JP2006008877A - フタロシアニン化合物の製造方法、並びに電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電子写真感光体に用いた場合に優れた感光体特性を発揮するフタロシアニン化合物を簡単に製造できる製造方法を提供する。
【解決するための手段】
フタロシアニン環を形成しうる化合物と3価の金属塩とを芳香族炭化水素化合物中で反応させる。
【選択図】 なし
【解決するための手段】
フタロシアニン環を形成しうる化合物と3価の金属塩とを芳香族炭化水素化合物中で反応させる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、フタロシアニン化合物の製造方法、並びに、その製造方法により製造されたフタロシアニン化合物を用いた電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置に関する。
フタロシアニン化合物は染料、顔料、印刷用インキ、触媒、電子材料等として非常に有用な材料である。特に近年は電子写真感光体用材料、光記録用材料、光電変換材料として広く研究されており、これらのうち一部のものについては実用化にまで至っている。
一般にフタロシアニン化合物は、製造ルート、製造条件、処理方法によって様々な結晶型を示すことが知られている。また、フタロシアニン化合物を光電変換材料として用いた場合、結晶型の違いにより、その光電変換特性が大きく異なることも知られている(例えば非特許文献1参照)。
一般にフタロシアニン化合物は、製造ルート、製造条件、処理方法によって様々な結晶型を示すことが知られている。また、フタロシアニン化合物を光電変換材料として用いた場合、結晶型の違いにより、その光電変換特性が大きく異なることも知られている(例えば非特許文献1参照)。
光電変換デバイスである電子写真感光体においては、フタロシアニン化合物が非常に有用であることが見出されている。例えば、メタルフリーフタロシアニン、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ジヒドロキシシリコンフタロシアニン等については数多くの研究がなされ、様々な結晶型の報告がなされている。特に、フタロシアニンの分子構造がシャトルコック構造を有するフタロシアニン化合物については、優れた電子写真感光体特性(以下適宜、単に「感光体特性」という)を有することが知られており、特に精力的に研究が行われている。例えば、特許文献1では、中心金属が3価でシャトルコック構造を有するフタロシアニン化合物の例として、クロロガリウムフタロシアニンが挙げられている。
また、従来、クロロガリウムフタロシアニンの製造方法としては、三塩化ガリウムと1,3−ジイミノイソインドリンとを無溶媒で反応させる方法(例えば非特許文献2参照)、三塩化ガリウムとフタロニトリルとを無溶媒で反応させる方法(例えば特許文献2参照)、三塩化ガリウムとフタロニトリルとをブチルセロソルブ中で1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンを触媒として反応させる方法(例えば特許文献3参照)、三塩化ガリウムとフタロニトリルとをキノリン中で反応させる方法(例えば非特許文献3参照)、三塩化ガリウムと1,3−ジイミノイソインドリンとを非プロトン性極性溶媒中で反応させる方法(例えば特許文献4参照)、三塩化ガリウムと1,3−ジイミノイソインドリンとをジメチルスルホキシド中で反応させ、反応後次亜塩素酸溶液を滴下する方法(例えば特許文献5参照)、フタロニトリル又は1,3−ジイミノイソインドリンと三塩化ガリウムとをα−クロロナフタレン中で反応させる方法(特許文献6参照)が知られている。
しかしながら、無溶媒条件下で反応を行なうことによりフタロシアニン化合物を製造した場合、副生成物が生じるため、生成物は種々のものの混合物となり好ましくない。例えば、特許文献2に記載されているように、無溶媒条件下でクロロガリウムフタロシアニンを製造する場合は、フタロシアニン環にクロロ化が起こり、生成物が種々のハロゲン置換化合物との混合物となるため、生成したフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合に好ましい感光体特性が得られにくい。
一方、溶媒を用いて反応を行なう場合においても、得られるフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合の感光体特性はフタロシアニン化合物製造時の溶剤や合成条件に大きく影響を受ける。例えば、クロロガリウムフタロシアニンをキノリン溶媒中で製造する場合、所望の生成物を得るためには反応系の昇温温度の制御が必要となるため、その操作が複雑になる(例えば特開平7−207171号公報参照)。
また、特許文献1に記載のように、三塩化ガリウムと1,3−ジイミノイソインドリンとをキノリン溶媒中で反応させる方法では、それにより製造されるフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合の感光体特性に問題は無いが、製造ロットごとのばらつきが非常に大きかった。このため、前記のばらつきを無くそうとすれば製造工程を精密に制御する必要があった。
さらに、特許文献4に記載のように、三塩化ガリウムと1,3−ジイミノイソインドリンとをジメチルスルホキシド溶媒中で反応させる方法では、ジメチルスルホキシドが高温環境下で非常に不安定であるために高温反応中に分解反応が起こり、ジメチルメルカプタンやジメチルスルフィドを副生成物として生じる。この副生物を除去するため、及び、製造時の安全性を高めるために、特許文献5に記載のような反応後の処理が必要となっており、製造工程が複雑になっていた。
また、特許文献6に記載のように、フタロニトリル又は1,3−ジイミノイソインドリンと三塩化ガリウムとをα−クロロナフタレン中で反応させる方法では、製造時のフタロシアニン環を形成する物質(フタロニトリル又は1,3−ジイミノイソインドリン)と金属塩との仕込み比の違いにより、製造されるフタロシアニン化合物を用いた電子写真感光体の感光体特性、及び、製造されるフタロシアニン化合物の収率が大きく変動してしまっていた。したがって、製造時の原料の仕込み比を精密に設定する必要があった。
さらに、従来の製造方法により得られるフタロシアニン化合物は、電子写真感光体に用いた場合の感光体特性が十分満足のいくものではなかった。
さらに、従来の製造方法により得られるフタロシアニン化合物は、電子写真感光体に用いた場合の感光体特性が十分満足のいくものではなかった。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、電子写真感光体に用いた場合に初期帯電性や感度に代表される電気特性に特に優れた感光体特性を発揮するフタロシアニン化合物を簡単に製造できるフタロシアニン化合物の製造方法、並びに、それを用いた電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、フタロシアニン環を形成しうる化合物と3価の金属塩とを芳香族炭化水素化合物中で反応させるという簡単な方法により、電子写真感光体に用いた場合に優れた感光体特性を発揮するフタロシアニン化合物を製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は、フタロシアニン環を形成しうる化合物と、3価の金属塩とを、芳香族炭化水素化合物中で反応させることを特徴とする、フタロシアニン化合物の製造方法に存する(請求項1)。
このとき、該芳香族炭化水素化合物は、ベンゼン環を2つ以上有する芳香族炭化水素化合物、及び、アルキル基で置換されたナフタレン環を有する芳香族炭化水素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい(請求項2)。
さらに、該フタロシアニン環を形成しうる化合物は、置換基を有していてもよいフタロニトリル類及び1,3−ジイミノイソインドリン類の少なくともいずれかであることが好ましい(請求項3)。
このとき、該芳香族炭化水素化合物は、ベンゼン環を2つ以上有する芳香族炭化水素化合物、及び、アルキル基で置換されたナフタレン環を有する芳香族炭化水素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい(請求項2)。
さらに、該フタロシアニン環を形成しうる化合物は、置換基を有していてもよいフタロニトリル類及び1,3−ジイミノイソインドリン類の少なくともいずれかであることが好ましい(請求項3)。
また、本発明の別の要旨は、上記の製造方法により製造されたフタロシアニン化合物を含有する感光層を備えることを特徴とする、電子写真感光体に存する(請求項4)。
さらに、本発明の更に別の要旨は、上記の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、及び、現像剤を感光体から除去するクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えたことを特徴とする、電子写真感光体カートリッジに存する(請求項5)。
さらに、本発明の更に別の要旨は、上記の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、及び、現像剤を感光体から除去するクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えたことを特徴とする、電子写真感光体カートリッジに存する(請求項5)。
また、本発明の更に別の要旨は、上記の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部と、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部と、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えたことを特徴とする、画像形成装置に存する(請求項6)。
本発明のフタロシアニン化合物の製造方法によれば、電子写真感光体に用いた場合に初期帯電性や感度に代表される電気特性に特に優れた感光体特性を発揮するフタロシアニン化合物を簡単に製造することができる。また、この製造方法によって製造したフタロシアニン化合物を用いることにより、初期帯電性や感度に代表される電気特性に特に優れた感光体特性を有する電子写真感光体、並びに、それを用いた電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置を得ることができる。
以下、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
[I.フタロシアニン化合物の製造方法]
本発明のフタロシアニン化合物の製造方法(以下適宜、「本発明の製造方法」という)は、フタロシアニン環を形成しうる化合物(以下適宜、「フタロシアニン環形成化合物」という)と、3価の金属塩とを、芳香族炭化水素化合物中で反応させ、フタロシアニン化合物を得るものである。
[I.フタロシアニン化合物の製造方法]
本発明のフタロシアニン化合物の製造方法(以下適宜、「本発明の製造方法」という)は、フタロシアニン環を形成しうる化合物(以下適宜、「フタロシアニン環形成化合物」という)と、3価の金属塩とを、芳香族炭化水素化合物中で反応させ、フタロシアニン化合物を得るものである。
[1.フタロシアニン化合物]
本発明の製造方法により製造できるフタロシアニン化合物(以下適宜、「本発明のフタロシアニン化合物」という)については、中心金属の価数が3価であるフタロシアニン化合物であれば任意のフタロシアニン化合物の製造が可能である。
中心金属が3価であるフタロシアニン化合物の例としては、長周期型周期表における13属元素をフタロシアニン環の中心に有するフタロシアニン化合物が挙げられる。その具体例としては、クロロアルミニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ブロモアルミニウムフタロシアニン、ブロモガリウムフタロシアニン、ブロモインジウムフタロシアニン等の中心金属にハロゲン原子が結合したフタロシアニン化合物;メトキシアルミニウムフタロシアニン、メトキシガリウムフタロシアニン、エトキシガリウムフタロシアニン、メトキシインジウムフタロシアニン等の中心金属にアルコキシ基が結合したフタロシアニンなどが挙げられる。中でも、電子写真感光体に用いた場合に優れた感光体特性を発揮しうる、クロロガリウムフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、メトキシガリウムフタロシアニンが好ましい。また、製造時には1種のフタロシアニン化合物を単独で製造してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で製造しても良い。
本発明の製造方法により製造できるフタロシアニン化合物(以下適宜、「本発明のフタロシアニン化合物」という)については、中心金属の価数が3価であるフタロシアニン化合物であれば任意のフタロシアニン化合物の製造が可能である。
中心金属が3価であるフタロシアニン化合物の例としては、長周期型周期表における13属元素をフタロシアニン環の中心に有するフタロシアニン化合物が挙げられる。その具体例としては、クロロアルミニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ブロモアルミニウムフタロシアニン、ブロモガリウムフタロシアニン、ブロモインジウムフタロシアニン等の中心金属にハロゲン原子が結合したフタロシアニン化合物;メトキシアルミニウムフタロシアニン、メトキシガリウムフタロシアニン、エトキシガリウムフタロシアニン、メトキシインジウムフタロシアニン等の中心金属にアルコキシ基が結合したフタロシアニンなどが挙げられる。中でも、電子写真感光体に用いた場合に優れた感光体特性を発揮しうる、クロロガリウムフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、メトキシガリウムフタロシアニンが好ましい。また、製造時には1種のフタロシアニン化合物を単独で製造してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で製造しても良い。
