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JP2006076366A - 車両用複合パネル - Google Patents

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JP2006076366A
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Toshikazu Takeda
敏和 竹田
Masaki Shimada
政紀 島田
Satoshi Oshima
聡 大島
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Nippon Sharyo Ltd
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Sharyo Ltd
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Composite Co Ltd
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Abstract

【課題】低コストで、良好な不燃性を維持し、難燃材料、極難燃材料、或いは、不燃材料として好適に使用することができ、しかも、後加工のできる、国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない車両用不燃認定の車両用複合パネルを提供する。
【解決手段】表面層が炭素繊維複合材3で形成された車両用複合パネル1において、ハニカム構造体とされる中間層2の外周辺を覆って、炭素繊維混入SMC4aにて形成された外周辺不燃層4を配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、列車やモノレールなどの車両用複合パネルに関するものであり、特に、耐着火性の判定基準を定めた国土交通省令第151号第5節車輌の火災対策等第83条(本明細書では単に「国土交通省令第151号」という。)に準拠した試験で着火を起こさない着火特性をもった車両不燃認定の車両用複合パネルに関するものである。
従来、例えば、列車などの車両用複合パネル、即ち、車両用部材としては、鉄、アルミニウム、ステンレススチールなどの金属材料が一般に使用されている。最近では、軽量化のニーズから、一部、内装用などとして、ガラス繊維或いは炭素繊維を強化繊維として使用した繊維強化複合材、即ち、ガラス繊維強化プラスチック或いは炭素繊維強化プラスチックが採用されている。
このような車両用部材は、基本的に燃えにくい材料が採用され、使用部位によってその難燃性レベルを選択して使用されている。そのために、ガラス繊維や炭素繊維を用いた繊維強化プラスチックの場合には、使用する樹脂(マトリックス樹脂)に、燃えにくい樹脂を使用することで対応している。
例えば、特許文献1には、触媒として2価金属水酸化物とアンモニアを併用して合成された含窒素結合を持つ特定のレゾール型フェノール樹脂の固形分に対しポリビニルブチラール樹脂の変性率が5〜15重量%であるポリビニルブチラール変性フェノール樹脂と、炭素繊維とからなる鉄道車両用複合成型物が記載されている。
また、特許文献2には、ハロゲンを含有しないエポキシ樹脂、金属酸化物、ガラス転移温度が120℃以上の熱可塑性樹脂、及びエポキシ樹脂硬化剤を必須として含有するマトリックス樹脂と、炭素繊維とからなる繊維強化樹脂複合材料が記載されている。
しかしながら、特許文献1、2に記載するように車両用として炭素繊維プラスチック材料が開発されても、成形性での難しさや、コスト的に高くつくこと等の理由から、従来はほとんど使用されず、実際は、耐熱を強化した厚肉のガラス繊維強化プラスチックが使用されていたのが実態である。
しかしながら、最近は、車両高速化の要求が大となり、軌道等のインフラへの影響が無視できなくなってきた。その対応として車両の軽量化ニーズが大きく高まり、又環境保全の課題からリサイクル可能な材料への転換ニーズが高まり、重量的に重く、且つリサイクルが難しいガラス繊維強化プラスチックから、炭素繊維強化プラスチックへの転換が開始されている。
炭素繊維強化プラスチックの特徴は、ガラス繊維強化プラスチックに対して、比重が小さく、単位面積当たりの強度、弾性率の高い材料が選択できることにより、大幅に軽量化した設計が可能となること、及び、廃棄処理の際、炭素部分は鉄鋼材料としての再利用が可能であることである。
更に、炭素繊維は、ガラス繊維に比較し高価であるが、熱伝導性がよいことから、不燃等を要求される材料に向いているという特徴を持っている。
