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JP2006024913A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用透光性正極および発光素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用透光性正極および発光素子 Download PDF

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JP2006024913A
JP2006024913A JP2005168117A JP2005168117A JP2006024913A JP 2006024913 A JP2006024913 A JP 2006024913A JP 2005168117 A JP2005168117 A JP 2005168117A JP 2005168117 A JP2005168117 A JP 2005168117A JP 2006024913 A JP2006024913 A JP 2006024913A
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JP2005168117A
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Munetaka Watanabe
宗隆 渡辺
Noritaka Muraki
典孝 村木
Yasushi Ono
泰 大野
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

【課題】 電子線照射や高温アニールまたは酸素雰囲気下での合金化熱処理等を必要とせず、かつ良好な透光性と低接触抵抗を有する電流拡散性に優れた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用正極を提供すること。
【解決手段】 p型半導体層に接するコンタクトメタル層、ボンディングパッドおよび該コンタクトメタル層上の一部に設けられ、その導電率がコンタクトメタル層以上の値である電流拡散層からなることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用透光性正極。
【選択図】 図1

Description

本発明は透光性正極、特に窒化ガリウム(GaN)系化合物半導体発光素子用に適した良好な透光性とオーミック性を有する透光性正極および発光素子に関する。
近年、短波長光発光素子用の半導体材料としてGaN系化合物半導体材料が注目を集めている。GaN系化合物半導体は、サファイア単結晶を始めとして、種々の酸化物やIII−V族化合物を基板として、その上に有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等によって形成される。
GaN系化合物半導体材料の特性として、横方向への電流拡散が小さいことがある。原因は、エピタキシャル結晶中に多く存在する、基板から表面へ貫通する転位の存在であることが考えられるが、詳しいことは判っていない。さらに、p型のGaN系化合物半導体においてはn型のGaN系化合物半導体に比べて抵抗率が高くその表面に金属を積層しただけではp型半導体層内の横の電流の広がりはほとんど無く、pn接合を持ったLED構造とした場合正極の直下しか発光しない。
そのため、電子線照射や高温のアニールを行なってp型半導体層の抵抗率を下げることで電流の拡散性を強めることが行なわれている。しかし、電子線照射は装置が非常に高価で製造コストが見合わなくなる。またウェーハ面内を均一に処理することは難しい。高温のアニール処理においても効果が顕著に現れる為には900℃以上のプロセスが必要となるがその際GaNの結晶構造の分解が始まり、窒素の脱離による逆方向電圧特性の劣化が危惧される。
また、正極としてp型半導体層上にNiとAuを各々数10nm程度積層させ酸素雰囲気下で合金化処理を行い、p型半導体層の低抵抗化の促進および透光性とオーミック性を有した正極の形成を行なうことが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、酸素雰囲気下での合金化処理については露出したn型GaN層の表面に酸化物層が形成され負極のオーミック性に影響を与える。さらに酸化雰囲気合金化処理されたAu/Ni電極は網目構造を有しており発光むらが起こりやすいことや機械強度が弱く保護膜の設置が必須となり製造コストの上昇につながる。さらにNiを酸素雰囲気下で熱処理する為、Niの酸化物が表面を覆い透光性電極上にパッド電極を形成するとその密着性が弱くボンディング強度が得られない。
また、正極としてp型半導体層上にPtを形成し酸素を含む雰囲気中で熱処理し、p型半導体層の低抵抗化と合金化処理を同時に行なうことが提案されている(特許文献2)。しかし、この方法も酸素雰囲気下で熱処理するため、上述の問題を有する。さらに、Pt単体で良好な透明電極とするためには相当薄く(5nm以下)しなければならないが、結果としてPt層の電気抵抗が高くなり、熱処理によりPt層の低抵抗化が成されたとしても電流の広がりが悪く、不均一な発光となり順方向電圧(VF)の上昇および発光強度の低下を招く。
特許第2803742号公報 特開平11−186605号公報
