JP2006024414A - 電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 充放電効率を向上させ、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる電池を提供する。
【解決手段】 正極12は、正極活物質として金属硫化物を含んでいる。セパレータ15には電解液が含浸されている。電解液は溶媒として1,3−ジオキソランを含むと共に、電解質塩としてLiPF6 などのリチウム塩を含んでいる。電解液における電解質塩の含有量は1.05mol/kg〜1.35mol/kgが好ましい。これにより副反応を抑制して、充放電効率を向上させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 正極12は、正極活物質として金属硫化物を含んでいる。セパレータ15には電解液が含浸されている。電解液は溶媒として1,3−ジオキソランを含むと共に、電解質塩としてLiPF6 などのリチウム塩を含んでいる。電解液における電解質塩の含有量は1.05mol/kg〜1.35mol/kgが好ましい。これにより副反応を抑制して、充放電効率を向上させることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、正極に金属硫化物を用いた電池に関するものである。
近年、携帯機器の多機能化・高性能化につれて機器の消費電力は大きくなってきており、その電源となる電池に対してより一層の高容量化が要求されている。中でも、経済性および機器の小型軽量化の観点から、二次電池についてその要求が大きい。また、機器の低電圧化に伴い、電池電圧が1.5V前後の二次電池についても研究開発が行われており、一部実用化されている。
従来、1.5V前後の二次電池としては、ニッケル−カドミウム電池あるいはニッケル水素電池が用いられているが、これらの二次電池では更なる高容量化を図ることは難しい。そこで、高出力および高エネルギー密度を得ることができるものとして、リチウム二次電池が検討されている。
このリチウム二次電池の正極材料としては、金属酸化物,金属硫化物,金属セレン化物,あるいはポリマーなどが用いられ、例えば、硫化チタン(TiS2 ),硫化モリブデン(MoS2 ),セレン化ニオブ(NbSe2 ),五酸化バナジウム(V2 O5 )などのリチウム(Li)を含まない化合物や、または、LiCoO2 ,LiNiO2 ,あるいはLiMn2 O4 のようなリチウムを含む酸化物が知られている。その中でリチウムに対して1.5V前後の電圧を持つものもいくつかある。
例えば、特許文献1には正極に硫化鉄(FeS)を用いたリチウム二次電池が記載されており、非特許文献1には正極に硫化ニッケル(NiS)用いたリチウム二次電池が記載されている。
特許第3447187号公報
ジェイ.アロイズ アンド コンパウンズ(J. Alloys and Compounds )、2003年、351号、p.273
しかしながら、これらの金属硫化物を正極活物質として用いた場合、充放電の際に電解液と反応して不活性の生成物を生じ、充放電効率が低下してしまうので、サイクル特性などの電池特性が十分でないという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、充放電効率を向上させ、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる電池を提供することにある。
本発明による電池は、正極および負極と共に電解液を備えたものであって、正極は金属硫化物を含み、電解液は、電解質塩と、1,3−ジオキソランを含む溶媒とを含有し、電解液における電解質塩の含有量は、1.05mol/kg以上1.35mol/kg以下のものである。
本発明による電池では、電解液に1,3−ジオキソランを含み、電解液における電解質塩の含有量を1.05mol/kg以上1.35mol/kg以下とするようにしたので、充放電効率を向上させることができる。よって、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池はいわゆるコイン型といわれるものであり、外装缶11内に収容された円板状の正極12と、外装カップ13内に収容された円板状の負極14とが、セパレータ15を介して積層されたものである。セパレータ15には液状の電解質である電解液が含浸されており、外装缶11および外装カップ13の周縁部はガスケット16を介してかしめられることにより密閉されている。外装缶11および外装カップ13は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウム(Al)などの金属によりそれぞれ構成されている。
正極12は、例えば、正極集電体12Aと、正極集電体12Aに設けられた正極活物質層12Bとを有している。正極集電体12Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル(Ni)箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極活物質層12Bは、例えば、正極活物質として金属硫化物を含有しており、必要に応じて、カーボンブラックあるいはグラファイトなどの導電剤およびポリフッ化ビニリデンなどのバインダと共に構成されている。また、更に他の正極活物質を含んでいてもよい。
金属硫化物としては、例えば化1で表されるものが好ましい。構造の安定性が高いので、サイクル特性を向上させることができるからである。
(化1)
MIx MII1-x Sy
