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JP2006015403A - 溶接ワイヤ用表面処理油及びこの油で表面処理された溶接用ワイヤ - Google Patents

溶接ワイヤ用表面処理油及びこの油で表面処理された溶接用ワイヤ Download PDF

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JP2006015403A JP2004305362A JP2004305362A JP2006015403A JP 2006015403 A JP2006015403 A JP 2006015403A JP 2004305362 A JP2004305362 A JP 2004305362A JP 2004305362 A JP2004305362 A JP 2004305362A JP 2006015403 A JP2006015403 A JP 2006015403A
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容哲 金
Jachyoung Lee
在炯 李
Hwan Cheol Bang
煥▲吉▼ 方
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Abstract

【課題】塗油によって良好な防錆性、耐磨耗性、アーク安定性及び送給性を有する表面処理油及びこの油で表面処理された溶接用ワイヤを提供する。
【解決手段】本発明は溶接用ワイヤの表面処理のためにワイヤの上部に塗油する表面処理油であって、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物、Zn化合物及び炭化水素化合物を含んでなり、炭化水素化合物にはエステル基、カルボン酸基、アルカン基及びスルホン酸基からなる群から少なくとも2種の作用基を選ぶ表面処理油及びこの油で表面処理された溶接用ワイヤが提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、溶接ワイヤ用表面処理油及びこの油で表面処理された溶接用ワイヤに関し、より詳しくはワイヤの表面に塗油することで防錆性、耐磨耗性、アーク安定性及び送給性を良好にする表面処理油及びこの油で表面処理された溶接用ワイヤに関する。
最近、溶接の自動化が進むにつれてガスアーク溶接用ワイヤの適用は飛躍的に増大され、特に鉄骨、自動車、造船、建築業界で幅広く使用されている。このように、多量に消費されている溶接用ワイヤは通電性、送給性及び耐(防)錆性等の確保のために、表面に銅メッキを施すことが一般的である。
しかし、このような銅メッキの場合は、均一なメッキ層を形成してはじめて通電性、送給性及び防錆性が確保されるもので、メッキ層が不均一の場合に微小銅(Cu)成分が実際の溶接の際に溶接チップ内でワイヤとチップの摩擦により脱落し、これらの脱落した微小銅粉がチップ内に集まり詰まり現象を誘発したり、溶接の不安定性を増大させ、スパッタ等の発生を多くする。さらに、不均一なメッキ層は防錆性が低くなり錆が発生する原因にもなる。
一方、ワイヤの表面にメッキしていない無メッキワイヤの場合は、通電性、送給性及び耐錆性等の確保のために、ワイヤの表面を安定に処理する技術が必要視されてきた。無メッキワイヤの場合、根本的にワイヤ表面の鉄含有層が露出されることによる表層部の劣化現象を必然的に伴い、使用環境によっては錆の発生を防止することができない。従って、このような表層部の劣化は通電性、送給性及び耐錆性等の問題点を誘発させる。
以上のような銅メッキ及び無メッキの問題点を解消するために、ワイヤの表面に対する研究及び表面処理剤の開発が当面課題として登場するようになった。
今まで開発された溶接用ワイヤの表面処理剤には、メッキワイヤの場合は特開平9-141491号にポリ四フッ化エチレンを水またはアルコールに懸濁させて塗布することにより、送給性及びアーク安定性を向上させる技術が開示されている。
