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JP2005354617A - A/d変換器試験装置及びa/d変換器の生産方法 - Google Patents

A/d変換器試験装置及びa/d変換器の生産方法 Download PDF

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JP2005354617A JP2004175970A JP2004175970A JP2005354617A JP 2005354617 A JP2005354617 A JP 2005354617A JP 2004175970 A JP2004175970 A JP 2004175970A JP 2004175970 A JP2004175970 A JP 2004175970A JP 2005354617 A JP2005354617 A JP 2005354617A
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Yasumasa Yoshikawa
泰正 吉川
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】高精度な非直線性誤差の測定を行い、且つデータ処理時間を大幅に削減するA/D変換器試験装置を提供する。
【解決手段】本発明のA/D変換器試験装置は、被試験A/D変換器に測定信号を供給する信号発生手段と、前記測定信号を入力した被試験A/D変換器が第1のクロック信号に同期して出力するディジタルコードを前記第1のクロック信号に同期して演算処理し、各ディジタルコードの発生に係る統計値を計数する統計処理手段と、前記統計値を前記第1のクロックに同期して記録するメモリと、前記メモリに記録された各ディジタルコードの統計値と、前記統計値の累計値と、を用いて、所定の演算処理を行い非直線性誤差を出力する演算手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、A/D変換器試験装置及びA/D変換器の生産方法に関する。
A/D変換器の精度を表す重要な仕様の一つに、積分非直線性誤差、及び、微分非直線性誤差がある。積分非直線性誤差とは、理想変換直線と測定値との偏差を表し、微分非直線性誤差とは出力ディジタルコードを1LSB変化させる電圧幅の理想値と測定値との偏差を表す。非直線性誤差特性は、高分解能画像処理アプリケーション用途に用いるA/D変換器おいては特に重要な仕様であり、製造工程において各々のA/D変換器に対してそれぞれ正確に試験する必要がある。
積分非直線性誤差と微分非直線性誤差を試験する一般的な方法の一つとして、高い分解能を有するD/A変換器を用いて被試験A/D変換器の入力電圧を順次変化していき、被試験A/D変換器の出力コードが遷移する点における、被試験A/D変換器の入力電圧と出力コードの関係から計算により非直線誤差を求める方法がある。
しかしながら、原理的な問題として、被試験であるA/D変換器は、入力アナログ電圧と出力ディジタルコードとの間の遷移点は単純には確定せず、A/D変換器を構成するIC内部におけるショットキー雑音、ホワイト雑音、熱雑音、1/f雑音、クロストーク雑音等が原因し、遷移点は通常変動してしまう。この遷移点のランダム性の影響で、特に高分解能A/D変換器の高精度な測定は難しいとされている。
そこで、統計的な処理を用いることにより、各ディジタルコードの遷移点を正確に算出することで、非直線性誤差を高精度に測定できる測定装置が提案されている。例えば、特許文献1に示されているA/D変換器試験装置(以下、第1の従来例)は、図6に示すように、所定の測定信号を発生し、被試験A/D変換器に供給する信号発生回路21と、測定信号に応じて被試験A/D変換器22により出力されたディジタルコードを記録するメモリ23と、メモリ23に記録されたディジタルコードを用いて、所定の演算処理を行う演算回路24と、ディジタルコードを記録するメモリ23のアドレスを発生するカウンタ25と、を有する構成である。
この第1の従来例の動作、及び、処理手順を図6、及び、図7に従い説明する。信号発生回路21が発生する所定の傾きを有するランプ信号SC を被試験A/D変換器22に入力する(ステップS1)。被試験A/D変換器22は入力した測定信号SC のレベルに応じたディジタルコードDi (i=1,2,…,M、Mはサンプル数)を出力する(ステップS2)。メモリ23は、A/D変換器22からのM個のディジタルコードDiを、クロック信号CLKを計数するカウンタ25により発生されたアドレスCiに対応した番地に順次記録する(ステップS11)。
演算回路24は、メモリ23に記録されたM個のディジタルコードに基づき、被試験A/D変換器22の非直線性誤差特性を求める。まず、演算回路24は、メモリ23から記録されたディジタルコードDiを順次読み出し(ステップS12)、各ディジタルコードの出現回数CNTj(j=1,2,…,2N−1、Nは被試験A/D変換器22のビット数)をカウントし(ステップS3)、この処理をサンプル数M回繰り返すことで、M個のサンプルに対する各ディジタルコードの出現回数CNTjをそれぞれ算出する。各ディジタルコードにおける非直線性誤差は、上記の各ディジタルコードの実際の出現回数と出現回数の期待値(誤差のない直線性を実現する理想値)との関係から所定の演算により算出することができる(ステップS6)。
しかし第1の従来例においては、被試験A/D変換器22に供給される入力信号に対する出力ディジタルコードをメモリ23に記録するという処理をサンプル数M回分繰り返した後、メモリ23に記録されたM個の出力ディジタルコードに基づき、各ディジタルコードの出現回数CNTjを計数する統計処理演算をサンプル数M回繰り返す必要があり、メモリ23からのディジタルコードの読み出しや統計演算処理に時間がかかり試験時間が長くなるという欠点がある。このとき、サンプル数Mの個数は、入力測定信号のステップ分解能や測定の平均回数にもよるが、通常Nビットの被試験A/D変換器22の総ディジタルコード数2Nよりも極めて大きい値をとる。例えば、12ビットの被試験A/D変換器に対して、被試験A/D変換器の1LSB電圧幅に対して1/8LSB精度のステップ分解能の入力測定信号を印加し、測定平均回数を8回とすると、サンプル数Mは262144(=212×8×8)以上必要となり、総ディジタルコード数2N=4096(=212)よりも極めて大きな値をとることになる。
上述した第1の従来例の問題である統計演算にかかる処理時間を短縮するためには、ディジタルコードの出現回数を算出する統計演算を、被試験A/D変換器が出力する被試験データであるディジタルコードをメモリに記録する以前に、逐次処理する方法が考えられる。これを第2の従来例とする。
