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JP2006067496A - レゾネータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 自由落下耐性の優れた圧電セラミックス共振子を備えたレゾネータを提供する。
【解決手段】 振動電極が形成された圧電セラミックス共振子2と、圧電セラミックス共振子2を支持する基板3と、を備え、圧電セラミックス共振子2が、σb≧11.6×H+171.5(ただし、H:落下高さ(m)、σb:3点曲げ強さ(MPa)、H>1)の条件を具備する。基板3は端子電極31、32を備え、圧電セラミックス共振子2は、導電固定子4を介して、振動電極と導通するとともに、基板3に両端支持される構造のレゾネータ1に適用することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧電セラミックス共振子を用いたレゾネータに関し、特に自由落下耐性に優れたレゾネータに関するものである。
従来より、発振周波数を得る共振子として、圧電セラミックス共振子を用いた圧電共振部品(レゾネータ)が知られている。圧電セラミックス共振子2は、図1に示すように、分極された圧電セラミックス基板21の表・裏の主面に、1対の振動電極22、23を形成し、その一対の振動電極22、23付近に振動が閉じ込められるよう構成されている。この圧電セラミックス共振子2を用いたレゾネータ1は、図2に示すように、基板3とキャップ5とを備えている。基板3は補強機能をもち、例えばステアタイト(MgO・SiO2)、アルミナ(Al23)等のセラミックスで構成され、通常、0.05〜0.7mm程度の板厚を有している。基板3の表裏面には端子電極31、32が形成されている。また、基板3は誘電体単板セラミックス、積層セラミックスなどを用いて誘電体機能と補強機能を併せ持つように構成してもよい。誘電体単板セラミックスの例としてはチタン酸バリウムを主成分とする化合物などがある。また、積層セラミックスの例としては内部電極を有する低温焼結セラミックスなどがあり、例えばAl23やCaZrO3にガラス成分を添加したものとCuやAgなどの導電ペーストを1000℃以下で同時焼成することで得ることができる。
端子電極31、32の上には、導電性樹脂や半田のような導電性と接着性の機能を併せ持つ導電固定子4によって圧電セラミックス共振子2が接着固定される。圧電セラミックス共振子2と基板3との間は、導電固定子4の厚みによって一定の振動空間が確保される。
キャップ5は、圧電セラミックス共振子2を覆うように基板3上に例えば接着剤によって接着されている。キャップ5も、基板3と同様にステアタイト(MgO・SiO2)、アルミナ(Al23)等のセラミックスで構成することもできるが、合金のような金属で構成してもよい。また、キャップ5の板厚も、基板3と同程度とすればよい。
以上のようなレゾネータ1は、例えば、特開平8−237066号公報(特許文献1)に開示されている。
特開平8−237066号公報
圧電セラミックス共振子2は、通常、室温付近において正方晶系又は菱面体晶系のPZT(PbZrO3−PbTiO3固溶体)系やPT(PbTiO3)系などのペロブスカイト構造を有する圧電磁器組成物から構成されている。圧電セラミックス共振子2をレゾネータ1として使用する場合、電気特性として帯域内のQmax(Qmax=tanθ:θは位相角)が大きいことが要求されているだけではなく、近年では表面実装型部品が広く普及しており、プリント基板に実装される際に、ハンダリフロー炉を通すために耐熱性が高いことも要求されている。なお、耐熱性が高いあるいは良好とは、熱的な衝撃を受けた後の特性の変動が小さいことをいう。