また、無メッキワイヤの場合には、特開平11-147174号に表面にMoS2を塗布して送給性を向上させる技術が、特開2000-94178号に表面研削面にMoS2、WS2、Cの1種を存在させることにより良好な送給性を得る技術が、特開2000-117483号に表面研削面にMoS2、WS2、Cの1種を存在させることにより優れたアークスタート性を得る技術が、特開2003-39191号にその表面に酸化スケールを形成させ、MoS2、WS2、黒鉛の1種を存在させることにより溶接性と通電性及び防錆性を向上させる技術が、そして特開2004-1061号にはその表面にカリウム化合物、硫化物、ポリイソブテンを存在させることによりスパッタを減少させる技術が開示されている。
一方、一般的な溶接用ワイヤの場合は、その表面処理剤として特開昭58-393号にグラファイト及びMoS2の1、2種とフッ素樹脂を使用して送給性及び耐錆性を向上させる技術が、特開平5-329683号にポリ四フッ化エチレンを使用して送給性を向上させる技術が、特開平7-97583号に炭化水素系鉱物油及び残部を植物油からなる混合油を使用して溶接性の向上を、特開平8-257788号にMoS2、WS2、四フッ化エチレンの1、2種と脂肪酸、金属石鹸を使用して送給性及びアーク安定性を向上させる技術が、特開2001-252786号にMoS2、WS2、Cの少なくとも1種と植物油、動物油、鉱物油の1種以上を使用して送給性を向上させる技術が、特開2002-239779号にMoS2、WS2の1種、四フッ化エチレン、金属石鹸を使用して送給性とアーク安定性を向上させる技術が、特開昭55-40068号に高級脂肪酸と高級一価アルコールからなるエステル系潤滑物質1或いは2種を使用して送給性と耐食性を向上させる技術が、特開平8-290287号にK、Naを含有したリン酸エステル系潤滑剤を塗布して送給性とアーク安定性を向上させる技術がそれぞれ知られている。
しかし、以上のような従来の表面処理剤等は、無機物形態の場合にワイヤ表面の潤滑油に残留させ、送給性を向上させたり或いは液状潤滑剤を塗油して送給性或いは耐食性を向上させることが主な目的であった。
特開平9-141491号公報 特開平11-147174号公報 特開2000-94178号公報 特開2000-117483号公報 特開2003-39191号公報 特開2004-1061号公報 特開昭58-393号 特開平5-329683号公報 特開平7-97583号公報 特開平8-257788号公報 特開2001-252786号公報 特開2002-239779号公報 特開昭55-40068号公報 特開平8-290287号公報
そこで、本発明の一つの目的は、金属化合物と炭化水素化合物からなる表面処理油の形態を得ることにより、別途の潤滑油を使用することなくそれ自体でワイヤの表面に安定した被膜を形成させることができる表面処理剤を提供することにある。
本発明の別の目的は、ワイヤの表面に安定した被膜を形成することができる表面処理剤を塗油することにより、ワイヤの耐錆性、耐磨耗性、アーク安定性及び送給性が向上した溶接用メッキ或いは無メッキワイヤを提供することにある。
本発明のまた別の目的は、ワイヤの表面に安定した被膜を形成することができる表面処理剤を塗油することにより、ワイヤの耐錆性、耐摩耗性、耐ブロホール性及び送給性が向上した、溶接用フラックス入りワイヤを提供することにある。
本発明の第1の発明によると、本発明表面処理油は,アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物に対して、Zn化合物及び炭化水素化合物を含み,前記炭化水素化合物はエステル基、カルボン酸基、アルカン基及びスルホン酸基からなる群から少なくとも2種の作用基を選ぶことを特徴とする。
本発明の第2の発明によると、
第1の発明により製造された表面処理油を塗油して、ワイヤ1kg当り0.03〜0.60gが存在するように表面処理した溶接用無メッキワイヤが提供される。