[2.芳香族炭化水素化合物]
本発明の製造方法において用いられる芳香族炭化水素化合物は、フタロシアニン環形成化合物と3価の金属塩との反応の反応媒質として機能するものである。芳香族炭化水素化合物であれば他に制限は無く、任意の化合物を用いることができる。その具体例を挙げると、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、トリメチルベンゼン、テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、テトラメチルベンゼンなどのベンゼン環を有する芳香族炭化水素化合物、ナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1,4−ジメチルナフタレン等のナフタレン環を有する芳香族炭化水素化合物などが挙げられる。なお、芳香族炭化水素化合物は、上記の反応に悪影響を与えない範囲で、置換基として任意の炭化水素基を有していても良い。置換基の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の鎖状炭化水素基、アリール基、シクロアルキル基等の環状炭化水素基などが挙げられる。なお、芳香族炭化水素化合物には、スピロ環やスチルベン等の多環集合も含む。
本発明の製造方法において用いられる芳香族炭化水素化合物は、フタロシアニン環形成化合物と3価の金属塩との反応の反応媒質として機能するものである。芳香族炭化水素化合物であれば他に制限は無く、任意の化合物を用いることができる。その具体例を挙げると、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、トリメチルベンゼン、テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、テトラメチルベンゼンなどのベンゼン環を有する芳香族炭化水素化合物、ナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1,4−ジメチルナフタレン等のナフタレン環を有する芳香族炭化水素化合物などが挙げられる。なお、芳香族炭化水素化合物は、上記の反応に悪影響を与えない範囲で、置換基として任意の炭化水素基を有していても良い。置換基の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の鎖状炭化水素基、アリール基、シクロアルキル基等の環状炭化水素基などが挙げられる。なお、芳香族炭化水素化合物には、スピロ環やスチルベン等の多環集合も含む。
この中でも、フタロシアニン化合物の合成時に適切な反応条件を確保する観点から、芳香族炭化水素化合物としては、沸点が通常100℃以上、好ましくは130℃以上、より好ましくは200℃以上のものが好ましい。さらに、芳香族炭化水素化合物は、常温常圧(即ち、20℃大気圧)で液体であることが望ましい。好ましい芳香族炭化水素化合物の例としては、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン等のベンゼン環を2つ以上有する芳香族炭化水素化合物、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、ジメチルナフタレン等のアルキル基で置換されたナフタレン環を有する芳香族炭化水素化合物などが挙げられる。
さらに、得られるフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合の感光体特性を考慮すると、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレンなどがより好ましい。
なお、芳香族炭化水素化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。さらに、他のフタロシアニン化合物の製造方法で用いられる公知の溶媒と任意の組み合わせ及び比率で混合して用いても良い。
なお、芳香族炭化水素化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。さらに、他のフタロシアニン化合物の製造方法で用いられる公知の溶媒と任意の組み合わせ及び比率で混合して用いても良い。
[3.フタロシアニン環形成化合物]
本発明の製造方法において使用されるフタロシアニン環形成化合物は、反応によりフタロシアニン環を形成しうる化合物であれば他に制限は無く、任意の化合物を用いることができる。
本発明の製造方法において使用されるフタロシアニン環形成化合物は、反応によりフタロシアニン環を形成しうる化合物であれば他に制限は無く、任意の化合物を用いることができる。
その具体例としては、フタロニトリル、4−メチルフタロニトリル、4−フルオロフタロニトリル、3−ニトロフタロニトリル等のフタロニトリル類;1,3−ジイミノイソインドリン、1,3−ジイミノ−5−メチルイソインドリン、1,3−ジイミノ−4−ニトロイソインドリン、1,3−ジイミノ−5−フルオロイソインドリン等の1,3−ジイミノイソインドリン類;4−メチル無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−フルオロ無水フタル酸等の無水フタル酸類;3−メチルフタルイミド、4−ニトロフタルイミド、4−フルオロフタルイミド等のフタルイミド類などが挙げられる。中でも、フタロシアニン環を形成する際の反応性の観点から、フタロニトリル類、1,3−ジイミノイソインドリン類、無水フタル酸類が好ましい。さらに、得られる本発明のフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合の感光体特性は製造ルートに大きく依存するため、製造ルートが前記感光体特性に与える影響を考慮すると、フタロニトリル類、1,3−ジイミノイソインドリン類がより好ましい。
また、フタロシアニン環形成化合物は、置換基を有していても良い。置換基の種類は任意であるが、フタロシアニン環を形成する反応に対して不活性である基が好ましい。この観点から、置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリ−ブチル基、ベンジル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロピル基、ターシャリ−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基等のアリールオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基、ターシャリ−ブチルチオ基、ベンジルチオ基等のチオアルキル基;フェニルチオ基、ナフチルチオ基等のチオアリール基などが好ましい。
さらに、本発明のフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合に、置換基が電子写真感光体の感光体特性に与える影響を考慮すると、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ニトロ基が好ましい。この中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子がより好ましい。
また、フタロシアニン環形成化合物と3価の金属塩とを芳香族炭化水素化合物の存在下で反応させてフタロシアニン化合物を製造する場合には、理由は明確ではないが本発明の効果が顕著に現れることより、フタロシアニン環形成化合物は置換基を有していることが好ましい。なお、置換基は1個が単独で置換していてもよく、2個以上が任意の組み合わせ及び比率で置換していても良い。また、フタロシアニン環形成化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[4.金属塩]
本発明の製造方法において用いられる3価の金属塩に制限は無く、金属の価数が3価であれば任意の金属塩を用いることができる。その具体例としては、三塩化アルミニウム、三塩化ガリウム、三塩化インジウム等の金属塩化物;臭化アルミニウム、三臭化ガリウム、三臭化インジウム等の金属臭化物;三ヨウ化アルミニウム、三ヨウ化ガリウム、三ヨウ化インジウム等の金属ヨウ化物;アルミニウムトリメトキシド、ガリウムトリメトキシド、インジウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、ガリウムトリエトキシド、インジウムトリエトキシド等の金属アルコキシド化合物;ガリウムトリアセチルアセトネート、インジウムトリアセチルアセトネート等の金属アセチルアセトネート化合物などが挙げられる。中でも、試薬の汎用性から、三塩化アルミニウム、三塩化ガリウム、三塩化インジウム、三臭化アルミニウム、三臭化ガリウム、三臭化インジウム、アルミニウムトリメトキシド、ガリウムトリメトキシド、インジウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、ガリウムトリエトキシド、インジウムトリエトキシドなどが好ましく、得られるフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合の感光体特性を考慮すると、三塩化アルミニウム、三塩化ガリウム、三塩化インジウムなどがより好ましい。
なお、金属塩は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明の製造方法において用いられる3価の金属塩に制限は無く、金属の価数が3価であれば任意の金属塩を用いることができる。その具体例としては、三塩化アルミニウム、三塩化ガリウム、三塩化インジウム等の金属塩化物;臭化アルミニウム、三臭化ガリウム、三臭化インジウム等の金属臭化物;三ヨウ化アルミニウム、三ヨウ化ガリウム、三ヨウ化インジウム等の金属ヨウ化物;アルミニウムトリメトキシド、ガリウムトリメトキシド、インジウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、ガリウムトリエトキシド、インジウムトリエトキシド等の金属アルコキシド化合物;ガリウムトリアセチルアセトネート、インジウムトリアセチルアセトネート等の金属アセチルアセトネート化合物などが挙げられる。中でも、試薬の汎用性から、三塩化アルミニウム、三塩化ガリウム、三塩化インジウム、三臭化アルミニウム、三臭化ガリウム、三臭化インジウム、アルミニウムトリメトキシド、ガリウムトリメトキシド、インジウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、ガリウムトリエトキシド、インジウムトリエトキシドなどが好ましく、得られるフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合の感光体特性を考慮すると、三塩化アルミニウム、三塩化ガリウム、三塩化インジウムなどがより好ましい。
なお、金属塩は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[5.反応条件]
本発明の製造方法では、フタロシアニン環形成化合物と、3価の金属塩とを、芳香族炭化水素化合物中で反応させることができれば具体的な反応条件に制限は無い。
よって、フタロシアニン環形成化合物と3価の金属塩との反応時の仕込み比は任意であるが、得られるフタロシアニン化合物の反応中の分散性等を考慮すると、フタロシアニン環形成化合物が3価の金属塩に対して、モル数で、通常2.0倍以上であり、金属塩が多すぎるとフタロシアニン化合物の純度が低下する事から、3.0倍以上が好ましい。また、得られるフタロシアニン化合物の収率を考慮すると、通常6.0倍以下であり、製造コストを考慮すると5.0倍以下が好ましい。
本発明の製造方法では、フタロシアニン環形成化合物と、3価の金属塩とを、芳香族炭化水素化合物中で反応させることができれば具体的な反応条件に制限は無い。
よって、フタロシアニン環形成化合物と3価の金属塩との反応時の仕込み比は任意であるが、得られるフタロシアニン化合物の反応中の分散性等を考慮すると、フタロシアニン環形成化合物が3価の金属塩に対して、モル数で、通常2.0倍以上であり、金属塩が多すぎるとフタロシアニン化合物の純度が低下する事から、3.0倍以上が好ましい。また、得られるフタロシアニン化合物の収率を考慮すると、通常6.0倍以下であり、製造コストを考慮すると5.0倍以下が好ましい。
また、反応の際に用いる芳香族炭化水素化合物の量も任意であるが、少なすぎると得られるフタロシアニン化合物中に不純物が取り込まれやすくなることから、フタロシアニン環形成化合物1重量部に対して通常2重量部以上であり、得られるフタロシアニン化合物の分散性を考慮すると3重量部以上が好ましい。また、フタロシアニン環を形成する反応は縮合反応であり、反応系中のフタロシアニン環形成化合物の濃度が低下すると収率が低下する虞があることから、フタロシアニン環形成化合物1重量部に対して通常100重量部以下であり、反応時に溶媒(反応媒質)を用いすぎると生産性が低下する虞があることから、50重量部以下が好ましい。
さらに、反応温度も任意であるが、あまり低温すぎるとフタロシアニン環の形成反応が遅くなることから通常100℃以上であり、得られるフタロシアニン化合物の収率を考慮すると130℃以上が好ましい。また、芳香族炭化水素化合物を反応溶媒として金属塩を用いて反応を行なうことから、あまり反応温度が高すぎると、反応が煩雑になり得られるフタロシアニン化合物の純度が低下する虞があることを考慮すると、通常230℃以下であり、得られるフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合の感光体特性を考慮すると、210℃以下がより好ましく、特に、180℃以下が更に好ましい。
