JP2006009908A - トロイダル型無段変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トロイダル型無段変速機におけるパワーローラの位置ズレを補正する際のハンチングを防止する。
【解決手段】 一対のディスクの間に挟み付けられかつ保持部材によって保持されたパワーローラをそれらのディスクの間で前記保持部材と共に移動させることによりパワーローラを傾転させて変速比を変化させるトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、前記保持部材の位置を検出することにより前記パワーローラの位置を検出する位置検出手段と、前記トロイダル型無段変速機に対する入力トルクもしくはその入力トルクの推定値に遅れ処理を施して入力トルク処理値を求める遅れ処理手段41と、前記入力トルク処理値に基づいて、前記パワーローラの実際の位置と前記検出手段で検出された位置とのずれの補正をおこなう補正手段44とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】 一対のディスクの間に挟み付けられかつ保持部材によって保持されたパワーローラをそれらのディスクの間で前記保持部材と共に移動させることによりパワーローラを傾転させて変速比を変化させるトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、前記保持部材の位置を検出することにより前記パワーローラの位置を検出する位置検出手段と、前記トロイダル型無段変速機に対する入力トルクもしくはその入力トルクの推定値に遅れ処理を施して入力トルク処理値を求める遅れ処理手段41と、前記入力トルク処理値に基づいて、前記パワーローラの実際の位置と前記検出手段で検出された位置とのずれの補正をおこなう補正手段44とを備えている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、入力ディスクと出力ディスクとの間に挟み込んだパワーローラを介して各ディスクの間でトルクを伝達するとともに、そのパワーローラを傾転させて変速比を変化させるトロイダル型無段変速機に関し、特にその変速を制御する装置に関するものである。
トロイダル型無段変速機は、パワーローラを入力ディスクと出力ディスクとの間に挟み付け、これらのパワーローラと各ディスクとの間でトラクションオイルを介したトルクの伝達をおこなうように構成されている。したがって、伝達トルク容量がパワーローラと各ディスクとの間に作用する圧力に応じた容量となるから、入力トルクに応じた圧力(挟圧力)でパワーローラを各ディスクの間に挟み付けている。
一方、ハーフトロイダル型無段変速機では、各ディスクの間のいわゆるキャビティが、半径方向で外側に開いた形状になっているので、挟圧力によってパワーローラがディスクの半径方向で外側に移動しないようにトラニオンとリンクとによってパワーローラを保持している。そして、そのトラニオンをトラニオン軸の軸線方向に上下動(もしくは前後動)させ、それに伴ってパワーローラが中立位置から外れて、ディスクとの間にサイドスリップが生じ、その結果、パワーローラが傾転して変速が生じる。
そのパワーローラを保持しているトラニオンをディスクの半径方向での所定位置に保持させるために、例えばディスクの回転中心軸線に対して対称の位置に配置されている一対のトラニオンにおける上下(もしくは前後)両端の軸同士をヨークなどのリンク部材で連結している。これに対してパワーローラを介した半径方向の荷重がトラニオンの中心部に作用するので、トラニオンやパワーローラをトラニオンに連結しているシャフトなどに湾曲などの変形が生じる。そのトラニオンには、これを上下動させるための軸やリンクなどが連結されているので、トラニオンなどの変形に伴ってその軸やリンクも変位する。さらに、構成部品同士の間に不可避的なガタ(クリアランス)があるから、荷重が作用することによってそのガタが詰まり、その分の相対変位が生じることがある。
上述した変形やそれに伴う変速機構の動作、あるいはセンサの誤差による変速などは、機構上の要因によって生じる変速であって、駆動要求などに基づく意図した変速ではなく、トルクシフトと称される変速であり、誤差要因となるものである。トルクシフトが生じる主な原因は、変速比毎の、入力トルクに基づく接線力や入力トルクに対応するトルク容量を設定するべくパワーローラを挟み付ける挟圧力である。
