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JP2006015417A - エンドミル - Google Patents

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Hiromitsu Tanaka
洋光 田中
Taichi Aoki
太一 青木
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Abstract

【課題】 切削抵抗や切削熱の増大は抑えながらも、外周切刃の食い付き過ぎによるビビリ振動や食い付き時の衝撃によるチッピング、欠け等を確実に防ぐ。
【解決手段】 軸線O回りに回転されるエンドミル本体1の先端部外周に、エンドミル後端側に向かうに従いエンドミル本体1の回転方向T後方側に向かう外周切刃5を形成し、この外周切刃5のうち少なくともエンドミル先端側の逃げ面7には、外周切刃5に連なるマージン部8または第1逃げ面とこのマージン部8または第1逃げ面よりも大きな逃げ角を有する第2逃げ面9とを形成して、マージン部8または第1逃げ面の幅を、エンドミル先端側では0.01〜0.1mmの範囲とするとともに、エンドミル後端側の逃げ面7ではエンドミル先端側よりも小さくする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンドミル本体の先端部外周に外周切刃が形成されたエンドミルに関するものである。
この種のエンドミルとして、例えば特許文献1には、エンドミルの外周切刃に沿って第1逃げ面を設けるとともに、第1逃げ面に連なる第2逃げ面を設けたエンドミルにおいて、第1逃げ面の幅をエンドミル刃径の1/2000〜1/100とし(具体的にはエンドミル刃径6mmに対して0.05mm)、ないしは、第1逃げ面の逃げ角を2°を超えて5°以下、第2逃げ面の逃げ角は10度を超えて20°以下として、第1逃げ面の幅を第2逃げ面の幅の1/100〜1/10とした(具体的にはエンドミル刃径10mm、第2逃げ面幅1.5mmに対して0.06mm)ものが提案されている。また、特許文献2には外周切刃の逃げ面に幅0.05mm以下のマージン部を形成したエンドミルが、さらに特許文献3には幅0.04mm以下のマージン部を形成したエンドミルがそれぞれ記載されている。
そして、このうち特許文献1では、逃げ角の小さな第1逃げ面を外周切刃に沿って設けることにより、被削材に対する食い付きが強すぎる場合のビビリ振動を防ぎながらも、この第1逃げ面の幅を上述のようにして小さく設定することにより、摩耗の進行による第1逃げ面の被削材との接触幅の増加を少なくして摩擦による切削抵抗の増加を防ぎ、この切削抵抗の増大に伴う被削材の溶着や摩擦振動による被削面の荒れ、刃先のチッピングや欠け、さらにはエンドミルの折損を防ぐことができると記載されている。
特開2000−246532号公報 特開平5−345212号公報 特開平11−277320号公報
このように、外周切刃の食い付き過ぎによるビビリ振動を防ぐために外周切刃の逃げ面にマージン部や逃げ角の小さな第1逃げ面を形成する場合には、これらは被削材と擦過する部分であるために切削抵抗の増大を招くとともに切削熱の発生等も増大することから、その幅は特許文献1〜3に記載のように極力小さくすることが望ましい。しかしながら、その一方で、こうしてマージン部や第1逃げ面の幅を外周切刃の全長に亙って小さくすることは、製造上のばらつきがあるために容易ではない。
特に、特許文献1に記載のように第1逃げ面の幅をエンドミル刃径に対してその下限の1/2000とすると、該特許文献1記載のエンドミル刃径6mmの場合や10mmの場合でも第1逃げ面幅は0.01mmを下回ることとなり、そのような極幅狭の第1逃げ面やマージン部を一定の幅で正確に外周切刃に沿って形成することは極めて困難となる。