また、フタロシアニン環形成化合物と3価の金属塩とを反応させる際、収率の向上、反応の促進を目的として、芳香族炭化水素化合物中に他の物質を共存させて反応を行なってもよい。共存させる物質の例としては、4級アンモニウム塩、尿素、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)等の、公知のフタロシアニン化合物の製造方法に用いられる触媒を共存させてもよい。
さらに、フタロシアニン化合物の原料である金属塩のなかには、空気中の湿分等で分解し、その分解物がフタロシアニン化合物を電子写真感光体に用いた場合の感光体特性に悪影響を与える場合がある。したがって、前記の分解を防ぐ目的で、不活性ガス存在下、または不活性ガスフロー下で上記の反応を行なうことが好ましい。
[6.洗浄]
上記のように、フタロシアニン環形成化合物と、3価の金属塩とを、芳香族炭化水素化合物中で反応させることにより、本発明のフタロシアニン化合物を得ることができる。なお、得られるフタロシアニン化合物は通常、結晶の状態で得られる。
芳香族炭化水素化合物からフタロシアニン化合物を取り出す場合には、通常、反応終了後室温まで降温して濾過するか、または、200℃以下の温度で熱時濾過することにより、目的物質であるフタロシアニン化合物を反応系から分取することができる。
上記のように、フタロシアニン環形成化合物と、3価の金属塩とを、芳香族炭化水素化合物中で反応させることにより、本発明のフタロシアニン化合物を得ることができる。なお、得られるフタロシアニン化合物は通常、結晶の状態で得られる。
芳香族炭化水素化合物からフタロシアニン化合物を取り出す場合には、通常、反応終了後室温まで降温して濾過するか、または、200℃以下の温度で熱時濾過することにより、目的物質であるフタロシアニン化合物を反応系から分取することができる。
ただし、分取した段階では、フタロシアニン化合物は、通常、反応系中の不純物を含んだ状態であるため、その不純物を取り除くことが望ましい。不純物の除去の方法は任意であるが、例えば、分取したフタロシアニン化合物を何らかの液体で洗浄することにより不純物を除去することができる。洗浄に用いる液体は任意であるが、例えば、有機溶媒、水溶液、水等を用いることができる。
洗浄に用いる有機溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、メチルナフタレン、ジフェニルメタン等の芳香族系溶媒;ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の鎖状または環状ケトン系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状または環状エーテル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。
また、洗浄に用いる水溶液の具体例としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、アンモニア水、塩化アンモニウム水溶液、酢酸水溶液、トリフルオロ酢酸水溶液、塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液、リン酸水溶液等が例として挙げられる。
なお、上記の有機溶媒、水溶液、水等の洗浄に用いる液体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
なお、上記の有機溶媒、水溶液、水等の洗浄に用いる液体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
[7.微細化]
通常、前記の反応により得られるフタロシアニン化合物は、粒子形状で得られる。このフタロシアニン化合物の粒子径は、電子写真感光体用途として用いるには大きすぎる場合がある。そのような場合には、所望の粒子径を有するフタロシアニン化合物を得るために、微細化を行なう。
フタロシアニン化合物の粒子径はその用途に応じて任意であるが、例えば積層型の感光層の形成に用いる場合、通常1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下とすることが望ましい。また、単層型の感光層に用いる場合、通常0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下とすることが望ましい。
通常、前記の反応により得られるフタロシアニン化合物は、粒子形状で得られる。このフタロシアニン化合物の粒子径は、電子写真感光体用途として用いるには大きすぎる場合がある。そのような場合には、所望の粒子径を有するフタロシアニン化合物を得るために、微細化を行なう。
フタロシアニン化合物の粒子径はその用途に応じて任意であるが、例えば積層型の感光層の形成に用いる場合、通常1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下とすることが望ましい。また、単層型の感光層に用いる場合、通常0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下とすることが望ましい。
微細化の方法は任意であるが、例えば、磨砕法等のように機械的な力を加えて微細化を行なう機械的処理方法や、アシッドペースティング法、アシッドスラリー法等のように化学的に微細化を行なう化学的処理方法などを行なうことができる。また、前述したような微細化方法は1種を単独で行なってもよく、2種類以上を任意に組み合わせて行なうことも可能である。
さらに、微細化を行なった後、得られたフタロシアニン化合物の粒子に、後述するような溶媒処理を施すことにより、フタロシアニン化合物を特定の結晶型へ変換する事が可能である。
さらに、微細化を行なった後、得られたフタロシアニン化合物の粒子に、後述するような溶媒処理を施すことにより、フタロシアニン化合物を特定の結晶型へ変換する事が可能である。
以下、微細化方法の具体例として、磨砕法を説明する。磨砕法により微細化を行なう場合、乾式で磨砕を行なってもよく、溶剤の共存下、湿式で磨砕を行なってもよい。
まず、乾式磨砕法について説明すると、使用する装置としては、例えば、自動乳鉢、遊星ミル、振動ボールミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー等の装置を用いることが出来るが、これらに限定されるものではない。また、磨砕により微細化を行なう場合に用いる磨砕メディアに制限は無く任意のものを用いることができるが、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ、炭化珪素ビーズ、窒化珪素ビーズ、窒化ホウ素ビーズ等の任意の磨砕メディアを用いることができる。さらに、磨砕時に磨砕メディア以外に磨砕後容易に除去することの出来る食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を併用して実施することも可能である。
なお、磨砕メディアや磨砕助剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
まず、乾式磨砕法について説明すると、使用する装置としては、例えば、自動乳鉢、遊星ミル、振動ボールミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー等の装置を用いることが出来るが、これらに限定されるものではない。また、磨砕により微細化を行なう場合に用いる磨砕メディアに制限は無く任意のものを用いることができるが、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ、炭化珪素ビーズ、窒化珪素ビーズ、窒化ホウ素ビーズ等の任意の磨砕メディアを用いることができる。さらに、磨砕時に磨砕メディア以外に磨砕後容易に除去することの出来る食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を併用して実施することも可能である。
なお、磨砕メディアや磨砕助剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、乾式磨砕法により微細化を行なう場合には、磨砕後、磨砕メディアからフタロシアニン化合物を分離し、フタロシアニン化合物に溶媒を用いて溶媒処理を施すことにより、フタロシアニン化合物を所望の結晶型に変換する事ができる。結晶型の変換に用いる溶媒に制限は無いが、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の鎖状及び環状飽和脂肪族系溶媒;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、アニソール等の芳香族系溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類;アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状及び環状ケトン系溶媒;ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等の鎖状及び環状エーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒;n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物;リグロイン等の鉱油;水などが挙げられる。
これらの中でも、結晶型の変換時の操作性を考慮すると、飽和脂肪族系溶媒、芳香族系溶媒、アルコール系溶媒、鎖状及び環状ケトン系溶媒、エステル系溶媒、鎖状及び環状エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒、水などが好ましい。
なお、結晶型変換のための溶媒処理に用いる溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
なお、結晶型変換のための溶媒処理に用いる溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、溶媒処理時の処理温度としては、用いる溶媒又は混合溶媒の凝固点以上、沸点以下で行なうことが可能であるが、安全性の面から、通常10℃以上200℃以下の範囲で行なう。
また、溶媒処理時の使用溶媒の量は任意であるが、フタロシアニン化合物1重量部に対して、通常0.1重量部以上、生産性を考慮すると好ましくは1重量部以上、また、通常500重量部以下、生産性を考慮すると好ましくは250重量部以下の範囲で行なうことが望ましい。
また、溶媒処理時の使用溶媒の量は任意であるが、フタロシアニン化合物1重量部に対して、通常0.1重量部以上、生産性を考慮すると好ましくは1重量部以上、また、通常500重量部以下、生産性を考慮すると好ましくは250重量部以下の範囲で行なうことが望ましい。
一方、湿式磨砕法により微細化を行なう場合には、使用する装置としては、例えば、ボールミル、アトライター、ロールミル、サンドミル、ホモミキサー等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、使用する磨砕メディアは乾式の場合と同様のものが挙げられ、さらに、乾式の場合と同様、磨砕助剤を用いても良い。
さらに、湿式磨砕に用いる溶剤に制限は無く任意の溶剤を用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の鎖状及び環状飽和脂肪族系溶媒;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、アニソール等の芳香族系溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、;アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状及び環状ケトン系溶媒;ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等の鎖状及び環状エーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒;n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物;リグロイン等の鉱油;水などが挙げられる。
中でも、後述する結晶型の変換時における操作性を考慮すると、湿式磨砕法に用いる溶剤は、飽和脂肪族系溶媒、芳香族系溶媒、アルコール系溶媒、鎖状及び環状ケトン系溶媒、エステル系溶媒、鎖状及び環状エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒、水などが好ましい。
なお、溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
なお、溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、湿式磨砕処理時の処理温度としては、溶剤の凝固点以上沸点以下で行なうことが出来るが、安全性を考慮すると、通常10℃以上100℃以下が望ましい。
また、溶剤の使用量は任意であるが、フタロシアニン化合物1重量部に対して、通常0.01重量部以上、生産性を考慮すると好ましくは0.1重量部以上、また、通常200重量部以下、生産性を考慮すると好ましくは100重量部以下で行なうことが望ましい。
また、溶剤の使用量は任意であるが、フタロシアニン化合物1重量部に対して、通常0.01重量部以上、生産性を考慮すると好ましくは0.1重量部以上、また、通常200重量部以下、生産性を考慮すると好ましくは100重量部以下で行なうことが望ましい。
さらに、湿式磨砕の後、乾式磨砕法と同様に、フタロシアニン化合物に溶媒処理を施すことにより、フタロシアニン化合物を所望の結晶型に変換する事ができる。溶媒処理に用いる溶媒の種類及び量、並びに処理温度は、乾式磨砕後の溶媒処理と同様である。また、湿式磨砕後に行なう溶媒処理においては、必要に応じてガラスビーズ、アルミナビーズ、スチールビーズ等の公知の磨砕メディアを用いてミリング処理を行なってもよい。
