JP2005508099A - 移動機器用のマルチバンドアンテナ - Google Patents
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Abstract
本発明は、無線通信機器のアンテナ(1)に関し、電気的に接続された(4)2個の放射導体面(2、5)と、少なくとも一方の前記放射導体面におけるスリット(3)と、一方の放射導体面に配置されたフィーダー接続部(6)と、前記フィーダー接続部と同じ導体面に配置されて、アース(8)に接続された短絡接続部(7)とを含む。本発明は、また、本発明によるアンテナを内部に配置した無線通信機器に関する。本発明は、また、このようなアンテナの製造方法に関し、特に、金属薄板でスリットをカットするステップと、金属薄板の二つの部分を重ねながら折り畳むステップとを含む。
Description
【0001】
本発明は、パッチ技術によって構成されるアンテナに関する。このようなアンテナは、一般に、無線周波数およびマイクロ波を含むスペクトル領域で使用される。
【0002】
大部分のアンテナは、共鳴周波数帯域を含む。送信時に、フィーダー線によりこの周波数帯域で励起されると、アンテナは定在電磁波を維持する。定在電磁波は、その後、空間に放射される電磁波に結合される。受信時に、電波の波形は同じであるが、逆方向の行程を辿る。このタイプの様々なアンテナが従来技術で知られている。
【0003】
信号を伝送するために一つの面にあるマイクロストリップをアンテナとして用いることが知られている。誘電性基板の上面に導電性パッチを配置し、基板の下面に導電層を置く。基板は、一般に、厚さが一定の長方形の平面である。
【0004】
また、フランス特許FR−A−2772518号にも、マルチバンドアンテナが記載されている。このアンテナは、誘電性基板の上面に配置された平らなパッチを含む。接地層は、誘電性基板の下面に配置される。アンテナは、四分の一波長タイプである。何故なら、誘電性基板の一区間に配置された短絡導体が、接地層にパッチを接続するからである。このアンテナは、アンテナと信号処理装置との間で信号伝送を可能にする接続導体を有する。
【0005】
Ollikainen、Kivekas、Toropainen、VainikainenがDavos会議AP2000で発表した研究論文は、マルチバンドアンテナを開示している。このアンテナは、Styrofoam(登録商標)基板の上面に配置された3個のパッチを含む。接地層は、誘電性基板の下面に配置される。低周波数帯用の第一のパッチは、高周波数帯用の第二のパッチに接合される。かくして、二つのパッチは、ジグザグ形を有しフィーダーを含む第一の2バンド素子を形成する。2バンド素子は、接地層との接合部として短絡を含む。第三のパッチは、第二のパッチ側に配置され、帯域幅を拡大して高周波数帯域で共鳴を二倍にする。第三のパッチは、接地との接合部として短絡を含む。
【0006】
2000年10月5日付のMicrowave and optical technology letters 第27巻第1号58ページに掲載された文献「Novel meandered planar inverted F−antenna for triple frequency operation」は、マルチバンドアンテナを記載している。このアンテナは、「蛇行」パターンに従ってアースと同一面に配置される3個のパッチを有する。この3個のパッチは、単一の電源を含む。
【0007】
これらのアンテナには、幾つかの不都合がある。アンテナは、一方では移動通信機器のハウジングの小型寸法と相容れない大型平面パッチを必要とする。もう一方では、こうしたアンテナは、通過帯域を広げるために容量充電部を組み立てなければならないので、コストが高くなり、アンテナが複雑化する。しかも、これらのアンテナは、適切な適合レベルを有するように、大抵は中央から電力供給される必要がある。
【0008】
さらに、上記アンテナの共鳴周波数帯域は数が限られており、帯域幅もまた限られているので、情報伝送用に使用される全ての周波数帯域を処理するというわけにはいかない。従って、使用する国に応じて異なるアンテナを機器に装備しなければならない場合がある。そのうえ、これらのアンテナでは、共鳴周波数と、この共鳴周波数の帯域幅との調整もまた容易でない。
【0009】
従って、以上のさまざまな問題を解決するアンテナが必要である。
【0010】
本発明は、互いに電気的に接続された2個の放射導体面と、少なくとも一方の前記放射導体面におけるスリットと、一方の放射導体面に配置されて物理的に接続されるフィーダー接続部と、前記フィーダー接続部と同じ導体面に配置されて物理的に接続される短絡接続部とを含むアンテナに関する。
【0011】
変形実施形態によれば、導体面が、その一縁によって電気的に接続される。
【0012】
別の変形実施形態によれば、スリット、短絡接続部、およびフィーダー接続部が、同一の導体面に配置される。
【0013】
さらに別の変形実施形態によれば、導体面が折り畳んだ金属薄板から形成される。
【0014】
さらに別の変形実施形態によれば、フィーダー接続部が、金属薄板に形成される舌部である。
【0015】