この第2の従来例の統計処理の動作を図8及び図9に従い説明する。図8は、第2の従来例の統計処理動作を示すブロック図であり、図9は、被試験A/D変換器より出力されたディジタルコードDiがjとj+1付近におけるタイミングチャートである。第2の従来例の統計処理回路は、Nビットの被試験A/D変換器に対しては、その被試験A/D変換器から出力される総ディジタルコード2N個分、つまり、0から2N−1までの2N個のディジタルコードに対応する2N個の比較器31と2N個の計数カウンタ32で構成される。
クロック信号CLKに同期して被試験A/D変換器より出力されたディジタルコードDiを、比較器31は即座に0から2N−1までのディジタルコードと比較し、カウンタ32は一致したディジタルコードに対応するカウンタの値CNTjをクロック信号CLKに同期してカウントアップする。この動作を、サンプル数分繰り返すことで、各々のディジタルコードの出現回数を計数することができる。
しかし第2の従来例においては、2N個の比較器と2N個のカウンタが必要であり、Nの値が大きい高精度なA/D変換器の試験にこの方法を適用しようとすると回路規模が極端に大きくなるという問題がある。
特開平11―261417号公報
上述した第1の従来例のA/D変換器試験装置では、被試験A/D変換器に供給される入力信号に対する出力ディジタルコードをメモリ23に記録するという処理をサンプル数M回分繰り返した後、つまり、全試験データを取得した後、メモリ23に記録されたM個の出力ディジタルコードに基づき、各ディジタルコードの出現回数を計数する統計処理演算をサンプル数M回繰り返す必要があった。それ故に、メモリからのディジタルコードの読み出しや統計演算処理に時間がかかり試験時間が長くなるという欠点がある。特に、被試験A/D変換器のビット分解能が高くなればなるほど、扱うべき試験サンプル数を多く必要とするため処理に時間がかかり、試験時間の増大が顕著になる欠点がある。さらには、試験時間が上記メモリや演算処理を行うCPU等の性能に強く依存してしまうという欠点もある。
また、第2の従来例のように、メモリにコードを記録する前に統計処理を逐次することで処理時間の短縮を図る方法が考えられるが、一般的には、上記逐次的な統計処理を達成するためには、Nビットの被試験A/D変換器に対して、2N個の比較器と2N個のカウンタが必要であり、高精度なA/D変換器を試験する場合にこれを適用しようとすると回路規模が極端に大きくなり現実的でない。
本発明は、A/D変換器の非直線性誤差を求めるうえでの統計処理演算を測定信号入力と略同時に行う装置及び方法を実現することで、高精度な非直線性誤差の測定を可能とし、且つデータ処理時間を大幅に短縮する安価なA/D変換器試験装置及びA/D変換器の生産方法を提供することを目的とする。
本発明は、A/D変換器の量産工程における生産性の向上を図ることができ、A/D変換器自体のコストダウンを実現する測定速度が速いA/D変換器試験装置及びA/D変換器の生産方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被試験A/D変換器に測定信号を供給する信号発生手段と、前記測定信号を入力した被試験A/D変換器が第1のクロック信号に同期して出力するディジタルコードを前記第1のクロック信号に同期して演算処理し、各ディジタルコードの発生に係る統計値を計数する統計処理手段と、前記統計値を前記第1のクロックに同期して記録するメモリと、前記メモリに記録された各ディジタルコードの統計値と、前記統計値の累計値と、を用いて、所定の演算処理を行い、非直線性誤差を出力する演算手段と、を備えたことを特徴とするA/D変換器試験装置である。
請求項10に記載の発明は、A/D変換器を製造する製造ステップと、前記A/D変換器を試験する試験ステップとを有し、前記試験ステップは、被試験A/D変換器に測定信号を供給する信号発生ステップと、前記測定信号を入力した被試験A/D変換器が第1のクロック信号に同期して出力するディジタルコードを前記第1のクロック信号に同期して演算処理し、各ディジタルコードの発生に係る統計値を計数する統計処理ステップと、前記メモリに記録された各ディジタルコードの統計値と、前記統計値の累計値と、を用いて、所定の演算処理を行い、非直線性誤差を出力する演算ステップと、前記演算結果が所定の非直線性誤差閾値を越えた場合に、被試験A/D変換器を不良と判定する判定ステップと、を備えたことを特徴とするA/D変換器の生産方法である。
本発明においては、A/D変換器の非直線性誤差を求めるうえでの統計処理演算を測定信号入力と略同時に行うA/D変換器試験装置及びA/D変換器の生産方法を実現することが可能となる。本発明においては、第1の従来例と比較して、高精度な非直線性誤差の測定、且つデータ処理時間を大幅に削減するA/D変換器試験装置及びA/D変換器の生産方法を実現できる。また、第2の従来例と比較し、計数カウンタを非常に少なくできるため、装置の小型化、低価格化を実現できる。本発明のA/D変換器試験装置及びA/D変換器の生産方法をA/D変換器の量産工程に用いることにより、測定時間の短縮と、生産コストの低下とを実現できる。
請求項2に記載の発明は、前記測定信号は単調に増加又は減少する信号であって、前記統計処理手段は、前記被試験A/D変換器が出力するディジタルコードに基づいて単調に増加又は減少する参照コードを生成する参照コード発生手段と、前記ディジタルコードと前記参照コードとのコード差を算出する減算手段と、異なる値である複数のコード差のそれぞれの出現回数を計数し、各コード差の出現回数に基づいてそれぞれの値のディジタルコードの出現回数を計数する計数手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のA/D変換器試験装置である。
請求項3に記載の発明は、前記測定信号は単調に増加又は減少する信号であって、前記統計処理手段は、前記被試験A/D変換器が出力するディジタルコードから前記第1のクロック信号に同期して、前記測定信号と同一の方向に単調に変化する参照コードを発生する参照コード発生手段と、前記参照コードの変化を検出して検知信号を出力する検知手段と、前記被試験A/D変換器が出力するディジタルコードを前記第1のクロック信号に同期して遅延させる遅延回路と、前記遅延したディジタルコードと前記参照コードとのコード差を算出する減算手段と、前記コード差毎の出現回数を前記第1のクロック信号に同期して計数し、前記検知信号と前記コード差毎の出現回数とを用いて、それぞれの値のディジタルコードの出現回数を計数する計数手段と、各ディジタルコードの出現回数を累積加算する加算手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のA/D変換器試験装置である。