また、磨砕後、又は、溶媒処理後、湿ケーキとして得られるフタロシアニン化合物は、適宜、常温乾燥、減圧乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を用いて乾燥させることにより、所望の結晶構造を有するフタロシアニン化合物として得ることができる。
また、磨砕後、又は、溶媒処理後、湿ケーキとして得られるフタロシアニン化合物は、適宜、常温乾燥、減圧乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を用いて乾燥させることにより、所望の結晶構造を有するフタロシアニン化合物として得ることができる。
[8.その他]
以上、本発明の製造方法について説明したが、本発明の製造方法は、フタロシアニン環形成化合物と、3価の金属塩とを、芳香族炭化水素化合物中で反応させる工程を有するならば他に制限はなく、上述した洗浄、微細化、溶媒処理以外の工程を行なってもよい。
さて、本発明の製造方法で製造されたフタロシアニン化合物の用途は任意であるが、電子写真感光体の光導電性材料として用いて好適である。
以上、本発明の製造方法について説明したが、本発明の製造方法は、フタロシアニン環形成化合物と、3価の金属塩とを、芳香族炭化水素化合物中で反応させる工程を有するならば他に制限はなく、上述した洗浄、微細化、溶媒処理以外の工程を行なってもよい。
さて、本発明の製造方法で製造されたフタロシアニン化合物の用途は任意であるが、電子写真感光体の光導電性材料として用いて好適である。
[II.電子写真感光体]
以下、本発明のフタロシアニン化合物を光導電性材料に用いて作製される電子写真感光体(以下適宜、「本発明の電子写真感光体」という)について説明する。
本発明の電子写真感光体は、本発明の製造方法により製造されたフタロシアニン化合物を含有する感光層を備えている。即ち、本発明のフタロシアニン化合物は、感光層を有する電子写真感光体において、前記感光層中に含有されている。
以下、本発明のフタロシアニン化合物を光導電性材料に用いて作製される電子写真感光体(以下適宜、「本発明の電子写真感光体」という)について説明する。
本発明の電子写真感光体は、本発明の製造方法により製造されたフタロシアニン化合物を含有する感光層を備えている。即ち、本発明のフタロシアニン化合物は、感光層を有する電子写真感光体において、前記感光層中に含有されている。
[1.導電性支持体]
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を混合して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。また、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。さらに、その形状としては、例えばドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。また、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を混合して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫合金)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙などが主として使用される。また、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。さらに、その形状としては、例えばドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。また、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
また、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化処理を施してから用いても良い。なお、陽極酸化処理を施した場合には、公知の方法により封孔処理を施すことが望ましい。
陽極酸化処理は、任意の方法により行なうことができるが、通常は、導電性支持体を電極として酸性浴中で通電することにより行なう。酸性浴について特に制限はないが、例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴が挙げられる。この中でも、硫酸中での陽極酸化を行なうことが最も良好な結果を与える。
陽極酸化処理は、任意の方法により行なうことができるが、通常は、導電性支持体を電極として酸性浴中で通電することにより行なう。酸性浴について特に制限はないが、例えば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴が挙げられる。この中でも、硫酸中での陽極酸化を行なうことが最も良好な結果を与える。
例えば、硫酸中で、アルミニウム製の導電性支持体に対して陽極酸化処理を行なう場合について処理条件を挙げると、硫酸濃度は100g/l〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2g/l〜15g/l、液温は15℃〜30℃、電解電圧は10V〜20V、電流密度は0.5A/dm2〜2A/dm2の範囲内に設定されるのが好ましい。ただし、陽極酸化処理時の処理条件は、これに限られるものではない。
このように陽極酸化処理を行なうことによって、導電性支持体の表面には、陽極酸化被膜が形成される。
このように陽極酸化処理を行なうことによって、導電性支持体の表面には、陽極酸化被膜が形成される。
こうして形成された陽極酸化被膜に対して、封孔処理を施すことが望ましい。封孔処理は任意の方法により行なうことができるが、通常は、封孔剤を含有した封孔剤水溶液中に導電性支持体を浸漬させることにより行なう。その代表的なものとしては、低温下で導電性支持体を封孔剤水溶液中に浸漬させる低温封孔処理、あるいは、高温下で導電性支持体を封孔剤水溶液中に浸漬させる高温封孔処理が挙げられる。
低温封孔処理は、上記のように、導電性支持体を低温下で封孔剤水溶液中に浸漬することにより行なう。
低温封孔処理では、封孔剤としては、通常、フッ化ニッケルを主成分として用いる。
この際、低温封孔処理の場合に使用される封孔剤水溶液中の封孔剤の濃度は任意であるが、通常は、3g/l〜6g/lの範囲で行なうことが最も効果的である。
また、処理温度も任意であるが、封孔処理をスムーズに進めるために、通常25℃以上、好ましくは30℃以上、また、通常40℃以下、好ましくは35℃以下である。
低温封孔処理では、封孔剤としては、通常、フッ化ニッケルを主成分として用いる。
この際、低温封孔処理の場合に使用される封孔剤水溶液中の封孔剤の濃度は任意であるが、通常は、3g/l〜6g/lの範囲で行なうことが最も効果的である。
また、処理温度も任意であるが、封孔処理をスムーズに進めるために、通常25℃以上、好ましくは30℃以上、また、通常40℃以下、好ましくは35℃以下である。
さらに、封孔剤水溶液のpHも任意であるが、通常4.5以上、好ましくは5.5以上、また、通常6.5以下、好ましくは6.0以下である。なお、pHを調整する際に用いるpH調節剤に制限はなく任意のものを用いることができるが、例えば、シュウ酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア水等を用いることができる。
また、処理時間も任意であるが、被膜の膜厚1μm当り通常1分〜3分の範囲内で処理するのが好ましい。
また、処理時間も任意であるが、被膜の膜厚1μm当り通常1分〜3分の範囲内で処理するのが好ましい。
なお、封孔剤水溶液は、封孔剤以外の物質を含有していてもよい。例えば、被膜物性を更に改良するため、フッ化コバルト、酢酸コバルト、硫酸ニッケルなどの金属塩や、界面活性剤等を封孔剤水溶液に混合しておいてもよい。
浸漬を行なった後、水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。
浸漬を行なった後、水洗、乾燥して低温封孔処理を終える。
一方、高温封孔処理は、導電性支持体を高温下で封孔剤水溶液中に浸漬することにより行なう。
高温封孔処理では、封孔剤としては酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩を用いることができるが、通常は、酢酸ニッケルを主成分として用いる。
高温封孔処理では、封孔剤としては酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、硝酸バリウム等の金属塩を用いることができるが、通常は、酢酸ニッケルを主成分として用いる。
この際、高温封孔処理の場合に使用される封孔剤水溶液中の封孔剤の濃度は任意であるが、通常は、5g/l〜20g/lの範囲で行なうことが最も効果的である。
また、処理温度も任意であるが、封孔処理をスムーズに進めるために、通常80℃以上、好ましくは85℃以上、また、通常100℃以下、好ましくは98℃以下である。
また、処理温度も任意であるが、封孔処理をスムーズに進めるために、通常80℃以上、好ましくは85℃以上、また、通常100℃以下、好ましくは98℃以下である。
さらに、封孔剤水溶液のpHも任意であるが、通常5.0以上、また、通常6.0以下である。なお、pHを調整する際に用いるpH調節剤に制限はなく任意のものを用いることができるが、例えば、低温封孔処理の場合と同様のものを用いることができる。
また、処理時間も任意であるが、被膜の膜厚1μm当たり通常1分以上3分以下であって、通常10分以上、好ましくは20分以上処理を行なうことが望ましい。
また、処理時間も任意であるが、被膜の膜厚1μm当たり通常1分以上3分以下であって、通常10分以上、好ましくは20分以上処理を行なうことが望ましい。
なお、低温封孔処理の場合と同様、高温封孔処理においても、封孔剤水溶液は、封孔剤以外の物質を含有していてもよい。例えば、被膜物性を更に改良するため、酢酸ナトリウム、有機カルボン酸、アニオン系又はノニオン系の界面活性剤などを封孔剤水溶液に混合してもよい。
浸漬を行なった後、水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。
浸漬を行なった後、水洗、乾燥して高温封孔処理を終える。
ただし、被膜の平均膜厚が厚い場合には、通常、封孔液の高濃度化、高温・長時間処理により強い封孔条件を必要とする。したがって、生産性が低下すると共に、被膜表面にシミ、汚れ、粉ふきといった表面欠陥を生じやすくなる。このような弊害を防止する観点から、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、好ましくは7μm以下とすることが望ましい。
また、支持体表面は、平滑であっても良いし、特別な切削方法を用いたり、研磨処理を施したりすることにより、粗面化されていても良い。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。また、安価化のためには、切削処理を施さず、引き抜き管をそのまま使用することも可能である。特に、引き抜き加工、インパクト加工、しごき加工等の非切削アルミニウム基体を支持体として用いる場合、前記のような処理により、表面に存在した汚れや異物等の付着物、小さな傷等が無くなり、均一で清浄な基体が得られるので好ましい。
[2.下引き層]
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂や、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
導電性支持体と後述する感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、樹脂や、樹脂に金属酸化物等の粒子を分散したものなどが用いられる。
下引き層に用いられる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1種の金属元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子などが挙げられる。これらは一種類の粒子を単独で用いても良いし、2種以上の粒子を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いても良い。
これらの金属酸化物粒子の中でも、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。
酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、またはステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。なお、酸化チタン粒子に施される処理は1種類であってもよく、2種以上の処理を任意の組み合わせ及び程度で施されていてもよい。
酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、またはステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理を施されていても良い。なお、酸化チタン粒子に施される処理は1種類であってもよく、2種以上の処理を任意の組み合わせ及び程度で施されていてもよい。
さらに、酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。なお、酸化チタン粒子は、その結晶型が1種類のみであってもよく、2種以上の結晶型が任意の組み合わせ及び比率で含まれていてもよい。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも下引き層の原料であるバインダー樹脂等の特性及び液の安定性の面から、平均一次粒径として通常10nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。
また、金属酸化物粒子の粒径としては種々のものが利用できるが、中でも下引き層の原料であるバインダー樹脂等の特性及び液の安定性の面から、平均一次粒径として通常10nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下のものが望ましい。
