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JP2006026659A - シートバー加熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粗圧延機を出たシートバーが加熱を必要とする場合にのみ、誘導加熱装置でシートバーを加熱するシートバー加熱方法の提供。
【解決手段】 加熱炉12出側のスラブ50から過加熱温度Tohを得、粗圧延されたシートバー60が誘導加熱装置14で加熱されずに仕上圧延機15で仕上圧延されると仮定し、この仮定下でシートバー60が仕上圧延機15入側で有する長手方向の温度分布M1を、粗圧延機13出側におけるシートバー60の先端の温度T2tから推定し、温度分布M1を過加熱温度分Tohだけ低温側にシフトして修正して温度分布M2を得、仕上圧延機15入側でシートバー60に必要とされる目標温度と、温度分布M2とを比較し、誘導加熱装置14によるシートバー60の加熱の要否を判断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱延鋼帯を製造する熱間圧延工程において、粗圧延機で粗圧延されたシートバーを、仕上圧延機の上流側に設置した誘導加熱装置で加熱するシートバー加熱方法に関するものである。
従来、熱間圧延工程において、スラブを加熱炉で加熱し、加熱されたスラブを粗圧延機で粗圧延してシートバーとし、粗圧延されたシートバーを仕上圧延機で仕上げ圧延して熱延鋼帯としている。シートバーを仕上げ圧延して熱延鋼帯とするにあたり、シートバーを加熱装置で加熱し、熱延鋼帯が仕上圧延機の出側において長手方向に一定の温度を有するようにシートバーを温度制御して、熱延鋼帯の品質向上を図っている。シートバーを加熱する加熱装置として、例えば、ソレノイド型の誘導加熱装置が使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
ソレノイド型の誘導加熱装置はシートバーを加熱するにあたって、まず、誘導加熱装置の入側に設置された温度計が粗圧延されたシートバーの長手方向特定位置の温度を測定する。そして、誘導加熱装置の制御部は前記の長手方向特定位置に対して誘導加熱装置が印加するべき加熱電力を算出し、算出した加熱電力を誘導加熱装置に印加している。加熱電力は、シートバーの長手方向の長さ、板厚、鋼種、前記の測定された温度、仕上圧延機における搬送速度、仕上圧延機の入側において必要とされる目標温度を用いた関数により計算される。
ところで、シートバーの加熱はその長手方向全体にわたり必要ではないので、必要に応じて誘導加熱装置の電力の負荷と無負荷を切り替えて加熱電力を少なくすることができる。このような切換はシートバーが誘導加熱装置内を通過中に行うことになるが実際には行い得ない。というのは、切換により生じる大きな突入電流がシートバーの品質に悪影響を与えるからである。このため、誘導加熱装置には最小限の印加電力(最小限加熱電力)が常時印加されている。
特開昭62−185829号公報
しかしながら、従来からのソレノイド型の誘導加熱装置の加熱電力を制御する方法では、以下に述べる問題があった。
すなわち、シートバーのなかには全長にわたり誘導加熱をしなくても目標温度に達することができるものがあり、このような本来加熱する必要がないシートバーに対しても、最小限加熱電力を誘導加熱装置に印加し連続加熱することとなっており、誘導加熱装置は加熱電力を無駄に消費しており、省エネルギーの観点から好ましくない。
本発明は、上記した従来の技術の問題点を除くためになされたものであり、その目的とするところは、粗圧延機を出たシートバーが、加熱を必要とするシートバーである場合にのみ、誘導加熱装置に加熱電力を印加可能であり、誘導加熱装置の省エネルギー運転を可能とするシートバー加熱方法を提供することである。