請求項11に記載の発明は、前記信号発生ステップにおいて、前記測定信号は単調に増加又は減少する信号であって、前記統計処理ステップは、前記被試験A/D変換器が出力するディジタルコードに基づいて単調に増加又は減少する参照コードを生成する参照コード発生ステップと、前記ディジタルコードと前記参照コードとのコード差を算出する減算ステップと、異なる値である複数のコード差のそれぞれの出現回数を計数し、各コード差の出現回数に基づいてそれぞれの値のディジタルコードの出現回数を計数する計数ステップと、を備えたことを特徴とする請求項10に記載のA/D変換器の生産方法である。
第2の従来例のA/D変換器試験装置は、Nビットの被試験A/D変換器に対して、2N個の比較器と2N個のカウンタを必要とした。本発明においては、参照コードを生成し、被試験A/D変換器が出力するディジタルコードと参照コードとのコード差を算出する。各コード差の出現回数を計数し、各コード差の出現回数に基づいて、被試験A/D変換器が出力する各ディジタルコードの出現回数を導出する。コード差の出現回数をそれぞれ計数するわずかな数の出現回数計数器を設けることにより、Nの値にかかわらず、各ディジタルコードの出現回数を導出できる。即ち、本発明においては、被試験A/D変換器が出力するディジタルコードを一旦相対値であるコード差に変換し、各コード差の出現回数を計数し、それらに基づいて各ディジタルコードの出現回数を導出する。
本発明は、A/D変換器の非直線性誤差を求めるうえでの統計処理演算を測定信号入力と略同時に行う装置及び方法を実現することで、高精度な非直線性誤差の測定を可能とし、且つデータ処理時間を大幅に短縮する安価なA/D変換器試験装置及びA/D変換器の生産方法を実現出来るという作用を有する。
本発明は、A/D変換器の量産工程における生産性の向上を図ることができ、A/D変換器自体のコストダウンを実現する測定速度が速いA/D変換器試験装置及びA/D変換器の生産方法を実現出来るという作用を有する。
参照コードの生成方法は任意である。典型的には、参照コードは、A/D変換器が出力するディジタルコードから、ノイズ等の影響による変動成分を取り除いて生成する。
請求項4に記載の発明は、前記測定信号が単調増加するランプ波の場合に参照コードの値が1増加したとき、もしくは、前記測定信号が単調減少するランプ波の場合に参照コードの値が1減少したとき、前記検知手段は前記検知信号を出力することを特徴とする請求項3に記載のA/D変換器試験装置である。
この構成により、被試験A/D変換器が出力する全ての値のディジタルコードの出現回数を正確に計数できる。
請求項5に記載の発明は、前記測定信号が単調増加するランプ波の場合に前記参照コードが減少したとき、もしくは、前記測定信号が単調減少するランプ波の場合に前記参照コードが増加したとき、被試験A/D変換器が非単調増加特性を有する不良品であると判断し、試験を中止する不良検知手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のA/D変換器試験装置である。
測定信号が増加するにもかかわらず参照コードが減少する等の微分非直線性誤差は、重大な欠陥であり、そのようなA/D変換器は不良である。本発明により、微分非直線性誤差の不良を有するA/D変換器を検出することができる。更に、不良A/D変換器の試験を中止して無駄な試験時間をなくすことにより、A/D変換器の量産工程における生産性を更に向上できる。
請求項6に記載の発明は、前記計数手段は、前記コード差毎の出現回数を前記第1のクロック信号に同期して計数し、前記検知信号が入力されたときにそれぞれの値のディジタルコードの出現回数を出力することを特徴とする請求項3に記載のA/D変換器試験装置である。この構成により、各コード差の出現回数に基づいて、被試験A/D変換器が出力する各ディジタルコードの出現回数を導出できる。
請求項7に記載の発明は、前記測定信号が単調に増加又は減少する信号であり、前記参照コードが前記測定信号と同一の方向に単調に変化するコードであって、前記計数手段は、前記ディジタルコードから前記参照コードを差し引いた値であるコード差が+1の出現回数を計数する第1の出現回数計数器と、前記コード差が0の出現回数を計数する第2の出現回数計数器と、前記コード差が−1の出現回数を計数する第3の出現回数計数器と、を少なくとも有し、前記参照コードの値が(j−1)である時(jは1以上の正整数)の前記第1の出現回数計数器の計数値と、前記参照コードの値がjである時の前記第2の出現回数計数器の計数値と、前記参照コードの値が(j+1)である時の前記第3の出現回数計数器の計数値と、を少なくとも加算した計数値を、値がjのディジタルコードの出現回数として出力することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のA/D変換器試験装置である。
上記の構成により、各コード差の出現回数に基づいて、元のディジタルコードの出現回数を計数できる。
コード差の出現回数計数器の数は4以上(コード差が+2の出現回数計数器、コード差が−2の出現回数計数器等)であっても良い。
請求項8に記載の発明は、前記測定信号が単調に増加する信号であり、前記参照コードが単調に増加するコードであって、前記第1の出現回数計数器は、前記参照コードの値が(j−1)である期間における前記コード差が+1の出現回数を計数し、前記参照コードの値が(j−1)からjにインクリメントされたタイミングで、前記第1の出現回数計数器の計数値を前記第2の出現回数計数器にロードし、前記第2の出現回数計数器はロードされた値を初期値として、前記コード差が0の出現回数を計数し、前記参照コードの値がjから(j+1)にインクリメントされたタイミングで、前記第2の出現回数計数器の計数値を前記第1の出現回数計数器にロードし、前記第3の出現回数計数器はロードされた値を初期値として、前記コード差が−1の出現回数を計数し、前記計数手段は、前記参照コードの値が(j+1)から(j+2)にインクリメントされたタイミングにおける前記第3の出現回数計数器を用いて、値がjのディジタルコードの出現回数を導出して、出力することを特徴とする請求項7に記載のA/D変換器試験装置である。
