JP2005504516A - HAb18G/CD147における拮抗剤及びその応用 - Google Patents
HAb18G/CD147における拮抗剤及びその応用 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、一種の薬のターゲットとして肝臓癌の組織からの新たなタンパク質分子HAb18G/CD147 に関し、そのタンパク質分子HAb18G/CD147 の相補のRNAプスラミドに関し、HAb18G/CD147 分子のペプチド拮抗剤に関する。前記のペプチド拮抗剤には請求の範囲の中に示されたようなアミノ酸の配列が含まれている。
Description
【技術分野】
【0001】
この発明は、バイオテクノロージィ、及び生体医学の分野に関するものである。詳細には、この発明は、肝臓癌細胞からの新たな蛋白質分子であるHAb18G/CD147 、そのHAb18G/CD147 における相補的なRNAプラスミドベクター、HAb18G/CD147 のペプチド拮抗剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、世界中で、年間約10000万人の癌患者が増え続けている。中国では、毎年1818万人の癌患者が発生し、死亡人数は140万人で、1分間で平均1.3人が癌で死亡している。また癌の発生率が急激に増え続ける傾向にある。
【0003】
WHOによると、世界では、癌による死亡人数は毎年約600万人で、この数は世界中の死亡人数の12%を占めている。1995年の中国における主な病気の死亡率と死亡原因は、悪性腫瘍が第2位で、病気による死亡人数の21.85%を占めていた。癌の発生率の高い順位は、胃癌(総死亡率の21.76%)、肝臓癌(17.83%)、肺癌(15.19%)、食道癌(15.02%)であった。また、これまで腫瘍の高再発および転移率が高いという問題が長期に亘り悩みの原因とされ、臨床治療において、解決しなければならない課題でもあった。
【0004】
現在のところ、癌細胞の浸潤、転移を抑制することは、国内外における癌治療の関心の高い問題の1つである。腫瘍の転移の特性は非常に複雑で、多くの要因が含まれている。たとえば、(1)プロティナーゼ、(2)血管の生成因子、(3)附着因子整合因子、セレクション(E-cadheri)等、(4)運動因子、(5)情報伝達ルートおよびそれに関連のある分子等である。
【0005】
腫瘍の組織への浸潤と転移には、細胞が間質細胞にプロティナーゼを分泌させるのを誘導する。プロティナーゼは、主に4種類が含まれている。すなわち、セーリンプロティナーゼ(PAS等)、システインプロティナーゼ(cathepsin B等)、アスパラギン酸プロティナーゼ(pepsin等)及びマトリックスメタロプロテティナーゼ(MMPs)である。これらのプロティナーゼの中では、メタロプロティナーゼMMPsは一番重要なものである。多くの研究では、悪性腫瘍の組織の中にMMPsの量とその活性が周りの正常組織よりも著しく高いことが見い出されている。また腫瘍の悪性の程度に相関関係があることが明らかにされている[非特許文献1:デイビース・ビー・マイルス・デイダブリュー 外(Davies B.Miles DW et al.)著,「英国癌学会誌(British cancer )」,1993年,67:p1126−1131参照]。
【0006】
現在、20種類のMMPsが発見されている。その殆どは、細胞外の全てのマトリックス(extracelluar matrix )を退化させることができる。MMPsの主な働きは次のようなものである。
【0007】
(1)間質を退化させ、膠原における癌細胞を抑制する機械的な障壁の働きを失なわさせる。
(2)基底膜の完全性を壊し、癌細胞が血管の壁を通り抜け、血液中に入るのに有利な働きをしている。
(3)細胞外マトリックス(ECM)の改造によって、腫瘍の新生血管の生成および転移病巣の形成を促進させる。
【0008】
腫瘍の浸潤、転移には、MMPsの働きが大変重要であり、癌細胞組織内のMMPsがどこから来ているのかが非常に興味深い問題であり、主な研究課題でもある。近年、多くの研究実験では、CD147 分子が腫瘍細胞膜に関係があり、それが癌の間質細胞に刺激を与え、その細胞にMMPsを分泌させていることが示されている。グオ等(Guo et al. )の研究によると、CD147 分子は、MMPsの生成を刺激することだけでなく、MMPsと一緒に癌細胞の表面に合成物を形成すること、この合成物が癌細胞の周囲にMMPsを濃縮することになり、癌細胞の周囲基質の退化に有利に働き、癌細胞の拡散と転移を容易にさせた[非特許文献2:グオ・エイチ 外(Guo H,et al.)著,「癌研究(Cancer Research )」,2000年,60(4) :p888−891参照]。
【0009】
現在、細胞外マトリックス(ECM)を退化するには、プロティナーゼの抑制剤が良く使われている。例えば、天然プロティナーゼ抑制剤である組織型のメタロプロティナーゼ抑制剤(TIMPs)がある。その抑制剤が、MMPsと結合して、MMPsの活性を抑制している。しかし組織の中のTIMPsの量は僅かであり、取り出し難い。また、組換えTIMPsは、タンパク質分子が大きくて、退化、吸収し難いという問題がある。メタロプロティナーゼ抑制剤、バティマスタット(Batimastat )〔BB−94〕等の合成のプソイドペポチドは、早期の腫瘍のMMPsの活性しか抑制をすることができない。だが、末期腫瘍が大量のMMPsを生成するので、その活性を抑制することができなくて、 III期の臨床実験の停止まで導いた。
【0010】
本発明者等は、長年に亘り肝臓癌および免疫薬物の研究に携わっている。新鮮なヒトの肝臓癌組織を用い、マウスを免疫したことがある。マウスの脾臓の細胞と骨髄の腫瘍細胞を融合させ、ハイブリドーマを得て、特異な肝臓癌抗体、HAb18を生成させた。このHAb18を配合子とし、アフィニティークロマトグラフィによって、ヒトの肝臓癌組織からの粗い膜抗原が純化され、HAb18の天然な純粋抗原が得られた。そして、そのHAb18を用い、ヒトの肝臓癌組織cDNAライブラリーからスクリーニングし、相応なコーティング配列も得られた。遺伝子バンクを調べることによって、そのアミノ酸の配列が白血球から分化された抗原CD147 分子と殆ど同族体であることを見出した。このため、HAb18は、CD147 分子家族に属すると見做されている。抗体のHAb18を用いたことから、それはHAb18/CD147 と名付けられた。類似的な分子が他の組織に見られ、その働きがそれぞれ異なっている。例えば、リューマチ関節炎および反応性関節炎の患者の外周グラヌロシトの表面[非特許文献3:ウォッチャラク,エッダフィビーグ,ステファノーバル・ジェイ(Watcharak,Eddafiebige,Stepanoval J)著,「免疫学(Immunology )」,1992年(3):p847参照]、肺癌[非特許文献4:グオ・エイチ,ズッカー・エス 外(Guo H,Zucker S et al. )著,「生物化学(J Biol Chem )」,1997年,272(1) :p24参照]、脳[非特許文献5:シュロッシャウアー・ビイ,ヘルゾーグ・ケイ・エイチ(Schlosshauer B,Herzog K.H.)著,「細胞生物学(J Cell Biology)」,1990年,110(4) :p1261参照]等の組織に見られた。
【0011】
マトリゲル- ボイデン・チャンバー及びゼラチン・ザイモグラフィ(Matrigel-boyden chamber and gelatin zymography )の実験分析によって、HAb18/CD147 分子の肝臓癌における働きは、CD147 分子の他の腫瘍での働きと同様で、肝臓癌細胞の浸潤と転移を大いに促進し、肝臓癌の転移に相関関係があると検証されていた。そのメカニズムは、それが肝臓癌細胞の周りの間質細胞を誘導し、それにMMPsを分泌させた点にある。MMPsは肝臓癌細胞に周りのマトリックスの成分を退化させ、肝臓癌細胞の転移を促進した。以上の研究結果に基づいて、HAb18/CD147 は、正常の組織には殆ど見られないこと及び肝臓癌等の腫瘍組織に多く見られたことから、HAb18/CD147 分子の働きを遮断することで、肝臓癌等の腫瘍の転移を抑制することができると言える。
【0012】
中国では、リューマチ関節炎(RA)における成人の発生率は約0.3%で、患者数が300万人にも達している。その特徴は患者年齢が若く、障害になる率も高い。幼い型のリューマチが結合組織病で、子供等にもよく見られる。その特徴は、全身の関節の増殖性及び侵蝕性滑膜炎に及んでいて、一生にその再発が繰り返される。その増殖性と壊滅的な病理変化から、リューマチは、極限的な悪性腫瘍だと見做されている。その自発的に軽減されることは滅多に見られない。その末期には関節の軟骨と骨の損傷をすることにより、関節は硬直し、変形して、正常に働かなくなってくる。その病理変化は心臓、肺、動脈、神経及び目等の結合組織が侵されてしまうことになる。
【0013】