下引き層は、前記金属酸化物粒子をバインダー樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられるバインダー樹脂の種類は任意であるが、具体例としては、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等のセルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物等の有機ジルコニウム化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機チタニル化合物、シランカップリング剤などの公知のバインダー樹脂などを用いることが出来る。
なお、バインダー樹脂は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、硬化剤とともに硬化した形で使用してもよい。中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性及び塗布性を示し、好ましい。
また、下引き層に用いられるバインダー樹脂に対する金属酸化物粒子の混合比は任意に選ぶことが可能であるが、通常は10重量%以上500重量%以下の範囲で使用することが好ましい。通常、下引き層は、適当な溶媒又は分散媒に金属酸化物粒子及びバインダー樹脂を溶解又は分散させた分散液を支持体表面に塗布して形成するが、混合比を上記の範囲とすることにより、分散液の安定性、塗布性を良くすることができる。なお、下引き層形成時に用いる溶媒及び分散媒の種類は、任意である。
さらに、下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、電子写真感光体の感光体特性及び製造時の分散液の塗布性を向上させる観点から、通常は0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下が望ましい。
また、下引き層には、画像欠陥防止などを目的として、顔料粒子、樹脂粒子などを含有させてもよい。
また、下引き層には、画像欠陥防止などを目的として、顔料粒子、樹脂粒子などを含有させてもよい。
[3.感光層]
続いて、導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)形成される感光層について説明する。
感光層は、本発明のフタロシアニン化合物を電荷発生物質として含有する層である。その型式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層構造のもの(以下適宜、「単層型」という)であってもよく、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層と、電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層とに積層された積層構造のもの(以下適宜、「積層型」という)であってもよい。また、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能である。
続いて、導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)形成される感光層について説明する。
感光層は、本発明のフタロシアニン化合物を電荷発生物質として含有する層である。その型式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層構造のもの(以下適宜、「単層型」という)であってもよく、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層と、電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層とに積層された積層構造のもの(以下適宜、「積層型」という)であってもよい。また、積層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層と、逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層して設ける逆積層型感光層とがあり、いずれを採用することも可能である。
[3−1.積層型感光層]
積層型感光層において、電荷発生層は、本発明のフタロシアニン化合物を電荷発生物質の少なくとも1種として含有する電荷発生物質とバインダー樹脂とからなる。即ち、電荷発生層は、少なくとも本発明のフタロシアニン化合物とバインダー樹脂とからなり、本発明のフタロシアニン化合物以外の任意の電荷発生物質を含有していても良く、また、適宜その他の成分を含有していても良い。
積層型感光層において、電荷発生層は、本発明のフタロシアニン化合物を電荷発生物質の少なくとも1種として含有する電荷発生物質とバインダー樹脂とからなる。即ち、電荷発生層は、少なくとも本発明のフタロシアニン化合物とバインダー樹脂とからなり、本発明のフタロシアニン化合物以外の任意の電荷発生物質を含有していても良く、また、適宜その他の成分を含有していても良い。
積層型感光体において、電荷発生層の製法は任意であるが、通常は、バインダー樹脂を溶媒等に溶解した溶液に、上述した本発明のフタロシアニン化合物を少なくとも1種含有する電荷発生物質を分散させることにより塗布液を調製し、これを導電性支持体上に塗布し、電荷発生物質の微粒子と各種バインダー樹脂とで結着することにより形成される。
電荷発生物質としては、本発明のフタロシアニン化合物を単独で用いてもよいし、他の公知の電荷発生物質(染料、顔料など)と併用してもよい。また、他の電荷発生物質を併用する場合、それらは単に混合・分散状態として併用してもよいし、あるいは共結晶状態として用いても良い。
本発明のフタロシアニン化合物と併用できる電荷発生物質としては、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム顔料)、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。中でも、光感度の面から、フタロシアニン顔料、アゾ顔料が好ましく使用される。
ここで、本発明のフタロシアニン化合物と他の電荷発生物質とを併用する場合には、本発明のフタロシアニン化合物及び他の電荷発生物質を粉体又は分散液の状態で混合してもよいし、本発明のフタロシアニン化合物や他の電荷発生物質それぞれの製造工程(顔料化、結晶化などの各種処理工程を含む)において混合してもよい。このように、それぞれの製造段階で混合する方法としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。特に、電荷発生物質に共結晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
積層型感光体における電荷発生層に用いられるバインダー樹脂に制限はなく、任意の樹脂を用いることが出来る。その具体例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーなどが挙げられる。なお、バインダー樹脂は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、バインダー樹脂を溶解させ、塗布液の作製に用いられる溶媒、分散媒に特に制限はなく、任意の溶媒及び分散媒を用いることが出来る。ただし、電子写真感光体に下引き層を設ける場合は、溶媒、分散媒としては、下引き層を溶解しないものが好ましく用いられる。
積層型感光体の電荷発生層において、バインダー樹脂と電荷発生物質との配合比(重量)は任意であるが、バインダー樹脂100重量部に対して、通常10重量部以上、好ましくは30重量部以上、また、通常1000重量部以下、好ましくは500重量部以下である。電荷発生物質の比率が高すぎる場合は電荷発生物質の凝集等により塗布液の安定性が低下し、一方、低すぎる場合は感光体としての感度の低下を招く虞があることから、前記範囲で使用する事が好ましい。なお、電荷発生物質として本発明のフタロシアニン化合物を他の電荷発生物質と併用する場合には、その併用する電荷発生物質と本発明のフタロシアニン化合物との合計が上記範囲内になるようにする。
また、積層型感光体の電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、通常0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは5μm以下である。
さらに、電荷発生物質を分散媒中に分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の公知の分散方法を任意に用いることが出来る。なお、分散時には、電荷発生物質の粒子を通常0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の粒子サイズに微細化することが有効である。
さらに、電荷発生物質を分散媒中に分散させる方法としては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の公知の分散方法を任意に用いることが出来る。なお、分散時には、電荷発生物質の粒子を通常0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の粒子サイズに微細化することが有効である。
一方、電荷輸送層は、電荷輸送物質を含有するとともに、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷輸送層は、具体的には、例えば電荷輸送物質とバインダー樹脂とを溶媒または分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には電荷発生層上に、また、逆積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布、乾燥して得ることができる。また、この際使用する溶媒又は分散媒は任意である。
電荷輸送層において、バインダー樹脂は、電荷輸送層の膜強度確保のために使用されるものである。その種類に制限はなく、公知の樹脂を任意に用いることが出来るが、例えば、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が特に好ましい。なお、これらは適当な硬化剤を用いて熱、光等により架橋させて用いることもできる。また、バインダー樹脂は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
電荷輸送物質としては特に限定されず、公知の電荷輸送物質を任意に用いることが可能である。電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖、もしくは側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中で、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。なお、電荷輸送物質は1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
電荷輸送物質の好適な構造の具体例を以下に示す。ただし、これら具体例は例示のために示したものであり、本発明の趣旨に反しない限りはいかなる公知の電荷輸送物質を用いても良い。なお、以下の構造式においてMeはメチル基を表わし、Buはブチル基を表わす。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は任意であるが、バインダー樹脂100重量部に対して電荷輸送物質を通常20重量部以上の比率で使用する。中でも、残留電位低減の観点から30重量部以上が好ましく、更には、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から40重量部以上がより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、電荷輸送物質を通常は150重量部以下の比率で使用する。中でも、電荷輸送材料とバインダー樹脂との相溶性の観点から120重量部以下が好ましく、耐刷性の観点から100重量部以下がより好ましく、耐傷性の観点から80重量部以下が特に好ましい。
また、積層型感光体において、電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、長寿命、画像安定性の観点、更には高解像度の観点から、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常50μm以下、好ましくは45μm以下、更には30μm以下の範囲とすることが望ましい。
なお、感光層又はそれを構成する各層(電荷発生層、電荷輸送層など)には、その他の成分を含有させても良い。例えば、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させても良い。
[3−2.単層型感光層]
単層型感光層は、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、さらに電荷発生物質が分散された構成となっている。即ち、単層型感光層は、電荷発生物質及び電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、塗布液を導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
単層型感光層は、上記のような配合比の電荷輸送媒体中に、さらに電荷発生物質が分散された構成となっている。即ち、単層型感光層は、電荷発生物質及び電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、膜強度確保のためにバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質と各種バインダー樹脂とを溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、塗布液を導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることができる。