レゾネータ1を構成する圧電セラミックス共振子2には、以上の特性の他に機械的強度が高いことも要求される。そのため、例えば、1mの高さからレゾネータ1をコンクリートに自由落下させても圧電セラミックス共振子2に欠け、割れ等の異常が発生しないこと(自由落下耐性)を製品の仕様として要求している。このように、機械的強度を要求する製品仕様が物理的特性そのものでないために、従来は自由落下耐性をどのように向上すればよいかの指針が明確ではなかった。また、現在の自由落下耐性を評価する場合の落下高さは1mであるが、今後、機械的強度の要求が高まり落下高さが高くなることも想定される。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、自由落下耐性の優れた圧電セラミックス共振子を提供することを目的とする。また本発明は、そのような圧電セラミックス共振子を備えたレゾネータを提供することを目的とする。
本発明者らは、レゾネータについて落下高さを変えて自由落下試験を行ったところ、その不良率と圧電セラミックス共振子の3点曲げ強さ及び落下高さとの間に強い相関関係があることを確認した。すなわち本発明は、振動電極が形成された圧電セラミックス共振子と、圧電セラミックス共振子を支持する基板と、を備え、その圧電セラミックス共振子が、σb≧11.6×H+171.5(ただし、H:落下高さ(m)、σb:3点曲げ強さ(MPa)、H>1)の条件を具備することを特徴とするレゾネータである。
本発明のレゾネータは、基板が端子電極を備え、圧電セラミックス共振子は、導電部材を介して、基板に両端支持されるとともに、振動電極と導通する構造を有する場合に特に有効である。このように、本発明は他の部材を介して圧電セラミックス共振子を基板に支持する構造をも包含している。
また本発明のレゾネータにおいて、圧電セラミックス共振子は、Pbα[(Mn1/3Nb2/3xTiyZrz]O3で示されるペロブスカイト化合物を主成分とすることが好ましい。
ただし、上記組成式において、0.97≦α≦1.01、0.04≦x≦0.16、0.48≦y≦0.58、0.32≦z≦0.41である。
本発明によれば、自由落下耐性の優れた圧電セラミックス共振子を備えたレゾネータを提供することができる。しかも、本発明によると、圧電セラミックス共振子の3点曲げ強度を把握すれば、実際の落下試験を行うことなく信頼性の高いレゾネータを提供することができる。
以下、実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図2は、本実施の形態におけるレゾネータ1を説明するための断面図である。なお、図1に示すレゾネータ1の基本的な構成は従来の技術の欄で説明したので、ここでの繰り返しの説明は省略する。
本発明は、レゾネータ1の構成要素である圧電セラミックス共振子2が、σb≧11.6×H+171.5(ただし、H:落下高さ(m)、σb:3点曲げ強さ(MPa)、H>1)の条件を満たすことを特徴としている。この条件を満たすことにより、所定の高さからレゾネータ1として落下させた場合に、圧電セラミックス共振子2に割れ、欠け等の不良発生を防ぐことができる。以下この条件を導出した落下試験について説明する。
下記の圧電セラミックスからなる試験片について3点曲げ試験を実施した。試験片は以下のようにして作製した。
出発原料として、酸化鉛(PbO)粉末、酸化チタン(TiO2)粉末、酸化ジルコニウム(ZrO2)粉末、炭酸マンガン(MnCO3)粉末、酸化ニオブ(Nb25)粉末、酸化アルミニウム(Al23)粉末、酸化珪素(SiO2)粉末、酸化クロム(Cr23)粉末を準備した。この原料粉末を、モル比でPb0.99[(Mn1/3Nb2/30.10Ti0.53Zr0.37]O3となるように秤量した後、各粉末の総重量に対して副成分としてのMnCO3粉末を0.2wt%、SiO2粉末を0.07wt%、Al23粉末を0.5wt%及びCr23粉末を0.1wt%添加し、各々ボールミルを用いて湿式混合を10時間行った。