変速制御をおこなう場合、そのトルクシフトによる誤差もしくは変速比のズレを見込んで制御する必要があり、例えば特許文献1に記載された発明では、入力トルクに基づいてトルクシフトを補償するフィードフォワード制御をおこなうにあたり、入力トルクに関係するスロットル開度の変化の前後の値に基づいて、一次遅れ時定数と無駄時間とを設定するように構成している。
また、特許文献2に記載された発明では、トルクシフトの補償のための変速も通常の変速制御機構を介して実行されるから、その変速制御機構での遅れがトルクシフト補償制御にも生じる可能性があり、そこでトルクシフト補償について変速応答遅れ分の進み補償を施した後にトルクシフト補償を実行するように構成している。なお、その進み補償の際にライン圧をも考慮するように構成している。さらに、特許文献3には、入力トルクおよび変速比ならびにライン圧に基づき、パワーローラの位置ズレを考慮したトルクシフト補償量により、変速指令値を補正するように構成した発明が記載されている。
特開平11−351363号公報
特開2002−106700号公報
特開2002−349691号公報
前述したように、トルクシフトは変速制御に対しては誤差として作用するから、これを補償する必要があり、特許文献3の発明ではトルクシフト補償量によって変速指令値を補正することとし、また特許文献2の発明では、その補償の際に進み補償を施すこととし、さらに特許文献1の発明では、トルクシフトの動特性である一次遅れ時定数および無駄時間を入力トルクの変化量に相当するスロットル開度の変化量に応じて変更している。
トルクシフトは主として入力トルクもしくはそれに関連して設定される挟圧力が要因となって生じる。そのため、例えば上記の特許文献1に記載された発明は、トルクシフトの補償を入力トルクに基づくフィードフォワード制御によって実行している。しかしながら、そのトルクシフト補償制御をおこなうと変速が生じるから、入力回転数が変化し、それに伴って入力トルクが変化する。そして、このようにして変化した入力トルクに基づくトルクシフト補償のためのフィードフォワード制御を実行することになる。結局、トルクシフト補償のための変速とそれに伴う入力トルクの変化とが繰り返すいわゆるハンチングが発生する可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、トロイダル型無段変速機におけるトルクシフト補償をおこなうにあたって変速制御のハンチングを防止することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、一対のディスクの間に挟み付けられかつ保持部材によって保持されたパワーローラをそれらのディスクの間で前記保持部材と共に移動させることによりパワーローラを傾転させて変速比を変化させるトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、前記保持部材の位置を検出することにより前記パワーローラの位置を検出する位置検出手段と、前記トロイダル型無段変速機に対する入力トルクもしくはその入力トルクの推定値に遅れ処理を施して入力トルク処理値を求める遅れ処理手段と、前記入力トルク処理値に基づいて、前記パワーローラの実際の位置と前記検出手段で検出された位置とのずれの補正をおこなう補正手段とを備えていることを特徴とする変速制御装置である。
また、請求項2の発明は、保持部材によって保持したパワーローラを互いに対向する一対のディスクの間に挟み付けるとともに、そのパワーローラをその回転面を含む平面上で前記各ディスクの中心軸線と平行な方向に前記保持部材と共に移動させることによりパワーローラを傾転させて変速比を変化させるトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、前記保持部材の位置を検出することにより前記パワーローラの位置を検出する位置検出手段と、前記トロイダル型無段変速機に対する入力トルクもしくはその入力トルクの推定値に遅れ処理を施して入力トルク処理値を求める遅れ処理手段と、前記入力トルク処理値に基づいて、前記パワーローラの実際の位置と前記検出手段で検出された位置とのずれの補正をおこなう補正手段とを備えていることを特徴とする変速制御装置である。