本発明はその課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明に係るシートバー加熱方法は、加熱炉で加熱されたスラブを、粗圧延機で粗圧延してシートバーとし、シートバーを仕上圧延機で仕上げ圧延して熱延鋼帯とする熱間圧延工程において、粗圧延したシートバーを、仕上圧延機の上流側に設置した誘導加熱装置により加熱する加熱方法であって、前記粗圧延機で粗圧延されたシートバーの先端の温度を、前記誘導加熱装置の上流側で測定し、前記粗圧延機で粗圧延されたシートバーが、前記誘導加熱装置で加熱されずに、前記仕上圧延機の入側に搬送されると仮定し、前記仮定下で、粗圧延されたシートバーが前記仕上圧延機の入側で有する長手方向の温度分布を、前記先端の温度から推定し、前記仕上圧延機の入側においてシートバーに必要とされる目標温度分布と、推定された前記温度分布とを比較し、推定された前記温度分布中に、前記目標温度よりも低温となる部分が存在する場合には、前記誘導加熱装置でシートバーの加熱を行ってから、前記仕上圧延機で仕上げ圧延を行うこととし、推定された前記温度分布中に、前記目標温度よりも低温となる部分が存在しない場合には、前記誘導加熱装置でシートバーの加熱を行わずに、前記仕上圧延機で仕上げ圧延を行うこととする。
粗圧延機で粗圧延されたシートバーは、粗圧延機を出て、その先端から尾端にかけて時間とともに温度が降下し冷却していく。シートバーの各部分が粗圧延機を出てから仕上圧延機の入側に到達するまでの時間と、シートバーの鋼種、板厚とから、シートバーの各部分が仕上圧延機の入側に到達するまでに冷却される温度降下量を計算することができる。この温度降下量は、差分法により算出することが可能であり、また、実際に測定したシートバーの温度降下量の実績から回帰計算により算出することも可能である。そして、計算した温度降下量と、粗圧延されたシートバーの先端の温度とから、粗圧延機を出た後のシートバーの長手方向の温度分布を算出できる。
したがって、粗圧延機で粗圧延されたシートバーが誘導加熱装置に進入する前に、予め、そのシートバーがそのまま加熱されることなく仕上圧延機により仕上げ圧延されると仮定し、その仮定下におけるシートバーの長手方向の温度分布を算出して推定することができる。そして、シートバーが実際に誘導加熱装置に進入する前に、そのシートバーを誘導加熱装置により加熱しなければならないか否かを、推定したシートバーの温度分布から知ることができる。
請求項2の発明に係るシートバー加熱方法は、加熱炉で加熱されたスラブを、粗圧延機で粗圧延してシートバーとし、シートバーを仕上圧延機で仕上げ圧延して熱延鋼帯とする熱間圧延工程において、粗圧延したシートバーを、仕上圧延機の上流側に設置した誘導加熱装置により加熱する加熱方法であって、前記加熱炉で加熱されたスラブの先端の温度と、このスラブの長手方向中間部の温度とを測定又は推定し、これら温度の差を過加熱温度として記憶しておき、前記粗圧延機で粗圧延されたシートバーの先端の温度を測定し、前記粗圧延機で粗圧延されたシートバーが、前記誘導加熱装置で加熱されずに、前記仕上圧延機の入側に搬送されると仮定し、前記仮定下で、粗圧延されたシートバーが前記仕上圧延機の入側で有する長手方向の温度分布を、シートバーの前記先端の温度から推定し、推定された前記温度分布を、前記過加熱温度に相当する温度だけ低温側にシフトして修正し、前記仕上圧延機の入側においてシートバーに必要とされる目標温度分布と、修正された前記温度分布とを比較し、修正された前記温度分布中に、前記目標温度よりも低温となる部分が存在する場合には、前記誘導加熱装置でシートバーの加熱を行ってから、前記仕上圧延機で仕上げ圧延を行うこととし、修正された前記温度分布中に、前記目標温度よりも低温となる部分が存在しない場合には、前記誘導加熱装置でシートバーの加熱を行わずに、前記仕上圧延機で仕上げ圧延を行うこととする。