しかし、従来は、不燃性を達成するために、樹脂の改善を中心に進めてきたために炭素繊維の高い強度、弾性率などの十分な性能を発揮できず、そのため炭素繊維の性能をフルに発揮できるような薄肉の材料を提供できなかった。
また、上記理由からコスト高となり、実際の採用へは至らなかった。
そこで、本発明者らは、特許文献3にて、基材としてのハニカム構造体或いは発泡構造体の少なくとも一側の面に表面層として、炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させて形成した繊維強化複合材を配置した構成とし国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない車両用部材を提案した。
特開平5−202201号公報 特開平11−147965号公報 特願2003−183612
一方、このような、車両用部材には不燃性が要求されるため、基材であるハニカム構造体や発泡構造体のむき出しは、許されない。また、基材の端部を炭素繊維強化複合材の補強なしのむき出しで使用すると、曲げ疲労強度が極端に低下し、実使用に耐えなくなる。これは、特に基材として発泡構造体を使用した場合に顕著である。
従って、図6及び図7に示すように、車両用部材1Aでは、基材2の両表面を炭素繊維強化複合材3で被覆し、更に、むき出しとなるハニカム構造体や発泡構造体とされる基材2の外周端部を炭素繊維強化複合材3の縁部3aで覆って閉構造で仕上げることが行われている。
特に、基材2としてハニカム構造体を採用した場合には、図6に示すように、端部周囲に軽量なバルーン入り樹脂5を詰め、更に、炭素繊維強化複合材3の縁部3aで覆って閉構造で仕上げる方法が行われている。また、基材2として発泡構造体を採用した場合には、図7に示すように、単に端部周囲をいずれかの表面に設けた炭素繊維強化複合材3の縁部3aで覆って閉構造に仕上げる方法が行われている。
しかしながら、後加工なしで、所定の形状寸法とされる上記閉構造とされた車両用部材を成形するのは、極めて困難で、また、高精度の成形型が必要となり、製造コストは著しく高価なものとなった。
一方、後加工した後、再度炭素繊維強化複合材3の縁部3aを基材2の外周辺端部に貼り付けることは、作業工程が増え、コストアップとなる。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、低コストで、良好な不燃性を維持し、難燃材料、極難燃材料、或いは、不燃材料として好適に使用することができ、しかも、後加工のできる、国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない車両用不燃認定の車両用複合パネルを提供することである。
本発明の他の目的は、端面を含めて全表面が国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない車両用不燃認定の車両用複合パネルを提供することである。
本発明の他の目的は、1回の成形で作製することができ、低コストで、非常に効率よく製造し得る、国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない車両用不燃認定の車両用複合パネルを提供することである。
本発明の他の目的は、後加工後においても、周囲を全て炭素繊維混入SMCで覆い、不燃かつ曲げ疲労強度に対しても、非常に強い、国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない車両用不燃認定の車両用複合パネルを提供することである。
上記目的は本発明に係る車両用複合パネルにて達成される。要約すれば、本発明は、ハニカム構造体又は発泡構造体とされる中間層と、前記中間層の両面に配置された表面層を形成する炭素繊維強化複合材とを有する車両用複合パネルであって、
前記両炭素繊維強化複合材は、前記中間層の周面より外方へと延在した突出縁部を有し、前記両炭素繊維複合材の前記突出縁部の間で、かつ、前記中間層の外周辺を覆って、炭素繊維混入SMCにて形成される、国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない外周辺不燃層を配置したことを特徴とする車両用複合パネルである。
本発明の一実施態様によると、前記外周辺不燃層は、短繊維の炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させてシート状とした前記炭素繊維混入SMCを複数枚積層して形成される。好ましくは、前記外周辺不燃層は、幅が4mm〜40mmであり、前記中間層及び前記外周辺不燃層の厚さは、5mm〜20mmである。
本発明の他の実施態様によると、前記炭素繊維混入SMCの炭素繊維は、マトリックス樹脂に対して体積比率で20%〜50%の範囲で混入されている。好ましくは、前記炭素繊維混入SMCの炭素繊維は、長さが3mm〜50mmの範囲である。