従って、このようにマージン部や第1逃げ面の幅を小さくして切削抵抗の低減を図ろうとすると、この幅が小さくなりすぎた場合には外周切刃の食い付きによるビビリ振動の発生を防ぐことができずに却って仕上げ面精度の劣化を招いたり、食い付きの際の衝撃によって外周切刃のチッピングや欠けなどを生じたりしてしまう結果となる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、切削抵抗や切削熱の増大は抑えながらも、外周切刃の食い付き過ぎによるビビリ振動や食い付き時の衝撃によるチッピング、欠け等を確実に防ぐことが可能なエンドミルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部外周に、エンドミル後端側に向かうに従い上記エンドミル本体の回転方向後方側に向かう外周切刃を形成し、この外周切刃のうち少なくともエンドミル先端側の逃げ面には、該外周切刃に連なるマージン部または第1逃げ面とこのマージン部または第1逃げ面よりも大きな逃げ角を有する第2逃げ面とを形成して、上記マージン部または第1逃げ面の幅を、上記エンドミル先端側では0.01〜0.1mmの範囲とするとともに、エンドミル後端側の逃げ面では上記エンドミル先端側よりも小さくしたことを特徴とする。
すなわち、このように外周切刃がエンドミル後端側に向かうに従いエンドミル本体の回転方向後方側に向かうように形成されたエンドミルでは、外周切刃のうちエンドミル先端側の部分が最もエンドミル本体の回転方向側に位置するために最初に被削材に接触して食い付くこととなる。従って、このエンドミル先端側の外周切刃の逃げ面に、製造上のばらつきを防ぎ得る範囲で極力小さな0.01〜0.1mmの範囲の幅でマージン部または逃げ角の小さな第1逃げ面を形成することにより、外周切刃の食い付き過ぎによるビビリ振動の発生を防ぐことができるとともに、食い付き時の衝撃による外周切刃のチッピングや欠けも防止することができる。
その一方で、エンドミル本体の回転方向の後方側に位置するエンドミル後端側の外周切刃は、こうして被削材に食い付いたエンドミル先端側の外周切刃に案内されるように被削材に食い付いてゆくため、エンドミル先端側よりも食い付きが強くなりすぎたり衝撃が作用したりすることはない。従って、その逃げ面のマージン部や第1逃げ面の幅は、多少のばらつきがあったりしてもエンドミル先端側より小さくてよく、これにより外周切刃全体としては切削抵抗や切削熱の増大を抑えることができて、エンドミルの折損等の事態を防ぐことが可能となる。
ここで、このように外周切刃の逃げ面におけるマージン部または第1逃げ面の幅をエンドミル後端側でエンドミル先端側よりも小さくするには、一つに、このマージン部または第1逃げ面の幅を、エンドミル先端側からエンドミル後端側に向かうに従い漸次小さくなるように、すなわちマージン部または第1逃げ面がエンドミル後端側に向けて徐々に幅狭となるように形成すればよい。また、他の一つとして、このマージン部または第1逃げ面の幅を、エンドミル先端側からエンドミル後端側に向けて段階的に小さくなるようにしてもよい。
さらに、このマージン部または第1逃げ面を、外周切刃の逃げ面のうちエンドミル先端側の部分にのみ形成するとともに、エンドミル後端側では、このエンドミル先端におけるマージン部または第1逃げ面よりも大きな逃げ角を有する逃げ面が外周切刃に連なるように形成して、すなわちエンドミル後端側の逃げ面にはマージン部や逃げ角の小さな第1逃げ面が形成されない構成、あるいはエンドミル後端側におけるマージン部または第1逃げ面の幅が0となる構成としてもよい。なお、こうしてマージン部または第1逃げ面をエンドミル先端側にのみ形成する場合には、このマージン部または第1逃げ面は外周切刃の先端から上記軸線方向にこの外周切刃の外径と等しい長さまでの部分にのみ形成されるのが望ましく、これよりもエンドミル後端にまで延びていると切削抵抗の増大等を招くおそれが生じる。
また、上記外周切刃の逃げ面のうち少なくともエンドミル先端側に、該外周切刃に連なる第1逃げ面とこの第1逃げ面よりも大きな逃げ角を有する第2逃げ面とを形成した場合、すなわち逃げ角の付されない円筒面状のマージン部ではなく、小さいながらも逃げ角が付された第1逃げ面を外周切刃に連なるように形成する場合には、この第1逃げ面の逃げ角は、これに連なる第2逃げ面の逃げ角の1/4〜1/2の範囲とされるのが望ましい。すなわち、第2逃げ面の逃げ角の1/4を下回るような小さな逃げ角を第1逃げ面に与えようとするとやはり製造上のばらつきから誤差を生じ易く、逆に第2逃げ面の逃げ角の1/2を上回る大きな逃げ角をエンドミル先端側の第1逃げ面に与えると、被削材への食い付きが強くなってビビリ振動抑制効果が損なわれたり食い付き時の衝撃によるチッピング等を防ぐのが困難となったりするおそれが生じる。
