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JP2005512524A - ヒト凝固第vii因子ポリペプチド - Google Patents

ヒト凝固第vii因子ポリペプチド Download PDF

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JP2005512524A
JP2005512524A JP2003540213A JP2003540213A JP2005512524A JP 2005512524 A JP2005512524 A JP 2005512524A JP 2003540213 A JP2003540213 A JP 2003540213A JP 2003540213 A JP2003540213 A JP 2003540213A JP 2005512524 A JP2005512524 A JP 2005512524A
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ノボ ノルディスク ヘルス ケア アクチェンゲゼルシャフト
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Abstract

【課題】ヒト凝固第VII因子ポリペプチドを提供する。
【解決手段】本発明は、凝固活性を有する新規のヒト凝固第VIIa因子変異体、該変異体をコードするポリヌクレオチド構築物、該ポリヌクレオチドを具備し発現するベクターおよび宿主細胞、薬学的組成物、治療のための使用と方法に関する。

Description

本発明は、凝固活性を有する新規のヒト凝固第VIIa因子ポリペプチド、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド構築物、該ポリヌクレオチドを具備し発現するベクターおよび宿主細胞、薬学的組成物、治療のための使用と方法に関する。
血液凝固は、種々の血液成分(または因子)の複雑な相互作用からなる過程であり、最終的にフィブリンの凝固を生じる。一般に、凝固「カスケード」と呼ばれているものに関与する血液成分は、活性化因子(それ自体が活性化された凝血因子である)の作用によってタンパク質分解酵素に転化される、酵素的に不活性なタンパク質(前酵素または酵素前駆体)である。そのような転化を受けた凝固因子は、一般に、「活性因子」と呼ばれ、その凝固因子の名称に「a」の文字を添えることによって示される(例えば、第VIIa因子)。
止血過程の開始は、外傷の結果、血管壁と接触した組織因子と、第VIIa因子の間の複合体の形成によって媒介される。この複合体は、次に、第IX因子および第X因子を活性形体に転化させる。第Xa因子は、組織因子を含有する細胞において、有限量のプロトロンビンをトロンビンに転化させる。トロンビンは血小板を活性化させ、第V因子および第VIII因子を第Va因子および第VIIIa因子に活性化させる(両者は、完全なトロンビンバーストを導くさらなる過程におけるコファクターである)。この過程は、第IXa因子(第VIIIa因子との複合体において)による第Xa因子の生成を含み、活性化された血小板の表面で生じる。トロンビンは最終的に、フィブリノゲンをフィブリンに転化させ、結果としてフィブリン凝固を形成させる。近年、第VII因子と組織因子が血液凝固の主要な開始剤であることが発見された。
第VII因子は、単一鎖の酵素前駆体として血中を循環している微量の血漿糖タンパクである。この酵素前駆体は触媒的に不活性である。単一鎖第VII因子は、インビトロにおいて第Xa因子、第XIIa因子、第IXa因子、第VIIa因子、またはトロンビンによって、二本鎖の第VIIa因子に転化され得る。第Xa因子は、第VII因子の主要な生理学的活性化因子であると考えられている。止血に関与する他の幾つかの血漿糖タンパクと同様に、第VII因子はその活性をビタミンKに依存しており、これは、タンパク質のアミノ末端に近接して群集する複数のグルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化のために必要とされる。これらのガンマ−カルボキシル化されたグルタミン酸は、金属イオンが誘導する、第VII因子とリン脂質の相互作用のために必要とされる。酵素前駆体第VII因子は、Arg152−Ile153内ペプチド結合を切断されることによって活性化された二本鎖分子へ転化する。組織因子、リン脂質、およびカルシウムイオンの存在下において、二本鎖第VIIa因子は、限定的なタンパク質分解によって第X因子または第IX因子を速やかに活性化する。
被験者における凝固カスケードを刺激するかまたは改善することがしばしば望まれる。第VIIa因子は、凝固因子欠乏症(例えば血友病AおよびB、または凝固第XI因子または第VII因子の欠乏症)または凝固因子阻害物質のような幾つかの原因を有する出血性疾患を制御するために使用されている。第VIIa因子はまた、正常に機能する血液凝固カスケード(何れの凝固因子に対しても、凝固因子欠乏症または阻害物質がない)を有する被験者において生じる過剰出血を制御するためにも使用されている。そのような出血は、例えば、血小板機能の欠陥、血小板減少症、またはフォンウィルブランド症によって引き起こされ得る。出血は、手術および他の形の組織損傷と関わる主要な問題でもある。
欧州特許番号第200,421(ZymoGenetics)は、ヒト第VII因子をコードする核酸配列および哺乳類細胞における第VII因子の組換え体の発現に関している。
Dickinsonら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1996) 93, 14379-14384)は、Leu305がAlaで置換された第VII因子の変異体(FVII(Ala305))を示している。
Iwanagaら(Thromb. Haemost. (supplement August 1999), 466, abstract 1474)は、残基316−320が欠失した第VIIa因子の変異体、または残基311−322がトリプシンの対応する残基によって置換された第VIIa因子の変異体を示している。
従来の治療とそれぞれ関連する、凝固活性を有する第VIIa因子の変異体、比較的少ない用量で投与できる高活性の変異体、および、全身の凝固系の活性化や出血のような望ましくない副作用を生じさせない変異体が必要とされている。
発明の詳細な説明
配列番号1のアミノ酸残基313-329(例えばSer314およびLys316)を含むループにおける変異、及び、この範囲外であるが空間的にこのループに近位の位置(例えばTrp364、Gln366、His373、及びVal376)における変異を有するヒト凝固第VII因子ポリペプチド変異体が、野生型の第VIIa因子と比較して増強された活性を有することが発見されている。これらの位置は包含される。
ここで使用される「活性」という用語は、第VII因子ポリペプチドがその基質である第X因子を活性第Xa因子に転化させる能力を意味する。第VII因子ポリペプチドの活性は、「インビトロでのタンパク質分解アッセイ法」によって測定できる(実施例5を参照)。
「固有活性」という用語は、組織因子の非存在下において、活性化された血小板の表面上でトロンビンを生成する能力をも含む。
上述した第VIIa因子ポリペプチド変異体は天然の第VIIaよりも高い固有活性を有するため、低い用量でも作用するサイトにおいて機能的に十分な濃度を得るのに十分であり、従って出血の発症した、または通常の止血系を増強することを必要としている被験者に、低い用量で投与することができる。
本発明者らは、配列番号1のアミノ酸残基313-329、例えばSer314またはLys316を含むループ、及びこの範囲外であるが空間的にこのループに近位の位置、例えばTrp364、Gln366、His373、及びVal376におけるアミノ酸の置換によって、第VIIa因子が、通常は組織因子によって誘導されるさらに活性なコンホメーションを自発的に達成することを発見した。そのような第VIIa因子ポリペプチド変異体は、プロコアギュラントの活性が組織因子(第Xa因子は血小板の表面で発生する)とは無関係である状況、例えば高用量のNovoSeven(R)が投与された場合のような状況において、治療的に有用である固有活性を示す。
一つの態様において、プロテアーゼドメインにおけるアミノ酸のさらなる置換は、分子の活性コンホメーションの形成をさらに促進する。一つの態様において、第VIIa因子ポリペプチドはさらに、他の任意のアミノ酸による、アミノ酸Leu305、Lys157、Lys337、Asp334、Ser336、Val158、Glu296、及びMet298から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換を含む。
本発明はさらに、膜リン脂質、例えば組織因子含有細胞の膜リン脂質または血小板の膜リン脂質に対して実質的に高い親和性を有するタンパク質を提供できる、第VIIa因子のN末端Glaドメイン(配列番号1の1−37に対応する位置のアミノ酸)における幾つかのアミノ酸の置換を含み、それ故、改良されたプロコアギュラント効果を有する第VII因子ポリペプチド変異体を生成する。
従って、上述した第VIIa因子ポリペプチド変異体は、配列番号1の位置313-329において既に行われたアミノ酸の置換と、その他のプロテアーゼドメインにおける任意のアミノ酸置換に加えて、N末端Glaドメインにおいて少なくとも一つのアミノ酸の置換を有し、これによって、天然第VIIa因子と比較して増強された活性、並びに膜リン脂質に対する増強された親和性を有するタンパク質を得ることができる。第VIIa因子の位置10及び32(配列番号1に関して)におけるアミノ酸が異なるアミノ酸で置換されることが好ましい。上記した位置に組み込まれる好ましいアミノ酸の例は:位置10のアミノ酸ProがGln、Arg、His、Gln、Asn、またはLysで置換され;及び/または位置32のアミノ酸LysがGlu、Gln、またはAsnで置換される。
異なるリン脂質親和性およびビタミンK依存性血漿タンパク質の配列に基づいて、Glaドメインにおける他のアミノ酸も置換と見なされる。
「N末端GLAドメイン」という用語は、第VII因子のアミノ酸配列1−37を意味する。
3文字の表示「GLA」は、4−カルボキシグルタミン酸(γ−カルボキシグルタメート)を意味する。
「プロテアーゼドメイン」という用語は、第VII因子のアミノ酸配列153−406(第VIIa因子の重鎖)を意味する。
ここで使用される「第VII因子ポリペプチド」という用語は、天然のヒト第VII因子(配列番号1)のアミノ酸配列1−406またはその変異体を具備する任意のタンパク質を意味する。これは、ヒト第VII因子、ヒト第VIIa因子及びそれらの変異体を含むが、これらに限定されない。
ここで用いられる「第VII因子」という用語は、活性化された二重鎖の第VII因子分子(第VIIa因子)と同様に、不活性な単一鎖の酵素前駆体第VII因子分子を含むように意図される。これは、天然のヒト第VII因子または第VIIa因子のアミノ酸配列1−406を有するタンパク質を含む。これはまた、例えばN末端アミノ酸の欠失または付加を含む改変されたN末端のように、それらのタンパク質が実質的に第VIIa因子の活性を保持する限り、わずかに改変されたアミノ酸配列を有するタンパク質をも含む。ここで使用される「第VIIa因子」または「FVIIa」という用語は、活性化された形体(第VIIa因子)からなる生成物を意味する。上記の定義中の、「第VII因子」または「第VIIa因子」は、存在し得る天然の対立遺伝子変異体を含み、一方から他方へ個々に生じる。グリコシル化の程度と位置、または他の位置変換改変も、選択された宿主細胞および宿主細胞環境の性質に依存して変化し得る。
ここで使用される「変異体」という用語は、配列番号1の配列を有し、親タンパクの一以上のアミノ酸が他のアミノ酸によって置換されている、および/または親タンパクの一以上のアミノ酸が欠失している、および/または一以上のアミノ酸がタンパクに挿入されている、および/または一以上のアミノ酸が親タンパクに加えられている、第VII因子を示すように意図される。そのような付加は、親タンパクのN末端またはC末端のいずれか、または両方で起こり得る。この定義中の「変異体」は、その活性形体において、なおFVII活性を有する。一つの態様において、変異体は配列番号1の配列と70%同じである。一つの態様において、変異体は配列番号1の配列と80%同じである。他の態様において、変異体は配列番号1の配列と90%同じである。さらなる態様において、変異体は配列番号1の配列と95%同じである。
第一の側面において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、または他の任意の空間的に近位のアミノ酸から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドに関する。
ここで使用される「他の任意のアミノ酸」という用語は、その位置に天然に存在するアミノ酸と異なる一つのアミノ酸を意味する。これは、ポリヌクレオチドによってコードされ得るアミノ酸を含むが、これに限定されない。この異なるアミノ酸は、天然のL型で且つポリヌクレオチドによってコードされ得ることが好ましい。具体的な例としては、Lシステイン(Cys)である。
第二の側面から、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドに関する。
第三の側面から、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドに関する。
さらなる側面から、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して一つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される一つのアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドに関する。
さらなる側面において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して二つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される二つのアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドに関する。
さらなる側面において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して三つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される三つのアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドに関する。
さらなる側面において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して四つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される四つのアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドに関する。
さらなる側面において、本発明は、
配列番号1のアミノ酸配列に関して一つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329から成る群から選択される一つのアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドに関する。
さらなる側面において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して二つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329から成る群から選択される二つのアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドに関する。