本発明の目的は、上述の問題点を解決する為に、電子線照射や高温アニールまたは酸素雰囲気下での合金化熱処理等を必要とせず、かつ良好な透光性と低接触抵抗を有する電流拡散性に優れた正極を提供することである。本発明において透光性とは、300〜600nmの波長領域における光に対して透光性(透過率20%以上)であることを意味する。
本発明は、以下の発明を提供する。
(1)p型半導体層に接するコンタクトメタル層、ボンディングパッドおよび該コンタクトメタル層上の一部に設けられ、その導電率がコンタクトメタル層以上の値である電流拡散層からなることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用透光性正極。
(2)電流拡散層がボンディングパッドと負極の最短電流流路領域の外側に主に配置されていることを特徴とする上記1項に記載の透光性正極。
(3)電流拡散層の一部がボンディングパッドと近接または接続していることを特徴とする上記1または2項に記載の透光性正極。
(4)電流拡散層の一部が最短電流流路領域内にあるかまたは近接していることを特徴とする上記1〜3項のいずれか一項に記載の透光性正極。
(5)コンタクトメタル層が白金族金属またはその合金からなることを特徴とする上記1〜4項のいずれか一項に記載の透光性正極。
(6)コンタクトメタル層が白金、ロジウム、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムからなる群から選ばれた金属またはそれらの金属の少なくとも一種を含む合金からなることを特徴とする上記5項に記載の透光性正極。
(7)コンタクトメタル層が白金またはその合金からなることを特徴とする上記6項に記載の透光性正極。
(8)コンタクトメタル層の厚さが0.1〜7.5nmであることを特徴とする上記1〜7項のいずれか一項に記載の透光性正極。
(9)コンタクトメタル層の厚さが0.1〜5nmであることを特徴とする上記8項に記載の透光性正極。
(10)電流拡散層の面積がコンタクトメタル層の面積(ボンディングパッドの領域を除く)の5%〜50%であることを特徴とする上記1〜9項のいずれか一項に記載の透光性正極。
(11)電流拡散層がコンタクトメタル層と同一材料からなることを特徴とする上記1〜10項のいずれか一項に記載の透光性正極。
(12)電流拡散層が金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、白金族金属およびこれらの金属の少なくとも一種を含む合金からなる群から選ばれることを特徴とする上記1〜11項のいずれか一項に記載の透光性正極。
(13)電流拡散層が金またはその合金からなることを特徴とする上記12項に記載の透光性正極。
(14)基板上にn型半導体層、発光層およびp型半導体層がこの順序で積層され、n型半導体層およびp型半導体層に負極および正極がそれぞれ設けられた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、正極が請求項1〜13のいずれか一項に記載された透光性正極であることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
(15)請求項14に記載の発光素子を使用したランプ。
p型GaN系化合物半導体と接触抵抗の低い金属、例えば白金族金属の薄膜をコンタクトメタル層とし、そのコンタクトメタル層上において電流の拡散が不十分な領域に電流拡散層を設けた本発明の透光性正極は、正極の面方向での電流の拡がりが改良される。また、電流の拡散が十分な領域のコンタクトメタル層は薄膜の状態を維持することで輝度の低下が抑えられる。その結果、順方向電圧(VF値)が低くかつ高輝度の発光素子の製造が可能となった。
図1は、本発明の透光性正極を有する発光素子の一例の平面構造を示した模式図である。また、図2は図1の中心線A−Bで切断した断面構造を模式的に示した図である。11がコンタクトメタル層、12(121〜123)が電流拡散層、13がボンディングパッドであり、11〜13が本発明の透光性正極10を構成している。最短電流流路領域を斜線部30で示してある。1は基板である。2はGaN系化合物半導体層であり、n型半導体層3、発光層4およびp型半導体層5から構成される。6はバッファ層であり、20は負極である。
コンタクトメタル層に要求される性能としては、p型半導体層との接触抵抗が小さいことは必須である。さらに、発光層からの光を電極面側より取り出すフェイスアップマウント型の発光素子にあっては優れた光透過性が要求される。
コンタクトメタル層の材料はp型半導体層との接触抵抗の観点から、白金族金属またはその合金が好ましい。白金族金属としては白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)が好ましい。これらの中でもPtは、仕事関数が高く、高温熱処理を施していない比較的高抵抗なp型GaN系化合物半導体層に対して非加熱で良好なオーミック接触を得ることが可能なので、特に好ましい。
コンタクトメタル層を白金族金属で構成した場合、光透過性の観点から、その厚さを非常に薄くすることが必要である。コンタクトメタル層の厚さは、0.1〜7.5nmの範囲が好ましい。0.1nm未満では安定した薄層が得られ難い。7.5nmを超えると透光性が低下する。0.1〜5nmがさらに好ましい。また、その後の電流拡散層の形成による輝度の低下と成膜の安定性を考慮すると、0.5〜2.5nmの範囲が特に好ましい。