本発明の他の実施態様によると、前記炭素繊維強化複合材は長繊維の炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させて形成し、且つ、前記炭素繊維強化複合材は国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない不燃材である。
本発明の他の実施態様によると、前記炭素繊維は、ピッチ系炭素繊維又はパン系炭素繊維である。
本発明の他の実施態様によると、前記マトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、MMA樹脂、又は、フェノール樹脂である。
本発明の車両用複合パネルは、
(1)低コストで、良好な不燃性を維持し、難燃材料、極難燃材料、或いは、不燃材料として好適に使用することができ、しかも、後加工のできる、国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない車両用不燃認定のパネルである。
(2)端面を含めて全表面が国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない車両用不燃認定のパネルである。
(3)1回の成形で作製することができ、低コストで、非常に効率よく製造し得る、国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない車両用不燃認定のパネルである。
(4)後加工後においても、周囲を全て炭素繊維混入SMCで覆い、不燃かつ曲げ疲労強度に対しても、非常に強い、国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない車両用不燃認定のパネルである。
以下、本発明に係る車両用複合パネルを図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
図1及び図2に、本発明の車両用複合パネルの一実施例の概略構成を示す。本実施例にて、車両用複合パネル1は、平らな板状部材とされ、中間層、即ち、芯材2としてのハニカム構造体又は発泡構造体と、この芯材2の両面に配置された表面層を形成する炭素繊維強化複合材3とを有する。炭素繊維強化複合材3は、芯材2の周面より外方へと延在した突出縁部3aを有し、両側の炭素繊維強化複合材3、3の突出縁部3a、3aの間で、かつ、芯材2の外周辺を覆って、炭素繊維混入SMC(Sheet Molding Compound)4aにて形成される外周辺不燃層4が配置される。
本実施例によれば、図3をも参照すれば理解されるように、先ず、芯材2の上下両面に接着剤を介して配置された炭素繊維強化複合材3の突出縁部3aの間であって、しかも、芯材2の外周辺の回りに、シート状の炭素繊維混入SMC4aを複数枚積層して配置する。この積層体を、図3に一点鎖線にて示すように、成形型100a、100b、100c、100dの間に配置し、更に、成形型100a、100b、100c、100dの全周を真空バグ200でくるみ、バグ200の中の空気を吸引し、真空にした後、全体に圧力をかけ、同時に、加熱する。これによって、芯材2の外周辺を覆って、炭素繊維混入SMC4aが一体に成形され、外周辺不燃層4を形成する。
本実施例にて、車輌用複合パネル1の不燃性の評価は「国土交通省令第151号に準拠した試験」に基づき行なった。「国土交通省令第151号に準拠した試験」は当業者には周知であるので、当該試験についてのこれ以上の説明は省略する。
本実施例について更に説明すると、表面層炭素繊維強化複合材3は、強化繊維として、ピッチ系炭素繊維或いはパン系炭素繊維が使用される。この炭素繊維は、長繊維を一方向に揃えたものが好ましく、場合によってはクロス、或いは、短繊維による不織布、など種々の形態とすることができる。
また、マトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、MMA樹脂、又は、フェノール樹脂を使用することができる。このとき、炭素繊維強化複合材3の繊維体積含有率は30%〜70%とされ、通常、50%〜60%とされる。
上記構成の表面層炭素繊維強化複合材3を、車両用複合パネル1の表面に、好ましくは、厚さ(T3)=1.0mm〜5.0mmにて設ける。これにより、車両用複合パネル1に「不燃性」を付与することができる。
このように、本実施例によれば、表面層炭素繊維強化複合材3に炭素繊維を使用することにより車両用複合パネル1であっても不燃認定をとることができる。
表面層炭素繊維強化複合材3の厚さ(T3)が1.0mmより小さい場合には、車両用部材1に「不燃性」を付与することが困難となり、厚さ(T3)が5.0mmを越えると、「不燃性」特性は増大するものの、表面層炭素繊維強化複合材3の使用量が増大し、経済的な面から好ましくない。