図1および図2は、本発明の第1の実施形態を示すものである。本実施形態においてエンドミル本体1は、超硬合金等の硬質材料により軸線Oを中心とした概略円柱状に形成され、図示されないその後端部(図1において右側部分)は円柱状のままのシャンク部とされる一方、先端部(図1において左側部分)の部分は切刃部2とされ、上記シャンク部が工作機械の主軸に取り付けられて図中に符号Tで示すエンドミル回転方向に回転されつつ上記軸線Oに交差する方向に送り出されることにより、上記切刃部2によって被削材に側面切削や溝切削、肩削り等の切削加工を施してゆく。
そして、上記切刃部2の外周には、エンドミル本体1の先端から後端側に向かうに従い上記軸線O回りにエンドミル回転方向Tの後方側に捩れる複数条(本実施形態では2条)の切屑排出溝3が周方向に等間隔に形成され、これらの切屑排出溝3のエンドミル回転方向Tを向く壁面の外周側辺稜部には、この壁面をすくい面4とする外周切刃5が、切屑排出溝3と同様にエンドミル本体1の後端側に向かうに従い軸線O回りにエンドミル回転方向T後方側に向けて一定の捩れ角で捩れる螺旋状に形成されている。また、切屑排出溝3の上記壁面の先端側辺稜部には、やはりこの壁面をすくい面とする底刃6が、外周切刃5の先端から本実施形態では軸線Oに略垂直に内周側に延びるように形成されており、すなわち本実施形態のエンドミルは2枚刃のスクエアエンドミルとされている。
さらに、上述のように形成された外周切刃5のエンドミル回転方向Tの後方側には、この外周切刃5の逃げ面(外周逃げ面)7が形成されており、言い換えれば外周切刃5はこの逃げ面7と上記すくい面4との交差稜線部に形成されることとなる。ここで、本実施形態ではこの逃げ面7は、図2に示すように外周切刃5からエンドミル回転方向T後方に連なるマージン部8と、このマージン部8のさらにエンドミル回転方向T後方に連なる第2逃げ面9とから構成されており、この第2逃げ面9のさらにエンドミル回転方向T後方側は第2逃げ面9に対してエンドミル本体1の内周側に一段後退して、反対側の外周切刃5の上記すくい面4に連なるようにされている。
上記マージン部8は、図2に示すように逃げ角βが与えられた第2逃げ面9に対して、逃げ角の付されない(逃げ角αが0°とされた)第1逃げ面ともいうべきものであり、すなわちエンドミル本体1の軸線Oを中心とした円筒面上に形成されている。そして、本実施形態では、このマージン部8の幅Aは、図1に示すように外周切刃5の上記先端からエンドミル後端側に向かうに従い漸次小さくなるようにされており、これによって該マージン部8はその幅Aがエンドミル後端側の逃げ面7でエンドミル先端側よりも小さくされる。さらに、このマージン部8の幅Aは、エンドミル先端側では0.01〜0.1mmの範囲とされている。
なお、本実施形態では、このマージン部8の幅Aは、切刃部2の全長に亙って第2逃げ面9の幅Bよりも十分小さくされており、ただし逃げ面7全体としての幅Wは切刃部2の全長で一定とされていることから、上記第2逃げ面9の幅Bはマージン部8の幅Aとは逆にエンドミル後端側で先端側よりも大きくされることとなる。また、このマージン部8は外周切刃5の先端から後端に至るまでその全長に亙って形成されていてもよいが、上述のようにエンドミル先端側で0.01〜0.1mmの幅Aが確保されていれば、エンドミル後端側に向かう途中でこの幅Aが0となってこれよりも後端側では逃げ面7全体が上記逃げ角βの第2逃げ面9のみにより形成された構成とされていてもよい。
このように構成されたエンドミルによって、上述のようにエンドミル本体1をエンドミル回転方向Tに回転させつつ切削加工を行うと、エンドミル後端側に向けてこのエンドミル回転方向Tの後方側に向かうようにされた上記外周切刃5は、その先端から被削材に食い付いてエンドミル本体1の回転に伴いエンドミル後端側に向けて切り込まれてゆくことになる。そして、上記構成のエンドミルでは、この被削材に最初に食い付く外周切刃5のエンドミル先端側の逃げ面7に、外周切刃5に連なるようにマージン部8が0.01〜0.1mmの幅Aで形成されており、従ってこの被削材への食い付きが強くなり過ぎるのを抑えてビビリ振動の発生等を防止し、仕上げ面精度の向上を図ることができるとともに、このエンドミル先端側における外周切刃5の刃先強度を強化して食い付き時の衝撃によるチッピングや欠けの発生を防ぐことが可能となる。