さらなる側面において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して三つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329から成る群から選択される三つのアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドに関する。
さらなる側面において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して四つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329から成る群から選択される四つのアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドに関する。
さらなる側面において、本発明は、本発明の第VII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド構築物に関する。
「構築物」という用語は、所望のポリペプチドをコードする、完全なまたは部分的な自然発生ヌクレオチド配列に基づいたポリヌクレオチドセグメントを示すように意図される。この構築物は、任意に、他のポリヌクレオチドセグメントを含んでもよい。同様に、「ポリヌクレオチド構築物によってコードされ得るアミノ酸」という用語は、上記で定義されたポリヌクレオチド構築物によってコードされ得るアミノ酸、即ち、Ala、Val、Leu、Ile、Met、Phe、Trp、Pro、Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、Asn、Glu、Lys、Arg、His、Asp、およびGlnのようなアミノ酸を包含する。
さらなる側面において、本発明は、本発明の第VII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド構築物を含む組換えベクターを提供する。
ここで使用される「ベクター」という用語は、宿主細胞において増幅能力を有する何れの核酸独立体を意味する。従って、ベクターは自己複製ベクター、即ち、染色体外の独立体として存在し、その複製が染色体の複製とは無関係であるベクター、例えばプラスミドであってよい。或いは、ベクターは、宿主細胞に導入されたとき、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体と共に複製されるものであってよい。ベクターの選択は、多くの場合、それが導入される宿主細胞による。ベクターは、プラスミドベクター、ファージベクター、ウイルスまたはコスミドベクターを含むが、これに限定されない。ベクターは通常、複製開始点と、少なくとも一つの選択可能遺伝子、即ち、容易に検出可能な生成物をコードする遺伝子、またはその存在が細胞増殖に必須である遺伝子を含む。
さらなる側面において、本発明は、ポリヌクレオチド構築物またはベクターを具備する組換え宿主細胞を提供する。一つの態様において、組換え宿主細胞は真核細胞である。他の態様において、組換え宿主細胞は哺乳類起源の細胞である。さらなる態様において、組換え宿主細胞はCHO細胞、HEK細胞、およびBHK細胞からなる群から選択される細胞である。
ここで使用される「宿主細胞」という用語は、異種性のDNAが発現され得るハイブリッド細胞を含む何れの細胞をも意味する。典型的な宿主細胞は、昆虫細胞、酵母細胞、ヒト細胞を含む哺乳類細胞、例えばBHK、CHO、HEK、およびCOS細胞を含むが、これに限定されない。本発明の実施において、培養される宿主細胞は、好ましくは哺乳類細胞であり、さらに好ましくは、CHO(例えば、ATCC CCL 61)、COS-1(例えば、ATCC CRL 1650)、子ハムスターの腎臓(BHK)およびHEK293(例えば、ATCC CRL 1573;Graham et al., J.Gen. Virol. 36:59-72, 1977)細胞株を含むがこれに限定されない確立された哺乳類細胞株である。好ましいBHK細胞株は、tk-ts 13BHK細胞株(Waechter and Baserga, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:1106-1110, 1982)である(以下、BHK 570細胞と称す)。BHK 570細胞株は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから、12301 Parklawn Dr., Rockville, MD 20852、ATCC受付番号 CRL 10314で利用可能である。tk-ts 13BHK細胞株も、ATCCから、受付番号 CRL 1632で利用可能である。他の適切な細胞株は、Rat Hep I(ラット肝癌;ATCC CRL 1600)、Rat Hep II(ラット肝癌;ATCC CRL 1548)、TCMK(ATCC CCL 139)、ヒト肺(ATCC HB 8065)、NCTC 1469(ATCC CCL 9.1)およびDUKX細胞(Urlaub and Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77 : 4216-4220, 1980)を含むが、これに限定されない。3T3細胞、Namalwa細胞、ミエローマおよびミエローマと他の細胞の融合も有用である。
さらなる側面において、本発明は、ポリヌクレオチド構築物を具備し発現するトランスジェニック動物を提供する。
さらなる側面において、本発明は、ポリヌクレオチド構築物を具備し発現するトランスジェニック植物を提供する。
さらなる側面において、本発明は、本発明の第VII因子ポリペプチドを産生する方法に関し、該方法は、該ポリヌクレオチド構築物を含む細胞を、適正な増殖培地で、該ポリヌクレオチド構築物が発現可能な条件下で培養することと、得られたポリペプチドを該培養培地から回収することとを含む。
ここで使用される「適正な増殖培地」という用語は、栄養、並びに、細胞の増殖と本発明の第VII因子ポリペプチドをコードする核酸配列を発現させるために必要な他の成分を含む培地を意味する。
さらなる側面において、本発明は、第VII因子ポリペプチドを産生する方法に関し、該方法は、トランスジェニック動物によって生産された乳から該ポリペプチドを回収することを含む。
さらなる側面において、本発明は第VII因子ポリペプチドを産生する方法に関し、該方法は、ポリヌクレオチド構築物を具備するトランスジェニック植物の細胞を培養することと、得られた植物からポリペプチドを回収することを含む。
さらなる側面において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つの置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、
配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376、または空間的に近位にある他の任意のアミノ酸から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドと、任意に、薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物に関する。
さらなる側面において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つの置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、
配列番号1のアミノ酸313-329、または空間的に近位にある他の任意のアミノ酸から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチドと、任意に、薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物に関する。
さらなる側面において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つの置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、
配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376、または空間的に近位にある他の任意のアミノ酸から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換である第VII因子ポリペプチドの、出血性疾患または出血の発症の治療のための薬剤、あるいは正常な止血系を増強するための薬剤を製造するための使用に関する。
さらなる側面において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つの置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、
配列番号1のアミノ酸313-329、または空間的に近位にある他の任意のアミノ酸から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換である第VII因子ポリペプチドの、出血性疾患または出血の発症の治療のための薬剤、あるいは正常な止血系を増強するための薬剤を製造するための使用に関する。
一つの態様において、前記使用は血友病AまたはBを治療するためのものである。
本発明の状況において、「治療」という用語は、出血を抑制または最小限にすることを目的とした、例えば手術などでの予期される出血の予防、および例えば外傷によってすでに生じている出血の制御の両者を含む。本発明の第VIIa因子ポリペプチドの予防的な投与は、従って「治療」という用語に含まれる。
「出血発症」という用語は、抑制不能な出血、および過剰な出血を含むことを意図する。出血発症は、手術および他の形態の組織傷害の両者に関連する主要な問題である。制御不能な出血および過剰な出血は、正常な凝固系を有する被験者、および凝固障害または出血性疾患を有する被験者において生じ得る。ここで使用される「出血性疾患」という用語は、出血において明らかになる、先天性、後天性の、または誘発性の細胞または分子系の何れの欠陥をも示す。凝固因子欠損の例(例えば、血友病AおよびBまたは凝固第XI因子または第VII因子の欠損)は、凝固因子阻害、血小板機能欠陥、血小板減少症、またはフォンウィルブランド病である。
過剰出血はまた、正常に機能する血液凝固カスケードを有する被験者(凝固因子欠損または凝固因子の何れに対する阻害もない)でも生じ、血小板機能欠陥、血小板減少症、またはフォンウィルブランド病によって引き起こされ得る。血友病におけるような止血系は、欠損があるか、または主要な出血を引き起こす異常な必須凝固「化合物」(例えば、血小板またはフォンウィルブランド因子タンパク質)を有しているため、そのような場合における出血は、血友病によって引き起こされる出血と類似し得る。手術または大きな外傷に付随する広範な組織傷害を受けた被験者において、正常な止血機構は、即時の止血要求に圧倒され、止血機構が正常であるにもかかわらず出血を生じてしまう。十分な止血を達成することは、例えば脳、内耳領域、および眼のような手術的止血の可能性が限定される器官で出血が生じた場合にも問題である。同様の問題は、腹腔鏡手術はもちろん、様々な器官(肝臓、肺、腫瘍組織、消化管)からの生検の過程においても生じる。これら全ての状況に共通することは、外科的技術(縫合、切除、その他)によって止血を施すことの困難性であり、出血が散在性である場合(出血性胃炎およびおびただしい子宮内出血)も同様である。急性でおびただしい出血は、与えられた治療によって止血の欠陥が誘発されている抗凝固治療の被験者においても発生し得る。そのような被験者は、抗凝固効果が速やかに相殺されるべき場合に外科的処置を必要とすることがある。局所的な前立腺癌を有する被験者に、根治的な恥骨後の前立腺切除が一般に処置されている。この手術はしばしば、著しく、また時に大量の血液損失によって困難になる。前立腺切除の際のかなりの血液損失は主に、複雑な解剖学的状況、外科的止血が容易に届かない種々の密集した血管新生化サイトに関連し、広い領域から散在性の出血が生じるという結果になり得る。不十分な止血の場合に問題が起こり得る他の状況は、正常な止血機構を有する被験者が、血栓塞栓性疾患を防ぐための抗凝固治療を受けた場合である。そのような治療は、アスピリンおよび他の血小板凝集阻害剤の他に、ヘパリン、他の形態のプロテオグリカン、ワルファリン、または他の形態のビタミンKアンタゴニストを含む。
本発明の一つの態様において、出血は血友病に付随したものである。他の態様において、出血は、後天性の阻害を有する血友病に付随したものである。他の態様において、出血は血小板減少症に付随したものである。他の態様において、出血はフォンウィルブランド病に付随したものである。他の態様において、出血は深刻な組織損傷に付随したものである。他の態様において、出血は深刻な外傷に付随したものである。他の態様において、出血は手術に付随するものである。他の態様において、出血は腹腔鏡手術に付随するものである。他の態様において、出血は出血性胃炎に付随するものである。他の態様において、出血はおびただしい子宮内出血である。他の態様において、出血は、機械的な止血の可能性が制限される器官において生じるものである。他の態様において、出血は、脳、内耳領域、または眼において生じるものである。他の態様において、出血は、生検を採取する過程に付随するものである。他の態様において、出血は、抗凝固治療に付随するものである。
ここで使用される「被験者」という用語は、任意の動物、特にヒトのような哺乳類を意味するよう意図され、適切な場合、「患者」という用語が相互転換可能に使用される。
「正常な止血系の増強」という用語は、トロンビンを産生する能力の増強を意味する。
さらなる側面において、本発明は、薬剤として使用するための本発明の第VII因子ポリペプチドに関する。
さらなる側面において、本発明は、被験者における出血性疾患または出血発症を治療するための方法、または正常な止血系を増強するための方法に関し、該方法は、配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376、または空間的に近位の他の任意のアミノ酸から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換である第VII因子ポリペプチドの治療的または予防的有効量を、それらを必要とする被験者に投与することを含む。
