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JP2006068625A - 反応装置 - Google Patents

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JP2006068625A JP2004254345A JP2004254345A JP2006068625A JP 2006068625 A JP2006068625 A JP 2006068625A JP 2004254345 A JP2004254345 A JP 2004254345A JP 2004254345 A JP2004254345 A JP 2004254345A JP 2006068625 A JP2006068625 A JP 2006068625A
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Abstract

【課題】燃料電池システムの反応装置において、化学反応温度が異なり近接する反応部同士の間の熱輻射を低減させそれぞれの反応部に好適な温度での化学反応を担保しつつ反応装置の小型化を図る。
【解決手段】
厚さ方向に複数の微細貫通孔が形成された基板を複数組み合わせてなる改質部と、前記改質部と同様に前記基板を複数組み合わせてなり化学反応温度が異なる一酸化炭素除去部との間に、率が低い材料からなる低輻射部材を配設し高温部から低温部に対する熱の輻射を低減させる。
【選択図】図1

Description

本発明は反応装置に係り、特に化学反応温度範囲が異なる反応器が一体となる反応装置に関する。
燃料と大気中の酸素とを電気化学的に反応させることで、化学エネルギから電気エネルギを直接的に取り出す燃料電池についての研究・開発では、携帯電話やパーソナルコンピュータ等の携帯機器をはじめとして、小型家電製品等の電源として搭載するために、近年その小型化の研究・開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1では、葛折りの状態に連続して繋がる溝が、ポリスチレン製の第1基板の一方の平面に形成され、この溝が形成された平面とポリスチレン製の第2基板の平面とを紫外線硬化樹脂により封着させて形成された流路内で化学反応を生じさせることで、目的の生成物を抽出する小型のケミカルマイクロリアクタの発明が提供されており、このようなマイクロリアクタを複数組み合わせて燃料電池システムの改質装置に用いることも可能である。
燃料電池には直接型と改質型があり、直接型はアルコール類及びガソリンといった液体燃料を直接燃料電池の燃料極に供給して発電を行うものである。改質型は燃料を水素に改質して得られた水素を燃料極に供給して発電を行うものである。直接型は、改質型と比べると燃料の一部がプロトン透過膜を通過してしまいクロスオーバーしてしまうといった問題が生じていた。対して改質型は、比較的高出力が可能であるが、燃料電池の他に液体燃料を改質させる改質装置を必要とする。
特開2002−102681号公報
特許文献1に提供されるマイクロリアクタ等の小型デバイスを組み合わせて改質装置等を構成し、燃料電池システムの小型化を図るために反応器同士を近接させると、反応器ごとの反応温度が異なることから、互いに熱の影響を受け、それぞれの化学反応が充分に行われなくなる虞がある。
本発明の目的は、反応温度の異なる反応装置同士の熱の干渉を防止して好適な化学反応を行い且つ反応装置の小型化を図ることができる反応装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の反応装置は、第1の反応温度で反応する第1の反応部と、前記第1の反応温度よりも低い第2の反応温度で反応する第2の反応部と、
前記第1の反応部と前記第2の反応部との間に配置され、厚さ方向に貫通孔が設けられた低輻射部材とを有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前記第1と第2の反応部の間に配置された熱輻射率の低い低輻射部材が、前記第1の反応部からの輻射熱を遮断し反応温度の異なる反応部が近接しても熱による影響を受けなくするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の反応装置において、前記低輻射部材は、少なくとも一方の面が、前記第1の反応部よりも熱輻射率の低い材料で形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記第1及び第2の反応部の間に配置される熱輻射率の低い材質で覆われる低輻射部材が、前記第1の反応部よりも輻射熱が小さいので、第2の反応部を所望の温度で反応することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の反応装置において、前記低輻射部材における前記第1の反応部と前記第2の反応部の一方との対向面の面積は、前記第1の反応部と第2の反応部の一方における前記低輻射部材との対向面の面積よりも大きいことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、低輻射部材における対向面の面積を第1の反応部と第2の反応部の一方の対向面の面積よりも大きくしたので、低輻射部材が第1の反応部と第2の反応部の一方から輻射熱をより吸収しにくくなり、第1の反応部と第2の反応部の一方での熱輻射による熱損失を抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の反応装置において、