しかし、コンタクトメタル層の厚さを薄くすることでコンタクトメタル層の面方向の電気抵抗が高くなり、かつ比較的高抵抗なp型半導体層とあいまって、電流注入部であるボンディングパッドの周辺部および最短電流流路領域のみに集中して電流が拡がり、結果として発光素子周辺部への電流の広がりが不十分となり不均一な発光パターンとなって、発光出力が低下する。
本発明において最短電流流路領域とは、電流注入部であるボンディングパッドおよび負極の両者の外周に接する2本の直線(図1における31および32)に挟まれるコンタクトメタル層上の領域(図1における30)のことであり、ボンディングパッドから負極へ向う最短電流流路をコンタクトメタル層へ投影した領域である。この領域は正極から負極への電流の流れやすい領域、すなわち電流拡散の十分な領域である。
そこで、コンタクトメタル層の電流拡散性を補う手段として、導電率がコンタクトメタル層以上の金属膜からなる電流拡散層をコンタクトメタル層上に適切に配置することにより、コンタクトメタル層例えば白金族金属の低接触抵抗性や光透過率を大きく損なうことなく電流を均一に広げることが可能となり、結果として発光出力の高い発光素子を得ることが出来る。
電流拡散層を設ける目的は電流拡散の十分な領域(最短電流流路領域)から不十分な領域へ電流を導くことである。従って、電流拡散層は主に最短電流流路領域の外側に配置され、その一部がボンディングパッドおよび/または最短電流流路領域に接続または近接していることが好ましい。その結果、ボンディングパッドおよび/または最短電流流路領域から電流拡散層を経由して発光素子の周辺部にまで電流が十分拡散する。
本発明において、「主に」とは電流拡散層面積の50%以上が最短電流流路領域の外側に配置されていることを意味し、「近接して」とはボンディングパッドおよび/または最短電流流路領域から30μm以内を意味する。
電流拡散層がボンディングパッドに直接接続していることは必ずしも必要ではなく、電流拡散の十分な領域に対して近接もしくは接続していれば良い。これにより電流拡散層の面積は低く抑えることが可能となり、電流拡散層による発光の取り出し効率の低下を最小限に抑えることが出来る。
図1に示した例では、2本の電流拡散層121および122が最短電流流路領域30の外側の発光素子周辺部に設けられ、それらの中央部を繋ぐ電流拡散層123が設けられており、電流拡散層123の一部が最短電流流路領域30内にある。電流は、最短電流流路領域30から電流拡散層123を経由して電流拡散層121および122に流れ、発光素子周辺部に十分拡散する。
電流拡散層の別の一例を図3に示す。図3では、図1における電流拡散層123の替わりに、ボンディングパッド13が設けてある辺に沿って電流拡散層124および125が設けられ、それらの一端は電流拡散層121および122に接続しており、他端はボンディングパッド13に近接している。電流は、ボンディングパッド13から電流拡散層124および125を経由して電流拡散層121および122に流れ、発光素子周辺部に十分拡散する。
図1および図3はボンディングパッドと負極が発光素子の対向する辺の中央部に設けられている例であるが、ボンディングパッドと負極は発光素子の対角線上のコーナーに設けることもできる。図4および図5はその一例である。
図4では、負極およびボンディングパッドの無い隅部を挟んで発光素子周辺部に沿った2本の電流拡散層121および122が最短電流流路領域30の外側に設けられ、更にそれらの隅部を繋ぐ電流拡散層123が設けられ、電流拡散層123の一部が最短電流流路領域30内にある。電流は、最短電流流路領域30から電流拡散層123を経由して電流拡散層121および122に流れ、発光素子周辺部に十分拡散する。
図5では、図4における電流拡散層123の替わりに、正方形のボンディングパッド13の辺に近接して電流拡散層124および125が設けられ、それぞれの一端は電流拡散層121および122に接続している。電流は、ボンディングパッド13から電流拡散層124および125を経由して電流拡散層121および122に流れ、発光素子周辺部に十分拡散する。
一般に電流拡散層は光を十分透過しないので、その存在によって当然光透過率は低下する。従って、電流拡散層の面積はなるべく小さいほうが良いのであるが、あまり小さくしすぎると電流の拡散が不十分になる。光透過率および電流拡散両者の兼ね合いから、電流拡散層の面積はコンタクトメタル層(ボンディングパッドの領域を除く)の面積の5%〜50%が好ましい。10%〜40%がさらに好ましく、10%〜30%が特に好ましい。
上記面積を満足すれば、電流拡散層の形状は如何なる形状でもよい。例えば、幅が5μm〜30μmで適当な長さの矩形状の電流拡散層を適宜組み合せて用いることができる。
電流拡散層の厚さは特に制限されない。金属材料の場合、一般的に膜厚の増加に伴って光透過率は減少し、シート抵抗は低下する。高光透過率と低抵抗化による電流の拡散効果を両立させる為には5〜10nmの範囲とするのが好ましい。その結果、全面で発光し、かつ高出力な発光が得られる。
また、電流拡散層の膜厚を厚くしてよりシート抵抗を低下させた場合、電流拡散層の前記面積をより小さくすることで同様な効果が得られる。
電流拡散層の材料は、導電率の高い金属、例えばアルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、鉄、コバルト、白金族金属およびこれらの金属の少なくとも一種を含む合金からなる群から選ばれた金属が好ましい。これらの中でもアルミニウム、金、銀および銅が好ましい。特に、金またはその合金が好ましい。また、コンタクトメタル層と同一材料であっても良い。
