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JP2006008529A - フィブリン形成阻害組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 日本人の死亡原因の第一位は悪性新腫瘍(ガン)であるが、第二位と第三位は共に血栓疾患に属する心疾患と脳血管疾患である。この両者を併せると第一位の悪性新腫瘍に匹敵する死亡原因となり、血栓は死亡原因の重要な要因となっている。アスピリン、ヘパリン等の医薬品が血栓の生成予防に使用されてはいるものの、血栓除去にあまり著しい効果を現わすことが無く、深刻な副作用を誘発するため、最近では、医薬品による治療よりは食生活を通じて病気を予防し、体質を調節又は活性化させる機能を持った成分又は食品成分に対する研究も注目されるようになってきている。
本発明の課題は、幅広い飲食品に使用可能なフィブリン形成阻害組成物及びそれを含有する飲食品を提供する事を目的とする。
【解決手段】 アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有させることにより上記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有するフィブリン形成阻害組成物及びそれを含有する飲食品に関する。
日本人の死亡原因の第一位は悪性新腫瘍(ガン)であるが、第二位と第三位は共に血栓疾患に属する心疾患と脳血管疾患である。この両者を併せると第一位の悪性新腫瘍に匹敵する死亡原因となり、血栓は死亡原因の重要な要因となっている。
血栓の形成は、何らかの原因によって血管が障害を受け、この障害部分から血液が漏出するおそれが生じると、それを防ぐために働く機構であり、血液成分の変化、血流の異常、血管壁の性状の変化が密接に関与している。すなわち、何らかの損傷を受けた血管が存在すると、その損傷部分に血小板が粘着及び凝集して凝集塊を作り、出血を防ごうとする。さらに、血小板は、血小板自身の凝集により、血液中に存在する凝固因子を活性化する物質を放出し、より強固な血栓へと血栓形成を進める。この凝固因子は多数存在し、一つの酵素が次の酵素を活性化するカスケード反応によって進むという複雑な活性化機構を有している。その中で、トロンビンは、フィブリノーゲンからのフィブリンの形成を触媒することにより、そしておそらくより重要なのは、血小板の最も強力な活性化剤として働くことにより、血液凝固において中心的な役割を果たしている凝固系で最後の血中酵素である。また、凝固因子の中には傷口や損傷を受けた組織などによって直接活性化される因子も存在し、多面的に凝固は進んでいく。しかし、血中には凝固の進行を抑制する物質が各種存在し、異常な凝固の亢進を抑制している。
血栓症の治療には、血栓の生成を抑制する抗血栓剤及び血栓形成予防剤と、生成された血栓を溶解させる血栓溶解剤の研究開発が主に行われている。
抗血栓剤には抗血小板剤と抗凝固剤がある。抗血小板剤は、血栓形成の初期の段階に関与する血小板の機能を抑制することを目的としており、アスピリン等多くの経口投与可能な薬剤が開発されているが、これらは現在、脳梗塞、心筋梗塞症等の再発予防、及び各種バイパス手術後の閉塞予防等に用いられており、血栓症の治療剤というよりも、血栓形成予防薬として使用されている。抗凝固剤にはアンチトロンビンIIIによるトロンビンの阻害を促進することにより作用するヘパリンと経口抗凝固薬のクマリン誘導体のワルファリン等が臨床で使われている。ワルファリンは、プロトロンビン合成においてトランスレーション後のビタミンK依存性γ−カルボキシル化を阻害することによりトロンビンの発生を阻止する。しかし、ヘパリンは非経口的に投与しなければならず、これは抗トロンビンIIIのコファクターとして機能するので、この阻害剤なしでは効果はない。ワルファリンは非常にゆっくりと効果を発現し、個々の投与量は頻繁に試練して調整しなければならない。これらの抗凝固剤でトロンビンは特異的なものはなく、これらはその他のセリン−プロテアーゼをも阻害し、両者共に投与量を正しく調整しなければ出血を誘起する可能性がある。また最近はエイコサペンタエン酸(EPA)、プロスタサイクリン(Prostacycline;PG12)誘導体等が商品化されている。しかし、これら薬剤は特異性がないため、生体内においては血栓以外の部分にも影響を及ぼし、生体内に残存した場合、出血等を引き起こす可能性がある。その他に、ヒルジン(hirudin)、合成抗トロンビン(synthetic antithrombin)、チクロピジン(Ticlopidin)等の抗血栓活性も報告されているが、まだ実用化には至っていない。