別の変形実施形態によれば、短絡接続部が、金属薄板に形成される舌部である。
【0016】
変形実施形態によれば、スリットが、二つの導体面に延びる。
【0017】
別の変形実施形態によれば、導体面の寸法が異なる。
【0018】
さらに別の変形実施形態によれば、アンテナは二つの導体面の間に配置される誘電性基板を含む。
【0019】
別の変形実施形態によれば、アンテナは、一方の導体面とアースとの間に配置される誘電性基板を含む。
【0020】
別の変形実施形態によれば、少なくとも一方の基板が、比誘電率2未満の材料で構成される。
【0021】
別の変形実施形態によれば、少なくとも一方の基板が、分散率10―3未満の材料で構成される。
【0022】
アンテナは、また、少なくとも2個の共鳴周波数帯を有し、前記2個の共鳴周波数帯の一方が、相補的な2個の共鳴周波数帯から形成される。
【0023】
変形実施形態によれば、アンテナは、少なくとも3個の共鳴周波数帯を有する。
【0024】
本発明は、また、本発明によるアンテナを含む無線通信機器に関し、厚さ20mm未満、長さ120mm未満、幅50mm未満である。
【0025】
本発明は、また、スリット、フィーダー接続部、短絡接続部を金属薄板から切り抜くステップと、この金属薄板の二つの部分を重ねて折り畳むステップとを含むアンテナの製造方法に関する。
【0026】
変形実施形態によれば、この方法は、ほぼ平行な二つの折り目を金属薄板につけることによって、二つの導体面の間に平面電気接続部を形成するステップをさらに含む。
【0027】
本発明の他の特徴および長所は、添付図面に関して例として挙げられた本発明の実施形態に関する以下の説明を読めば、明らかになるであろう。
【0028】
本発明は、スリットを備えた第一の導体面に第二の導体面を重ね、二つの面を電気的に接続するアンテナを提案する。
【0029】
以下に挙げるアンテナは、電流を電磁場に変換する送信機として動作する場合について説明する。当業者にとって、アンテナが電磁場を電流に変換する受信機として動作する場合も同様であることは自明である。
【0030】
図1は、本発明の第一の実施形態によるアンテナの斜視図である。図2は、同一面に導体面をアラインメントしたときの同じアンテナを示す。アンテナ1は、第一の放射導体面2を有し、スリット3が、この面の一つの縁から延びて構成されている。反対の縁には、ここでは所定幅の導電性の帯からなる電気接続部4が、第一の放射導体面2と第二の放射導体面5とを電気的に接続している。図1に示したように、第二の導体面は、第一の導体面に重ねられている。導体面2、5を重ねることによって、従来技術のアンテナに比べてアンテナ面積を減らすことができる。
【0031】
第一の導体面は、フィーダー接続部6と、アース8に接続される短絡接続部7とを有する。より詳しくは、フィーダー接続部6および短絡接続部7は、少なくとも一つの導体面で物理的に接触している。
【0032】
一方、フィーダー接続部6は、通常、電流として信号を送る信号発生処理装置(図示せず)に接続されている。
【0033】
第一の共鳴モードは、第一の放射導体面2の二つの縁を絶縁するスリット3によって得られる。電流は、このスリットを迂回する。電気経路は、短絡接続部を起点とし、図2に混合破線で示した放射エリア21まで延びる。電磁界は、放射エリア21の位置で誘導により発生する。従って、電磁界の波長は、このスリットの長さ、すなわち最大寸法によって決定される。短絡接続部は、電界の節を課すので、この共鳴は、四分の一波長タイプである。かくして、λが放射波長であるとき、電気経路の長さは、約λ/4である。
【0034】
第二の共鳴モードは、第一の放射導体面に重ねられた第二の放射導体面によって得られる。第二の導体面は、第一の導体面との電磁結合と、電気接続部4を介したこの同じ面との直接電気結合とによって励起される。そのため、第二の導体面に四分の一波長タイプの共鳴が発生する。電磁界は、主に放射エリア22の位置に発生する。この共鳴周波数は、第一および第二の導体面の寸法によって決定される。従って、このモードの共鳴周波数を決定するために考慮される長さは、短絡接続部と放射エリア22との距離にほぼ対応する。導体面は、接続部4と短絡接続部7とを介して短絡されるため、所定の共鳴周波数に対してアンテナの寸法を小さくすることができる。しかも、導体面5を導体面2に重ねるので、アンテナ面積も小さくなる。
【0035】
第三の共鳴モードは、フィーダー接続部と短絡接続部との組み合わせによって第一の導体面で発生する。実際、フィーダー接続部6は、その構成を考えれば、第一の導体面2を直接励起し、第一の導体面は、放射を行いながらスリット3および第二の導体面5を順番に励起する。
【0036】
アースは、短絡の位置で電界の節を課し、反対の縁すなわち放射エリア23の位置で腹を課す四分の一波長タイプの共鳴を提供する。導体面の最大寸法、すなわち短絡接続部と放射エリア23との距離は、放射波長のおよそ四分の一である。
【0037】
第二の導体面が第一の導体面の放射エリア23を被覆するので、二つの導体面の電磁結合により周波数値f2、f3は強い影響を受ける。従って、二つの導体面2、5の放射エリアが重なると、四分の一波長のモデルで得られた値に比べて周波数f2、f3は著しく修正される。