スラブを加熱する加熱炉内の条件によっては、加熱完了後のスラブの温度分布が不均一となり、スラブの先端側部分や尾端側部分が局所的に過加熱状態となって高温化していることがある。局所的な過加熱状態を有するスラブが、粗圧延機によって粗圧延されてシートバーとなると、粗圧延されたシートバーには局所的な過加熱状態が残存する。加熱完了時のスラブの先端の温度と長手方向中間部の温度を測定し、測定されたスラブの先端の温度と中間部の温度との差を過加熱温度として求めることにより、スラブに生じた先端側部分の過加熱状態の程度を知ることができる。
なお、過加熱温度を求めるにあたって、温度を測定するスラブの長手方向中間部の位置は、例えば、以下のようにして定めることができる。すなわち、過加熱状態によって高温化している先端側部分の長手方向長さを、スラブの鋼種、スラブの形状、加熱炉内の状態から、実験又は計算により予め求めておく。そして、スラブにおいて、過加熱状態による高温化の影響を受けていない中間部の位置を求める。過加熱状態による高温化の影響を受けていない中間部のうちで、最も、スラブの先端寄りの位置を、温度を測定するスラブの長手方向中間部の位置とする。
シートバーが誘導加熱装置によって加熱されずに仕上圧延機により仕上げ圧延されると仮定し、この仮定下で、仕上圧延機の入側におけるシートバーの長手方向の温度分布を推定するに際して、まず、シートバーの先端の温度に基づいて温度分布を推定する。推定される温度分布は、過加熱状態にあって高温化しているシートバーの先端の温度に基づいて計算しているので、過加熱温度分だけ高温側に偏っている。したがって、推定された温度分布を過加熱温度に相当する温度だけ低温側にシフトさせて修正すると、過加熱温度による偏りを補正することができる。すなわち、先端が過加熱状態にあるシートバーに対して、過加熱温度による影響を除去して修正した温度分布を用いて、そのシートバーが誘導加熱装置による加熱を必要としているか否かを正しく判断できる。
本発明は、上記のようなシートバー加熱方法であるので、粗圧延機を出たシートバーに対して、加熱が必要なシートバーのみ加熱可能であり、誘導加熱装置の省エネルギー運転を可能とするシートバー加熱方法を提供できるという効果がある。そして、本発明は、誘導加熱装置の電力の負荷と無負荷の切換により生じる大きな突入電流がシートバーの品質に悪影響を与えることも無いのである。
本発明を実施するための最良の形態を図1から図5を参照して説明する。
図1に示すように、熱延鋼帯を製造する熱間圧延工程の圧延設備10は、加熱炉12、粗圧延機13、誘導加熱装置14、仕上圧延機15と、誘導加熱装置14を制御する制御部20とからなり、上流側から順番に加熱炉12、粗圧延機13、誘導加熱装置14、仕上圧延機15が並んでいる。加熱炉12から仕上圧延機15まで搬送装置16を介して連続してつながっている。
加熱炉12は、従来から熱間圧延工程において使用されているものと同様の構成を有し、加熱炉12内でスラブ50を加熱可能に構成されている。
搬送装置16は、従来から熱間圧延工程において使用されているものと同様の構成を有し、搬送装置16が加熱炉12で加熱されたスラブ50を加熱炉12から粗圧延機13へ搬送可能に構成されている。粗圧延機13の上流側において、搬送装置16には、位置測定センサ17aと温度計18aとが設置されており、位置測定センサ17aが搬送装置16により粗圧延機13へ搬送されるスラブ50の位置を検出し、温度計18aがスラブ50の先端の温度T1tと、スラブ50の長手方向の所定の位置にある中間部の温度T1mとを測定し、温度計18aが測定したスラブ50の温度T1t、T1mを制御部20へ送信可能に構成されている。