リューマチ(RA)には有効な治療法がない。90年代以来、国内外の学者等は、結核病と悪性腫瘍の治療法を採り入れ、リューマチの治療に取り組んでいる。これは良い1効果をもたらした。一部分の患者の病状は軽減され、生活の質も向上した。しかし、この組合せによる治療方法は、完壁な治療ではない。軟骨と骨への侵蝕が抑制されていないことは、依然として解決されていないままである。リューマチ(RA)の病理学的特徴は、滑膜の下地で増殖し過ぎ、膜の下層に大量の炎症が発生し、モノクローナル核細胞が侵蝕されていることである。滑膜細胞などのフイブロブラストと滑膜組織のマクロファージが、関節損傷に最も重要な役割を果たしている。これらの細胞は大量のMMPsを産出すると見られる。MMPsは協力作用の方式で滑膜、関節の軟骨及び軟骨の中の全ての主要な細胞外のマトリックス(ECM)を消化してしまう。リューマチ滑膜内のCD147 は上がると、部分的にMMP-1、MMP-2、MMP-3等のポリメラーゼが生じる。また、MMPsとTIMPsとの不均衡をもたらし、最後にリューマチ(RA)関節の破滅に至る。
【0014】
MMPsは直接的に軟骨、骨組織を退化させ、間接的に血管の促進をさせ、リューマチ(RA)関節の壊滅に強く関与している。だから、MMPsを抑制することはリューマチ(RA)治療方法の一つと言える。人間の寿命が伸びるにつれて、関節炎の発生率も高くなってきた。軟骨細胞、滑膜細胞およびフイブロブラストが、MMPsを生成し骨関節炎の発生に重要な働きをしている。しかし、今日まで、プロティナーゼ阻害剤を使って、ECM退化への抵抗に関する臨床実験の結果は、上述した腫瘍の転移を抑制する治療の効果と同じように、望ましいものではなかった。そこで、有効なCD147 のペプチド拮抗剤を選び、高レベルで細胞のMMPs分泌を遮断することが、リューマチ関節炎と骨関節炎における治療方法の一つであり、今後の治療方法の方向でもある。
【0015】
AIDSは、人類社会に未曾有の最も破滅的な病気である。AIDSは発生してから、6000万人余りの人々がHIVウイルスに感染した。世界では第4の殺し屋になったが、しかし、未だに特効薬がない。
【0016】
HIV-1は、サイクロフィリンA(CyPA)と複合を生成する。そのサイクロフィリンAが細胞膜の受容体CD147 分子と結合し、ウイルスの細胞への浸入を促進することは、もう明らかになっている。ウイルスの細胞への浸入を遮断することは、AIDSの予防と治療において最も重要な一歩である。
【0017】
HIVウイルスは、AIDSの病原体である。HIVに感染した宿主の細胞における一つの重要な通路は、CD147 分子の媒介によるものである。だから、有効なCD147 分子のペプチド拮抗剤を用い、HIVとCD147 分子の結合を遮断することによって、AIDSの予防と治療のための新しい手段が提供できる。
【0018】
最近の研究では、CD147 が動脈硬化症と拡張性心筋症の発生にも関与していることが発見された。このため、CD147 分子の拮抗剤がこれらの病気の予防と治療には潜在的な応用価値を持っていると言える。
【0019】
【非特許文献1】
デイビース・ビー・マイルス・デイダブリュー 外(Davies B.Miles DW et al.)著,「英国癌学会誌(British cancer )」,1993年,67:p1126−1131
【非特許文献2】
グオ・エイチ 外(Guo H,et al.)著,「癌研究(Cancer Research )」,2000年,60(4) :p888−891
【非特許文献3】
ウォッチャラク,エッダフィビーグ,ステファノバル・ジェイ(Watcharak,Eddafiebige,Stepanoval J)著,「免疫学(Immunology )」,1992年(3): p847
【非特許文献4】
グオ・エイチ,ズッカー・エス 外(Guo H,Zucker S et al. )著,「生物化学(J Biol Chem )」,1997年,272(1) :p24
【非特許文献5】
シュロッシャウアー・ビイ,ヘルゾーグ・ケイ・エイチ(Schlosshauer B,Herzog K.H.)著,「細胞生物学(J Cell Biology)」,1990年,110(4) :p1261
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
この発明の第1の特徴は、肝臓癌組織からの新たなタンパク質分子であるHAb18G/CD147 を提供することである。そのアミノ酸の配列がSEQ ID NO.:1のように示されている。
【0021】
この発明の第2の特徴は、HAb18G/CD147 分子の相補的な核酸のベクターPCI-as HAb18Gを提供することにある。
【0022】
この発明の第3の特徴は、HAb18G/CD147 のペプチド拮抗剤を提供することにある。そのアミノ酸の配列は次のようなものである。
【0023】
(1) Met Thr His Asp Pro Val Ile Ser Leu Pro Thr Thr (SEQ ID NO.:2);
(2) Leu His Arg His Ser His GIy His Ser Tyr Lys Ser (SEQ ID NO.:3);
(3) Gly His Trp His Asn His Arg His Gin Ala Pro Leu (SEQ ID NO.:4);
(4) Lys Tyr Pro His Gin His Leu His Met His Asp Ser (SEQ ID NO.:5):
(5) Ile Gly Trp His Tyr Tyr Leu Arg Thr Gin His Ser (SEQ ID NO.:6);
(6) Tyr Pro Phe His His Lys His Trp His Arg Pro Asn (SEQ ID NO.:7);
(7) Ala Asn Ile Val Pr0 Ile His Ala Asn His Phe Gin (SEQ ID NO.:8):
(8) Met His Lys His Pro His Gly Ser Gin Gly Pro Thr (SEQ ID NO.:9);
或いは
(9) Tyr Lys Leu Pro Gly His His His His Tyr Arg Pro (SEQ ID NO.:10)
【0024】
この発明の第4の特徴は、次のような病気の予防と治療における方法を提供することにある。それらは腫瘍の再発と転移、リューマチ関節炎、骨関節炎、HIVウイルスの感染とAIDS、動脈硬化症と拡張性心筋症である。上述した方法には、第2の特徴の患者に対する有効な投与量の相補の核酸のベクターPCI-as HAb18Gと第3の特徴のペプチド桔抗剤、或は両者の組み合わせを含む。
【0025】
この発明の第5の特徴は、腫瘍の再発と転移、リューマチ関節炎、骨関節炎、HIVウイルスの感染とAIDS、動脈硬化症と拡張性心筋症の予防と治療のために、薬剤組成物を提供することにある。上述した薬剤組成物には、第2の特徴における患者に対する有効な投与量の相補の核酸のベクターPCI-as HAb18Gと第3の特徴におけるペプチド桔抗剤、或は両者の組み合わせを含む。そして薬学的に受容できるベクターも含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0026】
この発明の第1の特徴においては、肝臓癌細胞からの新しいタンパク質分子HAb18G/CD147 を提供する。
【0027】
1.HAb18G/CD147 の天然純抗原の精製について
(1)モノクローナル抗体HAb18はセファロース(Sepharose-4B)カラムに結合し、親和性の円柱を作った。
(2)培養された大量のHHCC(ヒトの肝臓癌細胞)を解離させ、遠心機にかけ、透析したあと、最初の粗いメンブラン抗原サンプル(膜のタンパク質分子)を得た。それを調製したセファロース(Sepharose-4B)カラムに載せ、結合、溶離、収集の手順を経て、HAb18G/CD147 の純抗原を得た。
【0028】
SDS -PAGEおよびウエスターン・ブロッティング(Western blotting )の測定によって、肝臓癌抗原HAb18G/CD147 がシングルバンドであり、その分子量が60kdだと判った。
【0029】
2.HAb18G/CD147 のクローニングについて
モノクローナル抗体HAb18を用いて、ヒトの肝臓癌組織のcDNAライブラリーからスクリーニングし、相応なコード配列が得られ、HAb18G/CD147 タンパク分子として表している。HAb18G/CD147 は269個のアミノ酸からなっている。そのN端はシグナル・ペプチドの配列となって、疎水性残基(hydrophobic residues)が多く含まれている。そのあとには、膜外の機能部位となっている。206から229までは、24個のアミノ酸が膜貫通ドメインを構成する。C- ターミナルからは、細胞内結構部位が39個のアミノ酸から構成されている。その分子HAb18G/CD147 には大量の翻訳後修飾が存在する。その種類や器官によってグリコシル化(glycosylation )の様式が異なっている。そこで、肝臓癌組織に見出されたHAb18G/CD147 分子は、その最初段階の構造がCD147 分子と同族体だと判ったが、そのグリコシル化が他の組織における類似的な分子とは異る可能性があるので、その働きも相違するかもしれない。
