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JP2006028484A - 樹脂表面処理剤および樹脂表面処理法 - Google Patents

樹脂表面処理剤および樹脂表面処理法 Download PDF

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JP2006028484A JP2005162979A JP2005162979A JP2006028484A JP 2006028484 A JP2006028484 A JP 2006028484A JP 2005162979 A JP2005162979 A JP 2005162979A JP 2005162979 A JP2005162979 A JP 2005162979A JP 2006028484 A JP2006028484 A JP 2006028484A
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福成 宮田
Terukazu Ishida
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Abstract

【課題】樹脂表面を活性化し、例えばポリイミド系樹脂フィルムと金属配線との接着強度を向上でき、ポリイミド系樹脂フィルムと他の樹脂との接着強度を向上できる。これにより、生産性に優れ、処理コストも安価な樹脂の表面処理剤及びそれを用いた表面処理法を提供する。
【解決手段】本発明は、4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物を有効成分とする樹脂の表面処理剤である。本発明の表面処理法は、樹脂の表面に、4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物を有効成分とする表面処理剤を接触させたのち、酸性水溶液で処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂表面を活性化させる表面処理剤および樹脂表面処理法に関する。
電子機器に使用される配線基板のうち、フレキシブルプリント配線板は、折り曲げ可能、薄い、軽いなどの優れた特性を有する。前記フレキシブルプリント配線板のなかでも、ベースフィルムのポリイミドと導電層の銅とを接着剤を用いないで接着させた2層構造のものが耐熱性に優れており、需要が高まっている。
前記2層構造のフレキシブルプリント配線板の基材の製法としては、めっき法、スパッタ法、キャスティング法、ラミネーション法がある。これらの製法のうち、めっき法やスパッタ法はポリイミドの選択自由度が大きく、製法が容易であるという特徴を有する。
前記めっき法は、ポリイミドフィルムに無電解めっきにより導電性の薄いシード層を形成した後、電解めっきにより銅の導体層を形成する方法である。前記スパッタ法は、ポリイミドフィルムにスパッタリングにより導電性の薄いシード層を形成した後、電解めっきにより銅の導体層を形成する方法である。
前記めっき法においては、セミアディティブ工法が提案されている。このセミアディティブ工法において、無電解銅めっき層と層間絶縁材料の密着を得るためには、従来、アルカリ過マンガン酸溶液などを含む薬品により絶縁材料表面に凹凸を形成し、凹凸面にめっき層を形成していた。
一方、近年の電子機器の小型化・高性能化に伴ない、パターン間は狭ピッチになっており、信号周波数も高周波化している。
前述のように無電解銅めっき層が凹凸面に形成されていると、エッチングによるパターン形成時に銅エッチング残りを生じさせやすくなるが、特にパターン間隔が狭い場合にはエッチング残りによってイオンマイグレーションなどの問題が誘発されやすいという問題があった。
また、導体を流れる電流のクロック周波数は大きくなると表皮効果により電流が導体の表面付近のみに流れるが、このとき前述のように銅めっき層と絶縁材料との界面に凹凸が存在すると信号伝達がおそくなるという問題もある。
フレキシブル基板の絶縁材料としてはポリイミド樹脂が使用されており、ポリイミド基材をボンディングシートや、フォトソルダーレジストなどの樹脂と密着させることが要求されるが、ポリイミドの性質上、対樹脂の密着性は相手方の樹脂の種類によって大きく相違し、種類によっては全く密着しないため、材料が限定されるという問題があった。
銅の表面を処理して樹脂との接着性を向上させる方法としては、黒化処理(強アルカリ水溶液による酸化銅形成)を行うこともあるが、この方法でも界面に凹凸が生じ、上記のような問題が予想される。
さらに一般にポリイミドは金属との接着性に劣るため、前記めっき法やスパッタ法によって製造された基材には、ポリイミドフィルムとシード層及び銅層との接着性が低いという問題がある。そこで、下記特許文献1ではポリイミド表面をプラズマ処理して、シード層及び銅層との接着性を向上させることが提案されている。
