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JP2006063059A - 着色染毛剤、着色染毛解除剤および着色染毛部剤、着色染毛剤の被膜処理方法。 - Google Patents

着色染毛剤、着色染毛解除剤および着色染毛部剤、着色染毛剤の被膜処理方法。 Download PDF

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JP2006063059A JP2004285402A JP2004285402A JP2006063059A JP 2006063059 A JP2006063059 A JP 2006063059A JP 2004285402 A JP2004285402 A JP 2004285402A JP 2004285402 A JP2004285402 A JP 2004285402A JP 2006063059 A JP2006063059 A JP 2006063059A
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喜一 清水
Shoichiro Tanaka
祥一郎 田中
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Abstract

【目的】 一定期間好きな色のおしゃれ染めを楽しんだ後、随時、瞬時にその効果を解き放ち、毛髪を本来の髪色、髪質に戻すことが可能な着色染毛剤とその着色染毛解除剤、およびそれらを使った着色染毛方法、着色染毛解除方法を提供するものである。
【解決手段】 未中和時には耐水性を示し、中和後は明らかに水溶性となる中和反応型の樹脂が、未中和の状態で乾燥した後の皮膜は、酸性ないし中性の頭髪用洗浄剤で容易に洗い流すことのできない耐洗浄性を有する樹脂を、接着樹脂として用い、着色剤と共に非水溶媒で混合溶解したことを特徴とする着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤。
【選択図】 図−3

Description

本願発明は、着色染毛部剤、着色染毛解除剤に関する。更に詳しくは、半永久的な着色染毛効果を持つ着色染毛剤と、随時、瞬時に毛髪を着色染毛処理前の髪色、髪質の状態に戻すための着色染毛解除剤および着色染毛部剤、着色染毛剤の被膜処理方法に関する。
従来、薬事法上染毛剤や、染毛料と称される毛髪用の着色染毛部剤は数多く存在するが、半永久的な着色染毛効果を維持させるだけの着色染毛部剤、又は洗髪剤ですぐに洗い流せるような一時染毛剤しかなく、半永久的な着色染毛効果を維持させることが可能でありながら随時、瞬時にその効果を解き放ち、本来の髪色、髪質に戻すことが可能な着色染毛剤と、その着色染毛解除剤およびそれらを使った着色染毛方法、着色染毛解除方法は無かった。
従来の着色染毛部剤の使用目的を大別すると、白髪を染める所謂「しらが染め」と、毛髪色を変化した印象にするための「おしゃれ染め」に分けることが出来る。本願発明は後者の「おしゃれ染め」を行う為のものであり、一定期間好きな色の着色染毛部剤を用いて「おしゃれ染め」を楽しんだ後、随時、瞬時にその効果を解き放ち、毛髪を本来の髪色、髪質に戻すことが可能な着色染毛剤とその着色染毛解除剤、およびそれらを使った着色染毛方法、着色染毛解除方法を提供せんとするものである。
頭髪を着色する方法を技術・方法論的に大別すると、塩基性酸化発色染料等を用いた染毛剤と呼ばれる、所謂パーマネントダイ(A)、タール色素等を用い、染毛条件によって毛髪の深部まで染色し洗去脱色しない着色染毛部剤である染毛料(B)、顔料・染料を単に毛髪に擦りつけるか、また樹脂と共に配合し塗髪して毛髪表面を着色する一時的ヘアカラー等の染毛料(C)の三タイプに大別される。
(A)は永久的、半永久的な着色染毛部剤である。本格的な着色染毛部剤だけに作業技術、処理が複雑となる。(B)は一時的〜半永久的な着色染毛部剤である。タール色素を毛髪に浸透染色させる染毛料は洗髪によって脱色しない利点はあるものの、着色度は弱く、通常数回くり返して染色されなければならない上、後者の(C)よりは染料・顔料の脱落が少ないとはいえ、毛髪に着色した染料・顔料の脱落の問題がある。染料・顔料を用いた染毛料(C)は全くの一時的着色染毛部剤である。(B)に比べると遥かに着色度に優れ、毛髪への処理方法が簡便であるが、このタイプの従来製品は、着色染毛後の毛髪に触ると染料・顔料が剥げ落ちて、他物に転移することが多く、就寝中に枕が真っ黒になったとか、小雨降りに髪から垂れた滴によって顔が汚れたり、訪問着が汚れたとか、のクレームが多い。しかる理由から、従来の着色染毛部剤は、着色染毛した毛髪をいかに良い着色性能で、いかに簡便に着色染毛させ、いかに長持ちさせるかが重要な課題であって、そのための研究、開発のみが継続なされてきた。
そのため、簡便容易で着色度のよい着色染毛剤などが開発されて来ているものの、一度着色染毛すると髪の毛が生え変わるまで、若しくは別の色で着色染毛をやり直すまでは変色(着色染毛後の変色)したままの生活を続けなくてはならない為に、消費者の殆んどが、着色染毛剤のカラーを選ぶ時には、無難な色を選ぶことしか出来ず、似合うと予想されるにも拘らず、思い切った色を選択して試してみる行動をする人は殆んどいない状態であった。又、例えば学生が、頭髪を茶髪にして夏休みや冬休みの長期休暇を過ごした後、休暇終了直前の夜に、あわてて「黒髪戻し」なる黒い毛髪の自然色に近い色の着色染毛剤を用いて、頭髪の色戻しをしている様など、着色染毛剤が良くなったための当然の理とは言うものの、毛髪の色を戻す為に、再度、着色染毛処理を行わなければ成らない事や、処理時間などを考えると大変不便なものである。
従来の染料・顔料を用いた染毛料(C)は、着色染毛後の毛髪に触ると染料・顔料が剥げ落ちて、他物に転移する程、容易に毛髪から着色染毛剤を落とせるので、例えば、この染料・顔料を用いた染毛料(C)のタイプの着色染毛剤を初めから学生が用いて毛髪を処理しておけば、頭髪を茶髪にして夏休みや冬休みの長期休暇を過ごした後、シャンプーを用いて簡単に元の毛髪に戻せるので良いように考えられそうだが、実際には着色度に優れた着色染毛剤であるとはいえ、行動的な生活をする若い消費者にとっては、毛髪に触ると染料・顔料が剥げ落ちて、他物に転移するような、小雨降りに髪から垂れた滴によって顔が汚れたりするような、又暑い日のヘルメットの使用時に汗によって色落ちする様な、水や汗に弱い従来の染料・顔料を用いたタイプの染毛料(C)は全く受け入れられる訳がなかった。
そこで、本願発明者は、簡便容易に着色染毛処理が出来、毛髪への着色度の優れた着色染毛部剤であり、且つ、通常施工処理後は、染料・顔料が剥げ落ちたり、他物に転移するような事が無く、更に、水や汗などで流れ落ちることの無い半永久的な着色染毛剤と、毛髪を元の髪色や髪質に戻したくなった時点で、速やかに該着色染毛剤を取り除き、元の髪色・髪質に戻せる着色染毛解除剤および、その使用方法を発明し、消費者が思い切った色を選択して試してみる事が出来るように、又、その色が不似合いであると思った場合や、不必要になった時点で、毛髪を速やかに元の髪色・髪質に戻せるようにした。
上記課題を解決するために、本願発明は以下の構成を採用する。即ち(1)未中和時には耐水性を示し、中和後は明らかに水溶性となる中和反応型の樹脂が、未中和の状態で乾燥した後の皮膜は、酸性ないし中性の頭髪用洗浄剤で容易に洗い流すことのできない耐洗浄性を有する未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を、接着樹脂として用い、着色剤と共に非水溶媒で混合溶解したことを特徴とする、着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤。(2)前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を、中和度10%以下の未中和の状態で接着樹脂として用い、着色剤と共に非水溶媒で混合溶解したことを特徴とする請求項1に記載の着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤。(3) 前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を、接着樹脂として用い、着色剤と共に非水溶媒で混合溶解したことを特徴とする、着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤を、毛髪に塗着して十分乾燥させた後の樹脂皮膜を、十分に中和できる量の中和剤を含有することを特徴とする着色染毛解除剤。(4)中和剤がアミノメチルプロパノール(AMP)、アミノメチルプロパンジオール(MPD)、アミノエチルプロパンジオール(AEPD)、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ステアリルアミンのような長鎖アミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニアそれぞれの単品又は混合物から選択される前項3に記載の着色染毛解除剤。(5)前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂が、更に毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し、可鍛性が小さく、耐水性に優れた被膜を形成するものである樹脂であり、この樹脂成分を、0.1〜35%含有する低級アルコール溶液からなる液状樹脂製の毛髪の下地部剤と、前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂が、更に前記の毛髪の下地部剤で毛髪に形成される被膜と親和性・接着性が良く、可撓性を有し、可鍛性が小さく、耐水性に優れた被膜を形成するものである樹脂であり、この樹脂成分を95〜0.5重量%含有する低級アルコール溶液からなる液状樹脂製の着色染毛部剤と、前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂が、更に前記の着色染毛部剤で毛髪に形成される着色染毛部剤と親和性・接着性が良く、着色染毛効果を保護する、耐水性に優れた被膜を形成するものである樹脂であり、この樹脂成分を含有する液状樹脂製の被膜コート部剤と、前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を、着色剤と共に非水溶媒で混合溶解したことを特徴とする、着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤を、毛髪に塗着して十分乾燥させた後の樹脂皮膜を、十分に中和できる量の中和剤を含有することを特徴とする着色染毛解除剤とからなる、着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤のセット。(6) 前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂が、更に毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し、可鍛性が小さく、耐水性に優れた被膜を形成するものである樹脂であり、この樹脂成分がアクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体の未中和物、アクリル酸アルキルエステル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合体液の未中和物、アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合体液の未中和物、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体の未中和物、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体の未中和物、アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の未中和物、カルボキシル化変性酢酸ビニルポリマーの未中和物の単品又は混合物や共重合物から選択された樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤のセットの毛髪の下地部剤。 (7)前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂が、更に前記の毛髪の下地部剤で毛髪に形成される被膜と親和性・接着性が良く、可撓性を有し、可鍛性が小さく、耐水性に優れた被膜を形成するものである樹脂であり、この樹脂成分がアクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体の未中和物、アクリル酸アルキルエステル・ジアセトン−アクリルアミド・メタクリル酸共重合体液の未中和物、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体の未中和物、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体の未中和物、アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の未中和物、カルボキシル化変性酢酸ビニルポリマーの未中和物の単品又は混合物や共重合物から選択された樹脂であることを特徴とする前項5に記載の着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤のセットの着色染毛部剤。(8)前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂で、更に前記の着色染毛部剤で毛髪に形成される着色染毛部剤と親和性・接着性が良く、着色染毛効果を保護する、耐水性に優れた被膜を形成するものである樹脂であり、この樹脂成分がアクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体の未中和物、アクリル酸アルキルエステル・ジアセトン−アクリルアミド・メタクリル酸共重合体液の未中和物、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体の未中和物、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体の未中和物、アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の未中和物、カルボキシル化変性酢酸ビニルポリマーの未中和物の単品又は混合物や共重合物から選択された樹脂であることを特徴とする前項5に記載の着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤のセットの被膜コート部剤。(9)前記下地部剤を着色染毛しようとする毛髪の全体に液状ないし霧状で満遍なく塗着させ、毛髪の一本一本に筒状ないし鞘状の被膜を作った上で、その被膜上に単色または複数の着色染毛部剤を塗布して着色染毛することを特徴とする、着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛部剤の被膜処理方法。(10)前記着色染毛部剤を液状ないし霧状で、毛髪を前後、左右に梳き寄せながら、繰り返し噴射塗布し、着色染毛しようとする毛髪の全体に満遍なく塗着させ、毛髪の一本一本に筒状ないし鞘状の被膜を形成することを特徴とする、着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤の被膜処理方法である。
本願発明に於いて、「耐水性」とは、毛髪約20本を束ねた該毛髪に、十分な量の被膜を形成する液状樹脂製の部剤を浸漬塗着させ放置した後、ドライヤーで完全乾燥後、摂氏25度の水中に浸漬しておく時、本願発明では少なくとも3時間は塗着された毛髪の表面に樹脂の剥離などの変化がない状態をいう。「中和後は明らかに水溶性となる」とは、適切な中和剤を用い本願発明実施の未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を中和するとき、加温・加熱や特別な方法・手腕を用いることなく、中和剤を樹脂に作用させるだけで容易に中和反応し、瞬時水または温湯にて容易に溶解するようになる状態をいう。「耐洗浄性を有する」とは、毛髪約20本を束ねた該毛髪に、十分な量の被膜を形成する液状樹脂製の部剤を浸漬塗着させ放置した後、ドライヤーで完全乾燥後、表面をかるく水洗したのち、弱酸性の洗髪用洗浄剤(市販されている普通一般の弱酸性洗髪剤・酵素剤などの特殊成分を含まない物)の10倍希釈液に摂氏25度の状態で浸漬しておく時、本願発明では少なくとも15分間は塗着された毛髪の表面に樹脂の溶解などの変化がない状態をいう。
更に「毛髪へのなじみが良い」とは、毛髪との親和性・接着性がすぐれている状態をいい、本願発明では、少なくとも、束ねた毛髪に被膜を形成する液状樹脂製の部剤を数滴塗着させた時、該部剤が毛髪に弾かれるなどの抵抗がなく、毛髪表面に沿って浸って密着していく様を言う。「可撓性を有し」とは、たわめることが可能であることを言い、本願発明では、少なくとも、毛髪5本を一本一本重ならないように並べて束ねその毛髪に被膜を形成する液状樹脂製の部剤を塗着し、完全乾燥後その毛髪の両端を手で持ち、数回から数十回毛髪を曲げても、樹脂被膜が毛髪の表面で剥離する事無く撓り、毛髪の表面から樹脂被膜が剥離したり、割れが生じない状態を言う。「可鍛性が小さい」とは、衝撃・振動・圧力などの外力の為に磨耗又は破壊することをいい、僅かな外力でそのような現象を生じるものをさすが、本願発明では、少なくとも、毛髪約20本を束ね、該毛髪に被膜を形成する液状樹脂製の部剤を塗着し、完全乾燥後、該毛髪の束の両端を手で持ち、数回から数十回揉むように扱いたり、毛髪の束を折るようなしぐさで扱いた時、簡単に毛髪と毛髪の間で固まった樹脂が割れや削れ、磨耗などによって、毛髪が一本一本に分離する状態を言う。可鍛性が小さいことによって万が一毛髪が重なって接合してしまった時にも該毛髪を揉み解す事によって毛髪が一本一本被膜された状態で分離する事が可能になる。
本願で述べる「着色染毛部剤」とは、毛髪表面に色をつけるための構成成分剤を言う。「着色染毛解除剤」とは未中和(本願では非中和と同じ意味を指す)時には耐水性(疎水性)を示し、中和後は明らかに水溶性となる中和反応型の樹脂であり、且つ、該樹脂を未中和の状態で乾燥した後の被膜は、酸性ないし中性の頭髪用洗浄剤で容易に洗い流すことのできない耐洗浄性を有する未中和時耐水・耐洗浄型樹脂未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を、未中和(非中和)の状態で用いた本願発明の着色染毛部剤、下地部剤、被膜コート部剤を毛髪に塗着させ、乾燥させた後の耐水性の固着被膜を、中和する事によって、該固着被膜を瞬時水溶性に変え、水で洗いながし出来るようにする為の洗浄剤であり、該樹脂の中和剤を十分過剰に含ませた洗浄液剤を言う。「下地部剤」とは、毛髪表面に薄い樹脂被膜を形成する構成成分剤を言う。また「被膜コート部剤」とは着色染毛部剤や毛髪の艶や手触りの向上、色落ちなどの保護および頭髪を全体的にセットやコートをする為の樹脂被膜を形成する構成成分剤を言う。
本願発明の着色染毛部剤にあっては、着色染毛解除剤を用い、毛髪を元の髪色・髪質に戻したくなった時点で、速やかに元の髪色・髪質に戻せるので、無難な色の着色染毛はもちろん、斬新な色、好きな色の着色染毛部剤を自由に選択、試用できるので、大胆に且つ、積極的に選色出来、自分にあった毛髪色を見つけるまで何度も試用選択出来るので、消費者が思い切った色を選択し、又自分にあった色を開拓する楽しみが出来る。さらに本願発明の着色染毛部剤は、簡単容易に施工処理できるにも拘らず、処理後の毛髪から、染料・顔料が剥げ落ちたり、他物に転移するような事が無く、更に、水や汗などで流れ落ちることの無い半永久的な着色染毛部剤であるために施工処理後も、例えばプールで泳いだり、暑い日のヘルメットの使用時に汗によって色がたれ落ち額を汚す事もないので行動的な活動ができる。
又、その色が不似合いであると思った場合や、不必要になった時点では、本願発明の着色染毛解除剤を用いて、市販のシャンプーで頭髪をシャンプーするのと同じ要領で洗髪することにより、毛髪を速やかに元の髪色・髪質に戻すことが出来るのでカラーリング生活がずっと近い存在になる。従来、脱色剤でブリーチすることによって処理していた所謂茶髪も、本願発明の着色染毛部剤を用いて殆んど同じ効果(着色方法によっては実際にブリーチした毛髪よりももっとブリーチ感効果を出せる)を出せるので、ブリーチの繰り返し使用などによる毛髪の損傷も無くなるので毛髪にとっても良い結果を得る。
本願発明の着色染毛部剤の大きな特徴は、未中和時には耐水性を示し、中和後は明らかに水溶性となる中和反応型の樹脂が、未中和の状態で乾燥した後の皮膜は、酸性ないし中性の頭髪用洗浄剤で容易に洗い流すことのできない耐洗浄性を有する未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を、接着樹脂として用いた着色染毛剤であり、又、該未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を中和剤で中和する事によって、水溶性に変化させ洗い流せる様にしたことである。しかるに、本願発明の着色染毛部剤を使用する際には後述するが半永久的な毛髪用の着色染毛部剤が得られる。
次に、着色染毛解除剤は、前述の着色染毛部剤に用いる未中和時耐水・耐洗浄型樹脂の中和剤を、十分に中和し水溶性に変化させることのできる過剰量の中和剤を含有することを特徴とする中和成分含有製剤である。即ち、着色染毛部剤として毛髪を着色染毛している間は、耐水性に優れた皮膜で着色剤を毛髪に被覆接着させており、不必要になった時点では、本願発明の着色染毛解除剤を用いて、市販の頭髪シャンプーでシャンプーするのと同じ要領で洗髪することにより、未中和だった樹脂は中和されることにより水溶性となり、容易く水に溶解し洗い流される為に、毛髪は速やかに元の髪色・髪質に戻すことが出来るのである。尚、本願発明の着色染毛部剤の実施中の毛髪の通常洗髪時においては、酸性ないし中性のシャンプーを用い洗髪することが好ましい。洗浄剤・洗浄水を酸性ないし中性に保つ事によって毛髪表面で着色染毛部剤として発効中の樹脂被膜の性能を落とす事無く、洗髪できる。
ここで未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を、接着樹脂として用いる際の該未中和時耐水・耐洗浄型樹脂の未中和状態について述べる。未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を接着樹脂として使用するにあたり、中和度は10%以下の未中和の状態、好ましくは中和度0〜5%の未中和の状態で接着樹脂(バインダー)として着色剤と共に非水溶媒に混合溶解して着色染毛部剤として仕上げる。一般的に前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を前述のアルカリ剤で中和するときの中和度は10%以下であることが好ましい。さらには0〜5%であることが好ましい。中和度が10%より多い場合は、樹脂は不安定となり耐水性が落ちる傾向にあるので、中和度は最も好ましくは0、通常は5%未満とするのが耐水性に影響のない被膜を造ることができる。