さらなる側面において、本発明は、被験者における出血性疾患または出血の発症を治療するための方法、または正常な止血系を増強するための方法に関し、該方法は、配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、または空間的に近位の他の任意のアミノ酸から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換である第VII因子ポリペプチドの治療的または予防的有効量を、それらを必要とする被験者に投与することを含む。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、Q313が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、R315が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、V317が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、G318が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、D319が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、S320が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、P321が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、N322が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、I323が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、T324が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、E325が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、Y326が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、M327が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、F328が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、C329が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明の一つの態様において、該第VII因子ポリペプチドは、S314が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、K316が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、W364が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、Q366が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、H373が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、V376が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、L305が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、K157が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、K337が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、D334が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、S336が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、V158が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、E296が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、M298が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、該第VII因子ポリペプチドは、プロテアーゼドメインの残された位置において少なくとも一つのアミノ酸が他の任意のアミノ酸で置換されているポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、プロテアーゼドメインの残された位置において多くても20のさらなるアミノ酸が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、配列番号1の159-170から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも一つのアミノ酸が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、配列番号1の290-304から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも一つのアミノ酸が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、R304が、Tyr、Phe、Leu、およびMetからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、配列番号1の306-312から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも一つのアミノ酸が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、M306が、AspおよびAsnからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、D309が、SerおよびThrからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、配列番号1の330-339から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも一つのアミノ酸が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、A274が他の任意のアミノ酸で置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、A274がMet、Leu、LysおよびArgからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314がGlyおよびGluからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316がGly、His、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp、及びGluから成る群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314がGluによって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316がGlnによって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K157がGly、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp、及びGluから成る群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K337がAla、Gly、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp、及びGluから成る群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記D334がGlyおよびGluからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記S336がGlyおよびGluからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記V158がSer、Thr、Asn、Gln、Asp、およびGluからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記E296がArg、Lys、およびValからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記M298がLys、Arg、Gln、およびAsnからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記L305がVal、TyrおよびIleからなる群から選択されるアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記L305がValによって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、アミノ酸が、ポリヌクレオチド構築物によってコードされ得る他の任意のアミノ酸によって置換されたポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記第VII因子ポリペプチドがヒト第VII因子であるポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記第VII因子ポリペプチドがヒト第VIIa因子であるポリペプチドである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比が、少なくとも約1.25であるポリペプチドである。一つの態様において、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比は、少なくとも約2.0である。さらなる態様において、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比は、少なくとも約4.0である。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比が、第VIIa因子活性アッセイ法で試験したときに、少なくとも約1.25であるポリペプチドである。一つの態様において、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比が、第VIIa因子活性アッセイ法で試験したときに、少なくとも約2.0である。さらなる態様において、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比が、第VIIa因子活性アッセイ法で試験したときに、少なくとも約4.0である。第VIIa因子活性は、実施例4または5に記載されたアッセイ法で測定可能である。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比が、「インビトロ加水分解アッセイ法」で試験したときに、少なくとも約1.25であるポリペプチドである。一つの態様において、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比は、「インビトロ加水分解アッセイ法」で試験したときに、少なくとも約2.0である。さらなる態様において、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比は、「インビトロ加水分解アッセイ法」で試験したときに、少なくとも約4.0である。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比が、「インビトロタンパク質分解アッセイ法」で試験したときに、少なくとも約1.25であるポリペプチドである。一つの態様において、第VII因子ポリペプチドは、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比が、「インビトロタンパク質分解アッセイ法」で試験したときに、少なくとも約2.0であるポリペプチドである。さらなる態様において、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比は、「インビトロタンパク質分解アッセイ法」で試験したときに、少なくとも約4.0である。さらなる態様において、前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1で示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の間の比は、「インビトロタンパク質分解アッセイ法」で試験したときに、少なくとも約8.0である。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも二つの置換を有するヒトFVIIであって、前記置換は(i)S314X2および(ii)K157X1、S316X1、K337A、D334X2、S336X3、V158X4、L305X5、E296V、およびM298Qからなる群から選択される一以上のアミノ酸である。ここで、X1はGly、His、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp、またはGluであり、X2はGlyまたはGluであり、X3はGlyまたはGluであり、X4はThrまたはAspであり、X5はVal、Tyr、またはIleである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも二つの置換を有するヒトFVIIであって、前記置換は(i)S316X1及び(ii)K157X1、S314X2、K337A、D334X2、S336X3、V158X4、L305X5、E296V、およびM298Qからなる群から選択される一以上のアミノ酸である。ここで、X1はGly、His、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp、またはGluであり、X2はGlyまたはGluであり、X3はGlyまたはGluであり、X4はThrまたはAspであり、X5はVal、Tyr、またはIleである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはS314E/K316H-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはS314E/K316Q-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはS314E/L305V-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはS314E/K337A-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはS314E/V158D-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはS314E/E296V-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはS314E/M298Q-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはS314E/V158T-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはK316H/L305V-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはK316H/K337A-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはK316H/V158D-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはK316H/E296V-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはK316H/M298Q-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはK316H/V158T-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはK316Q/L305V-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはK316Q/K337A-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはK316Q/V158D-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはK316Q/E296V-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはK316Q/M298Q-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドはK316Q/V158T-FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158D−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/E296V−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158T−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/K337A/V158T−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/K337A/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/K337A/E296V−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/K337A/V158D−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158D/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158D/E296V−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158T/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158T/E296V−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/E296V/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158T/K337A/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158T/E296V/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158D/K337A/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158D/E296V/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158D−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/E296−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158T−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/K337A/V158T−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/K337A/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/K337A/E296V−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/K337A/V158D−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158D/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158D/E296V−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158T/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158T/E296V−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/E296V/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158T/K337A/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158T/E296V/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158D/K337A/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158D/E296V/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158D−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/E296V−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158T−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/K337A/V158T−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/K337A/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/K337A/E296V−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/K337A/V158D−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158D/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158D/E296V−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158T/M298Q−FVIIである。
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本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/E296V/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158T/K337A/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158T/E296V/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158D/K337A/M298Q−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158D/E296V/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A−FVIIである。
本発明のさらなる態様において、第VII因子ポリペプチドは、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A−FVIIである。
さらなる側面において、本発明は、天然のヒト凝固第VIIa因子と比較して、組織因子非依存性活性が増大した、ヒト凝固第VIIa因子ポリペプチドを提供する。他の側面において、活性の増大は、基質特異性の変化を伴わないものである。本発明の他の側面において、ポリペプチド変異体の組織因子への結合は損なわれず、また、ポリペプチド変異体は、組織因子と結合したとき、少なくとも野生型第VIIa因子の活性を有する。
この記述において使用されるアミノ酸の用語は、次の通りである。最初の文字は、配列番号1の位置に本来存在するアミノ酸を表す。次の数字は、配列番号1における位置を表す。二番目の文字は、本来のアミノ酸と置換した異なるアミノ酸を表す。例えば、L305V/K337A-FVIIは、配列番号1の305に位置するロイシンがバリンによって置換され、そして配列番号1の337に位置するリシンがアラニンによって置換され、両方の変異が同一の第VII因子ポリペプチド変異体にある。
本発明の状況において、アミノ酸の3文字表示または1文字表示は、表1に示したように、それらの通常の意味において使用される。明示しない限り、ここで言及されるアミノ酸はL−アミノ酸である。さらに、他に特定しない限り、ペプチドのアミノ酸配列の左端および右端は、それぞれN末端およびC末端である。
Figure 2005512524
<第VII因子ポリペプチド変異体の調製>
本発明はまた、上記のようなヒト第VII因子ポリペプチド変異体を調製する方法に関する。ここで記載される第VII因子ポリペプチド変異体は、組換え核酸技術の方法によって生成され得る。通常、野生型第VII因子核酸配列が所望のタンパク質をコードするために改変される。次いで、この改変された配列は発現ベクターに挿入され、これは宿主細胞に形質転換されるか、トランスフェクションされる。高真核細胞、特に培養哺乳類細胞が宿主細胞として好ましい。ヒト第VII因子のヌクレオチドおよびアミノ酸の完全な配列は既知である(組換えヒト第VII因子のクローニングと発現が開示されている、U.S. 4,784,950を参照されたい)。ウシの第VII因子配列は、Takeya他(J. Biol. Chem. 263:14868-14872)に開示されている。
アミノ酸配列の変更は、様々な技術によって行うことができる。核酸配列の修飾は、サイト特異的突然変異誘発によって可能である。サイト特異的突然変異誘発の技術は、当該分野において周知であり、例えばZollerおよびSmith(DNA 3:479-488, 1984)または「伸長重複によるスプライシング」、Horton et al., Gene 77, 1989, pp.61-68に開示されている。このように、第VII因子のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を用いて、所望の変更を導入することができる。同様に、特異的プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応法によるDNA構築物を調製する方法は、当該分野の技術者に周知である(PCR Protocols, 1990, Academic Press, San Diego, California, USAを参照されたい)。
本発明のポリペプチドは、非自然発生のアミノ酸残基を含んでも良い。非自然発生のアミノ酸は、ベータアラニン、デザミノヒスチジン(desaminohistidine)、トランス-3-メチルプロリン、2,4-メタノプロリン、シス-4-ヒドロキシプロリン、トランス-4-ヒドロキシプロリン、N-メチルグリシン、アロ-トレオニン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3-及び4-メチルプロリン、3,3-ジメチルプロリン、t-ロイシン、ノルバリン、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン、及び4-フルオロフェニルアラニンを含むが、これらに限定されない。非自然発生アミノ酸残基をポリペプチドに組み込むための幾つかの方法は、当該分野において既知である。例えば、化学的アミノアシル化サプレッサー tRNAsを用いて、ナンセンス突然変異を抑制するインビトロシステムが使用できる。アミノ酸を合成する方法、及びtRNAをアミノアシル化する方法は、当該分野において既知である。ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写と翻訳は、E.coli S30抽出物及び商業的に入手可能な酵素及び他の試薬を含むセル-フリーシステムで実効できる。ポリペプチドはクロマトグラフィーで精製する。例えば、RobertsonらのJ. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991; EllmanらのMethods Enzymol. 202:301, 1991; ChungらのScience 259:806-9, 1993;及びChungらのProc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10145-9, 1993を参照されたい。第二の方法において、翻訳はアフリカツメガエルの卵母細胞において、突然変異mRNAのマイクロインジェクションと、化学的アミノアシル化サプレッサーtRNAsによって実行される(Turcatti et al., J. Biol. Chem. 271:19991-8, 1996)。第三の方法では、E.coli細胞は、置換されるべき天然のアミノ酸(例えばフェニルアラニン)の非存在下で、且つ、所望の非自然発生アミノ酸(例えば、2-
アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン、または4-フルオロフェニルアラニン)の存在下で培養される。非自然発生アミノ酸は、その天然の対応物の位置でポリペプチドに組み込まれる。KoideらのBiochem. 33:7470-6, 1994を参照されたい。自然発生アミノ酸残基は、インビトロでの化学的修飾によって非自然発生種に変換することができる。化学的修飾は、サイト直接的突然変異と組合せて置換の範囲をさらに拡大することもできる(Wynn and Richards, Protein Sci. 2:395-403, 1993)。
本発明の第VII因子ポリペプチド変異体をコードする核酸構築物は、ゲノムまたはcDNA起源であることが適しており、例えば、ゲノムまたはcDNAライブラリーを調製し、標準的な技術に従って、合成オリゴヌクレオチドプローブを用いたハイブリダイゼーションで、ポリペプチドの全体または部分をコードするDNA配列をスクリーニングすることによって得られる(Sambrock et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd. Ed. Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York, 1989を参照されたい)。
第VII因子ポリペプチド変異体をコードする核酸構築物は、確立された標準的な方法、例えば、Beaucage及びCaruthersのTetrahedron Letters 22 (1981), 1859-1869で開示されたホスホアミド法、あるいは、Matthesらによって開示された(EMBO Journal 3 (1984), 801-805.)方法によって合成的に調製されることも可能である。ホスホアミド法に従って、例えば自動DNA合成機においてオリゴヌクレオチドが合成され、精製され、アニールされ、結合され、適切なベクターでクローン化される。ヒト第VII因子ポリペプチド変異体をコードするDNA配列もまた、例えばUS 4,683, 202, Saiki et al., Science 239 (1988), 487-491,またはSambrook et al., supra.に開示されているような特異的プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応法によって調製されることができる。
さらにそのうえ、核酸構築物は、合成起源、ゲノム起源、またはcDNA起源の断片(該断片は、完全な核酸構築物の種々の部分に対応する)を(適宜)、標準的な技術に従って結合することによって調製された、合成とゲノムの混合物、合成とcDNAの混合物、またはゲノムとcDNAの混合物であってよい。