【0038】
図1、2に示した実施形態では、第一の導体面の寸法とは非常に異なる寸法の第二の導体面を使用している。第一の導体面に近い寸法の第二の導体面を使用すると、第三の共鳴周波数からかけ離れた第二の共鳴周波数が得られる。適切な寸法のスリットにより、異なる三つの共鳴周波数が得られる。従って、アンテナが送信可能な周波数帯域の数が増える。反対に、寸法の小さい第二の導体面を使用すると、第三の共鳴周波数に近い第二の共鳴周波数が得られる。
【0039】
図1、2に示した実施形態では、導体面が、電気接続部4により結合されている。そのため、電気接続部4は導体面2、5の縁に配置される。電気接続部4は、ここでは、所定の幅の金属帯から形成される。導体面の縁に設けられるこのタイプの接続部は、特に、後述する方法により容易に製造される。しかしながら、本発明の範囲では、導体面の縁以外で導体面どうしの電気接続を行ってもよい。このようにして、中央ゾーンにおける適切な箇所で導体面を結合することができる。
【0040】
電気接続部4の幅は、共鳴周波数の値f2、f3に影響する。従って、電気接続部4の幅を狭くすれば、共鳴周波数f2、f3は小さくなる。導体面2、5の幅に面した接続部4の位置決定もまた、共鳴周波数f2の値に影響する。短絡接続部7から電気接続部4を離せば離すほど、周波数f2が小さくなる。
【0041】
フィーダー接続部は、図示されていない接続線により送信器または信号処理装置に接続される。たとえば同軸ケーブルにより、この接続を実施することができる。フィーダー接続部と、たとえば送信機との間の信号ノイズの反射を回避するために、接続線に沿ってインピーダンスを均質化することが好ましい。そのため、導体面を起点として延長されて接続線を形成する舌部から、この接続線を構成することが有効である。
【0042】
さらに、利得、すなわち、アンテナが放射する信号のパワーと送信機が送信する信号のパワーとの比を最適化するために、アンテナが持つ入力インピーダンスを送信機または信号処理装置の出力インピーダンスと同じにすることが望ましい。好適には、このインピーダンスを50Ωに固定して、損失を最小にする。
【0043】
アンテナの利得を向上させ、製造を容易にするためには、また、導体面の縁にフィーダー接続部および/または短絡接続部を配置することが望ましい。アンテナの一つの縁に短絡接続部を配置することにより、この箇所で電界をゼロにする。かくして、アンテナが、四分の一波長タイプの動作を行うことができる。フィーダー接続部を導体面の縁に配置することにより、適合レベルが上げられる。
【0044】
また、好適には、フィーダー接続部6と短絡接続部7とを同一導体面に配置する。このようにして、アンテナの入力インピーダンスを適切に制御することができる。短絡接続部に対するフィーダー接続部の相対的な位置を変えることによって、共鳴周波数ならびに適合レベルを変えることができる。そのため、適切に選択した場所に接続部6、7を配置する。
【0045】
図3は、本発明によるアンテナの第二の実施形態を示す。基板9は、第二の導体面5と第一の導体面2との間に配置される。この基板により、導体面の力学的強度が得られる。基板はまた、互いに一定の距離のところに導電層を保持するために使用することができる。基板材料については、比誘電率が空気に近く、好適には2未満である材料を選択することが望ましい。同様に、好適には、分散率がきわめて低く、特に分散率が10−3未満である材料を選択する。それによってアンテナの利得が改善される。従って、ポリメタクリリミドフォーム等のフォームから基板9を構成することも可能である。このようなフォームの力学的強度は優れている。
【0046】
また、導電層の一つと平面接地8との間に基板10を配置してもよい。アースの返しストリップを折り畳めるように、縁の一つが第一の導体面2の縁に対して同じ位置にあるか、または引っ込んだ、図3に示したような基板10を使用する。そのためアンテナの組み立ては単純化される。利得を改善するため、同様に、比誘電率が空気に近く、好適には2未満である材料で上記の基板を構成することが望ましい。さらに、好適には、分散率がきわめて低い材料を選択する。たとえば、基板9に対して記載した材料と同様の材料を使用することができる。好適には、周波数を合わせ、通過帯域を広げることができる厚さの基板を選択する。基板10の厚さは、無線通信機器の寸法により制限される。
【0047】
図3に示した実施形態では、スリットが、第一の導体面のほぼ全長に沿って延びている。共鳴周波数f2、f3は、かなり近い。そのため、共鳴周波数f2は、共鳴周波数f3を補って、帯域幅がより大きい周波数帯域を形成する。スリット3は、導体面2のほぼ全長に沿って延びているので、共鳴周波数f1は、周波数f3のおよそ半分である。
【0048】
図示された実施形態において、スリット3の形状は長方形である。スリット3は、このスリットを含むほぼ平行六面体の導体面の縁に対して傾斜しながら延び、導体面の寸法を最低に保ちながら、長さが最大になるようにされている。
【0049】
図4は、第二の実施形態によるアンテナの特徴をよく示す、アンテナ入力における反射周波数のスペクトルを示している。所定の周波数におけるアンテナの弱い反射が共鳴に相当する。周波数f2、f3は相補的であって、拡大周波数帯域Bを形成している。