その一方で、エンドミル先端側の部分に案内されるように被削材に切り込まれるために大きな衝撃等が作用することのないエンドミル後端側の外周切刃5の逃げ面7では、マージン部8はその幅Aが上記エンドミル先端側よりも小さくされており、このためエンドミル後端側でもチッピングや欠けの発生を防ぎつつ、外周切刃5全体ではマージン部8による切削抵抗の増大やこれに伴う切削熱を抑えることができ、ひいてはエンドミル本体1の折損等の事態も防止して工具寿命の延長を図ることが可能となる。しかも、こうしてエンドミル後端側で小さくされるマージン部8の幅Aは、それほど厳密な精度で所定の幅に形成されていなくてもよく、例えば本実施形態のようにエンドミル後端側に向けて幅Aが漸次小さくさせられている場合でも、製造上のばらつきによって多少の誤差があったり、その幅Aの減少率が変化していたり、あるいは上述のように途中で幅Aが0となってマージン部8が形成されなくなっていたりしてもよいので、逃げ面7の成形が比較的容易である。
ここで、このエンドミル先端側におけるマージン部8の幅Aが0.01mmを下回るほど小さいと、エンドミル先端側の外周切刃5が被削材に最初に食い付いたときの食い付きが強すぎてビビリ振動を生じるおそれがあるとともに、この食い付き時の衝撃によって外周切刃5にチッピングや欠けが生じたりするおそれもある。一方、逆にこのエンドミル先端側におけるマージン部8の幅Aが0.1mmを上回るほど大きいと、外周切刃5全体で切削抵抗や切削熱を十分に低減させることができなくなるおそれがあるので、エンドミル先端側において後端側より大きくされたマージン部8の幅Aは、上述のように0.01〜0.1mmの範囲とされる。
また、本実施形態ではこのマージン部8の幅Aがエンドミル後端側に向けて漸次小さくなるようにされており、上述のように多少の誤差や減少率の変動があっても、外周切刃5に作用する切削抵抗がエンドミル後端側に向けて連続的に小さくなるようにすることができるので、外周切刃5の特定の部分で切削抵抗が急激に変化して負荷が集中することによりチッピングや欠けが生じ易くなるようなこともない。なお、こうしてマージン部8の幅Aをエンドミル後端側に向けて漸次小さくする場合には、外周切刃5の外径(外周切刃5が軸線O回りになす円筒の径、すなわちエンドミル刃径)Dの大きさにもよるが、少なくとも外周切刃5の上記先端において幅Aが0.01〜0.1mmの範囲でエンドミル後端側より大きくなるようにされていればよい。
ところで、この第1の実施形態では、外周切刃5の逃げ面7に該外周切刃5に連なる逃げ角αが0°のマージン部8と該マージン部8に連なる逃げ角β(α<β)の第2逃げ面9とを形成して、このマージン部8の幅Aをエンドミル先端側で0.01〜0.1mmの範囲としてエンドミル後端側で先端側よりも小さくなるようにしているが、このマージン部8に代えて、図3および図4に示す本発明の第2の実施形態のように、少なくともエンドミル先端側では0°よりは大きいものの第2逃げ面9の逃げ角βよりは小さな逃げ角αを有する第1逃げ面10を0.01〜0.1mmの幅Aで外周切刃5に連なるように形成して、この第1逃げ面10の幅Aを、エンドミル後端側に向けて漸次小さくすることにより、このエンドミル後端側で先端側より小さくなるようにしてもよい。なお、この第2の実施形態において、図1および図2に示した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
ここで、この第1逃げ面10に与えられる逃げ角αは、第2の逃げ面9の逃げ角βよりも小さくされていればよいが、この逃げ角βとの差が小さすぎると、すなわち逃げ角βに対する逃げ角αの比率が大きすぎると、エンドミル先端側での外周切刃5の被削材への食い付きが強くなりすぎてビビリ振動を生じるとともにチッピングや欠けを発生しやすくなる一方、逆にこの逃げ角βと差が大きすぎて、すなわち逃げ角βに対する逃げ角αの比率が小さすぎると、そのような小さな逃げ角αの第1逃げ面を確実に上述のような幅Aで形成するのが却って困難となるおそれがある。このため、こうしてマージン部8に代えて第1逃げ面10を逃げ面7に形成する場合には、その逃げ角αは第2逃げ面9の逃げ角βの1/4〜1/2の範囲とされるのが望ましい。