ところで、壮年性脱毛は30代位からこめかみ付近の頭髪が薄くなり、やがて前頭部、後頭部の毛髪が少なくなっていく現象を言うが、30代以降にみられる壮年性脱毛は多くの場合男女共毛が無くなっているのではなく、徐々に毛髪の太さと長さが小さくなって薄毛化していっているのである。かかる理由から、本願発明者は毛髪を太くするための毛髪の着色染毛方法と着色染毛セット剤を発明し、特願2003−436972及び特願2004−205297において出願をしてきた。そして、その発明を実施するに当たり、未中和時には全く水に不溶な樹脂(耐水性の強固な樹脂)を用い、その樹脂溶液を毛髪に対して管状または鞘状に被膜することによって、半永久的な被膜を得ることが分かり増毛セット剤を完成させた。その増毛セット剤等の適正濃度を研究するうちに、異常濃度の強靭な耐水性の樹脂被膜が毛髪に強固に固着してしまい、一時は毛髪を切り落とさねばならないような状態に陥った。そこで検討を重ねた結果、中和剤を過剰に含ませた洗浄浄剤を用いることによってその強固に固着してしまった増毛着色剤の樹脂を水溶性に変換でき、瞬時に毛髪から取り除けることを見出した。そこで本願発明者は、増毛剤を完成させるに到った強固な半永久増毛着色剤の為の樹脂およびその用法を応用し、ここに半永久的な着色染毛部剤を完成させ、一方は中和剤を十分過剰に含ませた着色染毛解除剤を処方することによって、随時瞬時に元の毛髪・毛質に戻せる半永久的な着色染毛部剤および着色染毛解除剤を完成させるに至った。
以下本願発明の着色染毛剤がどういう理由で半永久的(着色染毛効果の持続性が長い)着色染毛剤と出来るのかを具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
図−1は従来の着色染毛方法・効果を説明するための概念図であり、図−2から図−6は本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための概念図である。尚、図−1−1、図−2−1、図−3−1、図−4−1、図−5−1はそれぞれの状態に於ける頭皮上の毛髪部の縦断面図を示し、図−6−1、図−6−2は頭皮及び毛髪部の縦断面図を示す。図−1−2、図−2−2、図−3−2、図−4−2、図−5−2は図−1−1、図−2−1、図−3−1、図−4−1、図−5−1のそれぞれの状態に於けるA−Bの部分で切断した時の切断面およびA−Bの部分より上部の毛髪の外観の状態を示す。以下、図中、1は毛髪、2は下地部剤、3は着色染毛部剤、4は被膜コート部剤、Fは毛根部、Hは頭皮、Mは毛髪の根元付近、Tは筒状の被膜部分、Xは部剤結合域を示す。
図−1は従来の顔料・染料を樹脂と共に配合した典型的な一時的ヘアカラー等の染毛料を用いて、「従来の着色染毛方法」で処理した場合の毛髪の状態を示す概念図である。従来の「一時的着色染毛方法」は着色染毛処理後に櫛などを通すと着色染毛効果が消滅したり、効果が減少するので櫛を通さず、通常はセットした後の毛髪の着色染毛したい部分の毛髪に着色染毛剤を塗布する。また、必要に応じて、着色染毛剤を塗布した部分にさらにヘアスプレーを用いて被覆し着色部分が剥げ落ちにくいようにする場合もあるがいずれにしても塗布後は櫛は通さない。
施工処理方法は、セットした後の毛髪1に着色染毛部剤3を塗布し、暫くして後、必要に応じ着色染毛部剤3が毛髪1から剥げ落ちにくくする為に、塗着された着色染毛部剤3の上から被膜コート部剤4(ヘアスプレー)を塗布し被膜処理する。よって図−1は着色染毛部剤3を塗布した後、櫛で解かすことなく着色染毛部剤3が毛髪1から剥がれ落ちないように被膜コート部剤4を塗布し、そのまま乾燥させた後の毛髪1の状態を示す。
従来の着色染毛方法では、図−1−1および図−1−2に示すようにセットした後の毛髪1の表面に着色染毛部剤3を塗布後、被膜コート部剤4を塗布し、櫛で梳かすことなく処理をしているので、毛髪1の上には毛髪1と着色染毛部剤3と被膜コート部剤4が、毛髪1に着色染毛部剤3と被膜コート部剤4の皮蓋を被せたような状態、言い換えればにぎり寿司のしゃりとネタのような関係で例えばしゃりの上に卵焼きを乗せ、その上に海苔を被せた様な状態で塗膜されているのであり、毛髪1表面と着色染毛部剤3との間の接着強度は単に着色染毛部剤3に含む接着樹脂によるものでしかなく、また、例え被膜コート剤4であるヘアスプレーの接着強度が着色染毛部剤3の接着強度より強くてもヘアスプレーが着色染毛部剤3を余すところ無く完全に覆うような形で被膜しない限り、毛髪1上から着色染毛部剤3の剥がれ落ちるのを十分に止めることは出来ない。また従来の一時的ヘアカラー等の染毛料は毛髪に塗布して後、櫛で梳かすような方式でないため、毛髪表面に着色染毛部剤が乗った程度の付き方しかしないため、効果持続性に欠ける上、該着色染毛部剤自体に耐水性が弱く、更に耐洗浄性が殆どないために全く一時の染毛効果しかないのである。
本願発明を実施した場合は、着色染毛部剤3を塗着した後に、櫛やブラシで毛髪1を解きほぐしたり、必要に応じて毛髪1同士を摺り合わせたりして、毛髪1上で十分毛髪1を包み込み抱き込むような形、さらには筒状や鞘状の被膜で毛髪1の一本一本の表面を被膜するようにした本願発明の実施例1〜実施例4の場合には、図−2、図−3に示すように、着色染毛部剤3の筒状や鞘(換言すれば片方を塞いだ長い筒状・以下同じ)の様な状態で毛髪1の周上に被膜するので、例え毛髪1と着色染毛部剤3の間の密着(接着)強度が弱くても、それぞれの接着強度には関係することなく次の理由で抜け落ちることはない。即ち、着色染毛部剤3の鞘状体は、鞘(筒)径(殆ど毛髪1の直径と同じ)に対して鞘(筒部分)の長さ(毛髪1が部剤で塗着被覆されている部分の長さ)が可成り長い為に毛髪1からそれぞれの鞘(長い筒部)を抜き取るには抵抗(抜け抵抗効果という・以下同じ)が大きく毛髪1上から決して抜け落ちる事はないのである。ましてや本願発明の着色染毛部剤3は耐水性、且つ耐洗浄性を有する樹脂被膜を有するので半永久的(効果保持期間の長い)な着色染毛部剤を造る事となる。
図−4は毛髪1に下地部剤2、着色染毛部剤3、被膜コート部剤4をそれぞれ塗着させた場合の概念図である。下地部剤2、着色染毛部剤3、被膜コート部剤4をそれぞれ塗着した後に、それぞれを塗布した時点で櫛やブラシで毛髪1を解きほぐしたり、毛髪1同士を摺り合わせたりして、それぞれが十分毛髪1を包み込み抱き込むような形、さらには筒状や鞘状の被膜で毛髪1の一本一本の表面を被膜するようにした本願発明の実施の場合には、図−4に示すように、下地部剤2、着色染毛部剤3、被膜コート部剤4がそれぞれ刀の鞘(換言すれば片方を塞いだ長い筒状・以下同じ)の様な状態で毛髪1、下地部剤2、着色染毛部剤3の周上に被膜するので、下地部剤2は毛髪1を、着色染毛部剤3は毛髪1及び下地部剤2を、被膜コート部剤4は毛髪1、下地部剤2、着色染毛部剤3を内にして鞘状に被覆する形となり、下地部剤2、着色染毛部剤3及び被膜コート部剤4は共にそれぞれ(毛髪1と下地部剤、下地部剤と着色染毛部剤、着色染毛部剤と被膜コート部剤など)の間の密着(接着)強度が弱くても、それぞれの接着強度には関係することなく次の理由で抜け落ちることはない。即ち、下地部剤2、着色染毛部剤3や被膜コート部剤4のそれぞれの鞘状体は、鞘(筒)径(殆ど毛髪1の直径と同じ)に対して鞘(筒部分)の長さ(毛髪1が部剤で塗着被覆されている部分の長さ)が可成り長い為に毛髪1からそれぞれの鞘(長い筒部)を抜き取るには抵抗(抜け抵抗効果という・以下同じ)が大きく毛髪1上から決して抜け落ちる事はないのである。
上記事由から明白なように、従来の方法では、例え着色染毛部剤、被膜コート部剤に耐水性の樹脂を用いたところで持続効果の短い、一時的な着色染毛部を作ることしか出来ないが、本願発明に於いては下地部剤、着色染毛部剤、被膜コート部剤は耐水性、且つ耐洗浄性を有する樹脂被膜であり、且つ下地部剤、着色染毛部剤、被膜コート部剤が各々/又は合体して鞘(筒)状の被膜を形成しているので、半永久的な着色染毛効果を保つ着色染毛部を容易に作れることがわかる。
実際に図−1に示す従来方法と、図−2、図−3に示した本願発明の実施方法による着色染毛処理を比較するために、従来方法の例としては(A)市販のヘアカラースプレー(バイオレット〈24号〉染毛用・某株式会社・製造番号K2K18)および(B)後記した比較用着色染毛剤・比Iエアゾール(着色染毛部剤原液・比Iを用いてエアゾールとしたもの)を用い、(A)および(B)のそれぞれを従来の処理方法即ち、セットした後の毛髪1に着色染毛部剤3を塗布し、暫くして後、必要に応じ着色染毛部剤3が毛髪1から剥げ落ちにくくする為に、塗着された着色染毛部剤3の上から被膜コート部剤4(ヘアスプレー)を塗布し被膜処理する方法で頭髪に実施した。尚該被膜コート部剤4(ヘアスプレー)としては後記した被膜コート部剤(I)エアゾールを使用した。本願発明の実施の例としては(C)後記した着色染毛部剤(I)エアゾールおよび(D)着色染毛部剤(II)エアゾールの2種を用いて本願発明の方法で処理した。即ち、シャンプーを使用し洗髪後、温湯で十分洗髪した後、ドライヤーで乾燥した頭髪に(C)を頭髪に適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐし、適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐす作業を繰り返しながら毛髪を着色染毛し、着色染毛をしたい範囲の頭髪が所望の着色度まで着色染毛できた時点で塗布を終了し、乾燥した時点で毛髪同士が絡み接着しないように、表面に接着性がなくなる程度に表面乾燥するまでしばらく櫛で解きほぐすようにしながら乾燥した。(D)に於いても同じように実施した。その後、市販の弱酸性ヘアシャンプー(メリットシャンプーG5・製造番号3W12094・メリット・・・花王株式会社登録商標)を用いて、まず温湯で頭髪を濡らし、該弱酸性シャンプーの適量を手に採って後、頭髪に付け約2分間もみ洗いした後、温湯で洗い流し、再びシャンプーを用いて同じ動作を繰り返し洗髪作業を終え、ドライヤーで乾燥後比較した所、従来方法である(A)および(B)は着色染毛成分の殆どが温湯に流れ落ちてしまい着色染毛効果は殆ど消失したが、本願発明の実施方法による(C)および(D)はそれぞれ僅かの着色染毛部剤の欠片が温湯中に流出したものの着色染毛効果に減少はみられなかった。
後述する実施例4では、下地部剤の後に着色染毛部剤で施工処理するが、着色染毛部剤は前記下地部剤である耐水性、且つ耐洗浄性を有する樹脂被膜と親和性・接着性が良い液状樹脂製の着色染毛部剤であるために、着色染毛部剤自体が毛髪上で偏って塗着し、完全な筒状を形成しない場合に於いても、正常に筒状に被膜形成された下地部剤の上に塗着されしっかりと接着していれば着色染毛部剤は下地部剤と一体化する。この理由について図を用いて説明する。図−5は毛髪1に筒状に被膜した下地部剤2に、着色染毛部剤3を毛髪の上側片面にのみ塗着させた場合の一例を示す概念図である。着色染毛部剤は図−5に示すように下地部剤と一体化している(一体化した部分は図において格子状に示したXの部分である:Xは部剤結合域を示す)。即ち図−5−1、図−5−2に示すように、下地部剤2と着色染毛部剤3は部剤結合域Xで殆ど一つの樹脂として働く。それによって着色染毛部剤自体が筒状に被覆し洗髪によっても落ちない耐水性に優れた被膜効果を持ったのと同じ結果が得られる事となるのである。
図−4では下地部剤、着色染毛部剤、被膜コート部剤のすべてを処理した場合の実施例の一例を示したが、図−5に示したX部分と同じように、図−4に示す下地部剤、着色染毛部剤、被膜コート部剤はそれぞれ、互いに親和性・接着性が良い耐水性、且つ耐洗浄性を有する液状樹脂製の部剤であるために部剤結合域Xの部分で一体化し、殆ど一つの樹脂からなる被膜のような塊となり、結果あたかも一つの樹脂で筒状被膜を形成したこととなるのである。繰り返すが、下地部剤2が毛髪1に適切な長さの筒状で被覆していれば着色染毛部剤3も被膜コート部剤4もそれら自体が毛髪1上で完全な筒状や鞘状を形成しなくても、筒状に被膜形成された下地部剤の上に塗着されしっかりと接着していれば着色染毛部剤3は下地部剤2と、被膜コート部剤4は着色染毛部剤3および/または下地部剤2と一体化し、着色染毛部剤も被膜コート部剤もそれぞれが筒状に被覆した場合と同様の結果が得られるのである。更に付け加えると、万が一下地部剤2が不完全な筒状に仕上がったとしても、着色染毛部剤3、被膜コート部剤4が加わってそれぞれの部剤上にしっかりと接着し、総合的に毛髪1を適切な長さの筒状で被覆することが出来ていれば半永久的な着色染毛効果を保つ着色染毛被膜を得られるのである。