特開平3−56541号公報
しかし、プラズマ処理には高価な処理装置が必要であり、かつ真空雰囲気で処理する必要があるので生産性が低いという問題がある。
本発明は、従来技術の課題を解決するため、生産性に優れ、処理コストも安価な樹脂の表面処理剤及びそれを用いた樹脂の表面処理法を提供する。
本発明は、4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物を有効成分とする樹脂表面処理剤である。
また本発明の樹脂表面処理法は、樹脂の表面に、4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物を有効成分とする表面処理剤を接触させることを特徴とする。
本発明は、樹脂表面を活性化し、各種樹脂例えばポリイミド系樹脂フィルムと金属配線との接着強度を向上でき、樹脂フィルムと他の樹脂との接着強度を向上できる。そのうえ、生産性に優れ、処理コストも安価な樹脂の表面処理剤及びそれを用いた樹脂の表面処理法を提供できる。
本発明では、樹脂表面を粗化することなく化学的に処理することで、平滑な状態のまま樹脂表面の密着強度を向上できる。従って、特にファインパターンや高クロック周波数化に対応する電子材料に適した樹脂表面を得ることができる。また、従来密着性の低い樹脂間の密着性を向上させることできる。尚、本発明の処理剤を使用した樹脂表面は、SEM写真での表面観察(×3,500)では、樹脂表面の形状に変化は見られなかった。
本発明者らは、樹脂表面を4価及び/又は3価のセリウム化合物を含有する水溶液などと接触させると、金属、特に銅との接着性に優れた表面になることを見出した。また、この表面は、他の樹脂との接着性にも優れていることを見出した。さらに、本発明の表面処理剤は、ポリイミド系樹脂をレーザやドリル加工により穿孔した場合に生じるスミアの溶解性に優れていることを見出した。
即ち、本発明は下記の構成により達成される。
(1)4価及び/又は3価のセリウム化合物を有効成分とする樹脂の表面処理剤。
(2)樹脂の表面に、4価及び/又は3価のセリウム化合物を有効成分とする表面処理剤を接触させる表面処理法。
ここで有効成分とは、0.01〜50%(質量%、以下同様)又はセリウム濃度にして0.00001〜2mol/kgの濃度範囲をいう。
以下に、本発明について詳細に記載する。
本発明に用いられる4価のセリウム化合物は、樹脂表面を金属や樹脂等の他の部材との接着性に優れた表面に改質しうる成分である。また、樹脂のスミアを溶解させる成分である。その具体例としては、例えば硝酸二アンモニウムセリウム(IV)、硝酸セリウムカリウム(IV)などのヘキサニトラトセリウム(IV)酸塩、硫酸四アンモニウムセリウム(IV)、硫酸セリウム(IV)などがあげられる。前記セリウム化合物は、硫酸四アンモニウムセリウム(IV)・2水和物、硫酸セリウム(IV)・4水和物等のような水和物であってもよい。前記4価のセリウム化合物は2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる3価のセリウム化合物は、酢酸セリウム(III)、硝酸アンモニウムセリウム(III)、炭酸セリウム(III)、塩化セリウム(III)、フッ化セリウム(III)、硝酸セリウム(III)、硫酸セリウム(III)、臭化セリウム(III)、ヨウ化セリウム(III)、シュウ酸セリウム(III)、過塩素酸セリウム(III)、硫化セリウム(III)およびこれらの水和物であってもよい。前記3価のセリウム化合物は2種以上を併用してもよい。
もちろん4価のセリウム化合物と3価のセリウム化合物を併用してもよい。
本発明の表面処理剤は、4価及び/又は3価のセリウム化合物の溶液であるのが好ましい。溶媒としては水が好ましいが、アルコールなど4価及び/又は3価のセリウム化合物を溶解しうるものであれば特に制限なく使用できる。
以下に本発明の表面処理剤が、その好ましい形態である溶液の場合を例にあげて説明する。
表面処理剤中の4価及び/又は3価のセリウム化合物の濃度は、合計で0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜30質量%がさらに好ましい。前記濃度が0.01質量%未満では樹脂との反応性が低下する傾向となり、50質量%を超えると溶解しにくくなる。本発明のセリウム化合物を水溶液にした場合の有効濃度mol/kgで表わした場合を説明する。この場合のセリウム濃度の範囲は、有効濃度:0.00001〜2mol/kgが好ましい。0.00001mol/kgより少ないと効果はなく、2mol/kgより多いと加熱しないと溶解せず、溶解したとしても安定性きわめて悪い。好ましい濃度は0.0001〜1.5mol/kgの範囲であり、0.0001mol/kgより少ないと効果がでるまでに時間がかかり、効果も接着性の向上もやや不十分であり、1.5より多いと加熱が必要である。さらに好ましい濃度は0.001〜1mol/kgの範囲である。0.001mol/kgより少ないと効果はあるが処理時間がかかり、1より多いと加熱しないと完全には溶解しない傾向となる。最適濃度:0.01〜0.9mol/kgである。
