁変換特性のうち、出力対ノイズ比(C/N)の結果について、このC/Nと、長手Hc(長手方向HcM )/幅Hc(幅方向HcT )との関係として、図5にプロットして示した。

<出力と出力対ノイズ比>
磁気テープの電磁変換特性の測定には、ドラムテスターを用いた。ドラムテスターには電磁誘導型磁気ヘッド(トラック幅25μm、ギャップ0. 1μm)とMR磁気ヘッド(トラック幅8μm)を装着し、誘導型ヘッドで記録、MRヘッドで再生を行った。

両ヘッドは、回転ドラムに対して異なる場所に設置されており、両ヘッドを上下方向に操作することで、トラッキングを合わせることができる。磁気テープはカートリッジに巻き込んだ状態から適切な量を引き出して廃棄し、さらに60cmを切り出し、さらに4mm幅に加工して、回転ドラムの外周に巻き付けた。

出力およびノイズは、ファンクションジェネレータにより、波長0. 2μmの矩形波を書き込み、MR磁気ヘッドの出力をスペクトラムアナライザーに読み込んだ。0. 2μmのキャリア値を媒体再生出力Cとした。また、0. 2μmの矩形波を書き込んだときに、記録波長0. 2μm以上に相当するスペクトルの成分から、再生出力およびシステムノイズを差し引いた値の積分値をノイズ値Nとして用いた。さらに、両者の比をとってC/Nとした。C、C/N共に、実施例5の磁気テープの値との相対値として、求めた。






































表1

┌────┬────────────────┬─────┬─────────┐
│ │ 最上層磁性層の磁性粉末 │ 配向 │ 分散機ビーズ │
│ ├───┬────┬───┬───┤ 方法 ├─────┬───┤
│ │種 類│平均粒子│平均 │組 成│ │ 材 質 │粒 径│
│ │ │サイズ │ 軸比│ │ │ │(mm)│
│ │ │(nm)│ │ │ │ │ │
├────┼───┼────┼───┼───┼─────┼─────┼───┤
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│実施例1│窒化鉄│ 17 │1.2│(A)│A(SC)│ジルコニア│0.5│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│実施例2│窒化鉄│ 13 │1.2│(A)│A(SC)│ジルコニア│0.5│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│実施例3│窒化鉄│ 28 │1.2│(A)│A(SC)│ジルコニア│0.5│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│実施例4│窒化鉄│ 17 │1.2│(A)│A(SC)│ジルコニア│0.5│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│実施例5│窒化鉄│ 17 │1.2│(A)│B(磁石)│ジルコニア│0.5│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│実施例6│窒化鉄│ 17 │1.2│(A)│A(SC)│ジルコニア│0.5│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
├────┼───┼────┼───┼───┼─────┼─────┼───┤
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│比較例1│合金鉄│ 35 │3.5│ − │A(SC)│ジルコニア│0.5│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│比較例2│窒化鉄│ 17 │1.2│(A)│C(磁石)│ジルコニア│0.5│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│比較例3│窒化鉄│ 17 │1.2│(A)│A(SC)│ チタニア│1.5│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│比較例4│窒化鉄│ 17 │1.2│(B)│A(SC)│ジルコニア│0.5│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│比較例5│窒化鉄│ 17 │1.2│(A)│B(磁石)│ チタニア│1.0│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│比較例6│合金鉄│100 │6.0│ − │A(SC)│ジルコニア│0.5│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│比較例7│窒化鉄│ 35 │1.2│(C)│A(SC)│ジルコニア│0.5│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
└────┴───┴────┴───┴───┴─────┴─────┴───┘









表2

┌────┬────────────────────────────────┐
│ │ 磁 気 特 性 │
│ ├────┬────┬─────┬─────┬────┬─────┤
│ │ 角形 │SFD │長手方向 │ 幅方向 │HcM │ HcM
│ │ │ │HcM │ HcT │/HcT │ −HcT
│ │ │ │ (kA/m) │ (kA/m) │ │ (kA/m) │
├────┼────┼────┼─────┼─────┼────┼─────┤
│ │ │ │ │ │ │ │
│実施例1│0.82│0.61│250.2│ 89.0│2.81│161.2│
│ │ │ │ │ │ │ │
│実施例2│0.80│0.64│245.3│ 90.1│2.72│155.2│
│ │ │ │ │ │ │ │
│実施例3│0.83│0.63│257.7│101.9│2.53│155.8│
│ │ │ │ │ │ │ │
│実施例4│0.83│0.59│268.5│ 81.1│3.31│187.4│
│ │ │ │ │ │ │ │
│実施例5│0.77│0.65│235.2│106.4│2.21│128.8│
│ │ │ │ │ │ │ │
│実施例6│0.82│0.60│251.5│ 90.8│2.77│160.7│
│ │ │ │ │ │ │ │
├────┼────┼────┼─────┼─────┼────┼─────┤
│ │ │ │ │ │ │ │
│比較例1│0.86│0.65│190.5│121.4│1.57│ 69.1│
│ │ │ │ │ │ │ │
│比較例2│0.70│0.70│220.7│131.5│1.68│ 89.2│
│ │ │ │ │ │ │ │
│比較例3│0.77│0.67│226.4│132.0│1.72│ 94.4│
│ │ │ │ │ │ │ │
│比較例4│0.82│0.66│249.4│135.5│1.84│113.9│
│ │ │ │ │ │ │ │
│比較例5│0.70│0.67│220.2│133.4│1.65│ 86.8│
│ │ │ │ │ │ │ │
│比較例6│0.87│0.49│202.5│132.7│1.53│ 69.8│
│ │ │ │ │ │ │ │
│比較例7│0.84│0.60│250.0│113.0│2.21│137.0│
│ │ │ │ │ │ │ │
└────┴────┴────┴─────┴─────┴────┴─────┘