一方、これら第1、第2の実施形態では、第1の実施形態のマージン部8または第2の実施形態の第1逃げ面10がエンドミル後端側に向かうに従いその幅Aが漸次小さくなるようにされて、エンドミル後端側でこの幅Aがエンドミル先端側より小さくなるようにされているが、これを、図5および図6に示す第3の実施形態のマージン部8や、図7および図8に示す第4の実施形態の第1逃げ面10のように、このようなマージン部8または第1逃げ面10の幅Aを、エンドミル先端側では0.01〜0.1mmの範囲としておいて、このエンドミル先端側からエンドミル後端側に向けては段階的に小さくなるようにすることにより、このエンドミル後端側で先端側より小さくなるようにしてもよい。なお、これら第3、第4の実施形態でも、上記第1、第2の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
ここで、これら第3、第4の実施形態では、外周切刃5の逃げ面7のうちエンドミル先端側の所定の範囲の部分にのみマージン部8または第1逃げ面10を一定の幅Aで形成するとともに、これよりもエンドミル後端側ではエンドミル先端側のマージン部8または第1逃げ面10よりも大きな逃げ角を有する逃げ面7(例えば、両実施形態に共通の図9に示すように逃げ角βの第2逃げ面9)が外周切刃5に直接連なるように形成されており、すなわちマージン部8または第1逃げ面10がエンドミル後端側に向けて1段で小さくなってこのエンドミル後端側ではその幅Aが0、つまりエンドミル後端側にはマージン部8または第1逃げ面10が形成されない構成とされている。ただし、このマージン部8または第1逃げ面10のエンドミル後端側では、その幅Aは後端側に向けて漸次小さくなるようにされている。
従って、このように構成された第2〜第4の実施形態のエンドミルにおいても、エンドミル先端側では外周切刃5に連なるように幅Aが0.01〜0.1mmのマージン部8または第1逃げ面10が形成されるとともに、エンドミル後端側ではこのマージン部8または第1逃げ面10の幅Aがエンドミル先端側より小さくなるように(特に、第3、第4の実施形態では幅Aが0となるように)されているので、第1の実施形態と同様に切削抵抗や切削熱の増大は抑えつつも、外周切刃5の食い付きが強くなりすぎるのを防いでビビリ振動やチッピング、欠けの発生を防止することができる。また、マージン部8に代えて第1逃げ面10を外周切刃5に連なるように形成した第2、第4の実施形態では、上述のように小さいながらもこの第1逃げ面10に逃げ角αが付されているので、食い付き過ぎの抑制や切刃強化による耐チッピング性の向上を図りながらも、切削抵抗をさらに低減することが可能となる。
一方、このマージン部8または第1逃げ面10の幅Aがエンドミル後端側に向けて段階的に小さくなるようにされた第3、第4の実施形態では、各段においては幅Aを一定に形成すればよく、しかもエンドミル後端側では製造上のばらつき等によって多少の誤差があってもエンドミル先端側より幅狭となっていれば構わないので、逃げ面7の成形が容易である。ここで、このマージン部8または第1逃げ面10は、その幅Aがエンドミル後端側に向けて2段以上の複数段で段階的に小さくなるようにされていたり、またそのようなマージン部8または第1逃げ面10が外周切刃5の全長に亙って形成されていてもよいが、特に上記第3、第4の実施形態のように、エンドミル先端側から後端側に向けて幅Aが0.01〜0.1mmから1段で0とされる場合には、エンドミル先端側の逃げ面7にのみマージン部8または第1逃げ面10を形成すればよいので、逃げ面7の成形は一層容易となり、しかも切削抵抗のさらなる低減を促すことが可能となる。
なお、このようにエンドミル先端側の逃げ面7にのみマージン部8または第1逃げ面10を形成する場合においては、逃げ角αが0°のマージン部8または逃げ角αの小さな第1逃げ面10が形成される部分が長すぎると、特にこのエンドミル先端側でマージン部8または第1逃げ面10の幅Aが一定とされた第3、第4の実施形態では、例えば幅Aがエンドミル後端側に向けて漸次小さくなる第1、第2の実施形態に比べ、エンドミル先端側における切削抵抗が大きくなる傾向となってしまうので、こうしてエンドミル先端側にのみ形成されるマージン部8または第1逃げ面10は、外周切刃5の上記先端からエンドミル本体1の軸線O方向にエンドミル後端側に向けての長さLが、この外周切刃5の上記外径Dと等しい長さまでとされるのが望ましい。ただし、この長さLが短すぎても食い付き過ぎの抑制や耐チッピング性の向上を十分に図ることができなくなるおそれがあるので、上記外径Dに対して1/4以上の長さLとされるのが、より望ましい。