核酸構築物は、DNA構築物であることが好ましい。本発明に従った第VII因子ポリペプチド変異体を調製するのに使用されるDNA配列は、典型的には、適切な翻訳後の処理を得る(例えば、グルタミン酸残基のガンマカルボキシル化)第VII因子のアミノ末端におけるプレ-プロポリペプチド(pre-pro polypeptide)をコードし、宿主細胞から分泌される。プレ-プロポリペプチドは、第VII因子、または他のビタミンK−依存性血漿タンパク質、例えば第IX因子、第X因子、プロトロンビン、タンパク質Cまたはタンパク質Sのものであってよい。当該分野の技術者に認識されるように、さらなる改変は、それらの改変が、該タンパク質が凝固剤として作用する能力を重大に損なうことのない第VII因子ポリペプチド変異体のアミノ酸配列に行われることができる。例えば、第VII因子ポリペプチド変異体は、ここにおいて援用されるU.S.5,288,629に一般に開示されているように、酵素前駆体第VII因子がその活性化された二重鎖形態に転化するのを阻害するために、活性化切断サイトにおいて改変されることもできる。
ヒト第VII因子ポリペプチド変異体をコードするDNA配列は、通常、組換えベクター(何れのベクターでも良い)に挿入され、これは便利に組換えDNA方法に供される。ベクターの選択は多くの場合、それが導入される宿主細胞に依存する。従って、ベクターは自己複製ベクター、即ち染色体外の存在として存在し、その複製が染色体の複製と無関係であるベクター、例えばプラスミドであってよい。或いは、ベクターは、宿主細胞に導入されたとき、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、その組み込まれた染色体と共に複製されるものであってよい。
ベクターは、ヒト第VII因子ポリペプチド変異体をコードするDNA配列が、DNAの転写に必要なさらなるセグメントに結合可能である発現ベクターであることが好ましい。一般に、発現ベクターは、プラスミドまたはウイルスDNAに由来し、あるいはその両者の要素を含む。「結合可能」という用語は、セグメントが、それらに組み込まれた目的、例えばプロモーターにおける転写開始、およびポリペプチドをコードするDNA配列を通した進行などの目的を協調して機能するように配列されることを示す。
第VIIa因子ポリペプチド変異体の発現に使用する発現ベクターは、クローン化された遺伝子またはcDNAの転写を指示する能力があるプロモーターを含む。このプロモーターは任意のDNA配列であってよく、これは選択された宿主細胞において転写活性を示し、その宿主細胞に相同性かまたは非相同性のタンパク質をコードする遺伝子に由来することができる。
哺乳類細胞において、ヒト第VII因子ポリペプチド変異体をコードするDNAの転写を指示する適切なプロモーターの例は、SV40プロモーター(Subramani et al., Mol. Cell Biol. 1 (1981), 854-864)、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモーター(Palmiter et al., Science 222 (1983), 809-814)、CMVプロモーター(Boshart et al., Cell 41 : 521-530,1985)、またはアデノウイルス2メジャー・レート・プロモーター(Kaufman and Sharp, Mol. Cell. Biol, 2: 1304-1319, 1982)である。
昆虫細胞において使用するのに適したプロモーターの例は、ポリヘドリンプロモーター(US 4,745, 051; Vasuvedan et al., FEBS Lett. 311, (1992) 7-11)、P10プロモーター(J. M. Vlak et al., J. Gen. Virology 69, 1988, pp. 765-776)、オートグラフ・カリフォルニカ・ポリヘドロシス・ウイルス・ベーシック・タンパク質プロモーター(EP 397 485)、バキュロウイルス即時型初期遺伝子(immediate early gene)1プロモーター(US 5,155, 037; US 5,162, 222)、またはバキュロウイルス39K遅延型初期遺伝子(delayed-early gene)プロモーター(US 5,155, 037; US 5,162, 222)である。
酵母宿主細胞において使用するのに適切なプロモーターの例は、酵母解糖遺伝子(Hitzeman et al., J. Biol. Chem. 255 (1980), 12073-12080; Alber and Kawasaki, J. Mol. Appl. Gen. 1 (1982), 419-434)またはアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(Young et al., in Genetic Engineering of Microorganisms for Chemicals (Hollaender et al, eds. ), Plenum Press, New York, 1982)からのプロモーター、あるいはTPl1(US 4, 599, 311)またはADH2−4c(Russell et al., Nature 304 (1983), 652-654)プロモーターを含む。
糸状菌宿主細胞において使用するのに適切なプロモーターの例は、例えば、ADH3プロモーター(McKnight et al., The EMBO J. 4 (1985), 2093-2099)またはtpiAプロモーターである。他の有用なプロモーターの例は、A. oryzae TAKAアミラーゼ、Rhizomucor miehei asparticプロテイナーゼ、A. niger neutral α−アミラーゼ、A. niger acid stable α−アミラーゼ、A. nigerまたはA.アワモリ グルコアミラーゼ(gluA)、Rhizomucor mieheiリパーゼ、A. oryzae アルカリンプロテアーゼ、A. oryzae trioseリン酸イソメラーゼ、または A. nidulans アセトアミダーゼをコードする遺伝子に由来するものである。TAKA-アミラーゼおよびgluAプロモーターが好ましい。適切なプロモーターは、例えば、EP 238 023およびEP 383 779に言及されている。
ヒト第VII因子ポリペプチド変異体をコードするDNA配列はまた、必要であれば、ヒト成長ホルモンターミネーター(Palmiter et al., Science 222,1983, pp. 809-814)またはTPl1(Alber and Kawasaki, J.Mol. Appl. Gen. 1, 1982, pp. 419-434)またはADH3(McKnight et al., The EMBO J. 4,1985, pp. 2093-2099)ターミネーターのような、適切なターミネーターに結合可能である。発現ベクターはまた、プロモーターの下流に位置し、第VII因子配列自体を挿入するサイトの上流に位置するRNAスプライスサイトのセットを具備してもよい。RNAスプライスサイトは、アデノウイルスおよび/またはイムノグロブリン遺伝子から得ることが好ましい。発現ベクターには、挿入サイトの下流に位置するポリアデニル化シグナルも含まれる。特に好ましくは、ポリアデニル化シグナルは、SV40(Kaufman and Sharp, ibid.)からの初期または後期のポリアデニル化シグナル、アデノウイルス5Elb領域からのポリアデニル化シグナル、ヒト成長ホルモン遺伝子ターミネーター(DeNoto et al. Nucl. Acids Res. 9: 3719-3730,1981)またはヒト第VII因子遺伝子またはウシ第VII因子からのポリアデニル化シグナルを含む。発現ベクターはまた、非翻訳のウイルスリーダー配列、例えばプロモーターとRNAスプライスサイトの間に位置するアデノウイルス2トリパルタイト(tripartite)リーダー、および転写促進因子、例えばSV40転写促進因子を含んでもよい。
本発明のヒト第VII因子ポリペプチド変異体を宿主細胞の分泌経路に方向付けるために、組換えベクター中に分泌シグナル配列(リーダー配列、前プロ配列、または前配列としても知られる)が提供され得る。分泌シグナル配列は、訂正リーディングフレーム中の、ヒト第VII因子ポリペプチド変異体をコードするDNA配列に連結される。分泌シグナル配列は、通常、ペプチドをコードするDNA配列の5´に位置する。分泌シグナル配列は、タンパク質に正常に付随したものであるか、または他の分泌性タンパクをコードする遺伝子からのものである。
酵母細胞から分泌させるために、分泌シグナル配列は任意のシグナルペプチドをコードすることができ、これは、発現されたヒト第VII因子ポリペプチド変異体を細胞の分泌経路へ効率的に方向付けることを保証する。このシグナルペプチドは、自然発生のシグナルペプチドか、またはそれらの機能的な部分であってよく、あるいは合成ペプチドであってよい。適切なシグナルペプチドは、α−因子シグナルペプチド(US 4,870,008参照)、マウスの唾液のアミラーゼのシグナルペプチド(O. Hagenbuchle et al., Nature 289,1981, pp. 643-646参照)、改変されたカルボキシペプチダーゼシグナルペプチド(L. A. Valls et al., Cell 48, 1987, pp. 887-897参照)、酵母BAR1シグナルペプチド(WO 87/02670参照)、または酵母アスパラギン酸プロテアーゼ3(YAP3)シグナルペプチド(M. Egel-Mitani et al., Yeast 6, 1990, pp. 127-137参照)として発見されている。
酵母における効率的な分泌のために、シグナル配列の下流、および、ヒト第VII因子ポリペプチド変異体をコードするDNA配列の上流にリーダーペプチドをコードする配列を挿入することもできる。リーダーペプチドの機能は、発現されたペプチドが小胞体からゴルジ体に、さらに培養培地へ分泌するための分泌性小胞に方向付けられることを可能にする(即ち、細胞壁を超える、または少なくとも細胞膜を酵母細胞の細胞膜周辺腔へ抜ける、ヒト第VII因子ポリペプチド変異体の移出)。リーダーペプチドは、酵母アルファ−因子リーダー(US 4, 546, 082, US 4,870, 008, EP 16 201, EP 123 294, EP 123 544 およびEP 163 5292開示された使用)であってよい。あるいは、リーダーペプチドは、合成リーダーペプチドであってよく、つまり天然には発見されないリーダーペプチドであってよい。合成リーダーペプチドは、例えば、WO 89/02463またはWO 92/11378に開示されている構築物であって良い。
糸状菌において使用するためのシグナルペプチドは、アスペルギウスsp.アミラーゼまたはグルコアミラーゼをコードする遺伝子、Rhizomucor mieheiリパーゼまたはプロテアーゼまたはHumicola lanuginosaリパーゼをコードする遺伝子に由来することが都合よい。シグナルペプチドは、A. oryzae TAKAアミラーゼ、A. niger neutral α-アミラーゼ、A. niger acid-stableアミラーゼ、またはA. nigerグルコアミラーゼをコードする遺伝子に由来することが好ましい。適切なシグナルペプチドは、例えば、EP 238 023およびEP 215 594に開示されている。
昆虫細胞において使用するためのシグナルペプチドは、昆虫遺伝子(WO 90/05783参照)、例えばlepidopteran Manduca sexta asipokineticホルモン前駆体シグナルペプチド(US 5,023,328参照)に由来することが都合よい。
ヒト第VII因子ポリペプチド変異体をコードするDNA配列、プロモーターおよび任意にターミネーター、および/または分泌シグナル配列のそれぞれの結合に用いられる方法、および、複製に必要な情報を含む適切なベクターにそれらを挿入するために用いられる方法は、当該分野の技術者には周知である(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning : A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, New York, 1989参照)。
哺乳類細胞のトランスフェクション方法および細胞に導入されたDNA配列の発現方法は、例えばKaufman and Sharp, J. Mol. Biol. 159 (1982), 601-621;Southern and Berg, J. Mol. Appl. Genet. 1 (1982), 327-341; Loyter et al., Proc. Natl. Acad. Sci.USA 79 (1982), 422-426; Wigler et al., Cell 14 (1978), 725; Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7 (1981), 603, Graham and van der Eb, Virology 52 (1973), 456; and Neumann et al., EMBO J. 1 (1982), 841-845.に開示されている。
クローン化されたDNA配列は、例えば、カルシウムリン酸媒介トランスフェクション(Wigler et al., Cell 14: 725-732, 1978;Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7: 603-616,1981 ; Graham and Van der Eb,Virology 52d: 456-467, 1973)、または電気穿孔法(Neumann et al., EMBO J. 1: 841-845,1982)によって、培養哺乳類細胞に導入される。外来性DNAを発現する細胞を同定し、選択するために、一般に、選択可能な表現型(選択可能なマーカー)を与える遺伝子が、所望の遺伝子またはcDNAと共に細胞に導入される。好ましくは、選択可能なマーカーには、ネオマイシン、ハイグロマイシン、およびメトトレキセートのような薬剤耐性を与える遺伝子が含まれる。選択可能なマーカーは、増幅を可能とする選択マーカーであってよい。増幅可能な、選択可能マーカーは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)配列が好ましい。選択可能なマーカーは、Thilly(Mammalian Cell Technology, Butterworth Publishers, Stoneham, MA, incorporated herein by reference)によって概説されている。当該分野の技術者は、適切な選択可能マーカーを容易に選択することができるであろう。
選択可能なマーカーは、別個のプラスミドで所望の遺伝子と同時に細胞に導入してもよく、または同一のプラスミドで導入してもよい。同一のプラスミドである場合、選択可能マーカーおよび所望の遺伝子は、別々のプロモーターかまたは同一のプロモーターの制御下にあり、後者の配置はジシストロンメッセージ(dicistronic message)を生じる。このタイプの構築物は、当該分野で周知である(例えば、Levinson and Simonsen, U.S.4,713,339)。細胞に導入される混合物に「担体DNA」として知られる追加のDNAを加えることも有利である。