【0030】
3.HAb18G/CD147 の機能に関する研究について
HAb18G/CD147 分子の主な働きはフイブロブラストに刺戟を与え、それにMMPsを生じさせることである。発明者は純化されたHAb18G/CD147 抗原でヒトのフイブロブラストを刺激した結果、以上の結論が証明された。その具体的な方法は次のように行った。
【0031】
まず、純化されたHAb18G/CD147 をヒトのフイブロブラストと一緒に培養し、培養された上澄の水のサンプルをSDS- PAGE電気泳動に付にした。その電気泳動とは、常用のプロテイン電気泳動と違ってその分離の膠質には1.0mg/mlのゼラチン(gelatin )が含まれ、濃度は5%である。サンプルは煮込まず、その溶液にDTTを含ないこと、電気泳動したあと、そのゲル(gel )は室温で2回洗浄し、洗浄は毎回45分間である。それから、0.1mol/L NaClで2回洗浄し、洗浄は毎回20分間である。最後に、そのゲル(gel )は、37度の培養液に入れ、24時間以上温置する。0.5%(w/v)クーマシー・ブルー(Coomassie Blue )で染色したあと、脱色し、ゲルのブルーの背景には出てきたMMPsが透明のバンドとなった、これは最も良い効果になったと考えられる。
【0032】
ザイモグラフ法では、フイブロブラストは純化されたHAb18G/CD147 の刺激を受けたあと、産出したMMPs量と種類が明らかな差があることが示されている。すなわち、ブルーのゲル(gel )には分子量の異る3つの白いバンドが現われた。それはそれぞれ、92KDのMMP-9ザイモゲン、86KDの化性物、72KDのMMP-2ザイモゲンおよび68KDのMMP-2の活性物;43KDのI型のMTI- MMPである。
【0033】
機能実験からHAb18G/CD147 は、主にフイブロブラストを刺激し、それに何種類かのMMPsを産出させた。そのMMPsは肝臓癌細胞の転移と浸潤活動を活発したことがわかった。そこで、発明者等はその表われた量を減少させる方法や手段を探さずには居れず、肝臓癌患者に遺伝子の治療法を施した。相補の核酸が述べられる手段の一つである。
【0034】
この発明の第2の特徴においては、HAb18G/CD147 分子の相補の核酸ベクターPCI-as HAb18Gを提供する。
【0035】
1.HAb18G/CD147 における相補のRNAプラスミドの構築について
XbaIとXhoI酵素を使ってもとのプラスミドベクターPBlue script ks(+/-)HAb18Gを切断した。そのプラスミドベクターが発明者の実験室で構築された。酵素分解したあと、HAb18G/CD147 cDNAの全長が得られた。それをXbaIとXhoI酵素の真核のベクターPCI-neo〔アメリカ合衆国、ウィスコンシン州、マディソン所在のプロメガ社(Promega company,Madison,WI,USA)〕に接続した。分解酵素の配列が反対なので、HAb18G/CD147 cDNAは逆に酵素ベクターに接続されてしまった。そこで、HAb18G/CD147 mRNAと補い合う相補のRNAが転写された。その結果、HAb18G/CD147 mRNAの翻訳を阻止し、HAb18G/CD147 の表れが封じ込まれた。
【0036】
2.HAb18G/CD147 における相補のRNAプラスミドの機能について
a.導入されていた肝臓癌細胞のHAb18G/CD147 と導入されていないものとの比較
肝臓癌細胞がPCI-as HAb18Gで導入されていたあと、その細胞の免疫化の染色の強度が著しく低下したことや細胞膜の表面蛍光強度も弱めになったことがFACSの分析と免役学的な方法によって証明された。これらの変化は、主に相補のRNAがHAb18G/CD147 の表れを封じ込めたことによるものである。封じ込め効率は95%にも達していた。
【0037】
b.MMPsの抑制実験について
相補のRNAを封じ込んだヒトの肝臓癌細胞(HHCC)を用い、ヒトのフイブロブラストと一緒に培養して、培養物の上澄を集め、SDS- PAGE膠着酵素電気泳動(SDS- PAGE Gelatin Zymography )により分析した。その結果、相補のRNAが封じ込んだHHCCは、フイブロブラストにMMPsの産出をさせる能力が大いに低下した。これは主にMMPsの量の減少によるものである。
【0038】
c.細胞の基底膜への侵蝕実験について
細胞培養の個室が24の孔がある板に置かれ、個室の底には8μm孔の濾過膜で密閉されている。マトリゲル(Matrigel )〔主要な成分はIV型膠原〕を濾過膜につけて、膠質膜となして、細胞を個室に入れて一晩中培養した。その後、膜の上の細胞を取り、膜を固定し、染色し、基底膜を通り抜けた細胞の数を計算する。その結果、相補のRNAを封じ込んだヒトの肝臓癌細胞(HHCC)は、ヒトのフイブロブラストにMMPsの産出をさせる能力が大いに低下した。MMPsの産出量が減少した場合、HHCCが膠原を退化する能力は低下し、基底膜を透過する能力も低下し、通り抜けた細胞の数が減少したということを表している。
【0039】
上に述べた結果によると、HAb18G/CD147 の相補のRNAは、そのHAb18G/CD147 の表れを阻止し、肝臓癌細胞の浸潤の力を抑制することができる。また主要な細胞の生物学的な行動も変えられる。この相補のRNAプラスミドのベクターPCI-as HAb18G/CD147 D147の優れたところは、HAb18G/CD147 の表れを有効に封じ込めることで、肝臓癌細胞の浸潤、転移を効果的に抑制することができることである。
【0040】
この発明の第3の特徴においては、HAb18G/CD147 のペプチド拮抗剤を提供する。このペプチド桔抗剤は次のような方法で得られた。
【0041】
1.HAb18G/CD147 の天然抗原の精製
(1).モノクローナル抗体HAb18はセファロース(Sepharose-4B)に結合し、親和性のカラムを調整した。
(2)、培養された大量のHHCC(ヒトの肝臓癌細胞)を解離させ、遠心機にかけ、透析したあと、最初の粗製メンブラン抗原サンプル(膜のタンパク分子)を得た。それを工程(1)で調製したセファロース(Sepharose-4B)カラムに載せ、結合、洗浄、選択、収集の手順を経て、HAb18G/CD147 の純抗原を得た。
SDS- PAGEおよびウエスターン・ブロッティング(Western blotting )の測定によって、肝臓癌抗原HAb18G/CD147 がシングルバンドで、その分子の量が60kdだと判った。
【0042】
2.モノクローナル抗体HAb18を用いて、ヒトの肝臓癌組織のcDNAライブラリーからスクリーニングし、相応する配列を得た。その配列はHAb18G/CD147 タンパク質分子と高レベルでの同族体である。
【0043】
3.HAb18G/CD147 の純抗原で12ファージのベプチドライブラリーをスクリーニングして、9個のHAb18G/CD147 の結合ベプチドが得られた。それぞれの配列は次のようなものである。
【0044】
(1) Met Thr His Asp Pro Val Ile Ser Leu Pro Thr Thr (SEQ ID NO.:2);
(2) Leu His Arg His Ser His GIy His Ser Tyr Lys Ser (SEQ ID NO.:3);
(3) Gly His Trp His Asn His Arg His Gin Ala Pro Leu (SEQ ID NO.:4);
(4) Lys Tyr Pro His Gin His Leu His Met His Asp Ser (SEQ ID NO.:5):
(5) Ile Gly Trp His Tyr Tyr Leu Arg Thr Gin His Ser (SEQ ID NO.:6);
(6) Tyr Pro Phe His His Lys His Trp His Arg Pro Asn (SEQ ID NO.:7);
(7) Ala Asn Ile Val Pr0 Ile His Ala Asn His Phe Gin (SEQ ID NO.:8):
(8) Met His Lys His Pro His Gly Ser Gin Gly Pro Thr (SEQ ID NO.:9);
(9) Tyr Lys Leu Pro Gly His His His His Tyr Arg Pro (SEQ ID NO.:10)
【0045】
4.化学合成、純化を通し、以上9個のベプチド配列が得られた。FPLCとMSの計測によって、それらの純度が95%以上に達した。
【0046】
これらの拮抗ペプチド配列のアミノ酸がL- 型アミノ酸だと考えられる。発明者は3次元の定量構成の相関関係に基づいて、HAb18G/CD147 の拮抗ペプチドに対する改造が行なわれ、桔抗剤の配列のL- 型アミノ酸をD- 型アミノ酸に置き換えた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