次に、下地部剤を毛髪に施工実施する例をもって「本願発明を実施すればどうして短時間の内に、多量の毛髪を、毛髪の一本一本の表面に毛髪の下地部剤で筒状にすることが出来るのか」を説明する。「毛髪を着色染毛したいと所望するところの毛髪全体に、下地部剤を、毛髪を浸すに十分な量を掛けて毛髪同士を摺り合わせて毛髪の下地部剤を毛髪の頭皮部分から毛先にかけて毛髪全体に塗着させ、毛髪の下地部剤の塗着した毛髪の一本一本が分離し、下地部剤が固化し、櫛通りがよくなるまで櫛やブラシで毛髪を解いたり、手でほぐすなどして毛根の根元付近から毛先にかけて毛髪の一本一本の表面に毛髪の下地部剤で筒状にする」のであるが、ここで重要な点は本願発明に用いる部剤の性状であり、▲1▼毛髪へのなじみが良く、▲2▼可撓性を有し、▲3▼可鍛性が小さく、▲4▼耐水性に優れた被膜だからである。まず毛髪に塗着された下地部剤は▲1▼毛髪へのなじみが良いことから容易に毛髪表面に筒状被膜を生ずる。次に▲2▼可撓性を有するために毛髪の折れ曲がりによって樹脂割れを起こすことがなくしなやかな筒状被膜を形成することができる。更に重要なことは▲3▼可鍛性が小さいので樹脂が有る程度厚く仕上がった部分、即ち毛髪と毛髪が交差したり、毛髪と毛髪が重なり合って出来た隙間などに溜まって固まった部分などでは、毛髪の束を擦るように揉み解したり、叩いたり、櫛、ブラシでブラッシングするような衝撃を加えることによって簡単に樹脂は割れたり、裂けたりして毛髪は分離するのである。
上記は毛髪同士を一本一本分離できる理由について述べたが、更に図を用いて、毛髪に下地部剤等を処理するときの頭皮および毛髪と処理部剤との関係を説明する。図−6は下地部剤の役割と施工時の処理理論を説明する為の概念説明図であり、図−6−1および図−6−2は本願発明の下地部剤2が毛髪1に筒状に塗着している状態を表す毛髪および頭皮の縦断面図である。即ち、毛髪を着色染毛したいと所望する頭部の毛髪全体に、毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し、可鍛性が小さく、耐水性に優れた被膜を形成する液状樹脂製の毛髪の下地部剤を毛髪を浸すに十分な量を掛けて、毛髪同士を摺り合わせて毛髪の下地部剤を毛髪の頭皮部分から毛先にかけて毛髪全体に塗着させ、毛髪の一本一本が分離し、下地部剤が固化し、櫛通りがよくなるまで櫛やブラシで毛髪を解いたり、手で毛髪を解きほぐすなどして、毛髪を解きほぐして、毛髪の根元付近から毛先にかけて毛髪の一本一本の表面に毛髪の下地部剤で筒状に、毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し耐水性に優れた被膜の下地部剤を固定した。頭皮および毛髪と処理部剤との関係は図−6に示すように、下地部剤2は頭皮H上で毛髪を浸すに十分な量を掛けて、塗着させている為、下地部剤2は毛根の根元付近Mから筒状に被膜されている(筒状の被膜部分をTで示した)。根元付近Mから毛根部Fに入り込むほどの量の下地部剤2で毛髪を浸す為に、当然作業直後には図−6−2のように頭皮H表面にも下地部剤2の被膜が付くが、下地部剤2と頭皮H表面との関係は、下地部剤2が頭皮Hの表面に対して筒状や鞘状になって塗着していない為に乾燥定着時に櫛やブラシで毛髪をブラッシングする際にこの部分(頭皮Hについた部分)の下地部剤2は殆ど剥がれ取れるし、この時剥がれなくても洗髪時に容易に剥離洗浄できる。そこで最終的には、概ね図−6−1のように毛髪1にのみ下地部剤2が定着固定した頭髪に出来上がる。この様子は頭皮H表面に下地部剤2だけが付いた時は勿論、下地部剤2の上に、着色染毛部剤3や被膜コート部剤4が重複して付いたときも、それぞれが単体で頭皮H表面に付いたときも、頭皮H表面に対して筒状や鞘状になっていない状態で塗着している為に、櫛、ブラシ等で毛髪をブラッシングする際や、洗髪時に前述の下地部剤2の時と同様に簡単に剥離することが出来る。又、ブラッシングや洗浄などを終え、最終的に筒状で毛髪に付いた下地部剤や着色染毛部剤、被膜コート部剤などの被膜は、毛髪の根元付近Mを塞いだような状態になっており、一見毛根部Fに悪影響を与えるように見えるが、実際には櫛やブラシ等で毛髪を解く際に頭皮表面から引き外され根元付近Mに隙間が出来たり、毛髪は成長する為に、毛髪上に作られた該筒状被膜はその毛髪の伸びる方向に引き連れられていくので、その結果、この根元付近Mに完全な隙間が出来、毛根部Fに通気をもたらす。即ち、根元付近Mの筒状被膜や根元付近Mに残った樹脂被膜なども問題を引き起こすことは無い。以上が短時間に大量の数の毛髪を毛髪の一本一本が分離した形で処理できる所以である。
次に実施例1〜4について、下記の組成の成分液剤を作り、それぞれ実施した。
着色染毛部剤(I)
(着色染毛部剤原液I)
酢酸ビニル・クロトン酸共重合体(未中和物) 18.6重量%
着色酸化鉄(赤茶色) 2.0重量%
超微粒子無水シリカ 0.3重量%
無水エタノール 79.1重量%
合計 100.0重量%
着色染毛部剤(II)
(着色染毛部剤原液II)
クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体(未中和物) 18.6重量%
着色酸化鉄(黄色) 2.3重量%
超微粒子無水シリカ 0.3重量%
無水エタノール 78.8重量%
合計 100.0重量%
上記着色染毛部剤原液I、着色染毛部剤原液IIの各々を別々の耐圧容器に分注した後、各々にバルブを取り付けた後、各々にジメチルエーテルを圧力充填し、上記着色染毛部剤原液:ジメチルエーテルが40:60重量%となる比率でエアゾール製品としたものを着色染毛部剤(I)エアゾールおよび着色染毛部剤(II)エアゾールとした。
着色染毛部剤(III)
(着色染毛部剤原液III)
アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合体液の未中和物* 18.8重量%
クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体(未中和物) 1.0重量%
着色酸化鉄(黄色) 2.3重量%
超微粒子無水シリカ 0.3重量%
無水エタノール 77.6重量%
合計 100.0重量%
(*アミノメチルプロパンジオールで10%まで中和したものを使用した。)
上記着色染毛部剤原液IIIを、耐圧容器に分注し、バルブを取り付けた後、ジメチルエーテルを圧力充填し、着色染毛部剤原液III:ジメチルエーテルが40:60重量%となる比率でエアゾール製品としたものを着色染毛部剤(III)エアゾールとした。
着色染毛解除剤(I)
パルミチン酸 4.5重量%
ステアリン酸 1.2重量%
ポリオキシエチレンステアリルエーテル 4.0重量%
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 0.5重量%
パラベン 0.3重量%
BHT 0.1重量%
ラノリン 0.1重量%
トリエタノールアミン 4.5重量%
アミノメチルプロパノール 6.0重量%
精製水 78.8重量%
合計 100.0重量%
着色染毛解除剤(II)
グリセリン 5.0重量%
エタノール 5.0重量%
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー
一部スクアラン、ポリソルベート60を含む 0.2重量%
パラベン 0.3重量%
アミノメチルプロパノール 8.0重量%
精製水 81.5重量%
合計 100.0重量%
本着色染毛解除剤(I)の処方においてはトリエタノールアミン(中和剤)4.5重量%で弱アルカリ性の通常のシャンプーとして完成している。そこにさらに本願発明の着色染毛剤を実施し乾燥させた後の耐水性(疎水性)の固着被膜を中和する為に、使用樹脂に適切な中和剤としてアミノメチルプロパノール6重量%を添加している。これによって例えば同じ量の部剤原液量(例、着色染毛部剤原液IIを10g使って着色染毛した毛髪を、着色染毛解除剤(I)も同じ10g使って着色染毛を解除する場合)で使用する場合には、前述のアミノメチルプロパノール6重量%が添加された本着色染毛解除剤(I)はクロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体(未中和物)を100%中和する為に必要な中和剤量の約3倍を含んでいる計算となる。着色染毛解除剤の実施例として着色染毛解除剤(I)のように、基本が通常のシャンプーである処方に過剰に中和剤(アミノメチルプロパノール)を加えた処方を例示したが、本願発明の実施に当たっては、中和剤を単に水や溶剤(例えばエタノール)に希釈した形の着色染毛解除剤であってもよいし、中和剤を水や溶剤(例えばエタノール)に溶かした増粘液中に添加した形の着色染毛解除剤(上記着色染毛解除剤(II))であっても何ら問題はなく、本願発明の着色染毛解除剤として使用できる。
シャンプー(I)
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 30.0重量%
POE(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 2.0重量%
N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム液 6.0重量%
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.5重量%
PCA−ナトリウム 2.0重量%
エデト酸二ナトリウム 0.05重量%
精製水 33.05重量%
乳酸(17.7%溶液) q.s
キトサンピロリドンカルボン酸塩(1%溶液) 20.2重量%
1,3ブチレングリコール 4.0重量%
パラベン 0.2重量%
合計 100.00
パラベンを1,3ブチレングリコールで加温溶解した後、ラウリン酸アミドプロピルベタイン〜精製水の成分を加え混合撹拌しつつ40度まで撹拌冷却し、のち乳酸でPH5.8に調整し、キトサンピロリドンカルボン酸塩(1%溶液)を加えてシャンプーとした。
下地部剤(I)
(下地部剤原液I)
クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体(未中和物) 5.0重量%
シリコーン(低分子ジメチルシリコン) 0.1重量%
無水エタノール 94.9重量%
合計 100.0重量%
被膜コート部剤(I)
(被膜コート部剤原液I)
クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体(未中和物) 9.3重量%
シリコーン(低分子ジメチルシリコン) 0.2重量%
無水エタノール 90.5重量%
合計 100.0重量%
上記被膜コート部剤原液1を、耐圧容器に分注し、バルブを取り付けた後、ジメチルエーテルと液化石油ガスが70:30重量%からなる噴射剤を圧力充填し、被膜コート部剤原液I:噴射剤が50:50重量%となる比率でエアゾール製品としたものを被膜コート部剤(I)エアゾールとした。
比較用着色染毛部剤(比I)
(着色染毛部剤原液・比I)
クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体(中和物*) 19.8重量%
着色酸化鉄(黄色) 2.3重量%
超微粒子無水シリカ 0.3重量%
無水エタノール 77.6重量%
合計 100.0重量%
(*アミノメチルプロパノールで約60%中和したものを使用した。)