コンタクトメタル層および電流拡散層の成膜方法については、特に制限されることはなく公知の真空蒸着法やスパッタ法を用いることができる。
ボンディングパッドについては、各種の材料を用いた各種の構造のものが知られており、これら公知のものを特に制限されることなく用いることが出来る。但し、コンタクトメタル層との密着性の良い材料を用いることが望ましく、厚さはボンディング時の応力に対してコンタクトメタル層へダメージを与えないよう十分厚くする必要がある。また最表層はボンディングボールとの密着性の良い材料とすることが望ましい。
本発明の透光性正極は、図2に示したような、基板上にバッファ層を介して窒化ガリウム系化合物半導体を積層し、n型半導体層、発光層およびp型半導体層を形成した従来公知の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に何ら制限無く用いることができる。
基板には、サファイア単結晶(Al23;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(MgAl24)、ZnO単結晶、LiAlO2単結晶、LiGaO2単結晶、MgO単結晶などの酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶およびZrB2などのホウ化物単結晶などの公知の基板材料を何ら制限なく用いることができる。なお、基板の面方位は特に限定されない。また、ジャスト基板でも良いしオフ角を付与した基板であっても良い。
n型半導体層、発光層およびp型半導体層は各種構造のものが周知であり、これら周知のものを何ら制限なく用いることができる。特にp型半導体層のキャリア濃度は一般的な濃度のものを用いるが、比較的キャリア濃度の低い、例えば1×1017cm-3程度のp型半導体層にも本発明の透光性正極は適用できる。
それらを構成する窒化ガリウム系化合物半導体としても、一般式AlxInyGa1-x-yN(0≦x<1,0≦y<1,0≦x+y<1)で表わされる各種組成の半導体が周知であり、本発明におけるn型半導体層、発光層およびp型半導体層を構成する窒化ガリウム系化合物半導体としても、一般式AlxInyGa1-x-yN(0≦x<1,0≦y<1,0≦x+y<1)で表わされる各種組成の半導体を何ら制限なく用いることができる。
これらの窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は特に限定されず、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハイドライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、などIII族窒化物半導体を成長させることが知られている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、膜厚制御性、量産性の観点からMOCVD法である。MOCVD法では、キャリアガスとして水素(H2)または窒素(N2)、III族原料であるGa源としてトリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチルアルミニウム(TEA)、In源としてトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)、V族原料であるN源としてアンモニア(NH3)、ヒドラジン(N24)などが用いられる。また、ドーパントとしては、n型にはSi原料としてモノシラン(SiH4)またはジシラン(Si26)を、Ge原料としてゲルマン(GeH4)を用い、p型にはMg原料としては例えばビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)またはビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム((EtCp)2Mg)を用いることができる。
基板上にn型半導体層、発光層およびp型半導体層が順次積層された窒化ガリウム系化合物半導体のn型半導体層に接して負極を形成するために、発光層およびp型半導体層の一部を除去して、n型半導体層を露出させる。その後残したp型半導体層上に本発明の透光性正極を形成し、露出させたn型半導体層上に負極を形成する。負極としては、各種組成および構造の負極が周知であり、これら周知の負極を何ら制限無く用いることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