本発明の表面処理剤には、さらに種々の添加剤を配合してもよく、例えばセリウム化合物の安定性を向上させるための硝酸、硫酸、過塩素酸、ギ酸、酢酸などの酸や、ポリイミド系樹脂やその他の樹脂に対する濡れ性や反応性を向上させる界面活性剤などを配合してもよい。
前記強酸の濃度範囲に特に限定はなく、その添加量に応じてセリウム化合物を安定させる効果が向上するが、通常は50%以下、好ましくは5〜30%である。前記濃度が高すぎると、被処理材が樹脂と金属とが共存する材料の場合、金属が侵食されやすくなる。
本発明の表面処理剤は、前記の各成分を水などの溶媒に溶解させることにより容易に調整することができる。前記水としては、イオン交換水などのイオン性物質や不純物を除去した水が好ましい。
本発明の表面処理剤によって処理される樹脂はどのような樹脂であってもよい。好ましい樹脂を挙げると、ポリイミド系、エポキシ系、シアネート系、アクリル系、アクリル−エポキシ系、アクリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系、アラミド系、ポリビニルクロライド(PVC)系、ポリプロピレン(PP)系、ポリカーボネート(PC)系、ウレタン系、ポリエチレン(PE)系、ポリアミド系等である。この中でも特にポリイミド系樹脂を使用するのが好ましい。ポリイミド系樹脂にとくに限定はなく、例えばポリピロメリット酸イミド、ポリビフェニルイミド、ポリケトンイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドエステルイミド、ポリイミダゾピロロンイミド、ポリヒダントンイミド、ポリオキサゾールイミド、シアネート変性ビスマレイミド、シリコーン変性ポリイミドなどのイミド構造を有する樹脂であればよい。
本発明の表面処理剤によりポリイミド系樹脂表面を処理する際には、予めポリイミド系樹脂表面を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミンなどを溶解させたアルカリ性水溶液で処理して濡れ性を高めることが好ましい。
本発明の表面処理剤を樹脂表面に接触させる方法としては、例えばスプレー法、シャワー法、浸漬法などが用いられる。
表面処理剤と樹脂表面とを接触させる際の条件にとくに限定はないが、通常表面処理剤の温度は20〜50℃が好ましく、接触時間は1〜30分間が好ましい。
本発明の表面処理剤により樹脂表面を処理したのちの樹脂表面にはセリウム化合物の残渣が付着しやすいので、酸性水溶液でそれらを溶解除去させたのち、水洗、乾燥させるのが好ましい。
基本的に3価のセリウム化合物も4価と同様の効果があるが、3価のセリウムは表面処理後に樹脂表面に残渣を残しにくいという利点がある。従って、3価のセリウムを使用した場合には酸による後処理をしなくてもよい。
前記酸性水溶液としては、硫酸、塩酸、硝酸などの水溶液があげられる。酸性水溶液の濃度は0.01〜50%程度が好ましい。
前記酸性水溶液で処理する際の条件にも特に限定はないが、通常20〜50℃で2〜30分間浸漬するなどすればよい。
本発明の表面処理剤で処理された樹脂は、金属、樹脂、セラミック、ガラスなどの他の部材との接着性が向上する。前記金属としては、例えば銅、ニッケル/クロム合金、アルミニウムなどの無電解めっき膜、スパッタリング膜、蒸着膜などが上げられる。前記樹脂としては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、耐熱エポキシ樹脂、シアネート変性ビスマレイミド樹脂、シリコンカーバイド樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド系樹脂、液晶ポリマーなどがあげられる。
好ましい組み合わせを挙げると次のとおりである。
樹脂と金属:ポリイミド樹脂−銅、エポキシ樹脂−銅、シアネート樹脂−銅、アラミド樹脂−銅、ABS樹脂−ニッケル
樹脂‐樹脂:ポリイミド樹脂−エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂−(アクリル・エポキシ)樹脂
好ましい樹脂を挙げると、ポリイミド、エポキシ、シアネート、アクリル(アクリル−エポキシ)、ABS、アラミド系樹脂である。
各組み合わせの具体的な用途の例としては以下のようなものが挙げられる。
(1)エポキシ樹脂又はシアネート樹脂−銅
多層プリント配線板の絶縁層(エポキシ樹脂やシアネート樹脂)と導電層(銅)などの界面。ここで多層プリント配線板は、例えばガラス繊維織物にエポキシ樹脂を含浸させた基板、アラミド繊維不織布にエポキシ樹脂を含浸させた基板がある。