上記着色染毛部剤原液・比Iを、耐圧容器に分注し、バルブを取り付けた後、ジメチルエーテルを圧力充填し、着色染毛部剤原液・比I:ジメチルエーテルが40:60重量%となる比率でエアゾール製品としたものを着色染毛部剤比Iエアゾールとした。
実施例1
シャンプー(I)を使用し洗髪後、温湯で十分洗髪した後、ドライヤーで乾燥した頭髪に着色染毛部剤(I)エアゾールを頭髪に適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐし、適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐす作業を繰り返しながら毛髪を着色染毛し、着色染毛をしたい範囲の頭髪が所望の着色度まで着色染毛できた時点で塗布を終了し、乾燥した時点で毛髪同士が絡み接着しないように、表面に接着性がなくなる程度に表面乾燥するまでしばらく櫛で解きほぐすようにしながら乾燥した。その後ドライヤーを用い完全乾燥させた後、シャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流したところ、僅かに着色染毛部剤の欠片が温湯中に見られたが毛髪は所望の着色度まで着色染毛ができた状態を保っていた。その後、3日目毎にシャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流すという洗髪を行い、2週間(即ち洗髪は塗布後すぐ、処理後4日目、処理後7日目、10日目、13日目の5回になる)過ごしたところ、頭髪は着色染毛時より少し着色染毛効果が薄くなった程度となっていた。
そこで、1週間を経過した時点で、着色染毛解除剤(I)を適量手のひらに採り、該着色染毛解除剤を温湯で濡らした頭髪に塗り付けながら毛髪を掴むような仕草で揉み洗いしたところ着色染毛色が手のひらに解けだし、着色染毛されていた毛髪はすぐに元の毛髪色を取り戻した。さらに着色染毛解除剤(I)を適量手のひらに採り、該着色染毛解除剤を温湯で濡らした頭髪に塗り付けながら毛髪を掴むような仕草で揉み洗いする作業を繰り返し、温湯を用いて粗洗浄した後、シャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流すという通常と同じ洗髪を行いその後ドライヤーで乾燥したところ、着色染毛する前の頭髪の髪色・髪質の頭髪に戻っていた。
実施例2
実施例2は実施例1と未中和で使用する樹脂を変えて処方した実施例である(中和剤は両者ともアミノメチルプロパノールが有効である)。
シャンプー(I)を使用し洗髪後、温湯で十分洗髪した後、ドライヤーで乾燥した頭髪に着色染毛部剤(II)エアゾールを頭髪に適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐし、適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐす作業を繰り返しながら毛髪を着色染毛し、着色染毛をしたい範囲の頭髪が所望の着色度まで着色染毛できた時点で塗布を終了し、乾燥した時点で毛髪同士が絡み接着しないように、表面に接着性がなくなる程度に表面乾燥するまでしばらく櫛で解きほぐすようにしながら乾燥した。その後ドライヤーを用い完全乾燥させた後、シャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流したところ、僅かに着色染毛部剤の欠片が温湯中に見られたが毛髪は所望の着色度まで着色染毛ができた状態を保っていた。その後、3日目毎にシャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流すという洗髪を行い、2週間(即ち洗髪は塗布後すぐ、処理後4日目、処理後7日目、10日目、13日目の5回になる)過ごしたところ、頭髪は着色染毛時より少し着色染毛効果が薄くなった程度となっていた。
そこで、1週間を経過した時点で、着色染毛解除剤(I)を適量手のひらに採り、該着色染毛解除剤を温湯で濡らした頭髪に塗り付けながら毛髪を掴むような仕草で揉み洗いしたところ着色染毛色が手のひらに解けだし、着色染毛されていた毛髪はすぐに元の毛髪色を取り戻した。さらに着色染毛解除剤(I)を適量手のひらに採り、該着色染毛解除剤を温湯で濡らした頭髪に塗り付けながら毛髪を掴むような仕草で揉み洗いする作業を繰り返し、温湯を用いて粗洗浄した後、シャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流すという通常と同じ洗髪を行いその後ドライヤーで乾燥したところ、着色染毛する前の頭髪の髪色・髪質の頭髪に戻っていた。
実施例3
実施例3は、着色染毛部剤(II)を霧状で、毛髪を前後、左右に梳き寄せながら、繰り返し噴射塗布し、着色染毛しようとする毛髪の全体に満遍なく塗着させ、毛髪の一本一本に筒状ないし鞘状の被膜を形成することで着色染毛効果をより長く維持させるための実施例である。シャンプー(I)を使用し洗髪後、温湯で十分洗髪した後、ドライヤーで乾燥した頭髪を、まず前側に梳き寄せたのち、着色染毛部剤(II)エアゾールを頭髪に適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐし、適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐす作業を繰り返しながら毛髪を着色染毛した。次に頭髪を後ろ側に梳き寄せたのち、着色染毛部剤(II)エアゾールを頭髪に適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐし、適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐす作業を繰り返しながら毛髪を着色染毛した。さらに毛髪を右側に梳き寄せたのち、着色染毛部剤(II)エアゾールを頭髪に適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐし、適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐす作業を繰り返しながら毛髪を着色染毛した。そして更に頭髪を左側に梳き寄せたのち、着色染毛部剤(II)エアゾールを頭髪に適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐし、適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐす作業を繰り返しながら毛髪を着色染毛した。着色染毛したい範囲の毛髪の一本一本に筒状ないし鞘状の被膜を形成するまで作業が行き渡ったところで、最終的に所望する髪型に整え、毛髪が所望の着色度まで着色染毛ができた時点で該作業を終了した。乾燥した時点で毛髪同士が絡み接着しないように、表面に接着性がなくなる程度に表面乾燥するまでしばらく櫛で解きほぐすようにしながら乾燥した。その後ドライヤーを用い完全乾燥させた後、シャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流したところ、僅かに着色染毛部剤の欠片が温湯中に見られたが毛髪は所望の着色度まで着色染毛できた状態を保っていた。その後、3日目毎にシャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流すという洗髪を行い、4週間過ごしたところ、毛髪は着色染毛時と殆ど変わらない程度(所望の着色度まで着色染毛ができた時の状態)を保っていた。着色染毛保持能力は実施例1や実施例2とははっきり区別できる程、色持ちよく保持されていた。
そこで、4週間を経過した時点で、着色染毛解除剤(I)を適量手のひらに採り、該着色染毛解除剤を温湯で濡らした頭髪に塗り付けながら毛髪を掴むような仕草で揉み洗いしたところ着色染毛色が手のひらに解けだし、着色染毛されていた毛髪はすぐに元の毛髪色を取り戻した。さらに着色染毛解除剤(I)を適量手のひらに採り、該着色染毛解除剤を温湯で濡らした頭髪に塗り付けながら毛髪を掴むような仕草で揉み洗いする作業を繰り返し、温湯を用いて粗洗浄した後、シャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流すという通常と同じ洗髪を行いその後ドライヤーで乾燥したところ、着色染毛する前の頭髪の髪色・髪質の頭髪に戻っていた。
実施例4
実施例4は、下地部剤(I)を着色染毛しようとする毛髪の全体に、液状ないし霧状で満遍なく塗着させ、毛髪の一本一本に筒状ないし鞘状の被膜を作った上で、その被膜上に単色または複数の着色染毛部剤をさっと塗布して着色することによって、単色で線画や文字を描いたり、複数の着色染毛部剤を用いて、例えば虹のようにデザインして半永久的な着色染毛部剤を得ることの実施例を示す。
シャンプー(I)を使用し洗髪後、温湯で十分洗髪した後、ドライヤーで乾燥した頭髪の、毛髪を着色したいと所望するところの頭部の毛髪全体に、毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し、可鍛性が小さく、耐水性に優れた被膜を形成する液状樹脂製の毛髪の下地部剤(I)を毛髪を浸すに十分な量を掛けて、櫛やブラシを用いて梳いたり、毛髪同士を摺り合わせて毛髪の下地部剤を毛髪の全体に塗着させ、毛髪の下地部剤の塗着した毛髪の一本一本が分離し、下地部剤(I)が固化し、櫛通りがよくなるまで櫛やブラシで毛髪を解きほぐして毛根の根元付近から毛先にかけて毛髪の一本一本の表面に毛髪の下地部剤で筒状に、毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し耐水性に優れた被膜を形成して毛髪の下地部剤を定着固定した。
次に、毛髪の一本一本の表面に毛髪の下地部剤(I)で筒状に被覆された前述の耐水性被膜の形成された毛髪部の毛髪に、前記耐水性被膜(下地部剤)と親和性・接着性が良く、着色染毛被膜を形成する着色染毛部剤を用いて毛髪に塗着させるのであるが、ここで頭髪に虹のような多色層のデザインで着色するために次の様な処理方法で着色した。
前述の下地部剤を定着固定した毛髪を、最終的に所望する髪型に梳き整えた後、着色染毛部剤(II)エアゾールを用い、所望する絵柄(デザイン)を描きながら毛髪に塗着させる。着色染毛部剤の塗着した毛髪の一本一本が分離し、着色染毛部剤が固化し、櫛通りがよくなるまで櫛やブラシで毛髪を解きほぐし、毛髪に所望の着色染毛ができるまでこの作業を繰り返し、所望の着色染毛ができた時点で該作業を終了した。乾燥した時点で毛髪同士が絡み接着しないように、表面に接着性がなくなる程度に表面乾燥するまでしばらく櫛で解きほぐすようにしながら乾燥した。その後ドライヤーを用い完全乾燥させた後、シャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流したところ、僅かに着色染毛部剤の欠片が温湯中に見られたが毛髪は所望の着色度まで着色染毛できた状態を保っていた。その後、3日目毎にシャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流すという洗髪を行い、4週間過ごしたところ、実施例2と同じように毛髪は着色染毛時と殆ど変わらない程度(所望の着色度まで着色染毛ができた時の状態)を保っていた。着色染毛保持能力は実施例1、実施例2とははっきり区別できる程、色持ちよく保持されていた。
そこで、4週間を経過した時点で、着色染毛解除剤(I)を適量手のひらに採り、該着色染毛解除剤を温湯で濡らした頭髪に塗り付けながら毛髪を掴むような仕草で揉み洗いしたところ着色染毛色が手のひらに解けだし、着色染毛されていた毛髪はすぐに元の毛髪色を取り戻した。さらに着色染毛解除剤(I)を適量手のひらに採り、該着色染毛解除剤を温湯で濡らした頭髪に塗り付けながら毛髪を掴むような仕草で揉み洗いする作業を繰り返し、温湯を用いて粗洗浄した後、シャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流すという通常と同じ洗髪を行いその後ドライヤーで乾燥したところ、着色染毛する前の頭髪の髪色・髪質の頭髪に戻っていた。