血栓溶解剤としては、ストレプトキナーゼ(streptokinase)、ウロキナーゼ(urokinase)のようなプラスミノゲンアクチベーター(plasminogen activator)を血栓が生成された患者に静脈注射して、体内の血栓溶解系を活性化する治療法が一般的に使われている。これらが血栓を溶解させる効果は、幾多の臨床実験で立証されたが、抗血栓剤又は血栓形成予防剤と同様、血栓に対する特異性が無く、血栓を治療する間に全身出血する等の副作用がある。また組職型プラスミノゲンアクチベーター(tissue−type plasminogen activator,tPA)は血栓に対する選択性が高く、理想的な血栓溶解剤と考えられたが、実際に臨床治療に適用した結果、程度の差はあるが相変らず全身出血等の副作用があった。また血液内での半減期が非常に短く、薬効の持続時間が短いため、体内で薬効を維持するためには投与量が多くなければならず、そのため治療費用が従来の血栓溶解剤に比べ非常に高いという問題点がある。
このような医薬品が血栓の生成予防に使用されてはいるものの、血栓除去にあまり著しい効果を現わすことが無く、深刻な副作用を誘発するため、最近では、医薬品による治療よりは食生活を通じて病気を予防し、体質を調節又は活性化させる機能を持った成分又は食品成分に対する研究も注目されるようになってきている。
食品成分としては、多価不飽和脂肪酸、グルコサミン、タマネギの薄皮(例えば、特許文献1参照。)等の素材が知られているが、風味や性状等に問題があり、幅広く食品に応用できなかった。
また、最近では、キウイフルーツ抽出物(例えば、特許文献2参照。)についての特許が公開されたが、中性域での活性が弱いという欠点がある。
さらに、ナットウキナーゼ(例えば、特許文献3参照。)が良く知られているが、ナットウキナーゼは血栓溶解効果を有するものの同時に凝固因子の産生に寄与するビタミンKを含んでいる。
特開2002−171934号公報(第2頁) 特開2003−171294号公報(第2−5頁) 特開2004−65047号公報(第3頁)
本発明の課題は、幅広い飲食品に使用可能なフィブリン形成阻害組成物及びそれを含有する飲食品を提供することにある。
本発明者らは様々な天然植物を利用してフィブリン形成阻害成分を捜す目的で、多角的に研究検討した結果アムラーの果実、果汁、それらの抽出物及びその酵素処理物の抽出物に優れたフィブリン形成阻害効果があることを見出し、本発明を完成させた。
本発明で得られたアムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有するフィブリン形成阻害組成物は、フィブリン形成阻害試験の結果から、血栓形成の最終段階でトロンビンによるフィブリノーゲンからのフィブリン形成を抑制する効果が高いことがわかった。
特にアムラーは、インドや中国では、昔から日常食生活に使用してきた天然植物由来のものなので、従来使用していた薬剤とは違い、体内で出血を起こす副作用が無く安全である。
本発明はアムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有するフィブリン形成阻害組成物を各種飲食品及び医薬品等に利用して、血栓の生成を抑制することで脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化及び冠状動脈症のような心血関係疾患を予防することができる。
本願発明に用いるアムラーとは、学名:エンビリカ・オフィシナル(Emblica officinale)又は、フィランサス・エンブリカ(Phyllanthus embilica)といい、トウダイグサ科コミカンソウ属に属する落葉の亜高木であり、インドからマレーシア地域及び中国南部にかけて分布しており、インドが原産地と考えられている。また、各地方又は言語により、各々固有の名称があり、余柑子、油甘、奄摩勒、エンブリック・ミロバラン、アーマラキー、マラッカノキ、マラッカツリー、インディアングーズベリー、アロンラ、アミラ、アミラキ、アミラキャトラ、ネリカイ、ネルリ、タシャ、カユラカ、ケムラカ、ナックホンポン等とも称されている。
本発明において、アムラーの部位としては、果実が用いられる。その形態は、特に限定するものではなく、未熟果実、完熟果実、乾燥果実、果汁、果汁粉末等のいずれでも良い。
果汁又は果汁粉末の場合は、そのままでも使用できるが、生果実又は乾燥果実等、水不溶性成分を含む物を使用する場合は、抽出により、水不溶性成分が除去されていることが好ましい。
抽出の際、生果実を使用する場合は、種子を除去した後、水を添加又は無添加で、抽出効率を高めるためにミキサー等により破砕、均質化したものを用いることが好ましい。
乾燥果実を使用する場合は、抽出効率を高めるために40メッシュ以下の粒度になるように粉砕されていることが好ましい。