(2)ポリイミド樹脂−エポキシ樹脂又はポリイミド樹脂又はシアネート樹脂
ソルダーレジスト(エポキシ)とポリイミド基材の界面、多層プリント配線板を積層する場合にポリイミド基材と上層のポリイミド基材を接合するためのボンディングシート(エポキシ、ポリイミド、シアネート)との界面
(3)エポキシ樹脂−アクリル樹脂又はアクリル−エポキシ樹脂
ソルダーレジスト(エポキシ)の表面にマーキング印刷をする際のソルダーレジストとマーキングインキ(アクリル、アクリル−エポキシ)の界面
(4)エポキシ樹脂−エポキシ樹脂
(5)ソルダーレジスト(エポキシ)表面とモールド樹脂(エポキシ)との界面
本発明の表面処理剤は、例えばポリイミド系樹脂フィルム上に導電層を形成する2層構造のフレキシブル配線板の導電層との接着性向上に有用である。また、ポリイミド系樹脂フィルム上に接着剤を介して導電層を形成する3層構造のフレキシブル配線板の接着剤との接着性向上に有用である。また、ポリイミド系樹脂層と導電層とが交互に複数積層した多層フレキシブル配線板のポリイミド系樹脂層間及び導電層との接着性向上に有用である。また、ポリイミド系樹脂製の保護膜が形成された半導体素子をプリント配線板に直接搭載する際のアンダーフィル剤との接着性向上に有用である。また、ポリイミド系樹脂製基材にバイアホールを形成するためのエッチングレジストを被覆する際のエッチングレジストとの接着性向上に有用である。また、フレキシブルプリント配線板やフレックス/リジッドプリント配線板などのポリイミド系樹脂製基材のカバーレイとの接着性向上に有用である。また、配線板表面を保護するソルダーレジストや、多層フレキシブル配線板の層間絶縁樹脂であるボンディングフィルムとの接着性向上に有用である。その他、液晶表示装置の基板、エレクトロルミネッセンスの基板など画像表示装置における配線基板にも適用できる。
また、本発明の表面処理剤は、ポリイミド等の各種樹脂をレーザやドリル加工により穿孔した場合に生じるスミアの除去にも有用である。
図1は本発明の一実施例における樹脂1表面2を活性化させ、この活性化された面に無電解銅めっき3をし、その表面に電解銅めっき4をした模式的断面図である。
(実施例1〜7及び比較例1〜2)
この実施例は各種セリウム化合物を用いて樹脂との接着性を試験した。
厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商品名“カプトン100EN”)を5%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬した後水洗した。得られたフィルムを表1に示される組成の処理液に50℃で5分間浸漬した後水洗した。ついで、30%硫酸水溶液に5分間浸漬した後水洗し、乾燥させた。
処理されたポリイミドフィルムの片方の面に無電解銅めっきをし、厚さ0.15μmの銅膜を形成した。ついで、電解銅めっきをし、合計厚さ35μmの銅膜を形成した後、150℃で30分間加熱した。なお、前記めっき後の加熱は、銅膜の結晶構造を安定化させるための処理である。
比較例1はセリウム化合物濃度が低い場合であり、比較例2はセリウム化合物を使用しない例である。
ついで、ポリイミドフィルムから銅めっき膜を引き剥がすときの強度を、JIS C 6481に準拠して測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006028484
以上のとおり、本実施例のサンプルは、ポリイミドフィルムから銅めっき膜を引き剥がすときの強度が高く、接着性が向上していることが確認できた。
(実施例8〜11及び比較例3)
この実施例、比較例は、アクリル・エポキシ樹脂とアクリル樹脂の接着性試験をした。
両面に厚さ18μmの銅箔をガラス布エポキシ樹脂含浸銅張積層板の片面側表面にアクリル・エポキシ樹脂(太陽インキ製造社製ソルダーレジスト:PSR-4000Z26)を塗布したものを実施例8から11として用意した。
これらの実施例を表2中の各処理液に40℃で1分間浸漬した後、水洗、乾燥させ、UV硬化マーキングインキ(太陽インキ社製 UVR-110WN121)をアクリル エポキシ樹脂上面に塗布し、露光機(ナノテック社製 ES-20m)で露光(露光量1200〜1300mj)し、UV硬化させた。UV硬化後さらに、150℃で10分熱処理した。
比較例3として、アクリルエポキシ樹脂塗布後に浸漬する液の配合を表2の比較例3の処理液に代えたものを用意した。
その後クロスカット(2mm角)テープ剥離試験(JIS C5012に準拠する方法)を行った。結果を表2に示す。
Figure 2006028484
表2における評価基準:剥離があったものno-good、なかったものgood。
表2から明らかにとおり、実施例8〜11はアクリルエポキシ樹脂とアクリル樹脂との剥離はなかった。