ここで実施例4の利点をのべる。実施例1および実施例2では頭髪に着色染毛部剤を霧状で頭髪に適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐし、適量噴射しては、その部分の毛髪を櫛で軽く解きほぐす作業を繰り返しながら一本一本の毛髪の表面上で、可能な限り被膜が広がるように塗着させることで、本願発明の耐水性、且つ耐洗浄性を有する樹脂被膜が毛髪を抱き込むような形に被着するので、半永久的(持続性の長い)な着色染毛効果を得るようにしている。また、実施例3では、着色染毛部剤(II)を霧状で、毛髪を前後、左右に梳き寄せながら、繰り返し噴射塗布し、着色染毛しようとする毛髪の全体に満遍なく塗着させ、毛髪の一本一本に筒状ないし鞘状の被膜を形成することで着色染毛効果をより長く維持させている。そのため、これらの着色染毛方法は殆ど着色染毛部剤の塗着部分が広がってしまうために毛髪を一部分だけ着色するのは技術的に大変である。そこで実施例4のように、まず下地部剤(I)を着色染毛しようとする毛髪の全体に、液状ないし霧状で満遍なく塗着させ、毛髪の一本一本に筒状ないし鞘状の樹脂被膜を作った上で、その被膜上に、下地部剤と親和性・接着性が良い着色染毛被膜を形成する着色染毛部剤、該実施例では下地部剤と同じ樹脂からなる着色染毛部剤を用いているので、下地部剤1の被膜上の任意な部分にだけ骸着色染毛部剤IIを塗布してデザインしても最終的に毛髪上で強固に接着した着色被膜を作ることとなる。
実施例5
実施例5は、下地部剤(I)を着色染毛しようとする毛髪の全体に、液状ないし霧状で満遍なく塗着させ、毛髪の一本一本に筒状ないし鞘状の被膜を作った上で、その被膜上に単色または複数の着色染毛部剤をさっと塗布して着色することによって、単色で線画や文字を描いたり、複数の着色染毛部剤を用いて、例えば虹のようにデザインして半永久的な着色染毛部剤を得た実施例4の手順に、更に被膜コート部剤を塗着する場合の実施例を示す。
シャンプー(I)を使用し洗髪後、温湯で十分洗髪した後、ドライヤーで乾燥した頭髪の、毛髪を着色したいと所望するところの頭部の毛髪全体に、毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し、可鍛性が小さく、耐水性に優れた被膜を形成する液状樹脂製の毛髪の下地部剤(I)を毛髪を浸すに十分な量を掛けて、櫛やブラシを用いて梳いたり、毛髪同士を摺り合わせて毛髪の下地部剤を毛髪の全体に塗着させ、毛髪の下地部剤の塗着した毛髪の一本一本が分離し、下地部剤(I)が固化し、櫛通りがよくなるまで櫛やブラシで毛髪を解きほぐして毛根の根元付近から毛先にかけて毛髪の一本一本の表面に毛髪の下地部剤で筒状に、毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し耐水性に優れた被膜を形成して毛髪の下地部剤を定着固定した。
次に、毛髪の一本一本の表面に毛髪の下地部剤(I)で筒状に被覆された前述の耐水性被膜の形成された毛髪部の毛髪に、前記耐水性被膜(下地部剤)と親和性・接着性が良く、着色染毛被膜を形成する着色染毛部剤を用いて毛髪に塗着させるのであるが、ここで頭髪に虹のような多色層のデザインで着色するために次の様な処理方法で着色した。
前述の下地部剤を定着固定した毛髪を、最終的に所望する髪型に梳き整えた後、着色染毛部剤(III)エアゾールを用い、所望する絵柄(デザイン)を描きながら毛髪に塗着させる。着色染毛部剤の塗着した毛髪の一本一本が分離し、着色染毛部剤が固化し、櫛通りがよくなるまで櫛やブラシで毛髪を解きほぐし、毛髪に所望の着色染毛ができるまでこの作業を繰り返し、所望の着色染毛ができた時点で該作業を終了した。その後、更に、前記着色染毛部剤(III)と親和性・接着性が良く、被膜コートを形成する被膜コート部剤(I)エアゾールを用い、毛髪の一本一本の表面に下地部剤と共に着色染毛部剤(III)で筒状に被覆された毛髪の全体に、着色染毛部剤(III)エアゾールを少しずつ噴射させながら、着色染毛被膜形成後の毛髪に塗着させ、被膜コート部剤の塗着した毛髪の一本一本が分離し、被膜コート部剤が固化し、櫛通りが良くなるまで櫛やブラシで毛髪を解いたり、手で毛髪同士を摺り合わせるなどして、毛髪の一本一本の表面に最終的に被膜コート部剤で筒状に被覆された被膜コートを形成して毛髪に被膜コート部剤を定着固定し作業を終了した。乾燥した時点で毛髪同士が絡み接着しないように、表面に接着性がなくなる程度に表面乾燥するまでしばらく櫛で解きほぐすようにしながら乾燥した。その後ドライヤーを用い完全乾燥させた後、シャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流したところ、僅かに着色染毛部剤の欠片が温湯中に見られたが毛髪は所望の着色度まで着色染毛できた状態を保っていた。その後、3日目毎にシャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流すという洗髪を行い、4週間過ごしたところ、実施例2と同じように毛髪は着色染毛時と殆ど変わらない程度(所望の着色度まで着色染毛ができた時の状態)を保っていた。着色染毛保持能力は実施例1、実施例2とははっきり区別できる程、色持ちよく保持されていた。
そこで、4週間を経過した時点で、着色染毛解除剤(I)を適量手のひらに採り、該着色染毛解除剤を温湯で濡らした頭髪に塗り付けながら毛髪を掴むような仕草で揉み洗いしたところ着色染毛色が手のひらに解けだし、着色染毛されていた毛髪はすぐに元の毛髪色を取り戻した。さらに着色染毛解除剤(I)を適量手のひらに採り、該着色染毛解除剤を温湯で濡らした頭髪に塗り付けながら毛髪を掴むような仕草で揉み洗いする作業を繰り返し、温湯を用いて粗洗浄した後、シャンプー(I)を用い洗髪をし、その後温湯を用いて洗い流すという通常と同じ洗髪を行いその後ドライヤーで乾燥したところ、着色染毛する前の頭髪の髪色・髪質の頭髪に戻っていた。
本願発明の下地部剤、着色染毛部剤に用いることの出来る耐水性樹脂としては、頭髪用として人体に使用できる樹脂であり、未中和時には耐水性(疎水性)を示し、中和後は明らかに水溶性となる中和反応型の樹脂であり、且つ、該樹脂を未中和の状態で乾燥した後の皮膜は、酸性ないし中性の頭髪用洗浄剤で容易に洗い流すことのできない耐洗浄性を有する樹脂であり、更に好ましくは毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し、可鍛性が小さな被膜を形成するものを使用するのが好適である。本願発明の下地部剤、着色染毛部剤に用いることの出来る典型的な耐水性樹脂としては、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体の未中和物、アクリル酸アルキルエステル・ジアセトン−アクリルアミド・メタクリル酸共重合体液の未中和物、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体の未中和物、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体の未中和物、アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の未中和物、カルボキシル化変性酢酸ビニルポリマーの未中和物を単独または2種以上を組合せて用いることができる他、各々または他のものとの共重合物を使用することも可能である(前記中の未中和物とは樹脂の未中和物を指す)。然しながら、乾燥後に耐水性となり且つ、頭髪用として人体に使用できる樹脂であり、未中和時には耐水性(疎水性)を示し、中和後は明らかに水溶性となる中和反応型の樹脂であり、且つ、該樹脂を未中和の状態で乾燥した後の皮膜は、酸性ないし中性の頭髪用洗浄剤で容易に洗い流すことのできない耐洗浄性を有する樹脂であれば上記に例示したもの以外の樹脂でも使用可能であり、本願発明を逸脱するものではない。
重複して言うが、本願発明の下地部剤、着色染毛部剤、被膜コート部剤に用いる被膜を形成する樹脂成分として共通して言えることは、未中和時には耐水性(疎水性)を示し、中和後は明らかに水溶性となる中和反応型の樹脂であり、且つ、該樹脂を未中和の状態で乾燥した後の皮膜は、酸性ないし中性の頭髪用洗浄剤で容易に洗い流すことのできない耐洗浄性を有する樹脂であることが重要であり、また絶対条件である。更に好ましくは毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し、可鍛性が小さな被膜を形成するものを使用するのが好適で、尚且つ、下地部剤、着色染毛部剤、被膜コート部剤はそれぞれ互いの樹脂被膜間に於いて密着性・接着性に優れていなくてはならない。そこで下地部剤、着色染毛部剤、被膜コート部剤に用いる耐水性樹脂は、その耐水性樹脂の構成樹脂のうち少なくとも一つは重なり合う他の部剤の樹脂成分と同系、同種、同類または同一のものを使用するのがよい。
ここで上記樹脂に対する重要な点である可撓性と可鍛性について述べる。これらの性状は勿論使用する樹脂自体が持っているに越したことはないが、実際にはそれぞれの製剤は種々の成分を混合・溶解して作る為に最終的にその調合物が被塗面上に塗着され乾燥した後に、適切な可撓性と可鍛性を有すればよく、この点からは樹脂自体に可撓性が無い時には、例えば可塑剤などを加え、適切な可鍛性が無いときには例えば固形の粉状物を加えるなどして調製することもできる。(これらは下地部剤、着色染毛部剤、被膜コート部剤に共通して言えることであり、必要に応じてそれぞれの部剤に応用使用できる)
本願発明の着色染毛部剤に用いることの出来る着色剤は、無機顔料としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、ベンガラ、酸化クロム、酸化コバルト、黄酸化鉄、黒酸化鉄、有色酸化鉄、水酸化クロム、水酸化アルミニウム、紺青、硫酸バリウム、含水珪酸塩、無水珪酸、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、タルク、カオリン、カルミン、カラミン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ベントナイト、群青、マンガンバイオレット、カーボンブラック、アルミニウム、銅、金、雲母チタン、マイカ、有機顔料としては、赤色202、203、204、205、206、207、208、219、220、221、228、404、405号、だいだい色203、204、401号、黄色205、401号、青色404号、その他、染料樹脂固溶体、昼光蛍光顔料、天然顔料である鉱物顔料(クレー等)や天然染料レーキ(マダーレーキ、コチニールレーキ等)などがあげられ、適宜選択される。これらの内、黄酸化鉄、黒酸化鉄、有色酸化鉄、ベンガラ、紺青、群青、カルミン、酸化チタン、雲母チタン、マイカ、カーボンブラツク、染料樹脂固溶体が好ましい。前記顔料は、原液成分中0.1〜25重量%、さらには1〜15重量%配合されることが好ましい。顔料の配合量が0.1重量%未満の場合は、着色染毛性能がわるく効果が得られにくい。一方、25重量%をこえるとエアゾール バルブや噴射部材で詰まりやすくなる傾向がある。
本願発明の下地部剤や着色染毛部剤、被膜コート部剤は溶剤の揮発性が悪いと作業性や着色染毛効果に悪影響を及ぼす。そこで、これら下地部剤等に用いる希釈溶剤としては揮発性溶剤であることが好ましく、揮発性溶剤としては頭髪上で比較的蒸発、気化し易い物質、例えば、エタノール、IPA等の低級アルコール、イソペンタン、ヘキサン等の低分子炭化水素等が好ましい。これらの内でも、特に頭皮や毛髪に対する影響、臭い、耐水被膜部剤用樹脂、着色剤等との相溶性、溶解度などを考慮すると、エタノールが最も好ましい。