電荷輸送物質及びバインダー樹脂の種類並びにこれらの使用比率は、積層型感光体の電荷輸送層について説明したものと同様である。また、塗布液の作製に使用する溶媒又は分散媒は任意である。通常は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂からなる電荷輸送媒体中に、更に電荷発生物質が分散される。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様、少なくとも本発明のフタロシアニン化合物を含有するものであり、公知の任意の電荷発生物質と併用することもできる。ただし、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくすることが望ましい。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲として用いる。
単層型感光層内に分散される電荷発生物質の量は、少な過ぎると充分な感度が得られない一方で、多過ぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があることから、単層型感光層全体に対して通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下の範囲で使用される。
また、単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
また、単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
さらに、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100重量部に対して電荷発生物質が通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上、また、通常30重量部以下、好ましくは10重量部以下の範囲とする。
また、積層型感光層と同様、感光層にその他の成分を含有させても良い。
また、積層型感光層と同様、感光層にその他の成分を含有させても良い。
[4.その他の層]
積層型感光体、単層型感光体ともに、上記の感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。
例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。
積層型感光体、単層型感光体ともに、上記の感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。
例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。
保護層は、導電性材料を適当なバインダー樹脂中に含有させて形成するか、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する化合物を用いた共重合体を用いて形成することができる。
保護層に用いる導電性材料に制限は無い。例えば、TPD(N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−トリル)ベンジジン)等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物などを用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。
保護層に用いる導電性材料に制限は無い。例えば、TPD(N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−トリル)ベンジジン)等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物などを用いることが可能であるが、これに限定されるものではない。
また、保護層に用いるバインダー樹脂についても制限は無く、任意の樹脂を用いることができるが、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、シロキサン樹脂等の公知の樹脂を用いることができ、また、特開平9−190004号公報、特開平10−252377号公報の記載のようなトリフェニルアミン骨格等の電荷輸送能を有する骨格と上記樹脂との共重合体を用いることも出来る。
さらに、上記保護層は電気抵抗が通常109Ω・cm以上1014Ω・cm以下となるように構成することが好ましい。電気抵抗が上記範囲より高くなると残留電位が上昇しカブリの多い画像となってしまう虞がある。一方、上記範囲より低くなると、画像のボケ、解像度の低下が生じてしまう虞がある。また、保護層は像露光に照射される光の透過を実質上妨げないように構成されることが望ましい。
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗の低減、感光体から転写ベルト、紙へのトナーの転写効率を高めるなどの目的で、表面層にフッ素系樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン樹脂等、又はこれらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を、表面層に含有させても良い。あるいは、これらの樹脂や粒子を含む層を新たに表面層として形成しても良い。
[5.各層の形成方法]
上述した感光体を構成する各層(感光層、下引き層などを含む)の形成方法は任意であるが、通常は、含有させる物質を溶媒または分散媒に溶解又は分散させて得られた塗布液を、公知の塗布方法を用い、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
この際用いる溶媒又は分散媒の種類や使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒・分散媒の性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように適宜調整することが好ましい。
上述した感光体を構成する各層(感光層、下引き層などを含む)の形成方法は任意であるが、通常は、含有させる物質を溶媒または分散媒に溶解又は分散させて得られた塗布液を、公知の塗布方法を用い、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
この際用いる溶媒又は分散媒の種類や使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒・分散媒の性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように適宜調整することが好ましい。
使用可能な溶媒又は分散媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン等の飽和脂肪族系溶媒、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等の鎖状、及び環状ケトン系溶媒、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等の鎖状、及び環状エーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルフォラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン等の含窒素化合物、リグロイン等の鉱油、水などが挙げられる。なお、溶媒及び分散媒は、それぞれ1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、各層の形成に用いる塗布液の濃度や粘度は任意であり、形成する層に応じて適当な値に決めればよい。
例えば、単層型感光体、及び積層型感光体の電荷輸送層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、また、通常40重量%以下、好ましくは35重量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは400cps以下の範囲とする。
例えば、単層型感光体、及び積層型感光体の電荷輸送層の場合には、塗布液の固形分濃度を通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、また、通常40重量%以下、好ましくは35重量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは400cps以下の範囲とする。
また、積層型感光体の電荷発生層の場合には、塗布液の固形分濃度は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常15重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度は、通常0.01cps以上、好ましくは0.1cps以上、また、通常20cps以下、好ましくは10cps以下の範囲とする。
さらに、塗布液の塗布方法に制限は無く、公知の塗布方法を任意に用いることができる。具体例としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
さらに、塗布液の乾燥方法も任意であるが、例えば、室温における指触乾燥後、通常30℃以上、通常200℃以下の温度範囲で、1分から2時間の間、無風又は送風下で加熱乾燥させることにより乾燥することができる。また、加熱温度は一定であってもよく、乾燥時に温度を変更させながら加熱を行なっても良い。
[III.画像形成装置]
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(以下適宜、「本発明の画像形成装置」という)の一実施形態について説明するが、本発明の画像形成装置は上述した本発明の電子写真感光体を備えていれば他に制限は無く、以下の実施形態に限定されず適宜変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置(帯電部)2,露光装置(露光部)3及び現像装置(現像部)4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置(クリーニング部)6及び定着装置7が設けられる。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(以下適宜、「本発明の画像形成装置」という)の一実施形態について説明するが、本発明の画像形成装置は上述した本発明の電子写真感光体を備えていれば他に制限は無く、以下の実施形態に限定されず適宜変形して実施することができる。
図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1,帯電装置(帯電部)2,露光装置(露光部)3及び現像装置(現像部)4を備えて構成され、更に、必要に応じて転写装置5,クリーニング装置(クリーニング部)6及び定着装置7が設けられる。
電子写真感光体1は、上述した本発明のフタロシアニン化合物を用いた電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この感光体1は、図中矢印の方向に所定の周速度で回転駆動されるようになっている。また、この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2,露光装置3,現像装置4,転写装置5及びクリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
帯電装置2は、電子写真感光体1を帯電させるもので、電子写真感光体1の表面を所定電位に均一帯電させる。帯電装置としては、コロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電装置、電圧印加された直接帯電部材を感光体表面に接触させて帯電させる直接帯電装置(接触型帯電装置)などがよく用いられる。直接帯電手段の例としては、帯電ローラ、帯電ブラシ等の接触帯電器などが挙げられる。なお、図1では、帯電装置2の一例としてローラ型の帯電装置(帯電ローラ)を示している。
また、直接帯電手段として、気中放電を伴う帯電、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。さらに、帯電時に印加する電圧としては、直流電圧だけの場合、及び直流に交流を重畳させて用いることもできる。
また、直接帯電手段として、気中放電を伴う帯電、あるいは気中放電を伴わない注入帯電いずれも可能である。さらに、帯電時に印加する電圧としては、直流電圧だけの場合、及び直流に交流を重畳させて用いることもできる。
露光装置3は、電子写真感光体1に露光を行なって電子写真感光体1の感光面に静電潜像を形成することができるものであれば、その種類に特に制限はない。具体例としては、 露光はハロゲンランプ、蛍光灯、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、光シャッターアレイ、感光体内部露光方式等が用いられるが、デジタル式電子写真方式として、レーザー、LED、光シャッターアレイ等を用いることが好ましい。露光を行なう際の光の波長は任意であるが、例えば波長が780nmの単色光、波長600nm〜700nmのやや短波長寄りの単色光、波長380nm〜500nmの短波長の単色光などで露光を行なえばよい。
現像装置4は、電子写真感光体1上に形成された前記の静電潜像を現像できるものであればその種類に特に制限はなく、カスケード現像、一成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部に現像剤であるトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