(実施例12〜16及び比較例4〜8)
この実験は、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、アラミド樹脂と銅との接着性を試験した。
上記実施例8から11と同様の銅張積層板(樹脂シートの支持体)の片側表面に厚さ40μmの3種類のエポキシ樹脂シート1〜3、シアネート樹脂シート、アラミド樹脂シートを熱圧着し、これらの銅―樹脂積層体を5%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬した後水洗した。
その後各積層体を以下の組成からなる処理液に50℃で5分間浸漬した後、水洗し、次いで30%硫酸水溶液に5分間浸漬後水洗、乾燥させて実施例12〜16とした。
処理液:硝酸セリウム(III) 5.64質量%(セリウム濃度として0.1mol/kg)
硝酸 6.7質量%
イオン交換水 残り
尚、3種類のエポキシ樹脂シートとは、それぞれ添加剤の種類、配合量を異なる樹脂をシート状に形成したものである。
一方、上記3種類のエポキシ樹脂シート、シアネート樹脂、アラミド樹脂シートを同様に銅張積層体に熱圧着した銅―樹脂積層体を比較例4〜8として用意した。
各実施例および比較例の積層体の片面に無電解銅めっきを行い、厚み0.15μmの銅膜を形成後、電解銅めっきで合計厚さ35μmの銅膜を形成し、150℃で30分間加熱した。めっき形成後のこれらの各積層体の樹脂側表面の状態を目視にて観察し、評価した結果を表3に示す。
Figure 2006028484
表3における評価基準:剥離があったものno-good、なかったものgood。
表3から明らかにとおり、実施例12〜16は各種樹脂と銅との間の剥離はなかった。
(実施例17〜18及び比較例9〜10)
この実験は、ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂との接着性試験である。
実施例1から7と同様のポリイミドフィルムを5%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬した後水洗した。得られたフィルムを以下の組成からなる処理液に50℃で5分間浸漬した後、水洗し、次いで30%硫酸水溶液に5分間浸漬後水洗、乾燥させた。
処理液:硝酸セリウム(III) 5.64質量%(セリウム濃度として0.1mol/kg)
硝酸 6.7質量%
イオン交換水 残り
得られたフィルム、および比較例として未処理のポリイミドフィルムの片面にエポキシ樹脂シートを熱圧着させて、ポリイミド−エポキシ樹脂積層シートを形成した。
この積層シートのうち、処理したフィルムの積層体を実施例17,18、未処理フィルムの積層シートを比較例9,10として、実施例8と同様の方法でクロスカット(2mm角)テープ剥離試験(JIS C5012に準拠する方法)を行い、評価した結果を表4に示す。
Figure 2006028484
表4における評価基準:剥離があったものno-good、なかったものgood。
表4から明らかにとおり、実施例17〜18はポリイミド樹脂とエポキシ樹脂との剥離はなかった。
(実施例19及び比較例11)
この実験はABS−ニッケル接着度を試験したものである。
ABS成形品(10×10cm厚さ2cmの板)を5%水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬した後水洗した。
その後以下の組成からなる処理液に50℃で5分間浸漬した後、水洗し、次いで30%硫酸水溶液に5分間浸漬後水洗、乾燥させて実施例19とした。
処理液:硝酸セリウム(III) 5.64質量%(セリウム濃度として0.1mol/kg)
硝酸 6.7質量%
イオン交換水 残り
このABS成形品に、塩化パラジウム、塩化第一錫、塩酸からなる溶液に2分間浸漬後、硫酸によって30℃、3分間処理し、その後、無電解ニッケルめっきによって厚さ1μmのニッケルめっき層を形成した。
一方、上記実施例19と同じABS成形品で上記処理をしないものを比較例20として用意し、上記処理液に浸漬する以外は実施例19と同様に処理し、無電解ニッケルめっき層を形成した。
めっき形成後、ニッケルめっき表面を実施例8と同様の方法でクロスカット(2mm角)テープ剥離試験(JIS C5012に準拠する方法)を行った結果を表5に示す。
Figure 2006028484
表5における評価基準:剥離があったものno-good、なかったものgood。
表5から明らかにとおり、実施例19はABSとニッケルとの剥離はなかった。
本発明は、フレキシブルプリント配線板、繊維強化樹脂含浸基板と金属配線、樹脂同士、樹脂フィルムと金属配線との接着強度の向上を要求される分野等に有用である。
図1は本発明の一実施例における樹脂表面を活性化させ、この活性化された面に無電解銅めっきをし、その表面に電解銅めっきをした模式的断面図である。