得られたスラリーを十分に乾燥してプレス成形した後に、大気中、800℃で2時間保持する仮焼を行った。仮焼体が平均粒径0.7μmになるまでボールミルにより微粉砕した後、微粉砕粉末を乾燥させた。乾燥させた微粉砕粉末に、バインダとしてPVA(ポリビニルアルコール)を適量加えて造粒した。造粒粉を縦20mm×横20mmのキャビティを有する金型に約3g投入し、1軸プレス成形機を用いて245MPaの圧力で成形した。得られた成形体に対して脱バインダ処理を行った後、大気中、1150〜1250℃で2時間保持する本焼成を行って焼結体を得た。この焼結体の両面をラップ盤で厚さ0.5mmに平面加工した後に、15mm×7.0mmに切断加工し、その両端部(7.0mm方向)に分極用の仮電極を形成した。その後、温度150℃のシリコンオイル槽中で3kV/mmの電界を20分間印加する分極処理を行った。なお、分極方向は板体に平行な方向とし、振動モードを厚みすべりモードとした。その後、仮電極を除去した。なお、仮電極除去後の試料のサイズは15mm×7.0mm×0.5mmである。再度ラップ盤でおよそ厚さ0.3mmまで研磨を行い、切出しにより、縦×横×厚さ=7.0mm×2.5mm×0.3mmの試験片を切出した。
また、3点曲げ試験は、上記試験片を用い以下の条件を適用し、JIS R 1601に準じて行った。
クロスヘッド速度:0.2mm/min
クロスヘッド曲率半径/支点間距離:0.1(クロスヘッド曲率半径=0.5mm、支点間距離=5mm)
次いで、上記試験片から圧電セラミックス共振子2を作製した後に、図1に示すレゾネータ1に組込んだ後にコンクリート上で自由落下試験を行った。落下高さHは1.0m、1.5m及び2.0mの3種類とし、各高さで3回の落下を行った。
落下試験による不良率と3点曲げ強さσbの関係を求めたところ、図6に示す結果が得られた。すなわち、落下高さH毎に不良率γ(%)と3点曲げ強さσb(MPa)との間に以下の関係が成立する。なお、図6中のRは相関係数であり、R2はその二乗値を示している。
落下高さ1.0m:γ=−0.28515×σb+52.188
落下高さ1.5m:γ=−0.76834×σb+145.31
落下高さ2.0m:γ=−0.94684×σb+184.28
上記不良率γ(%)と3点曲げ強さσbの関係から、各落下高さHにおいて不良率γが0%になる3点曲げ強さσb0を求めると以下の通りである。
落下高さ1.0m:σb0=183.0MPa
落下高さ1.5m:σb0=189.1MPa
落下高さ2.0m:σb0=194.6MPa
以上の結果より、落下高さHと不良率γを0%にすることができる3点曲げ強さσb0の関係を求めることができる。この関係は、図7に示すように、σb≧11.6×H+171.5(ただし、H:落下高さ(m)、σb:3点曲げ強さ(MPa)、H>1)となる。そこで本発明では、この条件を満足する圧電セラミックス共振子2を用いることとした。
なお、試験片から圧電セラミックス共振子2の作製手順は以下の通りである。
上記試験片の両面をラップ盤で厚さ0.5mmに平面加工した後に、15mm×5.0mmに切断加工し、その両端部(5.0mm方向)に分極用の仮電極を形成した。その後、温度150℃のシリコンオイル槽中で3kV/mmの電界を20分間印加する分極処理を行った。なお、分極方向は板体に平行な方向とし、振動モードを厚みすべりモードとした。その後、仮電極を除去した。なお、仮電極除去後の試料のサイズは15mm×5.0mm×0.5mmである。再度ラップ盤でおよそ厚さ0.3mmまで研磨し、真空蒸着装置を用いて振動電極22、23を形成した。振動電極22、23は厚さ0.01μmのCr下地層と厚さ2μmのAgとから構成される。振動電極22、23形成後に、以上の試験片から切出しにより3.5mm×0.6mm×0.3mmの圧電セラミックス共振子2を作製した。この圧電セラミックス共振子2は導電固定子4により基板3と接着されるが、導電固定子4の厚みによって嵩上げされて振動空間が確保される。この基板3はステアタイトから構成されており、上下面に端子電極31、32が形成されている。基板3の板厚は0.45mmとした。次に、圧電セラミックス共振子2を保護するようにステアタイトからなるキャップ5を基板3と接着する。最後に、バレル研磨によって端部を粗面化した後に基板3の上下面に形成されている端子電極31、32をつなぐように基板3の側面に薄膜電極を蒸着した。最終的なレゾネータ1の外寸は4.5mm×2.0mm×1.1mmである。