得られた9種類のベプチド拮抗剤の活性への研究は次の通りである。
【0048】
HAb18G/CD147 の拮抗性の活性についての研究
(1)生体外の機能実験について
細胞への浸潤力を抑制する実験を採用した。検出しようとする拮抗ペプチドは、一番下に敷かれたマトリゲル(Matrigel )膠の肝臓癌細胞およびヒトのフイブロブラストと一緒に培養したものに入れた。約20時間の経過後、マトリゲル(Matrigel )膠を通り抜けた肝臓癌細胞は、対照群と比較し、減少したかどうかをチエックし、また肝臓癌細胞の転移の抑制率を計算した。その結果は以下の通りである。
【0049】
【0050】
これらの拮抗ベプチドの中では、6個のペプチド(1、3、6、7、8、9号)が肝臓癌細胞の浸潤と転移に対する抑制があることが明らかである。最高の抑制率は90.1%にも達した。それにゼラチン・ザイモグラフィ(Gelatin zymography )の検証によって、その結果は浸潤力の抑制実験の結果と一致していた。粘着への抵抗実験の結果では、CD147 拮抗ペプチドは腫瘍細胞が細胞外の基質(ECM)タンパクの(LN)、IV型膠原,および間質細胞の粘着に対して、ある程度、遮断の働きをしていることが示唆された。
【0051】
生体外実験では、HAb18G/CD147 はその相応する肝臓癌細胞と周りのフイブロブラストと結合し、フイブロブラストが刺激され、MMPsを産出した。それで、腫瘍組織中のMMPs量と活性が著しく増加され、間質成分と血管の基底膜の膠原タンパクを退化させ、癌細胞が基底膜と結合組織を通り抜け、浸潤したり、拡散したりする。発明されたこれらの拮抗ペプチドは、細胞への浸潤力の抑制実験によって、肝臓癌細胞の転移への抑制率が−39.0〜90.1%だと示唆された。ゼラチン・ザイモグラフィ(Gelatin zymography )の検証した結果は細胞への浸潤力の抑制実験の結果と一致している。
【0052】
(2)生体内の機能実験について
ヒトの肝臓癌細胞HHCCをヌードマウスの脇の両側に接種したあと、すぐ、HAb18G/CD147 拮抗ペプチド(2.5mg/kg)を尻尾の静脈から注入した。同時に対照群を作った。その結果、AP-1とAP-6拮抗ペプチドは、肝臓癌細胞の生成を有効に抑制することが示されていた。対照群は、実験の11日目に全てのマウスには腫瘍ができた。AP-6拮抗ペプチドグループの実験には、腫瘍ができたマウスがなかった。そして、治療グループの平均生存期が対照群より2倍以上伸びた。ヒトの転移活性が強い肝臓癌細胞が接種されたあと、CD147 拮抗ペプチドを用い治療が行なわれた。その結果には、拮抗ペプチドは肝臓癌の肝臓内への拡散および肺や腹腔への転移に対するある程度の治療効果が見られた。鳥の胚胎における血管の生成(CAM)による実験の結果には、拮抗ペプチドが血管の生成を著しく遮断する効果が見られた。C57BLマウスのマトリゲル・プラグ(Matrigel Plug )血管生成の誘導実験では、CD147 拮抗ペプチドは血管の生成に明らかな遮断作用があることが示された。
【0053】
(3)免疫学方法による滑膜におけるHAb18G/CD147 の表れについて
HAb18G/CD147 モノクローナル抗体は、リューマチ(RA)関節炎と骨関節炎の滑膜に免疫をさせ染色した。その結果、リューマチ(RA)の滑膜細胞には、HAb18G/CD147 が相当に表れた。3重免疫蛍光法で流れ式の細胞標識によると次のようなことが明らかになった。(1) リューマチ患者の外周血液、滑液中にモノサイト/マクロファージと活性化のT細胞にHAb18G/CD147 が大いに表れた。(2) リューマチ炎症関節中にCCR5 、CXCR3 配合体があり、高く表れた。CCR5 とCXCR3 のThl細胞群、モノサイト/マクロファージが選択的に関節病巣に集まり、リューマチ(RA)関節軟骨と骨損傷に関わる。生体外のゼラチン・ザイモグラフィ(Gelatin zymography )および基底膜の侵入実験によると、モノサイト/マクロファージのHAb18G/CD147 の産出でフイブロブロストとの相互作用で、侵蝕を促すことになる。
【0054】
MMPsは直接に軟骨と骨組織を退化させ、間接的に血管の生成を促す。それによって、リューマチ関節を破壊していく。免疫学方法を利用して、リューマチの滑膜細胞には、HAb18G/CD147 が相当に表れたことが判った。3重免疫蛍光法で流れ式の細胞標識によって、リューマチ患者の外周血液、滑液中にモノサイト/マクロファージと活性化のT細胞にHAb18G/CD147 が大いに表れた。リューマチ(RA)炎症関節中にCCR5 、CXCR3 配合体があり、高く表れだ。CCR5 とCXCR3 のThl細胞群、モノサイト/マクロファージが選択的に関節病巣に集まり、リューマチ関節軟骨と骨損傷に関わることが検証されていた。
【0055】
生体外のゼラチン・ザイモグラフィ(Gelatin zymography )および基底膜の侵入実験によると、モノサイト/マクロファージのHAb18G/CD147 の産出でフイブロブラストと相互作用して、侵蝕を促すことになると示されていた。そこで、CD147 ペプチド拮抗剤はリューマチ関節炎と骨関節炎などの病気の治療において、潜在的な応用価値があると言える。
【0056】
以上の研究に基づいて、この発明は同時に患者の治療にその相応な方法を提供してきた。それは有効な治療に対して、この発明の第2の特徴における相補の核酸ペクトーPCI-as HAb18G、この発明の第3の特徴におけるペプチド拮抗剤および両者の組合せで、腫瘍の再発と転移、リューマチ関節炎、骨関節炎、HIVウイルスの感染とAIDS、動脈硬化症と拡張性心筋症といった予防と治療の方法が可能となる。
【0057】
同時にこの発明では、腫瘍の再発と転移、リューマチ関節炎、骨関節炎、HIVウイルスの感染とAIDS、動脈硬化症と拡張性心筋症の予防と治療のために薬物の組み合わせたものを提供してきた。上述した薬物の組み合わせたものには、第2の特徴における患者に対する有効な投与量の相補の核酸のベクターPCI-as HAb18Gと、第3の特徴におけるペプチド拮抗剤、或は両者の組み合わせを含む。そして薬学的に受容できるベクターも含まれる。これらの薬物の組み合せたものの製造には、この分野の公開した技術を利用することができる。
【0058】
この発明の相補の核酸べクターPCI-as HAb18G或いはペプチド拮抗剤の構築を利用することができる。そのほか、本発明者の研究によれば、ナノメータのリポソームで本発明の拮抗剤を包んで作られた製剤は、その衰弱期間が延ばされ、生体内の生物利用の頻度とその活性が増加された。
【0059】
以上は、本発明の内容に対しする詳細な説明である。但し、本発明はこれらの具体的な実施方法に制限されるものではない。本発明の実質に違反しない限り、本発明に対する様々な修正および変更が許されている。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明のHAb18G/CD147 分子とCD147 分子のヌクレオチド配列の比較表である。
【0001】
この発明は、バイオテクノロージィ、及び生体医学の分野に関するものである。詳細には、この発明は、肝臓癌細胞からの新たな蛋白質分子であるHAb18G/CD147 、そのHAb18G/CD147 における相補的なRNAプラスミドベクター、HAb18G/CD147 のペプチド拮抗剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、世界中で、年間約10000万人の癌患者が増え続けている。中国では、毎年1818万人の癌患者が発生し、死亡人数は140万人で、1分間で平均1.3人が癌で死亡している。また癌の発生率が急激に増え続ける傾向にある。
【0003】
WHOによると、世界では、癌による死亡人数は毎年約600万人で、この数は世界中の死亡人数の12%を占めている。1995年の中国における主な病気の死亡率と死亡原因は、悪性腫瘍が第2位で、病気による死亡人数の21.85%を占めていた。癌の発生率の高い順位は、胃癌(総死亡率の21.76%)、肝臓癌(17.83%)、肺癌(15.19%)、食道癌(15.02%)であった。また、これまで腫瘍の高再発および転移率が高いという問題が長期に亘り悩みの原因とされ、臨床治療において、解決しなければならない課題でもあった。
【0004】
現在のところ、癌細胞の浸潤、転移を抑制することは、国内外における癌治療の関心の高い問題の1つである。腫瘍の転移の特性は非常に複雑で、多くの要因が含まれている。たとえば、(1)プロティナーゼ、(2)血管の生成因子、(3)附着因子整合因子、セレクション(E-cadheri)等、(4)運動因子、(5)情報伝達ルートおよびそれに関連のある分子等である。
【0005】