抽出方法は、抽出溶媒、抽出温度等、特に限定されるものではなく、抽出溶媒としては、水、塩基、酸、その他親水性溶媒を使うことができる。親水性溶媒はメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどの低級アルコール及びアセトンが操作性、抽出効率の点から好ましい。特に好ましくは、水、塩基、酸のいずれかである。
酸又は塩基を抽出溶媒で使う場合、抽出物を中和させることが好ましい。中和反応によって生成された塩は、透析法やゲル濾過等、公知の方法により、取り除くことができる。水を抽出溶媒として用いた場合には、上記のような中和反応は必要なく、生成された塩を取り除く必要もないため、水を用いることが更に好ましい。
この時使用する酸としては、特に限定するものではなく、大部分の酸を使うことができるが、好ましくは、塩酸、硫酸より選ばれる1種又は両者の併用である。
また、塩基としては、特に限定するものではなく、大部分の塩基を使うことができるが、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムより選ばれる1種又は両者の併用である。
抽出に使用される酸又は塩基の濃度は、特に限定するものではなく、酸又は塩基の強さによって変化するが、0.01〜0.5モルの濃度を使用することが操作性の点より好ましい。
上記の抽出において、酵素処理することによって収率や風味の改善ができ、また効果の高いものが得られるので、抽出前に酵素処理をすることが好ましい。酵素処理する時のpHは使用する酵素の至適pH及びpH安定性を指標に適宜選択できる。また、処理するときの温度に関しても使用する酵素の至適温度及び温度安定性を指標に適宜選択できる。本発明の酵素処理に使用する酵素は限定するものではないが、食品工業用に用いるものであれば、特に限定するものではなく、ペクチナーゼ、セルラーゼ、へミセルラーゼ、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、マルトトリオヒドロラーゼ、β−アミラーゼ、トランスグルコシダーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、グルタミナーゼ、ヌクレアーゼ、デアミナーゼ、デキストラナーゼ、グルコースオキシダーゼ、ラクターゼ、タンナーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、プルラナーゼ、トリプシン、パパイン、レンネット、ホスホリパーゼA等より選ばれる1種類または2種類以上を併用することができる。好ましくは、ぺクチナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、タンナーゼより選ばれる1種類または2種類以上を併用することができる。酵素の使用量は特に限定するものではないが、酵素の種類によっても異なるが、アムラに対して0.05〜2.0%使用することが好ましい。更に、上記の抽出において、抽出残渣に対して再度抽出工程を1回又はそれ以上繰り返すことで、抽出率が向上し、収率が向上するので、好ましい。この場合の抽出に用いる溶媒は、同じでも良いし、別の溶媒を用いても良い。
上記の果汁又は抽出物は、そのままでも使用できるが、濾過や遠心分離により、不溶性物質を取り除くことにより、フィブリン形成阻害効果が高くなり、応用範囲も広がるので好ましい。
不溶性物質を取り除いた後、果汁又は抽出液をそのまま又は濃縮した後にエタノールを加えて得られる沈殿物を回収したものは、更にフィブリン形成阻害効果が高くなるので好ましい。エタノールの濃度としては、特に限定するものではないが、効果の点より、20〜80%が好ましく、60〜80%が更に好ましい。
さらにエタノールを加えて得られた沈殿物をクロマトグラフィーやカラムを用いて精製したものは更にフィブリン形成阻害効果が高い分画が得られるので好ましい。クロマトグラフィーやカラムは、特に限定するものではないが、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、吸着カラムクロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、逆相カラムクロマトグラフィー、イオン交換カラム、ゲル濾過カラム、疎水性カラム、逆相カラムが使用できる。精製の効果の点からゲル濾過クロマトグラフィー、またはゲル濾過カラムが望ましい
抽出物はそのままでの使用も可能だが、必要であれば噴霧乾燥や凍結乾燥等の手段により乾燥粉末化させて使用することも可能である。
本願発明においてフィブリン形成阻害効果は、例えば、0.7%フィブリノーゲン試液3ミリリットルにフィブリン形成阻害組成物300マイクロリットルを加え均一させた後、トロンビン試液(10U/ml)300マイクロリットルを添加して、フィブリン形成凝固させて、その凝固重量を測定し、フィブリン形成阻害率を調べることによって確認することができる。本願では通常阻害率20%以上のものがよく、好ましくは30%以上のものがよい。