また、レゾネータ1における支持間距離Lは、4.06λとした。なお、λは圧電セラミックス共振子2の波長であり、基本波の場合t=1/2×λ(t:厚さ)の関係が成立する。3倍波を用いる場合はt=3/2×λ(t:厚さ)である。
ここで、厚みすべりモードの場合、支持間距離Lは3λ以上であることが好ましく、3.75λ以上であることがより好ましい。これは振動電極23、23付近に閉じ込められた振動を抑圧しないために必要である。また、支持間距離Lの上限はレゾネータ1の外形(図2のL1)−0.5mmとするのが好ましく、気密性を有したキャップ5の接着幅を確保するために必要な条件である。ここで、この支持間距離Lとは、分極方向に平行な方向の距離をいう。
また、分極方向が主面に対して垂直な厚み縦モードの場合、やはり支持間距離Lを3λ以上とすることが好ましく、3.75λ以上であることがより好ましい。この場合、支持間距離Lは圧電セラミックス共振子2の長手方向の距離である。
以上の実施の形態では、図2に示す構造のレゾネータ1について説明したが、本発明の適用は図2に示すレゾネータ1に限定されるものでないことは言うまでもない。例えば、図3に示す構造のレゾネータ30に適用することもできる。このレゾネータ30は、基板3と圧電セラミックス共振子2との間に容量素子6を配設してある。なお、図3において、図1と同様の部材には図1と同じ符号を付してその説明を省略する。
また、圧電セラミックス共振子2は、図1に示す形態に限定されるものでなく、図4(a)に示すようにテーパが形成された形態、図4(b)に示すように溝入れ加工が施された形態等、種々の形態の圧電セラミックス共振子2に適用することができる。
さらに、図2及び図3は圧電セラミックス共振子2を両端支持する形態のレゾネータ1、30を示しているが、本発明の適用はこの両端支持する形態限定されない。例えば、図5に示す構造のレゾネータ50に適用することもできる。このレゾネータ50は、端子電極511及び512を備えた基板51、接着樹脂層52、空洞樹脂層53、振動電極541を備えた圧電セラミックス共振子54、空洞樹脂層55、接着樹脂層56及びカバー57を順次積層した構造を有している。レゾネータ50における支持間距離を矢印で示している。空洞樹脂層53、55は振動電極541付近に閉じ込められた振動を抑圧しないように振動空間を確保するように設けられる。この空間を維持し、気密性を確保するように接着樹脂層56を用いてカバー57と接着される。
以上説明したように、本発明はσb≧11.6×H+171.5(ただし、H:落下高さ(m)、σb:3点曲げ強さ(MPa)、H>1)の条件を具備する圧電磁器組成物を用いる点に特徴があるが、以下では好ましい圧電磁器組成物及びその製造方法について説明する。
<圧電セラミックス>
本発明に用いる圧電セラミックスは、ペロブスカイト型構造を有するPZTを主成分として、この主成分は好ましくはMn、Nbを含有する。さらに好ましい主成分は、以下の組成式で示される。なお、ここでいう化学組成は焼結後における組成をいう。
Pbα[(Mn1/3Nb2/3xTiyZrz]O3
組成式中、0.97≦α≦1.01、
0.04≦x≦0.16、
0.48≦y≦0.58、
0.32≦z≦0.41である。
なお、組成式中、α、x、y及びzはそれぞれモル比を表す。
組成式中におけるα、x、y及びzの限定理由は以下の通りである。
Pb量を示すαは、0.97≦α≦1.01の範囲とすることが好ましい。αが0.97未満では、緻密な焼結体を得ることが困難である。一方、αが1.01を超えると良好な耐熱性を得ることができない。よって、αは、0.97≦α≦1.01の範囲とすることが好ましく、さらに0.98≦α<1.00とすることが好ましく、0.99≦α<1.00とすることがより好ましい。
Mn量及びNb量を示すxは、0.04≦x≦0.16の範囲とすることが好ましい。xが0.04未満では、Qmaxが小さくなる。一方、xが0.16を超えると、良好な耐熱性を得ることができなくなる。よって、xは、0.04≦x≦0.16の範囲とすることが好ましく、さらに0.06≦x≦0.14とすることが好ましく、0.07≦x≦0.11とすることがより好ましい。