請求項9に記載の発明は、前記測定信号が単調に減少する信号であり、前記参照コードが単調に減少するコードであって、前記第3の出現回数計数器は、前記参照コードの値が(j+1)である期間における前記コード差が−1の出現回数を計数し、前記参照コードの値が(j+1)からjにデクリメントされたタイミングで、前記第3の出現回数計数器の計数値を前記第2の出現回数計数器にロードし、前記第2の出現回数計数器はロードされた値を初期値として、前記コード差が0の出現回数を計数し、前記参照コードの値がjから(j−1)にデクリメントされたタイミングで、前記第2の出現回数計数器の計数値を前記第1の出現回数計数器にロードし、前記第1の出現回数計数器はロードされた値を初期値として、前記コード差が+1の出現回数を計数し、前記計数手段は、前記参照コードの値が(j−1)から(j−2)にデクリメントされたタイミングにおける前記第1の出現回数計数器を用いて、値がjのディジタルコードの出現回数を導出して、出力することを特徴とする請求項7に記載のA/D変換器試験装置である。
本発明によれば、高速の加算器を設けることなく、簡単な構成で高速に動作するプリロード機能を有するカウンタを用いて、コード差の出現回数に基づいて、各ディジタルコードの出現回数を計数できる。本発明は、更に安価で高速のA/D変換器試験装置を実現できる。
本発明によれば、A/D変換器の非直線性誤差を求めるうえでの統計処理演算を測定信号入力と略同時に行う装置及び方法を実現することで、高精度な非直線性誤差の測定を可能とし、且つデータ処理時間を大幅に短縮する安価なA/D変換器試験装置及びA/D変換器の生産方法を実現出来るという有利な効果が得られる。
本発明によれば、A/D変換器の量産工程における生産性の向上を図ることができ、A/D変換器自体のコストダウンを実現する測定速度が速いA/D変換器試験装置及びA/D変換器の生産方法を実現出来るという有利な効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
《実施の形態》
図1、図2を用いて本発明の実施の形態のA/D変換器試験装置を説明する。図1は本実施の形態の構成を示す図である。図2は本実施の形態の処理手順を示すフローチャートである。図1において1は信号発生部、2は被試験A/D変換器、3は統計処理部、4はメモリ、5は演算部である。上記統計処理部3の10は遅延回路、11は参照コード発生回路、12は減算回路、13は検知回路、14は計数回路、15は加算回路、16は判定部である。
また、被試験A/D変換器2が発生するディジタルコードはDi、遅延回路10より出力されるディジタルコードはDi_d、参照コード発生回路11が発生する信号はDref、減算回路が出力するディジタルコードはDiffi、検知回路13が出力する検知信号はINCである。
信号発生部1は、時間対コード特性が一定の勾配で変化するいわゆるランプ信号Scを発生し、被試験A/D変換器2に供給する(図2のステップS1)。被試験A/D変換器2は、クロック信号CLK1に同期して、入力電圧Scのレベルに応じたディジタルコードDi(i=1,2,…,M、Mはサンプル数)を出力する(図2のステップS2)。なお、ここで、被試験A/D変換器2のビット数をN(Nは整数、且つN≧1)とすると、Diは0から2N−1までの2N種類の値をとる。例えば、12ビットA/D変換器の場合、その出力コードは“0”から“4095”までの4096種類である。
統計処理部3は、A/D変換器2より入力されたディジタルコードDiに基づき、各ディジタルコードの出現回数をクロック信号CLK1と同期して逐次計数する。計数したディジタルコードj(j=0,1,2,…,2N−1、Nは被試験A/D変換器2のビット数)の出現回数CNTjをクロック信号CLK1と同期してメモリ4に出力する(図2のステップS3)。同時に、ディジタルコード1から2N−2までの出現回数CNTjの値の合計SUMを算出し、演算部5に出力する。アンダーフロー期間(ディジタルコード0)及びオーバーフロー期間(ディジタルコード2N−1)の出現回数は合計SUMに含めない。
メモリ4は、統計処理部3が出力した各ディジタルコードの出現回数CNTjを記録する(図2のステップS4)。メモリ4は、ステップS1からステップS4までの処理をサンプル数M回繰り返すことにより、被試験A/D変換器2のビット数に応じた2N個の各ディジタルコードの出現回数CNTjを記録する。
演算部5は、統計処理回路3から合計SUMを入力し、メモリ4から各ディジタルコードの出現回数CNTjを読み出す。合計SUMと各ディジタルコードの出現回数CNTjに基づいて所定の演算を行い、非直線性誤差値を算出する。演算部5の数値計算を説明する。
まず、ディジタルコードの出現回数の合計SUMより、全ディジタルコード数に対する出現回数の平均値(=SUM/(2N−2))を求める。これを出現回数の期待値IPとする。メモリ4に記録された各コードの出現回数CNTjを順次読み出す(図2のステップS5)。ステップS5より微分非直線性誤差(DNLj)は、(DNLj=(CNTj/IP)−1.0)の計算式により算出できる。積分非直線性誤差(INLj)は、(INLj=DNL1+DNL2+…DNLj)の計算式により算出できる(図2のステップS6)。非直線性誤差算出は、被試験A/D変換器2のビット数に応じて、ステップS5とステップS6を2N回繰り返して求めることができる。
なお、クロック信号CLK1は被試験A/D変換器2、統計処理回路3、メモリ4を同期する。クロック信号CLK2は、上記メモリ4からのデータ読み出し、及び演算回路5を同期する。クロック信号CLK1とクロック信号CLK2は同一のクロックでも構わないが、別にした場合は、メモリ4と演算回路5の処理を満たす最高動作周波数で駆動すればより高速な処理が可能となる。
以下、図1、3、4及び5を用いて、統計処理部3の演算処理動作を説明する。図3は、信号発生部1より発生されたアナログ入力信号Scの波形を示している。図3のように、本発明の実施の形態におけるアナログ入力信号Scは、最小レベルVL から最大レベルVH まで、時間対アナログ電圧特性が一定の勾配で変化するランプ波である。実施の形態では上昇ランプ波の場合を説明したが、下降ランプ波でも構わない。
図4(a)は、アナログ入力信号SC に応じて、被試験A/D変換器2から出力されたディジタルコードDiを示している。被試験A/D変換器2は、アナログ入力電圧SC が図3に示すレベルVL '以下にあるとき、ディジタルコード“0”を出力する(アンダーフロー)。アナログ入力電圧SC がレベルVH '以上にあるとき、ディジタルコード“2N−1”を出力する(オーバーフロー)。アンダーフローとオーバーフロー期間分を除いては、ディジタルコードDiは入力されたアナログ信号SCのレベル変化に応じて、階段状に変化していく。図4(b)は、図4(a)の中の、ディジタルコードの値がjの部分を拡大した図である。