腫瘍の組織への浸潤と転移には、細胞が間質細胞にプロティナーゼを分泌させるのを誘導する。プロティナーゼは、主に4種類が含まれている。すなわち、セーリンプロティナーゼ(PAS等)、システインプロティナーゼ(cathepsin B等)、アスパラギン酸プロティナーゼ(pepsin等)及びマトリックスメタロプロテティナーゼ(MMPs)である。これらのプロティナーゼの中では、メタロプロティナーゼMMPsは一番重要なものである。多くの研究では、悪性腫瘍の組織の中にMMPsの量とその活性が周りの正常組織よりも著しく高いことが見い出されている。また腫瘍の悪性の程度に相関関係があることが明らかにされている[非特許文献1:デイビース・ビー・マイルス・デイダブリュー 外(Davies B.Miles DW et al.)著,「英国癌学会誌(British cancer )」,1993年,67:p1126−1131参照]。
【0006】
現在、20種類のMMPsが発見されている。その殆どは、細胞外の全てのマトリックス(extracelluar matrix )を退化させることができる。MMPsの主な働きは次のようなものである。
【0007】
(1)間質を退化させ、膠原における癌細胞を抑制する機械的な障壁の働きを失なわさせる。
(2)基底膜の完全性を壊し、癌細胞が血管の壁を通り抜け、血液中に入るのに有利な働きをしている。
(3)細胞外マトリックス(ECM)の改造によって、腫瘍の新生血管の生成および転移病巣の形成を促進させる。
【0008】
腫瘍の浸潤、転移には、MMPsの働きが大変重要であり、癌細胞組織内のMMPsがどこから来ているのかが非常に興味深い問題であり、主な研究課題でもある。近年、多くの研究実験では、CD147 分子が腫瘍細胞膜に関係があり、それが癌の間質細胞に刺激を与え、その細胞にMMPsを分泌させていることが示されている。グオ等(Guo et al. )の研究によると、CD147 分子は、MMPsの生成を刺激することだけでなく、MMPsと一緒に癌細胞の表面に合成物を形成すること、この合成物が癌細胞の周囲にMMPsを濃縮することになり、癌細胞の周囲基質の退化に有利に働き、癌細胞の拡散と転移を容易にさせた[非特許文献2:グオ・エイチ 外(Guo H,et al.)著,「癌研究(Cancer Research )」,2000年,60(4) :p888−891参照]。
【0009】
現在、細胞外マトリックス(ECM)を退化するには、プロティナーゼの抑制剤が良く使われている。例えば、天然プロティナーゼ抑制剤である組織型のメタロプロティナーゼ抑制剤(TIMPs)がある。その抑制剤が、MMPsと結合して、MMPsの活性を抑制している。しかし組織の中のTIMPsの量は僅かであり、取り出し難い。また、組換えTIMPsは、タンパク質分子が大きくて、退化、吸収し難いという問題がある。メタロプロティナーゼ抑制剤、バティマスタット(Batimastat )〔BB−94〕等の合成のプソイドペポチドは、早期の腫瘍のMMPsの活性しか抑制をすることができない。だが、末期腫瘍が大量のMMPsを生成するので、その活性を抑制することができなくて、 III期の臨床実験の停止まで導いた。
【0010】
本発明者等は、長年に亘り肝臓癌および免疫薬物の研究に携わっている。新鮮なヒトの肝臓癌組織を用い、マウスを免疫したことがある。マウスの脾臓の細胞と骨髄の腫瘍細胞を融合させ、ハイブリドーマを得て、特異な肝臓癌抗体、HAb18を生成させた。このHAb18を配合子とし、アフィニティークロマトグラフィによって、ヒトの肝臓癌組織からの粗い膜抗原が純化され、HAb18の天然な純粋抗原が得られた。そして、そのHAb18を用い、ヒトの肝臓癌組織cDNAライブラリーからスクリーニングし、相応なコーティング配列も得られた。遺伝子バンクを調べることによって、そのアミノ酸の配列が白血球から分化された抗原CD147 分子と殆ど同族体であることを見出した。このため、HAb18は、CD147 分子家族に属すると見做されている。抗体のHAb18を用いたことから、それはHAb18/CD147 と名付けられた。類似的な分子が他の組織に見られ、その働きがそれぞれ異なっている。例えば、リューマチ関節炎および反応性関節炎の患者の外周グラヌロシトの表面[非特許文献3:ウォッチャラク,エッダフィビーグ,ステファノーバル・ジェイ(Watcharak,Eddafiebige,Stepanoval J)著,「免疫学(Immunology )」,1992年(3):p847参照]、肺癌[非特許文献4:グオ・エイチ,ズッカー・エス 外(Guo H,Zucker S et al. )著,「生物化学(J Biol Chem )」,1997年,272(1) :p24参照]、脳[非特許文献5:シュロッシャウアー・ビイ,ヘルゾーグ・ケイ・エイチ(Schlosshauer B,Herzog K.H.)著,「細胞生物学(J Cell Biology)」,1990年,110(4) :p1261参照]等の組織に見られた。
【0011】
マトリゲル- ボイデン・チャンバー及びゼラチン・ザイモグラフィ(Matrigel-boyden chamber and gelatin zymography )の実験分析によって、HAb18/CD147 分子の肝臓癌における働きは、CD147 分子の他の腫瘍での働きと同様で、肝臓癌細胞の浸潤と転移を大いに促進し、肝臓癌の転移に相関関係があると検証されていた。そのメカニズムは、それが肝臓癌細胞の周りの間質細胞を誘導し、それにMMPsを分泌させた点にある。MMPsは肝臓癌細胞に周りのマトリックスの成分を退化させ、肝臓癌細胞の転移を促進した。以上の研究結果に基づいて、HAb18/CD147 は、正常の組織には殆ど見られないこと及び肝臓癌等の腫瘍組織に多く見られたことから、HAb18/CD147 分子の働きを遮断することで、肝臓癌等の腫瘍の転移を抑制することができると言える。
【0012】
中国では、リューマチ関節炎(RA)における成人の発生率は約0.3%で、患者数が300万人にも達している。その特徴は患者年齢が若く、障害になる率も高い。幼い型のリューマチが結合組織病で、子供等にもよく見られる。その特徴は、全身の関節の増殖性及び侵蝕性滑膜炎に及んでいて、一生にその再発が繰り返される。その増殖性と壊滅的な病理変化から、リューマチは、極限的な悪性腫瘍だと見做されている。その自発的に軽減されることは滅多に見られない。その末期には関節の軟骨と骨の損傷をすることにより、関節は硬直し、変形して、正常に働かなくなってくる。その病理変化は心臓、肺、動脈、神経及び目等の結合組織が侵されてしまうことになる。
【0013】
リューマチ(RA)には有効な治療法がない。90年代以来、国内外の学者等は、結核病と悪性腫瘍の治療法を採り入れ、リューマチの治療に取り組んでいる。これは良い1効果をもたらした。一部分の患者の病状は軽減され、生活の質も向上した。しかし、この組合せによる治療方法は、完壁な治療ではない。軟骨と骨への侵蝕が抑制されていないことは、依然として解決されていないままである。リューマチ(RA)の病理学的特徴は、滑膜の下地で増殖し過ぎ、膜の下層に大量の炎症が発生し、モノクローナル核細胞が侵蝕されていることである。滑膜細胞などのフイブロブラストと滑膜組織のマクロファージが、関節損傷に最も重要な役割を果たしている。これらの細胞は大量のMMPsを産出すると見られる。MMPsは協力作用の方式で滑膜、関節の軟骨及び軟骨の中の全ての主要な細胞外のマトリックス(ECM)を消化してしまう。リューマチ滑膜内のCD147 は上がると、部分的にMMP-1、MMP-2、MMP-3等のポリメラーゼが生じる。また、MMPsとTIMPsとの不均衡をもたらし、最後にリューマチ(RA)関節の破滅に至る。
【0014】
MMPsは直接的に軟骨、骨組織を退化させ、間接的に血管の促進をさせ、リューマチ(RA)関節の壊滅に強く関与している。だから、MMPsを抑制することはリューマチ(RA)治療方法の一つと言える。人間の寿命が伸びるにつれて、関節炎の発生率も高くなってきた。軟骨細胞、滑膜細胞およびフイブロブラストが、MMPsを生成し骨関節炎の発生に重要な働きをしている。しかし、今日まで、プロティナーゼ阻害剤を使って、ECM退化への抵抗に関する臨床実験の結果は、上述した腫瘍の転移を抑制する治療の効果と同じように、望ましいものではなかった。そこで、有効なCD147 のペプチド拮抗剤を選び、高レベルで細胞のMMPs分泌を遮断することが、リューマチ関節炎と骨関節炎における治療方法の一つであり、今後の治療方法の方向でもある。
【0015】
AIDSは、人類社会に未曾有の最も破滅的な病気である。AIDSは発生してから、6000万人余りの人々がHIVウイルスに感染した。世界では第4の殺し屋になったが、しかし、未だに特効薬がない。
【0016】
HIV-1は、サイクロフィリンA(CyPA)と複合を生成する。そのサイクロフィリンAが細胞膜の受容体CD147 分子と結合し、ウイルスの細胞への浸入を促進することは、もう明らかになっている。ウイルスの細胞への浸入を遮断することは、AIDSの予防と治療において最も重要な一歩である。
【0017】