本願発明のフィブリン形成阻害組成物は、飲食品、医薬品、飼料等に応用でき、好ましくは、人が手軽に摂食できる飲食品が好ましい。
本願発明における飲食品とは溶液、懸濁物、粉末、固体成形物等経口摂取可能な形態であれば良く特に限定するものではない。より具体的には、即席麺、レトルト食品、缶詰、電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品等の即席食品類、清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、栄養飲料、アルコール飲料等の飲料類、パン、パスタ、麺、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品、飴、キャラメル、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、デザート菓子等の菓子類、ソース、トマト加工調味料、風味調味料、調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレー・シチューの素類等の調味料、加工油脂、バター、マーガリン、マヨネーズ等の油脂類、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、アイスクリーム類、クリーム類等の乳製品、冷凍食品、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品等の水産加工品、畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品、農産缶詰、ジャム・マーマレード類、漬け物、煮豆、シリアル等の農産加工品、栄養食品、錠剤、カプセル等が例示される。
本願発明において、フィブリン形成阻害組成物又は、飲食品等に加工する際に、各種栄養成分を強化することができる。
強化できる栄養成分としては、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン(ニコチン酸)、パントテン酸、葉酸等のビタミン類、リジン、スレオニン、トリプトファン等の必須アミノ酸類や、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅等のミネラル類及び、例えば、α−リノレン酸、EPA、DHA、月見草油、オクタコサノール、カゼインホスホペプチド(CPP)、カゼインカルシウムペプチド(CCP)、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、オリゴ糖等の人の健康に寄与する物質類、その他の食品や食品添加物として認可されている有用物質の1種又は2種以上が使用できる。
以下本発明を、実施例にて詳細に説明するが、次の実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)フィブリン形成阻害組成物の調製1
アムラー乾燥果実を40メッシュ以下に粉砕し、その粉末80グラムに、蒸留水2リットルを加え、55℃で3時間抽出した。その後、遠心分離(3000rpm、10分間)し、その上清を濾過し、抽出物と残渣を分離した。その残渣に蒸留水2リットルを加え、同条件でもう1回繰り返し抽出し、それぞれの抽出液をあわせた後、凍結乾燥し、本願発明のフィブリン形成阻害組成物A35.0グラムを得た。収率は43.8%であった。
(試験例1)フィブリン形成阻害効果の確認−1
本願発明のフィブリン形成阻害組成物のフィブリン形成阻害効果を、フィブリノーゲン試液とトロンビン試液を利用してフィブリン形成の割り合いを調べた。
試験管に、0.7%フィブリノーゲン試液3ミリリットルに実施例1で得られたフィブリン形成阻害組成物Aを生理食塩液で一定濃度に希釈したものを300マイクロリットルを加えて、37℃で3分間均一化させた後、トロンビン試液(10U/ml)300マイクロリットルを添加して、フィブリン形成凝固させた。その凝固重量を測定し、下記計算式によってフィブリン形成阻害率を求めた。
フィブリン形成阻害率(%)=(全体溶液重量 − 凝固重量)/全体溶液重量×100
この時、対照にはフィブリン形成阻害組成物の代わりに生理食塩液水を入れ、同じ方法でフィブリン形成阻害率を測定した。
本願発明のフィブリン形成阻害組成物の濃度と、フィブリン形成阻害率との関係を確認するために、固形分濃度として、0(対照)、10、25、40mg/mlの本願発明のフィブリン形成阻害組成物を使用して、その阻害率を測定した。その結果を、下記表1に示す。
Figure 2006008529