本発明の第3の発明によると、
第1の発明により製造された表面処理油を塗油して、ワイヤ1kg当り0.03〜0.60gが存在するように表面処理した溶接用メッキワイヤが提供される。
本発明の第4の発明によると、
第1の発明により製造された表面処理油を塗油して、ワイヤ1kg当り0.01〜1.00gが存在するように表面処理した溶接用フラックス入りワイヤが提供される。
本発明により製造された表面処理油及びこれを塗油した溶接用ワイヤは、従来のワイヤに比べて特に防錆性が優れ、溶接の際に耐摩耗性、アーク安定性及び送給性が優れていた。特に、フラックス入りワイヤの場合は防錆性、耐磨耗性、耐ブロホール性及び送給性が優れていた。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、表面処理油を構成する各成分の機能について見ると、次の通りである。
本発明に使用されるアルカリ金属化合物にはNa化合物及びK化合物が挙げられる。より好ましくはNa化合物とK化合物を同時に使用することがよい。
前記Na化合物にはこれに限定するものではないが、分子式[RSO3]Naで表されるNaスルフォネートを使用することが好ましく、前記K化合物にはこれに限定するものではないが、分子式C7H15COOKで表されるカルボン酸カリウム塩を使用することが好ましい。
ここで、前記Na化合物はワイヤの表面に堅固に吸着され防錆膜を形成することにより、ワイヤの表面に錆が発生することを防止する役割を果たすようになり、K化合物は電離電圧を下げる役割を果たすもので、さらにはアークを安定化させる役割を果たすようになる。
一方、本発明に使用されるアルカリ土類金属化合物にはBa化合物、Ca化合物及びMg化合物が挙げられる。前記化合物にはこれに限定するものではないが、それぞれ分子式[RSO3]nMn+で表されるスルフォネートを使用することが好ましい。
ここで、前記化合物等は極性基を有する分子構造を有することにより、金属表面に吸着される性質を有することになり、金属表面と極性の防錆添加剤間の相互物理化学的な相関性を提供する役割を果たすようになる。
さらに、Zn化合物にはこれに限定するものではないが、分子式RO4[P2S4]Znで表されるZnフォスフェートを使用することが好ましいが、このようなZn化合物は溶接用ワイヤの表面に保護膜を形成し、ワイヤの磨耗を防止する役割を果たすようになる。
一方、前記アルカリ金属化合物及び/またはアルカリ土類金属化合物としてNa化合物、K化合物とZn化合物を同時に使用することが、様々な物性の改善側面から最も好ましい。
前出のような金属化合物に炭化水素化合物を含んでなり、前記炭化水素化合物にはエステル基、カルボン酸基、アルカン基及びスルホン酸基からなる群から少なくとも2種の作用基を選ぶことが好ましい。
ここで、炭化水素化合物は上記のような作用基を有することにより、金属またはワイヤの表面に吸着して表面エネルギーを著しく低下させることで、金属間に低い摩擦係数を付与し、その結果溶接の際にワイヤの送給性を向上させる役割を果たすようになる。
前記作用基を有する炭化水素化合物には、例えば羊毛脂(wool fat)、ウールワックス(wool wax)、ラノリン、ステアリン酸、オレイン酸、ダイマー酸、アジピン酸、ジカルボン酸エステル、ポリオールエステル、コンプレックスエステル、フォスフェートエステル、スラック(Slack)ワックス、スケール(Scale)ワックス、半精製されたパラフィンワックス、微細結晶質ワックスからなる群から1種以上を選ぶことができる。
このように組成された表面処理油は、別途の潤滑油を要せずそれ自体でワイヤの表面に塗油することができ、このような表面処理油の塗油はフェルト(felt)を用いた塗油方式、浸漬式塗油方式或いは静電塗油方式のいずれの方式でもよい。
前記表面処理油は、溶接用無メッキワイヤの場合はワイヤ1kg当り0.03〜0.60gが存在するように表面処理し、溶接用メッキワイヤの場合はワイヤ1kg当り0.03〜0.60gが存在するように表面処理することが、防錆性、耐磨耗性、アーク安定性及び送給性の側面から優れたワイヤを得ることができる。