なお、スラブ50において、温度T1mが測定される位置は、スラブ50の長手方向の中間部にあり、以下のようにして前もって定められている。すなわち、加熱炉12内におけるスラブ50の加熱状況を、予め、圧延設備10の運転条件から予測し、加熱炉12内での過加熱によって高温化するスラブ50の先端側の部分の長手方向の長さを、実験又は計算により求めておく。そして、スラブ50において、過加熱によって高温化されていない中間部のうち、最も先端寄りの位置を温度T1mが測定される位置とする。例えば、温度T1mが測定される位置は、スラブ50の先端からスラブ50の長手方向長さの10%に相当する距離だけ尾端寄りの位置と前もって決定されている。なお、温度T1m及びT1mを測定する中間部については、後記する図3及び式(1)を参照しながら詳述する。
粗圧延機13は、従来から熱間圧延工程において使用されているものと同様の構成を有し、加熱炉12で加熱されたスラブ50をシートバー60に粗圧延可能に構成されている。
搬送装置16が粗圧延機13で粗圧延されたシートバー60を粗圧延機13から誘導加熱装置14へ搬送可能に構成されている。誘導加熱装置14の上流側で、搬送装置16には、位置測定センサ17bと温度計18bとが設置されており、粗圧延機13の出側で位置測定センサ17bが粗圧延されたシートバー60の先端を検出し、温度計18bがシートバー60の先端の温度T2tを測定し、温度計18bが測定したシートバー60の温度T2tを制御部20へ送信可能に構成されている。
誘導加熱装置14は、ソレノイド型の誘導加熱装置であり、従来から熱間圧延工程において使用されているものと同様の構成を有し、粗圧延機13を出て仕上圧延機15に進入するシートバー60を加熱可能に構成されている。また、誘導加熱装置14に印加される加熱電圧Wが制御部20によって制御される構成となっている。
仕上圧延機15は、従来から熱間圧延工程において使用されているものと同様の構成を有し、誘導加熱装置14を出たシートバー60を熱延鋼帯70に仕上げ圧延可能に構成されている。
制御部20は、誘導加熱装置14の加熱電力Wを制御可能に構成されており、過加熱温度計算部22、推定温度分布計算部23、推定温度分布補正部24、加熱要否判定部25及び加熱電力設定部26を有する。
過加熱温度計算部22は、温度計18aが測定したスラブ50の温度T1t、T1mより過加熱温度Tohを推定(算出)可能に構成されている。なお、Tohについては後の式(1)の説明でも触れる。
推定温度分布計算部23は、粗圧延されたシートバー60が誘導加熱装置14で加熱されずに仕上圧延機15により仕上げ圧延されると仮定したときの仕上圧延機15の入側におけるシートバー60の長手方向の推定温度分布M1を算出可能に構成されている。
推定温度分布補正部24は、推定温度分布計算部23が算出したシートバー60の推定温度分布M1を過加熱温度計算部22が算出した過加熱温度Tohにより修正して修正後の推定温度分布M2を算出可能に構成されている。
加熱要否判定部25は、推定温度分布補正部24が算出した修正後の推定温度分布M2と仕上圧延機15の入側においてシートバー60の長手方向各部分に必要とされる目標温度Taの分布M3とを比較して誘導加熱装置14によるシートバー60の加熱の要否を判定可能に構成されている。
加熱電力設定部26は、誘導加熱装置14に印加する加熱電力Wを算出可能に構成されている。
また、制御部20はメモリ28を有しており、メモリ28には、冷却係数KのデータがデータテーブルD1として記憶されており、仕上圧延機15に進入するシートバー60の速度パターンPのデータがデータテーブルD2として記憶されており、仕上圧延機15入側においてシートバー60の長手方向各部分に必要とされる目標温度TaのデータがデータテーブルD3として記憶されている。