車両用複合パネル1の全体の厚さ(T1)は、任意に設計することができるが、通常7〜35mmとされる。
上記説明では、表面層炭素繊維強化複合材3は、強化繊維として全て炭素繊維を使用するものとして説明したが、必要に応じて、図4に示すように、表面層炭素繊維強化複合材3の最表層として、炭素繊維とアラミド繊維との混合の織物や、アラミド繊維単体のシートを強化繊維とする最表面複合材3Aを配置することができる。残余部分の複合材3Bは、上述の炭素繊維強化複合材と同様の、強化繊維として全て炭素繊維を使用した炭素繊維強化複合材である。また、最表面複合材3Aのマトリックス樹脂及び繊維体積含有率は、上記表面層炭素繊維強化複合材3に関連して説明したものと同様とされる。
また、上記最表層複合材3Aの厚さT4は、0.2mm程度とされる。
上記構成の最表層複合材3Aを表面層炭素繊維強化複合材3の最表層として設けることにより、車両用複合パネル1に対して耐衝撃性を向上させることができ、しかも、車両用複合パネル1として不燃認定をとることができる。
芯材2としては、例えば、通常使用されるアルミニウム或いはアラミド樹脂などで作製したハニカム構造体、例えば、ディーアイシーヘクセル株式会社製の「ノーメックスハニカムコア(HRH−78)」(商品名)などを使用することができる。場合によっては、ウレタンフォームなどの発泡構造体なども使用可能である。通常、芯材2の厚さは、5mm〜25mmとされる。厚さが5mmより小さいと軽量化への使用目的が少なくなるといった問題があり、厚さが25mmを越えると、構造体に荷重がかかった際、ハニカム座屈が起こるといった問題が発生する。
上記構成の車両用複合パネル1の製造方法について更に説明する。
車両用複合パネル1は、一実施例によれば、先ず、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸或いは加熱浸透させてプリプレグ形態の表面層炭素繊維強化複合材3を成形し、次いで、このプリプレグ状表面層炭素繊維強化複合材3を、芯材2として準備されたハニカム構造体若しくはウレタンフォームなどの発泡構造体の両表面に接着剤にて貼着される。
勿論、表面層炭素繊維強化複合材3は、プリプレグ形態ではなく、完全に硬化した後、芯材2の表面に一体に貼着しても良い。
本実施例によれば、上述のように、芯材2の上下両面に接着剤を介して配置された炭素繊維強化複合材3の突出縁部3a、3aの間であって、しかも、芯材2の外周辺の回りに、図1及び図3に示すように、シート状の炭素繊維混入SMC4aを積層して配置する。
この積層体を、先に図3を参照して説明したように、成形型100a、100b、100c、100dに入れ、周囲を真空バグ200でくるみ、バグ200の中の空気を抜くことにより全体を加圧しながら加熱する。これによって、芯材2の表面に炭素繊維強化複合材3を接着すると同時に、炭素繊維混入SMC4aは、芯材2の外周辺を覆って、一体に成形される。
このように、芯材2の上下両面に接着剤を介して炭素繊維強化複合材3を成形する際に、同時に、炭素繊維複合材3の突出縁部3a、3aの間であって、しかも、芯材2の外周辺の回りにシート状の炭素繊維混入SMC4aを積層して、同時に成形すると、1回の成形にて車両用複合パネル1を製造することができ、非常に効率的である。
このようにして製造された本実施例の上記構成とされる車両用複合パネル1によれば、表面層炭素繊維強化複合材3の強化繊維として、炭素繊維を使用することにより、車両用複合パネル表面に加えられた熱は、表面層炭素繊維強化複合材3により平面的に拡散し、部材1の内部にまで伝わることが防止される。従って、本実施例によれば、マトリックス樹脂としては、特に、難燃性或いは極難燃性の樹脂を使用する必要はない。また、上述のように、表面層炭素繊維強化複合材3に最表面層複合材3Aを配置した車両用複合パネル1においても同様の作用効果を達成し得る。
外周辺不燃層4としての炭素繊維混入SMC4aは、長さを3mm〜50mm程度にカットした短繊維とされる炭素繊維に、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などのマトリックス樹脂を含浸させて適度に増粘させて、厚さ(t)が2mm〜5mmの可撓性を有したシート状とされる。
炭素繊維混入SMC4aのマトリックス樹脂としては、ほかに、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、MMA樹脂、をも使用することができる。このとき、炭素繊維混入SMC4aにおける炭素繊維の含有率は、樹脂に対して体積比率で20%〜50%とされる。