細胞がDNAを取り込んだ後、それらは適切な増殖培地中で、典型的には1〜2日間増殖され、所望の遺伝子の発現を開始する。ここで使用される「適切な増殖培地」という用語は、栄養と、細胞の増殖および所望のヒト第VII因子ポリペプチド変異体の発現に必要な他の成分を含む培地を意味する。培地は、通常、炭素源、窒素源、必須アミノ酸、必須糖、ビタミン、塩、リン脂質、タンパク質および増殖因子を含む。ガンマカルボキシル化タンパク質を生成するために、培地はビタミンKを、好ましくは約0.1μg/mlから約5μg/mlの濃度で含む。薬剤選別は、選択可能マーカーが安定して発現する細胞の増殖を選択するのに適用される。増幅可能である選択可能マーカーと共にトランスフェクションされた細胞のために、薬剤濃度はコピー数が上昇したクローン配列を選択するために上昇され、これによって、発現レベルが上昇される。次いで、安定したトランスフェクション細胞のクローンが、所望のヒト第VII因子ポリペプチド変異体の発現でスクリーニングされる。
ヒト第VII因子ポリペプチド変異体をコードするDNA配列が導入される宿主細胞は、翻訳後の改変されたヒト第VII因子ポリペプチド変異体を生成可能であれば何れの細胞でもよく、酵母、菌類、および高真核細胞を含む。
本発明に使用される哺乳類細胞株の例は、COS-1(ATCC CRL 1650)、子ハムスター腎(BHK)および293(ATCC CRL 1573;Graham et al., J.Gen. Virol. 36: 59-72,1977)細胞株である。好ましいBHK細胞株は、tk-ts13 BHK細胞株(本明細書において援用される、Waechter and Baserga, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79: 1106-1110,1982)であり、以下BHK570細胞と称す。BHK570細胞株は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに、12301 Parklawn Dr. , Rockville, Md. 20852、ATCC受付番号CRL 10314で寄託されている。tk-ts13 BHK細胞株もまた、ATCC受付番号CRL1632で入手可能である。さらに、Rat Hep I (Rat 肝癌;ATCC CRL 1600), Rat Hep II (Rat 肝癌; ATCC CRL 1548), TCMK (ATCC CCL 139),ヒト肺(Human lung)(ATCC HB 8065), NCTC 1469 (ATCC CCL 9.1), CHO(ATCC CCL 61)およびDUKX細胞(Urlaub and Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77: 4216-4220,1980)を含む多くの他の細胞株を本発明において用いることができる。
適切な酵母細胞の例には、Saccharomyces spp.またはSchizosaccharomyces spp.、特にSaccharomyces cerevisiaeまたはSaccharomyces kluyveriの細胞が含まれる。酵母細胞に異種性DNAを形質転換する方法、および異種性のポリペプチドを生成する方法は、例えばUS 4,599,311, US 4,931,373, US 4,870,008, 5,037,743,およびUS 4,845,075に開示されており、それらは全て本明細書に援用される。形質転換された細胞は、選択可能マーカー、通常は薬剤耐性または特定の栄養、例えばロイシンの非存在下における増殖能によって決定される表現型によって選択される。酵母中で使用するのに好ましいベクターは、US4,931,373に開示されているPOT1ベクターである。ヒト第VII因子ポリペプチド変異体をコードするDNA配列は、シグナル配列および任意に、上記のようなリーダー配列に先行される。適切な酵母細胞のさらなる例は、Kluyveromyces、例えばK lactis、Hansenula、例えばH. polymorpha、またはPichia、例えばP. pastoris (Gleeson et al., J. Gen. Microbiol. 132, 1986, pp. 3459-3465; US 4,882, 279参照)の菌株である。
他の菌類の細胞の例は、糸状菌、例えばAspergillus spp.、Neurospora spp.、Fusarium spp.、またはTrichoderma spp.の細胞であり、特に、A. oryzae、A. nidulans、またはA. nigerの細胞である。タンパク質の発現のためのAspergillus spp.の使用は、例えばEP 272 277、EP 238 023、EP 184 438に開示されている。F. oxysporumの形質転換は、例えば、Malardierらの1989, Gene 78: 147-156に開示されているように行うことができる。Trichoderma spp.の形質転換は、例えばEP 244 234に開示されているように行うことができる。
真菌を宿主細胞として使用する場合、真菌は本発明のDNA構築物を形質転換され、都合よいことには、DNA構築物が宿主染色体に組み込まれて組換え宿主細胞が得られる。この組み込みは、一般に、DNA配列が細胞中で安定に維持される可能性が高いために有利であると見なされる。宿主染色体へのDNA構築物の組み込みは、例えば相同性組換えまたは非相同性組換えによる従来法に従って行える。
昆虫細胞の形質転換およびそこでの相同性ポリペプチドの生成は、US 4,745,051、US 4,879,236、US 5,155,037、5,162,222、EP 397,485に開示されるように行うことができ、これらの全ては本明細書中に参照文献として援用される。宿主として使用される昆虫細胞株は、Lepidoptera細胞株、例えばSpodoptera frugiperda細胞、またはTrichoplusia ni細胞(US 5,077,214参照)が適切である。培養条件は、例えばWO 89/01029またはWO 89/01028、または上述の参照文献の何れかに開示されているものが適している。
上記の形質転換またはトランスフェクションされた宿主細胞は、次いで、ヒト第VII因子ポリペプチド変異体を発現させる条件下で、その後に得られたペプチドの全部または一部が培養物から回収可能である、適切な培地中で培養される。細胞の培養に用いられる培地は、宿主細胞の増殖に適した都合の良い培地であれば何れのものでもよく、例えば最小培地または適切な補充物を含む複合培地であってよい。適切な培地は、商業的な供給業者から入手可能であり、または公開されている処方(例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションのカタログ)に従って調製できる。次いで、細胞によって生成されたヒト第VII因子ポリペプチド変異体は、培養培地から遠心分離または濾過によって宿主細胞を培地から分離させ、上清または濾液のタンパク水溶性成分を塩、例えば硫酸アンモニウムによって沈殿させ、種々のクロマトグラフィー法、例えば問題のポリペプチドのタイプに従って、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー等によって精製することを含む従来法によって回収される。
トランスジェニック動物技術は、本発明の第VII因子ポリペプチド変異体を生成するために使用されることができる。このタンパク質は、宿主雌性哺乳類の乳腺で生成されることが好ましい。所望のタンパク質の乳腺内での発現とそれに続く乳への分泌は、他の源からタンパク質を単離する際に遭遇する多くの困難を克服する。乳は、容易に集められ、大量に入手可能であり、生化学的によく特徴づけられている。さらにその上、主要な乳タンパク質は、乳中に高濃度(一般に、約1〜15g/l)で存在する。
商業的な観点から、多量の乳を産する種を宿主として用いることが明らかに好ましい。マウスおよびラットのような小さい動物を用いることはできるが(好ましくは、原理的な段階の証明において)、例えばブタ、ヤギ、ヒツジ、およびウシ(これらに限定されない)などの家畜哺乳類を用いることが好ましい。ヒツジは、この種における遺伝子導入のこれまでの歴史、乳生産量、経費、およびヒツジの乳を集めるための装備が用意に入手できることなどのような要因のために特に好ましい(例えば、WO 88/00239宿主のための種の選択を含む要因の比較を参照されたい)。イースト・フリースランド・シープのような乳用に繁殖された宿主動物の品種を選択すること、または、トランスジェニック系を繁殖によって後に乳用の系統に導入することが一般に望ましい。何れの場合でも、良好な健康状態が知られた動物が用いられるべきである。
乳腺において発現させるために、乳タンパク遺伝子の転写プロモーターが用いられる。乳タンパク遺伝子は、カゼイン(U.S. 5,304,489参照)、ベータ-ラクトグロブリン、a−ラクトアルブミン、および乳清の酸性タンパク質をコードする遺伝子を含んでいる。ベータ-ラクトグロブリン(BLG)プロモーターが好ましい。ヒツジのベータ-ラクトグロブリン遺伝子の場合、該遺伝子の5´フランキング配列の少なくとも406bpの基部領域が通常使用されるが、5´フランキング配列の大部分、約5kbpまで、例えば5´フランキングプロモーターおよびベータ-ラクトグロブリン遺伝子の非コード部分を包含する〜4.25kbpのDNA断片(Whitelaw et al., Biochem. J. 286: 31-39 (1992)を参照されたい)が好ましい。他の種からのDNAプロモーターの同様の断片も適している。
ベータ-ラクトグロブリン遺伝子の他の領域も、発現されるべき該遺伝子のゲノム領域と同様に、構築物に導入されてもよい。イントロンを欠いた構築物は、例えば、そのようなDNA配列を含むものと比較して発現が不十分であることは、当該分野では一般に認められている(Brinster et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 836-840 (1988); Palmiter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 478-482 (1991); Whitelaw et al., Transgenic Res. 1: 3-13 (1991); WO 89/01343;およびWO 91/02318を参照。それぞれ、本明細書中に援用される)。これに関して、可能であれば、所望のタンパク質またはポリペプチドをコードする遺伝子の本来のイントロンの全てまたは幾つかを含むゲノム配列を用いることが通常は好ましく、従って、例えばベータ-ラクトグロブリン遺伝子の少なくとも幾つかのイントロンをさらに包含することが好ましい。そのような領域の一つは、イントロンのスプライスおよびヒツジのベータ-ラクトグロブリン遺伝子の3´非コード領域からのRNAのポリアデニル化を提供するDNA断片である。遺伝子の天然の3´非コード配列が置換されたとき、このヒツジのベータ-ラクトグロブリン断片は、所望のタンパク質またはポリペプチドの発現レベルを増強し安定化することができる。他の態様において、変異体第VII因子配列の開始ATGを囲む領域は、乳特有のタンパク質遺伝子の対応する配列で置換される。そのような置換は、発現を増強するための推定上の組織特異的開始環境を提供する。完全な変異体第VII因子のプレ-プロおよび5´非コード配列を、例えばBLG遺伝子のそれらで置換することは都合がよいが、より小さい領域が置換されてもよい。
トランスジェニック動物における第VII因子ポリペプチド変異体の発現のために、変異体第VII因子をコードするDNA断片が、発現ユニットを生成する発現のために必要なさらなるDNA断片に作動可能に結合される。そのようなさらなる断片は、mRNAの転写およびポリアデニル化の終結を与える配列の他に、上記のプロモーターを含む。この発現ユニットは、さらに、改変された第VII因子をコードする断片に作動可能に結合される、分泌シグナル配列をコードするDNA断片を含む。この分泌シグナル配列は、天然の第VII因子分泌シグナル配列または乳タンパクのような他のタンパク質(例えば、von Heijne、Nucl. Acids Res. 14: 4683-4690 (1986);およびMeade et al., U. S. 4,873, 316を参照。これらは本明細書において援用される)のものであってよい。
トランスジェニック動物で使用するための発現ユニットの構築は、変異体第VII因子配列をさらなるDNA断片を含むプラスミドまたはファージベクターに挿入することによって都合よく実行されるが、発現ユニットはライゲーションに必須な任意の配列によって構築される。これは特に、乳タンパクをコードするDNA断片を含むベクターを提供するのに都合がよく、また、乳タンパクをコードする配列を第VII因子変異体のもので置換するのに都合がよい。これによって、乳タンパク遺伝子の発現制御配列を含む遺伝子融合が作成される。何れの場合でも、プラスミドまたは他のベクター中の発現ユニットのクローニングが、その変異体第VII配列の増幅を促進する。増幅は、細菌(例えば大腸菌)宿主細胞で実行されるのが都合よく、従ってベクターは、典型的には、細菌宿主細胞において複製開始点と選択可能マーカー機能を含む。この発現ユニットは、次いで、選択された宿主種の受精卵(初期胚を含む)に導入される。非相同性DNAの導入は、マイクロインジェクション(例えば、米国特許番号4,873,191)、レトロウイルス感染(Jaenisch, Science 240: 1468-1474 (1988))、または胚幹(ES)細胞を用いたサイト直接的な組み込み(Bradley et al., Bio/Technology 10: 534-539 (1992)によって概説されている)を含む、幾つかの経路のうちの一つによって達成可能である。次いで卵を、偽妊娠の雌の卵管または子宮に移植し、期間まで発達させる。導入されたDNAをその生殖系列に保有する子孫は、通常のメンデルの方式でその子孫に該DNAを渡すことができ、トランスジェニック家畜を可能にする。トランスジェニック動物を生産する通常の方法は、当該分野において既知である(例えば、Hogan et al., Manipulating the Mouse Embryo、A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, 1986、Simons et al., Bio/Technology 6: 179-183 (1988)、Wall et al., Biol. Reprod. 32: 645-651 (1985)、Buhler et al., Bio/Technology 8: 140-143 (1990)、Ebert et al., Bio/Technology 9: 835-838 (1991)、Krimpenfort et al., Bio/Technology 9: 844-847 (1991)、Wall et al., J. Cell. Biochem. 49: 113-120 (1992)、U.S. 4,873,191、U.S. 4,873,316、WO 88/00239、WO 90/05188、WO 92/11757、およびGB 87/00458を参照されたい)。外来DNA配列を哺乳類およびそれらの胚細胞に導入する技術は、元来マウスで発展した(例えば、Gordon et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77: 7380-7384 (1980)、Gordon and Ruddle, Science 214: 1244-1246 (1981)、Palmiter and Brinster, Cell 41: 343-345 (1985)、Brinster et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 4438-4442 (1985)、およびHogan et al.(ibid.)を参照)。これらの技術は続いて、家畜種を含むさらに大型の動物での使用に適用された(例えば、WO 88/00239、WO 90/05188、およびWO 92/11757、およびSimons et al., Bio/Technology 6: 179-183(1988)を参照されたい)。要約を述べると、トランスジェニックマウスまたはトランスジェニック家畜を生産する現在まで最も効率の良い経路において、所望のDNAの数百の直線分子は、確立された技術に従って受精卵の前核の一つに注入される。受精卵の細胞質へのDNAの注入も利用することができる。