HIVウイルスは、AIDSの病原体である。HIVに感染した宿主の細胞における一つの重要な通路は、CD147 分子の媒介によるものである。だから、有効なCD147 分子のペプチド拮抗剤を用い、HIVとCD147 分子の結合を遮断することによって、AIDSの予防と治療のための新しい手段が提供できる。
【0018】
最近の研究では、CD147 が動脈硬化症と拡張性心筋症の発生にも関与していることが発見された。このため、CD147 分子の拮抗剤がこれらの病気の予防と治療には潜在的な応用価値を持っていると言える。
【0019】
【非特許文献1】
デイビース・ビー・マイルス・デイダブリュー 外(Davies B.Miles DW et al.)著,「英国癌学会誌(British cancer )」,1993年,67:p1126−1131
【非特許文献2】
グオ・エイチ 外(Guo H,et al.)著,「癌研究(Cancer Research )」,2000年,60(4) :p888−891
【非特許文献3】
ウォッチャラク,エッダフィビーグ,ステファノバル・ジェイ(Watcharak,Eddafiebige,Stepanoval J)著,「免疫学(Immunology )」,1992年(3): p847
【非特許文献4】
グオ・エイチ,ズッカー・エス 外(Guo H,Zucker S et al. )著,「生物化学(J Biol Chem )」,1997年,272(1) :p24
【非特許文献5】
シュロッシャウアー・ビイ,ヘルゾーグ・ケイ・エイチ(Schlosshauer B,Herzog K.H.)著,「細胞生物学(J Cell Biology)」,1990年,110(4) :p1261
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
この発明の第1の特徴は、肝臓癌組織からの新たなタンパク質分子であるHAb18G/CD147 を提供することである。そのアミノ酸の配列がSEQ ID NO.:1のように示されている。
【0021】
この発明の第2の特徴は、HAb18G/CD147 分子の相補的な核酸のベクターPCI-as HAb18Gを提供することにある。
【0022】
この発明の第3の特徴は、HAb18G/CD147 のペプチド拮抗剤を提供することにある。そのアミノ酸の配列は次のようなものである。
【0023】
(1) Met Thr His Asp Pro Val Ile Ser Leu Pro Thr Thr (SEQ ID NO.:2);
(2) Leu His Arg His Ser His GIy His Ser Tyr Lys Ser (SEQ ID NO.:3);
(3) Gly His Trp His Asn His Arg His Gin Ala Pro Leu (SEQ ID NO.:4);
(4) Lys Tyr Pro His Gin His Leu His Met His Asp Ser (SEQ ID NO.:5):
(5) Ile Gly Trp His Tyr Tyr Leu Arg Thr Gin His Ser (SEQ ID NO.:6);
(6) Tyr Pro Phe His His Lys His Trp His Arg Pro Asn (SEQ ID NO.:7);
(7) Ala Asn Ile Val Pr0 Ile His Ala Asn His Phe Gin (SEQ ID NO.:8):
(8) Met His Lys His Pro His Gly Ser Gin Gly Pro Thr (SEQ ID NO.:9);
或いは
(9) Tyr Lys Leu Pro Gly His His His His Tyr Arg Pro (SEQ ID NO.:10)
【0024】
この発明の第4の特徴は、次のような病気の予防と治療における方法を提供することにある。それらは腫瘍の再発と転移、リューマチ関節炎、骨関節炎、HIVウイルスの感染とAIDS、動脈硬化症と拡張性心筋症である。上述した方法には、第2の特徴の患者に対する有効な投与量の相補の核酸のベクターPCI-as HAb18Gと第3の特徴のペプチド桔抗剤、或は両者の組み合わせを含む。
【0025】
この発明の第5の特徴は、腫瘍の再発と転移、リューマチ関節炎、骨関節炎、HIVウイルスの感染とAIDS、動脈硬化症と拡張性心筋症の予防と治療のために、薬剤組成物を提供することにある。上述した薬剤組成物には、第2の特徴における患者に対する有効な投与量の相補の核酸のベクターPCI-as HAb18Gと第3の特徴におけるペプチド桔抗剤、或は両者の組み合わせを含む。そして薬学的に受容できるベクターも含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0026】
この発明の第1の特徴においては、肝臓癌細胞からの新しいタンパク質分子HAb18G/CD147 を提供する。
【0027】
1.HAb18G/CD147 の天然純抗原の精製について
(1)モノクローナル抗体HAb18はセファロース(Sepharose-4B)カラムに結合し、親和性の円柱を作った。
(2)培養された大量のHHCC(ヒトの肝臓癌細胞)を解離させ、遠心機にかけ、透析したあと、最初の粗いメンブラン抗原サンプル(膜のタンパク質分子)を得た。それを調製したセファロース(Sepharose-4B)カラムに載せ、結合、溶離、収集の手順を経て、HAb18G/CD147 の純抗原を得た。
【0028】
SDS -PAGEおよびウエスターン・ブロッティング(Western blotting )の測定によって、肝臓癌抗原HAb18G/CD147 がシングルバンドであり、その分子量が60kdだと判った。
【0029】
2.HAb18G/CD147 のクローニングについて
モノクローナル抗体HAb18を用いて、ヒトの肝臓癌組織のcDNAライブラリーからスクリーニングし、相応なコード配列が得られ、HAb18G/CD147 タンパク分子として表している。HAb18G/CD147 は269個のアミノ酸からなっている。そのN端はシグナル・ペプチドの配列となって、疎水性残基(hydrophobic residues)が多く含まれている。そのあとには、膜外の機能部位となっている。206から229までは、24個のアミノ酸が膜貫通ドメインを構成する。C- ターミナルからは、細胞内結構部位が39個のアミノ酸から構成されている。その分子HAb18G/CD147 には大量の翻訳後修飾が存在する。その種類や器官によってグリコシル化(glycosylation )の様式が異なっている。そこで、肝臓癌組織に見出されたHAb18G/CD147 分子は、その最初段階の構造がCD147 分子と同族体だと判ったが、そのグリコシル化が他の組織における類似的な分子とは異る可能性があるので、その働きも相違するかもしれない。
【0030】
3.HAb18G/CD147 の機能に関する研究について
HAb18G/CD147 分子の主な働きはフイブロブラストに刺戟を与え、それにMMPsを生じさせることである。発明者は純化されたHAb18G/CD147 抗原でヒトのフイブロブラストを刺激した結果、以上の結論が証明された。その具体的な方法は次のように行った。
【0031】
まず、純化されたHAb18G/CD147 をヒトのフイブロブラストと一緒に培養し、培養された上澄の水のサンプルをSDS- PAGE電気泳動に付にした。その電気泳動とは、常用のプロテイン電気泳動と違ってその分離の膠質には1.0mg/mlのゼラチン(gelatin )が含まれ、濃度は5%である。サンプルは煮込まず、その溶液にDTTを含ないこと、電気泳動したあと、そのゲル(gel )は室温で2回洗浄し、洗浄は毎回45分間である。それから、0.1mol/L NaClで2回洗浄し、洗浄は毎回20分間である。最後に、そのゲル(gel )は、37度の培養液に入れ、24時間以上温置する。0.5%(w/v)クーマシー・ブルー(Coomassie Blue )で染色したあと、脱色し、ゲルのブルーの背景には出てきたMMPsが透明のバンドとなった、これは最も良い効果になったと考えられる。
【0032】
ザイモグラフ法では、フイブロブラストは純化されたHAb18G/CD147 の刺激を受けたあと、産出したMMPs量と種類が明らかな差があることが示されている。すなわち、ブルーのゲル(gel )には分子量の異る3つの白いバンドが現われた。それはそれぞれ、92KDのMMP-9ザイモゲン、86KDの化性物、72KDのMMP-2ザイモゲンおよび68KDのMMP-2の活性物;43KDのI型のMTI- MMPである。
【0033】
機能実験からHAb18G/CD147 は、主にフイブロブラストを刺激し、それに何種類かのMMPsを産出させた。そのMMPsは肝臓癌細胞の転移と浸潤活動を活発したことがわかった。そこで、発明者等はその表われた量を減少させる方法や手段を探さずには居れず、肝臓癌患者に遺伝子の治療法を施した。相補の核酸が述べられる手段の一つである。
【0034】
この発明の第2の特徴においては、HAb18G/CD147 分子の相補の核酸ベクターPCI-as HAb18Gを提供する。