さらに、請求項3の発明は、保持部材によって保持したパワーローラを互いに対向する一対のディスクの間に挟み付けるとともに、そのパワーローラをその回転面を含む平面上で前記各ディスクの中心軸線と平行な方向に前記保持部材と共に移動させることによりパワーローラを傾転させて変速比を変化させるトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、前記保持部材の位置を検出することにより前記パワーローラの位置を検出する位置検出手段と、前記トロイダル型無段変速機に対する入力トルクもしくはその入力トルクの推定値に基づいて、前記パワーローラの実際の位置と前記検出手段で検出された位置とのずれを補正するための補正値を求める補正値算出手段と、その補正値に遅れ処理を施して補正処理値を求める遅れ処理手段と、その補正処理値によって前記パワーローラの実際の位置と前記検出手段で検出された位置とのずれを補正する補正手段とを備えていることを特徴とする変速制御装置である。
またさらに、請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかの発明において、前記各ディスクが前記パワーローラを挟み付ける押圧力を、遅れ処理を施さない入力トルクもしくは入力トルクの推定値に基づいて設定する押圧力設定手段を更に備えていることを特徴とするトロイダル型無段変速機の変速制御装置である。
そして、請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかの発明において、前記遅れ処理に使用する処理定数を、入力トルクもしくは入力トルクの推定値の絶対値の大きさに応じて異ならせる処理定数設定手段を更に備えていることを特徴とするトロイダル型無段変速機の変速制御装置である。
請求項1あるいは2の発明によれば、入力ディスクと出力ディスクとの間におけるパワーローラの位置が、そのパワーローラを保持している保持部材の位置によって検出されるが、変形などによってその検出された位置とパワーローラの実際の位置とのズレを補正するために、先ず、入力トルクもしくはその推定値になまし処理や一次遅れ処理などの遅れ処理を施して入力トルク処理値が求められる。そして、その入力トルク処理値に基づいてパワーローラの位置の補正値あるいは変速比の補正値などを求め、もしくはその補正値を加えた変速制御をおこなうなどの補正が実行される。したがって、パワーローラのいわゆる位置のズレの補正もしくは変速制御の補正には、入力トルクが直接反映されず、所定の遅れをもって反映されるので、上記の補正に伴って変速比が変化するとしても、制御のハンチングを防止もしくは抑制することができる。
また、請求項3の発明によれば、上記の請求項1の発明における入力トルクもしくはその推定値に遅れ処理を施すのに替えて、入力トルクもしくはその推定値に基づいて求められたパワーローラの位置のズレの補正値に遅れ処理が施され、その補正処理値によってパワーローラの位置の補正あるいは変速比の補正、もしくは変速制御の補正が実行される。したがって、パワーローラのいわゆる位置のズレの補正もしくは変速制御の補正には、入力トルクが直接反映されず、所定の遅れをもって反映されるので、上記の補正に伴って変速比が変化するとしても、制御のハンチングを防止もしくは抑制することができる。
さらに、請求項4の発明によれば、パワーローラのいわゆる位置のズレの補正が上記のように遅れ処理を伴って実行されるのに対して、各ディスクがパワーローラを挟み付ける押圧力(挟圧力)の制御が遅れ処理を伴わない入力トルクに基づいて実行される。そのため、入力トルクに応じた押圧力を設定することができ、各ディスクとパワーローラとの間の過剰な滑りを未然に防止もしくは抑制することができる。
そして、請求項5の発明によれば、パワーローラのいわゆる位置のズレの傾向もしくは程度が入力トルクの絶対値が大きい場合と小さい場合とで異なっているのに対応して、前記の遅れ処理における処理定数を設定することが可能になり、その結果、パワーローラの位置のズレの補正に伴うハンチングを防止できるとともに、その補正を適正化することができる。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。まず、この発明を適用できる無段変速機およびその油圧制御系統について説明すると、図4は、ハーフトロイダル型無段変速機をそのディスクの中心軸線に対して垂直な面で切断した断面図を示しており、図4での上下方向が使用状態での上下方向である。一対のパワーローラ1,2が入力軸あるいは出力軸などの回転軸3を挟んだ左右両側に配置されており、これらのパワーローラ1,2は回転軸3に嵌合させあるいは遊嵌させられた入力側および出力側の各ディスク4によって挟み付けられている。