炭素繊維としては、表面層炭素繊維強化複合材3と同じに、ピッチ系炭素繊維或いはパン系炭素繊維を使用する。炭素繊維は、短繊維とされ、その長さは、3mm〜50mmとされる。繊維長さが3mmより短いと、成形後のSMC材の曲げなどの強度の低下が大きくなるといった問題があり、また、50mmより長いと成形時に複雑な形状に沿いにくいといった問題が発生する。
また、炭素繊維混入SMC4aは、短繊維の炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させて、上述のように厚さtが2mm〜5mmのシート状としたものを複数枚、所望の厚さ(即ち、芯材2と同等の厚さ)となるように、積層して使用されるが、炭素繊維混入SMC4aの幅w(w1、w2、w3、w4)は4mm〜40mmとされる。
炭素繊維混入SMC4aは、ガラスSMCと比較すれば、熱伝導性が優れており、幅wが4mm以上であれば、国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない、
車両の不燃認定がとれることが分かった。即ち、幅w(w1、w2、w3、w4)が4mmより小さいと、車両用部材1に「不燃性」を付与することが困難となり、幅(w)が40mmを越えると、「不燃性」特性は増大するものの、炭素繊維混入SMCの使用量が増大し、軽量化の面から好ましくない。
本発明の車両用複合パネル1は、上述のように、中間層である芯材2の外周辺に炭素繊維混入SMC4aにて形成される外周辺不燃層4を配置した構成とされるので、後加工する際に、この炭素繊維混入SMC4aの範囲で加工できるように、最初から考えて炭素繊維混入SMC4aを配置すれば、周囲が完全に炭素繊維混入SMC4aからなる外周辺不燃層4にて囲まれており、不燃で且つ曲げ疲労強度に対しても、非常に強い複合パネルが得られる。
(実験例)
次に、本実施例の車両用部材1の作用効果を立証するために行った実験例について説明する。実験結果を表1及び表2に示す。
表1、表2から、本発明の車両用複合パネル1は、芯材2の外周囲が炭素繊維混入SMC4aにより囲まれており、そのために、不燃で且つ曲げ疲労強度に優れていることが分かる。
更に説明すると、図1及び図2に示す構成の車両用複合パネル1にて、表面層炭素繊維強化複合材3の繊維の熱伝導率を種々変更したときの車両用複合パネル1の着火特性の試験結果を表1に示す。又、表2に、本実施例にて使用する炭素繊維混入SMC4aと同様な材料を使用して作製した、図5に示す形状の平板状の炭素繊維混入SMC板材4Aの着火特性の試験結果を示す。
本実験例にて、着火特性、即ち、不燃性の評価は、国土交通省令第151号に準拠した試験に基づいて行った。
尚、国土交通省令第151号によれば、不燃性の評価は、A:可燃、B:難燃、C:極難燃、D:不燃の4レベルで示されている。本発明においては、「D:不燃」レベルのものを「不燃性」であると評価した。
Figure 2006076366
Figure 2006076366
本実施例の評価試験(表1)において使用した車両用複合パネル1の全体寸法は、W(W1、W2)がB5サイズ(183mm、255mm)であり、炭素繊維混入SMC4aの幅w(w1、w2、w3、w4)は、5mmであった。また、本実施例の評価試験(表2)において使用した、図5に示す炭素繊維混入SMC板材4Aの全体寸法は、W(W1、W2)がB5サイズ(183mm、255mm)であり、SMC4aのみの材料で作製した。
また、表1に示す試験結果は、車両用複合パネル1の表面層炭素繊維強化複合材3の厚さ(T3)は、2.0mmの一定とした。また、芯材2は、ディーアイシーヘクセル株式会社製の「ノーメックスハニカムコア(HRH−78)」(商品名)を使用した。厚さ(T3)は、10mmであった。従って、複合パネル1の全体厚さ(T1)は、14mmであった。
尚、表中の炭素繊維「T−700」、「M46J」及び「M55」は、東レ株式会社製の炭素繊維の商品名であり、「XN−60」は、日本グラファイトファイバー株式会社製の炭素繊維の商品名である。
また、車両用複合パネル1の表面層炭素繊維強化複合材3のマトリックス樹脂はエポキシ樹脂を使用し、繊維体積含有率は60%とした。
また、炭素繊維混入SMC板材4aは、炭素繊維としては20mm長さにカットしたものを使用し、マトリックス樹脂としてはビニールエステル樹脂を使用した。炭素繊維としては、熱伝導率3〜10W/m・K程度とされるPAN系炭素繊維である東レ株式会社製の「T700」(商品名)に、マトリックス樹脂を含浸させて、シート状とした。このときの炭素繊維混入SMC4aにおける繊維の樹脂に対する体積比率は40%であり、厚さ(t)は、2mmであった。