また、上記第1、第2の実施形態ではマージン部8または第1逃げ面10を、その幅Aがエンドミル後端側に向けて漸次小さくなるように、第3、第4の実施形態では幅Aが段階的に小さくなるようにされているが、例えばエンドミル先端側では0.01〜0.1mmの一定の幅Aで、エンドミル後端側では漸次幅狭となるように形成されていてもよく、逆にエンドミル先端側で後端側に向けて幅Aが0.01〜0.1mmの範囲から漸次小さくなるようにされて、エンドミル後端側では一定の幅Aとなるようにされていてもよい。さらに、マージン部8以外の逃げ角α,βが与えられる第1逃げ面10および第2逃げ面9は、その少なくとも一方が軸線Oに直行する断面において直線状をなすいわゆる直線二番であっても、また軸線Oから偏心した中心を有する円弧状等の凸曲線をなすいわゆる偏心二番であってもよい。さらにまた、上記第1〜第4の実施形態では2枚刃のスクエアエンドミルについて説明したが、3枚刃以上の多刃エンドミルやラジアスエンドミル、ボールエンドミル等に本発明を適用してもよい。
本発明の第1の実施形態を示すエンドミル本体1の切刃部2の側面図である。 図1におけるZZ拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態を示すエンドミル本体1の切刃部2の側面図である。 図3におけるZZ拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態を示すエンドミル本体1の切刃部2の側面図である。 図5におけるZZ拡大断面図である。 本発明の第4の実施形態を示すエンドミル本体1の切刃部2の側面図である。 図7におけるZZ拡大断面図である。 図5および図7におけるYY拡大断面図である。
符号の説明
1 エンドミル本体
2 切刃部
5 外周切刃
7 外周切刃5の逃げ面
8 マージン部
9 第2逃げ面
10 第1逃げ面
A マージン部8または第1逃げ面10の幅
B 第2逃げ面9の幅
W 逃げ面7の幅
O エンドミル本体1の軸線
T エンドミル本体1の回転方向
D 外周切刃5の外径
L マージン部8または第1逃げ面10が形成される部分の長さ
α マージン部8または第1逃げ面10の逃げ角
β 第2逃げ面9の逃げ角

Claims (6)

  1. 軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部外周に、エンドミル後端側に向かうに従い上記エンドミル本体の回転方向後方側に向かう外周切刃が形成され、この外周切刃のうち少なくともエンドミル先端側の逃げ面には、該外周切刃に連なるマージン部または第1逃げ面とこのマージン部または第1逃げ面よりも大きな逃げ角を有する第2逃げ面とが形成されており、上記マージン部または第1逃げ面の幅は、上記エンドミル先端側では0.01〜0.1mmの範囲とされるとともに、エンドミル後端側の逃げ面では上記エンドミル先端側よりも小さくされていることを特徴とするエンドミル。
  2. 上記マージン部または第1逃げ面の幅は、上記エンドミル先端側からエンドミル後端側に向かうに従い漸次小さくなるようにされていることを特徴とする請求項1に記載のエンドミル。
  3. 上記マージン部または第1逃げ面の幅は、上記エンドミル先端側からエンドミル後端側に向けて段階的に小さくなるようにされていることを特徴とする請求項1に記載のエンドミル。
  4. 上記マージン部または第1逃げ面は、上記外周切刃の逃げ面のうちエンドミル先端側の部分にのみ形成されるとともに、上記エンドミル後端側では、このエンドミル先端における上記マージン部または第1逃げ面よりも大きな逃げ角を有する逃げ面が上記外周切刃に連なるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエンドミル。
  5. 上記マージン部または第1逃げ面は、上記外周切刃の先端から上記軸線方向にこの外周切刃の外径と等しい長さまでの部分にのみ形成されていることを特徴とする請求項4に記載のエンドミル。
  6. 上記外周切刃の逃げ面のうち少なくともエンドミル先端側には、該外周切刃に連なる第1逃げ面とこの第1逃げ面よりも大きな逃げ角を有する第2逃げ面とが形成されており、上記第1逃げ面の逃げ角が第2逃げ面の逃げ角の1/4〜1/2の範囲とされていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のエンドミル。
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