【0035】
1.HAb18G/CD147 における相補のRNAプラスミドの構築について
XbaIとXhoI酵素を使ってもとのプラスミドベクターPBlue script ks(+/-)HAb18Gを切断した。そのプラスミドベクターが発明者の実験室で構築された。酵素分解したあと、HAb18G/CD147 cDNAの全長が得られた。それをXbaIとXhoI酵素の真核のベクターPCI-neo〔アメリカ合衆国、ウィスコンシン州、マディソン所在のプロメガ社(Promega company,Madison,WI,USA)〕に接続した。分解酵素の配列が反対なので、HAb18G/CD147 cDNAは逆に酵素ベクターに接続されてしまった。そこで、HAb18G/CD147 mRNAと補い合う相補のRNAが転写された。その結果、HAb18G/CD147 mRNAの翻訳を阻止し、HAb18G/CD147 の表れが封じ込まれた。
【0036】
2.HAb18G/CD147 における相補のRNAプラスミドの機能について
a.導入されていた肝臓癌細胞のHAb18G/CD147 と導入されていないものとの比較
肝臓癌細胞がPCI-as HAb18Gで導入されていたあと、その細胞の免疫化の染色の強度が著しく低下したことや細胞膜の表面蛍光強度も弱めになったことがFACSの分析と免役学的な方法によって証明された。これらの変化は、主に相補のRNAがHAb18G/CD147 の表れを封じ込めたことによるものである。封じ込め効率は95%にも達していた。
【0037】
b.MMPsの抑制実験について
相補のRNAを封じ込んだヒトの肝臓癌細胞(HHCC)を用い、ヒトのフイブロブラストと一緒に培養して、培養物の上澄を集め、SDS- PAGE膠着酵素電気泳動(SDS- PAGE Gelatin Zymography )により分析した。その結果、相補のRNAが封じ込んだHHCCは、フイブロブラストにMMPsの産出をさせる能力が大いに低下した。これは主にMMPsの量の減少によるものである。
【0038】
c.細胞の基底膜への侵蝕実験について
細胞培養の個室が24の孔がある板に置かれ、個室の底には8μm孔の濾過膜で密閉されている。マトリゲル(Matrigel )〔主要な成分はIV型膠原〕を濾過膜につけて、膠質膜となして、細胞を個室に入れて一晩中培養した。その後、膜の上の細胞を取り、膜を固定し、染色し、基底膜を通り抜けた細胞の数を計算する。その結果、相補のRNAを封じ込んだヒトの肝臓癌細胞(HHCC)は、ヒトのフイブロブラストにMMPsの産出をさせる能力が大いに低下した。MMPsの産出量が減少した場合、HHCCが膠原を退化する能力は低下し、基底膜を透過する能力も低下し、通り抜けた細胞の数が減少したということを表している。
【0039】
上に述べた結果によると、HAb18G/CD147 の相補のRNAは、そのHAb18G/CD147 の表れを阻止し、肝臓癌細胞の浸潤の力を抑制することができる。また主要な細胞の生物学的な行動も変えられる。この相補のRNAプラスミドのベクターPCI-as HAb18G/CD147 D147の優れたところは、HAb18G/CD147 の表れを有効に封じ込めることで、肝臓癌細胞の浸潤、転移を効果的に抑制することができることである。
【0040】
この発明の第3の特徴においては、HAb18G/CD147 のペプチド拮抗剤を提供する。このペプチド桔抗剤は次のような方法で得られた。
【0041】
1.HAb18G/CD147 の天然抗原の精製
(1).モノクローナル抗体HAb18はセファロース(Sepharose-4B)に結合し、親和性のカラムを調整した。
(2)、培養された大量のHHCC(ヒトの肝臓癌細胞)を解離させ、遠心機にかけ、透析したあと、最初の粗製メンブラン抗原サンプル(膜のタンパク分子)を得た。それを工程(1)で調製したセファロース(Sepharose-4B)カラムに載せ、結合、洗浄、選択、収集の手順を経て、HAb18G/CD147 の純抗原を得た。
SDS- PAGEおよびウエスターン・ブロッティング(Western blotting )の測定によって、肝臓癌抗原HAb18G/CD147 がシングルバンドで、その分子の量が60kdだと判った。
【0042】
2.モノクローナル抗体HAb18を用いて、ヒトの肝臓癌組織のcDNAライブラリーからスクリーニングし、相応する配列を得た。その配列はHAb18G/CD147 タンパク質分子と高レベルでの同族体である。
【0043】
3.HAb18G/CD147 の純抗原で12ファージのベプチドライブラリーをスクリーニングして、9個のHAb18G/CD147 の結合ベプチドが得られた。それぞれの配列は次のようなものである。
【0044】
(1) Met Thr His Asp Pro Val Ile Ser Leu Pro Thr Thr (SEQ ID NO.:2);
(2) Leu His Arg His Ser His GIy His Ser Tyr Lys Ser (SEQ ID NO.:3);
(3) Gly His Trp His Asn His Arg His Gin Ala Pro Leu (SEQ ID NO.:4);
(4) Lys Tyr Pro His Gin His Leu His Met His Asp Ser (SEQ ID NO.:5):
(5) Ile Gly Trp His Tyr Tyr Leu Arg Thr Gin His Ser (SEQ ID NO.:6);
(6) Tyr Pro Phe His His Lys His Trp His Arg Pro Asn (SEQ ID NO.:7);
(7) Ala Asn Ile Val Pr0 Ile His Ala Asn His Phe Gin (SEQ ID NO.:8):
(8) Met His Lys His Pro His Gly Ser Gin Gly Pro Thr (SEQ ID NO.:9);
(9) Tyr Lys Leu Pro Gly His His His His Tyr Arg Pro (SEQ ID NO.:10)
【0045】
4.化学合成、純化を通し、以上9個のベプチド配列が得られた。FPLCとMSの計測によって、それらの純度が95%以上に達した。
【0046】
これらの拮抗ペプチド配列のアミノ酸がL- 型アミノ酸だと考えられる。発明者は3次元の定量構成の相関関係に基づいて、HAb18G/CD147 の拮抗ペプチドに対する改造が行なわれ、桔抗剤の配列のL- 型アミノ酸をD- 型アミノ酸に置き換えた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
得られた9種類のベプチド拮抗剤の活性への研究は次の通りである。
【0048】
HAb18G/CD147 の拮抗性の活性についての研究
(1)生体外の機能実験について
細胞への浸潤力を抑制する実験を採用した。検出しようとする拮抗ペプチドは、一番下に敷かれたマトリゲル(Matrigel )膠の肝臓癌細胞およびヒトのフイブロブラストと一緒に培養したものに入れた。約20時間の経過後、マトリゲル(Matrigel )膠を通り抜けた肝臓癌細胞は、対照群と比較し、減少したかどうかをチエックし、また肝臓癌細胞の転移の抑制率を計算した。その結果は以下の通りである。
【0049】
【0050】
これらの拮抗ベプチドの中では、6個のペプチド(1、3、6、7、8、9号)が肝臓癌細胞の浸潤と転移に対する抑制があることが明らかである。最高の抑制率は90.1%にも達した。それにゼラチン・ザイモグラフィ(Gelatin zymography )の検証によって、その結果は浸潤力の抑制実験の結果と一致していた。粘着への抵抗実験の結果では、CD147 拮抗ペプチドは腫瘍細胞が細胞外の基質(ECM)タンパクの(LN)、IV型膠原,および間質細胞の粘着に対して、ある程度、遮断の働きをしていることが示唆された。
【0051】
生体外実験では、HAb18G/CD147 はその相応する肝臓癌細胞と周りのフイブロブラストと結合し、フイブロブラストが刺激され、MMPsを産出した。それで、腫瘍組織中のMMPs量と活性が著しく増加され、間質成分と血管の基底膜の膠原タンパクを退化させ、癌細胞が基底膜と結合組織を通り抜け、浸潤したり、拡散したりする。発明されたこれらの拮抗ペプチドは、細胞への浸潤力の抑制実験によって、肝臓癌細胞の転移への抑制率が−39.0〜90.1%だと示唆された。ゼラチン・ザイモグラフィ(Gelatin zymography )の検証した結果は細胞への浸潤力の抑制実験の結果と一致している。
【0052】
(2)生体内の機能実験について