理想的には、ディジタルコードDiがjからj+1に変化する遷移点のアナログ入力電圧は一意に決まるはずである。しかし、実際にはノイズ等の影響により、図4で示すように、ディジタルコードjとj+1との間を数回振動した後、コードj+1に安定するという動作を繰り返す。なお、ここでコード遷移間の変動量はノイズレベルの大小により、例えばj→j+2→jなどのように、2以上飛び越えたコードが生じることもあり得る。
統計処理部3は、この遷移点にランダム性を有するディジタルコードDiに対して、遅延回路10、参照コード発生回路11、減算回路12、検知回路13、計数回路14を用いることで、ディジタルコードDiのランダム性を修正しながら逐次統計的な処理を行うことにより、各ディジタルコードの非直線性誤差を算出する。
参照コード発生回路11は、被試験A/D変換器2より出力されたコード間の遷移にランダム性を有するディジタルコードDiに基づき、ディジタル信号処理によりコード遷移間の振動を除いた単調増加する参照コードDrefを発生する。参照コードDrefは、減算回路12の被減算コード値として用いられる。例えば参照コード発生回路11は、被試験A/D変換器2の出力コードDiと1クロック前の出力コードDi_1との2クロック分の移動平均をとり、これをi番目の参照コードDrefとする。移動平均をとることにより、コード間遷移点のランダム性が除去された単調増加する参照コードDrefが発生される。尚、本実施形態では、この参照コードを発生させる方法は2クロック分の移動平均としたが、2クロック以上の移動平均でも良い。
遅延回路10は、被試験A/D変換器2より入力されたディジタルコードDiを所定のクロック数分遅延し、減算回路12にディジタルコードDi_dを出力する。遅延回路10における遅延時間は、参照コード発生回路11がディジタルコードDiを入力して参照コードDrefを出力するまでの処理時間(遅延時間)に等しい。実施の形態の遅延回路10は、被試験A/D変換器2より入力されたディジタルコードDiを1クロック分遅延して、ディジタルコードDi_dを出力する
減算回路12は、遅延回路10により入力されたディジタルコードDi_dと参照コード発生回路より入力された参照コードDrefを入力し、コード差Diffi(=Di_d−Dref)を算出する。つまり、現在被試験A/D変換器2より出力されたディジタルコードDiが参照コードDrefに対して何LSB離れているのかを算出する。
検知回路13は、上記参照コード発生回路11より入力された参照コードDrefが1段階上昇(例えば参照コードがjからj+1に上昇)したのを検知したとき、Highレベルの検知信号INCを出力する。
計数回路14は、コード差Diffi=+1の出現回数を計数する第1の出現回数計数器と、コード差Diffi=0の出現回数を計数する第2の出現回数計数器と、コード差Diffi=−1の出現回数を計数する第3の出現回数計数器と、を有する。
検知信号INCがHighになった瞬間、即ち参照コードが上昇した瞬間に、計数回路14内で以下のカウント値の授受が行われる。参照コードの値がj−1からjに上昇した瞬間に、第1の出現回数計数器の1クロック前のカウント値C+1を、第2の出現回数計数器のカウンタ値C0としてロードする。このとき同時に、第1の出現回数計数器のカウント値C+1を0にリセットする。即ち、第2の出現回数計数器のカウンタ値C0としてロードされたカウント値C+1は、参照コードDrefがj−1の期間におけるコード差Diffi=+1(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数である。
参照コードの値がjからj+1に上昇した瞬間に、第2の出現回数計数器の1クロック前のカウント値C0を、第3の出現回数計数器のカウンタ値C-1としてロードする。このとき同時に、第1の出現回数計数器の1クロック前のカウント値C+1を、第2の出現回数計数器のカウンタ値C0としてロードする。即ち、第3の出現回数計数器のカウンタ値C-1としてロードされたカウント値C0は、参照コードDrefがj−1の期間におけるコード差Diffi=+1(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数と、参照コードDrefがjの期間におけるコード差Diffi=0(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数と、を加算した値である。
参照コードの値がj+1からj+2に上昇した瞬間に、計数回路14は、第3の出現回数計数器の1クロック前のカウント値C-1をCNTjとして出力する。このとき同時に、第2の出現回数計数器の1クロック前のカウント値C0を、第3の出現回数計数器のカウンタ値C-1としてロードする。即ち、ディジタルコードjの出現回数CNTjは、参照コードDrefがj−1の期間におけるコード差Diffi=+1(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数と、参照コードDrefがjの期間におけるコード差Diffi=0(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数と、参照コードDrefがj+1の期間におけるコード差Diffi=−1(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数と、を加算した値である。図4(b)は、参照コードがj−1、j、j+1の時のディジタルコードの値を図示する。図4(b)は、上記のようにして算出されたカウント値(出現回数)CNTjが、正しくディジタルコードの出現回数(統計値)であることを示す。
計数回路14が出力したカウント値(出現回数)CNTjは、メモリ4及び加算回路15に出力される。メモリ4は、計数値CNTjを記録する。
計数回路14が出力したカウント値(出現回数)CNTjは、値jのディジタルコードの出現回数(統計値)である。
加算回路15は、計数回路14によって計数された2N個のディジタルコードのそれぞれの出現回数CNTjを入力し、ディジタルコード1から2N−2までを累積加算して、合計値SUMを算出し、演算部5に出力する。演算部5は、メモリ4に記録された出現回数CNTjと加算回路15が算出した合計値SUMを基に、所定の演算を行って積分非直線性誤差と微分非直線性誤差とを算出する。
判定部16は、積分非直線性誤差と微分非直線性誤差とを入力し、それぞれ所定の許容範囲内か否かを調べ、許容範囲内であれば被試験A/D変換器2が積分非直線性誤差及び微分非直線性誤差に関して良品であると判断し、許容範囲外であれば被試験A/D変換器2が不良品であると判断する。測定信号が単調増加するランプ波であるにもかかわらず参照コードが減少したことを検知回路13が検知すると、検知回路13が判定部16にそのことを伝え、判定部16は被試験A/D変換器が非単調増加特性を有する不良品であると判断し、試験を中止する。