各パワーローラ1,2は、トラニオン5,6によってそれぞれ保持されている。これらのトラニオン5,6は、パワーローラ1,2を自転かつ傾転自在に保持するためのものであって、中心側を向く面を平坦面とした保持部7,8の上下両側にトラニオン軸9,10が延びて形成されている。図4での上側のトラニオン軸9,10が軸受を介してアッパーヨーク11に嵌合させられ、また図4での下側のトラニオン軸9,10が軸受を介してロアーヨーク12に嵌合させられている。したがって各トラニオン5,6は、それぞれトラニオン軸9,10を中心にして回転できるように各ヨーク11,12によって互いに連結されている。
各パワーローラ1,2は各トラニオン5,6における前記保持部7,8に取り付けたピボットシャフト13,14によって回転自在に保持され、また各パワーローラ1,2とそれぞれのトラニオン5,6との間にはスラスト軸受15,16が介装されている。これらトラニオン5,6やピボットシャフト13,14、スラスト軸受15,16などがこの発明の保持部材に相当している。
各トラニオン5,6における図4での下側のトラニオン軸9,10は、各パワーローラ1,2に対応して設けた油圧シリンダ17,18のピストン19,20に連結されている。これらの油圧シリンダ17,18は、パワーローラ1,2をその回転面を含む平面上で前記各ディスク4の中心軸線と平行な方向に前後動させるためのものであって、一方のパワーローラ1(もしくは2)を図4での上側に移動させると同時に他方のパワーローラ2(もしくは1)を図4での下側に移動させるように構成されている。例えば、図4での左側の油圧シリンダ17におけるピストン19より上側の油圧室が変速比の小さい高速側に変速させるためのハイ油室17Hであり、これとは反対の下側の油圧室が変速比の大きい低速側に変速させるためのロー油室17L となっている。また、図4での右側の油圧シリンダ18におけるピストン20より上側の油圧室が変速比の大きい低速側に変速させるためのロー油室18Lであり、これとは反対の下側の油圧室が変速比の小さい高速側に変速させるためのハイ油室18H となっている。そして、ハイ油室17H,18H同士、およびロー油室17L,18L同士が互いに連通されている。
これらの油圧室に油圧を給排して変速を実行する変速制御弁21が設けられている。図4に示す例では、変速制御弁21としてスプール弁が採用されており、そのスプール弁は、前記ハイ油室17H,18Hに連通するハイ側ポート22と、前記ロー油室17L,18Lに連通するロー側ポート23と、ライン圧が入力される入力ポート24と、二つのドレーンポート25,26と、軸線方向に移動してこれらのポートの連通状態を切り替えるスプール27とを有している。そして、そのスプール27は、入力ポート24および各ドレーンポート25,26をハイ側ポート22およびロー側ポート23のいずれに対しても閉じた状態、入力ポート24をハイ側ポート22に連通させると同時にロー側ポート23をドレーンポート26に連通させたアップシフト状態、これとは反対にロー側ポート23を入力ポート24に連通させると同時にハイ側ポート22をドレーンポート25に連通させたダウンシフト状態とに切り替えるように構成されている。
上記の変速制御弁21を使用した変速制御を電気的なフィードバック制御によって実行するように構成されている。すなわち、各パワーローラ1,2の位置をトラニオン5,6の位置もしくは移動量として検出するためにストロークセンサ28が設けられている。このストロークセンサ28は一例として、一方のトラニオン5(もしくは6)のトラニオン軸9(もしくは10)に取り付けられており、その軸線方向の移動量を電気的に検出して検出信号として出力するように構成されている。