【0050】
図5は、導体面をアラインメントした試験アンテナの上面図である。このアンテナの寸法は、次の通りである。
a=40mm b=25mm c=0.75mm d=7mm
e=10mm f=5mm g=3mm h=8mm
i=22mm j=22mm k=3mm l=3mm
m=4mm n=5mm
【0051】
導体面は、厚さ100μmの折り畳んだ銅薄板から形成される。電気接続部は、銅薄板の折り畳んだ側面から形成される。このアンテナは、2個の導体面を隔てる基板と、第一の導体面をアースから隔てる基板とを有する。2個の基板は、ポリメタクリリミドフォームから構成される。
【0052】
図6のグラフは、図5の実施形態のアンテナ入力における反射周波数のスペクトルを示している。第一の共鳴周波数f1は、E−GSM(880−960MHZ)の領域で使用可能である。第二の共鳴周波数f2は、DCS(1710−1880MHZ)またはPCS(1850−1990MHZ)の領域で使用可能である。第二の共鳴周波数f2は、第一の共鳴周波数f1より大きい。何故なら、第二の共鳴周波数に対する電気経路が第一の共鳴周波数の電気経路よりも短いからである。第三の共鳴周波数f3は、第二の共鳴周波数f2よりも大きい。第三の共鳴周波数f3は、たとえばUMTS(1900−2170MHZ)の領域で使用可能である。
【0053】
上記の試験アンテナの場合と同様に、折り畳んだ金属薄板を使用して導体面を形成してもよい。また、金属薄板に形成される舌部としてフィーダー接続部を構成することも可能である。さらに、金属薄板に形成される舌部として短絡接続部を構成することも可能である。
【0054】
本発明は、また、上記のアンテナを含む無線通信機器に関する。アンテナは、機器の保護ハウジング内部に配置可能である。
【0055】
本発明はまた、アンテナの製造方法に関する。この製造方法は、金属薄板でスリットを切り抜くステップを含む。さらに、金属薄板の二つの部分を重ねて折り畳むステップを含む。変形実施形態によれば、折り畳みステップが、ほぼ平行な2個の折り目11、12を金属薄板に形成しながら、2個の導体面の間に平面電気接続部を構成するステップを含む。
【0056】
変形実施形態によれば、この方法は、短絡ストリップを切り抜くステップを含む。別の変形実施形態によれば、この方法は、フィーダー接続部を切り抜くステップを含む。さらに別の変形実施形態によれば、この方法は、金属薄板の幅の一部を電気接続部に切り抜くステップを含む。
【0057】
もちろん、本発明は、記載および図示した実施例および実施形態に制限されるものではなく、当業者が検討可能な多数の変形実施形態を含む。
【0058】
従って、これまで導体面について記載してきたが、たとえば移動電話のハウジングの形状と係合するように湾曲した導体面を使用することも可能である。また、電気接続部を経由して2個の導体面に延びるスリットを構成してもよい。さらに、図示された長方形とは異なる形状の導体面、ならびに、波形または湾曲した導体面を使用することもできる。さらに、場合によっては、フィーダー舌部および短絡舌部を折り畳んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第一の実施形態によるアンテナの斜視図である。
【図2】
導体面をアラインメントした図1のアンテナの上面図である。
【図3】
本発明の第二の実施形態によるアンテナの斜視図である。
【図4】
第二の実施形態によるアンテナの典型的な反射周波数のスペクトルを示すグラフである。
【図5】
導体面をアラインメントしたテストアンテナの上面図である。
【図6】
図5のアンテナの入力反射周波数スペクトルを示すグラフである。
本発明は、パッチ技術によって構成されるアンテナに関する。このようなアンテナは、一般に、無線周波数およびマイクロ波を含むスペクトル領域で使用される。
【0002】
大部分のアンテナは、共鳴周波数帯域を含む。送信時に、フィーダー線によりこの周波数帯域で励起されると、アンテナは定在電磁波を維持する。定在電磁波は、その後、空間に放射される電磁波に結合される。受信時に、電波の波形は同じであるが、逆方向の行程を辿る。このタイプの様々なアンテナが従来技術で知られている。
【0003】
信号を伝送するために一つの面にあるマイクロストリップをアンテナとして用いることが知られている。誘電性基板の上面に導電性パッチを配置し、基板の下面に導電層を置く。基板は、一般に、厚さが一定の長方形の平面である。
【0004】
また、フランス特許FR−A−2772518号にも、マルチバンドアンテナが記載されている。このアンテナは、誘電性基板の上面に配置された平らなパッチを含む。接地層は、誘電性基板の下面に配置される。アンテナは、四分の一波長タイプである。何故なら、誘電性基板の一区間に配置された短絡導体が、接地層にパッチを接続するからである。このアンテナは、アンテナと信号処理装置との間で信号伝送を可能にする接続導体を有する。
【0005】