次に、図5を用いて統計処理回路3の動作を説明する。図5は、ディジタルコードDiがコードjからj+2付近における統計処理部3のタイミングチャートを示している。図5において、統計処理部3に入力される測定信号は上昇ランプ波信号である。
ここでは、クロック信号CLK1のフェーズP1〜P10において説明する。被試験A/D変換器2は、ディジタルコードj−1をフェーズP2で出力する。ディジタルコードjをフェーズP1、P3〜7、P9で出力する。ディジタルコードj+1をフェーズP8、P10で出力する。
ディジタルコードDi_dは、被試験A/D変換器2より入力されたディジタルコードDiを遅延回路10により1クロック分遅延されたコードであるため、ディジタルコードj−1をフェーズP3で出力する。ディジタルコードjをフェーズP2、P4〜8、P10で出力する。ディジタルj+1をフェーズP9で出力する。
単調増加する参照コードDrefは、ディジタルコードj−1をフェーズP1、2で出力する。ディジタルコードjをフェーズP3〜9で出力する。ディジタルコードj+1をフェーズP10で出力する。
減算回路12により出力されるディジタルコードDiffiは、ディジタルコードDi_dとディジタルコードDrefとの差であるため、フェーズP1、P4〜P8では0を出力する。フェーズP2、P9では+1を出力する。フェーズP3、P10では−1を出力する。
計数回路14の3個のカウンタ(第1〜3の出現回数計数器)は、ディジタルコードDiffiの値に応じて、カウント値C-1、C0、C+1を計数する。計数回路14は検知信号INCがHighになる立ち上がりエッジで、即ち参照コードDrefが一段階上昇したタイミングで、第1の出現回数計数器の1クロック前のカウント値C+1を第2の出現回数計数器のカウント値C0としてロードし、第2の出現回数計数器の1クロック前のカウント値C0を第3の出現回数計数器のカウント値C-1としてロードし、第3の出現回数計数器のカウント値C-1をCNTjとして出力する。
3個のカウンタの動作を具体的に説明する。フェーズP1ではカウンタ値C-1、C0、C+1はそれぞれ0、5、8を示している。フェーズP2においては、Diffiが+1であるため、C+1をカウントアップし、カウンタ値C-1、C0、C+1はそれぞれ1、5、8となる。フェーズP3において、参照コードDrefがj−1からjに一段階上昇したため、検知信号INCがHighになり、フェーズP2のカウンタ値C-1、C0、C+1はフェーズP3のそれぞれC0、C+1、CNTj-2に転送される。同時にフェーズ3のC-1には、値0が転送される。ここで、転送されたCNTj-2はメモリ4に記録される。
また、フェーズP3において、Diffiが−1であるため、フェーズP3のC-1はカウントアップされる。つまり、フェーズP3のカウンタ値C-1、C0、C+1及びCNTjはそれぞれ0、1、6、8となる。
以降、同様にして、フェーズP4〜P8までは、Diffiが0であるため、カウンタ値C0をカウントアップする。フェーズP9では、Diffiが+1であるため、カウンタ値C+1をカウントアップする。フェーズP10では、Drefがjからj+1に一段階上昇したため、上記と同様にカウンタ値を転送し、且つDiffiが−1であるため、C-1をカウントアップする。
本発明の実施の形態では、計数回路14を3個のカウンタで構成したため、値jのディジタルコードに対する出現回数CNTjは、参照コードDrefがj+2になったときにメモリ4に記録されることになる。つまり、本発明の実施の形態は、コード出現回数のカウントをクロック信号CLK1に同期してパイプライン処理をしている。これにより、被試験A/D変換器2がディジタルコードDiを出力後、数クロック以内にディジタルコードDiの出現回数CNTjを計数することを可能とした。
前述の統計処理動作をサンプル数M回繰り返すことによって、被試験A/D変換器2のビット数Nに応じた2N個の各ディジタルコードDiの出現回数CNTjを計数することができる。
実施の形態では、計数回路14は3個のカウンタで構成されているとしたが、その個数はディジタルコードDiの遷移点の振動量に応じて設定すればよい。つまり、3個以上の任意の数のカウンタで構成してもよい。例えばコード差が−2、−1、0、+1、+2の5個のカウンタで構成する。
次に、信号発生回路1より単調増加するランプ信号を発信しているにもかかわらず、参照コード発生回路11より出力された参照コードDrefが1段階以上、下降した場合を説明する。信号発生回路1より単調増加するランプ信号を発信した場合、被試験A/D変換器2が正常動作しているならば、入力信号に対応して被試験A/D変換器2のディジタルコードDiは増加特性を示す。つまり、参照コードDrefは全コードにおいて単調増加特性を示すはずである。
しかし、被試験A/D変換器2が特定のコードで非単調増加特性を有する場合、その特定のコードにおいて参照コードDrefは1段階以上、下降する。このとき、検知回路13は、被試験A/D変換器が非単調増加特性を有するいわゆる不良品であると判定し、即座に試験をストップさせる信号を判定部16に送信する。
図10を用いて、本発明のA/D変換器の生産方法を説明する。図10は、本発明のA/D変換器の生産方法のフローチャートである。最初に、A/D変換器を製造する(S1001)。次に、本発明のA/D変換器試験装置を用いて、製造したA/D変換器の試験を行う(S1002)。S1002は、S1003、S1004、S1008〜S1011を有する。まず、信号発生部1は、被試験A/D変換器2に単調増加するランプ信号である測定信号を供給する(S1003)。被試験A/D変換器2は測定信号を入力し、ディジタルコードを出力する。
S1004で統計処理を行う。統計処理ステップS1004は、S1005〜S1008を有する。参照コード発生回路11は、被試験A/D変換器2が出力したディジタルコードから、ノイズ等に起因するランダム性を除き、単調増加する参照コードDrefを生成する(S1005)。減算回路12は、被試験A/D変換器2が出力するディジタルコードから参照コードDrefを差し引いて、コード差Diffiを算出する(S1006)。計数回路14は、各コード差Diffi毎の出現回数C-1、C0、C+1を計数する(S1007)。計数回路14は、各コード差Diffi毎の出現回数C-1、C0、C+1から、各ディジタルコードの出現回数CNTjを導出する(S1008)。
統計処理ステップS1004の次に、計数結果(各ディジタルコードの出現回数CNTj)をメモリ4に記録する(S1009)。演算部5は、メモリ4に記録した計数結果(各ディジタルコードの出現回数CNTj)と、ディジタルコード1〜2N−2の出現回数と、に基づいて、A/D変換器の非直線性誤差を演算する(S1010)。判定部16は、所定の閾値に基づいて、被試験A/D変換器2の良否を判定する(S1011)。