前記第1の反応部及び前記第2の反応部の少なくとも一方は、厚さ方向に貫通孔が形成された基板を備えていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、第1の反応部及び第2の反応部の少なくとも一方と低輻射部材との間での反応流体の移動は厚さ方向に沿うので、移動距離が短くなり一連の反応に要する時間を短くすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の反応装置において、
前記低輻射部材に形成された前記貫通孔の開口面積は、前記第1の反応部及び前記第2の反応部の少なくとも一方に形成された前記貫通孔の開口面積よりも小さいことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の反応装置において、
前記低輻射部材に形成された前記貫通孔の数は、前記第1の反応部及び第2の反応部の少なくとも一方に形成された貫通孔の数より少ないことを特徴とする。
請求項5、6に記載の発明によれば、低輻射部材における対向面の総面積を第1の反応部と第2の反応部の一方の対向面の総面積よりも容易に大きくできるので、低輻射部材が第1の反応部と第2の反応部の一方から輻射熱をより吸収しにくくなり、第1の反応部と第2の反応部の一方での熱輻射による熱損失を抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の反応装置において、
前記低輻射部材と前記第2の反応部との間隔は、前記低輻射部材と前記第1の反応部との間隔に比して長いことを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、低輻射部材で遮断しきれない輻射熱が、第2の反応部に到達するまでにそのエネルギを低減するので、第1の反応部での熱によって阻害されることなく第2の反応部を所望の温度で反応することができる。
本発明によれば、異なる反応温度状況下で化学反応が生じる第1の反応部と第2の反応部とで、他方の反応温度に影響されることなく各々の化学反応に適した温度を維持し、燃料の充分な化学反応を可能にするという効果を奏する。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明を適用した反応装置の要部を示した側断面図である。前記反応装置1は、燃料を化学反応させて水素を生成し、この水素の電気化学反応により発電を行ういわゆる燃料改質型の燃料電池における燃料の改質等に必要な反応装置である。前記燃料電池は、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal digital Assistant)、電子手帳、腕時計、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ゲーム機器、遊技機、家庭用電気機器、その他の電子機器に備え付けられるものであり、電子機器本体を作動させるための電源として用いられる。
図1に示すように、この反応装置1の本体2は、内部空間が設けられた直方体又は立方体の箱型の形状を有しており、ガラスやセラミック等の伝導率が低い断熱材で形成されるものである。また本体2には、対向する壁面である上面3と下面4の中央近傍に燃料を流通させる燃料供給口5と燃料排出口6とが設けられている。
そして、前記本体2の内部空間には、改質部10と一酸化炭素除去部11と低輻射部材12とが、互いに面方向が対向するように配設されて格納されている。即ち、改質部10は、厚さ方向に複数の微細貫通孔が設けられた複数の基板7aと、この基板7aと略同一の外周寸法を有する複数のフレーム形状の支持部材8aとが、図4に示すように、平面方向を対向させて交互に組み合わされてなるものである。また、一酸化炭素除去部11は、表面の厚さ方向に微細貫通孔が設けられた基板7bと、この基板7bと支持部材8aとが、面方向を対向させて交互に組み合わされなるものである。更に、低輻射部材12は、厚さ方向に複数の微細貫通孔が設けられた板状体からなるものである。なお、図4では、後述する電気接点17、17及びヒータ18の記載を省略している。