ここで、冷却係数Kとは、推定温度分布計算部23がシートバー60の長手方向の推定温度分布M1を算出する際に使用する数値データであり、シートバー60の単位時間あたりの冷却速度を示す係数であり、シートバー60の鋼種X及び板厚Yごとに冷却係数Kが定まっている。
また、シートバー60の速度パターンPとは、シートバー60の長手方向の各部分が仕上圧延機15により仕上げ圧延される際の仕上圧延速度Vのデータであり、シートバー60の鋼種X及び板厚Yごとに定まっている。シートバー60の先端側部分及び尾端側部分の仕上圧延速度Vは、シートバー60の中間部分の仕上圧延速度Vよりも遅くなっている。
図2に、シートバー60の速度パターンPの一例を示す。図2の縦軸には仕上圧延速度Vをとり、横軸にはシートバー60の長手方向の位置をとってある。
さらに、シートバー60の各部分に必要とされる目標温度Ta(目標温度分布)とは、仕上圧延機15出側において、仕上げ圧延されて熱延鋼帯70となったシートバー60が均一な温度分布を有するために、シートバー60の長手方向の各部分が仕上圧延機15入側において有するべき温度のことをいい、シートバー60の鋼種X及び板厚Yと、シートバー60の速度パターンPとに応じて定まっている。
また、制御部20はデータ入力部27を有しており、シートバー60の鋼種X、板厚Yを入力可能となっており、入力されたシートバー60の鋼種X、板厚Yをメモリ28に記憶可能に構成されている。
本実施の形態は上記のように構成されており、次に、その作用について説明する。
圧延設備10を運転し、熱延鋼帯を製造するにあたって、まず、オペレータがシートバー60の鋼種X、板厚Yをデータ入力部27に入力し、シートバー60の鋼種X、板厚Yをメモリ28に記憶させる。なお、これらデータは工程管理用ホストコンピュータからデータ入力部27に入力してもよい。
そして、スラブ50を加熱炉12内で加熱し、加熱されたスラブ50が搬送装置16によって加熱炉12から粗圧延機13の手前まで搬送される。搬送装置16上のスラブ50の位置を位置測定センサ17aが測定し、温度計18aが位置測定センサ17aの測定結果に応じてスラブ50のスラブ50の温度T1t、T1mを測定する。測定された温度T1t、T1mは、制御部20の過加熱温度計算部22へ送られる。なお、前記測定される温度に代えて、加熱炉内におけるスラブの配置および炉内の温度等に基づく差分法を用いて得る推定温度を用いてもよい。
過加熱温度計算部22では、温度計18aから送られてきたスラブ50の温度T1t、T1mから、次式(1)により過加熱温度Tohを算出し、過加熱温度Tohをメモリ28に記憶する。
oh=T1t−T1m … (1)
図3に、スラブ50の長手方向の温度分布の一例を示す。図3の縦軸には温度、横軸にはスラブの長手方向の位置をとってある。図3において、温度T1mとなっている長手方向位置よりも先端側の部分が過加熱により高温化している。
搬送装置16によって粗圧延機13の手前まで搬送されたスラブ50は、引き続き粗圧延機13に進入し、粗圧延機13により粗圧延されてシートバー60となる。粗圧延機13により粗圧延されたシートバー60は、搬送装置16によって誘導加熱装置14の手前まで搬送される。
誘導加熱装置14の手前まで搬送されたシートバー60は、その先端を位置測定センサ17bにより検出され、温度計18bがシートバー60の先端の温度T2tを測定し、測定された温度T2tは制御部20の推定温度分布計算部23へ送られる。
推定温度分布計算部23は、メモリ28からシートバー60の鋼種Xと板厚Yとを読み取るとともに、読み取ったシートバー60の鋼種Xと板厚Yに対応する冷却係数Kと速度パターンPとをメモリ28のデータテーブルD1、D2からそれぞれ読み取る。そして、シートバー60が誘導加熱装置14により加熱されずに、そのまま仕上圧延機15の入側へ速度パターンPにしたがって搬送されると仮定し、この仮定下で、シートバー60の長手方向各部分が仕上圧延機15の入側で有する推定温度を次に具体的に示す方法で計算し、推定温度を長手方向に連続して算出し、シートバー60の推定温度分布M1を得る。