本願発明の下地部剤や着色染毛部剤、被膜コート部剤に、施工処理時の機能性、作業性や着色染毛性を上げることを目的として潤滑剤、可塑剤、界面活性剤、更に必要に応じて防腐剤、殺菌剤、制菌剤、養毛・育毛剤、フケ防止剤、紫外線吸収剤、アミノ酸、ビタミンおよびその誘導体、キレート剤、粘度調整剤、金属防錆剤、動植物エキス、抗酸化剤、抗炎症剤、血行促進剤、毛母細胞賦括剤、角質溶解剤、抗脂漏剤、消炎鎮痛剤、経皮吸収促進剤、各種抽出液、ホルモン類消臭・防臭剤、香料等を配合することができる。但し、これらを加えることによって、下地部剤本来の目的性能を落とさない事が重要であり、この為にはシリコンなどの潤滑剤については15重量%以下、可塑剤については10重量%以下、界面活性剤やその他の成分については3重量%以下とし、溶剤および、耐水性樹脂と粉体などの着色染毛成分以外の前述成分の総合計は、多くても各々の部剤において、それぞれの全量中の17重量%以下の範囲に抑える必要がある。これを超えると一般的に処理しにくく、作業性の悪い、色落ちの早い、即ち着色染毛効果の持続性のない着色染毛剤となってしまう。
界面活性剤としては、着色成分液の成分として用いる着色染毛成分、接着樹脂、および着色剤との相溶性等に問題が無い限りアニオン性、ノニオン性、カチオン性、両性界面活性剤の何れでも採用することができる。但し、活性剤を多く加えると耐水性およびヘアシャンプーに対する耐洗浄性が落ちる傾向にあるため必要以上に界面活性剤は加えないことが重要である。
潤滑剤は、下地部剤や着色染毛部剤を毛髪に塗布した際の塗り伸ばし性の向上や、乾燥後の櫛通り性の向上のために用いる。潤滑剤としては、低重合のシリコーン、シリコン樹脂、フッ素樹脂その他種々の公知の潤滑性油剤を用いることができる。疎水性の潤滑剤を使用するのが好ましい。可塑剤としては高級アルコール類、グリコール類等や高級脂肪酸類の他前述の活性剤、潤滑剤をもって代用することも可能である。但し、低重合のシリコーン、シリコン樹脂、フッ素樹脂などの潤滑剤や、高級アルコール、高級脂肪酸等の可塑剤の使用量は、耐水被膜部剤の可撓性と可鍛性並びに耐水性に大きく影響を与えるので組成およびそれぞれの組成成分量に対して十分な考慮が必要である。又、潤滑剤や可塑剤は疎水性の可塑剤を使用するのが好ましい。特にグリコール類を多く加えると耐水性およびヘアシャンプーに対する耐洗浄性が落ちる傾向にあるため必要以上に加えないことが重要である。
実施例では着色染毛剤および被膜コート剤を、それぞれ着色染毛部剤、被膜コート部剤を原液成分として、噴射剤を加えエアゾール化した例を掲げたが、下地部剤、着色染毛部剤、被膜コート部剤のすべてをエアゾール化して本願発明を実施してもよいし、それぞれの部剤をボトル容器に詰め、ポンプで棒液状とか霧状で噴射させ本願発明を実施してもよい。エアゾール化して本願発明を実施する場合、噴射剤としては、LPGやDME、フッ化炭化水素(F134aなど)等の液化ガスおよび炭酸ガス、亜酸化窒素ガス、窒素ガス等の圧縮ガス等を採用することができる。噴射剤は、耐圧容器内における35℃での内圧が0.2〜0.8Mpの範囲になるように充填するのがよい。
着色染毛剤エアゾールまたは被膜コート剤エアゾール全体をそれぞれ100重量%とした場合、上記の噴射剤を、そのうちの80重量%未満とするのが好ましい、特に、噴射剤を40〜68重量%とするのが、それぞれの原液成分剤の飛び散りがある程度抑えられている状態で、且つ、塗布後の乾燥性に優れるので好ましい。下地部剤をエアゾール化する場合は噴射剤は50重量%未満とするのが好ましい、特に、噴射剤を1〜35重量%とするのが毛髪上に下地部剤を処理する場合最も効果的で又取り扱いやすい。
着色染毛解除剤に用いる中和剤としては下地部剤、着色染毛部剤、被膜コート部剤それぞれに用いる樹脂に対して有効に働く中和剤であり、且つ、下地部剤、着色染毛部剤、被膜コート部剤それぞれを、少なくとも通常成人女性の頭髪を一度処理した時点で頭髪上に接着残存すると予想される樹脂量を計算し、その樹脂量を通常手のひらに採る着色染毛解除剤の数回量(3〜10グラム程度)の中に含む中和剤で十分に中和できる量を含有させることが重要である。
本願発明の着色染毛解除剤に用いる中和剤として使用するアルカリ剤としては、たとえばアミノメチルプロパノール(AMP)、アミノメチルプロパンジオール(AMPD)、アミノエチルプロパンジオール(AEPD)、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ステアリルアミンのような長鎖アミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水などがあげられる。
中和に必要なアルカリ量は、中和度・各樹脂の酸価・アルカリ剤のモル当量によって規定され、次式から求める。
Figure 2006063059
但し、 A =中和する樹脂量
B =使用するアルカリのモル当量(g/mol)
C =必要とする中和度(小数)
S =樹脂の酸価(meq/g)
モル当量:
アミノメチルプロパノール(AMP)=89.1、
アミノメチルプロパンジオール(AMPD)=105.2、
アミノエチルプロパンジオール(AEPD)=119.2、
水酸化カリウム=56.1、
水酸化ナトリウム=40.0、
各樹脂の酸価:
(本願実施例使用などのカタログによる例)
酢酸ビニル・クロトン酸共重合体: 1.16、
クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体: 1.16、
アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体: 品種によって2.05または2.45
本願発明の被膜コート部剤としては、毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し、耐水性に優れた被膜を形成するものであり、頭髪や下地部剤および着色染毛部剤成分に耐水性の被膜を張り毛髪を保護すると共に、下地部剤や着色染毛部剤成分が、雨やシャワー、湯洗などによってより毛髪から剥がれ落ちにくいようにさせる為に毛髪の表面に筒状に被膜を張り、被覆保護する役目をする薬剤である。特に、被膜コート部剤は、施工処理後の毛髪に対して外部からの水の侵入を防ぎ、着色染毛部剤成分等の剥がれや膨潤を防ぐと共に、セット時の櫛通りやつやなど外観的にも優れているものが望まれる。但し、当然この被膜コート部剤も着色染毛部剤と同じ中和剤によって容易に水溶性に変わるものでなくてはならない。
被膜コート部剤に用いる樹脂成分は乾燥後に耐水性であることが重要であり、また絶対条件である。尚且つ、下地部剤、着色染毛部剤とはそれぞれ互いの樹脂被膜間に於いて密着性・接着性に優れていなくてはならない。そこで被膜コート部剤に用いる耐水性樹脂は、その耐水性樹脂の構成樹脂のうち少なくとも一つは下地部剤、着色染毛部剤と重なり合う樹脂成分と同系、同種、同類または同一のものを使用するのがよい。なお樹脂成分としては前述してきた下地部剤、着色染毛部剤と同様、乾燥後に耐水性となり且つ、頭髪用として人体に使用できる樹脂であり、毛髪へのなじみが良く、可撓性を有する必要がある。この点から前述の下地部剤、着色染毛部剤と同様の樹脂を使用するのが好ましい。即ち典型的な耐水性樹脂としては、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体の未中和物、アクリル酸アルキルエステル・ジアセトン−アクリルアミド・メタクリル酸共重合体液の未中和物、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体の未中和物、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体の未中和物、アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の未中和物、カルボキシル化変性酢酸ビニルポリマーの未中和物などを単独または2種以上を組合せ用いることができる他、各々または他のものとの共重合物を使用することも可能である。この点から、被膜コート部剤成分溶液(噴射剤を除く)中樹脂固形分として0.1から30重量%、好ましくは0.5から20重量%の範囲で用いるのが良い。
又、被膜コート部剤はセット剤を兼ねる事が多いので、セット性を向上させる目的のために、耐水性が落ちない範囲ならば他の樹脂を微量加えることも出来る。この目的で用いることのできる樹脂としては例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、アクリル樹脂アルカノールアミン液、N−メタクロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体液、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合物、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体液、メトキシエチレン無水マレイン酸コポリマー、等の合成高分子化合物、カラギーナン、キサンタンガム、ゼラチン、デキストリン、天然ガム、エステルガム、変性スターチ、ミルクカゼイン等の天然高分子化合物、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン変性樹脂、シリコーン変性樹脂等を使用できる。これら等の半合成高分子化合物があるが使用量はあくまでも耐水性が落ちない範囲での使用であり、使用耐水性樹脂に対して5重量%以下、好ましくは1重量%以下に抑える。更に、着色染毛部剤には、上記以外に、必要に応じて溶剤、艶出成分、紫外線防止剤、防腐剤、殺菌剤、制菌剤、養毛・育毛剤、フケ防止剤、ビタミンおよびその誘導体、キレート剤、粘度調整剤、金属防錆剤、動植物エキス、抗酸化剤、抗炎症剤、血行促進剤、香料等を、必要に応じて配合することができる。
一般的に乾燥性の向上と扱いやすさ並びに作業時間の短縮を図る為、被膜コート部剤をエアゾール化することが好ましい。被膜コート部剤をエアゾール化するに当り、溶剤の揮発性が悪いと作業性に悪影響を及ぼす。このために耐水被膜部剤用樹脂の溶剤としては揮発性溶剤であることが好ましく、揮発性溶剤としては頭髪上で比較的蒸発、気化し易い物質、例えば、エタノール、IPA等の低級アルコール、イソペンタン、ヘキサン等の低分子炭化水素等が好ましい。これらの内でも、特に頭皮や毛髪に対する影響、臭い、耐水被膜部剤用樹脂、着色剤等との相溶性、溶解度などを考慮すると、エタノールが最も好ましい。
本願発明の着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤は、簡単容易に施工処理できるにも拘らず、処理後の毛髪から、着色剤が剥げ落ちたり、他物に転移するような事が無く、更に、水や汗などで流れ落ちることの無い半永久的な着色染毛部剤であるために施工処理後も、例えばプールで泳いだり、暑い日のヘルメットの使用時に汗によって色がたれ落ち額を汚す事もないので行動的な活動ができる。又、着色染毛解除剤を用い、毛髪を元の髪色・髪質に戻したくなった時点で、速やかに元の髪色・髪質に戻せるので、無難な色の着色染毛はもちろん、斬新な色、好きな色の着色染毛部剤を自由に選択、試用できるので、大胆に且つ、積極的に選色出来、自分にあった毛髪色を見つけるまで何度も試用選択出来るので、消費者が思い切った色を選択し、又自分にあった色を開拓する楽しみが出来る。
下地部剤を着色染毛しようとする毛髪の全体に、液状ないし霧状で満遍なく塗着させ、毛髪の一本一本に筒状ないし鞘状の被膜を作った上で、その被膜上に単色または複数の着色染毛部剤をさっと塗布して着色する方法を用いることによって、単色で線画や文字を描いたり、複数の着色染毛部剤を用いて、例えば虹のようにデザインして半永久的な着色染毛被膜を得ることが出来るので、美容院や理容店で、顧客の頭髪を複数の自由な色で自在にデザイン出来るので、所謂カリスマ美容師や、理容師が髪型のイメージを広げたり、デザインを誇張するのにも役立ち、消費者のみならず、美容院や理容店の拡販にも繋がる。又、不必要になった時点では、本願発明の着色染毛解除剤を用いて、市販のシャンプーで頭髪をシャンプーするのと同じ要領で洗髪することにより、消費者は自宅ででも毛髪を速やかに元の髪色・髪質に戻すことが出来るのでカラーリング生活がずっと近い存在になる。よって美容院や理容店、消費者などにとっては種々の面で有益であり、社会貢献に大きく寄与することになる。