表3

┌──────┬─────────────┐
│ │ 電磁変換特性 │
│ ├──────┬──────┤
│ │ C │ C/N │
│ │ (dB) │ (dB) │
├──────┼──────┼──────┤
│ │ │ │
│ 実施例1 │ 2.4 │ 3.1 │
│ │ │ │
│ 実施例2 │ 1.6 │ 2.8 │
│ │ │ │
│ 実施例3 │ 2.5 │ 1.5 │
│ │ │ │
│ 実施例4 │ 2.7 │ 3.4 │
│ │ │ │
│ 実施例5 │ 0.0 │ 0.0 │
│ │ │ │
│ 実施例6 │ 2.3 │ 3.1 │
│ │ │ │
├──────┼──────┼──────┤
│ │ │ │
│ 比較例1 │ 0.5 │ −3.1 │
│ │ │ │
│ 比較例2 │ −1.5 │ −2.1 │
│ │ │ │
│ 比較例3 │ −1.4 │ −1.8 │
│ │ │ │
│ 比較例4 │ −1.0 │ −0.8 │
│ │ │ │
│ 比較例5 │ −2.1 │ −2.0 │
│ │ │ │
│ 比較例6 │ −1.2 │ −7.5 │
│ │ │ │
│ 比較例7 │ 3.0 │ −3.7 │
│ │ │ │
└──────┴──────┴──────┘

上記の表1〜表3の結果から、最上層磁性層に含まれる磁性粉末が平均粒子サイズ30nm以下の略粒状粒子で、長手方向の保磁力と幅方向の保磁力との比(HcM /HcT )が2.2以上である実施例1〜6の各磁気テープは、上記磁性粉末として平均粒子サイズが30nmより大きいものや粒状以外のものを用いたり、また上記比(HcM /HcT )が2.2未満となる比較例1〜7の磁気テープに比べて、再生出力(C)および再生出力ノイズ比(C/N)が高いことがわかる。さらに、図5の結果から、上記比(HcM /HcT )が大きくなるほど、C/Nも高くなることもわかる。

磁気テープにおける磁気記録された磁性層の磁化の様子を模式的に示す図である。 磁気テープにおける磁気記録時の磁性層の磁化の反転の様子を示すモデル図である。 本発明の磁気テープ(HcM /HcT が2.2以上)に磁気記録した場合の磁性層の磁化の様子を模式的に示す図である。 本発明とは異なる磁気テープ(HcM /HcT が2.2未満)に磁気記録した場合の磁性層の磁化の様子を模式的に示す図である。 磁気テープの長手Hc(長手方向HcM )/幅Hc(幅方向HcT )の比とC/Nとの関係を示す特性図である。
符号の説明
1 磁気テープ(磁性層)
2 磁化
3 磁気ヘッド
4 磁化遷移領域
T 時間経過

Claims (4)

  1. 非磁性支持体とこの支持体の一方の面に形成された少なくとも1層の磁性層とを有する磁気テープにおいて、最上層磁性層に含まれる磁性粉末は、粒子サイズが30nm以下の略粒状の磁性粒子からなり、長手方向の保磁力HcM と幅方向の保磁力HcT との比〔HcM /HcT 〕が2.2以上であることを特徴とする磁気テープ。

  2. 最上層磁性層に含まれる磁性粉末は、粒子サイズが20nm以下の略粒状の磁性粒子からなる請求項1に記載の磁気テープ。

  3. 最上層磁性層に含まれる略粒状の磁性粒子は、軸比(長径/短径)が2未満である請求項1または2に記載の磁気テープ。

  4. 最上層磁性層に含まれる略粒状の磁性粒子は、窒化鉄系磁性粉末である請求項1〜3のいずれかに記載の磁気テープ。
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