前記改質部10を構成する各基板7aの表面に形成された複数の微細貫通孔は、図2に示すように、燃料が流通する流路13aとしてフォトリソグラフィー法、エッチング法、マイクロブラスト法、レーザ法等の微細加工技術により六角形の孔が形成されハニカム状に配列されている。
なお、本実施の形態では基板7aに形成される複数の微細貫通孔を六角形の形状としているが、これ以外にも三角形、四角形、多角形、円形等の形状の孔であってもよい。
また、この流路13aの内壁部には、図3に示すように、燃料供給口5から供給された燃料を改質させる触媒層15が担持されており、その成分はCu/ZnO系のものを採用している。
また基板7aの燃料供給口側の平面であって前記複数の流路13aの間には、前記基板7aの両端部にそれぞれ設けられた電気接点17、17と接続され、且つ電気接点17、17間に電圧が印加されることにより発熱する電熱線からなるヒータ18が配設されており、このヒータ18による熱が、基板7aを介して触媒層15及び流路13aに伝搬し、燃料供給口5から供給される燃料が、流路13a内壁の触媒層15に接触すると化学反応により改質されるようになっている。
一方、前記一酸化炭素除去部11を構成する各基板7bの表面に形成された複数の微細貫通孔は、図2に示すように、燃料が流通する流路13bとして、前記改質部10を構成する基板7aに形成された流路13aと同様に、上述した微細加工技術等により六角形の孔がハニカム状に加工されたものであり、この流路13bの内壁部には、改質部10で改質された燃料の中から一酸化炭素を酸化反応により除去するPt系の触媒層20が担持されるものである。基板7bの改質部10側の平面であって複数の流路13bの間には、前記基板7bの両端部にそれぞれ設けられた電気接点17、17と接続され且つ電気接点17、17間に電圧が印加されることにより発熱する電熱線からなるヒータ18が配設されており、このヒータ18による熱が基板7bを介して触媒層20及び流路13bに伝搬するようになっている。改質部10から排出される流体中の一酸化炭素が流路13b内壁の触媒層20に接触すると、化学反応により流体中から一酸化炭素が除去された後に燃料排出口6から排出され燃料電池26に水素を含む燃料が供給されるようになっている。
次に、これら改質部10と一酸化炭素除去部11との間に配設される低輻射部材12について説明する。
低輻射部材12は、改質部10で発生する熱が一酸化炭素除去部11に輻射されるのを低減するものであり、熱輻射率の低い材料から形成されるものである。即ち、改質部10及び一酸化炭素除去部11で行われるいずれの化学反応も、その好適な反応を行うために、改質部10を構成する基板7a及び一酸化炭素除去部11を構成する基板7bに設けられたヒータ18による加熱を必要とする。ここで、改質部10で燃料の好適な改質を行うための反応温度の範囲は、一酸化炭素除去部11での好適な一酸化炭素除去反応を行うための反応温度の範囲より高いものである。そこで、低輻射部材12の改質部10に対向する面12aを熱輻射率の低い材料で形成することで、高い反応温度範囲を有する改質部10から一酸化炭素除去部11に対する熱の輻射を低減するようになっている。
また、この低輻射部材12の改質部10と対向する面12aは、基板7aに備えられたヒータ18からの熱の熱源となる電磁波の反射率が高いことが好ましい。即ち、電磁波を反射して、改質部10を効率的に所望の温度に保つためである。
更に、低輻射部材12の一酸化炭素除去部11と対向する面12bも、基板7bに備えられたヒータ18からの熱の熱源となる電磁波の反射率が高いことが好ましい。即ち、電磁波を反射して一酸化炭素除去部11を効率的に所望の温度に保つためである。
熱輻射率が低く且つ熱源となる電磁波の反射率が高い材料としては、具体的には、金、アルミ等があり、低輻射部材12の基材(例えばガラス板やセラミック板)の改質部10や一酸化炭素除去部11と対向する面12a、12bの表層に、それぞれCVD(Chemical Vapor Deposition)法やPVD(Physical Vapor Deposition)法等の蒸着法、スパッタリング法又はメッキ等の気相成長法により金又はアルミ等の薄膜が形成されてもよい。また低輻射部材12自体を金又はアルミの板等の低反射板で形成してもよい。
また低輻射部材12には、前記各基板7a、7bが形成された場合と同様の微細加工技術等により、厚さ方向に燃料が流通する流路13cが形成されている。低輻射部材12は、基板7aに設けられたヒータ18からの熱線が低輻射部材12の面12aに入射した場合に一酸化炭素除去部11の過熱を抑制するために、面12aの面積を一枚の基板7aの面積よりも相対的に大きくしている。つまり、低輻射部材12の周縁形状及び寸法が基板7aの周縁形状及び寸法と一致している場合には、1つの流路13cの開口面積を前記基板7aに形成された1つの流路13aに比して開口面積よりも小さくするか、流路13cの数を一枚の基板7aに設けられた流路13aの数に比して少ないものとすればよい。このような構造とすることによって、流路13cを通じて一酸化炭素除去部11に漏洩する熱源となる電磁波の輻射を抑えることができ、また低反射率の面12aで改質部10に設けられたヒータ18からの熱を吸収しにくくなるので改質部10での熱損失を抑制できる。もちろん、低輻射部材12の1つの流路13cの開口面積を前記基板7aに形成された1つの流路13aに比して開口面積よりも小さくし且つ流路13cの数を一枚の基板7aに設けられた流路13aの数に比して少なくしてもよい。