また、トランスジェニック植物で生成することもできる。発現は一般化されるか、または特定の器官、例えば塊茎に配向される(Hiatt, Nature 344: 469-479 (1990); Edelbaum et al., J. Interferon Res. 12: 449-453 (1992); Sijmons et al., Bio/Technology 8: 217-221 (1990);およびEP 0 255 378を参照されたい)。
本発明の第VII因子ポリペプチド変異体は、細胞培養培地または乳から回収される。本発明の第VII因子ポリペプチド変異体は、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、等電点電気泳動、およびサイズ排除)、電気泳動的方法(例えば、等電点電気泳動(IEF)、示差溶解性(例えば、硫酸アンモニウム沈殿))、または抽出(例えば、Protein Purification, J. -C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publishers, New York, 1989を参照されたい))を含むがこれに限定されない当該分野において既知の様々な方法によって精製される。好ましくは、それらは抗第VII因子抗体カラムで親和性クロマトグラフィーによって精製される。Wakabayashiら(J. Biol. Chem.261: 11097-11108, (1986))およびThimら(Biochemistry 27: 7785-7793, (1988))によって開示されたようなカルシウム依存性モノクローナル抗体が特に好ましい。さらなる精製は、従来の化学的精製手段、例えば高速液体クロマトグラフィーなどによって都合よく達成できる。他の精製法は、クエン酸バリウム沈殿が含まれるが、当該分野で既知であり、ここで開示されている新規の第VII因子ポリペプチド変異体の精製に適用することができる(例えば、Scopes, R. , Protein Purification, Springer-Verlag, N. Y. ,(1982)を参照されたい)。
治療目的のために、本発明の第VII因子ポリペプチド変異体は十分に純粋であることが好ましい。従って、本発明の好ましい態様において、本発明の第VII因子ポリペプチド変異体は、少なくとも約90〜95%均質に、好ましくは少なくとも約98%均質に精製される。純度は例えばゲル電気泳動およびアミノ末端アミノ酸配列によって評価することができる。
第VII因子変異体はその活性化サイトで切断されてその二重鎖形態に転化する。活性化は、当該分野で既知の方法、例えばOsterud, et al., Biochemistry 11: 2853-2857 (1972); Thomas, U. S. Patent No. 4, 456,591、Hedner and Kisiel, J. Clin. Invest. 71: 1836-1841 (1983)、またはKisiel and Fujikawa, Behring Inst. Mitt. 73: 29-42 (1983)に開示されている方法によって行える。あるいは、Bjoern et al.(Research Disclosure, 269 September 1986, pp. 564-565)によって開示されているように、第VII因子は、イオン交換クロマトグラフィーカラム、例えばMono Q(R)(Pharmacia fine Chemicals)などを通して活性化されることもできる。得られた活性化第VII因子変異体は、次いで、上述したように処方され投与される。
アッセイ法
本発明はまた、本発明の好ましい第VIIa因子変異体を選択するための適切なアッセイ法を提供する。これらのアッセイ法は、インビトロでの簡単な予備試験として行うことができる。
本明細書の実施例4は、本発明の第VIIa因子変異体の活性のための簡単なアッセイ(「インビトロ加水分解アッセイ法」と題されている)を記載している。それに基づいて、特に望まれる第VIIa因子変異体は、「インビトロでの加水分解アッセイ法」で試験したときに、該変異体の活性と図1の天然の第VII因子の活性との間の比が1.0より高く、少なくとも1.25、好ましくは少なくとも約2.0、例えば少なくとも約3.0、またはよりいっそう好ましくは、少なくとも約4.0であるような変異体である。
変異体の活性は、生理学的な基質、例えば適切には濃度が100〜1000 nMである第X因子(「インビトロタンパク分解アッセイ法」)(実施例5参照)を用いて測定することもでき、ここで第Xa因子の発生は、適切な色素生産性基質(例えばS-2765)を添加した後に測定される。さらに、活性試験は、生理学的温度で行われる。
第VIIa因子変異体のトロンビン産生能は、全ての関連のある凝固因子、および生理学的濃度での阻害剤(擬血友病A状況でのマイナス第VIII因子)および活性化された血小板(本明細書に援用される、p.543 in Monroe et al. (1997) Brit. J. Haematol. 99,542-547に開示されているように)を含む試験において測定することができる。
<投与および薬学的組成物>
本発明の第VII因子ポリペプチド変異体は、凝固因子欠陥(例えば、血友病AおよびB、または凝固第XI因子または第VII因子の欠陥)または凝固因子阻害のような幾つかの原因を有する出血性疾患を制御するために使用され、または、正常に機能する血液凝固カスケードを有する(凝固因子欠陥または何れの凝固因子に対する阻害も持たない)被験者で発生した過剰出血を制御するために用いられる。出血は、血小板機能の欠陥、血小板減少症、またはフォンウィルブランド病によって引き起こされ得る。それは、その繊維素溶解性活性が様々な刺激によって誘発された被験者においても観察される。
手術または広い外傷に伴って広範な組織傷害を受けた被験者において、止血機構は迅速な止血要求によって圧倒されており、止血機構が正常であるにもかかわらず出血が生じる。十分な止血の達成は、例えば脳、内耳領域、および眼のような器官で出血が起こった時も問題であり、また、出所の確認が困難なときの散在性の出血(出血性胃炎およびおびただしい子宮出血)の場合にも問題である。同様の問題は、腹腔鏡手術と同様に様々な器官(肝臓、肺、腫瘍組織、消化管)から生検を採取する際にも生じる。これらの状況は、外科的技術(縫合、切除等)によって止血を施すことが困難であるという点が共通している。急性のおびただしい出血は、治療処置によって止血の欠陥が誘発されている抗凝固治療中の被験者にも生じ得る。そのような被験者は、抗凝固効果が速やかに相殺されるべきである場合に外科的処置を必要とする。止血が不十分な場合に問題を引き起こし得る他の状況は、正常な止血機構を有する被験者が、血栓塞栓性疾患を予防するために抗凝固治療を施されたときである。そのような治療は、アスピリンおよび他の血小板凝集阻害剤と同様に、ヘパリン、他の形体のプロテオグリカン、ワルファリン、または他の形体のビタミンKアンタゴニストを含む。
凝固カスケードの全身活性化は、汎発性の血管内凝集(DIC)を誘導し得る。しかしながら、第VIIa因子と血管壁損傷サイトで露出したTFとの間の複合体形成によって誘導されたような、局在化された止血性プロセスのために、そのような合併症は、組換え第VIIa因子を高用量で処置された被験者では観察されない。従って、本発明の第VII因子ポリペプチド変異体は、正常な止血機構に付随する過剰出血等を制御するための活性化形体でも使用され得る。
慎重な介入と関連した処置のために、本発明の第VII因子ポリペプチド変異体は、典型的に、処置を行う前約24時間以内に投与され、そして最大で7日以上後に投与される。凝固剤としての投与は、本明細書で記載されたように様々な経路で行うことができる。
70kgの被験者に負荷し維持される用量のための、第VII因子ポリペプチド変異体の用量は、被験者の体重および状況の重篤度により、約0.05mg〜500mg/日、好ましくは約1mg〜200mg/日、およびさらに好ましくは約10mg〜約175mg/日の範囲である。
薬学的組成物は、予防的および/または治療的処置のために、主に非経口投与を意図されている。好ましくは、薬学的組成物は、非経口的に、即ち、静脈内、皮下、または筋肉内に投与され、あるいは連続的またはパルス状の注入によって投与されても良い。非経口投与のための組成物は、本発明の第VII因子変異体と、好ましくはそれが溶解される薬学的に許容される担体、好ましくは水性担体から成る。種々の水性担体、例えば水、緩衝水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシンなどが使用できる。本発明の第VII因子ポリペプチド変異体は、輸送のために、または損傷サイトを標的にするために、リポソーム製剤に処方されることもできる。リポソーム製剤は、一般に、例えばU.S. 4,837,028、U.S. 4,501,728、およびU.S. 4,975,282に開示されている。該組成物は、従来の、周知の滅菌技術によって滅菌される。得られた水性溶液は、使用のために包装されるかまたは無菌条件下で濾過され、凍結乾燥される。この凍結乾燥された製剤は、投与前に滅菌水性溶液と組み合わされる。この組成物は、おおよその生理学的な条件に必要な、例えばpH調整剤および緩衝剤、張度調整剤等の薬学的に許容される補助物質、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等を含む。
それらの製剤中の第VII因子変異体の濃度は、広範囲に変動可能であり、即ち、約0.5重量%より少ないところから、通常少なくとも約1重量%、最大で15〜20重量%であり、主に液体の体積、粘度等によって、特に選択された投与様式に従って選択される。
このように、静脈内注入のための典型的な薬学的組成物は、250 mlの滅菌リンガー液および10mgの第VII因子変異体を含むように製造されてよい。非経口投与組成物を調製する実際の方法は、当該分野の技術者に既知であるか、明らかであり、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA (1990)により詳細に開示されている。
本発明の第VII因子ポリペプチド変異体を含む組成物は、予防のため、および/または治療処置のために投与されることができる。治療的な適用において、組成物は、病気とその合併症を治癒、緩和、または部分的に停止するのに十分な量で、病気を経験している被験者に上述したように投与される。これを達成するのに十分な量は、「治療的な有効量」として定義される。当該分野の技術者には理解されるように、この目的のために有効な量は被験者の体重と一般的な状態の他に、疾患または損傷の重症度に依存する。しかしながら一般に、有効量は、70kgの被験者に1日当たり、第VII因子変異体が約0.05mgから約500mgまでの範囲であり、第VII因子変異体の1日当たりの用量が約1.0mg〜約200mgであるのがより一般的である。
本発明のFVIIaポリペプチドは、一般に、重篤な疾患または損傷状態、即ち生命が脅かされているか、または潜在的に脅かされている状況で使用される。そのような場合、外来性の物質の最小化、また、ヒトにおけるヒト第VII因子ポリペプチド変異体の免疫原性の普遍的な欠乏の観点から、治療している医師がこれらの変異体第VII因子組成物をかなり過剰に投与することが望ましいと考えられる。
予防的な適用において、本発明の第VII因子変異体を含む組成物は、病気または怪我をしやすいかその危険がある被験者に、被験者自身の凝固能を増強させるために投与される。そのような量は、「予防的に有効な用量」として定義される。予防的な適用において、正確な量は被験者の健康状態および体重によるが、用量は通常、70kgの被験者で、1日当たり、約0.05mg〜約500mgの範囲、より一般には、約1.0mg〜約200mgである。
組成物の単一または複数投与は、治療する医師によって選択される投与レベルとパターンとで実行され得る。レベルが1日維持されることを必要とする通院の被験者のために、第VII因子ポリペプチド変異体は例えば移動式ポンプシステムを用いて連続的に注入することによって投与され得る。
本発明の第VII因子変異体の局所的な輸送、例えば局所的な適用を行うことができ、例えば、噴霧、灌流、二重バルーンカテーテル、ステント、人工血管またはステントへの組み込み、バルーンカテーテルをコートするのに用いるヒドロゲル、または他のよく確立された方法等の手段によって行われる。いずれにしても、薬学的組成物は被験者を治療するのに有効な第VII因子変異体の量を提供する。
本発明は、以下の実施例によってさらに例証されるが、その構築物は保護範囲を限定するものではない。続く説明と実施例において開示される特徴は、個々に、およびそれらを組み合わせて、本発明を多様な形態で実現するためのものである。
以下の実施例において用いたアミノ酸置換の用語法は次の通りである。最初の文字は、配列番号1の位置に本来存在するアミノ酸を表す。次の数字は、配列番号1における位置を表す。二番目の文字は、本来のアミノ酸と置換した異なるアミノ酸を表す。例えば、S314E/K316H-FVIIは、配列番号1の314に位置するセリンがグルタミン酸によって置換され、そして配列番号1の316に位置するリシンがヒスチジンによって置換され、両方の変異が同一の第VII因子ポリペプチド変異体にある。
<実施例1>
DNAは、S314E-FVII、S314E/K316H-FVII、及びS314E/K316Q-FVIIをコードする。
S314E/K316H-FVII、及びS314E/K316Q-FVIIをコードするDNA構築物は、所望の挿入断片を有するスーパーコイルの二重鎖DNAベクターと、所望の変異を含む二つの合成プライマーを用いたサイト特異的突然変異誘発によって調製した。
以下のプライマーを使用した。
配列番号2(S314E/K316H-FVIIの調製用DNAプライマー)
5’-CTG CCT GCA GCA GGA ACG GCA CGT GGG AGA CTC CCC-3’

配列番号3(S314E/K316H-FVIIの調製用DNAプライマー)
5’-GGG GAG TCT CCC ACG TGC CGT TCC TGC TGC AGG CAG-3’

配列番号4(S314E/K316Q-FVIIの調製用DNAプライマー)
5’-CCT GCA GCA GGA ACG GCA GGT GGG AGA CTC CCC-3’

配列番号5(S314E/K316Q-FVIIの調製用DNAプライマー)
5’-GGG GAG TCT CCC ACC TGC CGT TCC TGC TGC AGG-3’

配列番号6(S314E-FVIIの調製用DNAプライマー)
5’-GCC TGC AGC AGG AAC GGA AGG TGG GAG ACT CC-3’

配列番号7(S314E-FVIIの調製用DNAプライマー)
5’-GGA GTC TCC CAC CTT CCG TTC CTG CTG CAG GC-3’
オリゴヌクレオチドプライマーは、ベクターの逆の鎖にそれぞれ相補的であり、Pfu DNAポリメラーゼ方法によって、温度サイクリングの間に伸長された。プライマーを組み込むことで、ねじれのニックを含む変異プラスミドが生成された。続く温度サイクルで、生成物は、メチル化およびヘミメチル化されたDNAに特異的であるDpnlで処理し、親のDNAテンプレートを消化し、変異を含む合成されたDNAを選択した。
特異的なプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応法によるDNA構築物の調製方法は、当該分野の技術者に周知である(PCR Protocols, 1990, Academic Press, San Diego, California, USAを参照されたい)。