具体的には、シートバー60の先端の温度T2tを測定してからシートバー60の長手方向各部分が仕上圧延機15入側に達するまでの時間tを、速度パターンPから算出する。そして、算出した時間tと冷却係数Kとを掛け合わせ、シートバー60の長手方向各部分が仕上圧延機15入側に達したときまでに冷却される温度降下量ΔTを算出する。そして、算出した温度降下量ΔTをシートバー60の先端の温度T2tから減じ、シートバー60の長手方向各部分における推定温度を計算する。この計算をシートバー60の長手方向各部分について連続して行い、シートバー60の長手方向の推定温度分布M1を得る。そして、温度T2t及び得られた推定温度分布M1をメモリ28に記憶する。
図4(i)に得られた推定温度分布M1の一例を示す。図4(i)の縦軸には温度をとり、横軸にはシートバーの長手方向の位置をとってある。
次に、推定温度分布補正部24が、推定温度分布M1と過加熱温度Tohとをメモリ28から読み出す。そして、推定温度分布補正部24は、シートバー60の長手方向に連続する推定温度分布M1を過加熱温度Tohに相当する温度だけ低温側へシフトして修正し、修正後の温度分布を改めて推定温度分布M2とする(図4(ii)を参照)。推定温度分布補正部24は、修正後の推定温度分布M2をメモリ28に記憶する。
次に、加熱要否判定部25が、メモリ28からシートバー60の鋼種Xと板厚Yとを読み取るとともに、読み取ったシートバー60の鋼種Xと板厚Yに対応する目標温度Taをメモリ28のデータテーブルD3から読み取る。目標温度Taをシートバー60の長手方向の各位置について連続して読み取り、目標温度Taの分布M3を得る。そして、修正後の推定温度分布M2をメモリ28から読み取り、修正後の推定温度分布M2を、目標温度Taの分布M3と比較し、修正後の推定温度分布M2中に目標温度Taの分布M3よりも低温側にある部分が存在するか否かを判断する。
図5(i)に、修正後の推定温度分布M2中に目標温度Taの分布M3よりも低温側にある部分が存在する場合の一例を示し、図5(ii)に修正後の推定温度分布M2中に目標温度Taの分布M3よりも低温側にある部分が存在しない場合の一例を示す。図5(i)、(ii)の縦軸に温度をとり、横軸にシートバーの長手方向の位置をとってあり、修正後の推定温度分布M2を実線で示し、目標温度Taの分布M3を点線で示す。
図5(i)に示すように、修正後の推定温度分布M2中に目標温度Taの分布M3より低温となっている部分が存在する場合、加熱要否判定部25は、誘導加熱装置14によるシートバー60の加熱が必要であると判断し、誘導加熱装置14によりシートバー60の加熱を行う旨の信号S1が加熱電力設定部26へ送られる。
加熱電力設定部26は、誘導加熱装置14によりシートバー60の加熱を行う旨の信号S1を加熱要否判定部25から受け取ると、メモリ28からシートバー60の先端の温度T2t、鋼種X、板厚Yとを読み取るとともに、読み取ったシートバー60の鋼種Xと板厚Yに対応する目標温度Taと速度パターンPとをメモリ28のデータテーブルD2、D3からそれぞれ読み取る。最初に、シートバー60の先端が誘導加熱装置14に進入する前の状態で、誘導加熱装置14へ印加される加熱電力Wを最小限加熱電力Wminとし、この最小限加熱電力Wminを誘導加熱装置14に印加する。そして、シートバー60の先端が誘導加熱装置14に進入する際に、誘導加熱装置14へ印加される加熱電力Wの計算を次式(2)により表される関数fを用いて行う。
W=f(X、Y、Ta、Vt) … (2)