また、前記一酸化炭素除去部11と前記低輻射部材12との間に組み合わされる支持部材8bは、前記改質部10と前記低輻射部材12との間に組み合わされる支持部材8aに比して厚さが大となっている。即ち、低輻射部材12と一酸化炭素除去部11との間に一定の距離を設けることで、仮に低輻射部材12の面12bから放射される輻射される熱が一酸化炭素除去部11に到達するまでに低減され一酸化炭素除去部11の反応温度に及ぼす影響が軽微とされるものである。
次に、本実施の形態の作用について述べる。
燃料供給口5から気化された状態で供給された燃料は、改質部10の基板7aに形成された流路13aの内壁に担持された触媒層15の作用により水素改質がなされる。この触媒層15の化学反応は、250℃〜300℃で効率よく発生するため、各基板7aの流路13aの間に配設されたヒータ18に電圧を印加することで発熱させこのような反応温度を維持する。
このような改質部10と同様に、一酸化炭素除去部11においても前記改質部10で改質された燃料中の一酸化炭素を除去するために、基板7bに形成された流路13bの内壁に担持された触媒層20が、燃料と外部から取り入れた空気中の酸素とを酸化反応させて一酸化炭素を除去するが、前記触媒層20は、水性シフト反応用触媒層及び選択酸化反応用触媒層であり、前記酸化反応の所望の反応温度は150℃〜200℃であることから、各基板7bの流路13aの間に配設されたヒータ18によって加熱されている。このように一酸化炭素除去部11での所望の反応温度は、改質部10の所望の反応温度よりも低い。
したがって、この改質部10のヒータ18によって輻射される熱は、輻射率の低い低輻射部材12によって一酸化炭素除去部11に輻射せず、また反射率が高いので改質部10での熱損失が少なく、改質部10の各基板7aを面方向にわたって均等且つ所望の温度に保持できる。
また、低輻射部材12に形成される流路13cの開口面積を前記流路13aと比して狭小とし、その数も前記流路13aと比して少なくしているので、保護部材の低輻射面積を確保することができ、また同時に流路13cを通過する熱の電磁波の量を低減する。さらに、支持部材8bの厚さを支持部材8aに比して厚くし低輻射部材12と一酸化炭素除去部11との間隔を基板7aと基板7aとの間隔や基板7bと基板7bとの間隔よりも長くすることで、上記流路13cを通過する電磁波の強さが一酸化炭素除去部11に到達するまでに低減され熱の影響を抑えることができる。
次に、このような反応装置1を搭載した燃料電池システムの作動原理について説明する。図5は本実施形態における燃料電池システムの要部構成を示したブロック図である。燃料容器21に貯留される燃料は液状の化学燃料と水の混合液であり、化学燃料としてはメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類やジエチルエーテルなどのエーテル類、ヒドラジンあるいはガソリンといった水素原子を含む化合物が適用される。本実施形態では、燃料としてメタノールと水の混合液が用いられ、メタノールと水のモル比1:1.2に設定されている。
燃料容器21に貯留された燃料は、燃料ポンプ22の作動により、まず気化部23に供給されるようになっており、ヒータ24が80℃〜120℃に気化部23を加熱し、気化部23では供給された燃料が加熱されて気化してメタノール及び水蒸気の混合気となる。気化部23において生成された混合気は反応装置1に供給されるようになっている。
反応装置1の上面に設けられた燃料供給口5から供給された燃料は、まず改質部10の3つの基板7aの各流路13aを通過する際に触媒層15に接触して改質される様になっており、具体的には化学反応式(1)に示すように、気化部23で混合気とされたメタノールと水蒸気とが、基板7aに設けられたヒータ18によって250℃〜300℃に加熱された触媒層15の作用により反応して水素と二酸化炭素が生成されるようになっている。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 … (1)
このように改質された燃料は、その後前記低輻射部材12に形成された流路13cを経て一酸化炭素除去部11に供給されるが、改質部10では燃料が完全に水素及び二酸化炭素に改質されない場合があり、化学反応式(2)に示すように一酸化炭素がともに生成される場合もある。