また、前記表面処理油は、溶接用フラックス入りワイヤの場合はワイヤ1kg当り0.01〜1.00gが存在するように表面処理すると、防錆性、耐磨耗性、耐ブロホール性及び送給性が優秀になり好ましい。
即ち、フラックス入りワイヤに対するアーク安定性は、金属外皮(sheath)内に内蔵されたフラックスにアーク安定剤がすでに含まれているため、本発明によるアーク安定剤の影響より内蔵されたフラックスから支配的に影響を受けるため、アーク安定性を考慮するよりは耐ブロホール性を考慮して上記量を算定することになる。
以下、本発明の実施例を具体的に例示するが、本発明をこれに限定するものではない。
<実施例1>表面処理油の適用
溶接用ワイヤを下記の表1のような種類別の代表的な一例として生産した。
Figure 2006015403
その後、製造されたワイヤのそれぞれに下記の表6に記載された組成からなる表面処理油をそれぞれ塗油し、表面処理油の組成別効果の評価結果を表6で一緒に対比した。参考的に、本発明で表面処理油の塗油方法としてはフェルト(felt)を用いた塗油方式を使用した。
一方、防錆性、耐摩耗性、アーク安定性及び送給性と耐ブロホール性は、それぞれ次のような測定により評価した。
1) 防錆性:塩水噴霧の試験条件下で60分経過時に錆の発生の有無を観察し、錆が発生すると防錆性は×と、そして錆が発生しないと防錆性は○と表記した。ここで、種類別のワイヤは1.2φを使用した。
一方、塩水噴霧の条件は、下記の表2の通りである。
Figure 2006015403
2) 耐摩耗性:新しい5m送給ケーブル2ターン(300φ)、溶接せずに10分間引き出す条件を適用し、ワイヤ表面上のキズが発生すると耐摩耗性は×と、そしてワイヤ表面上のキズが発生しないと耐摩耗性は○と表記した。ここで、種類別のワイヤは1.2φを使用した。
3) アーク安定性:3m送給ケーブル直線、ビードオンプレート(bead on plate)姿勢、下記の溶接条件でスパッタの発生量を評価し、1mm以上のスパッタ量が0.2gを超えたり、或いは総スパッタ量が2gを超える場合にアーク安定性を×と表記した。ここで、種類別のワイヤは1.2φを使用した。
一方、アーク安定性試験用の溶接条件は、下記の表3の通りである。
Figure 2006015403
4) 送給性:新しい5m送給ケーブル2ターン(300φ)、ビードオンプレート姿勢でジグザグに進ませた(weaving)時、100秒未満で送給ができなくなり溶接が不可能な場合は送給性を×と表記し、100秒以上の持続的な溶接が可能な場合には送給性を○と表記した。ここで、種類別のワイヤは1.2φを使用した。
一方、送給性試験用の溶接条件は、下記の表4の通りである。
Figure 2006015403
5) 耐ブロホール性:3m送給ケーブル直線、ビードオンプレート(bead on plate)姿勢、下記の溶接条件でブロホールの発生有無を評価し、ビードの表面上にブロホール (気孔)が発生する場合に耐ブロホール性を×と表記し、ビードの表面上にブロホール(気孔)が発生しない場合に耐ブロホール性を○と表記した。ここで、種類別のワイヤは1.2φを使用した。
一方、耐ブロホール性試験用の溶接条件は、下記の表5の通りである。
Figure 2006015403
Figure 2006015403
Figure 2006015403
Figure 2006015403
上記の表6から見られるように、比較例1は表面処理油を塗油していない場合、防錆性、耐磨耗性、アーク安定性及び送給性がすべて良好ではないことが確認できる。
比較例2〜5は、K化合物が含まれていてアーク安定性は良好であったものの、防錆性と耐摩耗性が良好ではないだけでなく、炭化水素化合物の作用基が1種のみ追加されることにより送給性も良好ではなかった。