ただし、式(2)中で、Vtは、シートバー60の先端が仕上圧延機15において仕上げ圧延されるときの圧延速度であり、速度パターンPから読み取られた値である。
加熱電力設定部26は、式(2)によって算出した加熱電力Wを誘導加熱装置14に印加する。そして、誘導加熱装置14で加熱されたシートバー60は、仕上圧延機15へ搬送装置16により搬送される。
そして、誘導加熱装置14で加熱されたシートバー60は、仕上圧延機15により仕上げ圧延され、熱延鋼帯70となる。仕上圧延機15へ搬送されるシートバー60の長手方向の各部分は、仕上圧延機15入側において、所定の目標温度Taとなっており、仕上圧延機15を出た熱延鋼帯70は、長手方向の温度分布が一定となっており、その品質も一定したものとなっている。
また、図5(ii)に示すように、修正後の推定温度分布M2中に目標温度Taの分布M3より低温となっている部分が存在しない場合、加熱要否判定部25は、誘導加熱装置14によるシートバー60の加熱が不必要であると判断し、誘導加熱装置14によりシートバー60の加熱を行わない旨の信号S2が加熱電力設定部26へ送られる。
加熱電力設定部26は、誘導加熱装置14によりシートバー60の加熱を行わない旨の信号S2を加熱要否判定部25から受け取ると、誘導加熱装置14に印加する加熱電力Wの値を零とし、誘導加熱装置14を停止させる。そして、シートバー60は、停止状態にある誘導加熱装置14を通って仕上圧延機15へ搬送装置16により搬送され、仕上圧延機15により仕上げ圧延され熱延鋼帯70となる。仕上圧延機15へ搬送されるシートバー60の長手方向の各部分は、仕上圧延機15入側において、所定の目標温度Taとなっており、仕上圧延機15を出た熱延鋼帯70は、長手方向の温度分布が一定となっており、その品質も一定したものとなっている。
したがって、制御部20が誘導加熱装置14によるシートバー60の加熱の要否を判断することにより、誘導加熱装置14によるシートバー60の加熱が不要な場合には、誘導加熱装置14によるシートバー60の加熱は行われず、誘導加熱装置14による不必要な電力消費が防止されている。
なお、本実施の形態において、推定温度分布補正部24が、推定温度分布M1を過加熱温度Tohを用いて修正して推定温度分布M2を得ている。しかし、加熱炉12におけるスラブ50の加熱状態が安定しており、加熱炉12内でスラブ50は一様に加熱され、スラブ50の先端側部分に過加熱状態を生じないことがわかっている場合には、過加熱温度計算部22における演算と、推定温度分布補正部24における演算を行わないこととすることも可能である。
すなわち、この場合には、制御部20において、まず、推定温度分布計算部23がシートバー60の推定温度分布M1を算出する。そして、加熱要否判定部25が、推定温度分布M1と、目標温度Taの温度分布M3とを比較し、推定温度分布M1に目標温度Taの温度分布M3より低温側にある部分が存在するか否かを判断する。推定温度分布M1に目標温度Taの温度分布M3より低温側にある部分が存在する場合、誘導加熱装置14によるシートバー60の加熱を行うこととし、推定温度分布M1に目標温度Taの温度分布M3より低温側にある部分が存在しない場合、誘導加熱装置14によるシートバー60の加熱は行わないこととする。
本発明に係るシートバー加熱方法が適用される熱間圧延工程の構成図である。 シートバーの長手方向位置と仕上圧延速度との関係の説明図である。 加熱炉での加熱を完了したスラブの長手方向の各位置と、各位置の温度との関係図である。 シートバーの推定温度分布の説明図であり、(i)は過加熱温度による修正を加えていない推定温度分布の説明図、(ii)は過加熱温度による修正を加えた推定温度分布の説明図である。 シートバーの推定温度分布と目標温度の温度分布との比較を示す説明図である。
符号の説明
10 圧延設備
12 加熱炉
13 粗圧延機
14 誘導加熱装置