Ollikainen、Kivekas、Toropainen、VainikainenがDavos会議AP2000で発表した研究論文は、マルチバンドアンテナを開示している。このアンテナは、Styrofoam(登録商標)基板の上面に配置された3個のパッチを含む。接地層は、誘電性基板の下面に配置される。低周波数帯用の第一のパッチは、高周波数帯用の第二のパッチに接合される。かくして、二つのパッチは、ジグザグ形を有しフィーダーを含む第一の2バンド素子を形成する。2バンド素子は、接地層との接合部として短絡を含む。第三のパッチは、第二のパッチ側に配置され、帯域幅を拡大して高周波数帯域で共鳴を二倍にする。第三のパッチは、接地との接合部として短絡を含む。
【0006】
2000年10月5日付のMicrowave and optical technology letters 第27巻第1号58ページに掲載された文献「Novel meandered planar inverted F−antenna for triple frequency operation」は、マルチバンドアンテナを記載している。このアンテナは、「蛇行」パターンに従ってアースと同一面に配置される3個のパッチを有する。この3個のパッチは、単一の電源を含む。
【0007】
これらのアンテナには、幾つかの不都合がある。アンテナは、一方では移動通信機器のハウジングの小型寸法と相容れない大型平面パッチを必要とする。もう一方では、こうしたアンテナは、通過帯域を広げるために容量充電部を組み立てなければならないので、コストが高くなり、アンテナが複雑化する。しかも、これらのアンテナは、適切な適合レベルを有するように、大抵は中央から電力供給される必要がある。
【0008】
さらに、上記アンテナの共鳴周波数帯域は数が限られており、帯域幅もまた限られているので、情報伝送用に使用される全ての周波数帯域を処理するというわけにはいかない。従って、使用する国に応じて異なるアンテナを機器に装備しなければならない場合がある。そのうえ、これらのアンテナでは、共鳴周波数と、この共鳴周波数の帯域幅との調整もまた容易でない。
【0009】
従って、以上のさまざまな問題を解決するアンテナが必要である。
【0010】
本発明は、互いに電気的に接続された2個の放射導体面と、少なくとも一方の前記放射導体面におけるスリットと、一方の放射導体面に配置されて物理的に接続されるフィーダー接続部と、前記フィーダー接続部と同じ導体面に配置されて物理的に接続される短絡接続部とを含むアンテナに関する。
【0011】
変形実施形態によれば、導体面が、その一縁によって電気的に接続される。
【0012】
別の変形実施形態によれば、スリット、短絡接続部、およびフィーダー接続部が、同一の導体面に配置される。
【0013】
さらに別の変形実施形態によれば、導体面が折り畳んだ金属薄板から形成される。
【0014】
さらに別の変形実施形態によれば、フィーダー接続部が、金属薄板に形成される舌部である。
【0015】
別の変形実施形態によれば、短絡接続部が、金属薄板に形成される舌部である。
【0016】
変形実施形態によれば、スリットが、二つの導体面に延びる。
【0017】
別の変形実施形態によれば、導体面の寸法が異なる。
【0018】
さらに別の変形実施形態によれば、アンテナは二つの導体面の間に配置される誘電性基板を含む。
【0019】
別の変形実施形態によれば、アンテナは、一方の導体面とアースとの間に配置される誘電性基板を含む。
【0020】
別の変形実施形態によれば、少なくとも一方の基板が、比誘電率2未満の材料で構成される。
【0021】
別の変形実施形態によれば、少なくとも一方の基板が、分散率10―3未満の材料で構成される。
【0022】
アンテナは、また、少なくとも2個の共鳴周波数帯を有し、前記2個の共鳴周波数帯の一方が、相補的な2個の共鳴周波数帯から形成される。
【0023】
変形実施形態によれば、アンテナは、少なくとも3個の共鳴周波数帯を有する。
【0024】
本発明は、また、本発明によるアンテナを含む無線通信機器に関し、厚さ20mm未満、長さ120mm未満、幅50mm未満である。
【0025】
本発明は、また、スリット、フィーダー接続部、短絡接続部を金属薄板から切り抜くステップと、この金属薄板の二つの部分を重ねて折り畳むステップとを含むアンテナの製造方法に関する。
【0026】
変形実施形態によれば、この方法は、ほぼ平行な二つの折り目を金属薄板につけることによって、二つの導体面の間に平面電気接続部を形成するステップをさらに含む。
【0027】
本発明の他の特徴および長所は、添付図面に関して例として挙げられた本発明の実施形態に関する以下の説明を読めば、明らかになるであろう。
【0028】
本発明は、スリットを備えた第一の導体面に第二の導体面を重ね、二つの面を電気的に接続するアンテナを提案する。
【0029】
以下に挙げるアンテナは、電流を電磁場に変換する送信機として動作する場合について説明する。当業者にとって、アンテナが電磁場を電流に変換する受信機として動作する場合も同様であることは自明である。
【0030】