符号の説明
1 樹脂
2 樹脂の表面処理面
3 無電解銅めっき
4 電解銅めっき

Claims (18)

  1. 4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物を有効成分とする樹脂表面処理剤。
  2. 4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物を含有する溶液である請求項1の樹脂表面処理剤。
  3. 前記溶液が水溶液である請求項2に記載の樹脂表面処理剤。
  4. 前記溶液中の4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物の濃度は0.01〜50質量%の範囲である請求項2又は3に記載の樹脂表面処理剤。
  5. 前記溶液中の4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物の濃度は、セリウム濃度にして0.00001〜2mol/kgの範囲である請求項2又は3に記載の樹脂表面処理剤。
  6. 4価のセリウム化合物が、ヘキサニトラトセリウム(IV)塩、硫酸四アンモニウムセリウムおよび硫酸セリウムの少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂表面処理剤。
  7. 3価のセリウム化合物が、酢酸セリウム(III)、硝酸アンモニウムセリウム(III)、炭酸セリウム(III)、塩化セリウム(III)、フッ化セリウム(III)、硝酸セリウム(III)、硫酸セリウム(III)、臭化セリウム(III)、ヨウ化セリウム(III)、シュウ酸セリウム(III)、過塩素酸セリウム(III)、硫化セリウム(III)及びこれらの水和物の少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂表面処理剤。
  8. 樹脂が、ポリイミド系、エポキシ系、シアネート系、アクリル系、ABS系、アラミド系及びこれらの混合物の少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂表面処理剤。
  9. 樹脂の表面に、4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物を有効成分とする表面処理剤を接触させることを特徴とする樹脂表面処理法。
  10. 前記表面処理剤が溶液である請求項9に記載の樹脂表面処理法。
  11. 樹脂の表面に、4価のセリウム化合物を含有する溶液を接触させたのち、酸性水溶液で処理する請求項10に記載の樹脂表面処理法。
  12. 樹脂の表面に、4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物を含有する溶液を接触させる前に、アルカリ性水溶液で処理する請求項10又は11に記載の樹脂表面処理法。
  13. 4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物を含有する溶液が水溶液である請求項10〜12のいずれかに記載の樹脂表面処理法。
  14. 前記溶液中の4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物の濃度は0.01〜50質量%の範囲である請求項10〜13のいずれかに記載の樹脂表面処理法。
  15. 前記溶液中の4価及び3価から選ばれる少なくとも一つのセリウム化合物の濃度は、セリウム濃度にして0.00001〜2mol/kgの範囲である請求項10〜13のいずれかに記載の樹脂表面処理法。
  16. 4価のセリウム化合物が、ヘキサニトラトセリウム(IV)塩、硫酸四アンモニウムセリウムおよび硫酸セリウムの少なくとも1種である請求項9〜15のいずれかに記載の樹脂表面処理法。
  17. 3価のセリウム化合物が、酢酸セリウム(III)、硝酸アンモニウムセリウム(III)、炭酸セリウム(III)、塩化セリウム(III)、フッ化セリウム(III)、硝酸セリウム(III)、硫酸セリウム(III)、臭化セリウム(III)、ヨウ化セリウム(III)、シュウ酸セリウム(III)、過塩素酸セリウム(III)、硫化セリウム(III)およびこれらの水和物の少なくとも1種である請求項9〜15のいずれかに記載の樹脂表面処理法。
  18. 樹脂が、ポリイミド系、エポキシ系、シアネート系、アクリル系、ABS系、アラミド系ならびにこれらの混合物の少なくとも1種である請求項9〜17のいずれかに記載の樹脂表面処理法。
JP2005162979A 2004-06-18 2005-06-02 樹脂表面処理剤および樹脂表面処理法 Pending JP2006028484A (ja)

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