供給ローラ43は、導電性スポンジ等から形成される。現像ローラ44は、鉄,ステンレス鋼,アルミニウム,ニッケルなどの金属ロール、又はこうした金属ロールにシリコン樹脂,ウレタン樹脂,フッ素樹脂などを被覆した樹脂ロールなどからなる。この現像ローラ44の表面には、必要に応じて、平滑加工や粗面加工を加えてもよい。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
規制部材45は、シリコン樹脂やウレタン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮、リン青銅などの金属ブレード、又はこうした金属ブレードに樹脂を被覆したブレード等により形成されている。この規制部材45は、現像ローラ44に当接し、ばね等によって現像ローラ44側に所定の力で押圧(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)される。必要に応じて、この規制部材45に、トナーTとの摩擦帯電によりトナーTに帯電を付与する機能を具備させてもよい。
アジテータ42は、回転駆動機構によってそれぞれ回転されており、トナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43側に搬送する。アジテータ42は、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
トナーとしては、粉砕トナーの他に、懸濁造粒、懸濁重合、乳化重合凝集法等のケミカルトナーを用いることができる。特に、ケミカルトナーの場合には、4〜8μm程度の小粒径のものが用いられ、形状も球形に近いものから、ポテト状、ラグビーボール状等の球形から外れたものも使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化には好適に用いられる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙,媒体)Pに転写するものである。
クリーニング装置6について特に制限はなく、ブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラクリーナー、ブレードクリーナーなど、任意のクリーニング装置を用いることができる。クリーニング装置6は、感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材で掻き落として電子写真感光体表面から除去し、除去した残留トナーを回収するものである。なお、残留トナーが少ないか、ほとんど無い場合、クリーニング装置6は無くてもかまわない。
定着装置7についても特に制限は無く、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着、IH定着、ベルト定着、IHF定着など、任意の定着方式により定着を行なうものが使用できる。また、これら定着方式は単独で用いても良く、複数の定着方式を組み合わせた形で使用しても良い。
本実施形態では、定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。この定着装置7において、記録紙P上に転写されたトナーTは、所定温度に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72との間を通過する際、トナーTが溶融状態まで熱加熱され、通過後冷却されて記録紙P上にトナーが定着されるようになっている。
なお、上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス,アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
以上のように構成された電子写真装置では、次のようにして画像の記録が行なわれる。即ち、まず感光体1の表面(感光面)が、帯電装置2によって負の所定の電位(例えば−600V)に均一に帯電される。この際、直流電圧により帯電させても良く、直流電圧に交流電圧を重畳させて帯電させてもよい。
続いて、帯電された感光体1の感光面を、記録すべき画像に応じて露光装置3により露光し、感光面に静電潜像を形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう。
現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、負極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。
現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によって記録紙Pに転写される。この後、転写されずに感光体1の感光面に残留しているトナーTが、クリーニング装置6で除去される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
画像転写された記録紙Pは機外へプリントアウトされる。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
画像転写された記録紙Pは機外へプリントアウトされる。
なお、画像形成装置は、上述した構成に加え、例えば除電工程を行なうことができる構成としても良い。除電工程は、電子写真感光体に露光を行なうことで電子写真感光体の除電を行なう工程であり、除電装置としては、蛍光灯、LED等が使用される。また除電工程で用いる光は、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーを有する光である場合が多い。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
また、画像形成装置は更に変形して構成してもよく、例えば、前露光工程、補助帯電工程などの工程を行なうことができる構成としたり、オフセット印刷を行なう構成としたり、更には複数種のトナーを用いたフルカラータンデム方式の構成としてもよい。
なお、電子写真感光体1を、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6、及び定着装置7のうち1つ又は2つ以上と組み合わせて、一体型のカートリッジ(以下適宜「電子写真感光体カートリッジ」という)として構成し、この電子写真感光体カートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。この場合、例えば電子写真感光体1やその他の部材が劣化した場合に、この電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しい電子写真感光体カートリッジを画像形成装置本体に装着することにより、画像形成装置の保守・管理が容易となる。
以下、実施例を用いて本発明について説明するが、以下に示す実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本明細書において、特に断らない限り、部は「重量部」を意味する。
[実施例1]
下記構造に示す1,3−ジイミノ−5−フルオロイソインドリン25.2部及び三塩化ガリウム7.5部を、芳香族炭化水素化合物であるメチルナフタレン(1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン混合品。1−メチルナフタレン:2−メチルナフタレン=56:44)160部中に入れ、165℃において5時間反応させた。反応後、生成物を濾別し、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、純水、及びメタノールを用いて洗浄後、乾燥することにより、フタロシアニン化合物としてテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶を17.4部得た(収率65%)。
下記構造に示す1,3−ジイミノ−5−フルオロイソインドリン25.2部及び三塩化ガリウム7.5部を、芳香族炭化水素化合物であるメチルナフタレン(1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン混合品。1−メチルナフタレン:2−メチルナフタレン=56:44)160部中に入れ、165℃において5時間反応させた。反応後、生成物を濾別し、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、純水、及びメタノールを用いて洗浄後、乾燥することにより、フタロシアニン化合物としてテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶を17.4部得た(収率65%)。
得られたテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図2に示す。また、実施例1〜4及び比較例1〜2において、X線回折スペクトルの測定条件は、以下のとおりである。
粉体X線回折装置 : PANalytical PW1700
X線管球 : Cu
走査軸 : θ/2θ
測定範囲 : 3.0°〜40.0°
走査速度 : 3.0°/分
粉体X線回折装置 : PANalytical PW1700
X線管球 : Cu
走査軸 : θ/2θ
測定範囲 : 3.0°〜40.0°
走査速度 : 3.0°/分
[実施例2]
実施例1中のメチルナフタレンをジフェニルメタンに代えた以外は、実施例1と同様の操作を行なうことにより、フタロシアニン化合物としてテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶を16.8部得た(収率63%)。得られたテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図3に示す。
実施例1中のメチルナフタレンをジフェニルメタンに代えた以外は、実施例1と同様の操作を行なうことにより、フタロシアニン化合物としてテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶を16.8部得た(収率63%)。得られたテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図3に示す。
[実施例3]
実施例1中のメチルナフタレンを1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンに代えた以外は、実施例1と同様の操作を行なうことにより、フタロシアニン化合物としてテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶を15.5部得た(収率58%)。得られたテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図4に示す。
実施例1中のメチルナフタレンを1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンに代えた以外は、実施例1と同様の操作を行なうことにより、フタロシアニン化合物としてテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶を15.5部得た(収率58%)。得られたテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図4に示す。
[実施例4]
4−フルオロフタロニトリル22.6部及び三塩化ガリウム7.5部を、芳香族炭化水素化合物であるメチルナフタレン(1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン混合品)100部中に入れ、200℃において6時間反応させた。反応後、実施例1と同様にして濾別、洗浄、乾燥をすることにより、フタロシアニン化合物としてテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶を16.0部得た(収率60%)。得られたテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図5に示す。
4−フルオロフタロニトリル22.6部及び三塩化ガリウム7.5部を、芳香族炭化水素化合物であるメチルナフタレン(1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン混合品)100部中に入れ、200℃において6時間反応させた。反応後、実施例1と同様にして濾別、洗浄、乾燥をすることにより、フタロシアニン化合物としてテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶を16.0部得た(収率60%)。得られたテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図5に示す。
[比較例1]
実施例1中のメチルナフタレンを非プロトン性極性溶媒であるスルホランに代えた以外は、実施例1と同様に操作を行なうことにより、テトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶を10.2部得た(収率38%)。得られたテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図6に示す。
実施例1中のメチルナフタレンを非プロトン性極性溶媒であるスルホランに代えた以外は、実施例1と同様に操作を行なうことにより、テトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶を10.2部得た(収率38%)。得られたテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図6に示す。
[比較例2]
4−フルオロフタロニトリル26.7部及び三塩化ガリウム7.5部を、1−クロロナフタレン100部中に入れ、200℃において4時間反応させた。反応後、実施例1と同様にして濾別、洗浄、乾燥をすることによりテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶を18.4部得た(69%)。得られたテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図7に示す。