図6は本実施例で作製した窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の平面構造を示した模式図であり、図7は図6の中心線A−Bで切断した断面構造を示した模式図である。サファイアからなる基板(1)上に、AlNからなるバッファ層(6)を介して、厚さ3μmのアンドープGaNからなる下地層(3a)、厚さ2μmのSiドープn型GaNコンタクト層(3b)、厚さ0.03μmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層(3c)、厚さ0.03μmのSiドープGaN障壁層および厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N井戸層を5回積層し、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層(4)、厚さ0.05μmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層(5a)、厚さ0.15μmのMgドープp型GaNコンタクト層(5b)を順に積層した窒化ガリウム系化合物半導体のp型GaNコンタクト層上に、厚さ1.5nmのPtコンタクトメタル層(11)、厚さ5nmのAu電流拡散層(12)およびAu/Ti/Al/Ti/Au5層構造(厚さはそれぞれ50/20/10/100/200nm)のボンディングパッド(13)よりなる本発明の正極(10)を形成した。次にn型GaNコンタクト層上にTi/Auの二層構造の負極(20)を形成し、光取り出し面を半導体側とした発光素子である。正極および負極の形状は図6に示したとおりである。
この構造において、n型GaNコンタクト層のキャリア濃度は1×1019cm-3であり、GaN障壁層のSiドープ量は1×1018cm-3であり、p型GaNコンタクト層のキャリア濃度は5×1018cm-3であり、p型AlGaNクラッド層のMgドープ量は5×1019cm-3であった。
窒化ガリウム系化合物半導体層の積層は、MOCVD法により、当該技術分野においてよく知られた通常の条件で行なった。また、正極および負極は次の手順で形成した。
初めに反応性イオンエッチング法によって負極を形成する部分のn型GaNコンタクト層を下記手順により露出させた。
まず、エッチングマスクをp型半導体層上に形成した。形成手順は以下の通りである。レジストを全面に一様に塗布した後、公知のリソグラフィー技術を用いて、正極領域からレジストを除去した。真空蒸着装置内にセットして、圧力4×10-4Pa以下でNiおよびTiをエレクトロンビーム法により膜厚がそれぞれ約50nmおよび300nmとなるように積層した。その後リフトオフ技術により、正極領域以外の金属膜(NiおよびTi)をレジストとともに除去した。
次いで、反応性イオンエッチング装置のエッチング室内の電極上に半導体積層基板を載置し、エッチング室を10-4Paに減圧した後、エッチングガスとしてCl2を供給してn型GaNコンタクト層が露出するまでエッチングした。エッチング後、反応性イオンエッチング装置より取り出し、上記エッチングマスクを硝酸およびフッ酸により除去した。
次に、公知のフォトリソグラフィー技術及びリフトオフ技術を用いて、p型GaNコンタクト層上の正極を形成する領域にのみ、Ptからなるコンタクトメタル層を真空蒸着法で形成した。引き続き同様の手法で、図6に示した様に1辺が350μmの正方形の発光素子の相対する2辺に沿った、幅20μm、長さ300μmの長方形の電流拡散層121および122と、それらの中央部を繋ぐ幅20μm、長さ260μmの長方形の電流拡散層123とで構成されるH型のAuからなる電流拡散層を形成した。さらに同様な手法でコンタクトメタル層上の一部にAuからなる第1の層、Tiからなる第2の層、Alからなる第3の層、Tiからなる第4の層、Auからなる第5の層を順に積層し、ボンディングパッドを形成した。このようにしてp型GaNコンタクト層上に、本発明の正極を形成した。
次に、露出したn型GaNコンタクト層上に負極を以下の手順により形成した。レジストを全面に一様に塗布した後、公知リソグラフィー技術を用いて、露出したn型GaNコンタクト層上の負極形成部分からレジストを除去して、通常用いられる真空蒸着法で半導体側から順にTiが100nm、Auが200nmよりなる負極を形成した。その後レジストを公知の方法で除去した。
このようにして正極および負極を形成したウエーハを、基板裏面を研削・研磨することにより80μmまで基板の板厚を薄くして、レーザスクライバを用いて半導体積層側から罫書き線を入れたあと、押し割って、350μm角のチップに切断した。続いてこれらのチップをプローブ針による通電で電流印加値20mAにおける順方向電圧の測定をしたところ2.9Vであった。
その後、TO−18缶パッケージに実装してテスターによって発光出力を計測したところ印加電流20mAにおける発光出力は4mWを示した。またその発光面の発光分布は正極上の全面で発光しているのが確認できた。
(実施例2)
本実施例では、図6における電流拡散層12(123)の替わりに、図8に示した如く、ボンディングパッド13が存在する辺に沿って、幅45μm、長さ60μmの長方形の電流拡散層12(124)および12(125)をそれぞれ電流拡散層12(121)および12(122)に接続して設けた以外は実施例1と同様な方法で窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。実施例1と同様にこの発光素子の順方向電圧及び発光出力を測定したところ、それぞれ2.9V及び4.0mWで実施例1と同様であった。またその発光面の発光分布についても実施例1と同様に正極上の全面で発光しているのが確認できた。
(比較例1)
電流拡散層を設けないこと以外は、実施例1と同様に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。この発光素子の順方向電圧及び発光出力を実施例1と同様に測定したところ、それぞれ3.1V及び3.7mWであった。その発光面を観察すると正極上の発光がボンディングパッド周辺およびボンディングパッドから負極に通ずる線上の最短電流流路領域を中心とした部分にのみ限定されていた。