一方、前記スプール弁の軸線方向での一端部には、スプール27に対して軸線方向の押圧力となる信号圧を加える制御ポートが形成されており、その制御ポートに電磁弁29が連通されている。この電磁弁29は、デューティ比や電流値に応じた圧力の信号圧を出力する公知の構成のバルブである。なお、その信号圧に抗してスプール27を復帰移動させるためには、スプール27に対して制御ポートとは反対側にスプリング(図示せず)を設ければよい。
上記の電磁弁29に指令信号を出力して変速制御を実行する電子制御装置(ECU)30が設けられている。この電子制御装置30はマイクロコンピュータを主体として構成されており、前記ストロークセンサ28からの検出信号や車速信号、図示しないエンジンのスロットル開度信号、入出力の各ディスクの回転数信号などの各種の信号が入力されている。そして、電子制御装置30は、これらの入力信号や予め記憶しているデータおよびプログラムに基づいて演算をおこなって、変速のための指令信号を前記電磁弁29に出力し、また前記ディスクが前記パワーローラ1,2を挟み付ける押圧力(挟圧力)を設定するための指令信号を出力し、さらにはパワーローラ1,2の位置のズレを補正するように構成されている。
なお、図4に示すトロイダル型無段変速機においても、入力されたトルクを伝達するために、入力トルクに応じたトルク容量を設定するように構成されている。具体的には、各ディスク4がパワーローラ1,2を挟み付けるようにディスク4をその背面側から押圧する油圧アクチュエータ(図示せず)が設けられており、入力トルクもしくはその推定値に基づく指令信号によって前記押圧力(挟圧力)を設定するように構成されている。
上記のトロイダル型無段変速機によるトルクの伝達および変速について説明すると、エンジンなどの動力源から入力ディスク4にトルクが入力されると、その入力ディスク4にトラクションオイルを介して接触しているパワーローラ1,2にトルクが伝達され、さらにそのパワーローラ1,2から出力ディスク4にトラクションオイルを介してトルクが伝達される。その場合、トラクションオイルは加圧されることによりガラス転移し、それに伴う大きい剪断力によってトルクを伝達するので、各ディスク4は入力トルクに応じた圧力がパワーローラ1,2との間に生じるように押圧される。
また、パワーローラ1,2の周速と各ディスク4のトルク伝達点(パワーローラ1,2がトラクションオイルを介して接触している点)の周速とが実質上同じであるから、パワーローラ1,2が傾転して入力ディスク4との間のトルク伝達点の回転中心軸線からの半径と、出力ディスク4との間のトルク伝達点の回転中心からの半径とに応じて各ディスク4の回転数(回転速度)が異なり、その回転数(回転速度)の比率が変速比となる。
このようにして変速比を設定するパワーローラ1,2の傾転は、パワーローラ1,2を図4の上下方向に移動させることにより生じる。例えば、前記スプール27を図4の右方向に移動させて入力ポート24をハイ側ポート22に連通させ、かつロー側ポート23をドレーンポート26に連通させると、各油圧シリンダ17,18のハイ油室17H,18Hにライン圧が供給されて、図4の左側のパワーローラ1が下側に移動し、かつ図4の右側のパワーローラ2が上側に移動する。その結果、各パワーローラ1,2にはこれを傾転させる力(サイドスリップ力)がディスク4との間に生じ、各パワーローラ1,2が傾転する。そして、各パワーローラ1,2が所定角度傾転すると、サイドスリップ力が生じなくなり、その変速比での中立状態となる。すなわち、従前の中立位置からのストローク量に応じてパワーローラ1,2が傾転するので、ストローク量に応じて変速比が設定される。
上記の電子制御装置30は、スロットル開度などで代表される要求駆動量や車速などに基づいて目標とする変速比に対応する傾転角度を求め、その傾転角度を達成するように電磁弁29に指令信号を出力する。その目標傾転角度は、パワーローラ1,2をトラニオン5,6と共にストロークさせることにより達成できるので、パワーローラ1,2のストローク量を前記ストロークセンサ28によって検出し、その検出したストローク量とストローク指令量との偏差を制御偏差として電磁弁29に対する指令信号(例えばデューティ比)がフィードバック制御される。