上記表1の結果により、本願発明のフィブリン形成阻害組成物は、血栓形成の最終過程でのフィブリン形成に対して高い阻害効果を示すことが確認できた。また抽出物の濃度を増加させることによって比例してフィブリン形成阻害率も増加することが確認できた。
(実施例2)フィブリン形成阻害組成物の調製2
アムラー乾燥果実を40メッシュ以下に粉砕し、その粉末100グラムに、蒸留水2リットルを加え、さらにペクチナーゼ0.1グラム及びタンナーゼ0.1グラムを加えて、55℃で2時間抽出した。その後、90℃で30分間酵素失活させた。その後、遠心分離(3000rpm、10分間)し、その上清を濾過し、濾液をスプレードライし、本願発明のフィブリン形成阻害組成物B45gを得た。
(実施例3)フィブリン形成阻害組成物の調製3
アムラー乾燥果実を40メッシュ以下に粉砕し、その粉末80グラムに、蒸留水2リットルを加え、55℃で3時間抽出した。その後、遠心分離(3000rpm、10分間)し、その上清を濾過し、抽出物と残渣を分離した。その残渣に蒸留水2リットルを加え、同条件でもう1回繰り返し抽出し、それぞれの抽出液をあわせた後、減圧濃縮し、200ミリリットルとした。この濃縮液にエタノールを加え、250ミリリットルになるように調製(最終エタノール濃度20%)した後、4℃で24時間静置して、不溶性成分を沈殿させた。上清を遠心分離(3000rpm、10分間)で分離除去し、沈殿物を凍結乾燥し、本願発明のフィブリン形成阻害組成物C8.5gを得た。
また、最終エタノール濃度20%の上清にエタノールを加えてエタノールの終濃度を40%にして沈殿物させ、同様にして本願発明のフィブリン形成阻害組成物D4.6gを、さらに同様の操作を繰り返してエタノールの終濃度を60%、さらに80%にして沈殿物を得て、本願発明のフィブリン形成阻害組成物E1.3g,F2.4gを得た。
(試験例2)フィブリン形成阻害効果の確認−2
実施例2で得られたフィブリン形成阻害組成物Bと実施例3で得られたフィブリン形成阻害組成物C〜Fについて、それぞれを生理食塩水で希釈し、10mg/mlとした試料濃度で、試験例1と同様にしてフィブリン形成阻害効果を確認した。
また、実施例3における、60−80%エタノールでの上清成分についても同様にして試料を調製し、フィブリン形成阻害効果を確認した。その結果を表2に示した。
Figure 2006008529
上記表2の結果により、フィブリン形成阻害画分はエタノール沈殿画分の60−80%エタノール沈殿画分が最も活性が高いことがわかった。
(実施例4)フィブリン形成阻害組成物含有飲料の調製
ブドウ糖528g、果糖85.4g、粉末クエン酸15.8g、クエン酸ナトリウム11.2g、乳酸カルシウム1.3g、塩化マグネシウム1.3g、粉末天然香料13.2g、ビタミンCおよび実施例1で得られたフィブリン形成阻害A5.5gに水を加えて11リットルとし、乾熱減菌済110mL褐色ビンに100mLずつ充填、アルミキャップで密封後、120℃、30分間殺菌を行いフィブリン形成阻害組成物含有飲料100本を得た。
(実施例5)フィブリン形成阻害組成物含有野菜果汁混合飲料の調製
実施例2で得られたフィブリン形成阻害組成物B1g及び、グアーガム分解物(サンファイバーR;太陽化学株式会社製)3gを市販の野菜果汁混合飲料100mlに添加混合溶解して、本願発明のフィブリン形成阻害組成物含有野菜果汁混合飲料を得た。
(実施例6)フィブリン形成阻害組成物含有乳酸菌飲料の調製
15%脱脂乳に3%グルコースを添加し、120℃で3秒殺菌した後、ラクトバチルス・カゼイ(L.casei)を1%接種し、37℃でpH3.6まで培養してヨーグルト210gを得た。一方、砂糖100gに、実施例3で得られたフィブリン形成阻害組成物Cを1g加えて790gにし、110℃で3秒の殺菌を行ってシロップを得、得られたヨーグルトとシロップを混合し、香料を添加した後、均質化(150kg/cm2)し、容器に充填してフィブリン形成阻害組成物乳酸菌飲料を得た。
(実施例7)フィブリン形成阻害組成物含有クッキーの調製
実施例3で得られた糖尿病性腎症抑制組成物D4.0g及び、市販のケーキミックス粉200gを容器に入れた後、バター35gを入れ、木杓子で混ぜ合わせた。それに溶き卵25gを加えて、なめらかな生地になるまで良く練った。小麦粉を振った台の上に生地を取り出し、さらに小麦粉を振って麺棒で5mmの厚さに伸ばし、丸型で抜き、それを170℃のオーブンで10分間焼いて、1個約5gの本願発明のフィブリン形成阻害組成物含有クッキーを得た。
(実施例8)フィブリン形成阻害含有食品(錠菓)の調製
実施例3で得られたフィブリン形成阻害組成物E50g、乳糖30g、DHA含有粉末油脂(サンコートDY−5;太陽化学株式会社製)12g、ショ糖脂肪酸エステル4g、ヨーグルト香料4gを混合し、1錠が300mgになるように打錠して、本願発明のフィブリン形成阻害組成物含有飲食品(錠菓)を得た。
(実施例9)フィブリン形成阻害含有ガムの調製