Ti量を示すyは、0.48≦y≦0.58の範囲とする。yが0.48未満では、良好な耐熱性を得ることができない。一方、yが0.58を超えると良好な温度特性を得ることが困難になる。よって、yは、0.48≦y≦0.58の範囲とすることが好ましく、さらに0.49≦y≦0.57とすることが好ましく、0.50≦y≦0.55とすることがより好ましい。
Zr量を示すzは、0.32≦z≦0.41の範囲とする。zが0.32未満又は0.41を超えると良好な温度特性が得られなくなる。よって、zは、0.32≦z≦0.41の範囲とすることが好ましく、さらに0.33≦z≦0.40とすることが好ましく、0.34≦z≦0.39とすることがより好ましい。なお、温度特性が良好であるとは、使用環境下の温度変化に伴う圧電セラミックスの特性の変化が小さいことをいう。
本発明に適用する圧電セラミックスにおいて、副成分として、主成分に対してAl23、SiO2、MnCO3及びCr23の1種又は2種以上を含有させることができる。
Al23及びSiO2は、圧電セラミックスの機械的強度向上にとって有効である。Al23は、主成分、特にPbα[(Mn1/3Nb2/3xTiyZrz]O3に対して0.15wt%以上添加することが好ましく、0.6wt%以上添加することがより好ましい。Al23の添加量を増やしていっても、圧電セラミックスの特性を害することがないため、その上限は特に限定されないが、得られる効果が飽和すると解されることから、主成分に対する添加量を3.0wt%以下、好ましくは2.0wt%以下、さらに好ましくは1.5wt%以下とする。
また、SiO2の添加量は、主成分、特にPbα[(Mn1/3Nb2/3xTiyZrz]O3に対して0.005〜0.15wt%、より好ましいSiO2の添加量は0.01〜0.12wt%、さらに好ましいSiO2の添加量は0.01〜0.07wt%とする。
MnCO3は焼結性を向上させる上で有効である。副成分としてMnCO3を含有する場合において、好ましいMnCO3の添加量は、主組成、特にPbα[(Mn1/3Nb2/3xTiyZrz]O3に対して0.65wt%以下、より好ましいMnの添加量は0.50wt%以下である。さらに好ましいMnCO3の添加量は0.01〜0.40wt%、より一層好ましいMnの添加量は0.05〜0.3wt%である。
Cr23は良好な耐熱性を得る上で有効である。好ましいCr23の添加量は主組成、特にPbα[(Mn1/3Nb2/3xTiyZrz]O3に対して0.65wt%以下、より好ましいCr23の添加量は0.50wt%以下である。さらに好ましいCr23の添加量は0.01〜0.30wt%、より一層好ましいCr23の添加量は0.01〜0.10wt%である。
なお、以上の副成分はあくまで好ましい一例であって、他の副成分を用いることを排除するものではない。
<製造方法>
次に、本発明に用いる圧電セラミックスの好ましい製造方法について、その工程順に説明する。
(原料粉末、秤量)
主成分の原料として、酸化物又は加熱により酸化物となる化合物の粉末を用いる。具体的にはPbO粉末、TiO2粉末、ZrO2粉末、MnCO3粉末、Nb25粉末等を用いることができる。原料粉末は最終的に得たい組成に該当するように、それぞれ秤量する。なお、上述した原料粉末に限らず、2種以上の金属を含む複合酸化物の粉末を原料粉末としてもよい。
次に、秤量された各粉末の総重量に対して、副成分を所定量添加する。各原料粉末の平均粒径は0.1〜3.0μmの範囲で適宜選択すればよい。
(仮焼)
原料粉末を湿式混合した後、700〜950℃の範囲内で所定時間保持する仮焼を行う。このときの雰囲気はN2又は大気とすればよい。仮焼の保持時間は0.5〜5時間の範囲で適宜選択すればよい。
なお、主成分の原料粉末と副成分の原料粉末を混合した後に、両者をともに仮焼に供する場合について示したが、副成分の原料粉末を添加するタイミングは上述したものに限定されるものではない。例えば、まず主成分の粉末のみを秤量、混合、仮焼及び粉砕する。そして、仮焼粉砕後に得られた主成分の粉末に、副成分の原料粉末を所定量添加し混合するようにしてもよい。
(造粒・成形)