パワーローラ1,2のストローク量は、予め設定した基準位置からの距離として制御されるが、パワーローラ1,2を介してトルクを伝達すると、パワーローラ1,2とディスク4との間の接線方向の荷重や前記押圧力によってパワーローラ1,2をディスク4の半径方向で外側に押し出す荷重が生じ、これらの荷重によってトラニオン5,6が変形したり、ガタが詰まることによる変位が生じたりし、さらにはパワーローラ1,2を支持しているピボットシャフト13,14などの回転軸が変形したりする。このような変形あるいは変位によってストロークセンサ28とトラニオン6との相対位置が変化し、その結果、パワーローラ1,2の実際の位置とストロークセンサ28によって検出された位置とにズレが生じる。このようなズレを修正するように変速信号が出力され、その変速はトルクシフトと称されている。このトルクシフトは意図しない変速であって是正することが好ましいので、この発明の制御装置は、以下に述べるようにトルクシフト補償(もしくは補正)をおこなうように構成されている。
図1は、その一例を説明するためのブロック図であって、トロイダル型無段変速機に入力される入力トルクを求めるための入力トルク推定手段40を備えている。内燃機関を動力源とする車両に上記の無段変速機が搭載されている場合には、その内燃機関の負荷率(もしくは1回転当たりの吸入空気量)と回転数とからマップを使用して求めることができる。なお、トルクセンサを使用して直接求めてもよく、またトルクコンバータなどのトルク変換機構が動力源と無段変速機との間に配置されている場合には、その変換率(トルク増幅率)を考慮して入力トルクを求めることになる。
求められた入力トルクに遅れ処理を施す入力トルクなまし手段41を備えている。この遅れ処理は、なまし処理あるいは一次遅れ処理もしくはフィルタ処理と称される処理であって、なまし処理におけるなまし係数や一次遅れ処理での時定数もしくはフィルタ処理での帯域などの定数は、予め定められている値が採用される。特にこの発明では、入力トルクの絶対値の大きさに応じて異なる大きさの定数が切り替えて採用される。
すなわち、図2は、パワーローラ1,2に傾転力が作用しない中立位置X0からのズレ量と入力トルクTinとの関係を模式的に示す図であり、入力トルクTinが次第に増大して所定値T1に達するまでの間では、ズレ量の変化勾配が大きく、その所定値T1以上に入力トルクTinが増大すると、ズレ量の変化勾配が相対的に小さくなる。これは、入力トルクTinが小さい状態では、トラニオン5,6などの構成部品の変形よりも、構成部品同士の間に不可避的に存在しているガタ(クリアランス)が詰まってストロークセンサ28に対する相対的な変位もしくは実質的な変形が生じ、ガタが詰まった後には構成部品の変形が生じてストロークセンサ28に対する相対的な変位もしくは変形が現れることによるものと思われる。このように、入力トルクTinが小さい状態でのズレが、大きい場合に比較して大きくなるので、この発明の制御装置では、そのズレの発生の特性に応じて、遅れ処理の処理定数を異ならせるようになっている。
また、変速比算出手段42が設けられている。これは、実際の変速比を算出するためのものであり、したがって検出された入力ディスク4の回転数と出力ディスク4の回転数の比として変速比を算出するようになっている。
前述したように、トルクシフトと称される変形や相対位置の変動などに起因する変速もしくはパワーローラ1,2の位置のズレは、変速比毎に、入力トルクおよび押圧力(挟圧力)に応じて生じるから、上記の入力トルクの推定および変速比の算出に加えて、押圧力が求められるようになっており、そのための押圧力算出手段43が設けられている。この押圧力算出手段43は、一例として、先ず、油温や回転数などに基づいて、ディスク4とパワーローラ1,2との間の最大摩擦係数を求め、その最大摩擦係数と入力トルクと変速比とに基づいて、マップから押圧力(挟圧力)を算出するように構成されている。
さらに、補正値算出手段44が設けられている。この補正値は、パワーローラ1,2の実際の位置とストロークセンサ28によって検出された位置とのズレを補正するためのものであり、より具体的には、サイドスリップの生じない中立位置からのパワーローラ1,2のズレを補正するためのものであって、そのズレを入力トルクのなまし値と変速比と押圧力とに基づいて算出するように構成されている。その算出は、予め用意した演算式に上記の各数値を代入しておこなってもよいが、各データ相互の関係を予めマップとして用意しておき、そのマップから求めるようにしてもよい。