図1は、本発明の第一の実施形態によるアンテナの斜視図である。図2は、同一面に導体面をアラインメントしたときの同じアンテナを示す。アンテナ1は、第一の放射導体面2を有し、スリット3が、この面の一つの縁から延びて構成されている。反対の縁には、ここでは所定幅の導電性の帯からなる電気接続部4が、第一の放射導体面2と第二の放射導体面5とを電気的に接続している。図1に示したように、第二の導体面は、第一の導体面に重ねられている。導体面2、5を重ねることによって、従来技術のアンテナに比べてアンテナ面積を減らすことができる。
【0031】
第一の導体面は、フィーダー接続部6と、アース8に接続される短絡接続部7とを有する。より詳しくは、フィーダー接続部6および短絡接続部7は、少なくとも一つの導体面で物理的に接触している。
【0032】
一方、フィーダー接続部6は、通常、電流として信号を送る信号発生処理装置(図示せず)に接続されている。
【0033】
第一の共鳴モードは、第一の放射導体面2の二つの縁を絶縁するスリット3によって得られる。電流は、このスリットを迂回する。電気経路は、短絡接続部を起点とし、図2に混合破線で示した放射エリア21まで延びる。電磁界は、放射エリア21の位置で誘導により発生する。従って、電磁界の波長は、このスリットの長さ、すなわち最大寸法によって決定される。短絡接続部は、電界の節を課すので、この共鳴は、四分の一波長タイプである。かくして、λが放射波長であるとき、電気経路の長さは、約λ/4である。
【0034】
第二の共鳴モードは、第一の放射導体面に重ねられた第二の放射導体面によって得られる。第二の導体面は、第一の導体面との電磁結合と、電気接続部4を介したこの同じ面との直接電気結合とによって励起される。そのため、第二の導体面に四分の一波長タイプの共鳴が発生する。電磁界は、主に放射エリア22の位置に発生する。この共鳴周波数は、第一および第二の導体面の寸法によって決定される。従って、このモードの共鳴周波数を決定するために考慮される長さは、短絡接続部と放射エリア22との距離にほぼ対応する。導体面は、接続部4と短絡接続部7とを介して短絡されるため、所定の共鳴周波数に対してアンテナの寸法を小さくすることができる。しかも、導体面5を導体面2に重ねるので、アンテナ面積も小さくなる。
【0035】
第三の共鳴モードは、フィーダー接続部と短絡接続部との組み合わせによって第一の導体面で発生する。実際、フィーダー接続部6は、その構成を考えれば、第一の導体面2を直接励起し、第一の導体面は、放射を行いながらスリット3および第二の導体面5を順番に励起する。
【0036】
アースは、短絡の位置で電界の節を課し、反対の縁すなわち放射エリア23の位置で腹を課す四分の一波長タイプの共鳴を提供する。導体面の最大寸法、すなわち短絡接続部と放射エリア23との距離は、放射波長のおよそ四分の一である。
【0037】
第二の導体面が第一の導体面の放射エリア23を被覆するので、二つの導体面の電磁結合により周波数値f2、f3は強い影響を受ける。従って、二つの導体面2、5の放射エリアが重なると、四分の一波長のモデルで得られた値に比べて周波数f2、f3は著しく修正される。
【0038】
図1、2に示した実施形態では、第一の導体面の寸法とは非常に異なる寸法の第二の導体面を使用している。第一の導体面に近い寸法の第二の導体面を使用すると、第三の共鳴周波数からかけ離れた第二の共鳴周波数が得られる。適切な寸法のスリットにより、異なる三つの共鳴周波数が得られる。従って、アンテナが送信可能な周波数帯域の数が増える。反対に、寸法の小さい第二の導体面を使用すると、第三の共鳴周波数に近い第二の共鳴周波数が得られる。
【0039】
図1、2に示した実施形態では、導体面が、電気接続部4により結合されている。そのため、電気接続部4は導体面2、5の縁に配置される。電気接続部4は、ここでは、所定の幅の金属帯から形成される。導体面の縁に設けられるこのタイプの接続部は、特に、後述する方法により容易に製造される。しかしながら、本発明の範囲では、導体面の縁以外で導体面どうしの電気接続を行ってもよい。このようにして、中央ゾーンにおける適切な箇所で導体面を結合することができる。
【0040】
電気接続部4の幅は、共鳴周波数の値f2、f3に影響する。従って、電気接続部4の幅を狭くすれば、共鳴周波数f2、f3は小さくなる。導体面2、5の幅に面した接続部4の位置決定もまた、共鳴周波数f2の値に影響する。短絡接続部7から電気接続部4を離せば離すほど、周波数f2が小さくなる。
【0041】
フィーダー接続部は、図示されていない接続線により送信器または信号処理装置に接続される。たとえば同軸ケーブルにより、この接続を実施することができる。フィーダー接続部と、たとえば送信機との間の信号ノイズの反射を回避するために、接続線に沿ってインピーダンスを均質化することが好ましい。そのため、導体面を起点として延長されて接続線を形成する舌部から、この接続線を構成することが有効である。
【0042】
さらに、利得、すなわち、アンテナが放射する信号のパワーと送信機が送信する信号のパワーとの比を最適化するために、アンテナが持つ入力インピーダンスを送信機または信号処理装置の出力インピーダンスと同じにすることが望ましい。好適には、このインピーダンスを50Ωに固定して、損失を最小にする。
【0043】