測定信号として単調減少するランプ信号を用いた場合おける、統計処理部3の構成を説明する。参照コード発生回路11は、単調減少する参照コードDrefを生成する。
計数回路14は、コード差Diffi=+1の出現回数を計数する第1の出現回数計数器と、コード差Diffi=0の出現回数を計数する第2の出現回数計数器と、コード差Diffi=−1の出現回数を計数する第3の出現回数計数器と、を有する。第3の出現回数計数器は、参照コードDrefの値が(j+1)である期間におけるコード差が−1の出現回数を計数する。
第3の出現回数計数器は、参照コードDrefの値が(j+1)の期間におけるコード差Diffi=−1(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数を計数する。参照コードDrefの値が(j+1)からjにデクリメントされたタイミングで、第3の出現回数計数器の計数値C-1を第2の出現回数計数器にロードし、計数値C-1を0にリセットする。第2の出現回数計数器はロードされた値を初期値として、コード差Diffi=0(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数C0を計数する。参照コードDrefの値がjから(j−1)にデクリメントされたタイミングで、第2の出現回数計数器の計数値C0を第1の出現回数計数器にロードする。第1の出現回数計数器は、ロードされた値を初期値として、コード差Diffi=+1(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数C+1を計数する。第1の出現回数計数器のカウンタ値C+1としてロードされたカウント値C0は、参照コードDrefがj+1の期間におけるコード差Diffi=−1(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数と、参照コードDrefがjの期間におけるコード差Diffi=0(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数と、を加算した値である。
計数回路14は、参照コードDrefの値が(j−1)から(j−2)にデクリメントされたタイミングで、計数回路14は、第1の出現回数計数器の1クロック前のカウント値C+1をCNTjとして出力する。このとき同時に、第2の出現回数計数器の1クロック前のカウント値C0を、第1の出現回数計数器のカウンタ値C+1としてロードする。即ち、ディジタルコードjの出現回数CNTjは、参照コードDrefがj+1の期間におけるコード差Diffi=−1(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数と、参照コードDrefがjの期間におけるコード差Diffi=0(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数と、参照コードDrefがj−1の期間におけるコード差Diffi=+1(ディジタルコードDi_dがj)の出現回数と、を加算した値である。
計数回路14が出力したカウント値(出現回数)CNTjは、値jのディジタルコードの出現回数(統計値)である。出現回数CNTjはメモリ4及び加算回路15に出力される。メモリ4は、計数値CNTjを記録する。
本発明の実施の形態は、A/D変換器の非直線性誤差を求めるうえでの統計処理演算を測定信号入力と略同時に行う装置及び方法を実現する。A/D変換器の高精度な非直線性誤差の測定を可能とし、且つデータ処理時間を大幅に短縮する安価なA/D変換器試験装置及びA/D変換器の生産方法を実現する
また、試験過程で被試験A/D変換器より、非単調増加特性が発生した場合には、即座に試験を中止できるため、試験時間の短縮が図れる。
本発明は、A/D変換器試験装置として有用である。
本発明の実施の形態に係るA/D変換器試験装置の構成図 本発明の実施の形態に係るA/D変換器試験装置の処理手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態に係るアナログ入力信号の波形図 本発明の実施の形態に係るA/D変換器の出力コードを示す図 本発明の実施の形態に係る統計処理部の動作を示すタイミングチャート 第1の従来例のA/D変換器試験装置の構成図 第1の従来例のA/D変換器試験装置の処理手順を示すフローチャート 第2の従来例のA/D変換器試験装置の統計処理回路の構成図 第2の従来例のA/D変換器試験装置の統計処理手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態のA/D変換器の生産方法のフローチャート
符号の説明
1、21 信号発生部
2、22 被試験A/D変換器
3 統計処理部
4、23 メモリ
5 数値計算する演算部
10 遅延回路
11 参照コード発生回路
12 比較回路
13 検知回路
14 計数回路
15 加算回路
16 判定部
24 統計処理と数値計算をする演算部
25 カウンタ
31 比較器
32 計数カウンタ

Claims (11)

  1. 被試験A/D変換器に測定信号を供給する信号発生手段と、
    前記測定信号を入力した被試験A/D変換器が第1のクロック信号に同期して出力するディジタルコードを前記第1のクロック信号に同期して演算処理し、各ディジタルコードの発生に係る統計値を計数する統計処理手段と、
    前記統計値を前記第1のクロックに同期して記録するメモリと、
    前記メモリに記録された各ディジタルコードの統計値と、前記統計値の累計値と、を用いて、所定の演算処理を行い非直線性誤差を出力する演算手段と、
    を備えたことを特徴とするA/D変換器試験装置。
  2. 前記測定信号は単調に増加又は減少する信号であって、
    前記統計処理手段は、
    前記被試験A/D変換器が出力するディジタルコードに基づいて単調に増加又は減少する参照コードを生成する参照コード発生手段と、
    前記ディジタルコードと前記参照コードとのコード差を算出する減算手段と、
    異なる値である複数のコード差のそれぞれの出現回数を計数し、各コード差の出現回数に基づいてそれぞれの値のディジタルコードの出現回数を計数する計数手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のA/D変換器試験装置。
  3. 前記測定信号は単調に増加又は減少する信号であって、
    前記統計処理手段は、