ガムベース20g、砂糖60g、結晶ブドウ糖18.9g、香料1g、実施例3で得られたフィブリン形成阻害組成物E0.1gからなるチューインガムを常法により作成し、フィブリン形成阻害組成物含有ガムを得た。
本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙げれば以下の通りである。
(1) アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有することを特徴とするフィブリン形成阻害組成物。
(2) アムラー果実又は果汁の抽出物が、アムラー果実又は果汁から水、塩基、酸、親水性溶媒により抽出されていることをより抽出されていることを特徴とする前記(1)記載のフィブリン形成阻害組成物。
(3) アムラー果実又は果汁の抽出物が、アムラー果実又は果汁から水により抽出されていることを特徴とする前記(1)又は(2)記載のフィブリン形成阻害組成物。
(4) アムラー果実、果汁又はそれらの抽出物を酵素処理したことを特徴とする前記(1)〜(3)いずれか記載のフィブリン形成阻害組成物。
(5) アムラー果実、果汁又はそれら抽出物をぺクチナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、タンナーゼより選ばれる1種類または2種類以上を併用する酵素処理により抽出されていることを特徴とする前記(1)〜(4)いずれか記載のフィブリン形成阻害組成物。
(6) アムラー果実、果汁、それらの抽出物がエタノールにより分画されていることを特徴とする前記(1)〜(5)いずれか記載のフィブリン形成阻害組成物。
(7) アムラー果実、果汁、それらの抽出物が、エタノールにより沈殿成分として分画されていることを特徴とする前記(1)〜(5)いずれか記載のフィブリン形成阻害組成物。
(8) エタノールで分画する際のエタノール濃度が、20〜80%であり、その沈殿画分であることを特徴とする前記(7)記載のフィブリン形成阻害組成物。
(9) エタノールで分画する際のエタノール濃度が、60〜80%であり、その沈殿画分であることを特徴とする前記(7)又は(8)いずれか記載のフィブリン形成阻害組成物。
(10) アムラー果実、果汁、それらの抽出物が、クロマトグラフィーやカラムにより精製されていることを特徴とする前記(1)〜(9)いずれか記載のフィブリン形成阻害組成物。
(11) 精製の為のクロマトグラフィーやカラムが、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、吸着カラムクロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、逆相カラムクロマトグラフィー、イオン交換カラム、ゲル濾過カラム、疎水性カラム、逆相カラムであることを特徴とする前記(10)記載のフィブリン形成阻害組成物。
(12) 精製の為のクロマトグラフィーやカラムが、ゲル濾過クロマトグラフィーまたはゲル濾過カラムであることを特徴とする前記(10)記載のフィブリン形成阻害組成物。
(13) 前記(1)〜(12)いずれか記載のフィブリン形成阻害組成物を含有することを特徴とする飲食品。
(14) 前記(1)〜(12)いずれか記載のフィブリン形成阻害組成物を含有することを特徴とする医薬品。
(15) 前記(1)〜(12)いずれか記載のフィブリン形成阻害組成物を含有することを特徴とする飼料。
本発明で得られたアムラー抽出物を含有するフィブリン形成阻害組成物は、血栓形成の最終段階でトロンビンによるフィブリノーゲンからのフィブリン形成を抑制する効果が高く、各種飲食品及び医薬品等に利用して、血栓の生成を抑制することで脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化及び冠状動脈症のような心血関係疾患を予防することができる。

Claims (5)

  1. アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を含有することを特徴とするフィブリン形成阻害組成物。
  2. アムラーの果実、果汁又はそれらの抽出物を酵素処理したことを特徴とする請求項1記載のフィブリン形成阻害組成物。
  3. アムラーの果実又は果汁の抽出物が、アムラー果実又は果汁から水、塩基、酸、親水性溶媒により抽出されていることを特徴とする請求項1又は2記載のフィブリン形成阻害組成物。
  4. アムラーの果実、果汁、それらの抽出物がエタノールにより分画されたものである請求項1〜3いずれか記載のフィブリン形成阻害組成物。
  5. 請求項1〜4いずれか記載のフィブリン形成阻害組成物を含有することを特徴とする飲食品。
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