アンテナの利得を向上させ、製造を容易にするためには、また、導体面の縁にフィーダー接続部および/または短絡接続部を配置することが望ましい。アンテナの一つの縁に短絡接続部を配置することにより、この箇所で電界をゼロにする。かくして、アンテナが、四分の一波長タイプの動作を行うことができる。フィーダー接続部を導体面の縁に配置することにより、適合レベルが上げられる。
【0044】
また、好適には、フィーダー接続部6と短絡接続部7とを同一導体面に配置する。このようにして、アンテナの入力インピーダンスを適切に制御することができる。短絡接続部に対するフィーダー接続部の相対的な位置を変えることによって、共鳴周波数ならびに適合レベルを変えることができる。そのため、適切に選択した場所に接続部6、7を配置する。
【0045】
図3は、本発明によるアンテナの第二の実施形態を示す。基板9は、第二の導体面5と第一の導体面2との間に配置される。この基板により、導体面の力学的強度が得られる。基板はまた、互いに一定の距離のところに導電層を保持するために使用することができる。基板材料については、比誘電率が空気に近く、好適には2未満である材料を選択することが望ましい。同様に、好適には、分散率がきわめて低く、特に分散率が10−3未満である材料を選択する。それによってアンテナの利得が改善される。従って、ポリメタクリリミドフォーム等のフォームから基板9を構成することも可能である。このようなフォームの力学的強度は優れている。
【0046】
また、導電層の一つと平面接地8との間に基板10を配置してもよい。アースの返しストリップを折り畳めるように、縁の一つが第一の導体面2の縁に対して同じ位置にあるか、または引っ込んだ、図3に示したような基板10を使用する。そのためアンテナの組み立ては単純化される。利得を改善するため、同様に、比誘電率が空気に近く、好適には2未満である材料で上記の基板を構成することが望ましい。さらに、好適には、分散率がきわめて低い材料を選択する。たとえば、基板9に対して記載した材料と同様の材料を使用することができる。好適には、周波数を合わせ、通過帯域を広げることができる厚さの基板を選択する。基板10の厚さは、無線通信機器の寸法により制限される。
【0047】
図3に示した実施形態では、スリットが、第一の導体面のほぼ全長に沿って延びている。共鳴周波数f2、f3は、かなり近い。そのため、共鳴周波数f2は、共鳴周波数f3を補って、帯域幅がより大きい周波数帯域を形成する。スリット3は、導体面2のほぼ全長に沿って延びているので、共鳴周波数f1は、周波数f3のおよそ半分である。
【0048】
図示された実施形態において、スリット3の形状は長方形である。スリット3は、このスリットを含むほぼ平行六面体の導体面の縁に対して傾斜しながら延び、導体面の寸法を最低に保ちながら、長さが最大になるようにされている。
【0049】
図4は、第二の実施形態によるアンテナの特徴をよく示す、アンテナ入力における反射周波数のスペクトルを示している。所定の周波数におけるアンテナの弱い反射が共鳴に相当する。周波数f2、f3は相補的であって、拡大周波数帯域Bを形成している。
【0050】
図5は、導体面をアラインメントした試験アンテナの上面図である。このアンテナの寸法は、次の通りである。
a=40mm b=25mm c=0.75mm d=7mm
e=10mm f=5mm g=3mm h=8mm
i=22mm j=22mm k=3mm l=3mm
m=4mm n=5mm
【0051】
導体面は、厚さ100μmの折り畳んだ銅薄板から形成される。電気接続部は、銅薄板の折り畳んだ側面から形成される。このアンテナは、2個の導体面を隔てる基板と、第一の導体面をアースから隔てる基板とを有する。2個の基板は、ポリメタクリリミドフォームから構成される。
【0052】
図6のグラフは、図5の実施形態のアンテナ入力における反射周波数のスペクトルを示している。第一の共鳴周波数f1は、E−GSM(880−960MHZ)の領域で使用可能である。第二の共鳴周波数f2は、DCS(1710−1880MHZ)またはPCS(1850−1990MHZ)の領域で使用可能である。第二の共鳴周波数f2は、第一の共鳴周波数f1より大きい。何故なら、第二の共鳴周波数に対する電気経路が第一の共鳴周波数の電気経路よりも短いからである。第三の共鳴周波数f3は、第二の共鳴周波数f2よりも大きい。第三の共鳴周波数f3は、たとえばUMTS(1900−2170MHZ)の領域で使用可能である。
【0053】
上記の試験アンテナの場合と同様に、折り畳んだ金属薄板を使用して導体面を形成してもよい。また、金属薄板に形成される舌部としてフィーダー接続部を構成することも可能である。さらに、金属薄板に形成される舌部として短絡接続部を構成することも可能である。
【0054】
本発明は、また、上記のアンテナを含む無線通信機器に関する。アンテナは、機器の保護ハウジング内部に配置可能である。
【0055】
本発明はまた、アンテナの製造方法に関する。この製造方法は、金属薄板でスリットを切り抜くステップを含む。さらに、金属薄板の二つの部分を重ねて折り畳むステップを含む。変形実施形態によれば、折り畳みステップが、ほぼ平行な2個の折り目11、12を金属薄板に形成しながら、2個の導体面の間に平面電気接続部を構成するステップを含む。
【0056】