本実験例(表1)に使用した車両用複合パネル1は、先ず、図1に示すように、芯材2の上下両面に接着剤を介して硬化した炭素繊維強化複合材3を配置した。また、炭素繊維強化複合材3の突出縁部3a、3aの間であって、しかも、芯材2の外周辺の回りに、成形後の厚さが10mmとなるように、シート状の炭素繊維混入SMC4aを、2mm厚、6枚積層して配置した。この積層体を、図3を参照して説明した製造法により加熱加圧した。これによって、芯材2と炭素繊維強化複合材3とが一体に成形されると同時に、芯材2の外周辺を覆って、炭素繊維混入SMC4aが一体に成形され、外周辺不燃層4を形成した。
なお、本実験例(表2)に使用した炭素繊維混入SMC板材4Aは、上記炭素繊維混入SMC4aと同様の材料を使用して同様の仕様にて作製したが、厚さ(T5)は、20mmであった。
本発明に係る車両用複合パネルの一実施例を示す断面図である。 本発明に係る車両用複合パネルの斜視図である。 本発明に係る車両用複合パネルの製造方法を説明するための断面図である。 炭素繊維強化複合材の他の実施例の構成を示す断面図である。 本発明に係る車両用複合パネルの着火特性を試験するために使用した炭素繊維混入SMC板材の斜視図である。 従来の車両用部材の断面図である。 従来の車両用部材の断面図である。
符号の説明
1 車両用複合パネル
2 芯材(中間層)
3 炭素繊維強化複合材(表面層)
3a 炭素繊維強化複合材突出縁部
3A 最表面層複合材
3B 炭素繊維強化複合材
4 外周辺不燃層
4a 炭素繊維混入SMC

Claims (8)

  1. ハニカム構造体又は発泡構造体とされる中間層と、前記中間層の両面に配置された表面層を形成する炭素繊維強化複合材とを有する車両用複合パネルであって、
    前記両炭素繊維強化複合材は、前記中間層の周面より外方へと延在した突出縁部を有し、前記両炭素繊維複合材の前記突出縁部の間で、かつ、前記中間層の外周辺を覆って、炭素繊維混入SMCにて形成される、国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない外周辺不燃層を配置したことを特徴とする車両用複合パネル。
  2. 前記外周辺不燃層は、短繊維の炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させてシート状とした前記炭素繊維混入SMCを複数枚積層して形成されることを特徴とする請求項1の車両用複合パネル。
  3. 前記外周辺不燃層は、幅が4mm〜40mmであり、前記中間層及び前記外周辺不燃層の厚さは、5mm〜20mmであることを特徴とする請求項1又は2の車両用複合パネル。
  4. 前記炭素繊維混入SMCの炭素繊維は、マトリックス樹脂に対して体積比率で20%〜50%の範囲で混入されていることを特徴とする請求項1、2又は3の車両用複合パネル。
  5. 前記炭素繊維混入SMCの炭素繊維は、長さが3mm〜50mmの範囲であることを特徴とする請求項4の車両用複合パネル。
  6. 前記炭素繊維強化複合材は長繊維の炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させて形成し、且つ、前記炭素繊維強化複合材は国土交通省令第151号に準拠した試験で着火を起こさない不燃材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の車両用複合パネル。
  7. 前記炭素繊維は、ピッチ系炭素繊維又はパン系炭素繊維であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の車両用複合パネル。
  8. 前記マトリックス樹脂は、エポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、MMA樹脂、又は、フェノール樹脂であることを特徴とする請求項2〜7のいずれかの項に記載の車両用複合パネル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100868880B1 (ko) * 2007-01-29 2008-11-14 홍성산업 주식회사 철도 차량용 패널
KR100971873B1 (ko) 2008-01-31 2010-07-22 주식회사 한국화이바 운송차량용 일체형 복합소재 차체 및 그 제조방법
WO2013139361A1 (de) * 2012-03-23 2013-09-26 Daimler Ag Fahrzeugbauteil und verfahren zu dessen herstellung
US12091096B2 (en) 2019-09-25 2024-09-17 Subaru Corporation Fiber-reinforced resin composite

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