比較例6〜9は、Zn化合物が含まれていて耐摩耗性は良好であったものの、防錆性、アーク安定性が良好ではないだけでなく、炭化水素化合物の作用基が1種のみ追加されることにより送給性も良好ではなかった。
比較例10〜13は、Na化合物が含まれていて防錆性は良好であったものの、耐摩耗性、アーク安定性が良好ではなく、炭化水素化合物の作用基が1種のみ追加されることにより送給性も良好ではなかった。
比較例14〜17は、Na化合物とZn化合物が含まれることにより防錆性と耐摩耗性は良好であったものの、アーク安定性が良好ではなく、炭化水素化合物の作用基が1種のみ追加されることにより送給性も良好ではなかった。
比較例18〜21は、Na化合物、K化合物が含まれていて防錆性とアーク安定性は良好であったものの、耐摩耗性が良好ではなく、炭化水素化合物の作用基が1種のみ追加されることにより送給性も良好ではなかった。
比較例22〜25は、Zn化合物、K化合物が含まれていて耐摩耗性とアーク安定性は良好であったものの、耐錆性が良好ではなく、炭化水素化合物の作用基が1種のみ追加されることにより送給性も良好ではなかった。
比較例26〜29は、Na化合物、Zn化合物、K化合物が含まれていて耐錆性、耐摩耗性とアーク安定性は良好であったものの、炭化水素化合物の作用基が1種のみ追加されることにより送給性が良好ではなかった。
比較例30〜65は、炭化水素化合物の作用基が少なくとも2つを有することにより送給性は良好であったものの、金属化合物が1種或いは2種のみ含まれることにより防錆性、耐摩耗性、アーク安定性がすべて良好ではないことが確認できた。
一方、実施例66〜76は、Na化合物、Zn化合物、K化合物がすべて含まれて構成されることにより防錆性、耐磨耗性とアーク安定性が良好で、炭化水素化合物の作用基を少なくとも2種を有することにより送給性もまた良好であった。
従って、本発明による表面処理油はアルカリ金属化合物及び/またはアルカリ土類金属化合物、Zn化合物及び炭化水素化合物(エステル基、カルボン酸基 、アルカン基及びスルホン酸基からなる群から少なくとも2種の作用基を選択)からなる組成が好ましいことが確認できた。
<実施例2>表面処理油の塗油量による対比
1) 無メッキ/メッキソリッドワイヤ
本発明により製造された表面処理油(表6c内の実施例66)を塗油した後、ワイヤの表面に存在する塗油量の測定方法は次の通りである。
1. ワイヤを6〜8cmの長さに切り、50〜80g程度になるように準備した。
2. ビーカーに溶媒としてCCl4 1000mlを準備した。
3. 準備されたワイヤを天秤(1g/10000)に載せて、脱脂前の重量(Wb)を測定した。
4. 準備されたワイヤをCCl4が入っているビーカーに入れて、2〜3回掻き混ぜながら表面処理油を10分間脱脂した。
5. 脱脂されたワイヤをオーブンに入れて10分間乾燥した後、デシケーターで常温に冷却した。
6. 乾燥されたワイヤを天秤(1g/10000)に載せて、脱脂後の重量(Wa)を測定した。
7. 測定されたWb値とWa値に基づき、下記式のように表面処理油の塗油量を計算した。
(数1)
表面処理油の塗油量(g/w・kg)={(Wb−Wa)/Wa}×1000
このように、測定された表面処理油の塗油量別効果の評価結果を、下記の表7にまとめた。
Figure 2006015403
上記の表7から見られるように、比較例1は塗油量が少なくて防錆性が良好ではなく、送給ケーブル内のスプリングライナーとワイヤ間の摩擦力が増加するにつれ、耐摩耗性と送給性が良好ではないことが確認できた。
比較例2は、塗油量が少なくて防錆性が良好ではなく、送給ケーブル内のスプリングライナーとワイヤ間の摩擦力が増加するにつれ、耐摩耗性が良好ではないことが確認できた。
比較例3〜5は、塗油量が多くて溶接の際に送給装置でワイヤのスリップが発生することにより送給が円滑ではなく、これによりアークもまた不安定になる。
これに反して実施例6〜15は、表面処理油を本発明の範囲内に塗油することにより、耐錆性、耐摩耗性、アーク安定性及び送給性がすべて良好な結果を表した。