(式中、MIは第1金属元素を表し、ニッケル,コバルト(Co),鉄(Fe),マンガン(Mn),バナジウム(V),チタン(Ti),モリブデン(Mo)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種である。MIIは第2金属元素を表し、鉄,銅(Cu),ニッケル,コバルト,マンガン,バナジウム,チタン,マグネシウム(Mg)および亜鉛(Zn)からなる群のうちの少なくとも1種であり、第1金属元素とは異なる元素である。xおよびyは、それぞれ0<x<1、0.5<y<2.5の範囲内の値である。)
MIx MII1-x Sy
(式中、MIは第1金属元素を表し、ニッケル,コバルト(Co),鉄(Fe),マンガン(Mn),バナジウム(V),チタン(Ti),モリブデン(Mo)およびタングステン(W)からなる群のうちの少なくとも1種である。MIIは第2金属元素を表し、鉄,銅(Cu),ニッケル,コバルト,マンガン,バナジウム,チタン,マグネシウム(Mg)および亜鉛(Zn)からなる群のうちの少なくとも1種であり、第1金属元素とは異なる元素である。xおよびyは、それぞれ0<x<1、0.5<y<2.5の範囲内の値である。)
このような金属硫化物の具体例としては、例えば、Nix Fe1-x Sy ,Nix Cu1-x Sy ,Nix Co1-x Sy ,Nix (Fe,Cu)1-x Sy ,Cox Fe1-x Sy ,Cox Cu1-x Sy ,Cox Ni1-x Sy およびCox (Fe,Cu)1-x Sy が挙げられる。この金属硫化物は1種のみでもよく、2種以上が混合して含まれていてもよい。
なお、この金属硫化物は炭素材料と共に複合材料を構成していることが好ましく、例えば、この金属硫化物よりなる粒子の少なくとも一部は炭素材料により覆われていることが好ましい。これにより、金属硫化物の不可逆的な反応を抑制することができるからである。炭素材料としては、グラファイトあるいはカーボンブラック類などが挙げられる。
負極14は、例えば、負極集電体14Aと、負極集電体14Aに設けられた負極活物質層14Bとを有している。負極集電体14Aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層14Bは、例えば、負極活物質として、リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料、リチウム金属、あるいはリチウム合金のうちのいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、ポリフッ化ビニリデンなどのバインダと共に構成されている。リチウムを吸蔵・離脱可能な負極材料としては、例えば、炭素材料,金属化合物,スズ,スズ合金,ケイ素,ケイ素合金あるいは導電性ポリマが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上が混合して用いられる。炭素材料としては、黒鉛,難黒鉛化性炭素あるいは易黒鉛化性炭素などが挙げられ、金属化合物としてはスピネル構造を有するリチウムチタン複合酸化物(Li4 Ti5 O12),酸化タングステン(WO2 ),酸化ニオブ(Nb2 O5 )あるいは酸化スズ(SnO)などの酸化物が挙げられ、導電性ポリマとしてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。中でも、炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。
セパレータ15は、正極12と負極14とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ15は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていても良い。
電解液は、溶媒に電解質塩を溶解させたものであり、電解質塩が電離することによりイオン伝導性を示すようになっている。溶媒としては、1,3−ジオキソランを含むことが好ましい。電解液が金属硫化物と反応して不活性な生成物が生じてしまうことを抑制することができるからである。溶媒には1,3−ジオキソランを単独で用いてもよいが、他の1種または2種以上の溶媒と混合して用いてもよい。
他の溶媒としては、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、γーブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピルあるいはN−メチルホルムアニリドなどの非水溶媒が挙げられる。
中でも、粘度が1.2mPa・s以下(25℃)の低粘度溶媒を混合して用いることが好ましい。イオン伝導性を向上させることができるからである。このような低粘度溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタンあるいは1,2−ジエトキシエタンなどの鎖状エーテル、炭酸ジメチル,炭酸ジエチルあるいは炭酸ジプロピルなどの鎖状炭酸エステル、またはN−メチルホルムアニリドが挙げられる。
電解質塩としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 ),過塩素酸リチウム(LiClO4 ),六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 ),四フッ化ホウ素リチウム(LiBF4 ),トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )あるいはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )2 )などのリチウム塩が挙げられる。電解質塩はいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