ヒトの肝臓癌細胞HHCCをヌードマウスの脇の両側に接種したあと、すぐ、HAb18G/CD147 拮抗ペプチド(2.5mg/kg)を尻尾の静脈から注入した。同時に対照群を作った。その結果、AP-1とAP-6拮抗ペプチドは、肝臓癌細胞の生成を有効に抑制することが示されていた。対照群は、実験の11日目に全てのマウスには腫瘍ができた。AP-6拮抗ペプチドグループの実験には、腫瘍ができたマウスがなかった。そして、治療グループの平均生存期が対照群より2倍以上伸びた。ヒトの転移活性が強い肝臓癌細胞が接種されたあと、CD147 拮抗ペプチドを用い治療が行なわれた。その結果には、拮抗ペプチドは肝臓癌の肝臓内への拡散および肺や腹腔への転移に対するある程度の治療効果が見られた。鳥の胚胎における血管の生成(CAM)による実験の結果には、拮抗ペプチドが血管の生成を著しく遮断する効果が見られた。C57BLマウスのマトリゲル・プラグ(Matrigel Plug )血管生成の誘導実験では、CD147 拮抗ペプチドは血管の生成に明らかな遮断作用があることが示された。
【0053】
(3)免疫学方法による滑膜におけるHAb18G/CD147 の表れについて
HAb18G/CD147 モノクローナル抗体は、リューマチ(RA)関節炎と骨関節炎の滑膜に免疫をさせ染色した。その結果、リューマチ(RA)の滑膜細胞には、HAb18G/CD147 が相当に表れた。3重免疫蛍光法で流れ式の細胞標識によると次のようなことが明らかになった。(1) リューマチ患者の外周血液、滑液中にモノサイト/マクロファージと活性化のT細胞にHAb18G/CD147 が大いに表れた。(2) リューマチ炎症関節中にCCR5 、CXCR3 配合体があり、高く表れた。CCR5 とCXCR3 のThl細胞群、モノサイト/マクロファージが選択的に関節病巣に集まり、リューマチ(RA)関節軟骨と骨損傷に関わる。生体外のゼラチン・ザイモグラフィ(Gelatin zymography )および基底膜の侵入実験によると、モノサイト/マクロファージのHAb18G/CD147 の産出でフイブロブロストとの相互作用で、侵蝕を促すことになる。
【0054】
MMPsは直接に軟骨と骨組織を退化させ、間接的に血管の生成を促す。それによって、リューマチ関節を破壊していく。免疫学方法を利用して、リューマチの滑膜細胞には、HAb18G/CD147 が相当に表れたことが判った。3重免疫蛍光法で流れ式の細胞標識によって、リューマチ患者の外周血液、滑液中にモノサイト/マクロファージと活性化のT細胞にHAb18G/CD147 が大いに表れた。リューマチ(RA)炎症関節中にCCR5 、CXCR3 配合体があり、高く表れだ。CCR5 とCXCR3 のThl細胞群、モノサイト/マクロファージが選択的に関節病巣に集まり、リューマチ関節軟骨と骨損傷に関わることが検証されていた。
【0055】
生体外のゼラチン・ザイモグラフィ(Gelatin zymography )および基底膜の侵入実験によると、モノサイト/マクロファージのHAb18G/CD147 の産出でフイブロブラストと相互作用して、侵蝕を促すことになると示されていた。そこで、CD147 ペプチド拮抗剤はリューマチ関節炎と骨関節炎などの病気の治療において、潜在的な応用価値があると言える。
【0056】
以上の研究に基づいて、この発明は同時に患者の治療にその相応な方法を提供してきた。それは有効な治療に対して、この発明の第2の特徴における相補の核酸ペクトーPCI-as HAb18G、この発明の第3の特徴におけるペプチド拮抗剤および両者の組合せで、腫瘍の再発と転移、リューマチ関節炎、骨関節炎、HIVウイルスの感染とAIDS、動脈硬化症と拡張性心筋症といった予防と治療の方法が可能となる。
【0057】
同時にこの発明では、腫瘍の再発と転移、リューマチ関節炎、骨関節炎、HIVウイルスの感染とAIDS、動脈硬化症と拡張性心筋症の予防と治療のために薬物の組み合わせたものを提供してきた。上述した薬物の組み合わせたものには、第2の特徴における患者に対する有効な投与量の相補の核酸のベクターPCI-as HAb18Gと、第3の特徴におけるペプチド拮抗剤、或は両者の組み合わせを含む。そして薬学的に受容できるベクターも含まれる。これらの薬物の組み合せたものの製造には、この分野の公開した技術を利用することができる。
【0058】
この発明の相補の核酸べクターPCI-as HAb18G或いはペプチド拮抗剤の構築を利用することができる。そのほか、本発明者の研究によれば、ナノメータのリポソームで本発明の拮抗剤を包んで作られた製剤は、その衰弱期間が延ばされ、生体内の生物利用の頻度とその活性が増加された。
【0059】
以上は、本発明の内容に対しする詳細な説明である。但し、本発明はこれらの具体的な実施方法に制限されるものではない。本発明の実質に違反しない限り、本発明に対する様々な修正および変更が許されている。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明のHAb18G/CD147 分子とCD147 分子のヌクレオチド配列の比較表である。
Claims (9)
- 肝臓癌組織から由来するおよび肝臓癌などの腫瘍の転移を促進するタンパク質分子HAb18G/CD147 であって、前記タンパク質分子は白血球分化抗原であるCD147 分子の遺伝子の配列と高度な同族であり、かつCD147 家族系列に属し、前記タンパク質分子は肝臓癌の特異性なモノクローナル抗体HAb18のアフィニティクロマトグラフィによって肝臓癌の膜抗原の粗製試料から得られた天然な純抗原であり、或いはモノクローナル抗体を使ってヒトの肝臓癌組織cDNAライブラリーをスクリーニングしてなるタンパク分子であり、そのアミノ酸の配列がSEQ ID NO.:1のように示されていることを特徴とするタンパク質分子HAb18G/CD147 。
- 肝臓癌の転移にかかわるタンパク分子HAb18G/CD147 分子の相補の核酸のベクターPCI-neo/as HAb18Gであって、HAb18G/CD147 cDNAの全長の配列を真核発現ベクターPCI-neoに反対に接続したもので、相補のRNAプラスミドが出来上り、これによりHAb18G/CD147 mRNAの翻訳を阻止することを特徴とする核酸のベクターPCI-neo/as HAb18G。
- 次のようなアミノ酸の配列を持つことを特徴とするHAb18G/CD147 のペプチド拮抗剤。
(1) Met Thr His Asp Pro Val Ile Ser Leu Pro Thr Thr (SEQ ID NO.:2);
(2) Leu His Arg His Ser His GIy His Ser Tyr Lys Ser (SEQ ID NO.:3);
(3) Gly His Trp His Asn His Arg His Gin Ala Pro Leu (SEQ ID NO.:4);
(4) Lys Tyr Pro His Gin His Leu His Met His Asp Ser (SEQ ID NO.:5):
(5) Ile Gly Trp His Tyr Tyr Leu Arg Thr Gin His Ser (SEQ ID NO.:6);
(6) Tyr Pro Phe His His Lys His Trp His Arg Pro Asn (SEQ ID NO.:7);
(7) Ala Asn Ile Val Pr0 Ile His Ala Asn His Phe Gin (SEQ ID NO.:8):
(8) Met His Lys His Pro His Gly Ser Gin Gly Pro Thr (SEQ ID NO.:9);
或いは
(9) Tyr Lys Leu Pro Gly His His His His Tyr Arg Pro (SEQ ID NO.:10) - 前記ペプチド拮抗剤が固相合成によって合成されるものであることを特徴とする請求項3に記載のHAb18G/CD147 のペプチド拮抗剤。
- 前記HAb18G/CD147 ペプチド拮抗剤の配列の中のアミノ酸はL- 型アミノ酸であることを特徴とする請求項3に記載のHAb18G/CD147 のペプチド拮抗剤。
- 前記HAb18G/CD147 ペプチド拮抗剤の配列の中のアミノ酸はD- 型アミノ酸であることを特徴とする請求項3に記載のHAb18G/CD147 のペプチド拮抗剤。
- 腫瘍の再発と転移、リューマチ関節炎、骨関節炎、HIVウイルスの感染とAIDS、動脈硬化症と拡張性心筋症の予防と治療のための方法であって、該方法は患者の治療に対する有効な投与量における請求項2に記載の相補の核酸のベクターPCI-neo/as HAb18G或いは請求項3に記載のペプチド拮抗剤或いは両者の組合せを含むことを特徴とする予防と治療のための方法。
- 腫瘍の再発と転移、リューマチ関節炎、骨関節炎、HIVウイルスの感染とAIDS、動脈硬化症と拡張性心筋症の予防と治療のために使う薬剤組成物であって、治療に対する有効な投与量における請求項2に記載の相補の核酸のベクターPCI-as HAb18G/CD147 或いは請求項3に記載のペプチド拮抗剤或いは両者の組合せ、薬学的に許容できるベクターを含むことを特徴とする薬剤組成物。
- ナノメータのリポゾームで包んだ請求項3〜6のいずれか一項に記載のHAb18G/CD147 ペプチド拮抗剤を含むことを特徴とする請求項8に記載の薬剤組成物。
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