従って、無メッキ/メッキソリッドワイヤに塗油する際に適切な塗油量は、ワイヤー1kg当り0.03〜0.60gの範囲内に存在するように塗油することが好ましいことが確認できた。
2) フラックス入りワイヤ
本発明により製造された表面処理油(表6c内の実施例71)を塗油した後、ワイヤの表面に存在する塗油量の測定方法は、次の通りである。
1. ワイヤを3〜4cmの長さに切り、10〜20g程度になるように準備した。
2. ビーカーに溶媒としてCCl4 50mlを準備した。
3. 準備されたワイヤを 天秤(1g/10000)に載せて、脱脂前の重量(Wb)を測定した。
4. 準備されたワイヤをCCl4が入っているビーカーに入れて、5〜10分間十分に掻き混ぜた。
5. 十分に脱脂された溶液をろ紙、ガラス マイクロ ファイバー フィルター(Glass Micro Fiber Filter)[GF/C, ワットマン(Whatman)社]50mmを使用してろ過した。
6. ろ紙でろ過された溶液を油分測定器に入れて油分量を測定した。
ここで、油分測定器とその運転条件は、下記の表8に開示した。
Figure 2006015403
このように測定した表面処理油の塗油量別効果の評価結果を、下記の表9にまとめた。
Figure 2006015403
上記の表9から見られるように、比較例1及び2は塗油量が少なくて防錆性及び耐摩耗性が良好ではなく、送給ケーブル内のスプリングライナーとワイヤ間の摩擦力が増加するにつれ、送給性も不良であることが確認できた。
比較例3は、比較例1〜2に比べては塗油量が増加されたが、実施例で使用したものに比べては塗油量が少なく耐摩耗性が良好ではなかった。
比較例4〜5は、実施例で使用したものに比べて塗油量が多く、これにより溶接の際にビードの表面にブロホールが発生したことが確認できた。
また、比較例6〜7は、塗油量が余りにも多く溶接の際にビードの表面にブロホールが発生しただけでなく、送給装置でワイヤのスリップが発生することにより送給が円滑ではなかった。
これに反して実施例8〜15は、表面処理油を本発明の範囲内に塗油することにより、防錆性、耐摩耗性、耐ブロホール性及び送給性がすべて良好な結果を表した。
従って、フラックス入りワイヤに塗油の際に適切な塗油量は、ワイヤ1kg当り0.01〜1.00gの範囲内に存在するように塗油することが好ましいことが確認できた。

Claims (5)

  1. 溶接用ワイヤの表面処理のためにワイヤの表面に塗油する表面処理油において、
    前記表面処理油は、アルカリ金属化合物及び/またはアルカリ土類金属化合物、Zn化合物及び炭化水素化合物を含んでなり、ここで前記炭化水素化合物はエステル基、カルボン酸基、アルカン基及びスルホン酸基からなる群から少なくとも2種の作用基を選んでなることを特徴とする表面処理油。
  2. 前記炭化水素化合物は羊毛脂(wool fat)、ウールワックス(wool wax)、ラノリン、ステアリン酸、オレイン酸、ダイマー酸、アジピン酸、ジカルボン酸エステル、ポリオールエステル、コンプレックスエステル、フォスフェートエステル、スラック(Slack)ワックス、スケール(Scale)ワックス、半精製されたパラフィンワックス、微細結晶質ワックスからなる群から少なくとも1種以上選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の表面処理油。
  3. 請求項1又は2に記載の表面処理油を塗油して、ワイヤ1kg当り0.03〜0.60gが存在するように表面処理した溶接用無メッキワイヤ。
  4. 請求項1又は2に記載の表面処理油を塗油して、ワイヤ1kg当り0.03〜0.60gが存在するように表面処理した溶接用メッキワイヤ。
  5. 請求項1又は2に記載の表面処理油を塗油して、ワイヤ1kg当り0.01〜1.00gが存在するように表面処理した溶接用フラックス入りワイヤ。
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