電解液における電解質塩の含有量は、1.05mol/kg以上1.35mol/kg以下であることが好ましい。1.05mol/kgよりも少ないと、イオン伝導性が低くなり、充放電効率およびサイクル特性が低下してしまうからである。また、1.35mol/kgよりも多いと、1,3−ジオキソランの自己重合反応が促進され、不活性な反応物の生成により、充放電効率およびサイクル特性が低下してしまうからである。より好ましい電解質塩の含有量は、1.1mol/kg以上1.35mol/kg以下である。
この二次電池は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極活物質と、必要に応じて導電剤およびバインダとを混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状としたのち、正極集電体12Aに塗布して溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層12Bを形成し、正極12とする。
なお、正極活物質である金属硫化物は、例えばメカノケミカル法により製造することができる。例えば、第1金属元素MI,第2金属元素MIIおよび硫黄の原料粉末を目的とする組成に応じて混合したのち、この混合物をボールミルを用いてメカノケミカル反応させて合成する。更に、この金属硫化物を炭素材料との複合材料とする場合には、例えば、この金属硫化物の粉末と、炭素材料の粉末とを混合し、ボールミルにより混合・粉砕することにより形成する。
次いで、例えば、負極活物質と、必要に応じてバインダとを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状としたのち、負極集電体14Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層14Bを形成し、負極14とする。また例えば、負極集電体14Aに蒸着あるいはめっきなどにより負極活物質層14Bを形成し、負極14とする。
続いて、外装カップ13の中央部に負極14およびセパレータ15をこの順に置き、セパレータ15の上から電解液を注ぎ、正極12を入れた外装缶11を被せてガスケット16を介してかしめる。これにより、図1に示した二次電池が形成される。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極活物質層12Bからリチウムイオンが離脱し、電解液を介して負極14に吸蔵されるかまたはリチウム金属となって析出する。放電を行うと、例えば、負極14からリチウムイオンが離脱するかまたはリチウム金属がリチウムイオンとなって溶出し、電解液を介して正極活物質層12Bに吸蔵される。その際、電解液に1,3−ジオキソランを用いているので、電解液と正極12に含まれる金属硫化物との反応が抑制される。また、電解液における電解質塩の含有量が、1.05mol/kg以上1.35mol/kg以下の範囲内とされているので、高い充放電効率が得られる。
このように本実施の形態によれば、電解液に1,3−ジオキソランを含み、電解液における電解質塩の含有量を1.05mol/kg以上1.35mol/kg以下とするようにしたので、充放電効率を向上させることができる。よって、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
特に、正極が化1で表される金属硫化物を含むようにすれば、充放電の際に生じる構造変化を抑制することができ、充放電反応の可逆性を向上させることができる。よって、サイクル特性などの電池特性をより向上させることができる。
また、正極が金属硫化物よりなる粒子の少なくとも一部が炭素材料により覆われた複合材料を含むようにすれば、金属硫化物と電解液との副反応をより抑制することができる。よって、充放電反応の可逆性をより向上させることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
まず、ニッケル粉末と鉄粉末と銅粉末と硫黄粉末とをNi:Fe:Cu:S=0.8:0.1:0.1:1のモル比で混合し、硬質鋼製ボールと共にアルゴン雰囲気中において密封容器に封入し、ボールミル機を用いてメカノケミカル反応させ、金属硫化物Ni0.8 Fe0.1 Cu0.1 Sを合成した。反応時間は10時間とした。この金属硫化物Ni0.8 Fe0.1 Cu0.1 Sは、第1金属元素MIがニッケル、第2金属元素MIIが鉄および銅である。
次いで、この金属硫化物Ni0.8 Fe0.1 Cu0.1 Sとグラファイトとを金属硫化物:グラファイト=95:5の質量比で混合し、ボールミルにより混合・粉砕することにより、金属硫化物と炭素材料との複合材料を得た。得られた複合材料についてX線回折パターンを測定した。その結果を図2に示す。X線回折装置にはリガクRINT2500の回転対陰極型を用いた。なお、このX線回折装置は、ゴニオメータとして縦標準型半径185mmのものを備えていると共に、Kβフィルタなどのフィルタは使用せず波高分析器とカウンタモノクロメータとの組み合わせによりX線の単色化を行い、シンチレーションカウンタにより特定X線を検出するタイプのものである。測定は、特定X線としてCuKα(40kV,100mA)を用い、試料面に対する入射角度DSおよび試料面に対する回折線のなす角度RSをそれぞれ1°、入射スリットの幅SSを0.15mmとし、連続スキャン(走査範囲2θ=10°〜80°,走査速度4°/min)で反射法により行った。