変形実施形態によれば、この方法は、短絡ストリップを切り抜くステップを含む。別の変形実施形態によれば、この方法は、フィーダー接続部を切り抜くステップを含む。さらに別の変形実施形態によれば、この方法は、金属薄板の幅の一部を電気接続部に切り抜くステップを含む。
【0057】
もちろん、本発明は、記載および図示した実施例および実施形態に制限されるものではなく、当業者が検討可能な多数の変形実施形態を含む。
【0058】
従って、これまで導体面について記載してきたが、たとえば移動電話のハウジングの形状と係合するように湾曲した導体面を使用することも可能である。また、電気接続部を経由して2個の導体面に延びるスリットを構成してもよい。さらに、図示された長方形とは異なる形状の導体面、ならびに、波形または湾曲した導体面を使用することもできる。さらに、場合によっては、フィーダー舌部および短絡舌部を折り畳んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第一の実施形態によるアンテナの斜視図である。
【図2】
導体面をアラインメントした図1のアンテナの上面図である。
【図3】
本発明の第二の実施形態によるアンテナの斜視図である。
【図4】
第二の実施形態によるアンテナの典型的な反射周波数のスペクトルを示すグラフである。
【図5】
導体面をアラインメントしたテストアンテナの上面図である。
【図6】
図5のアンテナの入力反射周波数スペクトルを示すグラフである。
Claims (18)
- 互いに電気的に接続された(4)2個の放射導体面(2、5)と、
少なくとも一方の前記放射導体面におけるスリット(3)と、
一方の放射導体面に配置されて、この導体面に物理的に接続されるフィーダー接続部(6)と、
前記フィーダー接続部と同じ導体面に配置されて、この導体面に物理的に接続される短絡接続部(7)とを含む、マルチバンドアンテナ(1)。 - 前記導体面が、その一縁によって電気的に接続される(4)ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
- 前記スリット、短絡接続部、およびフィーダー接続部が、同一の導体面に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
- 前記導体面が折り畳んだ金属薄板から形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ。
- 前記フィーダー接続部が、金属薄板に形成される舌部であることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ。
- 前記短絡接続部が、金属薄板に形成される舌部であることを特徴とする請求項4または5に記載のアンテナ。
- 前記スリットが、二つの導体面に延びることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のアンテナ。
- 前記導体面の寸法が異なることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のアンテナ。
- 前記二つの導体面の間に配置される誘電性基板(9)を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のアンテナ。
- 一方の導体面とアース(8)との間に配置される誘電性基板(10)を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のアンテナ。
- 少なくとも一方の基板(9、10)が、比誘電率2未満の材料で構成されることを特徴とする請求項9または10に記載のアンテナ。
- 前記少なくとも一方の基板(9、10)が、分散率10―3未満の材料で構成されることを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載のアンテナ。
- 少なくとも2個の共鳴周波数帯を有し、前記2個の共鳴周波数帯の一方が、相補的な2個の共鳴周波数帯から形成されることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のアンテナ。
- 少なくとも3個の共鳴周波数帯を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のアンテナ。
- 請求項1から14のいずれか一項に記載のマルチバンドアンテナを含むことを特徴とする無線通信機器。
- 厚さ20mm未満、長さ120mm未満、幅50mm未満であることを特徴とする請求項15に記載の無線通信機器。
- スリット、フィーダー接続部、短絡接続部を金属薄板から切り抜くステップと、この金属薄板の二つの部分を重ねて折り畳むステップとを含むことを特徴とするマルチバンドアンテナの製造方法。
- ほぼ平行な二つの折り目(11、12)を金属薄板につけることによって、二つの導体面の間に平面電気接続部を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の製造方法。
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