2CH3OH+H2O→5H2+CO+CO2 … (2)
一酸化炭素除去部11では、このような一酸化炭素を含む流体を空気用ポンプ25によって外部から取り入れられた大気中の酸素と混合させて、この混合流体が3つの基板7bの各流路13bを通過する際に、基板7bに設けられたヒータ18によって加熱された触媒層20に接触することで、一酸化炭素が選択的に酸化されて二酸化炭素となり一酸化炭素が除去されるようになっている。具体的には、化学反応式(3)に示すようになっている。
2CO+O2→2CO2 … (3)
このように反応装置1で化学反応された水素と二酸化炭素との混合気は、燃料電池26に供給され、電気化学反応式(4)に示すように、水素を燃料極の触媒層の作用により水素イオンと電子とに分離され、水素イオンはイオン伝導膜を通じて空気極に伝導し、電子は燃料極により取り出されるようになっている。このように取り出された電子の流れによって電気エネルギが発生されるようになっている。
2→2H++2e‐ … (4)
以上のように、本実施の形態によれば、化学反応の反応温度が異なる改質部10と一酸化炭素除去部11との間に配置した低輻射部材12が、前記改質部10に設けられたヒータ18の輻射熱を反射し又熱の輻射による拡散を防止することができる。また、低輻射部材12に形成された流路13cの開口面積を流路13aに比して狭小として、その数量も低減することで、電磁波の輻射が少ない領域の面積を確保できるのと同時に流路13cを通過する電磁波の量を低減することから、燃料の改質に好適な反応温度を維持しつつ一酸化炭素除去部11に伝達する輻射熱を低減すことができる。
また、低輻射部材12と一酸化炭素除去部11との間を支持する支持部材8bの厚さを支持部材8aに比して長くすることで、反応温度の異なる一酸化炭素除去部11が、改質部10の熱に影響されることなく好適な化学反応を確実に行うことが可能となる。これにより、反応温度の異なる反応器を独立の配置とすることなく一体に構成しても、充分な化学反応を行いつつ反応装置の小型化を実現することが可能となる。
〔第2の実施形態〕
次に、図6及び図7を用いて第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態における小型反応装置は第1の実施形態における本体2、支持部材8a及び8bにおいて相違し、他の構成については同様である。以下、同一構成を示す部分については第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明をする。
図6及び図7に示すように、内部空間が設けられる小型反応装置の本体32には、側壁面33aと側壁面33bとの内側に、基板7a、低輻射部材12及び基板7bの平面方向の両端部が支持される複数の嵌合溝34が形成されている。具体的には図7に示すように、この嵌合溝34に基板7a、低輻射部材12及び基板7bの両端部をそれぞれ嵌合させ、改質部10、低輻射部材12及び一酸化炭素除去部11を支持するようになっている。
また嵌合溝34のうち一酸化炭素除去部11と低輻射部材12とが支持される嵌合溝34が形成される間隔は、他の嵌合溝34が形成される間隔より長く形成されるものである。
即ち化学反応を促進するために改質部10はヒータ18により高温とされているため、反応温度が改質部10と比して低温とされる一酸化炭素除去部11の化学反応に、改質部10から輻射される熱による影響を低減させるためである。
次に第2の実施形態の作用について述べる。
本体2の上面に設けられた燃料供給口5から上述した気化部23で気化された燃料が供給され改質部10の基板7aに設けられた流路13aを流通する。このとき前記流路13aの内壁に担持される触媒層15の作用と、基板7aに配設されたヒータ18の熱により燃料が好適に改質される。
このようなヒータ18からの熱の拡散を防止するため、上記第1の実施形態で述べたように、低輻射部材12により熱の輻射を防止し、さらに低輻射部材12に形成された流路13cを伝達する輻射熱に対しては、低輻射部材12と基板7bとを支持する嵌合溝34の設けられられる間隔を他に比して長く離間させ、前記輻射熱を低減させて改質部10に比して反応温度の低い一酸化炭素除去部11の化学反応に及ぼす影響を低減させる。
改質部10で改質された燃料は、低輻射部材12に設けられた流路13cを流通し一酸化炭素除去部11に供給され、一酸化炭素除去部11では、改質により生成された一酸化炭素を、基板7bに形成された流路13bの内壁に担持された触媒層20と空気用ポンプ25により外部から取り入れた大気中の酸素との化学反応により酸化し二酸化炭素を生成する。このように水素と二酸化炭素の混合気となった燃料は燃料排出口6から排出され燃料電池26に供給される。