    前記被試験A/D変換器が出力するディジタルコードから前記第1のクロック信号に同期して、前記測定信号と同一の方向に単調に変化する参照コードを発生する参照コード発生手段と、
    前記参照コードの変化を検出して検知信号を出力する検知手段と、
    前記被試験A/D変換器が出力するディジタルコードを前記第1のクロック信号に同期して遅延させる遅延回路と、
    前記遅延したディジタルコードと前記参照コードとのコード差を算出する減算手段と、
    前記コード差毎の出現回数を前記第1のクロック信号に同期して計数し、前記検知信号と前記コード差毎の出現回数とを用いて、それぞれの値のディジタルコードの出現回数を計数する計数手段と、
    各ディジタルコードの出現回数を累積加算する加算手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のA/D変換器試験装置。
  4. 前記測定信号が単調増加するランプ波の場合に参照コードの値が1増加したとき、もしくは、前記測定信号が単調減少するランプ波の場合に参照コードの値が1減少したとき、前記検知手段は前記検知信号を出力することを特徴とする請求項3に記載のA/D変換器試験装置。
  5. 前記測定信号が単調増加するランプ波の場合に前記参照コードが減少したとき、もしくは、前記測定信号が単調減少するランプ波の場合に前記参照コードが増加したとき、被試験A/D変換器が非単調増加特性を有する不良品であると判断し、試験を中止する不良検知手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のA/D変換器試験装置。
  6. 前記計数手段は、前記コード差毎の出現回数を前記第1のクロック信号に同期して計数し、前記検知信号が入力されたときにそれぞれの値のディジタルコードの出現回数を出力することを特徴とする請求項3に記載のA/D変換器試験装置。
  7. 前記測定信号が単調に増加又は減少する信号であり、前記参照コードが前記測定信号と同一の方向に単調に変化するコードであって、
    前記計数手段は、
    前記ディジタルコードから前記参照コードを差し引いた値であるコード差が+1の出現回数を計数する第1の出現回数計数器と、前記コード差が0の出現回数を計数する第2の出現回数計数器と、前記コード差が−1の出現回数を計数する第3の出現回数計数器と、を少なくとも有し、
    前記参照コードの値が(j−1)である時(jは1以上の正整数)の前記第1の出現回数計数器の計数値と、前記参照コードの値がjである時の前記第2の出現回数計数器の計数値と、前記参照コードの値が(j+1)である時の前記第3の出現回数計数器の計数値と、を少なくとも加算した計数値を、値がjのディジタルコードの出現回数として出力することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のA/D変換器試験装置。
  8. 前記測定信号が単調に増加する信号であり、前記参照コードが単調に増加するコードであって、
    前記第1の出現回数計数器は、前記参照コードの値が(j−1)である期間における前記コード差が+1の出現回数を計数し、
    前記参照コードの値が(j−1)からjにインクリメントされたタイミングで、前記第1の出現回数計数器の計数値を前記第2の出現回数計数器にロードし、前記第2の出現回数計数器はロードされた値を初期値として、前記コード差が0の出現回数を計数し、
    前記参照コードの値がjから(j+1)にインクリメントされたタイミングで、前記第2の出現回数計数器の計数値を前記第1の出現回数計数器にロードし、前記第3の出現回数計数器はロードされた値を初期値として、前記コード差が−1の出現回数を計数し、
    前記計数手段は、前記参照コードの値が(j+1)から(j+2)にインクリメントされたタイミングにおける前記第3の出現回数計数器を用いて、値がjのディジタルコードの出現回数を導出して、出力することを特徴とする請求項7に記載のA/D変換器試験装置。
  9. 前記測定信号が単調に減少する信号であり、前記参照コードが単調に減少するコードであって、
    前記第3の出現回数計数器は、前記参照コードの値が(j+1)である期間における前記コード差が−1の出現回数を計数し、
    前記参照コードの値が(j+1)からjにデクリメントされたタイミングで、前記第3の出現回数計数器の計数値を前記第2の出現回数計数器にロードし、前記第2の出現回数計数器はロードされた値を初期値として、前記コード差が0の出現回数を計数し、
    前記参照コードの値がjから(j−1)にデクリメントされたタイミングで、前記第2の出現回数計数器の計数値を前記第1の出現回数計数器にロードし、前記第1の出現回数計数器はロードされた値を初期値として、前記コード差が+1の出現回数を計数し、
    前記計数手段は、前記参照コードの値が(j−1)から(j−2)にデクリメントされたタイミングにおける前記第1の出現回数計数器を用いて、値がjのディジタルコードの出現回数を導出して、出力することを特徴とする請求項7に記載のA/D変換器試験装置。
  10. A/D変換器を製造する製造ステップと、前記A/D変換器を試験する試験ステップとを有し、
    前記試験ステップは、
    被試験A/D変換器に測定信号を供給する信号発生ステップと、
    前記測定信号を入力した被試験A/D変換器が第1のクロック信号に同期して出力するディジタルコードを前記第1のクロック信号に同期して演算処理し、各ディジタルコードの発生に係る統計値を計数する統計処理ステップと、
    各ディジタルコードの統計値と、前記統計値の累計値と、を用いて、所定の演算処理を行い非直線性誤差を出力する演算ステップと、
    前記演算結果が所定の非直線性誤差閾値を越えた場合に、被試験A/D変換器を不良と判定する判定ステップと、
    を備えたことを特徴とするA/D変換器の生産方法。
  11. 前記信号発生ステップにおいて、前記測定信号は単調に増加又は減少する信号であって、
    前記統計処理ステップは、
    前記被試験A/D変換器が出力するディジタルコードに基づいて単調に増加又は減少する参照コードを生成する参照コード発生ステップと、
    前記ディジタルコードと前記参照コードとのコード差を算出する減算ステップと、
    異なる値である複数のコード差のそれぞれの出現回数を計数し、各コード差の出現回数に基づいてそれぞれの値のディジタルコードの出現回数を計数する計数ステップと、
    を備えたことを特徴とする請求項10に記載のA/D変換器の生産方法。
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