従来の着色染毛方法・効果を説明するための概念図である。 図−1−1は従来の着色染毛方法・効果を説明するための毛髪部の縦断面図である。 図−1−2は従来の着色染毛方法・効果を説明するための毛髪の外観の状態を示す概念図である。 本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための概念図である。 図−2−1は本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための毛髪部の縦断面図である。 図−2−2は本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための毛髪の外観の状態を示す概念図である。 本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための概念図である。 図−3−1は本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための毛髪部の縦断面図である。 図−3−2は本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための毛髪の外観の状態を示す概念図である。 本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための概念図である。 図−4−1は本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための毛髪部の縦断面図である。 図−4−2は本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための毛髪の外観の状態を示す概念図である。 本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための概念図である。 図−5−1は本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための毛髪部の縦断面図である。 図−5−2は本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための毛髪の外観の状態を示す概念図である。 本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための概念図である。 図−6−1は本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための頭皮および毛髪部の縦断面である。 図−6−2は本願発明の着色染毛方法・効果を説明するための頭皮および毛髪部の縦断面である。
符号の説明
1、 毛髪
2、 下地部剤
3、 着色染毛部剤
4、 被膜コート部剤
A−B、 切断の位置を示す
F、 毛根部
H、 頭皮
M、 根元付近
T、 筒状の被膜部分
X、 部剤結合域

Claims (10)

  1. 未中和時には耐水性を示し、中和後は明らかに水溶性となる中和反応型の樹脂が、未中和の状態で乾燥した後の皮膜は、酸性ないし中性の頭髪用洗浄剤で容易に洗い流すことのできない耐洗浄性を有する未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を、接着樹脂として用い、着色剤と共に非水溶媒で混合溶解したことを特徴とする、着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤。
  2. 前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を、中和度10%以下の未中和の状態で接着樹脂として用い、着色剤と共に非水溶媒で混合溶解したことを特徴とする請求項1に記載の着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤。
  3. 前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を、接着樹脂として用い、着色剤と共に非水溶媒で混合溶解したことを特徴とする、着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤を、毛髪に塗着して十分乾燥させた後の樹脂皮膜を、十分に中和できる量の中和剤を含有することを特徴とする着色染毛解除剤。
  4. 前記中和剤がアミノメチルプロパノール(AMP)、アミノメチルプロパンジオール(AMPD)、アミノエチルプロパンジオール(AEPD)、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ステアリルアミンのような長鎖アミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニアそれぞれの単品又は混合物から選択される請求項3に記載の着色染毛解除剤。
  5. 前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂が、更に毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し、可鍛性が小さく、耐水性に優れた被膜を形成するものである樹脂であり、この樹脂成分を、0.1〜35%含有する低級アルコール溶液からなる液状樹脂製の毛髪の下地部剤と、前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂が、更に前記の毛髪の下地部剤で毛髪に形成される被膜と親和性・接着性が良く、可撓性を有し、可鍛性が小さく、耐水性に優れた被膜を形成するものである樹脂であり、この樹脂成分を95〜0.5重量%含有する低級アルコール溶液からなる液状樹脂製の着色染毛部剤と、前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂が、更に前記の着色染毛部剤で毛髪に形成される着色染毛部剤と親和性・接着性が良く、着色染毛効果を保護する、耐水性に優れた被膜を形成するものである樹脂であり、この樹脂成分を含有する液状樹脂製の被膜コート部剤と、前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂を、着色剤と共に非水溶媒で混合溶解したことを特徴とする、着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤を、毛髪に塗着して十分乾燥させた後の樹脂皮膜を、十分に中和できる量の中和剤を含有することを特徴とする着色染毛解除剤とからなる、着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤のセット。
  6. 前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂が、更に毛髪へのなじみが良く、可撓性を有し、可鍛性が小さく、耐水性に優れた被膜を形成するものである樹脂であり、この樹脂成分がアクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体の未中和物、アクリル酸アルキルエステル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合体液の未中和物、アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合体液の未中和物、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体の未中和物、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体の未中和物、アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の未中和物、カルボキシル化変性酢酸ビニルポリマーの未中和物の単品又は混合物や共重合物から選択された樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤のセットの毛髪の下地部剤。
  7. 前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂が、更に前記の毛髪の下地部剤で毛髪に形成される被膜と親和性・接着性が良く、可撓性を有し、可鍛性が小さく、耐水性に優れた被膜を形成するものである樹脂であり、この樹脂成分がアクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体の未中和物、アクリル酸アルキルエステル・ジアセトン−アクリルアミド・メタクリル酸共重合体液の未中和物、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体の未中和物、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体の未中和物、アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の未中和物、カルボキシル化変性酢酸ビニルポリマーの未中和物の単品又は混合物や共重合物から選択された樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤のセットの着色染毛部剤。
  8. 前記未中和時耐水・耐洗浄型樹脂で、更に前記の着色染毛部剤で毛髪に形成される着色染毛部剤と親和性・接着性が良く、着色染毛効果を保護する、耐水性に優れた被膜を形成するものである樹脂であり、この樹脂成分がアクリル酸オクチルアミド・アクリル酸エステル共重合体の未中和物、アクリル酸アルキルエステル・ジアセトン−アクリルアミド・メタクリル酸共重合体液の未中和物、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体の未中和物、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体の未中和物、アクリル酸オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタアクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の未中和物、カルボキシル化変性酢酸ビニルポリマーの未中和物の単品又は混合物や共重合物から選択された樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤のセットの被膜コート部剤。
  9. 前記下地部剤を着色染毛しようとする毛髪の全体に液状ないし霧状で満遍なく塗着させ、毛髪の一本一本に筒状ないし鞘状の被膜を作った上で、その被膜上に単色または複数の着色染毛部剤を塗布して着色染毛することを特徴とする、着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛部剤の被膜処理方法。
  10. 前記着色染毛部剤を液状ないし霧状で、毛髪を前後、左右に梳き寄せながら、繰り返し噴射塗布し、着色染毛しようとする毛髪の全体に満遍なく塗着させ、毛髪の一本一本に筒状ないし鞘状の被膜を形成することを特徴とする、着色染毛を中和剤で解除できる着色染毛剤の被膜処理方法。
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