以上のように、第2の実施形態における小型反応器によれば、第1の実施形態における反応装置のように、基板7a、7b及び低輻射部材12の支持をフレーム形状の支持部材8a、8bを用いる代わりに、本体の左右壁面33a、33bに嵌合溝34を形成し、前記基板7a等の平面方向の両端部が支持される構成として反応温度の異なる反応部を一体として形成しても互いの反応温度に影響されることなく反応装置の小型化を確実に行うことが可能となる。
以上本発明にかかる小型反応装置を適用した燃料電池の反応装置について説明したが、これら実施形態は本発明を限定するものではない。
上記各実施形態では、反応装置1として改質部10及び一酸化炭素除去部11を本体2内に収容し、改質部10及び一酸化炭素除去部11の間に、流路13cが設けられた低輻射部材12を配置したが、気化部23、改質部10及び一酸化炭素除去部11を本体2に収容し、気化部23及び改質部10の間に流路13cが設けられた低輻射部材12を配置し、改質部10及び一酸化炭素除去部11の間に低輻射部材12を配置してもよい。このような構造をとることによって気化部23、改質部10及び一酸化炭素除去部11の間で、低温の反応部が高温の反応部によって過熱することを防止でき、それぞれ所望の温度に保持することができる。
また上記各実施形態では、改質部10及び一酸化炭素除去部11がそれぞれ三枚、二枚であったが、これら数枚に限らず、異なる複数枚の基板であってもよく、改質部10及び一酸化炭素除去部11の少なくとも一方は単数の基板のみで構成されていてもよい。
また上記各実施形態では、改質部10及び一酸化炭素除去部11は、ともに流路が基板の厚さ方向に伸びた貫通孔であったが、改質部10及び一酸化炭素除去部11の少なくとも一方は、基板の面方向に伸びた流路と流路の端部に貫通孔とを設けた構造であってもよい。
本発明を適用した第1の実施形態の要部構成を示した側断面図である。 本発明を適用した第1及び第2の実施形態における微細貫通孔が形成された基板の正面図である。 本発明を適用した第1及び第2の実施形態における基板の一部分を拡大した正面図である。 本発明を適用した第1の実施形態における基板と支持部材の組み合わせ手順を示した斜視図である。 本発明を適用した第1及び第2の実施形態を燃料電池システムに適用した全体構成の要部を示したブロック図である。 本発明を適用した第2の実施形態の要部構成を示した側断面図である。 本発明を適用した第2の実施形態における本体の一部を示した斜視図である。
符号の説明
1 反応装置
2 本体
5 燃料供給
6 燃料排出
7a、7b 基板
8a、8b 支持部材
10 燃料改質部
11 一酸化炭素除去部
12 低輻射部材
13a、13b、13c 流路
15、20 触媒層
18 ヒータ
21 燃料容器
22 燃料用ポンプ
23 気化部
24 ヒータ
25 空気用ポンプ
26 燃料電池
32 本体
33a、33b 側壁面
34 嵌合溝

Claims (7)

  1. 第1の反応温度で反応する第1の反応部と、
    前記第1の反応温度よりも低い第2の反応温度で反応する第2の反応部と、
    前記第1の反応部と前記第2の反応部との間に配置され、厚さ方向に貫通孔が設けられた低輻射部材と、
    を有することを特徴とする反応装置。
  2. 前記低輻射部材は、少なくとも一方の面が、前記第1の反応部よりも熱輻射率の低い材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の反応装置。
  3. 前記低輻射部材における前記第1の反応部と第2の反応部の一方との対向面の面積は、前記第1の反応部と前記第2の反応部の一方における前記低輻射部材との対向面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反応装置。
  4. 前記第1の反応部及び前記第2の反応部の少なくとも一方は、厚さ方向に貫通孔が形成された基板を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の反応装置。
  5. 前記低輻射部材に形成された前記貫通孔の開口面積は、前記第1の反応部及び前記第2の反応部の少なくとも一方に形成された前記貫通孔の開口面積よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の反応装置。
  6. 前記低輻射部材に形成された前記貫通孔の数は、前記第1の反応部及び前記第2の反応部の少なくとも一方に形成された貫通孔の数より少ないことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の反応装置。
  7. 前記低輻射部材と前記第2の反応部との間隔は、前記低輻射部材と前記第1の反応部との間隔に比して長いことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の反応装置。
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