続いて、得られた複合材料を用いて図1に示したようなコイン型の二次電池を作製した。その際、正極12は、乾燥させた複合材料98質量%と、バインダであるポリフッ化ビニリデン2質量%とを、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンを用いて混合したのち、アルミニウム箔よりなる正極集電体12Aに塗布し、乾燥アルゴン気流中において100℃で1時間乾燥させることにより形成した。
負極14には円板状に打ち抜いたリチウム金属板を用い、電解液には1,3−ジオキソランとジメトキシエタンとを2:1の重量比で混合した溶媒に電解質塩としてLiPF6 を溶解させたものを用いた。電解質塩の電解液における含有量は、1.05mol/kg〜1.35mol/kgの範囲内で0.05mol/kgごとに変化させた。電池の大きさは、直径20mm、高さ1.6mmとした。
また、本実施例に対する比較例1として、電解液における電解質塩の含有量を0.9mol/kg、1.0mol/kg、1.4mol/kg、または1.5mol/kgと変えたことを除き、他は本実施例と同様にして二次電池を作製した。
更に、本実施例に対する比較例2として、炭酸エチレンと炭酸ジメチルとを1:1の重量比で混合した溶媒に電解質塩としてLiPF6 を溶解させた電解液を用いたことを除き、他は本実施例と同様にして二次電池を作製した。電解質塩の電解液における含有量は、0.9mol/kg〜1.5mol/kgの範囲内で0.1mol/kgごとに変化させた。
作製した実施例および比較例1,2の二次電池について、充放電試験を行い、1サイクル目の放充電効率、2サイクル目の充放電効率、および30サイクル目の容量維持率をそれぞれ求めた。充放電は、23℃において、1.0mA/cm2 の定電流で電池電圧が0.8Vに達するまで定電流放電を行い、次いで、1.0mA/cm2 の定電流で電池電圧が3.0に達するまで定電流充電を行ったのち、3.0Vの定電圧で電流が0.1mA/cm2 以下となるまで定電圧充電を行った。
図3に1サイクル目の放充電効率と電解質塩の含有量との関係を、図4に2サイクル目の充放電効率と電解質塩の含有量との関係をそれぞれ示す。また、図5に電解質塩の含有量を1.2mol/kgとした実施例の1サイクル目から3サイクル目の充放電曲線を示す。
なお、1サイクル目の放充電効率は、(1サイクル目の充電容量/1サイクル目の放電容量)×100により求め、2サイクル目の充放電効率は、(2サイクル目の放電容量/2サイクル目の充電容量)×100により求め、30サイクル目の容量維持率は、(30サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100により求めた。
図3に示したように、電解液に1,3−ジオキソランを用いた本実施例および比較例1によれば、用いていない比較例2に比べて1サイクル目について高い放充電効率を得ることができた。また、本実施例と比較例1とを比較すれば分かるように、電解質塩の含有量が0.9mol/kg〜1.35mol/kgの範囲内において、1サイクル目の放充電効率を98%以上と高くすることができた。
また、図4に示したように、電解液に1,3−ジオキソランを用い、かつ電解質塩の含有量を1.05mol/kg〜1.35mol/kgの範囲内とした本実施例によれば、2サイクル目の充放電効率を98%以上とすることができた。特に、電解質塩の含有量を1.1mol/kg〜1.35mol/kgの範囲内とすれば、充放電効率を99%以上とすることができた。これに対して、電解質塩の含有量を範囲外とした比較例1では、2サイクル目の充放電効率が本実施例に比べて急激に低下していた。また、1,3−ジオキソランを用いていない比較例2では、電解質塩の含有量を変化させても、本実施例ほど高い充放電効率を得ることはできなかった。
更に、本実施例によれば、図5に示したように、2サイクル目以降は同様の充放電曲線が得られることが確認された。
すなわち、電解液に1,3−ジオキソランを用い、かつ電解質塩の含有量を1.05mol/kg〜1.35mol/kgの範囲内とするようにすれば、充放電効率を高くすることができることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、電解液をそのまま用いる場合について説明したが、電解液を高分子化合物などの保持体に保持させて、いわゆるゲル状とするようにしてもよい。
また、上記実施の形態および実施例では、コイン型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は他の構造を有する円筒型や、ボタン型あるいは角型など他の形状を有する二次電池、または巻回構造などの他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。更に、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
11…外装缶、12…正極、12A…正極集電体、12B…正極活物質層、13…外装カップ、14…負極、14A…負極集電体、14B…負極活物質層、15…セパレータ、16…ガスケット。
Claims (3)
- 正極および負極と共に電解液を備えた電池であって、
前記正極は金属硫化物を含み、
前記電解液は、電解質塩と、1,3−ジオキソランを含む溶媒とを含有し、
前記電解液における前記電解質塩の含有量は、1.05mol/kg以上1.35mol/kg以下である
ことを特徴とする電池。 - 前記電解質塩は、リチウム塩を含むことを特徴とする請求項1記載の電池。
- 前記溶媒は、更に、粘度が1.2mPa・s(25℃)以下の低粘度溶媒を含むことを特徴とする請求項1記載の電池。
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