こうして求められた補正値が変速制御手段45で変速制御に反映され、変速比が設定される。図3はその変速制御手段45の概念的なブロック線図であって、目標変速比に相当する目標傾転角度φoと実際の傾転角度φとの偏差が求められる。その目標変速比およびこれに対応する傾転角度の算出は、従来、トロイダル型無段変速機での変速制御で実行されているのと同様にしておこなうことができる。例えば、アクセル開度などで表される要求駆動量と車速とに基づいて要求駆動力が算出され、その要求駆動力と車速とから目標出力が求められ、その目標出力を最小の燃費で達成する内燃機関の回転数が求められ、無段変速機の入力回転数がその内燃機関の回転数に相当する回転数となるように目標変速比および目標傾転角度φoが求められる。
その偏差に所定のゲインK1による処理を施してパワーローラ1,2のストローク量(一例として中立点からのストローク量)Xoが求められる。そのストローク量Xoと実際のストローク量Xとの偏差に、上記の補正値算出手段44で求められた補正値Xzによる補正処理(一例として加減算)が施される。こうして求められたストローク量に所定のゲインK2による処理が施されて、前記電磁弁29について指令信号(例えばデューティ比)が求められ、その電磁弁29の出力する油圧によって前記変速制御弁21が動作して、無段変速機CVTが変速動作する。
その変速制御による変速比の変化量もしくは傾転角度の変化量は、上述したパワーローラ1,2の位置のズレの補正分を含んでいるから、要求駆動量の変化などがなくても位置のズレが検出されれば変速が生じることになる。すなわち中立点の補正が実行される。その場合、押圧力の制御には入力トルクもしくはその推定値が直ちに反映され、入力トルクに応じた押圧力が設定されるので、無段変速機での滑りが回避される。これに対して、補正値を求めるためには、入力トルクもしくはその推定値になまし処理などの遅れ処理が施され、その処理値に基づいて補正値が算出される。そのため、中立点位置についての補正に伴って変速が生じることにより入力トルクが変化しても、これが補正値に直ちに影響することがないので、パワーローラ1,2の位置のズレを補正するいわゆるトルクシフト補償の際に入力トルクに基づく制御をおこなうとしても、その制御にハンチングが生じることが回避され、あるいは抑制される。
ここで、上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、前述したストロークセンサ28および電子制御装置30がこの発明の位置検出手段に相当し、また図1に示す入力トルクなまし手段が、請求項1あるいは2の発明の遅れ処理手段に相当し、さらに補正値算出手段44が、請求項1あるいは2の発明における補正手段に相当する。またさらに、図1に示す押圧力算出手段が、この発明の押圧力設定手段に相当し、そして例えば図2に示すようにズレ量変化特性が入力トルクに応じて異なることに基づいて処理定数を変更する手段が、この発明の処理定数設定手段に相当する。
なお、上記の具体例では、入力トルクもしくはその推定値に遅れ処理を施すように構成したが、この発明では、上記の具体例の構成に替えて、入力トルクもしくはその推定値に基づいてパワーローラ1,2の位置のズレについての補正値を求め、その補正値に遅れ処理を施し、その処理値に基づいてパワーローラ1,2の位置についての補正をおこない、あるいは変速制御をおこなうように構成してもよい。その場合の補正値を求める手段が、請求項3の発明の補正値算出手段に相当し、遅れ処理をおこなう手段が、請求項3の発明の遅れ処理手段に相当し、その処理値に基づいて補正制御をおこなう手段が、請求項3の発明における補正手段に相当する。
1,2…パワーローラ、 4…ディスク、 5,6…トラニオン、 17,18…油圧シリンダ、 21…変速制御弁、 28…ストロークセンサ、 29…電磁弁、 30…電子制御装置、 40…入力トルク推定手段、 41…入力トルクなまし手段、 42…変速比算出手段、 43…押圧力算出手段、 44…補正値算出手段、 45…変速制御手段。
Claims (5)
- 一対のディスクの間に挟み付けられかつ保持部材によって保持されたパワーローラをそれらのディスクの間で前記保持部材と共に移動させることによりパワーローラを傾転させて変速比を変化させるトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、