15 仕上圧延機
16 搬送装置
17a、17b 位置測定センサ
18a、18b 温度計
20 制御部
22 過加熱温度計算部
23 推定温度分布計算部
24 推定温度分布補正部
25 加熱要否判定部
26 加熱電力設定部
27 データ入力部
28 メモリ
50 スラブ
60 シートバー
70 熱延鋼帯
D1 冷却係数のデータテーブル
D2 速度パターンのデータテーブル
D3 目標温度のデータテーブル
X 鋼種
Y 板厚
1t スラブの先端の温度
1m スラブの中間部の温度
oh 過加熱温度
2t シートバーの先端の温度
a 目標温度
K 冷却係数
P 速度パターン
1 過加熱温度による修正を施していない温度分布
2 過加熱温度による修正を施した温度分布
3 目標温度の分布
S1 シートバーの加熱を行う旨の信号
S2 シートバーの加熱を行わない旨の信号
W 加熱電力

Claims (2)

  1. 加熱炉で加熱されたスラブを、粗圧延機で粗圧延してシートバーとし、シートバーを仕上圧延機で仕上げ圧延して熱延鋼帯とする熱間圧延工程において、粗圧延したシートバーを、仕上圧延機の上流側に設置した誘導加熱装置により加熱する加熱方法であって、
    前記粗圧延機で粗圧延されたシートバーの先端の温度を、前記誘導加熱装置の上流側で測定し、
    前記粗圧延機で粗圧延されたシートバーが、前記誘導加熱装置で加熱されずに、前記仕上圧延機の入側に搬送されると仮定し、
    前記仮定下で、粗圧延されたシートバーが前記仕上圧延機の入側で有する長手方向の温度分布を、前記先端の温度から推定し、
    前記仕上圧延機の入側においてシートバーに必要とされる目標温度分布と、推定された前記温度分布とを比較し、
    推定された前記温度分布中に、前記目標温度よりも低温となる部分が存在する場合には、前記誘導加熱装置でシートバーの加熱を行ってから、前記仕上圧延機で仕上げ圧延を行うこととし、
    推定された前記温度分布中に、前記目標温度よりも低温となる部分が存在しない場合には、前記誘導加熱装置でシートバーの加熱を行わずに、前記仕上圧延機で仕上げ圧延を行うこととすることを特徴とするシートバー加熱方法。
  2. 加熱炉で加熱されたスラブを、粗圧延機で粗圧延してシートバーとし、シートバーを仕上圧延機で仕上げ圧延して熱延鋼帯とする熱間圧延工程において、粗圧延したシートバーを、仕上圧延機の上流側に設置した誘導加熱装置により加熱する加熱方法であって、
    前記加熱炉で加熱されたスラブの先端の温度と、このスラブの長手方向中間部の温度とを測定又は推定し、これら温度の差を過加熱温度として記憶しておき、
    前記粗圧延機で粗圧延されたシートバーの先端の温度を測定し、
    前記粗圧延機で粗圧延されたシートバーが、前記誘導加熱装置で加熱されずに、前記仕上圧延機で仕上げ圧延されると仮定し、
    前記仮定下で、粗圧延されたシートバーが前記仕上圧延機の入側で有する長手方向の温度分布を、シートバーの前記先端の温度から推定し、
    推定された前記温度分布を、前記過加熱温度に相当する温度だけ低温側にシフトして修正し、
    前記仕上圧延機の入側においてシートバーに必要とされる目標温度分布と、修正された前記温度分布とを比較し、
    修正された前記温度分布中に、前記目標温度よりも低温となる部分が存在する場合には、前記誘導加熱装置でシートバーの加熱を行ってから、前記仕上圧延機で仕上げ圧延を行うこととし、
    修正された前記温度分布中に、前記目標温度よりも低温となる部分が存在しない場合には、前記誘導加熱装置でシートバーの加熱を行わずに、前記仕上圧延機で仕上げ圧延を行うこととすることを特徴とするシートバー加熱方法。
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