4−フルオロフタロニトリル26.7部及び三塩化ガリウム7.5部を、1−クロロナフタレン100部中に入れ、200℃において4時間反応させた。反応後、実施例1と同様にして濾別、洗浄、乾燥をすることによりテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶を18.4部得た(69%)。得られたテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図7に示す。
[感光体特性評価]
[応用例1]
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(厚み75μm)の表面にアルミニウム蒸着膜(厚み70nm)を形成した導電性支持体を用い、その支持体の蒸着層上に、以下の電荷発生層用塗布液をバーコーターにより、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように塗布し、乾燥させ電荷発生層を形成した。
[応用例1]
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(厚み75μm)の表面にアルミニウム蒸着膜(厚み70nm)を形成した導電性支持体を用い、その支持体の蒸着層上に、以下の電荷発生層用塗布液をバーコーターにより、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように塗布し、乾燥させ電荷発生層を形成した。
電荷発生層用塗布液:
実施例1で得られたフタロシアニン化合物であるテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン4部に、4−メチル−4−メトキシ−ペンタノン−2を30部、及び、1,2−ジメトキシエタンを270部加え、サンドグラインドミルで2時間粉砕し、微粒子化処理を行なった。その後、バインダー樹脂としてのポリビニルブチラール(電気化学工業社製「デンカブチラール #6000C」)1部及び、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製「PKHH」)の1部を加えて、さらにサンドグラインドミルで1時間粉砕することにより、電荷発生層用塗布液を調製した。
実施例1で得られたフタロシアニン化合物であるテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニン4部に、4−メチル−4−メトキシ−ペンタノン−2を30部、及び、1,2−ジメトキシエタンを270部加え、サンドグラインドミルで2時間粉砕し、微粒子化処理を行なった。その後、バインダー樹脂としてのポリビニルブチラール(電気化学工業社製「デンカブチラール #6000C」)1部及び、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイト社製「PKHH」)の1部を加えて、さらにサンドグラインドミルで1時間粉砕することにより、電荷発生層用塗布液を調製した。
別に、電荷輸送物質として下記式(1)で示される化合物を50重量部、バインダー樹脂として下記式(2)に示す2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンを芳香族ジオール成分とする繰り返し単位51モル%と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを芳香族ジオール成分とする繰り返し単位49モル%からなり、p−t−ブチルフェノールに由来する末端構造を有するポリカーボネート樹脂100重量部、及び、レベリング剤としてシリコーンオイル0.03重量部を、テトラヒドロフラン/トルエン(重量比8/2)混合溶媒640重量部に溶解させて電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、前記電荷発生層上にフィルムアプリケーターにより、乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を有する電子写真感光体を作製した。
得られた電子写真感光体の感光体特性を、感光体評価装置(シンシアー55、GENTEC社製)を用いて、スタティック方式で測定した。
まず、暗所でスコロトロン帯電器により、電子写真感光体の表面電位が約−700Vになるよう放電を行ない、一定速度(125mm/sec)で電子写真感光体を通過して帯電させ、その帯電圧を測定し、初期帯電圧V0(−V)を求めた。その後、2.5秒間放置したときの電位低下DD(−V)を測定した。次に、強度1.0μW/cm2の780nm単色光を照射し、感光体表面電位が、−550Vから−275Vになるまでに要した半減露光エネルギーE1/2(μJ/cm2)と、照射10秒後の残留電位Vr(−V)とを求めた。また、感光体の表面電位を約−700Vに帯電させるためにスコロトロン帯電器に印加した電圧をVg(V)とした。その結果を表1に示す。
まず、暗所でスコロトロン帯電器により、電子写真感光体の表面電位が約−700Vになるよう放電を行ない、一定速度(125mm/sec)で電子写真感光体を通過して帯電させ、その帯電圧を測定し、初期帯電圧V0(−V)を求めた。その後、2.5秒間放置したときの電位低下DD(−V)を測定した。次に、強度1.0μW/cm2の780nm単色光を照射し、感光体表面電位が、−550Vから−275Vになるまでに要した半減露光エネルギーE1/2(μJ/cm2)と、照射10秒後の残留電位Vr(−V)とを求めた。また、感光体の表面電位を約−700Vに帯電させるためにスコロトロン帯電器に印加した電圧をVg(V)とした。その結果を表1に示す。
[応用例2〜4及び比較応用例1,2]
応用例1と同様に、応用例2〜4及び比較応用例1,2として、実施例2〜4及び比較例1,2で得られたフタロシアニン化合物を、それぞれテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニンの代わりに用いることにより、上述した方法と同様にして電子写真感光体を作製し、上記の方法と同様にして各電子写真感光体の感光体特性を測定した。その結果を表1に示す。
応用例1と同様に、応用例2〜4及び比較応用例1,2として、実施例2〜4及び比較例1,2で得られたフタロシアニン化合物を、それぞれテトラフルオロクロロガリウムフタロシアニンの代わりに用いることにより、上述した方法と同様にして電子写真感光体を作製し、上記の方法と同様にして各電子写真感光体の感光体特性を測定した。その結果を表1に示す。
なお、応用例1〜4、比較応用例1については、初期帯電圧V0を約−700Vに帯電することが出来たが、比較例2のフタロシアニン化合物を用いた比較応用例2の電子写真感光体については、測定機械でスコロトロン帯電器に印加可能な最大の電圧(−900V)を印加したが約−700Vに帯電することができなかった。このため、比較応用例2の電子写真感光体は、初期帯電圧V0を、その最大帯電電圧(−478V)とした。
表1から分かるように、応用例1〜4の電子写真感光体は、比較応用例1,2の電子写真感光体よりも初期帯電圧V0が大きく、従来よりも優れた帯電性を有することが確認された。
また、応用例1〜4の電子写真感光体は、比較応用例1,2の電子写真感光体よりも電位低下DDが小さく、従来よりも暗減衰が小さいことがことが確認された。
さらに、応用例1〜4の電子写真感光体は、比較応用例1の電子写真感光体よりも半減露光エネルギーE1/2が小さく、光減衰特性(感度)が良好であることが確認された。なお、比較応用例2の電子写真感光体の露光エネルギーE1/2は非常に小さいが、測定機械でスコロトロン帯電器に印加可能な最大の電圧(−900V)を印加したにもかかわらず約−700Vに帯電することが出来なかったことから考えて、電子写真感光体としての総合的な性能は実用に耐えるものではないと考えられる。
また、応用例1〜4の電子写真感光体は、比較応用例1,2の電子写真感光体よりも電位低下DDが小さく、従来よりも暗減衰が小さいことがことが確認された。
さらに、応用例1〜4の電子写真感光体は、比較応用例1の電子写真感光体よりも半減露光エネルギーE1/2が小さく、光減衰特性(感度)が良好であることが確認された。なお、比較応用例2の電子写真感光体の露光エネルギーE1/2は非常に小さいが、測定機械でスコロトロン帯電器に印加可能な最大の電圧(−900V)を印加したにもかかわらず約−700Vに帯電することが出来なかったことから考えて、電子写真感光体としての総合的な性能は実用に耐えるものではないと考えられる。
以上のように、実施例1〜4において、芳香族炭化水素化合物中でフタロシアニン化合物を合成するという簡単な製造方法で製造したフタロシアニン化合物は、電子写真感光体に電荷発生材料として使用することにより、帯電性、暗減衰、光減衰特性などの感光体特性に優れた電子写真感光体を得られることが明らかとなった。
[画像形成試験]
[応用例5]
応用例1で得られた電荷発生層用塗布液を、表面を陽極酸化し、封孔処理を施した直径3cm、長さ250cm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー(導電性支持体)に浸漬塗布し、その乾燥後の膜厚が0.3g/m2(約0.3μm)となるようにして電荷発生層を設けた。そして、応用例1中で得られた電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が18μmになるように電荷輸送層を設けることにより、感光体ドラムを得た。
[応用例5]
応用例1で得られた電荷発生層用塗布液を、表面を陽極酸化し、封孔処理を施した直径3cm、長さ250cm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー(導電性支持体)に浸漬塗布し、その乾燥後の膜厚が0.3g/m2(約0.3μm)となるようにして電荷発生層を設けた。そして、応用例1中で得られた電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が18μmになるように電荷輸送層を設けることにより、感光体ドラムを得た。
得られた感光体ドラムをモノクロレーザープリンター(セイコーエプソン社製 LP2400)改造機(露光光量を増加)のドラムカートリッジ(電子写真感光体カートリッジ)に装着し、テスト画像をプリントアウトした。プリントアウトされた画像は濃淡の鮮明なカブリの無い良好な画像であった。
[比較応用例3]
電荷発生層用塗布液を比較応用例1で得られた電荷発生層用塗布液に変更した以外は応用例5と同様の操作を行なうことにより、テスト画像をプリントアウトした。プリントアウトされた画像は全体の画像の濃度が薄い画像であった。
電荷発生層用塗布液を比較応用例1で得られた電荷発生層用塗布液に変更した以外は応用例5と同様の操作を行なうことにより、テスト画像をプリントアウトした。プリントアウトされた画像は全体の画像の濃度が薄い画像であった。
応用例5及び比較応用例3の結果から、本発明の製造方法によって製造したフタロシアニン化合物を用いることにより、画像特性に優れた電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置が提供可能であることが明らかとなった。
本発明は、電子写真感光体を必要とする任意の分野で実施することができ、例えば複写機、プリンター、印刷機などに用いて好適である。
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(定着ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (6)
- フタロシアニン環を形成しうる化合物と、3価の金属塩とを、芳香族炭化水素化合物中で反応させる
ことを特徴とする、フタロシアニン化合物の製造方法。 - 該芳香族炭化水素化合物が、ベンゼン環を2つ以上有する芳香族炭化水素化合物、及び、アルキル基で置換されたナフタレン環を有する芳香族炭化水素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である
ことを特徴とする、請求項1記載のフタロシアニン化合物の製造方法。 - 該フタロシアニン環を形成しうる化合物が、置換基を有していてもよいフタロニトリル類及び1,3−ジイミノイソインドリン類の少なくともいずれかである
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のフタロシアニン化合物の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたフタロシアニン化合物を含有する感光層を備える
ことを特徴とする、電子写真感光体。 - 請求項4記載の電子写真感光体と、
該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、及び、現像剤を感光体から除去するクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えた
ことを特徴とする、電子写真感光体カートリッジ。 - 請求項4記載の電子写真感光体と、
該電子写真感光体を帯電させる帯電部と、
帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部と、
該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えた
ことを特徴とする、画像形成装置。
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JP (1) | JP2006008877A (ja) |
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2004
- 2004-06-28 JP JP2004189226A patent/JP2006008877A/ja active Pending
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