前記保持部材の位置を検出することにより前記パワーローラの位置を検出する位置検出手段と、
前記トロイダル型無段変速機に対する入力トルクもしくはその入力トルクの推定値に遅れ処理を施して入力トルク処理値を求める遅れ処理手段と、
前記入力トルク処理値に基づいて、前記パワーローラの実際の位置と前記検出手段で検出された位置とのずれの補正をおこなう補正手段と
を備えていることを特徴とするトロイダル型無段変速機の変速制御装置。 - 保持部材によって保持したパワーローラを互いに対向する一対のディスクの間に挟み付けるとともに、そのパワーローラをその回転面を含む平面上で前記各ディスクの中心軸線と平行な方向に前記保持部材と共に移動させることによりパワーローラを傾転させて変速比を変化させるトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、
前記保持部材の位置を検出することにより前記パワーローラの位置を検出する位置検出手段と、
前記トロイダル型無段変速機に対する入力トルクもしくはその入力トルクの推定値に遅れ処理を施して入力トルク処理値を求める遅れ処理手段と、
前記入力トルク処理値に基づいて、前記パワーローラの実際の位置と前記検出手段で検出された位置とのずれの補正をおこなう補正手段と
を備えていることを特徴とするトロイダル型無段変速機の変速制御装置。 - 保持部材によって保持したパワーローラを互いに対向する一対のディスクの間に挟み付けるとともに、そのパワーローラをその回転面を含む平面上で前記各ディスクの中心軸線と平行な方向に前記保持部材と共に移動させることによりパワーローラを傾転させて変速比を変化させるトロイダル型無段変速機の変速制御装置において、
前記保持部材の位置を検出することにより前記パワーローラの位置を検出する位置検出手段と、
前記トロイダル型無段変速機に対する入力トルクもしくはその入力トルクの推定値に基づいて、前記パワーローラの実際の位置と前記検出手段で検出された位置とのずれを補正するための補正値を求める補正値算出手段と、
その補正値に遅れ処理を施して補正処理値を求める遅れ処理手段と、
その補正処理値によって前記パワーローラの実際の位置と前記検出手段で検出された位置とのずれを補正する補正手段と
を備えていることを特徴とするトロイダル型無段変速機の変速制御装置。 - 前記各ディスクが前記パワーローラを挟み付ける押圧力を、遅れ処理を施さない入力トルクもしくは入力トルクの推定値に基づいて設定する押圧力設定手段を更に備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のトロイダル型無段変速機の変速制御装置。
- 前記遅れ処理に使用する処理定数を、入力トルクもしくは入力トルクの推定値の絶対値の大きさに応じて異ならせる処理定数設定手段を更に備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のトロイダル型無段変速機の変速制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004186655A JP2006009908A (ja) | 2004-06-24 | 2004-06-24 | トロイダル型無段変速機の変速制御装置 |
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JP2007198509A (ja) * | 2006-01-26 | 2007-08-09 | Toyota Motor Corp | トロイダル型無段変速機の変速制御装置 |
JP2007198510A (ja) * | 2006-01-26 | 2007-08-09 | Toyota Motor Corp | トロイダル型無段変速機の油圧制御装置 |
JP2016003719A (ja) * | 2014-06-17 | 2016-01-12 | 日本精工株式会社 | トロイダル型無段変速機 |
-
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- 2004-06-24 JP JP2004186655A patent/JP2006009908A/ja active Pending
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