この原因はコンタクトメタル層の面方向の電気抵抗が高くコンタクトメタル層上全体に電流が広がらなかったことが推察される。
(比較例2)
電流拡散層を設けずに、コンタクトメタル層の厚さを12nmとしたこと以外は、実施例1と同様に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。この発光素子の順方向電圧及び発光出力を実施例1と同様に測定したところ、それぞれ2.9V及び3.0mWであった。その発光面を観察すると実施例1と同様に全面で発光が確認されたが、コンタクトメタル層を厚くしたために光透過率が低下し、結果として発光出力が低下した。
本発明によって提供される窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用正極は、透光型窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の正極として有用である。
本発明の発光素子の一例の平面構造を示した模式図である。 図1の中心線A−Bで切断した断面構造を示した模式図である。 本発明の発光素子の別の一例の平面構造を示した模式図である。 本発明の発光素子の別の一例の平面構造を示した模式図である。 本発明の発光素子の別の一例の平面構造を示した模式図である。 実施例1で作製した発光素子の平面構造を示した模式図である。 図6の中心線A−Bで切断した断面構造を示した模式図である。 実施例2で作製した発光素子の平面構造を示した模式図である。
符号の説明
1 基板
2 GaN系化合物半導体層
3 n型半導体層
4 発光層
5 p型半導体層
6 バッファ層
10 正極
11 コンタクトメタル層
12 電流拡散層
13 ボンディングパッド
20 負極
30 最短電流流路領域

Claims (15)

  1. p型半導体層に接するコンタクトメタル層、ボンディングパッドおよび該コンタクトメタル層上の一部に設けられ、その導電率がコンタクトメタル層以上の値である電流拡散層からなることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子用透光性正極。
  2. 電流拡散層がボンディングパッドと負極の最短電流流路領域の外側に主に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の透光性正極。
  3. 電流拡散層の一部がボンディングパッドと近接または接続していることを特徴とする請求項1または2に記載の透光性正極。
  4. 電流拡散層の一部が最短電流流路領域内にあるかまたは近接していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の透光性正極。
  5. コンタクトメタル層が白金族金属またはその合金からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の透光性正極。
  6. コンタクトメタル層が白金、ロジウム、パラジウム、イリジウムおよびルテニウムからなる群から選ばれた金属またはそれらの金属を含む合金からなることを特徴とする請求項5に記載の透光性正極。
  7. コンタクトメタル層が白金またはその合金からなることを特徴とする請求項6に記載の透光性正極。
  8. コンタクトメタル層の厚さが0.1〜7.5nmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の透光性正極。
  9. コンタクトメタル層の厚さが0.1〜5nmであることを特徴とする請求項8に記載の透光性正極。
  10. 電流拡散層の面積がコンタクトメタル層の面積(ボンディングパッドの領域を除く)の5%〜50%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の透光性正極。
  11. 電流拡散層がコンタクトメタル層と同一材料からなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の透光性正極。
  12. 電流拡散層が金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、白金族金属およびこれらの金属の少なくとも一種を含む合金からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の透光性正極。
  13. 電流拡散層が金またはその合金からなることを特徴とする請求項12に記載の透光性正極。
  14. 基板上にn型半導体層、発光層およびp型半導体層がこの順序で積層され、n型半導体層およびp型半導体層に負極および正極がそれぞれ設けられた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子において、正極が請求項1〜13のいずれか一項に記載された透光性正極であることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  15. 請求項14に記載の発光素子を使用したランプ。
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