<実施例2>
S314E/K316H-FVIIの調製
基本的に従来開示されているように(Thim et al. (1988) Biochemistry 27,7785-7793 ; Persson and Nielsen (1996) FEBS Lett. 385,241-243)BHK細胞をトランスフェクトし、変異体S314E/K316H-FVIIの発現を得た。第VII因子変異体は、次のように精製した。
条件培地を、5mMのEDTA、0.1%のTriton X-100、および10mMのTrisを加え、pH8.0に調整し、水を加えて10-11mS/cmに伝導率を調整した後、Q Sepharose Fast Flowの25mLカラム(Pharmacia Biotech)にロードした。
10mMのTris、50mMのNaCl、0.1% Triton X-100、pH8.0から、10mMのTris、50mMのNaCl、25mMのCaCl2、0.1% Triton X-100、pH8.0にステッピングしてタンパク質を溶出させた。S314E/K316H-FVIIを含む画分を貯め、CNBr活性化Sepharose 4B(Pharmacia Biotech)と組み合わせたモノクローナル抗体F1A2(Novo Nordisk, Bagsvaerd, Denmark)を含む25mlカラムにアプライした。
そのカラムを、10mMのCaCl2、100mMのNaClおよび0.02% Triton X-100を含む50mMのHepes、pH7.5で平衡化した。平衡化バッファーで洗い流した後、物質と結合した2MのNaClを含む平衡化バッファーを、CaCl2の代わりに10mMのEDTAを含む平衡化バッファーで溶出させた。使用または貯蔵する前に、EDTAを超過するCaCl2を添加するか、またはS314E/K316H-FVIIをCa2+含有バッファーに移行させた。各工程の収量は第VII因子ELISA測定により、精製タンパク質はSDS-PAGEによって解析した。
<実施例3>
S314E/K316Q-FVIIの調製
基本的に従来開示されているように(Thim et al. (1988) Biochemistry 27,7785-7793 ; Persson and Nielsen (1996) FEBS Lett. 385,241-243)BHK細胞をトランスフェクトし、変異体S314E/K316Q-FVIIの発現を得た。第VII因子変異体は、次のように精製した。
条件培地を、5mMのEDTA、0.1%のTriton X-100、および10mMのTrisを加え、pH8.0に調整し、水を加えて10-11mS/cmに伝導率を調整した後、Q Sepharose Fast Flowの25mLカラム(Pharmacia Biotech)にロードした。10mMのTris、50mMのNaCl、0.1% Triton X-100、pH8.0から、10mMのTris、50mMのNaCl、25mMのCaCl2、0.1% Triton X-100、pH8.0にステッピングしてタンパク質を溶出させた。S314E/K316Q-FVIIを含む画分を貯め、CNBr活性化Sepharose 4B(Pharmacia Biotech)と組み合わせたモノクローナル抗体F1A2(Novo Nordisk, Bagsvaerd, Denmark)を含む25mlカラムにアプライした。
そのカラムを、10mMのCaCl2、100mMのNaClおよび0.02% Triton X-100を含む50mMのHepes、pH7.5で平衡化した。平衡化バッファーで洗い流した後、物質と結合した2MのNaClを含む平衡化バッファーを、CaCl2の代わりに10mMのEDTAを含む平衡化バッファーで溶出させた。使用または貯蔵する前に、EDTAを超過するCaCl2を添加するか、またはS314E/K316Q-FVIIをCa2+含有バッファーに移行させた。各工程の収量は第VII因子ELISA測定により、精製タンパク質はSDS-PAGEによって解析した。
<実施例4>
インビトロ加水分解アッセイ法
天然(野生型)の第VIIa因子および第VIIa因子変異体(以下、両者をあわせて「第VIIa因子」と称す。)を平行して試験し、それらの比活性を直接比較する。この試験は、マイクロタイタープレート(MaxiSorp, Nunc, Denmark)で行われる。色素生産性基質D-Ile-Pro-Arg-p-ニトロアニリド(S-2288, Chromogenix, Sweden)、最終濃度1mMを、0.1MのNaCl、5mMのCaCl2および1mg/mlのウシ血清アルブミンを含む50mMのHepes、pH7.4中の第VIIa因子(最終濃度100nM)に添加する。405nmの吸光度を、SpectraMaxTM340プレートリーダー(Molecular Devices, USA)で連続的に測定する。20分のインキュベーションの間に発生した吸光度を、酵素を含まない空のウェルの吸光度を減算した後、変異体と野生型第VIIa因子の活性の間の比を算出するために用いる。
比=(A405nm第VIIa因子変異体)/(A405nm第VIIa野生型)
<実施例5>
インビトロタンパク質分解アッセイ法
天然(野生型)の第VIIa因子および第VIIa因子変異体(以下、両者をあわせて「第VIIa因子」と称す。)を平行して試験し、それらの比活性を直接比較する。この試験は、マイクロタイタープレート(MaxiSorp, Nunc, Denmark)で行われる。0.1MのNaCl、5mMのCaCl2および1mg/mlのウシ血清アルブミンを含む100マイクロLの 50mM Hepes、pH7.4中の第VIIa因子(10nM)および第X因子(0.8マイクロM)を15分間インキュベートする。次いで、0.1MのNaCl、20mMのEDTAおよび1mg/mlのウシ血清アルブミンを含む50マイクロLの50 mM Hepes、pH7.4を添加して、第X因子の切断を停止させる。生成した第Xa因子の量は、色素生産性基質Z-D-Arg-Gly-Arg-p-ニトロアニリド(S-2765, Chromogenix, Sweden)を最終濃度0.5mMで添加して測定する。405nmの吸光度を、SpectraMaxTM340プレートリーダー(Molecular Devices, USA)で連続的に測定する。10分のインキュベーションの間に発生した吸光度を、FVIIを含まない空のウェルの吸光度を減算した後、変異体と野生型の第VIIa因子のタンパク質分解活性の間の比を算出するために用いる。
比=(A405nm第VIIa因子変異体)/(A405nm第VIIa野生型)
<実施例6>
実施例4および5の試験で測定された、FVIIa変異体の相対活性。
Figure 2005512524
天然(野生型)のヒト凝固第VII因子の全アミノ酸配列(配列番号1)。 図1−1の続き。

Claims (41)

  1. 配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチド。
  2. 配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチド。
  3. S314が他の任意のアミノ酸で置換された、請求項1〜2の何れか一項に記載の第VII因子ポリペプチドで。
  4. K316が他の任意のアミノ酸で置換された、請求項1〜3の何れか一項に記載の第VII因子ポリペプチド。
  5. プロテアーゼドメインにおける残った位置の少なくとも一つもアミノ酸が、他の任意のアミノ酸で置換されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の第VII因子ポリペプチド。
  6. プロテアーゼドメインにおける残った位置の多くても20のさらなるアミノ酸が、他の任意のアミノ酸で置換されていることを特徴とする、請求項5に記載の第VII因子ポリペプチド。
  7. 配列番号1の330-339から選択される位置のアミノ酸に対応する少なくとも一つのアミノ酸が、他の任意のアミノ酸で置換されていることを特徴とする、請求項5〜6の何れか一項に記載の第VII因子ポリペプチド。
  8. 配列番号1のアミノ酸L305、K157、K337、D334、S336、V158、E296、およびM298から成る群から選択される一以上のアミノ酸が、他の任意のアミノ酸で置換されていることを特徴とする、請求項5〜6の何れか一項に記載の第VII因子ポリペプチド。
  9. 配列番号1のアミノ酸配列に関して一つのアミノ酸の置換を有する第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される一つのアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチド。
  10. 配列番号1のアミノ酸配列に関して二つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される二つのアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチド。
  11. 配列番号1のアミノ酸配列に関して三つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される三つのアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチド。
  12. 配列番号1のアミノ酸配列に関して四つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドであって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される四つのアミノ酸の置換である、第VII因子ポリペプチド。
  13. S314が、Gly及びGluから成る群から選択されるアミノ酸によって置換されていることを特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載の第VII因子ポリペプチド。
  14. K316が、Gly、His、Val、Ser、Thr、Asn、Gln、Asp、及びGluから成る群から選択されるアミノ酸によって置換されていることを特徴とする、請求項1〜13の何れか一項に記載の第VII因子ポリペプチド。
  15. 前記S314がGluで置換されていることを特徴とする、請求項13に記載の第VII因子ポリペプチド。
  16. 前記K316がGlnで置換されていることを特徴とする、請求項14に記載の第VII因子ポリペプチド。
  17. 前記アミノ酸が、ポリヌクレオチド構築物によってコードされ得る他の任意のアミノ酸で置換されていることを特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載の第VII因子ポリペプチド。
  18. 前記第VII因子ポリペプチドはヒト第VII因子である、請求項1〜17の何れか一項に記載の第VII因子ポリペプチド。
  19. 前記第VII因子ポリペプチドは、ヒト第VIIa因子である、請求項1〜17の何れか一項に記載の第VII因子ポリペプチド。
  20. 前記第VII因子ポリペプチドの活性と、配列番号1に示される天然の第VIIa因子ポリペプチドの活性の比が、少なくとも約1.25である、請求項1〜19の何れか一項に記載の第VII因子ポリペプチド。
  21. 前記比が、少なくとも約2.0、好ましくは少なくとも約4.0である、請求項20に記載の第VII因子ポリペプチド。
  22. S314E/K316H-FVII及びS314E/K316Q-FVIIから成る群から選択される、請求項10に記載の第VII因子ポリペプチド。
  23. 請求項1〜22の何れか一項に記載の第VII因子ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド構築物。
  24. ベクターである、請求項23に記載のポリヌクレオチド構築物。
  25. 請求項23〜24の何れか一項に記載のポリヌクレオチド構築物を含む宿主細胞。
  26. 真核細胞である、請求項25に記載の宿主細胞。
  27. 哺乳類起源である、請求項26に記載の宿主細胞。
  28. 前記細胞はCHO細胞、HEK細胞、及びBHK細胞から成る群から選択されることを特徴とする、請求項27に記載の宿主細胞。
  29. 請求項23で定義されたポリヌクレオチド構築物を含み且つ発現する、トランスジェニック動物。
  30. 請求項23で定義されたポリヌクレオチド構築物を含み且つ発現する、トランスジェニック植物。
  31. 請求項1〜22の何れか一項で定義された第VII因子ポリペプチドを産生する方法であって、請求項25〜28の何れか一項で定義された細胞を、適切な増殖培地で、前記ポリヌクレオチド構築物が発現可能な条件下で培養することと、得られたポリペプチドを培養培地から回収することとを含む方法。
  32. 請求項1〜22の何れか一項で定義された第VII因子ポリペプチドを産生する方法であって、請求項29で定義されたトランスジェニック動物によって産生された乳から前記第VII因子ポリペプチドを回収することを含む方法。
  33. 請求項1〜22の何れか一項で定義された第VII因子ポリペプチドを産生する方法であって、請求項30で定義されたトランスジェニック植物の細胞を培養することと、該植物から前記第VII因子ポリペプチドを回収することとを含む方法。
  34. 配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つのアミノ酸の置換を有する第VII因子ポリペプチドを含む薬学的組成物であって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換であり;及び任意に、薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。
  35. 請求項1〜22の何れか一項で定義された第VII因子ポリペプチド、及び任意に、薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。
  36. 配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチドの使用であって、前記置換が、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換であり;出血性疾患または出血の発症の治療のための、または正常な止血系の増強のための薬剤を製造するための、第VII因子ポリペプチドの使用。
  37. 請求項1〜22の何れか一項で定義された第VII因子ポリペプチドの使用であって、出血性疾患または出血の発症を治療するための、或いは正常な止血系を増強するための、薬剤を製造するための使用。
  38. 血友病AまたはBの治療のための、請求項36〜37の何れか一項に記載の使用。
  39. 被験者における出血性疾患または出血発症を治療するための、あるいは正常な止血系を増強するための方法であって、配列番号1のアミノ酸配列に関して少なくとも一つのアミノ酸の置換を含む第VII因子ポリペプチド、ここで、前記置換は、他の任意のアミノ酸による、配列番号1のアミノ酸313-329、364、366、373、及び376から成る群から選択される一以上のアミノ酸の置換である;の治療的または予防的に有効な量を、それらを必要とする被験者に投与することを含む方法。
  40. 被験者における出血性疾患または出血発症を治療するための、あるいは正常な止血系を増強するための方法であって、請求項1〜22の何れかで定義された第VII因子ポリペプチドの治療的または予防的に有効な量を、それらを必要とする被験者に投与することを含む方法。
  41. 薬剤として使用するための、請求項1〜22の何れかで定義された第VII因子ポリペプチド。
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