粉砕粉末は、後の成形工程を円滑に実行するために顆粒に造粒される。この際、粉砕粉末に適当なバインダ、例えばポリビニルアルコール(PVA)を少量添加し、かつこれらを十分に混合し、その後に例えばメッシュを通過させて整粒することにより造粒粉末を得る。次いで、造粒粉末を200〜300MPaの圧力で加圧成形し、所望の形状の成形体を得る。
(焼成)
成形時に添加したバインダを除去した後、1100〜1250℃の範囲内で所定時間成形体を加熱保持し焼結体を得る。このときの雰囲気はN2又は大気とすればよい。加熱保持時間は0.5〜4時間の範囲で適宜選択すればよい。
(分極処理)
焼結体に分極処理用の電極を形成した後、分極処理を行う。分極処理は、50〜300℃の温度で、1.0〜2.0Ec(Ecは抗電界)の電界を焼結体に対して0.5〜30分間印加する。
分極処理温度が50℃未満になると、Ecが高くなるため分極電圧が高くなり、分極が困難になる。一方、分極処理温度が300℃を超えると、絶縁オイルの絶縁性が著しく低下するため分極が困難となる。よって、分極処理温度は50〜300℃とする。好ましい分極処理温度は60〜250℃、より好ましい分極処理温度は80〜200℃である。
また、印加する電界が1.0Ecを下回ると分極が進行しない。一方、印加する電界が2.0Ecを超えると実電圧が高くなって焼結体がブレークしやすくなり、圧電セラミックスの作製が困難となる。よって、分極処理の際に印加する電界は1.0〜2.0Ecとする。好ましい印加電界は1.1〜1.8Ec、より好ましい印加電界は1.2〜1.6Ecである。
分極処理時間が0.5分未満となると、分極が不十分となって十分な特性を得ることができない。一方、分極処理時間が30分を超えると分極処理に要する時間が長くなり生産効率が劣る。よって、分極処理時間は0.5〜30分とする。好ましい分極処理時間は0.7〜20分、より好ましい分極処理時間は0.9〜15分である。
分極処理は、上述した温度に加熱された絶縁オイル、例えばシリコンオイル浴中で行う。なお、分極方向は所望の振動モードに応じて決定する。つまり、厚みすべりモードの場合には、主面に平行な方向に分極を行い、厚み縦モードの場合には主面に垂直な方向に分極を行えばよい。
圧電セラミックスは、所望の厚さまで研磨された後、振動電極が形成される。次いで、ダイシングソー等で所望の形状に切断された後、圧電セラミックス共振子として機能することとなる。
圧電セラミックス共振子の構成を示す斜視図である。 レゾネータの構成を示す断面図である。 レゾネータの他の構成を示す断面図である。 圧電セラミックス共振子の他の構成を示す側面図である。 レゾネータの他の構成を示す断面図である。 3点曲げ強さと落下試験における不良率の関係を示すグラフである。 落下高さと不良率が0%になる3点曲げ強さσbの関係を示すグラフである。
符号の説明
1,30…レゾネータ、2…圧電セラミックス共振子、22,23…振動電極、3…基板、31,32…端子電極、4…導電固定子、5…キャップ、6…容量素子

Claims (3)

  1. 振動電極が形成された圧電セラミックス共振子と、
    前記圧電セラミックス共振子を支持する基板と、を備え、
    前記圧電セラミックス共振子が、σb≧11.6×H+171.5(ただし、H:落下高さ(m)、σb:3点曲げ強さ(MPa)、H>1)の条件を具備することを特徴とするレゾネータ。
  2. 前記基板は端子電極を備え、
    前記圧電セラミックス共振子は、導電部材を介して、前記基板に両端支持されるとともに、前記振動電極と導通することを特徴とする請求項1に記載のレゾネータ。
  3. 前記圧電セラミックス共振子は、Pbα[(Mn1/3Nb2/3xTiyZrz]O3で示されるペロブスカイト化合物を主成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のレゾネータ。
    ただし、上記組成式において0.97≦α≦1.01
    0.04≦x≦0.16
    0.48≦y≦0.58
    0.32≦z≦0.41
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